(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022170395
(43)【公開日】2022-11-10
(54)【発明の名称】針貫入測定装置
(51)【国際特許分類】
G01N 3/40 20060101AFI20221102BHJP
E02D 1/00 20060101ALI20221102BHJP
【FI】
G01N3/40 B
E02D1/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021076491
(22)【出願日】2021-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】000206211
【氏名又は名称】大成建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】石井 裕泰
(72)【発明者】
【氏名】小林 真貴子
【テーマコード(参考)】
2D043
【Fターム(参考)】
2D043AA01
2D043AB01
2D043BA10
2D043BB02
2D043BB04
(57)【要約】
【課題】測定対象の形状や位置等に限定されることなく、針貫入時の速度や角度にばらつきが生じることがないように測定することで、簡易かつ定量的に針貫入試験を実施することを可能とする針貫入測定装置を提案する。
【解決手段】把持部6を有する装置本体2と、装置本体2に設けられた貫入機構3とを有し、貫入機構3は、装置本体2に対して進退可能に設けられた貫入針32と、貫入針32を移動させるための動力を供給する動力源33と、貫入針32を測定対象に貫入させたときの貫入深さおよび貫入抵抗荷重を測定する測定手段30とを備えている針貫入測定装置1。貫入針32は、把持部6を把持して測定対象に装置本体2を押し当てた状態で、装置本体2の測定対象側の面に対して垂直方向に進退する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定対象に貫入針を貫入させて前記測定対象の硬さを測定する針貫入測定装置であって、
把持部を有する装置本体と、前記装置本体に設けられた貫入機構と、を有し、
前記貫入機構は、前記装置本体に対して進退可能に設けられた前記貫入針と、前記貫入針を移動させるための動力を供給する動力源と、前記貫入針を前記測定対象に貫入させたときの貫入深さおよび貫入抵抗荷重を測定する測定手段と、を備えており、
前記貫入針は、前記把持部を把持して前記測定対象に前記装置本体を押し当てた状態で、前記装置本体の前記測定対象側の面に対して垂直方向に進退することを特徴とする、針貫入測定装置。
【請求項2】
前記装置本体の側面に、前記貫入針と同一方向に進退可能に設けられた位置決め部材を備えていることを特徴とする、請求項1に記載の針貫入測定装置。
【請求項3】
前記測定手段の測定結果を外部端末に送信する通信手段をさらに備えていることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の針貫入測定装置。
【請求項4】
前記測定手段の測定結果を記録するデータ記録手段をさらに備えていることを特徴とする、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の針貫入測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、針貫入測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
地盤等(例えば、岩盤や地盤改良体等)の強度などを確認する場合には、地盤等から採取したボーリングコアに対して、一軸圧縮試験を行うのが一般的である。しかしながら、ボーリングコアを不攪乱の状態で採取するためには熟練した技術を要する。また、採取したボーリングコアに対して一軸圧縮試験を行うには時間と手間がかかる。
そのため、非特許文献1には、地盤等の強度などを簡易に確認できる針貫入試験が開示されている。針貫入試験は、地盤等に貫入針を貫入し、貫入針の貫入長さLと針貫入時の荷重Pを測定し、針貫入長さに対する荷重Pの比率である針貫入勾配Np(=P/L)を求め、この針貫入勾配から一軸圧縮強さを推定するものである。このような針貫入試験を実施するための装置として、非特許文献1には、携行型形式の試験機と机上型形式の試験機が開示されている。このうち、携行型試験機では、貫入針を保持する針チャック部が持ち手部分の内部に設けられたコイルばねと接続されており、貫入針を供試体に貫入する際の荷重に比例してコイルばねが圧縮される。持ち手部分を保持した状態で貫入針を供試体に押し当て、貫入針が供試体に貫入した際のコイルバネの縮みから貫入時の最大荷重を検出する。机上型試験機は、架台に載置された供試体に対して、機械的に制御された貫入針を貫入するものである。また、特許文献1には、地盤から採取したボーリングコアに対して針を貫入して硬さを測定する装置として、ボーリングコアを収納したコア箱を配置するコア箱配置部と、コア箱配置部の上方に配設された針貫入試験機と、針貫入試験機を昇降移動操作する操作部とが設けられた針貫入試験装置が開示されている。
【0003】
非特許文献1の携行型試験機を利用した針貫入試験は、手作業による測定であるため、貫入針の貫入速度や貫入角度にばらつきが生じるおそれがある。また、貫入過程での荷重変化を把握することが難しいことから、異物接触の影響や強度の変化を適切に把握できないおそれがある。
非特許文献1の机上型試験機を利用した針貫入試験は、架台への供試体の設置に手間がかかる。また、測定対象物が改良土の場合、養生期間を経て強度が発現されるため、所定の養生期間(例えば、材齢7日、材齢28日等)が経過した供試体ごとに測定を行う場合がある。その際には、供試体を多数準備する必要があり、供試体の作成に手間がかかる。また、複数の供試体に対して測定を行う場合、供試体ごとにばらつきが生じるおそれがある。
特許文献1の針貫入試験装置は、原地盤から採取してコア箱に収納されたボーリングコアのみを対象としており、測定対象が限定されている。そのため、例えば改良地盤の地表面や岩盤の露頭等では測定することができない。また、ボーリングコアの採取には手間がかかる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】地盤工学会基準、基準番号:JGS3431-2012、規格・基準名:針貫入試験方法
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、測定対象の形状や位置等に限定されることなく、針貫入時の速度や角度にばらつきが生じることがないように測定することで、簡易かつ定量的に針貫入試験を実施することを可能とする針貫入測定装置を提案することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するための本発明は、測定対象に貫入針を貫入させて前記測定対象の硬さを測定する針貫入測定装置である。本発明の針貫入測定装置は、把持部を有する装置本体と、前記装置本体に設けられた貫入機構とを有している。前記貫入機構は、前記装置本体に対して進退可能に設けられた前記貫入針と、前記貫入針を移動させるための動力を供給する動力源と、前記貫入針を前記測定対象に貫入させたときの貫入深さおよび貫入抵抗荷重を測定する測定手段とを備えている。また、前記貫入針は、把持部を把持して前記測定対象に前記装置本体を押し当てた状態で、前記装置本体の前記測定対象側の面に対して垂直方向に進退する。
かかる針貫入測定装置によれば、把持部を保持して所定の位置に装置本体を押し当てた状態で針貫入試験を実施できるため、測定対象の形状、位置、向きが限定されない。また、把持部を保持するハンディタイプであるため、取り扱いやすい。さらに、貫入針は、装置本体に対して垂直方向に移動するとともに、動力源により移動するため、貫入角度および貫入速度にばらつきが生じ難い。そのため、貫入針の貫入深さや貫入抵抗荷重を精度良く測定することが可能となる。
【0008】
なお、前記装置本体の側面に、前記貫入針と同一方向に進退可能に設けられた位置決め部材を備えていれば、測定対象が円柱状の供試体の場合であっても、地面に対して直接測定する場合であっても、位置決め部材を利用することで、同一の装置を利用して測定することができる。
また、前記測定手段の測定結果を外部端末に送信する通信手段を備えていれば、測定結果を外部端末(パソコンやサーバーなど)に転送できるので、離れた場所においてもリアルタイムでデータを管理できる。
さらに、針貫入測定装置が、前記測定手段の測定結果を記録するデータ記録手段を備えていれば、外部端末などに測定結果を転送せずとも、データを保存できる。
【発明の効果】
【0009】
本発明の針貫入測定装置によれば、測定対象の形状や位置等に限定されることなく、針貫入時の速度や角度にばらつきが生じることがないように測定することで、簡易かつ定量的な針貫入試験を実施することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施形態に係る針貫入測定装置を利用した針貫入試験の測定状況を示す斜視図である。
【
図2】針貫入測定装置を示す図であって、(a)は横断図、(b)は縦断図である。
【
図3】円柱状の供試体に対する針貫入試験の測定状況を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本実施形態では、原位置において地盤に固化材を混合してなる改良地盤Gの強度を確認する場合について説明する。本実施形態では、
図1に示すように、携行型の針貫入測定装置1を利用して、測定対象地盤(改良地盤G)に対して貫入針32を貫入させて硬さを測定する針貫入試験を行う。
図1は、本実施形態の針貫入測定装置1の使用状況を示す図である。
図2に針貫入測定装置1を示す。
図2(a)は
図1のX-X断面図、
図2(b)はY-Y断面図である。
針貫入測定装置1は、
図2(a)および(b)に示すように、装置本体2と貫入機構3と通信手段4とデータ記録手段5とを備えていて、測定者が携行可能な大きさと重さを有している。
【0012】
装置本体2は、貫入機構3を支持する筐体である。本実施形態の装置本体2は、側面を囲う側板21,21,…と、上面を覆う天板22とにより平面視矩形状の箱型を呈している。本実施形態の装置本体2の下面は開口しているが、貫入針32を挿通するための開口が形成された底板を設けてもよい。各側板21,21,…の高さは同一であり、装置本体2の底面は平らである。
【0013】
装置本体2には、把持部6が形成されている。本実施形態の把持部6は、天板22の上面に両端が固定された門型の部材からなる。本実施形態の把持部6は、測定者が片手で握ることが可能な太さ(幅および厚さ又は外径)を有している。把持部6は、C字状またはコ字状を呈しており、把持部6の両端は天板22に固定されている。
【0014】
また、装置本体2の対向する一対の側板21,21の外面(側面)には、位置決め部材7が設けられている。位置決め部材7は、側板21に沿って上下方向(装置本体2の下面と直交する方向)に進退可能である。本実施形態の位置決め部材7の下端部には、弧状の凹部71が形成されている。位置決め部材7は、下降可能であり、凹部71の頂点と側板21の下端面との高さが一致する(あるいは同等となる)位置まで下降すると、それ以上の下降が停止されるように構成されている。また、位置決め部材7は、側板21よりも下側に突出させた際に、任意の位置で固定することが可能に構成されている。
【0015】
貫入機構3は、装置本体2に収納されている。貫入機構3は、装置本体2に対して進退可能な駆動部31と、駆動部31に支持された貫入針32と、駆動部31(貫入針32)を移動させるための動力を供給する動力源33と、貫入針32を測定対象(改良地盤G)に貫入させたときの貫入深さおよび貫入抵抗荷重を測定する測定手段30とを備えている。
駆動部31は、動力源33の動力より、側板21の内面に設けられたレール34に沿って上下に移動する。レール34は、装置本体2の対向する一対の側板21,21の互いに対向する面にそれぞれ形成されており、装置本体2の底面に直交する方向に延設されている。駆動部31の側面には、レール34と係合する係合部材35が配置されている。すなわち、駆動部31および貫入針32は、レール34に沿って係合部材35が摺動することで、装置本体2の底面に対して直交する方向に移動する。駆動部31の駆動を制御するスイッチ36は、把持部6に設けられている。針貫入試験を行う際には、測定者が把持部6を握った状態で、スイッチ36を操作することにより、測定を開始させる。
貫入針32は、駆動部31の下端から突出している。貫入針32は、駆動部31の進行方向に沿って延設されている。貫入針32には、例えばもめん針2号(φ0.84mmまたは0.89mm、長さ54.5±1.4mm)を使用することができる。
動力源33は、装置本体2内に収納されたモーターである。本実施形態の動力源33は、ギヤ37に接続された出力軸38を有している。駆動部31の側面には、ギヤ37と歯合するラック39が形成あるいは固定されていて、駆動部31と動力源33は、ギヤ37とラック39を介して連結されている。動力源33を駆動させると、出力軸38を介してギヤ37が回転し、ギヤ37の回転力がラック39を介して伝達されることで、駆動部31および貫入針32がレール34に沿って摺動する。これにより貫入針32が、規定の速度で装置本体2の下端から進退して、測定対象面(改良地盤G)に貫入・引抜きが行われる。
【0016】
測定手段30は、いわゆるロードセルであって、貫入針32を測定対象(本実施形態では改良地盤G)へ貫入する際の貫入抵抗荷重を測定する。測定手段30は駆動部31の内部に設けられている。測定手段30には、通信手段4およびデータ記録手段5に至るケーブル(図示せず)が接続されている。
データ記録手段5は、測定手段30からケーブルを介して電気信号として送信された測定結果(貫入針32の貫入深さや貫入抵抗荷重等)を記録する。本実施形態のデータ記録手段5は、装置本体2内に設けられているが、データ記録手段5の配置は限定されるものではなく、例えば、装置本体2外に設けられていてもよい。また、データ記録手段5はいわゆるパーソナルコンピュータやタブレット端末等であってもよい。
測定手段30の測定結果は、通信手段4を介してパーソナルコンピュータ、タブレット端末、スマートフォン等の外部端末に送信される。通信手段4は、装置本体2内に設けられている。
【0017】
針貫入測定装置1を利用した針貫入試験では、まず、測定者が把持部6を持って所定の位置に針貫入測定装置1を配置する。本実施形態では、
図1に示すように、改良地盤Gの所定の位置に、針貫入測定装置1を載置する。針貫入測定装置1を所定の位置に配置したら、把持部6を介して装置本体2の底面(下端面)を改良地盤G(測定対象面)に押し当てた状態で、スイッチ36を操作して、動力源33を起動させる。動力源33が起動すると、駆動部31が下降して、貫入針32が改良地盤G(装置本体2の下端)に対して垂直に貫入し、貫入針32の貫入深さおよび貫入抵抗荷重が測定される。貫入針32は、例えば20mm/minの貫入速度により改良地盤Gに貫入させる。そして、貫入針32の貫入深さが10mmに達した際の貫入抵抗荷重、あるいは、貫入抵抗荷重が最大に達した時点の貫入深さを測定する。貫入深さおよび貫入抵抗荷重の測定値は、データ記録手段5に記録されるとともに、通信手段4を介して外部端末に送信される。外部端末では、測定結果をリアルタイムで確認できる。
針貫入試験が終了したら、針貫入測定装置1を移動させて、他の測定箇所において同様に針貫入試験を行う。
なお、外部端末では、貫入針32の貫入長さLに対する荷重Pの比率である針貫入勾配Np(=P/L)を求め、この針貫入勾配から改良地盤Gの一軸圧縮強さを推定する。
【0018】
針貫入試験を、改良地盤G等から採取した供試体TPに対して実施する場合には、
図3に示すように、位置決め部材7を装置本体2の下端よりも下側に突出させて、凹部71に供試体TPを挿入した状態(凹部71を供試体TPに押し当てた状態)で、針貫入試験を行う。このとき、貫入針32は、供試体TPの表面(測定面)に対して垂直に貫入(進退)する。
【0019】
本実施形態の針貫入測定装置1によれば、把持部6を保持して所定の位置に装置本体2を押し当てた状態で針貫入試験を実施できるため、測定対象の形状、位置、向きが限定されない。また、測定者が把持部6を保持した状態で測定を行うため、貫入針32の測定対象への貫入時に必要な反力が確保されている。
また、把持部6を保持するハンディタイプであるため、取り扱いやすい。
地盤面に対して、直接針貫入試験を実施できるため、ボーリングコア等を採取することなく原地盤に対して測定できる。そのため、ボーリングを行う手間と、地盤に形成されたボーリング孔の補修に要する手間を省略できる。
また、貫入針32は、装置本体2に対して垂直方向に移動するとともに、動力源33により移動するため、再現性が高く、貫入角度および貫入速度にばらつきが生じ難い。そのため、貫入針32の貫入深さや貫入抵抗荷重を精度良く測定することが可能となる。
【0020】
また、装置本体2の側面に、貫入針32と同一方向に進退可能に設けられた位置決め部材7を備えているため、測定対象が円柱状の供試体TPの場合であっても、地面や露頭等の比較的平坦な面に対して直接測定する場合であっても、同一の装置を利用して測定することができる。
供試体TPに対しては、位置決め部材7の凹部71に供試体TPを挿入した状態で測定するため、供試体TP(測定面)に対してズレ難く、測定面に対して略垂直に貫入針32に貫入させることができる。
また、位置決め部材7の装置本体2の下端からの突出長を調節することで、異なる形状(外径)の供試体TPに対して測定可能である。
【0021】
また、測定手段30の測定結果を外部端末に送信する通信手段4を備えているため、測定結果をパーソナルコンピュータやサーバーに転送でき、離れた場所においてもリアルタイムでデータを管理できる。
また、針貫入測定装置1が、測定手段30の測定結果を記録するデータ記録手段5を備えていれば、外部端末へ測定結果を転送せずとも、データを保存できる。
測定結果は電気信号で取得され、デジタル変換した値を測定結果として得られるため、バネの伸縮量の読み値を測定結果とする従来の測定方法において懸念される人為的な読取誤差を抑制できる。
【0022】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、前述の実施形態に限られず、前記の各構成要素については本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
例えば、前記実施形態では、測定対象物が改良地盤G(地表面)である場合について説明したが、測定対象物は改良地盤Gに限定されるものではなく、例えば、自然地盤、岩盤の露頭等であってもよい。
また、前記前記実施形態では、装置本体2を測定対象(改良地盤Gの表面または供試体TP)上に設置した状態で、貫入針32を上下動させることで、針貫入試験を行うものとしたが、貫入針32の貫入方向は限定されるものではない。例えば、斜面に露出した岩盤(露頭)に対して針貫入試験を行う場合には、針貫入測定装置1を斜面に押し当てて、貫入針32を横移動させることで測定対象に貫入させてもよい。また、例えば立坑の掘削により露出した地山面(掘削壁面)に対して、針貫入測定装置1を横向きに押し当てた状態で測定してもよい。
【0023】
位置決め部材7は、装置本体2の側面に進退可能である必要はなく、例えば、装置本体2の側面に着脱可能であってもよい。このとき、位置決め部材7の突出長が変化可能となるように、装置本体2の側面に対して複数個所に固定できるようにしてもよい。
また、位置決め部材7は、必要に応じて設置すればよい。例えば、測定対象が円柱状の供試体TPのみである場合には、装置本体2に供試体TPの外面形状に応じた形状の凹部71を形成しておくことで、位置決め部材7を省略してもよい。
【0024】
貫入針32の移動機構は前記実施形態で示したものに限定されるものではなく、例えば、レール34に動力源33の出力軸38に連結されたギヤ機構が設けられており、動力源33を駆動させると、ギヤ機構を介して駆動部31に動力が伝達し、駆動部31がレール34に沿って移動するようにしてもよい。
前記実施形態では、把持部6として、C字状またはコ字状の部材の両端を装置本体2の上面に固定するものとしたが、把持部6の構成は限定されるものではなく、例えば、一端のみが装置本体2の上面に固定された鉤型の部材であってもよい。また、把持部6は、装置本体2の側面に形成されていてもよい。
通信手段4およびデータ記録手段5は、必要に応じて設ければよく、省略してもよい。
【符号の説明】
【0025】
1 針貫入測定装置
2 装置本体
3 貫入機構
31 駆動部
32 貫入針
33 動力源
4 通信手段
5 データ記録手段
6 把持部
7 位置決め部材
G 改良地盤(測定対象)
TP 供試体(測定対象)