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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022170315
(43)【公開日】2022-11-10
(54)【発明の名称】脱気装置、及び復水器
(51)【国際特許分類】
   F28B 9/10 20060101AFI20221102BHJP
   F28B 3/08 20060101ALI20221102BHJP
   F28B 3/06 20060101ALI20221102BHJP
【FI】
F28B9/10
F28B3/08
F28B3/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021076373
(22)【出願日】2021-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(72)【発明者】
【氏名】原 伸英
(72)【発明者】
【氏名】谷本 浩一
(72)【発明者】
【氏名】岡安 晋平
(72)【発明者】
【氏名】小田 拓央
(57)【要約】
【課題】復水中に含まれる溶存ガスの脱気効率の低下を抑制できる脱気装置、及び復水器を提供する。
【解決手段】脱気装置は、復水器の復水に溶解した溶存ガスを脱気する脱気装置であって、軸線に沿って延びるとともに、前記復水器の外部から供給される蒸気を前記復水中に導く主管と、前記復水中における前記主管に連通して該主管から前記軸線を中心とした放射状に複数が延びるとともに、外面に複数の孔部が形成されている枝管と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
復水器の復水に溶解した溶存ガスを脱気する脱気装置であって、
軸線に沿って延びるとともに、前記復水器の外部から供給される蒸気を前記復水中に導く主管と、
前記復水中における前記主管に連通して該主管から前記軸線を中心とした放射状に複数が延びるとともに、外面に複数の孔部が形成されている枝管と、
を備える脱気装置。
【請求項2】
前記軸線を中心として前記主管を回転可能に支持するロータリ継手をさらに備え、
複数の前記孔部は、前記主管の回転方向一方側に開口している請求項1に記載の脱気装置。
【請求項3】
復水器の復水に溶解した溶存ガスを脱気する脱気装置であって、
軸線に沿って延びるとともに、前記復水器の外部から供給される蒸気を前記復水中に導く主管と、
前記軸線を中心として前記主管を回転可能に支持するロータリ継手と、
を備え、
前記主管は、前記復水中に位置するとともに、外周面に複数の孔部が前記軸線を中心に螺旋状に配列されている浸水部を有する脱気装置。
【請求項4】
前記孔部を外側から覆い、前記外周面から前記軸線の径方向に延びるとともに、端部に開口部が形成されている枝管をさらに備える請求項3に記載の脱気装置。
【請求項5】
前記枝管の外面には、前記主管の回転方向一方側に開口する噴出孔が複数形成されている請求項4に記載の脱気装置。
【請求項6】
復水器の復水に溶解した溶存ガスを脱気する脱気装置であって、
軸線に沿って延びるとともに、前記復水器の外部から供給される蒸気を前記復水中に導く主管を備え、
前記主管は、
前記復水中に位置するとともに、外周面に複数の孔部が形成されている浸水部と、
前記孔部に設けられるとともに、前記蒸気を旋回流として前記復水中に噴出する旋回流生成部と、
を有する脱気装置。
【請求項7】
前記旋回流生成部は、プロペラを有する請求項6に記載の脱気装置。
【請求項8】
前記旋回流生成部は、
前記孔部を外側から覆い、前記外周面から前記軸線の径方向に延びるとともに、前記蒸気を前記復水中に噴出するノズルと、
前記ノズルの端部を外側から覆うとともに、前記ノズルから噴出される前記蒸気を駆動流体として前記復水を内側に誘引する筒部と、
前記筒部の内周面に、該内周面に沿って回転可能に設けられているベーンと、
を有する請求項6に記載の脱気装置。
【請求項9】
請求項1から8の何れか一項に記載の脱気装置と、
前記復水を内部に貯留する復水器本体と、
を備える復水器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、脱気装置、及び復水器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、複合発電プラントで稼働する蒸気タービンに用いられる復水器が開示されている。特許文献1の復水器では、酸素等の溶存ガスが溶解している復水が貯留された貯水室内部で、仕切り板を設けることで復水が流通する流路が形成されている。そして、復水器外部からの高温蒸気を復水に供給する蒸気噴射管(脱気装置)を上記流路の上流側に設けることで、溶存ガスが脱気された復水を貯水室全体に行き渡らせている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3366817号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記特許文献1に記載の復水器では、上記流路内における復水の流れ方向に沿って、複数の蒸気噴射管が配置されている。復水の流れ方向下流側に配置された蒸気噴射管近傍の復水は、該蒸気噴射管よりも上流側に配置されている蒸気噴射管近傍の復水よりも溶存ガスの濃度が低い。このため、下流側に配置された蒸気噴射管の脱気効率は、上流側に配置されている蒸気噴射管と比較して低下してしまうという課題がある。
【0005】
本開示は、上記事情に鑑みてなされたものであり、復水中に含まれる溶存ガスの脱気効率の低下を抑制できる脱気装置、及び復水器を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第一態様に係る脱気装置は、復水器の復水に溶解した溶存ガスを脱気する脱気装置であって、軸線に沿って延びるとともに、前記復水器の外部から供給される蒸気を前記復水中に導く主管と、前記復水中における前記主管に連通して該主管から前記軸線を中心とした放射状に複数が延びるとともに、外面に複数の孔部が形成されている枝管と、を備える。
【0007】
また、本開示の第二態様に係る脱気装置は、復水器の復水に溶解した溶存ガスを脱気する脱気装置であって、軸線に沿って延びるとともに、前記復水器の外部から供給される蒸気を前記復水中に導く主管と、前記軸線を中心として前記主管を回転可能に支持するロータリ継手と、を備え、前記主管は、前記復水中に位置するとともに、外周面に複数の孔部が前記軸線を中心に螺旋状に配列されている浸水部を有する。
【0008】
また、本開示の第三態様に係る脱気装置は、復水器の復水に溶解した溶存ガスを脱気する脱気装置であって、軸線に沿って延びるとともに、前記復水器の外部から供給される蒸気を前記復水中に導く主管を備え、前記主管は、前記復水中に位置するとともに、外周面に複数の孔部が形成されている浸水部と、前記孔部に設けられるとともに、前記蒸気を旋回流として前記復水中に噴出する旋回流生成部と、を有する。
【0009】
また、本開示の第四態様に係る復水器は、上記脱気装置と、前記復水を内部に貯留する復水器本体と、を備える。
【発明の効果】
【0010】
本開示に係る脱気装置、及び復水器によれば、復水中に含まれる溶存ガスの脱気効率の低下を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本開示の実施形態に係る復水器の概略断面図である。
図2図1の要部拡大図であり、第一実施形態の脱気装置の構成を示したものである。
図3図2のIII-III線方向から見た時の枝管の断面を示す図である。
図4図1の要部拡大図であり、第二実施形態の脱気装置の構成を示したものである。
図5図4のV-V線方向から見た時の枝管の断面を示す図である。
図6図1の要部拡大図であり、第三実施形態の脱気装置の構成を示したものである。
図7図1の要部拡大図であり、第四実施形態の脱気装置の構成を示したものである。
図8図1の要部拡大図であり、第五実施形態の脱気装置の構成を示したものである。
図9図8のIX-IX線方向から見た時の旋回流生成部の断面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[第一実施形態]
(復水器)
以下、本開示の第一実施形態に係る復水器及び脱気装置を図面に基づき説明する。
図1は、本開示の実施形態に係る復水器の概略断面図である。図2は、図1の要部拡大図であり、第一実施形態の脱気装置の構成を示したものである。図3は、図2のIII-III線方向から見た時の枝管の断面を示す図である。
【0013】
本実施形態の復水器は、例えば、蒸気タービンに用いられる復水器である。
図1に示すように、復水器1は、復水器本体10と、冷却管群20と、脱気装置30と、を備えている。
【0014】
(復水器本体)
復水器本体10は、内部に復水Cを貯留する。復水器本体10は、貯水室11と、蒸気入口部12と、復水出口部13と、を有している。
貯水室11は、溶存ガスが溶解した復水Cを内部に貯留している部屋である。本実施形態における溶存ガスには、例えば酸素が挙げられる。蒸気入口部12は、貯水室11の上方に設けられている。蒸気入口部12は、蒸気V2を貯水室11へ導入するための入口である。
【0015】
蒸気入口部12は、例えば、復水器1外部に設けられている蒸気タービン(図示無し)の車室の蒸気出口等と接続されており、蒸気タービンで膨張仕事を終えた蒸気V2を受け入れる。つまり、蒸気タービンで膨張仕事を終えた蒸気V2は、蒸気入口部12を介して貯水室11に導入される。
【0016】
復水出口部13は、貯水室11の下方に位置する底部に設けられている。復水出口部13は、復水Cを貯水室11から排出させるための出口である。復水出口部13は、例えば、復水器1外部に設けられている給水加熱器等(図示無し)に排出ライン40を介して接続されている。なお、貯水室11から復水出口部13を介して排出された復水Cは、給水加熱器で加熱された後、例えば、ボイラ(図示無し)へと供給される。ボイラへ供給された復水Cは、更なる加熱によって高温の蒸気V1へ変化し、例えば、蒸気タービンの蒸気入口等へ戻される。
【0017】
(冷却管群)
冷却管群20は、貯水室11の一方の側壁(図示無し)から他方の側壁(図示無し)に亘って延びるように設けられている熱交換器である。本実施形態では、紙面奥行方向に延びる冷却管群20の構成を例示している。冷却管群20は、複数の冷却管20aを有している。冷却管群20の冷却管20aは、例えば、復水器1外部の冷却水供給部(図示無し)に接続されている。冷却管20aの内部には、冷却水供給部から供給される冷却水が流通する。
【0018】
冷却管20aの内部を流通する冷却水は、貯水室11内部で蒸気入口部12から導入される蒸気V2と冷却管20aの管壁を介して接触し、熱交換する。蒸気V2と熱交換を終えた冷却水は、例えば、上記冷却水供給部へ戻された後、冷却水供給部内で冷却される。冷却管群20と熱交換を終えた蒸気V2は、凝縮されて液体となり、貯水室11の下方に落下して復水Cとして貯水室11に貯留される。
【0019】
(脱気装置)
脱気装置30は、貯水室11に貯留された復水Cに溶解した溶存ガスを脱気する装置である。図2に示すように、脱気装置30は、外部接続管31と、主管32と、枝管33と、を備えている。
【0020】
(外部接続管)
外部接続管31は、復水器1の外部に設けられているボイラから供給される高温の蒸気V1を主管32に導く管である。外部接続管31の一端はボイラに接続されており、他端は主管32に接続されている。
【0021】
(主管)
主管32は、外部接続管31から供給される高温の蒸気V1を復水C中に導く管である。主管32は、復水器本体10内部で、上下方向Dvに延びる軸線Оを中心として該軸線Оに沿って延在している。主管32の一端は、外部接続管31の上記他端に接続されている。主管32は、外部接続管31と連通して、内部を高温の蒸気V1が流通可能とされている。主管32の他端は、復水Cに位置している。本実施形態における上下方向Dvは、貯水室11の上方に設けられている蒸気入口部12から貯水室11の下方の底部に設けられている蒸気出口部へと向かう方向を意味する。
【0022】
(枝管)
枝管33は、主管32に連通して、該主管32の他端から軸線Оを中心とした放射状に複数が延びている。本実施形態では、枝管33は、四本が軸線Оを中心に主管32の外周面32sから放射状に貯水室11全体に亘って延びている。
【0023】
枝管33は、外面33sに複数の孔部33aが形成されている。本実施形態では、上記四本の枝管33の外面33sに、孔部33aがそれぞれ十か所ずつ形成されている。より詳しくは、これら孔部33aは、枝管33の延びる方向で、外面33sに略等間隔に二列で五か所ずつ配列されている。
【0024】
図3に示すように、これら孔部33aは、枝管33の延びる方向と直交する断面視で、斜め上方に向かって復水C中に開口している。なお、本実施形態における孔部33aの開口径は、枝管33の径よりも小さいことが望ましい。
【0025】
主管32から枝管33に供給された蒸気V1は、これら孔部33aを通じて、復水C中に気泡として噴出される。つまり、復水C中では、枝管33はいわゆるスパージャとしての機能を有している。
【0026】
(作用効果)
上記第一実施形態に係る脱気装置30は、復水器1の復水Cに溶解した溶存ガスを脱気する脱気装置30であって、軸線Оに沿って延びるとともに、復水器1の外部から供給される蒸気V1を復水C中に導く主管32と、復水C中における主管32に連通して該主管32から軸線Оを中心とした放射状に複数が延びるとともに、外面33sに複数の孔部33aが形成されている枝管33と、を備える。
【0027】
上記構成によれば、主管32は、外部から供給される蒸気V1を枝管33内へと導く。枝管33内に導かれた蒸気V1は、外面33sに形成されている複数の孔部33aを通じて復水C中へ気泡として噴出される。そして、これら複数の孔部33aを通じて復水C中に噴出された蒸気V1は、周囲の復水Cと接触し、該復水Cと熱交換する。熱交換後の復水Cは、温められることにより溶解度が低下する。
これにより、復水C中に溶解している溶存ガスは、気化して微細な気泡となり、復水Cの液面から貯水室11内の雰囲気へ放散される。つまり、蒸気V1と接触した復水C中の溶存ガスは脱気されて、蒸気V1に温められた復水Cは飽和液となる。
そして、主管32から放射状に複数が延びるそれぞれの枝管33の外面33sには複数の孔部33aが形成されているため、復水C中の広範囲で上記作用を得ることができる。したがって、例えば、主管32のみから蒸気V1を復水C中に供給する構成と比較して、効率的に復水Cから溶存ガスを脱気することができ、結果として復水C中に含まれる溶存ガスの脱気効率の低下を抑制できる。
【0028】
また、上記第一実施形態に係る脱気装置30では、複数の孔部33aは、枝管33の延びる方向で、外面33sに略等間隔に配列されている。
上記構成によれば、枝管33の外面33sに複数の孔部33aが略等間隔に形成されているため、復水C中の枝管33が延びる範囲で満遍なく上記作用を得ることができる。したがって、より効率的に復水Cから溶存ガスを脱気できる。
【0029】
また、上記第一実施形態に係る脱気装置30では、複数の孔部33aは、枝管33の延びる方向と直交する断面視で、斜め上方に向かって復水C中に開口している。
上記構成によれば、例えば、復水C中に生じる微細なごみや析出物等の夾雑物が復水C内で降下し、枝管33の外面33sに堆積してしまったとしても、これら夾雑物が孔部33aを閉塞してしまう可能性を低減できる。
【0030】
[第二実施形態]
次に、本開示の第二実施形態における復水器を図面に基づき説明する。この第二実施形態における復水器は、ロータリ継手をさらに備えるとともに、上述した第一実施形態に対して、枝管の構成が異なる。上述した第一実施形態と同一部分に同一符号を付して説明するとともに、重複する説明を省略する。図4は、図1の要部拡大図であり、第二実施形態の脱気装置30の構成を示したものである。図5は、図4のV-V線方向から見た時の枝管33の断面を示す図である。
【0031】
(脱気装置)
図4に示すように、脱気装置30は、外部接続管31と、ロータリ継手34と、主管32と、枝管33と、を備えている。
【0032】
(外部接続管)
外部接続管31は、復水器1の外部に設けられているボイラから供給される高温蒸気V1を、ロータリ継手34を介して主管32に導く管である。外部接続管31の一端はボイラに接続されており、他端はロータリ継手34に接続されている。
【0033】
(ロータリ継手)
ロータリ継手34は、外部接続管31内を流れる蒸気V1を主管32内に搬送するとともに、主管32を、軸線Оを中心とした回転方向Tに回転可能に支持する継手部材である。本実施形態では、ロータリ継手34は、上下方向Dv(軸線О方向)に延びる柱状を成しており、上下方向Dvの上方側端部には外部接続管31の他端が接続されており、下方側端部には主管32の一端が接続されている。
【0034】
(主管)
主管32は、ロータリ継手34を介して外部接続管31から供給される高温蒸気V1を復水C中に導く管である。主管32は、復水器本体10内部で、上下方向Dvに延びる軸線Оを中心に該軸線Оに沿って延在している。主管32の一端は、ロータリ継手34に接続されており、該ロータリ継手34を介して蒸気V1が外部接続管31から供給される。
【0035】
(枝管)
枝管33は、主管32に連通して、該主管32の他端から軸線Оを中心とした放射状に複数が延びている。本実施形態では、枝管33は、四本が軸線Оを中心に主管32の外周面32sから放射状に復水器本体10の貯水室11全体に亘って延びている。
【0036】
枝管33は、外面33sに複数の孔部33aが形成されている。本実施形態では、上記四本の枝管33の外面33sに孔部33aがそれぞれ十か所ずつ形成されている。より詳しくは、これら孔部33aは、枝管33の延びる方向で、外面33sに略等間隔に一列に配列されている。
【0037】
図5に示すように、これら孔部33aは、枝管33の延びる方向と直交する断面視で、回転方向T一方側(図5の左側)に向かって復水C中に開口している。主管32から枝管33に供給された蒸気V1は、これら孔部33aを通じて、復水C中に気泡として噴出される。
【0038】
(作用効果)
上記第二実施形態に係る脱気装置30は、軸線Оを中心として主管32を回転可能に支持するロータリ継手34をさらに備え、複数の孔部33aは、主管32の回転方向T一方側に開口している。
【0039】
上記構成によれば、主管32は、ロータリ継手34を介して外部から供給される蒸気V1を枝管33内へと導く。枝管33内に導かれた蒸気V1は、外面33sの回転方向T一方側を向く位置に開口している複数の孔部33aを通じて復水C中へ気泡として噴出される。これにより、それぞれの枝管33は、回転方向T他方側に向かう噴出反力を得るため、ロータリ継手34に接続されている主管32とともに回転方向Tに回転する。したがって、上記第一実施形態と同様の作用効果を奏すると同時に、気泡としての蒸気V1をより広範囲に放散することができる。
【0040】
[第三実施形態]
次に、本開示の第三実施形態における復水器を図面に基づき説明する。この第三実施形態における復水器は、上述した第二実施形態に対して、主管及び枝管の構成が異なる。上述した第二実施形態と同一部分に同一符号を付して説明するとともに、重複する説明を省略する。図6は、図1の要部拡大図であり、第三実施形態の脱気装置の構成を示したものである。
【0041】
(脱気装置)
図6に示すように、脱気装置30は、外部接続管31と、ロータリ継手34と、主管32と、枝管33と、を備えている。外部接続管31及びロータリ継手34は、上記第二実施形態と同様の構成を成している。
【0042】
(主管)
主管32は、非浸水部32aと、浸水部32bと、を有している。
非浸水部32aは、復水Cに浸漬されていない部分である。浸水部32bは、復水C中に位置する部分である。浸水部32bは、外周面32sに複数の孔部33aが形成されている。これら複数の孔部33aは、軸線Оを中心に螺旋状に配列されている。本実施形態では、主管32の外周面32sには、孔部33aが十二か所形成されている。
【0043】
(枝管)
枝管33は、主管32の外周面32sに形成された複数の孔部33aを外側から覆い、主管32の外周面32sから軸線Оの径方向に延びている筒状の部材である。枝管33の延びた先の端部には、開口部33bが形成されている。したがって、それぞれの枝管33には、主管32から蒸気V1が供給され、枝管33内に供給された蒸気V1は、開口部33bから復水C中に噴出される。
【0044】
(作用効果)
上記第三実施形態に係る脱気装置30は、復水器1の復水Cに溶解した溶存ガスを脱気する脱気装置30であって、軸線Оに沿って延びるとともに、復水器1の外部から供給される蒸気V1を復水C中に導く主管32と、軸線Оを中心として主管32を回転可能に支持するロータリ継手34と、を備え、主管32は、復水C中に位置するとともに、外周面32sに複数の孔部33aが軸線Оを中心に螺旋状に配列されている浸水部32bを有する。
【0045】
上記構成によれば、外部から供給された蒸気V1は、主管32内を流通した後、外周面32sに螺旋状に配列されている複数の孔部33aから復水C中へ気泡として噴出される。これにより、主管32は、該主管32を回転可能に支持しているロータリ継手34とともに回転しながら蒸気V1を噴出する。したがって、主管32を中心に復水C中の広範囲に気泡としての蒸気V1を放散できる。
【0046】
また、上記第三実施形態に係る脱気装置30は、孔部33aを外側から覆い、外周面32sから軸線Оの径方向に延びるとともに、端部に開口部33bが形成されている枝管33をさらに備えている。
【0047】
上記構成によれば、主管32から枝管33内に導かれた蒸気V1は、開口部33bから復水C中へ気泡として噴出される。これにより、復水C中における主管32を中心に、広範囲かつ遠方へ気泡としての蒸気V1を放散できる。
【0048】
[第四実施形態]
次に、本開示の第四実施形態における復水器を図面に基づき説明する。この第四実施形態における復水器は、旋回流生成部を更に備えるとともに、上述した第三実施形態に対して、主管の構成が異なる。また、上述した第三実施形態で説明されたロータリ継手及び枝管を有していない。上述した第三実施形態と同一部分に同一符号を付して説明するとともに、重複する説明を省略する。図7は、図1の要部拡大図であり、第四実施形態の脱気装置の構成を示したものである。
【0049】
(脱気装置)
図7に示すように、脱気装置30は、外部接続管31と、主管32と、旋回流生成部35と、を備えている。外部接続管31は、上記第一実施形態と同様の構成を成している。
【0050】
(主管)
主管32は、非浸水部32aと、浸水部32bと、を有している。
非浸水部32aは、復水Cに浸漬されていない部分である。浸水部32bは、復水C中に位置する部分である。浸水部32bは、外周面32sに複数の孔部33aが形成されている。本実施形態では、これら孔部33aは、外周面32sに軸線Оを中心として略線対称に二列で四か所ずつ配列されている。
【0051】
(旋回流生成部)
旋回流生成部35は、主管32を流通する蒸気V1を旋回流として復水C中に噴出する装置である。旋回流生成部35は、主管32の外周面32sに形成された孔部33aにそれぞれ設けられている。本実施形態における旋回流生成部35は、プロペラ36を有している。
【0052】
プロペラ36は、孔部33aで、プロペラ軸線Aを中心に回転し、主管32内部の蒸気V1を旋回流として軸線Оの径方向に向かって噴出する。本実施形態では、プロペラ軸線Aは、軸線Оと直交し、該軸線Оから径方向に向かって延びる仮想線である。
【0053】
プロペラ36は、プロペラ軸線Aを中心として、該プロペラ軸線Aに沿って延びるプロペラ軸(図示無し)と一体に形成されている。プロペラ軸は、例えば、主管32内部に軸線Оを中心として該軸線Оに沿って延びる支持部(図示無し)と、軸受(図示無し)と、によってプロペラ軸線A回りに回転可能に支持されている。
【0054】
(作用効果)
上記第四実施形態に係る脱気装置30は、復水器1の復水Cに溶解した溶存ガスを脱気する脱気装置30であって、軸線Оに沿って延びるとともに、復水器1の外部から供給される蒸気V1を復水C中に導く主管32を備え、主管32は、復水C中に位置するとともに、外周面32sに複数の孔部33aが形成されている浸水部32bと、孔部33aに設けられるとともに、蒸気V1を旋回流として復水C中に噴出する旋回流生成部35と、を有する。
【0055】
上記構成によれば、主管32内を流通する蒸気V1は、旋回流生成部35を経由して、復水C中に旋回しながら噴出される。これにより、復水C中に噴出された気泡としての蒸気V1は、旋回しながら復水C中に広がる。したがって、気泡としての蒸気V1が復水C中へ単に噴出される構成と比較して、蒸気V1を復水C中により長い時間留まらせることができる。
また、旋回流生成部35が蒸気V1を旋回させることにより、蒸気V1は復水Cから剪断力を受け、気泡としての蒸気V1は細かく分裂する。これにより、蒸気V1が復水C中に広がる過程で、蒸気V1と復水Cとが接触する面積を増加させることができる。
【0056】
また、上記第四実施形態に係る脱気装置30では、旋回流生成部35は、プロペラ36を有している。
上記構成によれば、上記作用効果をより具体的な構成で実現できる。以下、旋回流生成部35が有するプロペラ36の作用を説明する。主管32内を流通する蒸気V1は、孔部33aに設けられているプロペラ36に衝突する。プロペラ36に衝突した蒸気V1は、該プロペラ36を回転させるとともに、該プロペラ36から旋回成分を受け取る。これにより、蒸気V1は、復水C中へ旋回しながら噴出される。即ち、プロペラ36は、主管32内を流通する蒸気V1を、復水C中に旋回流として噴出する。
【0057】
[第五実施形態]
次に、本開示の第五実施形態における復水器を図面に基づき説明する。この第五実施形態における復水器は、上述した第四実施形態に対して、旋回流生成部の構成が異なる。上述した第四実施形態と同一部分に同一符号を付して説明するとともに、重複する説明を省略する。図8は、図1の要部拡大図であり、第五実施形態の脱気装置の構成を示したものである。図9は、図8のIX-IX線方向から見た時の旋回流生成部の断面を示す図である。
【0058】
(脱気装置)
図8に示すように、脱気装置30は、外部接続管31と、主管32と、旋回流生成部35と、を備えている。外部接続管31及び主管32は、上記第四実施形態と同様の構成を成している。
【0059】
(旋回流生成部)
旋回流生成部35は、主管32を流通する蒸気V1を旋回流として復水C中に噴出する装置である。旋回流生成部35は、主管32の外周面32sに形成された複数の孔部33aにそれぞれ設けられている。
図9に示すように、旋回流生成部35は、ノズル37と、筒部38と、ベーン39と、を有している。
【0060】
ノズル37は、主管32内部を流通する蒸気V1を、復水C中に、軸線Оの径方向外側に向かって噴出する。ノズル37は、主管32の外周面32sに形成された孔部33aを外側から覆い、旋回軸線Bを中心として主管32の外周面32sから軸線Оの径方向に延びている。本実施形態では、旋回軸線Bは、軸線Оと直交し、該軸線Оから径方向に向かって延びる仮想線である。ノズル37は、主管32の外周面32sから径方向外側に延びる基部37aと、該基部37aの端部から径方向外側に向かうにつれて開口径が狭まるテーパ部37bと、を有している。
【0061】
筒部38は、少なくともノズル37のテーパ部37bを外側から覆うとともに、ノズル37から噴出される蒸気V1を駆動流体とし、該筒部38の外側に位置する復水Cを吸入流体として内側に誘引する筒状の部材である。筒部38は、主管32の外周面32sから軸線Оの径方向外側に向かって延びている。本実施形態では、筒部38は、軸線Оの径方向内側端部と主管32の外周面32sとを接続する接続部(図示無し)を旋回軸線Bの周方向に複数有している。筒部38は、これら接続部により、主管32に固定されている。
【0062】
ベーン39は、筒部38の内周面38aに、該内周面38aに沿って旋回軸線Bを中心に回転可能に設けられている。より詳しくは、ベーン39の旋回軸線Bの径方向外側端部は、筒部38の内周面38aとスライド可能に設けられている。したがって、ベーン39は、駆動流体としての蒸気V1、及び吸入流体としての復水Cによって軸線Оの径方向外側に押されることで旋回軸線B回りに回転する。
【0063】
(作用効果)
上記第五実施形態に係る脱気装置30では、旋回流生成部35は、孔部33aを外側から覆い、外周面32sから軸線Оの径方向に延びるとともに、蒸気V1を復水C中に噴出するノズル37と、ノズル37の端部を外側から覆うとともに、ノズル37から噴出される蒸気V1を駆動流体として復水Cを内側に誘引する筒部38と、筒部38の内周面38aに、該内周面38aに沿って回転可能に設けられているベーン39と、を有する。
【0064】
上記構成によれば、筒部38の内部で、ノズル37から噴出される蒸気V1を駆動流体とすることにより、筒部38の外側に位置する復水Cがエジェクタ効果によって誘引される。そして、これら蒸気V1及び復水Cが、筒部38の内周面38aに沿って回転可能に設けられているベーン39を通過することにより、ベーン39を回転させる。そして、蒸気V1は、回転するベーン39から旋回成分を受け取った後、旋回流として復水C中に噴出される。これにより、上記第四実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0065】
[その他の実施形態]
以上、本開示の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成は各実施形態の構成に限られるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲内での構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が可能である。また、本開示は実施形態によって限定されることはなく、特許請求の範囲によってのみ限定される。
【0066】
なお、上記第三実施形態の構成では、脱気装置30は、枝管33を備えていなくてもよい。
【0067】
また、上記第三実施形態の構成では、各枝管33の外面に複数の噴出孔が形成されていてもよい。
これにより、気泡としての蒸気V1を噴出孔からも復水C中に噴出することができる。したがって、復水C中でより広範囲に蒸気V1が放散されるため、脱気装置30の脱気性能をより向上させることができる。
【0068】
また、上記第三実施形態の構成では、各枝管33の外面には複数の噴出孔が形成されており、各枝管33の外面に形成されている複数の噴出孔は、主管32の回転方向T一方側に開口していてもよい。
これにより、主管32の回転速度を増加させることができるとともに、復水C中のより広範囲に蒸気V1を放散させることができる。
【0069】
また、上記実施形態では、主管32に形成される孔部33aの数や枝管33の数は、上記の数に限定されることはなく、適宜の数を採用してよい。
【0070】
また、各実施形態で説明された脱気装置30の構成は、それぞれ独立した構成に留まることはなく、個々の構成を適宜組み合わせて脱気装置を構成してもよい。
【0071】
また、上記実施形態では、復水器1は、蒸気タービンに用いられるとされているが、蒸気タービンに限定されることはない。復水器1を蒸気タービン以外の蒸気を用いる機器、例えば蒸気機関やボイラ等の蒸気使用機器に用いてもよい。
【0072】
[付記]
実施形態に記載の脱気装置、及び復水器は、例えば以下のように把握される。
【0073】
(1)第1の態様によれば、脱気装置30は、復水器1の復水Cに溶解した溶存ガスを脱気する脱気装置30であって、軸線Оに沿って延びるとともに、前記復水器1の外部から供給される蒸気V1を前記復水C中に導く主管32と、前記復水C中における前記主管32に連通して該主管32から前記軸線Оを中心とした放射状に複数が延びるとともに、外面33sに複数の孔部33aが形成されている枝管33と、を備える。
【0074】
上記構成によれば、主管32は、外部から供給される蒸気V1を枝管33内へと導く。枝管33内に導かれた蒸気V1は、外面33sに形成されている複数の孔部33aを通じて復水C中へ気泡として噴出される。そして、これら複数の孔部33aを通じて復水C中に噴出された蒸気V1は、周囲の復水Cと接触し、該復水Cと熱交換する。熱交換後の復水Cは、温められることにより溶解度が低下する。これにより、復水C中に溶解している溶存ガスは、気化して微細な気泡となり、復水Cの液面から貯水室11内の雰囲気へ放散される。つまり、蒸気V1と接触した復水C中の溶存ガスは脱気されて、蒸気V1に温められた復水Cは飽和液となる。そして、主管32から放射状に複数が延びるそれぞれの枝管33の外面33sには複数の孔部33aが形成されているため、復水C中の広範囲で上記作用を得ることができる。
【0075】
(2)第2の態様によれば、脱気装置30は、(1)の脱気装置30であって、前記軸線Оを中心として前記主管32を回転可能に支持するロータリ継手34をさらに備え、複数の前記孔部33aは、前記主管32の回転方向T一方側に開口していてもよい。
【0076】
上記構成によれば、主管32は、ロータリ継手34を介して外部から供給される蒸気V1を枝管33内へと導く。枝管33内に導かれた蒸気V1は、外面33sで回転方向T一方側に開口している複数の孔部33aを通じて復水C中へ気泡として噴出される。これにより、それぞれの枝管33は、回転方向T他方側に向かう噴出反力を得るため、ロータリ継手34に接続されている主管32とともに回転方向Tに回転する。したがって、上記と同様の作用効果を奏すると同時に、気泡としての蒸気V1をより広範囲に放散することができる。
【0077】
(3)第3の態様によれば、脱気装置30は、復水器1の復水Cに溶解した溶存ガスを脱気する脱気装置30であって、軸線Оに沿って延びるとともに、前記復水器1の外部から供給される蒸気V1を前記復水C中に導く主管32と、前記軸線Оを中心として前記主管32を回転可能に支持するロータリ継手34と、を備え、前記主管32は、前記復水C中に位置するとともに、外周面32sに複数の孔部33aが前記軸線Оを中心に螺旋状に配列されている浸水部32bを有する。
【0078】
上記構成によれば、外部から供給された蒸気V1は、主管32内を流通した後、外周面32sで螺旋状に配列されている複数の孔部33aから復水C中へ気泡として噴出される。これにより、主管32は、該主管32を回転可能に支持しているロータリ継手34とともに回転しながら蒸気V1を噴出する。したがって、主管32を中心に復水C中の広範囲に気泡としての蒸気V1を放散できる。
【0079】
(4)第4の態様によれば、脱気装置30は、(3)の脱気装置30であって、前記孔部33aを外側から覆い、前記外周面32sから前記軸線Оの径方向に延びるとともに、端部に開口部33bが形成されている枝管33をさらに備えてもよい。
【0080】
上記構成によれば、主管32から枝管33内に導かれた蒸気V1は、開口部33bから復水C中へ気泡として噴出される。これにより、復水C中における主管32を中心に、広範囲かつ遠方へ気泡としての蒸気V1を放散できる。
【0081】
(5)第5の態様によれば、脱気装置30は、(4)の脱気装置30であって、前記枝管33の外面33sには、前記主管32の回転方向T一方側に開口する噴出孔33cが複数形成されていてもよい。
【0082】
上記構成によれば、主管32の回転速度を増加させることができるとともに、復水C中のより広範囲に蒸気V1を放散させることができる。
【0083】
(6)第6の態様によれば、脱気装置30は、復水器1の復水Cに溶解した溶存ガスを脱気する脱気装置30であって、軸線Оに沿って延びるとともに、前記復水器1の外部から供給される蒸気V1を前記復水C中に導く主管32を備え、前記主管32は、前記復水C中に位置するとともに、外周面32sに複数の孔部33aが形成されている浸水部32bと、前記孔部33aに設けられるとともに、前記蒸気V1を旋回流として前記復水C中に噴出する旋回流生成部35と、を有する。
【0084】
上記構成によれば、主管32内を流通する蒸気V1は、旋回流生成部35を経由して、復水C中に旋回しながら噴出される。これにより、復水C中に噴出された気泡としての蒸気V1は、旋回しながら復水C中に広がる。したがって、気泡としての蒸気V1が復水C中へ単に噴出される構成と比較して、蒸気V1を復水C中により長い時間留まらせることができる。また、旋回流生成部35が蒸気V1を旋回させることにより、蒸気V1は復水Cから剪断力を受け、気泡としての蒸気V1は細かく分裂する。これにより、蒸気V1が復水C中に広がる過程で、蒸気V1と復水Cとが接触する面積を増加させることができる。
【0085】
(7)第7の態様によれば、脱気装置30は、(6)の脱気装置30であって、前記旋回流生成部35は、プロペラ36を有してもよい。
【0086】
上記構成によれば、上記作用効果をより具体的な構成で実現できる。
【0087】
(8)第8の態様によれば、脱気装置30は、(6)の脱気装置30であって、前記旋回流生成部35は、前記孔部33aを外側から覆い、前記外周面32sから前記軸線Оの径方向に延びるとともに、前記蒸気V1を前記復水C中に噴出するノズル37と、前記ノズル37の端部を外側から覆うとともに、前記ノズル37から噴出される前記蒸気V1を駆動流体として前記復水Cを内側に誘引する筒部38と、前記筒部38の内周面38aに、該内周面38aに沿って回転可能に設けられているベーン39と、を有してもよい。
【0088】
上記構成によれば、筒部38の内部で、ノズル37から噴出される蒸気V1を駆動流体とすることにより、筒部38の外側に位置する復水Cがエジェクタ効果によって誘引される。そして、これら蒸気V1及び復水Cが、筒部38の内周面38aに沿って回転可能に設けられているベーン39を通過することにより、ベーン39を回転させる。そして、蒸気V1は、ベーン39から旋回成分を受け取った後、旋回流として復水C中に噴出される。
【0089】
(9)第9の態様によれば、復水器1は、(1)から(8)の何れかの脱気装置30と、前記復水Cを内部に貯留する復水器本体10と、を備える。
【0090】
これにより、復水C中に含まれる溶存ガスの脱気効率の低下を抑制できる復水器を提供できる。
【符号の説明】
【0091】
1…復水器 10…復水器本体 11…貯水室 12…蒸気入口部 13…復水出口部 20…冷却管群 20a…冷却管 30…脱気装置 31…外部接続管 32…主管 32a…非浸水部 32b…浸水部 32s…外周面 33…枝管 33a…孔部 33b…開口部 33s…外面 34…ロータリ継手 35…旋回流生成部 36…プロペラ 37…ノズル 37a…基部 37b…テーパ部 38…筒部 38a…内周面 39…ベーン 40…排出ライン A…プロペラ軸線 B…旋回軸線 C…復水 Dv…上下方向 О…軸線 T…回転方向 V1,V2…蒸気
図1
図2
図3
図4
図5
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図7
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図9