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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022170509
(43)【公開日】2022-11-10
(54)【発明の名称】収納箱
(51)【国際特許分類】
   A47G 29/30 20060101AFI20221102BHJP
   A47G 29/122 20060101ALI20221102BHJP
【FI】
A47G29/30
A47G29/122 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021076684
(22)【出願日】2021-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】000124591
【氏名又は名称】河村電器産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100078721
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 喜樹
(72)【発明者】
【氏名】山田 一輝
【テーマコード(参考)】
3K100
【Fターム(参考)】
3K100CA02
3K100CA45
3K100CA60
3K100CC01
3K100CD03
(57)【要約】
【課題】低コストかつ容易に設置が可能で、高い構造安定性及び防犯性を有する収納箱を提供する。
【解決手段】収納箱1は、内部に物体を収納可能な箱状の収納部2と、収納部2を下方から支持する架台3とを備え、架台3は、収納部2の底面2aと同一形状で、底面2aより僅かに小さい板状の底面部3aと、底面部3aの中央から上方に向けて突出し、収納部2を支持する柱状の支持部3bとを備え、支持部3b周囲の底面部3aと収納部2の底面2aとの間の空間を錘収容部4とし、収納部2は、錘収容部4を覆う保護壁21a,22a,23aを備え、錘収容部4には、支持部3bの高さよりも高くなるように、所定重量を有する複数の矩形状のレンガ4aが積み上げられ、収納部2の底面2aと架台3の支持部3bの上面とを、螺着可能な固定手段7を用いて連結し、底面部3aと、収納部2の底面2aとでレンガ4aを圧接して固定する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に物体を収納可能な箱状の収納部と、前記収納部を下方から支持する架台とを備え、
前記架台は、前記収納部の底面と同一形状又は僅かに小さい板状の底面部と、前記底面部の中央から上方に向けて突出する柱状の支持部とを備え、
前記支持部周囲の前記底面部と前記収納部の底面との間の空間を錘収容部とし、
前記収納部は、前記錘収容部を覆う保護壁を備え、
前記錘収容部には、所定重量を有する複数の矩形状の錘が積み上げられ、
前記収納部の前記底面と前記架台の前記支持部の上面とを、螺着可能な固定手段を用いて連結することを特徴とする収納箱。
【請求項2】
前記錘収容部には、前記錘が前記支持部の高さよりも高くなるように積み上げられ、
前記錘は、前記固定手段によって、前記底面部と前記収納部の底面とで圧接されることを特徴とする請求項1に記載の収納箱。
【請求項3】
前記錘が、矩形状の錘と、シート状の弾性部材とからなり、
両者が重ねて配置されて、圧接されることを特徴とする請求項1又は2に記載の収納箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、低コストかつ容易に設置が可能で、高い構造安定性及び防犯性を有する収納箱に関する。
【背景技術】
【0002】
宅配ボックス等の収納箱の設置には、構造安定性及び防犯性の向上のため、アンカーによって堅牢に固定されたコンクリートベースに収納箱を連結する方法が、広く用いられている。しかし、アンカーによるコンクリートベースの固定には専門的な工具、技術等が必要であるため、ユーザ個人が収納箱を設置することは、容易とは言えない。そこで、例えば特許文献1には、支柱スタンドに設けられた二本の支柱の間に、コンクリートブロックを、その両端部に設けられた凹部を利用して嵌挿することで、アンカーによる固定を必要とせず、コンクリートブロックの重さを利用して簡便に構造安定性及び防犯性を向上させた支柱スタンドに収納ボックスを固定する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-63961号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に開示の技術は、支柱スタンドの形状に合わせてコンクリートブロックを加工する必要があること、コンクリートブロックのような重量物を支柱よりも高い位置まで持ち上げる必要があること等を理由に、安価で容易に設置可能とは言い難い。
【0005】
そこで、本発明の目的は、低コストかつ容易に設置が可能で、高い構造安定性及び防犯性を有する収納箱を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、内部に物体を収納可能な箱状の収納部と、収納部を下方から支持する架台とを備え、架台は、収納部の底面と同一形状又は僅かに小さい板状の底面部と、底面部の中央から上方に向けて突出する柱状の支持部とを備え、支持部周囲の底面部と収納部の底面との間の空間を錘収容部とし、収納部は、錘収容部を覆う保護壁を備え、錘収容部には、所定重量を有する複数の矩形状の錘が積み上げられ、収納部の底面と架台の支持部の上面とを、螺着可能な固定手段を用いて連結することを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、上記構成に加え、錘収容部には、錘が支持部の高さよりも高くなるように積み上げられ、錘は、固定手段によって、底面部と収納部の底面とで圧接されることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、上記構成に加え、錘が、矩形状の錘と、シート状の弾性部材とからなり、両者が重ねて配置されて、圧接されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、錘は、複数の錘を用いることで、総重量として高い構造安定性及び防犯性を有する錘として機能するに足る重量を獲得可能である一方、個々の錘の重量を軽く設定できるため、容易に設置が可能となる。また、錘に加工の必要が無いため、低コストで設置できる。さらに、保護壁により外部から錘に触れられなくなることで、外側から錘を取り出せなくなるため、高い防犯性を備える。加えて、固定手段の螺着作業だけで、圧接により錘を固定できるため、接着剤等の特別な材料がなくても、安価で容易に、かつ強固に設置できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の収納箱を示す説明図であり、(a)は正面図、(b)は斜視図、(c)は後方斜視図である。
図2図1(a)におけるA-A線断面図である。
図3】架台を示す説明図である。
図4図2における丸枠M1の内部を示す拡大図である。
図5】変更例における図1(a)のA-A線断面に相当する断面図である。
図6図5における丸枠M2の内部を示す拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の収納箱を示す説明図であり、(a)は正面図、(b)は前方斜視図、(c)は後方斜視図である。図2は、図1(a)におけるA-A線断面図である。図3は、架台を示す説明図である。
収納箱1は、図1(a)~(c)にに示すように、扉Dを備え、内部に物体を収納可能な箱状の収納部2を備える。収納部2の下方には、図2に示すように、架台3が設けられる。架台3は、図3に示すように、収納部2の底面2aと同一形状で、底面2aより僅かに小さい底面部3aと、底面部3aの中央から上方に突出する四角柱状の支持部3bを備える。架台3の支持部3bの周囲の、底面部3aと収納部2の底面2aとの間の空間は、錘収容部4として機能する。錘収容部4には、錘としての矩形状のレンガ4aが複数敷設されている。
また、図1(a)~(c)に示すように、収納部2の前面パネル21、側面パネル22及び背面パネル23の下部は、錘収容部4を覆う保護壁21a,22a,23aを兼ねている。
【0010】
次に、収納箱1の設置方法について説明する。
図4は、図2における丸枠M1内部を示す拡大図である。
まず、収納箱1を設置する箇所に架台3を設置する。この時、架台3の底面部3aに設けられた透孔Hを利用し、図示しないペグ等の打込固定手段を用いて、設置箇所に架台3を強固に固定しても良い。
続いて、架台3の底面部3aの上面に、所定重量を有するレンガ4aを所定数だけ敷設する。この時、敷設したレンガ4aの高さが、支持部3bの高さよりも僅かに高くなるまでレンガ4aを積み上げる。
その後、収納部2の底面2aを支持部3bに上方から載置して、底面2aに設けられた挿通孔5及び支持部3bの上面に設けられた貫通孔7を介して、ボルト・ナット等の固定手段6を挿通し、螺着固定する。これより、収納部2と架台3とが連結され、固定手段6を締め込むことで、図4に示すように、収納部2の底面2a、レンガ4a及び架台3の底面部3aが圧接され、敷設されたレンガ4aが固定される。
レンガ4aの固定後、底面2aに前面パネル21、側面パネル22及び背面パネル23等を取り付けて収納部2を形成する。これにより、錘収容部4が保護壁21a,22a,23aにより覆われる。
【0011】
このように、レンガ4aは、複数用いることで、総重量として高い構造安定性及び防犯性を有する錘として機能するに足る重量を備える一方、1つ1つは軽量であるため、設置作業が容易となる。また、レンガ4aを加工する必要がないため、低コストでの設置が可能となる。また、ネジ止め作業だけで、圧接によりレンガ4aを固定できるため、接着剤等の特別な材料がなくても、安価で容易に設置できる。さらに、螺着作業だけで、圧接によりレンガ4aを固定できるため、接着剤等の特別な材料がなくても、安価で容易に設置できる。さらにまた、保護壁21a,22a,23aにより、レンガ4aに外部から触れられなくなるため、高い防犯性を備える。加えて、収納部2が扉Dを備えるため、扉Dに錠前を設けることで、鍵を所有するユーザ以外が固定手段6に触れることがなくなるため、防犯性をより向上させることもできる。
【0012】
上記形態の収納箱1は、内部に物体を収納可能な箱状の収納部2と、収納部2を下方から支持する架台3とを備え、架台3は、収納部2の底面2aと同一形状で、底面2aより僅かに小さい板状の底面部3aと、底面部3aの中央から上方に向けて突出し、収納部2を支持する柱状の支持部3bとを備え、支持部3b周囲の底面部3aと収納部2の底面2aとの間の空間を錘収容部4とし、収納部2は、錘収容部4を覆う保護壁21a,22a,23aを備え、錘収容部4には、支持部3bの高さよりも高くなるように、所定重量を有する複数の矩形状のレンガ4aが積み上げられ、収納部2の底面2aと架台3の支持部3bの上面とを、螺着可能な固定手段6を用いて連結し、底面部3aと、収納部2の底面2aとでレンガ4aを圧接して固定する。
このようにして構成される収納箱1によれば、レンガ4aは、複数のレンガ4aを用いることで、総重量として高い構造安定性及び防犯性を有する錘として機能するに足る重量を獲得可能である一方、個々のレンガ4aの重量は軽いため、容易に設置が可能となる。また、レンガ4aに加工の必要が無いため、低コストで設置できる。さらに、保護壁21a,22a,23aにより外部からレンガ4aに触れられなくなることで、外側からレンガ4aを取り出せなくなるため、高い防犯性を備える。加えて、固定手段6の螺着作業だけで、圧接によりレンガ4aを固定できるため、接着剤等の特別な材料がなくても、安価で容易に、かつ強固に設置できる。
【0013】
図5は、変更例における図1(a)のA-A線断面に相当する断面図である。図6は、図5における丸枠M2の内部を示す拡大図である。
変更例の収納箱1aは、図5,6に示すように、敷設されたレンガ4aの高さが、支持部3bの高さよりも低く、収納部2の底面2aと最上段のレンガ4aとの間に、シート状の弾性部材8が重ねて配置される。
よって、弾性部材8を配置することで、敷設されたレンガ4aの高さが支持部2bの高さより低い場合にも、弾性部材8を介して、底面部3a、レンガ4a及び収納部2を圧接することができる。
【0014】
以上は、本発明を図示例に基づいて説明したものであり、その技術範囲はこれに限定されるものではない。
例えば、収納部は、架台の底面部及びレンガとの圧接が可能であればよく、形状及び大きさは任意に設定可能であり、扉を備えていないプランターのようなものであっても良い。
また、保護壁は、錘収容部を覆うことができれば、収納部の前面、側面及び背面と別体で設けられても良いし、収納部の前面、側面及び背面と一体のものと別体のものとの組み合わせで設けられても良い。
また、錘は、複数用いた際の総重量として構造安定性及び防犯性を確保できる重量になるものであればよく、レンガ以外にも、1つ1つが扱いやすい重量のもの、例えば小型のコンクリートブロック等でも良い。なお、錘は、収納部の底面と架台の底面部とによって圧接されていなくても良い。すなわち、錘と収納部の底面との間に隙間があっても良い。
また、架台の底面部及び支持部の形状は、収納部との連結が可能で、収納部及び錘との圧接により構造安定性及び防犯性を確保できるものであれば、例えば平面視円形状など、任意に設定可能である。
また、弾性部材は、支持部の高さと錘の高さとの高さ調整ができればよく、錘と錘の間、又は錘の下に設置されていても良い。さらに、弾性部材の形状及び設置数についても限定されない。
【符号の説明】
【0015】
1・・収納箱、2・・収納部、2a・・底面、21a,22a,23a・・保護壁、3・・架台、3a・・底面部、3b・・支持部、4・・錘収容部、4a・・レンガ(錘)、6・・固定手段、8・・弾性部材。
図1
図2
図3
図4
図5
図6