(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022170545
(43)【公開日】2022-11-10
(54)【発明の名称】洗浄器
(51)【国際特許分類】
B08B 3/08 20060101AFI20221102BHJP
B08B 3/02 20060101ALI20221102BHJP
B08B 3/12 20060101ALI20221102BHJP
【FI】
B08B3/08 A
B08B3/02 A
B08B3/12 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021076740
(22)【出願日】2021-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】000175272
【氏名又は名称】三浦工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】越智 崇文
【テーマコード(参考)】
3B201
【Fターム(参考)】
3B201AA46
3B201AB03
3B201AB43
3B201BB02
3B201BB24
3B201BB62
3B201BB83
3B201BB93
3B201BB94
3B201BB96
3B201CB12
3B201CC01
3B201CC12
3B201CD42
3B201CD43
(57)【要約】
【課題】薬液ボトルに適量の薬液が収容されているか否かを認識できる洗浄器を提供すること。
【解決手段】洗浄器は、洗浄対象が収容される洗浄槽と、薬液ボトルの薬液を洗浄槽に供給する薬液供給装置と、入力装置と、制御装置と、を備える。制御装置は、入力装置からの開始信号に基づいて、薬液供給装置に薬液の供給を開始させる開始指令を出力する開始指令部と、開始指令の出力前に、薬液ボトルの薬液の量を示す内容量を認識する内容量認識部と、開始指令の出力前に、薬液ボトルから洗浄槽に供給される薬液の量を示す使用予定量を決定する使用予定量決定部と、使用予定量が内容量を上回るか否かを判定する判定部と、を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗浄対象が収容される洗浄槽と、
薬液ボトルの薬液を前記洗浄槽に供給する薬液供給装置と、
入力装置と、
制御装置と、を備え、
前記制御装置は、
前記入力装置からの開始信号に基づいて、前記薬液供給装置に前記薬液の供給を開始させる開始指令を出力する開始指令部と、
前記開始指令の出力前に、前記薬液ボトルの前記薬液の量を示す内容量を認識する内容量認識部と、
前記開始指令の出力前に、前記薬液ボトルから前記洗浄槽に供給される前記薬液の量を示す使用予定量を決定する使用予定量決定部と、
前記使用予定量が前記内容量を上回るか否かを判定する判定部と、を備える、
洗浄器。
【請求項2】
出力装置を備え、
前記制御装置は、
前記判定部の判定結果に基づいて、前記使用予定量が前記内容量を上回ることを前記出力装置に報知させる報知指令を出力する報知指令部を有する、
請求項1に記載の洗浄器。
【請求項3】
前記報知指令部は、前記開始指令の出力前又は前記開始指令の出力時に、前記報知指令を出力する、
請求項2に記載の洗浄器。
【請求項4】
前記薬液が前記薬液ボトルに規定量で収容され、
前記制御装置は、前記規定量を記憶する内容量記憶部を備え、
前記内容量認識部は、前記内容量記憶部から前記規定量を取得して、前記内容量を認識する、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の洗浄器。
【請求項5】
前記内容量認識部は、前記規定量の前記薬液を収容した前記薬液ボトルが前記薬液供給装置に接続されたことを示す前記入力装置からのリセット信号に基づいて、前記内容量記憶部から前記規定量を取得する、
請求項4に記載の洗浄器。
【請求項6】
前記内容量認識部は、前記内容量を示す前記入力装置からの教示信号に基づいて、前記内容量を認識する、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の洗浄器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、洗浄器に関する。
【背景技術】
【0002】
洗浄器に係る技術分野において、特許文献1に開示されているような洗浄装置が知られている。特許文献1において、洗浄タンク(薬液ボトル)から洗浄槽に洗浄剤(薬液)が供給される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
洗浄のための薬液は、薬液ボトルから洗浄槽に供給される。薬液ボトルに適量の薬液が収容されていない可能性がある。例えば洗浄に使用される薬液の量が薬液ボトルに収容されている薬液の量よりも多いと、洗浄を適正に実施することが困難になる。
【0005】
本開示は、薬液ボトルに適量の薬液が収容されているか否かを認識できる洗浄器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に従えば、洗浄対象が収容される洗浄槽と、薬液ボトルの薬液を洗浄槽に供給する薬液供給装置と、入力装置と、制御装置と、を備え、制御装置は、入力装置からの開始信号に基づいて、薬液供給装置に薬液の供給を開始させる開始指令を出力する開始指令部と、開始指令の出力前に、薬液ボトルの薬液の量を示す内容量を認識する内容量認識部と、開始指令の出力前に、薬液ボトルから洗浄槽に供給される薬液の量を示す使用予定量を決定する使用予定量決定部と、使用予定量が内容量を上回るか否かを判定する判定部と、を備える、洗浄器が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、薬液ボトルに適量の薬液が収容されているか否かを認識できる洗浄器が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る洗浄器を模式的に示す図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態に係る洗浄器を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、第1実施形態に係る薬液の規定量と内容量と使用予定量との関係を示す図である。
【
図4】
図4は、第1実施形態に係る洗浄器の制御方法を示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、第2実施形態に係る洗浄器を示すブロック図である。
【
図6】
図6は、第2実施形態に係る洗浄器の制御方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示に係る実施形態について図面を参照しながら説明するが、本開示は実施形態に限定されない。以下で説明する実施形態の構成要素は、適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。
【0010】
[第1実施形態]
第1実施形態について説明する。
【0011】
<洗浄器>
図1は、本実施形態に係る洗浄器1を模式的に示す図である。洗浄器1は、洗浄対象を洗浄液で洗浄する。洗浄対象として、医療器具が例示される。医療器具として、メス及び鉗子が例示される。
【0012】
図1に示すように、洗浄器1は、洗浄槽2と、洗浄ノズル3と、給水装置4と、排出装置5と、薬液供給装置6と、循環装置7と、第1ヒータ8と、送風機9と、第2ヒータ10と、入力装置11と、出力装置12と、制御装置13とを備える。
【0013】
洗浄槽2は、洗浄対象を収容する。洗浄対象は、洗浄槽2の内部に配置される。洗浄槽2の一部に出入口が設けられる。洗浄槽2の出入口は、ドア(不図示)により開閉される。洗浄器1のユーザは、ドアを開けることにより、洗浄槽2の出入口を介して、洗浄槽2の内部に洗浄対象を入れたり、洗浄槽2の内部から洗浄対象を出したりすることができる。洗浄槽2の内部に網棚(不図示)が配置される。洗浄対象は、網棚に載置された状態で洗浄される。
【0014】
洗浄槽2は、上壁2Aと、側壁2Bと、下壁2Cと、貯留壁2Dと、底壁2Eとを有する。側壁2Bは、上壁2Aの外縁部に接続される。下壁2Cは、側壁2Bの下端部に接続される。貯留壁2Dは、下壁2Cの内縁部に接続される。底壁2Eは、貯留壁2Dの下端部に接続される。貯留壁2Dと底壁2Eとにより、洗浄槽2の内部に貯留部14が形成される。貯留部14は、洗浄槽2の下部に設けられる。下壁2Cは、貯留部14に向かって下方に傾斜する。
【0015】
洗浄槽2の内部にジャケット15が配置される。ジャケット15は、洗浄槽2に収容される洗浄対象及び洗浄ノズル3を囲むように配置される。ジャケット15は、上壁2Aの内面及び側壁2Bの内面のそれぞれに間隙を介して対向するように配置される。ジャケット15と上壁2Aとの間及びジャケット15と側壁2Bとの間に通路16が形成される。ジャケット15の下端部と側壁2Bとの間に開口17が形成される。
【0016】
洗浄ノズル3は、洗浄槽2の内部に配置される。洗浄ノズル3は、洗浄液を洗浄対象に噴射する。洗浄ノズル3は、上下方向に複数配置される。洗浄対象は、上下方向に隣り合う洗浄ノズル3の間に配置される。洗浄ノズル3は、洗浄液を噴射する噴射口を有する。噴射口は、洗浄ノズル3に複数設けられる。最も上方に配置される洗浄ノズル3は、洗浄液を下方に噴射する。最も下方に配置される洗浄ノズル3は、洗浄液を上方に噴射する。中間に配置される洗浄ノズル3は、洗浄液を上方及び下方のそれぞれに噴射する。
【0017】
洗浄ノズル3は、支持アーム18に支持される。支持アーム18の基端部は、洗浄槽2の側壁2Bに支持される。洗浄ノズル3は、支持アーム18の先端部に支持される。支持アーム18は、洗浄ノズル3の長手方向の中央部を支持する。支持アーム18は、洗浄ノズル3を回転可能に支持する。洗浄ノズル3の回転軸は、上下方向に延伸する。支持アーム18は、内部流路を有する。洗浄液は、支持アーム18の内部流路を介して洗浄ノズル3に供給される。洗浄ノズル3に供給された洗浄液は、洗浄ノズル3の噴射口から噴射される。噴射口から噴射される洗浄液の力により、洗浄ノズル3が回転する。
【0018】
給水装置4は、貯留部14に水を供給する。給水装置4は、給水源(不図示)と洗浄槽2の上部とを接続する給水路19と、給水路19に配置される逆止弁20及び給水弁21とを有する。給水弁21が開くことにより、給水源からの水が給水路19を介して洗浄槽2の上部に供給される。洗浄槽2の上部に供給された水は、通路16を流れた後、開口17を介して貯留部14に供給される。
【0019】
排出装置5は、貯留部14から洗浄液を排出する。排出装置5は、貯留部14の下部に接続される排液路22と、排液路22に配置される排液弁23とを有する。排液弁23が開くことにより、貯留部14の洗浄液が排液路22を介して貯留部14の外部に排出される。
【0020】
薬液供給装置6は、薬液ボトル24の薬液を洗浄槽2に供給する。薬液供給装置6は、薬液ボトル24と洗浄槽2とを接続する給液路25と、給液路25に配置される薬液ポンプ26とを有する。給液路25の少なくとも一部は、薬液ボトル24の内部に挿入される。薬液ポンプ26が駆動することにより、薬液ボトル24の薬液が洗浄槽2の貯留部14に供給される。
【0021】
薬液ボトル24に収容されている薬液は、洗浄対象を洗浄するための洗浄剤を含む。洗浄剤として、アルカリ性洗浄剤又は酵素配合洗浄剤が例示される。なお、薬液は、潤滑防錆剤及び乾燥促進剤のような機能液を含んでもよい。
【0022】
貯留部14には、給水装置4から水が供給され、薬液供給装置6から薬液が供給される。貯留部14において、水と薬液とが混合される。貯留部14において、薬液と水とを含む洗浄液が生成される。
【0023】
循環装置7は、貯留部14の洗浄液を洗浄ノズル3に供給する。循環装置7は、吸込管27と、循環ポンプ28と、吐出管29とを有する。吸込管27は、排液路22と循環ポンプ28の吸込口とを接続する。吸込管27は、貯留部14と排液弁23との間の排液路22から分岐するように配置される。吐出管29は、循環ポンプ28の吐出口と複数の支持アーム18のそれぞれとを接続する。循環ポンプ28が駆動することにより、貯留部14の洗浄液は、吸込管27、循環ポンプ28、吐出管29、及び支持アーム18を介して洗浄ノズル3に供給される。洗浄ノズル3は、貯留部14からの洗浄液を噴射する。洗浄ノズル3から噴射された洗浄液は、貯留部14に戻される。循環装置7により、洗浄液は、貯留部14、吸込管27、循環ポンプ28、吐出管29、支持アーム18、及び洗浄ノズル3を含む循環経路において循環する。
【0024】
第1ヒータ8は、貯留部14の洗浄液を加熱する。第1ヒータ8は、貯留壁2D及び底壁2Eを囲むように配置された蒸気ジャケットを含む。第1ヒータ8は、給蒸路30を介して蒸気供給源(不図示)に接続される。給蒸路30に給蒸弁31が配置される。給蒸路30を介して第1ヒータ8に蒸気が供給されることにより、貯留部14の洗浄液が加熱される。給蒸弁31の開度が調整されることにより、貯留部14の洗浄液の温度が調整される。第1ヒータに供給された蒸気の凝縮水は、ドレン排出路32を介して排出される。ドレン排出路32には、蒸気トラップ33及び逆止弁34が配置される。
【0025】
送風機9は、洗浄槽2の内部に空気を供給する。送風機9の吸込口にフィルタ35を介して外部の空気が吸い込まれる。送風機9の吐出口は、空気吐出路36に接続される。空気吐出路36は、第1給気路37を介して通路16に接続される。また、空気吐出路36は、第2給気路38を介して吐出管29に接続される。第2給気路38に給気弁39が配置される。
【0026】
第2ヒータ10は、送風機9により洗浄槽2の内部に供給される空気を加熱する。第2ヒータ10は、空気吐出路36に配置される。第2ヒータ10により加熱された空気は、第1給気路37及び第2給気路38のそれぞれに供給される。
【0027】
第2ヒータ10で加熱され、第1給気路37に供給された空気は、通路16を流れた後、開口17を介して洗浄槽2の下部に供給される。
【0028】
第2ヒータ10で加熱され、第2給気路38に供給された空気は、吐出管29を流れた後、支持アーム18を介して洗浄ノズル3に供給される。
【0029】
洗浄槽2の上部に排気路40が接続される。洗浄槽2の内部の空気は、排気路40を介して洗浄槽2の外部に排出される。
【0030】
入力装置11は、洗浄器1のユーザに操作される。入力装置11は、洗浄器1のユーザに操作されることにより入力信号を生成する。入力装置11により生成された入力信号は、制御装置13に送信される。入力装置11は、薬液ボトル24が薬液供給装置6に接続されたときに操作されるリセットボタン11Aと、洗浄コースを選択するために操作される洗浄コース選択ボタン11Bと、洗浄器1の運転を開始するために操作される運転開始ボタン11Cとを含む。入力装置11により生成される入力信号は、リセットボタン11Aにより生成されるリセット信号と、洗浄コース選択ボタン11Bにより生成される洗浄コース選択信号と、運転開始ボタン11Cにより生成される開始信号とを含む。なお、入力装置11は、ボタンでなくてもよく、例えばタッチパネルでもよい。
【0031】
出力装置12は、報知データを出力する。出力装置12は、制御装置13からの報知指令に基づいて報知データを出力する。本実施形態において、出力装置12は、表示装置12Aと、ランプ12Bと、ブザー12Cとを含む。表示装置12Aは、報知データとして表示データを表示する。ランプ12Bは、報知データとして規定の発光パターンで光を出力する。ブザー12Cは、報知データとして規定の出力パターンで音を出力する。
【0032】
制御装置13は、コンピュータシステムを含む。制御装置13は、入力装置11からの入力信号に基づいて、洗浄器1を制御する。制御装置13は、洗浄液を用いて洗浄対象を洗浄する洗浄処理を実施する。本実施形態において、洗浄器1は、洗浄対象を乾燥することができる。制御装置13は、洗浄対象を乾燥する乾燥処理を実施することができる。
【0033】
洗浄処理を実施する場合、洗浄対象が洗浄槽2に収容された後、制御装置13は、給水弁21を開いて、貯留部14に水を供給する。貯留部14に所定量の水が貯留されると、制御装置13は、給水弁21を閉じる。また、制御装置13は、薬液ポンプ26を駆動して、薬液ボトル24の薬液を貯留部14に供給する。貯留部14において水と薬液とが混合され、洗浄液が生成される。また、制御装置13は、第1ヒータ8を作動して、貯留部14の洗浄液を設定温度に加熱する。加熱された洗浄液が生成された後、制御装置13は、循環ポンプ28を駆動する。循環ポンプ28が駆動されることにより、貯留部14の洗浄液は、吐出管29及び支持アーム18を介して洗浄ノズル3に供給される。洗浄ノズル3は、薬液を含む洗浄液を洗浄対象に噴射する。これにより、洗浄対象は、洗浄ノズル3から噴射された洗浄液で洗浄される。洗浄ノズル3から噴射された洗浄液は、貯留部14に戻される。制御装置13は、洗浄ノズル3を含む循環経路において洗浄液を設定時間だけ循環した後、循環ポンプ28を停止する。これにより、洗浄処理が終了する。洗浄処理が終了した後、制御装置13は、排液弁23を開ける。これにより、使用後の洗浄液が洗浄槽2から排出される。
【0034】
なお、本実施形態において、洗浄槽2に超音波振動子41が配置される。超音波振動子41は、下壁2Cに配置される。制御装置13は、超音波振動子41を用いて、洗浄対象を超音波洗浄することができる。超音波洗浄する場合、洗浄液の表面が洗浄槽2の上部に到達するまで、洗浄槽2が洗浄液で満たされる。洗浄対象が洗浄槽2に収容され、洗浄槽2が洗浄液で満たされた後、制御装置13は、超音波振動子41を駆動する。超音波振動子41で発生した超音波は、洗浄液を介して洗浄対象に伝達される。これにより、洗浄対象が超音波洗浄される。超音波洗浄が終了した後、制御装置13は、排液弁23を開ける。これにより、使用後の洗浄液が洗浄槽2から排出される。
【0035】
乾燥処理を実施する場合、使用後の洗浄液が洗浄槽2から排出された後、制御装置13は、送風機9を駆動し、給気弁39を開放する。また、制御装置13は、第2ヒータ10を作動して、送風機9からの空気を設定温度に加熱する。第2ヒータ10により加熱された空気の少なくとも一部は、第1給気路37及び通路16を流れた後、開口17を介して洗浄槽2の下部に給される。また、第2ヒータ10により加熱された空気の少なくとも一部は、第2給気路38、吐出管29、及び支持アーム18を介して、洗浄ノズル3に供給される。洗浄ノズル3は、加熱された空気を噴射する。加熱された空気が洗浄槽2に供給されることにより、洗浄対象が乾燥される。洗浄槽2の内部の空気は、排気路40から洗浄槽2の外部に排出される。
【0036】
洗浄処理において、制御装置13は、複数の洗浄コースのそれぞれで洗浄対象を洗浄することができる。洗浄コースによって、洗浄条件が異なる。洗浄条件は、洗浄時間、洗浄パターン、及び洗浄シーケンスの少なくとも一つを含む。洗浄コースによって、洗浄に使用される薬液の量が異なる。
【0037】
<制御装置>
図2は、本実施形態に係る洗浄器1を示すブロック図である。
図2に示すように、制御装置13は、通信インタフェース42と、記憶回路43と、処理回路44とを有する。
【0038】
通信インタフェース42は、少なくとも入力装置11、出力装置12、及び薬液供給装置6のそれぞれに接続される。通信インタフェース42は、入力装置11、出力装置12、及び薬液供給装置6のそれぞれとの通信を制御する。
【0039】
記憶回路43は、処理回路44に接続される。記憶回路43は、データを記憶する。記憶回路43として、不揮発性メモリ又は揮発性メモリが例示される。不揮発性メモリとして、ROM(Read Only Memory)又はストレージが例示される。ストレージとして、ハードディスクドライブ(HDD:Hard Disk Drive)又はソリッドステートドライブ(SSD:Solid State Drive)が例示される。揮発性メモリとして、RAM(Random Access Memory)が例示される。
【0040】
処理回路44は、演算処理及び制御指令の出力処理を実施する。処理回路44として、プロセッサが例示される。プロセッサとして、CPU(Central Processing Unit)又はMPU(Micro Processing Unit)が例示される。コンピュータプログラムが記憶回路43に記憶される。処理回路44は、記憶回路43からコンピュータプログラムを取得して実行することにより、所定の機能を発揮する。
【0041】
記憶回路43は、内容量記憶部45と、使用予定量記憶部46とを有する。
【0042】
内容量記憶部45は、薬液ボトル24に収容されている薬液の量を記憶する。内容量記憶部45は、新品状態(未使用状態)の薬液ボトル24に収容されている薬液の量を記憶する。新品状態の薬液ボトル24とは、薬液メーカーによって生産され、一度も使用されていない薬液ボトル24をいう。新品状態の薬液ボトル24には、規定量Asの薬液が収容されている。新品状態の薬液ボトル24に収容されている薬液の量を示す規定量Asは、既知データである。内容量記憶部45は、新品状態の薬液ボトル24の薬液の量を示す規定量Asを記憶する。
【0043】
使用予定量記憶部46は、洗浄に使用される薬液の量を記憶する。洗浄器1は、複数の洗浄コースのそれぞれで洗浄対象を洗浄することができる。上述のように、洗浄コースによって、洗浄に使用される薬液の量が異なる。複数の洗浄コースと洗浄コースに使用される薬液の量との関係は、予め定められており、使用予定量記憶部46に記憶される。使用予定量記憶部46は、複数の洗浄コースのそれぞれで使用される薬液の量を記憶する。
【0044】
処理回路44は、入力信号取得部47と、内容量認識部48と、洗浄コース決定部49と、使用予定量決定部50と、判定部51と、報知指令部52と、開始指令部53とを有する。
【0045】
入力信号取得部47は、入力装置11により生成された入力信号を取得する。入力信号取得部47は、入力信号として、リセットボタン11Aにより生成されたリセット信号、洗浄コース選択ボタン11Bにより生成された洗浄コース選択信号、及び運転開始ボタン11Cにより生成された開始信号の少なくとも一つを取得する。
【0046】
内容量認識部48は、薬液供給装置6に接続された薬液ボトル24の薬液の量を示す内容量Acを認識する。新品状態の薬液ボトル24が薬液供給装置6に接続された場合、内容量認識部48は、内容量記憶部45の記憶データに基づいて、内容量Acを認識することができる。すなわち、内容量認識部48は、内容量記憶部45から新品状態の薬液ボトル24の薬液の量を示す規定量Asを取得することにより、内容量Acを認識することができる。
【0047】
洗浄器1のユーザは、使用状態の薬液ボトル24を新品状態の薬液ボトル24に交換する交換作業を実施する。交換作業においては、使用状態の薬液ボトル24と薬液供給装置6との接続が解除され、新品状態の薬液ボトル24が薬液供給装置6に接続される。使用状態の薬液ボトル24を新品状態の薬液ボトル24に交換した後、洗浄器1のユーザは、リセットボタン11Aを操作する。リセットボタン11Aが操作されることにより、入力信号取得部47は、リセットボタン11Aにより生成されたリセット信号を取得する。内容量認識部48は、規定量Asの薬液を収容した新品状態の薬液ボトル24が薬液供給装置6に接続されたことを示すリセットボタン11Aからのリセット信号に基づいて、内容量記憶部45から規定量Asを取得する。すなわち、内容量認識部48は、リセット信号をトリガとして、内容量記憶部45から規定量Asを取得して、内容量Acを認識する。
【0048】
本実施形態において、内容量認識部48は、規定量Asよりも予め定められている所定量Apだけ少ない量を内容量Acとして認識する。例えば、新品状態の薬液ボトル24の薬液の規定量Asが「100」であり、所定量Apが「5」である場合、内容量認識部48は、薬液ボトル24の薬液の内容量Acを「95」であると認識する。なお、内容量認識部48は、規定量Asを内容量Acであると認識してもよい。
【0049】
洗浄コース決定部49は、洗浄コース選択ボタン11Bからの洗浄コース選択信号に基づいて、洗浄対象の洗浄コースを決定する。
【0050】
使用予定量決定部50は、薬液供給装置6に接続された薬液ボトル24から洗浄槽2に供給される薬液の量を示す使用予定量Auを決定する。使用予定量決定部50は、洗浄コース決定部49により決定された洗浄コースに基づいて、使用予定量Auを決定する。使用予定量記憶部46には、複数の洗浄コースのそれぞれで使用される薬液の量が記憶されている。使用予定量決定部50は、洗浄コース決定部49により決定された洗浄コースと、使用予定量記憶部46の記憶データとに基づいて、洗浄コース決定部49により決定された洗浄コースに対応する使用予定量Auを決定することができる。
【0051】
判定部51は、使用予定量決定部50により決定された使用予定量Auが内容量認識部48により認識された内容量Acを上回るか否かを判定する。
【0052】
報知指令部52は、判定部51の判定結果に基づいて、使用予定量Auが内容量Acを上回ることを出力装置12に報知させる報知指令を出力する。すなわち、報知指令部52は、使用予定量Auが内容量Acを上回ると判定部51により判定された場合に、出力装置12に報知指令を出力する。
【0053】
図3は、本実施形態に係る薬液の規定量Asと内容量Acと使用予定量Auとの関係を示す図である。
図3に示すように、本実施形態において、内容量認識部48により認識される内容量Acは、新品状態の薬液ボトル24に収容されている薬液の量を示す規定量Asよりも予め定められている所定量Apだけ少ない。
【0054】
図3(A)に示すように、使用予定量Auが内容量Acを下回る場合、報知指令部52は、報知指令を出力しない。
図3(B)に示すように、使用予定量Auが内容量Acを上回る場合、報知指令部52は、出力装置12に報知指令を出力する。出力装置12は、使用予定量Auが内容量Acを上回ることを報知する。すなわち、出力装置12は、洗浄に必要な薬液の使用予定量Auに対して薬液ボトル24の薬液の内容量Acが不足していることを報知する。出力装置12は、使用予定量Auが内容量Acを上回ることを示す表示データを表示装置12Aに表示してもよいし、使用予定量Auが内容量Acを上回ることを示す光をランプ12Bから射出してもよいし、使用予定量Auが内容量Acを上回ることを示す音をブザー12Cから出力してもよい。
【0055】
開始指令部53は、運転開始ボタン11Cからの開始信号に基づいて、洗浄器1の運転を開始させる開始指令を出力する。洗浄器1の運転を開始する場合、洗浄器1のユーザは、運転開始ボタン11Cを操作する。運転開始ボタン11Cが操作されることにより、入力信号取得部47は、運転開始ボタン11Cにより生成された開始信号を取得する。開始指令部53は、洗浄器1の運転を開始する運転開始ボタン11Cからの開始信号に基づいて、洗浄器1の運転を開始させる開始指令を出力する。洗浄器1の運転を開始させることは、薬液供給装置6に薬液の供給を開始させることを含む。洗浄器1の運転を開始させる開始指令は、薬液供給装置6に薬液の供給を開始させる開始指令を含む。開始指令部53は、運転開始ボタン11Cからの開始信号に基づいて、薬液供給装置6に薬液の供給を開始させる開始指令を出力する。本実施形態において、薬液供給装置6に薬液の開始指令が出力されると、薬液ポンプ26の駆動が開始される。
【0056】
本実施形態において、内容量認識部48は、開始指令部53からの開始指令の出力前に、内容量Acを認識する。使用予定量決定部50は、開始指令部53からの開始指令の出力前に、使用予定量Auを決定する。判定部51は、開始指令部53からの開始指令の出力前に、使用予定量Auが内容量Acを上回るか否かを判定する。使用予定量Auが内容量Acを上回ると判定部51により判定された場合、報知指令部52は、開始指令部53からの開始指令の出力前に、報知指令を出力する。
【0057】
すなわち、使用予定量Auが内容量Acを上回ると判定部51により判定された場合、洗浄器1の運転が開始される前に、出力装置12から使用予定量Auが内容量Acを上回ることが報知される。換言すれば、運転開始ボタン11Cが操作される前に、出力装置12から使用予定量Auが内容量Acを上回ることが報知される。
【0058】
なお、報知指令部52は、開始指令部53からの開始指令の出力時に、報知指令を出力してもよい。すなわち、使用予定量Auが内容量Acを上回ると判定部51により判定された場合、洗浄器1の運転が開始される時点において、出力装置12から使用予定量Auが内容量Acを上回ることが報知されてもよい。換言すれば、運転開始ボタン11Cが操作された時点において、出力装置12から使用予定量Auが内容量Acを上回ることが報知されてもよい。
【0059】
<制御方法>
図4は、本実施形態に係る洗浄器1の制御方法を示すフローチャートである。洗浄器1のユーザは、使用状態の薬液ボトル24を新品状態の薬液ボトル24に交換した後、リセットボタン11Aを操作する。リセットボタン11Aが操作されることによりリセット信号が生成される。入力信号取得部47は、リセット信号を取得する(ステップSA1)。
【0060】
内容量認識部48は、規定量Asの薬液を収容した新品状態の薬液ボトル24が薬液供給装置6に接続されたことを示すリセットボタン11Aからのリセット信号に基づいて、内容量記憶部45から規定量Asを取得する。内容量認識部48は、規定量Asに基づいて、薬液供給装置6に接続された薬液ボトル24の薬液の量を示す内容量Acを認識する(ステップSA2)。
【0061】
洗浄器1のユーザは、洗浄コース選択ボタン11Bを操作して、洗浄コースを選択する。洗浄コース選択ボタン11Bが操作されることにより洗浄コース選択信号が生成される。入力信号取得部47は、洗浄コース選択信号を取得する(ステップSA3)。
【0062】
使用予定量決定部50は、洗浄コースを示す洗浄コース選択ボタン11Bからの洗浄コース選択ボタンと使用予定量記憶部46の記憶データと基づいて、薬液ボトル24から洗浄槽2に供給される薬液の量を示す使用予定量Auを決定する(ステップSA4)。
【0063】
判定部51は、ステップSA4において決定された使用予定量AuがステップSA2において認識された内容量Acを上回るか否かを判定する(ステップSA5)。
【0064】
ステップSA5において、使用予定量Auが内容量Acを上回ると判定された場合(ステップSA5:Yes)、報知指令部52は、使用予定量Auが内容量Acを上回ることを報知させる報知指令を出力装置12に出力する(ステップSA6)。
【0065】
出力装置12は、報知指令部52からの報知指令に基づいて、使用予定量Auが内容量Acを上回ることを報知する。
【0066】
ステップSA5において、使用予定量Auが内容量Acを下回ると判定された場合(ステップSA5:No)、報知指令部52は、報知指令を出力しない。出力装置12は作動しない。
【0067】
洗浄器1のユーザは、洗浄器1の運転を開始するために、運転開始ボタン11Cを操作する。運転開始ボタン11Cが操作されることにより開始信号が生成される。入力信号取得部47は、開始信号を取得する(ステップSA7)。
【0068】
開始指令部53は、洗浄器1の運転を開始させることを示す運転開始ボタン11Cからの開始信号に基づいて、薬液供給装置6に薬液ボトル24から洗浄槽2への薬液の供給を開始させる開始指令を出力する(ステップSA8)。
【0069】
洗浄器1の運転が開始された後、内容量認識部48は、薬液ボトル24に収容されている薬液の内容量Acを認識する。内容量認識部48は、薬液ボトル24から洗浄槽2に供給された薬液の量を示す使用量Arを監視する。使用量Arは、洗浄のために実際に使用された薬液の量である。内容量認識部48は、例えば規定量Asから使用量Arを減ずることにより、洗浄器1の運転が開始された後において、内容量Acを認識することができる(ステップSA9)。
【0070】
判定部51は、洗浄器1の運転を終了するか否かを判定する(ステップSA10)。
【0071】
ステップSA10において、洗浄器1の運転を終了しないと判定した場合(ステップSA10:No)、判定部51は、ステップSA9に戻る。判定部51は、洗浄器1の運転を終了すると判定するまで、ステップSA9及びステップSA10の処理を繰り返す。内容量認識部48は、薬液ボトル24の薬液の内容量Ac(残量)を認識し続けることができる。
【0072】
ステップSA10において、洗浄器1の運転を終了すると判定された場合(ステップSA10:Yes)、洗浄器1の運転が終了する。
【0073】
薬液供給装置6は、開始指令部53からの開始指令に基づいて、薬液ボトル24の薬液を洗浄槽2に供給する。また、洗浄器1は、開始指令部53からの開始指令に基づいて、運転を開始する。洗浄器1の運転が開始されることは、洗浄処理が開始されることを含む。本実施形態において、洗浄器1の運転が開始されることは、薬液ポンプ26の駆動が開始され、給水弁21が開き、循環ポンプ28の駆動が開始されることを含む。
【0074】
使用予定量Auが内容量Acを下回っている場合、薬液供給装置6は、ステップSA4において決定された使用予定量Auの薬液を薬液ボトル24から洗浄槽2に供給することができる。
【0075】
使用予定量Auが内容量Acを上回っている場合、洗浄器1のユーザは、ステップSA6において出力装置12から出力された報知データに基づいて、ステップSA3において選択された洗浄コースの洗浄に必要な薬液の量が薬液ボトル24に収容されている薬液の量に対して不足していることを認識することができる。洗浄に必要な薬液の使用予定量Auに対して薬液ボトル24の薬液の内容量Acが不足していることを認識した場合、洗浄器1のユーザは、洗浄対象を洗浄するために適切な処置を講ずることができる。例えば、洗浄器1のユーザは、ステップSA4において決定された使用予定量Auの薬液を洗浄槽2に供給できるように、薬液ボトル24の薬液の残量を監視することができる。例えば、洗浄器1のユーザは、薬液ボトル24の薬液が少なくなったら新品状態の薬液ボトル24に直ちに交換できるように、薬液ボトル24の薬液の残量を監視することができる。
【0076】
<効果>
以上説明したように、本実施形態に係る洗浄器1は、洗浄対象が収容される洗浄槽2と、薬液ボトル24の薬液を洗浄槽2に供給する薬液供給装置6と、入力装置11と、制御装置13と、を備える。制御装置13は、入力装置11からの開始信号に基づいて、薬液供給装置6に薬液の供給を開始させる開始指令を出力する開始指令部53と、開始指令の出力前に、薬液ボトル24の薬液の量を示す内容量Acを認識する内容量認識部48と、開始指令の出力前に、薬液ボトル24から洗浄槽2に供給される薬液の量を示す使用予定量Auを決定する使用予定量決定部50と、使用予定量Auが内容量Acを上回るか否かを判定する判定部51と、を備える。これにより、洗浄器1の制御装置13は、薬液ボトル24に適量の薬液が収容されているか否かを認識することができる。制御装置13は、洗浄に必要な薬液の使用予定量Auが薬液ボトル24に収容されている薬液の内容量Acを上回ると判定した場合、薬液ボトル24の薬液は不足していると判定することができる。制御装置13は、洗浄に必要な薬液の使用予定量Auが薬液ボトル24に収容されている薬液の内容量Acを下回ると判定した場合、薬液ボトル24の薬液は充足していると判定することができる。
【0077】
洗浄器1は、出力装置12を備える。制御装置13は、判定部51の判定結果に基づいて、使用予定量Auが内容量Acを上回ることを出力装置12に報知させる報知指令を出力する報知指令部52を有する。これにより、洗浄器1のユーザは、出力装置12から出力された報知に基づいて、使用予定量Auが内容量Acを上回ることを認識することができる。
【0078】
報知指令部52は、開始指令部53からの開始指令の出力前又は開始指令の出力時に、報知指令を出力する。これにより、洗浄器1のユーザは、洗浄器1の運転開始前又は運転開始時に、薬液ボトル24の薬液が不足していることを認識することができる。
【0079】
新品状態の薬液ボトル24には薬液が規定量Asで収容される。制御装置13は、規定量Asを記憶する内容量記憶部45を備える。内容量認識部48は、内容量記憶部45から規定量Asを取得して、内容量Acを認識することができる。
【0080】
実施形態において、薬液ボトル24に収容されている薬液の全部が使用されず、所定量Apだけ残される。例えば薬液ボトル24の薬液の量がフロートスイッチにより検出される場合、薬液が全部無くなるまでフロートスイッチが薬液の量を検出し続けることが困難な場合がある。また、給液路25の下端部が薬液ボトル24の底面に接触してしまうと、薬液ポンプ26が薬液を吸引することが困難になる場合があるため、給液路25の下端部は、薬液ボトル24の底面よりも上方に配置される場合が多い。給液路25の下端部が薬液ボトル24の底面よりも上方に配置されると、薬液が全部無くなるまで薬液ボトル24を使用し続けることが困難となる。このような原因により、薬液ボトル24に収容されている薬液の全部が使用されず、所定量Apだけ残される。また、薬液ボトル24の内部に所定量Apだけ薬液を残さないと、薬液供給装置6の薬液ポンプ26が空気を吸い込んでしまう可能性がある。このような実情により、薬液ボトル24に収容されている薬液の全部が使用されず、所定量Apだけ残される。内容量認識部48は、規定量Asよりも所定量Apだけ少ない量を内容量Acとして認識する必要がある。
【0081】
内容量認識部48は、規定量Asの薬液を収容した新品状態の薬液ボトル24が薬液供給装置6に接続されたことを示す入力装置11のリセットボタン11Aからのリセット信号に基づいて、内容量記憶部45から規定量Asを取得する。内容量認識部48は、リセット信号に基づいて、使用状態の薬液ボトル24が新品状態の薬液ボトル24に交換されたことを認識することができる。
【0082】
[第2実施形態]
第2実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その構成要素の説明を簡略又は省略する。
【0083】
図5は、本実施形態に係る洗浄器1を示すブロック図である。本実施形態において、入力装置11は、洗浄器1の運転を予約するために操作される運転予約ボタン11Dと、薬液供給装置6に接続される薬液ボトル24に収容されている薬液の内容量Acを入力するために操作される内容量入力ボタン11Eとを含む。入力装置11により生成される入力信号は、運転予約ボタン11Dにより生成される予約信号と、内容量入力ボタン11Eにより生成される教示信号とを含む。なお、入力装置11は、ボタンでなくてもよく、例えばタッチパネルでもよい。
【0084】
本実施形態において、使用状態の薬液ボトル24は、新品状態の薬液ボトル24に交換されない。使用状態の薬液ボトル24に薬液が補充される。洗浄器1のユーザは、補充した薬液の量を入力するために内容量入力ボタン11Eを操作する。内容量入力ボタン11Eにより生成される教示信号は、薬液供給装置6に接続される薬液ボトル24に収容されている薬液の内容量Acを示す。教示信号は、入力信号取得部47により取得される。内容量認識部48は、内容量入力ボタン11Eからの教示信号に基づいて、内容量Acを認識する。
【0085】
運転予約ボタン11Dは、現在の洗浄器1の運転中に、次回の運転の予約のために操作される。運転予約ボタン11Dが操作されることにより生成された予約信号は、入力信号取得部47により取得される。入力信号取得部47に予約信号が取得されている場合、現在の洗浄器1の運転が終了すると、次の洗浄器1の運転が自動的に開始される。なお、次回の運転の開始時刻が設定されている場合、現在の洗浄器1の運転が終了した後、設定された開始時刻に次の洗浄器1の運転が開始されてもよい。
【0086】
図6は、本実施形態に係る洗浄器1の制御方法を示すフローチャートである。
図6は、現在の洗浄器1の運転が実施されているときの制御方法を示す。
【0087】
現在の洗浄器1の運転中に、洗浄器1のユーザは、薬液ボトル24に薬液を補充する。洗浄器1のユーザは、補充した薬液の量を入力するために内容量入力ボタン11Eを操作する。内容量入力ボタン11Eが操作されることにより教示信号が生成される。教示信号は、薬液供給装置6に接続される薬液ボトル24に収容されている薬液の内容量Acを示す。入力信号取得部47は、教示信号を取得する(ステップSB1)。
【0088】
内容量認識部48は、内容量Acを示す内容量入力ボタン11Eからの教示信号に基づいて、薬液供給装置6に接続された薬液ボトル24の薬液の量を示す内容量Acを認識する(ステップSB2)。
【0089】
洗浄器1のユーザは、洗浄コース選択ボタン11Bを操作して、次回の洗浄器1の運転における洗浄コースを選択する。洗浄コース選択ボタン11Bが操作されることにより洗浄コース選択信号が生成される。入力信号取得部47は、洗浄コース選択信号を取得する(ステップSB3)。
【0090】
使用予定量決定部50は、洗浄コースを示す洗浄コース選択ボタン11Bからの洗浄コース選択ボタンと使用予定量記憶部46の記憶データと基づいて、次回の洗浄器1の運転において薬液ボトル24から洗浄槽2に供給される薬液の量を示す使用予定量Auを決定する(ステップSB4)。
【0091】
洗浄器1のユーザは、運転予約ボタン11Dを操作して、次回の洗浄器1の運転を予約する。運転予約ボタン11Dが操作されることにより予約信号が生成される。入力信号取得部47は、予約信号を取得する(ステップSB5)。
【0092】
判定部51は、ステップSB4において決定された使用予定量AuがステップSB2において認識された内容量Acを上回るか否かを判定する(ステップSB6)。
【0093】
ステップSB6において、次回の洗浄器1の運転において使用予定量Auが内容量Acを上回ると判定された場合(ステップSB6:Yes)、報知指令部52は、使用予定量Auが内容量Acを上回ることを報知させる報知指令を出力装置12に出力する(ステップSB7)。
【0094】
出力装置12は、報知指令部52からの報知指令に基づいて、次回の洗浄器1の運転において使用予定量Auが内容量Acを上回ることを報知する。
【0095】
ステップSB6において、次回の洗浄器1の運転において使用予定量Auが内容量Acを下回ると判定された場合(ステップSB6:No)、報知指令部52は、報知指令を出力しない。出力装置12は作動しない。
【0096】
判定部51は、現在の洗浄器1の運転が終了したか否かを判定する(ステップSB8)。
【0097】
ステップSB8において、現在の洗浄器1の運転が終了していないと判定した場合(ステップSB8:No)、判定部51は、ステップSB8に戻る。判定部51は、現在の洗浄器1の運転が終了したと判定するまで、ステップSB8の処理を繰り返す。
【0098】
ステップSB8において、現在の洗浄器1の運転が終了したと判定した場合(ステップSB8:Yes)、開始指令部53は、ステップSB5において取得されている予約信号に基づいて、次の洗浄器1の洗浄のために、薬液供給装置6に薬液ボトル24から洗浄槽2への薬液の供給を開始させる開始指令を出力する(ステップSB9)。
【0099】
薬液供給装置6は、開始指令部53からの開始指令に基づいて、薬液ボトル24の薬液を洗浄槽2に供給する。また、洗浄器1は、開始指令部53からの開始指令に基づいて、次の運転を開始する。
【0100】
使用予定量Auが内容量Acを下回っている場合、薬液供給装置6は、ステップSB4において決定された使用予定量Auの薬液を薬液ボトル24から洗浄槽2に供給することができる。
【0101】
使用予定量Auが内容量Acを上回っている場合、洗浄器1のユーザは、ステップSB6において出力装置12から出力された報知に基づいて、ステップSB3において選択された洗浄コースの洗浄に必要な薬液の量が薬液ボトル24に収容されている薬液の量に対して不足していることを認識することができる。洗浄に必要な薬液の使用予定量Auに対して薬液ボトル24の薬液の内容量Acが不足していることを認識した場合、洗浄器1のユーザは、洗浄対象を洗浄するために適切な処置を講ずることができる。例えば、洗浄器1のユーザは、ステップSB4において決定された使用予定量Auの薬液を洗浄槽2に供給できるように、薬液ボトル24の薬液の残量を監視することができる。例えば、洗浄器1のユーザは、薬液ボトル24の薬液が少なくなったら薬液ボトル24に薬液を直ちに補充できるように、薬液ボトル24の薬液の残量を監視することができる。
【0102】
なお、上述の第1実施形態及び第2実施形態において、洗浄器1は、洗浄ノズル3を有しなくてもよい。
【符号の説明】
【0103】
1…洗浄器、2…洗浄槽、2A…上壁、2B…側壁、2C…下壁、2D…貯留壁、2E…底壁、3…洗浄ノズル、4…給水装置、5…排出装置、6…薬液供給装置、7…循環装置、8…第1ヒータ、9…送風機、10…第2ヒータ、11…入力装置、11A…リセットボタン、11B…洗浄コース選択ボタン、11C…運転開始ボタン、11D…運転予約ボタン、11E…内容量入力ボタン、12…出力装置、12A…表示装置、12B…ランプ、12C…ブザー、13…制御装置、14…貯留部、15…ジャケット、16…通路、17…開口、18…支持アーム、19…給水路、20…逆止弁、21…給水弁、22…排液路、23…排液弁、24…薬液ボトル、25…給液路、26…薬液ポンプ、27…吸込管、28…循環ポンプ、29…吐出管、30…給蒸路、31…給蒸弁、32…ドレン排出路、33…蒸気トラップ、34…逆止弁、35…フィルタ、36…空気吐出路、37…第1給気路、38…第2給気路、39…給気弁、40…排気路、41…超音波振動子、42…通信インタフェース、43…記憶回路、44…処理回路、45…内容量記憶部、46…使用予定量記憶部、47…入力信号取得部、48…内容量認識部、49…洗浄コース決定部、50…使用予定量決定部、51…判定部、52…報知指令部、53…開始指令部、Ac…内容量、Ap…所定量、As…規定量、Au…使用予定量。