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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022170559
(43)【公開日】2022-11-10
(54)【発明の名称】ユーザ装置及び通信制御方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 48/10 20090101AFI20221102BHJP
   H04W 36/08 20090101ALI20221102BHJP
   H04W 24/10 20090101ALI20221102BHJP
【FI】
H04W48/10
H04W36/08
H04W24/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021076759
(22)【出願日】2021-04-28
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.3GPP
(71)【出願人】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】110003247
【氏名又は名称】弁理士法人小澤知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】曽我部 治彦
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 秀明
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA21
5K067DD11
5K067DD43
5K067EE02
5K067EE10
5K067EE24
5K067FF02
5K067HH22
5K067JJ39
(57)【要約】
【課題】ハンドオーバー失敗を抑制できるユーザ装置(100)及び通信制御方法を提供する。
【解決手段】本開示の一態様に係るユーザ装置(100)は、通信能力が限定されたユーザ装置(100)であって、前記ユーザ装置(100)が基地局(200、201)のセルと通信中において、前記セルと異なる隣接セルを管理する隣接基地局(200、202、203)から、前記隣接セルにおいて前記ユーザ装置(100)が通信可能か否かを判定するためのメッセージを受信する通信部(120)と、前記メッセージに基づいて、前記隣接セルに対する無線品質の測定結果を前記基地局(200、201)に報告するか否かを判定する制御部(130)と、を備える。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信能力が限定されたユーザ装置(100)であって、
前記ユーザ装置(100)が基地局(200、201)のセルと通信中において、前記セルと異なる隣接セルを管理する隣接基地局(200、202、203)から、前記隣接セルにおいて前記ユーザ装置(100)が通信可能か否かを判定するためのメッセージを受信する通信部(120)と、
前記メッセージに基づいて、前記隣接セルに対する無線品質の測定結果を前記基地局(200、201)に報告するか否かを判定する制御部(130)と、を備える
ユーザ装置。
【請求項2】
前記制御部(130)は、前記隣接セルにおいて前記ユーザ装置(100)が通信不能であることを示す情報を前記メッセージが含む場合、前記隣接セルの前記測定結果を報告しないと判定する
請求項1に記載のユーザ装置。
【請求項3】
前記制御部(130)は、前記隣接セルにおいて前記ユーザ装置(100)が通信可能であることを示す情報を前記メッセージが含む場合、前記隣接セルの前記測定結果を報告すると判定する
請求項1に記載のユーザ装置。
【請求項4】
前記ユーザ装置(100)は、単一の受信ブランチを有し、
前記制御部(130)は、前記通信能力が限定された能力限定ユーザ装置(100)のうち単一の受信ブランチを有するユーザ装置(100)を前記隣接セルにおいて受け入れ可能であることを示す情報を前記メッセージが含まない場合、前記メッセージが前記隣接セルにおいて前記ユーザ装置(100)が通信可能であることを示す情報を含んでいても、前記隣接セルの前記測定結果を報告しないと判定する
請求項3に記載のユーザ装置。
【請求項5】
前記ユーザ装置(100)は、2つの受信ブランチを有し、
前記制御部(130)は、前記通信能力が限定された能力限定ユーザ装置(100)のうち2つの受信ブランチを有するユーザ装置(100)を前記隣接セルにおいて受け入れ可能であることを示す情報を前記メッセージが含まない場合、前記メッセージが前記隣接セルにおいて前記ユーザ装置(100)が通信可能であることを示す情報を含んでいても、前記隣接セルの前記測定結果を報告しないと判定する
請求項3に記載のユーザ装置。
【請求項6】
通信能力が限定されたユーザ装置(100)で実行される通信制御方法であって、
前記ユーザ装置(100)が基地局(200、201)のセルと通信中において、前記セルと異なる隣接セルを管理する隣接基地局(200、202、203)から、前記隣接セルにおいて前記ユーザ装置(100)が通信可能か否かを判定するためのメッセージを受信するステップと、
前記メッセージに基づいて、前記隣接セルに対する無線品質の測定結果を前記基地局(200、201)に報告するか否かを判定するステップと、を備える
通信制御方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動通信システムで用いるユーザ装置及び通信制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、移動通信システムの標準化プロジェクトである3GPPにおいて、通常のユーザ装置よりも通信能力が限定された能力限定ユーザ装置(いわゆる、RedCap UE)を5Gシステムで提供することが検討されている(例えば、非特許文献1参照)。このような能力限定ユーザ装置は、例えば、通信に使用する最大帯域幅が制限されていたり、受信ブランチの数が制限されていたりする。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】3GPP寄書「R2-210918」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
基地局にとって、能力限定ユーザ装置との通信は、通常のユーザ装置との通信と異なる制御が必要になるため、能力限定ユーザ装置と通信できない基地局が存在することがある。
【0005】
ここで、能力限定ユーザ装置が、基地局と能力限定ユーザ装置との間でRRC接続が確立されているRRCコネクティッド状態にある場合に、例えば、能力限定ユーザ装置の移動により、基地局が管理するセルから隣接基地局が管理する隣接セルへハンドオーバーすることを想定する。
【0006】
隣接基地局が、能力限定ユーザ装置との通信をサポートしていない場合、能力限定ユーザ装置が隣接セルへのハンドオーバーに失敗し、能力限定ユーザ装置の通信が中断されるという問題がある。
【0007】
そこで、ハンドオーバー失敗を抑制できるユーザ装置及び通信制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一態様に係るユーザ装置は、通信能力が限定されたユーザ装置であって、前記ユーザ装置が基地局のセルと通信中において、前記セルと異なる隣接セルを管理する隣接基地局から、前記隣接セルにおいて前記ユーザ装置が通信可能か否かを判定するためのメッセージを受信する通信部と、前記メッセージに基づいて、前記隣接セルに対する無線品質の測定結果を前記基地局に報告するか否かを判定する制御部と、を備える。
【0009】
本開示の一態様に係る通信制御方法は、通信能力が限定されたユーザ装置で実行される通信制御方法であって、前記ユーザ装置が基地局のセルと通信中において、前記セルと異なる隣接セルを管理する隣接基地局から、前記隣接セルにおいて前記ユーザ装置が通信可能か否かを判定するためのメッセージを受信するステップと、前記メッセージに基づいて、前記隣接セルに対する無線品質の測定結果を前記基地局に報告するか否かを判定するステップと、を備える。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一態様によれば、ハンドオーバー失敗を抑制できるユーザ装置及び通信制御方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本開示の実施形態に係るシステムの概略的な構成の一例を示す説明図である。
図2】本開示の実施形態に係るシステムのプロトコルスタックの構成例を示す図である。
図3】本開示の実施形態に係るUEの構成例を示す図である。
図4】本開示の実施形態に係るBSの構成例を示す図である。
図5】本開示の実施形態の移動通信システムの動作例1を示す図である。
図6】本開示の実施形態に係るメッセージに含まれる情報の一例を示す図である。
図7】本開示の実施形態の移動通信システムの動作例1のUEの動作例を示す図である。
図8】本開示の実施形態の移動通信システムの動作例2を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付の図面を参照して本開示の実施形態を詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、同様に説明されることが可能な要素については、同一又は類似の符号を付することにより重複説明が省略され得る。
【0013】
(1)システムの構成
(1.1)システム概要
図1を参照して、本開示の実施形態に係るシステム1の構成の例を説明する。システム1は、例えば、移動通信システムの標準化プロジェクトである3GPPの技術仕様(Technical Specification:TS)に準拠した移動通信システムである。以下において、システム1として、3GPP規格の第5世代システム(5th Generation System:5GS)、すなわち、NR(New Radio)に基づく移動通信システムを例に挙げて説明する。なお、システム1は、この例に限定されない。システム1は、LTE(Long Term Evolution)又は3GPP規格の他の世代システム(例えば、第6世代)のいずれかのTSに準拠したシステムであってよい。システム1は、3GPP規格以外の規格のTSに準拠したシステムであってよい。
【0014】
図1に示すように、システム1は、5Gの無線アクセスネットワーク(いわゆる、Next Generation Radio Access Network:NG-RAN)20と、5Gのコアネットワーク(5G Core Network:5GC)30と、ユーザ装置(User Equipment:UE)100と、を含む。
【0015】
NG-RAN20は、無線アクセスネットワークのノードである基地局(Base Station:BS)200を含む。BS200は、UE100との無線通信を行う無線通信装置である。BS200は、1又は複数のセルを管理する。BS200は、自セルとの無線リソース制御(RRC)レイヤにおける接続を確立したUE100との無線通信を行う。基地局200は、無線リソース管理(RRM)機能、ユーザデータ(以下、単に「データ」という)のルーティング機能、モビリティ制御・スケジューリングのための測定制御機能等を有する。「セル」は、無線通信エリアの最小単位を示す用語として用いられる。「セル」は、UE100との無線通信を行う機能又はリソースを示す用語としても用いられる。1つのセルは1つのキャリア周波数に属する。図1において、BS201がセルC1を管理し、BS202がセルC2を管理する一例を示している。UE100は、セルC1及びセルC2の重複領域に位置している。
【0016】
BS200は、例えば、RANのプロトコルスタックを使用してUE100と通信する。プロトコルスタックは、例えば、RRC(Radio Resource Control)レイヤ、SDAP(Service Data Adaptation Protocol)レイヤ、PDCP(Packet Data Convergence Protocol)レイヤ、RLC(Radio Link Control)レイヤ、MAC(Medium Access Control)レイヤ及び物理(Physical:PHY)レイヤを含む。但し、LTEの場合、SDAPレイヤが存在しなくてよい。
【0017】
BS200は、例えば、UE100へ向けたNRユーザプレーン及び制御プレーンプロトコル終端を提供し、NGインターフェイスを介して5GC30に接続されるgNBである。なお、BS200は、例えばLTEにおいてUE100へ向けたE-UTRAユーザプレーン及び制御プレーンプロトコル終端を提供するeNBであってよい。
【0018】
BS200は、複数のユニットを含んでもよい。複数のユニットは、プロトコルスタックに含まれる上位レイヤ(higher layer)をホストする第1のユニットと、プロトコルスタックに含まれる下位レイヤ(lower layer)をホストする第2のユニットとを含んでよい。上位レイヤは、RRCレイヤ、SDAPレイヤ及びPDCPレイヤを含んでよく、下位レイヤは、RLCレイヤ、MACレイヤ及びPHYレイヤを含んでよい。第1のユニットは、CU(central unit)であってよく、第2のユニットは、DU(Distributed Unit)であってよい。複数のユニットは、PHYレイヤの下位の処理を行う第3のユニットを含んでよい。第2のユニットは、PHYレイヤの上位の処理を行ってよい。第3のユニットは、RU(Radio Unit)であってよい。BS200は、複数のユニットのうちの1つであってよく、複数のユニットのうちの他のユニットと接続されていてよい。また、BS200は、IAB(Integrated Access and Backhaul)ドナー又はIABノードであってよい。
【0019】
5GC30は、コアネットワーク装置300を含む。コアネットワーク装置300は、制御プレーンに対応した装置であって、UE100に対する各種モビリティ管理を行う装置であってよい。コアネットワーク装置300は、NAS(Non-Access Stratum)シグナリングを用いてUE100と通信し、UE100が在圏するトラッキングエリアの情報を管理する。コアネットワーク装置300は、UE100に対して着信を通知するために、基地局200を通じてページングを行う。コアネットワーク装置300は、5G/NRのAMF(Access and Mobility Management Function)、又は4G/LTEのMME(Mobility Management Entity)であってもよい。
【0020】
コアネットワーク装置300は、ユーザプレーンに対応した装置であって、UE100のデータの転送制御を行う装置である。コアネットワーク装置300は、5G/NRのUPF(User Plane Function)、又は4G/LTEのS-GW(Serving Gateway)であってもよい。
【0021】
コアネットワーク装置300は、例えば、AMF及び/又はUPFを含んでよい。コアネットワーク装置300は、NGインターフェイスを介してBS200と接続される。
【0022】
UE100は、BS200のカバレッジエリア内に位置する場合に、BS200と通信できる。UE100は、上述のプロトコルスタックを使用してBS200と通信できる。
【0023】
UE100は、ユーザにより利用される装置であればよい。UE100は、例えば、スマートフォンなどの携帯電話端末、タブレット端末、ノートPC、通信モジュール、又は通信カードなどの移動可能な無線通信装置である。また、UE100は、車両(例えば、車、電車など)又は車両に設けられる装置であってよい。UE100は、車両以外の輸送機体(例えば、船、飛行機など)又は車両以外の輸送機体に設けられる装置であってよい。また、UE100は、センサ又はセンサに設けられる装置であってよい。なお、UE100は、移動局、移動端末、移動装置、移動ユニット、加入者局、加入者端末、加入者装置、加入者ユニット、ワイヤレス局、ワイヤレス端末、ワイヤレス装置、ワイヤレスユニット、リモート局、リモート端末、リモート装置、又はリモートユニット等の別の名称で呼ばれてもよい。
【0024】
UE100は、通常のUE(一般UE)よりも通信能力が限定された能力限定ユーザ装置(いわゆる、RedCap UE)である。従って、RedCap UEは、一般UEよりも低減された通信能力を有する。RedCap UEは、IoT向けにミドルレンジの性能・価格を有してよい。なお、一般UEは、NRのUEであり、例えば、NRの特徴である高度な通信能力を有する。具体的には、一般UEは、例えば、高速大容量(enhanced Mobile Broadband:eMBB)及び超高信頼低遅延(Ultra-Reliable and Low Latency Communications:URLLC)を満たすUEである。
【0025】
RedCap UEは、例えば、Rel-15又はRel-16の高性能の高速大容量及び超高信頼低遅延を満たす一般UEと比較して、装置コスト及び複雑さが低減されたUEであってよい。RedCap UEは、LPWA (Low Power Wide Area)規格(例えば、LTE Cat.1/1bis、LTECat.M1(LTE-M)、LTECat.NB1(NB-IoT))で規定されている通信速度以上の通信速度で通信可能であってよい。
【0026】
RedCap UEは、LPWA規格で規定されている帯域幅以上の帯域幅で通信可能であってよい。RedCap UEは、Rel-15又はRel-16のUEと比較して、通信に用いる帯域幅が限定されていてよい。FR1(Frequency Range 1)では、例えば、RedCap UEの最大帯域幅は、20MHzであってよい。FR2(Frequency Range 2)では、例えば、RedCap UEの最大帯域幅は、100MHzであってよい。
【0027】
RedCap UEは、無線信号を受信するための受信チェイン(Rxチェイン)を1つのみ有していてよいし、2つのみ有していてもよい。また、通常のUE(いわゆる、レガシーNR UE)が最低2つの受信アンテナポート(Rxアンテナポート)を備える必要がある周波数帯域において、RedCap UEは、単一の受信ブランチ(Rxブランチ)を用いた通信がサポートされてよい。当該周波数帯域において、RedCap UEは、2つの受信ブランチを用いた通信がサポートされてもよい。
【0028】
また、通常のUEが最低4つの受信アンテナポートを備える必要がある周波数帯域において、RedCap UEは、単一の受信ブランチを用いた通信がサポートされてよい。当該周波数帯域において、RedCap UEは、2つの受信ブランチを用いた通信がサポートされてもよい。
【0029】
RedCap UEが、単一の受信ブランチを有する場合、DL MIMOレイヤの最大数は、1つであってよい。RedCap UEが、2つの受信ブランチを有する場合、DL MIMOレイヤの最大数は、2つであってよい。
【0030】
RedCap UEは、例えば、産業用ワイヤレスセンサー、ビデオ監視装置、又はウェアラブル装置であってよい。なお、RedCap UEは、Reduced capability NR deviceと称されてもよい。
【0031】
(1.2)プロトコルスタックの構成例
図2を参照して、移動通信システム1のプロトコルスタックの構成例について説明する。図2に示すように、UE100と基地局200との間の無線区間のプロトコルは、物理(PHY)レイヤと、MAC(Medium Access Control)レイヤと、RLC(Radio Link Control)レイヤと、PDCP(Packet Data Convergence Protocol)レイヤと、RRC(Radio Resource Control)レイヤとを有する。
【0032】
PHYレイヤは、符号化・復号、変調・復調、アンテナマッピング・デマッピング、及びリソースマッピング・デマッピングを行う。UE100のPHYレイヤと基地局200のPHYレイヤとの間では、物理チャネルを介してデータ及び制御情報が伝送される。
【0033】
MACレイヤは、データの優先制御、ハイブリッドARQ(HARQ)による再送処理、及びランダムアクセスプロシージャ等を行う。UE100のMACレイヤと基地局200のMACレイヤとの間では、トランスポートチャネルを介してデータ及び制御情報が伝送される。基地局200のMACレイヤはスケジューラを含む。スケジューラは、上下リンクのトランスポートフォーマット(トランスポートブロックサイズ、変調・符号化方式(MCS))及びUE100への割当リソースを決定する。
【0034】
RLCレイヤは、MACレイヤ及びPHYレイヤの機能を利用してデータを受信側のRLCレイヤに伝送する。UE100のRLCレイヤと基地局200のRLCレイヤとの間では、論理チャネルを介してデータ及び制御情報が伝送される。
【0035】
PDCPレイヤは、ヘッダ圧縮・伸張、及び暗号化・復号化を行う。
【0036】
PDCPレイヤの上位レイヤとしてSDAP(Service Data Adaptation Protocol)レイヤが設けられていてもよい。SDAP(Service Data Adaptation Protocol)レイヤは、コアネットワークがQoS制御を行う単位であるIPフローとAS(Access Stratum)がQoS制御を行う単位である無線ベアラとのマッピングを行う。
【0037】
RRCレイヤは、無線ベアラの確立、再確立及び解放に応じて、論理チャネル、トランスポートチャネル、及び物理チャネルを制御する。UE100のRRCレイヤと基地局200のRRCレイヤとの間では、各種設定のためのRRCシグナリングが伝送される。UE100のRRCと基地局200のRRCとの間にRRC接続がある(すなわち、RRC接続が確立されている)場合、UE100はRRCコネクティッド状態にある。UE100のRRCと基地局200のRRCとの間にRRC接続がない(すなわち、RRC接続が確立されていない)場合、UE100はRRCアイドル状態にある。UE100のRRCと基地局200のRRCとの間のRRC接続がサスペンドされている場合、UE100はRRCインアクティブ状態にある。
【0038】
RRCレイヤの上位に位置するNASレイヤは、UE100のセッション管理及びモビリティ管理を行う。UE100のNASレイヤとコアネットワーク装置300のNASレイヤとの間では、NASシグナリングが伝送される。
【0039】
なお、UE100は、無線インターフェイスのプロトコル以外にアプリケーションレイヤ等を有する。
【0040】
(1.3)UEの構成
図3を参照して、UE100の構成例について説明する。図3に示すように、UE100は、通信部120と、制御部130とを有する。
【0041】
通信部120は、信号を送受信することによって他の通信装置との通信を行う。通信部120は、例えば、BS200からの無線信号を受信し、BS200への無線信号を送信する。また、通信部120は、例えば、他のUEからの無線信号を受信し、他のUEへの無線信号を送信してよい。
【0042】
通信部120は、受信部121と送信部122とを有する。受信部121は、アンテナが受信する無線信号をベースバンド信号である受信信号に変換し、受信信号に対する信号処理を行ったうえで制御部130に出力する。送信部122は、制御部130が出力するベースバンド信号である送信信号に対する信号処理を行ったうえで無線信号に変換し、無線信号をアンテナから送信する。
【0043】
受信部121は、1つ又は複数の受信チェイン(すなわち、Rxチェイン)を含む。受信チェインは、受信アンテナポート(すなわち、Rxアンテナポート)及び受信回路を含む。受信チェインは、受信機を構成するものであってよく、受信機と称されてもよい。受信チェインは、受信機の一部を構成するものであってもよい。また、受信チェインは、1つ又は複数の受信ブランチ(Rxブランチ)を含んでよい。受信ブランチは、少なくとも受信アンテナポートを含んでよい。受信アンテナポートは、1本又は複数の物理アンテナから構成される、論理的な受信用のアンテナである。
【0044】
送信部122は、1つ又は複数の送信チェイン(すなわち、Txチェイン)を含む。送信チェインは、送信アンテナポート(すなわち、Txアンテナポート)及び送信回路を含む。送信チェインは、送信機を構成するものであってよく、送信機と称されてもよい。送信チェインは、送信機の一部を構成するものであってもよい。また、送信チェインは、1つ又は複数の送信ブランチ(Txブランチ)を含んでよい。送信ブランチは、少なくとも送信アンテナポートを含んでよい。送信アンテナポートは、1本又は複数の物理アンテナから構成される、論理的な送信用のアンテナである。
【0045】
なお、受信機と送信機とは、1つの送受信機により構成されてよい。また、アンテナは、受信と送信とで兼用されてよい。
【0046】
制御部130は、UE100における各種の制御を行う。制御部130は、例えば、通信部120を介したBS200又は他のUE100との通信を制御する。後述のUE100の動作は、制御部130の制御による動作であってよい。
【0047】
制御部130は、プログラムを実行可能な1つ以上のプロセッサ及びプログラムを記憶するメモリを含んでよい。1つ以上のプロセッサは、プログラムを実行して、制御部130の動作を行ってもよい。プログラムは、制御部130の動作をプロセッサに実行させるためのプログラムであってもよい。
【0048】
プロセッサは、アンテナ及びRF回路を介して送受信される信号のデジタル処理を行う。当該デジタル処理は、RANのプロトコルスタックの処理を含む。プロセッサは、単一のプロセッサであってよい。プロセッサは、複数のプロセッサを含んでもよい。当該複数のプロセッサは、デジタル処理を行うベースバンドプロセッサと、他の処理を行う1つ以上のプロセッサとを含んでもよい。メモリは、プロセッサにより実行されるプログラム、当該プログラムに関するパラメータ、及び、当該プログラムに関するデータを記憶する。メモリは、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及びフラッシュメモリの少なくとも1つを含んでよい。メモリの全部又は一部は、プロセッサ内に含まれていてよい。
【0049】
このように構成されたUE100は、通信能力が限定されたRedCap UEである。通信部120は、UE100がBS200のセルと通信中において、隣接セルを管理する隣接基地局から、隣接セルにおいてユーザ装置が通信可能か否かを判定するためのメッセージを受信する。なお、隣接セルは、UE100が通信中のセルと異なるセルである。また、UE100がセルとの通信中である場合、UE100は、当該セルにおいて、RRCコネクティッド状態であってよいし、RRCアイドル状態又はRRCインアクティブ状態であってよい。
【0050】
制御部130は、メッセージに基づいて、隣接セルに対する無線品質の測定結果をBS200に報告するか否かを判定する。これにより、BS200は、UE100が、メッセージに基づいて報告するか否かを判定した測定結果に基づいて、UE100のハンドオーバー先の候補セルを決定できる。これにより、BS200は、ハンドオーバー先の候補セルを適切に決定することができる。その結果、UE100のハンドオーバー失敗を抑制できる。
【0051】
また、UE100は、隣接セルの測定結果を報告しないと判定した場合、測定結果の報告量を低減できるため、測定報告用の無線リソースを節約でき、UE100の消費電力も低減できる。さらに、UE100が、測定結果を報告しない隣接セルに対する測定を行わない場合には、UE100の消費電力をさらに低減できる。
【0052】
また、制御部130は、隣接セルにおいてUE100が通信不能であることを示す情報をメッセージが含む場合、隣接セルの測定結果を報告しないと判定してよい。これにより、UE100が通信不能である隣接セルの測定結果を測定報告が含まないため、BS200は、当該隣接セルをハンドオーバー先の候補セルとして決定しない。その結果、UE100が通信不能である隣接セルへUE100がハンドオーバーすることを抑制でき、UE100のハンドオーバー失敗を抑制できる。また、測定報告用の無線リソースを節約でき、UE100の消費電力も低減できる。
【0053】
また、制御部130は、隣接セルにおいてUE100が通信可能であることを示す情報をメッセージが含む場合、隣接セルの測定結果を報告すると判定してよい。これにより、UE100が通信可能である隣接セルの測定結果を測定報告が含むため、BS200は、当該隣接セルをハンドオーバー先の候補セルとして決定できる。その結果、UE100が通信可能である隣接セルへUE100がハンドオーバーすることができ、UE100のハンドオーバー成功を促すことができる。
【0054】
また、UE100は、単一の受信ブランチを有してよい。制御部130は、RedCap UEのうち単一の受信ブランチを有するRedCap UEを隣接セルにおいて受け入れ可能であることを示す情報をメッセージが含まない場合、メッセージが隣接セルにおいてRedCap UEが通信可能であることを示す情報を含んでいても、隣接セルの測定結果を報告しないと判定する。これにより、BS200は、隣接セルにおいてRedCap UEが通信可能であったとしても、当該隣接セルにおいて単一の受信ブランチを有するRedCap UEが通信不能である隣接セルを、ハンドオーバー先の候補セルとして決定しない。その結果、単一の受信ブランチを有するUE100が、通信不能な隣接セルへハンドオーバーすることを抑制でき、UE100のハンドオーバー失敗を抑制できる。また、測定報告用の無線リソースを節約でき、UE100の消費電力も低減できる。
【0055】
また、UE100は、2つの受信ブランチを有してよい。制御部130は、RedCap UEのうち2つの受信ブランチを有するRedCap UEを隣接セルにおいて受け入れ可能であることを示す情報をメッセージが含まない場合、メッセージが隣接セルにおいてRedCap UEが通信可能であることを示す情報を含んでいても、隣接セルの測定結果を報告しないと判定する。これにより、BS200は、隣接セルにおいてRedCap UEが通信可能であったとしても、当該隣接セルにおいて2つの受信ブランチを有するRedCap UEが通信不能である隣接セルを、ハンドオーバー先の候補セルとして決定しない。その結果、2つの受信ブランチを有するUE100が、通信不能な隣接セルへハンドオーバーすることを抑制でき、UE100のハンドオーバー失敗を抑制できる。また、測定報告用の無線リソースを節約でき、UE100の消費電力も低減できる。
【0056】
なお、以下において、UE100が備える機能部(具体的には、通信部120及び制御部130)の動作を、UE100の動作として説明することがある。
【0057】
(1.4)BSの構成
図4を参照して、BS200の構成例について説明する。図4に示すように、BS200は、アンテナ211と、通信部212と、ネットワーク通信部213と、制御部214とを有する。
【0058】
通信部212は、制御部214の制御下で、アンテナ211を介してUE100との通信を行う。通信部212は、受信部212aと、送信部212bとを有する。受信部212aは、アンテナ211が受信する無線信号をベースバンド信号である受信信号に変換し、受信信号に対する信号処理を行ったうえで制御部214に出力する。送信部212bは、制御部214が出力するベースバンド信号である送信信号に対する信号処理を行ったうえで無線信号に変換し、無線信号をアンテナ211から送信する。
【0059】
ネットワーク通信部213は、コアネットワーク装置300と接続される。ネットワーク通信部213は、制御部214の制御下で、コアネットワーク装置300とのネットワーク通信を行う。
【0060】
制御部214は、通信部212を制御するとともに、基地局200における各種の制御を行う。制御部214は、少なくとも1つのプロセッサ及び少なくとも1つのメモリを含む。メモリは、プロセッサにより実行されるプログラム、及びプロセッサによる処理に用いられる情報を記憶する。メモリは、ROM、EPROM、EEPROM、RAM及びフラッシュメモリの少なくとも1つを含んでもよい。プロセッサは、デジタル信号のデジタル処理を行うデジタル信号プロセッサ(DSP)と、プログラムを実行する中央演算処理装置(CPU)とを含んでもよい。なお、メモリの一部は通信部212に設けられていてもよい。また、DSPは、通信部212に設けられていてもよい。
【0061】
なお、以下において、BS200が備える機能部(具体的には、通信部212と、ネットワーク通信部213と、及び制御部214)の動作を、BS200の動作として説明することがある。
【0062】
(2)システムの動作
(2.1)動作例1
図5から図7を参照して、本開示の実施形態に係るUE100及びBS200(BS201、BS202、BS203)の動作例1を説明する。
【0063】
UE100は、RedCap UEである。本動作例において、BS201は、セルC1を管理し、BS202は、セルC2を管理し、BS203は、セルC3を管理する。BS201にとって、BS202及びBS203は、隣接基地局である。セルC1にとって、セルC2及びセルC3は、セルC1と異なる隣接セルである。
【0064】
BS201及びBS202は、RedCap UEと通信可能であり、BS203は、RedCap UEと通信不能であるとして説明を進める。従って、BS201及びBS202は、RedCap UEとの通信をサポートしている。BS203は、RedCap UEとの通信をサポートしていない。
【0065】
UE100は、BS201のセルC1と通信中である。従って、UE100は、セルC1において、RRCコネクティッド状態であってよいし、RRCアイドル状態又はRRCインアクティブ状態であってよい。なお、UE100は、RRCアイドル状態又はRRCインアクティブ状態にあっても、例えば、ページングの受信などのセルC1との通信を行う。本動作例では、図5に示すように、UE100は、BS201のセルC1においてRRCコネクティッド状態にある。
【0066】
ステップS101:
BS201の通信部212は、測定設定をUE100へ送信する。UE100の通信部120は、測定設定を受信する。測定設定は、測定対象を指定するセルのリストを含んでよい。
【0067】
ステップS102:
BS202及びBS203のネットワーク通信部213は、SIB(system information block)メッセージを送信する。UE100の通信部120は、SIBメッセージをBS202及びBS203から受信する。
【0068】
SIBメッセージは、例えば、BS200からブロードキャストされるSIBタイプ1である。本動作例では、SIBメッセージは、隣接セルにおいてRedCap UEが通信可能か否かを判定するためのメッセージである。
【0069】
BS202の制御部214は、RedCap UEとBS202が通信可能か否かを判定するための判定用情報を生成する。BS202の制御部214は、生成した判定用情報をSIBメッセージに含める。判定用情報は、以下の情報の少なくともいずれかを含んでよい。
・BS202又はBS202が管理するセルがRedCap UEを受け入れ可能か否かを示す情報(以下、redCap-AccessAllowedと適宜称する)
・BS202又はBS202が管理するセルがRedCap UEのうち単一の受信ブランチを有するRedCap UEを受け入れ可能か否かを示す情報(以下、singleRx-AccessAllowedと適宜称する)
・BS202又はBS202が管理するセルがRedCap UEのうち2つの受信ブランチを有するRedCap UEを受け入れ可能か否かを示す情報(以下、twoRx-AccessAllowedと適宜称する)
【0070】
redCap-AccessAllowedは、以下のいずれかの情報であってよい。
・BS202(RANノード)のセルがRedCap UEをサポートすることを示す情報
・BS202(RANノード)のセルがRedCap UEをサポートするか否かを示す情報
・RedCap UEがBS202(RANノード)のセルにアクセスできることを示す情報
・RedCap UEがBS202(RANノード)のセルにアクセスできるか否かを示す情報(図6参照)
・RedCap UEがBS202(RANノード)のセルにキャンプすることを許可すること示す情報
・RedCap UEがBS202(RANノード)のセルにキャンプすることを許可するか否かを示す情報
【0071】
図6に示すように、redCap-AccessAllowedは、セルアクセス関連情報(CellAccessRelatedInfo)に含まれていてよい。redCap-AccessAllowedは、redCap-AccessAllowedの送信元のセルがRedCap UEを受け入れ可能か否かを示してよい。なお、セルアクセス関連情報は、SIBタイプ1に含まれる。
【0072】
redCap-AccessAllowedは、BS202のセル(例えば、物理セルID)毎に対応付けられている場合、以下のいずれかの情報であってよい。
・セルがRedCap UEをサポートすることを示す情報
・セルがRedCap UEをサポートするか否かを示す情報
・RedCap UEがセルにアクセスできることを示す情報
・RedCap UEがセルにアクセスできるか否かを示す情報
・RedCap UEがセルにキャンプすることを許可すること示す情報
・RedCap UEがセルにキャンプすることを許可するか否かを示す情報
【0073】
singleRx-AccessAllowedは、以下のいずれかの情報であってよい。
・BS202(RANノード)のセルが単一の受信ブランチを有するRedCap UEをサポートすることを示す情報
・BS202(RANノード)のセルが単一の受信ブランチを有するRedCap UEをサポートするか否かを示す情報
・単一の受信ブランチを有するRedCap UEがBS202(RANノード)のセルにアクセスできることを示す情報
・単一の受信ブランチを有するRedCap UEがBS202(RANノード)のセルにアクセスできるか否かを示す情報
・単一の受信ブランチを有するRedCap UEがBS202(RANノード)のセルにキャンプすることを許可すること示す情報
・単一の受信ブランチを有するRedCap UEがBS202(RANノード)のセルにキャンプすることを許可するか否かを示す情報
【0074】
図6に示すように、singleRx-AccessAllowedは、セルアクセス関連情報に含まれていてよい。singleRx-AccessAllowedは、singleRx-AccessAllowedの送信元のセルが単一の受信ブランチを有するRedCap UEを受け入れ可能か否かを示してよい。
【0075】
singleRx-AccessAllowedは、BS202のセル(例えば、物理セルID)毎に対応付けられている場合、以下のいずれかの情報であってよい。
・セルが単一の受信ブランチを有するRedCap UEをサポートすることを示す情報
・セルが単一の受信ブランチを有するRedCap UEをサポートするか否かを示す情報
・単一の受信ブランチを有するRedCap UEがセルにアクセスできることを示す情報
・単一の受信ブランチを有するRedCap UEがセルにアクセスできるか否かを示す情報
・単一の受信ブランチを有するRedCap UEがセルにキャンプすることを許可すること示す情報
・単一の受信ブランチを有するRedCap UEがセルにキャンプすることを許可するか否かを示す情報
【0076】
twoRx-AccessAllowedは、以下のいずれかの情報であってよい。
・BS202(RANノード)のセルが2つの受信ブランチを有するRedCap UEをサポートすることを示す情報
・BS202(RANノード)のセルが2つの受信ブランチを有するRedCap UEをサポートするか否かを示す情報
・2つの受信ブランチを有するRedCap UEがBS202(RANノード)のセルにアクセスできることを示す情報
・2つの受信ブランチを有するRedCap UEがBS202(RANノード)のセルにアクセスできるか否かを示す情報
・2つの受信ブランチを有するRedCap UEがBS202(RANノード)のセルにキャンプすることを許可すること示す情報
・2つの受信ブランチを有するRedCap UEがBS202(RANノード)のセルにキャンプすることを許可するか否かを示す情報
【0077】
図6に示すように、twoRx-AccessAllowedは、セルアクセス関連情報に含まれていてよい。twoRx-AccessAllowedは、twoRx-AccessAllowedの送信元のセルが2つの受信ブランチを有するRedCap UEを受け入れ可能か否かを示してよい。
【0078】
twoRx-AccessAllowedは、BS202のセル(例えば、物理セルID)毎に対応付けられている場合、以下のいずれかの情報であってよい。
・セルが2つの受信ブランチを有するRedCap UEをサポートすることを示す情報
・セルが2つの受信ブランチを有するRedCap UEをサポートするか否かを示す情報
・2つの受信ブランチを有するRedCap UEがセルにアクセスできることを示す情報
・2つの受信ブランチを有するRedCap UEがセルにアクセスできるか否かを示す情報
・2つの受信ブランチを有するRedCap UEがセルにキャンプすることを許可すること示す情報
・2つの受信ブランチを有するRedCap UEがセルにキャンプすることを許可するか否かを示す情報
【0079】
BS203の制御部214は、BS202と同様に判定用情報を生成してよい。BS203の制御部214は、判定用情報をXnセットアップ応答メッセージに含める。或いは、BS203の制御部214は、判定用情報を生成しなくてよい。BS203の制御部214は、判定用情報をXnセットアップ応答メッセージに含めなくてよい。
【0080】
UE100の制御部130は、判定用情報を取得する。UE100の制御部130は、BS202から受信した判定用情報に基づいて、BS202のセルC2においてUE100が通信可能であると判定する。UE100の制御部130は、判定用情報がredCap-AccessAllowed、singleRx-AccessAllowed及びtwoRx-AccessAllowedの少なくともいずれかを含む場合、BS202のセルC2においてUE100が通信可能であると判定してよい。本動作例では、BS202(セルC2)からの判定用情報は、セルC2においてUE100が通信可能であることを示す。
【0081】
UE100の制御部130は、BS203から受信した判定用情報に基づいて、BS203のセルC3においてUE100が通信不能であると判定する。UE100の制御部130は、BS203からのSIBメッセージに判定用情報が含まれない場合、BS203のセルC3においてUE100が通信不能であると判定してもよい。本動作例では、BS203(セルC3)からの判定用情報は、セルC3においてUE100が通信不能であることを示す。
【0082】
図7に示すように、RedCapUEであるUE100の制御部130は、例えば、redCap-AccessAllowedをSIBメッセージが含まない場合、UE100がSIBメッセージを受信したセルを禁止セルとみなしてよい。なお、ここでの禁止セルは、RedCap UEをサポートしないセル、RedCap UEがアクセスできないセル、RedCap UEがキャンプすることを許可しないセル、の少なくともいずれかである。すなわち、UE100は、当該禁止セルにおいて通信不能である。
【0083】
UE100の制御部130は、単一の受信ブランチのみを有する場合には、singleRx-AccessAllowedをSIBメッセージが含まない場合、redCap-AccessAllowedをSIBメッセージが含んでいても、UE100がSIBメッセージを受信したセルを禁止セルとみなしてよい。なお、ここでの禁止セルは、単一の受信ブランチを有するRedCap UEをサポートしないセル、単一の受信ブランチを有するRedCap UEがアクセスできないセル、単一の受信ブランチを有するRedCap UEがキャンプすることを許可しないセル、の少なくともいずれかである。すなわち、UE100は、当該禁止セルにおいて通信不能である。
【0084】
UE100の制御部130は、2つの受信ブランチのみを有する場合には、twoRx-AccessAllowedをSIBメッセージが含まない場合、redCap-AccessAllowedをSIBメッセージが含んでいても、UE100がSIBメッセージを受信したセルを禁止セルとみなしてよい。なお、ここでの禁止セルは、2つの受信ブランチを有するRedCap UEをサポートしないセル、2つの受信ブランチを有するRedCap UEがアクセスできないセル、2つの受信ブランチを有するRedCap UEがキャンプすることを許可しないセル、の少なくともいずれかである。すなわち、UE100は、当該禁止セルにおいて通信不能である。
【0085】
ステップS103:
UE100の制御部130は、セルに対する無線品質の測定を行う。UE100の制御部130は、測定設定により測定対象として指定されたセルに対する無線品質の測定を行ってよい。
【0086】
UE100の制御部130は、UE100が通信不能であると判定したセルに対する無線品質の測定を行わなくてもよい。UE100の制御部130は、測定設定により測定対象として指定されたセルであっても、UE100が通信不能であると判定したセルに対する無線品質の測定を行わなくてもよい。UE100の制御部130は、禁止セルとみなしたセルに対する無線品質の測定を行わなくてもよい。なお、UE100の制御部130は、無線品質の測定を行わないセルの測定結果を算出しなくてもよい。
【0087】
UE100の制御部130は、SIBメッセージに基づいて、隣接セルに対する無線品質の測定結果をBS201へ報告するか否かを判定する。
【0088】
具体的には、UE100の制御部130は、隣接セルにおいてUE100が通信可能であると判定した場合、当該隣接セルに対する測定結果をBS201に報告すると判定する。UE100の制御部130は、隣接セルにおいてUE100が通信不能であると判定した場合、当該隣接セルに対する測定結果をBS201に報告しないと判定する。本動作例では、UE100は、セルC2に対する測定結果をBS201に報告すると判定し、セルC3に対する測定結果をBS201に報告しないと判定する。
【0089】
ステップS104:
UE100の通信部120は、隣接セルに対する無線品質の測定結果を含む測定報告をBS201へ送信する。BS201の通信部212は、測定報告をUE100から受信する。
【0090】
UE100の制御部130は、報告すると判定した隣接セルの測定結果を測定報告に含める。一方で、UE100の制御部130は、報告しないと判定した隣接セルの測定結果を測定報告に含めない。本動作例では、UE100の制御部130は、測定報告に、セルC2に対する測定結果を含めて、セルC3に対する測定結果を含めない。
【0091】
ステップS105:
BS201の制御部214は、測定報告に基づいて、UE100のハンドオーバーを決定する。
【0092】
また、UE100が通信不能なセルに対する測定結果を測定報告が含まないため、BS201の制御部214は、UE100が通信可能なセルをハンドオーバー先の候補セルに決定できる。本動作例では、BS201の制御部214は、セルC2を候補セルに決定する。BS201の制御部214は、候補セルを管理するBS202へハンドオーバー要求メッセージを送信する制御を開始する。
【0093】
ステップS106:
BS201のネットワーク通信部213は、ハンドオーバー要求メッセージをBS202へ送信する。BS202のネットワーク通信部213は、ハンドオーバー要求メッセージをBS201から受信する。
【0094】
BS202の制御部214は、ハンドオーバー要求を承認するか否かを決定する。本動作例では、BS202の制御部214は、ハンドオーバー要求を承認すると決定したとして説明を進める。
【0095】
ステップS107:
BS202のネットワーク通信部213は、ハンドオーバー要求承認メッセージをBS201へ送信する。BS201のネットワーク通信部213は、ハンドオーバー要求承認メッセージをBS202から受信する。
【0096】
ステップS108:
BS201の通信部212は、ハンドオーバーをトリガするためのRRC再設定メッセージをUE100へ送信する。UE100の通信部120は、RRC再設定メッセージをBS201から受信する。
【0097】
本動作例では、RRC再設定メッセージは、BS202のセルへUE100をハンドオーバーさせるためのメッセージである。
【0098】
ステップS109:
UE100の制御部130は、BS201のセルからデタッチして、BS202のセルに同期する。
【0099】
ステップS110:
UE100の通信部120は、ハンドオーバー手順が完了した場合に、RRC再設定完了メッセージをBS202へ送信する。BS202の通信部212は、RRC再設定完了メッセージをUE100から受信する。
【0100】
(2.2)動作例2
図8を参照して、本開示の実施形態に係るUE100及びBS200の動作例2を説明する。上述した内容との相違点を主として説明する。動作例1では、一般的なハンドオーバーが行われるケースについて説明したが、動作例2では、条件付きハンドオーバー(CHO)が行われるケースについて説明する。
【0101】
ステップS201からS204:
動作例1におけるステップS101からS104と同様である。
【0102】
ステップS205:
BS201の制御部214は、UE100に対して、条件付きハンドオーバーを行うと決定する。
【0103】
BS201の制御部214は、測定結果に基づいて、条件付きハンドオーバーを要求するためのハンドオーバー要求メッセージの送信先を決定する。
【0104】
BS201の制御部214は、ステップS107と同様に、UE100が通信不能なセルに対する測定結果を測定報告が含まないため、BS201の制御部214は、UE100が通信可能なセルをハンドオーバー先の候補セルに決定できる。本動作例では、BS201の制御部214は、セルC2を候補セルに決定する。
【0105】
本動作例では、BS201の制御部214は、候補セルを管理するBS202をハンドオーバー要求メッセージの送信先(候補ターゲット基地局)として決定する。一方で、BS201の制御部214は、候補セルを管理しないBS203にハンドオーバー要求メッセージを送信しないと決定する。
【0106】
ステップS206:
BS201のネットワーク通信部213は、候補セル毎のハンドオーバー要求メッセージをBS202へ送信する。BS202のネットワーク通信部213は、候補セル毎のハンドオーバー要求メッセージをBS201から受信する。
【0107】
BS202の制御部214は、ステップS108と同様に、ハンドオーバー要求を承認するか否かを決定する。
【0108】
ステップS207:
BS202のネットワーク通信部213は、条件付きハンドオーバー候補セルの設定を含むハンドオーバー要求承認メッセージを候補セル毎にBS201へ送信する。BS201のネットワーク通信部213は、ハンドオーバー要求承認メッセージをBS202から受信する。
【0109】
ステップS208:
BS201の通信部212は、RRC再設定メッセージをUE100へ送信する。UE100の通信部120は、RRC再設定メッセージをBS201から受信する。
【0110】
RRC再設定メッセージは、条件付きハンドオーバー候補セルの設定及び条件付きハンドオーバー実行条件を含む。
【0111】
ステップS209:
UE100の通信部120は、RRC再設定完了メッセージをBS201へ送信する。BS201の通信部212は、RRC再設定完了メッセージをUE100から受信する。
【0112】
ステップS210:
UE100の制御部130は、条件付きハンドオーバー実行条件の評価を開始する。UE100の制御部130は、条件付きハンドオーバー候補セルの設定を受信した後、BS201とのRRC接続を維持する。
【0113】
ステップS211:
UE100の制御部130は、候補セルが対応する条件付きハンドオーバー実行条件を満たす場合、BS201のセルからデタッチして、当該候補セルに同期する。
【0114】
ステップS212:
UE100の通信部120は、ハンドオーバー手順が完了した場合に、RRC再設定完了メッセージをBS202へ送信する。BS202の通信部212は、RRC再設定完了メッセージをUE100から受信する。
【0115】
ステップS213:
BS202のネットワーク通信部213は、ハンドオーバーが成功した場合に、ハンドオーバー成功メッセージをBS201へ送信する。BS201のネットワーク通信部213は、ハンドオーバー成功メッセージをBS202から受信する。
【0116】
(その他の実施形態)
以上では、本開示の実施形態を説明したが、本開示は実施形態に限定されるものではない。例えば、判定用情報を含むメッセージは、上述のSIBメッセージ以外のメッセージであってよい。
【0117】
また、上述の各動作例では、singleRx-AccessAllowedは、単一の受信ブランチに関する情報であったが、これに限られない。singleRx-AccessAllowedは、単一の受信チェイン、単一の受信機、及び単一の受信アンテナポートのいずれかに関する情報であってよい。従って、上述の各動作例において、「単一の受信ブランチ」は、「単一の受信チェイン」、「単一の受信機」、及び「単一の受信アンテナポート」に置き換えられてもよい。
【0118】
また、上述の各動作例では、twoRx-AccessAllowedは、2つの受信ブランチに関する情報であったが、これに限られない。singleRx-AccessAllowedは、2つの受信チェイン、2つの受信機、及び2つの受信アンテナポートのいずれかに関する情報であってよい。従って、上述の各動作例において、「2つの受信ブランチ」は、「2つの受信チェイン」、「2つの受信機」、及び「2つの受信アンテナポート」に置き換えられてもよい。
【0119】
また、上述の各動作例は、別個独立して実施する場合に限らず、各動作例を適宜組み合わせて実施可能である。また、例えば、本明細書に記載されている処理におけるステップは、必ずしもフローチャート又はシーケンス図に記載された順序に沿って時系列に実行されなくてよい。例えば、処理におけるステップは、フローチャート又はシーケンス図として記載した順序と異なる順序で実行されても、並列的に実行されてもよい。また、処理におけるステップの一部が削除されてもよく、さらなるステップが処理に追加されてもよい。
【0120】
例えば、本明細書において説明した装置の1つ以上の構成要素の動作を含む方法が提供されてもよく、上記構成要素の動作をコンピュータに実行させるためのプログラムが提供されてもよい。また、当該プログラムを記録したコンピュータに読み取り可能な非遷移的実体的記録媒体が提供されてもよい。このような方法、プログラム、及びコンピュータに読み取り可能な非遷移的実体的記録媒体(non-transitory tangible computer-readable storage medium)も、本開示に含まれる。また、UE100の少なくとも一部又はBS200の少なくとも一部は、UE100又はBS200が行う各処理を実行する回路が集積化されたチップセット又はSoC(System on Chip)であってよい。
【0121】
本開示において、「送信する(transmit)」は、送信に使用されるプロトコルスタック内の少なくとも1つのレイヤの処理を行うことを意味してもよく、又は、無線又は有線で信号を物理的に送信することを意味してもよい。或いは、「送信する」は、上記少なくとも1つのレイヤの処理を行うことと、無線又は有線で信号を物理的に送信することとの組合せを意味してもよい。同様に、「受信する(receive)」は、受信に使用されるプロトコルスタック内の少なくとも1つのレイヤの処理を行うことを意味してもよく、又は、無線又は有線で信号を物理的に受信することを意味してもよい。或いは、「受信する」は、上記少なくとも1つのレイヤの処理を行うことと、無線又は有線で信号を物理的に受信することとの組合せを意味してもよい。
【0122】
以上では、本開示の実施形態を説明したが、本開示は実施形態に限定されるものではない。実施形態は例示にすぎないということ、及び、本開示のスコープ及び精神から逸脱することなく様々な変形が可能であるということは、当業者に理解されるであろう。
【符号の説明】
【0123】
1 :移動通信システム
100 :ユーザ装置(UE、RedCap UE)
120 :通信部
121 :受信部
122 :送信部
130 :制御部
200 :基地局(BS)
211 :アンテナ
212 :通信部
212a :受信部
212b :送信部
213 :ネットワーク通信部
214 :制御部
300 :コアネットワーク装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8