(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022170330
(43)【公開日】2022-11-10
(54)【発明の名称】筆記具のクリップ装置
(51)【国際特許分類】
B43K 25/02 20060101AFI20221102BHJP
【FI】
B43K25/02 170
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021076395
(22)【出願日】2021-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】303022891
【氏名又は名称】株式会社パイロットコーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】上原 康孝
【テーマコード(参考)】
2C041
【Fターム(参考)】
2C041AA06
2C041AB01
2C041AC02
2C041CC10
(57)【要約】
【課題】筆記具の内部空間を容易に確保可能にする。
【解決手段】筆記具100のクリップ装置は、軸筒110と、軸筒110の外周部側に配置されるクリップ外側部材121を有するクリップ120と、クリップ120を軸筒110の軸心に向く方向に引き込む付勢力を作用させる付勢部材(ばね部222)とを備え、ばね部222は、軸筒110の軸心を含む平面に対してオフセットした位置に配置されている。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筆記具のクリップ装置であって、
軸筒と、
上記軸筒の外周部側に配置されるクリップ外側部材を有するクリップと、
上記クリップを上記軸筒の軸心に向く方向に引き込む付勢力を作用させる付勢部材とを備え、
上記付勢部材は、上記軸筒の軸心を含む平面に対してオフセットした位置に配置されていることを特徴とする筆記具のクリップ装置。
【請求項2】
請求項1の筆記具のクリップ装置であって、
上記軸筒は、四角柱状の軸筒張出部を有し、
上記付勢部材は、上記軸筒張出部の側壁内面側に沿って変形移動可能に構成されていることを特徴とする筆記具のクリップ装置。
【請求項3】
請求項2の筆記具のクリップ装置であって、
上記軸筒張出部の内面から軸筒の軸心に向けて張り出した凸部が形成されて、上記凸部と、上記軸筒張出部の側壁内面との間に間隙が形成されるとともに、
上記付勢部材は、上記間隙内で変形移動可能に構成されていることを特徴とする筆記具のクリップ装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のうち何れか1項の筆記具のクリップ装置であって、
上記付勢部材は、上記クリップ外側部材に連結され、軸筒の内部で軸筒の軸心に平行に配置される棒状の平行部と、上記平行部の端部から上記軸筒の内面に向けて折り返し、端部が上記軸筒の内面に当接する斜材部とを有していることを特徴とする筆記具のクリップ装置。
【請求項5】
請求項4の筆記具のクリップ装置であって、
上記付勢部材は、上記軸筒の軸心を含む平面を挟んで1対設けられ、各付勢部材の上記斜材部の端部が、ばね端連結部を介して連結されていることを特徴とする筆記具のクリップ装置。
【請求項6】
請求項1の筆記具のクリップ装置であって、
上記クリップ外側部材における、軸筒の頭部側に、軸筒または軸筒に結合された部材との間に間隙が形成され、上記クリップが、上記間隙を狭めるように揺動可能に構成されていることを特徴とする筆記具のクリップ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軸筒に対してクリップを引き出しおよび引き込み可能な筆記具のクリップ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
筆記具の使用時に軸筒に没入して筆記具の使用の邪魔にならないようにしたり、軸筒から突出して衣服のポケット等に掛け止めることができるようにした筆記具のクリップが知られている。具体的には、例えば基部が後軸内に後軸径方向に移動可能に導入されて出没可能となったクリップと、このクリップに没入方向のバネ力を付与する屈曲した板状のバネとを設け、カム作用によってクリップを突出させたり、バネ力によってクリップを没入させたりする技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のように屈曲した板状のバネやカムによってクリップを没入、突出させる構成では、バネやカムの設置スペースが必要となり、筆記具の全長が長くなったり太くなったりしがちである。
【0005】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、筆記具の内部空間を容易に確保可能にすることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、
本発明は、
筆記具のクリップ装置であって、
軸筒と、
上記軸筒の外周部側に配置されるクリップ外側部材を有するクリップと、
上記クリップを上記軸筒の軸心に向く方向に引き込む付勢力を作用させる付勢部材とを備え、
上記付勢部材は、上記軸筒の軸心を含む平面に対してオフセットした位置に配置されていることを特徴とする。
【0007】
これにより、筆記具における例えば断面円形状の内部空間の直径が付勢部材によって制約されにくいようにできるので、クリップを引き込み、引き出し可能にしつつ、筆記具の内部空間を容易に確保可能にできる。
【発明の効果】
【0008】
本発明では、筆記具の内部空間を容易に確保可能にできる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施形態1の筆記具の頭部側付近の構成を示す部分断面分解斜視図である。
【
図2】実施形態1のクリップの引き込み状態を示す縦断面側面図である。
【
図3】実施形態1のクリップの突出状態を示す縦断面側面図である。
【
図7】実施形態2の筆記具の頭部側付近の構成を示す部分断面分解斜視図である。
【
図8】実施形態2のクリップの全体の形状を示す斜視図である。
【
図9】実施形態2のクリップの引き込み状態を示す縦断面側面図である。
【
図10】実施形態2のクリップの突出状態を示す縦断面側面図である。
【
図13】
図9のXIII-XIII線断面図である。
【
図14】実施形態3のクリップの全体の形状を示す斜視図である。
【
図15】実施形態4のクリップの全体の形状を示す斜視図である。
【
図16】実施形態5のクリップの引き込み状態を示す縦断面側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の各実施形態において、他の実施形態と同様の機能を有する構成要素については同一の符号を付して説明を省略する。
【0011】
(実施形態1)
筆記具100は、頭部側(筆記具先端部と反対側)の構造の例を
図1~
図6に示すように、軸筒110と、クリップ120と、弾性部材130と、頭冠140とを備えている。なお、筆記具100は、さらに軸筒110の内部に収容される筆記体等を備えているが、便宜上説明を省略する。
【0012】
上記軸筒110は、四角柱状の軸筒張出部112を有し、上記軸筒張出部112の筆記具頭部側にはクリップ120が嵌まり込む切欠部113が形成されている。また、軸筒張出部112の所定の位置には、後述するクリップ120の凸部126が嵌まり込むクリップ凸部受孔114が形成されている。軸筒110の頭部側の頂部には、頭冠140が嵌合する軸筒頂部115が設けられている。上記軸筒頂部115は、横断面形状において円周の一部が除去された形状を有し、除去された部分の上端面は、軸筒本体部111の筆記具先端側に延びてクリップ受段部116が形成されている。
【0013】
クリップ120は、上記軸筒110の外周部側に配置されるクリップ外側部材121と、内周部側に配置されるクリップ内側部材122と、上記クリップ外側部材121とクリップ内側部材122とを連結する外内部材連結部123とを有している。上記クリップ内側部材122は、詳しくは、クリップの幅方向両側の縁部位置に沿った1対の棒状部材122aによって構成されている。各棒状部材122aの一端側は、外内部材連結部123に接続されるとともに、他端側どうしは、内側部材連結部124によって連結されている(
図4、
図5)。また、上記クリップ外側部材121または外内部材連結部123は、クリップ外側部材121からクリップ内側部材122側に向けて幅方向寸法が小さく設定された凹部125が形成されている(
図6)。さらに、クリップ外側部材121における先端部付近の内面側には凸部126が形成され、軸筒110の表面側における上記凸部126に対応する位置に前記クリップ凸部受孔114が形成されていることにより、衣服のポケット等を挟み込んだときに筆記具100が固定されやすいようになっている。なお、上記のようなクリップ凸部受孔114に代えて凹部が形成されたりしてもよいし、必ずしも軸筒110のクリップ凸部受孔114やクリップ120の凸部126は設けられなくてもよい。
【0014】
上記クリップ120は、軸筒110の頭部側から差し込まれ、外内部材連結部123が軸筒110の切欠部113に嵌まり込んだ状態で、軸筒頂部115に頭冠140が嵌装されている(
図2)。これにより、クリップ外側部材121が軸筒110に密着した状態と離間、引き出した状態とに出没移動可能な状態で、クリップ120が軸筒110の頭部側に抜け出さないようになっている(
図2、
図3)。
【0015】
上記軸筒110の内周部と上記クリップ120のクリップ内側部材122との間には、1対の棒状部材122aの形状に対応した細長い線材状、かつ、塊状の1対の弾性部材130(付勢部材)が設けられ、クリップ120が、クリップ外側部材121が軸筒110に密着する方向に付勢されるようになっている(
図5)。上記クリップ120のクリップ内側部材122、および弾性部材130は、より詳しくは、軸筒110における軸筒張出部112の側壁内面側に沿った位置、すなわち、軸筒110の軸心を含みクリップ120の出没移動方向を向く平面に対してオフセットした位置に配置され、上記側壁内面側に沿って変形移動可能に構成されている。これにより、筆記具100における断面円形状の内部空間の直径を大きく確保することが容易にできる。特に、軸筒110に四角柱状などの軸筒張出部112が設けられて、その内部に弾性部材130等が配置されることによって、上記のような内部空間を大きく確保することが容易にできる。もっとも、軸筒張出部112が設けられていない場合であっても、上記のようにオフセットした位置にクリップ内側部材122や弾性部材130が配置されることによって、例えば軸筒本体部111の肉厚等に応じて内部空間を確保することは可能である。
【0016】
上記塊状の弾性部材130は、圧縮応力による圧縮ひずみが生じて付勢力を生じる弾性体を用いて構成される弾性部材、すなわち、コイルばねや板ばねなどのようにねじりや曲げなどの構造的変形によらない伸縮可能な部材である。そのような部材は、典型的には中実な素材から成ると考えられるが、例えば微細な気泡等はあっても全体として中実な素材と考えられる素材は含まれる。弾性部材130の外形形状は、直方体状やシート状などでもよいし、球体などが集合したものや、ゲル状のように変形可能な部材でもよい。上記のような弾性部材130としては、より具体的には、スポンジ状のものであればウレタン、EPDM(エチレンプロピレンジエンゴム)、シリコンから成るものなどが例示でき、ゴムシートであれば、ウレタン、シリコン、NBR(ニトリルゴム)、フッ素ゴムから成るものなどが例示できる。その他、エラストマーで形成されたシートやフェルトなども適用することができる。
【0017】
上記のように、クリップ120が軸筒110に対して引き込まれた状態と引き出した状態とに移動可能にされていることにより、例えば筆記時や保管時は邪魔にならず、衣服のポケットを挟み込むときなど、必要なときに引き出してクリップとして機能させることができる。しかも、クリップ120が引き込まれる付勢力は、上記のように塊状の弾性部材130によって生じさせることにより、簡潔、コンパクトな構成でクリップを引き込み、必要なときに引き出し可能にすることが容易にでき、筆記具100の長さや太さを低減することなどが容易にできる。しかも、上記のような弾性部材130は、軸筒110とクリップ120のクリップ内側部材122との間に挟み込むだけでよいので、組み立てを容易にすることもできる。
【0018】
(その他の事項)
上記の例では、クリップ内側部材122が1対の棒状部材122aによって構成されることにより、軸筒110の内部の空間(内径)を確保したり外径を小さく押さえたりすることが容易にできるが、これに限らず、内部空間の確保等が可能なように、クリップ内側部材122を外周側に膨らむように湾曲した板状に形成するなどしてもよい。
【0019】
また、弾性部材130も上記棒状部材122aに対応するような細長い形状にすることによって一層コンパクト化を図ることなどもできるが、弾性部材130の幅方向中央部の肉厚を側部よりも相対的に薄くするなどしてもよい。
【0020】
また、上記のようにクリップ内側部材122が1対の棒状部材122aによって構成される場合、棒状部材122aの端部どうしを内側部材連結部124によって連結することにより、強度や剛性を確保することが容易にできるが、十分な強度や剛性が得られる場合には必ずしも内側部材連結部124は設けなくてもよい。
【0021】
また、上記のように外内部材連結部123等に、凹部125が形成されることによって、クリップ120を指先や爪などで摘まんだり挟んだりして引き出すことなどが比較的容易にできるが、これに限らず、クリップ外側部材121の軸筒110側の縁部に面取りを形成したり、クリップ外側部材121や外内部材連結部123の側方に幅方向の凸部を設けたり、軸筒張出部112の側部に凹部などを設けて、クリップ120を摘まんだりすることが容易になるようにしてもよい。
【0022】
また、上記クリップ120は、軸筒110の頭部側から差し込まれる場合、抜け出さないようにするためには、頭冠140に代えて、または頭冠140とともに、クリップ120と軸筒110との接触部に、凸部と凹部など、クリップが抜け出すのを阻止する係止部が設けられてもよい。
【0023】
また、頭冠140は、軸筒頂部115に嵌装されるのに限らず、螺合されるなどしてもよい。
【0024】
(実施形態2)
実施形態2の筆記具100は、上記実施形態1の筆記具100と比べて、
図7、
図9、
図10に示すように、クリップ外側部材121および弾性部材130に代えて、クリップ220が設けられて構成されている点が主に異なる。より詳しくは、クリップ220は、
図8、
図12、
図13に示すように、クリップ外側部材221と、軸筒110における軸筒張出部112の側壁内面に沿った位置(クリップの幅方向両側の縁部位置に沿った位置)、すなわち、軸筒110の軸心を含みクリップ120の出没移動方向を向く平面に対してオフセットした位置に配置される1対のばね部222(付勢部材)と、上記クリップ外側部材221とばね部222とを連結するばね部連結部223とが一体的に形成されて成っている。ばね部222は、ばね部連結部223の下部に、軸筒110の軸心に平行で中央部が連結される棒状の平行部222aと、平行部222aの両端部からそれぞれ上方に折り返した斜材部222bと、1対のばね部222における斜材部222bの先端部どうしを連結するばね端連結部222cとから形成されている。また、ばね部連結部223の内面側には凹部223aが形成され、筆記具100における断面円形状の内部空間が確保されるようになっている。
【0025】
一方、軸筒110には、
図9、
図10、
図12に示すように、軸筒張出部112の内面から軸筒110の軸心に向けて張り出した凸部118が形成されている。上記凸部118と、軸筒張出部112の側壁内面との間に形成される間隙には、ばね部222の平行部222aや斜材部222bが移動可能に挟み込まれて、ばね部222が倒れ込みにくいようになっている。また、軸筒張出部112の内面には、クリップ220におけるばね部222のばね端連結部222cが当接するばね受け部117が形成され、ばね部222がクリップ220を軸筒110の軸心に向けて引き込む付勢力の反力を受けるようになっている。なお、この実施形態2では、軸筒110の軸筒張出部112は、クリップ220の凸部126に対応する位置付近では
図11に示すように壁の肉厚が略一定に形成される例を示しているが、これに限らず、実施形態1の
図4に示すように軸筒張出部112の内部が中実に形成されるなどしてもよい。
【0026】
頭冠140は、軸筒110の軸筒頂部115が嵌まり込む頭冠本体部141と、軸筒110の軸筒張出部112と同様の四角柱状の頭冠張出部142とが形成されて成っている。上記頭冠張出部142の内面には、軸筒110と同様にばね受け部144、および凸部143が形成され、ばね部222による付勢力の反力を受けるとともに、ばね部222が倒れ込みにくいようにされている。
【0027】
上記のように、ばね部222が軸筒110の軸心を含む平面からオフセットした位置に配置されていることによって、やはり、筆記具100における断面円形状の内部空間の直径を大きく確保することが容易にできる。また、ばね部222がクリップ外側部材221と一体的に形成されることによって、部品点数を削減し構成の簡素化を図ることも容易にできる。
【0028】
なお、上記の例において、クリップ220のばね部222におけるばね端連結部222cや、軸筒110の軸心に向けて張り出した凸部118は必ずしも設けられなくてもよいが、これらが設けられることによって、クリップ220が引き出される際の姿勢や付勢力を安定させることが容易にできる。
【0029】
また、上記のように斜材部222bを設けるなど弾性変形する部分の長さを長くすれば、各部に生じる応力を小さく抑えて耐久性を高めやすくすることも容易になる。
【0030】
(実施形態3)
クリップ220におけるばね部222の形状や各部の寸法などは、上記に限らず、必要とされるクリップ220の引き出しストロークや引き出し力などに応じて種々設定することができる。例えば、
図14に示すように、平行部222aの両端部で折り返した斜材部222bを設けずに、直ちにばね端連結部222cを設けてもよい。これによって、例えばばねの全長を短く設定することによりばねの付勢力を大きく、すなわちクリップ220が引き込まれる力を大きくして、クリップ220の把持力を強くすることが容易にできる。また、実施形態2に比べ、ばね部連結部223と、ばね端連結部222cとの間の距離を長くすることによって、クリップ220を引き出す際に、ばね部連結部223付近を中心に揺動するような動きを抑制して平行移動するように引き出しやすいようにすることができる。
【0031】
(実施形態4)
また、
図15に示すように、上記実施形態3と同様の形状で、平行部222aの長さをより短く設定して、クリップ220が引き込まれる力をより大きくし得るようにしたり、ばね部222の平行部222a等を軸筒110内に収容するための空間を小さくし得るようにしたりしてもよい。
【0032】
(実施形態5)
クリップ220は、上記のように平行移動させるように引き出すのに限らず、衣服のポケット等に掛け止めるなどのためにクリップ220が揺動し得るようにしてもよい。例えば、実施形態2と同様の構成において、
図16に示すように、クリップ外側部材221における、軸筒110の頭部側の頂部端で、頭冠140や軸筒110との間に間隙が形成されるように傾斜部227を形成してもよい。これにより、クリップ外側部材221における上記頂部端部分を頭冠140等に押し付けて、クリップ外側部材221の筆記具先端部と軸筒110との距離が広がるようにクリップ220を揺動させるとともに、上記距離を縮める方向の付勢力を作用させることができる。
【0033】
なお、上記各実施形態および変形例について説明した構成要素は、論理的に可能な範囲で種々組み合わせてもよい。具体的には、例えば実施形態1の外内部材連結部123等に凹部125を形成することなどによってクリップ120を指先や爪などで摘まんだり挟んだりして引き出すことなどが比較的容易にできる構成は、他の実施形態のクリップにも適用してもよい。また、
図14や
図15で示したようなばね部222の形状を実施形態5のようにクリップ220を揺動させる構成に適用してもよい。また、例えば
図8、
図14、
図15で示したようなばね部222の形状を筆記具の先端部側と頂部側とで組み合わせたり、一方を省略するなどしたりしてもよい。
【符号の説明】
【0034】
100 筆記具
110 軸筒
111 軸筒本体部
112 軸筒張出部
113 切欠部
114 クリップ凸部受孔
115 軸筒頂部
116 クリップ受段部
117 ばね受け部
118 凸部
120 クリップ
121 クリップ外側部材
122 クリップ内側部材
122a 棒状部材
123 外内部材連結部
124 内側部材連結部
125 凹部
126 凸部
130 弾性部材
140 頭冠
141 頭冠本体部
142 頭冠張出部
143 凸部
144 ばね受け部
220 クリップ
221 クリップ外側部材
222 ばね部
222a 平行部
222b 斜材部
222c ばね端連結部
223 ばね部連結部
223a 凹部
227 傾斜部