IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日本電産株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-モータ 図1
  • 特開-モータ 図2
  • 特開-モータ 図3
  • 特開-モータ 図4
  • 特開-モータ 図5
  • 特開-モータ 図6
  • 特開-モータ 図7
  • 特開-モータ 図8
  • 特開-モータ 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022170495
(43)【公開日】2022-11-10
(54)【発明の名称】モータ
(51)【国際特許分類】
   H02K 9/19 20060101AFI20221102BHJP
【FI】
H02K9/19 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021076651
(22)【出願日】2021-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】000232302
【氏名又は名称】日本電産株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100188673
【弁理士】
【氏名又は名称】成田 友紀
(74)【代理人】
【識別番号】100179833
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 将尚
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(72)【発明者】
【氏名】園田 雅史
(72)【発明者】
【氏名】雨貝 太郎
【テーマコード(参考)】
5H609
【Fターム(参考)】
5H609BB03
5H609BB19
5H609PP02
5H609PP05
5H609PP06
5H609PP09
5H609PP17
5H609QQ05
5H609QQ20
(57)【要約】      (修正有)
【課題】必要な箇所に適切にオイルを供給できるリザーバを備え、局所的に温度が高まることを抑制できるモータを提供する。
【解決手段】モータは、ロータと、ステータと、ロータおよびステータを収容するハウジングと、ステータの上側に位置し、冷媒を貯留する樋状のリザーバ110と、を備える。リザーバ110は、上方から見て、所定方向に延びる第1流路部11と、所定方向とは異なる方向に延びる第2流路部12Bと、第1流路部11と第2流路部12Bとを繋ぐコーナ流路部14Bと、を有する。供給路は、第1流路部11と少なくとも一部が対向する開口部を有する。底壁部には、第1流路部11、第2流路部12Bおよびコーナ流路部14Bの何れかに配置され、流路の長さ方向に沿って延びる溝部が設けられる。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータ軸を中心として回転するロータと、
前記ロータと径方向に隙間をあけて対向するステータと、
前記ロータおよび前記ステータを収容するモータ収容部を有するハウジングと、
前記ステータの上側に位置し、冷媒を貯留する樋状のリザーバと、を備え、
前記ハウジングは、前記リザーバに前記冷媒を供給する供給路を有し、
前記リザーバは、
前記冷媒が流れる流路を構成する壁部と、
前記壁部の一部である底壁部を鉛直方向に貫通し、前記流路に分散して配置される少なくとも一つ冷媒供給口と、を有し、
前記リザーバは、上方から見て、
所定方向に延びる第1流路部と、
前記所定方向とは異なる方向に延びる第2流路部と、
前記第1流路部と前記第2流路部とを繋ぐコーナ流路部と、を有し、
前記供給路は、前記第1流路部と少なくとも一部が対向する開口部を有し、
前記底壁部には、前記第1流路部、前記第2流路部および前記コーナ流路部の何れかに配置され、前記流路の長さ方向に沿って延びる溝部が設けられる、
モータ。
【請求項2】
前記リザーバを上方から見て、前記第2流路部が延びる方向と直交する方向を前記第2流路部の幅方向とし、前記第2流路部に対して前記第1流路部が延びる方向を前記第2流路部の幅方向内側とし、
前記溝部は、前記第2流路部に設けられ、前記第2流路部において幅方向の中央より幅方向内側に配置される、
請求項1に記載のモータ。
【請求項3】
前記溝部は、前記第2流路部に設けられ、前記第2流路部において、前記第2流路部が延びる方向と平行に延びる、
請求項1又は2に記載のモータ。
【請求項4】
前記リザーバを上方から見て、前記第2流路部が延びる方向と直交する方向を前記第2流路部の幅方向とし、前記第2流路部に対して前記第1流路部が延びる方向を前記第2流路部の幅方向内側とし、
前記溝部は、前記第2流路部に設けられ、前記第2流路部において、前記第2流路部の上流側から下流側に向かうに従い幅方向内側に傾斜する、
請求項1又は2に記載のモータ。
【請求項5】
複数の前記溝部が、前記第2流路部に設けられ、
複数の前記溝部が、互いに平行に延びる、
請求項1~4の何れか一項に記載のモータ。
【請求項6】
複数の前記溝部が、前記第2流路部に設けられ、
複数の前記溝部が、前記第2流路部の下流側に向かうに従い互いに近づく、
請求項1~4の何れか一項に記載のモータ。
【請求項7】
前記第2流路部は、下流側に向かって傾斜する第1領域と、前記第1領域より下流側に位置し前記第1領域より急勾配で下流側に向かって傾斜する第2領域と、を有し、
前記溝部は、前記第2流路部の前記第1領域に設けられる、
請求項1~6の何れか一項に記載のモータ。
【請求項8】
前記第2流路部の下流側の端部の前記底壁部には、前記冷媒供給口の1つである下流側冷媒供給口が設けられ、
前記下流側冷媒供給口は、前記溝部の下流側の延長線上に配置される、
請求項1~7の何れか一項に記載のモータ。
【請求項9】
前記溝部の下流側の端部は、下流側に開口している、
請求項1~8の何れか一項に記載のモータ。
【請求項10】
前記第1流路部および前記第2流路部の前記底壁部には、複数の前記冷媒供給口が設けられ、
複数の前記冷媒供給口のうち、前記第2流路部の下流側の端部に設けられる前記冷媒供給口の開口面積は、他の前記冷媒供給口の開口面積より大きい、
請求項1~9の何れか一項に記載のモータ。
【請求項11】
前記リザーバは、
樋状のベース部材と、
前記ベース部材に上側から装着されるアタッチメント部材と、を有する、
前記アタッチメント部材は、前記壁部の一部を構成する、
請求項1~10の何れか一項に記載のモータ。
【請求項12】
前記アタッチメント部材の下流側の端部は、スロープ状に傾斜する、
請求項11に記載のモータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のモータとして、オイルによりステータを冷却する構造が知られる。特許文献1の回転電機用冷却装置は、車両に搭載される。回転電機用冷却装置は、冷却液ガイド部を備える。冷却液ガイド部は、ステータの上方外周面に沿って配置され、ステータを冷却するための冷却液の流路を形成する。冷却液ガイド部は、湾曲樋部材である。冷却液ガイド部の底部には、複数の冷却液供給口が設けられる。複数の冷却液供給口は、冷却液ガイド部を流れる冷却液をステータに供給するための孔である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011-97761号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
リザーバは、上流側から下流側にオイルを流すため、上流側の供給口から多くのオイルが吐出され、下流側の供給口から吐出されるオイル量が不足しやすいという問題があり、冷却が必要な箇所に十分なオイルを供給できない虞があった。
【0005】
上記事情に鑑みて、本発明は、必要な箇所に適切にオイルを供給できるリザーバを備え、局所的に温度が高まることを抑制できるモータを提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のモータの一つの態様は、モータ軸を中心として回転するロータと、前記ロータと径方向に隙間をあけて対向するステータと、前記ロータおよび前記ステータを収容するモータ収容部を有するハウジングと、前記ステータの上側に位置し、冷媒を貯留する樋状のリザーバと、を備える。前記ハウジングは、前記リザーバに前記冷媒を供給する供給路を有する。前記リザーバは、前記冷媒が流れる流路を構成する壁部と、前記壁部の一部である底壁部を鉛直方向に貫通し、前記流路に分散して配置される少なくとも一つ冷媒供給口と、を有する。前記リザーバは、上方から見て、所定方向に延びる第1流路部と、前記所定方向とは異なる方向に延びる第2流路部と、前記第1流路部と前記第2流路部とを繋ぐコーナ流路部と、を有する。前記供給路は、前記第1流路部と少なくとも一部が対向する開口部を有する。前記底壁部には、前記第1流路部、前記第2流路部および前記コーナ流路部の何れかに配置され、前記流路の長さ方向に沿って延びる溝部が設けられる。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様のモータによれば、必要な箇所に適切にオイルを供給できるリザーバを備え、局所的に温度が高まることを抑制できるモータを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、一実施形態の駆動装置を模式的に示す概略構成図である。
図2図2は、一実施形態のモータの一部を示す斜視図であり、リザーバの冷媒供給口の一部の図示を省略する。
図3図3は、一実施形態のモータの一部を示す上面図であり、リザーバの冷媒供給口の一部の図示を省略する。
図4図4は、一実施形態のリザーバを示す斜視図であり、冷媒供給口の一部の図示を省略する。
図5図5は、一実施形態のリザーバの分解斜視図である。
図6図6は、図3のVI-VI断面を示す断面図である。
図7図7は、変形例1のリザーバの一部を示す上面図である。
図8図8は、変形例2のリザーバの一部を示す上面図である。
図9図9は、変形例3のリザーバの一部を示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下の説明では、各図に示す実施形態の駆動装置1およびモータ2が、図示しない水平な路面上に位置する車両に搭載された場合の位置関係を基に、鉛直方向を規定して説明する。また、図面においては、適宜3次元直交座標系としてXYZ座標系を示す。XYZ座標系において、Z軸方向は、鉛直方向である。+Z側は、鉛直方向上側であり、-Z側は、鉛直方向下側である。本実施形態では、鉛直方向上側を単に「上側」と呼び、鉛直方向下側を単に「下側」と呼ぶ。X軸方向は、Z軸方向と直交する方向であって駆動装置1が搭載される車両の前後方向である。以下の実施形態において、+X側は、車両の前側であり、-X側は、車両の後側である。Y軸方向は、X軸方向とZ軸方向の両方と直交する方向であって、車両の左右方向、すなわち車幅方向である。以下の実施形態において、+Y側は、車両の左側であり、-Y側は、車両の右側である。本実施形態では、右側は、軸方向一方側に相当し、左側は、軸方向他方側に相当する。前後方向および左右方向は、鉛直方向と直交する水平方向である。
【0010】
なお、前後方向の位置関係は、本実施形態の位置関係に限られず、+X側が車両の後側であり、-X側が車両の前側であってもよい。この場合には、+Y側は、車両の右側であり、-Y側は、車両の左側である。
【0011】
各図に適宜示すモータ軸J1は、Y軸方向、すなわち車両の左右方向に延びる。つまりモータ軸J1は、水平方向に延びる。本実施形態では、特に断りのない限り、モータ軸J1に平行な方向を単に「軸方向」と呼び、モータ軸J1を中心とする径方向を単に「径方向」と呼び、モータ軸J1を中心とする周方向、すなわち、モータ軸J1の軸回りを単に「周方向」と呼ぶ。なお、本明細書において、「平行な方向」は略平行な方向も含み、「直交する方向」は略直交する方向も含む。
【0012】
図1に示す本実施形態の駆動装置1は、ハイブリッド自動車(HEV)、プラグインハイブリッド自動車(PHV)、電気自動車(EV)等、モータを動力源とする車両に搭載され、その動力源として使用される。図1に示すように、駆動装置1は、モータ2と、減速装置4および差動装置5を含む伝達装置3と、ハウジング6と、インバータユニット8と、を備える。
【0013】
ハウジング6は、モータ収容部81と、ギヤ収容部82と、隔壁61cと、を有する。モータ収容部81は、ハウジング6のうち内部に後述するロータ20およびステータ30を収容する部分である。本実施形態では、モータ収容部81の内部空間、すなわちモータ収容部81と隔壁61cにより区画される空間を、ステータ収容室83と呼ぶ場合がある。つまりハウジング6は、ステータ収容室83を有する。ステータ収容室83は、ステータ30を収容する。
【0014】
ギヤ収容部82は、ハウジング6のうち内部に伝達装置3を収容する部分である。ギヤ収容部82は、モータ収容部81の左側に位置する。モータ収容部81の底部81aは、ギヤ収容部82の底部82aより上側に位置する。隔壁61cは、モータ収容部81の内部とギヤ収容部82の内部とを軸方向に区画する。隔壁61cには、隔壁開口68が設けられる。隔壁開口68は、モータ収容部81の内部とギヤ収容部82の内部とを繋ぐ。
【0015】
モータ収容部81の内部およびギヤ収容部82の内部には、本実施形態の冷媒であるオイルOが収容される。ギヤ収容部82の内部における下部領域には、オイルOが溜るオイル溜りPが設けられる。オイル溜りPのオイルOは、後述する油路90によってモータ収容部81の内部に送られる。モータ収容部81の内部に送られたオイルOは、モータ収容部81の内部における下部領域に溜まる。モータ収容部81の内部に溜まったオイルOの少なくとも一部は、隔壁開口68を介してギヤ収容部82に移動し、オイル溜りPに戻る。
【0016】
なお、本明細書において「ある部分の内部にオイルが収容される」とは、モータが駆動している最中の少なくとも一部において、ある部分の内部にオイルが位置していればよく、モータが停止している際には、ある部分の内部にオイルが位置していなくてもよい。例えば、本実施形態においてモータ収容部81の内部にオイルOが収容されるとは、モータ2が駆動している最中の少なくとも一部において、モータ収容部81の内部にオイルOが位置していればよく、モータ2が停止している際においては、モータ収容部81の内部のオイルOがすべて隔壁開口68を通ってギヤ収容部82に移動してしまっていてもよい。
なお、後述する油路90によってモータ収容部81の内部へと送られたオイルOの一部は、モータ2が停止した状態において、モータ収容部81の内部に残っていてもよい。
【0017】
オイルOは、後述する油路90内を循環する。オイルOは、減速装置4および差動装置5の潤滑用として使用される。また、オイルOは、モータ2の冷却用として使用される。
オイルOとしては、潤滑油および冷却油の機能を奏するために、比較的粘度の低いオートマチックトランスミッション用潤滑油(ATF:Automatic Transmission Fluid)と同等のオイルを用いることが好ましい。
【0018】
本実施形態においてモータ2は、インナーロータ型のモータである。モータ2は、ロータ20と、ステータ30と、モータ収容部81を有するハウジング6と、ベアリング26,27と、クーラー97と、ポンプ96と、リザーバ10と、案内部材77と、を備える。ロータ20は、モータ軸J1を中心として回転する。ロータ20は、シャフト21と、ロータ本体24と、を有する。ロータ20のトルクは、伝達装置3に伝達される。
【0019】
シャフト21は、モータ軸J1を中心として軸方向に沿って延びる。シャフト21は、モータ軸J1を中心として回転する。シャフト21は、内部に中空部22が設けられた中空シャフトである。シャフト21には、連通孔23が設けられる。連通孔23は、径方向に延びて中空部22とシャフト21の外部とを繋ぐ。
【0020】
シャフト21は、ハウジング6のモータ収容部81とギヤ収容部82とに跨って延びる。シャフト21の左側の端部は、ギヤ収容部82の内部に突出する。シャフト21の左側の端部には、伝達装置3の後述する第1のギヤ41が固定される。シャフト21は、ベアリング26,27により回転可能に支持される。
【0021】
ロータ本体24は、軸方向に延びる円筒状である。ロータ本体24は、シャフト21の外周面と固定される。図示は省略するが、ロータ本体24は、ロータコアと、ロータコアに固定されるロータマグネットと、を有する。
【0022】
ステータ30は、ロータ20と径方向に隙間をあけて対向する。ステータ30は、ロータ20の径方向外側に位置する。ステータ30は、ステータコア32と、コイルアセンブリ33と、を有する。ステータコア32は、モータ収容部81の内周面に固定される。図2および図3に示すように、ステータコア32は、ステータコア本体32aと、固定部32bと、を有する。図示は省略するが、ステータコア本体32aは、軸方向に延びる円筒状のコアバックと、コアバックから径方向内側に延びる複数のティースと、を有する。
【0023】
固定部32bは、ステータコア本体32aの外周面から径方向外側に突出する。固定部32bは、ステータコア32のうちモータ収容部81に固定される部分である。図2に示すように、固定部32bは、周方向に沿って間隔を空けて複数設けられる。固定部32bのうちの1つは、ステータコア本体32aから上側に突出する。固定部32bは、固定部32bを軸方向に貫通する貫通孔32cを有する。図示は省略するが、ステータ30は、貫通孔32cに通されたネジがモータ収容部81に締め込まれることで、ハウジング6に固定される。
【0024】
図1に示すように、コイルアセンブリ33は、周方向に沿ってステータコア32に取り付けられる複数のコイル31を有する。複数のコイル31は、図示しないインシュレータを介してステータコア32の各ティースにそれぞれ装着される。複数のコイル31は、周方向に沿って配置される。より詳細には、複数のコイル31は、周方向に沿って一周に亘って等間隔に配置される。図示は省略するが、コイルアセンブリ33は、各コイル31を結束する結束部材等を有してもよいし、各コイル31同士を繋ぐ渡り線を有してもよい。
【0025】
コイルアセンブリ33は、ステータコア32から軸方向に突出するコイルエンド33a,33bを有する。コイルエンド33aは、コイルアセンブリ33のうちステータコア32から右側に突出する部分である。コイルエンド33bは、コイルアセンブリ33のうちステータコア32から左側に突出する部分である。コイルエンド33aは、コイルアセンブリ33に含まれる各コイル31のうちステータコア32よりも右側に突出する部分を含む。コイルエンド33bは、コイルアセンブリ33に含まれる各コイル31のうちステータコア32よりも左側に突出する部分を含む。本実施形態においてコイルエンド33a,33bは、モータ軸J1を中心とする円環状である。図示は省略するが、コイルエンド33a,33bは、各コイル31を結束する結束部材等を含んでもよいし、各コイル31同士を繋ぐ渡り線を含んでもよい。
【0026】
ベアリング26,27は、ロータ20を回転可能に支持する。ベアリング26,27は、例えば、ボールベアリングである。図1に示すように、ベアリング26は、ロータ20のうちステータコア32よりも右側に位置する部分を回転可能に支持するベアリングである。本実施形態においてベアリング26は、シャフト21のうちロータ本体24が固定される部分よりも右側に位置する部分を支持する。ベアリング26は、モータ収容部81の壁部のうち、ロータ20およびステータ30の右側を覆う右壁部81cに保持される。
【0027】
ベアリング27は、ロータ20のうちステータコア32よりも左側に位置する部分を回転可能に支持するベアリングである。本実施形態においてベアリング27は、シャフト21のうちロータ本体24が固定される部分よりも左側に位置する部分を支持する。ベアリング27は、隔壁61cに保持される。上記以外のモータ2の構成要素については、後述する。
【0028】
インバータユニット8は、ハウジング6と接続される。インバータユニット8は、モータ2と電気的に接続される。インバータユニット8は、モータ2の回転を制御する。
【0029】
伝達装置3は、ハウジング6のギヤ収容部82に収容される。伝達装置3は、モータ2に接続される。より詳細には、伝達装置3は、シャフト21の左側の端部に接続される。伝達装置3は、減速装置4と、差動装置5と、を有する。モータ2から出力されるトルクは、減速装置4を介して差動装置5に伝達される。
【0030】
減速装置4は、モータ2に接続される。減速装置4は、モータ2の回転速度を減じて、モータ2から出力されるトルクを減速比に応じて増大させる。減速装置4は、モータ2から出力されるトルクを差動装置5へ伝達する。減速装置4は、第1のギヤ41と、第2のギヤ42と、第3のギヤ43と、中間シャフト45と、を有する。
【0031】
第1のギヤ41は、シャフト21の左側の端部における外周面に固定される。第1のギヤ41は、シャフト21とともに、モータ軸J1を中心に回転する。中間シャフト45は、モータ軸J1と平行な中間軸J2に沿って延びる。中間シャフト45は、中間軸J2を中心として回転する。第2のギヤ42および第3のギヤ43は、中間シャフト45の外周面に固定される。第2のギヤ42と第3のギヤ43は、中間シャフト45を介して接続される。第2のギヤ42および第3のギヤ43は、中間軸J2を中心として回転する。第2のギヤ42は、第1のギヤ41に噛み合う。第3のギヤ43は、差動装置5の後述するリングギヤ51と噛み合う。
【0032】
モータ2から出力されるトルクは、シャフト21、第1のギヤ41、第2のギヤ42、中間シャフト45および第3のギヤ43をこの順に介して差動装置5のリングギヤ51へ伝達される。各ギヤのギヤ比およびギヤの個数等は、必要とされる減速比に応じて種々変更可能である。本実施形態において減速装置4は、各ギヤの軸芯が平行に配置される平行軸歯車タイプの減速機である。
【0033】
差動装置5は、減速装置4を介しモータ2に接続される。差動装置5は、モータ2から出力されるトルクを車両の車輪に伝達するための装置である。差動装置5は、車両の旋回時に、左右の車輪の速度差を吸収しつつ、左右両輪の車軸55に同トルクを伝える。差動装置5は、リングギヤ51と、図示しないギヤハウジングと、図示しない一対のピニオンギヤと、図示しないピニオンシャフトと、図示しない一対のサイドギヤと、を有する。リングギヤ51は、モータ軸J1と平行な差動軸J3を中心として回転する。リングギヤ51には、モータ2から出力されるトルクが減速装置4を介して伝えられる。
【0034】
モータ2には、ハウジング6の内部においてオイルOが循環する油路90が設けられる。つまりモータ2は、油路90を備える。油路90は、オイル溜りPからオイルOをモータ2に供給し、再びオイル溜りPに導くオイルOの経路である。油路90は、モータ収容部81の内部とギヤ収容部82の内部とに跨って設けられる。
【0035】
なお、本明細書において「油路」とは、オイルの経路を意味する。したがって、「油路」とは、定常的に一方向に向かうオイルの流動を作る「流路」のみならず、オイルを一時的に滞留させる経路およびオイルが滴り落ちる経路をも含む概念である。オイルを一時的に滞留させる経路とは、例えば、オイルを貯留するリザーバ等を含む。油路90は、本実施形態の冷媒であるオイルOが通る経路であり、冷媒経路と言い換えてもよい。
【0036】
油路90は、第1の油路91と、第2の油路92と、を有する。第1の油路91および第2の油路92は、それぞれハウジング6の内部でオイルOを循環させる。第1の油路91は、かき上げ経路91aと、シャフト供給経路91bと、シャフト内経路91cと、ロータ内経路91dと、を有する。また、第1の油路91の経路中には、貯留部93が設けられる。貯留部93は、ギヤ収容部82内に設けられる。
【0037】
かき上げ経路91aは、差動装置5のリングギヤ51の回転によってオイル溜りPからオイルOをかき上げて、貯留部93でオイルOを受ける経路である。貯留部93は、上側に開口し、オイルOを貯留する。貯留部93は、リングギヤ51がかき上げたオイルOを受ける。また、モータ2の駆動直後などオイル溜りPの液面が高い場合等には、貯留部93は、リングギヤ51に加えて第2のギヤ42および第3のギヤ43によってかき上げられたオイルOも受ける。
【0038】
シャフト供給経路91bは、貯留部93からシャフト21の中空部22にオイルOを誘導する。シャフト内経路91cは、シャフト21の中空部22内をオイルOが通過する経路である。ロータ内経路91dは、オイルOがシャフト21の連通孔23からロータ本体24の内部を通過して、ステータ30に飛散する経路である。
【0039】
シャフト内経路91cにおいて、ロータ20の内部のオイルOには、ロータ20の回転に伴い遠心力が付与される。これにより、オイルOは、ロータ20から径方向外側に連続的に飛散する。また、オイルOの飛散に伴い、ロータ20内部の経路が負圧となり、貯留部93に溜るオイルOが、ロータ20の内部に吸引され、ロータ20内部の経路にオイルOが満たされる。
【0040】
ステータ30に到達したオイルOは、ステータ30から熱を奪う。ステータ30を冷却したオイルOは、下側に滴下され、モータ収容部81内の下部領域に溜る。モータ収容部81内の下部領域に溜ったオイルOは、隔壁61cに設けられた隔壁開口68を介してギヤ収容部82に移動する。以上のようにして、第1の油路91は、オイルOをロータ20およびステータ30に供給する。
【0041】
第2の油路92においてオイルOは、オイル溜りPからステータ30の上側まで引き上げられてステータ30に供給される。すなわち、第2の油路92は、オイルOをステータ30の上側からステータ30に供給する。第2の油路92には、ポンプ96と、クーラー97と、リザーバ10と、が設けられる。第2の油路92は、第1の流路92aと、第2の流路92bと、供給路92cと、を有する。
【0042】
第1の流路92a、第2の流路92bおよび供給路92cは、ハウジング6の壁部に設けられる。つまりハウジング6は、供給路92cを有する。第1の流路92aは、オイル溜りPとポンプ96とを繋ぐ。第2の流路92bは、ポンプ96とクーラー97とを繋ぐ。
【0043】
供給路92cは、モータ収容部81の壁部に設けられる。供給路92cには、ステータ30を冷却するオイルOが通過する。供給路92cは、リザーバ10にオイルOを供給する。供給路92cは、モータ収容部81の壁部のうち前壁部に位置する部分92eと、モータ収容部81の壁部のうち頂壁部に位置する部分92fと、を有する。供給路92cのうち前壁部に位置する部分92eは、クーラー97から上側に延びる。供給路92cのうち頂壁部に位置する部分92fは、前壁部に位置する部分92eの上端部と接続される。頂壁部に位置する部分92fは、前壁部に位置する部分92eとの接続部分から下側に延びる。頂壁部に位置する部分92fは、下端部がステータ収容室83に開口する。
【0044】
図1から図3に示すように、供給路92cは、リザーバ10の上側に位置しモータ収容部81に開口する開口部92dを有する。開口部92dは、供給路92cのうちステータ収容室83に開口する部分である。すなわち、供給路92cの一端は開口部92dを通してステータ収容室83に開口し、供給路92cの他端はクーラー97を介してポンプ96と繋がる。開口部92dは、供給路92cのうち頂壁部に位置する部分92fの一部を構成する。開口部92dは、頂壁部に位置する部分92fの下端部に配置される。開口部92dは、モータ収容部81の内部にオイルOを供給する。本実施形態によれば、ポンプ96およびクーラー97により、冷えたオイルOを供給路92cからステータ収容室83に噴出することができる。ステータ30等の冷却効率が向上する。
【0045】
図3に示すように、開口部92dは、上方から見て、リザーバ10と一部が重なる。開口部92dは、リザーバ10と少なくとも一部が対向する。詳しくは、開口部92dは、リザーバ10の後述する第1流路部11と少なくとも一部が対向する。
【0046】
ポンプ96は、電気により駆動する電動ポンプである。図1に示すように、ポンプ96は、クーラー97と接続され、クーラー97にオイルOを送る。詳しくは、ポンプ96は、第1の流路92aを介してオイル溜りPからオイルOを吸い上げて、第2の流路92b、クーラー97、供給路92cおよびリザーバ10を介して、オイルOをステータ30等に供給する。
【0047】
クーラー97は、第2の油路92を通過するオイルOを冷却する。クーラー97は、オイルOを冷却し、第2の流路92bおよび供給路92cと接続される。第2の流路92bと供給路92cとは、クーラー97の内部流路を介して繋がる。クーラー97には、図示しないラジエータで冷却された冷却水を通過させる冷却水用配管97jが接続される。クーラー97の内部を通過するオイルOは、冷却水用配管97jを通過する冷却水との間で熱交換されて冷却される。なお、冷却水用配管97jの経路中には、インバータユニット8が設けられる。冷却水用配管97jを通過する冷却水は、インバータユニット8を冷却する。
【0048】
リザーバ10は、第2の油路92の一部を構成する。リザーバ10は、モータ収容部81の内部に位置する。つまりリザーバ10は、ステータ収容室83に配置される。リザーバ10は、ステータ30の上側に位置し、オイルOを貯留する樋状である。図2に示すように、リザーバ10は、ステータ30によって下側から支持され、モータ2に設けられる。リザーバ10は、樹脂製の部分を有する。
【0049】
なお、以下の説明においては、軸方向においてステータ30の両端部から中心へ向かう方向を「軸方向内側」と呼ぶ場合があり、軸方向においてステータ30の中心から両端部へ向かう方向を「軸方向外側」と呼ぶ場合がある。
【0050】
リザーバ10は、鉛直方向から見て略矩形枠状に延びる樋状であり、内部にオイルOが流通する。本実施形態においてリザーバ10は、供給路92cを介してモータ収容部81内に供給されたオイルOを貯留する。リザーバ10は上側に開口する樋状であるため、リザーバ10の上側において開口部92dからオイルOを流出させることで、リザーバ10にオイルOを供給できる。
【0051】
図2に示すように、リザーバ10は、オイルOが流れる流路9を有する。リザーバ10は、流路9を構成する壁部70と、冷媒受入部76と、複数の冷媒供給口17と、複数の溝部75と、リザーバ第1固定部19Aと、リザーバ第2固定部19Bと、支持リブ16と、を有する。壁部70は、底壁部71と、側壁部72と、を有する。つまりリザーバ10は、底壁部71と、側壁部72と、を有する。
【0052】
冷媒受入部76は、供給路92cからオイルOを受け入れる。冷媒受入部76は、流路9の後述する第1流路部11に配置される。冷媒供給口17は、壁部70の一部である底壁部71を鉛直方向に貫通する。冷媒供給口17は、リザーバ10からステータ30等にオイルOを供給する孔である。なお本実施形態でいうステータ30等には、ステータ30、ベアリング26,27および図示しないサーミスタ等が含まれる。オイルOが供給されることにより、ステータ30が冷却され、ベアリング26,27が潤滑され、サーミスタの機能が良好に維持される。冷媒供給口17は、複数設けられる。複数の冷媒供給口17は、流路9に分散して配置される。
【0053】
図3に示すように、リザーバ10は、上方から見て、所定方向に延びる第1流路部11と、所定方向とは異なる方向に延びる第2流路部12A,12Bと、第1流路部11と第2流路部12A,12Bとを繋ぐ第1コーナ流路部(コーナ流路部)14A,14Bと、所定方向と直交する方向において、第1流路部11と間隔をあけて配置され、所定方向に延びる第3流路部13と、第2流路部12A,12Bと第3流路部13とを繋ぐ第2コーナ流路部15A,15Bと、ベアリング供給部18A,18Bと、を有する。すなわち、流路9は、第1流路部11と、第2流路部12A,12Bと、第1コーナ流路部14A,14Bと、第3流路部13と、第2コーナ流路部15A,15Bと、ベアリング供給部18A,18Bと、を有する。本実施形態において、所定方向は、軸方向に相当する。本実施形態では、リザーバ10を上方から見て、流路9の一部が延びる方向と直交する方向を、「流路の幅方向」と定義する。なお流路9の一部とは、例えば、上述の各流路部11,12A,12B,14A,14B,13,15A,15Bの何れかなどである。
【0054】
底壁部71は、板状であり、一対の板面が鉛直方向を向く。側壁部72は、板状であり、一対の板面が水平方向を向く。側壁部72は、底壁部71から上側に突出する。側壁部72は、一対設けられる。一対の側壁部72は、流路9の幅方向において、互いに間隔をあけて配置される。
【0055】
第1流路部11は、上方から見て、軸方向に直線状に延びる。第1流路部11は、モータ軸J1よりも前側(+X側)に位置する。第1流路部11は、ステータコア32の上側の固定部32bよりも前側に配置される。
【0056】
第1流路部11は、開口部92dの下側に位置する。これにより、第1流路部11は、開口部92dからモータ収容部81内に供給されるオイルOを受ける。本実施形態において開口部92dは、第1流路部11の軸方向両側の端部よりも軸方向内側に離れた位置に配置される。開口部92dは、上方から見て、第1流路部11の左側寄りの部分と重なる。本実施形態では、上方から見て、開口部92dのうち後側(-X側)の端部が、第1流路部11と重なる。
【0057】
底壁部71は、第1流路部11に位置する第1底壁部71aを有する。第1底壁部71aは、上方から見て、軸方向に延びる。第1底壁部71aは、板面が鉛直方向を向く板状である。第1底壁部71aの下側を向く面は、ステータコア本体32aの外周面と隙間をあけて対向する。第1底壁部71aの上側を向く面は、水平方向に拡がる平面状である。
【0058】
側壁部72は、一対の第1側壁部72a,72bを有する。一対の第1側壁部72a,72bは、第1底壁部71aから上側に突出し、上方から見て所定方向と直交する方向に互いに間隔をあけて配置される。第1側壁部72aは、第1底壁部71aの前側部分から上側に突出する。第1側壁部72bは、第1底壁部71aの後側部分から上側に突出する。一対の第1側壁部72a,72bは、軸方向に延びる。一対の第1側壁部72a,72bは、板面が前後方向を向く板状である。
【0059】
第1コーナ流路部14A,14Bは、所定方向に互いに間隔をあけて一対設けられる。一対の第1コーナ流路部14A,14Bは、第1流路部11の所定方向の両端部に接続される。第1コーナ流路部14Aは、第1流路部11の右側(-Y側)に位置し、第1流路部11の右側の端部と接続される。第1コーナ流路部14Bは、第1流路部11の左側(+Y側)に位置し、第1流路部11の左側の端部と接続される。上方から見て、第1コーナ流路部14Aと開口部92dとの間の距離は、第1コーナ流路部14Bと開口部92dとの間の距離よりも大きい。
【0060】
第1コーナ流路部14A,14Bは、上方から見て、湾曲状に延びる。第1コーナ流路部14Aは、第1流路部11の右側(-Y側)の端部から、右側つまり軸方向外側へ向かうに従い後側(-X側)に位置する。第1コーナ流路部14Bは、第1流路部11の左側(+Y側)の端部から、左側つまり軸方向外側へ向かうに従い後側(-X側)に位置する。第1コーナ流路部14A,14Bは、モータ軸J1よりも前側(+X側)に位置する。第1コーナ流路部14A,14Bは、ステータコア32の上側の固定部32bよりも前側に配置される。第1コーナ流路部14A,14Bは、ステータコア32よりも軸方向外側に突出する。
【0061】
第1コーナ流路部14A,14Bの流路の幅方向の寸法は、第1流路部11の流路の幅方向の寸法以上である。本実施形態では、第1コーナ流路部14A,14Bの流路の幅方向の寸法が、第1流路部11の流路の幅方向の寸法よりも大きい。具体的に、第1コーナ流路部14Aのうち、第1流路部11と接続される端部における流路の幅方向の寸法は、第1流路部11の流路の幅方向の寸法と同じである。第1コーナ流路部14Aのうち、第2流路部12Aと接続される端部における流路の幅方向の寸法は、第2流路部12Aの前端部の流路の幅方向の寸法と同じである。第1コーナ流路部14Aのうち、流路が延びる方向の両端部間に位置する中間部分における流路の幅方向の寸法は、第1流路部11の流路の幅方向の寸法よりも大きい。また、第1コーナ流路部14Bのうち、第1流路部11と接続される端部における流路の幅方向の寸法は、第1流路部11の流路の幅方向の寸法と同じである。第1コーナ流路部14Bのうち、第2流路部12Bと接続される端部における流路の幅方向の寸法は、第2流路部12Bの前端部の流路の幅方向の寸法と同じである。第1コーナ流路部14Bのうち、流路が延びる方向の両端部間に位置する中間部分における流路の幅方向の寸法は、第1流路部11の流路の幅方向の寸法よりも大きい。なお第1コーナ流路部14Bは、流路の幅方向の寸法が、流路が延びる方向において第1流路部11との接続部分から第2流路部12Bとの接続部分へ向かうに従い大きくなる。本実施形態によれば、第1流路部11から第1コーナ流路部14A,14Bに流入するオイルOの圧力損失を小さく抑えることができる。流路9の上流側部分から下流側部分へ向けて、すなわち第1流路部11、第1コーナ流路部14A,14Bおよび第2流路部12A,12Bへと、オイルOの流速の低下を抑制しつつオイルOを安定して流すことができる。
【0062】
底壁部71は、第1コーナ流路部14A,14Bに位置し、第1底壁部71aと接続される第1コーナ底壁部71b,71cを有する。第1コーナ底壁部71b,71cは、上方から見て、湾曲状に延びる。第1コーナ底壁部71bは、第1底壁部71aの右側(-Y側)の端部に接続される。第1コーナ底壁部71bは、第1底壁部71aの右側(-Y側)の端部から、右側へ向かうに従い後側(-X側)に位置する。第1コーナ底壁部71cは、第1底壁部71aの左側(+Y側)の端部に接続される。第1コーナ底壁部71cは、第1底壁部71aの左側(+Y側)の端部から、左側へ向かうに従い後側(-X側)に位置する。第1コーナ底壁部71b,71cは、板面が鉛直方向を向く板状である。第1コーナ底壁部71b,71cの上側を向く面は、水平方向に拡がる平面状である。第1コーナ底壁部71bの下側を向く面は、コイルエンド33aの外周面と間隔をあけて対向する。第1コーナ底壁部71cの下側を向く面は、コイルエンド33bの外周面と間隔をあけて対向する。
【0063】
側壁部72は、第1コーナ流路部14Aに位置する一対の第1コーナ側壁部72c,72dを有する。一対の第1コーナ側壁部72c,72dは、第1コーナ底壁部71bから上側に突出し、一対の第1側壁部72a,72bと接続され、互いに間隔をあけて配置される。また側壁部72は、第1コーナ流路部14Bに位置する一対の第1コーナ側壁部72e,72fを有する。一対の第1コーナ側壁部72e,72fは、第1コーナ底壁部71cから上側に突出し、一対の第1側壁部72a,72bと接続され、互いに間隔をあけて配置される。
【0064】
一対の第1コーナ側壁部72c,72dは、第1コーナ流路部14Aの流路の幅方向において、互いに間隔をあけて配置される。第1コーナ側壁部72cは、第1コーナ底壁部71bのコーナ外側部分つまりコーナ外周部分から、上側に突出する。第1コーナ側壁部72cは、第1側壁部72aの右側の端部に接続される。第1コーナ側壁部72dは、第1コーナ底壁部71bのコーナ内側部分つまりコーナ内周部分から、上側に突出する。第1コーナ側壁部72dは、第1側壁部72bの右側の端部に接続される。
【0065】
一対の第1コーナ側壁部72e,72fは、第1コーナ流路部14Bの流路の幅方向において、互いに間隔をあけて配置される。第1コーナ側壁部72eは、第1コーナ底壁部71cのコーナ外側部分つまりコーナ外周部分から、上側に突出する。第1コーナ側壁部72eは、第1側壁部72aの左側の端部に接続される。第1コーナ側壁部72fは、第1コーナ底壁部71cのコーナ内側部分つまりコーナ内周部分から、上側に突出する。第1コーナ側壁部72fは、第1側壁部72bの左側の端部に接続される。
【0066】
第2流路部12A,12Bは、所定方向に互いに間隔をあけて一対設けられる。一対の第2流路部12A,12Bは、一対の第1コーナ流路部14A,14Bと接続される。第2流路部12Aは、一対の第1コーナ流路部14A,14Bのうち、右側(-Y側)に位置する第1コーナ流路部14Aの後側(-X側)の端部と接続される。第2流路部12Bは、一対の第1コーナ流路部14A,14Bのうち、左側(+Y側)に位置する第1コーナ流路部14Bの後側(-X側)の端部と接続される。第2流路部12A,12Bは、上方から見て、軸方向と直交する方向に直線状に延びる。
【0067】
第2流路部12Aは、コイルエンド33aの上側に位置する。第2流路部12Aは、上方から見て、コイルエンド33aと重なる。第2流路部12Aは、ステータコア32の右側(-Y側)に位置する。第2流路部12Bは、コイルエンド33bの上側に位置する。第2流路部12Bは、上方から見て、コイルエンド33bと重なる。第2流路部12Bは、ステータコア32の左側(+Y側)に位置する。本実施形態では、リザーバ10の流路9が、第1流路部11、一対の第1コーナ流路部14A,14Bおよび一対の第2流路部12A,12Bを有する。すなわちリザーバ10は、上面視で少なくともU字状の流路部分を有する。具体的に本実施形態では、リザーバ10が、上面視で四角形枠状の流路形状を有する。リザーバ10の流路9を、ステータコア32および一対のコイルエンド33a,33bの上側に配置しやすくなり、ステータ30等を広範囲に効率よく冷却することができる。
【0068】
底壁部71は、第2流路部12A,12Bに位置し、第1コーナ底壁部71b,71cと接続される第2底壁部71d,71eを有する。第2底壁部71d,71eは、上方から見て、軸方向と直交する方向に直線状に延びる。第2底壁部71dは、第1コーナ底壁部71bの後側の端部に接続される。第2底壁部71eは、第1コーナ底壁部71cの後側の端部に接続される。第2底壁部71d,71eは、板面が鉛直方向を向く板状である。第2底壁部71d,71eの上側を向く面は、平面状の部分と、曲面状の部分と、を有する。第2底壁部71dの下側を向く面は、コイルエンド33aの外周面と間隔をあけて対向する。第2底壁部71eの下側を向く面は、コイルエンド33bの外周面と間隔をあけて対向する。
【0069】
側壁部72は、第2流路部12Aに位置する一対の第2側壁部72g,72hを有する。一対の第2側壁部72g,72hは、第2底壁部71dから上側に突出し、一対の第1コーナ側壁部72c,72dと接続され、互いに間隔をあけて配置される。また側壁部72は、第2流路部12Bに位置する一対の第2側壁部72i,72jを有する。一対の第2側壁部72i,72jは、第2底壁部71eから上側に突出し、一対の第1コーナ側壁部72e,72fと接続され、互いに間隔をあけて配置される。
【0070】
一対の第2側壁部72g,72hは、第2流路部12Aの流路の幅方向において、互いに間隔をあけて配置される。第2側壁部72gは、第2底壁部71dの軸方向外側の部分から、上側に突出する。第2側壁部72gは、第1コーナ側壁部72cの後側(-X側)の端部に接続される。第2側壁部72hは、第2底壁部71dの軸方向内側の部分から、上側に突出する。第2側壁部72hは、第1コーナ側壁部72dの後側(-X側)の端部に接続される。
【0071】
一対の第2側壁部72i,72jは、第2流路部12Bの流路の幅方向において、互いに間隔をあけて配置される。第2側壁部72iは、第2底壁部71eの軸方向外側の部分から、上側に突出する。第2側壁部72iは、第1コーナ側壁部72eの後側(-X側)の端部に接続される。第2側壁部72jは、第2底壁部71eの軸方向内側の部分から、上側に突出する。第2側壁部72jは、第1コーナ側壁部72fの後側(-X側)の端部に接続される。
【0072】
第2コーナ流路部15A,15Bは、所定方向に互いに間隔をあけて一対設けられる。一対の第2コーナ流路部15A,15Bは、一対の第2流路部12A,12Bと接続される。第2コーナ流路部15Aは、一対の第2流路部12A,12Bのうち、右側に位置する第2流路部12Aの後側の端部と接続される。第2コーナ流路部15Bは、一対の第2流路部12A,12Bのうち、左側に位置する第2流路部12Bの後側の端部と接続される。第2コーナ流路部15A,15Bは、上方から見て、湾曲状又は屈曲状である。第2コーナ流路部15Aは、第2流路部12Aの後側(-X側)の端部から、後側へ向かうに従い左側(+Y側)つまり軸方向内側に位置する。第2コーナ流路部15Bは、第2流路部12Bの後側(-X側)の端部から、後側へ向かうに従い右側(-Y側)つまり軸方向内側に位置する。第2コーナ流路部15A,15Bは、モータ軸J1よりも後側に位置する。第2コーナ流路部15A,15Bは、ステータコア32の上側の固定部32bよりも後側に配置される。第2コーナ流路部15A,15Bは、ステータコア32よりも軸方向外側に位置する。
【0073】
底壁部71は、第2コーナ流路部15A,15Bに位置し、第2底壁部71d,71eと接続される第2コーナ底壁部71f,71gを有する。側壁部72は、第2コーナ流路部15A,15Bに位置する一対の第2コーナ側壁部72k,72l,72m,72nを有する。一対の第2コーナ側壁部72k,72l,72m,72nは、第2コーナ底壁部71f,71gから上側に突出し、流路の幅方向に互いに間隔をあけて配置される。
【0074】
第3流路部13は、上方から見て、軸方向に直線状に延びる。第3流路部13は、モータ軸J1よりも後側に位置する。第3流路部13は、ステータコア32の上側の固定部32bよりも後側(-X側)に配置される。第3流路部13の右側(-Y側)の端部は、第2コーナ流路部15Aの左側(+Y側)の端部かつ後側(-X側)の端部と接続される。第3流路部13の左側(+Y側)の端部は、第2コーナ流路部15Bの右側(-Y側)の端部かつ後側(-X側)の端部と接続される。本実施形態では、リザーバ10の流路9が、第1流路部11、第1コーナ流路部14A、第2流路部12A、第2コーナ流路部15Aおよび第3流路部13を有する。また流路9が、第1流路部11、第1コーナ流路部14B、第2流路部12B、第2コーナ流路部15Bおよび第3流路部13を有する。すなわちリザーバ10は、上面視で少なくともU字状の流路部分を有する。具体的に本実施形態では、リザーバ10が、上面視で四角形枠状の流路形状を有する。リザーバ10の流路9からステータ30等へ広範囲にオイルOを供給でき、ステータ30等の冷却効率を高めることができる。
【0075】
底壁部71は、第3流路部13に位置し、第2コーナ底壁部71f,71gと接続される第3底壁部71hを有する。側壁部72は、第3流路部13に位置し、第3底壁部71hから上側に突出し、流路の幅方向に互いに間隔をあけて配置される一対の第3側壁部72o,72pを有する。
【0076】
ベアリング供給部18A,18Bは、第2流路部12A,12Bから軸方向外側に突出する。ベアリング供給部18Aは、第2流路部12Aから右側(-Y側)に突出し、第2流路部12Aと繋がる。ベアリング供給部18Aは、上方から見て、軸方向と直交する方向に延びる。ベアリング供給部18Aは、ベアリング26の上側に位置する。ベアリング供給部18Aは、上方から見て、ベアリング26と重なる。ベアリング供給部18Bは、第2流路部12Bから左側(+Y側)に突出し、第2流路部12Bと繋がる。ベアリング供給部18Bは、上方から見て、軸方向と直交する方向に延びる。ベアリング供給部18Bは、ベアリング27の上側に位置する。ベアリング供給部18Bは、上方から見て、ベアリング27と重なる。
【0077】
底壁部71は、ベアリング供給部18A,18Bに位置する第4底壁部71i,71jを有する。第4底壁部71iは、ベアリング供給部18Aに配置され、第2底壁部71dよりも下側に位置する。第4底壁部71jは、ベアリング供給部18Bに配置され、第2底壁部71eよりも下側に位置する。第2流路部12A,12Bの前端部以外の部分、第2コーナ流路部15A,15B、第3流路部13およびベアリング供給部18A,18Bは、それぞれ上側に開口する樋状である。
【0078】
図5に示すように、本実施形態のリザーバ10は、樋状のベース部材10pとベース部材10pに上側から装着される樋状のアタッチメント部材10qと、を有する。リザーバ10は、ベース部材10pにアタッチメント部材10qを装着された状態で使用される。
【0079】
ベース部材10pは、第1流路相当部11p、一対の第2流路相当部12p、第3流路相当部13p、一対の第1コーナ流路相当部14p、および一対の第2コーナ流路相当部15pを有する。第1流路相当部11pは、第1流路部11に相当する部分である。一対の第2流路相当部12pは、第2流路部12A、12Bに相当する部分である。第3流路相当部13pは、第3流路部13に相当する部分である。一対の第1コーナ流路相当部14pは、第1コーナ流路部14A、14Bに相当する部分である。一対の第2コーナ流路相当部15pは、第2コーナ流路部15A、15Bに相当する部分である。したがって、ベース部材10pは、上側からから見て枠状である。
【0080】
アタッチメント部材10qは、第1流路相当部11q、第2流路相当部12q,12q、および第1コーナ流路相当部14qを有する。第1流路相当部11qは、第1流路部11に相当する部分である。一対の第2流路相当部12qは、第2流路部12A、12Bに相当する部分である。一対の第1コーナ流路相当部14qは、第1コーナ流路部14A、14Bに相当する部分である。したがって、アタッチメント部材10qは、上側から見てU字状である。
【0081】
アタッチメント部材10qの第1流路相当部11qは、ベース部材10pの第1流路相当部11pに嵌る。アタッチメント部材10qの第2流路相当部12qは、ベース部材10pの第2流路相当部12pに嵌る。アタッチメント部材10qの第1コーナ流路相当部14qは、ベース部材10pの第1コーナ流路相当部14pに嵌る。
【0082】
アタッチメント部材10qの第2流路相当部12qの冷媒流動方向の長さ寸法は、ベース部材10pの第2流路相当部12pの冷媒流動方向の長さ寸法より小さい。アタッチメント部材10qの第2流路相当部12qは、ベース部材10pの第2流路相当部12pの上流側の一部のみを覆う。溝部75は、アタッチメント部材10qの第2流路相当部12qに設けられる。
【0083】
本実施形態によれば、アタッチメント部材10qのそれぞれの流路相当部は、ベース部材10pのそれぞれの流路相当部を覆うことで、リザーバ10の流路部を構成する。これにより、アタッチメント部材10qは、リザーバ10の壁部70の一部を構成する。したがって、ベース部材10pに装着するアタッチメント部材10qを変更することで、壁部70の傾斜角度、リブの配置、溝部75の配置などを容易に変更できる。本実施形態によれば、使用環境に合わせてリザーバ10の形状を容易に変更することが可能となる。
【0084】
溝部75は、リザーバ10の底壁部71に設けられる。溝部75は、底壁部71の上面に設けられ、上面に対し下側に向かって窪む。溝部75は、長さ方向に沿って一様な幅、一様な深さで直線状に延びる。
【0085】
溝部75は、流路9の長さ方向に沿って延びる。本実施形態において、溝部75は、第2流路部12A、12Bにそれぞれ設けられる。したがって、第2流路部12Aの第2底壁部71dに配置される溝部75は、第2流路部12Aの長さ方向(すなわちX軸方向)に沿って延びる。同様に、第2流路部12Bの第2底壁部71eに配置される溝部75は、第2流路部12Bの長さ方向(すなわちX軸方向)に沿って延びる。
【0086】
溝部75は、底壁部71の上面に対し下側に窪むため、流路9内のオイルOが集中する。したがって、底壁部71に流路9の長さ方向に沿う溝部75を設けることで、オイルOは、溝部75内を優先的に流れる。リザーバ10内を流れるオイルOは、上流側から下流側に向かう過程で、流路9中に配置される冷媒供給口17から順に吐出されていく。このため、リザーバ10内のオイルOは、下流側に向かうに従い流量が低くなり、リザーバ10の下流側に配置される冷媒供給口17からのオイルOの吐出力が不足する虞がある。
【0087】
本実施形態によれば、溝部75内にオイルOが流れることで、溝部75の下流側に供給されるオイルOの量が確保される。底壁部71に、複数の冷媒供給口17が設けられていても、溝部75の下流でのオイルOの流量を十分に確保できる。結果的に、溝部75の下流に配置される冷媒供給口17からのオイルOの吐出量が不足することを抑制できる。
【0088】
なお、本実施形態では、溝部75が第2流路部12A、12Bに設けられる場合について説明する。しかしながら、溝部75は、第1流路部11、第2流路部12A、12Bおよび第1コーナ流路部14A、14Bの何れかに配置されていればよい。この場合においても、溝部75は、配置される流路部(第1流路部11、第2流路部12A、12Bおよび第1コーナ流路部14A、14B)の長さ方向に沿って延びる。
【0089】
図3に示すように、リザーバ10を上方から見て、第2流路部12A、12Bが延びる方向(すなわち、冷媒流動方向)と直交する方向を第2流路部12A、12Bの幅方向とする。本実施形態において、第2流路部12A、12Bの幅方向は、Y軸方向(車両の左右方向)である。また、第2流路部12A、12Bの幅方向内側領域は、第1コーナ流路部14A、14のコーナ内側の領域に連なる領域である。第2流路部12A、12Bの幅方向外側領域は、第1コーナ流路部14A、14のコーナ外側の領域に連なる領域である。すなわち、リザーバ10を上方から見て、第2流路部12A、12Bに対して第1流路部11が延びる方向を第2流路部12A、12Bの幅方向内側とし、その反対側を幅方向外側とする。本実施形態において、第2流路部12Aの幅方向内側は、第2流路部12Aの左側(+Y側)の領域である。一方で、第2流路部12Bの幅方向内側は、第2流路部12Bの右側(-Y側)の領域である。
【0090】
本実施形態において、溝部75は、第2流路部12A、12Bにおいて幅方向の中央より幅方向内側に配置される。オイルOは、第1流路部11から第1コーナ流路部14A、14Bを介し第2流路部12A、12Bに流入する。このため、オイルOは、第2流路部12A、12Bにおいて幅方向外側領域に集中し易く、第2流路部12A、12Bの幅方向内側領域に配置される冷媒供給口17にオイルOが流入し難い。
【0091】
本実施形態によれば、第2流路部12A、12Bの幅方向内側領域に溝部75を配置することで、第2流路部12A、12Bの幅方向内側領域に流れるオイルOの流量を一定以上確保できる。これにより、溝部75は、第2流路部12A、12Bの幅方向内側領域、かつ溝部75の下流側に配置される冷媒供給口17に、オイルOを安定的に供給できる。結果的に、モータ2の、第2流路部12A、12Bの幅方向内側領域の直下に配置される部位にオイルOを供給でき、当該部位の温度が過剰に高まることを抑制し、モータ2の信頼性を高めることができる。
【0092】
本実施形態では、第2流路部12A、12Bの幅方向外側にはベアリング供給部18A、18Bが配置される。第1コーナ流路部14A、14Bから第2流路部12A、12Bに流入するオイルOは、ベアリング供給部18A、18Bに流入しやすく、第2流路部12A、12Bの下流側に流れにくい。本実施形態によれば、第2流路部12A、12Bに溝部75が設けられることで、第2流路部12A、12Bの下流側にオイルOを安定的に供給できる。これにより、第2流路部12A、12Bの下流側の領域に配置される冷媒供給口17のみならず、第2コーナ流路部15A、15B、および第3流路部13に配置される冷媒供給口17にもオイルOを十分に供給できる。結果的に、モータ2の、第2コーナ流路部15A、15B、および第3流路部13の直下に配置される部位にオイルOを供給でき、当該部位の温度が過剰に高まることを抑制し、モータ2の信頼性を高めることができる。
【0093】
なお、このような効果は、溝部75のうち少なくとも一部が、第2流路部12A、12Bに配置されていれば期待できる効果である。例えば、溝部75は、第2流路部12A、12Bと第1コーナ流路部14A、14Bとの間に跨って設けられていてもよい。
【0094】
本実施形態において、溝部75は、第2流路部12A、12Bに設けられ、第2流路部12A、12Bにおいて、第2流路部12A、12Bが延びる方向と平行に延びる。これにより、溝部75は、第2流路部12A、12Bの下流側にオイルOを円滑に導くことができる。
【0095】
図6は、図3のVI-VI線に沿う断面図である。なお、ここでは、図6を基に第2流路部12Bの構成についてのみ説明するが、第2流路部12Aについても、第2流路部12Bと同様の構成を有する。
【0096】
リザーバ10は、ベース部材10pの上側にアタッチメント部材10qを搭載することで構成される。アタッチメント部材10qは、第2流路部12Bの上流側の部分のみに配置される。このため、リザーバ10の第2流路部12Bは、上流側において、アタッチメント部材10qによって構成され、下流側において、ベース部材10pによって構成される。
【0097】
アタッチメント部材10qの下流側の端部は、スロープ状に傾斜する。したがって、第2流路部12Bにおいて、アタッチメント部材10qとベース部材10pとの境界部に段差が生じることを抑制し、第2流路部12BにおいてオイルOを円滑に導くことができる。
【0098】
ここで、アタッチメント部材10qが搭載される第2流路部12Bの上流側の領域を第1領域A1とし、アタッチメント部材10qが搭載されておらずベース部材10pが露出する第2流路部12Bの下流側の領域を第2領域A2とする。すなわち、第2流路部12Bは、第1領域A1と第2領域A2とを有する。第1領域A1および第2領域A2は、ともに下流側に向かって傾斜する。また、第2領域A2は、第1領域A1より下流側に位置し第1領域A1より急勾配で下流側に向かって傾斜する。
【0099】
本実施形態によれば、溝部75は、第2流路部12Bの第1領域A1に設けられる。すなわち、リザーバ10は、第2流路部12Bの勾配が緩やかな領域に設けられる。このため、第2領域A2におけるオイルOの流速は、緩やかであるため、溝部75にオイルOを十分に導くことができる。
【0100】
図6に示すように、溝部75の下流側の端部は、下流側に開口している。このため、溝部75内を流れるオイルOは、流速を低下させることなく下流側の端部から円滑に流出する。これにより、溝部75は、その下流側に配置される冷媒供給口17にオイルOをより円滑に導くことができる。
【0101】
図3に示すように、複数の冷媒供給口17は、第1冷媒供給口17aと、第2冷媒供給口17bと、第3冷媒供給口17cと、第4冷媒供給口17dと、第5冷媒供給口17eと、第6冷媒供給口17fと、第7冷媒供給口17gと、を有する。
【0102】
第1冷媒供給口17aは、第1流路部11に位置する。第1冷媒供給口17aは、第1底壁部71aに複数設けられる。複数の第1冷媒供給口17aは、第1流路部11が延びる方向つまり軸方向において、互いに間隔をあけて配置される。第1冷媒供給口17aは、円孔状である。第1冷媒供給口17aは、ステータコア32の直上に位置する。第1流路部11を流れるオイルOの一部は、第1冷媒供給口17aを通って底壁部71の下側へ流出し、ステータコア32に上側から供給される。すなわち、第1冷媒供給口17aは、ステータコア32に上側からオイルOを供給する。
なお、本明細書において、「直上に位置する」とは、上側、かつ上下方向から見て重なって配置されることを意味する。また、「直下に位置する」とは、下側、かつ、かつ上下方向から見て重なって配置されることを意味する。
【0103】
第2冷媒供給口17bは、第1コーナ流路部14A,14Bと第2流路部12A,12Bとの境界部に位置する。第2冷媒供給口17bは、第1コーナ底壁部71b,71cと第2底壁部71d,71eとの境界部に配置される。第2冷媒供給口17bは、溝部75の上流側に配置される。第2冷媒供給口17bは、複数(本実施形態では2つ)設けられる。複数の第2冷媒供給口17bは、第2流路部12A,12Bの幅方向に並ぶ。
【0104】
第2冷媒供給口17bは、円孔状である。第2冷媒供給口17bは、第1冷媒供給口17aよりも開口面積が大きい。第2冷媒供給口17bは、コイルエンド33a,33bの直上に位置する。第1コーナ流路部14A,14Bおよび第2流路部12A,12Bを流れるオイルOの一部は、第2冷媒供給口17bを通って底壁部71の下側へ流出し、コイルエンド33a,33bに上側から供給される。すなわち、第2冷媒供給口17bは、コイルエンド33a,33bに上側からオイルOを供給する。
【0105】
第3冷媒供給口17cは、第2流路部12A,12Bに位置する。第3冷媒供給口17cは、第2流路部12A,12Bが延びる方向、すなわち上方から見て軸方向と直交する方向において、第2冷媒供給口17bと第4冷媒供給口17dとの間に配置される。第3冷媒供給口17cは、第2底壁部71d,71eに配置される。第3冷媒供給口17cは、第2底壁部71dに1つ配置され、第2底壁部71eに1つ配置される。第3冷媒供給口17cは、円孔状である。第3冷媒供給口17cの開口面積は、第2冷媒供給口17bの開口面積と略等しい。
【0106】
第3冷媒供給口17cは、第2流路部12A、12Bの幅方向中央に配置される。第3冷媒供給口17cは、溝部75に対して第2流路部12A、12Bの幅方向外側に位置する。第3冷媒供給口17cは、コイルエンド33a,33bおよび図示しないサーミスタの直上に位置する。第2流路部12A,12Bを流れるオイルOの一部は、第3冷媒供給口17cを通って底壁部71の下側へ流出し、コイルエンド33a,33bおよびサーミスタに上側から供給される。すなわち、第3冷媒供給口17cは、コイルエンド33a,33bおよびサーミスタに上側からオイルOを供給する。
【0107】
第4冷媒供給口17dは、第2流路部12A,12Bに位置する。第4冷媒供給口17dは、複数設けられる。第4冷媒供給口17dは、第2底壁部71d,71eに配置される。第4冷媒供給口17dは、第3冷媒供給口17cに対し第2流路部12A、12Bの下流側に配置される。第2冷媒供給口17bは、複数(本実施形態では2つ)設けられる。複数の第2冷媒供給口17bは、第2流路部12A,12Bの幅方向に並ぶ。
【0108】
第4冷媒供給口17dは、円孔状である。第4冷媒供給口17dの開口面積は、第2冷媒供給口17bおよび第3冷媒供給口17cの開口面積と略等しい。第4冷媒供給口17dは、コイルエンド33a,33bの直上に位置する。第1コーナ流路部14A,14Bおよび第2流路部12A,12Bを流れるオイルOの一部は、第4冷媒供給口17dを通って底壁部71の下側へ流出し、コイルエンド33a,33bに上側から供給される。すなわち、第4冷媒供給口17dは、コイルエンド33a,33bに上側からオイルOを供給する。
【0109】
第4冷媒供給口17dは、溝部75の下流側に配置される。複数の第4冷媒供給口17dのうち、最も第2流路部12A、12Bの幅方向内側に配置される1つは、溝部75の延長線上に配置される。第2流路部12A、12Bに達するオイルOは、第1コーナ流路部14A、14Bで流動方向が曲がることで、第2流路部12A、12Bの幅方向外側領域において流量が高まりやすい。このため、第2流路部12A、12Bの幅方向に並ぶ複数の第4冷媒供給口17dのうち、幅方向外側に配置される第4冷媒供給口17dからと吐出されるオイルOが、幅方向内側に配置される第4冷媒供給口17dから吐出されるオイルOより多くなりやすい。本実施形態によれば、溝部75内を通過するオイルOが幅方向内側に配置される第4冷媒供給口17dに導かれるため、幅方向内側の第4冷媒供給口17dからも十分な量のオイルOを吐出することができる。
【0110】
第5冷媒供給口17eは、第2流路部12A、12Bと第2コーナ流路部15A,15Bとの境界部に位置する。第5冷媒供給口17eは、第2底壁部71d,71eと第2コーナ底壁部71f,71gとの境界部に配置される。第5冷媒供給口17eは、第2底壁部71dと第2コーナ底壁部71fとの境界部に1つ配置され、第2底壁部71eと第2コーナ底壁部71gとの境界部に1つ配置される。
【0111】
第5冷媒供給口17eは、円孔状である。第5冷媒供給口17eは、コイルエンド33a,33bの直上に位置する。第2コーナ流路部15A,15Bを流れるオイルOの一部は、第5冷媒供給口17eを通って底壁部71の下側へ流出し、コイルエンド33a,33bに上側から供給される。すなわち、第5冷媒供給口17eは、コイルエンド33a,33bに上側からオイルOを供給する。
【0112】
本実施形態において、第5冷媒供給口17eは、第2流路部12A、12Bの下流側の端部に設けられる。また、複数の冷媒供給口17のうち、第5冷媒供給口17eの開口面積は、他の冷媒供給口17b、17c、17d、17f、17gの開口面積より大きい。第5冷媒供給口17eは、第2流路部12A、12Bの下流側の端部に配置されるために、オイルOの吐出量が不足し易い。本実施形態によれば、第5冷媒供給口17eを他の冷媒供給口17よりも大きくすることで、第5冷媒供給口17eからモータ2に吐出される供給されるオイルOの吐出量を十分に確保できる。
【0113】
第6冷媒供給口17fは、第3流路部13に位置する。第6冷媒供給口17fは、第3底壁部71hに配置される。第6冷媒供給口17fは、複数設けられる。複数の第6冷媒供給口17fは、第3流路部13が延びる方向つまり軸方向において、互いに間隔をあけて配置される。第6冷媒供給口17fは、円孔状である。第6冷媒供給口17fは、ステータコア32の直上に位置する。第3流路部13を流れるオイルOの一部は、第6冷媒供給口17fを通って底壁部71の下側へ流出し、ステータコア32に上側から供給される。すなわち、第6冷媒供給口17fは、ステータコア32に上側からオイルOを供給する。
【0114】
第7冷媒供給口17gは、ベアリング供給部18A,18Bに位置する。第7冷媒供給口17gは、第4底壁部71i,71jに配置される。第7冷媒供給口17gは、第4底壁部71iに1つ配置され、第4底壁部71jに1つ配置される。第7冷媒供給口17gは、角孔状である。第7冷媒供給口17gは、ベアリング26,27の直上に位置する。
第7冷媒供給口17gは、上方から見て、モータ軸J1と重なる。ベアリング供給部18A,18Bを流れるオイルOの一部は、第7冷媒供給口17gを通って底壁部71の下側へ流出し、ベアリング26,27に上側から供給される。すなわち、第7冷媒供給口17gは、ベアリング26,27に上側からオイルOを供給する。
【0115】
図2に示すように、リザーバ第1固定部19Aは、第3流路部13に配置される。リザーバ第1固定部19Aは、第3流路部13から上側に突出する。本実施形態では、第3流路部13が、第3流路部13のうち軸方向の両端部間に位置する中間部分において、リザーバ第1固定部19Aにより堰き止められる。すなわち第3流路部13は、リザーバ第1固定部19Aの軸方向一方側に位置する流路部分と、リザーバ第1固定部19Aの軸方向他方側に位置する流路部分と、を有する。
【0116】
リザーバ第1固定部19Aは、リザーバ第1固定部19Aを軸方向に貫通する取付孔19aを有する。図示は省略するが、取付孔19aには、モータ収容部81に締め込まれるネジが通される。取付孔19aに通されるネジによって、リザーバ第1固定部19Aは、ハウジング6に固定される。なお取付孔19aには、軸方向に延びる円筒状の金属部材が埋め込まれてもよい。この場合、リザーバ第1固定部19Aを固定するネジは、金属部材に通される。
【0117】
リザーバ第2固定部19Bは、第2流路部12Aに配置される。リザーバ第2固定部19Bは、第2流路部12Aから上側に突出する。具体的に、リザーバ第2固定部19Bは、一対の側壁部72のうち第2流路部12Aの軸方向内側に位置する側壁部72の部分から、上側に突出する。リザーバ第2固定部19Bは、板面が軸方向を向く板状である。
【0118】
リザーバ第2固定部19Bは、凹部19bを有する。凹部19bは、リザーバ第2固定部19Bの上端から下側に窪む凹状である。凹部19bは、リザーバ第2固定部19Bを軸方向に貫通する。凹部19bの内縁部は、凹部19bの中心軸回りに延びる円弧状である。凹部19bは、軸方向から見て、ステータコア本体32aの上側の固定部32bの貫通孔32cと重なる。凹部19bおよび貫通孔32cには、ステータコア32をモータ収容部81に固定するネジが右側から通される。凹部19bおよび貫通孔32cに通されるネジによって、ステータコア32およびリザーバ第2固定部19Bは、ハウジング6に固定される。
【0119】
図4に示すように、支持リブ16は、第1底壁部71aから下側に突出する。支持リブ16は、軸方向に互いに間隔をあけて複数設けられる。支持リブ16の下側を向く端面は、ステータコア本体32aの外周面に上側から接触する。リザーバ10は、支持リブ16を介して、ステータコア32により下側から支持される。
【0120】
前述の実施形態では、第1流路部11が延びる所定方向が、モータ軸J1の軸方向に相当する例を挙げたが、これに限らない。所定方向は、上方から見て、軸方向と直交する方向でもよく、軸方向に対して傾斜する方向でもよい。リザーバ10は、第3流路部13および第2コーナ流路部15A,15Bを備えなくてもよい。
【0121】
<変形例>
以下、本実施形態のモータ2に採用可能な変形例のリザーバについて説明する。各変形例は、上述の実施形態と比較して、主に、溝部および冷媒供給口の構成が異なる。
なお、上述の実施形態と同一態様の構成要素については、同一符号を付し、その説明を省略する。また、各変形例では、第2流路部12Bの構成についてのみ説明するが、第2流路部12Aについても、第2流路部12Bと同様の構成を有する。
【0122】
(変形例1)
図7は、変形例1のリザーバ110の一部を示す。
本変形例のリザーバ110には、第1溝部175A、第2溝部175B、第3溝部175C、および第4溝部175Dが設けられる。
【0123】
第1溝部175A、および第2溝部175Bは、第2流路部12Bに設けられる。第1溝部175A、および第2溝部175Bは、第2流路部12Bの長さ方向に沿って延びる。第1溝部175A、および第2溝部175Bは、互いに平行に延びる。すなわち、複数の溝部(第1溝部175A、および第2溝部175B)は、互いに平行に延びる。本変形例によれば、複数の溝部(第1溝部175A、および第2溝部175B)を第2流路部12Bの長さ方向に沿って平行に配置することで、より多くのオイルOを下流側に安定的に導くことができる。
【0124】
第3溝部175Cは、第1流路部11と第1コーナ流路部14Bとの境界部に設けられる。第3溝部175Cは、第1コーナ流路部14Bにおいて、コーナ形状に沿って湾曲する。第3溝部175Cの下流側の端部は、第1コーナ流路部14Bのコーナ内側の領域に配置される。第3溝部175Cを通過したオイルOは、第2流路部12Bの幅方向内側領域に導かれる。第3溝部175Cは、第2流路部12Bの幅方向内側の領域に配置した冷媒供給口17にオイルOを十分に導くことができる。
【0125】
第4溝部175Dは、第2流路部12Bと第2コーナ流路部15Bとの境界部に設けられる。第4溝部175Dは、第2コーナ流路部15Bにおいて、コーナ形状に沿って湾曲する。第4溝部175Dは、オイルOを第3流路部13に導く。これにより、第3流路部13に設けられる冷媒供給口17からオイルOを十分に吐出することができる。
【0126】
(変形例2)
図8は、変形例2のリザーバ210の一部を示す。
本変形例のリザーバ210には、第1溝部275A、および第2溝部275Bが設けられる。
【0127】
第1溝部275A、および第2溝部275Bは、第2流路部12Bに配置される。第1溝部275A、および第2溝部275Bは、第2流路部12Bの長さ方向に沿って延びるが、長さ方向に対して若干傾斜する。第1溝部275A、および第2溝部275Bは、第2流路部12Bの上流側から下流側に向かうに従い幅方向内側に傾斜する。第1溝部275A、および第2溝部275Bは、互いに平行に延びる。本変形例によれば、複数の溝部(第1溝部275A、および第2溝部275B)を第2流路部12Bの長さ方向に沿って平行に配置することで、より多くのオイルOを下流側に安定的に導くことができる。また、本変形例によれば、第1溝部275A、および第2溝部275Bが下流側に向かって幅方向内側に傾斜するため、広い領域を流れるオイルOを第1溝部275A、および第2溝部275Bに導くことができる。また、オイルOを第2流路部12Bの幅方向外側領域から幅方向内側領域に円滑に導くことができる。
【0128】
(変形例3)
図9は、変形例3のリザーバ310の一部を示す。
本変形例のリザーバ310には、第1溝部375A、および第2溝部375Bが設けられる。また、本変形例のリザーバ310の底壁部71には、複数の冷媒供給口317が向けられる。
【0129】
第1溝部375A、および第2溝部375Bは、第2流路部12Bに配置される。第1溝部375A、および第2溝部375Bは、第2流路部12Bの長さ方向に沿って延びるが、第2溝部375Bは長さ方向に対して若干傾斜する。第2溝部375Bは、第2流路部12Bの上流側から下流側に向かうに従い幅方向内側に傾斜する。一方で、第1溝部375Aは、第2流路部12Bの長さ方向と平行に延びる。
【0130】
本変形例によれば、第2溝部375Bが下流側に向かって幅方向内側に傾斜するため、広い領域を流れるオイルOを第2溝部375Bに導くことができる。また、第1溝部375A、および第2溝部375Bは、第2流路部12Bの下流側に向かうに従い互いに近づく。本変形例によれば、第1溝部375Aおよび第2溝部375Bの下流側の端部の開口を近接して配置でき、第1溝部375Aおよび第2溝部375Bを流れるオイルOをその下流側で集中させることができる。これにより、特定の冷媒供給口317にオイルOを集中して吐出させることができる。
【0131】
複数の冷媒供給口317は、2つの第2冷媒供給口317bと、1つの第3冷媒供給口317cと、2つの第4冷媒供給口317dと、1つの第5冷媒供給口(下流側冷媒供給口)317eと、を有する。
【0132】
第2冷媒供給口317bは、第1コーナ流路部14Bと第2流路部12Bとの境界部に位置する。2つの第2冷媒供給口317bは、第2流路部12Bの幅方向に並んで配置される。
【0133】
第3冷媒供給口317cは、第2流路部12Bに位置する。第3冷媒供給口317cは、第2流路部12Bの幅方向において、第1溝部375Aと第2溝部375Bとの間に配置される。
【0134】
第4冷媒供給口317dは、第2流路部12Bに位置する。2つの第4冷媒供給口317dは、第2流路部12Bの幅方向に並んで配置される。第4冷媒供給口317dは、第3冷媒供給口317cより下流側に配置される。また、第4冷媒供給口317dは、第1溝部375Aおよび第2溝部375Bの下流側に配置される。第4冷媒供給口317dは、第1溝部375Aおよび第2溝部375Bの延長線に重ならないように配置される。
【0135】
第5冷媒供給口317eは、第2流路部12Bと第2コーナ流路部15Bとの境界部に位置する。すなわち、第2流路部12Bの下流側の端部の底壁部71には、冷媒供給口317の1つである第5冷媒供給口317eが設けられる。第5冷媒供給口317eは、第1溝部375A、および第2溝部375Bの下流側の延長線上に配置される。このため、第1溝部375A、および第2溝部375B内を流れるオイルOを、第5冷媒供給口317eに円滑に誘導することができる。
【0136】
以上に、本発明の実施形態およびその変形例を説明したが、実施形態および変形例における各構成およびそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換およびその他の変更が可能である。また、本発明は実施形態によって限定されることはない。
【0137】
例えば、上述の実施形態では、リザーバが複数の冷媒供給口を有する場合について説明した。しかしながら、リザーバは、少なくとも一つの冷媒供給口を有していればよい。同様に、上述の実施形態では、リザーバ10に複数の溝部が設けられる場合について説明したが、リザーバ10に設けられる溝部は1つであってもよい。
【0138】
また、上述の実施形態では、冷媒がオイルOである例を挙げたが、これに限らず、オイルO以外の冷媒であってもよい。
【符号の説明】
【0139】
2…モータ、6…ハウジング、9…流路、10,110,210,310…リザーバ、10p…ベース部材、10q…アタッチメント部材、11…第1流路部、12A,12B…第2流路部、14A,14B…第1コーナ流路部(コーナ流路部)、17,317…冷媒供給口、20…ロータ、30…ステータ、70…壁部、71…底壁部、75…溝部、81…モータ収容部、92c…供給路、92d…開口部、317e…第5冷媒供給口(下流側冷媒供給口)、A1…第1領域、A2…第2領域、J1…モータ軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9