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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022170336
(43)【公開日】2022-11-10
(54)【発明の名称】燃料電池モジュール及び燃料電池装置
(51)【国際特許分類】
   H01M 8/04 20160101AFI20221102BHJP
   H01M 8/0612 20160101ALI20221102BHJP
   H01M 8/2475 20160101ALI20221102BHJP
   H01M 8/12 20160101ALN20221102BHJP
【FI】
H01M8/04 Z
H01M8/04 J
H01M8/0612
H01M8/2475
H01M8/12 101
H01M8/12 102A
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021076406
(22)【出願日】2021-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100132045
【弁理士】
【氏名又は名称】坪内 伸
(72)【発明者】
【氏名】二上 啓大
(72)【発明者】
【氏名】青野 智剛
(72)【発明者】
【氏名】中村 竜一
(72)【発明者】
【氏名】佐野 欣秀
(72)【発明者】
【氏名】梶原 渉
【テーマコード(参考)】
5H126
5H127
【Fターム(参考)】
5H126BB06
5H127AA07
5H127AC15
5H127BA01
5H127BA13
5H127BA34
5H127BA37
5H127BB02
5H127BB19
5H127EE02
5H127EE03
5H127EE29
(57)【要約】
【課題】発電効率を向上させる。
【解決手段】燃料電池モジュール10は改質器11と燃料電池セするタック12と排ガス導出部13とを有する。改質器11は気化部14と改質部15とを含む。改質部15を気化部14から第1の方向に配置する。燃料電池セルスタック12は複数の燃料電池セルを積層させて有する。燃料電池セルスタック12は改質器11に対して第2の方向に位置する。第2の方向は第1の方向に交差する。排ガス導出部13は燃料電池セルスタック12から排出される排ガスの改質器11への流動において排ガスを気化部14より改質部15側に向かうように流動させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水を気化する気化部、及び前記気化部から第1の方向に配置され且つ気化させた水蒸気を用いて水蒸気改質を行う改質部を有する改質器と、
前記改質器が生成した燃料ガス及び酸素含有ガスの電気化学反応により発電する複数の燃料電池セルを積層させて有し、前記改質器に対して前記第1の方向に交差する第2の方向に位置する燃料電池セルスタックと、
前記燃料電池セルスタックから排出される排ガスの前記改質器側への流動において、該排ガスを前記気化部より前記改質部側に向かうように流動させる排ガス導出部と、を備える
燃料電池モジュール。
【請求項2】
請求項1に記載の燃料電池モジュールにおいて、
前記排ガス導出部は、前記気化部よりも前記第1の方向側、且つ前記改質器よりも前記第2の方向側に設けられる
燃料電池モジュール。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の燃料電池モジュールにおいて、
前記改質器及び前記燃料電池セルスタックは、発電室に収容され、
前記排ガス導出部は、前記発電室を形成する内壁の一部を切欠くことにより形成される
燃料電池モジュール。
【請求項4】
請求項3に記載の燃料電池モジュールにおいて、
前記燃料電池セルスタックに供給する酸素含有ガスの第1の酸素含有ガス流路を画定する第1の導入板を、更に備え、
前記第1の酸素含有ガス流路の導入口は、前記排ガス導出部近傍に位置する
燃料電池モジュール。
【請求項5】
請求項4に記載の燃料電池モジュールにおいて、
前記改質器及び前記燃料電池セルスタックの間に、前記燃料電池セルスタックにおける未反応の燃料ガス及び酸素含有ガスを燃焼させることにより前記排ガスを発生させる燃焼部を、更に備え、
前記第1の酸素含有ガス流路は、前記第1の導入板を挟んだ前記燃焼部の近傍において、前記第1の方向における前記改質部側から前記気化部側まで酸素含有ガスを流動させる第1の部分を有する
燃料電池モジュール。
【請求項6】
請求項4又は5に記載の燃料電池モジュールにおいて、
前記第1の酸素含有ガス流路は、前記第1の導入板を挟んで前記燃料電池セルスタックの最も前記改質器側の近傍において、前記第1の方向における前記気化部側から前記改質部側まで酸素含有ガスを流動させる第2の部分を有する
燃料電池モジュール。
【請求項7】
請求項4から6のいずれか1項に記載の燃料電池モジュールにおいて、
前記発電室は、断熱材を用いた内壁体により形成され、
前記内壁体の外面の一部は、前記排ガス導出部と連通する第1の排ガス流路を画定する
燃料電池モジュール。
【請求項8】
請求項7に記載の燃料電池モジュールにおいて、
前記内壁体の外面の一部に対向して、該外面に対向する内面は該内壁体の外面の一部とともに前記第1の排ガス流路を画定する第2の導入板を、更に備え、
前記第2の導入板の外面は、前記導入口に連通する第2の酸素含有ガス流路を画定する
燃料電池モジュール。
【請求項9】
請求項8に記載の燃料電池モジュールにおいて、
前記内壁体を介して、前記第1の導入板に少なくとも一部が対向する第3の導入板を、更に備え、
前記第3の導入板の内面と、前記内壁体の外面における該内面に対向する部分とが、前記第1の排ガス流路に連通する第2の排ガス流路を画定する
燃料電池モジュール。
【請求項10】
請求項9に記載の燃料電池モジュールにおいて、
前記第3の導入板の外面に対向する第1の外壁部を、更に備え、
前記第1の外壁部の内面と、前記第3の導入板の外面とが、前記導入口に接続する第3の酸素含有ガス流路を画定する
燃料電池モジュール。
【請求項11】
請求項10に記載の燃料電池モジュールにおいて、
前記内壁体の外面における、前記第3の導入板の内面に対向する部分は、前記第2の排ガス流路を画定する溝を有し、前記溝以外の領域において前記第3の導入板の内面に密着する
燃料電池モジュール。
【請求項12】
請求項10又は11に記載の燃料電池モジュールにおいて、
前記第3の導入板は、外面側に突出し且つ前記第1の外壁部の内面に当接する第1の突出部を有する
燃料電池モジュール。
【請求項13】
請求項11に記載の燃料電池モジュールにおいて、
前記第3の導入板は、外面側に突出し且つ前記第1の外壁部の内面に当接する第1の突出部を有し、
前記第1の突出部は、前記第3の導入板の主面に垂直な方向から見て、前記内壁体の外面における前記第3の導入板の内面に対向する部分の前記溝以外の領域の近傍に位置する
燃料電池モジュール。
【請求項14】
請求項10から13のいずれか1項に記載の燃料電池モジュールにおいて、
前記内壁体は、直方体状であって、
前記第2の導入板及び前記第3の導入板は、互いに連続する異なる面に位置し、
前記第2の導入板の裏側の面に、前記第3の酸素含有ガス流路に接続する酸素含有ガス入口と、前記第2の排ガス流路に接続する排ガス出口とが設けられる
燃料電池モジュール。
【請求項15】
請求項14に記載の燃料電池モジュールにおいて、
前記排ガス出口が設けられる面に位置し、前記排ガス出口に接続される排ガス処理部を、更に備える
燃料電池モジュール。
【請求項16】
請求項14又は15に記載の燃料電池モジュールにおいて、
前記発電室よりも前記第1の方向の逆方向に位置し、前記内壁体の外面の一部に対向し、該外面に対向する側の面は該内壁体の外面の一部とともに、前記第2の排ガス流路及び前記排ガス出口に連通する第3の排ガス流路を画定する第4の導入板と、
前記第4の導入板の外面に対向し、該外面に対向する側の面は該第4の導入板の外面とともに前記第3の酸素含有ガス流路及び前記酸素含有ガス入口に連通する第4の酸素含有ガス流路を画定する第2の外壁部と、を更に備える
燃料電池モジュール。
【請求項17】
請求項16に記載の燃料電池モジュールにおいて、
前記第3の導入板及び前記第1の外壁部は、前記第2の導入板が設けられる面及び前記第4の導入板が設けられる面の間の面であって互いに平行な2面に別々に設けられる
燃料電池モジュール。
【請求項18】
請求項17に記載の燃料電池モジュールにおいて、
前記第4の導入板は、前記第3の導入板に接続される辺に平行に延在し且つ前記第2の外壁部側に突出する2つの第2の突出部を、延在方向に垂直な方向に並ぶように有し、
前記酸素含有ガス入口は前記2つの第2の突出部の間に位置する
燃料電池モジュール。
【請求項19】
請求項1から18のいずれか1項に記載の燃料電池モジュールを備える
燃料電池装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、燃料電池モジュール及び燃料電池装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
燃料電池セル集合体の上方に、蒸発混合器及び改質器を横並びに配置した改質ユニットを配置した燃料電池モジュールにおいて、発電反応に使用されなかった燃料ガスと発電用空気とを燃焼させた排ガスを蒸発混合器側に流動させることが提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-197027号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
燃料電池モジュールでは、発電効率を向上させることが求められている。
【0005】
従って、上記のような従来技術の問題点に鑑みてなされた本開示の目的は、発電効率を向上させる燃料電池モジュール及び燃料電池装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した諸課題を解決すべく、第1の観点による燃料電池モジュールは、
水を気化する気化部、及び前記気化部から第1の方向に配置され且つ気化させた水蒸気を用いて水蒸気改質を行う改質部を有する改質器と、
前記改質器が生成した燃料ガス及び酸素含有ガスの電気化学反応により発電する複数の燃料電池セルを積層させて有し、前記改質器に対して前記第1の方向に交差する第2の方向に位置する燃料電池セルスタックと、
前記燃料電池セルスタックから排出される排ガスの前記改質器側への流動において、該排ガスを前記気化部より前記改質部側に向かうように流動させる排ガス導出部と、を備える。
【0007】
第2の観点による燃料電池装置は、
水を気化する気化部、及び前記気化部から第1の方向に配置され且つ気化させた水蒸気を用いて水蒸気改質を行う改質部を有する改質器と、前記改質器が生成した燃料ガス及び酸素含有ガスの電気化学反応により発電する複数の燃料電池セルを積層させて有し、前記改質器に対して前記第1の方向に交差する第2の方向に位置する燃料電池セルスタックと、前記燃料電池セルスタックから排出される排ガスの前記改質器側への流動において、該排ガスを前記気化部より前記改質部側に向かうように流動させる排ガス導出部と、を有する燃料電池モジュールを備える。
【発明の効果】
【0008】
上記のように構成された本開示に係る燃料電池モジュール及び燃料電池装置によれば、発電効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】一実施形態に係る燃料電池モジュールの概略構成を示す構成図である。
図2図1の改質器及び燃料電池セルスタックの配置を示す斜視図である。
図3】燃料電池モジュールの変形例における、改質器、燃料電池セルスタック、及び燃焼部の配置を示す斜視図である。
図4図1の改質器及び燃料電池セルスタックを収容する発電室を画定する壁面を示す斜視図である。
図5図4の発電室を形成する内壁体の外観を示す斜視図である。
図6図5の第2の内壁部を外面となる主面から見た正面図である。
図7図5の第2の内壁部の側面図である。
図8図5の第4の内壁部を外面となる主面から見た正面図である。
図9図5の第4の内壁部の第1の方向に向けられる第1の端面から見た側面図である。
図10図5の第4の内壁部を内面となる主面及び第2の方向の逆側に向けられる第2の端面側から見た部分拡大斜視図である。
図11図5の第4の内壁部に第1の導入板を設けた状態を内面となる主面から見た背面図である。
図12図11の第1の導入板の内部構造図である。
図13図5の内壁体の第1の方向側及び第2の方向の逆側から見た部分拡大斜視図である。
図14図5におけるA-A線に沿った、内壁体の第1の方向側の端部近傍における部分断面図である。
図15図5におけるB-B線に沿った、内壁体の第1の方向側の端部近傍における部分断面図である。
図16図8の第4の内壁部に対向させた第3の導入板の外面となる主面から見た正面図である。
図17図5におけるB-B線に沿った、内壁体の第1の方向の逆側の端部近傍における部分断面図である。
図18】第4の導入板の外面となる主面から見た正面図である。
図19図5の内壁体に第4の導入板を取り付けた状態を第3の方向に垂直な平面に沿った部分拡大断面図である。
図20図5の内壁体とともに、第2の導入板、第3の導入板、及び第4の導入板を収容する外壁体の外観を示す斜視図である。
図21図20におけるC-C線に沿った、外壁体の第1の方向側の端部近傍における部分断面図である。
図22図20におけるD-D線に沿った、外壁体の第3の方向の逆側の端部近傍における部分断面図である。
図23図20におけるE-E線に沿った、外壁体の第1の方向の逆側の端部近傍における部分断面図である。
図24図20におけるC-C線に沿った、外壁体の第1の方向の逆側の端部近傍における部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示を適用した燃料電池モジュールの実施形態について、図面を参照して説明する。
【0011】
図1に示すように、本開示の一実施形態に係る燃料電池モジュール10は、改質器11、燃料電池セルスタック12、及び排ガス導出部13を含んで構成される。
【0012】
改質器11は、気化部14及び改質部15を有する。気化部14及び改質部15は、例えば、ガスが通過可能な孔が形成された仕切壁16により仕切られてよい。
【0013】
気化部14には、水が供給される。気化部14は、供給される水を気化して水蒸気を発生させる。気化部14には、例えば、アルミナボール等の充填物が充填されてよい。充填物は、気化部14内で伝熱面を増加させてよい。気化部14には、さらに原燃料ガスが供給されてよい。気化部14は、発生させた水蒸気及び原燃料ガスを混合してよい。
【0014】
改質部15は、気化部14から第1の方向に配置される。改質部15は、気化部14から供給される水蒸気を用いて、原燃料ガスの水蒸気改質を行う。改質部15は、水蒸気改質により、燃料ガスを生成してよい。改質部15は、例えば、水蒸気改質を行う改質触媒を収容してよい。
【0015】
図2に示すように、改質器11は、第1の方向が長手方向である直方体状であってよい。改質器11は、第1の方向に平行な主面を有する板状であってよい。改質器11における気化部14及び改質部15のいずれにおいても、内部で第1の方向に沿ってガスが流れてよく、主面に沿った蛇行状又はU字状に流れてよい。
【0016】
燃料電池セルスタック12は、積層させた複数の円筒平板型の燃料電池セルを有する。燃料電池セルは、円筒平板型に限定されず、円筒型、平板型等、任意な形状でよい。燃料電池セルは、例えば、固体酸化物形燃料電池セルであってよい。各燃料電池セルには、改質部15が生成した燃料ガスとともに、空気等の酸素含有ガスが供給される。各燃料電池セルが、供給された燃料ガス及び酸素含有ガスを用いて、電気化学反応により発電する。燃料電池セルでは、供給される燃料ガス及び酸素含有ガスのすべてが電気化学反応を起こすわけではなく、未反応の燃料ガス及び酸素含有ガスを排出する。
【0017】
燃料電池セルスタック12は、改質器11に対して第2の方向に位置する。第2の方向は、第1の方向に交差する方向である。より具体的には、第2の方向は、第1の方向に垂直な方向であってよい。更に具体的には、第2の方向は、板状の改質器11の主面の法線方向であってよい。燃料電池モジュール10を含む燃料電池装置では、設置時における地表に対する姿勢が定められていてよい。地表に対して定められた姿勢において、第1の方向は水平であってよく、第2の方向は鉛直下方であってよい。
【0018】
燃料電池セルスタック12が排出する未反応の燃料ガス及び酸素含有ガスは、燃料電池セルスタック12及び改質器11の間において燃焼する。図3に示すように、改質器11及び燃料電池セルスタック12の間に燃焼部17を設け、当該燃焼部17に、未反応の燃料ガス及び酸素含有ガスを燃焼させる構成であってよい。燃焼した排ガスは、改質器11に流動してよい。改質器11に流動した排ガスは、気化部14及び改質部15を加熱してよい。
【0019】
図4に示すように、改質器11及び燃料電池セルスタック12は、発電室grに収容されてよい。発電室grは、直方体状であってよい。直方体状の発電室grの一辺は第1の方向に平行であってよい。第1の方向に平行な発電室grの一辺の長さは、改質器11の第1の方向の長さに略同じか、長くてよい。直方体状の発電室grの別の一辺は第2の方向に平行であってよい。第1の方向及び第2の方向に垂直な第3の方向に平行な発電室grの一辺の長さは、改質器11の第3の方向の長さに略同じか、長くてよい。直方体状の発電室grの第1の方向の長さは、第3の方向の長さより長くてよい。
【0020】
発電室grは、発電室grの全周囲を囲繞する内壁面により画定されてよい。発電室grを囲繞する内壁面は、内壁体に設けられてよい。言換えると、発電室grは、内壁体内に設けられてよい。図5に示すように、直方体状の発電室grは、箱状の内壁体18により形成されてよい。箱状の内壁体18は、第1の方向、第2の方向、及び第3の方向に垂直な平面を有してよい。内壁体18は、任意の材料により形成されてよい。内壁体18は、例えば、断熱材により形成されてよい。
【0021】
直方体の箱状の内壁体18は、一枚の第1の内壁部19、一枚の第2の内壁部40、2枚の第3の内壁部20、及び2枚の第4の内壁部21により形成されてよい。第1の内壁部19、第2の内壁部40、第3の内壁部20、及び第4の内壁部21は矩形の板状であってよい。
【0022】
第1の内壁部19及び第2の内壁部40の主面は、第1の方向に垂直であってよい。第1の内壁部19は、内壁体18において第1の方向側に位置してよい。第2の内壁部40は、内壁体18において第1の方向の逆側に位置してよい。第3の内壁部20の主面は、第2の方向に垂直であってよい。第3の内壁部20は、内壁体18において第2の方向における両側に位置してよい。第4の内壁部21の主面は、第3の方向に垂直であってよい。第4の内壁部21は、内壁体18において第3の方向における両側に位置してよい。
【0023】
発電室grは、所定の間隔で対向させた第1の内壁部19及び第2の内壁部40、所定の間隔で対向させた2枚の第3の内壁部20、及び所定の間隔で対向させた2枚の第4の内壁部21の内壁面により画定されてよい。言換えると、第1の内壁部19、第2の内壁部40、第3の内壁部20、及び第4の内壁部21は、直方体状の内壁体18において互いに異なる面に位置してよい。
【0024】
第1の内壁部19には、後述するように、導入口23を内壁体18から貫通させる切欠きが形成されてよい。
【0025】
図6に示すように、第2の内壁部40の一方の主面は内壁体18の内面に、他方の主面は内壁体18の外面になるように定められてよい。第2の内壁部40の外面側の主面には、第3の方向の両端に開口する、第3の方向に延在する第1の溝dt1が形成されてよい。第1の溝dt1は、第2の方向側の端近傍に位置してよい。
【0026】
図7に示すように、第2の内壁部40の第3の方向における端面には、L字状の第1の切欠きnt1が形成されてよい。第1の切欠きnt1は、第1の方向の逆側において、第1の溝dt1に連続してよい。第1の切欠きnt1は、第1の方向の逆側においては、第1の溝dt1と同じ幅で開口してよい。第1の切欠きnt1は、第1の方向側において、第2の内壁部40の第2の方向における長さより少し短い幅で開口してよい。
【0027】
第2の方向の逆側の第3の内壁部20には、原燃料ガス及び水をそれぞれ改質器11に供給する供給管が挿通される孔が形成されてよい。
【0028】
第4の内壁部21の一方の主面は内壁体18の内面に、他方の主面は内壁体18の外面になるように定められてよい。第4の内壁部21に関する以下に記載の構成は、発電室grを形成する2枚の第4の内壁部21の一方に適用されてよい。又は、当該構成は、発電室grを形成する2枚の第4の内壁部21の両者に適用されてよい。
【0029】
図8に示すように、第4の内壁部21の両主面の間の端面であって、内壁体18において、第1の方向に垂直である1組の端面が第1の端面es1に定められてよい。当該両主面の間の端面であって、内壁体18において第2の方向に垂直である1組の端面が第2の端面es2に定められてよい。第4の内壁部21の外面には、第2の溝dt2が形成されてよい。
【0030】
第2の溝dt2は、第1の方向における両端に開口してよい。第2の溝dt2は、第1の方向側においては、第2の方向側の端近傍で第1の端面es1に開口してよい。第2の溝dt2は、第1の方向の逆側においては、第1の切欠きnt1の第1の方向側の開口と同じ位置で同じ幅で開口してよい。
【0031】
第2の溝dt2は、複数の畝rbにより形成される蛇行形状であってよい。第4の内壁部21を第1の方向の逆側の第1の端面es1において、第2の内壁部40の内面となる主面に接合させた状態で、第2の溝dt2は第1の切欠きnt1と連続してよい。第2の溝dt2及び第1の切欠きnt1は、内壁体18の第1の方向における両端に連続する、略等幅で蛇行する溝を形成してよい。
【0032】
図9に示すように、第4の内壁部21の第1の方向側の第1の端面es1には、L字状の第2の切欠きnt2が形成されてよい。第2の切欠きnt2は、外面os側で第2の溝dt2に連続してよい。第2の切欠きnt2は、第2の溝dt2から遠位の第2の端面es2(図中上方)まで第2の方向に沿って延びてよい。図10に示すように、第4の内壁部21には、第2の切欠きnt2の、第2の溝dt2から遠位、言換えると第2の方向の逆側の第2の端面es2において、第2の切欠きnt2の底面よりも第1の方向の逆側に掘下げた第3の切欠きnt3が形成されてよい。
【0033】
図11に示すように、第4の内壁部21の内面isには、第1の導入板22が設けられてよい。第1の導入板22は、全体的に略矩形の薄板状であってよい。第1の導入板22は、金属等の伝熱性の高い材料により形成されてよい。
【0034】
第1の導入板22は、燃料電池セルスタック12に酸素含有ガスを供給する第1の酸素含有ガス流路を画定してよい。例えば、第1の導入板22は、第1の酸素含有ガス流路となる内空を有してよい。例えば、同じ形状の2枚の平板の一方における板面の外縁に囲繞される内部を陥凹させ、当該外縁の全面を他方の平板に接合することにより、内空を有する第1の導入板22が形成されてよい。
【0035】
第1の導入板22は、導入口23及び導出口24を有してよい。第1の酸素含有ガス流路は、導入口23及び導出口24を連通してよい。
【0036】
導入口23は、第1の導入板22の主面に平行な方向に開口してよい。導入口23は、第4の内壁部21に第1の導入板22を予め定められた姿勢で設けた構成において、第2の切欠きnt2、言換えると、後述する排ガス導出部近傍に位置してよい。導出口24は、第1の導入板22の主面に垂直な方向に開口してよい。図5に示すように、導入口23は、内壁体18を用いて発電室grを形成した構成において、内壁体18を貫通して、第1の方向に突出してよい。例えば、第1の内壁部19の一部を導入口23の形状に沿って切欠き、切欠いた領域に導入口23を挿通させてよい。
【0037】
図11に示すように、導出口24は、第4の内壁部21に第1の導入板22を予め定められた姿勢で設けた構成において、第3の切欠きnt3が形成される側の第2の端面es2とは逆側、言換えると第2の方向側の第2の端面es2近傍において第1の方向に沿って延びる形状であってよい。導入口23に導入される酸素含有ガスが、第1の酸素含有ガス流路を通過して、導出口24を介して燃料電池セルスタック12に供給されてよい。
【0038】
図12に示すように、第1の導入板22が画定する第1の酸素含有ガス流路ogc1は、第1の部分p1及び第2の部分p2を有してよい。第1の酸素含有ガス流路ogc1は、更に第3の部分p3及び第4の部分p4を有してよい。
【0039】
第1の部分p1は、第1の導入板22を挟んで、第2の方向において燃焼部17近傍に位置してよい。第1の部分p1は、酸素含有ガスを、第1の方向における改質部15側から気化部14側まで流動させてよい。例えば、第1の部分p1は、導入口23から第1の方向に延在する、第2の方向において均等な幅の流路であってよい。
【0040】
第2の部分p2は、第1の導入板22を挟んで、第2の方向において燃料電池セルスタック12の最も改質器11側近傍に位置してよい。第2の部分p2は、酸素含有ガスを、第1の方向における気化部14側から改質部15側まで流動させてよい。例えば、第2の部分p2は、第1の部分p1より第2の方向側に位置する流路であって、第1の方向に延在する第1の流路内壁iw1により一部が画定されてよい。第2の部分p2は、第1の方向に平行な空間であるが、全領域が内壁に画定されなくてよく、酸素含有ガスを第1の方向に流動させる領域として仮想的に画定されてよい。例えば、具体的には、第2の部分p2の第2の方向側は内壁により画定されなくてよい。
【0041】
第3の部分p3は、第1の部分p1及び第2の部分p2に連通してよい。第3の部分p3は、第1の部分p1から第2の部分p2まで第2の方向に沿って延在する流路であってよい。第3の部分p3は、第2の方向側の端に第1の方向に沿って延び、酸素含有ガスを第2の部分p2に導く第2の流路内壁iw2において終端してよい。
【0042】
第2の流路内壁iw2は、第1の流路内壁iw1よりも第2の方向側に位置してよい。第2の流路内壁iw2の第1の方向の長さは、第3の部分p3の幅、即ち第1の方向の長さより長くてよい。第2の流路内壁iw2の一部は、第1の方向において、第1の流路内壁iw1と重なってよい。第2の流路内壁iw2は、第1の方向側において、第2の部分p2の第1の方向の逆側の端部近傍で終端してよい。
【0043】
第4の部分p4は、第2の部分p2の、第1の酸素含有ガス流路ogc1の下流側において連通してよい。第4の部分p4は、第2の部分p2の第2の方向側の端において連通してよい。第4の部分p4は、第2の方向の逆側においては、内壁で画定されていない第2の部分p2の第1の方向に沿った長さを有してよい。第4の部分p4は、導出口24と連通してよい。第4の部分p4は、第2の方向側においては、導出口24の第1の方向における長さより長くてよい。
【0044】
第4の部分p4には、部分分岐壁pwが設けられてよい。部分分岐壁pwは、第4の部分p4の第1の方向における中央近傍に位置してよい。部分分岐壁pwは、第4の部分p4の第2の方向における第2の部分p2近傍に位置してよい。部分分岐壁pwは、第1の方向に沿って延びる壁面と第2の方向に沿って延びる壁面とを有してよい。
【0045】
図1に示すように、排ガス導出部13は、燃料電池セルスタック12から排出される排ガスの、排ガスの改質器11側への流動において、気化部14より改質部15側に向かうように流動させる。燃料電池セルスタック12から排出される排ガスは、前述のように、未反応の燃料ガス及び酸素含有ガスを燃焼させた燃焼ガスであってよい。
【0046】
排ガス導出部13は、気化部14よりも第1の方向側、且つ改質器11よりも第2の方向側に設けられてよい。具体的には、図4に示すように、排ガス導出部13は、発電室grを形成する内壁の一部を切欠くことにより形成されてよい。より具体的には、図13に示すように、排ガス導出部13は、第1の内壁部19、第3の内壁部20、及び第4の内壁部21により画定される内部空間である発電室grを、外部空間に連通させる第3の切欠きnt3であってよい。なお、図13において、第1の導入板22の描画は便宜上、省略されている。
【0047】
排ガス導出部13は、内壁体18の外面の一部が画定する第1の排ガス流路に連通してよい。具体的には、排ガス導出部13として機能する第3の切欠きnt3は、第4の内壁部21の第2の端面es2に連続してよい。第3の切欠きnt3に連続する第2の切欠きnt2が第1の排ガス流路を画定してよい。
【0048】
内壁体18の外面の一部、具体的には、第1の方向側の外面に対向するように、第2の導入板が設けられてよい。第2の導入板は、金属等の伝熱性の高い材料により形成されてよい。
【0049】
当該第1の方向側の面に対向する第2の導入板の内面は、内壁体18の第1の方向側の外面とともに第1の排ガス流路を画定してよい。具体的には、第2の導入板の主面が、第1の内壁部19及び第3の内壁部20の第1の方向側の端面、並びに第4の内壁部21の第3の溝dt3を除く第1の端面es1に密着してよい。図14に示すように、このような構成における、第3の溝dt3及び第2の導入板25の内面が、第1の排ガス流路egc1を画定してよい。
【0050】
第1の導入板22の導入口23は、第1の方向において第1の内壁部19を超えて延在し、第2の導入板25を貫通してよい。したがって、導入口23は、第2の導入板25の第1の方向側の主面、言換えると、内壁体18に対向する第2の導入板25の内面の裏側の面である外面側の空間に連通してよい。
【0051】
内壁体18の一部である第4の内壁部21の外側の主面に対向して、第3の導入板26が設けられてよい。前述のように、第1の内壁部19及び第4の内壁部21は直方体状の内壁体18の互いに連続する異なる面に位置してよいので、第2の導入板25及び第3の導入単26も互い連続する異なる面に位置してよい。第3の導入板26の少なくとも一部は、第4の内壁部21を介して、第1の導入板22に対向してよい。
【0052】
第3の導入板26は、内壁体18を形成する2枚の第4の内壁部21の一方に設けられてよい。又は、第3の導入板26は、内壁体18を形成する2枚の第4の内壁部21の両者に設けられてよい。言換えると、第3の導入板26は、直方体状の内壁体18における第2の導入板25が設けられる面と、後述する第4の導入板が設けられる面との間の面で互いに平行な2面に設けられてよい。
【0053】
第3の導入板26は、金属等の伝熱性の高い材料により形成されてよい。
【0054】
図15に示すように、第3の導入板26の内面、言換えると、第1の導入板22に対向する面と、第4の内壁部21の外面osとが、第2の排ガス流路egc2を画定してよい。第4の内壁部21の外面osは、言換えると内壁体18の外面における第3の導入板26の内面に対向する部分である。
【0055】
具体的には、第3の導入板26の主面が、第4の内壁部21の外面osにおける第2の溝dt2以外の畝rb等の領域に密着してよい。第3の導入板26の内面側の主面と、第2の導入板25の第3の方向における、当該第3の導入板26が設けられる側の端部とは、密着してよい。より具体的には、第3の導入板26の内面側の主面と、第2の導入板25の第3の方向における端部とは溶接されていてよい。このような構成における、第2の溝dt2及び第3の導入板26の内面が、第2の排ガス流路egc2を画定してよい。第2の排ガス流路egc2は、第1の排ガス流路egc1と連通してよい。
【0056】
図16に示すように、第3の導入板26は、矩形であってよい。矩形の第3の導入板26は、各辺が第1の方向又は第2の方向に平行となるように配置されてよい。第3の導入板26の第1の方向の長さは、第2の内壁部40及び第4の内壁部21の第1の方向の長さの合計値より、長くてよい。
【0057】
第3の導入板26は、第4の内壁部21に対向させた状態で、外面に第1の突出部27を有してよい。第1の突出部27は、外面側に突出してよい。第1の突出部27は、第3の導入板26の主面に垂直な方向である第3の方向から見て、第4の内壁部21の外面osにおける、第3の導入板26の内面に対向する部分の第1の溝dt1以外の領域の近傍に位置してよい。第4の内壁部21の外面osにおける、第3の導入板26の内面に対向する部分の第1の溝dt1以外の領域は、畝rbが形成される領域であってよい。
【0058】
第3の導入板26は、第1の方向における両側において、内壁体18より突出してよい。第3の導入板26は、第2の方向側の端部近傍で、第1の方向の逆側の辺に第4の切欠きnt4が形成されてよい。第4の切欠きnt4は、第3の方向から見て内壁体18に重ならなくてよい。
【0059】
図17に示すように、内壁体18よりも第1の方向の逆方向に、第4の導入板28が設けられてよい。第4の導入板28は、内壁体18の一部である第2の内壁部40の外面に対向してよい。図18に示すように、第4の導入板28は、矩形であってよい。矩形の第4の導入板28は、各辺が第2の方向又は第3の方向に平行となるように配置されてよい。
【0060】
図19に示すように、第4の導入板28は、第1の溝dt1を除く、第2の内壁部40の外面に密着してよい。このような構成における第4の導入板28の内面は、第2の内壁部40に形成された第1の溝dt1とともに第3の排ガス流路egc3を画定してよい。
【0061】
図17に示すように、第4の導入板28の第3の方向における第3の導入板26が設けられる側の端部と、第3の導入板26の内面側の主面とは、密着してよい。より具体的には、第4の導入板28の第3の方向における端部と、第3の導入板26の内面側の主面とは溶接されていてよい。このような構成により、第3の排ガス流路egc3は、第2の排ガス流路egc2に連通してよい。
【0062】
図18に示すように、第4の導入板28の主面には、排ガス出口29が設けられてよい。第3の方向に幅広である形状であってよい。排ガス出口29は、第2の方向において、第1の溝dt1に重なる位置に形成されてよい。排ガス出口29は、第3の排ガス流路egc3に連通してよい。第4の導入板28は、第2の内壁部40に対向させた状態で、外面の排ガス出口29の周囲に、出口領域突出部41を有してよい。出口領域突出部41は、外面側、言換えると、後述する第2の外壁部側に突出してよい。
【0063】
第4の導入板28は、内壁体18における第3の内壁部20及び第4の内壁部21とは異なる面に位置する第1の内壁部19に対向するので、第3の排ガス流路egc3を介して第2の排ガス流路egc2に連続する排ガス出口29は、第2の導入板25及び第3の導入板26とは異なる面に設けられてよい。
【0064】
第4の導入板28は、第2の内壁部40に対向させた状態で、外面に2つの第2の突出部30を有してよい。第2の突出部30は、外面側、言換えると、後述する第2の外壁部側に突出してよい。第2の突出部30は、排ガス出口29よりも第2の方向の逆側に位置してよい。第2の突出部30は、矩形の第4の導入板28の第3の導入板26に接続される辺に平行、言換えると、第2の方向に平行に延在してよい。2つの第2の突出部30は、延在方向に垂直な方向、言換えると第3の方向に並んで位置してよい。
【0065】
図20に示すように、内壁体18は、第2の導入板25、第3の導入板26、及び第4の導入板28とともに、外壁体32により全体が囲繞されてよい。外壁体32は、直方体状であってよい。外壁体32は、金属等の伝熱性の高い材料により形成されてよい。
【0066】
直方体状の外壁体32は、矩形の板状で主面を第2の方向に垂直に向けた2枚の底面外壁部33を含んでよい。2枚の底面外壁部33は、第2の方向側及び第2の方向の逆側において第3の内壁部20に面接触してよい。
【0067】
直方体状の外壁体32は、矩形の板状で主面を第1の方向に垂直に向けた1枚の中継外壁部34を含んでよい。中継外壁部34は、第2の導入板25の外面に対向してよい。図21に示すように、中継外壁部34は、第2の導入板25の外面に平行となるように離れて位置してよい。より具体的には、中継外壁部34は、第2の導入板25よりも第1の方向に突出する第3の導入板26の第1の方向側の端面に当接してよい。中継外壁部34の第2の方向における両側の端部と、2枚の底面外壁部33の内面側の主面とは、密着してよい。より具体的には、中継外壁部34の第2の方向における端部と、底面外壁部33の内面側の主面とは溶接されていてよい。このような構成における中継外壁部34の内面は、第2の導入板25の外面とともに、第2の酸素含有ガス流路ogc2を画定してよい。前述のように、第1の導入板22の導入口23は、第2の導入板25の外面側の空間に連通してよいので、第2の酸素含有ガス流路ogc2に連通してよい。
【0068】
直方体状の外壁体32は、矩形の板状で主面を第3の方向に垂直に向けた2枚の第1の外壁部35を含んでよい。第1の外壁部35は、第3の導入板26の外面に対向してよい。図22に示すように、第1の外壁部35は、第3の導入板26の外面に平行となるように離れて位置してよい。第1の外壁部35の内面は、第3の導入板26に設けられる第1の突出部27に当接してよい。
【0069】
第1の外壁部35は、第2の方向における一方又は両方に設けられる第3の導入板26に設けられてよい。言換えると、第1の外壁部35は、直方体状の内壁体18における第2の導入板25が設けられる面と、第4の導入板28が設けられる面との間の面で互いに平行な2面に設けられてよい。
【0070】
第1の外壁部35の第2の方向における両側の端部と、2枚の底面外壁部33の第3の方向における両側の端部とは、密着してよい。より具体的には、第1の外壁部35の第2の方向における端部と、底面外壁部33の内面側の主面とは溶接されていてよい。また、図21に示すように、第1の外壁部35の内面側の主面と、中継外壁部34の第2の方向における当該第1の外壁部35が設けられる側の端部とは、密着してよい。より具体的には、中継外壁部34の第2の方向における端部と、第1の外壁部35の内面側の主面とは溶接されていてよい。このような構成における第1の外壁部35の内面は、第3の導入板26の外面とともに、第3の酸素含有ガス流路ogc3を画定してよい。第3の酸素含有ガス流路ogc3は、第1の方向側の第4の切欠きnt4を介して、第2の酸素含有ガス流路ogc2に連通してよい。
【0071】
直方体状の外壁体32は、矩形の板状で主面を第1の方向に垂直に向けた1枚の第2の外壁部を含んでよい。第2の外壁部は、第4の導入板28の外面に対向してよい。図23に示すように、第2の外壁部36は、第4の導入板28の外面に平行となるように離れて位置してよい。第2の外壁部36の第2の方向における両側の端部と、2枚の底面外壁部33の内面となる主面とは、密着してよい。より具体的には、第2の外壁部36の第2の方向における両側の端部と、2枚の底面外壁部33の内面となる主面とは、溶接されてよい。このような構成における第2の外壁部36の内面、言換えると第4の導入板28の外面に対向する側の面は、第4の導入板28の外面とともに、第4の酸素含有ガス流路ogc4を画定してよい。
【0072】
図24に示すように、第2の外壁部36の第3の方向における両側の端部と、2枚の第1の外壁部35の第1の方向の逆側における端部とは、密着してよい。より具体的には、第2の外壁部36の第3の方向における両側の端部と、2枚の第1の外壁部35の第1の方向の逆側における端部とは、溶接されてよい。このような構成により、第4の酸素含有ガス流路ogc4は、第1の方向の逆側の第4の切欠きnt4を介して第3の酸素含有ガス流路ogc3に連通してよい。
【0073】
図23に示すように、第2の外壁部36には、排ガス出口29に接続される開口42が形成されてよい。開口42は、排ガス出口29と同一の形状であってよい。第2の外壁部36の第1の方向の逆側の面、言換えると、排ガス出口29が設けられる面に、排ガス処理部31が設けられてよい。排ガス処理部31は、内空を有する薄板状であってよい。薄板状の排ガス処理部31は、主面が第2の外壁部36の主面に対向するように、配置されてよい。
【0074】
排ガス処理部31は、排ガス出口29に接続されてよい。排ガス処理部31には、燃焼触媒が充填されてよい。燃料電池モジュール10の起動時等のように、水蒸気改質が十分に行われなかった原燃料ガス及び温度不足で未燃焼の燃料ガス等が排ガス出口29から排出される場合に、排ガス処理部31は原燃料ガス及び燃料ガスを燃焼させてよい。排ガス処理部31の排気口38は、排ガス処理部31が予め定められた姿勢で排ガス出口29に接続された状態で、第2の方向の逆側に位置してよい。
【0075】
第2の外壁部36は、酸素含有ガス入口37を有してよい。酸素含有ガス入口37は、第2の外壁部36の主面に垂直な方向に開口してよい。酸素含有ガス入口37は、第3の酸素含有ガス流路ogc3に直接的に又は間接的に接続されてよい。酸素含有ガス入口37は、第4の酸素含有ガス流路ogc4に連通されてよい、第4の酸素含有ガス流路ogc4を介して第3の酸素含有ガス流路ogc3に接続されてよい。
【0076】
図24に示すように、酸素含有ガス入口37は、第2の方向から見て、2つの第2の突出部30の間に位置してよい。また、図23に示すように、酸素含有ガス入口37は、第2の突出部30の第2の方向の逆側の端近傍に位置してよい。
【0077】
以上のような構成の本実施形態の燃料電池モジュール10は、燃料電池セルスタック12から排出される排ガスの改質器11側への流動において、当該排ガスを気化部14より改質部15側に向かうように流動させる排ガス導出部13を有する。このような構成により、燃料電池モジュール10は、より多くの排ガスにより改質部15側が加熱されるので、改質部15から排出される燃料ガスの温度を上昇させ得る。したがって、燃料電池モジュール10は、燃料電池セルスタック12に供給される燃料ガスの温度を上昇させるので、発電効率を向上させ得る。
【0078】
また、本実施形態の燃料電池モジュール10では、排ガス導出部13は発電室grを形成する内壁の一部を切欠くことにより形成される。このような構成により、燃料電池モジュール10では、内壁の一部を切欠くだけで容易に排ガス導出部13が形成され得る。
【0079】
また、本実施形態の燃料電池モジュール10は、第1の酸素含有ガス流路ogc1を画定する第1の導入板22を有し、第1の酸素含有ガス流路ogc1の導入口23が排ガス導出部13近傍に位置する。このような構成により、燃料電池モジュール10は、比較的低温である酸素含有ガスが第1の酸素含有ガス流路ogc1に流入する箇所において、比較的高温である排ガスとの熱交換による昇温を増大させる。したがって、燃料電池モジュール10は、燃料電池セルスタック12に供給される燃料ガスの温度を更に上昇させるので、発電効率を更に向上させ得る。
【0080】
また、本実施形態の燃料電池モジュール10は、燃焼部17を備え、第1の酸素含有ガス流路ogc1の第1の部分p1においては燃焼部17の近傍において酸素含有ガスを流動させる。このような構成により、燃料電池モジュール10は、比較的高温である燃焼部17の熱により酸素含有ガスの温度をいっそう上昇させ得る。したがって、燃料電池モジュール10は、発電効率をいっそう向上させ得る。また、燃料電池モジュール10は、第1の部分p1において改質部15側から気化部14側まで酸素含有ガスを流動させる。このような構成により、燃料電池モジュール10は、改質部15側において高温となり得る酸素含有ガスにより気化部14側に熱を伝達し得る。したがって、燃料電池モジュール10は、改質器11の第1の方向における温度差を低減し得るので、改質器11の気化部14側の温度低下を抑制し得、当該部分における水の気化を促進させ得る。
【0081】
また、本実施形態の燃料電池モジュール10は、第1の酸素含有ガス流路ogc1の第2の部分p2において、燃料電池セルスタック12の最も改質器11側の近傍において、第1の方向における気化部14側から改質部15側まで酸素含有ガスを流動させる。燃料電池セルスタック12では、積層方向の中央近傍の温度が高く、積層方向の両端に向かうにつれて温度が低下することが一般的である。燃料電池セスルタックでは、このような積層方向で温度分布が生じると、発電効率及び耐久性等が低下する。このような事象に対して、上述の構成を有する燃料電池モジュール10では、燃料電池セルスタック12近傍で、第1の方向に、熱媒となり得る酸素含有ガスが流動し得る。したがって、燃料電池モジュール10は、燃料電池セルスタック12の積層方向に沿った温度変化を低減し得るので、発電効率及び耐久性等を向上させ得る。
【0082】
また、本実施形態の燃料電池モジュール10では、第1の部分p1及び第2の部分p2を連結する第3の部分p3を第3の方向側で終端させる第2の流路内壁iw2により第1の酸素含有ガス流路ogc1の一部が画定されてよい。このような構成により、燃料電池モジュール10では、第1の部分p1から流動する酸素含有ガスが第2の部分p2に誘導され得る。
【0083】
また、本実施形態の燃料電池モジュール10では、第2の部分p2と導出口24とに連通する第4の部分p4に部分分岐壁pwが設けられる。このような構成により、燃料電池モジュール10では、第2の部分p2に導かれる酸素含有ガスの一部が、部分分岐壁pwにより第1の方向の逆側に導かれ得る。したがって、燃料電池モジュール10は、導出口24からの酸素含有ガスの排出において、第1の方向側での酸素含有ガスの偏在を緩和させ得る。
【0084】
また、本実施形態の燃料電池モジュール10では、発電室grは断熱材を用いた内壁体18により形成され、内壁体18の外面の一部は排ガス導出部13と連通する第1の排ガス流路egc1を画定する。このような構成により、燃料電池モジュール10は、発電室grを高温に維持しながら、簡易な構成で排ガスを容易に発電室gr外に流出させ得る。
【0085】
また、本実施形態の燃料電池モジュール10は、内壁体18の外面の一部とともに第1の排ガス流路egc1を画定する第2の導入板25を有し、第2の導入板25の外面は導入口23に連通する第2の酸素含有ガス流路ogc2を画定する。このような構成により、燃料電池モジュール10は、第2の導入板25を介して、比較的高温の排ガスと比較的低温の酸素含有ガスとを熱交換させ得、酸素含有ガスを昇温させ得る。
【0086】
また、本実施形態の燃料電池モジュール10は、内壁体18を介して第1の導入板22に少なくとも一部が対向する第3の導入板26を有し、第3の導入板26の内面と内壁体18の外面における当該内面に対向する部分とが第1の排ガス流路egc1に連通する第2の排ガス流路egc2を画定する。このような構成により、燃料電池モジュール10は、断熱材により形成される内壁体18により排ガスの放熱を抑制し得る。
【0087】
また、本実施形態の燃料電池モジュール10は、第3の導入板26の外面に対向する第1の外壁部35を有し、第1の外壁部35の内面と第3の導入板26の外面とが導入口23に接続する第3の酸素含有ガス流路ogc3を画定する。このような構成により、燃料電池モジュール10は、第3の導入板26を介して、比較的高温の排ガスと比較的低温の酸素含有ガスとを熱交換させ得、酸素含有ガスを昇温させ得る。
【0088】
また、本実施形態の燃料電池モジュール10では、内壁体18の外面における第3の導入板26の内面に対向する部分は第2の排ガス流路egc2を画定する第1の溝dt1を有し、第1の溝dt1以外の領域において第3の導入板26の内面に密着する。このような構成により、燃料電池モジュール10は、簡易に排ガスの流路を形成し得る。
【0089】
また、本実施形態の燃料電池モジュール10では、第3の導入板26は外面側の突出し且つ第1の外壁部35の内面に当接する第1の突出部27を有する。このような構成により、燃料電池モジュール10は、簡易に酸素含有ガスの流路を形成し得る。
【0090】
また、本実施形態の燃料電池モジュール10では、第1の突出部27は第3の導入板26の主面に垂直な方向から見て、内壁体18の外面における第3の導入板26の内面に対向する部分の第1の溝dt1以外の領域の近傍に位置する。このような構成により、燃料電池モジュール10は、第2の排ガス流路egc2と第3の酸素含有ガス流路ogc3とを対向させ得るので、排ガス及び酸素含有ガス間での熱交換を効率化し得る。
【0091】
また、本実施形態の燃料電池モジュール10では、第2の導入板25及び第3の導入板26は互いに連続する異なる面に位置し、第2の導入板25の裏側の面に第3の酸素含有ガス流路ogc3に接続する酸素含有ガス入口37と第2の排ガス流路egc2に接続する排ガス出口29とが設けられる。このような構成により、燃料電池モジュール10は、酸素含有ガス及び排ガスを第3の導入板26及び第2の導入板25に沿って流動させ得るので、酸素含有ガス及び排ガスに対して長い流路を形成できる。したがって、燃料電池モジュール10は、酸素含有ガス及び排ガスの熱交換を向上させ得る。
【0092】
また、本実施形態の燃料電池モジュール10では、排ガス出口29が設けられる面に位置し、排ガス出口29に接続される排ガス処理部31を有する。このような構成により、燃料電池モジュール10は、排ガス出口29が設けられる面と第2の導入板25が設けられる面との間の複数の面に第3の導入板26を配置して、酸素含有ガス及び排ガスを流動させ得る。したがって、燃料電池モジュール10は、酸素含有ガス及び排ガスに対して長い流路を形成できるので、酸素含有ガス及び排ガスの熱交換を向上させ得る。また、仮に排ガス処理部31が第3の導入板26が設けられる面に配置された構成において、燃料電池モジュール10の幅(第3の方向における長さ)が大きくなる問題点があったが、本開示の構成により、燃料電池モジュール10の薄型化を実現できる。さらに、排ガス処理部に熱交換器(図示せず)を接続する場合であっても、熱交換器の幅を燃料電池モジュール10の幅より小さくすることで、幅方向のサイズを小さくすることが可能となる。
【0093】
また、本実施形態の燃料電池モジュール10では、第3の導入板26及び第1の外壁部35は、第2の導入板25が設けられる面及び第4の導入板28が設けられる面の間の面であって互いに平行な2面に別々に設けられる。このような構成により、燃料電池モジュール10は、互いに熱交換可能な酸素含有ガスの流路と排ガスの流路の2つの組を有し得る。したがって、燃料電池モジュール10は、熱交換を効率化させ得る。
【0094】
また、本実施形態の燃料電池モジュール10では、酸素含有ガス入口37は2つの第2の突出部30の間に位置する。このような構成により、燃料電池モジュール10は、酸素含有ガス入口37から導入される酸素含有ガスを、2つの第2の突出部30の間を流動させてから、両側の第3の導入板26に沿った第3の酸素含有ガス流路ogc3に均等に流動させ得る。したがって、燃料電池モジュール10は、2つの酸素含有ガス流路への酸素含有ガスの流動の差を低減するので、発電効率を更に向上させ得る。
【0095】
本開示に係る実施形態について、諸図面及び実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形又は修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形又は修正は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成部又は各ステップ等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部又はステップ等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
【0096】
本開示において「第1」、「第2」等の記載は、当該構成を区別するための識別子である。本開示における「第1」、「第2」等の記載で区別された構成は、当該構成における番号を交換することができる。例えば、第1の内壁部は、第2の内壁部と識別子である「第1」と「第2」とを交換することができる。識別子の交換は同時に行われる。識別子の交換後も当該構成は区別される。識別子は削除してよい。識別子を削除した構成は、符号で区別される。本開示における「第1」、「第2」等の識別子の記載のみに基づいて、当該構成の順序の解釈、小さい番号の識別子が存在することの根拠に利用してはならない。
【符号の説明】
【0097】
10 燃料電池モジュール
11 改質器
12 燃料電池セルスタック
13 排ガス導出部
14 気化部
15 改質部
16 仕切壁
17 燃焼部
18 内壁体
19 第1の内壁部
20 第3の内壁部
21 第4の内壁部
22 第1の導入板
23 導入口
24 導出口
25 第2の導入板
26 第3の導入板
27 第1の突出部
28 第4の導入板
29 排ガス出口
30 第2の突出部
31 排ガス処理部
32 外壁体
33 底面外壁部
34 中継外壁部
35 第1の外壁部
36 第2の外壁部
37 酸素含有ガス入口
38 排気口
39 排ガス流出口
40 第2の内壁部
41 出口領域突出部
42 開口
dt1 第1の溝
dt2 第2の溝
egc1 第1の排ガス流路
egc2 第2の排ガス流路
egc3 第3の排ガス流路
es1 第1の端面
es2 第2の端面
gr 発電室
is 第3の内壁部の内面
iw1 第1の流路内壁
iw2 第2の流路内壁
nt1 第1の切欠き
nt2 第2の切欠き
nt3 第3の切欠き
ogc1 第1の酸素含有ガス流路
os 第3の内壁部の外面
p1 第1の部分
p2 第2の部分
p3 第3の部分
p4 第4の部分
pw 部分分岐壁
rb 畝
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