(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022170394
(43)【公開日】2022-11-10
(54)【発明の名称】浴室の制御システム、浴室を制御するためにコンピュータによって実行される方法、および、プログラム
(51)【国際特許分類】
F24H 15/196 20220101AFI20221102BHJP
F24D 15/00 20220101ALI20221102BHJP
【FI】
F24H1/00 602W
F24H1/00 602L
F24D15/00 A
F24H1/00 602B
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021076489
(22)【出願日】2021-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】000004709
【氏名又は名称】株式会社ノーリツ
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】香西 多喜二
(72)【発明者】
【氏名】古川 隆史
(72)【発明者】
【氏名】津川 明彦
(72)【発明者】
【氏名】川端 裕之
【テーマコード(参考)】
3L024
3L072
【Fターム(参考)】
3L024CC05
3L024CC06
3L024DD37
3L024EE02
3L024HH38
3L072AA05
3L072AB06
(57)【要約】
【課題】エネルギー消費を抑制しつつ快適な浴室空間が準備される技術を提供する。
【解決手段】風呂システムのリモコンが実行する処理は、浴槽洗浄が完了したと判断した後に(ステップS515にてYES)、お湯張り運転の指示を検出した場合に(ステップS520にてYES)、お湯張り運転を実行するステップ(S525)と、浴室暖房運転の指示を検出した場合に(ステップS540にてYES)、浴室暖房運転を開始するステップ(S545)と、浴室暖房運転時間が浴室暖房運転のタイマー値以上になった場合に(ステップS550にてYES)、浴室暖房を停止するステップ(S555)とを含む。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴槽の洗浄機能と浴室の暖房機能とふろの湯はり機能とを有する浴室の制御システムであって、
前記浴室に対する命令の入力を受け付ける入力装置と、
前記命令に基づいて、浴槽洗浄装置と浴室暖房機器と給湯機器とを制御するための制御装置を備え、
前記制御装置は、
浴槽洗浄の指示、浴室暖房の指示、および、ふろ湯張りの指示を検出するように構成されており、
前記浴槽洗浄の指示、前記浴室暖房の指示および前記ふろ湯張りの指示を検出すると、前記浴槽洗浄装置が浴槽洗浄を開始し、前記浴槽洗浄の終了後に、前記浴室暖房機器が浴室暖房を開始し、前記給湯機器が前記ふろ湯張りを開始する、浴室の制御システム。
【請求項2】
前記浴槽洗浄の指示、前記浴室暖房の指示および前記ふろ湯張りの指示を検出することは、各指示を同時に検出すること、または、いずれかの一つの指示を検出してから予め定められた時間以内に残りの二つの指示を検出することを含む、請求項1に記載の浴室の制御システム。
【請求項3】
前記浴槽洗浄の指示、前記浴室暖房の指示および前記ふろ湯張りの指示を検出することは、前記浴槽洗浄および前記ふろ湯張りが同時に指示された後の予め定められた時間以内に前記浴室暖房の指示を検出することを含む、請求項1または2に記載の浴室の制御システム。
【請求項4】
前記浴槽洗浄の指示、前記浴室暖房の指示および前記ふろ湯張りの指示を検出することは、前記浴槽洗浄および前記ふろ湯張りがそれぞれ指示された後に前記浴槽洗浄の実行中に前記浴室暖房の指示を検出することを含む、請求項1または2に記載の浴室の制御システム。
【請求項5】
前記制御システムと通信可能な通信端末から信号を受信するための受信装置をさらに備え、
前記浴槽洗浄の指示、前記浴室暖房の指示および前記ふろ湯張りの指示を検出することは、
前記浴槽洗浄の指示を受け付けるために前記通信端末に表示される操作画面と、
前記浴室暖房の指示を受け付けるために前記通信端末に表示される操作画面と、
前記ふろ湯張りの指示を受け付けるために前記通信端末に表示される操作画面とのいずれかに対して与えられる操作に応じて送信される信号を前記通信端末から受信することを含む、請求項1または2に記載の浴室の制御システム。
【請求項6】
浴槽の洗浄機能と浴室の暖房機能とふろの湯はり機能とを有する浴室を制御するためにコンピュータによって実行される方法であって、
前記浴室に対する命令の入力を受け付けるステップと、
前記命令から浴槽洗浄の指示を検出するステップと、
前記命令から浴室暖房の指示を検出するステップと、
前記命令からふろ湯張りの指示を検出するステップと、
前記浴槽洗浄の指示、前記浴室暖房の指示および前記ふろ湯張りの指示を検出すると、浴槽洗浄装置に浴槽洗浄を開始させ、前記浴槽洗浄の終了後に浴室暖房機器に浴室暖房を開始させ、給湯機器に前記ふろ湯張りを開始させるステップとを含む、浴室の制御方法。
【請求項7】
浴槽の洗浄機能と浴室の暖房機能とふろの湯はり機能とを有する浴室を制御するための方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記プログラムは前記コンピュータに、
前記浴室に対する命令の入力を受け付けるステップと、
前記命令から浴槽洗浄の指示を検出するステップと、
前記命令から浴室暖房の指示を検出するステップと、
前記命令からふろ湯張りの指示を検出するステップと、
前記浴槽洗浄の指示、前記浴室暖房の指示および前記ふろ湯張りの指示を検出すると、浴槽洗浄装置に浴槽洗浄を開始させ、前記浴槽洗浄の終了後に浴室暖房機器に浴室暖房を開始させ、給湯機器に前記ふろ湯張りを開始させるステップとを実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は浴室を制御する技術に関し、より特定的には、浴槽洗浄機能と浴室暖房機能とふろ湯張り機能とを備える浴室を制御する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、風呂のシステムとして、入浴のための準備運転として、湯張り運転に浴槽洗浄運転または浴室暖房運転を組み合わせたものがある。
【0003】
例えば、特開2020-153583号公報(特許文献1)は、「入浴の際に浴室内を設定温度まで効率よく暖房でき、利便性を向上させる」ための浴室暖房システムを開示している。具体的には、「浴室暖房システム1は、浴室BR内に設置された浴槽BTに湯水を供給する湯張り運転を実行可能な給湯装置2と、浴槽BTの内壁に向けて湯水又は湯水に洗剤を混合した洗浄液を散布して浴槽BTの内壁を洗浄する浴槽洗浄運転を実行可能な浴槽洗浄装置3と、浴室BR内を暖房する浴室暖房運転を実行可能な浴室暖房装置4と、給湯装置2、浴槽洗浄装置3及び浴室暖房装置4の運転制御を行う制御部8とを備え、制御部8は、湯張り運転が指示された時、浴槽洗浄運転と浴室暖房運転とを並行して実行させ、浴槽洗浄運転完了後に湯張り運転を実行させる」というものである([要約]参照)。
【0004】
また、特開2001-304682号公報(特許文献2)は、「入浴中に浴室内で浴室暖房機の暖房運転の開始を指示することができる手段を低コストで提供する」ための「浴室内リモコン」を開示している。より具体的には、「浴室内に設けられ、浴室に湯を供給する給湯器3を遠隔操作する浴室内リモコン2において、浴室内に設置されて無線信号を受信する無線信号受信ユニット17を有し、無線信号受信ユニット17により受信した暖房開始信号に応じて浴室の暖房を開始する浴室暖房機5に対して、該暖房開始信号を送信可能な無線信号送信ユニット62と、該無線信号送信ユニット62に対して前記暖房開始信号の送信を指示する暖房開始スイッチを含む浴室暖房機用操作部41とを備える。」というものである([要約]参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2020-153583号公報
【特許文献2】特開2001-304682号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
浴槽洗浄、ふろ湯張りおよび浴室暖房が同時に指示されると、先に浴槽洗浄と浴室暖房とが開始され、浴室暖房が行なわれている状態で、浴槽洗浄の完了後にふろ湯張りが行なわれる。その場合、浴室暖房のためのエネルギーが必要以上に消費される場合があった。したがって、浴室暖房のためのエネルギーの消費を抑制する技術が必要とされている。
【0007】
本開示は上述のような背景に鑑みてなされたものであって、ある局面に従う目的は、浴槽洗浄、ふろ湯張りおよび浴室暖房が同時に指示された場合にエネルギー消費が抑制される技術を開示することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
ある実施の形態に従うと、浴槽の洗浄機能と浴室の暖房機能とふろの湯はり機能とを有する浴室の制御システムが提供される。この制御システムは、浴室に対する命令の入力を受け付ける入力装置と、命令に基づいて、浴槽洗浄装置と浴室暖房機器と給湯機器とを制御するための制御装置を備える。制御システムは、浴槽洗浄の指示、浴室暖房の指示およびふろ湯張りの指示を検出すると、浴槽洗浄装置が浴槽洗浄を開始し、浴槽洗浄の終了後に、浴室暖房機器が浴室暖房を開始し、給湯機器が前記ふろ湯張りを開始するように構成されている。
【0009】
ある局面に従う制御システムにおいて、浴槽洗浄の指示、浴室暖房の指示およびふろ湯張りの指示を検出することは、各指示を同時に検出すること、または、いずれかの一つの指示を検出してから予め定められた時間以内に残りの二つの指示を検出することを含む。
【0010】
ある局面に従う制御システムにおいて、浴槽洗浄の指示、浴室暖房の指示およびふろ湯張りの指示を検出することは、浴槽洗浄およびふろ湯張りが同時に指示された後の予め定められた時間以内に浴室暖房の指示を検出することを含む。
【0011】
ある局面に従う制御システムにおいて、浴槽洗浄の指示、浴室暖房の指示およびふろ湯張りの指示を検出することは、浴槽洗浄およびふろ湯張りがそれぞれ指示された後に浴槽洗浄の実行中に浴室暖房の指示を検出することを含む。
【0012】
ある局面に従う制御システムは、制御システムと通信可能な通信端末から信号を受信するための受信装置をさらに備える。浴槽洗浄の指示、浴室暖房の指示およびふろ湯張りの指示を検出することは、浴槽洗浄の指示を受け付けるために通信端末に表示される操作画面と、浴室暖房の指示を受け付けるために通信端末に表示される操作画面と、ふろ湯張りの指示を受け付けるために通信端末に表示される操作画面とのいずれかに対して与えられる操作に応じて送信される信号を通信端末から受信することを含む。
【0013】
他の実施の形態に従うと、浴槽の洗浄機能と浴室の暖房機能とふろの湯はり機能とを有する浴室を制御するためにコンピュータによって実行される方法が提供される。この方法は、浴室に対する命令の入力を受け付けるステップと、命令から浴槽洗浄の指示を検出するステップと、命令から浴室暖房の指示を検出するステップと、命令からふろ湯張りの指示を検出するステップと、浴槽洗浄の指示、浴室暖房の指示およびふろ湯張りの指示を検出すると、浴槽洗浄装置に浴槽洗浄を開始させ、浴槽洗浄の終了後に浴室暖房機器に浴室暖房を開始させ、給湯機器にふろ湯張りを開始させるステップとを含む。
【0014】
さらに他の実施の形態に従うと、浴槽の洗浄機能と浴室の暖房機能とふろの湯はり機能とを有する浴室を制御する方法をコンピュータに実行させるためのプログラムが提供される。このプログラムは、コンピュータに、浴室に対する命令の入力を受け付けるステップと、命令から浴槽洗浄の指示を検出するステップと、命令から浴室暖房の指示を検出するステップと、命令からふろ湯張りの指示を検出するステップと、浴槽洗浄の指示、浴室暖房の指示およびふろ湯張りの指示を検出すると、浴槽洗浄装置に浴槽洗浄を開始させ、浴槽洗浄の終了後に浴室暖房機器に浴室暖房を開始させ、給湯機器にふろ湯張りを開始させるステップとを実行させる。
【0015】
ある実施の形態によれば、浴槽洗浄と浴室暖房とふろ湯張りの各運転が指示されると、まず、浴槽洗浄が行なわれ、浴槽洗浄が終了したのちに、浴室暖房とふろ湯張りが行なわれるので、浴室暖房が始まるタイミングが早くならず、浴室暖房のために消費されるエネルギーが抑制され得る。
【0016】
この発明の上記および他の目的、特徴、局面および利点は、添付の図面と関連して理解されるこの発明に関する次の詳細な説明から明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】ある実施の形態に従う風呂システム10の構成の概要を表わす図である。
【
図2】ある実施の形態に従うリモコン110のハードウェア構成の一例を表わすブロック図である。
【
図3】ある実施の形態に従うサーバー150のハードウェア構成を表わすブロック図である。
【
図4】ある実施の形態に従うスマートフォン120のハードウェア構成を表わすブロック図である。
【
図5】ある実施の形態に従う風呂システム10が実行する処理の一部を表わすフローチャートである。
【
図6】リモコン110のモニタ250またはスマートフォン120のモニタ35に表示される画面の一態様を表わす図(その1)である。
【
図7】リモコン110のモニタ250またはスマートフォン120のモニタ35に表示される画面の一態様を表わす図(その2)である。
【
図8】リモコン110のモニタ250またはスマートフォン120のモニタ35に表示される画面の一態様を表わす図(その3)である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0019】
図1を参照して、風呂システム10の使用態様について説明する。
図1は、ある実施の形態に従う風呂システム10の構成の概要を表わす図である。風呂システム10は、浴室100と、浴槽102と、浴室暖房機器104と、給湯機器106と、浴槽洗浄装置108とを備える。浴室暖房機器104と浴槽洗浄装置108とは、それぞれ給湯機器106と通信可能に接続されている。
【0020】
給湯機器106は、さらに、リモコン110に接続されている。リモコン110はルーター130に接続されている。ルーター130はゲートウェイ(図示しない)およびインターネット140を介してサーバー150に接続され得る。また、リモコン110およびルーター130は、スマートフォン120と通信可能である。
【0021】
リモコン110は、風呂システム10のユーザの指示に基づいて浴室暖房機器104と給湯機器106と浴槽洗浄装置108との少なくともいずれかの運転動作を制御する。ある局面において、リモコン110は、浴室暖房機器104と給湯機器106と浴槽洗浄装置108のうちの選択されたいずれか一つの運転動作を制御する。他の局面において、リモコン110は、浴室暖房機器104と給湯機器106と浴槽洗浄装置108のうちの選択された二つまたは三つの運転動作を制御する。この場合、運転動作が実行されるタイミングは、ユーザによって指定されることができ、あるいは、予め定められることもできる。また、風呂システム10に対するユーザの複数の指示は、予め定められた時間内に与えられたものであれば、リモコン110は、複数の指示が同時に与えられたと判定し得る。リモコン110から浴室暖房機器104に対する浴室暖房運転の指示(信号)は、リモコン110から給湯機器106の制御部(図示しない)を経由して浴室暖房機器104の制御部(図示しない)へ送られる。すなわち、当該指示は、リモコン110と給湯機器106の制御部との通信、および、給湯機器106の制御部と浴室暖房機器104の制御部との通信を介して送信される。
【0022】
風呂システム10を構成するいずれかの機器の不具合等によりエラーが検出され、運転禁止状態となっている等の場合には、リモコン110は、たとえ浴槽洗浄等の指示を検出した場合であっても、その指示を受け付けない。
【0023】
スマートフォン120は、リモコン110に対して遠隔地から指示を与えることができる。ある局面において、スマートフォン120は、リモコン110と直接通信可能な範囲にいる場合には、リモコン110に対して信号を直接送信することにより各種の運転を指示できる。この場合、スマートフォン120は、ブルートゥース(登録商標)、赤外線、Wi-Fi(登録商標)Directその他の近距離通信技術を用いて、リモコン110に指示を送信し得る。
【0024】
他の局面において、スマートフォン120は、リモコン110と直接通信できない範囲にいる場合には、インターネット140およびルーター130を経由し、サーバー150での処理(各種運転を指示する信号に変換するための処理)を経て、(同様に)インターネット140およびルーター130を経由して、リモコン110に各種運転を指示する信号を送信し得る。この場合、スマートフォン120は、風呂システム10を制御するために予め提供されたアプリケーションプログラムを実行して、風呂システム10の動作を指示する信号を含むパケットを、携帯電話基地局またはアクセスポイント(図示しない)を介して、リモコン110に指示を送信し得る。
【0025】
サーバー150は、ある局面において、風呂システム10を製造する事業者によって提供された風呂システム10またはその他の風呂システムの運転状態を表わす情報を保持する。当該運転状態を表わす情報は、例えば、運転日時、気温、運転のパターン等を含み得る。運転のパターンは、浴室暖房機器104の運転の有無、設定温度および運転時間と、給湯機器106の浴槽湯水の設定温度および浴槽102への注湯量と、浴槽洗浄装置108の運転日時とを含み得るが、その他の情報が含まれてもよい。
【0026】
[リモコン110の構成]
図2を参照して、リモコン110の構成について説明する。
図2は、ある実施の形態に従うリモコン110のハードウェア構成の一例を表わすブロック図である。リモコン110は、スイッチ210と、通信インターフェイス220と、プロセッサ230と、メモリ240と、モニタ250と、スピーカ270とを備える。
【0027】
スイッチ210は、浴室暖房機器104の運転または停止に関する指示と、給湯機器106の運転または停止に関する指示と、浴槽洗浄装置108の運転または停止に関する指示とのいずれかを受け付ける。スイッチ210は、物理キー、ソフトウェアスイッチのいずれであってもよい。スイッチ210がソフトウェアスイッチとして構成される場合、当該ソフトウェアスイッチは、タッチパネルとして実現されるモニタ250において実現され得る。
【0028】
通信インターフェイス220は、リモコン110と風呂システム10との通信、または、リモコン110とスマートフォン120との通信を実現する。通信インターフェイス220で使用される通信方式は、例えば、イーサネット(登録商標)、Wi-Fi(登録商標:Wireless Fidelity)、ブルートゥース等を含み得るが、その他の通信方式も採用され得る。
【0029】
プロセッサ230は、予め準備されたプログラムを実行して、リモコン110から風呂システム10に対して運転または停止を命令する。ある局面において、プロセッサ230は、スイッチ210に対して与えられた操作に基づいて、風呂システム10による運転または停止を命令する。他の局面において、プロセッサ230は、スマートフォン120から送信された信号に含まれる命令に基づいて、風呂システム10による運転または停止を命令する。
【0030】
メモリ240は、風呂システム10の製造事業者によって予め作成されたプログラムまたはデータと、プロセッサ230が取得したデータとを保持し得る。メモリ240は、不揮発性のメモリによって実現され得る。
【0031】
モニタ250は、風呂システム10に関する情報を表示する。表示される情報は、風呂システム10のユーザに対するメッセージ、または、風呂システム10の運転状態を示す情報を含む。運転状態を示す情報は、例えば、指示された浴槽102への湯張り給湯温度、浴槽102への注湯量、指示された注湯量までの所要時間、浴室100の温度、浴室暖房機器104に指示された設定温度などを含み得るが、その他の情報が表示されてもよい。
【0032】
スピーカ270は、風呂システム10の状態を音声で通知する。例えば、浴槽102の洗浄が完了した場合、または、指定された湯張りが完了した場合には、スピーカ270は、その旨を音声で出力する。
【0033】
他の局面において、リモコン110は、風呂システム10の状態を示す信号を、通信インターフェイス220を介して、スマートフォン120に送信してもよい。この場合、スマートフォン120は、当該状態を示すメッセージを表示し、或いは、当該状態を表わす音声を出力し得る。
【0034】
[サーバー150の構成]
図3を参照して、サーバー150の構成について説明する。
図3は、ある実施の形態に従うサーバー150のハードウェア構成を表わすブロック図である。
【0035】
サーバー150は、主たる構成要素として、プログラムを実行するCPU1と、サーバー150のユーザによる指示の入力を受けるマウス2およびキーボード3と、CPU1によるプログラムの実行により生成されたデータ、又はマウス2若しくはキーボード3を介して入力されたデータを一時的に格納するRAM4と、データを不揮発的に格納するハードディスク5と、光ディスク駆動装置6と、通信インターフェイス(I/F)7と、モニター8とを含む。各構成要素は、相互にデータバスによって接続されている。光ディスク駆動装置6には、CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory)その他のディスク上の記録媒体が装着され得る。
【0036】
サーバー150における処理は、各ハードウェアおよびCPU1により実行されるソフトウェアの協働によって実現される。このようなソフトウェアは、ハードディスク5に予め記憶されている場合がある。また、ソフトウェアは、CD-ROMその他の記録媒体に格納されて、コンピュータープログラムとして流通している場合もある。あるいは、ソフトウェアは、いわゆるインターネットに接続されている情報提供事業者によってダウンロード可能なアプリケーションプログラムとして提供される場合もある。このようなソフトウェアは、光ディスク駆動装置6その他の読取装置によりその記録媒体から読み取られて、あるいは、通信インターフェイス7を介してダウンロードされた後、ハードディスク5に一旦格納される。そのソフトウェアは、CPU1によってハードディスク5から読み出され、RAM4に実行可能なプログラムの形式で格納される。CPU1は、そのプログラムを実行する。
【0037】
図3に示されるサーバー150を構成する各構成要素は、一般的なものである。サーバー150の各ハードウェアの動作は周知であるので、詳細な説明は繰り返さない。なお、サーバー150に代えて所謂クラウドサービスで提供されるサーバー機能を用いて、本実施の形態に係る遠隔操作サービスが提供されてもよい。
【0038】
なお、記録媒体としては、CD-ROM、ハードディスクに限られず、DVD(Digital Versatile Disc)、IC(Integrated Circuit)カード(メモリーカードを含む)、光カード、マスクROM、EPROM(Electronically Programmable Read-Only Memory)、EEPROM(Electronically Erasable Programmable Read-Only Memory)、フラッシュROMなどの半導体メモリー等の固定的にプログラムを担持する媒体でもよい。
【0039】
ここでいうプログラムとは、CPUにより直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム形式のプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む。
【0040】
[スマートフォン120の構成]
図4を参照して、スマートフォン120の構成について説明する。
図4は、ある実施の形態に従うスマートフォン120のハードウェア構成を表わすブロック図である。
【0041】
スマートフォン120は、CPU20と、アンテナ23と、通信装置24と、操作スイッチ25と、カメラ26と、フラッシュメモリ27と、RAM(Random Access Memory)28と、ROM29と、メモリカード駆動装置30と、マイク32と、スピーカ33と、音声信号処理回路34と、モニタ35と、LED(Light Emitting Diode)36と、データ通信I/F37と、バイブレータ38とを備える。メモリカード駆動装置30には、メモリカード31が装着され得る。
【0042】
アンテナ23は、基地局(図示しない)から発信された信号を受信し、または、基地局を介して他の通信装置と通信するための信号を送信する。アンテナ23によって受信された信号は、通信装置24によってフロントエンド処理が行なわれた後、処理後の信号は、CPU20に送られる。
【0043】
CPU20は、スマートフォン120に対して与えられる命令に基づいてスマートフォン120の動作を制御するための処理を実行する。スマートフォン120が信号を受信すると、CPU20は、通信装置24から送られた信号に基づいて予め規定された処理を実行し、処理後の信号を音声信号処理回路34に送出する。音声信号処理回路34は、その信号に対して予め規定された信号処理を実行し、処理後の信号をスピーカ33に送出する。スピーカ33は、その信号に基づいて音声を出力する。
【0044】
マイク32は、スマートフォン120に対する発話を受け付けて、発話された音声に対応する信号を音声信号処理回路34に対して送出する。音声信号処理回路34は、その信号に基づいて通話のために予め規定された処理を実行し、処理後の信号をCPU20に対して送出する。CPU20は、その信号を送信用のデータに変換し、変換後のデータを通信装置24に対して送出する。通信装置24は、そのデータを用いて送信用の信号を生成し、アンテナ23に向けてその信号を送出する。
【0045】
操作スイッチ25は、スマートフォン120のユーザによって与えられた命令の入力を受け付ける。操作スイッチ25は、物理キーと、ソフトウェアキーとを含み得る。ソフトウェアキーは、モニタ35に表示され得る。
【0046】
フラッシュメモリ27は、CPU20から送られるデータを格納する。また、CPU20は、フラッシュメモリ27に格納されているデータを読み出し、そのデータを用いて予め規定された処理を実行する。
【0047】
RAM28は、CPU20によって生成されたデータまたはCPU20に与えられたデータを一時的に保持する。ROM29は、スマートフォン120に予め定められた動作を実行させるためのプログラムあるいはデータを格納している。CPU20は、ROM29から当該プログラムまたはデータを読み出し、スマートフォン120の動作を制御する。
【0048】
メモリカード駆動装置30は、メモリカード31に格納されているデータを読み出し、CPU20に送出する。メモリカード駆動装置30は、CPU20によって出力されるデータを、メモリカード31の空き領域に書き込む。
【0049】
音声信号処理回路34は、上述のような通話のための信号処理を実行する。なお、
図4に示される例では、CPU20と音声信号処理回路34とが別個の構成として示されているが、他の局面において、CPU20と音声信号処理回路34とが一体として構成されていてもよい。
【0050】
モニタ35は、タッチパネル式の表示装置として実現されるが、タッチパネルの機構は特に限られない。モニタ35は、CPU20から取得されるデータに基づいて、当該データによって規定される画像を表示する。
【0051】
LED36は、CPU20からの信号に基づいて、予め定められた発光動作を実現する。
【0052】
データ通信I/F37は、他の通信装置と通信する。データ通信I/F37による通信方式は、WiFi、ブルートゥース、NFC(Near Field Communication)等であるがその他の通信方式が採用されてもよい。データ通信I/F37は、CPU20から出力される信号を無線で送信する。また、データ通信I/F37は、他の通信装置から発信された信号を受信し、その受信した信号を、CPU20に対して送出する。
【0053】
[機能の概要]
(1)ある実施の形態に従うと、リモコン110は、浴槽102の洗浄機能と浴室100の暖房機能とを有する浴室を制御する操作を受け付ける。リモコン110は、風呂システム10の運転命令を受け付けるプロセッサ230と、浴槽洗浄装置108と浴室暖房機器104と給湯機器106とに命令を送信するための通信インターフェイス220とを備える。プロセッサ230は、浴槽102を洗浄する指示(以下「浴槽洗浄の指示」ともいう。)を検出し、浴室100を暖房する指示(以下「浴室暖房の指示」ともいう。)を検出し、浴槽102にお湯を供給する指示(以下「ふろ湯張りの指示」ともいう。)を検出する。プロセッサ230は、浴槽洗浄の指示、浴室暖房の指示およびふろ湯張りの指示を検出すると、浴槽洗浄の開始を浴槽洗浄装置108に指示し、浴槽洗浄の終了後に、浴室暖房の開始を浴室暖房機器104に指示し、ふろ湯張りの開始を給湯機器106に指示する。
【0054】
ある局面に従うリモコン110において、浴槽洗浄の指示、浴室暖房の指示およびふろ湯張りの指示を検出することは、各指示を同時に検出すること、または、いずれかの一つの指示を検出してから予め定められた時間以内に残りの二つの指示を検出することを含む。本実施の形態において、各指示を同時に検出するとは、例えば、各運転を実行させる操作がリモコン110に与えられたことを検出すること、または、ユーザが、リモコン110と通信可能な他の通信端末(たとえば、スマートフォン120)に対して、各運転の指示を続けて入力したことを検出することを含み得る。たとえば、プロセッサ230が、ふろ湯張りの指示を検出してふろ湯張りが開始されたときであっても、プロセッサ230が、予め定められた時間以内に浴槽洗浄の指示と浴室暖房の指示とを検出すると、ふろ湯張りを中断して浴槽洗浄装置108に浴槽洗浄を開始させ、浴槽洗浄の終了後に、浴室暖房と中断されたふろ湯張りとを開始させる。
【0055】
(2)ある局面において、リモコン110は、浴槽洗浄およびふろ湯張りが同時に指示された後の予め定められた時間以内に浴室暖房の指示を検出することを含む。予め定められた時間は、風呂システム10のユーザあるいは製造者によって設定可能な時間であり、例えば、10秒、20秒等の秒単位で設定され得る。
【0056】
(3)ある局面において、リモコン110は、浴槽洗浄およびふろ湯張りがそれぞれ指示された後に浴槽洗浄の実行中に浴室暖房の指示を検出し得る。
【0057】
(4)ある局面において、リモコン110は、通信インターフェイス220を介して、リモコン110と通信可能な通信端末から信号を受信できる。例えば、リモコン110は、浴槽洗浄の指示を受け付けるために通信端末に表示される操作画面と、浴室暖房の指示を受け付けるために通信端末に表示される操作画面と、ふろ湯張りの指示を受け付けるために通信端末に表示される操作画面とのいずれかに対して与えられる操作に応じて送信される信号を通信インターフェイス220を介して受信する。この場合、通信端末は、風呂システム10の制御のために準備されたアプリケーションプログラムを保持しており、当該アプリケーションプログラムを実行することにより、リモコン110が実行する処理と同様の処理を実現し得る。
【0058】
[制御構造]
図5を参照して、風呂システム10の制御構造について説明する。
図5は、ある実施の形態に従う風呂システム10が実行する処理の一部を表わすフローチャートである。
【0059】
ステップS510にて、風呂システム10は、浴槽洗浄運転を開始する。例えば、ユーザがリモコン110のモニタ250に表示されたソフトスイッチのうち、浴槽洗浄運転を選択すると、リモコン110のプロセッサ230は、浴槽洗浄装置108に運転を指示する。他の局面において、リモコン110が、浴槽102を洗浄する運転を開始するために予め定められた条件が成立したことを検知した場合に、プロセッサ230は浴槽洗浄装置108に運転を命令する。ここで、当該予め定められた条件は、例えば、予め指定された時刻が到来したこと、給湯の前に浴槽102を洗浄することが予めユーザによって指定されていること等を含み得る。
【0060】
ステップS515にて、プロセッサ230は、浴槽102の洗浄が完了したか否かを判断する。この判断は、例えば、浴槽102の洗浄のために予め設定された時間、洗浄されたか否かに基づいて行なわれる。他の局面において、洗浄の完了は、浴槽洗浄装置108の制御部(図示しない)が出力する洗浄シーケンスの完了信号に基づいて判断されてもよい。プロセッサ230は、浴槽102の洗浄が完了したと判断すると(ステップS515にてYES)、制御をステップS520に切り替える。そうでない場合には(ステップS515にてNO)、プロセッサ230は、制御をステップS515に戻し、予め定められた時間が経過した後に、再び当該判断を行なう。
【0061】
ステップS520にて、プロセッサ230は、お湯張り運転の指示を検出したか否かを判断する。この判断は、例えば、スイッチ210からプロセッサ230に送られた信号の種類に基づいて行なわれる。プロセッサ230は、お湯張り運転の指示を検出したと判断すると(ステップS520にてYES)、制御をステップS525に切り替える。そうでない場合には(ステップS520にてNO)、プロセッサ230は、制御をステップS522に切り替える。
【0062】
ステップS522にて、プロセッサ230は、お湯張り予約設定が有効であるか否かを判断する。この判断は、お湯張りの予約設定がオンあるいはオフのいずれであるかに基づいて行なわれる。プロセッサ230は、お湯張りの予約設定が有効であると判断すると(ステップS522にてYES)、制御をステップS530に切り替える。そうでない場合には(ステップS522にてNO)、プロセッサ230は、制御をステップS525に切り替える。
【0063】
ステップS525にて、風呂システム10は、お湯張り運転を行なう。より具体的には、プロセッサ230は、予め設定された温度のお湯を浴槽102に供給する指示信号を給湯機器106に送信する。給湯機器106は、その指示信号に応答して燃焼機構を作動させて温水を予め設定された温度に調節して、浴槽102にお湯を供給する。
【0064】
ステップS530にて、プロセッサ230は、現在時刻が、お湯張り予約時間から予め設定された時間だけ前の時刻になったか否かを判断する。プロセッサ230は、現在時刻がお湯張り予約時間から予め設定された時間だけ前の時刻になったと判断すると(ステップS530にてYES)、制御をステップS525に切り替える。そうでない場合には(ステップS530にてNO)、プロセッサ230は、制御をステップS540に切り替える。
【0065】
ステップS535にて、プロセッサ230は、浴室100が暖房運転中であるか否かを判断する。この判断は、浴室暖房機器104の状態を表わすものとしてメモリ240に保持されているデータに基づいて、あるいは、浴室暖房機器104から受信した当該データに基づいて行なわれる。プロセッサ230は、浴室100が暖房運転中であると判断すると(ステップS535にてYES)、制御をステップS550に切り替える。そうでない場合には(ステップS535にてNO)、プロセッサ230は、制御をステップS540に切り替える。
【0066】
ステップS540にて、プロセッサ230は、浴室暖房運転の指示を検出したか否かを判断する。この判断は、例えば、スイッチ210からプロセッサ230に送られた信号の種類に基づいて行なわれる。プロセッサ230は、浴室暖房運転の指示を検出したと判断すると(ステップS540にてYES)、制御をステップS545に切り替える。そうでない場合には(ステップS540にてNO)、プロセッサ230は、制御をステップS560に切り替える。
【0067】
ステップS545にて、風呂システム10は、浴室暖房運転を開始する。より具体的には、リモコン110は、浴室100を暖房するための指示信号を浴室暖房機器104に送信する。浴室暖房機器104は、当該指示信号を受信すると、予め設定された温度で温風が供給されるように、ヒーター(図示しない)およびファン(図示しない)を駆動する。例えば、ある局面において、給湯機器106が温水暖房機能付き温水熱源機で構成されている場合には、浴室暖房機器104に対する浴室暖房の指示に応じて、給湯機器106の温水暖房回路(図示しない)から循環供給される温水が浴室暖房機器104の熱交換器(図示しない)を通過するときに、浴室暖房機器104のファン(図示しない)による送風が加熱され、温風として浴室内に供給される。従って、浴室暖房機器104の熱交換器がヒーターとなり得る。
【0068】
ステップS550にて、プロセッサ230は、浴室100の暖房運転を行なった時間が所定の時間を超えたか否かを判断する。例えば、プロセッサ230は、浴室暖房運転時間が浴室暖房運転のタイマー値以上であるか否かを判断する。プロセッサ230は、浴室暖房運転時間が当該タイマー値以上であると判断すると(ステップS550にてYES)、制御をステップS555に切り替える。そうでない場合には(ステップS550にてNO)、プロセッサ230は、制御をステップS520に戻す。
【0069】
ステップS555にて、風呂システム10は、浴室暖房を停止する。より具体的には、リモコン110は、浴室暖房を停止する指示信号を浴室暖房機器104に送信する。浴室暖房機器104は、その指示信号を受信すると、浴室暖房を停止する。
【0070】
ステップS560にて、プロセッサ230は、お湯張りが完了したか否かを判断する。この判断は、例えば、予め設定された湯量が給湯機器106から供給されたか否かに基づいて行なわれる。プロセッサ230は、お湯張りが完了したと判断すると(ステップS560にてYES)、処理を終了する。そうでない場合には(ステップS560にてNO)、プロセッサ230は、制御をステップS535に戻す。なお、お湯張りが完了したか否かの判断は、上記の態様に限られない。例えば、他の局面において、給湯機器106あるいは浴槽102等が浴槽水位を検出可能な構成である場合には、お湯張りの完了の判断は、給湯機器106からのお湯が予め設定された浴槽水位まで注湯されたか否かに基づいて行なわれてもよい。あるいは、さらに他の局面において、予め設定された湯量が給湯機器106から供給された場合に、または、給湯機器106からのお湯が予め設定された浴槽水位まで供給された場合において、浴槽102の湯温が予め設定された温度に到達したことに基づいて、プロセッサ230は、お湯張りが完了したと判断してもよい。
【0071】
[モニタの操作画面]
図6~
図8を参照して、ある実施の形態に従ってモニタに表示される制御画面について説明する。
図6~
図8はそれぞれ、リモコン110のモニタ250またはスマートフォン120のモニタ35に表示される画面の一態様を表わす図である。
【0072】
図6に示されるように、モニタ250,35は、風呂の自動運転を指示する画面を表示している。この画面は、風呂自動運転時の注意を促すメッセージ610と、風呂の設定温度(例、40℃)および湯量(例、8段)620と、その他の運転の選択を受け付けるチェックボックス630,640,650とを表示している。ユーザがこの画面において「開始」ボタンを押下すると、風呂の自動運転が開始される。
【0073】
図7を参照して、モニタ250,35は、浴槽102の洗浄を指示する画面を表示している。より具体的には、モニタ250,35は、風呂の洗浄時における注意を促すメッセージ710と、その他の運転を指示する場合の操作を表わすメッセージ720と、当該その他の運転の選択を受け付けるチェックボックス730,740とを表示している。ユーザがいずれかのチェックボックス730,740を選択して、開始ボタンを押下すると、指定された運転が開始される。
【0074】
図8を参照して、モニタ250,35は、風呂の予約画面を表示している。より具体的には、モニタ250,35は、自動運転の内容を示すメッセージ810と、風呂を自動でわかすために指定された予約時刻820と、その他の運転の選択を受け付けるチェックボックス830,840とを表示している。ユーザがいずれかのチェックボックス830,840を選択して、開始ボタンを押下すると、指定された運転が開始される。
【0075】
以上のようにして、本実施の形態に従う風呂システム10によれば、浴槽洗浄運転とお湯張り運転と浴室暖房運転とが指示されると、リモコン110は、まず、浴槽洗浄を実施し、浴槽洗浄の終了後に、お湯張りと浴室暖房とを実行する。これにより、浴槽洗浄の終了から入浴までに時間的な間隔がある場合でも、入浴前には温室暖房が実行されるので、入浴時点では快適な浴室空間が提供され得る。
【0076】
また、ユーザは浴室暖房やお湯張りのタイミングを意識することなく、浴槽洗浄が実行された後に浴室暖房およびお湯張りが実行されることになるので、浴室暖房に必要なエネルギー消費を抑制しつつ快適な浴室空間が適時に準備される。
【0077】
スマートフォン120その他の通信端末がリモコン110の代わりに作動する場合に、ユーザが浴槽洗浄と浴室暖房とお湯張りとを指示したとき、まずは浴槽洗浄が行なわれてその後に浴室暖房とお湯張りが行なわれる。これにより、例えば帰宅直前にユーザが風呂システム10の運転を指示した場合でも、各運転の操作タイミングを意識することなく、浴槽洗浄が終了した後に浴室暖房とお湯張りとが行なわれるので、遠隔地からも快適な浴室空間の提供を指示できる。
【0078】
上記で開示された風呂システム10は、浴室の制御システムの一実施例である。スイッチ210または通信インターフェイス230は、浴室に対する命令の入力を受け付ける入力装置の一実施例である。プロセッサ230は、当該命令から、浴槽洗浄の指示、浴室暖房の指示、および、ふろ湯張りの指示を検出して浴槽洗浄装置と浴室暖房機器と給湯機器を制御する制御装置またはコンピュータの一実施例である。
【0079】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0080】
開示された技術は、浴槽洗浄機能と給湯機能と浴室暖房機能とを備える風呂システム(浴室システム)に適用可能である。
【符号の説明】
【0081】
2 マウス、3 キーボード、4,28 RAM、5 ハードディスク、6 光ディスク駆動装置、7,220 通信インターフェイス、8 モニター、10 風呂システム、23 アンテナ、24 通信装置、25 操作スイッチ、27 フラッシュメモリ、29 ROM、30 メモリカード駆動装置、31 メモリカード、32 マイク、33,270 スピーカ、34 音声信号処理回路、35,250 モニタ、100 浴室、102 浴槽、104 浴室暖房機器、106 給湯機器、108 浴槽洗浄装置、110 リモコン、120 スマートフォン、130 ルーター、140 インターネット、150 サーバー、210 スイッチ、230 プロセッサ、240 メモリ、610,710,720,810 メッセージ、630,640,650,730,740,830,840 チェックボックス。