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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022170306
(43)【公開日】2022-11-10
(54)【発明の名称】採水装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 1/00 20060101AFI20221102BHJP
   G01N 33/18 20060101ALI20221102BHJP
【FI】
G01N1/00 101L
G01N33/18 106A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021076358
(22)【出願日】2021-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】000148209
【氏名又は名称】株式会社川本製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】木谷 圭太
(72)【発明者】
【氏名】川村 理桜
(72)【発明者】
【氏名】葛籠 佑斗
(72)【発明者】
【氏名】安井 亜祐美
(72)【発明者】
【氏名】柳川 英明
【テーマコード(参考)】
2G052
【Fターム(参考)】
2G052AA06
2G052AB01
2G052AC17
2G052AD06
2G052CA02
2G052CA12
2G052FC06
2G052FC14
2G052HC09
2G052HC38
2G052HC44
(57)【要約】
【課題】自動で複数のタイミングで採水可能な採水装置を提供すること。
【解決手段】採水装置100は、水処理装置1に接続され、二次側が排水先に接続される第1配管160と、第1配管160を開閉する第1開閉弁170と、複数の容器200にそれぞれ接続される複数の第2配管180と、複数の第2配管180を開閉する複数の第2開閉弁190と、制御部275とを備える。制御部275は、採水を開始すると、第1開閉弁170を開き、複数の第2開閉弁190を閉じた状態にし、所定の時間が経過すると、第1開閉弁170を閉じ、複数の第2開閉弁190のいずれかの第2開閉弁190を開く。
【選択図】 図2

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一次側が採水対象の水を供給する第1給水源に接続され、二次側が排水先に接続される第1配管と、
前記第1配管に設けられ、前記第1配管を開閉する第1開閉弁と、
前記第1配管の前記第1開閉弁より一次側に設けられ、複数の容器のそれぞれに接続される複数の第2配管と、
前記複数の第2配管のそれぞれに設けられ、前記複数の第2配管を開閉する複数の第2開閉弁と、
採水を開始すると、前記第1開閉弁を開き、前記複数の第2開閉弁を閉じた状態にし、所定時間が経過すると、前記第1開閉弁を閉じ、前記複数の第2開閉弁のいずれかの第2開閉弁を開く制御部と、
前記複数の容器を配置する配置部を有し、前記第1配管、前記第1開閉弁、前記複数の第2配管、及び前記複数の第2開閉弁の少なくとも一部を支持する基部と、
を備える採水装置。
【請求項2】
前記複数の容器のそれぞれの内部空間の上面に形成されたポートを介して前記容器の内部空間と接続され、前記容器に採水された水の余剰水を排水する複数の第3配管と、
前記複数の第3配管のそれぞれに設けられ、前記複数の容器側に水が戻ることを防止する複数の逆止弁と、
を備える請求項1に記載の採水装置。
【請求項3】
採水を開始する日時を記憶した記憶部を備え、
前記制御部は、前記日時に採水を開始する、
請求項1に記載の採水装置。
【請求項4】
採水を開始する時間間隔であるインターバル時間を記憶した記憶部を備え、
前記制御部は、前記インターバル時間毎に採水を開始する、
請求項1に記載の採水装置。
【請求項5】
採水を開始する判断に用いる閾値を記憶した記憶部と、
外部からの採水を開始する指示が入力される入力部を備え、
前記制御部は、前記入力部への前記指示の入力時間が前記閾値以上となると、採水を開始する、
請求項1に記載の採水装置。
【請求項6】
前記第1配管の、前記複数の第2配管より一次側に設けられる第3開閉弁と、
一次側が洗浄用の水を供給する第2給水源に接続され、二次側の端部が前記第1配管に接続される第4配管と、
前記第4配管に設けられ、前記第4配管を開閉する第4開閉弁と、
を備え、
前記制御部は、洗浄を開始すると、前記第1開閉弁を開き、前記複数の第2開閉弁を閉じ、前記第3開閉弁を閉じ、前記第4開閉弁を開いた状態にし、前記所定時間が経過すると、前記第1開閉弁を閉じ、前記複数の第2開閉弁を開く、
請求項1に記載の採水装置。
【請求項7】
前記記憶部は、採水した日時と、採水した前記容器とを紐づけて記憶し、
前記制御部は、採水した日時及び当該日時に紐づけられた容器の情報の出力の要求があると、当該情報を出力する、
請求項3乃至請求項5のいずれか1項に記載の採水装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水を供給する給水源から採水する採水装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、井戸水等の原水をポンプにより増圧して供給して、例えば家庭用の生活水や工場の工業用水として使用する技術が知られている。また、原水を濾過することで、原水を生活水や工業用水として使用できる水にする技術が知られている。例えば、原水を処理する水処理装置として、原水に含まれる鉄やマンガンを除去する除鉄除マンガンを行う水処理装置が知られている。
【0003】
また、原水を採水して分析し、水質の監視を行う種々の測定器が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013-178134号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した測定器は、水処理装置に据え付けられており、現地で採水して分析を行う構成である。マンガン等の、現地以外の場所で分析を行うことが求められる不純物については、現地で採水し、採水した水を、分析を行う試験場等に持ち帰って分析を行う必要がある。
【0006】
しかしながら、原水に含まれる不純物の量は、季節や天候によって変動する場合がある。この為、頻繁な採水及び分析が必要となる。この為、頻繁な採水を行う場合、採水の度に作業者が現地に赴いて採水し、採水した水を試験場等に持ち帰ることとなり、採水に係るコストが増大するという問題がある。
【0007】
そこで、本願発明は、自動で複数のタイミングで採水可能な採水装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様に係る採水装置は、一次側が採水対象の水を供給する第1給水源に接続され、二次側が排水先に接続される第1配管と、前記第1配管に設けられ、前記第1配管を開閉する第1開閉弁と、前記第1配管の前記第1開閉弁より一次側に設けられ、複数の容器のそれぞれに接続される複数の第2配管と、前記複数の第2配管のそれぞれに設けられ、前記複数の第2配管を開閉する複数の第2開閉弁と、採水を開始すると、前記第1開閉弁を開き、前記複数の第2開閉弁を閉じた状態にし、所定時間が経過すると、前記第1開閉弁を閉じ、前記複数の第2開閉弁のいずれかの第2開閉弁を開く制御部と、前記複数の容器を配置する配置部を有し、前記第1配管、前記第1開閉弁、前記複数の第2配管、及び前記複数の第2開閉弁の少なくとも一部を支持する基部と、を備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、自動で複数のタイミングで採水できる採水装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態に係る採水装置の構成を示す正面図。
図2】同採水装置のカバーを取り外した構成を示す正面図。
図3】同採水装置のカバーを取り外した構成を示す側面図。
図4】同採水装置のカバーを取り外した構成を示す平面図。
図5】同採水装置の構成を示す説明図。
図6】同採水装置が採水する水、及び、同採水装置に用いられる複数の容器を洗浄する水を供給する水処理装置の構成を示す説明図。
図7】同採水装置の動作の一例を示す流れ図。
図8】同採水装置の動作の一例を示す流れ図。
図9】同採水装置の動作の一例を示す流れ図。
図10】同採水装置の動作の一例を示す流れ図。
図11】同採水装置の動作の一例を示す流れ図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態に係る採水装置100を、図1乃至図6を用いて説明する。
図1は、採水装置100の構成を示す正面図である。図2は、採水装置100のカバー120を取り外した構成を示す正面図である。図3は、採水装置100のカバー120を取り外した構成を示す側面図である。図4は、採水装置100のカバー120を取り外した構成を示す平面図である。図5は、採水装置100の構成を示す説明図である。図6は、採水装置100が採水する水、及び、採水装置100に用いられる複数の容器200を洗浄する水を供給する水処理装置1の構成を示す説明図である。
【0012】
採水装置100は、採水する水を供給する第1給水源に接続され、所定のタイミングで、設定された複数回、給水源から供給される水を容器200に採水して保存する。また、採水装置100は、複数の容器200を洗浄する水を供給する第2給水源にされ、所定のタイミングで、第2給水源から供給される水で複数の容器200を洗浄する。
【0013】
本実施形態の例では、第1給水源及び第2給水源は、例えば、水処理装置1である。水処理装置1は、例えば、井戸水等の原水を処理する。
【0014】
まず、水処理装置1について、図6を用いて説明する。水処理装置1は、原水の給水源2に接続される。給水源2は、例えば井戸である。
水処理装置1は、例えば、給水源2から二次側に原水を送水する原水ポンプ3と、原水ポンプ3の二次側に設けられた濾過槽4と、濾過槽4の二次側に設けられた第1塩素注入器5と、第1塩素注入器5の二次側に設けられた除鉄除マンガンユニット6と、除鉄除マンガンユニット6の二次側に設けられた活性炭濾過ユニット7と、活性炭濾過ユニット7の二次側に設けられた第2塩素注入器8と、第2塩素注入器8の二次側に設けられた処理水槽9と、逆洗ユニット10と、連動制御盤11と、を備えている。
【0015】
また、水処理装置1は、配管12を備えている。配管12は、原水ポンプ3及び濾過槽4を接続する流路と、濾過槽4及び第1塩素注入器5を接続する流路と、第1塩素注入器5及び除鉄除マンガンユニット6を接続する流路と、除鉄除マンガンユニット6及び活性炭濾過ユニット7を接続する流路と、活性炭濾過ユニット7及び第2塩素注入器8を接続する流路と、第2塩素注入器8及び処理水槽9を接続する流路と、を構成している。配管12は、例えば、所定の2つの装置の間に三方弁を備えており、この三方弁により、流路を切り替えることが可能に構成されている。
【0016】
原水ポンプ3は、例えば井戸用の水中ポンプである。なお、原水ポンプ3は、例えば、陸上に配置される陸上ポンプであってもよい。
【0017】
濾過槽4は、水中の砂等の異物を除去可能に構成される。濾過槽4は、例えばサイクロン式の濾過槽である。なお、濾過槽4及び第1塩素注入器5を接続する流路に、採水装置100が接続可能な接続部Aが構成されている。
【0018】
第1塩素注入器5は、濾過槽4の二次側の水に、次亜塩素酸ナトリウムを含む薬液を注入可能に構成されている。
【0019】
除鉄除マンガンユニット6は、第1塩素注入器5の二次側の水に溶在する鉄及びマンガンを除去可能に構成されている。除鉄除マンガンユニット6及び活性炭濾過ユニット7を接続する流路には、採水装置100が接続可能な接続部Bが設けられている。
【0020】
活性炭濾過ユニット7は、除鉄除マンガンユニット6の二次側の水の塩素を除去可能に形成されている。活性炭濾過ユニット7及び第2塩素注入器8を接続する流路には、採水装置100が接続可能な接続部Cが形成されている。
【0021】
第2塩素注入器8は、活性炭濾過ユニット7の二次側の水に、次亜塩素酸ナトリウムを含む薬液を注入可能に構成されている。第2塩素注入器8及び処理水槽9を接続する流路には、採水装置100が接続可能な接続部Dが形成されている。
【0022】
処理水槽9は、第2塩素注入器8の二次側の水を貯水可能に形成されている。処理水槽9は、第1センサ9aと、第2センサ9bと、を備えている。第1センサ9aは、原水ポンプ3を起動する水位、及び原水ポンプ3の駆動を停止する水位を検出可能に構成されている。第2センサ9bは、逆洗ユニット10のポンプを起動する水位、及び逆洗ユニット10のポンプの駆動を停止する水位を検出可能に構成されている。
【0023】
逆洗ユニット10は、逆洗処理を可能に構成されている。逆洗処理は、除鉄除マンガンユニット6の濾過槽及び活性炭濾過ユニット7の濾過槽に逆洗水を流し、これら濾過槽の濾過材を通って下から上へ流れる用に通水して排水することで、濾過材を逆洗し、これら濾過槽の内部の濾過材を攪拌して除去能力を持続させる処理である。
【0024】
逆洗ユニット10は、例えば、ポンプ10aと、逆洗水を、除鉄除マンガンユニット6の濾過槽、及び、活性炭濾過ユニット7の濾過槽に流す配管10bと、を備えている。
【0025】
連動制御盤11は、各種データやプログラムを記憶する記憶部と、記憶部に記憶されたプログラムに基づいて各部の動作を制御する制御部と、を備えている。
【0026】
また、連動制御盤11は、採水装置100の後述する制御盤270から原水ポンプ3の起動信号を受信すると、給水源2から処理水槽9までの流路を構成し、原水ポンプ3を起動して、濾過処理を行う。
【0027】
採水装置100は、図1乃至図5に示すように、基部110と、支持部111と、保持部112と、脚部113と、カバー120と、排水口130と、第1流入口140と、第2流入口150と、第1配管160と、第1開閉弁170と、複数の第2配管180と、複数の第2開閉弁190と、複数の容器200と、複数の第3配管210と、複数の第2逆止弁220と、排水管230と、第3開閉弁240と、第4配管250と、第4開閉弁260と、制御盤270と、を備えている。
【0028】
採水装置100は、第1流入口140を通して、水処理装置1から採水対象となる水を採水して複数の容器200に保存する。また、採水装置100は、第2流入口150を通して、水処理装置1から供給される洗浄に用いられる水を用いて複数の容器200を洗浄する。
【0029】
図4に示すように、基部110は、例えば、一方向に長い矩形の板状に形成されている。図2及び図3に示すように、基部110の周縁部110aは、上方に立ち上がる壁部を構成している。基部110は、複数の容器200が配置される配置部110bを有している。配置部110bは、複数の容器200が載置される、基部110の上面の一部の領域である。配置部110bは、例えば、基部110の1つの角部から、基部110の長手方向に沿って他端側の角部の近傍までの領域である。
【0030】
配置部110bには、例えば、複数の貫通孔が形成されている。貫通孔は、基部110の上の水を下方に流すことが可能に形成されている。なお、貫通孔は、配置部110bのみに形成されることに限定されない。貫通孔は、基部110の配置部110b以外の領域に形成されてもよい。
【0031】
支持部111は、基部110に設けられている。支持部111は、第1配管160、第1開閉弁170、第1逆止弁175と、複数の第2配管180、複数の第2開閉弁190、第3配管210、複数の第2逆止弁220、排水管230、第3開閉弁240、第4配管250、及び第4開閉弁260の少なくとも一部を基部110に支持する。
【0032】
支持部111は、例えば、第1支持部111aと、第2支持部111bと、を備えている。
第1支持部111aは、例えば、配置部110bに対して、反対側の長手方向に沿う縁側に設けられている。第1支持部111aは、例えば第1配管160を基部110に固定する。第1支持部111aは、例えば、基部110に一端が固定され、基部110の上面から上方に突出する、一方向に長い形状の複数の第1部材111cと、複数の第1部材111cに固定され、第1部材111cに交差する方向に延びる、一方向に長い形状の複数の第2部材111dと、を備えている。
【0033】
第2支持部111bには、排水口130、第1流入口140及び第2流入口150が設けられている。第2支持部111bは、例えば、板状に形成されている。第2支持部111bは、例えば、基部110の縁のうち、基部110の長手方向で配置部110bと並ぶ部位に設けられている。
【0034】
保持部112は、基部110の配置部110bに設けられている。保持部112は、複数の容器200を保持可能に構成されている。ここで、保持とは、容器200が倒れることを防止できるように支持することである。
【0035】
保持部112は、例えば、基部110の上面に固定された、格子状の部材である。保持部112は、基部110の上面に固定されている。保持部112は、格子により区画される複数のスペースを有している。保持部112により構成される、容器200を1つずつ配置するスペースは、当該スペース内に配置された容器200が転倒することがない大きさに構成されている。
【0036】
保持部112は、例えば、基部110の長手方向に沿って7個の容器200を配置する列を、基部110の短手方向に2列有している。
【0037】
保持部112は、具体的には、容器200との間に、容器200を出し入れ可能な隙間を有し、容器200が転倒することを防止可能な高さを有している。保持部112の高さは、容器200が傾くと保持部112が容器200に当接することで、容器200の転倒を防止できる高さを有している。
【0038】
複数の脚部113は、基部110に設けられており、採水装置100を設置場所に載置した状態で、基部110の下面及び設置場所の間に、作業者の指を配置可能なスペースを形成する高さを有している。複数の脚部113は、例えば、基部110の下面の四隅のそれぞれに、1つずつ設けられている。
【0039】
カバー120は、基部110に着脱可能に設けられている。カバー120は、例えば下面が開口する箱状に構成されている。カバー120は、基部110に取り付けられた状態で、第1配管160、第1開閉弁170、複数の第2配管180、複数の容器200、複数の第2開閉弁190、第3配管210、複数の第2逆止弁220、排水管230、第3開閉弁240、第4配管250、第4開閉弁260、及び、制御盤270を覆う。カバー120は、例えば、シール部材により、基部110との間がシールされる。カバー120は、基部110に取り付けられた状態で、例えば、ねじ等の固定部材で基部110に固定される。
【0040】
排水口130は、排水先に接続される。排水先は、例えば、排水管である。
【0041】
第1流入口140は、第1配管160に接続されている。第1流入口140は、水処理装置1に接続可能に構成されている。第1流入口140は、水処理装置1に接続されて、水処理装置1から採水対象となる水が流入する。
【0042】
ここで、採水対象となる水は、本実施形態の例では、濾過槽4の二次側であって除鉄除マンガンユニット6の一次側の水、または、除鉄除マンガンユニット6の二次側であって活性炭濾過ユニット7の一次側の水である。
【0043】
第2流入口150は、第4配管250に接続されている。第2流入口150は、水処理装置1に接続可能に形成されている。第2流入口150は、水処理装置1に接続されて、水処理装置1から複数の容器200を洗浄する為の水が流入する。
【0044】
ここで、容器200を洗浄する為の水は、本実施形態の例では、活性炭濾過ユニット7の二次側であって第2塩素注入器8の一次側の水、または、第2塩素注入器8の二次側であって処理水槽9の一次側の水である。
【0045】
第1配管160は、第1支持部111aの第1部材111cに固定されている。第1配管160は、例えば複数の配管部材を接続することで構成されている。第1配管160の一次側の端部は、第1流入口140に接続されている。
【0046】
第1配管160の一部である第1部分161は、配置部110bに対して他方の縁側で、基部110の長手方向に延びている。第1部分161は、基部110の長手方向で一端の近傍から他端の近傍まで延びている。第1配管160の他の一部である第2部分162は、第1部分161の下方に配置されており、基部110の長手方向に延びている。第2部分162は、基部110の長手方向で一端の近傍から他端の近傍まで延びている。
【0047】
第1開閉弁170は、第1配管160に設けられている。第1開閉弁170は、例えば、第1配管160の中途部に設けられている。第1開閉弁170は、例えば、第1部分161の第2支持部111b側の端部に設けられている。第1開閉弁170は、第1配管160を開閉可能に構成されている。第1開閉弁170は、電磁弁であり、例えば常閉式である。第1開閉弁170は、例えば信号線により、制御盤270に接続されている。
【0048】
第1逆止弁175は、第1配管160の、第1開閉弁170の二次側に設けられている。第1逆止弁175は、水が第1開閉弁170側に戻ることを防止可能に形成されている。第1逆止弁175は、例えば、第1配管160の二次側の端部に設けられている。
【0049】
複数の第2配管180は、第1配管160の、第1開閉弁170より一次側に設けられている。複数の第2配管180は、例えば、可撓性を有する樹脂、例えばゴムから形成されるチューブである。
【0050】
具体的には、基部110の短手方向で2列に並んで配置される容器200のうち、第1部分161から遠い側の列の容器200に接続される第2配管180は、第1部分161に接続されている。第1部分161に近い側の列の容器200に接続される第2配管180は、第2部分162に接続されている。
【0051】
第2配管180の第1配管160との接続部は、第2配管180が接続される容器200と、平面視で基部110の短手方向に並んでいる。
【0052】
複数の第2開閉弁190は、複数の第2配管180のそれぞれに設けられている。複数の第2開閉弁190は、例えば、複数の第2配管180の一次側の端部に設けられている。第2開閉弁190は、容器200と、平面視で基部110の短手方向に並んでいる。
【0053】
複数の第2開閉弁190は、複数の第2配管180のそれぞれを開閉可能に形成されている。複数の第2開閉弁190は、電磁弁であり、例えば常閉式である。複数の第2開閉弁190は、例えば信号線により、制御盤270に接続されている。
【0054】
複数の容器200は、複数の第2配管180のそれぞれの二次側に接続されている。複数の容器200は、例えば、有底筒状の容器本体201と、容器本体201に着脱可能な蓋202と、を備えている。
【0055】
容器本体201は、蓋202が着脱可能に構成されている。例えば、容器本体201の開口側の端部の外周面には、雌ねじが設けられている。
【0056】
蓋202は、容器本体201に着脱可能に設けられている。例えば、蓋202は、容器本体201の雌ねじに螺合可能な雄ねじを内周面に有する有底筒状に構成されている。
【0057】
このように構成される容器200の内部空間の上面には、第2配管180及び第3配管210が接続されるポート203が形成されている。本実施形態の例では、ポート203は、蓋202に形成されている。ポート203は、容器200の内部空間の上面に開口する。ポート203は、容器200の内部空間を規定する上面の上端に形成されている。すなわち、容器200から二次側に水を流す第3配管210は、容器200を水で満たした後の余剰水を二次側に流す。
【0058】
一方のポート203は、第2配管180が接続されている。第2配管180の二次側の端部は、例えば、容器200内に配置されている。一方のポート203及び第2配管180の間は、例えばシール部材により、液密にシールされている。
【0059】
複数の第3配管210は、複数の容器200の他方のポート203に接続されている。第3配管210及び他方のポート203の間は、例えばシール部材により、液密にシールされている。第3配管210は、容器200に採水された水の余剰水を容器200の二次側に排水する。第3配管210の一次側の端部は、例えば、容器200内に配置されている。
【0060】
複数の第2逆止弁220は、複数の第3配管210のそれぞれに設けられており、複数の容器200側へ水が戻ることを防止可能に構成されている。複数の第2逆止弁220は、例えば、複数の第3配管210のそれぞれの中途部に設けられている。第2逆止弁220は、例えば、第3配管210に複数、具体例として2つ設けられている。
【0061】
排水管230は、複数の第3配管210の二次側の端部、及び第1配管160の二次側の端部が接続されている。排水管230は、排水口130に接続されている。
【0062】
第3開閉弁240は、第1配管160の複数の第2配管180より一次側に設けられており、第1配管160を開閉可能に構成されている。第3開閉弁240は、電磁弁であり、例えば常閉式である。第3開閉弁240は、例えば信号線により、制御盤270に接続されている。
【0063】
第4配管250の一次側の端部は、第2流入口150に接続されている。第4配管250の二次側の端部は、第1配管160に接続されている。
【0064】
第4開閉弁260は、第4配管250に設けられている。第4開閉弁260は、第4配管250を開閉可能に構成されている。第4開閉弁260は、例えば常閉式の電磁弁である。第4開閉弁260は、例えば信号線により、制御盤270に接続されている。
【0065】
制御盤270は、記憶部271と、操作部272と、表示部273と、受信部274と、制御部275と、を備えている。制御盤270は、図4に示すように、第1配管160の第1部分161及び第2部分162に対して、基部110の他方の長手方向に沿う縁側で、長手方向で中央よりも、第2支持部111b側によった位置で基部110に固定されている。
【0066】
記憶部271は、採水装置100の動作に要する所定のプログラム等を記憶している。記憶部271は、記憶した情報を取り出すことが可能に形成されている。例えば、記憶部271内の情報は、通信により外部に送信可能である。また、記憶部271は、採水回数を記憶可能に形成されている。
【0067】
また、記憶部271は、採水装置100の運転モードに紐づけられたパラメータが記憶されている。運転モードは、第1運転モードと、第2運転モードと、第3運転モードと、第4運転モードと、を有する。
【0068】
第1運転モードは、所定の日時となると採水を開始する運転モードである。本実施形態の例では、第1運転モードは、毎日所定の時刻になると採水を開始する運転モードである。
【0069】
第2運転モードは、所定の時間間隔、すなわち所定のインターバル時間で採水を開始する運転モードである。
第3運転モードは、外部信号を所定時間受信すると採水を開始する運転モードである。
第4運転モードは、複数の容器200を洗浄する運転モードである。
【0070】
また、記憶部271は、任意に設定される所定時間t1、所定時間t2、所定時間t3、採水設定時刻、インターバル時間、閾値を記憶可能に形成されている。
【0071】
所定時間t1は、初期排水時間である。初期排水時間は、採水開始時、または、容器200の洗浄開始時に、第1開閉弁170を開き、複数の第2開閉弁190を閉じた状態で、第1配管160に、採水対象の水または洗浄に用いる水を流す時間である。
【0072】
所定時間t2は、採水時間であり、第2開閉弁190を開く時間である。また、本実施形態の例では、所定時間t2は、洗浄運転において、容器200を洗浄する為に第2開閉弁190を開く時間である。この為、所定時間t2は、例えば、容器200を水で満たし、余剰水を容器200の二次側に水を流すことが可能な時間である。
【0073】
所定時間t3は、第3運転モードで運転をする判断に用いられる閾値である。採水設定時刻は、第1運転モードで用いられる採水を開始する時刻である。採水設定時刻は、第1運転モードで採水を開始する日時の一例であるが、本実施形態の例では、第1運転モードは、毎日採水する構成であることから、「日」の情報が不要であり、時刻の情報のみでよい。なお、毎日採水をするのではなく、所定の日時に採水を行う場合は、採水を行う日時の情報を要する。
【0074】
インターバル時間は、第2運転モードで用いられる採水を行う時間間隔である。閾値は、採水を行う回数である。
【0075】
また、記憶部271は、複数の第2開閉弁190のうち、採水開始時に開く第2開閉弁190の情報を記憶している。
【0076】
採水開始時に開く第2開閉弁190の情報は、例えば、駆動される第2開閉弁190の順番である。例えば、複数の第2開閉弁190のそれぞれは、識別情報例えば番号を有しており、駆動する第2開閉弁190の順番が記憶されている。
【0077】
また、例えば、採水開始時に開く第2開閉弁190の情報は、第1運転モードである場合は、採水する日時と紐づけられた第2開閉弁190の情報である。
【0078】
また、記憶部271は、採水した容器200、及び採水した日時の情報を紐づけて記憶可能に形成されている。
【0079】
操作部272は、作業者により、各種値を入力する際に操作される。
【0080】
表示部273は、例えば、作業者が操作部272を用いて入力作業を行う際に用いられる入力画面、時刻等を表示可能に構成されている。
【0081】
受信部274は、外部からの採水を開始する信号を受信可能に構成される。受信部274は、採水を開始する指示が入力される入力部の一例である。
【0082】
制御部275は、記憶部271、操作部272、表示部273、及び受信部274が接続されている。制御部275は、第1開閉弁170、複数の第2開閉弁190、第3開閉弁240、及び第4開閉弁260を制御可能に構成されている。制御部275は、例えば信号線により、水処理装置1の連動制御盤11に接続されている。
【0083】
制御部275は、記憶部271に記憶されたプログラムに従って採水装置100を駆動する。制御部275は、採水装置100の採水開始時に、連動制御盤11に、原水ポンプ3の起動信号を送信可能に構成されている。また、制御部275は、採水した回数をカウント可能、且つ、カウントした回数をリセット可能に構成されている。制御部275は、採水した回数を記憶部271に記憶する。また、制御部275は、時間をカウント可能に構成されている。
【0084】
また、制御部275は、採水した容器200、及び採水した日時の情報を紐づけて、記憶部271に記憶可能に構成されている。
【0085】
このように構成された採水装置100は、水処理装置1が設置されている現場まで搬送される。作業者は、採水装置100を、例えば基部110の下面を手で保持して、設置場所の例えば地面に載置する。
【0086】
採水装置100が設置場所まで搬送されると、作業者は、採水装置100を水処理装置1に接続する。具体的には、作業者は、排水口130を排水先に接続し、第1流入口140を、配管により接続部Aまたは接続部Bに接続し、第2流入口150を、配管により接続部Cまたは接続部Dに接続し、制御盤270を連動制御盤11に接続する。
【0087】
このように、第1流入口140、第2流入口150、及び制御盤270を水処理装置1に接続することで、採水装置100を水処理装置1に接続する作業が完了する。
【0088】
次に、採水装置100の動作の一例を、図7乃至図11を用いて説明する。図7乃至図11は、採水装置100の動作の一例を示す流れ図である。
【0089】
まず、作業者は、図7に示すように、採水装置100の電源をONする。
【0090】
次に、作業者は、操作部272を操作して、運動モードを選択し、所定時間t1、所定時間t2、所定時間t3、採水設定時刻、インターバル時間、閾値等を入力する(ステップST1)。
【0091】
入力された値は、記憶部271に記憶される。必要な情報が入力されるまで、制御部275は待機する(ステップST2のNO)。必要な情報の入力が完了すると、制御部275は、記憶部271に記憶されたプログラムを実行する(ステップST2のYES)。
【0092】
制御部275は、記憶部271に記憶された運転モードの設定が「1」であると(ステップST3のYES)、記憶部271に記憶された採水設定時刻で採水を行う第1運転モードで採水装置100を駆動する。
【0093】
図8は、第1運転モードでの採水装置100の動作である。図8に示すように、制御部275は、現在の時刻が採水設定時刻に到達したか否かを判定する(ステップST4)。
【0094】
制御部275は、記憶部271に記憶された採水設定時刻となると(ステップST4のYES)、第1開閉弁170及び第3開閉弁240を開き、原水ポンプ3の起動信号をON、すなわち、連動制御盤11に起動信号を送信する(ステップST5)。制御部275は、連動制御盤11から、原水ポンプ3が起動した信号を受信する。
第1開閉弁170及び第3開閉弁240が開き、原水ポンプ3が駆動されることで、第1流入口140を介して第1配管160に採水対象となる水が流入し、初期排水が行われる。第1配管160に流入した水は、排水管230を流れて排水口130から排水先に排水される。
【0095】
次に、制御部275は、原水ポンプ3が起動してからの時間、本実施形態の例では、連動制御盤11からの信号を受信してからの時間をカウントし、当該時間が所定時間t1を経過したか否かを判定する(ステップST6)。制御部275は、第1開閉弁170及び第3開閉弁240を開いてからの時間が所定時間t1を経過するまで時間をカウントする(ステップST6のNO)。
【0096】
制御部275は、第1開閉弁170及び第3開閉弁240を開いてからの時間が所定時間t1を経過すると(ステップST6のYES)、第1開閉弁170を閉じ、複数の第2開閉弁190のうち、記憶部271に記憶された、この採水タイミングで開く第2開閉弁190を開く(ステップST7)。
【0097】
第1開閉弁170が閉じ、第2開閉弁190が開くことで、開いた第2開閉弁190の二次側に設けられた容器200内に水が流入し、採水が行われる。容器200の余剰水は、第3配管210により、容器200の二次側に流れる。容器200の二次側に流れた水は、第2逆止弁220により、容器200に戻ることが防止される。容器200の二次側の水は、第3配管210及び排水管230を流れて排水口130から排水先に排水される。
【0098】
制御部275は、第2開閉弁190を開いてからの時間をカウントし、所定時間t2を経過したか否かを判定する(ステップST8)。制御部275は、第2開閉弁190を開いてからの時間が所定時間t2を経過するまで、カウントする(ステップST8のNO)。
【0099】
制御部275は、第2開閉弁190を開いてから所定時間t2が経過すると(ステップ8のYES)、開いた第2開閉弁190を閉じ、原水ポンプ3をOFFし、すなわち連動制御盤11に送信していた原水ポンプ3の起動信号の送信を停止し、採水回数Eを更新する(ステップST9)。また、制御部275は、採水した容器200、採水した日時の情報を紐づけて記憶部271に記憶する。
【0100】
次に、制御部275は、記憶部271に記憶された採水回数Eが、記憶部271に記憶された設定採水回数であるか否かを判定する(ステップST10)。
【0101】
制御部275は、採水回数Eが、設定採水回数でない場合(ステップST10のNO)は、ステップST4に戻り、次の採水サイクルに入る。制御部275は、採水回数Eが、設定採水回数であると(ステップST10のYES)、表示部273に「採水終了」を表示し、第1開閉弁170、複数の第2開閉弁190、第3開閉弁240、及び第4開閉弁260を閉じる。第1開閉弁170、複数の第2開閉弁190、第3開閉弁240、及び第4開閉弁260は、例えば常閉式であるため、開閉弁170、190、240、260を閉じる場合、第1開閉弁170、複数の第2開閉弁190、第3開閉弁240、及び第4開閉弁260の制御を終了する(ステップST11)。開閉弁170、190、240、260は、常閉式であるため、それぞれが設けられた配管を閉じる。
【0102】
次に、制御部275は、採水回数Eが、記憶部271に記憶された設定採水回数未満であるか否かを判定する(ステップST12)。この工程は、記憶部271に記憶された設定採水回数が変更されることを想定して行われる。すなわち、ステップST10の工程を経た後、設定採水回数がより多い回数に変更されると、更なる採水を要する為である。
【0103】
採水回数Eが、設定採水回数未満であると(ステップST12のYES)、ステップST4に戻り、次の採水サイクルに入る。採水回数Eが、設定採水回数以上であると(ステップST12のNO)、記憶部271に記憶された採水回数Eをリセットし、0にする(ステップST13)。採水回数Eがリセットされると(ステップST13のYES)、ステップST1に戻る。採水回数Eがリセットされない場合(ステップST13のNO)は、ステップST11に戻る。
【0104】
このように、第1運転モードでは、採水装置100は、採水設定時刻となると、原水ポンプ3の起動信号をONし、第1開閉弁170及び第3開閉弁240を所定時間t1開くことで初期排水し、所定時間t1経過後、第1開閉弁170を閉じていずれかの第2開閉弁190を所定時間t2開くことで容器200に採水する、という1サイクルを、設定採水回数となるまで繰り返す。すなわち、記憶部271に記憶された設定採水回数まで、所定の時刻に、異なる容器200に採水して、容器200内に水を保存する。
【0105】
制御部275は、図7に示すように、運転モードの設定が1ではないと(ステップST3のNO)、運転モードの設定が2であるか否かを判定する(ステップST21)。記憶部271に記憶された運転モードの設定が2であると(ステップST21のYES)、記憶部271に記憶されたインターバル時間で採水を行う第2運転モードで採水装置100を駆動する。
【0106】
図9は、第2運転モードでの採水装置100の動作の一例を示している。なお、第2運転モードにおいて、第1運転モードと同様のステップには同一のステップを付して説明を省略する。第2運転モードでは、図9に示すように、ステップST4に代えてステップST22及びステップST23を有し、ステップST9に代えてステップST24を有し、ステップST11に代えてステップST25を有する。
【0107】
制御部275は、第2運転モードが選択されていると、次に、図9に示すように、時間のカウントを開始する(ステップST22)。
【0108】
制御部275は、記憶部271に記憶されたインターバル時間が経過するまで、時間のカウントを継続する(ステップST23のNO)。制御部275は、インターバル時間が経過すると(ステップST23のYES)、ステップST5に進む。
【0109】
制御部275は、第2開閉弁190を開いてから所定時間t2が経過すると(ステップST8のYES)、開いた第2開閉弁190を閉じ、原水ポンプ3の起動信号の送信を停止し、記憶部271に記憶された採水回数Eを更新し、記憶部271に記憶されたインターバル時間をクリアする(ステップ24)。また、制御部275は、採水した容器200及び採水した日時の情報を紐づけて記憶部271に記憶する。
【0110】
制御部275は、記憶部271に記憶された採水回数Eと、記憶部271に記憶された設定採水回数が同じであると(ステップST10のYES)、表示部273に「採水終了」を表示し、第1開閉弁170、第2開閉弁190、第3開閉弁240、及び第4開閉弁260を閉じる。本実施形態では、第1開閉弁170、第2開閉弁190、第3開閉弁240、及び第4開閉弁260の制御を停止する(ステップST25)。次に、ステップST12に進む。
このように、第2運転モードでは、採水装置100は、インターバル時間が経過すると、原水ポンプ3の起動信号をONし、第1開閉弁170及び第3開閉弁240を所定時間t1開くことで初期排水し、所定時間t1経過後、第1開閉弁170を閉じていずれかの第2開閉弁190を所定時間t2開くことで容器200に採水する、という1サイクルを、設定採水回数となるまで繰り返す。すなわち、記憶部271に記憶された設定採水回数まで、インターバル時間毎に、異なる容器200に採水して、容器200内に水を保存する。
【0111】
制御部275は、図7に示すように、記憶部271に記憶された運転モードの設定が「3」であると(ステップST31のYES)、採水装置100を外部信号により採水を行う第3運転モードで駆動する。
【0112】
図10は、第3運転モードでの採水装置100の動作の一例を示している。なお、第3運転モードにおいて第1運転モードと同様のステップについては、第1運転モードと同一のステップを付して説明を省略する。第3運転モードは、図10に示すように、ステップST4に代えてステップST32を有する。
【0113】
制御部275は、採水を開始する信号の受信時間が所定時間t3未満である状態では、待機する(ステップST32のNO)。制御部275は、採水を開始する信号の受信時間が所定時間t3以上継続されると(ステップST42のYES)、ステップST5に進む。
【0114】
このように、第3運転モードでは、採水装置100は、採水を開始する信号の入力時間が所定時間t3以上継続すると、原水ポンプ3の起動信号をONし、第1開閉弁170及び第3開閉弁240を所定時間t1開くことで初期排水し、所定時間t1経過後、第1開閉弁170を閉じていずれかの第2開閉弁190を所定時間t2開くことで容器200に採水する、という1サイクルを、設定採水回数となるまで繰り返す。すなわち、記憶部271に記憶された設定採水回数まで、採水を開始する外部信号の受信時間が所定時間t3以上継続する毎に、異なる容器200に採水して、容器200内に水を保存する。
【0115】
作業者は、第1乃至第3運転モードにおいて、記憶部271に記憶した設定採水回数の採水が終了すると、容器200を回収する。作業者は、例えば、容器本体201から蓋202を取り外して、容器本体201を回収することで、容器本体201ごと採水した水を回収することができる。また、作業者は、容器200内の水の採水日時の情報を、例えば通信により、記憶部271から得る。
【0116】
制御部275は、図7に示すように、記憶部271に記憶されている運転モードの設定が「4」であると(ステップST41のYES)、第4運転モードで採水装置100を駆動する。
【0117】
図11は、第4モードでの採水装置100の動作の一例を示す流れ図である。図11に示すように、制御部275は、処理水洗浄制御をONする(ステップST42)。制御部275は、処理水洗浄制御をONするまでは、待機する(ステップST42のNO)。
【0118】
次に、制御部275は、処理水洗浄制御をONすると(ステップST42のYES)、第1開閉弁170及び第4開閉弁260を開き、原水ポンプ3の起動信号をONする(ステップST43)。
【0119】
第1開閉弁170及び第4開閉弁260が開き、原水ポンプ3が起動されることで、処理水が第1配管160に流入し、初期排水が行われる。第1配管160に流入した水は、排水管230を通って排水先に排水される。
【0120】
制御部275は、第1開閉弁170及び第3開閉弁240を開いてからの時間が所定時間t1を超えるまで時間をカウントする(ステップST44のNO)。制御部275は、所定時間t1が経過すると(ステップST44のYES)、第1開閉弁170を閉じ、全ての第2開閉弁190を開く(ステップST45)。全ての第2開閉弁190が開かれることで、全ての容器200に処理水が流入する。
【0121】
制御部275は、第2開閉弁190を開いてからの時間が所定時間t2を経過するまで時間をカウントする(ステップST46のNO)。制御部275は、所定時間t2が経過すると(ステップST46のYES)、全ての第2開閉弁190を閉じ、原水ポンプ3の起動信号の送信を停止する(ステップST47)。原水ポンプ3の起動信号を送信すると、ステップST1に戻る。
【0122】
作業者は、全ての第2開閉弁190が閉じると、複数の容器200内の水を排水する。作業者は、例えば、容器本体201を取り外し、容器本体201内の水を排水する。このようにして、第4運転モードでの洗浄が行われる。
【0123】
このように構成された採水装置100によれば、複数回、自動的に、容器200のいずれかに採水し、保存することが可能である。この為、採水の度に作業者が現地に赴く必要がないので、採水に係るコストが増大することを防止できる。また、採水装置100は、水を採水して保存する構成であることから、採水して保存した水を、様々に利用することが可能である。
【0124】
例えば、濾過槽4の二次側であって第1塩素注入器5の一次側の水を採水して保存する構成の場合、容器200内の水を、原水に含まれるマンガンや鉄等の測定に用いることができる。また、除鉄除マンガンユニット6の二次側であって活性炭濾過ユニット7の一次側の水を採水して保存する構成の場合、容器200内の水を、除鉄除マンガンユニット6により処理された水中の塩素濃度の測定に用いることができる。
【0125】
さらに、採水装置100は、採水開始時に、所定時間t1の間初期排水を行うことで、第1配管160に残った水が、容器200に流れることを防止できる。結果、容器200内に、採水を行った日時の水のみを採水することが可能となる。
【0126】
さらに、採水装置100は、搬送可能に構成されており、水を供給する給水源に接続して使用可能な構成である。すなわち、採水装置100は、水の給水源である水処理装置1に据え付けられる構成ではない。このため、採水装置100は、様々な採水対象となる水を供給する給水源に用いることが可能である。
【0127】
さらに、容器200の内部空間の上面に形成されたポート203に、容器200の二次側の流路を構成する第3配管210が接続され、第3配管210に第2逆止弁220が設けられている。
【0128】
この為、容器200が水で満たされ後、余剰水が二次側に流れる。さらに第3配管210から空気が容器200に戻ることを防止できる。結果、容器200内に空気が溜まることを防止できるので、容器200内の水が酸化することを防止できる。
【0129】
さらに、採水装置100は、容器200を洗浄する為の水が流入する第4配管250を備えており、水処理装置1から、容器200の洗浄用の水が供給される。この為、容器200を洗浄することが可能である。
【0130】
さらに、第1配管160の一次側に第3開閉弁240が設けられ、第4配管250を開閉する第4開閉弁260が設けられ、採水時に第3開閉弁240を開いて第4開閉弁260を閉じ、容器200の洗浄時に第3開閉弁240を閉じて第4開閉弁260を開ことで、採水対象の水が第4配管250を介して水処理装置1に戻ること、及び、容器200を洗浄する水が第1配管160を介して水処理装置1に戻ることを防止できる。
【0131】
さらに、採水装置100は、採水して水が保存された容器200、及び容器200に採水した日時の情報を紐付けて記憶部271に記憶する。そして、記憶部271は、記憶した情報を取り出すことが可能である。この為、作業者は、容器200内の水、及び、採水した日時の情報を得ることが可能となる。
【0132】
さらに、採水装置100は、基部110に脚部113が設けられており、基部110、及び採水装置100を設置する設置場所の間に、作業者の手を配置できる隙間が確保される。この為、作業者は、採水装置100を設置場所に設置する作業時に、手を、採水装置100及び設置場所の間に挟むことがない。
【0133】
さらに、複数の容器200は、傾いた場合であっても、保持部112により囲まれていることで、倒れることが防止される。特に、本実施形態のように、第2配管180が、可撓性を有するチューブである場合においては、チューブの弾性力により容器200が第2配管180により傾くことが生じえるが、保持部112により容器200が保持されることで、容器200が倒れることが防止される。
【0134】
さらに、複数の容器200は、容器本体201及び蓋202を備えている。この為、容器200内の水を回収する際には、容器本体201から蓋202を取り外して容器本体201ごと回収することが可能である。この為、容器200内の水を回収する作業の効率を向上できる。
【0135】
さらに、基部110の配置部110bには、貫通孔が形成されている。この為、例えば容器200を回収する作業中に容器200内の水がこぼれても、水が配置部110bの貫通孔を通って採水装置100外に排出される。この為、基部110上に水がたまることを防止できる。
【0136】
なお、本実施形態の例では、採水装置100は、濾過槽4の二次側であって、第1塩素注入器5の一次側の水、または、除鉄除マンガンユニット6の二次側であって、活性炭濾過ユニット7の一次側の水を採水する構成が一例として説明されたが、これに限定されない。他の例では、採水装置100は、活性炭濾過ユニット7の二次側であって第2塩素注入器8の一次側の水、または、第2塩素注入器8の二次側であって処理水槽9の一次側の水を採水する構成であってもよい。すなわち、採水装置100は、接続部Cまたは接続部Dから採水した水を容器200に保存する構成であってもよい。例えば、接続部Cから採水して容器200に保存する構成の場合、容器200内の水を、活性炭濾過ユニット7の二次側の水の残留塩素等の測定に用いることができる。例えば、接続部Dから採水して容器200内に保存する構成の場合、容器200内の水を、第2塩素注入器8の二次側の水の塩素濃度の測定に用いることができる。
【0137】
また、第3開閉弁240の二次側に、第3開閉弁240に水が戻ることを防止する逆止弁が設けられてもよい。また、第4配管250の第4開閉弁260の二次側に、第4開閉弁260に水が戻ることを防止できる逆止弁が設けられてもよい。
【0138】
また、上述の例では、制御盤270は、作業者が操作部272を用いて各種情報を入力する構成が一例として説明されたが、これに限定されない。他の例では、制御盤270は、例えば、リモコンや携帯端末等の他の装置からの信号を受信する受信部を備える構成であってもよい。この構成であると、作業者は、リモコンや携帯端末等を操作して、各種情報を入力することができる。
【0139】
また、制御盤270は、外部からの採水を開始する指示が入力される入力部として、受信部274を備える構成が一例として説明されたが、これに限定されない。他の例では、採水を開始する指示が入力される入力部は、制御盤270に設けられた、作業者により操作される釦等の操作部であってもよい。
また、上述の例では、制御部275は、採水時の原水ポンプ3の起動中に原水ポンプ3の起動信号の送信を継続し、原水ポンプ3を停止する場合には、原水ポンプ3の起動信号の送信を停止する構成が一例として説明されたが、これに限定されない。制御部275の要請による原水ポンプ3の起動及び停止は、例えば、起動信号を送信後、送信の継続はせず、原水ポンプ3を停止する場合に、停止信号を送信するものであってもよい。採水時の原水ポンプ3を起動及び停止については、連動制御盤11に応じて設定されてもよい。
【0140】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の発明が含まれており、開示される複数の構成要件から選択された組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、課題が解決でき、効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【符号の説明】
【0141】
1…水処理装置、100…採水装置、110…基部、110b…配置部、112…保持部、113…脚部、120…カバー、130…排水口、140…第1流入口、150…第2流入口、160…第1配管、170…第1開閉弁、180…第2配管、190…第2開閉弁、200…容器、201…容器本体、202…蓋、203…ポート、210…第3配管、220…逆止弁、230…排水管、240…第3開閉弁、250…第4配管、260…第4開閉弁、270…制御盤、271…記憶部、272…操作部、273…表示部、274…受信部、275…制御部。

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