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特開2022-170430評価システム、評価基板、評価方法、及び評価プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022170430
(43)【公開日】2022-11-10
(54)【発明の名称】評価システム、評価基板、評価方法、及び評価プログラム
(51)【国際特許分類】
   G01N 1/28 20060101AFI20221102BHJP
   B05C 11/00 20060101ALI20221102BHJP
   B05C 9/14 20060101ALI20221102BHJP
   B05D 7/00 20060101ALI20221102BHJP
   B05D 3/00 20060101ALI20221102BHJP
   G02F 1/13 20060101ALI20221102BHJP
【FI】
G01N1/28 M
B05C11/00
B05C9/14
B05D7/00 K
B05D3/00 D
G02F1/13 101
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021076550
(22)【出願日】2021-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100139686
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 史朗
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【弁理士】
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(72)【発明者】
【氏名】水谷 瞭太
(72)【発明者】
【氏名】山本 準一
(72)【発明者】
【氏名】大久保 幸太朗
【テーマコード(参考)】
2G052
2H088
4D075
4F042
【Fターム(参考)】
2G052AA13
2G052HA12
2G052HC35
2G052HC44
2G052JA07
2H088FA12
2H088FA18
2H088HA04
2H088HA12
4D075AC02
4D075AC71
4D075AC88
4D075AC91
4D075AC96
4D075BB24Z
4D075BB26Z
4D075BB33Z
4D075BB41Z
4D075BB91Z
4D075BB92Z
4D075BB93Z
4D075BB95Z
4D075CA47
4D075CA48
4D075DA07
4D075DC21
4D075DC22
4D075DC24
4D075EA05
4D075EA45
4F042AA06
4F042AB00
4F042BA25
4F042CA03
4F042DB04
4F042DB25
4F042DF25
4F042DH09
(57)【要約】
【課題】凹凸パターンのある下地基板において、凹凸パターンの凹凸を覆う被覆層を効率よく評価する。
【解決手段】評価システムは、種類の異なる複数の凹凸パターンが形成された下地基板である評価基板の上に、前記凹凸パターンの凹凸を覆う評価対象の被覆層を指定された材料及び形成条件によって形成する対象形成装置と、前記被覆層が形成された前記評価基板の3次元情報を検出する検出部と、設定された前記被覆層の材料及び評価条件に基づいて、前記対象形成装置に、前記評価基板の上に前記被覆層を形成させる形成処理と、前記検出部が検出した3次元情報に基づいて、前記被覆層の形成状態を評価し、前記被覆層の材料の種類と、前記評価条件と、当該評価結果とを対応付けて評価結果記憶部に記憶させる評価処理と、を実行する制御部とを備える。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
種類の異なる複数の凹凸パターンが形成された下地基板である評価基板の上に、前記凹凸パターンの凹凸を覆う評価対象の被覆層を、指定された材料及び形成条件によって形成する対象形成装置と、
前記被覆層が形成された前記評価基板の3次元情報を検出する検出部と、
設定された前記被覆層の材料及び評価条件に基づいて、前記対象形成装置に、前記評価基板の上に前記被覆層を形成させる形成処理と、前記検出部が検出した3次元情報に基づいて、前記被覆層の形成状態を評価し、前記被覆層の材料の種類と、前記評価条件と、当該評価結果とを対応付けて評価結果記憶部に記憶させる評価処理とを実行する制御部と
を備えることを特徴とする評価システム。
【請求項2】
前記制御部は、
前記被覆層の材料及び前記評価条件を変更して、前記形成処理及び前記評価処理を繰り返し実行し、
前記評価結果記憶部が記憶する前記評価結果に基づいて、指定された前記評価条件に対して推奨される前記被覆層の材料を提案する提案処理を実行する
ことを特徴とする請求項1に記載の評価システム。
【請求項3】
前記評価条件には、前記被覆層の厚さ、前記凹凸パターンの種類、又は前記凹凸パターンの位置が含まれ、
前記被覆層の形成状態には、前記被覆層の被覆性が含まれ、
前記制御部は、
前記提案処理において、前記評価結果記憶部が記憶する前記評価結果に基づいて、指定された前記被覆層の厚さ又は前記凹凸パターンの種類に対して推奨される前記被覆層の材料の種類を提案する
ことを特徴とする請求項2に記載の評価システム。
【請求項4】
前記評価基板には、前記凹凸パターンの上に、所定の大きさ及び形状の疑似異物が形成されており、
前記評価条件には、前記疑似異物の大きさ及び形状が含まれる
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の評価システム。
【請求項5】
前記被覆層が、液晶表示装置のカラーフィルタ上に形成されるオーバーコート層であり、
前記対象形成装置は、前記評価基板の上に、前記オーバーコート層を塗布及び硬化して形成する
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の評価システム。
【請求項6】
前記被覆層が、液晶表示装置のカラーレジスト層であり、
前記対象形成装置は、前記評価基板の上に、前記カラーレジスト層を塗布、露光、硬化、及び現像処理して形成する
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の評価システム。
【請求項7】
下地基板上に配置された、種類の異なる複数の凹凸パターンと、
前記凹凸パターンの上に配置された、所定の大きさ及び形状の疑似異物と
を有し、前記凹凸パターンの凹凸を覆う評価対象の被覆層を評価する際に、指定された材料及び形成条件によって前記被覆層を形成可能であることを特徴とする評価基板。
【請求項8】
種類の異なる複数の凹凸パターンが形成された下地基板である評価基板の上に、前記凹凸パターンの凹凸を覆う評価対象の被覆層を指定された材料及び形成条件によって形成する対象形成装置と、前記被覆層が形成された前記評価基板の3次元情報を検出する検出部と、を備える評価システムにおける評価方法であって、
制御部が、設定された前記被覆層の材料及び評価条件に基づいて、前記対象形成装置に、前記評価基板の上に前記被覆層を形成させる形成処理ステップと、
前記制御部が、前記検出部が検出した3次元情報に基づいて、前記被覆層の形成状態を評価し、前記被覆層の材料の種類と、前記評価条件と、当該評価結果とを対応付けて評価結果記憶部に記憶させる評価処理ステップと
を含むことを特徴とする評価方法。
【請求項9】
種類の異なる複数の凹凸パターンが形成された下地基板である評価基板の上に、前記凹凸パターンの凹凸を覆う評価対象の被覆層を指定された材料及び形成条件によって形成する対象形成装置と、前記被覆層が形成された前記評価基板の3次元情報を検出する検出部と、を備える評価システムのコンピュータに、
設定された前記被覆層の材料及び評価条件に基づいて、前記対象形成装置に、前記評価基板の上に前記被覆層を形成させる形成処理ステップと、
前記検出部が検出した3次元情報に基づいて、前記被覆層の形成状態を評価し、前記被覆層の材料の種類と、前記評価条件と、当該評価結果とを対応付けて評価結果記憶部に記憶させる評価処理ステップと
を実行させるための評価プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、評価システム、評価基板、評価方法、及び評価プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、液晶や半導体などのデバイスを評価する場合には、評価を行う製造工程に用いる評価サンプルを作成して、評価を行っている。例えば、特許文献1には、半導体の接着剤を性能評価する手法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011-116968号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、例えば、表示装置用カラーフィルタでは、液晶表示用の電極(透明導電膜)を形成するため、液晶基板に形成された液晶のパターンの凹凸を平坦化するために、オーバーコート層を設けている。このオーバーコート層を評価する場合には、オーバーコート層の材料、形成条件、及び下地の凹凸パターン条件、等を変更して大量のサンプルを評価する必要があり、従来の評価手法では、効率よく評価することが困難であった。
【0005】
本発明は、上記問題を解決すべくなされたもので、その目的は、凹凸パターンのある下地基板において、凹凸パターンの凹凸を覆う被覆層を効率よく評価することができる評価システム、評価基板、評価方法、及び評価プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記問題を解決するために、本発明の一態様は、種類の異なる複数の凹凸パターンが形成された下地基板である評価基板の上に、前記凹凸パターンの凹凸を覆う評価対象の被覆層を、指定された材料及び形成条件によって形成する対象形成装置と、前記被覆層が形成された前記評価基板の3次元情報を検出する検出部と、設定された前記被覆層の材料及び評価条件に基づいて、前記対象形成装置に、前記評価基板の上に前記被覆層を形成させる形成処理と、前記検出部が検出した3次元情報に基づいて、前記被覆層の形成状態を評価し、前記被覆層の材料の種類と、前記評価条件と、当該評価結果とを対応付けて評価結果記憶部に記憶させる評価処理とを実行する制御部とを備えることを特徴とする評価システムである。
【0007】
また、本発明の一態様は、下地基板上に配置された、種類の異なる複数の凹凸パターンと、前記凹凸パターンの上に配置された、所定の大きさ及び形状の疑似異物とを有し、前記凹凸パターンの凹凸を覆う評価対象の被覆層を評価する際に、指定された材料及び形成条件によって前記被覆層を形成可能であることを特徴とする評価基板である。
【0008】
また、本発明の一態様は、種類の異なる複数の凹凸パターンが形成された下地基板である評価基板の上に、前記凹凸パターンの凹凸を覆う評価対象の被覆層を指定された材料及び形成条件によって形成する対象形成装置と、前記被覆層が形成された前記評価基板の3次元情報を検出する検出部と、を備える評価システムにおける評価方法であって、制御部が、設定された前記被覆層の材料及び評価条件に基づいて、前記対象形成装置に、前記評価基板の上に前記被覆層を形成させる形成処理ステップと、前記制御部が、前記検出部が検出した3次元情報に基づいて、前記被覆層の形成状態を評価し、前記被覆層の材料の種類と、前記評価条件と、当該評価結果とを対応付けて評価結果記憶部に記憶させる評価処理ステップとを含むことを特徴とする評価方法である。
【0009】
また、本発明の一態様は、種類の異なる複数の凹凸パターンが形成された下地基板である評価基板の上に、前記凹凸パターンの凹凸を覆う評価対象の被覆層を指定された材料及び形成条件によって形成する対象形成装置と、前記被覆層が形成された前記評価基板の3次元情報を検出する検出部と、を備える評価システムのコンピュータに、設定された前記被覆層の材料及び評価条件に基づいて、前記対象形成装置に、前記評価基板の上に前記被覆層を形成させる形成処理ステップと、前記検出部が検出した3次元情報に基づいて、前記被覆層の形成状態を評価し、前記被覆層の材料の種類と、前記評価条件と、当該評価結果とを対応付けて評価結果記憶部に記憶させる評価処理ステップとを実行させるための評価プログラムである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、凹凸パターンのある下地基板において、凹凸パターンの凹凸を覆う被覆層を効率よく評価することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】第1の実施形態による評価システムの構成例を示す図である。
図2】第1の実施形態による評価基板の一例を示す図である。
図3】第1の実施形態による評価基板の疑似異物の形成例を示す図である。
図4】第1の実施形態による評価システムの一例を示す機能ブロック図である。
図5】第1の実施形態における評価結果記憶部のデータ例を示す図である。
図6】第1の実施形態におけるオーバーコート層の形成例を示す図である。
図7】第1の実施形態による評価システムの評価処理の一例を示すフローチャートである。
図8】第1の実施形態による評価システムの提案処理の一例を示すフローチャートである。
図9】第2の実施形態による評価システムの構成例を示す図である。
図10】第2の実施形態におけるカラーレジスト層の形成例を示す図である。
図11】第2の実施形態による評価システムの一例を示す機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態による評価システム、評価基板、及び評価方法について、図面を参照して説明する。
【0013】
[第1の実施形態]
図1は、本実施形態による評価システム1の構成例を示す図である。
図1に示すように、評価システム1は、対象形成装置20と、計測ユニット30と、制御装置40とを備える。本実施形態では、評価対象の被覆層が、液晶表示装置のオーバーコート層(オーバーコートレジスト層)であり、評価システム1が、液晶表示装置のオーバーコート層の被覆性(被覆層の形成状態の一例)を評価する場合の一例について説明する。
【0014】
図1において、オーバーコート材OCは、オーバーコート層の評価に用いる材料であり、評価者によって指定されて、後述する対象形成装置20に用いられる。
評価基板10は、オーバーコート層の評価に用いる基板であり、種類の異なる複数の凹凸パターンが形成された下地基板である。ここで、図2及び図3を参照して、評価基板10の構成について説明する。
【0015】
図2は、本実施形態による評価基板10の一例を示す図である。
図2に示すように、評価基板10の主面(表面)は、複数の評価パターンPTが配置されており、各評価パターンPTには、種類の異なる複数の凹凸パターンが形成されている。図2に示す例では、各評価パターンPTは、格子パターンであるブラックマトリクスパターンPT1と、画素パターンPT2とが形成されている。ブラックマトリクスパターンPT1と、画素パターンPT2とは、凹凸パターンの一例である。
また、評価基板10は、図2に示すような評価パターンPTの上に、疑似異物が形成されている。ここで、図3を参照して、評価基板10の疑似異物の形成について説明する。
【0016】
図3は、本実施形態による評価基板10の疑似異物の形成例を示す図である。
図3(a)は、凹凸パターンPT3が基板SUB上に形成された評価基板10の平面図を示している。また、図3(b)は、図3(a)のAB線における断面図を示している。図3(b)に示すように、基板SUBの上に、凹凸パターンPT3が形成されている。
【0017】
また、図3(b)は、評価基板10の疑似異物の形成手法の一例を示している。
図3(b)に示すように、評価基板10の疑似異物は、例えば、ディスペンサ51、又はマニュピレータ52を用いて、評価基板10の凹凸パターンPT3の上に、所望の形状及び大きさに形成される。なお、ディスペンサ51、又はマニュピレータ52は、疑似異物形成装置50の一例であり、例えば、後述する制御装置40に制御によって、自動化して、疑似異物を形成するようにしてもよい。
【0018】
また、図3(d)は、疑似異物の形成後の評価基板10の一例の平面図を示している。また、図3(e)は、図3(e)のAB線における断面図を示している。
図3(d)及び図3(e)において、評価基板10には、凹凸パターンPT3の上に、疑似異物FS1と、疑似異物FS2とが形成されている。ここで、疑似異物FS1と、疑似異物FS2とは、形状、及び大きさ、等が異なる。
【0019】
このように、評価基板10は、下地基板SUB上に配置された、種類の異なる複数の凹凸パターン(例えば、凹凸パターンPT3など)と、凹凸パターンの上に配置された、所定の大きさ及び形状の疑似異物(例えば、疑似異物FS1、疑似異物FS2など)とを有する。評価基板10は、凹凸パターンの凹凸を覆う評価対象の被覆層を評価する際に、指定された材料及び形成条件によってオーバーコート材OCのオーバーコート層を形成可能である。
【0020】
なお、評価基板10は、1枚の基板の中で、凹凸パターンの形状及び大きさと、疑似異物の形状、大きさ、配置場所などを複数の水準を設けて変更させるようにしてもよい。また、統計的な傾向を見るために、評価基板10は、1枚の基板の中で、同一のパターン及び疑似異物を配置したものを所定の数有していてもよい。
【0021】
図1の説明に戻り、対象形成装置20は、指定された材料及び形成条件によって、評価基板10の上に、凹凸パターンの凹凸を覆う評価対象の被覆層であるオーバーコート層を形成する装置である。対象形成装置20は、評価対象の被覆層であり、評価基板10の凹凸パターンの凹凸を覆うようにオーバーコート層を形成する。
図1に示す例では、対象形成装置20は、塗布ユニット21と、乾燥ユニット22とを備える。
【0022】
塗布ユニット21は、評価基板10に、指定されたオーバーコート材OCを塗布する。塗布ユニット21は、制御装置40によって制御され、例えば、制御装置40によって指定された厚さにオーバーコート材OCを塗布する。
乾燥ユニット22は、塗布ユニット21が塗布したオーバーコート材OCのオーバーコート層を乾燥させて硬化させる。乾燥ユニット22は、例えば、制御装置40によって指定された温度、送風量、乾燥時間(硬化時間)などが制御される。なお、オーバーコート層の形成条件には、塗布の厚さ、硬化の温度、送風量、及び乾燥時間(硬化時間)などが含まれる。
【0023】
計測ユニット30(検出部の一例)は、オーバーコート層が形成された評価基板10の3次元情報を検出する。計測ユニット30は、撮像部31を備えており、撮像部31が撮像した画像データに基づいて、評価基板10の所定の位置の3次元情報を検出する。計測ユニット30は、制御装置40による制御に基づいて、3次元情報の計測を行い、計測
(検出)した3次元情報を制御装置40に出力する。
【0024】
制御装置40は、例えば、パーソナルコンピュータなどのコンピュータ装置であり、評価システム1を制御する。制御装置40は、対象形成装置20(塗布ユニット21及び乾燥ユニット22)を制御して、評価基板10にオーバーコート層を形成させるとともに、計測ユニット30を制御して、オーバーコート層が形成された評価基板10の3次元情報を取得させる。ここで、図4を参照して、制御装置40の詳細な構成について説明する。
【0025】
図4は、本実施形態による評価システム1の一例を示す機能ブロック図である。
図4に示すように、評価システム1は、対象形成装置20と、計測ユニット30と、制御装置40とを備え、対象形成装置20は、塗布ユニット21と、乾燥ユニット22とを備えている。また、計測ユニット30は、撮像部31を備えている。
また、制御装置40は、入力部41と、表示部42と、記憶部43と、制御部44とを備える。
【0026】
入力部41は、例えば、キーボードやマウスなどの入力デバイスであり、評価システム1が利用する各種情報を受け付ける。入力部41は、例えば、オーバーコート材OCの指定、評価条件の指定、要求条件の指定などに用いられる。
【0027】
表示部42は、例えば、液晶ディスプレイなどの表示装置であり、評価システム1が利用する各種情報を表示する。表示部42は、例えば、各種操作画面や、指定画面、入力画面の他、評価結果、推奨される提案情報(例えば、オーバーコート材OCの種類、製品名など)などを表示する。
【0028】
記憶部43は、評価システム1が利用する各種情報を記憶する。記憶部43は、評価条件記憶部431と、評価結果記憶部432と、提案結果記憶部433とを備える。
評価条件記憶部431は、オーバーコート層の評価を実行する際の評価条件を記憶する。評価条件には、オーバーコート材OCの種類、オーバーコート層の厚さ、評価基板10の凹凸パターンの種類、凹凸パターンの位置、疑似異物の大きさ、疑似異物の形状、疑似異物の位置などが含まれる。
【0029】
評価結果記憶部432は、評価システム1によって評価された評価結果を記憶する。評価結果記憶部432は、オーバーコート材OCの種類と、評価条件と、評価結果とを対応付けて記憶する。ここで、図5を参照して、評価結果記憶部432のデータ例について説明する。
【0030】
図5は、本実施形態における評価結果記憶部432のデータ例を示す図である。
図5において、評価結果記憶部432は、「オーバーコートの種類」と、「評価条件」と、「評価結果」とを対応付けて記憶する。ここで、「オーバーコートの種類」は、オーバーコート材OCの種類(オーバーコートの材料の種類)であり、例えば、オーバーコート材OCの「品番」(製品番号)及び「製造メーカ」である。なお、「オーバーコートの種類」は、オーバーコート層の材料を示す被覆層識別情報の一例である。
【0031】
また、「評価条件」は、評価において変更している評価条件を示し、例えば、「膜厚」が含まれる。ここで、「膜厚」は、オーバーコート層の層厚(膜厚)を示している。また、「評価結果」は、オーバーコート層の形成状態の評価結果であり、例えば、「被覆性」の評価結果を示している。ここでの「被覆性」の評価結果は、“〇”が良好(OK)であることを示し、“×”が不良(NG)であることを示している。また、“△”は、例えば、複数回の評価によって、所定の割合で、良好(OK)と不良(NG)との両方が含まれる場合などである。
【0032】
図5に示す例では、「品番」が“XXXABC”であり、「製造メーカ」が“○○○社”であるオーバーコート材OCは、「評価条件」の「膜厚」が“5”(μm(マイクロメートル))である場合に、「被覆性」の「評価結果」が、“×”(不良)であることを示している。また、同一のオーバーコート材OCにおいて、「評価条件」の「膜厚」が“20”(μm)である場合に、「被覆性」の「評価結果」が、“〇”(良好)であることを示している。
【0033】
図4に説明に戻り、提案結果記憶部433は、後述する提案処理において、指定された評価条件(要求条件)に対して推奨されるオーバーコート材OCの提案結果を記憶する。提案結果記憶部433は、例えば、評価条件(要求条件)と、提案結果とを対応付けて記憶する。
【0034】
制御部44は、例えば、CPU(Central Processing Unit)を含むプロセッサであり、評価システム1を統括的に制御する。制御部44は、形成処理部441と、評価処理部442と、提案処理部443とを備える。
【0035】
形成処理部441は、設定されたオーバーコート材OC、及び評価条件に基づいて、対象形成装置20に、評価基板10の上にオーバーコート層を形成させる形成処理を実行する。形成処理部441は、例えば、入力部41を介して、指定されたオーバーコート材OCの種類、及び評価条件に基づく制御を、対象形成装置20(塗布ユニット21及び乾燥ユニット22)に対して行って、評価基板10の上に、オーバーコート層を形成させる処理を実行する。なお、形成処理部441は、指定されたオーバーコート材OCの種類、及び評価条件などの情報を評価条件記憶部に記憶させる。
【0036】
評価処理部442は、計測ユニット30が検出した3次元情報に基づいて、オーバーコート層の形成状態(被覆性)を評価し、オーバーコート材OCの種類と、評価条件と、当該評価結果とを対応付けて評価結果記憶部432に記憶させる評価処理を実行する。評価処理部442は、例えば、図5に示すように、「オーバーコートの種類」の「品番」及び「製造メーカ」と、「膜厚」と、「評価結果」とを対応付けて、評価結果記憶部432に記憶させる。
【0037】
ここで、図6を参照して、オーバーコート層の形成及び評価について、具体例を説明する。
図6は、本実施形態におけるオーバーコート層の形成例を示す図である。
図6(a)は、評価基板10にオーバーコート層OC1の形成した結果、オーバーコート層OC1の被覆性に不良が生じている一例を示している。また、図6(b)は、図6(a)のAB線における評価基板10の断面図を示している。
【0038】
図6(a)及び図6(b)に示す例では、疑似異物FS1の上に、オーバーコート層OC1が正常に形成されていない「ハジキ」と呼ばれる不良が発生している。このよな場合に、評価処理部442は、評価結果として、“×”(NG)と判定する。
【0039】
また、図6(c)は、評価基板10にオーバーコート層OC2が正常に形成され、オーバーコート層OC2の被覆性に問題がない一例を示している。このよな場合に、評価処理部442は、評価結果として、“〇”(OK)と判定する。
【0040】
なお、制御部44は、オーバーコート材OC及び評価条件を変更して、形成処理部441による形成処理及び評価処理部442による評価処理を繰り返し実行する。この場合、制御部44は、対象形成装置20(塗布ユニット21及び乾燥ユニット22)と、計測ユニット30とを用いて、評価基板10に評価対象のオーバーコート層を形成し、評価する処理を人手を介さずに自動化して実行する。
【0041】
提案処理部443は、評価結果記憶部432が記憶する評価結果に基づいて、入力部41を介して、指定された評価条件(要求条件)に対して推奨されるオーバーコート材OCを提案する提案処理を実行する。提案処理部443は、例えば、提案処理において、評価結果記憶部432が記憶する評価結果に基づいて、指定されたオーバーコート層の厚さ又は凹凸パターンの種類に対して推奨されるオーバーコート材OCの種類(例えば、「品番」及び「製造メーカ」)を提案する。提案処理部443は、指定された評価条件(要求条件)、及び提案結果を提案結果記憶部に記憶させる。
【0042】
なお、制御部44は、評価処理部442が評価した評価結果(評価結果記憶部432が記憶する評価結果)や、提案処理部443が提案した提案情報(提案結果記憶部が記憶す提案情報る)を、入力部41の操作に応じて、表示部42に表示させてもよい。
【0043】
次に、図面を参照して、本実施形態による評価システム1の動作について説明する。
図7は、本実施形態による評価システム1の評価処理の一例を示すフローチャートである。
【0044】
図7に示すように、評価システム1の制御装置40は、まず、評価するオーバーコートの種類を設定する(ステップS101)。制御装置40の制御部44は、入力部41を介して設定されたオーバーコート材OCの種類を、評価条件記憶部431に記憶させる。また、評価者は、オーバーコート材OCを塗布ユニット21にセットする。
【0045】
次に、制御部44は、評価条件を設定する(ステップS102)。制御部44は、例えば、入力部41を介して設定された評価条件を、評価条件記憶部431に記憶させる。また、評価者は、評価基板10を評価システム1の塗布ユニット21に搬送されるようにセットする。
【0046】
次に、制御部44は、評価基板10にオーバーコートレジストを塗布、乾燥してオーバーコート層を形成する(ステップS103)。すなわち、制御部44の形成処理部441は、設定されたオーバーコート材OC、及び評価条件に基づいて、対象形成装置20に、評価基板10の上にオーバーコート層を形成させる形成処理を実行する。形成処理部441は、塗布ユニット21に、評価基板10の上にオーバーコート材OCを塗布させた後、乾燥ユニット22に乾燥させる制御を行って、評価条件によりオーバーコート層を形成させる。
【0047】
次に、制御部44は、評価基板10上の所定の箇所の3D情報(3次元情報)を取得する(ステップS104)。すなわち、制御部44の評価処理部442は、計測ユニット30を制御して、評価基板10上の所定の箇所の3D情報を取得する。
【0048】
次に、評価処理部442は、3D情報に基づいてオーバーコート層を評価する(ステップS105)。評価処理部442は、計測ユニット30から取得した3D情報に基づいて、図6に示すようなオーバーコート層の被覆性の不良(図6(a)及び図6(b)参照)、又は、被覆性の良好(図6(c)参照)を判定する。
【0049】
次に、評価処理部442は、評価結果を評価結果記憶部432に記憶させる(ステップS105)。評価処理部442は、例えば、図5に示すように、評価結果を評価結果記憶部432に記憶させる。
【0050】
次に、評価処理部442は、次の評価条件があるか否かを判定する(ステップS107)。評価処理部442は、次の評価条件がある場合(ステップS107:YES)に、処理をステップS108に進める。また、評価処理部442は、次の評価条件がない場合(ステップS107:NO)に、評価処理を終了する。
【0051】
ステップS108において、評価処理部442は、評価条件を変更する。評価処理部442は、例えば、評価条件記憶部431に記憶されている評価条件に基づいて次回に評価する評価条件を変更する。ステップS108の処理後に、評価処理部442は、処理をステップS103に進め、評価条件を変更して、形成処理及び評価処理を繰り返し実行させる。
【0052】
次に、図8を参照して、本実施形態による評価システム1の提案処理について説明する。
図8は、本実施形態による評価システム1の提案処理の一例を示すフローチャートである。
【0053】
図8に示すように、制御装置40の提案処理部443は、まず、オーバーコートの要求条件を取得する(ステップS201)。提案処理部443は、入力部41を介して、オーバーコート層の要求条件(例えば、オーバーコート層の要求膜厚)を取得する。
【0054】
次に、提案処理部443は、評価結果に基づいて、要求条件に対するオーバーコートの種類を提案する(ステップS202)。提案処理部443は、図5に示すような評価結果記憶部432が記憶する評価結果に基づいて、例えば、要求条件である膜厚が“〇”であるオーバーコートの種類を抽出して提案する。具体的に、要求条件である膜厚が、“10”(μm)以下である場合に、提案処理部443は、図5に示すような評価結果から、「品番」が“YY7000”であり、「製造メーカ」が“××〇社”のオーバーコート材OCを抽出し、提案結果として、表示部42に表示させる。提案処理部443は、ステップS202の処理後に、提案処理を終了する。
【0055】
なお、上述した図8に示す提案処理では、要求条件(評価条件)が、膜厚である場合を説明したが、例えば、評価基板10の凹凸パターンの種類、又は凹凸パターンの位置を要求条件(評価条件)とし、提案処理部443は、これらの要求条件に対して推奨されるオーバーコート材OCの種類を提案するようにしてもよい。
【0056】
以上説明したように、本実施形態による評価システム1は、対象形成装置20と、計測ユニット30(検出部)と、制御部44とを備える。対象形成装置20は、評価基板10の上に、凹凸パターンの凹凸を覆う評価対象の被覆層(例えば、オーバーコート層)を指定された材料及び形成条件によって形成する。ここで、評価基板10は、種類の異なる複数の凹凸パターンが形成された下地基板である。計測ユニット30は、被覆層(例えば、オーバーコート層)が形成された評価基板10の3次元情報を検出する。制御部44は、形成処理と、評価処理とを実行する。制御部44は、形成処理として、設定された被覆層の材料(例えば、オーバーコート材OC)及び評価条件に基づいて、対象形成装置20に、評価基板10の上に被覆層(例えば、オーバーコート層)を形成させる。制御部44は、評価処理として、計測ユニット30が検出した3次元情報に基づいて、被覆層(例えば、オーバーコート層)の形成状態(例えば、被覆性)を評価し、被覆層(例えば、オーバーコート層)の材料の種類と、評価条件と、当該評価結果とを対応付けて評価結果記憶部432に記憶させる。
【0057】
これにより、本実施形態による評価システム1は、対象形成装置20と計測ユニット30とを用いて、大量の評価処理を自動化して実行することができる。よって、本実施形態による評価システム1は、凹凸パターンのある下地基板において、凹凸パターンの凹凸を覆う被覆層(例えば、オーバーコート層)を効率よく評価することができる。また、本実施形態による評価システム1は、大量の評価処理を自動化できるため、同一条件による再現性を有した評価を実現することができる。
【0058】
また、本実施形態では、制御部44は、被覆層の材料(例えば、オーバーコート材OC)及び評価条件を変更して、形成処理及び評価処理を繰り返し実行する。また、制御部44は、評価結果記憶部432が記憶する評価結果に基づいて、指定された評価条件(要求条件)に対して推奨される被覆層の材料(例えば、オーバーコート材OC)を提案する提案処理を実行する。
【0059】
これにより、本実施形態による評価システム1は、評価条件を変更して大量の評価処理を自動化して実行することができる。よって、本実施形態による評価システム1は、評価条件を変更した被覆層の材料(例えば、オーバーコート材OC)のマージン確認を行うことができるため、例えば、適切な被覆層(例えば、オーバーコート層)の厚さで使用することが可能になる。
また、本実施形態による評価システム1は、指定された評価条件(要求条件)に対して推奨される被覆層の材料(例えば、オーバーコート材OC)を、評価結果に基づいて、適切に提案することができ、被覆層の材料(例えば、オーバーコート材OC)を選択する際の利便性を向上させることができる。
【0060】
また、本実施形態では、評価条件には、被覆層(例えば、オーバーコート層)の厚さ、凹凸パターンの種類、又は凹凸パターンの位置が含まれる。また、被覆層(例えば、オーバーコート層)の形成状態には、被覆層(例えば、オーバーコート層)の被覆性が含まれる。制御部44は、提案処理において、評価結果記憶部432が記憶する評価結果に基づいて、指定された被覆層(例えば、オーバーコート層)の厚さ又は凹凸パターンの種類に対して推奨される被覆層の材料の種類(例えば、オーバーコート材OCの種類)を提案する。
【0061】
これにより、本実施形態による評価システム1は、指定された被覆層(例えば、オーバーコート層)の厚さ又は凹凸パターンの種類に対して推奨される被覆層の材料の種類(例えば、オーバーコート材OCの種類)を適切、且つ効率よく提案することができる。
【0062】
また、本実施形態では、評価基板10には、凹凸パターンの上に、所定の大きさ及び形状の疑似異物が形成されており、評価条件には、疑似異物の大きさ及び形状が含まれる。
これにより、本実施形態による評価システム1は、異物に対する被覆層(例えば、オーバーコート層)の評価を適切、且つ効率よく行うことができる。本実施形態による評価システム1は、疑似異物を用いることで、異物に関して、同一条件を複数評価することができ、夾雑物への対応の程度を知ることができる。
【0063】
また、本実施形態では、被覆層が、液晶表示装置のカラーフィルタ上に形成されるオーバーコート層であり、対象形成装置20は、評価基板10の上に、オーバーコート層を塗布及び硬化して形成する。
これにより、本実施形態による評価システム1は、液晶表示装置のカラーフィルタ上に形成されるオーバーコート層の評価を効率よく行うことができる。
【0064】
また、本実施形態による評価基板10は、下地基板上に配置された、種類の異なる複数の凹凸パターンと、凹凸パターンの上に配置された、所定の大きさ及び形状の疑似異物とを有し、凹凸パターンの凹凸を覆う評価対象の被覆層(例えば、オーバーコート層)を評価する際に、指定された材料及び形成条件によって被覆層(例えば、オーバーコート層)を形成可能である。
【0065】
これにより、本実施形態による評価基板10は、上述した評価システム1と同様の効果を奏し、凹凸パターンのある下地基板において、凹凸パターンの凹凸を覆う被覆層(例えば、オーバーコート層)を効率よく評価することができる。
【0066】
また、本実施形態による評価方法は、上述した対象形成装置20と、計測ユニット30とを備える評価システム1における評価方法であって、形成処理ステップと、評価処理ステップとを含む。形成処理ステップにおいて、制御部44が、設定された被覆層の材料(例えば、オーバーコート材OC)及び評価条件に基づいて、対象形成装置20に、評価基板10の上に被覆層を形成させる。評価処理ステップにおいて、制御部44が、計測ユニット30が検出した3次元情報に基づいて、被覆層(例えば、オーバーコート層)の形成状態(例えば、被覆性)を評価し、被覆層の材料(例えば、オーバーコート材OC)の種類と、評価条件と、当該評価結果とを対応付けて評価結果記憶部432に記憶させる。
【0067】
これにより、本実施形態による評価方法は、上述した評価システム1と同様の効果を奏し、凹凸パターンのある下地基板において、凹凸パターンの凹凸を覆う被覆層(例えば、オーバーコート層)を効率よく評価することができる。
【0068】
[第2の実施形態]
次に、図面を参照して、第2の実施形態による評価システム1aについて説明する。
本実施形態では、評価対象の被覆層が、上述したオーバーコート層の代わりに、液晶表示装置のカラーレジスト層に適用した場合の変形例について説明する。
【0069】
図9は、本実施形態による評価システム1aの構成例を示す図である。
図9に示すように、評価システム1aは、対象形成装置20aと、計測ユニット30と、制御装置40aとを備える。本実施形態では、評価対象の被覆層が、液晶表示装置のオーバーコート層(オーバーコートレジスト層)であり、評価システム1aは、液晶表示装置のカラーレジスト層の形成状態を評価する。
なお、図9において、上述じた図1と同一の構成には、同一の符号を付与してその説明を省略する。
【0070】
図9において、カラーレジスト材CRは、カラーレジスト層の評価に用いる材料であり、評価者によって指定されて、後述する対象形成装置20aに用いられる。
評価基板10は、カラーレジスト層の評価に用いる基板であり、種類の異なる複数の凹凸パターンが形成された下地基板である。
【0071】
対象形成装置20aは、評価対象のカラーレジスト層を形成する装置であり、評価基板10の上に、カラーレジスト層を塗布及、露光、硬化、及び現像処理して形成する。対象形成装置20aは、塗布ユニット21と、搬送ロボット23と、露光装置24と、オーブン25と、現像装置26と、基板ステーション27とを備える。
【0072】
塗布ユニット21は、制御装置40aの制御に基づいて、カラーレジスト材CRを評価基板10の上に塗布する。また、搬送ロボット23は、基板ステーション27に配置された評価基板10を、露光装置24、オーブン25、及び現像装置26に搬送する。
露光装置24は、カラーレジスト材CRを塗布した評価基板10の露光処理を実行する。
【0073】
オーブン25は、露光された評価基板10に、所定の温度の風を送付して、カラーレジスト材CRを硬化させる。
現像装置26は、露光された評価基板10に現像処理を実行する。
【0074】
ここで、図10を参照して、評価対象のカラーレジスト層について説明する。
図10は、本実施形態におけるカラーレジスト層の形成例を示す図である。
図10(a)は、評価基板10のブラックマトリクスパターンBMに、カラーレジスト層(RR、GR、BR)を形成した状態の平面図である。また、図10(b)は、図10(a)のAB線における評価基板10の断面図を示している。なお、ブラックマトリクスパターンBMは、凹凸パターンの一例である。
【0075】
カラーレジスト層RRは、赤色のカラーレジスト層を示し、カラーレジスト層GRは、緑色のカラーレジスト層を示し、カラーレジスト層BRは、青色のカラーレジスト層を示している。また、図10(b)において、膜厚d1は、カラーレジスト層RRの膜厚を示し、ツノ段差d2は、一番高い部分の厚さを示している。
【0076】
また、図10(c)は、評価基板10の凹凸パターンPT4に、カラーレジスト層(RR、GR、BR)を積み上げて形成した状態の平面図である。ここでは、積み上げたカラーレジスト層は、スペーサ(カラーフィルタ基板と光源や液晶駆動部の基板との間のスペースを確保するための構造)に利用される。また、図10(d)は、図10(c)のAB線における評価基板10の断面図を示している。また、積層高さd3は、カラーレジスト層(RR、GR、BR)を積み上げて形成した部分の高さを示している。
【0077】
本実施形態では、評価対象の被覆層の形成状態には、上述した膜厚d1、ツノ段差d2、及び積層高さd3などが含まれる。
【0078】
図9に説明に戻り、制御装置40aは、例えば、パーソナルコンピュータなどのコンピュータ装置であり、評価システム1aを制御する。制御装置40aは、対象形成装置20a(塗布ユニット21、搬送ロボット23、露光装置24、オーブン25、現像装置26、及び基板ステーション27)を制御して、評価基板10にカラーレジスト層を形成させるとともに、計測ユニット30を制御して、カラーレジスト層が形成された評価基板10の3次元情報を取得させる。ここで、図11を参照して、制御装置40aの詳細な構成について説明する。
【0079】
図11は、本実施形態による評価システム1aの一例を示す機能ブロック図である。
図11に示すように、評価システム1aは、対象形成装置20aと、計測ユニット30と、制御装置40aとを備え、対象形成装置20aは、上述したように、塗布ユニット21と、搬送ロボット23と、露光装置24と、オーブン25と、現像装置26と、基板ステーション27とを備えている。
【0080】
また、制御装置40aは、入力部41と、表示部42と、記憶部43と、制御部44aとを備える。
制御部44aは、例えば、CPUを含むプロセッサであり、評価システム1aを統括的に制御する。制御部44aは、形成処理部441aと、評価処理部442aと、提案処理部443aとを備える。
【0081】
形成処理部441a、評価処理部442a、及び提案処理部443aは、上述したオーバーコート層の形成処理、評価処理、及び提案処理が、カラーレジスト層の形成処理、評価処理、及び提案処理に変更する点を除いて、第1の実施形態による形成処理部441、評価処理部442、及び提案処理部443と同様であるため、ここではその説明を省略する。
【0082】
以上説明したように、本実施形態による評価システム1aでは、被覆層が、液晶表示装置のカラーレジスト層であり、対象形成装置20aは、評価基板10の上に、カラーレジスト層を塗布及、露光、硬化、及び現像処理して形成する。
これにより、本実施形態による評価システム1aは、上述した評価システム1と同様の効果を奏し、凹凸パターンのある下地基板において、凹凸パターンの凹凸を覆う被覆層(例えば、オーバーコート層)を効率よく評価することができる。また、本実施形態による評価システム1aは、液晶表示装置のカラーレジスト層の評価を効率よく行うことができる。
【0083】
なお、本発明は、上記の各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
例えば、上記の実施形態において、評価対象の被覆層が、液晶表示装置のカラーフィルタ上に形成されるオーバーコート層、又はカラーレジスト層である例を説明したが、これに限定されるものではなく、他の被覆層に適用してもよい。
【0084】
また、上記の各実施形態において、制御装置40(40a)が備える記憶部43の一部又は全部を、制御装置40(40a)の外部に備えるようにしてもよい。例えば、記憶部43をネットワーク上のサーバ装置が備えるようにしてもよい。
【0085】
また、上記の各実施形態において、評価システム1(1a)は、疑似異物形成装置50を含まない構成として説明したが、疑似異物形成装置50を含む構成であってもよい。また、この場合、疑似異物形成装置50は、自動的に、設定条件に応じて、疑似異物を形成するようにしてもよい。
【0086】
なお、上述した評価システム1(1a)が備える各構成は、内部に、コンピュータシステムを有している。そして、上述した評価システム1(1a)が備える各構成の機能を実現するためのプログラム(例えば、評価プログラム)をコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより上述した評価システム1(1a)が備える各構成における処理を行ってもよい。ここで、「記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行する」とは、コンピュータシステムにプログラムをインストールすることを含む。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータシステム」は、インターネットやWAN、LAN、専用回線等の通信回線を含むネットワークを介して接続された複数のコンピュータ装置を含んでもよい。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。このように、プログラムを記憶した記録媒体は、CD-ROM等の非一過性の記録媒体であってもよい。
【0087】
また、記録媒体には、当該プログラムを配信するために配信サーバからアクセス可能な内部又は外部に設けられた記録媒体も含まれる。なお、プログラムを複数に分割し、それぞれ異なるタイミングでダウンロードした後に評価システム1(1a)が備える各構成で合体される構成や、分割されたプログラムのそれぞれを配信する配信サーバが異なっていてもよい。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、ネットワークを介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0088】
また、上述した機能の一部又は全部を、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路として実現してもよい。上述した各機能は個別にプロセッサ化してもよいし、一部、又は全部を集積してプロセッサ化してもよい。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、又は汎用プロセッサで実現してもよい。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いてもよい。
【符号の説明】
【0089】
1、1a 評価システム
10 評価基板
20、20a 対象形成装置
21 塗布ユニット
22 乾燥ユニット
23 搬送ロボット
24 露光装置
25 オーブン
26 現像装置
27 基板ステーション
30 計測ユニット
31 撮像部
40、40a 制御装置
41 入力部
42 表示部
43 記憶部
44 制御部
50 疑似異物形成装置
51 ディスペンサ
52 マニュピレータ
431 評価条件記憶部
432 評価結果記憶部
433 提案結果記憶部
441、441a 形成処理部
442 評価処理部
443 提案処理部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11