(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022170505
(43)【公開日】2022-11-10
(54)【発明の名称】情報処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/04847 20220101AFI20221102BHJP
G06F 3/04886 20220101ALI20221102BHJP
【FI】
G06F3/0484 170
G06F3/0488 160
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021076669
(22)【出願日】2021-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】000001487
【氏名又は名称】フォルシアクラリオン・エレクトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】弁理士法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松下 祐樹
【テーマコード(参考)】
5E555
【Fターム(参考)】
5E555AA02
5E555AA25
5E555AA76
5E555BA05
5E555BA23
5E555BB05
5E555BB23
5E555BC13
5E555CA13
5E555CB13
5E555CB55
5E555CC01
5E555CC03
5E555DA01
5E555DB14
5E555DC13
5E555DC24
5E555DD11
5E555EA07
5E555EA09
5E555EA11
5E555EA14
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】タッチパネルを利用した操作の操作性を向上させ、ユーザーの利便性を向上させた情報処理装置を提供する。
【解決手段】情報処理装置50は、タッチパネル40から入力される座標情報に基づいて複数のタッチ位置が検出された場合に第1タッチ操作を検出したと判定し、第1タッチ操作として検出した複数のタッチ位置を結ぶ仮想線分の長さ、又は仮想線分の基準方向に対する回転角度を算出し、第2画面が表示されたタッチパネル40において、タッチパネル40から座標情報が入力されると、入力された座標情報に基づいて仮想線分の長さ又は回転角度に変化があるか否かを判定し、仮想線分の長さ又は回転角度に変化があると判定した場合に、第2タッチ操作を検出したと判定する操作検出部61と、仮想線分の長さの変化、又は仮想線分の回転方向に対応づけられた処理の実行を指示する実行指示部65とを備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチパネルから入力されるタッチ位置を示す座標情報に基づいて、前記タッチパネルに対する第1タッチ操作と、前記第1タッチ操作とは異なる第2タッチ操作とを検出する操作検出部と、
前記タッチパネルに第1画面を表示させ、前記操作検出部により前記第1タッチ操作が検出されると、前記タッチパネルの表示を前記第1画面から第2画面に変更する表示制御部と、
前記第2画面が表示された前記タッチパネルにおいて、前記操作検出部により前記第2タッチ操作が検出されると、検出された前記第2タッチ操作に対応づけられた処理の実行を指示する実行指示部と、を備え、
前記操作検出部は、前記座標情報に基づいて複数のタッチ位置が検出された場合に、前記第1タッチ操作を検出したと判定し、
前記第1タッチ操作として検出した前記複数のタッチ位置を結ぶ仮想線分の長さ、又は前記仮想線分の基準方向に対する回転角度を算出し、
前記第2画面が表示された前記タッチパネルにおいて、前記タッチパネルから前記座標情報が入力されると、入力された前記座標情報に基づいて前記仮想線分の長さ又は回転角度に変化があるか否かを判定し、前記仮想線分の長さ又は回転角度に変化があると判定した場合に、前記第2タッチ操作を検出したと判定し、
前記実行指示部は、前記仮想線分の長さの変化、又は前記仮想線分の回転方向に対応づけられた処理の実行を指示する、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記表示制御部は、前記第1タッチ操作として検出した前記複数のタッチ位置に基づき、操作対象の機器の設定を変更可能な範囲を示す範囲図形と、前記範囲図形の位置を示す指針と、を表示させ、
前記タッチパネルから入力される前記座標情報に基づいて前記仮想線分の前記回転角度の変化量を検出し、前記指針が示す前記範囲図形の位置を、検出した前記変化量に対応させて変更する、ことを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記表示制御部は、前記第1タッチ操作として検出した2点のタッチ位置を直径とする円形図形を表示させ、
前記タッチパネルから入力される前記座標情報に基づいて前記仮想線分の長さの変化を検出し、前記円形図形の直径を、検出した前記長さの変化に対応させて変化させる、ことを特徴とする請求項1又は2記載の情報処理装置。
【請求項4】
コンピューターに、
タッチパネルから入力されるタッチ位置を示す座標情報に基づいて、前記タッチパネルに対する第1タッチ操作と、前記第1タッチ操作とは異なる第2タッチ操作とを検出する検出手順と、
前記タッチパネルに第1画面を表示させ、前記検出手順により前記第1タッチ操作が検出されると、前記タッチパネルの表示を前記第1画面から第2画面に変更する表示手順と、
前記第2画面が表示された前記タッチパネルにおいて、前記検出手順により前記第2タッチ操作が検出されると、検出された前記第2タッチ操作に対応づけられた処理の実行を指示する指示手順と、を実行させ、
前記検出手順は、前記座標情報に基づいて複数のタッチ位置が検出された場合に、前記第1タッチ操作を検出したと判定し、
前記第1タッチ操作として検出した前記複数のタッチ位置を結ぶ仮想線分の長さ、又は前記仮想線分の基準方向に対する回転角度を算出し、
前記第2画面が表示された前記タッチパネルにおいて、前記タッチパネルから前記座標情報が入力されると、入力された前記座標情報に基づいて前記仮想線分の長さ又は回転角度に変化があるか否かを判定し、前記仮想線分の長さ又は回転角度に変化があると判定した場合に、前記第2タッチ操作を検出したと判定し、
前記指示手順は、前記仮想線分の長さの変化、又は前記仮想線分の回転方向に対応づけられた処理の実行を指示する、
ことを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザーの入力を受け付ける受付部としてタッチパネルを備える情報処理装置が知られている。
例えば、特許文献1は、入力面への接触操作による入力機能を有するタッチパネルと、タッチパネルの入力面に重ねて配置される入力操作に関する可視情報を表示可能な表示部と、タッチパネルの入力信号に基づいて入力信号に対する処理を指示する入力制御部とを備える携帯電子機器の入力装置を開示する。この入力装置は、表示部が入力操作に関する可視情報として、操作ボタンを表示させることで、タッチパネル上の操作ボタンの可視情報を見ながら、タッチパネルを操作することができるとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、タッチパネルの操作により複数のコマンドを入力するためには、ユーザーは、タッチパネルの操作と、この操作により入力されるコマンドとを対応づけて覚えておく必要があり、利便性の観点で改善の余地がある。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、タッチパネルを利用した操作の操作性を向上させ、ユーザーの利便性を向上させた情報処理装置及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の情報処理装置は、タッチパネルから入力されるタッチ位置を示す座標情報に基づいて、前記タッチパネルに対する第1タッチ操作と、前記第1タッチ操作とは異なる第2タッチ操作とを検出する操作検出部と、前記タッチパネルに第1画面を表示させ、前記操作検出部により前記第1タッチ操作が検出されると、前記タッチパネルの表示を前記第1画面から第2画面に変更する表示制御部と、前記第2画面が表示された前記タッチパネルにおいて、前記操作検出部により前記第2タッチ操作が検出されると、検出された前記第2タッチ操作に対応づけられた処理の実行を指示する実行指示部と、を備え、前記操作検出部は、前記座標情報に基づいて複数のタッチ位置が検出された場合に、前記第1タッチ操作を検出したと判定し、前記第1タッチ操作として検出した前記複数のタッチ位置を結ぶ仮想線分の長さ、又は前記仮想線分の基準方向に対する回転角度を算出し、前記第2画面が表示された前記タッチパネルにおいて、前記タッチパネルから前記座標情報が入力されると、入力された前記座標情報に基づいて前記仮想線分の長さ又は回転角度に変化があるか否かを判定し、前記仮想線分の長さ又は回転角度に変化があると判定した場合に、前記第2タッチ操作を検出したと判定し、前記実行指示部は、前記仮想線分の長さの変化、又は前記仮想線分の回転方向に対応づけられた処理の実行を指示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、タッチパネルを利用した操作の操作性を向上させ、ユーザーの利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】情報処理装置の構成を示すブロック図である。
【
図3】タッチ操作による第1メニュー画面の操作方法を示す図である。
【
図5】乗員が二本指をタッチパネルに接触させた状態を示す図である。
【
図6】円形図形と指針との位置関係を示す図である。
【
図11】二本指を、タッチパネルの水平横方向に平行ではなく、斜めにタッチさせた場合を示す図である。
【
図12】情報処理装置の動作を示すフローチャートである。
【
図13】第2メニュー画面の他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照しながら実施形態について説明する。
図1は、本実施形態のシステム構成の一例を示す図である。
図1に示すシステム1は、複数の電装品80を搭載した車両に搭載されるシステムであって、車両に搭乗した乗員の操作を受け付けて、受け付けた操作に対応した電装品の設定を、受け付けた操作に対応して変更する。電装品80は、操作対象の機器に相当する。本実施形態では、車両が、ステアリングホイールを車両の右側に設けた車両である場合を例にして説明する。
【0010】
システム1には、カメラ10と、操作部20と、音声出力部30と、タッチパネル40と、情報処理装置50とが含まれる。
情報処理装置50は、入出力インターフェイス51を備え、車両に搭載された電装品80に、入出力インターフェイス51を介して接続される。
図1には、電装品80として、電装品80A、電装品80B及び電装品80Cを示すが、車両に搭載され、情報処理装置50の操作対象となる電装品の数は、電装品80A、電装品80B及び電装品80Cの3台に限定されない。以下、インターフェイスをI/Fと略記する。以下、電装品80A、電装品80B及び電装品80Cを総称する場合、電装品80と表記する。
情報処理装置50と電装品80とは、CAN(Controller Area Network)やイーサネット(登録商標)等の通信規格に対応したケーブルにより接続され、入出力インターフェイス51は、CANやイーサネット等の規格に対応したコネクターや、処理回路を備える。
【0011】
カメラ10は、車両の車室内に搭載され、車両に搭乗した乗員を撮影する。例えば、カメラ10は、フロントガラスやAピラーの左右いずれか一方の端部に設置され、運転席に着座した運転者と、助手席に着座した乗員とを撮像する。カメラ10は、CCD(Charge-Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal-Oxide-Semiconductor)等のイメージセンサと、イメージセンサの受光状態から撮影画像を生成するデータ処理回路とを備える。カメラ10は、撮影により生成した撮影画像を情報処理装置50に出力する。
【0012】
操作部20は、乗員の操作を受け付ける受付部として機能する。操作部20は、例えば、ハードウェアのボタンやスイッチを備える。
【0013】
音声出力部30は、DAC(Digital Analog Converter)やアンプ、スピーカーを備え、報知動作を実行する報知部として機能する。DACやアンプ、スピーカーの図示は省略する。
音声出力部30は、情報処理装置50から入力されるデジタルの音声信号をアナログ信号に変換し、変換したアナログ信号をアンプにより増幅してスピーカーから出力する。
【0014】
タッチパネル40は、液晶パネルや有機EL(electro-luminescence)等の表示パネル41と、タッチセンサー43とを備える。
タッチセンサー43は、乗員のタッチパネル40に対するタッチ操作を検出する。
タッチセンサー43は、乗員の指が表示パネル41に接触したタッチ位置を検出し、タッチ位置を示す座標情報を情報処理装置50に出力する。表示パネル41には予め座標系が設定され、タッチセンサー43は、乗員の指が接触した表示パネル41の位置を示す座標情報を情報処理装置50に出力する。本実施形態では、タッチパネルに対する操作を行う操作子が、乗員の指である場合について説明するが、操作子は、指示棒等の指示体であってもよい。
【0015】
情報処理装置50は、入出力I/F51、メモリー53及びプロセッサー60を備えるコンピューター装置である。情報処理装置50は、メモリー53に記憶された制御プログラム55に従ってプロセッサー60が動作することにより情報処理装置50の動作を統括制御する。
【0016】
メモリー53は、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)等の半導体メモリーを備える。RAMは、各種データ等の一時記憶に用いられ、ROMは、情報処理装置50の動作を制御するための制御プログラム55や、各種設定情報等を記憶する。
【0017】
プロセッサー60は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)により構成される演算処理装置である。プロセッサー60は、制御プログラム55を実行して情報処理装置50の各部を制御する。プロセッサー60は、単一のプロセッサーにより構成してもよいし、複数のプロセッサーにより構成することも可能である。また、プロセッサー60は、メモリー53の一部又は全部や、その他の回路と統合されたSoC(System-on-a-chip)により構成してもよい。また、プロセッサー60は、プログラムを実行するCPUと、所定の演算処理を実行するDSPとの組合せにより構成してもよい。さらに、プロセッサー60の機能の全てをハードウェアに実装した構成としてもよく、プログラマブルデバイスを用いて構成してもよい。
【0018】
情報処理装置50は、機能的構成として操作検出部61、表示制御部63及び実行指示部65を備える。これらの機能的構成は、プロセッサー60が、制御プログラム55に従った演算を行うことで実現される機能である。
【0019】
操作検出部61は、タッチパネル40から入力される座標情報に基づいてタッチ操作を検出する。操作検出部61が検出するタッチ操作には、第1タッチ操作と、第2タッチ操作とが含まれる。
【0020】
第1タッチ操作は、乗員の二本指をタッチパネル40に接触させる操作である。操作検出部61は、タッチパネル40からタッチ位置を示す座標情報として2点の座標が入力されると、第1タッチ操作が検出されたと判定する。
【0021】
第2タッチ操作は、第1タッチ操作によりタッチパネル40にタッチさせた二本指を、タッチパネル40にタッチさせた状態のまま、二本指の間隔を一定に保ちながら回転中心を中心として二本指を回転させたり、二本指の間隔を広くしたり狭くしたりする操作である。
操作検出部61は、第1タッチ操作として検出した2点の座標情報が示す2点を結ぶ仮想線分を設定する。その後、操作検出部61は、タッチパネル40から入力される2点の座標情報に基づき、仮想線分の長さが変更されたこと、又は仮想線分が回転したこと、を検出した場合、第2タッチ操作が検出されたと判定する。
【0022】
表示制御部63は、画像データを生成し、生成した画像データに基づく画像であるメニュー画面をタッチパネル40に表示させる。情報処理装置50がタッチパネル40に表示させるメニュー画面には、第1メニュー画面100と、第2メニュー画面200とが含まれる。第1メニュー画面100は第1画面に相当し、第2メニュー画面200は第2画面に相当する。
【0023】
実行指示部65は、操作検出部61が検出した第2タッチ操作に対応した処理の実行を、対象の電装品80に指示する。
【0024】
図2は、第1メニュー画面100の一例を示す図である。
表示制御部63は、乗員がイグニッションキーを操作し、車両のアクセサリー電源がオンされると、タッチパネル40に第1メニュー画面100を表示させる。第1メニュー画面100は、アクセサリー電源がオンされた後、最初にタッチパネル40に表示される画面であるため、初期画面ともいえる。
【0025】
第1メニュー画面100は、この第1メニュー画面100を操作することで設定を変更可能な電装品80ごとに複数の画面を有する。例えば、第1メニュー画面100は、空調装置の設定を変更する第1メニュー画面100や、オーディオ装置の設定を変更する第1メニュー画面100、カーナビゲーション装置の設定を変更する第1メニュー画面100等、複数の画面を有する。
第1メニュー画面100を操作することで設定変更が可能な電装品80には、上述した以外に、例えば、電動シートやタッチパネル40自体等が含まれる。また、第1メニュー画面100により車両の走行モードを変更してもよい。走行モードには、例えば、低燃費を重視したエコモードや、加速性を重視したスポーツモード、エコモードとスポーツモードとの中間のノーマルモード等が含まれる。
また、操作部20に設けられたスイッチやボタンを操作することで、第1メニュー画面100の表示、すなわち、第1メニュー画面100の操作により設定の変更が可能となる電装品80を変更することができる。
【0026】
図2は、空調装置の設定を変更する第1メニュー画面100を示す図である。
空調装置の設定を操作する第1メニュー画面100には、例えば、空調装置から出力される風量を変更する表示や、空調装置の設定温度を変更する表示等が表示される。
また、空調装置の設定を変更する第1メニュー画面100には、空調装置の電源のオン、オフを切り替えるボタン107や、空調装置の設定温度の表示109、空調装置から出力される空気の吹き出し口の表示111、内気循環と外気導入とを切り替えるボタン113等が表示される。
また、オーディオ装置の設定を操作する第1メニュー画面100には、例えば、選曲ボタン、ボリューム調整ボタン、ラジオの選局ボタン等が表示される。
【0027】
第1メニュー画面100には、操作項目と、この操作項目を操作する操作子とが表示される。操作子には、ボタンや、スイッチ、スライダーバー及びスライダー等が含まれる。
図2に示す空調装置の設定を変更する第1メニュー画面100には、操作項目として、空調装置の設定温度101Aと、風量101Bとが表示される。また、設定温度101Aを変更する操作子として、スライダーバー103A及びスライダー105Aが表示され、風量101Bを変更する操作子として、スライダーバー103B及びスライダー105Bが表示される。
【0028】
図3は、タッチ操作による第1メニュー画面100の操作方法を示す図である。
乗員は、第1メニュー画面100において、操作項目の設定を変更する場合、設定を変更したい操作項目のスライダー105A又は105Bの表示位置に、乗員の1本の指を接触させ、接触させた指をスライダーバー103A又は103Bに沿って左右に移動させる。表示制御部63は、スライダー105A又は105Bの表示位置を、タッチパネル40から入力される座標情報が示す座標に変更する。また、実行指示部65は、タッチパネル40に接触させた指がタッチパネル40から離れたことを検出すると、指が離れたときのスライダー105A又は105Bの位置に基づいて設定温度や、風量の設定の変更指示を空調装置に出力する。
【0029】
図4は、第2メニュー画面200の一例を示す図である。また、
図5は、乗員が二本指をタッチパネル40に接触させた状態を示す図である。
表示制御部63は、第1タッチ操作が検出されると、タッチパネル40の表示を第1メニュー画面100から第2メニュー画面200に変更する。
第2メニュー画面200も電装品80の設定を変更する画面である。本実施形態では、第2メニュー画面200が、第2メニュー画面200の表示前に表示していた第1メニュー画面100と同一の電装品80の設定を変更する操作画面である場合について説明する。例えば、第1メニュー画面100が空調装置の設定を変更する画面であった場合、第2メニュー画面200も空調装置の設定を変更する画面が表示される。
また、第2メニュー画面200は、第1メニュー画面100とは関係なく、常に、予め設定された電装品80の設定を変更する操作画面であってもよい。
【0030】
第2メニュー画面200には、操作画像210と、付帯情報230とが表示される。操作画像210には、円形図形201、接触点203A、203B、範囲図形205及び指針207が含まれる。
付帯情報230は、操作画像210を操作することで設定変更される電装品80の操作項目と、その現在の設定とを含む。例えば、電装品80が空調装置である場合、空調装置の風量と設定温度とが付帯情報230として表示される。
【0031】
接触点203A、203Bは、第1タッチ操作によって乗員がタッチパネル40に接触させた指の位置を示す図形である。接触点203A、203Bは、乗員が二本指を接触させたタッチパネル40の接触位置に表示される。
【0032】
円形図形201は、接触点203Aと接触点203Bとを結ぶ線分を直径とする円形の図形である。円形図形201は、タッチパネル40に接触させた乗員の二本指がタッチパネル40上を移動しても、常に二本指の接触位置である接触点203Aと接触点203Bとを結ぶ線分を直径とする円形の図形として表示される。
【0033】
範囲図形205は、操作画像210の操作対象となる電装品80の操作項目に対応した設定範囲を示す図形である。範囲図形205は、円形図形201の上方であって、円形図形201から一定の距離だけ離れた位置に表示される。第2メニュー画面200に向かって右側の範囲図形205の範囲は、温度アップの範囲を示し、第2メニュー画面200に向かって左側の範囲図形205の範囲は、温度ダウンの範囲を示す。
指針207は、一方の端部が円形図形201に接し、乗員の操作により円形図形201が回転すると、この円形図形201の回転に伴って指針207も回転する。また、指針207が回転することで、指針207が示す範囲図形205の位置も変更される。指針207は、第2タッチ操作を受け付けた場合に、指針207が示す範囲図形205の位置により、受け付けた第2タッチ操作の操作量を示す。
【0034】
乗員は、タッチパネル40に第2メニュー画面200が表示されると、二本指をタッチパネル40にタッチさせた状態のまま、第2タッチ操作を行う。
第2タッチ操作には、二本指の間隔を一定に保ちつつ、回転中心を中心として二本指を回転させたり、二本指の間隔を広く変更したり、狭く変更したりする操作が含まれる。
【0035】
図6は、仮想線分221、及び仮想線分221のタッチパネル40の水平横方向とのなす角度θとを示す図である。本実施形態では、角度θは左回転の角度を正とし、右回転の角度を負とする角度である。また、
図6に示す線分223は、タッチパネル40の水平横方向を示す線分である。
まず、操作検出部61は、第1タッチ操作として検出された座標情報が示す2点を結ぶ仮想線分221を設定する。操作検出部61は、この仮想線分221の長さXと、タッチパネル40の水平横方向からの回転角度θとを算出する。第1タッチ操作の座標情報から算出した仮想線分221の長さXを第1長さX1といい、第1タッチ操作の座標情報から算出した仮想線分221の回転角度θを第1回転角度θ1という。
次に、操作検出部61は、乗員が第2タッチ操作を行い、タッチパネル40から新たな座標情報が入力されると、入力された2点の座標情報に基づいて、新たに仮想線分221の長さX、及び回転角度θを算出する。第2タッチ操作による新たな座標情報から算出した仮想線分221の長さXを第2長さX2といい、第2タッチ操作による新たな座標情報から算出した仮想線分221の回転角度θを第2回転角度θ2という。
操作検出部61は、第1長さX1及び第1回転角度θ1と、第2長さX2及び第2回転角度θ2とを比較して、第2タッチ操作が検出されたか否かを判定する。
【0036】
操作検出部61は、仮想線分221の第2長さX2が、第1長さX1よりも長い場合、第2タッチ操作として、二本指の間隔を広げる操作が検出されたと判定する。
この場合、操作検出部61は、第2長さX2と、第1長さX1との差分を求め、求めた差分を実行指示部65に出力する。
また、操作検出部61は、仮想線分221の第2長さX2が、第1長さX1よりも短い場合、第2タッチ操作として、二本指の間隔を狭める操作が検出されたと判定する。
この場合も、操作検出部61は、第2長さX2と、第1長さX1との差分を求め、求めた差分を実行指示部65に出力する。
【0037】
また、操作検出部61は、仮想線分221の第2回転角度θ2が、第1回転角度θ1よりも大きい場合、第2タッチ操作として、二本指を左回転させる操作が検出されたと判定する。この場合、操作検出部61は、第2回転角度θ2と、第1回転角度θ1との差分を求め、求めた差分を表示制御部63及び実行指示部65に出力する。
また、操作検出部61は、仮想線分221の第2回転角度θ2が、第1回転角度θ1よりも小さい場合、第2タッチ操作として、二本指を右回転させる操作が検出されたと判定する。この場合、操作検出部61は、第2回転角度θ2と、第1回転角度θ1との差分を求め、求めた差分を表示制御部63及び実行指示部65に出力する。
【0038】
図7は、タッチパネル40に接触させた二本指の間隔を広げた場合を示し、
図8は、タッチパネル40に接触させた二本指の間隔を狭めた場合を示す。
表示制御部63は、第2タッチ操作として検出した座標情報に基づいて、接触点203A、203Bの表示位置を変更する。乗員が、二本指の間隔を広げる操作を行った場合、
図7に示すように広げた二本指の間隔に対応して、円形図形201の直径も大きく変更される。
また、乗員が、二本指の間隔を狭める操作を行った場合、
図8に示すように狭めた二本指の間隔に対応して、円形図形201の直径も小さく変更される。
【0039】
本実施形態では、二本指の間隔を広げる操作が、空調装置の風量を増加させる操作に対応づけられ、二本指の間隔を狭める操作が、空調装置の風量を減少させる操作に対応づけられているものと仮定して説明する。
実行指示部65は、操作検出部61から第2長さX2と、第1長さX1との差分を示す情報が入力されると、入力された差分と、予め設定された基準値との比を算出する。基準値は、第2長さX2と第1長さX1との差と、空調装置の風量を増加させる、又は減少させる量とを対応づけた値である。
実行指示部65は、入力された差分と基準値との比に基づいて、空調装置の風量を増加させる、又は減少させる風量を算出する。実行指示部65は、算出した風量への変更を空調装置に指示する。
【0040】
図9は、第2タッチ操作により、指針207を、乗員から見て左回転させた状態を示し、
図10は、指針207を、乗員から見て右回転させた状態を示す。
本実施形態では、二本指の間隔を一定に保ちつつ、回転中心を中心として二本指を左回転させる操作が、空調装置の温度設定を低下させる操作に対応づけられていると仮定して説明する。また、二本指の間隔を一定に保ちつつ、回転中心を中心として二本指を右回転させる操作が、空調装置の温度設定を上昇させる操作に対応づけられていると仮定して説明する。
【0041】
表示制御部63は、操作検出部61から第2回転角度θ2と、第1回転角度θ1との差分が入力されると、範囲図形205に対する指針207の表示位置を、入力された差分に基づいて変更する。
指針207は、第2メニュー画面200をタッチパネル40に表示したときには、範囲図形205の中央に表示される。
表示制御部63は、第2回転角度θ2と、第1回転角度θ1との差分に基づいて、指針207の範囲図形205に対する表示位置を変更する。
表示制御部63は、第2回転角度θ2と第1回転角度θ1との差分が正の値の場合、
図9に示すように指針207の表示位置を、差分に基づいて左回転させる。
また、表示制御部63は、第2回転角度θ2と第1回転角度θ1との差分が負の値の場合、
図10に示すように指針207の表示位置を、差分に基づいて右回転させる。
【0042】
実行指示部65は、操作検出部61から第2回転角度θ2と、第1回転角度θ1との差分を示す情報が入力されると、入力された差分と、予め設定された基準値との比を算出する。基準値は、第2回転角度θ2と第1回転角度θ1の差と、空調装置の温度設定を上昇させる、又は低下させる量とを対応づけた値である。
実行指示部65は、入力された差分と基準値との比に基づいて、空調装置の温度設定を上昇又は低下させる温度を算出する。実行指示部65は、算出した温度への変更を空調装置に指示する。
【0043】
図11は、乗員が、第1タッチ操作の二本指を、タッチパネル40の水平横方向に平行ではなく、斜めにタッチさせた場合を示す図である。
例えば、タッチパネル40が、車両の幅方向の中央に配置され、運転席の運転者から離れた位置に配置されている場合、
図11に示すように、タッチした二本指を結ぶ仮想線分221が、タッチパネル40の水平横方向に対して傾く場合がある。
図11には、タッチした二本指を結ぶ仮想線分221がタッチパネル40の水平横方向に対して角度θだけ傾いた状態を示す。
この場合、表示制御部63は、タッチパネル40の縦方向に対して指針207を角度θだけ傾いた状態で表示させる。
これにより乗員がタッチパネル40に二本指を最初にタッチさせた状態を初期状態として、その後の二本指の動きに対応して風量や温度設定を変更することができる。
【0044】
また、第2メニュー画面200には、付帯情報230が表示される。
例えば、操作画像210の操作対象が空調装置である場合、設定温度や風量等の情報が付帯情報230として表示される。付帯情報230の表示位置は、操作画像210に重ならない位置であって、操作画像210を操作する乗員が視認しやい位置が好ましい。
【0045】
例えば、乗員から見たタッチパネル40の領域を左領域、右領域及び中央領域の3つに分割した場合であって、乗員がタッチパネル40の左領域に二本指をタッチさせたと仮定する。この場合、二本指の接触が検出された座標を中心として、操作画像210を左領域に表示させ、右領域には付帯情報230を表示させる。
また、乗員がタッチパネル40の右領域に二本指をタッチさせたと仮定する。この場合、二本指の接触が検出された座標を中心として操作画像210を右領域に表示させ、左領域には付帯情報230を表示させる。
【0046】
また、付帯情報230を表示させる場合に、情報処理装置50がカメラ10の撮影画像を解析し、タッチパネル40の操作を、助手席の乗員が行っているのか、運転席の運転者が行っているかを判定してもよい。
情報処理装置50は、助手席の乗員がタッチパネル40の操作を行っていると判定した場合であって、タッチパネル40の中央領域がタッチされた場合、運転席側であるタッチパネル40の右領域に付帯情報230を表示させる。また、情報処理装置50は、運転席の運転者がタッチパネル40の操作を行っていると判定した場合であって、タッチパネル40の中央領域がタッチされた場合、助手席側であるタッチパネル40の左領域に付帯情報230を表示させる。操作中の手等によってタッチパネル40の表示が隠れてしまうのを防止するためである。
また、タッチパネル40の中央領域を上と下とで2分割し、タッチ位置を示す座標としてタッチパネル40の中央上側領域の座標が検出された場合、中央下側領域に付帯情報230を表示させてもよい。また、タッチ位置を示す座標としてタッチパネル40の中央下側領域の座標が検出された場合、中央上側領域に付帯情報230を表示させてもよい。
【0047】
図12は、情報処理装置50の動作を示すフローチャートである。
図12に示すフローチャートを参照しながら情報処理装置50の動作について説明する。
まず、情報処理装置50は、タッチパネル40からタッチ操作の座標情報が入力されたか否かを判定する(ステップS1)。情報処理装置50は、タッチ操作の座標情報が入力されなかった場合(ステップS1/NO)、タッチ操作の座標情報が入力されるまで次のステップには移行しない。ステップS1は、検出手順に相当する。
【0048】
情報処理装置50は、タッチパネル40からタッチ操作の座標情報が入力された場合(ステップS1/YES)、タッチ位置を示す複数の座標情報が入力されたか否かを判定する(ステップS2)。ステップS2は、検出手順に相当する。
情報処理装置50は、タッチ位置を示す複数の座標情報が入力されなかった場合(ステップS2/NO)、入力された座標情報が示す座標の位置に表示された操作子を判定する(ステップS3)。情報処理装置50は、操作子を判定すると、判定した操作子に対応した操作を検出したか否か判定する(ステップS4)。操作子に対応した操作とは、例えば、操作子がスライダーバー103及びスライダー105である場合、情報処理装置50は、スライダー105をスライドさせる操作が検出されたか否かを判定する。また、操作子がスイッチやボタンの場合、情報処理装置50は、スイッチやボタンの表示位置に含まれる座標が一定時間以上、継続して検出されたか否かを判定する。
【0049】
情報処理装置50は、操作子に対応した操作が検出された場合(ステップS4)、検出された操作に対応した処理の実行を対象の電装品80に指示する(ステップS5)。例えば、第1メニュー画面100の操作対象となる電装品80が空調装置であり、ステップS4で判定した操作子が温度設定のスライダーバー及びスライダーである場合、情報処理装置50は、スライダーの操作により受け付けた操作量で空調装置の温度設定を変更する。
【0050】
また、情報処理装置50は、タッチパネル40からタッチ位置を示す複数の座標情報が入力された場合(ステップS2/YES)、タッチパネル40に第2メニュー画面200を表示させる(ステップS6)。ステップS6は、表示手順に相当する。
情報処理装置50は、入力された座標情報が示すタッチパネル40の座標に接触点203A、203Bを表示させ、2つの接触点203A及び接触点203Bを直径とする円形図形201を表示させる。また、情報処理装置50は、接触点203Aと接触点203Bとを結ぶ仮想線分221に直交する方向に平行な方向であって、円形図形201に接する位置に指針207を表示させ、円形図形201の外側に半円状の範囲図形205を表示させる。
【0051】
次に、情報処理装置50は、2つの接触点203Aと接触点203Bとを結ぶ仮想線分221を設定し(ステップS7)、設定した仮想線分221の長さ及び回転角度θを算出する。回転角度θは、例えば、仮想線分221と、第2メニュー画面200の水平右方向との角度である。
【0052】
次に、情報処理装置50は、タッチパネル40から入力される座標情報が示す座標の変化を検出したか否かを判定する(ステップS10)。情報処理装置50は、座標の変化が検出できなかった場合(ステップS8/NO)、ステップS8の判定に戻る。また、情報処理装置50は、ステップS15の判定に移行し、ステップS1の座標情報の入力から一定時間を経過したか否かを判定してもよい。
【0053】
情報処理装置50は、座標の変化を検出した場合(ステップS8/YES)、変更後の座標に対応する2つの接触点203Aと接触点203Bとを結ぶ仮想線分221の長さ及び回転角度θを算出する(ステップS9)。情報処理装置50は、算出した仮想線分221に変化があるか否かを判定する。
【0054】
情報処理装置50は、仮想線分221の長さに変化があると判定した場合(ステップS10/長さ)、座標の変化が検出される前の仮想線分221の第1長さX1と、座標の変化が検出された後の仮想線分221の第2長さX2との差に基づき、変更する空調装置の風量を算出する(ステップS11)。情報処理装置50は、仮想線分221の第2長さX2が変更前の第1長さX1よりも長くなった場合、空調装置の風量を増加させる。また、情報処理装置50は、仮想線分221の第2長さX2が変更前の仮想線分221の第1長さX1よりも短くなった場合、空調装置の風量を減少させる。ステップS9~S11は、検出手順に相当する。
情報処理装置50は、変更前と変更後の仮想線分221の長さの差に基づき、空調装置に変更を指示する風量を算出する。情報処理装置50は、空調装置に変更を指示する風量を算出すると、算出した風量への変更指示を空調装置に出力する(ステップS12)。ステップS12は指示手順に相当する。
【0055】
また、情報処理装置50は、仮想線分221の回転角度θに変化があると判定した場合(ステップS10/回転)、座標の変化が検出される前の仮想線分221の第1回転角度θ1と、座標の変化が検出された後の仮想線分221の第2回転角度θ2との差に基づき、変更する空調装置の風量を算出する(ステップS13)。ステップS9、S10及びS13は、検出手順に相当する。
情報処理装置50は、仮想線分221の第2回転角度θ2が、座標が変更される前の第1回転角度θ1よりも大きくなった場合、空調装置の設定温度を低下させる。また、情報処理装置50は、仮想線分221の第2回転角度θ2が、座標が変更される前の第1回転角度θ1よりも小さくなった場合、空調装置の設定温度を上昇させる。
情報処理装置50は、変更前と変更後の仮想線分221の回転角度θの差に基づき、空調装置に変更を指示する設定温度を算出する。情報処理装置50は、設定温度を算出すると、算出した設定温度への変更指示を空調装置に出力する(ステップS14)。ステップS14は、指示手順に相当する。
【0056】
次に、情報処理装置50は、空調装置に指示を出力してから一定時間を経過したか否かを判定する(ステップS15)。情報処理装置50は、一定時間を経過していない場合(ステップS15)、一定時間を経過するまで待機する(ステップS15)。また、情報処理装置50は、一定時間を経過した場合(ステップS15/YES)、音声出力部30に所定の音声を出力させ、報知動作を実行する(ステップS16)。その後、情報処理装置50は、タッチパネル40から座標情報の入力が停止したか否かを判定する(ステップS17)。すなわち、乗員がタッチパネル40から指を離したか否かを判定する。
情報処理装置50は、タッチパネル40から座標情報が引き続き入力される場合(ステップS17/NO)、ステップS8の判定に移行する。また、情報処理装置50は、タッチパネル40からの座標情報の入力が停止した場合(ステップS17/YES)、この処理フローを終了させる。
【0057】
図12に示すフローチャートでは、情報処理装置50は、ステップS10の判定において、仮想線分の長さの変化、又は仮想線分の回転の一方を検出したが、仮想線分の長さの変化及び仮想線分の回転の両方を検出してもよい。
情報処理装置50は、仮想線分の長さの変化及び仮想線分の回転の両方を検出した場合、検出した仮想線分の長さの変化に基づいて空調装置の風量を変更し、検出した仮想線分の回転量に基づき空調装置の温度設定を変更する。
【0058】
以上説明したように本実施形態の情報処理装置は、操作検出部61、表示制御部63及び実行指示部65を備える。
操作検出部61は、タッチパネル40から入力されるタッチ位置を示す座標情報に基づいて、タッチパネル40に対する第1タッチ操作と、第1タッチ操作とは異なる第2タッチ操作とを検出する。
表示制御部63は、タッチパネル40に第1メニュー画面100を表示させ、操作検出部により第1タッチ操作が検出されると、タッチパネル40の表示を第1メニュー画面100から第2メニュー画面200に変更する。
実行指示部65は、第2メニュー画面200が表示されたタッチパネル40において、操作検出部61により第2タッチ操作が検出されると、検出された第2タッチ操作に対応づけられた処理の実行を指示する。
操作検出部61は、座標情報に基づいて複数のタッチ位置が検出された場合に、第1タッチ操作を検出したと判定する。
また、操作検出部61は、第1タッチ操作として検出した複数のタッチ位置を結ぶ仮想線分の221長さ、又は仮想線分221の基準方向に対する回転角度を算出する。
さらに、操作検出部61は、第2画面が表示されたタッチパネル40において、タッチパネル40から座標情報が入力されると、入力された座標情報に基づいて仮想線分221の長さ又は回転角度に変化があるか否かを判定し、仮想線分221の長さ又は回転角度に変化があると判定した場合に、第2タッチ操作を検出したと判定する。
実行指示部65は、仮想線分221の長さの変化、又は仮想線分221の回転方向に対応づけられた処理の実行を指示する。
従って、乗員は、第1タッチ操作としてタッチパネル40にタッチさせた複数本の指の間隔を狭めたり、広げたり、回転させる直感的な操作を行うことで 、これらの各操作に対応づけられた処理の実行を指示することができる。このため、タッチパネルを利用した操作の操作性を向上させ、ユーザーの利便性を向上させることができる。
【0059】
また、表示制御部63は、第1タッチ操作として検出した複数のタッチ位置に基づき、操作対象の電装品80の設定を変更可能な範囲を示す範囲図形205と、範囲図形205の位置を示す指針207と、を表示させる。
表示制御部63は、タッチパネル40から入力される座標情報に基づいて仮想線分221の回転角度の変化量を検出し、指針207が示す範囲図形205の位置を、検出した変化量に対応させて変更する。
従って、タッチパネル40にタッチさせた複数本の指の間隔を固定したまま、複数本の指を同時に回転させる場合の操作量を乗員に視認させることができる。
【0060】
表示制御部63は、第1タッチ操作として検出した2点のタッチ位置を直径とする円形図形201を表示させる。
表示制御部63は、タッチパネル40から入力される座標情報に基づいて仮想線分221の長さの変化を検出し、円形図形201の直径を、検出した長さの変化に対応させて変化させる。
従って、タッチパネル40に表示される円形図形201の直径の大きさに基づき、乗員に操作量を認識させることができる。
【0061】
上述した実施形態は、あくまでも本発明の一態様を例示するものであって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で任意に変形、及び応用が可能である。
例えば、上述した実施形態では、第1タッチ操作及び第2タッチ操作を2本指で行う場合について説明したが、3本の指で第1タッチ操作及び第2タッチ操作を行うことも可能である。例えば、親指、人差し指及び中指の3本で第1タッチ操作及び第2タッチ操作を行う場合、情報処理装置50は、指と指の距離が最も離れた2本の指を操作対象の指として選択し、これら2本の指がタッチパネル40に接触した接触点を接触点203A及び接触点203Bとし、これら接触点203A及び接触点203Bを結ぶ線分を仮想線分221としてもよい。
【0062】
また、二本指の間隔を広げる操作を、空調装置の温度設定を上昇させる操作に対応づけ、二本指の間隔を狭める操作を、空調装置の温度設定を低下させる操作に対応づけてもよい。
さらに、二本指の間隔を一定に保ちつつ、回転中心を中心として二本指を左回転させる操作を、空調装置の風量を減少させる操作に対応づけ、回転中心を中心として二本指を右回転させる操作を、空調装置の風量を増加させる操作に対応づけてもよい。
【0063】
また、上述した実施形態では、第2メニュー画面200の操作対象が、空調装置である場合について説明したが、第2メニュー画面200の操作対象となる電装品80は、空調装置に限られず、オーディオ装置や、電動シート、ナビゲーション装置であってもよく、また、第2メニュー画面200の操作により車両の走行モードを変更してもよい。
【0064】
また、第2メニュー画面200は、
図4に示す表示に限定されない。例えば、第2メニュー画面200の上下左右の各方向を指し示す矢印と、矢印が示す方向に指を移動させた場合に設定を変更可能な設定項目とを表示したものであってもよい。
また、範囲図形205及び指針207を複数表示してもよい。
図13に示す第2メニュー画面200には、円形図形201、範囲図形205A、205B、及び指針207A、207Bが表示される。
範囲図形205Aは、円形図形201の上方であって、円形図形201から一定の距離だけ離れた位置に表示される。第2メニュー画面200に向かって右側の範囲図形205Aの範囲は、温度アップの範囲を示し、第2メニュー画面200に向かって左側の範囲図形205Aの範囲は、温度ダウンの範囲を示す。
範囲図形205Bは、円形図形201の下方であって、円形図形201から一定の距離だけ離れた位置に表示される。第2メニュー画面200に向かって右側の範囲図形205Bの範囲は、温度ダウンの範囲を示し、第2メニュー画面200に向かって左側の範囲図形205Bの範囲は、温度アップの範囲を示す。
指針207Aは、一方の端部が円形図形201に接し、乗員の操作により円形図形201が回転すると、この円形図形201の回転に伴って指針207Aも回転する。また、指針207Aが回転することで、指針207が示す範囲図形205Aの位置も変更される。
指針207Bは、一方の端部が円形図形201に接し、乗員の操作により円形図形201が回転すると、この円形図形201の回転に伴って指針207Bも回転する。また、指針207Bが回転することで、指針207が示す範囲図形205Bの位置も変更される。
また、指針207A及び指針207Bは、ともに円形図形201の回転に伴って回転するため、回転前と回転後の指針207Aによって示される範囲図形205Aの位置の変化量は、回転前と回転後の指針207Bによって示される範囲図形205Bの位置の変化量と同一である。
【0065】
また、
図1に示す情報処理装置50の機能ブロックは、情報処理装置50が備える機能を主な処理内容に応じて分類して示した概略図であり、処理内容に応じてさらに多くのブロックに分割することもできる。また、各ブロックの処理は、1つのハードウェアで実行しても良いし、複数のハードウェアで実行しても良い。また、各ブロックの処理は、1つのプログラムで実現してもよいし、複数のプログラムで実現してもよい。
【0066】
また、
図12に示すフローチャートの処理単位は、情報処理装置50の処理を理解容易にするために、主な処理内容に応じて分割したものであり、処理単位の分割の仕方や名称によって本発明が制限されることはない。また、情報処理装置50の処理は、処理内容に応じて、さらに多くの処理単位に分割することもできるし、1つの処理単位がさらに多くの処理を含むように分割することもできる。また、上記のフローチャートの処理順序も、図示した例に限られるものではない。
【0067】
また、本発明のプログラムをコンピューターにより実現する場合、このコンピューターに実行させるプログラムを記録媒体、又はプログラムを伝送する伝送媒体の態様で構成することも可能である。記録媒体には、磁気的、光学的記録媒体又は半導体メモリーデバイスを用いることができる。具体的には、記録媒体には、フレキシブルディスク、HDD(Hard Disk Drive)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、DVD、Blu-ray(登録商標) Disc、光磁気ディスクが挙げられる。また、記録媒体として、フラッシュメモリ、カード型記録媒体等の可搬型、或いは固定式の記録媒体を挙げることもできる。また、上記記録媒体は、表示装置が備える内部記憶装置であるRAM、ROM、HDD等の不揮発性記憶装置であってもよい。
【符号の説明】
【0068】
1 システム
10 カメラ
20 操作部
30 音声出力部
40 タッチパネル
43 タッチセンサー
50 情報処理装置
51 入出力I/F
53 メモリー
55 制御プログラム
60 プロセッサー
61 操作検出部
65 実行指示部
80、80A、80B、80C 電装品
100 第1メニュー画面
101A 設定温度
101B 風量
103、103A、103B スライダーバー
105、105A、105B スライダー
107 電源ボタン
200 第2メニュー画面
201 円形図形
203A 接触点
203B 接触点
205 範囲図形
207 指針
210 操作画像
230 付帯情報