(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022170421
(43)【公開日】2022-11-10
(54)【発明の名称】突起部用洗浄装置および突起部洗浄方法
(51)【国際特許分類】
B08B 3/02 20060101AFI20221102BHJP
E04G 23/02 20060101ALI20221102BHJP
B05B 3/02 20060101ALI20221102BHJP
【FI】
B08B3/02 F
E04G23/02 Z
B05B3/02 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021076527
(22)【出願日】2021-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】000132161
【氏名又は名称】株式会社スギノマシン
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】志水 勇介
(72)【発明者】
【氏名】荒川 武彦
【テーマコード(参考)】
2E176
3B201
4F033
【Fターム(参考)】
2E176BB03
3B201AA46
3B201AB52
3B201BB23
3B201BB43
3B201BB62
3B201BB90
3B201BB93
4F033PA01
4F033PB02
4F033PD02
(57)【要約】
【課題】ケーシング内で気密性を維持したうえで、洗浄ユニットを移動可能とすることで、突起部を有するワーク表面を洗浄する。
【解決手段】高圧水供給源Pから高圧水Lを供給される洗浄ユニット3と、洗浄ユニット3と連結する回転駆動部4と、洗浄ユニット3および回転駆動部4を移動させる移動部5と、突起部用洗浄装置1の本体2の前部に配置され、洗浄対象であるワークBを囲うケーシング6と、を備え、洗浄ユニット3は、先端に配置するノズル3dにおいて、ワークBの内側方向に高圧水Lを噴射する複数の噴射孔3eを有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高圧水を噴射する洗浄ユニットと、
前記洗浄ユニットと連結する回転駆動部と、
前記洗浄ユニットおよび回転駆動部を移動させる移動部と、
突起部用洗浄装置の本体の前部に配置され、洗浄対象であるワークを囲うケーシングと、を備え、
前記洗浄ユニットは、先端に配置するノズルにおいて、前記ワークの内側方向に前記高圧水を噴射する複数の噴射孔を有する、突起部用洗浄装置。
【請求項2】
前記移動部は、内部空間内に、エア供給源からエアを供給されるエア室と、前記エア室を仕切るピストンと、前記ピストンを前記ケーシングに支持する支持部と、を有する、請求項1に記載の突起部用洗浄装置。
【請求項3】
前記回転駆動部は、前記回転駆動部の駆動に伴い回転する回転軸と、前記回転軸と前記洗浄ユニットを連結する連結部と、を有する、請求項1または2に記載の突起部用洗浄装置。
【請求項4】
前記洗浄ユニットは、洗浄ユニット本体内に、前記回転駆動部と連結する回転体と、前記高圧水を供給する高圧水供給路と、を有する、請求項1~3のいずれかに記載の突起部用洗浄装置。
【請求項5】
前記ケーシングは、前記ケーシングの先端に、外側方向に広がる周縁部を形成するともに、ブラシを有する、請求項1~4のいずれかに記載の突起部用洗浄装置。
【請求項6】
前記ケーシングと連結し、洗浄後の高圧水を外部に排出する排出部を有する、請求項1~5のいずれかに記載の突起部用洗浄装置。
【請求項7】
前記請求項1記載の突起部用洗浄装置を用いた突起部洗浄方法であって、
洗浄対象であるワークの先端の突起部を洗浄した後、前記移動部の駆動によって、前記洗浄ユニットおよびノズルを前記ワークの基端側に移動させ、ワーク側部を洗浄する、突起部洗浄方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボルトやナット等の突起部を有するワークの洗浄、塗装剥離、または錆除去作業をするための突起部用洗浄装置および突起部洗浄方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、外壁の洗浄、塗装剥離、また錆除去等(以下、総じて、洗浄という)の各種洗浄作業において、球状の研磨材を用いるブラストを用いた洗浄や、化学剤を用いた洗浄等もあるが、洗浄後の回収作業やコストの観点から、高圧ガンからウォータージェットをワークに噴射し、ワークの表面を洗浄する方法が多く採用されている。
【0003】
例えば、特開昭60―183078号公報(以下、「特許文献1」)に記載の高圧水噴射洗浄ガンは、洗浄後の排液の飛散を防止するためのブラシで加工エリアを囲いながら洗浄する装置が用いられていた。
【0004】
また、特開2005―105753号公報(以下、「特許文献2」)に記載のウォータージェットノズルは、壁面処理におけるノズルに着脱自在なアタッチメントを取り付けることにより、凹凸平面、入隅、および出隅といったコンクリート面の様々な部位に適格かつ迅速に対応させていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開昭60―183078号公報
【特許文献2】特開2005―105753号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1に記載の高圧水噴射洗浄ガンや、特許文献2に記載のウォータージェットノズルは、洗浄後の排液を飛散させずに、洗浄することを目的としており、ウォータージェットの圧力、流量等に対する適切なノズルの位置を調整することまでは想定されていなかった。
【0007】
また、ブラシやケーシング等でワークを囲うことで、凹凸状の平面や段差を移動させることに重きが置かれていたが、ワーク自体が突起部等を有している場合、ワーク表面に対して適切な洗浄を行なうためには、さらなる工夫が期待されていた。
【0008】
本発明は、ケーシング内で気密性を維持したうえで、洗浄ユニットを移動可能とすることで、突起部を有するワーク表面を洗浄するための突起部用洗浄装置および突起部洗浄方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の突起部用洗浄装置は、高圧水を噴射する洗浄ユニットと、前記洗浄ユニットと連結する回転駆動部と、前記洗浄ユニットおよび回転駆動部を移動させる移動部と、突起部用洗浄装置の本体の前部に配置され、洗浄対象であるワークを囲うケーシングと、を備え、前記洗浄ユニットは、先端に配置するノズルにおいて、前記ワークの内側方向に前記高圧水を噴射する複数の噴射孔を有する。
【0010】
本発明の突起部洗浄方法は、本発明の突起部用洗浄装置を用い、洗浄対象であるワークの先端の突起部を洗浄した後、前記移動部の駆動によって、前記洗浄ユニットおよびノズルを前記ワーク(B)の基端側に移動させ、ワーク側部を洗浄する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ケーシング内で気密性を維持したうえで、洗浄ユニットを移動可能とすることで、突起部を有するワーク表面を洗浄するための突起部用洗浄装置および突起部洗浄方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明に係る実施形態の突起部用洗浄装置を示す斜視図
【
図2】(a)実施形態の突起部用洗浄装置(移動前)を示す断面図、(b)実施形態の突起部用洗浄装置(移動後)を示す断面図
【
図3】(a)実施形態の突起部用洗浄装置(移動前)のノズル位置を示す断面図、(b)実施形態の突起部用洗浄装置(移動後)のノズル位置を示す断面図
【
図4】実施形態の突起部用洗浄装置の詳細を示す断面図
【
図5】別の実施形態の突起部用洗浄装置の詳細を示す断面図
【
図6】突起部用洗浄装置を移動機構に取り付けた状態を示した斜視図
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら説明する。
【0014】
(突起部用洗浄装置の構成)
本実施形態の突起部用洗浄装置1は、橋梁や道路や外壁の洗浄、塗装剥離、また錆除去等の各種洗浄作業において、ボルトやナット等の突起部を有するワーク(洗浄対象)を洗浄するためのものである。
図1に示すように、突起部用洗浄装置1は、高圧水供給源P(
図4参照)から高圧水L(
図3参照)を供給される洗浄ユニット3と、洗浄ユニット3と連結する回転駆動部4と、洗浄ユニット3および回転駆動部4を移動させる移動部5(
図4参照)と、突起部用洗浄装置の本体2の前部に配置され、ワークBを囲うケーシング6と、を備える。
【0015】
洗浄ユニット3は、10~250MPaの高圧水Lを噴射するためのものである。
図4に示すように、洗浄ユニット3は、洗浄ユニット本体3a内に、回転駆動部4と連結する回転体3bと、高圧水Lを供給する高圧水供給路3cと、を有する。
【0016】
洗浄ユニット本体3aは、突起部用洗浄装置1の本体2に固定されており、洗浄ユニット本体3a内に配置される回転体3bが回転可能に配置されている。回転体3bの内部には、高圧水供給路3cが通っている。高圧水供給路3cは高圧水供給源Pから高圧水Lが供給される流路である。また、洗浄ユニット3の先端には、高圧水Lを噴射するノズル3dが連結しており、ノズル3dには、ワークB(
図1参照)の内側方向に高圧水Lを噴射する複数の噴射孔3eを配置する。なお、ノズル3dや噴射孔3eは、直射、平射等から最適なものを選択できるとともに、個数も単数または複数であってもよい。
例えば、本明細書中においては、2つの噴射孔3eを設け、中心軸に対して内側に高圧水Lを噴射する形態としているが、4つの噴射孔3eを設け、2つの噴射孔3eは中心軸に対して内側に高圧水Lを噴射し、その他の2つの噴射孔3eは中心軸に対して外側に高圧水Lを噴射する形態等が想定できる。
その他、ノズルの位置(高さ、幅等)、角度は、ワークBの表面形状(平坦、凹凸、ねじ溝等)に応じて、変更することができる。
【0017】
複数の噴射孔3eとして、
図3に示すように、第1の噴射孔3e1と、第2の噴射孔3e2を有する場合、第1の噴射孔3e1と第2の噴射孔3e2の距離W1を、ワークBの幅W2よりも大きく形成するとともに、ノズル3dのワークBの接地面への垂直方向のノズル長さH1を、ワーク側部B2の高さH2の1/2 以上に形成することが好ましい。このような構成によれば、ワークBの全面に対して、高圧水Lを噴射することができる。さらに、噴射孔3eの角度を30~45°とすることによって、ワーク側部B2の接地点(円)まで高圧水Lを噴射することができる。
その他、ノズルの位置(高さ、幅等)、角度は、ワークBの表面形状(平坦、凹凸、ねじ溝等)に応じて、変更することができる。
【0018】
回転駆動部4は、洗浄ユニット3の回転体3bを回転させるためのものである。市販のエアモータ等を用いる。
図4に示すように、回転駆動部4は、回転駆動部4の駆動に伴い回転する回転軸4aと、回転軸4aと洗浄ユニット3を連結する連結部4bと、を有する。連結部4dとしては、ベルト等を用いて、回転軸4aの回転を回転体3bに伝達することで、ノズル3dを含めた洗浄ユニット2の内部が回転する構成である。その他、単数または複数の歯車を利用して回転を伝達する方法等であってもよい。
【0019】
移動部5は、洗浄ユニット3および回転駆動部4を回転軸の延在方向に移動させるためのものである。ワークBが上下左右方向のうち、下面に存在する場合、突起部用洗浄装置1は、下向きに配置された状態となるが、その場合、移動部5は、上下方向に移動することで、洗浄ユニット3(ノズル3d)の位置を調整する(例えば、
図1参照)。
また、ワークBが上下左右方向のうち、左右方向の面に存在する場合、突起部用洗浄装置1は横向きに配置された状態となるが、その場合、移動部5は、左右方向に移動することで、洗浄ユニット3(ノズル3d)の位置を調整する(例えば、
図4、5参照)。
【0020】
図4に示すように、移動部5は、突起部用洗浄装置1の本体2に配置され、内部空間5aを有する。内部空間5aには、エア供給源Aからエアを供給されるエア室5bと、エア室5bを仕切るピストン5cが配置される。エア室5b内のエア量を調整することによって、ピストン5cの位置が変化し、その結果、突起部用洗浄装置1の本体2が移動するものである。また、ピストン5cは、支持部5dによって、ケーシング6と連結する。なお、移動部5は、洗浄ユニット3を移動させる構造であればよく、ボールねじを利用した移動機構や、ガイドレールを利用した移動機構等であってもよい。
【0021】
ケーシング6は、ワーク(B)を囲い込み、気密性の高い洗浄空間を形成するものである。ケーシング6は、突起部用洗浄装置1の本体2の前部に連結されるとともに、一端が塞がった有底の円筒状、多角形状等であり、内部に洗浄ユニット3の先端部のノズル3dが配置される。
なお、突起部用洗浄装置1の設置部位が鉄骨等の場合には、ケーシング6の先端に磁石を設置してもよい。磁石は、ケーシング6の周縁部6aの円周上に均一に配置するのが好ましい。このような構成によれば、突起部用洗浄装置1を付着させるためのサポート機能を得ることができる。
【0022】
また、
図2(a)、(b)に示すように、ケーシング6は、ケーシング6の先端に、外側方向に広がる周縁部6aを形成するともに、ブラシ6bを有することで、ケーシング6内の気密性を向上できる。ブラシ6bは、少なくとも、ワークBの高さよりも高いものであればよい。
【0023】
また、突起部用洗浄装置1は、
図1のような設置式として構成することもできるが、
図4に示すように、ケーシング6にハンドル7を設ける形式や、
図5に示すように、突起部用洗浄装置1の本体2にハンドル7を設ける形式等とすることもできる。
【0024】
また、ケーシング6と連結し、洗浄後の高圧水Lを外部に排出する排出部8を有することで、排液の処理が簡易な構成とすることができる。
図1に示すように、排出部8は、外部に吸引装置(不図示)を有し、ケーシング6の内部に連結する。
【0025】
また、洗浄ユニット3は、ケーシング6を貫通する形で配置されており、移動部3の駆動によって、昇降する。そうした昇降時に洗浄ユニット3とケーシング6の隙間から洗浄後の高圧水Lが漏れ出ないように、洗浄ユニット3のケーシング6内またはケーシング6外にシール部材11(
図2参照)を配置することもできる。シール部材11は、洗浄ユニット3の摺動性を維持しながら、シール性を維持することのできる構成である。
【0026】
また、制御装置9(
図4および
図5参照)を配置して、エア供給源Aから供給するエア量(回転駆動部4の回転数、移動部5の昇降量)、高圧水供給源Pから供給する高圧水L量を制御することもできる。この場合、制御装置9の数値を設定する操作盤(不図示)に直接手動で操作することもできるし、別途、タブレット端末10(
図4および
図5参照)と操作盤(不図示)を連動できるように構成し、遠隔で操作することもできる。
【0027】
次に、本実施形態の突起部洗浄方法について説明する。
【0028】
(突起部洗浄方法)
具体的なワークBとして、ボルトやナット等のように突起部を有しているものを対象として、洗浄する場合を説明する。ボルト・ナットは、間にワッシャを設ける場合も含む。
図3に示すように、ワークBは、上部にワーク先端部B1を有し、側部にワーク側部B2を有する。なお、突起部を有する部材は、ボルトやナットに限定されるものではなく、他のものであってもよい。例えば、平面部から突出したアンカーを備える部材や、ボルトやナットが設けられていない単なる段差部や凹凸を備えた部材や、平面部にブロック状の部品を固定して形成された突起部を備えた部材であってもよい。
【0029】
まず、ケーシング6をワークBを囲うように位置決めする。次に、高圧水供給源Pから高圧水Lを洗浄ユニット3内に供給し、ノズル3dから高圧水Lを噴射し、ワークBのワーク先端部B1を洗浄する(
図3の(a)参照)。
洗浄ユニット3(ノズル3d)の初期位置は、ワークBとの距離が十分にあることで、第1の噴射孔3e1と第2の噴射孔3e2のそれぞれから噴射される高圧水Lがクロスした状態となり、クロスした高圧水Lがワーク先端部B1に対して衝突することによって、ワーク先端部B1の中心を洗浄する。さらに、エア供給源Aからエアを供給することで、移動部5を起動させると、洗浄ユニット3の位置が下方に移動し、高圧水Lがクロスしなくなるが、ワーク先端部B1の中心から外周方向に対して、洗浄をする。さらに、エア供給源Aからエアを供給することで、移動部5を起動させると、洗浄ユニット3の位置が下方に移動し、ワーク先端部B1の側面のねじ溝に対して、洗浄をする。
なお、その際、回転駆動部4を駆動することで、洗浄ユニット3内の回転体3bが回転し、ノズル3dを回転させながらワーク先端部B1を洗浄することもできる。このようにノズル3dを回転させると、ワークがボルト・ナットである場合に、ワーク先端部B1の側面の周方向に形成されるねじ溝に沿って高圧水Lが噴射される。よって、溝の内部まで適宜洗浄することができる。
【0030】
次に、エア供給源Aからエアを供給することで、移動部5を起動させ、洗浄ユニット3の位置をワークBのワーク側部B2に近い側まで移動させる。そして、ノズル3dから高圧水Lを噴射し、ワークBのワーク側部B2の前面に対して洗浄する(
図3の(b)参照)。
【0031】
洗浄作業が終了後は、エア室5bからエアを抜くことで、洗浄ユニット3の位置を元に戻す。さらに、高圧水供給源Pから高圧水Lの供給を停止する。
【0032】
ワーク突起部B1を洗浄した後、移動部5の駆動によって、洗浄ユニット3およびノズル3dをワーク側部B2に近い側まで移動させ、ワーク側部B2を洗浄することによって、ボルト等の突起物を有するワークBの全面を洗浄することができる。
なお、ワーク先端部B1およびワーク側部B2の表面は、平坦状の場合もあるが、凹凸形状や溝形状になっていることも多く、従来の突起部洗浄方法ではそうした凹凸や溝の内部にまで細かく洗浄を施すことができなかったため、従来よりも洗浄時間を効率化させることができる。
【0033】
また、ワークBの場合のワーク先端部B1からワーク側部B2の順に洗浄する工程で想定する洗浄精度が得られない場合は、移動部5による洗浄ユニット3の昇降移動を複数回繰り返すことで、ワークBを往復して洗浄することもできる。
さらに、移動部5による洗浄ユニット3の昇降移動のタイミング(均一の時間で昇降することや、停止と昇降を組み合わせること等)は、適宜、ワークBの状況に応じて、設定することもできる。
【0034】
また、
図1に示すように、ワークB(ボルトやナット等)は、1か所だけに存在しているものではなく、壁面や床面に複数存在しているケースも多い。そうした場合には、突起部用洗浄装置1を搬送機構を配置して、前後左右方向に移動できる構成とすることもできる。
【0035】
さらに、
図6に示すように、横型の突起部用洗浄装置1をXY軸の移動機構20に設置して遠隔操作することもできる。移動機構20は、縦ガイドレール21と、縦ガイドレール21に昇降可能に設置された横ガイドレール22とを備えている。横ガイドレール21は、縦ガイドレール22に沿って昇降する昇降機構23によって昇降する。突起部用洗浄装置1は、横ガイドレール21に沿って横行する横行機構24に取り付けられており、横ガイドレール21に沿って横行する。縦ガイドレール21は、洗浄する壁面や、壁面を備えた建築物が建てられた地盤等に固定される。突起部用洗浄装置1,昇降装置23および横行装置24は、例えば、図示しないタブレット端末によって遠隔操作を行う。
【0036】
以上、本発明は上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0037】
1 突起部用洗浄装置
2 本体
3 洗浄ユニット
3a 洗浄ユニット本体
3b 回転体
3c 高圧水供給路
3d ノズル
3e 噴射口
4 回転駆動部
4a 回転軸
4b 連結部
5 移動部(エアシリンダ)
5a 内部空間
5b エア室
5c ピストン
5d 支持部
6 ケーシング
6a 周縁部
6b ブラシ
7 ハンドル
8 排出部
9 制御装置
10 タブレット端末
P 高圧水供給源
A エア供給源
L 高圧水
B ボルト
B1 ボルト突起部
B2 ボルト側部