(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022170296
(43)【公開日】2022-11-10
(54)【発明の名称】パレット洗浄装置
(51)【国際特許分類】
B08B 3/02 20060101AFI20221102BHJP
B08B 1/02 20060101ALI20221102BHJP
【FI】
B08B3/02 C
B08B1/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021076340
(22)【出願日】2021-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】505390657
【氏名又は名称】トランコム株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】520200399
【氏名又は名称】Chinoh.Ai株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】521186351
【氏名又は名称】昆山通莱五金机械有限公司
【氏名又は名称原語表記】Kunshan Thonglay Hardware Machinery Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】Room 2,No.9,Hengdai Road,Zhangpu Town,Kunshan City,Suzhou City,Jiangsu,China
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】口脇 安夫
(72)【発明者】
【氏名】舟橋 慶二
(72)【発明者】
【氏名】中島 成浩
(72)【発明者】
【氏名】中西 孝文
【テーマコード(参考)】
3B116
3B201
【Fターム(参考)】
3B116AA02
3B116AB14
3B116BA02
3B116BA03
3B116BA23
3B116BB23
3B116BB33
3B201AA02
3B201AB14
3B201BA02
3B201BA03
3B201BA23
3B201BB23
3B201BB33
3B201BB93
3B201BB94
3B201CB25
3B201CC14
(57)【要約】
【課題】パレットの洗浄を効率良く行う。
【解決手段】パレット洗浄装置1は、搬送部10と、洗浄部21~23とを備える。搬送部10は、起立状態である複数のパレット5を搬送方向にまとめて搬送する。洗浄部21~23は、搬送部10により搬送されている複数のパレット5を洗浄する。なお、起立状態とは、主面が上下方向及び搬送方向に沿って広がるようにパレット5が配置された状態である。また、搬送方向に直交する向きに並び、且つ、搬送方向に延びる複数の搬送経路11~14が設けられており、搬送部10により搬送されるそれぞれのパレットは、起立状態でいずれかの搬送経路11~14を搬送される。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
厚さ方向に対面する2つの主面を有し、これらの主面のうちの少なくとも一方に、倉庫に保管される物品が載置されるパレットを洗浄するパレット洗浄装置であって、
起立状態である複数の前記パレットを、搬送方向にまとめて搬送する搬送部と、
前記搬送部により搬送されている複数の前記パレットを洗浄する洗浄部と、を備え、
前記起立状態とは、前記主面が上下方向及び前記搬送方向に沿って広がるように前記パレットが配置された状態であり、
前記搬送方向に直交する向きに並び、且つ、前記搬送方向に延びる複数の搬送経路が設けられており、
前記搬送部により搬送されるそれぞれの前記パレットは、前記起立状態でいずれかの前記搬送経路を搬送される
パレット洗浄装置。
【請求項2】
請求項1に記載されたパレット洗浄装置であって、
前記洗浄部により洗浄されている前記パレットが、それぞれの前記搬送経路を搬送されるように促すガイド部をさらに備える
パレット洗浄装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載されたパレット洗浄装置であって、
前記洗浄部は、それぞれの前記搬送経路を搬送される前記パレットの2つの前記主面に向けて流体を放出することで、該パレットの洗浄を行う第1洗浄部を有する
パレット洗浄装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のうちのいずれか1項に記載されたパレット洗浄装置であって、
前記洗浄部は、それぞれの前記搬送経路を搬送される前記パレットの2つの前記主面に当接することで、これらの主面を洗浄する第2洗浄部を有する
パレット洗浄装置。
【請求項5】
請求項4に記載されたパレット洗浄装置であって、
前記搬送部により前記搬送方向に搬送される複数の前記パレットは、上流側から下流側へと搬送され、
前記第2洗浄部は、上方に向かうに従い前記上流側に向かうよう傾斜している
パレット洗浄装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、倉庫に保管される物品が載置されるパレットを洗浄するパレット洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
物流拠点等として用いられる倉庫では、作業効率を高めるため、扁平なパレットに載置された状態で物品の運搬等が行われており、このような倉庫では多数のパレットが用いられる。そして、特許文献1には、コンベアにより搬送されるパレットに水を噴射したりブラシ掛けを行ったりすることで、パレットを洗浄するパレット洗浄装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示されたパレット洗浄装置では、水平に配置された状態でコンベアにより搬送されるパレットの洗浄が行われる。このため、パレットの洗浄を効率良く行うことが困難であった。
【0005】
本開示の一態様においては、パレットの洗浄を効率良く行うことが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様は、厚さ方向に対面する2つの主面を有し、これらの主面のうちの少なくとも一方に、倉庫に保管される物品が載置されるパレットを洗浄するパレット洗浄装置であって、搬送部と、洗浄部と、を備える。搬送部は、起立状態である複数のパレットを、搬送方向にまとめて搬送する。洗浄部は、搬送部により搬送されている複数のパレットを洗浄する。起立状態とは、主面が上下方向及び搬送方向に沿って広がるようにパレットが配置された状態である。また、搬送方向に直交する向きに並び、且つ、搬送方向に延びる複数の搬送経路が設けられている。そして、搬送部により搬送されるそれぞれのパレットは、起立状態でいずれかの搬送経路を搬送される。
【0007】
上記構成によれば、パレットを搬送する複数の搬送経路が並んで設けられており、各搬送経路を搬送される起立状態のパレットが洗浄される。このため、パレット洗浄装置の配置スペースの増加を抑制しつつ、複数のパレットをまとめて洗浄でき、パレットの洗浄に要する時間及びエネルギーを抑制できる。したがって、パレットの洗浄を効率良く行うことができる。
【0008】
本開示の一態様は、洗浄部により洗浄されているパレットが、それぞれの搬送経路を搬送されるように促すガイド部をさらに備えてもよい。
上記構成によれば、各搬送経路に沿って良好にパレットを搬送できる。
【0009】
本開示の一態様では、洗浄部は、それぞれの搬送経路を搬送されるパレットの2つの主面に向けて流体を放出することで、パレットの洗浄を行う第1洗浄部を有してもよい。
上記構成によれば、各搬送経路を搬送されるパレットを良好に洗浄できる。
【0010】
本開示の一態様では、洗浄部は、それぞれの搬送経路を搬送されるパレットの2つの主面に当接することで、これらの主面を洗浄する第2洗浄部を有してもよい。
上記構成によれば、各搬送経路を搬送されるパレットの主面の汚れを、良好に除去できる。
【0011】
本開示の一態様では、搬送部により搬送方向に搬送される複数のパレットは、上流側から下流側へと搬送されてもよい。第2洗浄部は、上方に向かうに従い上流側に向かうよう傾斜していてもよい。
【0012】
上記構成によれば、第2洗浄部により除去されたパレットの主面の汚れを、下方に落とすことができる。したがって、パレットの主面の汚れを良好に除去できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図5】パレット洗浄装置における搬送部、ガイド部、及び第1洗浄部の側面図である。
【
図6】パレット洗浄装置における搬送部、ガイド部、及び第1洗浄部の正面図である。
【
図7】パレット洗浄装置における搬送部、ガイド部、及び第2洗浄部の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本開示の実施形態について図面を用いて説明する。なお、本開示の実施の形態は、下記の実施形態に何ら限定されることはなく、本開示の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
【0015】
[1.パレット洗浄装置の概要]
本実施形態のパレット洗浄装置1は、倉庫で用いられるパレット5を洗浄するよう構成される(
図1~4参照)。パレット5は、倉庫に保管される物品を載置するための部材であり、倉庫の物品はパレット5に載置された状態で保管や運搬がなされる。パレット5は、略直方体形状の扁平な形状を有する中空の部材であり、その外面には、厚さ方向に対面する正方形又は略正方形の2つの主面50が形成されている。そして、パレット5における双方又は一方の主面50が、倉庫の物品が載置される載置面として用いられる。また、パレット5の側面51には、2つの穴部52が形成されており、各穴部52には、物品が載置されたパレット5を運搬する際にフォークリフトのツメが挿入される。
【0016】
パレット洗浄装置1は、搬送方向に沿って起立状態で搬送される複数のパレット5をまとめて洗浄するよう構成されている(
図2~4参照)。なお、起立状態とは、主面50が上下方向及び搬送方向に沿って(換言すれば、平行又は略平行に)広がるようにパレット5が配置された状態である。起立状態である場合には、パレット5のいずれかの側面51が下側に位置する。
【0017】
具体的には、パレット洗浄装置1は、複数(一例として4つ)の搬送経路11~14を有する。これらの搬送経路11~14は、搬送方向に直線状に延び、隙間を空けて搬送方向に直交する方向(以後、幅方向)に並ぶ。なお、搬送経路11~14は、直線状に限らず、湾曲した経路であっても良い。そして、パレット洗浄装置1は、起立状態のパレット5を各搬送経路11~14に沿って搬送し、これらのパレット5をまとめて洗浄する。
【0018】
パレット洗浄装置1は、搬送部10と、洗浄室2と、入口部3と、出口部4とを備える。以下では、パレット洗浄装置1を構成する各部位について詳しく説明する。
[2.搬送部]
搬送部10は、洗浄室2、入口部3、及び出口部4の床部に設けられる。各搬送経路11~14は搬送部10上に形成され、搬送部10は、各搬送経路11~14に配置された起立状態のパレット5を搬送方向にまとめて搬送する(
図2~4参照)。これにより、入口部3に配置された各パレット5は、各搬送経路11~14を搬送され、洗浄室2を通過して出口部4に到達する。
【0019】
搬送部10は、一例として、幅方向に延びる円柱状の複数のローラとして構成されており、各パレット5はこれらのローラの上に配置される。そして、各ローラが回転することで、各パレット5が搬送方向に(換言すれば、上流側から下流側に)搬送される。無論、搬送部10は、複数のローラに限らず、例えば、ベルトコンベアとして構成されていても良いし、各パレット5を搬送方向に押す又は引っ張るプッシュプル装置として構成されていても良い。
【0020】
[3.入口部]
入口部3は、洗浄を行うパレット5が最初に配置される部位であり、各搬送経路11~14に対応して設けられた4つのガイド溝30及びパレット入口31を備える(
図2参照)。
【0021】
各ガイド溝30は、搬送部10の上側に設けられた、搬送方向に沿って延びる溝状の部位である。各ガイド溝30は、搬送経路11~14を形成しており、各ガイド溝30の底部では、搬送部10が露出している。また、各ガイド溝30は、パレット5が当該ガイド溝30により形成される搬送経路11~14に沿って搬送されるように促す。
【0022】
各パレット入口31は、洗浄室2を仕切る側壁に形成された矩形の開口部であり、洗浄室2の内部に連通する。また、各パレット入口31は、対応する搬送経路11~14に形成されており、該搬送経路11~14を形成するガイド溝30と交差するように設けられる。
【0023】
洗浄される各パレット5は、最初に起立状態で入口部3の各ガイド溝30に配置され、各ガイド溝30に配置されたパレット5の側面51は、ガイド溝30の底部に露出している搬送部10と当接する。そして、該パレット5は、搬送部10が回転することによりガイド溝30に沿って搬送経路11~14を搬送され、パレット入口31を通過して洗浄室2の内部へと誘導される。
【0024】
[4.洗浄室]
洗浄室2は、内部に搬送経路11~14が形成されており、搬送部10によりこれらの搬送経路11~14を搬送されるパレット5の洗浄が行われる(
図3参照)。洗浄室2は、ガイド部20と、第1洗浄部として構成された第1及び第2ノズル21、22と、第2洗浄部23とを備える(
図5~7参照)。
【0025】
[5.ガイド部]
ガイド部20は、各搬送経路11~14の両側に設けられ、搬送経路に沿って延びる棒状の部位である(
図5~7参照)。ガイド部20は、各搬送経路11~14を起立状態で搬送されるパレット5の転倒を抑制し、パレット5が各搬送経路11~14に沿って搬送されるように促す。換言すれば、ガイド部20は、該パレット5が起立状態から逸脱するのを抑制する。なお、隣り合う搬送経路の間には1本のガイド部20が設けられる。また、ガイド部20は、一例として、洗浄室2内の各搬送経路11~14の始点から終点にわたって延びる。また、ガイド部20は、搬送経路11~14を搬送されるパレット5の主面50の上部に対面するように設けられる。また、本実施形態では、一例として、ガイド部20は、該パレット5との間に隙間が形成されるように配置される。しかし、ガイド部20は、該パレット5に当接するように設けられても良い。
【0026】
この他にも、例えば、洗浄室2の床部には、入口部3に設けられたものと同様のガイド溝が設けられていても良い。そして、ガイド溝により、洗浄室2の内部における搬送経路11~14を形成しても良い。
【0027】
[6.第1ノズル]
第1ノズル21は、各搬送経路11~14を搬送されるパレット5に対し流体を放出することで、該パレット5を洗浄する(
図3、5、6参照)。第1ノズル21は、側面に多数の穴部が形成された細長い筒状の部位であり、本実施形態では、穴部からパレット5に向けて一例として水が噴射される。なお、該水は、例えば、高温であっても良いし、洗剤が含まれていても良い。
【0028】
本実施形態では、第1ノズル21は、側部第1ノズル21Aと、下部第1ノズル21Bと、上部第1ノズル21Cとを備える。
側部第1ノズル21Aは、各搬送経路11~14の両側に設けられており、上下方向に延びる。各搬送経路11~14の両側に位置する2つの側部第1ノズル21Aは、幅方向に並び、該搬送経路を搬送されるパレット5の各主面50に対し流体を放出する。具体的には、側部第1ノズル21Aは、洗浄室2の天井の付近から搬送部10の下側の位置まで延び、上側の端部から下側の端部までの範囲に渡ってパレット5の主面50に流体を放出する。
【0029】
なお、隣り合う搬送経路の間には、1本の側部第1ノズル21Aが設けられており、該側部第1ノズル21Aは、両側に位置する搬送経路を搬送される各パレット5の各主面50に対し流体を放出する。なお、側部第1ノズル21Aは、ガイド部20と交差するように設けられる。
【0030】
また、下部第1ノズル21B、上部第1ノズル21Cは、それぞれ、搬送部10の下側、上側に設けられ、幅方向に延び、上下方向に対面する。そして、下部第1ノズル21B、上部第1ノズル21Cは、搬送経路11~14を搬送されるパレット5に対し流体を放出する。
【0031】
[7.第2ノズル]
第2ノズル22は、第1ノズル21の下流側に位置し、第1ノズル21と同様、流体を放出することでパレット5を洗浄する(
図3、7参照)。第2ノズル22もまた、側面に多数の穴部が形成された細長い筒状の部位であり、本実施形態では、穴部からパレット5に向けて一例として蒸気が噴射される。
【0032】
第2ノズル22は、各搬送経路11~14の両側に設けられており、上下方向に延びる。各搬送経路11~14の両側に位置する第2ノズル22は、幅方向に並び、該搬送経路を搬送されるパレット5の各主面50に対し流体を放出する。具体的には、第2ノズル22は、洗浄室2の天井の付近から搬送部10の下側の位置まで延び、上側の端部から下側の端部までの範囲に渡ってパレット5の主面50に流体を放出する。
【0033】
なお、隣り合う搬送経路の間には、1本の側部第2ノズル22が設けられており、該第2ノズル22は、両側に位置する搬送経路を搬送される各パレット5の各主面50に対し流体を放出する。なお、第2ノズル22は、ガイド部20と交差するように設けられる。
【0034】
[8.第2洗浄部]
第2洗浄部23は、第2ノズル22の下流側に位置し、各搬送経路11~14の両側に配置され、各搬送経路11~14を搬送される各パレット5の各主面50に当接することで、これらの主面50を洗浄する(
図7参照)。本実施形態では、第2洗浄部23は、一例としてゴム等の樹脂により形成された細長い板状のスクレーパーとして構成されており、その長手方向に延びる端部がパレット5の主面50に当接するよう配置される。
【0035】
また、第2洗浄部23は、上側の端部から下側の端部までの範囲に渡ってパレット5の主面50に当接するよう設けられる。具体的には、第2洗浄部23は、洗浄室2の天井の付近から搬送部10の下側の位置に渡って直線状に延び、上方に向かうに従い上流側に向かうよう傾斜している。なお、第2洗浄部23は、直線状に限らず、例えば、同様の傾斜を有しつつ、湾曲した経路に沿って延びていても良い。
【0036】
また、第2洗浄部23は、スクレーパーに換えて、例えば、モップ等の布状の部材や、ブラシ状の部材により構成されていても良い。この場合、第2洗浄部23は、細長い部材として構成されていても良く、また、スクレーパーと同様に傾斜しても良い。また、この場合、第2洗浄部23は、面状に広がるように設けられていても良く、このとき、第2洗浄部23におけるパレット5の主面50に当接する部分における上流側の縁部は、上方に向かうに従い上流側に向かうよう傾斜する形状となっていても良い。
【0037】
なお、第2洗浄部23は、ガイド部20と交差するように設けられる。
[9.出口部]
出口部4は、洗浄室2での洗浄が終了したパレット5が到達する部位であり、各搬送経路11~14に対応して設けられた4つのガイド溝40及びパレット出口41を備える(
図4参照)。
【0038】
各ガイド溝40は、入口部3のガイド溝40と同様の構成を有し、搬送部10の上側に設けられ、搬送方向に沿って延びる溝状の部位である。
各パレット出口41は、洗浄室2を仕切る側壁に形成された矩形の開口部であり、洗浄室2の内部に連通する。また、各パレット出口41は、対応する搬送経路に形成されており、該搬送経路を形成するガイド溝40と交差するように設けられる。
【0039】
洗浄室2での洗浄が終了した各パレット5は、搬送部10により搬送されて起立状態でパレット出口41を通過し、出口部4の各ガイド溝40に到達する。
[10.パレット洗浄装置での洗浄方法]
パレット洗浄装置1は、図示しない段ばらし装置、横/縦変換機、バッファ、脱水機、乾燥機、段積み装置等と共に用いられる。
【0040】
段ばらし装置は、段積みされた複数のパレット5を1枚ずつ取り出して横/縦変換機に渡す。なお、段積みとは、各主面50が上側又は下側に位置する状態で上下方向にパレットを積層することを意味する。
【0041】
横/縦変換機は、段ばらし装置から受け取ったパレット5を立たせ、該パレット5のいずれかの側面51が下側に位置するようにする。また、横/縦変換機は、パレット洗浄装置1の入口部3の各ガイド溝30に、起立状態でパレット5を配置する。
【0042】
そして、パレット洗浄装置1は、入口部3における各ガイド溝30に配置されたパレット5を、搬送経路11~14に沿って搬送する。具体的には、パレット洗浄装置1の搬送部10を常時稼動させた状態とし、各ガイド溝30にパレット5が配置される度に該パレット5が搬送されるようにしても良い。この場合、先にガイド溝30に配置されたものから順にパレット5が洗浄室2の内部へと誘導され、各搬送経路11~14を搬送されるパレット5の洗浄が並行して行われる。
【0043】
この他にも、例えば、入口部3における全てのガイド溝30にパレット5が配置された後に搬送部10を作動させても良い。この場合、各搬送経路11~14に配置されたパレット5が、幅方向に並んだ状態でまとめて搬送され、これらのパレット5の洗浄が並行して行われる。
【0044】
また、パレット洗浄装置1での洗浄モードとして、通常モードと簡易モードとが設けられていても良い。具体的には、通常モードでは、第1及び第2ノズル21、22を作動させて洗浄が行われ、簡易モードでは、第1ノズル21を作動させず、第2ノズル22を作動させて洗浄が行われる。こうすることにより、汚れ具合に応じてパレット5の洗浄を行うことができ、洗浄に要するコストを抑制できる。
【0045】
そして、パレット洗浄装置1の洗浄室2を通過し、洗浄が終了したパレット5が出口部4のガイド溝40に到達すると、該パレット5は一旦バッファに配置され、バッファに配置されたパレット5は脱水機に渡され、脱水機にて該パレット5の脱水が行われる。また、脱水が終了したパレット5はバッファに配置され、バッファに配置されたパレット5は、さらに乾燥機に渡される。その後、乾燥機による乾燥が終了したパレット5は、段積み装置に送られ、段積み装置にてパレット5の段積みが行われる。なお、簡易モードでの洗浄が行われた場合には、乾燥機によるパレット5の乾燥は、省略されても良い。
【0046】
[13.効果]
(1)上記実施形態によれば、パレット洗浄装置1には、パレット5を搬送する複数の搬送経路11~14が並んで設けられており、各搬送経路11~14を搬送される起立状態のパレット5が洗浄される。このため、パレット洗浄装置1の配置スペースの増加を抑制しつつ、複数のパレット5をまとめて洗浄でき、パレット5の洗浄に要する時間及びエネルギーを抑制できる。したがって、パレット5の洗浄を効率良く行うことができる。
【0047】
(2)また、上記実施形態によれば、ガイド溝30、40及びガイド部20により、パレット5がそれぞれの搬送経路11~14を搬送されるように促される。このため、各搬送経路11~14に沿って良好にパレット5を搬送できる。
【0048】
(3)また、上記実施形態によれば、第1、第2ノズル21、22は、それぞれの搬送経路11~14を搬送されるパレット5の各主面50に向けて流体を放出することで、パレット5の洗浄を行う。このため、各搬送経路11~14を搬送されるパレット5を良好に洗浄できる。
【0049】
(4)また、上記実施形態によれば、第2洗浄部23は、それぞれの搬送経路11~14を搬送されるパレット5の各主面50に当接することで、これらの主面50する。このため、各搬送経路11~14を搬送されるパレット5の主面50の汚れを、良好に除去できる。
【0050】
(5)また、第2洗浄部23は、上方に向かうに従い上流側に向かうよう傾斜している。このため、第2洗浄部23により除去されたパレット5の主面50の汚れを、下方に落とすことができる。したがって、パレット5の主面50の汚れを良好に除去できる。
【0051】
[14.他の実施形態]
(1)上記実施形態のパレット洗浄装置1において、例えば、第1ノズル21にてパレット5に対して蒸気を放出し、第2ノズル22にてパレット5に対し水を放出するようにしても良い。また、例えば、パレット洗浄装置1には、第1及び第2ノズル21、22のうちの一方のみが設けられていても良い。このような構成を有する場合であっても、同様の効果が得られる。
【0052】
(2)上記実施形態の入口部3及び出口部4では、搬送部10の上側にガイド溝30、40が設けられているが、ガイド溝30、40を設けない構成としても良い。このような構成を有する場合であっても、同様の効果が得られる。
【0053】
(3)上記実施形態における1つの構成要素が有する複数の機能を、複数の構成要素によって実現したり、1つの構成要素が有する1つの機能を、複数の構成要素によって実現したりしてもよい。また、複数の構成要素が有する複数の機能を、1つの構成要素によって実現したり、複数の構成要素によって実現される1つの機能を、1つの構成要素によって実現したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加又は置換してもよい。
【符号の説明】
【0054】
1…パレット洗浄装置、10…搬送部、11~14…搬送経路、2…洗浄室、20…ガイド部、21…第1ノズル、21A…側部第1ノズル、21B…下部第1ノズル、21C…上部第1ノズル、22…第2ノズル、23…スクレーパー、3…入口部、30、40…ガイド溝、4…出口部、5…パレット、50…主面、51…側面。