(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022170253
(43)【公開日】2022-11-10
(54)【発明の名称】飛散防止ノズル装置
(51)【国際特許分類】
B05B 1/06 20060101AFI20221102BHJP
B05B 1/10 20060101ALI20221102BHJP
B05B 1/22 20060101ALI20221102BHJP
B05B 12/00 20180101ALI20221102BHJP
B08B 3/02 20060101ALI20221102BHJP
【FI】
B05B1/06
B05B1/10
B05B1/22
B05B12/00 Z
B08B3/02 G
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021076272
(22)【出願日】2021-04-28
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-09-16
(71)【出願人】
【識別番号】300088348
【氏名又は名称】芝浦サービス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002608
【氏名又は名称】弁理士法人オーパス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】弦井 英次
【テーマコード(参考)】
3B201
4F033
4F035
【Fターム(参考)】
3B201AB51
3B201BB32
4F033AA04
4F033BA04
4F033DA01
4F033EA01
4F033JA00
4F033NA01
4F035AA01
4F035BA21
4F035BC05
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ノズル噴射された水の勢いを途中で低下ないしは緩和させて送り、水の飛沫が飛び散らずに洗浄を行える飛散防止ノズル装置を提供する。
【解決手段】管状のガイド筒2と、ノズルアセンブリ3と、ノズルアセンブリをガイド筒の内部に固定する固定具4とを備えた飛散防止ノズル装置である。ノズルアセンブリは、先端から水を噴射するノズルと、ノズルを支持するブッシュと、ブッシュ及びノズルを収容支持するソケットと、ノズル側の部材と水供給源側の部材とを連結するニップルと、ニップルに結合されまたホースに繋がれて高圧ポンプからの高圧水流を受けるカプラーと、ニップルとカプラーとの間に装填されてノズルアセンブリをガイド筒に対して設置決めするワッシャーとを有し、ガイド筒の内部に高圧ポンプからの水流を噴射して、噴射水滴を前記ガイド筒の内部で複数回にわたり反射と衝突を繰り返させて突出水流を生成する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
管状のガイド筒と、
ガイド筒の内部に固定取り付けされたノズルアセンブリと、
前記ノズルアセンブリを前記ガイド筒の内部に固定取り付けする固定具と、を備えてなり、
前記ノズルアセンブリは、一端が高圧ポンプに接続された配管部材の他端に接続されており、前記ガイド筒の内部に水流を噴射して、当該噴射水の水滴を前記ガイド筒の内部で複数回にわたり反射と衝突を繰り返させて突出水流を生成する、
ことを特徴とする飛散防止ノズル装置。
【請求項2】
ノズルアセンブリは、先端から水を噴射するノズルと、当該ノズルを取付け支持するブッシュと、ブッシュを収容固定して当該ブッシュとノズルを支持するソケットと、ソケットに結合されてノズル側の部材と水供給源側の部材とを連結するニップルと、先端側がニップルに結合され後端側がホースに繋がれて高圧ポンプからの高圧水流を受け入れるカプラーと、前記ニップルとカプラーとの間に装填されて前記ノズルアセンブリを前記ガイド筒に対して設置固定するワッシャーと、から構成され、
ノズルはブッシュ内に収まった状態で、ソケット内に収容固定されて保護され、
ノズルアセンブリは、ガイド筒内の設置位置で、ワッシャーがガイド筒の入口端面に当接して位置決めされ、固定具による固定動作が前記ノズルアセンブリの胴体部に作用してガイド筒の内部に固定支持される、
ことを特徴とする請求項1に記載の飛散防止ノズル装置。
【請求項3】
ノズルには、水の噴射方向により、放射タイプ、或いは扇形タイプのものが使用されることを特徴とする請求項2に記載の飛散防止ノズル装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物の壁や床、或いは建物内外に設置された各種設備を洗浄する場合に使用される飛散防止ノズル装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
建物の壁や床を洗浄したり、或いは建物内外に設置された各種設備を洗浄するに際して、高圧ポンプから送り出される高圧の熱湯や温水を被洗浄面に噴射し、被洗浄面上の微小傷内などに付着した汚れをきれいに洗い落す洗浄機能を持った水噴射装置、或いはノズル装置が使用されている。このようなノズル装置の従来例としては、例えば特許文献1に記載されたものがある。
【0003】
特許文献1に記載されたノズル装置は、水排出口側端部に、高圧位置と低圧位置との間を切替機構により切り替え可能な噴射ノズルを有するノズル管を備える洗浄機であって、このノズル管は、バルブにより閉鎖可能な空気取入口を有し、前記バルブの機能は、噴射ノズルの切替機構と連結し、前記噴射ノズルがその低圧位置からその高圧位置へと切り替えると、前記バルブは前記空気取入口を閉鎖するようにした洗浄機に使用されるものである。このノズル装置において、ノズルから被洗浄面(床面等)に水を噴射させると、その水流の勢いにより被洗浄部の汚れが取り除かれるという動作を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このような従来のノズル装置にあっては、ノズルから噴射される高圧水流によって被洗浄部の汚れが取り除かれるが、高圧水流の勢いが強いために水の飛沫が辺りに飛び散るという現象が起こる。そのため、水の飛沫が辺りに飛び散ることにより、被洗浄部の周囲の建物部分や設備を汚してしまう虞があった。
【0006】
本発明は前記従来の問題点に鑑みてなされたもので、その第1の目的は、ノズル噴射された水の勢いを途中で低下ないしは緩和させて送り、水の飛沫が飛び散らないように洗浄を行える飛散防止ノズル装置を提供することである。
【0007】
本発明の第2の目的は、ノズル噴射された噴射水の水滴をガイド筒の内部で複数回にわたり反射と衝突を繰り返させ、水塊からなる突出水流を生成し、この水流の力により被洗浄部を洗浄することができる飛散防止ノズル装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は前記目的を達成するため、第1態様として、管状のガイド筒と、ガイド筒の内部に固定取り付けされたノズルアセンブリと、前記ノズルアセンブリを前記ガイド筒の内部に固定取り付けする固定具とを含み、前記ノズルアセンブリは、一端が高圧ポンプに接続された配管部材の他端に接続されており、前記ガイド筒の内部に水流を噴射して、当該噴射水の水滴を前記ガイド筒の内部で複数回にわたり反射と衝突を繰り返させて突出水流を生成する飛散防止ノズル装置を要旨とする。
【0009】
この態様によれば、ノズルアセンブリから噴射された噴射水の水滴は、ガイド筒の内部で複数回にわたり反射と衝突を繰り返して他の水滴との間で衝突が起って水滴同士の結合が生じ、次第に水滴のサイズが大きくなり、ガイド筒の出口端から出るときは水塊となって突出水流を生成する。これにより、突出水流が被洗浄部に当たって洗浄できるという効果が得られる。
【0010】
本発明の第2態様に係る飛散防止ノズル装置は、第1態様に係る飛散防止ノズル装置において、ノズルアセンブリは、先端から水を噴射するノズルと、当該ノズルを取付け支持するブッシュと、ブッシュを収容固定して当該ブッシュとノズルを支持するソケットと、ソケットに結合されてノズル側の部材と水供給源側の部材とを連結するニップルと、先端側がニップルに結合され後端側がホースに繋がれて高圧ポンプからの高圧水流を受け入れるカプラーと、前記ニップルとカプラーとの間に装填されて前記ノズルアセンブリを前記ガイド筒に対して設置固定するワッシャーと、から構成されることを要旨とする。
【0011】
この態様によれば、ノズルはブッシュ内に収まった状態で、ソケット内に収容固定されるから、確実な保護が得られる。また、ノズルアセンブリは、ガイド筒内の設置位置で、ワッシャーがガイド筒の入口端面に当接して位置決めされ、固定具による固定動作が前記ノズルアセンブリの胴体部に作用してガイド筒の内部に固定支持されるから、ノズルアセンブリのガイド筒内の位置が正しく設定され、その上でノズルアセンブリの取付固定が確実に行われるという効果が得られる。
【0012】
本発明の第3態様に係る飛散防止ノズル装置は、第2態様に係る飛散防止ノズル装置において、ノズルには、水の噴射方向により、放射タイプ、或いは扇形タイプのものが使用されることを要旨とする。
【0013】
この態様によれば、水の噴射方向が広がることにより、ガイド筒の内部の広範囲にわたって噴射水の水滴に反射と衝突を繰り返させることができ、より多くの量の突出水流を生成できるという効果が得られる。
【発明の効果】
【0014】
また、本発明によれば、ノズルアセンブリから噴射された水の勢いを途中で低下ないしは緩和させて送り、水の飛沫が飛び散らないように洗浄を行うから、汚れが周囲に広がることを防止することができる。
【0015】
本発明によれば、ノズルアセンブリから噴射された噴射水の水滴を、ガイド筒の内部で複数回にわたり反射と衝突を繰り返させて他の水滴との間で衝突が起こさせ、水滴同士の結合により水塊からなる突出水流を生成するから、突出水流が被洗浄部に当たって効率良く洗浄できるといった顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の一実施の形態に係る飛散防止ノズル装置の全体を示す正面図である。
【
図2】前記実施の形態に備えられたノズルアセンブリの正面図である。
【
図3】前記実施の形態に備えられたノズルアセンブリを分解して示す正面分解図である。
【
図4】前記実施の形態におけるガイド筒内を進む水滴の進行状態の例を説明する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の一実施の形態に係る飛散防止ノズル装置の全体を示す正面図である。この飛散防止ノズル装置1は、中空の貫通孔を持ち管状の構造を有するガイド筒2と、ガイド筒2の一端部から貫通孔の内部に挿入されて固定取り付けされたノズルアセンブリ3と、ノズルアセンブリ3をガイド筒2の内部に固定取り付けする固定具4とから構成されている。この飛散防止ノズル装置1において、ノズルアセンブリ3はホース(後出の17)の先端に接続されている。ホース17は、水供給源部材としての高圧ポンプ(図示していない)の出口に一端が接続され高圧ポンプから送出される水(或いは温湯)の高圧水流の流路となる配管部材であり、高圧に耐える構成を持つ。そして、高圧ポンプから送出された高圧水流をノズルアセンブリ3へ送給してノズル先端から水を噴射させ、噴射水の水滴をガイド筒2の内部で複数回にわたり反射と衝突を繰り返させて突出水流を生成する。ガイド筒2は、その大きさについて特に限定はないが、例えば長さが40cm(センチメートル)から60cm、口径が2cm~8cmのものが使用される。
【0018】
本実施の形態において、固定具4は、ガイド筒2の外側から内部へ向けてねじ込まれた複数のネジ部材から成る。これらの複数のネジ部材は、ガイド筒2の円周方向へ等角度間隔で配置されるか、又は複数のネジ部材のうちの2個が互いに直径の位置関係になるように配置され、ねじ込み操作によりノズルアセンブリ3の胴体部に当接して当該ノズルアセンブリ3をガイド筒2の内部に固定支持する。
【0019】
図2は、飛散防止ノズル装置1に備えられたノズルアセンブリ3の正面図である。
図3は、ノズルアセンブリ3を分解して示す正面分解図である。
図2及び
図3に示されているように、ノズルアセンブリ3は、先端から水を噴射するノズル11と、ノズル11を取付け支持するブッシュ12と、ブッシュ12を収容固定して当該ブッシュ12とノズル11を支持するソケット13と、ソケット13に結合されてノズル11側の部材と水源側の部材とを連結するニップル14と、先端側がニップル14に結合され後端側がホース17に繋がれて高圧ポンプからの高圧水流を受け入れるカプラー16と、ニップル14とカプラー16との間に装填されてノズルアセンブリ3をガイド筒2に対して設置固定するワッシャー15とから構成されている。
【0020】
ノズル11は、先端に水噴射口11aを有し、基端部の外周にオネジ部11bを有し、中間部分にはボルト頭部11cが形成されたパイプ体から構成され、パイプ体の中心軸に沿って水導通路が貫通して形成されている。ノズル11の噴射口11aは種々の構成のものが使用可能であり、例えばノズル11の先方向の全方位噴射が可能な放射タイプ、或いは平面状に扇形に噴射する扇形タイプ、また、直線状に噴射するストレートタイプ等の型がある。ここで、本明細書において「先端」とは噴射される水の出口側(
図1~
図4の左方側)をいい、「基端」とはその反対側、すなわち水の供給源側(
図1~
図4の右方側)をいう。
【0021】
ブッシュ12は、ノズル11を収容可能な通孔12aを有するパイプ体から構成され、先端部にボルト頭部12bが形成され、このボルト頭部12bに続く基端側部分の外周にオネジ部12cを有する。ブッシュ12の通孔12aの内面には、ノズル11のオネジ部11bにねじ係合するメネジ部12dが形成されている。
【0022】
ソケット13は、ブッシュ12及びニップル14を収容可能な通孔13aを有する筒体から構成されている。ソケット13は、水供給源側の部材と水噴射側の部材との連結部材としての機能と、ノズル11を保護する機能とを併せ持つものであるから、比較的頑丈な材質及び構造を有する。ソケット13の通孔13aの先端側略半分の内面には、ブッシュ12のオネジ部12cにねじ係合する第1メネジ部13bが形成される一方、通孔13aの後端側略半分の内面には第2メネジ部13cが形成されている。第1メネジ部13bと第2メネジ部13cは、ねじ条の切削方向が同じ向きになるようにねじ切りされており(例えば、右ネジ構造)、実質的には1つのメネジから構成されるが、先端側からはブッシュ12がねじ込まれるのに対し、後端側からはニップル14がねじ込まれるものであり、結合する相手部材が異なる。ノズル11はブッシュ12内に収まった状態で、ソケット13内に収容固定されるから、外部からの圧力や衝撃に対して十分に保護される。
【0023】
ニップル14は、先端部に第1オネジ部14aが形成される一方、基端部に第2オネジ部14bが形成され、さらに中間部分にはボルト頭部14cが設けられたパイプ体から構成され、パイプ体の中心軸に沿って水導通路が貫通して形成されている。ボルト頭部14cはパイプ体に一体的に成形されている。ニップル14の第1オネジ部14aは、ソケット13の第2メネジ部13cにねじ係合する。
【0024】
ワッシャー15にはニップル14の第2オネジ部14bが挿通可能なネジ通し穴15aが成形されている。ワッシャー15の直径はガイド筒2の内径よりも大きい寸法に設定されている。このワッシャー15は、本発明においては、ねじ結合部分の締め付け力を高める役割を有するのに加えて、ノズルアセンブリ3がガイド筒2に取り付けられるときの位置決めを行う機能を持ち、また、管状の構造を有するガイド筒2の取付け端部を閉鎖する蓋としての機能も有している。
【0025】
カプラー16は、先端部にナット部16aが形成される一方、基端部にホース接続部16bが形成されたパイプ体から構成され、パイプ体の中心軸に沿って水導通路が貫通して形成されている。ナット部16aはパイプ体に一体的に成形され、且つその内面にはメネジ部16cが形成されている。カプラー16のメネジ部16cは、ニップル14の第2オネジ部14bにねじ係合する。
【0026】
以上の各構成部材を有するノズルアセンブリ3を作製するための組み立て手順の一例について説明する。先ず、ノズル11のオネジ部11bをブッシュ12のメネジ部12dにねじ込んでノズル11とブッシュ12を結合させ、次いで、ブッシュ12のオネジ部12cをソケット13の第1メネジ部13bにねじ込んでソケット13に結合させる。ソケット13は筒構造であるから、ノズル11はソケット13の内部にホールドされて保護された体勢になる。次に、ニップル14の第1オネジ部14aをソケット13の第2メネジ部13cにねじ込んでニップル14をソケット13に結合させ、次いで、カプラー16のナット部16aをニップル14の第2オネジ部14bにねじ込んでソケット13、ニップル14、カプラー16を結合させる。カプラー16をニップル14にねじ結合するときは、両部材間にワッシャー15を介装することによりカプラー16とニップル14の間にワッシャー15が固く挟持される。以上の組み立て操作によりノズルアセンブリ3が作製される。なお組み立て手順は上述の方法に限られない。
【0027】
組み立てられたノズルアセンブリ3はノズル11側を先端としてガイド筒2の入口端部からガイド筒2内部に差し入れられる。ノズルアセンブリ3がガイド筒2の途中の設置位置まで差し入れられた所で、ワッシャー15がガイド筒2の入口端面に当接して進入停止となって位置決めされる。この状態で、ネジ部材から成る固定具4がガイド筒2の外側から内部へ向けてねじ込まれ、このねじ込み操作によりノズルアセンブリ3の胴体部(ソケット13の部分が相当する)に当接して固定作用し、当該ノズルアセンブリ3をガイド筒2の内部に固定支持する。固定具4を構成する複数のネジ部材は、ガイド筒2の円周方向へ等角度間隔配置、又は2個が直径の位置関係配置にされているから、ノズルアセンブリ3はガイド筒2内で確実に固定される。このようにしてノズルアセンブリ3がガイド筒2内に取り付けられた後、カプラー16のホース接続部16bにホース17が接続される。
【0028】
以上の構成を有する飛散防止ノズル装置1について、以下動作を説明する。飛散防止ノズル装置1を操作するに当たっては、ホース17により高圧ポンプからノズルアセンブリ3へ高圧水流が供給される。この高圧水流はカプラー16からノズルアセンブリ3に入り、先端のノズル11から水が噴射される。上述したように、ノズルアセンブリ3には各種のタイプがあるが、ここでは放射タイプ、または扇形タイプのものが使われるものとする。
【0029】
図4は、ノズルアセンブリ3から出た噴射水の水滴のガイド筒2内における進行経路をモデル化し、進行状態を説明する断面図である。
図4において、符号21は第1の水滴の経路を示し、符号22は第2の水滴の経路を示す。
【0030】
第1の水滴は経路21に沿って進み、先ずガイド筒2の内壁の点P1において反射(跳ね返り運動)して方向を変え、次にガイド筒2の内壁の点P2において反射して方向を変え、さらにガイド筒2の内壁の点P3において反射して方向を変えた後、ガイド筒2の先端出口から水流Pとなって流出する。
【0031】
第2の水滴は経路22に沿って進み、先ずガイド筒2の内壁の点Q1において反射して方向を変え、次にガイド筒2の内壁の点Q2において反射して方向を変え、さらにガイド筒2の内壁の点Q3において反射して方向を変えた後、ガイド筒2の先端出口から水流Qとなって流出する。このように、第1の水滴が点P1、P2、P3において反射運動を行い、第2の水滴が点Q1、Q2、Q3において反射運動を行う間に、それぞれの水滴は進行経路と進行速度が変化することにより、他の水滴との衝突が起って水滴同士の結合が生じ、次第に水滴のサイズが大きくなる。
【0032】
また、第1の水滴は、ガイド筒2の内壁の点P1において反射して方向を変えた後、ガイド筒2の内壁の点Q1において反射して方向を変えて進んできた第2の水滴或いは他の水滴とガイド筒2内の点R1において衝突する。次に第1の水滴は、ガイド筒2の内壁の点P2において反射して方向を変えた後、ガイド筒2の内壁の点Q2において反射して方向を変えて進んできた第2の水滴或いは他の水滴とガイド筒2内の点R2において衝突する。さらに、第1の水滴は、ガイド筒2の内壁の点P3において反射して方向を変えた後、ガイド筒2の内壁の点Q3において反射して方向を変えて進んできた第2の水滴或いは他の水滴とガイド筒2内の点R3において衝突する。このように、第1の水滴は、ガイド筒2内の点R1、R2、R3において、他の水滴と衝突運動を行い、水滴同士の結合が生じ、次第に水滴のサイズが大きくなる。これにより、ノズル11から種々の方向へ噴射された水滴はガイド筒2内を移動する間に微細な噴射水雨滴の大きさの水滴を経てガイド筒2の出口に到達するときには大きな水塊となって流出する。この水塊流は水流としての量が多く、しかも流速も大きい突出水流であるため、建物の壁や床、或いは建物内外に設置された各種設備に注ぎ当てるとその水当て部分のゴミを流し、汚れを効率良く洗い落とす。この動作により、建物の壁や床を洗浄したり、或いは建物内外に設置された各種設備を洗浄することができる。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明の飛散防止ノズル装置は、管状のガイド筒2と、ガイド筒2の内部に固定取り付けされてホースに繋がれたノズルアセンブリ3とを備え、高圧ポンプから送出された高圧水流をホースによりノズルアセンブリ3へ送給してノズル先端から水を噴射させ、噴射水の水滴をガイド筒2内で複数回にわたり反射と衝突を繰り返させて突出水流を生成する。突出水流により、建物の壁や床を洗浄したり、或いは建物内外に設置された各種設備を効率良く洗浄するのに有用である。
【符号の説明】
【0034】
1 飛散防止ノズル装置
2 ガイド筒
3 ノズルアセンブリ
4 固定具
11 ノズル
12 ブッシュ
13 ソケット
14 ニップル
15 ワッシャー
16 カプラー
17 ホース
【手続補正書】
【提出日】2022-08-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
本発明は前記目的を達成するため、第1態様として、管状のガイド筒と、ガイド筒の内部に固定取り付けされたノズルアセンブリと、前記ノズルアセンブリを前記ガイド筒の内部に固定取り付けする固定具とを含み、前記ノズルアセンブリは、一端が高圧ポンプに接続された配管部材の他端に接続されており、前記ガイド筒の内部に水流を噴射して、当該噴射水の水滴を前記ガイド筒の内部で複数回にわたり反射と衝突を繰り返させて突出水流を生成し、また、前記ノズルアセンブリは、先端から水を噴射するノズルと、当該ノズルを取付け支持するブッシュと、ブッシュを収容固定して当該ブッシュとノズルを支持するソケットと、ソケットに結合されてノズル側の部材と水供給源側の部材とを連結するニップルと、先端側がニップルに結合され後端側がホースに繋がれて高圧ポンプからの高圧水流を受け入れるカプラーと、前記ニップルとカプラーとの間に装填されて前記ノズルアセンブリを前記ガイド筒に対して設置固定するワッシャーと、から構成され、ノズルはブッシュ内に収まった状態で、ソケット内に収容固定されて保護され、ノズルアセンブリは、ガイド筒内の設置位置で、ワッシャーがガイド筒の入口端面に当接して位置決めされ、固定具による固定動作が前記ノズルアセンブリの胴体部に作用してガイド筒の内部に固定支持される、飛散防止ノズル装置を要旨とする。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
この態様によれば、ノズルアセンブリから噴射された噴射水の水滴は、ガイド筒の内部で複数回にわたり反射と衝突を繰り返して他の水滴との間で衝突が起って水滴同士の結合が生じ、次第に水滴のサイズが大きくなり、ガイド筒の出口端から出るときは水塊となって突出水流を生成する。これにより、突出水流が被洗浄部に当たって洗浄できるという効果が得られる。また、ノズルはブッシュ内に収まった状態で、ソケット内に収容固定されるから、確実な保護が得られる。また、ノズルアセンブリは、ガイド筒内の設置位置で、ワッシャーがガイド筒の入口端面に当接して位置決めされ、固定具による固定動作が前記ノズルアセンブリの胴体部に作用してガイド筒の内部に固定支持されるから、ノズルアセンブリのガイド筒内の位置が正しく設定され、その上でノズルアセンブリの取付固定が確実に行われるという効果が得られる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正5】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
管状のガイド筒と、
ガイド筒の内部に固定取り付けされたノズルアセンブリと、
前記ノズルアセンブリを前記ガイド筒の内部に固定取り付けする固定具と、を備えてなり、
前記ノズルアセンブリは、一端が高圧ポンプに接続された配管部材の他端に接続されており、前記ガイド筒の内部に水流を噴射して、当該噴射水の水滴を前記ガイド筒の内部で複数回にわたり反射と衝突を繰り返させて突出水流を生成し、また、
前記ノズルアセンブリは、先端から水を噴射するノズルと、当該ノズルを取付け支持するブッシュと、ブッシュを収容固定して当該ブッシュとノズルを支持するソケットと、ソケットに結合されてノズル側の部材と水供給源側の部材とを連結するニップルと、先端側がニップルに結合され後端側がホースに繋がれて高圧ポンプからの高圧水流を受け入れるカプラーと、前記ニップルとカプラーとの間に装填されて前記ノズルアセンブリを前記ガイド筒に対して設置固定するワッシャーと、から構成され、
ノズルはブッシュ内に収まった状態で、ソケット内に収容固定されて保護され、
ノズルアセンブリは、ガイド筒内の設置位置で、ワッシャーがガイド筒の入口端面に当接して位置決めされ、固定具による固定動作が前記ノズルアセンブリの胴体部に作用してガイド筒の内部に固定支持される、
ことを特徴とする飛散防止ノズル装置。
【請求項2】
ノズルには、水の噴射方向により、放射タイプ、或いは扇形タイプのものが使用されることを特徴とする請求項1に記載の飛散防止ノズル装置。