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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022170405
(43)【公開日】2022-11-10
(54)【発明の名称】槽体システム
(51)【国際特許分類】
   E03C 1/14 20060101AFI20221102BHJP
   A47K 1/04 20060101ALI20221102BHJP
   E03C 1/28 20060101ALI20221102BHJP
   E03C 1/24 20060101ALI20221102BHJP
【FI】
E03C1/14 Z
A47K1/04 Z
E03C1/28 A
E03C1/24 C
A47K1/04 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021076507
(22)【出願日】2021-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】000144072
【氏名又は名称】SANEI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079577
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 全啓
(74)【代理人】
【識別番号】100167966
【弁理士】
【氏名又は名称】扇谷 一
(72)【発明者】
【氏名】中島 一彰
【テーマコード(参考)】
2D061
【Fターム(参考)】
2D061BA01
2D061BA08
2D061BB10
2D061BD02
2D061BG01
2D061BG08
2D061DA02
2D061DB01
2D061DC10
2D061DD08
2D061DD14
2D061DE11
(57)【要約】
【課題】汎用性に優れ、省スペース化を図ることができる槽体システムを提供すること。
【解決手段】この発明にかかる槽体システム槽体システム10は、有底筒型のトラップ部14を槽体12の排水口20周辺における槽体12の下部に配設され、そのトラップ部14は、槽体12の下部に連設された筒状の排水部30と、前記排水部の筒内に形成された筒状の封水部32とを備え、前記封水部32の槽体側の端縁は、前記排水部30の連設部16より低く、封水部32の空間部34側端縁の上方には、封水部32から排水部30に水を流す通水路18が形成され、前記排水部30と封水部32とは、底40部分で連結され、前記封水部32には封水領域80が形成され、排水部30と封水部32との間に、封水部30の上方の空間部34と連通する排水路が形成されている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
槽体の排水口を囲繞する連設部を有する有底筒型のトラップ部を槽体の排水口周辺における槽体の下部に配設された槽体システムであって、
前記トラップ部は、槽体の下部に連設された筒状の排水部と、前記排水部の筒内に形成された筒状の封水部とを備え、
前記封水部の槽体側の端縁との間に空間部が形成され、
前記封水部の槽体側の端縁は、前記排水部の連設部より低く、封水部の空間部側端縁の上方には、封水部から排水部に水を流す通水路が形成され、
前記排水部と封水部とは、底部分で連結され、前記封水部には封水領域が形成され、
排水部と封水部との間に、封水部の上方の空間部と連通する排水路が形成され、
前記封水部から排水部に流れ出た水を排水路を経て排水口部に導くように構成されたことを特徴とする、槽体システム。
【請求項2】
前記トラップ部は、槽体の排水口と、前記排水部と封水部とを連結する底部に繋がる封水部の底部に形成された管取り付け部との間に、管体が架設され、
前記封水部の封水領域と前記管体の封水領域とが連通していることを特徴とする、請求項1に記載の槽体システム。
【請求項3】
前記トラップ部は、槽体の排水口とトラップ部の底部に形成された管体取り付け部との間において取り付けられた管体が各種排水具を取り付けられるように構成された、請求項1または2に記載の槽体システム。
【請求項4】
前記トラップ部は、適宜な間隔をあけて形成された槽体の排水口とトラップ部の底部との間において、各種排水具が取り付けられるように、各種排水具の外形に対応して、底部の排水具及び/又は排水具を緩挿される管体を取り付けるための取り付け部が形成され且つ排水口と底部との間隔が形成された、請求項1ないし3のいずれかに記載の槽体システム。
【請求項5】
前記トラップ部は、排水部の側部に排水口部が配設され、前記封水部から流れ出た水が排水路を経て排水口部に至り、外部に排水するように構成された、請求項1ないし4のいずれかに記載の槽体システム。
【請求項6】
前記槽体の排水口に取り付けられた管体の開口部内に排水具が取り付けられたことを特徴とする、請求項1ないし5のいずれかに記載の槽体システム。
【請求項7】
前記槽体の排水口に排水具が取り付けられ、槽体から流入する水を排水具を介して封水部に導くように構成されたことを特徴とする、請求項1ないし6のいずれかに記載の槽体システム。
【請求項8】
前記排水具は、排水開口を通じて排水しうる排水姿勢で排水口に固定される口栓、または排水開口を通じて排水しうる排水姿勢と排水開口を通じての排水を禁止する栓姿勢との間で動作可能に構成された口栓である、請求項7に記載の槽体システム。
【請求項9】
前記槽体は、その外周に沿って、その上部に形成されたオーバーフロー孔から出たオーバーフロー水を、前記排水部の内側の排水路に導くオーバーフロー水排水路が付設された、請求項1ないし7のいずれかに記載の槽体システム。
【請求項10】
前記槽体は、その底部の近傍で、天板に固定されるか、またはその底部を支える支持部を介して天板に固定される、請求項1ないし7のいずれかに記載の槽体システム。
【請求項11】
前記トラップ部は、封水部の側部を囲繞する第1排水部と、前記封水部の底部より下方に伸びる第2排水部とを備え、
前記第1配水部と前記封水部との間に形成された第1排水部と第2排水部の内側に形成された第2排水部とが連通され、
前記封水部の底部に形成された貫通孔と前記第2排水部の底部に形成された貫通孔との間に架設された管体を介して、第1排水路から第2排水路を経て排水される排水が排水されるように形成された、請求項1ないし10のいずれかに記載の槽体システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、槽体システムに関し、特に、例えば、封水(トラップ)機能を有した洗面器・手洗い器などの槽を備えた槽体システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の封水(トラップ)の構造は、SトラップやPトラップなどのサイフォン式トラップ或いは椀トラップやドラムトラップなどの非サイフォン式トラップがある。これらは、U字形状等の上下方向にスペースを必要とする物であり、例えば化粧台の内部に収める必要性があるが、その収納スペースを狭くするものである。
現在、ウイルスなどによる感染を防ぐために、様々な場所での洗面器・手洗い器などの設置が求められている。特に、SトラップやPトラップなどのようなスペースを必要とするものではなく、下駄箱、洗面台や化粧台などに直接設置することが可能なものを求められている。
従来、美観が良いと共に排水管の下方における収納空間の損失度を少なくすることができる洗面化粧台の封臭装置が提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】公開実用昭和63-71263号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の洗面化粧台の防臭装置は、横方向に大きなスペースを必要とするものであり、また、独特な形をしているものであるので、汎用性に乏しい。
それゆえに、この発明の主たる目的は、汎用性に優れ、省スペース化を図ることができる槽体システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明にかかる槽体システムは、槽体の排水口を囲繞する連設部を有する有底筒型のトラップ部を槽体の排水口周辺における槽体の下部に配設された槽体システムであって、
前記トラップ部は、槽体の下部に連設された筒状の排水部と、前記排水部の筒内に形成された筒状の封水部とを備え、
前記封水部の槽体側の端縁との間に空間部が形成され、
前記封水部の槽体側の端縁は、前記排水部の連設部より低く、封水部の空間部側端縁の上方には、封水部から排水部に水を流す通水路が形成され、
前記排水部と封水部とは、底部分で連結され、前記封水部には封水領域が形成され、
排水部と封水部との間に、封水部の上方の空間部と連通する排水路が形成され、
前記封水部から排水部に流れ出た水を排水路を経て排水口部に導くように構成されたことを特徴とする、槽体システムである。
本発明にかかる槽体システムは、
前記トラップ部は、槽体の排水口と、前記排水部と封水部とを連結する底部に繋がる封水部の底部に形成された管取り付け部との間に、管体が架設され、
前記封水部の封水領域と前記管体の封水領域とが連通していることを特徴としてもよい。
前記トラップ部は、槽体の排水口とトラップ部の底部に形成された管体取り付け部との間において取り付けられた管体が各種排水具を取り付けられるように構成されてもよい。
前記トラップ部は、適宜な間隔をあけて形成された槽体の排水口とトラップ部の底部との間において、各種排水具が取り付けられるように、各種排水具の外形に対応して、底部の排水具及び/又は排水具を緩挿される管体を取り付けるための取り付け部が形成され且つ排水口と底部との間隔が形成されてもよい。
前記トラップ部は、排水部の側部に排水口部が配設され、前記封水部から流れ出た水が排水路を経て排水口部に至り、外部に排水するように構成されてもよい。
本発明にかかる槽体システムは、前記槽体の排水口に取り付けられた管体の開口部内に排水具が取り付けられたことを特徴としてもよい。
本発明にかかる槽体システムは、前記槽体の排水口に排水具が取り付けられ、槽体から流入する水を排水具を介して封水部に導くように構成されたことを特徴としてもよい。
前記排水具は、排水開口を通じて排水しうる排水姿勢で排水口に固定される口栓、または排水開口を通じて排水しうる排水姿勢と排水開口を通じての排水を禁止する栓姿勢との間で動作可能に構成された口栓としてもよい。
前記槽体は、その外周に沿って、その上部に形成されたオーバーフロー孔から出たオーバーフロー水を、前記排水部の内側の排水路に導くオーバーフロー水排水路が付設されてもよい。
前記槽体は、その底部の近傍で、天板に固定されるか、またはその底部を支える支持部を介して天板に固定されてもよい。
前記トラップ部は、封水部の側部を囲繞する第1排水部と、前記封水部の底部より下方に伸びる第2排水部とを備え、
前記第1配水部と前記封水部との間に形成された第1排水部と第2排水部の内側に形成された第2排水部とが連通され、
前記封水部の底部に形成された貫通孔と前記第2排水部の底部に形成された貫通孔との間に架設された管体を介して、第1排水路から第2排水路を経て排水される排水が排水されるように形成されてもよい。
【発明の効果】
【0006】
この発明にかける槽体システムによれば、汎用性に優れ、省スペース化を図ることができる槽体システムを提供することができる。
【0007】
この発明の上述の目的、その他の目的、特徴及び利点は、図面を参照して行う以下の発明を実施するための形態の説明から一層明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施の形態である洗面・手洗用設備の斜視図解図である。
図2】本発明の一実施の形態であるトラップ付き槽体の斜視図解図である。
図3】本発明の一実施の形態である槽体、トラップ及び管体を分解した状態の斜視図解図である。
図4】本発明の一実施の形態のトラップの図解図であり、(A)は平面図解図であり、(B)は側面図解図であり、(C)は底面図解図であり、(D)は断面図解図である。
図5A】本発明の一実施の形態である槽体システムの一部を断面とした図解図であり、(A)は正断面図解図であり、(B)は(A)のA-A断面図解図である。
図5B】本発明の一実施の形態である槽体システムの分解した状態における一部を断面とした正面図解図である。
図6】本発明の一実施の形態である槽体システムの一部を断面とした正面図解図である。
図7】本発明の一実施の形態である槽体システムの一部を断面とした正面図解図である。
図8】本発明の一実施の形態の水流を示す断面図解図である。
図9】本発明の一実施の形態の封水領域を示す断面図解図である。
図10】本発明の第1の実施の形態の変形例の槽体システムの斜視図解図である。
図11】本発明の第1の実施の形態の変形例の槽体、トラップ及び管体を分解した状態の斜視図解図である。
図12】本発明の第1の実施の形態の変形例のトラップの図解図であり、(A)は平面図解図であり、(B)は側面図解図であり、(C)は底面図解図であり、(D)は断面図解図である。
図13A】本発明の第1の実施の形態の変形例の槽体システムの一部を断面とした図解図であり、(A)は正断面図解図であり、(B)は(A)のA-A断面図解図である。
図13B】本発明の第1の実施の形態の変形例の槽体システムの分解した状態における一部を断面とした正面図解図である。
図14】本発明の第1の実施の形態の変形例の水流を示す断面図解図である。
図15】本発明の第1の実施の形態の変形例の封水領域を示す断面図解図である。
図16】本発明の第2の実施の形態である槽体システムの一部を断面とした正面図解図である。
図17A】本発明の第2の実施の形態である槽体システムの分解した状態における一部を断面とした正面図解図である。
図17B】本発明の第2の実施の形態である槽体システムの一部を断面とした正面図解図である。
図18】本発明の第2の実施の形態の水流を示す断面図解図である。
図19】本発明の第2の実施の形態の封水領域を示す断面図解図である。
図20】本発明の第3の実施の形態である槽体システムの分解した状態における一部を断面とした斜視図解図である。
図21】本発明の第3の実施の形態のトラップの図解図であり、(A)は平面図解図であり、(B)は側面図解図であり、(C)は底面図解図であり、(D)は断面図解図である。
図22A】本発明の第3の実施の形態である槽体システムの分解した状態における一部を断面とした正面図解図である。
図22B】本発明の第3の実施の形態である槽体システムの一部を断面とした図解図であり、(A)は正断面図解図であり、(B)は(A)のA-A断面図解図である。
図23】本発明の第3の実施の形態の水流を示す断面図解図である。
図24】本発明の第3の実施の形態の封水領域を示す断面図解図である。
図25】本発明の第4の実施の形態であるトラップ付き槽体の斜視図解図である。
図26】本発明の第4の実施の形態である槽体、トラップ及び管体を分解した状態の斜視図解図である。
図27】本発明の第4の実施の形態のトラップの図解図であり、(A)は平面図解図であり、(B)は側面図解図であり、(C)は底面図解図であり、(D)は(A)のB-B断面図解図であり、(E)は(A)のA-A断面図解図である。
図28】(A)は、本発明の第4の実施の形態である槽体システムの一部を断面とした正面図解図であり、(B)は、A-A断面図解図である。
図29】本発明の第4の実施の形態の水流を示す断面図解図である。
図30】本発明の第4の実施の形態の封水領域を示す断面図解図である。
図31】本発明に係る槽体システムの説明図であり、(A)は槽体システムの正断面図解図であり、(B)は斜視図解図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(定義)
以下の説明において、記載される方向を、槽体システムの正断面図解図である図30(A)及び斜視図解図である図30(B)に従い、次のように定義する。
槽体及びトラップ部を正面に捉える側を手前側(正面側、前側)と言い、手前側の反対側を向こう側(背面側、後ろ側)と言う。槽体を正面から見て、右側を右又は右側と言い、正面から見て、左側を左又は左側と言う。
また、槽体を正面から見て、垂直方向を上下方向と言い、上下方向において、上側を上又は上側と言い、下側を下又は下側と言う。
【0010】
この発明にかかる槽体システム10は、槽体12の排水口20を囲繞する連設部16を有する有底筒型のトラップ部14を槽体12の排水口20周辺における槽体12の下部に配設された槽体システム10である。
前記トラップ部14は、槽体12の下部に連設された筒状の排水部30と、前記排水部30の筒内に形成された筒状の封水部32とを備え、
前記封水部32の槽体12側の端縁との間に空間部34が形成され、
前記封水部32の槽体12側の端縁は、前記排水部30の連設部16より低く、封水部32の空間部34側端縁の上方には、封水部32から排水部30に水を流す通水路18が形成され、
前記排水部30と封水部32とは、底部分で連結され、前記封水部32には封水領域80が形成され、
排水部30と封水部32との間に、封水部32の上方の空間部34と連通する排水路46が形成され、
前記封水部32から排水部30に流れ出た水を排水路46を経て排水口部50に導くように構成されている。
【0011】
前記トラップ部14は、槽体12の排水口20と、前記排水部30と封水部32とを連結する底部40に繋がる封水部32の底部40bに形成された管取り付け部との間に、管体60が架設され、
前記封水部32の封水領域80と前記管体60の封水領域80とが連通している。
【0012】
前記トラップ部14は、適宜な間隔をあけて形成された槽体12の排水口20とトラップ部14の底部40との間において、各種排水具100が取り付けられるように、各種排水具100の外形に対応して、底部40の排水具100及び/又は排水具100を緩挿される管体60を取り付けるための取り付け部62が形成され且つ排水口20と底部40との間隔が形成されている。
【0013】
前記トラップ部14は、排水部30の側部に排水口部50が配設され、前記封水部32から流れ出た水が排水路46を経て排水口部50に至り、外部に排水するように構成されている。
【0014】
前記トラップ部14は、槽体12の排水口20とトラップ部14の底部40に形成された管体取り付け部42との間において取り付けられた管体60が各種排水具100を取り付けられるように構成されている。
【0015】
前記槽体12の排水口20に排水具100が取り付けられ、槽体12から流入する水を排水具100を介して封水部32に導くように構成されている。
【0016】
(第1の実施の形態)
槽体システム10は、槽体12の排水口20を囲繞する連設部16を有する有底筒型のトラップ部14が、槽体12の排水口20の周辺における槽体12の下部に配設された、洗面器・手洗い器等の封水機能を備えた槽体の仕組みである。
【0017】
(槽体)
槽体12は、洗面器・手洗い器を構成する鉢ないしは椀型の器部12aの下部に、トラップ部14を連設する平板状の器底部12bを備えている。
前記器底部12bは、その中央に、平面視円形の排水口20が貫設されている。
槽体12は、陶磁器製、プラスチック製又は金属製である。
この実施の形態においては、槽体12とトラップ部14とは、連設部16において接続されて一体成型されている。
【0018】
(トラップ部)
前記トラップ部14は、横断面略二重円の有底筒型の封水構造を有するブロック状体であり、最も外側の円周壁の上の部分の連設部16において、前記槽体12の器底部12bの、平面状の下面の連設底部12cに連接されている。
【0019】
前記トラップ部14は、陶磁器製、プラスチック製又は金属製であり、前記槽体12の器部12aと一体成型されている。
前記トラップ部14は、前記槽体12の器底部12bの下の部分に連設されて、下方に向けて突き出し設けられている。
【0020】
前記トラップ部14は、槽体12の器部12aの器底部12bの下部に連設された筒状の排水部30と、前記排水部30の筒内に形成された筒状の封水部32とを備える。
前記排水部30と封水部32とは、同心円状で、前記封水部32は、排水部30を構成する最も外側の横断面円形の筒型の外周壁部38の内側に、封水部32を構成する横断面円形の筒型の内周壁部36が、適宜な間隔を空けて配設されて、内周壁部36の内側に封水領域80が構成されている。
【0021】
前記封水部32を構成する内周壁部36の連設部16の側の端縁は、排水部30を構成する外周壁部38の連設部16より低く、上部にある槽体12の器底部12bの下面との間には空間部34が形成されている。
【0022】
排水部30を構成する外周壁部38の下側及び封水部32を構成する内周壁部36の下側には、底部40が形成されている。
前記底部40は、封水部32を構成する横断面円形の筒型の内周壁部36の下側に形成された底部40bに、取り付け部42を構成する管取り付け孔である貫通孔が穿設されている。
前記貫通孔は、排水具100及び/又は管体60を取り付けるための取り付け部42を構成しており、前記槽体12の器底部12bに形成された排水口20と向き合うように形成されている。
前記取り付け部42を構成する貫通孔と排水口20とは、槽体12及びトラップ部14の中心を通る中心線X-X1をその中心として同心円状に、配設されており、略同一形状の平面視円形の孔で構成されている。
従って、後述する円筒状の管体60は、排水口20と封水部32の底部40bの取り付け部42を構成する管取り付け孔である貫通孔とに嵌挿して、槽体12とトラップ部14の封水部32との間に架け渡されている。
【0023】
前記トラップ部14は、適宜な間隔をあけて形成された槽体12の排水口20とトラップ部14の底部40との間において各種排水具100が取り付けられるように、各種排水具100の外形に対応して、排水具100を取り付けるための底部40の取り付け部42が形成され且つ排水口20と底部40との間隔が形成されている。
【0024】
前記トラップ部14は、槽体12の排水口20とトラップ部14の底部40に形成された管体60及び排水具100を取り付けるための取り付け部42を構成する管取り付け孔との間において取り付けられた管体60が、各種排水具100を管の内部空間に取り付けられるように、各種排水具100の外形に対応した形状である円筒状体に形成されている。
【0025】
この発明の第1の実施の形態においては、底部40に形成された管体60を取り付けるための断面円形の取り付け部42を構成する貫通孔の直径が、排水具100の外形よりも若干大きく形成され、また、底部40aの取り付け部42を構成する管取付孔が管体60の外形よりも若干大きな円形の貫通孔であり、その直径が管体60の外形よりも若干大きく形成されている。
【0026】
前記排水部30を構成する外周壁部38と封水部32を構成する内周壁部36とは、トラップ部14の底部40を構成する、排水部30の底部40aで連結され、且つ前記底部40aは、封水部32の底部40を構成する底部40bと連結されている。
【0027】
排水部30を構成する外周壁部38と封水部32を構成する内周壁部36との間に架設された底部40aは、それらの間の空間を塞いでおり、排水部30を構成する外周壁部38と封水部32を構成する内周壁部36との間には、排水口部50に連通する通水路18を構成する排水路46が形成されている。
【0028】
前記排水部30と封水部32との間を繋ぐ底部40aは、封水部32の底部40bより低く形成されており、排水部30を構成する外周壁部38と封水部32を構成する内周壁部36との間に形成された排水路46に溜まる水が封水部32に逆流することはないように構成されている。
【0029】
前記トラップ部14は、槽体12の排水口20と、前記排水部30を構成する外周壁部38と封水部32を構成する内周壁部36とを連結する底部40aに繋がる封水部32の底部40bに取り付け部42を構成する管体取り付け孔たる貫通孔が形成され、取り付け部42を構成する貫通孔と槽体12の器底部12bの排水口20との間に、管体60が架設されている。
【0030】
前記トラップ部14は、排水部30を構成する外周壁部38の側部に排水口部50が配設され、前記封水部32から流れ出た水が排水路46を経て排水口部50に至り、外部に排水するように構成されている。
【0031】
封水部32に溜まった水は、トラップ14内の水路の圧力変動、蒸発などで減少する。そのため、トラップ部14の封水深(ウェアからディップまでの垂直距離)は、50mm以上100mm以下となっている。
【0032】
この発明の実施の形態においては、トラップ部14の封水部32は、それを構成する横断面円形の筒型の内周壁部36の内側に封水領域80(第1封水領域80a)が形成される。
そして、管体60は、その上部、即ち封水部32の底部40bより上の領域において、封水領域(第2封水領域80b)が形成されているとともに、封水部32の底部40bより下の領域において、封水領域80(第3封水領域80c)が形成されている。
この発明の実施の形態においては、トラップ部14の封水部32の封水領域80(第1封水領域80a)と管体60の封水領域80(第2封水領域80b及び第3封水領域80 c)とは、繋がっており、深水深(封水部32の上部と管体60の封水領域80(第3封水領域80c)を構成する排水部30の(底部40を構成する)キャップ76との間)は、50mm以上100mm以下になるように、構成されている。
この発明の第1の実施の形態の槽体システム10は、封水強度、すなわち、排水管内に正圧または負圧が生じたときに、トラップ部14が封水を保持する能力に優れている。
【0033】
封水部32の連設部16側の端縁の上方の空間部34には、通水路18が形成されている。空間部34に形成された通水路18は、封水部32から溢れ出た水を排水部30の内側に形成された排水路46に導くための水路である。
【0034】
(管体)
管体60は、金属製ないしは樹脂製の円筒状体であり、筒部62dの内部に、排水金具などの各種排水具100を装填することができるように構成され、且つ、槽体12の器底部12bの排水口20から流れ込んだ水を通す通水路18を構成するとともに、器部12aから流れ込んだ水を溜めることができる封水領域80(第2封水領域80b及び第3封水領域80c)を構成するように、構成されている。
【0035】
管体60は、筒部62dの上端に、排水口20に係止することができるようにするための、取り付け部62を構成するフランジ部62aが、その上端において外側方向に向けて張り出し設けられている。
管体60は、それをトラップ部14に取り付けたとき封水部32の底部40bに位置する領域に、通水開口部62bが穿設されている。
【0036】
管体60は、その筒部62dの外周面に、雄ねじ62cが形成されている。
管体60は、槽体12の器底部12b及びトラップ部14の封水部32の封水領域80内に管体60を取り付けるための取り付け部材64により、槽体12に取り付けられている。
前記取り付け部材64は、下側から順に、キャップ76、パッキン74、ロックナット66、滑りパッキン68、三角パッキン70、スポンジパッキン72を所定位置に位置させて、管体60に螺合されないしは嵌合されて、管体60を槽体12に取り付けるように構成されている。
【0037】
管体60は、スポンジパッキン72の貫通孔内に、管体60の筒部62dが貫挿され、上端のフランジ部62aが槽体12の排水口20の口縁部分に係止固定されている。
管体60の上部は、フランジ部62aと槽体12の排水口20との間に、スポンジパッキン72を介して、槽体12の器底部12bに取り付けられている。
管体60は、中央の通水開口部62bの下部を封水部32の底40bの上に位置させて、底部40bの取り付け部42を構成する管取り付け孔たる貫通孔に嵌挿されている。
そして、管体60は、封水部32の底部40bの取り付け部材64の取り付け部44を構成する取り付け凹み部に、三角パッキン70、滑りパッキン68の順で添装され、次に、滑りパッキン68の下から、ロックナット66が雄ねじ62cに螺合されて、その中央部において、槽体12の器底部12bに固定されている。
【0038】
管体60は、その下端に、パッキン74を介して、キャップ76が取り付けられている。
キャップ76は、底部40を構成する。
而して、管体60は、その下端が封止され、水密性が保たれて、封水領域80(第2封水領域80b及び第3封水領域80c)が形成されている。
【0039】
この発明の第1の実施の形態においては、トラップ部14の封水部32は、それを構成する横断面円形の筒型の内周壁部36の内側に封水領域80(第1封水領域80a)が形成されている。
そして、管体60は、その上部、即ち封水部32の底部40bより上の領域において、封水領域(第2封水領域80b)が形成されているとともに、封水部32の底部40bより下の領域において、封水領域80(第3封水領域80c)が形成されている。
【0040】
この発明の第1の実施の形態においては、管体60は、封水部32の底部40bより上部の第1管体60A部分と、封水部32の底部40bより下部の第2管体60B部分とに分かれている。
前記第2管体60Bは、その下端の開口部分には、パッキン74を介して、底部40を構成するキャップ76が取り付けられている。
この第1の実施の形態においては、前記第2管体60Bに、第3封水領域80cが形成されている。
【0041】
(排水具)
前記槽体12の排水口20に取り付けられた管体60の開口部内に、排水具100が取り付けられている。
【0042】
この実施の形態においては、排水具100は、前記槽体12の排水口20及び管体60の筒部62d内に取り付けられ、槽体12の排水口20側の筒部62dから流入する水を排水具100を介して封水部32に導くように構成されている。
【0043】
前記槽体12の排水口20に取り付けられた管体60は、その筒部62dの開口部内即ち内側に排水具100が取り付けられている。
【0044】
前記槽体12の排水口20及び管体60の筒内に取り付けられた排水具100は、槽体12の器部12aから流入する水を排水具100を介して封水部32に導く通水路18を構成するように構成されている。
【0045】
排水具100は、排水口20を遮蔽することができる覆い体102と前記覆い体102の中心から垂下する基部104を有している。
前記基部104は、その上方に、排水具100を槽体12の排水口20に嵌合するための円盤状のパッキン部114を備えている。
パッキン部114は、弾性変形可能な材料、例えばゴムや樹脂などによって環状に形成されており、覆い体102の下部において基部104の外周側に取り付けられている。
【0046】
この実施の形態においては、前記排水具100は管体60の上部から覆い体102が離れて排水具100を通じて排水しうる排水姿勢となり、又、管体60の上部の排水口20に近い領域に嵌合されて栓姿勢となる。
【0047】
排水具100は、覆い体102が槽体12の排水口20より離れて上方に位置したとき、覆い体102と槽体12の排水口20との間に排水開口部108が形成されるように、構成されている。
【0048】
基部104は、その下方に、ゴミ取り網等で構成される異物除去部120が、付設されている。
基部104は、管体60の筒部62dの内部に適宜な固定構造によって取り付けられている。また、排水具100は、異物除去部120を管体60の筒部62dの内部に固定することによって、管体60に取付けられてもよい。
【0049】
この実施の形態においては、排水具100は、排水開口部108を通じて排水しうる排水姿勢と排水開口部108を通じての排水を禁止する栓姿勢とをとれるように、ポップアップ機構を備えている。
ポップアップ機構は、基部104の内部に配設されたバネ部材等による弾発機能を備え、覆い体102を押すとパッキン114を管体60の筒部62dの内部に嵌合して固定し、その嵌合された状態の覆い体102を再び押すと、上方に覆い体102を上昇させるように構成されている。
【0050】
前記槽体12は、その器部12aの器底部12bの近傍で、化粧台等の洗面・手洗い設備の天板に固定されるように、構成されている。
【0051】
(第1の実施の形態の変形例)
次に、前記第1の実施の形態の変形例である、槽体システム10について、主として図10ないし15に基づいて、説明する。
変形例の槽体12は、その槽体12の器部12aを支える、断面円形で筒型の器支持部26を介して、化粧台などの洗面・手洗い設備の槽体システム10に固定されるように、構成されていることに特徴を有している。
【0052】
なお、第1の実施の形態の変形例である槽体システム10の説明において、図3ないし9図示の第1の実施の形態である槽体システム10と共通の構成要件・要素については、同じ符号を付して、共通の構成要件・要素についての説明を省略することとする。
以下、第1の実施の形態の変形例である槽体システム10の特徴ある構成要件・要素を中心に説明する。
【0053】
器支持部26は、トラップ部14を構成する外周壁部38に形成された排水口部50に対向する領域に、排水口部材を嵌挿するための凹み部26aが穿設されている。
【0054】
槽体12は、その底部40を支える器支持部26を介して化粧台等の洗面・手洗い設備の天板に固定されるように、構成されている。
【0055】
この変形例の槽体システム10においては、器部12a及び器底部12bは、前記第1の実施の形態における器部12a及び器底部12bと同一の構成である。
又、トラップ部14及び管体60も、前記第1の実施の形態におけるトラップ部14及び管体60と同一の構成である。
管体60を器底部12b及びトラップ部14に取り付け部材64により取り付ける構造も、前記第1の実施の形態と同一の構成である。
【0056】
(第2の実施の形態)
次に、この発明の第2の実施の形態である槽体システム10について、図16から図19に基づいて説明する。
【0057】
この第2の実施の形態の槽体システム10においては、排水具100は、排水装置(排水管ユニット)200の駆動部材202に、支持部206を介して連結されていることに特徴を有している。
この第2の実施の形態の槽体システム10においては、トラップ部14は、前記第1の実施の形態のトラップ部14の構成と同じである。
【0058】
なお、第2の実施の形態である槽体システム10の説明において、図3ないし9図示の第1の実施の形態である槽体システム10と共通の構成要件・要素については、同じ符号を付して、共通の構成要件・要素についての説明を省略することとする。
以下、第2の実施の形態である槽体システム10の特徴ある構成要件・要素を中心に説明する。
【0059】
この第2の実施の形態の槽体システム10においては、器部12a及び器底部12bは、前記第1の実施の形態における器部12a及び器底部12bと同一の構成である。
又、トラップ部14及び管体60も、前記第1の実施の形態におけるトラップ部14及び管体60と同一の構成である。
管体60を器底部12b及びトラップ部14に取り付け部材64により取り付ける構造も、前記第1の実施の形態と同一の構成である。
取り付け部材64は、ロックナット66、滑りパッキン68、三角パッキン70、スポンジパッキン72、パッキン74及び(底部40を構成する)キャップ76により構成されている。
【0060】
この発明の第2の実施の形態においては、トラップ部14の封水部32は、それを構成する横断面円形の筒型の内周壁部36の内側に封水領域80(第1封水領域80a)が形成されている。
そして、管体60は、その上部、即ち封水部32の底部40bより上の領域において、封水領域(第2封水領域80b)が形成されているとともに、封水部32の底部分40bより下の領域において、封水領域80(第3封水領域80c)が形成されている。
【0061】
この発明の第2の実施の形態においては、管体60は、封水部32の底部40bより上部の第1管体60A部分と、封水部32の底部40bより下部の第2管体60B部分とに分かれている。
前記第2管体60B部分は、その下方に向けて伸びる第3管体60Cが配設されている。
【0062】
管体60は、筒部62dの上端に、排水口20に係止することができるようにするための、取り付け部62を構成するフランジ部62aが、その上端において外側方向に向けて張り出し設けられている。
管体60は、それをトラップ部14に取り付けたとき封水部32の底部40bに位置する領域に、通水開口部62bが穿設されている。
【0063】
管体60は、その筒部62dの外周面に、雄ねじ62cが形成されている。
管体60は、槽体12の器底部12b及びトラップ部14の封水部32の封水領域80内に管体60を取り付けるための取り付け部材64により、槽体12に取り付けられている。
前記取り付け部材64は、下側から順に、キャップ76、パッキン74、ロックナット66、滑りパッキン68、三角パッキン70、スポンジパッキン72を所定位置に位置させて、管体60に螺合されないしは嵌合されて、管体60を槽体12に取り付けるように構成されている。
【0064】
管体60は、スポンジパッキン72の貫通孔内に、管体60の筒部62dが貫挿され、上端のフランジ部62aが槽体12の排水口20の口縁部分に係止固定されている。
管体60の上部は、フランジ部62aと槽体12の排水口20との間に、スポンジパッキン72を介して、槽体12の器底部12bに取り付けられている。
管体60は、中央の通水開口部62bの下部を封水部32の底部40bの上に位置させて、底部40bの取り付け部42を構成する管取り付け孔たる貫通孔に嵌挿されている。
そして、管体60は、封水部32の底部40bの取り付け部材64の取り付け部44を構成する取り付け凹み部に、三角パッキン70、滑りパッキン68の順で添装され、次に、滑りパッキン68の下から、ロックナット66が雄ねじ62cに螺合されて、その中央部において、槽体12の器底部12bに固定されている。
【0065】
第3管体60C は、管体60の雄ねじ62cに駆動部材取り付け部212の上部の開口部内の雌ネジ部を螺合して、第2管体60Bに連結されている。
第3管体60C は、その側部に排水装置(排水管ユニット)200の伝達部材210を取り付ける駆動部材取り付け部212を備えており、駆動部材取り付け部212の内部には、伝達部材210と排水具100の取り付け部106とを取り付ける空間を備えている。
第3管体60Cの下端の開口部分には、パッキン74を介して、底部40を構成するキャップ76が取り付けられている。
この第2の実施の形態においては、前記第2管体60Bと第3管体60Cとの間に亘って、第3封水領域80cが形成されている。
【0066】
以下、この発明の第2の実施の形態である排水具100について、図16から図19に基づいて、説明する。
この第2の実施の形態である排水具100は、前記第1の実施の形態である槽体システム10が、排水具100に備えたポップアップ機能により、排水しうる排水姿勢と栓姿勢との間で動作するのに対し、排水具100とは別の排水装置(排水管ユニット)200により排水開口部108を通じて排水しうる排水姿勢と、排水開口部108を通じての排水を禁止する栓姿勢との間で動作可能に構成され、排水口20に挿脱自在に形成されているという相違がある。
【0067】
排水具100は、覆い体102の下部に基部104が取り付けられ、該基部104の周囲に、水を整流する案内部110が取り付けられている。
案内部110は、基部104の上端から下端にわたって伸びる翼状の板体である。
【0068】
排水装置(排水管ユニット)200を構成する排水具100は、排水口20を開閉するために上下動可能な構造を備えている。
排水装置(排水管ユニット)200は、管体60の筒内に配置された排水具100の覆い体102を、上下動させる機能を有する駆動部材202を備える。
駆動部材202は、円柱状で排水具100の覆い体102側から、管体60の内部の下方に向けて伸びる基部104の下部から、突出した状態で設けられた、支持部206を備えている。
【0069】
支持部206は、操作部材208の変位に伴い往復移動する伝達部材210と、駆動部材202により、接続されている。
支持部206は、操作部材208の変位に伴って伝達部材210が往復運動することにより、上下動する。
排水具100は、排水口20の開閉を行うためのユニットであり、管体60の上方から、管体60の中に設置可能とされるとともに、管体60から取り外し可能に形成されている。
この第2の実施の形態においては、管体60の上方から、排水具100を嵌入させることにより、管体60に、排水具100を配置させることができ、又、管体60の上方に向けて、覆い体102を引き上げることで、管体60から、覆い体102を取り外すことができる。
【0070】
管体60は、上端のフランジ部62aを槽体12の排水口20の口縁部分に係止固定させ、中央の通水開口部62bの下部を封水部32の底部40bの上に位置させて、底部40bの取り付け部42を構成する管取り付け孔たる貫通孔に嵌挿されている。
【0071】
排水装置(排水管ユニット)200を構成する排水具100は、金属、または樹脂などからなる円盤状のブラインドプレートを構成する覆い体102と、排水口栓を構成する覆い体102の下部に取り付けられたパッキン部114と備えている。
パッキン部114は、弾性変形可能な材料、例えばゴムや樹脂などによって環状に形成されており、覆い体102の下部の基部104の外周側に取り付けられている。
【0072】
そして、前記操作部材208の変位に伴い、伝達部材210が往動し、支持部206が、上に動き、排水具100が上動して、パッキン部114が、管体60より離間することで、排水具100の覆い体102は、管体60から解放される。
一方、前記操作部材208の変位に伴い、伝達部材210が復動し、支持部206が下方に移動し、排水具100が下方に移動し、覆い体102のパッキン部114の外周部分の全域が、管体60の筒内に接触することにより、排水口20が、閉鎖される。
【0073】
(水流)
この第2の実施の形態の槽体システムにおいては、槽体12の器部12aから管体60に流れ込んだ水は、図18に示すように、管体60の内部を下方に流れ込み、第3管体60Cの内部にまで流れ込んだところで上方に向けて上昇し、通水開口部62bより封水部32内に流れ込み、封水部32の封水領域80から排水部30に至り、排水口部50から外部に流れる。
そして、図19に示すように、一定の量の水が、封水部32の封水領域80、管体60の第2封水領域80b及び第3封水領域80c内に留まり、封水となる。
【0074】
(第3の実施の形態)
次に、この発明の第3の実施の形態である槽体システム10について、図20から図24に基づいて説明する。
【0075】
この発明の第3の実施の形態においては、トラップ部14の下方に、トラップ部14に続いて排水空間部52が連接されていることに特徴がある。
排水空間部52は、トラップ14の排水部30を構成する外周壁部38とほぼ同一の横断面形状を備えており、トラップ部14の底部40aの下方に、排水のための排水空間が形成されている。
【0076】
なお、第3の実施の形態である槽体システム10の説明において、図3ないし図9図示の第1の実施の形態である槽体システム10と共通の構成要件・要素については、同じ符号を付して、共通の構成要件・要素についての説明を省略することとする。
以下、第3の実施の形態である槽体システム10の特徴ある構成要件・要素を中心に説明する。
【0077】
この第3の実施の形態の槽体システム10においては、器部12a及び器底部12bは、前記第1の実施の形態における器部12a及び器底部12bと同一の構成である。
又、第1の管体60Aは、前記第1の実施の形態における管体60と同一の構成である。
第1の管体60Aを器底部12b及びトラップ部14に第1の取り付け部材64Aにより取り付ける構造も、前記第1の実施の形態の取り付け部材64により取り付ける構造と同一の構成である。
第1の取り付け部材64Aは、ロックナット66、滑りパッキン68、三角パッキン70、スポンジパッキン72、パッキン74及び(底部40を構成する)キャップ76により構成されている。
【0078】
(トラップ部)
前記トラップ部14は、横断面略二重円の有底筒型の封水構造を有するブロック状体であり、最も外側の円周壁の上の部分の連設部16において、前記槽体12の器底部12bの、平面状の下面の連設底部12cに連接されている。
【0079】
前記トラップ部14は、陶磁器製、プラスチック製又は金属製であり、前記槽体12の器部12aと一体成型されている。
前記トラップ部14は、前記槽体12の器底部12bの下の部分に連設されて、下方に向けて突き出し設けられている。
【0080】
前記トラップ部14は、槽体12の器部12aの器底部12bの下部に連設された筒状の排水部30と、前記排水部30の筒内に形成された筒状の封水部32とを備える。
前記排水部30と封水部32とは、同心円状で、前記封水部32は、排水部30を構成する最も外側の横断面円形の筒型の外周壁部38の内側に、封水部32を構成する横断面円形の筒型の内周壁部36が、適宜な間隔を空けて配設されて、内周壁部36の内側に封水領域80が構成されている。
【0081】
前記封水部32を構成する内周壁部36の連設部16の側の端縁は、排水部30を構成する外周壁部38の連設部16より低く、上部にある槽体12の器底部12bの下面との間には空間部34が形成されている。
【0082】
排水部30を構成する外周壁部38の下側及び封水部32を構成する内周壁部36の下側には、底部40が形成されている。
前記底部40は、封水部32を構成する横断面円形の筒型の内周壁部36の下側に形成された底部40bに、取り付け部42を構成する管取り付け孔である貫通孔が穿設されている。
前記貫通孔は、排水具100及び/又は管体60を取り付けるための取り付け部42を構成しており、前記槽体12の器底部12bに形成された排水口20と向き合うように形成されている。
前記取り付け部42を構成する貫通孔と排水口20とは、槽体12及びトラップ部14の中心を通る中心線X-X1をその中心として同心円状に、配設されており、略同一形状の平面視円形の孔で構成されている。
従って、後述する円筒状の第1の管体60Aは、排水口20と封水部32の底部40bの取り付け部42を構成する管取り付け孔である貫通孔とに嵌挿して、槽体12とトラップ部14の封水部32との間に架け渡されている。
【0083】
前記トラップ部14は、適宜な間隔をあけて形成された槽体12の排水口20とトラップ部14の底部40との間において各種排水具100が取り付けられるように、各種排水具100の外形に対応して、排水具100を取り付けるための底部40の取り付け部42が形成され且つ排水口20と底部40との間隔が形成されている。
【0084】
前記トラップ部14は、槽体12の排水口20とトラップ部14の底部40に形成された第1の管体60A及び排水具100を取り付けるための取り付け部42を構成する管取り付け孔との間において取り付けられた第1の管体60Aが、各種排水具100を管の内部空間に取り付けられるように、各種排水具100の外形に対応した形状である円筒状体に形成されている。
【0085】
この発明の第3の実施の形態においては、底部40に形成された第1の管体60Aを取り付けるための断面円形の取り付け部42を構成する貫通孔の直径が、排水具100の外形よりも若干大きく形成され、また、底部40bの取り付け部42を構成する管取付孔が第1の管体60Aの外形よりも若干大きな円形の貫通孔であり、その直径が第1の管体60Aの外形よりも若干大きく形成されている。
【0086】
前記排水部30を構成する外周壁部38と封水部32を構成する内周壁部36とは、トラップ部14の底部40を構成する、排水部30の底部40aで連結され、且つ前記底部40aは、封水部32の底部40を構成する底部40bと連結されている。
【0087】
排水部30を構成する外周壁部38と封水部32を構成する内周壁部36との間に架設された底部40aは、それらの間の空間を架け渡されており、排水部30を構成する外周壁部38と封水部32を構成する内周壁部36との間には、排水口部50に連通する通水路18を構成する第1排水路46Aが形成されている。
【0088】
前記トラップ部14は、槽体12の排水口20と、前記排水部30を構成する外周壁部38と封水部32を構成する内周壁部36とを連結する底部40aに繋がる封水部32の底部40bに取り付け部42を構成する管体取り付け孔たる貫通孔が形成され、取り付け部42を構成する貫通孔と槽体12の器底部12bの排水口20との間に、第1の管体60Aが架設されている。
【0089】
トラップ部14は、排水部30を構成する外周壁部38と封水部32を構成する内周壁部36との間の形成された排水路40の底部40aを介して、排水路40と排水空間部52とが連通している。
この第3の実施の形態においては、排水部30を構成する底部40aに、水を通す通水路18を構成するための孔40a1が、穿設されている。
而して、トラップ部14側の第1排水路46Aと排水空間部52側の第2排水路46Bとが連通する。
【0090】
この第3の実施の形態においては、排水部30を構成する外周壁部38の下方に、排水空間部52を形成するための外周壁部38が連接されており、排水空間部52を形成する外周壁部38の下端には排水空間部52の底部40を構成する底部40cが形成されている。
底部40cには、取り付け部(管取り付け孔)42及び取り付け部(凹み部)44が形成されている。
【0091】
この発明の第3の実施の形態においては、トラップ部14の封水部32は、それを構成する横断面円形の筒型の内周壁部36の内側に封水領域80(第1封水領域80a)が形成される。
【0092】
そして、管体60は、筒部62dの上部、即ち封水部32の底部40bより上の領域において、封水領域(第2封水領域80b)が形成されている。
管体60は、封水部32の底部40bより下の領域において、その筒内に、封水領域80(第3封水領域80c)が形成されている。
【0093】
この発明の第3の実施の形態においては、管体60は、封水部32の底部40bより上部の第1管体60A部分と、封水部32の底部40bより下部の第2管体60B部分とに分かれている。
第2管体60Bは、前記排水空間部52に流れ込んだ水を、再び第2管体60Bの内部に導き入れるための排水開口部108が穿設されている。
【0094】
第1管体60Aは、その外周面に雄ねじ62cが形状されている。
第1管体60Aは、槽体12の器底部12b及びトラップ部14の封水部32の封水領域80内に、第1管体60を取り付けるための第1取り付け部材64Aにより、槽体12に取り付けられている。
前記第1取り付け部材64Aは、下側から順に、キャップ76、パッキン74、ロックナット66、滑りパッキン68、三角パッキン70、スポンジパッキン72を所定位置に位置させて、第1管体60Aに螺合されないしは嵌合されて、第1管体60Aを槽体12に取り付けるように、構成されている。
【0095】
第1管体60Aは、スポンジパッキン72の貫通孔内に、第1管体60Aの筒部62dが貫挿され、上端のフランジ部62aを槽体12の排水口20の口縁部分に係止固定されている。
第1管体60Aの上部は、フランジ部62aと槽体12の排水口20との間に、スポンジパッキン72を介して、槽体12の器底部12bに取り付けられている。
第1管体60Aは、中央の通水開口部62bの下部を封水部32の底部40bの上に位置させて、底部40bの取り付け部42を構成する管取り付け孔たる貫通孔に嵌挿されている。
そして、第1管体60Aは、封水部32の底部40bの取り付け部材64の取り付け部44を構成する取り付け凹み部に、三角パッキン70、滑りパッキン68の順で添装され、次に、滑りパッキン68の下から、ロックナット66が雄ねじ62cに螺合されて、その中央部が、トラップ部14の底部40(40b)に固定されている。
【0096】
第2管体60Bは、筒部62dの外周面に雄ねじ62cが形状されている。
第2管体60Bは、トラップ部14の底部40aに、第2管体60Bを取り付けるための取り付け部材64Bにより取り付けられている。
取り付け部材64Bは、下側から順に、ロックナット66、滑りパッキン68、三角パッキン70を位置させて、第2管体60Bに螺合されないしは嵌合されて、第2管体60Bをトラップ部14の底部40aに取り付けるように、構成されている。
【0097】
第2管体60Bの上部は、トラップ部14の封水領域80の下部の底部40に取り付けられた第1管体60Aの下端のキャップ76に接して、トラップ部14の排水空間部52の底部40cに取り付けられている。
第2管体60Bは、中央の排水開口部108の下部を、排水空間部52の底部40cの上に位置させて、底部40cの取り付け部42を構成する管取り付け孔たる貫通孔に嵌挿されている。
そして、第2管体60Bは、トラップ部14の排水空間部52の底部40cの取り付け部材64の取り付け部44を構成する取り付け凹み部に、三角パッキン70、滑りパッキン68の順で添装され、次に、滑りパッキン68の下から、ロックナット66が雄ねじ62cに螺合されて、その中央部が、トラップ部14の排水空間部52の底部40cに固定されている。
第2管体60Bは、通水開口部62bが底部40aの上部に位置して、その上部が46B内に伸びている。そして、第2管体60Bは、その下部が底部40cの下方に伸びている。
【0098】
封水部32に溜まった水は、トラップ14内の水路の圧力変動、蒸発などで減少する。そのため、トラップ部14の封水深(ウェアからディップまでの垂直距離)は、50mm以上100mm以下となっている。
【0099】
この発明の第3の実施の形態においては、トラップ部14の封水部32は、それを構成する横断面円形の筒型の内周壁部36の内側に封水領域80(第1封水領域80a)が形成される。
そして、管体60は、その上部、即ち封水部32の底部40bより上の領域において、封水領域(第2封水領域80b)が形成されているとともに、封水部32の底部40bより下の領域において、封水領域80(第3封水領域80c)が形成されている。
この発明の第3の実施の形態においては、トラップ部14の封水部32の封水領域80(第1封水領域80a)と第1の管体60Aの封水領域80(第2封水領域80b及び第3封水領域80 c)とは、繋がっており、深水深(封水部32の上部と第1の管体60Aの封水領域80(第3封水領域80c)を構成する排水部30の(底部40を構成する)キャップ76との間)は、50mm以上100mm以下になるように、構成されている。
この発明の第1の実施の形態の槽体システム10は、封水強度、すなわち、排水管内に正圧または負圧が生じたときに、トラップ部14が封水を保持する能力に優れている。
【0100】
封水部32の連設部16側の端縁の上方の空間部34には、通水路18が形成されている。空間部34に形成された通水路18は、封水部32から溢れ出た水を排水部30の内側に形成された排水路46Aに導くための水路である。
【0101】
(水流)
この第3の実施の形態の槽体システム10においては、槽体12の器部12aから管体60に流れ込んだ水は、図23に示すように、管体60の内部を下方に流れ込み、筒部62dの内部にまで流れ込んだところで、通水開口部62bより封水部32内に流れ込み、封水部32の封水領域80から排水部30に至り、底部40aの孔40a1から、排水空間部52の第2排水路46Bに流れ込む。その第2排水路46Bに流れ込んだ水は、第2管体60Bの排水開口部108から、第2管体60Bの筒部62dの中に入り込み、外部に流れ出る。
そして、一定の量の水が、封水部32の封水領域80及び第1管体60Aの封水領域80(第1封水領域80a、第2封水領域80b、第3封水領域80c)内に留まり、封水となる。
【0102】
(第4の実施の形態)
次に、この発明の第4の実施の形態である槽体システム10について、主として図25から図30に基づいて説明する。
【0103】
この発明の第4の実施の形態である槽体システム10は、前記槽体12が、器部12aの外周に沿って、器部12aの上部に形成されたオーバーフロー孔22から出たオーバーフロー水を、前記排水部30の内側の排水路46に導くオーバーフロー水排水路22aが付設されていることに特徴がある。
【0104】
なお、第4の実施の形態である槽体システム10の説明において、図3ないし9図示の第1の実施の形態である槽体システム10と共通の構成要件・要素については、同じ符号を付して、共通の構成要件・要素についての説明を省略することとする。
以下、第4の実施の形態である槽体システム10の特徴ある構成要件・要素を中心に説明する。
【0105】
この第4の実施の形態の槽体システム10においては、器部12a及び器底部12bは、排水口22、オーバーフロー水排水路22a及び凸条22bを除き、前記第1の実施の形態における器部12a及び器底部12bと同一の構成である。
トラップ14は、オーバーフロー水排水路22aとの連結部分を除いて、前記第1の実施の形態の槽体12に配設されたトラップ14と同じ構成である。
又、管体60は、前記第1の実施の形態における管体60と同一の構成である。
管体60を器底部12b及びトラップ部14に取り付け部材64により取り付ける構造も、前記第1の実施の形態と同一の構成である。
取り付け部材64は、ロックナット66、滑りパッキン68、三角パッキン70、スポンジパッキン72、パッキン74及び(底部40を構成する)キャップ76により構成されている。
【0106】
この第4の実施の形態においては、槽体12の器部12aの外周面に、オーバーフロー孔22からトラップ部14の外周壁部38に繋がる凸条22bが形成されている。
凸条22bは、器部12aの外周面より膨出された細長い凸状体であり、外周壁部38の一部に形成された凹み部38aに繋がっている。
凸条22bと器部12aとの間に形成されたオーバーフロー水排水路22a は、内周壁部36に繋がっており、オーバーフロー水排水路22aから流れ込んだオーバーフロー水が封水部32に流れ込むように形成されている。
【0107】
外周壁部38は、凹み部38aの上端の連設部16と凹み部38a以外の領域の連設部16とが、器底部12bに連設されている。
内周壁部36は、その一部にオーバーフロー水排水路22aが形成されている以外は、前記第1の実施の形態の器底部12bに配設されたトラップ部14と同じ構成である。
【0108】
管体60は、前記第1の実施の形態の管体60と同じ構成であり、トラップ部14に同じように取り付けられている。
【0109】
封水部32に溜まった水は、トラップ14内の水路の圧力変動、蒸発などで減少する。そのため、トラップ部14の封水深(ウェアからディップまでの垂直距離)は、50mm以上100mm以下となっている。
【0110】
この発明の第4の実施の形態においては、トラップ部14の封水部32は、それを構成する横断面円形の筒型の内周壁部36の内側に封水領域80(第1封水領域80a)が形成される。
そして、管体60は、その上部、即ち封水部32の底部40bより上の領域において、封水領域(第2封水領域80b)が形成されているとともに、封水部32の底部40bより下の領域において、封水領域80(第3封水領域80c)が形成されている。
この発明の第4の実施の形態においては、トラップ部14の封水部32の封水領域80(第1封水領域80a)と管体60の封水領域80(第2封水領域80b及び第3封水領域80 c)とは、繋がっており、深水深(封水部32の上部と管体60の封水領域80(第3封水領域80c)を構成する排水部30の(底部40を構成する)キャップ76との間)は、50mm以上100mm以下になるように、構成されている。
この発明の第4の実施の形態の槽体システム10は、封水強度、すなわち、排水管内に正圧または負圧が生じたときに、トラップ部14が封水を保持する能力に優れている。
【0111】
封水部32の連設部16側の端縁の上方の空間部34には、通水路18が形成されている。空間部34に形成された通水路18は、封水部32から溢れ出た水を排水部30の内側に形成された排水路46に導くための水路である。
【0112】
(水流)
この第4の実施の形態の槽体システム10においては、槽体12の器部12aから管体60に流れ込んだ水は、図29に示すように、管体60の内部を下方に流れ込み、第3管体60Cの内部にまで流れ込んだところで上方に向けて上昇し、通水開口部62bより封水部32内に流れ込み、封水部32の封水領域80から排水部30に至り、排水口部50から外部に流れる。
又、オーバーフロー水排水路22a から流れ込んだオーバーフロー水は、内周壁部36内の封水領域80内に流れ込み、封水部32の封水領域80から排水部30に至り、排水口部50から外部に流れ出る。
そして、一定の量の水が、封水部32の封水領域80(第1封水領域80a)及び管体60の封水領域80(第2封水領域80b、第3封水領域80c)内に留まり、封水となる。
【0113】
本発明に係る槽体システム10は、公知の種々の排水具を取り付けることができるように、トラップ部14及び管体60が形成されている。
トラップ14は、排水具100を取り付けるための封水部32の底部40(40b)及び排水具100を取り付けるための封水部32の底部40(40b)に穿設された管取付孔の幅W2が、排水具100の最大幅W1より広い長さに形成されている。
管体60は、筒部62dの内径W4及び外径W5が排水具100の最大幅W1より、若干長い長さに形成されている。
トラップ部14は、器底部12bに形成された排水口20の幅W3と底部40(40b)に形成された管取り付け孔の幅W2とが、排水具100の最大幅W1より広い長さに形成されている。
【0114】
以上のように、本発明の実施の形態は、前記記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。
すなわち、本発明の技術的思想及び目的の範囲から逸脱することなく、以上説明した実施の形態に対し、機序、形状、材質、数量、位置又は配置等に関して、様々の変更を加えることができるものであり、それらは、本発明に含まれるものである。
【符号の説明】
【0115】
10 槽体システム
12 槽体
12a 器部
12b 器底部
12c 連設底部
14 トラップ部
16 連設部
18 通水路
20 排水口
22 オーバーフロー孔
22a オーバーフロー水排水路
22b 凸条
26 器支持部
26a 凹み部

30 排水部
32 封水部
34 空間部
36 内周壁部
38 外周壁部
38a 凹み部
40 底部
40a (排水部の)底部
40b (封水部の)底部
40c (排水空間部の)底部
40a1 孔
42 (管体の)取り付け部(管取り付け孔)
44 (取り付け部材の)取り付け部(凹み部)
46 排水路
46A 第1排水路
46B 第2排水路

50 排水口部
52 排水空間部

60 管体
60A 第1管体
60B 第2管体
60C 第3管体
62 取り付け部
62a フランジ部
62b 通水開口部
62c 雄ねじ
62d 筒部
64 取り付け部材
64A 第1取り付け部材
64B 第2取り付け部材

66 ロックナット
68 滑りパッキン
70 三角パッキン
72 スポンジパッキン
74 パッキン
76 (底部40を構成する)キャップ

80 封水領域
80a 第1封水領域
80b 第2封水領域
80c 第3封水領域

100 排水具
102 覆い体
104 基部
106 取り付け部
108 排水開口部
110 案内部
114 パッキン

120 異物除去部

200 排水装置(排水管ユニット)
202 駆動部材
206 支持部
208 操作部材
210 伝達部材
212 駆動部材取り付け部

300 吐出装置
302 吐出装置本体
304 吐出口
306 操作部
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13A
図13B
図14
図15
図16
図17A
図17B
図18
図19
図20
図21
図22A
図22B
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31