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特開2022-170396空気調和機の室外機、室外機本体、及び取手
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022170396
(43)【公開日】2022-11-10
(54)【発明の名称】空気調和機の室外機、室外機本体、及び取手
(51)【国際特許分類】
   F24F 1/58 20110101AFI20221102BHJP
【FI】
F24F1/58
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021076492
(22)【出願日】2021-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147304
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 知哉
(74)【代理人】
【識別番号】100148493
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 浩二
(72)【発明者】
【氏名】河野 雄樹
【テーマコード(参考)】
3L054
【Fターム(参考)】
3L054BA02
3L054BA10
3L054BB10
(57)【要約】
【課題】吸込み効率を向上させた空気調和機の室外機、室外機本体、及び取手を提供する。
【解決手段】空気調和機の室外機は、熱交換機、及び熱交換機を収納した筐体を有する室外機本体と、ユーザの指が掛けられる指掛け部を有し、筐体に設けられた開口部に着脱可能な取手と、を備え、取手は、開口部内において、取付け位置と取外し位置との間で変位可能であり、取付け位置は、開口部内において、上方向、及び筐体の外方向への取手の移動が規制される位置であり、取外し位置は、開口部内から筐体の外方向への取手の移動が規制されない位置である。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱交換機、及び前記熱交換機を収納した筐体を有する室外機本体と、
ユーザの指が掛けられる指掛け部を有し、前記筐体に設けられた開口部に着脱可能な取手と、を備え、
前記取手は、前記開口部内において、取付け位置と取外し位置との間で変位可能であり、
前記取付け位置は、前記開口部内において、上方向、及び前記筐体の外方向への前記取手の移動が規制される位置であり、
前記取外し位置は、前記開口部内から前記筐体の外方向への前記取手の移動が規制されない位置である、
空気調和機の室外機。
【請求項2】
前記指掛け部は、前記取手が前記開口部に取り付けられている状態において、前記筐体の外側に位置している、
請求項1に記載の空気調和機の室外機。
【請求項3】
前記筐体は、前記開口部の周縁の一部から前記開口部の内側に向かって突出した規制部を有し、
前記取手は、前記取手の周縁部に設けられた突出部を有し、
前記突出部は、
前記取手が前記取付け位置にある場合、前記規制部に対して前記筐体の内側に重なるように位置し、
前記取手が前記取外し位置にある場合、前記規制部と重ならないように位置する、
請求項1又は2に記載の空気調和機の室外機。
【請求項4】
前記開口部は、円形であり、
前記取手は、回転によって前記取付け位置と前記取外し位置との間で変位し、
前記規制部は、第1円弧規制部と、第2円弧規制部と、を含み、
前記第1円弧規制部は、前記開口部における左端部を含み、かつ上端部及び下端部を含まない位置から突出するように形成され、
前記第2円弧規制部は、前記開口部における右端部を含み、かつ前記上端部及び前記下端部を含まない位置に形成されている、
請求項3に記載の空気調和機の室外機。
【請求項5】
前記開口部は、四角形であり、
前記取手は、上下移動によって前記取付け位置と、前記取付け位置よりも下方の前記取外し位置との間で変位し、
前記規制部は、第1縦規制部と、第2縦規制部と、を含み、
前記第1縦規制部は、前記開口部の左辺部における下端部を含まない位置から突出するように形成され、
前記第2縦規制部は、前記開口部の右辺部における下端部を含まない位置から突出するように形成されている、
請求項3に記載の空気調和機の室外機。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載の空気調和機の室外機に用いられる室外機本体。
【請求項7】
請求項1~5のいずれか1項に記載の空気調和機の室外機に用いられる取手。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気調和機の室外機、室外機本体、及び取手に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、筐体の側面に持ち運び用の取手が設けられた空気調和機の室外機が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-083095号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された空気調和機の室外機を含め、一般に、空気調和機の室外機は、20~40kg程度と非常に重たいものである。そのため、室外機を設置場所に設置する際、設置業者(ユーザ)が室外機を両手で把持して持ち運ぶために、室外機を構成する筐体の側面に設けられた取手は、大人の指がしっかりと掛けられる程度の大きさである必要がある。このように、特許文献1に開示された空気調和機の室外機では、筐体の側面に取手が設けられているため、その分、外部から空気を吸い込み熱交換器に供給するための吸込み口の面積をあまり大きくできず、吸込み効率を向上させることが困難であった。
【0005】
したがって、本発明の一態様は、吸込み効率を向上させた空気調和機の室外機、室外機本体、及び取手を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る空気調和機の室外機は、熱交換機、及び前記熱交換機を収納した筐体を有する室外機本体と、ユーザの指が掛けられる指掛け部を有し、前記筐体に設けられた開口部に着脱可能な取手と、を備えている。前記取手は、前記開口部内において、取付け位置と取外し位置との間で変位可能であり、前記取付け位置は、前記開口部内において、上方向、及び前記筐体の外方向への前記取手の移動が規制される位置であり、前記取外し位置は、前記開口部内から前記筐体の外方向への前記取手の移動が規制されない位置である。
【0007】
本発明の一態様に係る室外機本体は、前記空気調和機の室外機に用いられる。
【0008】
本発明の一態様に係る取手は、前記空気調和機の室外機に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、第1及び第2実施形態の空気調和機の室外機を前面側から見たときの斜視図である。
図2図2は、第1実施形態の空気調和機の室外機を背面側から見たときの斜視図である。
図3図3は、図2に示す空気調和機の室外機において、筐体から取手を分解した状態を示す分解斜視図である。
図4図4は、図2に示す空気調和機の室外機において、筐体から取手を取り外し、筐体の開口部と取手とを並べて配置した拡大平面図である。
図5図5は、図2に示す空気調和機の室外機において、取手が取付け位置にある場合に室外機を左外側から見たときの筐体の一部及び取手の拡大平面図である。
図6図6は、図2に示す空気調和機の室外機において、取手が取外し位置にある場合に室外機を左外側から見たときの筐体の一部及び取手の拡大平面図である。
図7図7は、図5に示す筐体の一部及び取手を筐体の内側から見たときの拡大平面図である。
図8図8は、図6に示す筐体の一部及び取手を筐体の内側から見たときの拡大平面図である。
図9図9は、第2実施形態の空気調和機の室外機を背面側から見たときの斜視図である。
図10図10は、図9に示す空気調和機の室外機において、筐体から取手を分解した状態を示す分解斜視図である。
図11図11は、図9に示す空気調和機の室外機において、筐体から取手を取り外し、筐体の開口部と取手とを並べて配置した拡大平面図である。
図12図12は、図9に示す空気調和機の室外機において、取手が取付け位置にある場合に室外機を左外側から見たときの筐体の一部及び取手の拡大平面図である。
図13図13は、図9に示す空気調和機の室外機において、取手が取外し位置にある場合に室外機を左外側から見たときの筐体の一部及び取手の拡大平面図である。
図14図14は、図12に示す筐体の一部及び取手を筐体の内側から見たときの拡大平面図である。
図15図15は、図13に示す筐体の一部及び取手を筐体の内側から見たときの拡大平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に説明する実施形態及び変形例は、本開示の一例に過ぎず、本開示は、実施形態及び変形例に限定されない。この実施形態及び変形例以外であっても、本開示の技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0011】
[第1実施形態]
以下、第1実施形態の空気調和機の室外機1の構成について、図1図8を参照して説明する。
【0012】
図1及び図2に示すように、本実施形態の室外機1は、筐体10と、筐体10の前面に設けられた吹出し口20と、吹出し口20を覆うように設けられた格子状のファンガード30と、筐体10内に設けられた熱交換器40と、取手50と、を備えている。以下の説明では、図1及び図2に示す上下前後左右の方向を示した矢印の向きを基準にして説明する。ただし、これらの方向は、説明のために便宜上設定した方向であって、使用時の方向を限定する趣旨ではない。
【0013】
筐体10は、天板11と、右側板12と、左側板13と、前板14と、背板15と、図示せぬ底板及び該底板と一体的に形成された脚部16と、を有している。
【0014】
右側板12には、配管等を覆うカバー12cが設けられている。カバー12cには、カバー12cと一体成型された取手12hが設けられている。
【0015】
図2に示すように、熱交換器40は、筐体10内において、左側板13から背板15にかけて左側板13及び背板15に沿うように筐体10内に収納されている。筐体10の左側板13には、熱交換器40を露出する複数の吸込み口13sが設けられている。また、背板15には、熱交換器40を露出する開口15opが設けられている。これら複数の吸込み口13s及び開口15opにより、外部から熱交換器40へ空気が供給される。
【0016】
取手50は、平面形状が円形状であり、筐体10の左側板13に取り付けられている。取手50は、円板状の本体部50bと、ユーザの指が掛けられる指掛け部50fと、を有している。指掛け部50fは、本体部50bから突出するように形成されており、取手50が後述する開口部13op(図3及び図4参照)に取り付けられている状態において、筐体10の外側に位置している。指掛け部50fは、内部が空洞の四半球状に形成されている。指掛け部50fは、ユーザが室外機1を持ち運ぶ際、取手50における上部に位置するように配置されている。このとき、指掛け部50fは、球面部が上側に位置し、かつ空洞の入口となる開口部が下側に位置している。ユーザは、指掛け部50fの開口部から空洞の内側にかけて指を掛けることができる。
【0017】
本実施形態において、取手50は、筐体10に対して着脱可能に設けられている。この取手50が着脱可能となる構成について、更に、図3図8を用いて、詳細に説明する。
【0018】
図3に示すように、筐体10の左側板13の上部には、円形の開口部13opが設けられており、取手50は、開口部13opに着脱可能とされている。
【0019】
具体的には、取手50は、図2図5、及び図7に示す位置(「取付け位置」と呼ぶ)と、図6及び図8に示すように、取付け位置から90度回転させた位置(「取外し位置」と呼ぶ)との間で変位可能に構成されている。なお、本実施形態では、室外機1の左外側から見て、取手50を取付け位置から右に90度回転させた位置を取外し位置としている。
【0020】
図4は、室外機1において、筐体10から取手50を取り外し、取手50が取外し位置にあるときの向きで、筐体10の開口部13opと取手50とを並べて配置した状態を示している。図3及び図4に示すように、筐体10の左側板13は、開口部13opの周縁の一部から開口部13opの内側に向かって突出した円弧規制部13crを有している。円弧規制部13crは、取手50の本体部50bを開口部13op内に嵌めることができるように、左側板13の外面よりも筐体10の内側に形成されている(特に、図3参照)。円弧規制部13crは、前後方向に並ぶ円弧状に形成された第1円弧規制部13cr1と、円弧状に形成された第2円弧規制部13cr2と、を含んでいる。第1円弧規制部13cr1は、第2円弧規制部13cr2の後方に位置する。第1円弧規制部13cr1は、開口部13opにおける後端部(図4における左端部)を含み、かつ上端部及び下端部を含まない位置から突出するように形成されている。第2円弧規制部13cr2は、開口部13opにおける前端部(図4における右端部)を含み、かつ上端部及び下端部を含まない位置に形成されている。
【0021】
これにより、開口部13opにおける上端部及び下端部には、嵌め込み部13fが形成されている。嵌め込み部13fは、開口部13opにおける上端部に位置する第1嵌め込み部13f1と、開口部13opにおける下端部に位置する第2嵌め込み部13f2と、を含んでいる。第1嵌め込み部13f1及び第2嵌め込み部13f2は、第1円弧規制部13cr1と第2円弧規制部13cr2との間に形成された開口である。
【0022】
図4に示すように、取手50は、本体部50bの周縁部に設けられた突出部50pを有している。突出部50pは、取手50が開口部13opに取り付けられた状態において、本体部50bよりも筐体10の内側に位置するように形成されている。具体的には、突出部50pは、円弧規制部13crの厚さ以上の寸法分、本体部50bよりも筐体10の内側に位置するように形成されている。突出部50pは、第1突出部50p1と第2突出部50p2とを含んでいる。第1突出部50p1と第2突出部50p2とは、取手50の中心を通る直線上に形成されている。図7に示す取付け位置において、室外機1の左側板を内側から見た場合の右端に第1突出部50p1が位置し、左端に第2突出部50p2が位置する。また、図4に示す取外し位置において、上端に第1突出部50p1が位置し、下端に第2突出部50p2が位置する。
【0023】
上記のように構成された取手50は、図6及び図8に示すように、取外し位置にある場合、第1突出部50p1が開口部13opの第1嵌め込み部13f1と重なり、第2突出部50p2が開口部13opの第2嵌め込み部13f2と重なるように配置される。すなわち、突出部50pは、取手50が取外し位置にある場合、円弧規制部13crと重ならないように位置する。このように、取手50が取外し位置にある場合、突出部50pと円弧規制部13crとが重ならず、また、その他の部分も重ならないため、取手50を筐体10から取り外すことができる。
【0024】
また、取手50は、図5及び図7に示すように、取付け位置にある場合、上述のとおり、突出部50pが本体部50bよりも筐体10の内側に位置していることにより、突出部50pが円弧規制部13crに対して筐体10の内側に重なるように位置する。具体的には、取手50は、図6および図8に示す取外し位置から90度(本実施形態では、室外機1の左外側から見て取外し位置から左に90度)回転させられることにより、取外し位置から取付け位置に変位する。また、図7に示すように、第1円弧規制部13cr1は、第1円弧規制部13cr1における筐体10の内側の面から突出するように形成された回転止め13rs1を有している。第2円弧規制部13cr2は、第2円弧規制部13cr2における筐体10の内側の面から突出するように形成された回転止め13rs2を有している。第1円弧規制部13cr1に設けられた回転止め13rs1、及び第2円弧規制部13cr2に設けられた回転止め13rs2に、それぞれ第1突出部50p1及び第2突出部50p2が当たることにより、取手50の回転は、90度回転させられたところで停止する。取付け位置においては、第1突出部50p1が第1円弧規制部13cr1に重なるように位置し、第2突出部50p2が第2円弧規制部13cr2に重なるように位置する。また、上述のように、円弧規制部13crが左側板13の外面よりも筐体10の内側に形成されていることにより、取手50は、本体部50bの周縁と円弧規制部13crとが重なるように、左側板13に嵌め込まれる。このように、取手50が取付け位置にある場合、突出部50pと円弧規制部13crとが重なることにより、取手50は、筐体10の外方向への移動が規制される。また、取手50が取付け位置にある場合、図5及び図7に示すように、開口部13opの上端部13optに、取手50の上端部50tが引っ掛かることにより、取手50の上方向への移動が規制される。したがって、取手50と取手12h(図1参照)とを用いて、室外機1を持ち運ぶことができる。
【0025】
以上のように、本実施形態において、「取付け位置」とは、開口部13op内における取手50の上方向、及び筐体10の外方向への移動が規制される位置であり、「取外し位置」とは、開口部13op内から筐体10の外方向への取手50の移動が規制されない位置である。そして、取手50は、上述のとおり、開口部13op内において、取付け位置と取外し位置との間で変位可能である。
【0026】
本実施形態の空気調和機の室外機1によれば、室外機1が設置場所に設置された後は、取手50を取外した状態で室外機1を使用することができる。したがって、開口部13opは、外部から空気を吸い込み熱交換器40に供給するための吸込み口の一部として機能することになる。すなわち、複数の吸込み口13s及び開口15op(図2及び図3参照)に加え、取手50が着脱される開口部13opの面積分、熱交換器40に空気を供給するための吸込み口の面積を大きくすることができる。取手50は、大人の指がしっかりと掛けられる程度の大きさとされていることが望ましく、そのため、開口部13opも相応の大きさとなる。よって、吸込み効率を大きく向上させることが可能となる。
【0027】
また、本実施形態によれば、簡易な構成により、取手50を、特別な工具等を用いることなく、筐体10に対し、取り付け及び取り外しを行うことが可能となる。また、取手50が取付け位置にある場合においては、上方向及び筐体10の外方向への取手50の移動が規制される。そのため、室外機1を設置業者が設置場所へ設置する際、図1に示す取手12hと取手50とを両手で把持して室外機1の持ち運びを行っても、取手50が外れてしまうこと等なく、安全に室外機1を設置することができる。
【0028】
また、本実施形態では、指掛け部50fが筐体10の外側へ突出した取手50を用いていることにより、指掛け部を筐体の内側に凹ませて取手を形成した場合と比べ、筐体10内に設ける熱交換器40を大型化することができる。
【0029】
さらに、本実施形態では、室外機1を設置場所に設置するときにだけ、取手50を筐体10に取付けて使用すればよい。そのため、室外機1を梱包する際には、取手50は、筐体10から取外した状態としておくことができる。指掛け部50fは、筐体10の外側へ突出しており、指が掛かる分の奥行があるが、本実施形態によれば、取手50を取外した状態で梱包できることから、梱包サイズを従来よりも小さくすることができる。
【0030】
したがって、本実施形態によれば、熱交換器40の大型化と、梱包サイズの小型化を両立することが可能となる。
【0031】
[第2実施形態]
以下、第2実施形態の空気調和機の室外機2の構成について、図1及び図9図15を参照して説明する。
【0032】
図9に示すように、本実施形態の室外機2では、第1実施形態の取手50に代えて、筐体10の左側板13に平面形状が四角形状の取手250が取り付けられている。取手250は、板状の本体部250bと、ユーザの指が掛けられる指掛け部250fと、を有している。指掛け部250fは、本体部250bから突出するように形成されており、取手50が後述する開口部213op(図10及び図11参照)に取り付けられている状態において、筐体10の外側に位置している。指掛け部250fは、取手250の上部に、前後方向(取手250の幅方向)の略全体に亘って設けられている。指掛け部250fは、筐体10の外側へ突き出すように庇状に形成されている。ユーザは、庇状の指掛け部250fに指を掛けることができる。その他の構成は、図1図8を用いて説明した空気調和機の室外機1と同様のため、重複する説明は省略する。図9図15において、図1図8と同一の構成要素には同一の符号を付している。
【0033】
本実施形態においても、取手250は、筐体10に対して着脱可能に設けられている。この取手250が着脱可能となる構成について、更に、図10図15を用いて、詳細に説明する。
【0034】
図10に示すように、筐体10の左側板13の上部には、四角形の開口部213opが設けられており、取手250は、開口部213opに着脱可能とされている。
【0035】
具体的には、取手250は、図9図12、及び図14に示す位置(「取付け位置」と呼ぶ)と、図13及び図15に示す位置(「取外し位置」と呼ぶ)との間で変位可能に構成されている。取付け位置においては、図12及び図14ように、取手250の下に開口部213opの一部が残存する。取外し位置においては、図13及び図15に示すように、取手250の上に開口部213opの一部が残存する。
【0036】
図11は、室外機2において、筐体10から取手250を取り外し、筐体10の開口部213opと取手250とを並べて配置した状態を示している。なお、図11は、筐体10を内側から、取手250を裏側から見た図である。図10及び図11に示すように、筐体10の左側板13は、開口部213opの周縁の一部から開口部213opの内側に向かって突出した縦規制部213vrを有している。縦規制部213vrは、取手250の本体部250bを開口部213op内に嵌めることができるように、左側板13の外面よりも、筐体10の内側に形成されている(特に、図10参照)。縦規制部213vrは、前後方向に並ぶ板状に形成された第1縦規制部213vr1と、板状に形成された第2縦規制部213vr2と、を含んでいる。第1縦規制部213vr1は、第2縦規制部213vr2の後方に位置する。第1縦規制部213vr1は、開口部213opの後端部(図11における右端部)における下端部を含まない位置から突出するように形成されている。第2縦規制部213vr2は、開口部213opの前端部(図11における左端部)における下端部を含まない位置から突出するように形成されている。
【0037】
これにより、開口部213opにおける前後(図11における左右)下端部には、嵌め込み部213fが形成されている。嵌め込み部213fは、開口部213opにおける後端部に位置する第1嵌め込み部213f1と、開口部213opにおける前端部に位置する第2嵌め込み部213f2と、を含んでいる。第1嵌め込み部213f1及び第2嵌め込み部213f2は、第1縦規制部213vr1及び第2縦規制部213vr2の下に形成された開口である。
【0038】
図11に示すように、取手250は、その周縁部に設けられた突出部250pを有している。突出部250pは、取手250が開口部213opに取り付けられた状態において、本体部250bよりも筐体10の内側に位置するように形成されている。具体的には、突出部250pは、縦規制部213vrの厚さ以上の寸法分、本体部250bよりも筐体10の内側に位置するように形成されている。突出部250pは、第1突出部250p1と第2突出部250p2とを含んでいる。第1突出部250p1は、取手250が筐体10に取付けられたときに、取手250の後端の下部に位置するように設けられている。第2突出部250p2は、取手250が筐体10に取付けられたときに、取手250の前端の下部に位置するように設けられている。
【0039】
上記のように構成された取手250は、図13及び図15に示すように、取外し位置にある場合、次のように配置される。すなわち、第1突出部250p1が開口部213opの第1嵌め込み部213f1と重なり、第2突出部250p2が開口部213opの第2嵌め込み部213f2と重なるように配置される。したがって、突出部250pは、取手250が取外し位置にある場合、縦規制部213vrと重ならないように位置する。このように、取手250が取外し位置にある場合、突出部250pと縦規制部213vrとが重ならず、また、その他の部分も重ならないため、取手250を筐体10から取り外すことができる。このとき、取手250の上部には、開口部213opの一部が残存している。
【0040】
また、取手250は、図12及び図14に示すように、取付け位置にある場合、上述のとおり、突出部250pが本体部250bよりも筐体10の内側に位置していることにより、突出部250pが縦規制部213vrに対して筐体10の内側に重なるように位置する。具体的には、取手250は、図13および図15に示す取外し位置から、取外し位置において取手250の上部に残存していた開口部213opの一部を塞ぐように、上方向にスライドされることにより、取外し位置から取付け位置に変位する。取付け位置においては、第1突出部250p1が第1縦規制部213vr1に重なるように位置し、第2突出部250p2が第2縦規制部213vr2に重なるように位置する。このように、取手250が取付け位置にある場合、突出部250pと縦規制部213vrとが重なることにより、取手250は、筐体10の外方向への移動が規制される。また、取手250が取付け位置にある場合、図12及び図14に示すように、開口部213opの上端部213optに、取手250の上端部250tが引っ掛かることにより、取手250の上方向への移動が規制される。したがって、取手250と取手12h(図1参照)とを用いて、室外機2を持ち運ぶことができる。
【0041】
以上のように、本実施形態においても、「取付け位置」及び「取外し位置」は、上記第1実施形態と同様の意味を有する。すなわち、「取付け位置」とは、開口部213op内において、上方向、及び筐体10の外方向への取手250の移動が規制される位置であり、「取外し位置」とは、開口部213op内から筐体10の外方向への取手250の移動が規制されない位置である。そして、取手250は、上述のとおり、開口部213op内において、取付け位置と取外し位置との間で変位可能である。
【0042】
本実施形態の空気調和機の室外機2によれば、上記第1実施形態の空気調和機の室外機1と同様の効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0043】
1、2 室外機
10 筐体
13cr 円弧規制部
13cr1 第1円弧規制部
13cr2 第2円弧規制部
13op、213op 開口部
40 熱交換器
50、250 取手
50b、250b 取手の本体部
50f、250f 取手の指掛け部 50p、250p 取手の突出部
50p1、250p1 取手の第1突出部
50p2、250p2 取手の第2突出部
213vr 縦規制部
213vr1 第1縦規制部
213vr2 第2縦規制部
図1
図2
図3
図4
図5
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図15