(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022170481
(43)【公開日】2022-11-10
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20221102BHJP
【FI】
A63F7/02 320
A63F7/02 304D
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021076634
(22)【出願日】2021-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】395018239
【氏名又は名称】株式会社高尾
(74)【代理人】
【識別番号】100101410
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 武司
(72)【発明者】
【氏名】岩田 耕一郎
【テーマコード(参考)】
2C088
2C333
【Fターム(参考)】
2C088BC07
2C333AA11
2C333CA05
2C333CA32
2C333CA49
2C333CA53
2C333CA71
2C333FA05
2C333FA08
2C333FA17
2C333GA04
(57)【要約】
【課題】遊技者の嗜好に対応する遊技機を提供する。
【課題手段】遊技中に出力される音として、所定の状態(入賞等)の発生に伴い出力される効果音と、特定状態中において出力されるBGMとを備える遊技機である。BGMの出力に併せて効果音を出力するか否かを選択可能である。また、BGMの出力に併せて効果音を出力しないことを選択した場合、音情報以外で、且つ、BGMの出力に併せて効果音を出力する場合では実行されない報知手段によって効果音の代替報知を行ってもよい。更に、BGMの出力に併せて効果音を出力しないことを選択して効果音非出力状態となった場合、この効果音非出力状態は特定状態が変化したことを契機として解除されてもよい。
【選択図】
図31
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技中に出力される音として、所定の状態の発生に伴い出力される効果音と、特定状態中において出力されるバックグランドミュージックと、を少なくとも、備える遊技機であって、
前記バックグランドミュージックの出力に併せて前記効果音を出力するか否かを選択可能であるとともに、
前記バックグランドミュージックの出力に併せて前記効果音を出力しないことを選択して効果音非出力状態となった場合、
前記効果音非出力状態は、前記特定状態が変化したことを契機として解除される
ことを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関し、本発明を所謂「弾球式の遊技機」や「回胴式の遊技機」に適用できる。
【背景技術】
【0002】
一般に弾球式の遊技機は、始動口と大入賞口等の複数の入賞口を備え、遊技球が始動口に入球することに基づき、「特別図柄に関する当否判定」を実行する。この当否判定を実行すると、図柄表示装置において特別図柄の変動表示を一定時間に亘って実行した後、当該当否判定の結果を示す停止図柄を確定表示する。そして、図柄表示装置で確定表示される停止図柄が、「当該当否判定の結果が大当りであることを示す大当り図柄」である場合には、大入賞口を開放させる大当り遊技を実行する。
【0003】
また、この種の遊技機は、図柄表示装置の他に演出装置(演出図柄表示装置、スピーカ等)を備え、特別図柄の変動表示に対応して遊技演出を実行し、遊技を盛り上げることが行われている。
この種の遊技機として、特定状態中(大当り遊技状態中等)において出力されるバックグランドミュージック(BGM)と、所定の状態(例えば、入賞口への入賞等)に伴い出力される効果音(SE:「SOUND EFFECT」)と、を出力可能なものが存在する。そして、近年においては、技術の進歩に伴い、バックグランドミュージックに併せて効果音を出力することが可能なものが登場している(特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、この従来例に示す遊技機では、遊技者の様々な嗜好に対応できないケースを生じている。
【0006】
本発明は上記観点に鑑みてなされたものであり、遊技者の嗜好に対応する遊技機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の遊技機は、
遊技中に出力される音として、所定の状態の発生に伴い出力される効果音と、特定状態中において出力されるバックグランドミュージックと、を少なくとも、備える遊技機であって、
前記バックグランドミュージックの出力に併せて前記効果音を出力するか否かを選択可能である
ことを特徴(以下、第1特徴という)とする。
【0008】
第1特徴によると、例えば、効果音を聴きたくない遊技者は、バックグランドミュージックの出力に併せて効果音を出力しないことを選択することで、効果音に邪魔されることなく、バックグランドミュージックを聴くことができる。また、効果音を聴きたい遊技者は、バックグランドミュージックの出力に併せて効果音を出力することを選択することで、バックグランドミュージックとともに、効果音を聴くことができる。
このように、第1特徴を備える遊技機によると、遊技者の嗜好に対応させることができる。
【0009】
第1特徴に示す遊技機は、弾球式の遊技機であってもよいし、回胴式の遊技機であってもよい。
弾球式の遊技機である場合、例えば、前記「所定の状態」の発生とは、遊技領域を流下する遊技球が、遊技領域に配置された所定の入球口(入賞口)に遊技球が入球(入賞)したり、ゲート、又は領域を、遊技球が通過したり、といった事象等が発生すること(起きること)を意味する。また、弾球式の遊技機や回胴式の遊技機において、所定の図柄やキャラクタが出現したり、所定の入賞(入賞役)が生じたり、変動(特別図柄や演出図柄の変動)が実行されたりすること等によっても、前記「所定の状態」を発生する場合もある。
【0010】
但し、弾球式の遊技機においては、遊技領域を流下する遊技球が入球口等に入球(入賞)したり、ゲート、又は領域を、遊技球が通過したりといった事象の発生によって、「所定の状態」を発生したとすることができる。この事象は、遊技球が入球口に入球する等という不定期な事象(遊技者にとって発生タイミングを正確に予測することが困難な事象)である。このため、バックグランドミュージックの出力に併せて効果音を出力しないことを選択した遊技者の意表を付いて効果音(入球音)が発生することを防止できる。つまり、バックグランドミュージックを楽しみたい遊技者が、効果音(入球音)が、意表を付かれた状態で、突然、発生し、不快感を味わうという事態(例えば、びっくりするという事態)を防止できる点で、本発明の意義は特に大きなものとなる。
【0011】
また、第1特徴に示す遊技機では、バックグランドミュージックの出力に併せて効果音を出力するか否かを選択するタイミングを特に問わないが、このタイミングを以下のように定めることもできる。例えば、バックグランドミュージック(BGM)に係る各種設定を行う際に(各種設定を行うタイミングで)、バックグランドミュージックの出力に併せて効果音を出力するか否かを選択してもよい。
【0012】
このように、バックグランドミュージックに係る各種設定を行う際とすると、利便性が向上する。ここで、バックグランドミュージックに係る各種設定とは、例えば、バックグランドミュージックの音量等の設定や、バックグランドミュージックを複数のバックグランドミュージックの内の何れかを選択する設定(選択)等も含まれる。
例えば、遊技者の嗜好するバックグランドミュージックが出力され、効果音に邪魔されたくないというニーズがあったり、静かなバックグランドミュージックが出力され、効果音に邪魔されたくないというニーズがあったりする場合に利便性が高い。
【0013】
また、第1特徴に示す遊技機では、
出力可能なバックグランドミュージックとして、複数種類のバックグランドミュージックを備え、
該複数種類のバックグランドミュージックのうち、何れかを選択するための選択画面を表示する選択画面表示手段を備え、
該選択画面にて、バックグランドミュージックの選択と共にバックグランドミュージックの出力に併せて前記効果音を出力するか否かを選択可能である
ことも特徴としてもよい。
【0014】
この特徴を備える場合には、選択画面が表示されている状態にて、効果音を出力するか否かを選択できるため、利便性が更に向上する。
【0015】
本発明において、「特定状態中」とは、大当り遊技中又は、特典遊技中又は、大当り遊技中および特典遊技中、の何れか、であってよい。また、「特定状態中」として、遊技を一定期間実行していない状態であるときや、大当り遊技中および特典遊技中以外の遊技中を例示することもできる。
ここで、「特典遊技中」とは、時短状態中又は、確変状態中又は、時短状態中および確変状態中の何れか、であってよい。
【0016】
本発明の遊技機は、
第1特徴を備える遊技機において、
前記バックグランドミュージックの出力に併せて前記効果音を出力しないことを選択した場合、
前記音情報以外で、且つ、前記バックグランドミュージックの出力に併せて前記効果音を出力する場合では実行されない報知手段によって前記効果音の代替報知を行う
ことを特徴(以下、第2特徴という)として備えてもよい。
【0017】
第2特徴を備える場合には、効果音を出力しなくても、所定の状態が発生したことを報知することが出来る。
【0018】
ここで、第2特徴における「報知音の代替報知」は、音ではなく、視覚に訴える画像表示、発光表示、および可動物の動作や、触覚に訴える振動等を例示することができる。これらの代替報知は、効果音の出力時に行われるものとは異なることが好ましい。
【0019】
本発明の遊技機は、
第1特徴及び第2特徴の少なくとも一方を備える遊技機において、
前記バックグランドミュージックの出力に併せて前記効果音を出力しないことを選択して効果音非出力状態となった場合、
前記効果音非出力状態は、前記特定状態が変化したことを契機として解除される
ことを特徴(以下、第3特徴という)として備えてもよい。
【0020】
第3特徴を備える場合には、効果音非出力状態の解除を、逐一遊技者が行わなくてもよいため、煩わしさがない遊技機となる
【0021】
ここで、効果音非出力状態の解除の契機である「特定状態が変化したこと」とは、例えば、以下の場合を指す。
例えば、(1)特定状態が終了して、非特定状態へ変化したことや、(2)特定状態の内容すなわち、大当り遊技が終了して特典遊技へ移行したことや、(3)特典遊技が終了したことや、(4)特典遊技の内容すなわち、確変状態が終了して時短状態へ移行したこと、等を例示することができる。
【発明の効果】
【0022】
以上のように、本発明によると遊技者の嗜好に対応する遊技機を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】(a)はパチンコ機50の正面図、(b)は十字キーの平面図。
【
図4】パチンコ機50の電気的構成を示すブロック図。
【
図6】(a)及び(b)はパチンコ機50の大当り図柄と、大当りの種類等の関係を示す図表、(c)はパチンコ機50において到達時短状態の特徴を示す図表、(d)はパチンコ機50において到達カウンタのリセット時期等を示す図表。
【
図7】パチンコ機50の外れ図柄と、遊技状態等の関係を示す図表。
【
図8】パチンコ機50で付与される時短状態を示す図表
【
図9】(a)は大当り時短状態の開始タイミングを示すタイムチャート、(b)は到達時短状態の開始タイミングを示すタイムチャート、(c)は特定時短状態の開始タイミングを示すタイムチャート。
【
図10】パチンコ機50の主制御装置80で実行されるメインルーチンの概要を示すフローチャート。
【
図11】主制御装置80で実行される普通図柄始動入賞確認処理の制御内容を示すフローチャートである。
【
図12】主制御装置80で実行される普通図柄当否判定処理の制御内容を示す第1のフローチャート。
【
図13】主制御装置80で実行される普通図柄当否判定処理の制御内容を示す第2のフローチャート。
【
図14】(a)は主制御装置80で実行される普通図柄当否判定処理の制御内容を示す第3のフローチャート、(b)は主制御装置80で実行される普通図柄当否判定処理の制御内容を示す第4のフローチャート。
【
図15】主制御装置80で実行される普通図柄遊技処理の制御内容を示す第1のフローチャート。
【
図16】(a)主制御装置80で実行される普通図柄遊技処理の制御内容を示す第2のフローチャート、(b)は主制御装置80で実行される普通図柄遊技処理の制御内容を示す第3のフローチャート。
【
図17】主制御装置80が実行する特別図柄入賞確認処理のフローチャート。
【
図18】主制御装置80が実行する特別図柄当否判定処理の第1のフローチャート。
【
図19】主制御装置80が実行する特別図柄当否判定処理の第2のフローチャート
【
図21】主制御装置80が実行する特別図柄当否判定処理の第3のフローチャート。
【
図22】主制御装置80が実行する特別図柄当否判定処理の第4のフローチャート。
【
図23】主制御装置80が実行する特別図柄当否判定処理の第5のフローチャート。
【
図24】主制御装置80が実行する特別図柄当否判定処理の第6のフローチャート。
【
図25】時短状態移行指定コマンドと、時短状態終了指定コマンド等を説明するための図表。
【
図26】主制御装置80が実行する大当り遊技処理の第1のフローチャート。
【
図27】主制御装置80が実行する大当り遊技処理の第2のフローチャート。
【
図28】主制御装置80が実行する大当り遊技処理の第3のフローチャート。
【
図29】(a)は主制御装置80が実行する検出情報送信処理のフローチャート、(b)は検出情報と効果音の関係を示す図表。
【
図32】選択画面の内容や代替報知等を説明するための説明図。
【
図33】サブ統合制御装置83が実行する演出開始処理を示すフローチャート。
【
図34】サブ統合制御装置83が実行する演出停止処理を示すフローチャート。
【
図35】(a)はサブ統合制御装置83が実行する大当り開始コマンド受信処理を示すフローチャート、(b)はサブ統合制御装置83が実行するカスタム画面表示開始処理を示すフローチャート。
【
図36】サブ統合制御装置83が実行する曲決定処理を示すフローチャート。
【
図37】サブ統合制御装置83が実行する出力可否決定処理を示すフローチャート。
【
図38】(a)はサブ統合制御装置83が実行する大当りメイン演出開始処理を示すフローチャート、(b)はサブ統合制御装置83が実行する検出情報受信処理を示すフローチャート。
【
図39】サブ統合制御装置83が実行する大当り終了演出処理を示すフローチャート。
【
図41】(a)及び(b)は実施例2の内容を示す説明図、(c)は変形例1を説明するための説明図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。尚、本発明にかかる実施の形態は、下記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
【0025】
(1)実施例1
図1(a)に示すように、遊技機の一種であるパチンコ機50は、縦長の固定外郭保持枠をなす外枠51にて構成の各部を保持する構造である。外枠51の左側上下には、ヒンジ53が設けられており、該ヒンジ53の他方側には
図3に記載する内枠70が取り付けられており、内枠70は外枠51に対して開閉可能な構成になっている。前枠52には、板ガラス61が取り外し自在に設けられており、板ガラス61の奥には
図2に記載する遊技盤1が内枠70に取り付けられている。
【0026】
また、前枠52は、左側上下のヒンジ(図示を省略)を支点に内枠70に対して開閉可能に構成されている。そして、外枠51に対して内枠70を閉鎖し、前枠52が内枠70に対して閉鎖した状態となると、遊技を実行可能な状態となる。また、前枠52を左側上下のヒンジ(図示を省略)を支点に内枠70に対して開放すると、遊技盤1の前面1aが開放され、パチンコホールの店員等が、当該前面1aに対して発生した不具合を解消する作業(遊技盤1における球詰まりの解消作業等)を施すことができる。なお、以下の説明において、前枠52をガラス枠と称することもある。
【0027】
前枠52の上側左右には、スピーカ66が設けられており、パチンコ機50から発生する遊技音が出力され、遊技者の趣向性を向上させる。また、遊技者の趣向性を向上させるために前枠52に遊技状態に応じて発光する枠側装飾ランプ65も複数設けられている。前枠52の下方には、上皿55と下皿63が一体に形成されている。下皿63の右側には発射ハンドル64が取り付けられており、該発射ハンドル64を時計回りに回動操作することによって発射装置(図示省略)が可動して、上皿55から供給された遊技球が遊技盤1に向けて発射される。
上皿55の上部ほぼ中央には、遊技者が操作可能な演出ボタン67が備えられている。演出ボタン67は、遊技者が有効期間中に操作することで、後述する演出図柄表示装置6に表示される演出内容を変化させ、スピーカ66により出力される遊技音が変化させるものとなっている。また、演出ボタン67は、その周囲にジョグダイヤル68を備えたものとなっており、ジョグダイヤル68を回転させることにより、演出用の画像に変化を与えることが可能に構成されている。
【0028】
更に、
図1(a)及び(b)に示すように、演出ボタン67の左側に十字キー69が配置されている。この十字キー69は、略中心に配置される中央ボタン69aと、中央ボタン69aの左側に配置される左ボタン69bと、中央ボタン69aの右側に配置される右ボタン69cと、中央ボタン69aの奥に配置される上ボタン69dと、中央ボタン69aの手前に配置される下ボタン69eとを備える。
【0029】
ここで、本実施例では、大当り開始インターバル中に、十字キー69が能動化される。この十字キー69のうち、中央ボタン69aは演出図柄表示装置6に表示された択一な事項を、「選択特定部(セレクトポインター)R」で取り囲まれた事項に決定したい場合に押圧するボタンである(
図31及び
図32等を参照)。また、左ボタン69bは「選択特定部R」の位置を左方向に移動したい場合に押圧するボタンである。この左ボタン69bの表面には、押圧操作がされた場合の「選択特定部R」の移動方向(つまり、左方向)を指し示すガイド表示P1が設けられている。更に、右ボタン69cは「選択特定部R」の位置を右方向に移動したい場合に押圧するボタンである。この右ボタン69cの表面には、押圧操作がされた場合の「選択特定部R」の移動方向(つまり、右方向)を指し示すガイド表示P2が設けられている。
【0030】
また、上ボタン69dは、「選択特定部R」の位置を上方向に移動したい場合に押圧するボタンである。この上ボタン69dの表面には、押圧操作がされた場合の「選択特定部R」の移動方向(つまり、上方向)を指し示すガイド表示P3が設けられている。更に、下ボタン69eは「選択特定部R」の位置を下方向に移動したい場合に押圧するボタンである。この下ボタン69eの表面は、押圧操作がされた場合の「選択特定部R」の移動方向(つまり、下方向)を指し示すガイド表示P4が設けられている。
【0031】
このパチンコ機50はいわゆるCR機であって、プリペイドカードの読み書き等を行うためのプリペイドカードユニット(CRユニット)56が付属しており、パチンコ機50には、貸出ボタン57、精算ボタン58及び残高表示器59を有するCR精算表示装置が備わっている。
【0032】
図2は、本実施例のパチンコ機50の遊技盤1の正面図である。
この遊技盤1には、公知のガイドレール2a、2bによって囲まれた略円形の遊技領域3が、ほぼ中央部に配置されたセンターケース5を境に第1遊技領域部3Lと第2遊技領域部3Rとに分けられている。
センターケース5の左側が第1遊技領域部(以下、左打ち領域という)3L、右側が第2遊技領域部(以下、右打ち領域という)3Rとなり、遊技球の発射威力を所定力以上で図に示したT部まで到達した遊技球は誘導路3pを転動し、右打ち領域3Rに至り、右打ち領域3Rを流下する。一方、遊技球の発射威力を所定未満で、T部に到達しない遊技球が左打ち領域3L(センターケース5の左側)を流下することになる。なお、遊技領域3(左打ち領域3L、右打ち領域3R)には多数の遊技釘が植設されている(図示を省略)。
【0033】
センターケース5は、公知のものと同様に、ワープ入口、ワープ通路、ステージ、演出図柄表示装置6の画面6aを臨ませる窓等を備えている。センターケース5の下には、特
図1始動口(以下、第1始動口という)11が配置されている。また、第1始動口11の左方には、4個の普通入賞口13が設けられている。なお、この普通入賞口13は、入球率が変化しない常時入球が可能な普通入賞口である。
センターケース5の右側の右打ち領域3Rには、普通図柄作動ゲート17が配置されている。
そして、右打ち領域3Rにおいて普通図柄作動ゲート17の下には普通電動役物12Aが配置されている。また、普通電動役物12Aの内部には特
図2始動口(以下、第2始動口という)12が設けられ、普通電動役物12Aの内部に入球した遊技球が第2始動口12に入球可能とさせている。
【0034】
普通電動役物12Aには、その開閉を行うための左右一対の翼片12tを備え、この一対の翼片12tは、下端側の支点を基準に回動可能とされ、当該一対の翼片12tの上端部の間隔を狭くして、普通電動役物12Aを閉鎖状態とする。
そして、普通電動役物12Aが閉鎖状態となると、一対の翼片12tの上端部間には、ほぼ1球の遊技球の通過を許容する間隔が形成されるが、当該上端部で構成される隙間の真上には、遊技球の通過を禁止する障害部材12sが設けられている。このため、普通電動役物12Aが開放状態であると、右打ち領域3Rを流下した遊技球は普通電動役物12Aに入球し、第2始動口12に入球する可能性があるが、普通電動役物12Aが閉鎖状態であると、普通電動役物12A(第2始動口12)に遊技球が入球することが不可能となっている。但し、一対の翼片12tの上部から障害部材12sを排除等し、普通電動役物12Aが閉鎖状態であっても普通電動役物12A(第2始動口12)に遊技球が入球可能であってもよい。
【0035】
また、一対の翼片12tの上端部の間隔を広げると普通電動役物12Aが開放状態となる。つまり、普通電動役物12Aが開放状態となると、一対の翼片12tが正面視で略逆ハの状態となり、当該上端部の間隔が遊技球の直径複数個分に広がり、各翼片12tの上端部と障害部材12sとの間隔が遊技球の直径を超える幅となる。しかも、一対の翼片12tの左右に対向する面が、第2始動口12の上部周辺に到達した遊技球を第2始動口12の内部に案内する案内面を構成する。このため、普通電動役物12Aが開放状態となると、普通電動役物12A(一対の翼片12tの上端部)の上部周辺に流下する遊技球は第2始動口12に入球し易くなる。
【0036】
また、普通電動役物12A(第2始動口12)の左下には大入賞口14が配置され、センターケース5の直下であって、大入賞口14の左側には第1始動口(第1始動入賞装置)11が配置されている。
第1始動口11は、植設された遊技釘(図示を省略)及び遊技領域3の略中央部に大型サイズで配置されたセンターケース5により、右打ち領域3Rを流下した遊技球が入球困難な構成となっている。これにより、第1始動口11には、専ら左打ち領域3Lを流下した遊技球が入球可能となっている。換言すると、第1始動口11には、右打ち領域3Rを流下した遊技球が入球する可能性が低くなっている。
【0037】
右打ち領域3Rの下部には、複数個のLEDからなる普通図柄表示装置7、普通図柄保留数表示装置8と、7セグメント表示装置からなる第1特別図柄表示装置9、第2特別図柄表示装置10と、複数個のLEDからなる第1特別図柄保留数表示装置18、第2特別図柄保留数表示装置19とが配置されている。この位置に配置した各種表示装置の表示内容を遊技者が確実に認識することは困難となり、遊技中の遊技者は演出図柄表示装置6の表示内容に注目して遊技を行うことになる。
【0038】
上記のように遊技盤1を構成することによって、左打ち領域3Lに遊技球を流下した遊技球が専ら第1始動口11に遊技球が入球(第1始動口スイッチ11a(
図4参照)が遊技球を検出)することに基づいて、第1特別図柄表示装置9において第1特別図柄(以下、第1特図とも記載)が変動を開始し、所定時間後に停止する。
右打ち領域3Rに遊技球を流下させると、普通図柄作動ゲート17に遊技球が入球(普通図柄作動スイッチ17a(
図4参照)が遊技球を検出)することに基づいて、普通図柄表示装置7で普通図柄(以下、普図とも記載)が変動表示を開始し、所定時間後に停止した普図の態様(当り、外れの各態様)に応じて、後述する普通電役ソレノイド12b(
図4参照)を駆動させる。つまり、普通図柄表示装置7に普図の当り態様(当り図柄)が停止表示され、普通電役ソレノイド12bが駆動すると、ほぼ同期して第2始動口(普通電動役物12A)の翼片12tが開放して、第2始動口12への入球(第2始動口スイッチ12a(
図4参照)の検出)が可能となるように構成されている。第2始動口12に遊技球が入球(第2特図始動スイッチ12a(
図4参照)が遊技球を検出)すると、第2特別図柄表示装置10において第2特別図柄(以下、第2特図とも記載)が変動表示を開始し、所定時間後に停止する。
【0039】
第1特別図柄及び第2特別図柄の変動中は、演出図柄表示装置6において各々の特別図柄(以降、特図ともいう)の変動に連動した演出態様を表示する。また、第1特別図柄と第2特別図柄は、同時に変動することはなく、第1始動口11と第2始動口12への入球順に関係なく、第2特別図柄の変動(当否判定)を優先して実施する。具体的には、第1特別図柄の保留記憶がある場合、第2特別図柄の変動が停止し、且つ、第2特別図柄保留記憶が無い状態となって、第1特別図柄保留記憶分の変動(当否判定)を開始する。この点に関しては後述する。
但し、本実施例と異なり、第1始動口11と第2始動口12への入球順に第1特別図柄と第2特別図柄を変動させたり、第1特別図柄と第2特別図柄を同時に変動させたりしてもよい。
【0040】
第1特別図柄及び第2特別図柄の確定表示した態様に応じて、後述する大入賞口ソレノイド14b(
図4参照)が駆動する。大入賞口ソレノイド14bが駆動すると、ほぼ同期して大入賞口14の扉部材14tが開放し、大入賞口14への遊技球の入球(カウントスイッチ14a(
図4参照)が遊技球を検出)が可能となるように構成されている。
つまり、大入賞口14の下端側には扉部材(開閉部材)14tが傾動可能に支持されており、非特別遊技状態(大当り遊技や後述する小当り遊技が実行されないとき)には、大入賞口14は扉部材14tによって閉鎖された状態となり、遊技球を入球させることができない。一方、特別遊技状態(大当り遊技等)には、扉部材14tが傾動し(遊技盤1と対面する遊技者方向に傾動し)、大入賞口14が開放された状態となり、遊技球を入球させることができる。
【0041】
以上のように、普通図柄作動ゲート17、第2始動口12、及び大入賞口14は、右打ち領域3R(センターケース5の右側)に配置されているため、特別遊技状態(大当り遊技状態等)及び時短状態(大当り時短状態、特定時短状態、および到達時短状態)に移行した場合は、発射した遊技球の全てが右打ち領域3Rに到達するように発射ハンドル64を調整(遊技球の発射威力を所定力以上に調整)することになる。一方、第1始動口11は、センターケース5の略直下に配置されていると共に、非開放延長状態(非時短状態、つまり、通常状態)には、普通電動役物12A(第2始動口12)が開放状態となる頻度が低い(開放延長状態(時短状態)よりも遙かに低い)ため、発射した遊技球の全てが左打ち領域3Lに到達するように発射ハンドル64を調整(遊技球の発射威力を所定力未満に調整)することになる。
本パチンコ機50において、時短状態(大当り時短状態、特定時短状態、および到達時短状態)では開放延長機能が作動するため、当該時短状態を開放延長状態ということがある
なお、遊技盤1の遊技領域3には多数の遊技釘(図示を省略)が植設されており、盤面最下部にはアウト口2dが設けられている。
【0042】
パチンコ機50の裏面は
図3に示すとおり、前述した遊技盤1脱着可能に取り付ける内枠70が前述した外枠51に収納されている。この内枠70には、上方から、球タンク71、タンクレール72及び払出装置73が設けられている。この構成により、遊技盤1上の入賞口に遊技球の入賞があれば球タンク71からタンクレール72を介して所定個数の遊技球を払出装置73により前述した上皿55に排出することができる。また、パチンコ機50の裏側には、主制御装置80、払出制御装置81、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83、発射制御装置84、電源基板85が設けられている。なお、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83がサブ制御装置に該当する。
【0043】
主制御装置80、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83は遊技盤1に設けられており、払出制御装置81、発射制御装置84、電源基板85が内枠70に設けられている。なお、
図3では、発射制御装置84が描かれていないが、発射制御装置84は払出制御装置81の下に設けられている。また、球タンク71の右側には、外部接続端子78が設けられており、この外部接続端子78より、遊技状態や遊技結果を示す信号が図示しないホールコンピュータに送られる。なお、従来はホールコンピュータへ信号を送信するための外部接続端子78には、盤用(遊技盤側から出力される信号をホールコンピュータへ出力するための端子)と枠用(枠側(前枠52、内枠70、外枠51)から出力される信号をホールコンピュータへ出力するための端子)の2種類を用いているが、本実施例では、一つの外部接続端子78を介してホールコンピュータへ遊技状態や遊技結果を示す信号を送信している。
【0044】
また、主制御装置80には、ガラス枠開放スイッチ35、内枠開放スイッチ36から検出信号が入力される。また、外枠51に対して内枠70が閉鎖状態になると内枠開放スイッチ36(
図4を参照)がON状態となり、外枠51に対して内枠70が開放状態になると内枠開放スイッチ36がOFF状態となる。更に、ガラス枠開放スイッチ35を内枠70の裏面側に設けることができる。
【0045】
このパチンコ機50の電気的構成は、
図4のブロック図に示すとおり、主制御装置80を中心にして構成されている。また、詳細の図示は省略するが、主制御装置80、払出制御装置81、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83のいずれもCPU、ROM、RAM、入力ポート、出力ポート等を備えている。そして、これら制御装置は何れもCPUにより、2ms周期又は4ms周期の割り込み信号に起因して、ROMに搭載しているメインルーチン及びサブルーチンからなるプログラムが開始され、各種の制御が実行される。また、主制御装置80は各種の乱数を抽出(生成)する乱数カウンタ等も備えている。
また、本実施例では発射制御装置84にはCPU、ROM、RAMは設けられていない。しかし、これに限るわけではなく、発射制御装置84にCPU、ROM、RAM等を設けてもよい。
【0046】
主制御装置80には、第1始動口11に入球した遊技球を検出する第1始動口スイッチ11a、第2始動口12に入球した遊技球を検出する第2始動口スイッチ12a、普通図柄を作動させる普通図柄作動ゲート17に進入した遊技球を検出する普通図柄作動スイッチ17a、大入賞口14に入球した遊技球を計数するためのカウントスイッチ14a、一般入賞口13に入球した遊技球を検出する一般入賞口スイッチ13a等の検出信号が入力される。
【0047】
主制御装置80は搭載しているプログラムに従って動作して、上述の検出信号などに基づいて遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成して払出制御装置81及びサブ統合制御装置83に出力する。
また、主制御装置80は、図柄表示装置中継端子板90を介して接続されている第1特別図柄表示装置9及び第2特別図柄表示装置10の表示、第1特別図柄保留数表示装置18、第2特別図柄保留数表示装置19、普通図柄表示装置7、普通図柄保留表示装置8の点灯を制御する。
【0048】
更に、主制御装置80は、大入賞口ソレノイド14bを制御することで大入賞口14の開閉を制御し、普通電動役物ソレノイド12bを制御することで普通電動役物(第2始動口12)の開閉を制御する。
主制御装置80からの出力信号は試験信号端子にも出力される他、図柄変動や大当り(特別遊技ともいう)等の管理用の信号が外部接続端子78に出力されてホールメインコンピュータ87に送られる。主制御装置80と払出制御装置81とは双方向通信が可能である。
【0049】
払出制御装置81は、主制御装置80から送られてくるコマンドに応じて払出モータ20を稼働させて賞球を払い出させる。本実施例においては、賞球として払い出される遊技球を計数するための払出スイッチ21の検出信号は払出制御装置81に入力され、払出制御装置81で賞球の計数が行われる構成を用いる。この他にも主制御装置80と払出制御装置81に払出スイッチ21の検出信号が入力され、主制御装置80と払出制御装置81の双方で賞球の計数を行う構成を用いることも考えられる。
【0050】
なお、払出制御装置81は、満杯スイッチ22、球切れスイッチ23からの信号が入力され、満杯スイッチ22により下皿63が満タンであることを示す信号が入力された場合及び球切れスイッチ23により球タンクに遊技球が少ないあるいは無いことを示す信号が入力されると払出モータ20を停止させ、賞球の払出動作を停止させる。なお、満杯スイッチ22、球切れスイッチ23も、その状態が解消されるまで信号を出力し続ける構成になっており、払出制御装置81は、その信号が出力されなくなることに起因して払出モータ20の駆動を再開させる。
【0051】
また、払出制御装置81はCRユニット端子板24を介してプリペイドカードユニットと交信することで払出モータ20を作動させ、貸し球を排出する。払出された貸し球は払出スイッチ21に検出され、検出信号は払出制御装置81に入力される。なお、CRユニット端子板24は精算表示基板25とも双方向通信可能に接続されており、精算表示基板25には、遊技球の貸出しを要求するための球貸ボタン、精算を要求するための返却ボタン、残高表示器が接続されている。
【0052】
また、払出制御装置81は、外部接続端子78を介して賞球に関する情報、枠(内枠、前枠)の開閉状態を示す情報などをホールコンピュータ87に送信するほか、発射制御装置84に対して発射停止信号を送信する。
なお、本実施例では遊技球を払い出す構成であるが、入賞等に応じて発生した遊技球を払い出さずに記憶する封入式の構成にしても良い。
【0053】
発射制御装置84は発射モータ30を制御して、遊技球を遊技領域3に遊技球を発射させる。なお、発射制御装置84には払出制御装置81以外に発射ハンドル64からの回動量信号、タッチスイッチ28からのタッチ信号、発射停止スイッチ29から発射停止信号が入力される。
回動量信号は、遊技者が発射ハンドル64を操作することで出力され、タッチ信号は遊技者が発射ハンドル64を触ることで出力され、発射停止スイッチ信号は、遊技者が発射停止スイッチ29を押すことで出力される。なお、タッチ信号が発射制御装置84に入力されていなければ、遊技球は発射できないほか、発射停止スイッチ信号が入力されているときには、遊技者が発射ハンドル64を触っていても遊技球は発射できないようになっている。
【0054】
サブ統合制御装置83はサブ制御装置に該当し、主制御装置80から送信されてくるデータ及びコマンドを受信し、それらを演出表示制御用、音制御用及びランプ制御用のデータに振り分けて、演出表示制御用のコマンド等は演出図柄制御装置82に送信し、音制御用及びランプ制御用は自身に含まれている各制御部位(音声制御装置及びランプ制御装置としての機能部)に分配する。
【0055】
そして、音声制御装置としての機能部(
図4において音声制御部83aと表記)は、音声制御用のデータに基づいて音LSIを作動させることによってスピーカ66からの音声出力を制御、つまり、音量の制御や、音声の種類(例えば、報知音の種類等、設定示唆音の制御)等を行う。また、ランプ制御装置としての機能部(
図4においてランプ制御部83bと表記)は、ランプ制御用のデータに基づいてランプドライバを作動させることによって各種LED、ランプ26を制御する。
【0056】
また、サブ統合制御装置83には、演出ボタン67、ジョグダイヤル68、十字キー69が接続されており、遊技者が演出ボタン67、ジョグダイヤル68、十字キー69を操作した際には、その操作信号がサブ統合制御装置83に入力される。なお、ジョグダイヤル68を演出図柄制御装置82に接続する構成にしてもよい。
サブ統合制御装置83と演出図柄制御装置82とは双方向通信が可能である。
演出図柄制御装置82は、サブ統合制御装置83から受信したデータ及びコマンド(共に主制御装置80から送信されてきたものとサブ統合制御装置83が生成したものとがある)に基づいて演出図柄表示装置6を制御して、演出図柄等の演出画像を演出図柄表示装置6の画面6aに表示させる。
なお、本実施例では、サブ統合制御装置83及び演出図柄制御装置82は別々の装置に分かれているが、1つの装置にまとめる構成にしてもよい。
【0057】
なお、電源基板85(
図3を参照)は、外部のAC電源から供給される電力により直流電圧を生成する直流電源として構成されており、該電源基板85に設けられた電源スイッチの操作によってパチンコ機50を構成する各部位に電力を供給する。この電源基板85は、コンデンサなどから構成されるバックアップ電源を備えており、AC電源から電力供給中に該バックアップ電源に電力を蓄える。これにより、停電時には、主制御装置80等(例えば、主制御装置80のRAM等)に電力供給し、AC電源からの電力供給が停止後も、一定期間にわたって主制御装置80のRAM内のデータが保持される。尚、バックアップ電源は、主制御装置80に設けても良いし、電源基板以外の他の装置に設けて良い。この場合には、電源基板は、AC電源から電力供給されている状態で、バックアップ電源を備えた装置へ供給信号を出力し、電力供給が停止した状態で、バックアップ電源を備えた装置へ停電信号を出力する。
【0058】
図5を用いて、本実施例のパチンコ機50の基本的仕様について説明する。
本実施例のパチンコ機50は、所謂「確変機」であり、高確率状態における第1特別図柄及び第2特別図柄の大当り確率は、通常確率状態(大当り判定確率が通常確率)における第1特別図柄及び第2特別図柄の大当り確率の約10倍となっている。つまり、通常確率状態での大当り判定確率が「1/300」、高確率状態での大当り判定確率が「1/30」とされている。
【0059】
第1始動口11及び第2始動口12への入球による賞球数は4個、その他入賞口13への入球による賞球数は10個となっている。また、大入賞口14への入球による賞球数は10個となっている。更に、大入賞口14への規定入賞数は10個、普通電動役物(第2始動口12)への規定入賞数は9個(
図5では図示を省略)となっている。
【0060】
普通図柄の当選確率は、非開放延長状態(非時短状態)で「1/6」に設定され、開放延長状態(時短状態)で「5/6」に設定されている。
普通電動役物(第2始動口12)の開放時間は、非開放延長状態(非時短状態)において「0.3秒を1回」であり、開放延長状態(時短状態)において「1秒を2回」である。
普通図柄の変動時間は、非開放延長状態で平均5秒、開放延長状態で平均1秒とされている。
【0061】
パチンコ機50は、第1始動口11への入球に起因して第1特別図柄の当否判定(以下、第1当否判定という)が実行される。また、第2始動口12への入球に起因して第2特別図柄の当否判定(以下、第2当否判定という)が実行される。
【0062】
第1当否判定が実行されると、第1特別図柄の停止図柄(大当り図柄若しくは外れ図柄)と、変動パターン(第1特別図柄が変動表示する時間を特定する変動パターン)が乱数抽選で決定され、決定された変動時間に基づいて第1特別図柄表示装置9及び演出図柄表示装置6の図柄変動を開始する。その後、第1特別図柄の変動時間を経過して、第1特別図柄表示装置9で第1特別図柄の停止図柄(確定図柄)が表示され、演出図柄表示装置6に第1特別図柄に対応する演出図柄が停止表示(確定表示)され、第1当否判定の結果を報知される。
【0063】
また、第2当否判定が実行されると、第2特別図柄の停止図柄(大当り図柄若しくは外れ図柄)と、変動パターン(第2特別図柄が変動表示する時間を特定する変動パターン)が乱数抽選で決定され、決定された変動時間に基づいて第2特別図柄表示装置10及び演出図柄表示装置6の図柄変動を開始する。その後、第2特別図柄の変動時間を経過して、第2特別図柄表示装置10で第2特別図柄の停止図柄(確定図柄)が表示され、演出図柄表示装置6に第2特別図柄に対応する演出図柄が停止表示(確定表示)され、第2当否判定の結果を報知される。
【0064】
第1特別図柄の当否判定(第1当否判定)又は第2特別図柄の当否判定(第2当否判定)の結果が大当りとなると、所定時間に亘り、特別図柄の変動表示を行った後、特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)が大当り図柄(特
図1_大当り図柄1、特
図1_大当り図柄2、特
図2_大当り図柄1若しくは特
図2_大当り図柄2)で確定表示される。これにより、条件装置が作動することによって役物連続作動装置が作動して大入賞口14が所定の態様で開放される大当り遊技が実行される。
【0065】
第1特別図柄の当否判定(第1当否判定)又は第2特別図柄の当否判定(第2当否判定)の結果が大当りとなると、所定時間に亘り、特別図柄の変動表示を行った後、特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)が大当り図柄(特
図1_大当り図柄1、特
図1_大当り図柄2、特
図2_大当り図柄1若しくは特
図2_大当り図柄2)で確定表示される。これにより、条件装置が作動することによって役物連続作動装置が作動して大入賞口14が所定の態様で開放される大当り遊技が実行される。
【0066】
本実施例のパチンコ機50では、第1当否判定の結果が大当りとなる場合、
図6(a)に示すように、停止図柄(確定表示される大当り図柄)が、「特
図1_大当り図柄1(8R大当り図柄)」とされる場合を「50%」の割合で生じ、「特
図1_大当り図柄2(8R大当り図柄)」とされる場合を「50%」の割合で生ずる。
また、第2当否判定の結果が大当りとなる場合、「特
図2_大当り図柄1(10R大当り図柄)」とされる場合を「50%」の割合で生じ、「特
図2_大当り図柄2(10R大当り図柄)」とされる場合を「50%」の割合で生ずる。
【0067】
ここで、「特
図1_大当り図柄1」及び「特
図2_大当り図柄1」は、所謂「確変大当り図柄」であり、これらの確変大当り図柄が停止表示されると、対応する大当り遊技を実行した後、パチンコ機50の遊技状態が、高確率状態且つ開放延長状態(時短状態)に移行する。
この高確率状態且つ開放延長状態(以下、高確率・時短状態という)は、大当り遊技後、特別図柄に関する当否判定(第1当否判定若しくは第2当否判定)の実行回数が50回になるか、当該当否判定(第1当否判定若しくは第2当否判定)の結果が大当りになるまで継続する。
【0068】
高確率・時短状態に移行した後、特別図柄に関する当否判定の実行回数が50回になると、パチンコ機50の遊技状態が、通常確率状態且つ開放延長状態(以下、通常確率・時短状態という)に移行する。
この通常確率・時短状態は、大当り遊技後、特別図柄に関する当否判定の実行回数が100回になるか、当該当否判定の結果が大当りになるまで継続する。そして、通常確率・時短状態を終了すると、遊技状態は通常確率且つ非開放延長状態(以下、通常確率・非時短状態という)、つまり、通常状態となる。
【0069】
また、「特
図1_大当り図柄2」及び「特
図2_大当り図柄2」は、所謂「通常大当り図柄」であり、これらの通常大当り図柄が停止表示されると、対応する大当り遊技を実行した後、パチンコ機50の遊技状態が、通常確率・時短状態に移行する。
この通常確率・時短状態も、大当り遊技後、特別図柄に関する当否判定の実行回数が100回になるか、当該当否判定の結果が大当りになるまで継続する。そして、通常確率・時短状態を終了すると、遊技状態は「通常確率・非時短状態」、つまり、通常状態となる。
【0070】
なお、以下の説明において当否判定の結果が大当りとなり、大当り遊技を実行した後に移行する時短状態をその移行原因に基づいて、「大当り時短状態(a時短状態)」と称することがある。
また、この大当り時短状態(a時短状態)は、普通電動役物(第2始動口12)の開放時間を延長する(開放延長機能)とともに、特別図柄及び普通図柄の平均変動時間を短くする変動時短機能が作動される状態(つまり、時短制御が行われた状態)であり、非時短状態とは開放延長機能及び変動時短機能が作動していない状態(つまり、時短制御が行われていない状態)である。
【0071】
また、
図6(c)に示すように、本パチンコ機50では、遊技状態が通常確率状態(非時短状態であるか、時短状態であるかを問わない)において、「特別図柄に関する当否判定(第1当否判定若しくは第2当否判定)」の結果が大当りとなることなく実行される当該当否判定の回数が、「900回(規定到達回数)」に到達すると、遊技状態が通常確率・時短状態(以下、この時短状態をb時短状態と称することがある)に移行する(
図9(b)を参照)。
【0072】
つまり、通常確率状態で実行される当否判定(第1当否判定若しくは第2当否判定)の回数が規定到達回数に到達すると、大当り遊技を介することなく、通常確率・開放延長状態(b時短状態)に移行する。この通常確率・時短状態(b時短状態)は、当該通常確率・時短状態(b時短状態)に移行した後において実行される当否判定(第1当否判定若しくは第2当否判定)の回数が「900回」となるか、当該当否判定(第1当否判定若しくは第2当否判定)の結果が大当りになるまで継続する。
【0073】
以下の説明において、当否判定(第1当否判定若しくは第2当否判定)の回数が規定到達回数に到達することで、移行する時短状態(b時短状態)をその移行原因に基づいて、「到達時短状態」と称することがある。
ここで、
図6(d)に示すように、規定到達回数は、主制御装置80に搭載されたRAMを初期化する「ラムクリアの処理」若しくは「大当り発生後(大当り遊技実行後)」から起算した特別図柄の変動回数、つまり、通常確率状態で当否判定の結果が大当りを発生することなく実行した「特別図柄に関する当否判定」の回数である。
【0074】
実施例では、規定到達回数は、大当り確率(1/300)の「逆数」を超える値(300を超える値)であれば特に問わない。つまり、通常確率状態で大当り確率の「逆数」を超える回数だけ、当否判定を行っても、大当りを発生させなかった場合は、所謂「嵌まった」ものとして、時短状態に移行させ、健全な遊技を継続する遊技者を救済するためである。より具体的には、大当り確率が「1/300」である場合、例えば、301回以上、特に、700回以上としたり、750~900回のうちの何れかの回数としたりすることができる。
【0075】
本実施例では、「到達時短(b時短状態)」に移行すると、大当り時短(a時短状態)に比べて遙かに多い時短回数を得ることができる。ここで、b時短状態を維持しつつ実行可能な当否判定の回数(900回)をb時短状態の時短回数という。
但し、本実施例と異なり、大当り時短(a時短状態)に移行すると、「到達時短(b時短状態)」よりも多い時短回数が付与されることとしてもよい。
【0076】
到達時短状態(b時短状態)も、大当り時短(a時短状態)と同様に、普通電動役物(第2始動口12)の開放時間を延長する(開放延長機能)とともに、特別図柄及び普通図柄の平均変動時間を短くする時短機能が作動する状態である。
【0077】
本実施例のパチンコ機50では、
図7(a)に示すように、遊技状態が非時短状態である場合も、
図7(b)に示すように、遊技状態が時短状態である場合も、第1当否判定の結果が外れとなる場合、外れ図柄として「特
図1_外れ図柄1」若しくは「特
図1_外れ図柄2」が確定表示される。また、第1当否判定の結果が外れとなる場合、外れ図柄が「特
図1_外れ図柄1」に設定される確率(乱数抽選で選択される確率)が「149/150」であり、「特
図1_外れ図柄2」に設定される確率(乱数抽選で選択される確率)が「1/150」である。
ここで、「特
図1_外れ図柄1」は非特定外れ図柄(非特定図柄)の具体例を構成し、「特
図1_外れ図柄2」は、特定外れ図柄(特定図柄)の具体例を構成する。
【0078】
そして、以下に示すように、所定条件の下(非時短状態で)、特定外れ図柄(特定図柄)が確定表示されると特定外れを発生する。ここで、特定外れを発生すること、つまり、所定条件の下(非時短状態で)、外れ図柄として特定外れ図柄が選択されることは「特定時短当選」することに相当する。
【0079】
ここで、本実施例では、外れ図柄の一態様(特
図1_外れ図柄2)で特定図柄を設定するが、本発明では、外れ図柄とは無関係に特定時短図柄を設定してもよい。例えば、特別図柄に関する当否判定の結果が大当りでない場合、特定時短当選であるか否かを判定し、特定時短当選である場合には停止図柄として特定図柄が選択され、特定時短当選でない場合には停止図柄として非特定時短図柄が選択されることとしてもよい。
【0080】
また、第2当否判定の結果が外れとなる場合、
図7(c)に示すように、外れ図柄として「特
図2_外れ図柄1」が確定表示される。なお、第2当否判定の結果が外れとなる場合、外れ図柄が「特
図2_外れ図柄1」に設定される確率は「100%」であり、この「特
図2_外れ図柄1」は非特定外れ図柄の具体例を構成する。
このように、本実施例では、第1特別図柄の外れ図柄の中に特定外れ図柄(特定の外れ図柄)を備えるが、第2特別図柄の外れ図柄の中に特定外れ図柄(特定図柄)を備えない。但し、第2特別図柄の外れ図柄の中に特定外れ図柄を備えてもよい。
【0081】
遊技状態が非時短状態であるときに、特定外れ図柄(特
図1_外れ図柄2)が停止表示(確定表示)されると特定外れを発生し(つまり、特定時短当選し)、
図6(a)に示すように、大当り遊技を実行することなく(大当り遊技を介することなく)、パチンコ機50の遊技状態が、通常確率状態且つ時短状態(c時短状態)に移行する。この通常確率・時短状態(c時短状態)は、当該状態(c時短状態)に移行後、特別図柄に関する当否判定(第1当否判定若しくは第2当否判定)の実行回数が50回になるか、当該当否判定(第1当否判定若しくは第2当否判定)の結果が大当りになるまで継続する(
図9(c)を参照)。ここで、c時短状態を維持しつつ実行可能な当否判定の回数(50回)をc時短状態の時短回数という。
【0082】
この特定外れ図柄(特定図柄)が確定表示されることに基づいて、大当り遊技を介することなく移行する「通常確率状態且つ時短状態」が、特定時短状態(c時短状態)である。なお、非特定外れ図柄が停止表示(確定表示)されても、時短状態移行の契機とならない。
そして、この通常確率・時短状態(c時短状態)を終了すると、遊技状態は通常確率且つ非時短状態(通常状態)になる。
【0083】
この特定時短状態(c時短状態)も、大当り時短状態(a時短状態)と同様に、普通電動役物(第2始動口12)の開放時間を延長する(開放延長機能)とともに、特別図柄及び普通図柄の平均変動時間を短くする時短機能が作動する状態である。ここで、特定外れ図柄(特
図1_外れ図柄2)が確定表示され、大当り遊技を実行することなく移行する時短状態(c時短状態)を「特定時短状態」と称し、作動契機が異なる他の時短状態(a時短状態及びb時短状態)と区別することがある。
【0084】
一方、本実施例では、
図7(b)に示すように、遊技状態が時短状態(a時短状態、b時短状態、c時短状態の何れか)であるときに、特定外れ図柄(特
図1_外れ図柄2)が確定表示されても、特定外れとして扱われず、単なる外れとして扱われる。すなわち、遊技状態が時短状態であるときに、特定外れ図柄(特
図1_外れ図柄2)が確定表示されても、特定時短状態とはならない。
つまり、本実施例では、遊技状態が時短状態(a時短状態、b時短状態、c時短状態の何れか)であるときに、特定外れ図柄(特
図1_外れ図柄2)が確定表示されたときに時短回数は、そのまま維持され、新たに50回加算されることはない。例えば、時短状態を維持しつつ実行可能な当否判定の回数(残り回数)が20回のとき、特定外れ図柄(特
図1_外れ図柄2)が停止表示(確定表示)されても、時短回数が「20回+50回」とはならず、「20回」のまま維持される。
【0085】
なお、遊技状態が時短状態であるときに(a時短状態、b時短状態若しくはc時短状態であるときに)、特定外れ図柄(特
図1_外れ図柄2)が確定表示されると、単なる外れとして扱わないこととしてもよい。例えば、時短状態(a時短状態、b時短状態、c時短状態)であるとき、特定外れ図柄が確定表示された時に、継続中の時短状態で実行可能な当否判定の残り回数と、特定外れ図柄が停止表示されることに付与される時短状態(特定時短状態)の時短回数を比較して、時短回数が残り回数よりも多い場合、残り回数をc時短状態への移行に伴い付与予定の時短回数(50回)で残り回数を更新することとしてもよい。
【0086】
例えば、継続中の時短状態で実行可能な当否判定の残り回数が「60回」の場合に特定外れ図柄が確定表示されても残り回数は維持され、継続中の時短状態で実行可能な当否判定の残り回数が「20回」の場合に特定外れ図柄が確定表示されても残り回数が「50回」に更新されることとしてもよい。このようにすれば、特定外れ図柄が確定表示されても、継続中の時短状態で実行可能な当否判定の残り回数が減少することがないため、遊技者に不利益を与えることはない。
【0087】
但し、本実施例と異なり、遊技状態が時短状態であるときに、特定外れ図柄(特
図1_外れ図柄2)自体が選択されることがなく、確定表示されないこととしてもよい。例えば、遊技状態が時短状態である場合、第1当否判定の結果が外れとなる場合、外れ図柄として「特
図1_外れ図柄1」に設定される確率(乱数抽選で選択される確率)を「150/150」としてもよい。
【0088】
ここで、
図8を用いて、「時短状態移行契機発生時の遊技状態」と、「移行対象となる時短状態の種類」について説明する。
遊技状態が「通常確率・非時短状態(所謂通常状態)」、「a時短状態」、「b時短状態」、「c時短状態」の何れであっても、大当り図柄が確定表示されると、大当り遊技を介して「a時短状態」に移行することができる。
【0089】
また、遊技状態が「通常確率・非時短状態(所謂通常状態)」、「a時短状態」、「c時短状態」であるとき、到達時短状態(b時短状態)の移行契機を生ずると、大当り遊技を介することなく到達時短状態(b時短状態)に移行することができる。なお、遊技状態が到達時短状態(b時短状態)であるとき、到達時短状態(b時短状態)の移行契機を生ずることは、非現実的であると考えられる。蓋し、大当り確率が「1/300」である状況で、900回に亘って当否判定(特別図柄に関する当否判定)の結果が大当りとならず、到達時短状態(b時短状態)に移行し、この到達時短状態(b時短状態)で更に900回に亘って当否判定(特別図柄に関する当否判定)の結果が大当りとならないこと、つまり、大当り確率が「1/300」で1800回に亘って大当りとならないこと、となる可能性が、かなり低い。
【0090】
また、到達時短状態は大当り(大当り遊技)を介するまでに1回しか作動しないものとして設けることも考えられ、その場合、到達時短状態で900回に亘って当否判定(特別図柄に関する当否判定)の結果が大当りとならず、到達時短状態終了後に再度900回に亘って当否判定(特別図柄に関する当否判定)を行っても到達時短状態に移行しない構成が考えられる。
更に、遊技状態が「通常確率・非時短状態(所謂通常状態)」であるとき、特定時短状態(c時短状態)の移行契機を生ずると、大当り遊技を介することなく特定時短状態(c時短状態)に移行することができる。これに対して、遊技状態が「a時短状態」、「b時短状態」であるとき、特定外れ図柄が確定表示されても、新たに「c時短状態」に移行するのではなく、継続する時短状態が維持される。
【0091】
なお、本実施例では、時短状態で特
図1_外れ図柄2が確定表示されても、新たに特定時短状態(c時短状態)に移行することがないが、時短状態の最終変動(当該時短状態で変動表示を実行可能な最終変動、つまり、残り回数が1回で開始された変動)において、特
図1_外れ図柄2(特定外れ図柄)が確定表示されると、c時短状態に移行することとしてもよい。
【0092】
次に、
図6(a)及び(b)を用いて、特別図柄に関する当否判定(第1当否判定、第2当否判定)の結果が大当りとなる場合に実行される大当り遊技の内容と、大当り遊技を実行した後に移行する遊技状態について説明する。
【0093】
図6(a)に示すように、第1当否判定の結果が大当りとなり、「特
図1_大当り図柄1(8R確変大当り図柄)」が確定表示されると、8R確変大当りが発生し、「8R大当り遊技」を実行する。また、第1当否判定の結果が大当りとなり、「特
図1_大当り図柄2(8R通常大当り図柄)」が確定表示されると、8R通常大当りが発生し、「8R大当り遊技」を実行する。
【0094】
図6(b)に示すように、第2当否判定の結果が大当りとなり、「特
図2_大当り図柄1(10R通常大当り図柄)」が確定表示されると、10R確変大当りが発生し、「10R大当り遊技」を実行する。また、第2当否判定の結果が大当りとなり、「特
図2_大当り図柄2(10R通常大当り図柄)」が確定表示されると、10R通常大当りが発生し、「10R大当り遊技」を実行する。
ここで、「8R大当り遊技」では大入賞口14を開放するラウンド遊技(1ラウンド最大30秒の開放又は10カウント)を所定のインターバルを間に挟んで8回行い、「10R大当り遊技」では同様なラウンド遊技を同様なインターバルを間に挟んで10回行う。
【0095】
また、
図5に戻って更に説明すると、第1始動口11及び第2始動口12への入球による賞球数は4個、その他入賞口13への入球による賞球数は10個となっている。このため、開放延長状態(a時短状態、b時短状態、c時短状態)にあるときには、右打ち領域3Rに向けて遊技球を発射すると、第2始動口12に入球が高頻度に入賞し、第2始動口12への入球に基づいて頻繁に賞球「4個」を獲得することで、所謂「球減り」を抑制することができる。
また、大入賞口14への入球による賞球数は10個となっている。更に、大入賞口14への規定入賞数は10個、普通電動役物(第2始動口12)への規定入賞数は9個となっている。
【0096】
普通図柄の当選確率は、非時短状態(非開放延長状態)で「1/6」に設定され、時短状態(a時短状態、b時短状態、c時短状態)で「5/6」に設定されている。
普通電動役物(第2始動口12)の開放時間は、非時短状態において「0.3秒を1回」であり、時短状態(a時短状態、b時短状態、c時短状態)において「1秒を2回」である。
普通図柄の変動時間は、非時短状態で平均5秒、時短状態(a時短状態、b時短状態、c時短状態)で平均1秒とされている。
【0097】
なお、本実施例では、時短状態を複数種類(a時短状態、b時短状態、c時短状態)備えるが、本発明において、時短状態として特定時短状態(c時短状態)のみを備えてもよい。
また、本発明においては、本実施例に示すように、複数種類の時短状態を備える場合において、それらの時短性能が時短状態の種類を問わずに同一とされてもよいし、時短状態の種類に応じて異なってもよい。
【0098】
ここで、時短性能は、例えば、(a)時短状態における可変式の始動口への入球可能性を向上させる入球可能性の向上度合い(可変式の始動口の開放時間の延長度合い)(b)時短状態における特別図柄の平均変動時間(時短状態における特別図柄の平均変動時間の短縮度合い)、(c)普通図柄の当選確率、(d)普通図柄の平均変動時間、によって特定される。そして、時短性能が異なる場合には、(a)~(d)のうちの何れかの性能評価項目が異なることになる。なお、(a)~(d)に示す何れの時短性能を具備しても、単位時間当りの当否判定(特別図柄の当否判定)の実行頻度が向上するため、当該時短性能を具備する状態を「時短状態」と称する。ここで、時短性能を具備する状態としては、(A)可変式の始動口への入球可能性が通常状態よりも向上した状態、(B)特別図柄の平均変動時間が通常状態よりも短縮化された状態、(C)普通図柄の当選確率が通常状態よりも高くされた状態、(D)普通図柄の平均変動時間が通常状態よりも短縮化された状態、或いは、(A)~(D)の少なくとも2個以上を備える状態を指す。
そして、時短性能が異なる場合には、(a)~(d)のうちの何れかの性能評価項目が異なることになる。
【0099】
以上のような構成の下、本実施例のパチンコ機50では、遊技状態が非時短状態であるとき、先ず、遊技者は左打ち領域3Lを狙って遊技球を発射して(左打ちを行い)、第1始動口11への入球によって第1当否判定で大当りの発生を目指す。そして、大当りを発生させ、大当り遊技を実行した後は、大当り時短状態(a時短状態)に移行し、普通電動役物12A(第2始動口12)の開放時間が延長されるため、遊技球の発射態様を切り替えて(強くし)、右打ち領域3Rに向かって遊技球を発射する(右打ちで第2始動口12への入球を目指す)。
【0100】
また、遊技状態が非時短状態であるか、時短状態であるかを問わず、大当りを発生することなく実行される当否判定(特別図柄に関する当否判定)を予め定めた規定到達回数(本実施例では「900回」)行うと、到達時短状態(b時短状態)に移行し、普通電動役物12A(第2始動口12)の開放時間が延長される。
【0101】
更に、遊技状態が非時短状態である場合に特定外れ図柄が停止表示されると、大当り遊技を介さずに特定時短状態(c時短状態)に移行し、普通電動役物12A(第2始動口12)の開放時間が延長される。なお、時短状態(a時短状態、b時短状態、c時短状態)で特定外れ図柄が確定表示されても、通常の外れ(非特定外れ)として扱われ、当該特定外れ図柄の確定表示に基づいて、特定時短状態に移行することはない。
【0102】
また、本遊技機50では、通常、賞球量は、ラウンド遊技の回数に比例して多くなるため、本実施例のパチンコ機50では、第2当否判定の結果が大当りとなる場合の方が、第1当否判定の結果が大当りとなる場合よりも、多量の賞球を獲得できる可能性が高くなっている。
【0103】
なお、本実施例では、第1当否判定の結果が大当りとなる場合と、第2当否判定の結果が大当りとなる場合と、で大当り遊技後に付与される特典に差異を設けていないが、本実施例と異なり、両者の場合に差異を設けてもよい。例えば、第2当否判定の結果が大当りとなる場合の方が第1当否判定の結果が大当りとなる場合よりも、大当り遊技後に付与される特典が多くされていてもよい。つまり、第2当否判定の結果が大当りとなる場合の方が第1当否判定の結果が大当りとなる場合よりも、大当り遊技後に移行する時短状態(a時短状態)の期間が長くされていてもよい。
【0104】
更に、このように、第2当否判定の結果が大当りとなる場合と第1当否判定の結果が大当りとなる場合に利得の差異を設ける手法は、これに限定されず、例えば、大当り遊技後に付与される特典を同一とし、大当り遊技実行時の賞球量の多少によって利得の差異を設けてもよいし、逆に大当り遊技実行時の賞球量を同一とし、大当り遊技後に付与される特典の多少によって、遊技者に供与される利得に差異を設けてもよい。
【0105】
以上のように、本パチンコ機50では、右打ち領域3Rに第2始動口12等が配置され、第2始動口12の入賞頻度が時短状態(a時短状態、b時短状態、c時短状態)で向上するため、時短状態(大当り時短、到達時短、特定時短状態)では右打ち領域3Rへの遊技球の発射を誘発する構成となっている。
【0106】
本パチンコ機50では、以下のように遊技が進行する。
まず、パチンコ機50の主制御装置80が実行するメインルーチンについて、
図10に記載のフローチャートを用いて説明する。なお、このメインルーチンは、約2ms毎のハード割り込みにより定期的に実行される。本実施例では、S10~S70までの1回だけ実行される処理を「本処理」と称し、この本処理を実行して余った時間内に時間の許す限り繰り返し実行されるS75の処理を「残余処理」と称する。「本処理」は上記割り込みにより定期的に実行されることになる。
【0107】
マイコンによるハード割り込みが実行されると、まず正常割り込みであるか否かが判断される(S10)。この判断処理は、メモリとしてのRAMの所定領域の値が所定値であるか否かを判断することにより行われ、マイコンにより実行される処理が本処理に移行したとき、通常の処理を実行して良いのか否かを判断するためのものである。正常割り込みでない場合としては、電源投入時又はノイズ等によるマイコンの暴走等が考えられるが、マイコンの暴走は近年の技術の向上によりほとんど無いものと考えて良いので、たいていが電源投入時である。電源投入時にはRAMの所定領域の値が所定値と異なる値となっている。
【0108】
正常割り込みでないと判断されると(S10:no)、初期設定(例えば前記メモリの所定領域への所定値を書き込み、特別図柄及び普通図柄を初期図柄とする等のメモリの作業領域への各初期値の書き込み等)が為され(S15)、残余処理(S75)に移行する。
【0109】
正常割り込みとの肯定判断がなされると(S10:yes)、初期値乱数更新処理が実行される(S20)。この処理は、初期値乱数の値についてこの処理を実行する毎に+1するインクリメント処理であり、この処理実行前の初期値乱数の値に+1するが、この処理を実行する前の乱数値が最大値である「3966」のときには次回の処理で初めの値である「0」に戻り、「0」~「3966」までの3967個の整数を繰り返し昇順に作成する。
【0110】
S20に続く大当り決定用乱数更新処理(S25)は、初期値乱数更新処理と同様に処理を実行する毎に+1するインクリメント処理であり、最大値である「3966」のときは次回の処理で初めの値である「0」に戻り、「0」~「3966」までの3967個の整数を繰り返し昇順に作成する。なお、大当り決定用乱数の最初の値は、初期値乱数設定処理で設定された値となる。この値が250であったとすると、大当り決定用乱数は「250」「251」「252」・・・「3966」「0」「1」・・・と更新されていく。
【0111】
なお、大当り決定用乱数が1巡(3967回、更新されること)すると、そのときの前記初期値乱数の値を大当り決定用乱数の初期値にし、大当り決定用乱数は、その初期値から+1するインクリメント処理を行う。そして、再び大当り決定用乱数が1巡すると、その時の初期値乱数の値を大当り決定用乱数の初期値にする動作を行なう。つまり、この一連の動作を繰り返し続けることになる。前述の例では大当り決定用乱数が「249」になると1巡であるから、「249」の次は前記初期値乱数の値となる。仮に初期値乱数の値が「87」だったとすると、「249」「87」「88」・・・「3966」「0」「1」・・・「86」と変化していき、「86」の次は新たな前記初期値乱数の値となる。
大当り図柄決定用乱数更新処理(S30)は「0」~「99」の100個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎に+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。
【0112】
S30に続く当り決定用乱数更新処理(S35)は、「0」~「996」の997個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎で+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。
なお、当り決定用乱数更新処理は普通図柄の抽選に使用し、その他の初期値乱数、大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数は特別図柄の抽選に使用する。
S35に続くリーチ判定用乱数更新処理(S40)は、「0」~「228」の229個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎で+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。なお、通常確率状態時で変動時間短縮機能未作動時にリーチとなる値の数は21で、値は「0」~「20」であり、通常確率状態時で変動時間短縮機能作動時にリーチとなる値の数は5で、値は「0」~「4」であり、高確率状態時にリーチとなる値の数は6で、値は「0」~「5」である。
【0113】
S40に続く変動パターン決定用乱数更新処理(S45)は、「0」~「1020」の1021個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎で+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。
【0114】
外れ図柄決定用乱数更新処理(S46)は「0」~「3966」の3967個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎に+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。
【0115】
続く入賞確認処理(S50)では、第1始動口11、第2始動口12への入賞、大入賞口14、一般入賞口13への入賞及び普通図柄作動ゲート17への入球の確認、及びパチンコ機50に設けられ主制御装置80に接続された各スイッチ類の入力処理が実行される。
各始動口及び作動口への入賞(入球)確認処理(始動入賞処理)等については、後述する。
【0116】
なお、本実施例では、遊技球が第1始動口11、第2始動口12に入賞すると大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、変動パターン決定用乱数、リーチ判定用乱数など複数の乱数を取得されるのだが、保留記憶できる数を第1始動口11と第2始動口12でそれぞれ4個までとしており、保留記憶が満タンである4個のときに遊技球が第1始動口11又は第2始動口12に入賞しても賞球(4個)が払出されるだけで、前記複数の乱数は保留記憶されない構成になっている。
【0117】
続いて、大当りか否かを判定する条件成立判定手段としての当否判定処理(S55)を行う。この当否判定処理(S55)が終了すると、続いて、特別図柄に関する当否判定の結果が大当りである場合に行われる大当り遊技を制御する大当り遊技処理(S60)を行う。
【0118】
続く不正監視処理(S65)は、普通入賞口13に対する不正が行われていないかを監視する処理であり、所定時間内における入賞口への遊技球の入球が予め決定された規定数よりも多いか否かを判断して、多かった場合には不正と判断され、その旨を報知する処理である。つまり、不正判断手段は、主制御装置80に設けている。
そして、主制御装置80は、続いて、ホールコンピュータ87等に各種情報を送信する各出力処理(S70)を実行する。
【0119】
本処理に続く前述の残余処理は、初期値乱数更新処理(S75)から構成されるが、前述したS20と全く同じ処理である。この処理は無限ループを形成し、次の割り込みが実行されるまで時間の許される限り繰り返し実行される。前述したS10~S70までの本処理を実行するのに必要とされる時間は、大当り処理を実行するか否か、特別図柄の表示態様の相違等により割り込み毎に異なる。この結果、残余処理を実行する回数も割り込み毎に異なり、
図10に示された割り込み処理が1回実行されることにより初期値乱数に更新される値も一律ではなくなる。これにより、初期値乱数が大当り決定用乱数と同期する可能性は極めて小さくなる。大当り決定用乱数が1巡したときの、初期値乱数の値(0~3966の3967通り)が、同程度に発生するとすれば、同期する確率はわずか1/3967である。また、前述した当り決定用乱数更新処理(S35)も残余処理内において実行するよう構成しても良い。
【0120】
次に、
図11を用いて、普通図柄に関する始動入賞確認処理(以下、普通図柄始動入賞確認処理ということがある)について説明する。この普通図柄始動入賞確認処理は、
図10のメインルーチンの入賞確認処理(S50)のサブルーチンの1つである。
図11に示す普通図柄に関する始動入賞確認処理(普通図柄始動入賞確認処理)は、普通図柄作動ゲート17への入球があるか否かを判定し(S100)、入球があれば(S100:yes)、普通図柄の保留記憶が満杯であるか否かを判定する(S102)。否定判定の場合には(S102:no)、S104の処理で普通図柄の当り決定用乱数、当り図柄決定用乱数(普図決定用乱数)などの各種乱数を抽出し、抽出された各種乱数が保留記憶として主制御装置80のメモリ(内蔵RAMに設けられた普図用の保留記憶処理であって、
図11では図示を省略)に記憶される(最大4つ)。そして、普通図柄保留数表示装置8の表示制御、演出図柄表示装置82やサブ統合制御装置83への普通図柄保留数コマンド送信処理を行い(S106)、本処理を終了(リターン)する。
【0121】
また、S100の処理で普通図柄作動ゲート17への遊技球の入球がなかったと判定される場合(S100:no)及び普通図柄の保留記憶が満杯であった場合には(S102:yes)の場合には、そのままリターンとなる。
【0122】
次に、
図12~14を用いて、普通図柄に関する当否判定処理(以下、普通図柄当否判定処理ということがある)について説明する。この普通図柄当否判定処理は、
図10のメインルーチンの当否判定処理(S55)のサブルーチンの1つである。
普通図柄当否判定処理(普図当否判定処理)では、先ず、第2始動口12を開放させるための普通電動役物12Aが作動中であるか否かを判定する(S110)。普通電動役物12Aが作動中である場合には(S110:yes)、そのまま普通図柄遊技処理へ移行する。また、普通電動役物12Aが作動していない場合には(S110:no)、普通図柄が変動中であるか否かを判定する(S112)。変動中でなければ(S112:no)、確定図柄が表示されているかを判定する(S114)。
【0123】
確定図柄が表示中でなければ(S114:no)、普通図柄の保留記憶があるか否かを判定し(S116)、普通図柄の保留記憶があれば(S116:yes)、普通図柄の保留記憶数をデクリメントし(S118)、S120に移行する。なお、普通図柄の保留記憶がなければ(S116:no)、そのまま普通図柄遊技処理に移行する。
【0124】
S120では保留記憶の中で最も古いものを読み込んで(その保留記憶は消去して)、時短フラグがセットされている(すなわち1)か否かを判定する。このS120で肯定判断であれば(S120:yes)、読み込んだ普通図柄の当り決定用乱数を時短テーブルに記録されている当り値と照合し(S122)、
図13のS130に移行する。否定判断された場合(S120:no)は、S124にて当り決定用乱数を通常テーブルに記録されている当り値と照合し、
図13のS130へと移行する。
【0125】
ここで、本実施例では遊技状態が、特別図柄に関する大当り確率が通常確率(時短フラグが「0」)であると普通図柄の当り確率は「1/6」とされ、時短状態(時短フラグが「1」)であると、普通図柄の当り確率は「5/6」とされている。ここで、時短フラグが1であると、通常、普通図柄確率変動機能が作動する遊技状態となる。
【0126】
なお、普通図柄の当り確率(普通図柄に関する当否判定の結果が当りとなる確率)が、通常確率(本実施例では「1/6」)から高確率(本実施例では「5/6」)に変動するのは、大当り遊技を開始する際に作動を開始した役物連続作動装置(
図22のS392を参照)が作動を停止していることを前提条件とすることができる。つまり、大当り遊技中作動していた役物連続作動装置が、大当り遊技を終了して作動を停止していることを、普通図柄の当り確率が高確率に変動するための前提となるのが一般的である。
よって、時短フラグが「1」となったら無条件に普通図柄の当り確率が、通常確率から高確率に変動するものに限定せず、(1)役物連続作動装置が作動を停止していることと、(2)時短フラグが「1」となったこと、という2つの条件が成立した場合に普通図柄の当り確率が高確率に変動することとしてもよい。
【0127】
図13のS130では普通図柄の当りか否かを判定し、当りであれば(S130:yes)、当り図柄決定用乱数に基づいて当り図柄を決定し(S132)、変動パターンを決定する(S134)。その後、普通図柄当り設定処理を実行し(S136)、S140に移行する。一方、普通図柄が当りでなければ(S130:no)、外れの変動パターンを決定し(S138)、S140に移行する。
なお、本実施例のパチンコ機50では普通図柄の変動時間(S134若しくはS138で決定される変動パターンが特定する変動時間)は、普通図柄当否判定の結果が当りであるか、外れであるに関係なく、しかも、当り図柄に関係なく、パチンコ機50の遊技状態が通常遊技状態(非開放延長状態)であれば常に5.0秒であり、パチンコ機50の遊技状態が開放延長状態であれば常に1.0秒である。
【0128】
その後、S140に移行し、普通図柄表示装置7の変動開始、およびサブ統合制御装置83へ普通図柄変動開始コマンドを送信し(S140)、普通図柄遊技処理に移行する。本実施例の普通図柄当り設定処理(S136)では、非開放延長状態中に、S130で肯定判定される場合には、普通電動役物12Aを「0.3秒で1回の開放パターン(普通電動役物12Aを0.3秒間、開放することを1回行う開放パターン)」に設定する。また、開放延長状態中にS130で肯定判定される場合には、普通電動役物12Aを「1秒で2回の開放パターン(1秒間、開放することを2回行う開放パターン)」に設定する。
図12のS112において、普通図柄が変動中の場合には(S112:yes)、
図14(a)に示すS146に移行する。S146では、普通図柄の変動時間を経過したか否かを判定する。肯定判定の場合には(S146:yes)、対応した普通図柄の確定図柄表示処理を行い(S148)、普通図柄遊技処理に移行する。確定図柄表示処理では、確定図柄を表示する旨のコマンド(図柄確定コマンド)をサブ統合制御装置83に出力するとともに、普通図柄表示装置7にコマンドを出力して確定図柄にて停止させる。なお、図柄変動時間を経過していない場合には(S146:no)、そのまま普通図柄遊技処理へと移行する。
【0129】
図12のS114において、確定図柄表示中の場合には(S114:yes)、
図14(b)に示すS150に移行する。S150で確定図柄表示時間が終了したか否かを判定する。確定図柄表示時間が終了した場合には(S150:yes)、確定図柄の表示を終了し(S152)、普通図柄の当りの組合せであるか否かを判定する(S154)。普通図柄の組合せが当りである場合には(S154:yes)、普通図柄当り開始演出処理を行い(S156)、普通図柄遊技処理へと移行する。確定図柄表示時間を終了していない場合(S150:no)、普通図柄の組合せがハズレである場合は(S154:no)、そのまま普通図柄遊技処理へと移行する。
【0130】
図15~
図16を用いて、普通電動役物12A(第2始動口12)を開放することで行われる普通図柄遊技処理について説明する。なお、普通図柄遊技処理は、普通図柄当否判定処理の実行後に実行される処理である。
図15に示すように、普通図柄遊技処理が開始されると、先ず、普通電動役物12Aが作動中であるか否かを判定する(S160)。普通電動役物12Aが作動中の場合には(S160:yes)、普通電動役物12Aが開放中か判定する(S162)。一方、普通電動役物12Aが作動中ではない場合には(S160:no)、そのまま本処理が終了(リターン)となる。
【0131】
普通電動役物12Aが開放中でなければ(S162:no)、普通図柄当り終了演出中か判定し(S164)、普通図柄当り終了演出中でなければ(S164:no)、普通図柄当り開始演出時間が経過したか確認し(S166)、普通図柄当り開始演出時間が経過していれば(S166:yes)、普通電動役物開放処理(S168)へ移行し、終了となる。
本実施例の普通電動役物開放処理(S168)は、上述したS136で設定した普通電動役物12Aの開放パターンに基づいて普通電動役物12A(第2始動口12)を開放する(閉鎖状態から開放状態とする)。
【0132】
図15のS162の処理で普通電動役物12Aが開放中であれば(S162:yes)、
図16(a)のS170に移行する。そして、普通電動役物12A(第2始動口12)に9個(規定数)の入球があったか否かの判定する(S170)。規定数に達した場合には(S170:yes)、普通電動役物閉鎖処理(S174)を行い、普通図柄当り終了演出処理を実行して(S176)、終了となる。一方、普通電動役物12A(第2始動口12)に9個(規定数)の入球がない場合には(S170:no)、普通電動役物12Aの開放時間が終了となったか否かを判定する(S172)。肯定判定の場合には(S172:yes)、S174に移行する。なお、否定判定の場合には(S172:no)、そのまま終了となる。
【0133】
図15のS164の処理で普通図柄当り終了演出中であれば(S164:yes)、
図16(b)に示すS180に移行し、普通図柄当り終了演出時間が経過したか否か確認する(S180)。普通図柄当り終了演出時間が経過していれば(S180:yes)、普通図柄当り終了コマンド送信処理(S182)を実行し、この処理でサブ統合制御装置83に普通図柄当り終了コマンドを送信し、普通図柄遊技を終了する。なお、普通図柄当り終了演出時間が経過していない場合には(S180:no)、そのまま普通図柄遊技処理を終了する。
【0134】
次に、
図17を用いて、特別図柄に関する入賞確認処理(以下、特別図柄入賞確認処理ということがある)について説明する。この特別図柄入賞確認処理は、
図10のメインルーチンの入賞確認処理(S50)のサブルーチンの1つである。
特別図柄入賞確認処理が起動すると、主制御装置80は、第1始動口スイッチ11aの検出信号に基づいて、第1始動口11に遊技球が入球したか否かを判断する(S200)。そして、肯定判断なら(S200:yes)、大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数、外れ図柄決定用乱数等を該当の各カウンタから読み込んで、第1特別図柄に関する保留記憶(以下、第1保留記憶という)が満杯(本実施例では4個)か否かを判断する(S202)。また、第1始動口11に遊技球が入球したと判断された場合には(S200:yes)、主制御装置80から払出制御装置81に対して賞球(4個)の払い出しを指示する信号を出力する構成となっている。
【0135】
第1保留記憶が満杯でなければ(S202:no)、S204に移行し、上記の各乱数を第1保留記憶として記憶領域に記憶するとともに、第1特別図柄保留数表示装置18の点灯数を1増加させ、第1保留記憶の数を示すカウンタに「1」を加算し、第1特別図柄保留数表示装置18の点灯数を増やす。そして、消化されていない(当否判定の対象となっていない)、第1特別図柄に関する保留記憶(以下、第1保留記憶という)の数を示す保留数コマンド(以下、第1保留数コマンドという)をサブ統合制御装置83に送信し、S206に移行する。
【0136】
S206では、主制御装置80は、新たに発生した第1特別図柄に関する保留記憶(第1保留記憶)についての先読み判定処理を実行し、S210に処理を移行する。
一方、S202で、4個の第1保留記憶が記憶されていると判定する場合(S202:yes)は、保留記憶(第1保留記憶)を記憶せず、第1保留記憶の数を示すカウンタや第1特別図柄保留数表示装置18の点灯数を増やすこともなくS210へ移行する。
【0137】
第1始動口11に遊技球が入球していないと判定された場合(S200:no)と、S202で肯定判定される場合(S202:yes)と、S206の実行後は、S210に進み、第2始動口スイッチ12aの検出信号に基づいて、第2始動口12に遊技球が入球したか否かを判断する。
そして、肯定判断(S210:yes)なら、大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数、外れ図柄決定用乱数等を該当の各カウンタから読み込んで、第2特別図柄に関する保留記憶(以下、第2保留記憶という)が満杯(本実施例では4個)か否かを判断する(S212)。また、第2始動口12に遊技球が入球したと判断された場合には(S210:yes)、主制御装置80から払出制御装置81に対して賞球(4個)の払い出しを指示する信号を出力する構成となっている。
【0138】
第2保留記憶が満杯でなければ(S212:no)、S214に移行し、上記の各乱数を第2保留記憶として記憶し、第2保留記憶の数を示すカウンタに「1」を加算し、第2特別図柄保留数表示装置19の点灯数を増やす。そして、消化されていない(当否判定の対象となっていない)、第2特別図柄に関する保留記憶(以下、第2保留記憶という)の数を示す保留数コマンド(以下、第2保留数コマンドという)をサブ統合制御装置83に送信し、S216に移行する。
【0139】
S216では、主制御装置80は、新たに発生した第2特別図柄に関する保留記憶(第2保留記憶)についての先読み判定処理を実行する。そして、S216を実行すると、本処理を終了(リターン)する。
一方、S212において4個の第2保留記憶があれば(S212:yes)、保留記憶(第2保留記憶)を記憶せず、第2保留記憶の数を示すカウンタや第2特別図柄保留数表示装置18の点灯数を増やすこともなく本処理を終了(リターン)する。また、第2始動口12に遊技球が入球していない場合(S210:no)も、本処理を終了する。
【0140】
次に、
図18~24を用いて、特別図柄に関する当否判定処理(以下、特別図柄当否判定処理ということがある)について説明する。この特図当否判定処理は、
図10に示すメインルーチンの当否判定処理(S55)のサブルーチンの1つである。
図18に示すように、特別図柄当否判定処理を起動すると、主制御装置80は、特別電動役物が作動中か否かを大当りフラグに基づいて判断する(S320)。特別電動役物が作動中である場合には(S320:yes)、大当り遊技処理へ移行する。また、S320の判定が否定判定であり(S320:no)、特別図柄が変動中でなく(S322:no)、確定図柄の表示中でもなければ(S324:no)、
図19のS330に移行し、第2保留記憶(上記、
図17のS214による保留記憶)があるか否かを判定する(S330)。
【0141】
この保留記憶があれば(S330:yes)、第2保留記憶数をデクリメントし(S332)、S338に進む。
一方、第2保留記憶がなければ(S330:no)、第1保留記憶(上記、
図17のS204による保留記憶)があるか否かを判断する(S334)。そして、第1保留記憶があれば(S334:yes)、第1保留記憶数をデクリメントし(S336)、S338に進む。
【0142】
また、第1保留記憶がなければ(S334:no)、待機コマンドをサブ統合制御装置83に送信した後(S337)、大当り遊技処理へ移行する。この待機コマンドは、特別図柄が変動しておらずパチンコ機50が「待機状態(所謂「客待ちの状態)」であることを示すコマンドである。
また、本パチンコ機50では、このように、第1保留記憶及び第2保留記憶が何れも「ゼロ」でない場合には、第2保留記憶を優先的に処理する。
【0143】
S338では確変フラグがセットされている(すなわち1)か否かを判定する。ここで確変フラグが1とは、現在のパチンコ機50が高確率状態であることを意味する。
S338の処理で肯定判断であれば(S338:yes)、S204若しくはS214で読み込んだ大当り決定用乱数を確変テーブルに記録されている当り値と照合する(S340)。
一方、S338の処理で否定判断であれば(S338:no)、S204若しくはS214で読み込んだ大当り決定用乱数を通常テーブルに記録されている当り値と照合する(S344)。
そして、S340またはS344の判定に基づき、大当りか否かを判定する(S350)。
【0144】
ここで、実施例1のパチンコ機50では、特別図柄の確率変動機能を備えるが、特別図柄の確率変動機能を備えていなくてもよい。この場合、S338では一律に否定判定される。
また、実施例1のパチンコ機50は、特別図柄に関する当否判定の大当り確率を段階的に設定可能な機能を備えていないが、当該設定機能を備えるパチンコ機50では、S350においてその時点の設定値に応じて段階的に異なる確率で大当りと判定(大当り判定)される。
【0145】
S350で大当りと判定される場合には(S350:yes)、大当り図柄決定用乱数を用いた乱数抽選によって大当り図柄を決定する(S352)。
そして、「第1当否判定」の結果が大当りである場合には、第1保留記憶をデクリメントして読み込んだ大当り図柄決定用乱数を用いた乱数抽選によって大当り図柄を決定する(S352)。
【0146】
また、「第2当否判定」の結果が大当りである場合には、第2保留記憶をデクリメントして読み込んだ大当り図柄決定用乱数を用いた乱数抽選によって大当り図柄を決定する。
ここで、主制御装置80が、第1保留記憶をデクリメントして読み込んだ大当り決定用乱数を当り値と照合し、大当りか否かを判定することが「第1当否判定」に相当する。また、第2保留記憶をデクリメントして読み込んだ大当り決定用乱数を当り値と照合し、大当りか否かを判定することが「第2当否判定」に相当する。
【0147】
なお、
図6(a)及び(b)に示すように、第1当否判定を経て移行するS352の処理では、大当り図柄が「特
図1_大当り図柄1(8R確変大当り図柄)」若しくは「特
図1_大当り図柄2(8R通常大当り図柄)」に決定される。また、第2当否判定を経て移行するS352の処理では、「特
図2_大当り図柄1(10R確変大当り図柄)」、若しくは、「特
図2_大当り図柄2(10R通常大当り図柄)」の何れかに決定される。
【0148】
そして、S352の処理で大当り図柄を決定すると、変動パターン決定処理(S354)に移行する。
この変動パターン決定処理(S354)では、第1当否判定の場合、第1保留記憶をデクリメントして読み込んだ変動パターン決定用乱数を用いた乱数抽選によって大当り変動パターンを決定する。また、第2当否判定の場合、第2保留記憶をデクリメントして読み込んだ変動パターン決定用乱数を用いた乱数抽選によって大当り変動パターンを決定する。
【0149】
ここで、変動パターンによって、大当り図柄を停止表示されるまでの変動時間(特別図柄の変動時間)が特定されるが、当否判定の結果が大当りの場合に実行される変動(以下、大当り変動という)に対応する演出表示(演出図柄の変動表示)では、一律にリーチ(リーチ表示とそれに続くリーチ演出)を行う。このため、パチンコ機50の遊技状態(開放延長状態、非開放延長状態)が何れであっても、長目(当否判定の結果が外れとなる場合に比べて長目)の変動時間が決定される可能性が高くなっている。
【0150】
そして、変動パターン決定処理後、大当り設定処理を行った後(S356)、S364の処理に移行する。
ここで、大当り設定処理とは決定した大当り図柄(
図5(a)及び(b)を参照)によって、大当り遊技実行後の遊技状態(実施例1では時短状態となるか、確変機能を備えるパチンコ機50では高確率状態となるか、時短状態となるか等)や大当り遊技にかかる情報(大当りのオープニング時間、開放パターン、大当りのエンディング時間、ラウンド数等)を取得する処理である。
【0151】
一方、S350において外れと判定された場合は(S350:no)、外れ図柄を決定する(S358)。そして、外れ図柄を決定すると、第1当否判定の場合、第1保留記憶をデクリメントして読み込んだ変動パターン決定用乱数を用いた乱数抽選によって変動パターンを決定する(S360)。また、第2当否判定の場合、第2保留記憶をデクリメントして読み込んだ変動パターン決定用乱数を用いた乱数抽選によって変動パターンを決定する(S360)。
こうして、変動パターンが設定されると、外れ設定処理を行った後(S362)、S364の処理に移行する。
【0152】
ここで、
図20を用いて、S362の外れ設定処理について説明する。
外れ設定処理を開始すると、S362aで確変フラグ(特別図柄に関する当否判定で大当りとなる確率が高確率に変動していることを示すフラグ)の値が「1」であるか否かを判定する(S362a)。そして、S362aで否定判定される場合には(S362a:no)、S362e以降の処理を行う。
【0153】
これに対し、確変フラグの値が「1」である場合には(S362a:yes)、S362bで確変回数を「-1」する処理を行う。つまり、高確率状態で実行可能の当否判定の残り回数(確変回数)を「1」デクリメントする。
この後、S362cで時短フラグの値が「1」であるか否かを判定する(S362c)。そして、S362cで肯定判定されると(S362c:yes)、S362dで時短回数を「-1」する処理を行う。この後、外れ設定処理をリターンする。一方、S362cで否定判定されると(S362c:no)、S362dをスキップして外れ設定処理をリターンする。但し、本実施例においては、確変フラグの値が「1」である場合には、時短フラグの値も「1」であるため、S362cでは一律に肯定判定される。
このように、本実施例のパチンコ機50では、大当り確率の確率変動している場合において特別図柄に関する当否判定の結果が外れとなっても、計数手段(到達カウンタ)がインクリメントされない。
【0154】
また、 S362aで否定判定されて(S362a:no)、移行するS362eでは、時短フラグの値が「1」であるか否かを判定する(S362e)。ここで、本実施例では、時短フラグとしては、遊技状態が「a時短状態」である場合に設定される第1時短フラグと、遊技状態が「b時短状態」である場合に設定される第2時短フラグと、遊技状態が「c時短状態」である場合に設定される第3時短フラグとが予定されている。
S362eで肯定判定されると(S362e:yes)、S362fを実行した後、S362gに移行し、S362eで否定判定されると(S362e:no)、S362fをスキップしてS362gに移行する。
【0155】
ここで、S362fでは時短回数を「-1」する処理を行う。つまり、時短状態で実行可能の当否判定の残り回数(時短回数)を「1」デクリメントする。
本実施例では、大当り遊技の終了時に、大当り時短状態に移行し、時短回数が「100回」に設定され(
図28のS546を参照)、通常確率状態で実行される当否判定の回数が「900回」に到達すると、到達時短状態に移行し、時短回数が「900回」に設定される(
図24のS452を参照)。また、特定外れを発生した場合(つまり、非時短状態で特定外れ図柄が確定表示された場合)に特定時短状態に移行し、時短回数が「50回」に設定される(
図24のS458を参照)。
【0156】
そして、S362fでは、特別図柄の変動表示が開始される度に、当該時短回数が「-1」され、当該時短回数がS362fを行うことで、「0」となる変動表示が停止される際に時短フラグの値が「1」から「0」とされる。但し、本実施例と異なり、対応する時短フラグの値が「1」である場合、特別図柄の停止表示時に時短回数を「-1」する処理を行ってもよい。
【0157】
S362gでは到達カウンタの値を「1」インクリメントする。ここで、到達カウンタは、通常確率状態で実行される当否判定の回数を計数するためのカウンタであり、本実施例のパチンコ機50では、大当り遊技を実行するか、ラムクリアされると到達カウンタは初期化(値を「0」と)される(
図5(d)を参照)。
このように、本パチンコ機50においては、遊技状態が通常確率状態であると、大当りを生ずることなく実行される「特別図柄に関する当否判定」の回数が計数(カウント)される。
【0158】
S362gを実行するとS362hに移行し、到達カウンタの値が規定到達回数になったか否かを判定する。ここで、通常確率状態で、大当りを発生することなく実行される当否判定の回数が、規定到達回数(本実施例では900を例示)になると、大当り遊技を介することなく遊技状態が時短状態(b時短状態)に移行する。
S362hで否定判定される場合には(S362h:no)、外れ設定処理をリターンする。これに対して、S362hで肯定判定される場合には(S362h:yes)、到達フラグの値を「1」とする処理(S362i)と、到達カウンタを初期化する処理(S362j)を実行した後、外れ設定処理をリターンする。なお、到達カウンタは、通常確率状態で当否判定(変動表示)の回数が、規定到達回数になったことを示すフラグであり、到達回数となると値が「1」とされる。
【0159】
図19に戻り更に説明すると、
図19のS360において、リーチ判定用乱数がリーチを発生させる値(前述の所定値)と判定される場合には、その時点の遊技状態を考慮した変動パターンテーブルと、変動パターン決定用乱数とを用いて変動パターンを決定する。ここで、当否判定の結果が外れである場合、演出図柄の変動表示においてリーチ(リーチ表示とそれに続くリーチ演出)を行う場合を「リーチ外れ」と称し、リーチを行わない場合を「単純外れ」と称することとする。
なお、当否判定の結果が外れであり、リーチを行わない場合であって、遊技状態が非時短状態(非開放延長状態)である場合、「単純外れ且つ非時短状態(非開放延長状態)用の変動パターンテーブル」を参照して変動パターンを決定し、遊技状態が時短状態(開放延長状態)である場合、「単純外れ且つ時短状態(開放延長状態)用の変動パターンテーブル」を参照して変動パターンを決定する。
【0160】
当否判定の結果が外れであり、リーチを行う場合(リーチ外れの場合)であって、遊技状態が非時短状態(非開放延長状態)である場合、「リーチ外れ且つ非時短状態(非開放延長状態)用の変動パターンテーブル」を参照して変動パターンを決定し、遊技状態が時短状態(開放延長状態)である場合、「リーチ外れ且つ時短状態(開放延長状態)用の変動パターンテーブル」を参照して変動パターンを決定する。この場合も、当否判定の結果が大当りである場合と同様に、時短状態(開放延長状態)用の変動パターンテーブルを参照して決定される変動時間は、非時短状態用(非開放延長状態)の変動パターンテーブルを参照して決定される変動時間よりも短か目とされる。
ここで、単純外れ時(リーチ表示とそれに続くリーチ演出を伴わない場合)において「単純外れ且つ非時短状態(非開放延長状態)用の変動パターンテーブルを参照して決定する変動パターン」は、リーチ外れ時(リーチ表示とそれに続くリーチ演出を伴う場合)において「リーチ外れ且つ非時短状態(非開放延長状態)用の変動パターンテーブル」を参照して決定する変動パターンに比べて短い変動時間を特定する。
【0161】
S356又はS362に続いては、S364に移行する。このS364では、上述したS332若しくはS336でデクリメントした保留記憶の数を示す保留数コマンドをサブ統合装置83に送信する。
S364に続くS366では、上述の抽選結果(第1当否判定若しくは第2当否判定)を示すデータをサブ統合制御装置83に出力し(S366)、大当り遊技処理へ移行する。
【0162】
更に、S366の処理により演出図柄表示装置6では演出図柄の変動表示が開始されるが、ほぼ同時に特別図柄の変動も主制御装置80によって開始される。
図18に戻り更に説明すると、
図18のS322において特別図柄が変動中(S322:yes)と判定された場合には、
図21のS370に移行し、図柄変動時間(S354、又はS360の変動パターンに基づく)を経過したか否かを判定する。そして、否定判定の場合には(S370:no)、そのまま大当り遊技処理に移行する。一方、肯定判定の場合には(S370:yes)、確定図柄表示処理(S372)を行ってから大当り遊技処理を行う。なお、確定図柄表示処理では、確定図柄を表示する旨のコマンド(図柄確定コマンド)をサブ統合制御装置83に出力するとともに、特別図柄表示装置9,10にコマンドを出力して確定図柄にて停止させる。
【0163】
図18のS324において確定図柄を表示中と判定された場合には(S324:yes)、
図22のS374に移行し、確定図柄の表示時間が終了したか否かを判定する。否定判定の場合(S374:no)は大当り遊技処理を行う。
これに対し、S374において肯定判定(S374:yes)の場合は、確定図柄の表示を終了し(S376)、確定表示された特別図柄が大当りになる図柄か否かを判定する(S378)。
【0164】
S378で大当りになる図柄であると判定された場合(S378:yes)は、S380において、確変フラグの値が「1」であるか否かを判定する。
S380で肯定判定される場合には(S380:yes)、S382で確変フラグ値を「0」とした後、S384に移行し、S380で否定判定される場合には(S380:no)、そのままS384に移行する。
【0165】
S384では、時短フラグ(第1時短フラグ、第2時短フラグ若しくは第3時短フラグ)が1か否かを判定する。第1時短フラグ、第2時短フラグ及び第3時短フラグの何れかが1であれば(S384:yes)、S386にて当該時短フラグ(第1時短フラグ、第2時短フラグ若しくは第3時短フラグ)を0にし、S388に移行する。一方、何れの時短フラグ(第1時短フラグ、第2時短フラグ及び第3時短フラグ)も1でなければ(S384:no)、そのままS388に移行する。
つまり、S386においては、第1時短フラグの値が1であれば第1時短フラグの値を0とし、第2時短フラグの値が1であれば第2時短フラグの値を0とし、第3時短フラグの値が1であれば第3時短フラグの値を0とする。
【0166】
S388では、状態指定コマンドを送信する。この場合、遊技状態が「通常確率・非時短状態(つまり、通常状態)であることを示すコマンド」が、サブ統合制御装置83に送信される。つまり、大当り遊技を実行中には、遊技状態が通常確率・非時短状態(通常状態)となる。
S388に続いて、S390では条件装置作動開始処理により、大当りフラグをセットし、続くS392にて役物連続作動装置を作動させる。
【0167】
S392を行うと、続くS394において大当り開始演出処理を行い、大当り遊技処理を行う。ここで、大当り開始演出処理を行うと、主制御装置80は、大当り遊技を開始することを示すコマンド(以下、大当り開始コマンドという)及び大当り遊技に係る情報(大当りのオープニング時間、開放パターン、大当りのエンディング時間、ラウンド数等)をサブ統合制御装置83に送信する。
S378において、確定表示させた特別図柄が大当りになる図柄でないと判定された場合は(S378:no)、S396に移行する。
【0168】
S396では、確変フラグの値が「1」であるか否かを判定し、「1」であれば(S396:yes)、S398で確変回数が0か否かを判定する(S398)。そして、確変回数が0であれば(S398:yes)、S400にて確変フラグの値を「0」にして、
図23のS404に移行する。
一方、確変フラグの値が「1」でないとき(S396:no)又は確変回数が0ではないとき(S398:no)はそのまま
図23のS404に移行する。
【0169】
S404では、第1時短フラグがの値が「1」か否かを判定する。つまり、S404では、現在、大当り時短状態であるか否かを判定する。そして、第1時短フラグの値が1である場合には(S404:yes)、S406で到達フラグの値が1であるか否かを判定し(S406)、肯定判定される場合には、S450(
図24を参照)に移行する。つまり、大当り時短状態を実行中であっても規定到達回数となると(到達フラグの値が1となると)、到達時短状態に移行する。なお、S450の詳細については後述する。
【0170】
S406で否定判定されると(S406)、S408で時短回数が「0」か否かを判定する(S408)。そして、時短回数が「0」ではないとき(S408:no)は、そのままS470に移行する。
一方、時短回数が「0」であるとき、S410にて第1時短フラグを「0」にし、S470に進む。
【0171】
S404で第1時短フラグがの値が「1」でなければ(S404:no)、S412に移行し、第2時短フラグの値が「1」か否かを判定する。つまり、S412では、現在、到達時短状態であるか否かを判定する。
そして、第2時短フラグの値が1である場合には(S412:yes)、到達フラグの値が1であるか否かを判定し(S414)、肯定判定される場合には、S450(
図24を参照)に移行する。但し、前述のように、到達時短状態中に到達フラグの値が1とされることは実際にはあり得ないため、通常、S414で否定判定される。
【0172】
S414で否定判定される場合には、S416で時短回数が「0」かであるか否かを判定する(S416)。そして、時短回数が「0」ではないとき(S416:no)は、そのままS470に移行する。
これに対して、時短回数が「0」であるときには、S430にて第2時短フラグを「0」にし、S470に進む。
【0173】
S412で第2時短フラグの値が「1」でなければ(S412:no)、
図24のS436に移行し、第3時短フラグが「1」か否かを判定する。つまり、S436では、現在、特定時短状態であるか否かを判定する。
そして、第3時短フラグの値が1である場合には(S436:yes)、S438に移行し、到達フラグの値が1であるか否かを判定する(S438)。そして、S438で肯定判定される場合には(S438:yes)、S450に移行する。
【0174】
S438で否定判定される場合には(S438:no)、時短回数が「0」か否かを判定する(S440)。そして、時短回数が「0」ではないとき(S440:no)は、そのままS470に移行する。
これに対して、時短回数が「0」であるときには、S446に移行して、第3時短フラグを「0」にし、S470に進む。
【0175】
S436で否定判定される場合には(S436:no)、つまり、何れの時短フラグの値も1でない場合には、S448に移行し、到達フラグの値が「1」であるか否かを判定する。そして、S448で肯定判定される場合には(S448:yes)、到達フラグの値を「0」とする処理(S450)と、時短回数を設定する処理(S452)と、第2時短フラグの値を「1」とする処理(S454)を行った後、S470に移行する。
【0176】
ここで、S448で肯定判定される場合とは遊技状態が「到達時短状態」に移行するケースを示しており、その場合、S452において時短回数として「900回」が設定される。なお、「到達時短状態」に移行する場合、特別図柄の平均変動時間短縮、普通図柄の平均変動時間短縮、普通電動役物の開放時間を延長する開放延長機能がセットされる。
【0177】
S448で否定判定される場合には(S448:no)、S456で、今回の外れが、特定外れであるか否か(S372において、非時短状態で特定外れ図柄が確定表示されたか否か)を判定する。そして、S456で否定判定される場合には、そのままS470に移行する。
【0178】
一方、S456で肯定判定される場合には、時短回数を設定する処理(S458)と、第3時短フラグを「1」に設定する処理(S460)とを行った後、S470に移行する。このS460において第3時短フラグを「1」に設定すると、特定時短状態(c時短状態)に移行する。
【0179】
ここで、S456で肯定判定される場合とは遊技状態が「特定時短状態」に移行するケースを示しており、その場合、S458において時短回数として「50回」が設定される。なお、「特定時短状態」に移行する場合、特別図柄の平均変動時間短縮、普通図柄の平均変動時間短縮、普通電動役物の開放時間を延長する開放延長機能がセットされる。そして、S460を行った後、S470に移行する。
【0180】
S470では、主制御装置80が現在の遊技状態が確変中であるか否か、時短中であるか否か等の状態を示す状態指定コマンドを特別図柄確定時間(600ms)後にサブ統合制御装置83に送信し、大当り遊技処理へ移行する。
なお、本実施例の場合、特別図柄当否判定処理における主制御装置80からサブ統合制御装置83に状態指定コマンドを送信するタイミングは、特別図柄確定時間後となっているが、特別図柄変動開始時及び電源復旧時においても状態指定コマンドを送信する構成にしてもよい。
【0181】
なお、本実施例では、時短状態(a時短状態、b時短状態若しくはc時短状態)であるとき、特
図1_外れ図柄2が確定表示されても、c時短状態に移行しないこととしたが、継続中の時短状態で実行可能な当否判定の残り回数と、特定外れ図柄が停止表示されることに基づいて付与予定の時短回数を比較して、当該時短回数が残り回数よりも多い場合、残り回数を付与予定の時短回数で更新することとしてもよい。
【0182】
例えば、
図23のS406、S414若しくは
図24のS438で否定判定される場合に、特定外れを生じたか否かを判定し、当該判定で肯定判定される場合には、継続中の時短状態で実行可能な当否判定の残り回数と、特定外れの発生に基づいて付与予定の時短回数を比較する。そして、付与予定の時短回数の方が多い場合に、継続中の時短状態で実行可能な当否判定の残り回数を付与予定の時短回数で更新(上書き)してもよい。
【0183】
ここで、
図25(a)を用いて、S470で送信される状態指定コマンドの内容について説明する。
第2時短フラグの値を1とした後(S454)に移行するS470の処理では、第2時短状態移行指定コマンドが送信される。つまり、主制御装置80からサブ統合制御装置83に到達時短状態に移行することを示すコマンドが送信される。
また、第3時短フラグの値を1とした後(S460)に移行するS470の処理では、第3時短状態移行指定コマンドが送信される。つまり、主制御装置80からサブ統合制御装置83に特定時短状態に移行することを示すコマンドが送信される。
【0184】
更に、第1時短フラグの値を0とした後(S410)に移行するS470の処理では、第1時短状態終了指定コマンドが送信される。つまり、主制御装置80からサブ統合制御装置83に大当り時短状態が終了することを示すコマンドが送信される。
また、第2時短フラグの値を0とした後(S430)に移行するS470の処理では、第2時短状態終了指定コマンドが送信される。つまり、主制御装置80からサブ統合制御装置83に到達時短状態が終了することを示すコマンドが送信される。
【0185】
更に、第3時短フラグの値を0とした後(S446)に移行するS470の処理では、第3時短状態移行指定コマンドが送信される。つまり、主制御装置80からサブ統合制御装置83に特定時短状態が終了することを示すコマンドが送信される。
【0186】
同様に、
図22のS388の状態指定コマンドは、時短状態終了指定コマンド(a時短状態、b時短状態、若しくは、c時短状態)が終了したことを指定するコマンド)である。つまり、主制御装置80からサブ統合制御装置83に時短状態(a時短状態、b時短状態、若しくは、c時短状態)が終了することを示すコマンドが送信される。
【0187】
また、後述する
図28のS556の状態指定コマンドは、大当り時短状態開始指定コマンドである。つまり、主制御装置80からサブ統合制御装置83に大当り時短状態(a時短状態)に移行することを示すコマンドが送信される。
更に、前述の
図22のS394の大当り開始演出処理において、大当り遊技を開始することを示すコマンドが主制御装置80からサブ統合制御装置83に送信される。
【0188】
次に
図26から
図28を用いて、大当り遊技処理について説明する。この大当り遊技処理は、
図10に示すメインルーチンから実行される処理である。
まず、
図26に示すように、大当り遊技処理において、主制御装置80は、役物連続作動装置が作動中か否かを大当りフラグに基づいて判断する(S500)。役物連続作動装置が作動中で(S500:yes)、大入賞口14が開放中であるか否かを判定し(S502)、大入賞口14が閉鎖中であると判定された場合には(S502:no)、ラウンド遊技間のインターバル中により大入賞口14が閉鎖しているか否かを判断する(S506)。
【0189】
ラウンド遊技間のインターバル中でもない場合は(S506:no)、大当り終了演出中であるか判定する(S508)。これも否定判定の場合は(S508:no)、今から大当り遊技を開始する演出に要する時間が経過したか否かを判定する(S510)。大当り開始演出時間が経過した場合は(S510:yes)、大入賞口開放処理(S512)を行なって、大当り遊技処理を終了(リターン)する。
【0190】
また、S512を行う際に、大当りラウンドを開始することを示すコマンド(第1ラウンドを開始させることを示すコマンド)が主制御装置80からサブ統合制御装置83に送信される。これにより、サブ統合制御装置83は、第1ラウンドの開始に基づく演出(ラウンド演出)を開始する。
【0191】
なお、S500において、役物連続作動装置が作動していない場合には(S500:no)、大当り遊技処理を終了する。また、S510において、大当り開始演出時間を経過していない場合も(S510:no)、大当り遊技処理を終了する。
【0192】
大入賞口14が開放中であると判定された場合は(S502:yes)、
図27のS514に進み、大入賞口14に10個入賞したか否かを判定する。なお、本実施例では大入賞口14への規定入賞数は10個だが、8個、9個でもよく、特に限定するものではない。
大入賞口14に10個入賞していない場合(S514:no)には、S516に進み、大入賞口14の開放時間が終了したか否かを判定する。開放時間が終了した場合(S516:yes)には、S518に移行する。また、大入賞口14の開放時間が終了していない場合には(S516:no)、そのまま大当り遊技処理を終了(リターン)する。
S514において、大入賞口14に遊技球が10個入賞した場合には(S514:yes)、大入賞口閉鎖処理(S518)を行い、大当りインターバル処理(S520)を行い、大当り遊技処理を終了(リターン)する。
【0193】
また、S518を行う際に、大当りラウンドを終了することを示すコマンド(ラウンドを終了させることを示すコマンド)が主制御装置80からサブ統合制御装置83に送信される。これにより、サブ統合制御装置83は、実行していたラウンド演出を終了する。
更に、S520を行う際に、インターバルを開始することを示すコマンドが主制御装置80からサブ統合制御装置83に送信される。これにより、サブ統合制御装置83は、ラウンド遊技間のインターバル演出を開始する。
【0194】
図26に戻る。
図26のS506でインターバル中であると判定された場合は(S506:yes)、
図27のS522に進み、ラウンド遊技間のインターバル時間が経過したか否かを判定する。ラウンド遊技間のインターバル時間が経過している場合(S522:yes)は、直前に大入賞口14が開いていたのが最終ラウンドか否かを判定する(S524)。また、ラウンド遊技間のインターバル時間が経過していない場合には(S522:no)、そのまま大当り遊技処理を終了(リターン)する。S524において、最終ラウンドであれば(S524:yes)、大当り終了演出処理(S526)を行い、大当り遊技処理を終了(リターン)する。
【0195】
このS526を行う際には、最終ラウンドを終了し、大当り終了演出を開始することを示すコマンド(以下、大当り終了演出開始コマンド)が主制御装置80からサブ統合制御装置83に送信される。これにより、サブ統合制御装置83は、実行していたラウンド演出を終了するともに大当り終了演出を開始する。
【0196】
S524において、最終ラウンドでなければ(S524:no)、大入賞口14を開放する処理(S528)を行い、大当り遊技処理を終了(リターン)する。
【0197】
また、S528を行う際に、新たなラウンドを開始することを示すコマンド(第2ラウンド以降のラウンドを開始させることを示すコマンド)が主制御装置80からサブ統合制御装置83に送信される。これにより、サブ統合制御装置83は、「第2ラウンド以降のラウンド」の開始に基づく演出(ラウンド演出)を開始する。
【0198】
以上のように、大入賞口14を開放・閉鎖する処理においては、サブ統合制御装置83にも信号を送信する。サブ統合制御装置83は、その信号に基づいて、現在のラウンドを把握し、該ラウンドに応じた演出を行なう。その際、サブ統合制御装置83は、遊技音として、効果音(SE)を出力可能な状態と、出力不可能な状態とを択一的に実行する。この点に関しては、後述する。
【0199】
図26に戻る。
図26のS508で大当りの終了演出中であると判定された場合は(S508:yes)、
図28のS530に進み、大当り終了演出時間が経過したか否かを判定する。そして、大当り終了演出時間が経過していない場合には(S530:no)、大当り遊技処理を終了(リターン)する。
一方、大当り終了演出時間が経過した場合には(S530:yes)、役物連続作動装置の作動を停止し(S532)、条件装置の作動を停止する(S534)。そして、S534を実行すると、S536に移行する。
【0200】
そして、S536において、主制御装置80は、次回の遊技状態で確変に移行するか否かを判定する。肯定判定の場合には(S536:yes)、確変回数(50回)を設定し(S538)、確変フラグを1に設定する(S540)。確変フラグを1にすると本実施例では特別図柄の当選確率が向上する。
【0201】
S536で否定判定されるか(S536:no)、S540を実行すると、S544に移行し、次回の遊技状態で時短に移行するか否かを判定する。
本実施例では、S544で一律に肯定判定され、続いて、時短回数を設定する処理(S546)と、時短フラグを1に設定する処理(S548)とを行った後、S550に移行する。また、第1時短フラグを1にする場合には、特別図柄の平均変動時間短縮、普通図柄の平均変動時間短縮、普通電動役物の開放時間を延長する開放延長機能をセットする。
【0202】
本パチンコ機50においては、S546で時短回数は100回に設定される。
S548の処理を行うか、S544で否定判定される場合には(S544:no)、S550に移行し、到達カウンタの値が「正数」であるか否かを判定する。そして、S550で肯定判定される場合には(S550:yes)、S552で到達カウンタの値を初期化し(値を「0」とし)、S554に移行する。また、S550で否定判定される場合には(S550:no)、そのままS554に移行する。
つまり、本パチンコ機50においては、大当りを発生するか、主制御装置80にラムクリア処理が施されると、到達カウンタが初期化される。この場合、初期化されてから、通常状態で実行される当否判定(特別図柄に関する当否判定)の回数が、「900回」になると到達時短状態に移行する。
【0203】
S554において、主制御装置80は、大当り終了コマンドをサブ統合制御装置83に送信する処理を行ない、続くS556において、状態指定コマンドをサブ統合制御装置83に送信する。そして、大当り遊技処理をリターンする。
つまり、S556では、大当り遊技を介して移行する時短状態(大当り時短状態)になることを示すコマンドが、主制御装置80からサブ統合制御装置83に送信される。
【0204】
次に、
図29(a)を用いて、検出情報送信処理について説明する。ここで、検出情報送信処理は、
図10に示した入賞確認処理(S50)のサブルーチンとして、主制御装置80のCPUが行う処理である。
この検出情報送信処理は、大当り遊技中において、入球可能な何れかの入賞口(大入賞口14、第1始動口11、第2始動口12、普通入賞口13)に遊技球が入球するか、普通図柄作動ゲート17を遊技球が通過する度に検出情報を主制御装置80からサブ統合制御装置83に送信する処理である。
検出情報送信処理を起動すると、大当りフラグの値が「1」であるか否かを判定する(S900)。このS900で否定判定される場合には(S900:no)、検出情報送信処理をリターンする。
【0205】
これに対して、S900で肯定判定される場合には(S900:yes)、S905に移行し、何れかの入賞口への入球を検出したか否かを判定する。つまり、大当り遊技中において入球可能な何れかの入賞口(大入賞口14、第1始動口11、第2始動口12、普通入賞口13)への入球を検出したか否かを判定する。具体的には、(1)カウントスイッチ14aによる検出信号、(2)第1始動口スイッチ11aによる検出信号、(3)第2始動口スイッチ12aによる検出信号、(4)普通入賞口スイッチ31aによる検出信号のうちの何れかを検出したか否かを判定する(S905)。
【0206】
S905で肯定判定される場合には(S905:yes)、入球した入賞口に対応する検出情報をサブ統合制御装置83に送信し(S910)、検出情報送信処理をリターンする。具体的に説明すると、(a)S905でカウントスイッチ14aによる検出信号を検出した場合には「検出情報A」を、(b)S905で始動口スイッチ11a若しくは始動口スイッチ12aによる検出信号を検出した場合には「検出情報B」を、(c)S905で普通入賞口スイッチ31aによる検出信号を検出した場合には「検出情報C」を、それぞれ送信する。
【0207】
S905で否定判定される場合には(S905:no)、S915に移行し、普通図柄作動ゲート17を遊技球が通過したか否かを判定する。具体的に説明すると、S915で、普通図柄作動スイッチ17aに遊技球が通過したことを検出する検出信号が主制御装置80に入力されたか否かを判定する。
そして、S915で否定判定される場合には(S915:no)、検出情報送信処理をリターンする。一方、S915で肯定判定される場合(S915:yes)には、S920に移行し、普通図柄作動ゲート17を遊技球が通過したことを示す情報として「検出情報D」をサブ統合制御装置83に送信し(S920)、検出情報送信処理をリターンする。
【0208】
次に、
図29(b)を用いて、サブ統合制御装置83が各検出情報を受信することに基づいて、出力可能な効果音を示す図表である。
つまり、サブ統合制御装置83が効果音を出力可能な設定である場合において、(a)「検出情報A」を受信することに基づいて効果音A(例えば、シャキーンという効果音)を、(b)「検出情報B」を受信することに基づいて効果音B(例えば、ドドという効果音)を、(c)「検出情報C」を受信することに基づいて効果音C(例えば、ボーンという効果音)を、(d)「検出情報D」を受信することに基づいて効果音D(例えば、パオーンという効果音)を、それぞれ出力可能とされている。
【0209】
但し、これらの効果音を「心地が良い」と感ずる遊技者も存在すれば、「うるさい」と感ずる遊技者も存在する。
つまり、入球可能な何れかの入賞口(大入賞口14、第1始動口11、第2始動口12、普通入賞口13)に遊技球が入球したり、普通図柄作動ゲート17を遊技球が通過したりする度に効果音が出力されることを好む遊技者も存在すれば、好まない遊技者も存在する。このため、以下に示すように、サブ統合制御装置83は効果音の出力可否を選択し、遊技者の嗜好に的確に合致するものとしている(後述する)。
【0210】
次に、
図30~
図33を用いて本実施例のパチンコ機50で実行される演出制御の概要を説明する。
本実施例のパチンコ機50においてサブ統合制御装置83は、主制御装置80から送信される各コマンドに基づいて、演出図柄制御装置82等を制御し、演出図柄表示装置6の画面6aで行う表示演出を行ったり、スピーカ66から出力される遊技音を制御したり、電飾用のLED・ランプ26の発光態様を制御する。
【0211】
ここで、スピーカ66から出力される遊技音として、パチンコ機50のモチーフに関連したバックグランドミュージック(以下、単に「BGM」という)や、所定の状態(例えば、入賞口に遊技球が入賞(入球)したり、普通図柄作動ゲート17を遊技球が通過したりする状態)となることに基づいて、効果音(SE)が出力可能となっている。
このうち、BGMは遊技中に適宜、出力される音であり、(1)当該パチンコ機50において採用したキャラクタ、(2)当該パチンコ機50のイメージを形作る物語(例えば、アニメーション)のテーマソング、(3)当該パチンコ機50のイメージを形作る歌手(演歌歌手、ポップス歌手等)による歌唱等を例示できる。
また、効果音(SE)は、遊技中、所定の状態(入賞状態等)の発生に伴い、当該所定の状態の発生を誇張するために出力される。
【0212】
図30(a)に示すように、演出図柄表示装置6の画面6aには、特別図柄に関する当否判定の結果を表示するための変動演出表示領域6Hの他に、第1保留図柄表示領域6Aと、第2保留図柄表示領域6Bと、関連事項表示領域6Fと、が出現可能とされている。なお、第1保留図柄表示領域6Aは、遊技球が第1始動口11に入球することに基づき取得した保留記憶に対応する保留図柄a1を、4個を限度に表示可能な領域である。また、第2保留図柄表示領域6Bは、遊技球が第2始動口12に入球することに基づき取得した保留記憶に対応する保留図柄b1を、4個を限度に表示可能な領域である。なお、
図31(a)では、保留記憶数表示領域6A、6Bに保留図柄が表示されていることを「ハッチング表示」で示している。
【0213】
図30(a)に示すように、サブ統合制御装置83が前述の変動開始コマンド(
図19のS366)を受信することに基づき、変動演出表示領域6Hにおいて左演出図柄6Lと、中演出図柄6Cと、右演出図柄6Rの変動(つまり、演出表示)を開始する。つまり、始動口11、12に遊技球が入球することに基づき、特別図柄の当否判定が実行されると、第1特別図柄表示装置9若しくは第2特別図柄表示装置10において特別図柄の変動が開始される。これに呼応して演出図柄表示装置6に変動演出表示領域6Hが出現し、左右中の演出図柄が縦方向に変動(スクロール変動)する。なお、変動演出表示領域6Hにおいて、左側に表示される構成図柄を左演出図柄6L、右側に表示される構成図柄を右演出図柄6R、中央に表示される構成図柄を中演出図柄6Cという。
【0214】
この変動演出表示領域6Hでは、演出図柄の変動が、前述の変動パターンで特定される変動時間(特別図柄の変動時間)に亘って継続される。そして、この変動パターンで特定される変動時間(特別図柄の変動時間)が経過すると、
図30(c)に示すように、変動演出表示領域6Hにおいて、当否判定の結果を示す組み合わせ図柄(演出図柄)を停止表示し、演出表示を完了する。
【0215】
なお、この演出表示においては、左演出図柄6L、右演出図柄6Rの順に停止表示した後、中演出図柄6Cが停止表示し、演出表示を完了する。その際、各演出図柄6L、6R、6Cが停止表示される際に効果音が出力されてもよい。また、各演出図柄6L、6R、6Cが変動を行うときだけに、効果音が出力されてもよい。
また、
図30(b)に示すように、演出表示においてリーチを行う場合にはリーチ表示の実行時期になる、左演出図柄6L及び右演出図柄6Rを同一数字で停止表示してリーチ表示を実行する。その際、リーチ表示が実行されるタイミングで効果音が出力されてもよい。
【0216】
本実施例では、以下に示すように、大当り遊技中においてBGMに並行して効果音が出力されない状態と、出力される状態が遊技者の選択に基づき、択一的に実現する。この点に関しては後述する。
【0217】
次に、
図31を用いて、大当り遊技に関連する演出について説明する。
大当り図柄(特別図柄)が停止表示されると(
図22のS378で肯定される場合)、主制御装置80からサブ統合制御装置83に大当り遊技の開始を示す大当り開始コマンドが送信される(
図22のS394における大当り開始演出処理を参照)。この大当り図柄(特別図柄)が停止表示される際に、演出図柄表示装置6で大当り図柄(演出図柄)が停止表示され(
図30の(c)を参照)、パチンコ機50の遊技状態が大当り遊技を実行する状態(以下、大当り遊技状態)へ移行することが報知される。
【0218】
ここで、以下の説明において、大当り遊技状態においてサブ統合制御装置83が実行する演出を大当り演出と称する。そして、大当り演出は、大当り開始演出(以下、大当り前インターバル演出という)と、その後、実行される大当りメイン演出と、最後に行われる大当り終了演出(以下、大当り後インターバル演出ともいう)で構成される。また、大当りメイン演出は、各ラウンド演出(大入賞口14を開放中であることを示す演出)と、各ラウンド演出の間に実行される演出(以下、ラウンド間インターバル演出という)で構成される。
【0219】
サブ統合制御装置83が、前述の大当り開始コマンドを受信すると(
図22のS394)、大当り前インターバル演出(大当り開始演出)を実行する(
図31(a)) 。この大当り前インターバル演出の実行時間は、前述の大当り開始コマンドによって所定時間(例えば、10秒間)に特定されている。このため、大当り開始コマンドを受信したサブ統合制御装置83は、当該所定時間に亘って大当り前インターバル演出を実行する。
【0220】
そして、この大当り前インターバル演出を実行中に所定のタイミングで(例えば、大当り開始コマンドを受信後、約1.0秒を経過すると)、演出図柄表示装置6の画面6aにカスタム画面6Mが表示される(
図31(b))。ここで、カスタム画面6Mは、「選択画面」の具体例を構成する。
本実施例では、大当りメイン演出に出力される遊技音の出力態様が、このカスタム画面(選択画面)6Mで選択される。
【0221】
このカスタム画面(選択画面)6Mには、大当りメイン演出において出力可能なBGM(楽曲)として、4種類のBGMが表示される。
ここで、
図31(b)では、大当りメイン演出に実行可能なBGM(楽曲)として、4曲の楽曲(楽曲名)が表示されている様子を示している。例えば、
図31(b)に示す具体例では、カスタム画面6Mで、選択可能な楽曲(楽曲名)として、第1のパロディソングS1と、第2のパロディソングS2と、第3のパロディソングS3と、第4のパロディソングS4と、が上下に配列された状態を示している。
【0222】
また、このカスタム画面6Mが表示されると、カスタム画面6Mに複数表示される表示事項のうちの何れを選択しているかを特定するための選択特定部(セレクトポインター)Rも表示される。
この選択特定部Rは、略矩形状若しくは略長円形状に構成され、その時点に選択されている表示事項を取り囲む状態に表示される。そして、この選択特定部Rが、複数の選択対象事項のうち、その時点に選択されている何れか1の事項を取り囲んで特定する状態に表示される。ここで、
図31(b)は、第1~4のパロディソングS1~S4のうち、第1のパロディソングS1を取り囲んで特定する状態を例示している。
【0223】
なお、カスタム画面6Mの表示を開始した時点の選択特定部Rの表示位置を、以下、楽曲選択初期表示位置という。この楽曲選択初期表示位置は、カスタム画面6Mの表示を開始する毎に一定であってもよいし、乱数抽選によって決定することとしてもよい。例えば、選択特定部Rの楽曲選択初期表示位置が、常に、第1のパロディソングS1を取り囲む位置とされてもよいし、楽曲選択初期表示位置が乱数抽選等によってランダムに決定されてもよい。
【0224】
また、カスタム画面6Mの表示を開始すると、当該カスタム画面6Mには、操作メッセージ表示部M1と、十字キー69を模したキャラクタK1とが出現する。このうち、操作メッセージ表示部M1には、楽曲(パロディソングS1~S4)の選択を示唆する操作メッセージが表示される。
【0225】
また、キャラクタK1では、十字キー69のうち、能動化されたボタン(操作が有効化されたボタン)を示唆することが行われる。つまり、十字キー69のうち、上ボタン69dと、下ボタン69eが能動化されていることが示される。具体的には、キャラクタK1において、上ボタン69dの押圧に伴う「選択特定部R」の移動方向を示すガイド表示P3と、下ボタン69eの押圧に伴う「選択特定部R」の移動方向を示すガイド表示P4を示す部分が黒塗りされた状態で表示され、上ボタン69d及び下ボタン69eが能動化されていることが報知される。
更に、キャラクタK1において略中心の位置には、「中央ボタン69aをあしらったガイド表示Q」が設けられている(
図1(b)の括弧書を参照)。そして、キャラクタK1において、当該ガイド表示Qを示唆する部分が、黒塗りされた状態で表示されることにより、中央ボタン69aが能動化されていることが報知される。
【0226】
この状態では、上ボタン69dを押下操作する都度に「選択特定部R」が上方に移動し、同様に、下ボタン69eを押下操作する都度に「選択特定部R」が下方に移動して、選択対象を変更可能となっている。但し、「選択特定部R」が移動上限位置(パロディソングS1を選択対象とする位置)にあるときに、上ボタン69dを押下操作すると、「選択特定部R」は移動下限位置(パロディソングS4を選択対象とする位置)に移動する。同様に、「選択特定部R」が移動下限位置(パロディソングS4を選択対象とする位置)にあるときに、下ボタン69eを押下操作すると、「選択特定部R」は移動上限位置(パロディソングS1を選択対象とする位置)に移動する。
【0227】
上ボタン69d若しくは下ボタン69eを押圧操作した後、所定時間が経過しても次の上ボタン69d若しくは下ボタン69eの押圧操作が為されないと、
図31(c)に示すように、「中央ボタン69aを示すガイド表示Q(以下、「中央ガイド表示Q」という)」が黒塗りされた状態で表示される。同時に、操作メッセージ表示部M1には、「現在、選択対象とされている楽曲(第3のパロディソングS3)で良ければ、中央ボタン69aを押下操作して、選択対象とされている楽曲(第3のパロディソングS3)に確定することを遊技者に促すコメント」が表示される。
【0228】
なお、カスタム画面6Mの表示を開始してから、上ボタン69d若しくは下ボタン69eが一度も操作しないか、「中央ガイド表示Q」が黒塗りされた状態で、中央ボタン69aを操作することなく、一定時間経過すると、現在選択対象とされている楽曲が出力する楽曲として自動的に決定される。
また、「中央ガイド表示Q」が黒塗りされた状態で、中央ボタン69aを操作すること」は、選択対象を確定すること(現在、選択対象とされている楽曲に確定すること等)を示している。つまり、「中央ガイド表示Q」が黒塗りされた状態であるときにおいて、中央ボタン69aは、「選択対象(選択された楽曲の選択内容、後述するように、効果音の出力可否に関する選択内容等の選択事項)」を確定するための確定ボタンを構成する。
【0229】
このように、大当りメイン演出において出力される楽曲(BGM)が確定すると、
図31(d)に示すように、カスタム画面6Mの表示内容が変更される。つまり、大当りメイン演出において楽曲(BGM)が出力される期間中に、カスタム画面6Mに効果音(SE)の出力を行うか否かの選択を行うための表示T1、T2が出現する。
すなわち、カスタム画面6Mには、SEの出力を行うことを示す表示(YESの文字で構成される表示であって、以下、出力表示という)T1と、SEの出力を行わないことを示す表示(NOの文字で構成される表示であって、以下、非出力表示という)T2とが出現する。また、これらの表示T1、T2が出現した時点においては、一方の表示T1(若しくは表示T2)が選択特定部Rで取り囲まれた状態とされる。
【0230】
ここで、
図31(d)では、これらの表示T1、T2が出現した時点には、出力表示T1が、その時点の選択対象となる場合を示している。なお、表示T1、T2が、カスタム画面6Mにおいて出現した時点の選択特定部Rの表示位置を、以下、出力可否初期表示位置という。この出力可否初期表示位置は、表示T1、T2の出現が開始される毎に一定であってもよいし、乱数抽選によって決定することとしてもよい。例えば、選択特定部Rの楽曲選択初期表示位置が、常に、出力表示T1を取り囲む位置とされてもよいし、非出力表示T2を取り囲む位置とされてもよいし、出力力表示T1を取り囲む位置とするか、非出力表示T2を取り囲む位置とするかが乱数抽選等によってランダムに決定されてもよい。
【0231】
また、カスタム画面6Mに出力表示T1及び非出力表示T2が出現すると、キャラクタK1において、十字キー69のうち、能動化されたボタン(操作が有効化されたボタン)が、左ボタン69bと右ボタン69cであることを示唆することが行われる。具体的には、左ボタン69bの押圧に伴う「選択特定部R」の移動方向を示すガイド表示P1と、右ボタン69cの押圧に伴う「選択特定部R」の移動方向を示すガイド表示P2を示唆する部分が、黒塗りされた状態で表示され、左ボタン69b及び右ボタン69cが能動化されていることが報知される。
また、カスタム画面6Mに出力表示T1と、非出力表示T2が出現すると、操作メッセージ表示部M1も出現し、「大当りメイン演出において楽曲(BGM)が出力される際に効果音(SE)を出力するか否かを選択することを促すメッセージ」が表示される。
【0232】
効果音(SE)を出力するか否かを選択する操作(左ボタン69b若しくは右ボタン69cの押圧操作)を行った後、所定時間が経過しても、次の「左若しくは右のボタン69b、69cの操作が為されないと、
図32(a)に示すように、「中央ガイド表示Q」が黒塗りされた状態で表示される。同時に、操作メッセージ表示部M1には、「現在、選択とされている状態(効果音を出力する状態とするか、出力しない状態とするかの選択)」で良ければ、「中央ボタン69aを押下操作して、当該選択されている状態に確定することを遊技者に促すコメント」が表示される。
【0233】
なお、カスタム画面6Mに出力表示T1と、非出力表示T2が出現してから、左ボタン69b若しくは右ボタン69cが一度も操作されないか、「中央ガイド表示Q」が黒塗りされた状態で、中央ボタン69aを操作することなく、一定時間経過すると現在、選択対象とされている状態(効果音を出力する状態とするか、出力しない状態とするかの選択)が自動的に確定する。
【0234】
このように、効果音を出力する状態とするか、出力しない状態とするかの選択が、確定すると、以上の決定内容に従って大当りメイン演出が実行される。
なお、図示しないが、効果音の出力可否が決定されると(効果音の出力可否を決定する操作(中央ボタン69aの押圧)が実行されると)、演出図柄表示装置6の画面6aからカスタム画面6Mが消滅する。そして、大当り前インターバルの実行時間を経過すると、
図32(b)に示すように、演出図柄表示装置6の画面6aにおいて大当りメイン演出に関する表示を開始する。
なお、
図31(b)は、大当りメイン演出において出力される楽曲(BGM)として、第3のパロディソングS3が選択されていることを示している。
【0235】
本実施例では、
図32(c)に示すように、効果音(SE)を出力する状態としている場合には、入賞口(11~14)に遊技球が入球したり、普通図柄作動ゲート17を遊技球が通過したりする度に効果音(SE)が出力される。ここで、以下の説明において、「入賞口(11~14)に遊技球が入球したり、普通図柄作動ゲート17を遊技球が通過したりした時」を、「入賞・通過時」という。
また、
図32(e)に示すように、効果音(SE)を出力しない状態としている場合には、入賞口(11~14)に遊技球が入球したり、普通図柄作動ゲート17を遊技球が通過したりしても効果音(SE)が出力されない。
【0236】
但し、効果音(SE)を出力しない状態としている場合には「入賞・通過時報知V」が入賞口(11~14)に遊技球が入球したり、普通図柄作動ゲート17を遊技球が通過したりする度に表示される。この「入賞・通過時報知V」は、効果音(SE)を出力する状態としている場合には表示されない表示である(
図32(c)を参照)。
【0237】
なお、本実施例では効果音(SE)が出力されない場合には、「入賞・通過時報知V」が、入賞口(11~14)に遊技球が入球する入賞検知時や、普通図柄作動ゲート17を遊技球が通過するゲート通過時に表示される。これにより、効果音(SE)の出力を望まない遊技者は、好みの楽曲(BGM)を効果音(SE)に阻害されることなく、聴くことができる。また、効果音(SE)が出力されないことで、その発生を知ることが出来ない入賞等の発生を、「入賞・通過時報知V」によって知ることができる。
【0238】
同様に、効果音(SE)の出力を望む遊技者は、好みの楽曲(BGM)とともに効果音(SE)を聴くことができる。
従って、本実施例によると、多様な遊技者の好みに的確に対処することができる。
【0239】
また、大当りメイン演出を終了すると(
図27のS524で肯定判定され、最終大当りラウンドを終了すると)、大当り終了演出(大当り後インターバル演出)においては十字キー69の操作が無効化される。また、大当りメイン演出において、効果音(SE)を出力していなかった場合には、効果音(SE)を出力しない状態は解除され、
図32(f)に示すように、大当り終了演出において、この解除されたことを示すメッセージM3が演出図柄表示装置6の画面6aに表示される。なお、効果音(SE)を出力していた場合には、
図32(d)に示すように、大当り終了演出において、この解除されたことを示すメッセージM3が演出図柄表示装置6の画面6aに表示されない。
【0240】
次に、
図33のフローチャートを用いて、サブ統合制御装置83が実行する演出開始処理を説明する。なお、本処理は、サブ統合制御装置83において定期的(例えば、2ms周期)に実行される処理である。
サブ統合制御装置83は演出開始処理を起動すると、変動開始コマンドを受信したか否かを判定する(S1200)。そして、否定判定されると(S1200:no)、そのまま演出開処理を終了し、肯定判定されると(S1200:yes)、S1205の処理に移行し、演出パターン等を振り分ける際等に使用する振分乱数を取得する。
【0241】
前述のように、変動開始コマンドは、特別図柄の変動を開始する際に主制御装置80から送信されるコマンドであり(
図19のS366を参照)、当該変動開始コマンドには変動パターンを示すデータであって、特別図柄の当否判定の際の遊技状態と、当該当否判定の結果(大当り、外れ)を特定(対応)するものが含まれる。また、特別図柄の当否判定の結果が大当りの場合の変動開始コマンドには、大当り図柄を指定する図柄指定コマンド(確変大当り図柄、通常大当り図柄を特定するデータ、つまり、大当りの種類を示すデータ)が含まれる。
【0242】
当否判定の結果が大当りである場合には、当否判定の際の遊技状態(開放延長状態、非開放延長状態)を考慮した変動パターンテーブルを参照して選択された変動パターンに関するデータが、主制御装置80からサブ統合制御装置83に送信される。そして、サブ統合制御装置83は、S1200で受信した変動開始コマンドに含まれる変動パターンが対応する演出パターンテーブルを参照して、S1205の処理で抽出した振分乱数を用いた乱数抽選で大当り用の演出パターンを選択する。また、当否判定の結果が外れである場合にも、当否判定の際の遊技状態(開放延長状態、非開放延長状態)を考慮した変動パターンテーブルを参照して選択された変動パターンに関するデータが、主制御装置80からサブ統合制御装置83に送信される。そして、サブ統合制御装置83は、S1210の処理において、S1200で受信した変動開始コマンドに含まれる変動パターンが対応する演出パターンテーブルを参照して、S1205の処理で抽出した振分乱数を用いた乱数抽選で外れ用の演出パターンを選択する。
【0243】
S1210で演出パターンを設定した後に移行するS1220では、遊技待機中フラグの値が「1」であるか否かを判定する(S1220)。つまり、S1200の処理で変動開始コマンドを受信したとき、本パチンコ機50が遊技待機中であったか否かを判定する(S1220)。
ここで、(1)待機フラグの値が「1」であるか、(2)待機フラグ及びデモフラグの値が「1」であると、サブ統合制御装置83は、当該パチンコ機50が遊技を行っていない状態である(遊技待機中フラグの値が「1」である)と判定する。
【0244】
この遊技待機中フラグは、本パチンコ機50で遊技を実行しているか否かを示すフラグであり、本パチンコ機50で遊技を実行していない場合(保留がゼロで、特別図柄が変動していないとき)、遊技待機中フラグの値が「1」とされ、本パチンコ機50で遊技を実行している場合(特別図柄の変動を実行可能なとき)、遊技待機中フラグの値が「0」とされる。
【0245】
そして、S1220で否定判定されると(S1220:no)、そのままS1230に移行する。一方、S1220において肯定判定されると(S1220:yes)、遊技待機中フラグの値を「0」とした後(S1225)、S1230に移行する。つまり、(1)待機フラグの値が「1」である場合には待機フラグの値を「0」とした後、S1230に移行し、(2)待機フラグ及びデモフラグの値が「1」である場合には、待機フラグ及びデモフラグの値を「0」とした後、S1250に移行する。これにより、当該パチンコ機50が、待機表示若しくはデモ表示を行っている場合には、演出を開始可能な状態となる。
【0246】
S1230では、演出図柄の停止図柄を設定する処理を行う。例えば、確定表示されるのが、確変大当り図柄である場合には「3桁のゾロ目奇数数字で構成される図柄」、通常大当り図柄である場合には「3桁のゾロ目偶数数字で構成される図柄」、外れ図柄である場合には「3桁のバラ目数字で構成される図柄」が表示される。そして、演出を開始し(S1235)、演出開始処理をリターンする。
【0247】
次に、
図34のフローチャートを用いて、サブ統合制御装置83が実行する演出停止処理について説明する。なお、本処理は、サブ統合制御装置83において定期的(例えば、2ms周期)に実行される処理である。
演出停止処理が開始されると、サブ統合制御装置83が変動停止コマンドを受信したか否かを判定する(S1300)。ここで、変動停止コマンドは、特別図柄の変動を停止して確定図柄を表示する際に主制御装置40から送信されるコマンドである(
図21のS372の処理を参照)。
【0248】
そして、否定判定される場合には(S1300:no)、演出停止処理をそのまま終了する。
一方、肯定判定される場合には(S1300:yes)、S1305では、演出図柄確定表示指示信号を演出図柄制御装置82に送信する処理を行う。そして、演出停止処理を終了する。
【0249】
また、S1305においては、当否判定の結果が大当りである場合、S1305の処理に伴い演出図柄表示装置6の画面6aに「大当り図柄(演出図柄)」が確定表示される。
この場合、中演出図柄6Cを、左演出図柄6L及び右演出図柄6Rと同一数字図柄(演出図柄)で停止表示させ、大当りの発生が報知される。
一方、当否判定の結果が外れである場合に、S1305の処理に伴い演出図柄表示装置6の画面6aに「外れ図柄(演出図柄)」が確定表示される。
但し、「外れ図柄(演出図柄)」のうち、特定外れ図柄(演出図柄)は、左演出図柄6L及び右演出図柄6Rを同一数字で停止表示した状態で、中演出図柄6Cをアルファベット文字「C」で停止表示して、特定外れの発生を報知する。
【0250】
次に、
図35(a)のフローチャートを用いて、サブ統合制御装置83が実行する大当り開始コマンド受信処理について説明する。なお、本処理は、サブ統合制御装置83において定期的(例えば、2ms周期)に実行される処理である。
【0251】
大当り開始コマンド受信処理が開始されると、サブ統合制御装置83が大当り開始コマンドを受信したか否かを判定する(S1400)。ここで、大当り開始コマンドは、特別図柄として大当り図柄が停止表示される場合に、主制御装置40から送信されるコマンドである(
図22のS394の処理を参照)。
【0252】
そして、否定判定される場合には(S1400:no)、大当り開始コマンド受信処理をそのまま終了する。
一方、肯定判定される場合には(S1400:yes)、S1405で大当り演出フラグの値を「1」とする処理と、カスタム画面6Mの表示時間を設定する処理を行った後、大当り開始コマンド受信処理を終了する。
【0253】
ここで、大当り演出フラグは、大当り演出を実行する状態にあることを示すフラグであり、大当り演出フラグの値が「1」である場合に大当り演出が「大当り前インターバル演出」、「大当りメイン演出」、「大当り後インターバル演出」の順に進行する。
カスタム画面6Mの表示時間としては、同画面6Mの表示開始時間(大当り開始コマンドの受信時を基準とする表示開始時間)と、同画面6Mの表示上限時間(選択内容の決定操作が行われない場合にカスタム画面6Mの表示を継続する時間)と、を用いて特定される表示時間を例示することができる。
【0254】
次に、
図35(b)のフローチャートを用いて、サブ統合制御装置83が実行するカスタム画面表示開始処理について説明する。なお、本処理は、サブ統合制御装置83において定期的(例えば、2ms周期)に実行される処理である。
【0255】
カスタム画面表示開始処理が開始されると、サブ統合制御装置83はカスタム画面表示の表示開始タイミングになったか否かを判定する(S1450)。ここで、本実施例では、「カスタム画面6Mの表示の表示開始タイミング」を、大当り開始コマンドを受信した後のタイミング(大当り開始コマンドを受信した後、1秒が経過するタイミング)としているが、例えば、大当り開始コマンドを受信すると直ちに当該タイミングとなってもよい。
【0256】
そして、S1450で肯定判定される場合には(S1450:yes)、S1455で(1)カスタム画面6Mの表示を開始する処理と、(2)曲選択状態フラグの値を「1」とする処理と、(3)曲選択残り時間タイマ(曲選択の実行時間の上限を定めるタイマ)をセットする処理と、(4)初期曲を設定する処理と、を行った後、カスタム画面表示開始処理を終了する。
【0257】
ここで、曲選択状態フラグは楽曲(前述のパロディソングS1~S4のうち、大当り演出において出力される楽曲)を何れに設定する処理を行うことが可能な状態であることを示すフラグであり、曲選択状態フラグの値が「1」になると、当該楽曲の設定が可能となる。また、曲選択状態フラグの値が「1」になると、十字キー69のうち、上ボタン69d及び下ボタン69eが能動化されるとともに、キャラクタK1においてガイド表示P3と、ガイド表示P4を示唆する部分が黒塗りされた状態で表示される。
【0258】
また、曲選択残り時間タイマは、カスタム画面6Mの表示された後において、楽曲を選択可能な時間を計測するタイマ(該時間の上限時間になったか否かを計測するタイマ)で、同時間内に楽曲の選択を決定する操作が行われると、同タイマがリセットされ、それ以降、楽曲の選択が不可能となる。
一方、S1450で否定判定される場合には(S1450:no)、カスタム画面表示開始処理をそのまま終了する。
【0259】
次に、
図36のフローチャートを用いて、サブ統合制御装置83が実行する曲決定処理について説明する。なお、本処理は、サブ統合制御装置83において定期的(例えば、2ms周期)に実行される処理である。
【0260】
曲決定処理が開始されると、サブ統合制御装置83は曲選択状態フラグの値が「1」であるか否かを判定する(S1500)。
そして、否定判定される場合には(S1500:no)、曲決定処理をそのまま終了する。
一方、肯定判定される場合には(S1500:yes)、S1505において、「曲選択残り時間タイマ」の減算処理を行い、当該「曲選択の残り時間」の時間消化を行う。
【0261】
ここで、曲選択残り時間タイマは、「曲選択状態の実行時間」の残り時間を示すタイマであり、当該タイマの値が「0」となった時点で当該「曲選択状態の実行時間」の残り時間が「0」となり、「曲選択状態を実行可能な時間」が終了する。
つまり、当該残り時間タイマには、曲選択状態の上限実行時間(例えば、4秒)に相当するカウンタ値(例えば、2000)が予め設定されており、当該残り時間タイマ(当該残り時間)の減算処理によって、曲決定処理の実行毎に(タイマ割り込み処理毎に)当該カウンタ値が減算され、当該カウンタ値=0となった時点で、当該残り時間が経過(曲決定処理の実行時間が終了)したとするものである。
すなわち、「曲決定処理」の実行周期(起動周期)が到来する毎に「カウント値」を「-1」する処理を行い、カウント値が曲決定処理の終了時間に示す値(ゼロ)になると、曲決定処理の終了時間となる。
【0262】
S1505に続くS1510では、残り時間が「0」になったか否を判定する。そして、S1510で肯定判定の場合には(S1510:yes)、S1525に移行する。
一方、S1510で否定判定の場合には(S1510:no)、S1515に移行し、曲決定操作が施されたか否かを判定する(S1515)。つまり、S1515では、中央ボタン69aが押圧操作されたか否かを判定する(S1515)。
【0263】
S1515で肯定判定される場合には(S1515:yes)、S1520を経てS1525に移行する。
ここで、S1520では、「曲選択状態の実行時間」の残り時間(曲選択タイマの値)を強制的に「0」とする処理を行う。
S1510で肯定判定(S1510:yes)されるか、S1520の処理を経て実行するS1525では、(1)出力可否選択状態フラグの値を「1」とする処理と、(2)出力可否選択残り時間タイマをセットする処理と、(3)曲選択状態フラグの値を「0」とする処理を行う。ここで、曲選択状態フラグの値を「0」とする処理を行うと、カスタム画面6Mの表示内容が、曲選択状態を行うための内容(例えば、
図31(b)(c)に示す表示内容)から、出力可否選択を行うための内容(例えば、
図31(d)に示す表示内容)に変更される。
そして、S1525を行うと曲決定処理を終了する。
【0264】
ここで、出力可否選択状態フラグは、効果音(SE)の出力可否を選択可能な状態であることを示すフラグであり、出力可否選択状態フラグの値が「1」になると、効果音(SE)の出力可否を選択することが可能となる。また、出力可否選択状態フラグの値が「1」になると、十字キー69のうち、左ボタン69b及び右ボタン69cの操作が有効化されるとともに、キャラクタK1においてガイド表示P1と、ガイド表示P2を示唆する部分が黒塗りされた状態となる。
【0265】
また、出力可否選択残り時間タイマの値が「0」となる前に左ボタン69b若しくは右ボタン69cが押圧操作されると、出力可否選択状態フラグの値が「0」となり、十字キー69のうち、左ボタン69b及び右ボタン69cの操作が無効化されるとともに、キャラクタK1においてガイド表示P1と、ガイド表示P2を示唆する部分が黒塗りされた状態を終了する。同時に、十字キー69のうち、中央ボタン69a(決定ボタン)が能動化されるとともに、キャラクタK1において「中央ガイド表示Q」を示唆する部分が黒塗りされた状態で表示される。
【0266】
一方、S1515で否定判定の場合には(S1515:no)、曲決定処理を一旦、リターンする。そして、曲決定処理を繰り返し実行するうちに、S1515で肯定判定されると、S1525を実行した後、曲決定処理をリターンする。
【0267】
次に、
図37のフローチャートを用いて、サブ統合制御装置83が実行する出力可否決定処理について説明する。なお、本処理は、サブ統合制御装置83において定期的(例えば、2ms周期)に実行される処理である。
【0268】
出力可否決定処理が開始されると、サブ統合制御装置83は出力可否選択状態フラグの値が「1」であるか否かを判定する(S1600)。
そして、否定判定される場合には(S1600:no)、出力可否決定処理をそのまま終了する。
【0269】
一方、肯定判定される場合には(S1600:yes)、S1605において、「出力可否選択残り時間タイマ」の減算処理を行い、当該出力可否選択の実行時間の時間消化を行う。
【0270】
ここで、「出力可否選択残り時間タイマ」は、「出力可否選択時間」の残り時間を示すタイマであり、当該タイマの値が「0」となった時点で当該「出力可否選択の残り時間」が「0」となり、「出力可否選択時間」が終了する。
つまり、当該残り時間タイマには、出力可否選択時間の上限実行時間(例えば、2秒)に相当するカウンタ値(例えば、1000)が予め設定されており、残り時間減算処理によって、出力可否決定処理の実行毎に(タイマ割り込み処理毎に)当該カウンタ値が減算され、当該カウンタ値=0となった時点で残り時間が経過したとするものである。
すなわち、「出力可否決定処理」の実行周期(起動周期)が到来する毎に「カウント値」を「-1」する処理を行い、カウント値が出力可否決定の終了時間に示す値(ゼロ)になると、出力可否選択の終了時間となる。
【0271】
S1605に続くS1610では、「出力可否選択残り時間タイマ」の値(出力可否選択時間の残り時間)が「0」になったか否を判定する。そして、S1610で肯定判定の場合には(S1610:yes)、S1635に移行する。
一方、S1610で否定判定の場合には(S1610:no)、S1615に移行し、出力可否選択操作が施されたか否かを判定する(S1615)。つまり、左ボタン69b若しくは右ボタン69cに押圧操作が施されたか否かを判定する。ここで、左ボタン69b若しくは右ボタン69cに押圧操作が施されると、左ボタン69b及び右ボタン69cの操作が無効化されるとともに、十字キー69のうち、中央ボタン69a(決定ボタン)が能動化される。しかも、キャラクタK1において「中央ガイド表示Q」を示唆する部分が黒塗りされた状態で表示され、中央ボタン69aを操作することが促される。
【0272】
S1615で否定判定される場合には(S1615:no)、一旦、出力可否決定処理をリターンする。
S1615で肯定判定される場合には(S1615:yes)、S1620で、決定操作が施されたか否かを判定する。つまり、中央ボタン69aが押圧操作されたか否かを判定する。ここで、選択特定部Rによって、「yes(効果音を出力)」若しくは「no(効果音を非出力)」を選択した状態で、中央ボタン69aが押圧操作されると、出力可否を選択した状態に確定する。
【0273】
S1620で肯定判定される場合には(S1620:yes)、S1625において「S1615において行われた操作が効果音を非出力状態とする操作であった」か否かを判定する。つまり、S1615において非出力表示T2を選択したか否かを判定する(S1625)。そして、S1625で肯定判定される場合には(S1625:yes)、S1630で非出力状態フラグの値を「1」とする処理を行い、S1635に移行する。ここで、非出力状態フラグは、本パチンコ機50において、効果音(SE)を出力しない状態とすることを示すフラグであり、当該非出力状態フラグの値が「1」であると、入賞口(11~14)に遊技球が入球したり、普通図柄作動ゲート17を遊技球が通過したりするとき(入賞・通過時)に効果音(SE)を出力しない状態とされる。また、当該非出力状態フラグの値が「0」であると「入賞・通過時」に効果音(SE)を出力する状態とされる。
一方、S1625で否定判定される場合には(S1625:no)、そのままS1635に移行する。
このS1635では、出力可否選択状態フラグの値を「0」とする。そして、S1635を実行すると、出力可否決定処理をリターンする。
【0274】
次に、
図38(a)のフローチャートを用いて、サブ統合制御装置83が実行する大当りメイン演出開始処理を説明する。なお、本処理は、サブ統合制御装置83において定期的(例えば、2ms周期)に実行される処理である。
【0275】
大当りメイン演出開始処理が開始されると、サブ統合制御装置83は、1ラウンド目のラウンド開始コマンドを受信したか否かを判定する(S1650)。この1ラウンド目のラウンド開始コマンドは、大当り遊技において大入賞口14が最初に開放状態となる際に、主制御装置80からサブ統合制御装置83に送信されるコマンドである(
図26のS512を参照)。
【0276】
S1650で肯定判定される場合には(S1650:yes)、S1655で大当りメイン演出中フラグの値を「1」とした後、大当りメイン演出開始処理をリターンする。ここで、大当りメイン演出中フラグは、大当りメイン演出(各ラウンド演出、各ラウンド演出の間に実行されるラウンド間インターバル演出)を実行中であることを示すフラグであり、当該フラグの値が「1」である場合に大当りメイン演出が実行される。
また、S1650で否定判定される場合には(S1650:no)、そのまま大当りメイン演出開始処理をリターンする。
【0277】
次に、
図38(b)のフローチャートを用いて、サブ統合制御装置83が実行する検出情報受信処理を説明する。なお、本処理は、サブ統合制御装置83において定期的(例えば、2ms周期)に実行される処理である。
【0278】
検出情報受信処理が開始されると、S1700で大当りメイン演出中フラグの値が「1」であるか否かを判定する。そして、S1700で否定判定される場合には(S1700:no)、検出情報受信処理をリターンする。また、S1700で肯定判定される場合には(S1700:yes)、S1705に移行する。
【0279】
S1705では、サブ統合制御装置83が検出情報を受信したか否かを判定する。つまり、大入賞口14、第1始動口11、第2始動口12若しくは普通入賞口13に遊技球が入賞することに基づく検出情報、若しくは、普通図柄作動スイッチ17aに遊技球が通過したことに基づく検出情報をサブ統合制御装置83が受信したか否かを判定する。
そして、S1705で否定判定される場合には(S1705:no)、検出情報受信処理をリターンする。
【0280】
これに対して、S1705で肯定判定される場合には(S1705:yes)、S1710に移行し、非出力状態フラグの値が「1」であるか否かを判定する(S1710)。そして、S1710で否定判定される場合には(S1710:no)、S1715で検出情報に基づいて効果(SE)を出力する処理を実行した後、検出情報受信処理をリターンする。つまり、S1715では、遊技球の入賞若しくは通過に基づいて、予定されている効果音が出力される。
【0281】
一方、S1710で肯定判定される場合には(S1710:yes)、S1720で、検出情報に基づいて、代替演出を実行した後、検出情報受信処理をリターンする。つまり、S1720では、遊技球の入賞若しくは通過に基づいて、予定されている効果音の出力に替えて、入賞したことを示す表示(「入賞・通過時報知V」)を行った後、検出情報受信処理をリターンする。
【0282】
次に、
図39のフローチャートを用いて、サブ統合制御装置83が実行する大当り終了演出処理を説明する。なお、本処理は、サブ統合制御装置83において定期的(例えば、2ms周期)に実行される処理である。
【0283】
大当り終了演出処理が開始されると、S1800で大当り終了演出開始コマンドを受信したか否かを判定する。ここで、大当り終了演出開始コマンドは、
図27のS526の処理(大当り終了演出処理)において、主制御装置80からサブ統合制御装置83に送信される。
そして、S1800で否定判定される場合には(S1800:no)、大当り終了演出処理をリターンする。
一方、S1800で肯定判定される場合には(S1800:yes)、S1805で、大当りメイン演出フラグの値を「0」とした後、S1810に移行する。
【0284】
S1810では、非出力状態フラグの値が「1」であるか否かを判定する。
このS1810において否定判定される場合には(S1810:no)、そのまま大当り終了演出処理をリターンする。一方、S1810において肯定判定される場合には(S1810:yes)、S1815で非出力状態フラグの値を「0」とした後、大当り終了演出処理をリターンする。
【0285】
このようにすることにより、大当り終了演出を実行した後は、大入賞口14、第1始動口11、第2始動口12若しくは普通入賞口13に遊技球が入賞することに基づく効果音や、普通図柄作動スイッチ17aに遊技球が通過したことに基づく効果音が一律に出力される状態となる。
【0286】
実施例1のパチンコ機50によると、カスタム画面(選択画面)6Mが表示されている状態にて、効果音を出力するか否かを選択できるため、遊技者の嗜好に対応することができる。
つまり、効果音が出力されると、「心地が良い」と感ずる遊技者が存在すれば、「うるさい」と感ずる遊技者も存在する。ところが、本実施例のパチンコ機50によると、効果音の出力可否を選択することで、遊技者の嗜好に的確に合致させることができる。
【0287】
また、実施例1のパチンコ機50によると、効果音の出力に替えて代替報知を行う場合には、効果音の出力が望ましくないと考える遊技者の嗜好を満たしつつ、入賞等を発生したことを報知することが出来る。
また、効果音を出力しないことを選択して効果音非出力状態となった場合において、効果音を出力しない状態(効果音非出力状態)は、大当り遊技状態が終了することを契機として解除される。このため、効果音を出力しない状態の解除を、逐一遊技者が行わなくても良いため、煩わしさがないパチンコ機50となる。
【0288】
(2)実施例2
次に、実施例2のパチンコ機50について説明する。
実施例1のパチンコ機50では、特定状態中を大当り遊技中(大当りメイン演出中)として、この大当り遊技中に入賞等に基づく効果音(SE)をBGMの出力に併せて出力するか否かを選択可能とした。
但し、本発明において特定状態中は、実施例1で例示する「大当り遊技中」に限定されない。
【0289】
例えば、実施例2に示すように、特定状態中を遊技者によって有利な状態で遊技を進行可能な状態、つまり、大当りに関する当否判定を通常状態よりも有利な状態で実行可能な特典遊技中としてもよい。
そして、実施例2では、特典遊技として確率変動状態中(確変状態中)を例示している。
【0290】
実施例2のパチンコ機50では、大当り遊技終了後に高確率状態に移行するケース(
図28のS536で肯定判定されるケース)において、大当り終了演出中に楽曲の選択と、効果音の出力の可否を決定する処理を実行可能としている。
例えば、
図40(a)は、大当り遊技終了後に高確率状態に移行するケースにおいて、大当り終了演出を開始した直後の様子を示している。この場合、次に開始される当否判定(特別図柄に関する当否判定)が高確率で実行されること(確変状態に移行すること)が示唆される。
【0291】
そして、
図40(b)に示すように、大当り終了演出を開始した後、所定時間(例えば、1秒)を経過すると、演出図柄表示装置6の画面6aにカスタム画面6Mが出現する。
このカスタム画面6Mが出現すると、確率変動状態中(確変状態中)に出力される楽曲の選択や、効果音(SE)の出力可否の決定を行うことが可能である。
この後、
図40(c)に示すように、確率変動状態中(確変状態中)に入賞等に基づく効果音を出力可能な状態とするか(非出力状態フラグの値を「0」とするか)、出力不可能な状態とするか(非出力状態フラグの値を「1」とするか)、の選択を実行可能とされる。
【0292】
この確率変動状態では、
図41(a)に示すように、大当り終了演出を終了し、新たな当否判定(特別図柄に関する当否判定)が実行されたとき、大当り終了演出中に「非出力状態フラグ」の値を「0」とした場合は、効果音(SE)の出力契機を生ずると、効果音(SE)が出力される。例えば、演出図柄の変動(演出表示)が開始される度に効果音(SE)が出力されたり、左、右、中の各演出図柄が停止したりする度に効果音(SE)が出力されたりする。また、演出図柄によって、当否判定の結果を表示したり、リ-チ表示を行ったり、ゲキ熱演出(当否判定の結果が大当りとなる可能性が高いことを示唆する演出)が出現したりするときに効果音(SE)が出力されたりする。
【0293】
一方、大当り終了演出中に「非出力状態フラグ」の値を「1」とした場合は、効果音(SE)の出力契機を生じても効果音(SE)が出力されない。
また、
図41(b)に示すように、確率変動状態を終了する際に(確率変動状態で実行される最終変動を終了する際に)、「非出力状態フラグ」の値が「1」である場合には、当該値が「0」とされる。このため、確率変動状態を終了した後の変動(特別図柄の変動、演出図柄の変動)が開始されると一律に効果音(SE)が出力される。
なお、実施例2では、確率変動状態で実行される最終変動中に「非出力状態フラグ」の値を「0」とする態様を例示したが、確率変動状態で実行される最終変動を終了し、次の変動を開始する前や、次の変動の開始直後に「非出力状態フラグ」の値を「0」としてもよい。
【0294】
実施例2によると、実施例1の効果に加えて以下の効果を得ることができる。つまり、確率変動状態中(確変状態中)は、通常確率状態である場合に比べて遙かに当否判定の結果が大当りとなる可能性が高い有利な状態である。この有利な状態で効果音に邪魔されることなく遊技を集中したい遊技者は、効果音が出力されない状態として遊技を進行する。これに対して、この有利な状態で効果音によって景気づけを行いつつ遊技を継続したい遊技者は、効果音が出力される状態として遊技を進行することとなる。
【0295】
ここで、実施例2のパチンコ機50では、確率変動状態(高確率・時短状態)を終了して、単なる時短状態(通常確率・時短状態)となると、一律に効果音が出力される状態となる。但し、
図40(c)の「実施例2の第1の変形例(以下、変形例1という)」に示すように、単なる時短状態(通常確率・時短状態)になっても、遊技者の選択操作に基づいて、効果音の出力可否を決定してもよい。
【0296】
次に、
図42を用いて実施例2の第2の変形例(以下、変形例2という)について説明する。
変形例2は、特定状態を、「遊技が一定期間実行されていない状態(所謂「客待ちの状態」)」としている。つまり、特別図柄の変動が一定期間実行されていないときに、演出図柄表示装置6の画面6aにカスタム画面6Mが出現し、遊技中(特別図柄の変動中や、大当り遊技中)等に出力される楽曲を選択したり、効果音(SE)を出力するか否かを選択したりすることが可能とされてもよい。
【0297】
前述の
図19に示すように、S334で否定判定されると(S334:no)、待機コマンドが主制御装置80からサブ統合制御装置83に送信される(S337)。この待機コマンドをサブ統合制御装置83が受信すると、所定のタイミングで待機表示とデモ表示が交互に繰り返される。
【0298】
待機状態は、演出図柄表示装置6に保留図柄a1、b1が表示されていない状態(第1保留記憶及び第2保留記憶が何れもゼロの状態)が、一定時間継続(例えば、15秒継続)すると開始される。
つまり、
図42の(a)に示すように、サブ統合制御装置83が待機コマンドを受信して15秒が経過すると、演出図柄表示装置6の画面6aにおいて、待機表示6tが開始される。
【0299】
そして、待機表示6tが所定期間継続(例えば、30秒継続)すると、待機表示6tがデモ表示6dに変更される。そして、デモ表示6dが所定期間継続(例えば、30秒継続)すると、デモ表示6dが待機表示6tに変更される。
このように、各実施例のパチンコ機50では、遊技を実行していない状態になると、待機表示6tとデモ表示6dが30秒間隔で交互に繰り返される。但し、待機表示6t若しくはデモ表示6dを実行しているときに、第1保留記憶若しくは第2保留記憶を発生すると、演出図柄表示装置6の画面6aにおいて待機状態を示す表示(待機表示6t、デモ表示6d)を終了し、変動表示領域6Hで演出図柄(特別図柄)の変動が開始される。
【0300】
この変形例2においては、待機表示6tとデモ表示6dが繰り返されているとき、所定タイミングで、演出図柄表示装置6の画面6aにカスタム画面(選択画面)6Mが出現し、楽曲の選択や、効果音(SE)の出力可否を選択できる。
この変形例2においては、第1始動口11若しくは第2始動口12に遊技球が入球し、遊技が再開すると、遊技中に選択した楽曲が出力されるとともに、遊技者の選択に基づいて効果音(SE)が出力されたり、されなかったりする。
【0301】
また、本発明の特定状態は、各実施例や、変形例1や、変形例2に示す状態に限定されず、遊技を進行中であって、大当り遊技中以外のときであってもよい。例えば、
図43で例示する変形例(以下、変形例3という)に示す状態であってもよい。
つまり、変形例3に示すように、特別図柄及び演出図柄の変動中において、楽曲の選択や効果音(SE)の出力可否を選択できることとしてもよい。
【0302】
変形例3では、当否判定に基づいて所定の変動パターンが選択され、特別図柄及び演出図柄の変動を開始すると、
図43(a)に示すように、演出図柄表示装置6の画面6aに「音調整を行ないたい場合には、演出ボタン67を操作する旨のメッセージM5」が表示される。
そして、この変動中に演出ボタン67を操作すると、演出図柄表示装置6の画面6aにカスタム画面6Mが出現する(
図43(b)、(c)を参照)。そして、当該変動中に楽曲の選択操作と、効果音(SE)の出力可否を選択すると、次回の変動(特別図柄及び演出図柄)から、選択内容(選択された楽曲の種類、効果音の出力可否に関する決定)に従い、音演出が実行される。
【0303】
なお、本実施例では、図示していないが、演出ボタン67を操作すると、カスタム画面6Mの表示に先んじて、音量や音質の調整画面が表示され、該調整が完了するとカスタム画面6Mが表示される。また、これに限らず、音量や音質の調整画面と併せて、カスタム画面6Mを表示するようにしてもよい。さらに、音調整に加えて輝度等の調整も併せて行うようにしてもよい。
【0304】
また、
図43の(d)は、変動中に「効果音」を出力しないことを選択した場合(非出力状態フラグの値が「1」である場合)を示している。この場合、変動を停止したとき、演出図柄表示装置6の画面6aに「SEが消音された旨のメッセージM6」が表示される。
ここで、所定の変動パターンとしては、例えば、十分な時間を特定する変動パターンを例示できる。例えば、演出ボタン67や十字キー69を操作する上で、十分な長さ(例えば、10秒以上)の変動時間を特定する変動パターンを例示できる。
【0305】
以上のように本発明の実施例を説明したが、本発明の範囲は前述の実施例や変形例に示す範囲に限定されず、本発明の範囲内で種々の変形例を例示することができる。
【0306】
すなわち、各実施例では特別図柄の当否判定を高確率で実行可能とする確率変動機能を備えるパチンコ機50について説明したが、本発明のパチンコ機は必ずしも確率変動機能を備えることが必要とされない。例えば、確率変動機能を備えないが、時短機能を備えるパチンコ機50であってもよい。
また、各実施例のパチンコ機50は、時短状態として、a時短状態と、b時短状態及びc時短状態を備えるが、本発明の遊技機が時短状態として、a時短状態と、b時短状態及びc時短状態のうちの1個若しくは何れか2個を備えてもよい。
【0307】
また、時短状態を備えるパチンコ機50においては、時短状態において、演出図柄表示装置6の画面6aにカスタム画面(選択画面)6Mが出現し、楽曲の選択や、効果音(SE)の出力可否を選択可能とされてもよい。
更に、時短状態の種類を複数備え、それらの時短性能に差異がある場合には、所定の時短状態ではカスタム画面(選択画面)6Mが出現し、楽曲の選択や、効果音(SE)の出力可否を選択可能とされるが、他の時短状態ではカスタム画面(選択画面)6Mが出現し、楽曲の選択や、効果音(SE)の出力可否を選択不可能とされてもよい。例えば、b時短状態である場合には、a時短状態及びc時短状態である場合に比べて、時短回数が多いため、変動時間の短縮度合いが大きくなる場合には、b時短状態においてカスタム画面(選択画面)6Mが出現は出現せず、a時短状態及びc時短状態においてカスタム画面(選択画面)6Mが出現し、楽曲の選択や、効果音(SE)の出力可否を選択可能であってもよい。
【0308】
また、各実施例や各変形例と異なり、本発明の特定状態として、特定の時間を例示することもできる。例えば、所定時刻(例えば、1日に1回)の所定時間に(例えば、毎日19時に)、演出図柄表示装置6の画面6aにカスタム画面(選択画面)6Mが出現し、楽曲の選択や、効果音(SE)の出力可否を選択可能とされてもよい。更に具体的に説明すると、パチンコ機50のサブ統合制御装置83にRTC回路(「年月日、曜日、時刻」をカウントして、計時して出力する装置)が搭載されている場合、このRTC回路が所定時刻を計時したとき、演出図柄表示装置6の画面6aにカスタム画面(選択画面)6Mが出現し、楽曲の選択や、効果音(SE)の出力可否を選択可能とされる変形例(以下、変形例4という)を例示することもできる。
【0309】
変形例4によると、例えば、第1所定時刻(1日に1回、秒間))にカスタム画面(選択画面)6Mが出現したり、第2所定時刻(例えば、1カ月に1回)にカスタム画面(選択画面)6Mが出現したりする態様を例示できる。
【0310】
このように、BGMの出力対象の状態を、大当り遊技や、時短、確変等に限ることなく、所定時刻に出現する特定の演出中を対象としても良い。この場合、所定時刻に特定のタレントの演出が出現する場合において、この演出を視聴したい遊技者も存在する。
【0311】
かかる場合、遊技者の「特定のタレントの演出が出現する所定時刻」になることを心待ちにすることとなるが、本発明によると、効果音(SE)が出力されない状態で、当該演出を楽しむことができる。この場合、当該演出を楽しみつつ邪魔な雑音を排除しながら視聴したいという遊技者の欲求を満たすことができる。
【0312】
また、本発明では、遊技者の嗜好として、『BGMのみを聴きたいので、BGMを出力する際にSEを出力する契機が発生しても、SEは出力して欲しくない』という嗜好(以下、嗜好Aという)を満足させることができる。しかし、逆に、『SEは聴いて入賞等を確認したいが、この機械のBGMは耳障りで聴きたくない、とか、スペックや遊技性が好きだからこの機械を打つがBGMは嫌い』という嗜好(以下、嗜好Bという)を持つ遊技者も存在する。
【0313】
本発明に関連する遊技機として、
「遊技中に出力される音として、所定の状態の発生に伴い出力される効果音と、特定状態中において出力されるBGMと、を少なくとも、備える遊技機であって、
前記BGMを出力するか否かを選択可能である
ことを特徴とする遊技機」
を例示することもできる。
【0314】
この関連する遊技機によると、BGMの出力の可否を適宜選択できるため、嗜好Aを持つ遊技者の要求と、嗜好Bを持つ遊技者の要求とを満足させることができる。
【0315】
本発明に関連する他の遊技機として、
「遊技中に出力される音として、所定の状態の発生に伴い出力される効果音と、特定状態中において出力されるBGMと、を少なくとも、備える遊技機であって、
前記BGMの出力に併せて前記効果音の出力を抑制可能である
ことを特徴とする遊技機」
を例示することもできる。
【0316】
この関連する他の遊技機によると、BGMの出力に併せて出力される効果音の音量を調節(効果音を消音することも含む)できるため、例えば、BGMの視聴に集中したいという遊技者の欲求と、効果音を楽しみたいという遊技者の欲求を満足させることができる。従って、この場合も、遊技者の嗜好に対応するものとなる。
【0317】
また、実施例1ではBGMの出力対象の状態を大当り遊技としたが、a時短状態、確変状態等に限ることなく、b時短状態や、c時短状態を対象としても良く、大当り用の複数のBGMとは別に、b時短状態やc時短状態用の複数のBGMを備えるようにしても良い。
また、各実施例及び各変形例を、一般的なデジパチタイプのパチンコ機50への適用例として説明したが、これに限らず、本発明を所謂「1種2種混合機タイプ」のパチンコ機50や、所謂「Vチャレタイプのパチンコ機50等の他のタイプのパチンコ機50にも適用することができる。
更に、本発明の遊技機は、所謂「封入式の遊技機」であっても、「非封入式の遊技機」であってもよい。
【0318】
本発明において、BGMを出力する大当り遊技は、旧1種タイプのパチンコ機50の大当り遊技に限らず、旧2種タイプのパチンコ機や他のタイプのパチンコ機の大当り遊技であってもよい。
【0319】
また、各実施例及び各変形例では、弾球式の遊技機への適用例を示したが、本発明は、価値媒体としてメダルを用いて遊技を行う回胴式遊技機(スロット遊技機)にも好適に適用できる。更に、価値媒体として遊技球を用いてスロット遊技機と同様の遊技を行う回胴式遊技機(パロット遊技機)にも好適に適用できる。
【0320】
また、各実施例では、一定の場合(所定状態の発止を伴う場合)に操作手段(十字キー69)を能動化し、楽曲の選択や、効果音(SE)の出力可否の選択を可能としたが、本発明においては、一定の場合以外においても、楽曲の選択や効果音(SE)の出力可否の選択を可能であってもよい。例えば、操作手段(十字キー69)を終始、能動化し、楽曲の選択や、効果音(SE)の出力可否の選択を常時可能としてもよい。この場合、遊技中に効果音(SE)の出力を止めたいと思った遊技者が、気軽に効果音(SE)の出力可否の選択を行うことができる。
同様に、効果音(SE)の出力が停止している場合であるが、効果音(SE)の出力を再開したいと思った遊技者は、気軽に効果音(SE)の出力を再開可能としてもよい。
【0321】
また、各実施例及び各変形例では、楽曲の選択と、効果音(SE)の出力可否の選択を実行可能な態様を例示したが、効果音(SE)の出力可否の選択のみを実行可能であってもよい。
【0322】
[特許請求の範囲との対応]
次に、上記実施形態(実施例)の説明で用いた用語と、特許請求の範囲の記載に用いた用語との対応を示す。
「パチンコ機50」が、「遊技機」の一例に相当する。
【0323】
「入賞口(大入賞口14、第1始動口11、第2始動口12、普通入賞口13)に遊技球が入球したり、普通図柄作動ゲート17を遊技球が通過したりすることが、「所定の状態の発生」の一例に相当する。
「大当り遊技中」が、「特定状態中」の一例に相当する。
「カスタム画面6M」が、「選択画面」の一例に相当する。
【符号の説明】
【0324】
1:遊技盤、3:遊技領域、6:演出図柄表示装置、11:第1始動口(特1始動口)、12:第2始動口(特1始動口)、14:大入賞口、17:普通図柄作動ゲート、80:主制御装置、82:演出図柄制御装置、83:サブ統合制御装置。