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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022170561
(43)【公開日】2022-11-10
(54)【発明の名称】船舶
(51)【国際特許分類】
   B63B 15/00 20060101AFI20221102BHJP
   B63B 25/16 20060101ALI20221102BHJP
【FI】
B63B15/00 B
B63B25/16 101
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021076763
(22)【出願日】2021-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】000000974
【氏名又は名称】川崎重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】特許業務法人 有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小村 淳
(72)【発明者】
【氏名】井上 幸也
(72)【発明者】
【氏名】大橋 徹也
(72)【発明者】
【氏名】冨永 晴彦
(72)【発明者】
【氏名】岡田 みどり
(72)【発明者】
【氏名】横山 元気
(57)【要約】
【課題】
省エネ性能が高い船舶を提供する。
【解決手段】
本開示の一態様に係る船舶は、甲板上に凹凸体が設けられている又は積載される船体と、船体に設けられ、凹凸体が前方からの風から受ける力を低減する風防と、を備え、風防は、板状である少なくとも1つの帆パネルを有し、少なくとも1つの帆パネルは、前面投影面積が第1面積である閉位置と前面投影面積が第1面積よりも大きい第2面積である開位置との間で変位可能であって、開位置にあるときに少なくとも後方からの風から受ける力を船体の推進力に変換可能に構成されている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
甲板上に凹凸体が設けられている又は積載される船体と、
前記船体に設けられ、前記凹凸体が前方からの風から受ける力を低減する風防と、を備え、
前記風防は、板状である少なくとも1つの帆パネルを有し、
前記少なくとも1つの帆パネルは、前面投影面積が第1面積である閉位置と前面投影面積が前記第1面積よりも大きい第2面積である開位置との間で変位可能であって、前記開位置にあるときに少なくとも後方からの風から受ける力を前記船体の推進力に変換可能に構成されている、船舶。
【請求項2】
前記少なくとも1つの帆パネルは、
前記風防の進行方向右側部分に位置する右帆パネルと、
前記風防の進行方向左側部分に位置する左帆パネルと、を含んでいる、
請求項1に記載の船舶。
【請求項3】
前記少なくとも1つの帆パネルは、外表面側が凸になるよう湾曲している、請求項1又は2に記載の船舶。
【請求項4】
前記少なくとも1つの帆パネルは、
外縁部分に位置する枠部材と、
中央部分を含む部分に位置する中央部材と、を有し、
前記枠部材は前記中央部材よりも剛性が高く、
前記中央部材は前記枠部材よりも比重が小さい、
請求項1乃至3のうちいずれか一の項に記載の船舶。
【請求項5】
液化ガスを貯蔵する貯蔵タンクを有する船体と、
前記船体の甲板上に設けられ、液化ガスの搬入口及び搬出口を有するマニホールドと、
前記船体の前記マニホールドよりも前方に設けられ、板状であって少なくとも後方からの風から受ける力を前記船体の推進力に変換可能に構成された少なくとも1つの帆パネルと、を備えている、船舶。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、船舶に関する。
【背景技術】
【0002】
船体に風防を設けることで航行時における空気抵抗を低減する船舶が提案されている(例えば、特許文献1参照)。このような風防を備えた船舶は、航行時における空気抵抗が低減される結果、省エネ性能が向上する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-145214号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のように、船体に風防を設けることで船舶の省エネ性能が向上するが、船舶においては、さらなる省エネ性能の向上が望まれている。本開示はこのような事情に鑑みてなされたものであり、省エネ性能が高い船舶を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様に係る船舶は、甲板上に凹凸体が設けられている又は積載される船体と、前記船体に設けられ、前記凹凸体が前方からの風から受ける力を低減する風防と、を備え、前記風防は、板状である少なくとも1つの帆パネルを有し、前記少なくとも1つの帆パネルは、前面投影面積が第1面積である閉位置と前面投影面積が前記第1面積よりも大きい第2面積である開位置との間で変位可能であって、前記開位置にあるときに少なくとも後方からの風から受ける力を前記船体の推進力に変換可能に構成されている。なお、ある構造物が甲板を貫通して設けられている場合、その構造物のうち甲板上に設けられている部分が上記の凹凸体に相当し得る。
【0006】
上記の風防は、進行方向である前方から風を受けているときは帆パネルを閉位置に位置させることで、船舶の進行を妨げる前方からの風から受ける力を低減させることができる。また、船舶の進行方向とは反対の後方から風を受けているときは、帆パネルを開位置に位置させることで、その風から受ける力を船体の推進力に変換することができる。したがって、上記の風防を備えた船舶は、省エネ性能が非常に高い。
【0007】
また、本開示の他の態様に係る船舶は、液化ガスを貯蔵する貯蔵タンクを有する船体と、前記船体の甲板上に設けられ、液化ガスの搬入口及び搬出口を有するマニホールドと、前記船体の前記マニホールドよりも前方に設けられ、板状であって少なくとも後方からの風から受ける力を前記船体の推進力に変換可能に構成された少なくとも1つの帆パネルと、を備えている。
【0008】
上記の風防は、船舶の進行方向とは反対の後方から風を受けているときは、その風から受ける力を推進力に変換することができる。そのため、上記の船舶によれば、省エネ性能が向上する。しかも、風防はマニホールドよりも前方に設けられているため、液化ガスの搬出作業及び搬入作業の妨げになることはない。
【発明の効果】
【0009】
上記の構成によれば、省エネ性能が高い船舶を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、船舶の斜視図である。
図2図2は、帆パネルが閉位置にあるときの船首付近の斜視図である。
図3図3は、帆パネルが開位置にあるときの船首付近の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施形態に係る船舶100について説明する。
【0012】
<船舶の全体構成>
はじめに、船舶100の全体構成について説明する。図1は、本実施形態に係る船舶100の斜視図である。本実施形態に係る船舶100は、液化ガスを搬送する液化ガス搬送船である。ただし、船舶100はこれに限定されず、例えばコンテナを搬送するコンテナ船等であってもよい。図1に示すように、本実施形態に係る船舶100は、船体10と、貯蔵タンク20と、マニホールド30と、風防40と、を備えている。以下、これらの構成要素について順に説明する。
【0013】
船体10は、推進装置によって水上を進行する。推進装置は、船舶100が搬送する液化ガスを燃料として駆動するものであってもよく、液化ガス以外の物質やエネルギーを利用して駆動するものであってもよい。以下では、船体10の進行方向を「前方」と称し、船体10の進行方向とは逆の方向を「後方」と称し、進行方向右側を単に「右側」と称し、進行方向左側を単に「左側」と称する。また、船体10の甲板11上には、種々の凹凸体が設けられている。例えば、後述する貯蔵タンク20及びマニホールド30等が「凹凸体」に相当する。なお、船舶100がコンテナ船であれば、甲板11上に搭載されるコンテナ等が「凹凸体」に相当する。凹凸体の多くは非流線形の形状を有しており、風を受けたときに大きな空気抵抗が発生する。
【0014】
貯蔵タンク20は、液化ガスを貯蔵するタンクである。貯蔵タンク20が貯蔵する液化ガスは、例えば液化石油ガス(LPG)、液化天然ガス(LNG)、液化水素などである。本実施形態では、4つの貯蔵タンク20が船体10の前後方向(長手方向)に並んで配置されている。本実施形態では、各貯蔵タンク20は甲板11を貫通しており、各貯蔵タンク20の全部ではなく上方部分のみが船体10の甲板上11に設けられている。
【0015】
マニホールド30は、船体10の甲板11上に設けられており、液化ガスを貯蔵タンク20に搬入するとともに貯蔵タンク20から搬出する設備である。本実施形態のマニホールド30は、液化ガスの搬入口が形成された液化ガス搬入配管31と、液化ガスの搬出口が形成された液化ガス搬出配管32とを有している。上記の搬入口及び搬出口には、外部のホースが接続される。なお、マニホールド30は、ボイルオフガスなどの気体の搬入及び搬出を行う配管を有していてもよい。また、液化ガス搬入配管31及び液化ガス搬出配管32は、共通の配管であってもよい。
【0016】
風防40は、凹凸体である貯蔵タンク20及びマニホールド30等が前方からの風から受ける力を低減する構造物である。本実施形態の風防40は、船体10の船首部分であって、各貯蔵タンク20及びマニホールド30よりも前方に位置している。つまり、風防40は、各貯蔵タンク20及びマニホールド30の全部を覆ってはいない。風防40は下端部分が船体10の甲板11付近に位置しており、上端部分は貯蔵タンク20よりも上方に位置している。また、風防40の表面は、後方に進むにつれて高くなるように傾斜している。
【0017】
<風防の詳細>
次に、風防40の詳細について説明する。図2は、船体10の船首付近の斜視図である。図2に示すように、本実施形態の風防40は、中央支持部41と、右固定パネル42と、左固定パネル43と、右帆パネル44と、左帆パネル45(図1参照)と、を有している。
【0018】
中央支持部41は、前後方向に延びる中央部50と、中央部50から右方に向かって水平に延びる右突出部51と、中央部50から左方に向かって水平に延びる左突出部52と、を有している。中央部50は、船体10の先端付近から最も前方の貯蔵タンク20の上端部分に向かって延びている。右突出部51及び左突出部52は、基端部分が最も前方の貯蔵タンク20の上端部分付近に位置している。
【0019】
右固定パネル42と左固定パネル43は左右対称に形成されている。右固定パネル42は、中央支持部41の中央部50の右側に隣接して配置されている。また、左固定パネル43は、中央支持部41の中央部50の左側に隣接して配置されている。いずれの固定パネル42、43も板状であって、台形に近い形状を有している。さらに、いずれの固定パネル42、43も、中央支持部41及び船体10に支持されている。
【0020】
右帆パネル44と左帆パネル45は左右対称に形成されている。右帆パネル44は、右固定パネル42よりも右側であって、風防40の右側部分に位置している。左帆パネル45は、左固定パネル43よりも右側であって、風防40の左側部分に位置している。いずれの帆パネル44、45も板状であって、台形に近い形状を有している。また、いずれの帆パネル44、45も、外表面側が凸になるよう湾曲している。ただし、各帆パネル44、45は、平板状に形成されていてもよい。
【0021】
各帆パネル44、45は、枠部材60と、中央部材61と、を有している。枠部材60は、各帆パネル44、45の外縁部分に位置している。本実施形態では、枠部材60は、各帆パネル44、45の外縁部分のうち前方側の部分及び左右方向内側の部分に位置している。このように本実施形態では、枠部材60は、各帆パネル44、45の外縁部分の一部に位置しているが、外縁部分の全部に位置していてもよい。中央部材61は、各帆パネル44、45の中央部分を含む部分に位置している。本実施形態では、中央部材61は、各帆パネル44、45の中央部分に加え、後方側の外縁部分及び左右方向外側の外縁部分にも位置している。
【0022】
本実施形態では、枠部材60と中央部材61とは異なる材料で形成されている。枠部材60は中央部材61よりも剛性が高く、中央部材61は枠部材60よりも比重が小さい。例えば、枠部材60を繊維強化プラスチック(CFRP、GFRP、AFRP等)で形成し、中央部材61を布やメッシュ材料で形成してもよい。なお、枠部材60の材料と中央部材61の材料の組合せは、これに限定されない。枠部材60及び中央部材61をこのように形成することで、各帆パネル44、45の高剛性化と軽量化の両方を実現することができる。なお、各帆パネル44、45の中央部材61は、上述したものの他、繊維強化フィルム、金属製の薄板、繊維強化プラスチック、合板等で形成されていてもよい。
【0023】
さらに、各帆パネル44、45は回動可能に構成されている。図3は、図2と同じく、船体10の船首付近の斜視図である。ただし、図2は帆パネル44、45が閉位置にあるときを示しているのに対し、図3は帆パネル44、45が開位置にあるときを示している。各帆パネル44、45の枠部材60は、その前方に位置する保持部62に回動保持されている。つまり、各帆パネル44、45は、この保持部62を中心にして閉位置(図3)と開位置(図2)との間で回動する。
【0024】
保持部64は、対応する固定パネル42、43及び船体10に固定されている。また、右帆パネル44は2本の保持ワイヤ63を介して中央支持部41の右突出部51にも保持されており、左帆パネル45は2本の保持ワイヤ63を介して中央支持部41の左突出部52にも保持されている。各帆パネル44の回動は、アクチュエータ等を用いて積極的に行ってもよく、風を利用して受動的に行ってもよい。
【0025】
図2に示すように、右帆パネル44が閉位置にあるときは、右帆パネル44の外表面と右固定パネル42の外表面との間でほとんど段差が生じていない。別の言い方をすれば、右帆パネル44が閉位置にあるときは、右帆パネル44の右固定パネル42側の辺が右固定パネル42の右帆パネル44側の辺に沿って延びている。同様に、左帆パネル45が閉位置にあるときは、左帆パネル45の外表面と左固定パネル43の外表面との間でほとんど段差が生じていない。別の言い方をすれば、左帆パネル45が閉位置にあるときは、左帆パネル45の左固定パネル43側の辺が、左固定パネル43の左帆パネル45側の辺に沿って延びている。
【0026】
これに対し、図3に示すように、右帆パネル44が開位置にあるときは、右帆パネル44の外表面と右固定パネル42の外表面との間で段差が生じている。別の言い方をすれば、右帆パネル44が閉位置にあるときは、右帆パネル44の右固定パネル42側の辺が右固定パネル42の右帆パネル44側の辺から大きく離れている。同様に、左帆パネル45が閉位置にあるときは、左帆パネル45の外表面と左固定パネル43の外表面との間で段差が生じている。別の言い方をすれば、左帆パネル45が閉位置にあるときは、左帆パネル45の左固定パネル43側の辺が、左固定パネル43の左帆パネル45側の辺から大きく離れている。
【0027】
ここで、各帆パネル44、45が閉位置にあるときの前面投影面積を「第1面積」と呼び、各帆パネル44、45が開位置にあるときの前面投影面積を「第2面積」と呼ぶとする。そうすると、第2面積は、第1面積よりも大きい。そのため、各帆パネル44、45が前方から風を受けるとき、各帆パネル44、45を閉位置に位置させれば、風から受ける力を比較的小さくすることができる。一方、各帆パネル44、45が少なくとも後方からの風から力を受けるとき、各帆パネル44、45を開位置に位置させれば、風から受ける力を船体10の推進力に変換することができる。なお、各帆パネル44、45は開位置にあるとき、後方からの風だけでなく斜め後方からの風から受ける力も船体10の推進力に変換することがきる。
【0028】
<変形例>
以上、本実施形態に係る船舶100について説明したが、船舶100は上述した構成に限定されない。例えば、上述した実施形態では、風防40の一部が帆パネル44、45であるが、風防40の全部が帆パネルであってもよい。つまり、風防40の全体が回動してもよい。また、風防40が有する帆パネルの数も限定されない。
【0029】
また、上述した実施形態では、各帆パネル44、45は閉位置から開位置に回動するとき、後端部分が主に左右方向外方に向かって移動するように構成されている。つまり、各帆パネル44、45は閉位置から開位置に回動するとき、主に左右方向寸法が大きくなるように構成されている。ただし、各帆パネル44、45は閉位置から開位置に回動するとき、後端部分が主に上方に向かって移動するように構成されていてもよい。つまり、各帆パネル44、45は閉位置から開位置に回動するとき、主に上下方向寸法が大きくなるように構成されていてもよい。
【0030】
また、上述した実施形態では、風防40は船体10の船首付近に位置していたが、風防40の前後方向位置は、これに限定されない。例えば、風防40は、船体10の前後方向中央付近に位置していてもよい。
【0031】
なお、上述した実施形態では、各帆パネル44、45は閉位置から開位置に回動可能に構成されていたが、各帆パネル44、45は閉位置から開位置に変位可能に構成されていればよい。例えば、各帆パネル44、45は閉位置から開位置にスライド可能に構成されていてもよい。
【0032】
<まとめ>
上述したように、本実施形態に係る船舶は、甲板上に凹凸体が設けられている又は積載される船体と、前記船体に設けられ、前記凹凸体が前方からの風から受ける力を低減する風防と、を備え、前記風防は、板状である少なくとも1つの帆パネルを有し、前記少なくとも1つの帆パネルは、前面投影面積が第1面積である閉位置と前面投影面積が前記第1面積よりも大きい第2面積である開位置との間で変位可能であって、前記開位置にあるときに少なくとも後方からの風から受ける力を前記船体の推進力に変換可能に構成されている。
【0033】
上記の風防は、進行方向である前方から風を受けているときは帆パネルを閉位置に位置させることで、船舶の進行を妨げる前方からの風から受ける力を低減させることができる。また、船舶の進行方向とは反対の後方から風を受けているときは、帆パネルを開位置に位置させることで、その風から受ける力を船体の推進力に変換することができる。したがって、上記の風防を備えた船舶は、省エネ性能が非常に高い。
【0034】
また、上述した実施形態では、前記少なくとも1つの帆パネルは、前記風防の進行方向右側部分に位置する右帆パネルと、前記風防の進行方向左側部分に位置する左帆パネルと、を含んでいる。
【0035】
この構成では、帆パネルが風防の進行方向左右両側部分に位置しているため、後方からの風から受ける力をバランスよく船体の推進力に変換することができる。
【0036】
また、上述した実施形態では、前記少なくとも1つの帆パネルは、外表面側が凸になるよう湾曲している。
【0037】
この構成では、前方から風を受けているときには、帆パネルが風から受ける力を低減させることができる。また、後方から風を受けているときには、帆パネルが風から効率よく力を受けることができるため、風から受けた力を効率よく船体の推進力に変換することができる。
【0038】
また、上述した実施形態では、前記少なくとも1つの帆パネルは、外縁部分に位置する枠部材と、中央部分を含む部分に位置する中央部材と、を有し、前記枠部材は前記中央部材よりも剛性が高く、前記中央部材は前記枠部材よりも比重が小さい。
【0039】
この構成によれば、帆パネルの高剛性化と軽量化の両方を実現することができる。
【0040】
また、上述した実施形態では、液化ガスを貯蔵する貯蔵タンクを有する船体と、前記船体の甲板上に設けられ、液化ガスの搬入口及び搬出口を有するマニホールドと、前記船体の前記マニホールドよりも前方に設けられ、板状であって少なくとも後方からの風から受ける力を前記船体の推進力に変換可能に構成された少なくとも1つの帆パネルと、を備えている。
【0041】
上記の風防は、船舶の進行方向とは反対の後方から風を受けているときは、その風から受ける力を推進力に変換することができる。そのため、上記の船舶によれば、省エネ性能が向上する。しかも、風防はマニホールドよりも前方に設けられているため、液化ガスの搬出作業及び搬入作業の妨げになることはない。
【符号の説明】
【0042】
10 船体
20 貯蔵タンク(凹凸体)
30 マニホールド(凹凸体)
40 風防
44 右帆パネル(帆パネル)
45 左帆パネル(帆パネル)
60 枠部材
61 中央部材
100 船舶
図1
図2
図3