(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022170258
(43)【公開日】2022-11-10
(54)【発明の名称】運送管理装置、運送管理システム及び運送管理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/08 20120101AFI20221102BHJP
【FI】
G06Q10/08 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021076278
(22)【出願日】2021-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】000237592
【氏名又は名称】株式会社デンソーテン
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】弁理士法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】野村 江介
(72)【発明者】
【氏名】関 正人
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 秀昭
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA16
(57)【要約】
【課題】正確な荷物の運送を実現する。
【解決手段】運送管理装置(1)は、荷物を運送するための車両に対応する端末装置(2[i])から、端末装置の位置情報(811)、運送業者を識別するための運送業者ID(812)及びコンテナを識別するためのコンテナID(813)を取得する。運送管理装置において管理部は荷物の運送に関わる運送管理状態(システム状態)を管理する。管理部は運送管理状態を複数の状態間で遷移させ、複数の状態はコンテナが配置された状態での車両の出発を許可する出発可状態を含む。管理部は、端末装置から得た位置情報、運送業者ID及びコンテナIDと、現在日時と、運送のスケジュールを定めたスケジュールデータと、現在の運送管理状態と、に基づいて、運送管理状態を出発可状態へ遷移可能に構成される。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷物を運送するための対象車両に対応する端末装置の送信情報に基づき、前記端末装置の現在地を表す位置情報、前記対象車両が属する運送業者を識別するための運送業者識別情報、及び、前記荷物を収容する収容部を識別するための収容部識別情報を取得する端末発信情報取得部と、
前記荷物の運送に関わるスケジュールデータを保持する保持部と、
前記荷物の運送に関わる運送管理状態を管理する管理部と、を備え、
前記管理部は、前記運送管理状態を、前記収容部が配置された前記対象車両の出発を許可する出発可状態を含む複数の状態間で遷移させ、
前記管理部は、前記端末装置の送信情報に基づく前記位置情報、前記運送業者識別情報及び前記収容部識別情報と、現在日時と、前記スケジュールデータと、現在の前記運送管理状態と、に基づいて、前記運送管理状態を前記出発可状態へ遷移可能に構成される
、運送管理装置。
【請求項2】
前記管理部は、前記端末装置から所定の運送管理ウェブサイトへのアクセス要求を受け付けるアクセス要求受付部を有し、前記端末装置から前記アクセス要求を受けたとき、前記端末装置の送信情報に基づく前記位置情報及び前記運送業者識別情報と、前記現在日時と、前記スケジュールデータと、現在の前記運送管理状態と、に基づいて、前記端末装置による前記運送管理ウェブサイトへのアクセスを許可又は禁止し、前記アクセスの許可を経て前記運送管理状態を前記出発可状態へ遷移可能に構成される
、請求項1に記載の運送管理装置。
【請求項3】
前記スケジュールデータは、複数の対象車両を用いた中継輸送により前記荷物を第1拠点から1以上の中継拠点を経由して第2拠点に運送するためのスケジュールを表し、
前記スケジュールデータは、前記第1拠点及び前記1以上の中継拠点の夫々を出発地点に設定した上で、前記出発地点ごとに、前記収容部を配置した状態で出発すべき運送予定車両の出発予定日時及び前記運送予定車両が属する運送業者を識別するための運送業者識別情報を含み、
前記管理部は、前記出発地点ごとに、前記出発地点からの出発が許可される前の状態より前記出発地点からの出発が許可された状態へと前記運送管理状態を遷移させることで、前記収容部が配置された前記対象車両の前記出発地点からの出発を許可し、
前記端末発信情報取得部は、前記複数の対象車両に対応する複数の端末装置の送信情報に基づき、前記端末装置ごとに前記位置情報、前記運送業者識別情報及び前記収容部識別情報を取得し、
前記管理部は、前記第1拠点及び前記1以上の中継拠点の何れかである注目出発地点について、前記運送管理状態が前記注目出発地点からの出発が許可される前の状態であるときに前記複数の端末装置の何れかである注目端末装置から前記アクセス要求を受けたとき、
前記注目端末装置の現在地と前記注目出発地点との関係、
前記注目端末装置の送信情報に基づく前記運送業者識別情報と前記スケジュールデータ中の前記注目出発地点に対応する前記運送業者識別情報との関係、
前記現在日時と前記スケジュールデータ中の前記注目出発地点に対応する前記出発予定日時との関係、及び、
現在の前記運送管理状態に基づいて、前記注目端末装置による前記運送管理ウェブサイトへのアクセスを許可又は禁止し、前記アクセスの許可を経て前記運送管理状態を前記注目出発地点からの出発が許可された状態へ遷移可能に構成される
、請求項2に記載の運送管理装置。
【請求項4】
前記複数の対象車両は、前記第1拠点から所定の中継拠点までの前記荷物の運送を行う第1対象車両と、前記所定の中継拠点から他の中継拠点又は前記第2拠点までの前記荷物の運送を行う第2対象車両と、を含み、
前記スケジュールデータには、前記第1対象車両に対応する第1端末装置の送信情報に基づく前記収容部識別情報が格納され、或いは、前記第1端末装置の送信情報に依らず予め指定された前記収容部識別情報が格納され、
前記管理部は、前記所定の中継拠点について、前記所定の中継拠点からの出発が許可される前の状態より前記所定の中継拠点からの出発が許可された状態へと前記運送管理状態を遷移させることで、前記収容部が配置された前記第2対象車両の前記所定の中継拠点からの出発を許可し、
前記管理部は、前記所定の中継拠点について、前記運送管理状態が前記所定の中継拠点からの出発が許可される前の状態であるときに、前記第2対象車両に対応する第2端末装置からの前記アクセス要求に応答して前記第2端末装置による前記運送管理ウェブサイトへのアクセスを許可した後、所定の出発許可条件が成立した場合に前記運送管理状態を前記所定の中継拠点からの出発が許可された状態へ遷移させ、
前記出発許可条件は、前記第2端末装置の送信情報に基づく前記収容部識別情報と前記スケジュールデータに格納された前記収容部識別情報とが一致する条件を含む
、請求項3に記載の運送管理装置。
【請求項5】
前記端末発信情報取得部は、前記第1端末装置から前記収容部への前記荷物の積み込み状態に関わる積み込み情報を取得し、
前記管理部は、前記第2端末装置による前記運送管理ウェブサイトへのアクセスを許可した後、前記積み込み情報を前記第2端末装置に送信可能である
、請求項4に記載の運送管理装置。
【請求項6】
前記端末発信情報取得部は、前記複数の端末装置の送信情報に基づき各対象車両に対応付けられた車両識別情報を取得し、
前記スケジュールデータは、前記出発地点ごとに、前記収容部を配置した状態で出発すべき運送予定車両の車両識別情報を含み、
前記管理部は、前記注目出発地点について、前記運送管理状態が前記注目出発地点からの出発が許可される前の状態であるときに、前記注目端末装置からの前記アクセス要求に応答して前記注目端末装置による前記運送管理ウェブサイトへのアクセスを許可した後、所定の出発許可条件が成立した場合に前記運送管理状態を前記注目出発地点からの出発が許可された状態へ遷移させ、
前記出発許可条件は、前記注目端末装置の送信情報に基づく前記車両識別情報と前記注目出発地点に対応付けて前記スケジュールデータに格納された前記車両識別情報とが一致する条件を含む
、請求項3に記載の運送管理装置。
【請求項7】
前記アクセス要求受付部は、前記スケジュールデータに対応付けられたコードを前記端末装置で撮影することを通じて前記端末装置から発行される前記アクセス要求を受け付ける
、請求項1~6の何れかに記載の運送管理装置。
【請求項8】
請求項1又は2に記載の運送管理装置と、
前記端末装置と、を備えた
運送管理システム。
【請求項9】
請求項3~6の何れかに記載の運送管理装置と、
前記複数の端末装置と、を備えた
運送管理システム。
【請求項10】
荷物を運送するための対象車両に対応する端末装置の送信情報に基づき、前記端末装置の現在地を表す位置情報、前記対象車両が属する運送業者を識別するための運送業者識別情報、及び、前記荷物を収容する収容部を識別するための収容部識別情報を取得する取得ステップと、
前記荷物の運送に関わる運送管理状態を管理する管理ステップと、を備え、
前記管理ステップは、前記運送管理状態を、前記収容部が配置された前記対象車両の出発を許可する出発可状態を含む複数の状態間で遷移させ、
前記管理ステップは、前記端末装置の送信情報に基づく前記位置情報、前記運送業者識別情報及び前記収容部識別情報と、現在日時と、前記荷物の運送に関わるスケジュールデータと、現在の前記運送管理状態と、に基づいて、前記運送管理状態を前記出発可状態へ遷移可能である
、運送管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運送管理装置、運送管理システム及び運送管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
車両を用いた輸送の一種では、原動機を有する車両と当該車両に接続(配置又は搭載)自在な収容部(コンテナ等)とを用い、荷物を積み込んだ収容部を車両に接続して目的地まで運ぶ。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この種の輸送において、運送されるべき収容部と異なる収容部を車両に接続して運送を行うと、正しい運送が実現されない(誤った荷物が目的地に届くことになる)。このような事態は、複数の車両を用いて中継輸送を行うときに特に注意すべきである。
【0005】
本発明は、荷物の正確な運送に寄与する運送管理装置、運送管理システム及び運送管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る運送管理装置は、荷物を運送するための対象車両に対応する端末装置の送信情報に基づき、前記端末装置の現在地を表す位置情報、前記対象車両が属する運送業者を識別するための運送業者識別情報、及び、前記荷物を収容する収容部を識別するための収容部識別情報を取得する端末発信情報取得部と、前記荷物の運送に関わるスケジュールデータを保持する保持部と、前記荷物の運送に関わる運送管理状態を管理する管理部と、を備え、前記管理部は、前記運送管理状態を、前記収容部が配置された前記対象車両の出発を許可する出発可状態を含む複数の状態間で遷移させ、前記管理部は、前記端末装置の送信情報に基づく前記位置情報、前記運送業者識別情報及び前記収容部識別情報と、現在日時と、前記スケジュールデータと、現在の前記運送管理状態と、に基づいて、前記運送管理状態を前記出発可状態へ遷移可能に構成される構成(第1の構成)である。
【0007】
上記第1の構成に係る運送管理装置において、前記管理部は、前記端末装置から所定の運送管理ウェブサイトへのアクセス要求を受け付けるアクセス要求受付部を有し、前記端末装置から前記アクセス要求を受けたとき、前記端末装置の送信情報に基づく前記位置情報及び前記運送業者識別情報と、前記現在日時と、前記スケジュールデータと、現在の前記運送管理状態と、に基づいて、前記端末装置による前記運送管理ウェブサイトへのアクセスを許可又は禁止し、前記アクセスの許可を経て前記運送管理状態を前記出発可状態へ遷移可能に構成される構成(第2の構成)であっても良い。
【0008】
上記第2の構成に係る運送管理装置において、前記スケジュールデータは、複数の対象車両を用いた中継輸送により前記荷物を第1拠点から1以上の中継拠点を経由して第2拠点に運送するためのスケジュールを表し、前記スケジュールデータは、前記第1拠点及び前記1以上の中継拠点の夫々を出発地点に設定した上で、前記出発地点ごとに、前記収容部を配置した状態で出発すべき運送予定車両の出発予定日時及び前記運送予定車両が属する運送業者を識別するための運送業者識別情報を含み、前記管理部は、前記出発地点ごとに、前記出発地点からの出発が許可される前の状態より前記出発地点からの出発が許可された状態へと前記運送管理状態を遷移させることで、前記収容部が配置された前記対象車両の前記出発地点からの出発を許可し、前記端末発信情報取得部は、前記複数の対象車両に対応する複数の端末装置の送信情報に基づき、前記端末装置ごとに前記位置情報、前記運送業者識別情報及び前記収容部識別情報を取得し、前記管理部は、前記第1拠点及び前記1以上の中継拠点の何れかである注目出発地点について、前記運送管理状態が前記注目出発地点からの出発が許可される前の状態であるときに前記複数の端末装置の何れかである注目端末装置から前記アクセス要求を受けたとき、前記注目端末装置の現在地と前記注目出発地点との関係、前記注目端末装置の送信情報に基づく前記運送業者識別情報と前記スケジュールデータ中の前記注目出発地点に対応する前記運送業者識別情報との関係、前記現在日時と前記スケジュールデータ中の前記注目出発地点に対応する前記出発予定日時との関係、及び、現在の前記運送管理状態に基づいて、前記注目端末装置による前記運送管理ウェブサイトへのアクセスを許可又は禁止し、前記アクセスの許可を経て前記運送管理状態を前記注目出発地点からの出発が許可された状態へ遷移可能に構成される構成(第3の構成)であっても良い。
【0009】
上記第3の構成に係る運送管理装置において、前記複数の対象車両は、前記第1拠点から所定の中継拠点までの前記荷物の運送を行う第1対象車両と、前記所定の中継拠点から他の中継拠点又は前記第2拠点までの前記荷物の運送を行う第2対象車両と、を含み、
前記スケジュールデータには、前記第1対象車両に対応する第1端末装置の送信情報に基づく前記収容部識別情報が格納され、或いは、前記第1端末装置の送信情報に依らず予め指定された前記収容部識別情報が格納され、前記管理部は、前記所定の中継拠点について、前記所定の中継拠点からの出発が許可される前の状態より前記所定の中継拠点からの出発が許可された状態へと前記運送管理状態を遷移させることで、前記収容部が配置された前記第2対象車両の前記所定の中継拠点からの出発を許可し、前記管理部は、前記所定の中継拠点について、前記運送管理状態が前記所定の中継拠点からの出発が許可される前の状態であるときに、前記第2対象車両に対応する第2端末装置からの前記アクセス要求に応答して前記第2端末装置による前記運送管理ウェブサイトへのアクセスを許可した後、所定の出発許可条件が成立した場合に前記運送管理状態を前記所定の中継拠点からの出発が許可された状態へ遷移させ、前記出発許可条件は、前記第2端末装置の送信情報に基づく前記収容部識別情報と前記スケジュールデータに格納された前記収容部識別情報とが一致する条件を含む構成(第4の構成)であっても良い。
【0010】
上記第4の構成に係る運送管理装置において、前記端末発信情報取得部は、前記第1端末装置から前記収容部への前記荷物の積み込み状態に関わる積み込み情報を取得し、前記管理部は、前記第2端末装置による前記運送管理ウェブサイトへのアクセスを許可した後、前記積み込み情報を前記第2端末装置に送信可能である構成(第5の構成)であっても良い。
【0011】
上記第3の構成に係る運送管理装置において、前記端末発信情報取得部は、前記複数の端末装置の送信情報に基づき各対象車両に対応付けられた車両識別情報を取得し、前記スケジュールデータは、前記出発地点ごとに、前記収容部を配置した状態で出発すべき運送予定車両の車両識別情報を含み、前記管理部は、前記注目出発地点について、前記運送管理状態が前記注目出発地点からの出発が許可される前の状態であるときに、前記注目端末装置からの前記アクセス要求に応答して前記注目端末装置による前記運送管理ウェブサイトへのアクセスを許可した後、所定の出発許可条件が成立した場合に前記運送管理状態を前記注目出発地点からの出発が許可された状態へ遷移させ、前記出発許可条件は、前記注目端末装置の送信情報に基づく前記車両識別情報と前記注目出発地点に対応付けて前記スケジュールデータに格納された前記車両識別情報とが一致する条件を含む構成(第6の構成)であっても良い。
【0012】
上記第1~第6の構成の何れかに係る運送管理装置において、前記アクセス要求受付部は、前記スケジュールデータに対応付けられたコードを前記端末装置で撮影することを通じて前記端末装置から発行される前記アクセス要求を受け付ける構成(第7の構成)であっても良い。
【0013】
本発明に係る運送管理システムは、上記第1又は第2の構成に係る運送管理装置と、前記端末装置と、を備えた構成(第8の構成)である。
【0014】
本発明に係る他の運送管理システムは、上記第3~第6の構成の何れかに係る運送管理装置と、前記複数の端末装置と、を備えた構成(第9の構成)である。
【0015】
本発明に係る運送管理方法は、荷物を運送するための対象車両に対応する端末装置の送信情報に基づき、前記端末装置の現在地を表す位置情報、前記対象車両が属する運送業者を識別するための運送業者識別情報、及び、前記荷物を収容する収容部を識別するための収容部識別情報を取得する取得ステップと、前記荷物の運送に関わる運送管理状態を管理する管理ステップと、を備え、前記管理ステップは、前記運送管理状態を、前記収容部が配置された前記対象車両の出発を許可する出発可状態を含む複数の状態間で遷移させ、前記管理ステップは、前記端末装置の送信情報に基づく前記位置情報、前記運送業者識別情報及び前記収容部識別情報と、現在日時と、前記荷物の運送に関わるスケジュールデータと、現在の前記運送管理状態と、に基づいて、前記運送管理状態を前記出発可状態へ遷移可能である構成(第10の構成)である。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、荷物の正確な運送に寄与する運送管理装置、運送管理システム及び運送管理方法を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の実施形態に係る運送管理システムの全体構成図である。
【
図2】本発明の実施形態に係り、収容部が接続されていない状態の車両の外観側面図(a)と、収容部が接続されている状態の車両の外観側面図(b)である。
【
図3】本発明の実施形態に係る運送管理システムの全体構成図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る運送管理装置の構成図である。
【
図5】本発明の実施形態に係る端末装置の構成図である。
【
図6】本発明の実施形態に係り、車両の車体に車両コードが付与されている様子を示す図(a)と、コンテナの外壁にコンテナコードが付与されている様子を示す図(b)である。
【
図7】本発明の実施形態にて主として想定される中継輸送の説明図である。
【
図8】本発明の実施形態に係るスケジュールデータの構成図である。
【
図9】本発明の実施形態に係り、端末装置にて各二次元コードが撮影される様子を示す図である。
【
図10】本発明の実施形態に係り、端末装置の送信情報の内容を説明するための図である。
【
図11】本発明の実施形態に係り、端末装置から運送管理装置に対しアクセス要求が発行される様子を示す図である。
【
図12】本発明の実施形態に係り、第1拠点及び2つの中継拠点での運転手の作業等の流れを示す図である。
【
図13】本発明の実施形態に係り、アクセス要求に関わる処理のフローチャートである。
【
図14】本発明の実施形態に係り、第1拠点からの車両の関わる処理のフローチャートである。
【
図15】本発明の実施形態に係り、中継拠点からの車両の関わる処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態の例を、図面を参照して具体的に説明する。参照される各図において、同一の部分には同一の符号を付し、同一の部分に関する重複する説明を原則として省略する。尚、本明細書では、記述の簡略化上、情報、信号、物理量又は部材等を参照する記号又は符号を記すことによって、該記号又は符号に対応する情報、信号、物理量又は部材等の名称を省略又は略記することがある。例えば、後述の“112”によって参照される端末発信情報取得部は(
図4参照)、端末発信情報取得部112と表記されることもあるし、取得部112と略記されることもあり得るが、それらは全て同じものを指す。尚、本明細書において、用語「運送」と用語「輸送」とは互いに同義であり、それらを互いに読み替えても良い。
【0019】
図1に本発明の実施形態に係る運送管理システムSYSの全体構成図を示す。運送管理システムSYSは、運送管理装置1と、複数の端末装置2と、を備えて構成される。運送管理装置1と各端末装置2は、ネットワークNETを介して双方向通信が可能な態様で無線接続される。ネットワークNETは移動体通信網及びインターネット等を含む。
【0020】
運送管理システムSYSは、荷物を或る拠点から他の拠点へと複数の車両PPを用いて中継輸送する際に有益に機能し、正確な荷物の運送を担保する。本実施形態において、車両PPとは、原動機を有する車両を指し、一般にトラクタに分類される車を含む。各車両PPに対して荷物を収容した収容部を接続可能である。
【0021】
図2(a)及び(b)を参照する。収容部を符号“QQ”にて参照する。
図2(a)は収容部QQが接続されていない状態の車両PPの外観側面図であり、
図2(b)は収容部QQが接続されている状態の車両PPの概略側面図である。車両PPに対する収容部QQの接続は、収容部QQを車両PPに対して物理的に接続することのみを意味するのではなく、車両PPの荷台への収容部QQの配置又は搭載であり得る。車両PPに対して収容部QQを自在に接続又は非接続にできる。車両PPへの収容部QQの接続と車両PPへの収容部QQの配置又は搭載とは互いに同義であると解して良い。従って例えば、本明細書において、車両PPへの収容部QQの接続という表現を車両PPへの収容部QQの配置(詳細には車両PPの荷台への収容部QQの配置)と読み替えても良く、その逆の読み替えも可能である。
【0022】
収容部QQは荷物を収容可能であって且つ車両PPに接続(配置又は搭載)可能な収容部であれば任意である。例えば、収容部QQは車両PPの荷台に対して搭載可能なコンテナである。収容部QQは、例えば20フィートコンテナ(ISOコンテナ)である。収容部QQはスワップボディコンテナであっても良く、この際、車両PPはスワップボディトラックとも称され得る。収容部QQは車輪を有するトレーラであっても良い。収容部QQがトレーラである場合、車両PPはトレーラを牽引するトラクタである。以下では、収容部QQがスワップボディコンテナ等のコンテナであることを想定し、収容部QQをコンテナQQと称する。
【0023】
各端末装置2は、例えば、スマートホン、タブレット又は携帯型情報端末である。各端末装置2は、車両PPを運転する運転手が所持する端末装置であっても良いし、車両PPに備え付けられた端末装置であっても良い。以下では、特に記述なき限り、各端末装置2は車両PPを運転する運転手が所持する端末装置(スマートホン等)であるものとし、端末装置2と車両PPとは一対一で対応していると考える。運送管理システムSYSは、n台の端末装置2を含むものとし、複数の端末装置2を互いに区別する必要があるとき、複数の端末装置2を端末装置2[1]~2[n]にて参照することがある(
図3参照)。同様に、複数の車両PPを互いに区別する必要があるとき、複数の車両PPを車両PP[1]~PP[n]にて参照することがある(
図3参照)。nは2以上の任意の整数値を持つ。車両PP[i]の運転手は端末装置2[i]を所持するため、端末装置2[i]は車両PP[i]と対応関係にある。iは任意の整数を表す。
【0024】
ここで、運送管理システムSYSの仕組みの概要を説明する。多くの運送業者が参加する中継輸送において、運転手がスケジュールで定められたコンテナと異なるコンテナを車両PPに載せて運んだり、コンテナをスケジュールに沿わない場所におろしたりすることが無いようにすることが重要である。運送管理システムSYSでは、QRコード(登録商標)で構成される二次元コードを用いて正しく中継輸送が行われるよう管理する。詳細は後述されるが、概要を述べると(
図9参照)、運転手が運行前にスケジュール表の二次元コード(AC_CD)を端末装置2[i]に読み込ませ、更にコンテナQQの二次元コード(QQ_CD)及び車両PPの二次元コード(PP_CD)を読み込ませる。これらの読み込み情報が運送管理装置1に送られ、運送管理装置1では、正しいコンテナQQ及び正しい車両PPで運行されているかが確認される。
【0025】
運送管理システムSYSでは、端末装置2[i]がスケジュール表の二次元コード(AC_CD)を読み込んだとき、所定の運送管理ウェブサイトへのアクセス要求が端末装置2[i]から発行される仕組みが導入される。この際、読み込んだ位置、端末装置2[i]に入力された運送業者ID、現在日時、及び、運送管理装置1で管理される中継輸送の状態(後述のシステム状態に対応)がスケジュールに照らして妥当でないとアクセスが禁止される。運送管理ウェブサイトへのアクセスを経た後でないと車両PP[i]の出発が許可されない。これにより正しい運行が担保される。以下、各構成要素の機能及び動作を詳説する。
【0026】
図4に運送管理装置1の内部構成図を示す。運送管理装置1は、制御部11、記憶部12、通信部13、インターフェース部14及び日時情報取得部15を備える。1又は複数のコンピュータ装置にて運送管理装置1が構成される。運送管理装置1はサーバ装置であっても良い。クラウドコンピューティングを用いて運送管理装置1が構成されても良い。
【0027】
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)等を含んで構成され、運送管理装置1内の全体動作を統括的に制御する。記憶部12は、磁気ディスク又は半導体メモリ等から成り、或いは、それらの組み合わせから成り、各種プログラム及びデータを格納及び記憶する。記憶部12内のプログラムを制御部11のCPUが実行することで各種機能が実現される。通信部13は、ネットワークNETと有線又は無線にて接続され、運送管理装置1の相手側装置とネットワークNETを介して双方向通信を行う。運送管理装置1の相手側装置に上記複数の端末装置2が含まれる。
【0028】
インターフェース部14は、運送管理装置1と運送管理装置1のユーザとの間のマンマシンインターフェースであり、表示部141、操作部142、マイクロホン143及びスピーカ144を備える。運送管理装置1のユーザは運送管理システムSYSの管理者(以下、単に管理者と称する)である。
【0029】
表示部141は液晶ディスプレイパネル等にて構成される表示装置であり、制御部11の制御の下で任意の画像を表示する。操作部142は管理者から任意の操作の入力を受け付ける。表示部141及び操作部142によりタッチパネルが構成されていても良く、操作部142への操作はタッチパネルに対する操作であっても良い。マイクロホン143は、マイクロホン143の周辺音を収音し、収音した音を電気信号に変換する。マイクロホン143の収音の対象は、主として管理者の発話による音声である。スピーカ144は制御部11の制御の下で任意の音を出力する。
【0030】
尚、インターフェース部14の全部又は一部は運送管理装置1の外部に設けられて運送管理装置1に外部接続されるものであっても良い。音声認識機能を有して人物との音声による会話が可能な人工知能を制御部11に設けておいても良く、この場合、マイクロホン143及びスピーカ144を用いて、管理者及び運送管理装置1間の意思疎通が実現されても良い。但し、スピーカ143及びマイクロホン144は省略されても良い。
【0031】
日時情報取得部15は現在の日付及び時刻を示す日時情報を取得する。日時情報取得部15はネットワークNETを介して他の装置(不図示)から日時情報を取得しても良い。尚、日時情報取得部15は省略され得る。
【0032】
制御部11は、スケジュールデータ作成部111、端末発信情報取得部112、スケジュールデータ保持部113及び管理部114を備え、管理部114はアクセス要求受付部115を備える。作成部111、取得部112、保持部113、管理部114及び受付部115は、制御部11のCPU(演算処理装置)が記憶部12に格納されたプログラムを実行することにより形成される機能ブロックである。尚、受付部115は管理部114の外部に設けられる機能ブロックであると考えても良い。これらの機能ブロック(111~115)の各機能については後述される。
【0033】
図5に端末装置2の内部構成図を示す。端末装置2は、制御部21、記憶部22、通信部23、インターフェース部24、日時情報取得部25、GPS処理部26及びカメラ部27を備える。
【0034】
制御部21は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)等を含んで構成され、端末装置2内の全体動作を統括的に制御する。記憶部22は、磁気ディスク又は半導体メモリ等から成り、或いは、それらの組み合わせから成り、各種プログラム及びデータを格納及び記憶する。記憶部22内のプログラムを制御部21のCPUが実行することで制御部21の各種機能が実現される。通信部23は、ネットワークNETと有線又は無線にて接続され、端末装置2の相手側装置とネットワークNETを介して双方向通信を行う。端末装置2の相手側装置に運送管理装置1が含まれる。
【0035】
インターフェース部24は、端末装置2と端末装置2のユーザとの間のマンマシンインターフェースであり、表示部241、操作部242、マイクロホン243及びスピーカ244を備える。或る端末装置2のユーザは、当該端末装置2の所持者に相当する、車両PPの運転手である。
【0036】
表示部241は液晶ディスプレイパネル等にて構成される表示装置であり、制御部21の制御の下で任意の画像を表示する。操作部242は端末装置2のユーザから任意の操作の入力を受け付ける。表示部241及び操作部242によりタッチパネルが構成されていても良く、操作部242への操作はタッチパネルに対する操作であっても良い。マイクロホン243は、マイクロホン243の周辺音を収音し、収音した音を電気信号に変換する。マイクロホン243の収音の対象は、主として端末装置2のユーザの発話による音声である。スピーカ244は制御部21の制御の下で任意の音を出力する。
【0037】
尚、音声認識機能を有して人物との音声による会話が可能な人工知能を制御部21に設けておいても良く、この場合、マイクロホン243及びスピーカ244を用いて、ユーザ及び端末装置2間の意思疎通が実現されても良い。以下の説明において、端末装置2への任意の操作は、インターフェース部24を介して端末装置2のユーザが端末装置2に入力する操作を意味する。
【0038】
日時情報取得部25は現在の日付及び時刻を示す日時情報を取得する。日時情報取得部25はネットワークNETを介して他の装置(不図示)から日時情報を取得しても良い。
【0039】
GPS処理部26は、GPS(Global Positioning System)を形成する複数のGPS衛星からの信号を受信することで端末装置2の位置(端末装置2の現在地)を検出し、検出位置を示す位置情報を生成する。中継輸送において、端末装置2[i]は車両PP[i]の車内に位置する、又は、端末装置2[i]は車両PP[i]の運転手に所持された状態で車両PP[i]の近傍に位置する。このため、端末装置2[i]のGPS処理部26により生成される位置情報は車両PP[i]の現在地を表すとも言える。
【0040】
カメラ部27は、自身の視野内の被写体を撮影し、撮影結果を表す画像データを生成する。生成された画像データは制御部21に送られる。
【0041】
運送管理システムSYSの中継輸送では、複数の車両PP及び複数のコンテナQQが運用される。各車両PPには車両IDが割り当てられる。車両IDは各車両PPに固有の識別情報であって、各車両PPが複数の車両PPの内の何れの車両であるのかを識別するための車両識別情報である。故に複数の車両PPにおける複数の車両IDは互いに異なる。各コンテナQQにはコンテナIDが割り当てられる。コンテナIDは各コンテナQQに固有の識別情報であって、各コンテナQQが複数のコンテナQQの内の何れのコンテナであるのかを識別するためのコンテナ識別情報(収容部識別情報)である。故に、複数のコンテナQQにおける複数のコンテナIDは互いに異なる。更に、
図6(a)に示す如く、各車両PPの車体の所定箇所に車両コードPP_CDが付与されている。車両PP[i]の車体に付与された車両コードPP_CDは車両PP[i]の車両IDを特定する情報であって、二次元コードにより構成される。同様に、
図6(b)に示す如く、各コンテナQQの外壁の所定箇所にコンテナコードQQ_CDが付与されている。コンテナQQ[i]の外壁に付与されたコンテナコードQQ_CDはコンテナQQ[i]のコンテナIDを特定する情報であって、二次元コードにより構成される。
【0042】
運転手が端末装置2(カメラ部27)を用いてコードPP_CD及びQQ_CDを容易に撮影できる位置に、車両コードPP_CDが印刷又はシール貼り付け等にて各車両PPの車体に付与され且つコンテナコードQQ_CDが印刷又はシール貼り付け等にて各コンテナQQの外壁に付与される。車両コードPP_CD及びコンテナコードQQ_CDとしてQRコード(登録商標)を利用できる。
【0043】
図7は本実施形態で想定される中継輸送の概念図である。本実施形態では、第1拠点610から第2拠点650へ、輸送の対象となる荷物(以下、特に対象荷物と称する)を中継輸送することを想定する。中継輸送では、対象荷物を収容したコンテナQQを1以上の中継拠点を経由しつつ且つコンテナQQを輸送する車両PPを2以上の車両PPで切り替えながら、第1拠点610から第2拠点650へと輸送する。
図7の例では、第1、第2、第3中継拠点として3つの中継拠点620、630及び640が経由される。
【0044】
即ち、
図7の中継輸送では、車両PP[1]にて対象荷物を収容したコンテナQQを第1拠点610から中継拠点620まで輸送し、その後、車両PP[2]にて対象荷物を収容したコンテナQQを中継拠点620から中継拠点630まで輸送し、更にその後、車両PP[3]にて対象荷物を収容したコンテナQQを中継拠点630から中継拠点640まで輸送し、更にその後、車両PP[4]にて対象荷物を収容したコンテナQQを中継拠点640から第2拠点650まで輸送する。この際、第1拠点610は対象荷物の発荷主(対象荷物を発送する荷主)の拠点であり、第2拠点650は対象荷物の着荷主(対象荷物を受け取る荷主)の拠点である。実際には、第2拠点650から第1拠点610に向けた他の荷物の中継輸送も実施され得るが、ここでは、第1拠点610から第2拠点650への対象荷物の中継輸送にのみ注目する。
【0045】
尚、第1拠点、第2拠点及び中継拠点など、本明細書で述べられる各拠点は、複数の車両PPを駐車させることができると共に、コンテナQQと車両PPとの接続又は切り離し作業及びコンテナQQの車両PPからの積み下ろし作業が可能なスペースを有する。
【0046】
図8に、第1拠点610から第2拠点650へ対象荷物を中継輸送するためのスケジュールを定めたスケジュールデータ700を示す。スケジュールデータ700は、
図7の中継輸送を実現するためのスケジュールを定めたものであるとする。本実施形態における以下の中継輸送は、特に記述なき限り、スケジュールデータ700によるスケジュールに沿った中継輸送を指すと考えて良い。尚、本実施形態及び参照される各図面における日付は西暦2021年における日付であるものとし、時刻は24時間表記で示すものとする。
【0047】
スケジュールデータ700は、対象荷物の発拠点(第1拠点610)でのスケジュールを定めた発データ710と、中継拠点620でのスケジュールを定めた中継データ720と、中継拠点630(第2中継拠点)でのスケジュールを定めた中継データ730と、中継拠点640(第3中継拠点)でのスケジュールを定めた中継データ740と、対象荷物の着拠点(第2拠点650)でのスケジュールを定めた着データ750と、管理データ760と、を有する。
【0048】
発データ710は、対象荷物の発荷主を表す情報711と、対象荷物の発拠点を表す情報712と、対象荷物を収容したコンテナQQのコンテナIDを表す情報713と、対象荷物の発拠点からの出発予定日時を表す情報714と、を含む。情報713を、以下、特に使用コンテナ情報713と称する。
【0049】
対象荷物の発拠点は第1拠点610である。情報714における出発予定日時は、対象荷物を収容したコンテナQQが第1拠点610から出発する予定の日時を表し、換言すれば、当該コンテナQQが接続(搭載)された車両PP[1]が第1拠点610から出発する予定の日時を表す。スケジュールデータ700が作成された時点では使用コンテナ情報713はブランクとなっており(使用コンテナ情報713にはコンテナIDが入っておらず)、対象荷物を収容したコンテナQQのコンテナIDが確定した後に、確定したコンテナIDが使用コンテナ情報713としてスケジュールデータ700に格納される。対象荷物を収容したコンテナ(対象荷物が積み込まれたコンテナ)を、以下、特に、対象コンテナと称する。
【0050】
発データ710は更に情報715及び716を含む。情報715、716は、夫々、第1拠点610から中継拠点620までの対象コンテナQQの運送を担う運送業者の名称、運送業者IDを表す。運送業者IDは運送業者の固有情報であって、各運送業者が複数の運送業者の内の何れの運送業者であるのかを識別するための運送業者識別情報である。故に複数の運送業者における複数の運送業者IDは互いに異なる。発データ710は更に情報717を含む。情報717は、第1拠点610から中継拠点620まで対象コンテナQQを運送する予定の車両の車両ID、即ち車両PP[1]の車両IDを表す(
図7参照)。
【0051】
中継データ720は情報721~727を含む。情報721及び723は、対象コンテナQQが接続(搭載)された車両PP[1]が中継拠点620に到着する際の到着場所及び駐車位置を表す。到着場所は大まかな位置を表し、駐車位置は当該車両PP[1]が駐車する予定の詳細な位置を表す。情報722は車両PP[1]の中継拠点620への到着予定日時を表す。中継拠点620において対象コンテナQQの接続先を車両PP[1]から車両PP[2]に切り替える作業が行われる。情報724は、対象コンテナQQが接続された車両PP[2]の中継拠点620から出発予定日時を表す。情報725、726は、夫々、中継拠点620から中継拠点630までの対象コンテナQQの運送を担う運送業者の名称、運送業者IDを表す。情報727は、中継拠点620から中継拠点630まで対象コンテナQQを運送する予定の車両の車両ID、即ち車両PP[2]の車両IDを表す(
図7参照)。
【0052】
中継データ730は情報731~737を含む。情報731及び733は、対象コンテナQQが接続(搭載)された車両PP[2]が中継拠点630に到着する際の到着場所及び駐車位置を表す。到着場所は大まかな位置を表し、駐車位置は当該車両PP[2]が駐車する予定の詳細な位置を表す。情報732は車両PP[2]の中継拠点630への到着予定日時を表す。中継拠点630において対象コンテナQQの接続先を車両PP[2]から車両PP[3]に切り替える作業が行われる。情報734は、対象コンテナQQが接続された車両PP[3]の中継拠点630から出発予定日時を表す。情報735、736は、夫々、中継拠点630から中継拠点640までの対象コンテナQQの運送を担う運送業者の名称、運送業者IDを表す。情報737は、中継拠点630から中継拠点640まで対象コンテナQQを運送する予定の車両の車両ID、即ち車両PP[3]の車両IDを表す(
図7参照)。
【0053】
中継データ740は情報741~747を含む。情報741及び743は、対象コンテナQQが接続(搭載)された車両PP[3]が中継拠点640に到着する際の到着場所及び駐車位置を表す。到着場所は大まかな位置を表し、駐車位置は当該車両PP[3]が駐車する予定の詳細な位置を表す。情報742は車両PP[3]の中継拠点640への到着予定日時を表す。中継拠点640において対象コンテナQQの接続先を車両PP[3]から車両PP[4]に切り替える作業が行われる。情報744は、対象コンテナQQが接続された車両PP[4]の中継拠点640から出発予定日時を表す。情報745、746は、夫々、中継拠点640から第2拠点650までの対象コンテナQQの運送を担う運送業者の名称、運送業者IDを表す。情報747は、中継拠点640から第2拠点650まで対象コンテナQQを運送する予定の車両の車両ID、即ち車両PP[4]の車両IDを表す(
図7参照)。
【0054】
着データ750は、対象荷物の着荷主を表す情報751と、中継輸送における対象荷物の最終到着拠点(即ち第2拠点650)を表す情報752と、対象荷物の最終到着拠点(即ち第2拠点650)への到着予定日時を表す情報753と、を含む。情報753における到着予定日時は、対象コンテナQQが第2拠点650に到着する予定の日時を表し、換言すれば、対象コンテナQQが接続(搭載)された車両PP[4]が第2拠点650に到着する予定の日時を表す。
【0055】
管理データ760は、所定の運送管理ウェブサイトに対して端末装置2をアクセスさせるための二次元コードであるアクセスコードAC_CDを表し、アクセスコードAC_CDとしてQRコード(登録商標)を利用できる。スケジュールデータ700には付加データ770が付加され得るが、付加データ770については後述される。
【0056】
中継輸送では、最終到着拠点に至るまでの各拠点を出発地点として車両PP(対象コンテナQQが接続された車両PP)が出発する。故に、スケジュールデータ700では、拠点610~640の夫々が出発地点に設定される(拠点610~640の夫々が出発地点として取り扱われる)。その上で、情報714、724、734及び744より、出発地点ごとに、対象コンテナQQを接続して出発地点から出発すべき運送予定車両の出発予定日時が定められる。スケジュールデータ700において、対象コンテナQQを接続して拠点610、620、630、640から出発すべき運送予定車両は、夫々、車両PP[1]、PP[2]、PP[3]、PP[4]である。また、出発地点ごとに、運送予定車両が属する運送業者を特定する運送業者IDの情報(716、726、736、746)がスケジュールデータ700に含められる。更に、出発地点ごとに、運送予定車両を特定する車両IDの情報(717、727、737、747)がスケジュールデータ700に含められる。
【0057】
また、スケジュールデータ700に係る中継輸送において、拠点620、630、640及び650は、夫々、拠点610、620、630、640から出発した運送予定車両(PP[1]、PP[2]、PP[3]、PP[4])が到着すべき拠点(到着地点)であり、情報722、732、742及び753より、到着地点ごとに、運送予定車両(PP[1]、PP[2]、PP[3]、PP[4])の到着予定日時が定められる。
【0058】
制御部11の機能ブロック(111~115;
図4参照)について説明する。
【0059】
スケジュールデータ作成部111は、中継輸送のスケジュールを表すスケジュールデータを作成する。
図8のスケジュールデータ700は、作成部111にて作成されるスケジュールデータの例である。作成部111は、インターフェース部14又はネットワークNETを通じて、発荷主及び着荷主並びに各運送業者の希望及び予定を表す情報の入力を受け、入力された情報に基づきスケジュールデータ700中のデータ710、720、730、740及び750を作成する。管理者が操作部142を通じてデータ710~750の全部又は一部を手動入力することも可能である。作成部111は、データ710~750に対応付けてアクセスコードAC_CDを決定し、アクセスコードAC_CDを示す管理データ760をスケジュールデータ700に含める。
【0060】
スケジュールデータ700は、中継輸送が開始される日時までに(例えば中継輸送が開始される日の前日までに)作成され、スケジュールデータ700の全部又は一部を表すスケジュール表が、中継輸送を担う各運送業者に配布される。スケジュール表は各運転手が自由に参照可能な印刷物又は画像であって良い。スケジュール表には少なくともアクセスコードAC_CDが示されている。
【0061】
上述したように、アクセスコードAC_CDは所定の運送管理ウェブサイトに対して端末装置2をアクセスさせるための二次元コードであり、運送管理ウェブサイトのURL(Uniform Resource Locator)がアクセスコードAC_CDに埋め込まれている。運送管理ウェブサイトは、運送管理装置1(例えば管理部114)により運営されるウェブサイトである。任意の二次元コードをカメラ部27にて撮影することで当該二次元コードが端末装置2に読み込まれる。
【0062】
図9に示す如く、任意の端末装置2である端末装置2[i]のユーザ(即ち車両PP[i]の運転手)は、端末装置2[i]のカメラ部27にてアクセスコードAC_CD、コンテナコードQQ_CD及び車両コードPP_CDを撮影する操作を行う。これにより、コードAC_CD、QQ_CD及びPP_CDが端末装置2[i]にて読み込まれる。
【0063】
各端末装置2には、読み込んだ二次元コードにて示されるウェブサイトにアクセスするよう動作するアプリケーションプログラムが、予めインストールされているものとする。このため、任意の端末装置2である端末装置2[i]において、アクセスコードAC_CDを読み込んだとき、制御部21はアクセスコードAC_CDに基づき運送管理ウェブサイトへのアクセス要求を発行する。発行されたアクセス要求はネットワークNETを通じてアクセス要求受付部115にて受け付けられる。管理部114は、アクセス要求を受けたとき、端末発信情報取得部112で取得された情報等に基づいて、端末装置2[i]による運送管理ウェブサイトへのアクセスを許可又は禁止する。以下のアクセス要求とは、特に記述なき限り、運送管理ウェブサイトへのアクセス要求を指すものとする。
【0064】
端末発信情報取得部112は、各端末装置2の送信情報(各端末装置2から送信される情報)をネットワークNET及び通信部13を通じて受信する。
図10に示す如く、端末装置2[i]の送信情報810には、端末装置2[i]の現在地を表す位置情報811と、車両PP[i]が属する運送業者の運送業者IDを表す業者情報812と、車両PP[i]に接続された又は車両PP[i]に接続する予定のコンテナQQのコンテナIDを表すコンテナ情報813と、車両PP[i]の車両IDを表す車両情報814と、が含まれる。これらの情報811~814は、同時に端末装置2[i]から運送管理装置1に送信されても良いし、複数の期間に分けて端末装置2[i]から運送管理装置1に送信されても良い。情報811~814とは異なる、各端末装置2から運送管理装置1に送信される任意の情報(例えば後述の積み込み情報及びコンテナ点検結果情報)も取得部112にて取得されると考えて良い。
【0065】
位置情報811は、端末装置2[i]のGPS処理部26を用いて生成される位置情報である。
【0066】
端末装置2[i]のユーザ(即ち車両PP[i]の運転手)は、自身が属する運送業者の運送業者IDを端末装置2[i]のインターフェース部14を通じて端末装置2[i]に入力する。この入力された運送業者IDにより業者情報812が形成される。但し、業者情報812は、運送業者ID以外の情報(但し運送業者IDに対応付けられた情報)であっても良い。例えば、運送業者ID以外の情報は、端末装置2[i]の固有情報であっても良い。この場合、端末装置2[i]の固有情報と車両PP[i]が属する運送業者とが対応していることを示す第1既知情報が運送管理装置1に予め登録されているものとする。そうすると、運送管理装置1は、第1既知情報と端末装置2[i]の固有情報とに基づき、車両PP[i]が属する運送業者(換言すれば端末装置2[i]に対応付けられた運送業者)の運送業者IDを特定できる。或いは例えば、運送業者ID以外の情報は、端末装置2[i]のユーザ(即ち車両PP[i]の運転手)の固有情報(運転免許証番号等)であっても良い。この場合、端末装置2[i]のユーザの固有情報と車両PP[i]が属する運送業者とが対応していることを示す第2既知情報が運送管理装置1に予め登録されているものとする。そうすると、運送管理装置1は、第2既知情報と端末装置2[i]のユーザの固有情報とに基づき、車両PP[i]が属する運送業者(換言すれば端末装置2[i]に対応付けられた運送業者)の運送業者IDを特定できる。
【0067】
以下では、端末装置2[i]のユーザ(即ち車両PP[i]の運転手)が、自身が属する運送業者の運送業者IDを端末装置2[i]のインターフェース部14を通じて端末装置2[i]に入力することで業者情報812が形成されるものとする。
【0068】
端末装置2[i]において、コンテナQQのコンテナコードQQ_CDを取り込むことで、当該コンテナQQのコンテナIDを表すコンテナ情報813が得られる。端末装置2[i]において、車両PP[i]の車両コードPP_CDを取り込むことで、当該車両PP[i]の車両IDを表す車両情報814が得られる。
【0069】
スケジュールデータ保持部113は、スケジュールデータ作成部111にて作成されたスケジュールデータ700を保持する。
図8の付加データ770もスケジュールデータ700に対応付けて保持部113により保持される。
【0070】
管理部114は、アクセス要求に対して応答するアクセス応答処理を実行する。
図11を参照してアクセス応答処理の概要を説明する。端末装置2[i]にてアクセスコードAC_CDが読み込まれることで、端末装置2[i]から運送管理装置1に対してアクセス要求820が発行され、当該アクセス要求820において端末装置2[i]から運送管理装置1に対し、端末装置2[i]の現在地を表す位置情報811と、車両PP[i]が属する運送業者の運送業者IDを表す業者情報812が送信される。
【0071】
アクセス応答処理において、管理部114は、端末装置2[i]がアクセスコードAC_CDを読み込んだ位置と、端末装置2[i]に入力された運送業者IDと、現在日時と、システム状態とが、スケジュールデータ700との関係において妥当であると判断されるときに限り、アクセス要求820を認容し、そうでない場合にはアクセス要求820を拒否する(システム状態については後述)。アクセス要求820を認容されたときに限り、端末装置2[i]による運送管理ウェブサイトへのアクセスが許可されて運送管理ウェブサイトのウェブページが端末装置2[i]の表示部241に表示される。アクセス要求820が拒否されたとき、端末装置2[i]による運送管理ウェブサイトへのアクセスが禁止され、管理部114は所定のエラーメッセージを端末装置2[i]の表示部241に表示させる。尚、アクセス要求820の認容又は拒否において参照される現在日時は、運送管理装置1にて取得される現在日時であっても良いし、端末装置2[i]にて取得されて端末装置2[i]から運送管理装置1に送信される現在日時であっても良い。
【0072】
また、管理部114は、中継輸送の状態を管理する状態管理処理を実行する。状態管理処理にて管理される中継輸送の状態を、ここでは、システム状態(運送管理状態)と称する。中継輸送の状態とは、対象荷物の中継輸送の状態でもあるし、対象荷物を収容した対象コンテナQQの中継輸送の状態でもある。管理部114は、状態管理処理において、1以上の端末装置2からの送信情報に基づき、システム状態を複数の状態間で遷移させる。この複数の状態には、対象コンテナQQを接続した車両PPの出発を許可する出発可状態が含まれる。
【0073】
状態管理処理において、管理部114は、端末装置2[i]がアクセスコードAC_CDを読み込んだ位置と、端末装置2[i]に入力された運送業者IDと、端末装置2[i]が読み込んだコンテナIDと、現在日時と、スケジュールデータ700と、現在のシステム状態とに基づき、車両PP[i]を、対応する拠点から出発させて良いと判断されるときに限り、システム状態を他の状態から出発可状態に遷移させる(即ち、車両PP[i]の出発を許可する)。
【0074】
以下、複数の実施例の中で、運送管理システムSYSに関わる幾つかの具体的な動作例、応用技術、変形技術等を説明する。本実施形態にて上述した事項は、特に記述無き限り且つ矛盾無き限り、以下の各実施例に適用される。各実施例において、上述の事項と矛盾する事項がある場合には、各実施例での記載が優先されて良い。また矛盾無き限り、以下に示す複数の実施例の内、任意の実施例に記載した事項を、他の任意の実施例に適用することもできる(即ち複数の実施例の内の任意の2以上の実施例を組み合わせることも可能である)。
【0075】
<<第1実施例>>
第1実施例を説明する。
図12を参照し、
図7に示す中継輸送における、第1拠点610並びに中継拠点620及び630での運転手の作業等の流れを説明する。
【0076】
第1拠点610において、車両PP[1]の運転手は、対象荷物をコンテナQQに積み込んだ後、端末装置2[1]にアクセスコードAC_CDを読み込ませる。これにより端末装置2[1]が運送管理ウェブサイトにアクセスした状態となる。運送管理ウェブサイトにアクセスした状態を、以下、単にアクセス状態と称する。端末装置2[1]のアクセス状態において、車両PP[1]の運転手は、対象荷物を積み込んだコンテナQQのコンテナコードQQ_CDを端末装置2[1]に読み込ませる。読み込んだコンテナコードQQ_CDに埋め込まれたコンテナIDが、管理部114により使用コンテナ情報713としてスケジュールデータ700に格納される(
図8参照)。第1拠点610において対象荷物が積み込まれたコンテナQQが、以後、対象コンテナとして機能することになる。第1拠点610には荷物を積み込み可能な複数のコンテナQQが存在するが、車両PP[1]の運転手は、複数のコンテナQQの内、都合の良いものに対象荷物を積み込むことができる。これにより、使用するコンテナが固定されず、空いているコンテナを任意に使うことができるため、作業の自由度が高まる。
【0077】
更に、端末装置2[1]のアクセス状態において、車両PP[1]の運転手は、車両PP[1]の車両コードPP_CDを端末装置2[1]に読み込ませる。読み込んだ車両コードPP_CDに埋め込まれた車両IDが運送管理装置1に送信され、管理部114にて当該車両IDとスケジュールデータ700中の情報717との整合がチェックされる。
【0078】
車両PP[1]の運転手は、対象コンテナQQへの対象荷物の積み込みが完了すると、対象コンテナQQの点検作業を経て、積み込み完了連絡操作1112を端末装置2[1]に入力する。この連絡操作1112には、端末装置2[1]に対して積み込み情報及びコンテナ点検結果情報を入力する操作が含まれる又は付随する。
【0079】
積み込み情報とは、対象コンテナQQに対する対象荷物の積み込み状態を表す情報であり、テキスト情報及び画像情報の少なくとも一方を含んでいて良い。例えば、対象コンテナQQに対して荷物がどの程度又はどのように積み込まれているのかを示すテキスト情報(隙間なく積み込まれているのか、多くの隙間が存在しているのか等)を積み込み情報とすることができる。対象コンテナQQに対する荷物の積み込み状態が分かるような、対象コンテナQQの内部の撮影画像(カメラ部27による撮影画像)を積み込み情報に含めておいても良い。
【0080】
コンテナ点検結果情報は、対象コンテナQQの点検作業による点検の結果を示す情報である。対象コンテナQQの作業点検にて対象コンテナQQにへこみや傷等の問題がないかが確認され、その確認結果を示す情報がコンテナ点検結果情報に含められる。対象コンテナQQにへこみや傷等の問題がある場合、へこみや傷等を示すカメラ部27の撮影画像をコンテナ点検結果情報に含めておくことができる。
【0081】
端末装置2[1]に対して入力された積み込み情報及びコンテナ点検結果情報は端末装置2[1]から運送管理装置1に送信され、管理部114は、受信した積み込み情報及びコンテナ点検結果情報を、スケジュールデータ700に対応付けられた付加データ770に格納する(
図8参照)。積み込み情報及びコンテナ点検結果情報を含む付加データ770は保持部113にて保持される。
【0082】
積み込み完了連絡操作1112に基づく信号が端末装置2[1]から運送管理装置1に送信される。連絡操作1112に基づく信号の受信前において、システム状態は初期状態である出発前状態ST10となっている。連絡操作1112に基づく信号が運送管理装置1にて受信されると、管理部114は、システム状態を出発前状態ST10から出発可状態ST11に遷移させる。端末装置2[1]のアクセス状態において、運送管理ウェブサイト上で現在のシステム状態が表示される(従って端末装置2[1]の表示部241に現在のシステム状態が表示される)。出発可状態ST11は、対象コンテナQQを接続した状態にて車両PP[1]を第1拠点610から出発させることが許可されている状態に相当する。車両PP[1]の運転手は現在のシステム状態が出発可状態ST11であることを確認すると、対象コンテナQQを車両PP[1]に接続し(搭載し)、その後、車両PP[1]を第1拠点610から中継拠点620に向けて出発させる。システム状態が出発可状態ST11に遷移した旨のメッセージが端末装置2[1]の表示部241に表示されても良い。
【0083】
システム状態が出発可状態ST11であることを確認した後、車両PP[1]の運転手は端末装置2[1]に所定のアクセス遮断操作を入力することで端末装置2[1]のアクセス状態を解消する。アクセス遮断操作が入力されなくても、端末装置2[1]による運送管理ウェブサイトへのアクセス開始後、所定のタイムアウト時間が経過すると、管理部114の制御の下で端末装置2[1]のアクセス状態は解消される。少なくとも車両PP[1]が中継拠点620に至る前に端末装置2[1]のアクセス状態は解消される。
【0084】
管理者は、スケジュールデータ700で定められた時間に沿ってシステム状態が切り替わっているかの確認作業を行う。この確認作業は第1拠点610に限らず各中継拠点でも実施される。そして問題がある場合には、対応する運送業者(第1拠点610に関しては車両PP[1]の運送業者)に連絡をとるなどの必要な措置をとる。
【0085】
ここで例えば、スケジュールデータ700中の情報717(
図8参照)に示された車両PPと異なる車両PPにて対象荷物の積み込みに向かった場合、車両コードPP_CDを読み込んだタイミングで管理部114はエラーを発生させる(所定のエラー処理を行う)。この場合には、運転手又は運送業者が管理者に電話等で連絡をとってスケジュールデータ700の変更を依頼する等の措置が必要となる。このような措置は各中継拠点でも実施され得る。
【0086】
スケジュールデータ700中の情報714(
図8参照)で示される出発予定日時になっても、或いは、当該出発予定日時から一定時間経過しても、システム状態が出発前状態ST10のままである場合、管理者は情報715に示される運送業者又は車両PP[1]の運転手に電話等で連絡をとる。このような事態は、何らかのトラブルに起因して第1拠点610から出発するために必要な作業が滞っているケース、又は、運転手が必要な操作の入力を忘れているケースにおいて発生する。前者のケースにおいて、管理者はトラブルに対する必要な対応をとる。後者のケースにおいて、管理者は車両PP[1]の運転手の状況を確認した上で、システム状態を出発前状態ST10から出発可状態ST11に手動で切り替えるといった措置が可能である。このような措置は各中継拠点でも実施され得る。
【0087】
第1拠点610から出発した車両PP[1]が中継拠点620に到着した後、車両PP[1]の運転手は端末装置2[1]にアクセスコードAC_CDを読み込ませる。これにより端末装置2[1]が再び運送管理ウェブサイトにアクセスした状態となり、この際、端末装置2[1]から運送管理装置1に対して到着連絡信号1120が送信される。運送管理装置1にて到着連絡信号1120が受信されると、管理部114はシステム状態を出発可状態ST11から到着状態ST21に遷移させる。
【0088】
車両PP[1]の運転手は車両PP[1]から対象コンテナQQを切り離して中継拠点620内の所定位置に対象コンテナQQを置き、その後、前段引継ぎ完了連絡操作1122を端末装置2[1]に入力する。この連絡操作1122には、端末装置2[1]に対してコンテナ点検結果情報を入力する操作が含まれる又は付随する。端末装置2[1]に対して入力されたコンテナ点検結果情報は端末装置2[1]から運送管理装置1に送信され、管理部114は、受信したコンテナ点検結果情報をスケジュールデータ700に対応付けられた付加データ770に格納する(
図8参照)。
【0089】
前段引継ぎ完了連絡操作1122に基づく信号が端末装置2[1]から運送管理装置1に送信される。連絡操作1122に基づく信号が運送管理装置1にて受信されると、管理部114は、システム状態を到着状態ST21から引継ぎ可状態ST22に遷移させる。
【0090】
その後、対象コンテナQQを引き継いで運ぶべき車両PP[2]が中継拠点620に到着すると、車両PP[2]の運転手は端末装置2[2]にアクセスコードAC_CDを読み込ませる。これにより端末装置2[2]が運送管理ウェブサイトにアクセスした状態となり、この際、端末装置2[2]から運送管理装置1に対して到着連絡信号1124が送信される。運送管理装置1にて到着連絡信号1124が受信されると、管理部114はシステム状態を引継ぎ可状態ST22から到着状態ST23に遷移させる。
【0091】
端末装置2[2]のアクセス状態において、車両PP[2]の運転手は、対象コンテナQQのコンテナコードQQ_CD及び車両PP[2]の車両コードPP_CDを端末装置2[2]に読み込ませる。読み込んだコンテナコードQQ_CDに埋め込まれたコンテナIDと読み込んだ車両コードPP_CDに埋め込まれた車両IDとが、端末装置2[2]から運送管理装置2に送信される。管理部114は、端末装置2[2]から受信したコンテナID及び車両IDとスケジュールデータ700中の情報713及び727(
図8参照)との整合をチェックする。整合がとれている場合には運送管理ウェブサイト上で所定のOKメッセージが表示される(従って端末装置2[2]の表示部241にて当該OKメッセージが表示される)。整合がとれていない場合には運送管理ウェブサイト上で所定のエラーメッセージが表示される(従って端末装置2[2]の表示部241にて当該エラーメッセージが表示される)。例えば、端末装置2[2]から受信したコンテナIDと使用コンテナ情報713におけるコンテナIDとが相違する場合に、上記エラーメッセージが表示される。これにより、誤ったコンテナが運び出されることが抑制される。
【0092】
OKメッセージの表示を確認すると、車両PP[2]の運転手は、対象コンテナQQの点検作業を経て、後段引継ぎ完了連絡操作1126を端末装置2[2]に入力する。この連絡操作1126には、端末装置2[2]に対してコンテナ点検結果情報を入力する操作が含まれる又は付随する。端末装置2[2]に対して入力されたコンテナ点検結果情報は端末装置2[2]から運送管理装置1に送信され、管理部114は、受信したコンテナ点検結果情報をスケジュールデータ700に対応付けられた付加データ770に格納する(
図8参照)。
【0093】
後段引継ぎ完了連絡操作1126に基づく信号が端末装置2[2]から運送管理装置1に送信される。連絡操作1126に基づく信号が運送管理装置1にて受信されると、管理部114は、システム状態を到着状態ST23から出発可状態ST24に遷移させる。端末装置2[2]のアクセス状態において、運送管理ウェブサイト上で現在のシステム状態が表示される(従って端末装置2[2]の表示部241に現在のシステム状態が表示される)。出発可状態ST24は、対象コンテナQQを接続した状態にて車両PP[2]を中継拠点620から出発させることが許可されている状態に相当する。車両PP[2]の運転手は現在のシステム状態が出発可状態ST24であることを確認すると、対象コンテナQQを車両PP[2]に接続し(搭載し)、その後、車両PP[2]を中継拠点620から中継拠点630に向けて出発させる。
【0094】
尚、端末装置2[2]のアクセス状態において、管理部114は付加データ770を端末装置2[2]に送信することができ、端末装置2[2]では付加データ770の内容を表示部241に表示させることができる。
【0095】
車両PP[2]の運転手は付加データ770中の積み込み情報を参照することで、対象コンテナQQ中の荷物の積み込み状態を知ることができ、積み込み状態に応じた運転を心がけることができる。例えば、積み込み状態によっては荷崩れしやすいので、走行速度や急カーブに特に注意を払うといった対応が可能である。
【0096】
システム状態が出発可状態ST24であることを確認した後、車両PP[2]の運転手は端末装置2[2]に所定のアクセス遮断操作を入力することで端末装置2[2]のアクセス状態を解消する。アクセス遮断操作が入力されなくても、端末装置2[2]による運送管理ウェブサイトへのアクセス開始後、所定のタイムアウト時間が経過すると、管理部114の制御の下で端末装置2[2]のアクセス状態は解消される。少なくとも車両PP[2]が中継拠点630に至る前に端末装置2[2]のアクセス状態は解消される。
【0097】
以後、中継拠点ごとに、中継拠点620での作業、動作及び処理と同様の作業、動作及び処理が実行され、中継拠点620に関して上述した事項は中継拠点630及び640にも適用される。但し、中継拠点620に関して上述した事項を中継拠点630に適用する場合、中継拠点620に関して上述した事項の内、符号PP[1]及びPP[2]は夫々PP[2]及びPP[3]に読み替えられ、且つ、符号2[1]及び2[2]は夫々2[2]及び2[3]に読み替えられ、且つ、符号1120、1122、1124及び1126は夫々1130、1132、1134及び1136に読み替えられ、且つ、符号ST11、ST21、ST22、ST23及びST24は夫々符号ST24、ST31、ST32、ST33及びST34に読み替えられる。
【0098】
図12では、第1拠点610から中継拠点620を経由して中継拠点630までの動作等の流れが示されているが、中継拠点640及び第2拠点650での動作等の流れも同様である。但し、第2拠点650は中継輸送における対象荷物の最終到着拠点であるので、車両PP[4]が第2拠点650に到着し、端末装置2[4]からの到着連絡信号が運送管理装置1にて受信された時点で中継輸送は完了となる。従って、端末装置2[4]からの到着連絡信号が運送管理装置1にて受信されると、管理部114はシステム状態を最終到着状態に遷移させて中継輸送に関わる一連の処理を終了する。
【0099】
図12を参照して上述した流れは基本的にスケジュールデータ700に沿って作業、操作及び運行が行われたときの流れである。
図13等を参照して、より詳細な流れを説明する。
【0100】
図13はアクセス要求に関わる処理の流れを示すフローチャートであり、
図13を参照して当該処理の流れを説明する。注目した任意の車両PPを注目車両PPと称する。注目車両PPが或る注目地点に到着したことを想定する。注目地点は拠点610~650の何れかであり得る。まずステップS111において、注目車両PPが注目地点に到着し、注目車両PPの運転手が、自身が所持する端末装置2にてアクセスコードAC_CDを読み取らせる。ステップS111にてアクセスコードAC_CDを読み取った端末装置2を注目端末装置2と称する。また、ステップS111において、注目端末装置2によりアクセスコードAC_CDが読み取られた日時を注目日時と称する。注目端末装置2によりアクセスコードAC_CDが読み取られた地点は注目地点である。注目端末装置2によるアクセスコードAC_CDの読み取りに続き、注目端末装置2に対しインターフェース部24を通じて、注目車両PPが属する運送業者の運送業者IDが入力される。運送業者IDの入力もステップS111にて行われると考える。
【0101】
そうすると、ステップS111に続くステップS112において、注目端末装置2の制御部21は、読み取ったアクセスコードAC_CDに基づき運送管理ウェブサイトへのアクセス要求を発行する。このアクセス要求は
図11に示すアクセス要求820に相当し、運送管理装置1に送られる。注目端末装置2からのアクセス要求820において(
図11参照)、注目端末装置2から運送管理装置1に対し、注目端末装置2の現在地(従って注目地点)を表す位置情報811と、注目車両PPが属する運送業者の運送業者IDを表す業者情報812と、が送信される。以下、アクセス要求820は位置情報811及び業者情報812を含むと考える。
【0102】
注目端末装置2からのアクセス要求820は、ネットワークNETを通じてアクセス要求受付部115にて受け付けられる。管理部114は、アクセス要求820を受けたとき、アクセス要求820に対して応答するアクセス応答処理をステップS113にて実行する。
【0103】
ステップS113のアクセス応答処理において、管理部114は、注目端末装置2からの位置情報811及び業者情報812(即ち運送業者ID;
図11参照)と、現在日時と、スケジュールデータ700と、現在のシステム状態と、に基づいて所定のアクセス許可条件の成立又は不成立を判定する。アクセス許可条件が成立する場合(ステップS114のY)、管理部114はアクセス要求820を認容し(即ち注目端末装置2の運送管理ウェブサイトへのアクセスを許可し)、これによりステップS115にて注目端末装置2の運送管理ウェブサイトへのアクセス状態が確立される。一方、アクセス許可条件が成立しない場合(ステップS114のN)、管理部114はアクセス要求820を拒否し(即ち注目端末装置2の運送管理ウェブサイトへのアクセスを禁止し)、ステップS141にて所定のエラー処理を実行する。ステップS141のエラー処理は、所定のエラーメッセージを注目端末装置2の表示部241に表示させる処理を含む。後述の他のエラー処理もステップS141のエラー処理と同様であって良い。
【0104】
注目地点が第1拠点610内の地点であるケースCASE1を想定して、アクセス許可条件の成否を説明する。
【0105】
ケースCASE1では(
図8参照)、情報715にて示される運送業者の車両PPが情報714にて示される出発予定日時の近辺に第1拠点610に到着し且つ第1拠点610にてアクセスコードAC_CDが読み取られることが、スケジュールデータ700に照らして妥当である。加えて、ケースCASE1では第1拠点610でアクセスコードAC_CDが読み取られることから、注目日時でのシステム状態は出発前状態ST10であるべきである(
図12参照)。
【0106】
故に、ケースCASE1では(
図8参照)、注目車両PPが属する運送業者の運送業者IDが情報716における運送業者IDと一致し、且つ、現在日時と情報714における出発予定日時との差の大きさが所定時間(例えば1時間)以内であり、且つ、現在のシステム状態が出発前状態ST10である場合に限り、アクセス許可条件が成立し、それ以外の場合にはアクセス許可条件は不成立となる。
【0107】
尚、仮に、注目車両PPが属する運送業者の運送業者IDが情報716における運送業者IDと一致し、且つ、現在日時と情報714における出発予定日時との差の大きさが所定時間(例えば1時間)以内であり、且つ、現在のシステム状態が出発前状態ST10であったとしても、注目端末装置2がアクセスコードAC_CDを読み取った地点が第1拠点610と異なるならば(例えば中継拠点620であるならば)アクセス許可条件は不成立となる。
【0108】
次に、注目地点が中継拠点620内の地点であるケースCASE2を想定して、アクセス許可条件の成否を説明する。ケースCASE2を、第1拠点610及び中継拠点620間の輸送に関わる車両PPが中継拠点620に到着する状況を想定したケースCASE2_Aと、中継拠点620及び中継拠点630間の輸送に関わる車両PPが中継拠点620に到着する状況を想定したケースCASE2_Bと、に細分化することができる。
【0109】
ケースCASE2_Aでは(
図8参照)、情報715にて示される運送業者の車両PPが情報722にて示される到着予定日時の近辺に中継拠点620に到着し且つ中継拠点620にてアクセスコードAC_CDが読み取られることが、スケジュールデータ700に照らして妥当である。加えて、ケースCASE2_Aでは、注目日時でのシステム状態は出発可状態ST11であるべきである(
図12参照)。
【0110】
故に、ケースCASE2_Aでは(
図8参照)、注目車両PPが属する運送業者の運送業者IDが情報716における運送業者IDと一致し、且つ、現在日時と情報722における到着予定日時との差の大きさが所定時間(例えば1時間)以内であり、且つ、現在のシステム状態が出発可状態ST11である場合に限り、アクセス許可条件が成立し、それ以外の場合にはアクセス許可条件は不成立となる。
【0111】
尚、仮に、注目車両PPが属する運送業者の運送業者IDが情報716における運送業者IDと一致し、且つ、現在日時と情報722における到着予定日時との差の大きさが所定時間(例えば1時間)以内であり、且つ、現在のシステム状態が出発可状態ST11であったとしても、注目端末装置2がアクセスコードAC_CDを読み取った地点が中継拠点620と異なるならば(例えば中継拠点630であるならば)アクセス許可条件は不成立となる。
【0112】
ケースCASE2_Bでは(
図8参照)、情報725にて示される運送業者の車両PPが情報724にて示される出発予定日時の近辺に中継拠点620に到着し且つ中継拠点620にてアクセスコードAC_CDが読み取られることが、スケジュールデータ700に照らして妥当である。加えて、ケースCASE2_Bでは、注目日時でのシステム状態は引継ぎ可状態ST22であるべきである(
図12参照)。
【0113】
故に、ケースCASE2_Bでは(
図8参照)、注目車両PPが属する運送業者の運送業者IDが情報726における運送業者IDと一致し、且つ、現在日時と情報724における出発予定日時との差の大きさが所定時間(例えば1時間)以内であり、且つ、現在のシステム状態が引継ぎ可状態ST22である場合に限り、アクセス許可条件が成立し、それ以外の場合にはアクセス許可条件は不成立となる。
【0114】
尚、仮に、注目車両PPが属する運送業者の運送業者IDが情報726における運送業者IDと一致し、且つ、現在日時と情報724における出発予定日時との差の大きさが所定時間(例えば1時間)以内であり、且つ、現在のシステム状態が引継ぎ可状態ST22であったとしても、注目端末装置2がアクセスコードAC_CDを読み取った地点が中継拠点620と異なるならば(例えば中継拠点630であるならば)アクセス許可条件は不成立となる。
【0115】
中継拠点630及び640並びに第2拠点650においても、上述の方法と同様にしてアクセス許可条件の成否が判定される。
【0116】
このように、スケジュールデータ700に照らして、正しい運送業者の人間が正しい日時に正しい場所でアクセスコードAC_CDの読み取り操作を行い、且つ、その時のシステム状態がスケジュールデータ700に照らして妥当である場合に限り、運送管理ウェブサイトへのアクセスが可能とされる。このようなアクセス管理により、運送業者や運行日時等が間違った状態でのアクセスが禁止される。そして、アクセスの許可を経てからしかシステム状態は出発可状態に遷移しないため(
図12参照)、間違いを含む中継輸送の実施が抑制される。また、中継輸送に関与しない人物が任意の端末装置を用いてアクセスコードAC_CDを読み込んだときに無条件で運送管理ウェブサイトへのアクセスが許可されることは望ましくない(中継輸送の内容が不特定の人間に漏れるため)。本実施例の方法により不当なアクセスが排除される。
【0117】
図14のフローチャートは第1拠点610からの車両PPの出発に関わる処理の流れを示す。
図14を参照して当該処理の流れを説明する。ステップS211~S215及びS241の処理は、夫々、
図13のステップS111~S115及びS141の処理と同じである。ここで、ステップS211における注目地点、注目車両、注目端末装置は、夫々、第1拠点610、車両PP[1]、端末装置2[1]であって、且つ、ステップS211における注目日時は情報714(
図8参照)における出発予定日時に一致し又は十分に近く、且つ、ステップS211でのシステム状態は出発前状態ST10であるとする。そうすると、アクセス許可条件が成立するので、ステップS211からステップS212、S213及びS214を経由してステップS215に進み、ステップS215にて端末装置2[1]の運送管理ウェブサイトへのアクセス状態が確立される。以下、ステップS215より後の処理について説明する。
【0118】
ステップS215にてアクセス状態が確立された後、ステップS215からステップS216に進む。ステップS216において、車両PP[1]の運転手は対象荷物を積み込んだコンテナQQ(従って対象コンテナQQ)のコンテナコードQQ_CDを端末装置2[1]に読み込ませる。ステップS216において、端末装置2[1]は、読み込んだコンテナコードQQ_CDに埋め込まれたコンテナIDを表すコンテナ情報1310(
図10のコンテナ情報813に相当)を運送管理装置1に送信する。
【0119】
ステップS216に続くステップS217において、運送管理装置1にてコンテナ情報1310が受信され、管理部114はコンテナ情報1310に基づくコンテナIDをスケジュールデータ700の使用コンテナ情報713(
図8参照)に格納する。コンテナ情報1310が示すコンテナIDが不当なIDである場合には(ステップS218のN)、ステップS217からステップS242に進んで管理部114は所定のエラー処理を実行する。例えば、コンテナ情報1310が示すコンテナIDが、第1拠点610に存在するはずがないコンテナを表している場合、又は、予め定められた複数の登録コンテナIDの何れとも相違する場合、不当なIDであると判定される。コンテナ情報1310が示すコンテナIDが不当なIDでない場合(ステップS218のY)、管理部114は所定の正常信号1312を端末装置2[1]に送信してステップS219への移行を発生させる。
【0120】
ステップS219において正常信号1312が端末装置2[1]にて受信されると、端末装置2[1]の表示部241に車両コードPP_CDの読み込みを要求するメッセージが表示される。これを受けて、車両PP[1]の運転手は車両PP[1]の車両コードPP_CDを端末装置2[1]に読み込ませる。ステップS219において、端末装置2[1]は、読み込んだ車両コードPP_CDに埋め込まれた車両IDを表す車両情報1320(
図10の車両情報814に相当)を運送管理装置1に送信する。
【0121】
ステップS219に続くステップS220において、運送管理装置1にて車両情報1320が受信され、管理部114は車両IDの整合確認処理を実行する。ステップS220における車両IDの整合確認処理において、管理部114は、車両情報1320にて示される車両IDと情報717(
図8参照)にて示される車両IDとが一致しているか否かを判定する。それらの車両IDが一致している場合(ステップS221のY)、管理部114は所定の正常信号1322を端末装置2[1]に送信してステップS222への移行を発生させる。それらの車両IDが不一致である場合(ステップS221のN)、管理部114はステップS243への移行を発生させてステップS243にて所定のエラー処理を実行する。
【0122】
正常信号1322が端末装置2[1]にて受信されると、端末装置2[1]の表示部241に、コンテナコードQQ_CD及び車両コードPP_CDの読み込みが正常完了した旨のメッセージが表示される。これを受けて、車両PP[1]の運転手は、対象荷物の積み込み作業及び対象コンテナQQの点検作業が済み次第、ステップS222にて積み込み完了連絡操作1112(
図12参照)を端末装置2[1]に入力する。この入力を受けて端末装置2[1]から運送管理装置1に積み込み完了信号1330が送信される。連絡操作1112には、端末装置2[1]に対して積み込み情報及びコンテナ点検結果情報を入力する操作が含まれ又は付随し、これらの積み込み情報及びコンテナ点検結果情報が積み込み完了信号1330に含まれる。
【0123】
ステップS222に続くステップS223において、運送管理装置1にて積み込み完了信号1330が受信され、管理部114は出発許可対応処理を実行する。出発許可対応処理において、管理部114は、信号1330中の積み込み情報及びコンテナ点検結果情報をスケジュールデータ700に対応付けられた付加データ770に格納する(
図8参照)。この際、管理部114は積み込み完了信号1330に何らかの不備が存在しないかを確認し、不備がなければ(S224のY)ステップS225への移行を発生させる。不備があれば(ステップS224のN)ステップS244への移行を発生させ、ステップS244にて所定のエラー処理を実行する。
【0124】
ステップS225に至るまで、システム状態は初期状態である出発前状態ST10に維持される。ステップS225において、管理部114は、システム状態を出発前状態ST10から出発可状態ST11に遷移させる。この遷移の結果は、例えば運送管理装置1から端末装置2[1]に対する出発許可信号1332の送信によって端末装置2[1]に伝達され、ステップS225に続くステップS226にて端末装置2[1]の表示部241にシステム状態が出発可状態ST11に切り替わったことが表示される。車両PP[1]の運転手は現在のシステム状態が出発可状態ST11であることを確認すると、対象コンテナQQを車両PP[1]に接続し(搭載し)、その後、車両PP[1]を第1拠点610から中継拠点620に向けて出発させる。
【0125】
図15のフローチャートは中継拠点620からの車両PPの出発に関わる処理の流れを示す。
図15を参照して当該処理の流れを説明する。ステップS311~S315及びS341の処理は、夫々、
図13のステップS111~S115及びS141の処理と同じである。ここで、ステップS311における注目地点、注目車両、注目端末装置は、夫々、中継拠点620、車両PP[2]、端末装置2[2]であって、且つ、ステップS311における注目日時は情報724(
図8参照)における出発予定日時に一致し又は十分に近く、且つ、ステップS311でのシステム状態は引継ぎ可状態ST22であるとする。そうすると、アクセス許可条件が成立するので、ステップS311からステップS312、S313及びS314を経由してステップS315に進み、ステップS315にて端末装置2[2]の運送管理ウェブサイトへのアクセス状態が確立される。
【0126】
尚、
図15のフローチャートに係るアクセス応答処理においてアクセス許可条件が成立する場合、管理部114は、対象コンテナQQを引き継いで運送すべき車両PPが中継拠点620に到着したとみなして、システム状態を引継ぎ可状態ST22から到着状態ST23に遷移させるものとする。以下、ステップS315より後の処理について説明する。
【0127】
ステップS315にてアクセス状態が確立された後、ステップS315からステップS316に進む。ステップS316において、車両PP[2]の運転手は引き継いで運送する予定のコンテナQQのコンテナコードQQ_CDを端末装置2[2]に読み込ませる。引き継いで運送する予定のコンテナQQは、正しくは、対象荷物が積み込まれた対象コンテナQQである。ステップS316において、端末装置2[2]は、読み込んだコンテナコードQQ_CDに埋め込まれたコンテナIDを表すコンテナ情報1410(
図10のコンテナ情報813に相当)を運送管理装置1に送信する。
【0128】
ステップS316に続くステップS317において、運送管理装置1にてコンテナ情報1410が受信され、管理部114はコンテナIDの整合確認処理を実行する。ステップS317におけるコンテナIDの整合確認処理において、管理部114は、コンテナ情報1410にて示されるコンテナIDと使用コンテナ情報713(
図8参照)にて示されるコンテナIDとが一致しているか否かを判定する。それらのコンテナIDが一致している場合(ステップS318のY)、管理部114は所定の正常信号1412を端末装置2[2]に送信してステップS319への移行を発生させる。それらのコンテナIDが不一致である場合(ステップS318のN)、管理部114はステップS342への移行を発生させてステップS342にて所定のエラー処理を実行する。
【0129】
コンテナIDの整合確認処理により、誤ったコンテナの輸送が回避される。また、車両PP[2]にコンテナQQを接続する前にコンテナIDの整合確認処理を実行することで、間違いがあったとしても、無駄が作業を殆ど発生しない。仮に、車両PP[2]にコンテナQQを接続した後、中継拠点620から出発する段階で間違いが指摘されたとしたならば、コンテナQQの繋ぎ変え作業が必要となる。ステップS319への移行が発生する場合、ステップS316で読み込まれたコンテナコードQQ_CDに対応するコンテナQQは対象コンテナである。
【0130】
ステップS319において正常信号1412が端末装置2[2]にて受信されると、端末装置2[2]の表示部241に車両コードPP_CDの読み込みを要求するメッセージが表示される。これを受けて、車両PP[2]の運転手は車両PP[2]の車両コードPP_CDを端末装置2[2]に読み込ませる。ステップS319において、端末装置2[2]は、読み込んだ車両コードPP_CDに埋め込まれた車両IDを表す車両情報1420(
図10の車両情報814に相当)を運送管理装置1に送信する。
【0131】
ステップS319に続くステップS320において、運送管理装置1にて車両情報1420が受信され、管理部114は車両IDの整合確認処理を実行する。ステップS320における車両IDの整合確認処理において、管理部114は、車両情報1420にて示される車両IDと情報727(
図8参照)にて示される車両IDとが一致しているか否かを判定する。それらの車両IDが一致している場合(ステップS321のY)、管理部114は所定の正常信号1422を端末装置2[2]に送信してステップS322への移行を発生させる。それらの車両IDが不一致である場合(ステップS321のN)、管理部114はステップS343への移行を発生させてステップS343にて所定のエラー処理を実行する。
【0132】
正常信号1422が端末装置2[2]にて受信されると、端末装置2[2]の表示部241に、コンテナコードQQ_CD及び車両コードPP_CDの読み込みが正常完了した旨のメッセージが表示される。これを受けて、車両PP[2]の運転手は、対象コンテナQQの点検作業が済み次第、ステップS322にて後段引継ぎ完了連絡操作1126(
図12参照)を端末装置2[2]に入力する。この入力を受けて端末装置2[2]から運送管理装置1に引継ぎ完了信号1430が送信される。引継ぎ完了信号1430には、端末装置2[2]に対してコンテナ点検結果情報を入力する操作が含まれ又は付随し、当該コンテナ点検結果情報が引継ぎ完了信号1430に含まれる。
【0133】
ステップS322に続くステップS323において、運送管理装置1にて引継ぎ完了信号1430が受信され、管理部114は出発許可対応処理を実行する。出発許可対応処理において、信号1430中のコンテナ点検結果情報をスケジュールデータ700に対応付けられた付加データ770に格納する(
図8参照)。この際、管理部114は引継ぎ信号1430に何らかの不備が存在しないかを確認し、不備がなければ(S324のY)ステップS325への移行を発生させる。不備があれば(ステップS324のN)ステップS344への移行を発生させ、ステップS344にて所定のエラー処理を実行する。
【0134】
ステップS325において、管理部114は、システム状態を到着状態ST23から出発可状態ST24に遷移させる。この遷移の結果は、例えば運送管理装置1から端末装置2[2]に対する出発許可信号1432の送信によって端末装置2[2]に伝達され、ステップS325に続くステップS326にて端末装置2[2]の表示部241にシステム状態が出発可状態ST24に切り替わったことが表示される。車両PP[2]の運転手は現在のシステム状態が出発可状態ST24であることを確認すると、対象コンテナQQを車両PP[2]に接続し(搭載し)、その後、車両PP[2]を中継拠点620から中継拠点630に向けて出発させる。
【0135】
中継拠点620に注目して中継拠点からの車両PPの出発に関わる処理の流れを説明したが、他の中継拠点(630、640)についても同様である。
【0136】
以下、本実施例に示した技術内容の要点をまとめる。
【0137】
端末発信情報取得部112は、対象荷物を運送するための車両PP[i]に対応する端末装置2[i]の送信情報に基づき、端末装置2[i]の現在地を表す位置情報、車両PP[i]が属する運送業者を識別するための運送業者ID(運送業者識別情報)、及び、対象荷物を収容するコンテナQQを識別するためのコンテナID(収容部識別情報)を取得する。管理部114はシステム状態(運送管理状態)を出発可状態を含む複数の状態間で遷移させる。出発可状態は、コンテナQQを接続した車両PP[i]の出発を許可する状態(コンテナQQが配置された状態での車両PP[i]の出発を許可する状態)に相当する。この際、管理部114は、端末装置2[i]の送信情報に基づく位置情報、運送業者ID及びコンテナIDと、現在日時と、スケジュールデータ700と、現在のシステム情報と、に基づいて、システム状態を出発可状態へ遷移可能に構成される。
【0138】
これにより、スケジュールデータ700に則った正しい運送業者の車両が正しい日時に正しい場所で正しいコンテナを接続した状況にのみ、車両の出発を許可するといったことが可能となり、誤った輸送が回避される。例えば、中継拠点620に関して言えば(
図15)、スケジュールデータ700との関係において、正しい運送業者の車両が(S311)、正しい日時に(S311)、正しい場所で(S311)、正しいコンテナを接続した状況にのみ車両の出発が許可され(S316、S317及びS318のYを経由してS325及びS326)、誤ったコンテナが輸送されるといったことが回避される。更に、現在のシステム状態も参照して、システム状態の出発可状態への遷移を行うようにすることで、現在のシステム状態と整合しないような誤った輸送の実施が回避される。
【0139】
また、
図13を参照して詳説したように、管理部114は、端末装置2[i]からアクセス要求820を受けたとき、端末装置2[i]の送信情報に基づく位置情報及び運送業者IDと、現在日時と、スケジュールデータ700と、現在のシステム情報と、に基づいて、アクセス許可条件の成否を判定し、アクセス許可条件が成立している場合にのみ、端末装置2[i]の運送管理ウェブサイトへのアクセスを許可する。そして、アクセスの許可を経てシステム状態を出発可状態に更新可能に構成される(例えば、
図14ではステップS215を経由してステップS225及びS226、
図15ではステップS315を経由してステップS325及びS326)。
【0140】
このようなアクセス管理により、運送業者や運行日時等が間違った状態でのアクセスが禁止される。そして、アクセスの許可を経てからしかシステム状態は出発可状態に遷移しないため、間違いを含む輸送の実行が抑制される。また、不当なアクセスを排除することも可能となる。
【0141】
より具体的には、スケジュールデータ700は、
図8に示す如く、第1拠点(610)及び各中継拠点(620、630、640)の夫々を出発地点に設定した上で、出発地点ごとに、コンテナQQを接続(配置)して出発すべき運送予定車両の出発予定日時(714、724、734、744)及び運送予定車両が属する運送業者を識別するための運送業者ID(716、726、736、746)を含む。
【0142】
管理部114は、出発地点ごとに、出発地点からの出発が許可される前の状態(例えばST10、又は、ST21、ST22若しくはST23)より出発地点からの出発が許可された状態(例えば、ST11、又は、ST24)へとシステム状態を遷移させることで、コンテナQQを接続した車両PP[i](コンテナQQが配置された車両PP[i])の出発地点からの出発を許可する。
【0143】
端末発信情報取得部112は、複数の車両PPに対応する複数の端末装置2の送信情報に基づき、端末装置2ごとに位置情報(端末装置2に対応する車両PPの現在地情報に相当)、運送業者ID(端末装置2に対応する車両PPが属する運送業者の運送業者ID)及びコンテナID(端末装置2に対応する車両PPに接続される予定のコンテナQQのコンテナID)を取得する。
【0144】
管理部114は、第1拠点(610)及び各中継拠点(620、630、640)の何れかである注目出発地点(
図13の注目地点に相当)について、システム状態が注目出発地点からの出発が許可される前の状態であるときに複数の端末装置2の何れかである注目端末装置2からアクセス要求820を受けたとき(
図13参照)、以下のように動作する。即ち、管理部114は、注目端末装置2の現在地と注目出発地点(例えば中継拠点620)との関係、注目端末装置2の送信情報に基づく運送業者IDとスケジュールデータ700中の注目出発地点に対応する運送業者ID(例えば情報726における運送業者ID:
図8参照)との関係、現在日時とスケジュールデータ700中の注目出発地点に対応する出発予定日時(例えば情報724における出発予定日時:
図8参照)との関係、及び、現在のシステム状態に基づいて、注目端末装置2による運送管理ウェブサイトへのアクセスを許可又は禁止する(例えば
図15のステップS314からステップS315又はS341への移行に対応)。そして、管理部114は、アクセスの許可を経てシステム状態を注目出発地点からの出発が許可された状態(例えば出発可状態ST24)へ遷移可能に構成される。
【0145】
このようなアクセス管理により、中継輸送において、運送業者や運行日時等が間違った状態でのアクセスが禁止される。そして、アクセスの許可を経てからしかシステム状態は出発可状態に遷移しないため、間違いを含む中継輸送の実行が抑制される。また、不当なアクセスを排除することも可能となる。
【0146】
尚、管理部114は、注目端末装置2に対してアクセスを許可した後、所定の出発許可条件が成立したときにシステム状態を注目出発地点からの出発が許可された状態へ遷移させる。例えば
図14のフローチャートでは、ステップS215に至った後、ステップS225又はS226に至るまでに成立すべき条件が出発許可条件に含まれる。同様に例えば
図15のフローチャートでは、ステップS315に至った後、ステップS325又はS326に至るまでに成立すべき条件が出発許可条件に含まれる。
【0147】
第1拠点610から第2拠点650までの中継輸送は複数の車両PPを用いて実現され、本実施例において複数の車両PPは車両PP[1]~PP[5]から成る。今、第1拠点610から中継拠点620までの対象荷物の運送を担う車両PP[1]を第1対象車両と称し、中継拠点620から中継拠点630までの対象荷物の運送を担う車両PP[2]を第2対象車両と称する。但し、第2対象車両は中継拠点620から第2拠点650までの対象荷物の運送を担う車両PPであっても良い(この場合、中継拠点630及び640は存在しないと考えられ、車両PP[3]~PP[5]を用いずに中継輸送が実現される)。
【0148】
第1対象車両PP[1]に対応する第1端末装置2[1]の送信情報に基づくコンテナIDが、使用コンテナ情報713としてスケジュールデータ700に格納される(
図8参照)。但し、第2実施例にて後述されるよう、第1端末装置2[1]の送信情報に依らず予め指定されたコンテナIDがスケジュールデータ700の使用コンテナ情報713に格納されていても良い。
【0149】
管理部114は、中継拠点620について、中継拠点620からの出発が許可される前の状態より中継拠点620からの出発が許可された状態(出発可状態ST24)へとシステム状態を遷移させることで、コンテナQQを接続した第2対象車両PP[2]の中継拠点620からの出発を許可する(
図15のステップS325及びS326)。
【0150】
管理部114は、中継拠点620について、システム状態が中継拠点620からの出発が許可される前の状態であるときに、第2対象車両PP[2]に対応する第2端末装置2[2]からのアクセス要求820に応答して第2端末装置2[2]による運送管理ウェブサイトへのアクセスを許可した後(ステップS314のY及びステップS315)、所定の出発許可条件が成立した場合にシステム状態を中継拠点620からの出発が許可された状態(出発可状態ST24)へ遷移させる。
【0151】
ここにおける出発許可条件は、第2端末装置2[2]の送信情報に基づくコンテナIDとスケジュールデータ700に格納されたコンテナID(使用コンテナ情報713におけるコンテナID)とが一致するというコンテナ整合条件を含む。例えば
図15のフローチャートでは、コンテナ整合条件が成立するときに限り、ステップS317からステップS318を経由してステップS319に進む。
【0152】
出発許可条件にコンテナ整合条件を含めることにより、誤ったコンテナが第2対象車両PP[2]に接続された状態で、第2対象車両PP[2]が中継拠点620から出発するという事態の発生が抑制される。
【0153】
また、端末発信情報取得部112は、第1端末装置2[1]からコンテナQQへの荷物の積み込み状態に関わる積み込み情報を取得できる。そして、管理部114は、第2端末装置2[2]による運送管理ウェブサイトへのアクセスを許可した後、積み込み情報を第2端末装置2[2]に送信可能である。
【0154】
これにより、第2対象車両PP[2]の運転手は、自らが引き継いで輸送すべきコンテナQQ中の荷物の積み込み状態を知ることができ、積み込み状態に応じた運転を心がけることができる。例えば、積み込み状態によっては荷崩れしやすいので、走行速度や急カーブに特に注意を払うといった対応が可能である。
【0155】
また、管理部114は、上記の注目出発地点及び注目端末装置2について、システム状態が注目出発地点からの出発が許可される前の状態であるときに、注目端末装置2からのアクセス要求820に応答して注目端末装置2による運送管理ウェブサイトへのアクセスを許可した後、所定の出発許可条件が成立した場合にシステム状態を注目出発地点からの出発が許可された状態(例えば出発可状態ST24)へ遷移させる。
【0156】
この際、出発許可条件は、注目端末装置2の送信情報に基づく車両ID(例えば車両PP[2]の車両ID)と注目出発地点(例えば中継拠点620)に対応付けてスケジュールデータ700に格納された車両ID(例えば情報727における車両ID)とが一致するという車両整合条件を含んでいる。
【0157】
出発許可条件に車両整合条件を含めることにより、スケジュールに沿わない車両PPが中継輸送に参加した状態で荷物が輸送されるという事態の発生が抑制される。
【0158】
また、アクセス要求受付部114は、スケジュールデータ700に対応付けられた二次元コード(AC_CD)を端末装置2で撮影することを通じて端末装置2から発行されるアクセス要求820を受け付けるよう構成される。
【0159】
これにより、二次元コードを撮影するだけという簡易な方法で正しい中継輸送を実現するためのアクセス管理が図られ、利便性が高い。
【0160】
<<第2実施例>>
第2実施例を説明する。第1拠点610から第2拠点650までの中継輸送で用いるコンテナQQは運送管理装置1にて予め指定されていても良い。この場合、スケジュールデータ作成部111は、
図8の使用コンテナ情報713に予め定めたコンテナIDを格納したスケジュールデータ700を作成する。各運送業者に配布されるスケジュール表には、使用コンテナ情報713におけるコンテナIDが明示される。スケジュール表に使用コンテナ情報713として示されたコンテナIDを有するコンテナQQを指定コンテナQQと称する。中継輸送の開始前において指定コンテナQQは第1拠点610に存在するものとする。
【0161】
車両PP[1]の運転手は第1拠点610において指定コンテナQQに対して対象荷物を積み込む。このため、指定コンテナQQが対象コンテナQQとなる。
【0162】
第2実施例では、
図14のステップS217においてコンテナIDの整合確認処理が実行される。この処理の内容は
図15のステップS317のそれと同様である。即ち、ステップS217におけるコンテナIDの整合確認処理において、管理部114は、コンテナ情報1310にて示されるコンテナIDと使用コンテナ情報713(
図8参照)にて示されるコンテナID(第2実施例では指定コンテナQQのコンテナID)とが一致しているか否かを判定する。それらのコンテナIDが一致している場合(ステップS218のY)、管理部114は所定の正常信号1312を端末装置2[1]に送信してステップS219への移行を発生させる。それらのコンテナIDが不一致である場合(ステップS218のN)、管理部114はステップS242への移行を発生させてステップS242にて所定のエラー処理を実行する。
【0163】
<<第3実施例>>
第3実施例を説明する。上述の出発許可条件に車両整合条件を含めないようにしても良い。この場合、
図14のフローチャートからステップS219~S221及びS243が削除され、
図15のフローチャートからステップS319~S321及びS343が削除される。即ち、
図14のフローチャートにおいて、ステップS217からステップS218を経由して正常信号1312が端末装置2[1]に送信される状況に至ると、ステップS219に移行する代わりにステップS222に直接移行すれば良い。同様に、
図15のフローチャートにおいて、ステップS317からステップS318を経由して正常信号1412が端末装置2[2]に送信される状況に至ると、ステップS319に移行する代わりに、ステップS322に直接移行すれば良い。
【0164】
<<第4実施例>>
第4実施例を説明する。第1拠点610及び中継拠点620~640の内の任意の拠点において、システム状態が出発可状態以外の状態から出発可状態に遷移したとき、管理部114は、対応する車両PPに搭載された車載装置(不図示)に対して所定の出発許可信号を送信するようにしても良い。この場合、出発許可信号を受信した車載装置は、自身に設けられた又は接続された表示装置に出発許可信号に基づく出発許可画像を表示させる。尚、中継輸送に用いられる各車両の車載装置と運送管理装置1との間で無線通信チャネルを確立するための措置が予め行われているものとする。
【0165】
即ち例えば、第1拠点610においてシステム状態が出発前状態ST10から出発可状態ST11に遷移したとき、管理部114は、車両PP[1]に搭載された第1車載装置(不図示)に対して所定の第1出発許可信号を送信する。第1出発許可信号を受信した第1車載装置は、自身に設けられた又は接続された表示装置(不図示)に第1出発許可信号に基づく第1出発許可画像を表示させる。第1出発許可画像は、対象コンテナQQを接続した状態で車両PP[1]が第1拠点610から出発することに対して許可が与えられたことを示す画像であり、当該出発が許可されたことを示す旨のメッセージを含む。尚、管理部114において、第1車載装置と情報717(
図8参照)における車両IDとが対応付けられているものとし、管理部114は情報717中の車両IDに基づき第1車載装置に対して第1出発許可信号を送信する。
【0166】
同様に例えば、中継拠点620においてシステム状態が到着状態ST23から出発可状態ST24に遷移したとき、管理部114は、車両PP[2]に搭載された第2車載装置(不図示)に対して所定の第2出発許可信号を送信する。第2出発許可信号を受信した第2車載装置は、自身に設けられた又は接続された表示装置(不図示)に第2出発許可信号に基づく第2出発許可画像を表示させる。第2出発許可画像は、対象コンテナQQを接続した状態で車両PP[2]が中継拠点620から出発することに対して許可が与えられたことを示す画像であり、当該出発が許可されたことを示す旨のメッセージを含む。尚、管理部114において、第2車載装置と情報727(
図8参照)における車両IDとが対応付けられているものとし、管理部114は情報727中の車両IDに基づき第2車載装置に対して第2出発許可信号を送信する。
【0167】
<<第5実施例>>
第5実施例を説明する。各拠点に入出庫ゲート(不図示)が設けられていて良い。各拠点において、入出庫ゲートは拠点内のスペースと拠点外とのスペース(一般車道を含む)との間に設けられ、各車両PPは入出庫ゲートを通過して前者のスペースから後者のスペースへ、又は、後者のスペースから前者のスペースへと移動する。但し、当該移動は、入出庫ゲートが開状態であるときにのみ可能である。入出庫ゲートは閉状態及び開状態の何れかの状態をとり、入出庫ゲートが閉状態であるとき上記移動は禁止される。
【0168】
管理部114は、各拠点(610~650))の入出庫ゲートの状態を制御するゲート制御機能を有していても良い。この場合、管理部114は、第1拠点610及び中継拠点620~640の内の任意の拠点において、システム状態が出発可状態以外の状態から出発可状態に遷移したとき、当該拠点の入出庫ゲートを閉状態から開状態に切り替えることで、対応する車両PPの出発を許可するようにしても良い。
【0169】
即ち例えば、第1拠点610においてシステム状態が出発前状態ST10から出発可状態ST11に遷移したとき、管理部114は、第1拠点610の入出庫ゲート(不図示)を閉状態から開状態に切り替えることで、対象コンテナQQを接続した状態で車両PP[1]が第1拠点610から出発することに対して許可を与えても良い。同様に例えば、中継拠点620においてシステム状態が到着状態ST23から発可状態ST24に遷移したとき、管理部114は、中継拠点620の入出庫ゲート(不図示)を閉状態から開状態に切り替えることで、対象コンテナQQを接続した状態で車両PP[2]が中継拠点620から出発することに対して許可を与えても良い。
【0170】
<<第6実施例>>
第6実施例を説明する。第1拠点610から第2拠点650に至るまでに3つの中継拠点620、630及び640を経由する例を挙げた。しかしながら、中継輸送において第1拠点610から第2拠点650に至るまでに経由する中継拠点の個数は1以上であれば任意である。当該個数が1である場合、中継拠点620から出発した車両PP[2]が中継拠点630及び640を経由せずに、直接、第2拠点650まで対象コンテナQQを運ぶと考えれば良い、或いは、中継拠点630が第2拠点650と一致すると考えても良い。
【0171】
<<第7実施例>>
第7実施例を説明する。
【0172】
上述の各実施例では、端末装置2により読み取りの対象となるコード(AC_CD、QQ_CD、PP_CD)としてQRコード(登録商標)に代表される二次元コードを想定した。しかしながら、読み取りの対象となるコード(AC_CD、QQ_CD、PP_CD)は、一次元コードでも良いし、一次元コード及び二次元コードに分類されない任意のパターンコードであっても良い。
【0173】
本発明に係る任意の装置(例えば運送管理装置1又は端末装置2)を、便宜上、対象装置と称する。対象装置を、集積回路等のハードウェア、或いは、ハードウェアとソフトウェアの組み合わせによって構成することができる。対象装置にて実現される機能の全部又は一部である任意の特定の機能をプログラムとして記述して、該プログラムを記録媒体に記録しておいて良い。そして、当該プログラムをプログラム実行装置(例えば、対象装置に搭載可能なマイクロコンピュータ)上で実行することによって、その特定の機能を実現するようにしても良い。上記記録媒体は対象装置に搭載又は接続されていても良いし、対象装置と異なる機器(サーバ機器等)に搭載又は接続されていても良い。上記記録媒体は、不揮発性の記録媒体であって、例えば、任意の磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク又は半導体メモリにて構成される。
【0174】
本発明の実施形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。以上の実施形態は、あくまでも、本発明の実施形態の例であって、本発明ないし各構成要件の用語の意義は、以上の実施形態に記載されたものに制限されるものではない。上述の説明文中に示した具体的な数値は、単なる例示であって、当然の如く、それらを様々な数値に変更することができる。
【符号の説明】
【0175】
SYS 運送管理システム
PP 車両
QQ 収容部(コンテナ)
NET ネットワーク
1 運送管理装置
11 制御部
12 記憶部
13 通信部
14 インターフェース部
15 日時情報取得部
111 スケジュールデータ作成部
112 端末発信情報取得部
113 スケジュールデータ保持部
114 管理部
115 アクセス要求受付部
2 端末装置
21 制御部
22 記憶部
23 通信部
24 インターフェース部
25 日時情報取得部
26 GPS処理部
27 カメラ部
700 スケジュールデータ
AC_CD アクセスコード
PP_CD 車両コード
QQ_CD コンテナコード