(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022170582
(43)【公開日】2022-11-10
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
H05B 33/06 20060101AFI20221102BHJP
H01L 51/50 20060101ALI20221102BHJP
H01L 27/32 20060101ALI20221102BHJP
H05B 33/22 20060101ALI20221102BHJP
H05B 33/28 20060101ALI20221102BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20221102BHJP
【FI】
H05B33/06
H05B33/14 A
H01L27/32
H05B33/22 Z
H05B33/28
G09F9/30 338
G09F9/30 339
G09F9/30 348A
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021076822
(22)【出願日】2021-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】尾関 芳孝
(72)【発明者】
【氏名】森口 幸志郎
【テーマコード(参考)】
3K107
5C094
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107BB01
3K107CC35
3K107CC43
3K107DD22
3K107DD27
3K107DD38
3K107DD39
3K107DD44Z
3K107DD88
3K107DD95
3K107DD96
3K107EE03
3K107HH04
3K107HH05
5C094AA05
5C094BA03
5C094CA19
5C094DA13
5C094DA15
5C094DB04
5C094EA02
5C094EA04
5C094EA05
(57)【要約】
【課題】高精細な表示装置において、狭額縁化を図ることを提供する。
【解決手段】表示装置は、表示領域と表示領域の周囲を包囲する額縁領域とを備え、表示領域には複数の画素回路が設けられると共に、該額縁領域には周辺回路が設けられ、該周辺回路と画素回路は配線で接続されており、周辺回路は、表示領域から離間する方向に沿って設けられる複数のスイッチ回路と、表示領域とスイッチ回路の間に設けられる複数の中継電極と、該中継電極とスイッチ回路とを接続する複数の接続配線とを備え、中継電極は配線に接続されると共に、最も表示領域から離間した位置に設けられるスイッチ回路と中継電極とを接続する接続配線は、平面視で他のスイッチ回路に交差している。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示領域と前記表示領域の周囲を包囲する額縁領域とを備え、前記表示領域には複数の画素回路が設けられると共に、該額縁領域には周辺回路が設けられ、該周辺回路と画素回路は配線で接続されており、
前記周辺回路は、前記表示領域から離間する方向に沿って設けられる複数のスイッチ回路と、前記表示領域と前記スイッチ回路との間に設けられる複数の中継電極と、該中継電極と前記スイッチ回路とを接続する複数の接続配線とを備え、
前記中継電極は前記配線に接続されると共に、最も表示領域から離間した位置に設けられる前記スイッチ回路と前記中継電極とを接続する接続配線は、平面視で他の前記スイッチ回路と交差している
表示装置。
【請求項2】
前記スイッチ回路及び前記中継電極は絶縁層に覆われており、前記接続配線は当該絶縁層上に設けられると共に、当該絶縁層に形成されたコンタクトホールを介して前記スイッチ回路及び前記中継電極に接続されている
請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記画素回路は、前記配線に接続される画素スイッチと、該画素スイッチに接続される画素電極とを備え、
前記画素電極は前記絶縁層上に形成されており、
前記接続配線は少なくとも当該画素電極と同層に形成される配線電極を有している
請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記絶縁層は、有機絶縁膜を備えると共に、当該有機絶縁膜に重畳する少なくとも1又は複数の無機絶縁膜を備える
請求項2又は3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記スイッチ回路は、ゲート電極と、当該ゲート電極を覆うゲート絶縁層と、ゲート絶縁層上に設けられる半導体層と、当該半導体層を覆う第1絶縁膜と、当該第1絶縁膜上に設けられると共に当該第1絶縁膜に形成されるコンタクトホールを介して半導体層に接続されるソース電極及びドレイン電極とを備える共に、当該ソース電極及びドレイン電極を覆う第2絶縁膜と、当該第2絶縁膜を介して前記ドレイン電極に重畳する電極部を備え、
該電極部は、前記第2絶縁膜に形成されるコンタクトホールを介して前記ドレイン電極に接続されて当該スイッチ回路の出力部を形成する
請求項2乃至請求項4のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項6】
前記出力部はさらに前記絶縁層に覆われており、前記接続配線は、当該絶縁層上に形成されて且つコンタクトホールを介して前記出力部に接続されている
請求項5に記載の表示装置。
【請求項7】
各スイッチ回路のゲート電極は互いに接続されている
請求項5又は請求項6に記載の表示装置。
【請求項8】
前記周辺回路はシフトレジスタを備え、該シフトレジスタからの出力は、前記表示領域から最も離間した位置に設けられる前記スイッチ回路のゲート電極に供給される
請求項7記載の表示装置。
【請求項9】
前記接続配線は、少なくとも透明電極と、当該透明電極に電気的に接続される金属配線と備えている
請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項10】
各スイッチ回路は、夫々信号供給線に接続されると共に、電位供給線を共有しており、前記電位供給線は、少なくとも一つの信号供給線に平面視で交差する
請求項1乃至請求項9のいずれか一項に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一実施形態は、表示装置に関する。特に、本発明の一実施形態は、酸化物半導体を含むトランジスタが用いられた表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、アモルファスシリコン、低温ポリシリコン、および単結晶シリコンに替わり、酸化物半導体をチャネルに用いたトランジスタの開発が進められている(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。酸化物半導体をチャネルに用いたトランジスタは、アモルファスシリコンをチャネルに用いたトランジスタと同様に単純な構造かつ低温プロセスで形成される。酸化物半導体をチャネルに用いたトランジスタは、アモルファスシリコンをチャネルに用いたトランジスタよりも高い移動度を有し、オフ電流が非常に低いことが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-146819号公報
【特許文献2】特開2015-159315号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方で、ヘッドマウントディスプレイなどの表示装置では、画素数を増加した高精細な表示が望まれている。画素数が増加(高精細化)すると、額縁領域において、画素を駆動するための周辺回路や端子部の配線数が増加する。そのため、額縁領域において、配線による専有面積が増大してしまい、狭額縁化を図ることが困難となる。
【0005】
本発明の一実施形態は、上記問題に鑑み、高精細な表示装置において、狭額縁化を図ることを提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態に係る表示装置は、表示領域と表示領域の周囲を包囲する額縁領域とを備え、表示領域には複数の画素回路が設けられると共に、該額縁領域には周辺回路が設けられ、該周辺回路と画素回路は配線で接続されており、周辺回路は、表示領域から離間する方向に沿って設けられる複数のスイッチ回路と、表示領域とスイッチ回路の間に設けられる複数の中継電極と、該中継電極とスイッチ回路とを接続する複数の接続配線とを備え、中継電極は配線に接続されると共に、最も表示領域から離間した位置に設けられるスイッチ回路と中継電極とを接続する接続配線は、平面視で他のスイッチ回路に交差している。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の一実施形態に係る表示装置の概要を示す平面図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る表示装置の回路構成を示すブロック図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る表示装置の画素の画素回路を示す回路図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係る表示装置の構成を示す断面図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係る表示装置の画素のレイアウトである。
【
図6】本発明の一実施形態に係る表示装置のゲートドライバ回路を説明するブロック図である。
【
図8】本発明の一実施形態に係る表示装置の周辺回路のレイアウトの一例である。
【
図9】
図8に示すスイッチ回路におけるゲート電極及び半導体層のレイアウトを説明する図である。
【
図10】本発明の一実施形態に係る表示装置の周辺回路のレイアウトの一例である。
【
図11】本発明の一実施形態に係る表示装置の周辺回路のレイアウトの一例である。
【
図12】
図11に示す第2中間電極及び透明中間電極のレイアウトを説明する図である。
【
図13】本発明の一実施形態に係る表示装置の周辺回路のレイアウトの一例である。
【
図14】
図13におけるA1-A2線に沿って切断したときの断面図である。
【
図15】本発明の一実施形態に係る表示装置の端子部のレイアウトの一例である。
【
図16】
図15におけるB1-B2線に沿って切断したときの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、本発明の各実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。以下の開示はあくまで一例にすぎない。当業者が、発明の主旨を保ちつつ、実施形態の構成を適宜変更することによって容易に想到し得る構成は、当然に本発明の範囲に含有される。図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合がある。しかし、図示された形状はあくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号の後にアルファベットを付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
【0009】
本発明の各実施の形態において、基板から酸化物半導体層に向かう方向を上または上方という。逆に、酸化物半導体層から基板に向かう方向を下または下方という。このように、説明の便宜上、上方または下方という語句を用いて説明するが、例えば、基板と酸化物半導体層との上下関係が図示と逆になるように配置されてもよい。以下の説明で、例えば基板上の酸化物半導体層という表現は、上記のように基板と酸化物半導体層との上下関係を説明しているに過ぎず、基板と酸化物半導体層との間に他の部材が配置されていてもよい。上方または下方は、複数の層が積層された構造において上側に位置するか、あるいは下側に位置するかを言うものであって、平面視した際に互いに重畳関係にあることまで要求するものではない。
【0010】
「表示装置」とは、電気光学層を用いて映像を表示する構造体を指す。例えば、表示装置という用語は、電気光学層を含む表示パネルを指す場合もあり、または表示セルに対して他の光学部材(例えば、偏光部材、バックライト、タッチパネル等)を装着した構造体を指す場合もある。「電気光学層」には、技術的な矛盾が生じない限り、液晶層、エレクトロルミネセンス(EL)層、エレクトロクロミック(EC)層、電気泳動層が含まれ得る。したがって、後述する実施形態について、表示装置として、液晶層を含む液晶表示装置を例示して説明するが、本実施形態における構造は、上述した他の電気光学層を含む表示装置へ適用することができる。
【0011】
本明細書において「αはA、BまたはCを含む」、「αはA,BおよびCのいずれかを含む」、「αはA,BおよびCからなる群から選択される一つを含む」、といった表現は、特に明示が無い限り、αがA~Cの複数の組み合わせを含む場合を排除しない。さらに、これらの表現は、αが他の要素を含む場合も排除しない。
【0012】
なお、以下の各実施形態は、技術的な矛盾を生じない限り、互いに組み合わせることができる。
【0013】
[第1実施形態]
[1.表示装置10の概要]
図1~
図3を参照して、本発明の一実施形態に係る表示装置10の概要について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る表示装置10の概要を示す平面図である。
図1に示すように、表示装置10は、アレイ基板300、シール400、対向基板500、フレキシブルプリント回路基板600(FPC600)、およびICチップ700を有する。アレイ基板300および対向基板500はシール400によって貼り合わせられている。シール400に囲まれた表示領域22には、液晶が充填されると共に、複数の画素310が、第1方向D1(行方向)および第1方向D1と交差する第2方向D2(列方向)に沿ってマトリクス状に配置されている。複数の画素310は、赤色画素R、緑色画素G、および青色画素Bを含む。第1方向D1と第2方向D2とは、直交していてもよい。表示領域22は、後述する液晶素子410と平面視で重畳する領域である。
【0014】
シール400が設けられたシール領域24は、表示領域22を包囲する額縁領域28に設けられている。FPC600は端子領域26に接続されている。端子領域26は額縁領域28のうち、アレイ基板300が対向基板500から露出された領域に設けられ、シール領域24の外側に設けられている。なお、シール領域24の外側とは、額縁領域28にあってシール400によって囲まれた領域の外側を意味する。ICチップ700はFPC600上に設けられている。ICチップ700は各画素310の画素回路350(
図2を参照)を駆動させるための信号を供給する。
【0015】
[2.表示装置10の回路構成]
図2は、本発明の一実施形態に係る表示装置10の回路構成を示すブロック図である。
図2に示すように、画素310の画素回路350が配置された表示領域22に第1方向D1に隣り合う位置にはゲートドライバ回路330が設けられており、表示領域22に第2方向D2に隣り合う位置にはソースドライバ回路320が設けられている。ゲートドライバ回路330およびソースドライバ回路320は、上記の額縁領域28に設けられている。
【0016】
ゲートドライバ回路330からゲート配線331が第1方向D1に延在しており、第1方向D1に配列された複数の画素310の画素回路350に接続されている。ソースドライバ回路320からソース配線321が第2方向D2に延在しており、第2方向D2に配列された複数の画素310の画素回路350に接続されている。
【0017】
端子領域26には複数の端子部333が設けられている。端子部333の構成については後に詳述する。複数の端子部333のそれぞれとソースドライバ回路320とは接続配線341で接続されている。同様に、端子部333とゲートドライバ回路330とは接続配線341で接続されている。FPC600が端子部333に接続されることで、ソースドライバ回路320とゲートドライバ回路330とはICチップ700に接続される。当該ICチップは、外部機器からの入力信号に基づいてこれらソースドライバ回路320とゲートドライバ回路330を制御する。この結果、表示領域22内の各画素310に含まれる画素回路350が駆動する。
【0018】
[3.表示装置10の画素310の画素回路350]
図3は、本発明の一実施形態に係る表示装置10の画素310の画素回路350を示す回路図である。
図3に示すように、画素回路350は画素トランジスタ(画素スイッチ)800、保持容量890、および液晶素子410などの素子を含む。詳細は後述するが、保持容量890の一方の電極は画素電極PTCO2であり、他方の電極は共通電極CTCO2を含む。同様に、液晶素子410の一方の電極は画素電極PTCO2であり、他方の電極は共通電極CTCO2である。共通電極CTCO2には、共通電位VCOMが供給される。画素トランジスタ800はゲート電極810、ソース電極830、およびドレイン電極840を有する。ゲート電極810はゲート配線331に接続されている。ソース電極830はソース配線321に接続されている。ドレイン電極840は保持容量890および液晶素子410に接続されている。なお、本実施形態では、説明の便宜上、830をソース電極といい、840をドレイン電極というが、それぞれの電極のソースとしての機能とドレインとしての機能とが入れ替わってもよい。
【0019】
[4.表示装置10の構成]
図4及び
図5を参照して、本発明の一実施形態に係る表示装置10の構成の詳細について説明する。
図4は、本発明の一実施形態に係る表示装置10の構成を示す断面図である。
図5は、本発明の一実施形態に係る表示装置10の画素のレイアウトである。なお、
図4の断面図は、表示装置10の層構造を端的に説明するための典型例としての断面図であり、周辺回路と画素回路350が隣接して示されている。実際には画素回路350は表示領域22内に、周辺回路は表示領域22外の額縁領域28に設けられており、画素回路350と周辺回路とが離間して設けられていることは言うまでもない。特に、
図4の中の画素回路350においては、画素領域中のコンタクトホール周辺部を中心に示されており、表示に寄与する透過領域(開口領域)については一部のみが示されている。また、
図4中、周辺回路として示されているのは、ソースドライバ回路320やゲートドライバ回路330に設けられるトランジスタ周りの典型例を示しており、画素回路350ととして示されているのは、画素回路350内の画素トランジスタ周りの典型例を示している。
【0020】
図4に示すように、表示装置10は基板SUBの上方に設けられている。表示装置10は、トランジスタTr1、トランジスタTr2、配線W1、W2、接続電極ZTCO1、ZTCO2、透明導電層PTCO1、画素電極PTCO2、共通補助電極CMTL1、CMTL2、および透明導電層CTCO1、及び共通電極CTCO2を有する。なお、TCOはTransparent Conductive Oxide(透明導電性酸化物)の略称である。トランジスタTr1はソースドライバ回路320またはゲートドライバ回路330などの周辺回路に含まれるトランジスタである。トランジスタTr2は表示装置10の画素310の画素回路350に含まれるトランジスタである。
【0021】
[5.周辺回路の構成]
周辺回路は、少なくともトランジスタTr1は、p型のトランジスタTr1-1およびn型のトランジスタTr1-2を有する。
【0022】
n型のトランジスタTr1-1およびp型のトランジスタTr1-2は、いずれもゲート配線GL1、ゲート絶縁層GI1、及び半導体層Sを有する。ゲート配線GL1は半導体層Sに対向する。ゲート絶縁層GI1は半導体層Sとゲート配線GL1との間に設けられている。本実施形態では、半導体層Sよりも基板SUB側にゲート配線GL1が設けられたボトムゲート型トランジスタが例示されているが、半導体層Sとゲート配線GL1との位置関係が逆であるトップゲート型トランジスタが用いられてもよい。
【0023】
p型のトランジスタTr1-2の半導体層Sは、半導体層S1、S2を含む。n型のトランジスタTr1-1の半導体層Sは、半導体層S1、S2、S3を含む。半導体層S1は、平面視でゲート配線GL1と重畳する領域の半導体層である。半導体層S1はトランジスタTr1-1のチャネルとして機能する。半導体層S2は導電層として機能する。半導体層S3は、半導体層S2よりも高抵抗な導電層として機能する。また、ゲート配線GL1において、半導体層Sと重畳する領域をゲート電極と呼ぶ場合がある。半導体層S3は、半導体層S1に向かって侵入するホットキャリアを減衰させることで、ホットキャリア劣化を抑制する。
【0024】
半導体層Sの上に絶縁層IL1およびゲート絶縁層GI2が設けられている。トランジスタTr1において、ゲート絶縁層GI2は単に層間膜として機能する。これらの絶縁層の上に配線W1が設けられている。配線W1は、絶縁層IL1およびゲート絶縁層GI2に設けられた開口を介して半導体層Sに接続されている。配線W1の上に絶縁層IL2が設けられている。絶縁層IL2の上に配線W1が設けられている。配線W1は、絶縁層IL2に設けられた開口を介して配線W1に接続されている。
【0025】
ゲート配線GL1と遮光層LS2とは同一層である。配線W1とゲート配線GL2とは同一層である。以下、同一層又は同層とは、複数の部材が、1つの層がパターニングされることによって形成されたものであることを意味する。
【0026】
配線W1上に、絶縁層IL2が設けられている。絶縁層IL2の上に配線W2が設けられている。配線W2は、絶縁層IL2に設けられたコンタクトホールを介して配線W1に接続されている。絶縁層IL2及び配線W2上には絶縁層IL3が設けられている。絶縁層IL3上には、接続電極ZTCO1が設けられている。接続電極ZTCO1は、絶縁層IL3に設けられたコンタクトホールを介して、配線W2に接続されている。接続電極ZTCO1は、透明導電層である。絶縁層IL3及び接続電極ZTCO1上には、絶縁層IL4が設けられている。絶縁層IL4は、絶縁層IL4よりも下層に設けられた構造体によって形成された段差を緩和する。絶縁層IL4上には、透明導電層PTCO1が設けられている。透明導電層PTCO1は、絶縁層IL4に設けられたコンタクトホールを介して接続電極ZTCO1と接続されている。絶縁層IL4及び透明導電層PTCO1上には、絶縁層IL5が設けられている。絶縁層IL5上には、共通補助電極CMTL1が設けられている。共通補助電極CMTL1は、絶縁層IL5に設けられたコンタクトホールを介して、透明導電層PTCO1と接続されている。共通補助電極CMTL1上には、透明導電層CTCO1が設けられている。配線W1は、配線W2、接続電極ZTCO1、透明導電層PTCO1、及び共通補助電極CMTL1を介して、透明導電層CTCO1と接続される。接続電極ZTCO1、透明導電層PTCO1、共通補助電極CMTL1、及び透明導電層CTCO1については、
図7以降において詳述する。
【0027】
[6.画素回路350の構成]
次に、
図4及び
図5を参照して、画素回路350の構成について説明する。トランジスタTr2は、酸化物半導体層OS、ゲート絶縁層GI2、およびゲート配線GL2を有する。ゲート配線GL2は酸化物半導体層OSに対向する。ゲート絶縁層GI2は酸化物半導体層OSとゲート配線GL2との間に設けられている。本実施形態では、ゲート配線GL2よりも基板SUB側に酸化物半導体層OSが設けられたトップゲート型トランジスタが例示されているが、ゲート配線GL2と酸化物半導体層OSとの位置関係が逆であるボトムゲート型トランジスタが用いられてもよい。なお、
図5においては、絶縁層IL5、共通補助電極CMTL2、及び共通電極CTCO2のレイアウトについては図示が省略されている。
【0028】
酸化物半導体層OSは、酸化物半導体層OS1、OS2を含む。酸化物半導体層OS1は、平面視でゲート配線GL2と重畳する領域の酸化物半導体層である。酸化物半導体層OS1は、半導体層として機能し、ゲート配線GL2に供給される電圧に応じて導通状態と非導通状態とに切り替えられる。つまり、酸化物半導体層OS1はトランジスタTr2のチャネルとして機能する。酸化物半導体層OS2は導電層として機能する。酸化物半導体層OS1、OS2は同じ酸化物半導体層から形成された層である。例えば、酸化物半導体層OS2は、酸化物半導体層OS1と同じ物性の層に対して不純物をドーピングすることで低抵抗化された酸化物半導体層である。
【0029】
ゲート配線GL2の上に絶縁層IL2が設けられている。絶縁層IL2の上に配線W2が設けられている。配線W2は、絶縁層IL2およびゲート絶縁層GI2に設けられた開口WCONを介して酸化物半導体層OS2に接続されている。配線W2には、画素の階調に関連するデータ信号が伝達される。配線W2は、ソース電極又はドレイン電極の一方として機能する。絶縁層IL2および配線W2の上に絶縁層IL3が設けられている。絶縁層IL3の上に接続電極ZTCO2が設けられている。接続電極ZTCO2は、絶縁層IL3、IL2、およびゲート絶縁層GI2に設けられた開口ZCONを介して酸化物半導体層OS2に接続されている。接続電極ZTCO2は、ソース電極又はドレイン電極の他方として機能する。接続電極ZTCO2は開口ZCONの底部において酸化物半導体層OS2と接している。接続電極ZTCO2は、透明導電層である。
【0030】
ここで、例えばITO層などの透明導電層をシリコン層などの半導体層に接するように形成すると、ITO成膜時のプロセスガスや酸素イオンによって半導体層の表面が酸化する。半導体層の表面に形成された酸化層は高抵抗であるため、半導体層と透明導電層と間の接触抵抗が高くなってしまい、両者の電気的接触に不良が生じる。一方、上記の透明導電層を酸化物半導体層に接するように形成しても、酸化物半導体層の表面に上記のような高抵抗な酸化層は形成されないため、酸化物半導体層と透明導電層との間の電気的接触に不良は生じない。
【0031】
接続電極ZTCO2の上に絶縁層IL4が設けられている。絶縁層IL4を平坦化膜という場合がある。絶縁層IL4の上に画素電極PTCO2が設けられている。画素電極PTCO2は絶縁層IL4に設けられた開口PCONを介して接続電極ZTCO2に接続されている。画素電極PTCO2は、透明導電層である。
【0032】
画素電極PTCO2の上に絶縁層IL5が設けられている。絶縁層IL5の上に共通補助電極CMTL2および共通電極CTCO2が設けられている。詳細は後述するが、共通補助電極CMTL2と共通電極CTCO2とは異なる平面パターンを有する。共通補助電極CMTL2は金属層である。共通電極CTCO2は透明導電層である。共通補助電極CMTL2の電気抵抗は共通電極CTCO2の電気抵抗よりも低抵抗である。また、共通補助電極CMTL2は遮光層としても機能し、例えば、隣接する画素からの光を遮光することで、混色の発生を抑制することができる。共通電極CTCO2の上にスペーサSPが設けられている。
【0033】
スペーサSPは一部の画素に対して設けられている。例えば、スペーサSPは、赤色画素、緑色画素、および青色画素のいずれか1つの画素に対して設けられていてもよい。但し、スペーサSPは全ての画素に設けられていてもよい。スペーサSPの高さは、セルギャップの半分の高さである。なお、対向基板にもスペーサが設けられており、対向基板のスペーサと上記のスペーサSPとは平面視で重畳する。
【0034】
トランジスタTr2と基板SUBとの間に遮光層LSが設けられている。本実施形態では、遮光層LSとして、遮光層LS1、LS2が設けられている。ただし、遮光層LSは遮光層LS1のみまたは遮光層LS2のみで形成されていてもよい。平面視で、遮光層LSは、ゲート配線GL2と酸化物半導体層OSとが重畳する領域に設けられている。つまり、平面視で、遮光層LSは酸化物半導体層OS1と重畳する領域に設けられている。遮光層LSは、基板SUB側から入射した光が酸化物半導体層OS1に到達することを抑制する。遮光層LSとして導電層が用いられる場合、遮光層LSに電圧を印加して酸化物半導体層OS1を制御してもよい。遮光層LSに電圧が印加される場合、遮光層LSとゲート配線GL2とは、額縁領域28で接続されていてもよい。平面視で、上記の第1コンタクト領域CON1は遮光層LSと重畳しない領域に設けられている。
【0035】
[7.表示装置10の各部材の材質]
基板SUBとして、ガラス基板、石英基板、またはサファイア基板など、透光性を有し、可撓性を有しない剛性基板を用いることができる。一方、基板SUBが可撓性を有する必要がある場合は、基板SUBとしてポリイミド基板、アクリル基板、シロキサン基板、またはフッ素樹脂基板など、樹脂を含み、可撓性を有するフレキシブル基板を用いることができる。基板SUBの耐熱性を向上させるために、上記の樹脂に不純物を導入してもよい。
【0036】
ゲート配線GL1、GL2、配線W1、W2、遮光層LS、および共通補助電極CMTL1、CMTL2として、金属材料を用いることができる。例えば、金属材料として、例えば、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、モリブデン(Mo)、ハフニウム(Hf)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、ビスマス(Bi)、もしくは銀(Ag)、またはこれらの合金もしくは化合物が用いられる。上記の部材として、上記の金属材料が単層で用いられてもよく、積層で用いられてもよい。例えば、ゲート配線GL2として、Ti/Al/Tiの積層構造が用いられる。本実施形態において、上記の積層構造のゲート配線GL2のパターン端部の断面形状は順テーパ形状である。
【0037】
ゲート絶縁層GI1、GI2および絶縁層IL1~IL5として、一般的な絶縁性材料を用いることができる。例えば、絶縁層IL1~IL3、IL5として、として、酸化シリコン(SiOx)、酸化窒化シリコン(SiOxNy)、窒化シリコン(SiNx)、窒化酸化シリコン(SiNxOy)、酸化アルミニウム(AlOx)、酸化窒化アルミニウム(AlOxNy)、窒化酸化アルミニウム(AlNxOy)、または窒化アルミニウム(AlNx)などの無機絶縁層を用いることができる。これらの絶縁層として、欠陥が少ない絶縁層を用いることができる。絶縁層IL4として、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、またはシロキサン樹脂などの有機絶縁材料を用いることができる。なお、ゲート絶縁層GI1、GI2および絶縁層IL1~IL3、IL5として、上記の有機絶縁材料が用いられてもよい。上記の部材として、上記の材料が単層で用いられてもよく、積層で用いられてもよい。
【0038】
なお、上記の絶縁層の一例として、ゲート絶縁層GI1として厚さが100nmのSiOxが用いられる。また、絶縁層IL1として総厚さが600nm~700nmのSiOx/SiNx/SiOxが用いられる。ゲート絶縁層GI2として総厚さが60~100nmのSiOx/SiNxが用いられる。絶縁層IL2として総厚さが300nm~500nmのSiOx/SiNx/SiOxが用いられる。絶縁層IL3として総厚さが200nm~500nmのSiOx(単層)、SiNx(単層)、またはこれらの積層が用いられる。絶縁層IL4として厚さが2μm~4μmの有機層が用いられる。絶縁層IL5として厚さが50nm~150nmのSiNx(単層)が用いられる。
【0039】
上記のSiOxNyおよびAlOxNyは、酸素(O)よりも少ない比率(x>y)の窒素(N)を含有するシリコン化合物およびアルミニウム化合物である。また、SiNxOyおよびAlNxOyは、窒素よりも少ない比率(x>y)の酸素を含有するシリコン化合物およびアルミニウム化合物である。
【0040】
酸化物半導体層OSとして、半導体の特性を有する酸化物半導体を用いることができる。酸化物半導体層OSは透光性を有する。例えば、インジウム(In)、ガリウム(Ga)、亜鉛(Zn)、および酸素(O)を含む酸化物半導体を用いることができる。特に、In:Ga:Zn:O=1:1:1:4の組成比を有する酸化物半導体を用いることができる。ただし、本実施形態で使用されるIn、Ga、Zn、およびOを含む酸化物半導体は上記の組成に限定されるものではなく、上記とは異なる組成の酸化物半導体を用いることもできる。例えば、移動度を向上させるためにInの比率を上記より大きくしてもよい。また、バンドギャップを大きくし、光照射による影響を小さくするためにGaの比率を上記より大きくしてもよい。
【0041】
In、Ga、Zn、およびOを含む酸化物半導体に他の元素が添加されていてもよい。例えば、当該酸化物半導体にAlまたはSnなどの金属元素が添加されていてもよい。上記の酸化物半導体以外にもInおよびGaを含む酸化物半導体(IGO)、InおよびZnを含む酸化物半導体(IZO)、In、Sn、およびZnを含む酸化物半導体(ITZO)、またはInおよびWを含む酸化物半導体などが酸化物半導体層OSとして用いられてもよい。酸化物半導体層OSはアモルファスであってもよく、結晶性であってもよい。酸化物半導体層OSはアモルファスと結晶の混相であってもよい。
【0042】
接続電極ZTCO1、ZTCO2、透明導電層PTCO1、画素電極PTCO2、透明導電層CTCO1、および共通電極CTCO2として、透明導電材料が用いられる。透明導電層PTCO1及び画素電極PTCO2は、同じ膜から形成される。また、透明導電層CTCO1及び共通電極CTCO2は、同じ膜から形成される。当該透明導電材料として、酸化インジウムおよび酸化スズの混合物(ITO)または酸化インジウムおよび酸化亜鉛の混合物(IZO)などを用いることができる。当該透明導電材料として、上記以外の材料が用いられてもよい。
【0043】
[8.周辺回路の構成]
次に、周辺回路の一例としてゲートドライバ回路330の構成について、
図6~
図14を参照して説明する。
図6は、ゲートドライバ回路330の構成を説明するブロック図である。
図6において、ゲートドライバ回路330は、少なくともシフトレジスタSR及び第1スイッチ回路BR1~第4スイッチ回路BR4からなるユニットを複数有する。第1スイッチ回路BR1~第4スイッチ回路BR4はそれぞれ、接続配線250-1~250-4及び中継電極202-5~202-8を介してゲート配線331-1~331-4に接続されている。ゲート配線331-1~331-8のそれぞれは、表示領域22のトランジスタTr2のゲート配線GL2のそれぞれに接続されている。
【0044】
シフトレジスタSRから出力された信号に基づいてスイッチ回路BRが駆動し、当該スイッチ回路BRから中継電極を介して、ゲート配線331にパルス波を含むゲート信号GATEが供給される。ゲート信号GATEによって、各トランジスタTr2のオン状態又はオフ状態を制御する。
【0045】
図7は、スイッチ回路BRの回路図の一例である。以降の説明において、第1スイッチ回路B1~第4スイッチ回路BR4のそれぞれを区別しない場合には、スイッチ回路BRと記載する。また、第1スイッチ回路B1~第4スイッチ回路BR4のそれぞれの構成要素についても同様である。
【0046】
図7に示すように、スイッチ回路BRは、シフトレジスタSRからの入力を受ける第1スイッチ部SW1と、第2スイッチ部SW2とを有している。第1スイッチ部SW1及び第2スイッチ部SW2への入力は互いに相補的である。例えば、第1スイッチ部SW1へ第1入力信号input1としてハイ信号が入力される場合には、同時に第2スイッチ部SW2へ第2入力信号input2としてロー信号が入力される。第1スイッチ部SW1及び第2スイッチ部SW2において、第1入力信号input1と第2入力信号input2の入力が入れ替わってもよい。
【0047】
第1スイッチ部SW1は、第1入力信号input1が入力されるn型の第1トランジスタTr1-1nとp型の第2トランジスタTr1-2pを有している。また、第2スイッチ部SW2は、第2入力信号input2が入力されるn型の第3トランジスタTr1-3nを有している。また、第1スイッチ回路B1~第4スイッチ回路BR4の各々において、第1スイッチ部SW1同士が互いに接続されると共に、第2スイッチ部SW2同士が互いに接続されている。これらの接続関係については後述する。
【0048】
表示領域22に対して画素を小さくして画素数を増やす高精細の表示装置においては、画素行の数も著しく増加することになる。この結果、各画素行のゲート配線に電位を供給するスイッチ回路SWを単純に第2方向D2に並べる場合、表示領域22の第2方向D2の長さよりも、ゲートドライバ回路の第2方向D2の長さの方が著しく大きくなってしまう。そのため、本発明の一実施形態に係る表示装置では、4つのスイッチ回路BRを1つのユニットとして第1方向D1に配置し、かかるユニットを第2方向D2に並べている。各ユニットにおいては、第1スイッチ回路BR1~第4スイッチ回路BR4の各々が第2方向D2にわずかにずれつつ第1方向D1に並んでいる。また、1ユニットにおいてはシフトレジスタSRからと直接接続されるのは第1スイッチ回路BR1のみであり、第2スイッチ回路BR2は第1スイッチ回路BR1を通じてシフトレジスタSRの出力を受け取る。また、第3スイッチ回路BR3は第1スイッチ回路BR1及び第2スイッチ回路BR2を通じてシフトレジスタSRの出力を受け取り、第4スイッチ回路BR4は第1スイッチ回路BR1、第2スイッチ回路BR2及び第3スイッチ回路BR3を通じてシフトレジスタSRの出力を受け取る。このようにシフトレジスタSRからの出力が順に供給されることにより、ユニット内の4つの第1スイッチ回路B1~第4スイッチ回路BR4が順次駆動する。
【0049】
以下、スイッチ回路BRのレイアウトについて
図8~
図14を用いて説明する。各スイッチ回路BRの構成はほぼ同じであるので、以下の説明においては、第1スイッチ回路BR1の構成を中心に説明する。
【0050】
なお、以下の説明において、202-nと付番している構成は、
図4中のゲート配線GL1と同層であることを示す。また、204-nと付番している構成は、
図4中の半導体層Sと同層であることを示す。また、206-nと付番している構成は、
図4中の絶縁層IL1及びゲート絶縁層GI2に形成されたコンタクトホールであることを示す。また、208-nと付番している構成は、
図4中のゲート配線GL2及び配線W1と同層(あるいはW1それ自身)であることを示す。また、212-nと付番している構成は、
図4中の絶縁層IL2に形成されたコンタクトホールであることを示す。また、214-nと付番している構成は、
図4中の配線W2と同層(あるいはW2それ自身)であることを示す。また、216-nと付番している構成は、
図4中の絶縁層IL3に形成されたコンタクトホールであることを示す。また、218-nと付番している構成は、
図4中の接続電極ZTCOと同層であることを示す。また、222-nと付番している構成は、
図4中の絶縁層IL4に形成されたコンタクトホールであることを示す。また、224-nと付番している構成は、
図4中の画素電極PTCO2と同層であることを示す。また、226-nと付番している構成は、
図4中の絶縁層IL5に形成されたコンタクトホールであることを示す。また、228-nと付番している構成は、
図4中の共通補助電極CMTL2と同層であることを示す。また、232-nと付番している構成は、
図4中の共通電極CTCO2と同層であることを示す。
【0051】
図8及び
図9に示す如く、絶縁表面上に、第1トランジスタTr1-1n及び第2トランジスタTr1-2pのゲート配線として機能する導電層202-1、第3トランジスタTr1-3nのゲート配線として機能する導電層202-2が設けられている。より具体的には、導電層202-1は、第1トランジスタTr1-1nの第1ゲート電極202-11と、第2トランジスタTr1-2pの第2ゲート電極202-12とを有すると共に、第1ゲート電極202-11と第2ゲート電極202-12とを接続する接続部202-13を有している。第1ゲート電極202-11、第2ゲート電極202-12はいずれもダブルゲート構造を有している。第1スイッチ部SW1においては、接続部202-13がシフトレジスタSRから出力された信号の入力を受ける。また、導電層202-1は、ダブルゲート構造である第2ゲート電極202-12の一方に接続される第1接続線202-14を有しており、当該第1接続線202-14は第2スイッチ回路BR2の第1トランジスタTr1-1nの接続部202-13に接続される。かかる接続関係は第2スイッチ回路BR2と第3スイッチ回路BR3との間、第3スイッチ回路BR3と第4スイッチ回路BR4との間でも同様である。これにより、第1スイッチ回路BR1の第1スイッチ部SW1(接続部202-13)に入力されたシフトレジスタSRからの信号は、第2スイッチ回路BR2~第4スイッチ回路BR4の第1スイッチ部SW1に順次供給される。
【0052】
また、導電層202-2は、第3トランジスタTr1-3nの第3ゲート電極202-21を有している。第3ゲート電極202-21はダブルゲート構造を有している。また、導電層202-2は、ダブルゲート構造である第3ゲート電極202-21の一方に接続される第2接続線202-22を有しており、当該第2接続線202-22は第2スイッチ回路BR2の第3トランジスタTr1-3nの第3ゲート電極202-21に接続される。かかる接続関係は第2スイッチ回路BR2と第3スイッチ回路BR3との間、第3スイッチ回路BR3と第4スイッチ回路BR4との間でも同様である。これにより、第1スイッチ回路BR1の第2スイッチ部SW2に入力された信号は、第2スイッチ回路BR2~第4スイッチ回路BR4の第2スイッチ部SW2に順次供給される。
【0053】
また、各スイッチ回路BRの間となる位置にブリッジ電極202-3が設けられている。
【0054】
また、第4スイッチ回路BR4と表示領域22との間に、中継電極202-5~202-8が設けられている。後述するが、中継電極202-5は、第1スイッチ回路BR1の出力と電気的に接続される。中継電極202-6は、第2スイッチ回路BR2の出力と電気的に接続される。中継電極202-7は、第3スイッチ回路BR3の出力と電気的に接続される。中継電極202-8は、第4スイッチ回路BR4の出力と電気的に接続される。中継電極202-5~202-8は、図示しないが、表示領域22に第1方向D1に沿って延在するゲート配線GL2のそれぞれに接続される。
【0055】
図8及び
図9に示す如く、導電層202-1、202-2と重畳する領域に半導体層204-1~204-4が第1方向D1に並んで設けられている。各半導体層204-1~204-4は、第1スイッチ回路BR1~第4スイッチ回路BR4の各々の半導体層を構成する。各半導体層の構成は同じであるので、以下では半導体層204-1についてのみ説明する。
【0056】
半導体層204-1は、第1ゲート電極202-11に対向する第1n型チャネル部204-11を有する。また、半導体層204-1は、当該第1n型チャネル部204-11の両側に、すなわち、
図9における上下方向に、第1n型ソース部204-12及び第1n型ドレイン部204-13を有している。
【0057】
また、半導体層204-1は、第2ゲート電極202-12に対向するp型チャネル部204-14を有する。また、半導体層204-1は、当該p型チャネル部204-14の両側、すなわち、
図9における上下方向に、p型ドレイン部204-15及びp型ソース部204-16を有している。
【0058】
また、半導体層204-1は、第3ゲート電極202-21に対向する第2n型チャネル部204-17を有する。また、半導体層204-1は、当該第2n型チャネル部204-17の両側、すなわち、
図9における上下方向に第2n型ソース部204-18と第2n型ドレイン部204-19を有している。
【0059】
すなわち、第1スイッチ回路BR1の半導体層204-1は、
図9の上から下に向かって、第1n型ソース部204-12、第1n型チャネル部204-11、第1n型ドレイン部204-13、p型ドレイン部204-15、p型チャネル部204-14、p型ソース部204-16、第2n型ソース部204-18、第2n型チャネル部204-17、第2n型ドレイン部204-19がこの順で並んで設けられている。
【0060】
第1n型ドレイン部204-13とp型ドレイン部204-15とは互いに隣接して設けられている。また、p型ソース部204-16と第2n型ソース部204-18とは互いに隣接して設けられている。
【0061】
図4に示す如く、半導体層204-1~204-4上には絶縁層IL1及びゲート絶縁層GI2が設けられている。絶縁層IL1及びゲート絶縁層GI2には、
図8~
図10に示す如く、半導体層204-1と重なる位置にコンタクトホール206-1~206-7が設けられている。より具体的には、
図9に示す如く、コンタクトホール206-1は、第1方向D1に沿って複数設けられており、p型ソース部204-16と第2n型ソース部204-18とを露出させる。コンタクトホール206-2は、第1方向D1に沿って複数設けられており、第2n型ドレイン部204-19を露出させる。コンタクトホール206-3は、第1方向D1に沿って複数設けられており、第1n型ドレイン部204-13及びp型ドレイン部204-15を露出させる。コンタクトホール206-4は、第1方向D1に沿って複数設けられており、第1n型ソース部204-12を露出させる。
【0062】
図8に示す如く、コンタクトホール206-5は、第2方向D2に沿って複数設けられてブリッジ電極202-3の両端部を露出させる。コンタクトホール206-7は、第2方向D2に沿って複数設けられており、中継電極202-5~202-8を露出させる。
【0063】
図4及び
図10において、絶縁層IL1上に第1トランジスタTr1-1n、第2トランジスタTr1-2p、及び第3トランジスタTr1-3nのソース電極又はドレイン電極として機能する導電層208-1~208-4が設けられている。導電層208-3は、第1方向D1に延在してコンタクトホール206-4を介して第1n型ソース部204-12に接続される第1ソース電極部208-31と、第1ソース電極部208-31の一端に設けられたコンタクトホール206-5を介してブリッジ電極202-3に接続されるコンタクト部208-32と、第1ソース電極部208-31の他端に設けられた第2方向D2に延在する第1配線部208-33とを有する。また、第2スイッチ回路BR2と第2方向D2に隣り合う位置には、左端の形状以外は導電層208-3と略同形の導電層208-9が設けられており、かかる導電層208-9の端部はコンタクトホール206-5を介してブリッジ電極202-3に接続される。すなわち、隣接する2つの導電層208-9はブリッジ電極202-3を介して互いに接続されている。他の隣接するスイッチ回路BR間も同様である。
【0064】
また、導電層208-1は、第1方向D1に延在する第2ソース電極部208-11を有している。第2ソース電極部208-11は、コンタクトホール206-1を介してp型ソース部204-16及び第2n型ソース部204-18と接続されている。ここで、導電層208-1は、これらp型ソース部204-16と第2n型ソース部204-18にバッティングコンタクトしている。バッティングコンタクトとは、互いに導電性の異なるn型導電領域とp型導電領域とが、導電層を介して互いに接続された構造をいう。なお、かかる構成に限らず、p型ソース部204-16に対向する位置と第2n型ソース部204-18に対向する位置に別々にコンタクトホールを設け、第2ソース電極部208-11がそれぞれのコンタクトホールを介してp型ソース部204-16と第2n型ソース部204-18に接続する構成も採用可能である。また、導電層208-1は、第2方向D2に延在する第2配線部208-13を有しており、第2ソース電極部208-11の一端に接続されている。
【0065】
導電層208-2は、第1ドレイン電極部208-21、第2ドレイン電極部208-22、及び接続部208-23を有する。第1ドレイン電極部208-21は、コンタクトホール206-3を介して第1n型ドレイン部204-13及びp型ドレイン部204-15に接続される。第2ドレイン電極部208-22は、コンタクトホール206-2を介して第2n型ドレイン部204-19に接続される。接続部208-23は、隣接する2つの第1ドレイン電極部208-21と第2ドレイン電極部208-22とを接続する。
【0066】
導電層208-4は、半導体層204-1(p型チャネル部204-14)を介して第2ゲート電極202-12に対向する対向電極部208-41と、コンタクトホール206-6を介して導電層202-1と接続されるコンタクト部208-42とを有している。
【0067】
また、絶縁層IL1上には、第4スイッチ回路BR4の第2配線部208-13に沿って第1中間電極208-5~208-8が設けられている。第1中間電極208-5は、コンタクトホール206-7を介して中継電極202-5と接続される。他の第1中間電極208-6~208-8についても同様である。なお、
図4に示す如く、画素領域においては、絶縁層IL1とゲート絶縁層GI2との間に酸化物半導体層OSが設けられている。酸化物半導体層OSと対向とするゲート配線GL2が設けられている。酸化物半導体層OSとゲート配線GL1との間にゲート絶縁層GI2が設けられている。導電層208-1~208-4、第1中間電極208-5~208-8は、トランジスタTr2のゲート配線GL2と同じ導電層から形成される。導電層208-1~208-4、第1中間電極208-5~208-8上には、絶縁層IL2が設けられている。
【0068】
図11において、絶縁層IL2には、コンタクトホール212-1~212-3が設けられている。コンタクトホール212-1は、第1方向D1に沿って複数設けられており、導電層208-1の第2ソース電極部208-11を露出させる。なお、これらコンタクトホール212-1は、平面視でコンタクトホール206-1の間に設けられている。コンタクトホール212-2は、第1方向D1に沿って複数設けられており、導電層208-2の第2ドレイン電極部208-22を露出させている。コンタクトホール212-3は、第2方向D2に沿って複数設けられており、第1中間電極208-5~208-8を露出させている。
【0069】
また、絶縁層IL2上には、導電層214-1が設けられている。導電層214-1はx方向に延在して設けられてコンタクトホール212-1を介して導電層208-1の第2ソース電極部208-11と接続される長尺のコンタクト部214-11と、第2方向D2に延在してコンタクト部214-11に接続される第3配線部214-12とを有している。当該第3配線部214-12は、第2配線部208-13に重畳している。
【0070】
また、絶縁層IL2上には、導電層214-1のコンタクト部214-11と第2方向D2に隣り合って設けられる帯状電極214-2(電極部ともいう)が設けられている。帯状電極214-2は、コンタクトホール212-2を介して導電層208-2の第2ドレイン電極部208-22と接続されている。
【0071】
また、
図11及び
図12に示す如く、絶縁層IL2上には、第1中間電極208-5~208-8と対向する位置に第2中間電極214-5~214-8が設けられている。第2中間電極214-5~214-8は、コンタクトホール212-3を介して第1中間電極208-5~208-8にそれぞれ接続されている。
【0072】
また、絶縁層IL2上には、第2方向D2に延在して第1配線部208-33に重畳する第4配線部214-3が設けられている。
【0073】
導電層214-1、帯状電極214-2、第4配線部214-3は、トランジスタTr2のソース電極又はドレイン電極の一方として機能する配線W2と同じ導電層から形成される。導電層214-1、帯状電極214-2、第4配線部214-3上には、絶縁層IL3が設けられている。
【0074】
図4、
図11及び
図12に示す如く、絶縁層IL3には、コンタクトホール216-1、216-2が設けられている。コンタクトホール216-1は各スイッチ回路BRの帯状電極214-2を露出させている。平面視した時、コンタクトホール216-1は、コンタクトホール212-2と第1方向D1に沿って並んで配置されているが、第1方向D1の幅はコンタクトホール212-2よりも大きい。また、コンタクトホール216-1は、コンタクトホール212-2の間に設けられている。また、コンタクトホール216-2は、第2中間電極214-5~214-8を露出させている。当該コンタクトホール216-2の第1方向D1の幅(第1方向D1における長さ)も、平面視で近傍に位置するコンタクトホール212-3よりも大きい。
【0075】
また、絶縁層IL3上には、透明中間電極218-1、218-5~218-8が設けられている。透明中間電極218-1は、矩形状に形成されて帯状電極214-2に重畳する位置に設けられており、コンタクトホール216-1を介して当該帯状電極214-2と接続されている。当該透明中間電極218-1の第2方向D2の幅(第2方向D2における長さ)は、帯状電極214-2の第2方向D2の幅よりも小さい。
【0076】
また、透明中間電極218-5~218-8は、矩形状に形成されて第2中間電極214-5~214-8に重畳する位置に設けられており、コンタクトホール216-2を介してこれら第2中間電極214-5~214-8と接続されている。当該透明中間電極218-5~218-8の第1方向D1及び第2方向D2の幅は、第2中間電極214-5~214-8のそれぞれの幅よりも小さい。
【0077】
また、第1スイッチ回路BR1の透明中間電極218-1と透明中間電極218-5は、中心位置の第2方向D2の座標位置がほぼ同じ位置にある。この結果、当該透明中間電極218-1と透明中間電極218-5とは第1方向D1に平行な仮想直線上(
図11中に二点鎖線で図示されている。)で重なる。他のスイッチ回路BRの透明中間電極218-1と透明中間電極218-6~218-8の関係についても同様である。
【0078】
透明中間電極218-1、218-2は、接続電極ZTCOと同じ透明導電層から形成される。透明中間電極218-1、218-2上には、絶縁層IL4が設けられている。
【0079】
図4、
図13及び
図14において、有機絶縁材料からなる絶縁層IL4には、コンタクトホール222-1、222-2が設けられている。コンタクトホール222-1は、コンタクトホール222-2と、第1方向D1に沿って並んでいる。コンタクトホール222-1は、平面視で少なくとも一部がコンタクトホール216-1と重畳しており、透明中間電極218-1を露出させる。また、コンタクトホール222-2は、平面視において、少なくとも一部がコンタクトホール216-2と重畳しており、透明中間電極218-5を露出させる。他の第2スイッチ回路BR2~第4スイッチ回路BR4における透明中間電極218-2~218-4とコンタクトホール222-1の関係及びコンタクトホール222-2と透明中間電極218-6~218-8の関係も同様である。なお、
図14は、
図13に示すA1-A2線に沿って切断したときの断面図である。
【0080】
(画素電極PTCO2と同層)
また、絶縁層IL4上には、帯状の透明電極224-1~224-4(配線電極ともいう)が設けられている。透明電極224-1は、第1方向D1に延在して形成されており、一方の端部が透明中間電極218-1に重畳しており、他方の端部が透明中間電極218-5と重畳している。透明電極224-1の一方の端部は、コンタクトホール222-1を介して透明中間電極218-1と接続されている。また、透明電極224-1の他方の端部は、コンタクトホール222-2を介して、透明中間電極218-5と接続されている。つまり、透明電極224-1によって、透明中間電極218-1と、透明中間電極218-5とは電気的に接続され、ひいては、第1スイッチ回路BR1が中継電極202-5に接続されることとなる。同様に、透明電極224-2を介して第2スイッチ回路BR2が中継電極202-6に接続されることになる。他の第3スイッチ回路BR3、第4スイッチ回路BR4と中継電極202-7、202-8の関係も同様である。透明電極224-1~224-4は、画素電極PTCO2と同じ導電層から形成される。
【0081】
(絶縁層IL5)
また、
図4に示す如く、透明電極224-1上には、絶縁層IL5が設けられている。絶縁層IL5には、透明電極224-1に対向する位置にコンタクトホール226-1が設けられている。同様に、透明電極224-2~224-4に対向する位置にコンタクトホール226-1がそれぞれ設けられている。コンタクトホール226-1は、コンタクトホール222-2~226-4と、第1方向D1に沿って並んでいる。
【0082】
(共通補助電極CMTL2と同層)
また、絶縁層IL5上には、補助電極228-1~228-4(金属配線ともいう)が設けられている。補助電極228-1は、第1方向D1に延在して透明電極224-1と重畳して設けられており、一方の端部がコンタクトホール226-1を介して透明電極224-1と接続され、他方の端部がコンタクトホール226-3を介して同じく透明電極224-1と接続されている。透明電極等の透光性を有する導電層は、抵抗が高い傾向がある。したがって、透明電極224-1と抵抗が低い金属の補助電極228-1とを接続することにより、配線抵抗を低減させることができる。
【0083】
(共通電極CTCO2と同層)
また、補助電極228-1上には、さらに、帯状の保護電極232-1が設けられている。保護電極232-1は、補助電極228-1よりもやや大きく、透明電極224-1とほぼ同じ幅を有して第1方向D1に延在して設けられている。また、当該保護電極232-1は、第1方向D1の長さが補助電極228-1よりもやや長く、両端部がコンタクトホール226-2及びコンタクトホール226-4を介して透明電極224-1と接続されている。また、保護電極232-1の両端部間となる中間部分は、補助電極228-1に直接接触している。同様に、補助電極228-2~228-4上にも保護電極232-2~232-4が設けられている。
【0084】
透明電極224-1、補助電極228-1、保護電極232-1のそれぞれは、互いに重畳して設けられて第1方向D1に沿って延在していると共に、コンタクトホール226-1~226-4を介して互いに接続されており、1本の接続配線250-1(第1接続配線ともいう)として機能する。当該接続配線250-1は、第2スイッチ回路BR2、第3スイッチ回路BR3及び第4スイッチ回路BR4と平面視で第1方向D1に交差して設けられている。また、当該接続配線250-1の一端は、透明中間電極218-1を経由して第1スイッチ回路BR1の出力部を構成する帯状電極214-2に電気的に接続されると共に、接続配線250-1の他端は、透明中間電極218-5、第2中間電極214-5、第1中間電極208-5を介して中継電極202-5に電気的に接続されている。
【0085】
また、
図13に示す如く、第2方向D2で接続配線250-1に隣り合う位置に当該接続配線250-1と同様の構造を有する接続配線250-2(第2接続配線ともいう。)が設けられている。当該接続配線250-2は、第3スイッチ回路BR3及び第4スイッチ回路BR4と平面視で第1方向D1に交差して設けられており、一方の端部が第2スイッチ回路BR2の出力部である帯状電極214-2に接続されると共に、他方の端部が中継電極202-6に接続されている。
【0086】
同様に、第2方向D2で接続配線250-2に隣り合う位置に接続配線250-1と同様の構造を有する接続配線250-3が設けられている。当該接続配線250-3は、第4スイッチ回路BR4と平面視で第1方向D1に交差して設けられており、一方の端部が第3スイッチ回路BR3の出力部である帯状電極214-2に接続されると共に、他方の端部が中継電極202-7に接続されている。
【0087】
同様に、第2方向D2で接続配線250-3に隣り合う位置に接続配線250-1と同様の構造を有する接続配線250-4が設けられている。当該接続配線250-4は、第1方向に延在して一方の端部が第4スイッチ回路BR4の出力部である帯状電極214-2に接続されると共に、他方の端部が中継電極202-8に接続されている。
【0088】
なお、隣接する接続配線の間隔L1は、接続配線の幅、すなわち透明電極224-1、224-2の第2方向D2における長さL2(又は幅)よりも小さい。
【0089】
なお、上記構成においては、透明電極224-1、補助電極228-1、保護電極232-1によって接続配線250が形成されているが、いずれか1つ又は2つの電極を用いない構成も採用可能である。
【0090】
また、上述の第1配線部208-33及び第2配線部208-13、これらに重畳する第4配線部214-3及び第3配線部214-12は、電位供給線として機能する。より具体的には、第1配線部208-33及び当該第1配線部208-33に重畳する第4配線部214-3は配線経路中の1または複数個所で互いにコンタクトする等して1本の電位供給線260として機能する。ここで、当該電位供給線260には、画素回路350の画素トランジスタをオフに固定する固定電位が供給される。また、当該電位供給線260は、
図10で示す如く導電層208-3やブリッジ電極202-3を介して第1方向D1に延在しており、これによって第2スイッチ回路BR2~第4スイッチ回路BR4に当該固定電位が供給される。
【0091】
また、第2配線部208-13及び当該第2配線部208-13に重畳する第3配線部214-12は配線経路中の1または複数個所で互いにコンタクトする等して1本の信号供給線270として機能する。当該信号供給線270には、画素トランジスタをオン状態にするパルス波が所定の周期で供給される。なお、当該信号供給線270は、スイッチ回路BRごとに設けられており、パルス波が各スイッチ回路BRに供給される順序としては、第1スイッチ回路BR1の次に第2スイッチ回路BR2、第2スイッチ回路BR2の次に第3スイッチ回路BR3、第3スイッチ回路BR3の次に第4スイッチ回路BR4という順序となる。
【0092】
以上がゲート駆動回路の第1スイッチ回路BR1~第4スイッチ回路BR4周りの構成である。ここで、
図7を参照しつつ、スイッチ回路BRがシフトレジスタSRからの信号を受けて中継電極に信号を供給するまでの動作を説明する。なお、第1スイッチ回路BR1~第4スイッチ回路BR4の動作はいずれもほぼ同じなので、ここでは第1スイッチ回路BR1における動作について説明する。
【0093】
まず、シフトレジスタSRからの出力信号が第1スイッチ部SW1の接続部202-13と第2スイッチ部SW2の第3ゲート電極202-21にほぼ同時に供給される。上述の如く、これら入力信号は相補的であり、ここでは第3ゲート電極202-21にハイ信号が入力され、接続部202-13にロー信号が入力される場合について説明する。この場合、第1トランジスタTr1-1nはn型であるためにオフ状態となり、信号供給線270(第1ソース電極部208-31)からの電位は第1ドレイン電極部208-21に供給されない。これに対し、第2トランジスタTr1-2pはp型であるためオン状態となり、これによってp型チャネル部204-14を介して信号供給線(第2ソース電極部208-11)と第1ドレイン電極部208-21が接続される。また、第3トランジスタTr1-3nはn型であり、当該第3トランジスタTr1-3nの第3ゲート電極202-21にハイ信号が入力されているため、当該第3トランジスタTr1-3nもオン状態となり、これによって信号供給線270(第2ソース電極部208-11)と第2ドレイン電極部208-22が第2n型チャネル部204-17を介して接続される。これにより、第1スイッチ回路BR1の出力部である帯状電極214-2には信号供給線270からのパルス波が供給され、当該パルス波は接続配線250-1を介して中継電極202-5に供給され、その後、中継電極202-5から表示領域22のゲート配線GL2に供給される。これにより、各画素回路350におけるトランジスタTr2はオン状態となり、各画素回路350において画素信号の書き換えがなされる。
【0094】
次に、第3ゲート電極202-21にロー信号が入力され、接続部202-13にハイ信号が入力される場合について説明する。この場合、第1トランジスタTr1-1nはn型であるためにオン状態となり、電位供給線260(第1ソース電極部208-31)からの電位は第1n型チャネル部204-11を介して第1ドレイン電極部208-21に供給される。これに対し、第2トランジスタTr1-2pはp型であるためオフ状態となり、信号供給線(第2ソース電極部208-11)と第1ドレイン電極部208-21との接続はオフ状態となる。また、第3トランジスタTr1-3nはn型であり、当該第3トランジスタTr1-3nの第3ゲート電極202-21にローの信号が入っているため、当該第3トランジスタTr1-3nもオフ状態となり、これによって信号供給線(第2ソース電極部208-11)と第2ドレイン電極部208-22との接続はオフ状態となる。また、第1ドレイン電極部208-21と第2ドレイン電極部208-22とは接続部208-23を介して接続されているので、第1スイッチ回路BR1の出力部である帯状電極214-2には電位供給線260(第1ソース電極部208-31)からの固定電位が供給される。そして、当該固定電位は接続配線250-1を介して中継電極202-5に供給され、その後、中継電極202-5から表示領域22のゲート線に供給され、各画素トランジスタTr2はオフ状態に固定される。
【0095】
このように、スイッチ回路BRが有する各トランジスタがシフトレジスタSRからの出力に従ってオンまたはオフ制御されることにより、電位供給線260と信号供給線270からの電位(信号)が交互にゲート配線に供給されることとなる。これによって、ゲート信号GATEが形成される。
【0096】
なお、上記スイッチ回路BRを駆動させるシフトレジスタSRからの出力信号と信号供給線270のパルス波の供給とは同期しており、これによって、シフトレジスタSRからの1つの出力によって、4つの第1スイッチ回路B1~第4スイッチ回路BR4から順にパルス波が表示領域22のゲート配線GLに供給される。
【0097】
ヘッドマウントディスプレイなどの表示装置では、画素数を増加した高精細な表示が望まれている。画素数が増加(高精細化)すると、画素を駆動するための周辺回路(ゲートドライバ回路及びソースドライバ回路)の配線数が増加する。例えば、ゲートドライバ回路におけるトランジスタのゲート配線及びソース配線を用いて、ゲートドライバ回路のスイッチ回路BRの出力と画素回路350のゲート配線GL1と接続する場合には、ゲートドライバ回路内でゲート配線及びソース配線を引き回す必要がある。そのため、基板内で周辺回路の専有面積が増大してしまい、表示装置の狭額縁化を図ることが困難となる。
【0098】
本発明の一実施形態に係る表示装置10では、ゲートドライバ回路330において、画素回路350に用いられる画素電極PTCO2と同じ導電層をパターニングすることによって形成された透明導電層PTCO1を含む各接続配線250-1~250-4を介して各スイッチ回路BRが中継電極202-5~202-8にそれぞれ接続され、各スイッチ回路BRからの出力が中継電極202-5~202-8に供給される。ここで、例えば第1スイッチ回路BR1と中継電極202-5との間には、第2スイッチ回路BR2~第4スイッチ回路BR4が存在するが、これら第1スイッチ回路BR1と中継電極202-5とを、第2スイッチ回路BR2~第4スイッチ回路BR4の上方を通過する接続配線250-1を介して接続することで、互いの配線が同一平面上で交差することが回避されると共に、第1スイッチ回路BR1の出力部と第1中継部とを第1方向D1に平行な同一直線上に配置されるものとなる。
【0099】
一般に、高精細化に対応した表示領域内の非各画素領域の第2方向D2の大きさは、スイッチ回路BRの第2方向D2の大きさよりも小さい。したがって、スイッチ回路BRを単純に第2方向D2のみに並べる構成では、各ゲート配線331の延長線上に当該ゲート配線用のスイッチ回路BRを配置することは難しい。これに対し、本実施形態の構成を採用することにより、画素領域の第2方向D2の大きさがスイッチ回路BRの第2方向D2の大きさよりも小さいにもかかわらず、なおゲート配線331と当該ゲート配線のスイッチ回路BRとが第1方向D1に沿って横並びに配置される。これにより、配線の長さが短小化される。したがって、平面視でスイッチ回路BRと接続配線250とが重ねて配置されるために平面視におけるゲートドライバ回路330面積を低減され、表示装置の狭額縁化が図られる。また、引き回す配線の長さを短くすることができるため、配線の抵抗を低減することができる。また、接続配線250と当該接続配線250と下の各スイッチ回路BRとの間には、有機絶縁材料からなる絶縁層を含め複数の絶縁層が介在しており、その間隔は十分に広い。このため、これら接続配線250とスイッチ回路BR間の容量も可及的抑制される。これにより、スイッチ回路BRから出力されたゲート信号の遅延も抑制される。
【0100】
[9.端子部の構成]
次に、端子部333の構成について、
図15及び
図16を参照して説明する。
図15は、平面視したときの端子部333のレイアウトである。また、
図16は、
図15をB1-B2線で切断したときの断面図である。
【0101】
平面視したとき、配線202-51~202-54は、第2方向D2に沿って延在している。また、配線202-52は、配線202-51と第1方向D1に隣り合って設けられている。また、配線202-52は、配線202-54と第1方向D1に隣り合って設けられている。また、配線202-53は、配線202-51及び配線202-54と第1方向D1に隣り合って設けられている。なお、配線202-51~202-54は、スイッチ回路BRの第1ゲート電極202-11等と同層である。
【0102】
配線202-51~202-54上には、ゲート絶縁層GI1、絶縁層IL1、ゲート絶縁層GI2が設けられている。これらゲート絶縁層GI1、絶縁層IL1、ゲート絶縁層GI2には、配線202-51と重なる位置に複数のコンタクトホール205-1が設けられ、配線202-54と重なる位置に複数のコンタクトホール205-2が設けられている。
【0103】
ゲート絶縁層GI2上には、配線202-51と重なる位置に島状電極208-51が設けられると共に、配線202-54と重なる位置に島状電極208-54が設けられている。また、島状電極208-51は、コンタクトホール205-1を介して配線202-51と接続されている。島状電極208-54も、コンタクトホール205-2を介して、配線202-54と接続されている。
【0104】
また、島状電極208-51、208-52上には、絶縁層IL2が設けられている。絶縁層IL2には、島状電極208-51、208-54と重なる位置にそれぞれコンタクトホール212-11、212-12が設けられている。なお、平面視したとき、コンタクトホール212-11、205-1は互い違いに第2方向D2に並び、コンタクトホール212-12、205-2も互い違いに第2方向D2に沿って並んでいる。
【0105】
絶縁層IL2上には、端子電極214-20が設けられている。また、端子電極214-10は、島状電極208-51、208-54と重畳しており、コンタクトホール212-11、212-12を介してこれら島状電極208-15、208-54と接続されている。端子電極214-20上には、絶縁層IL3が設けられている。絶縁層IL3には、端子電極214-20の周縁部以外を露出させる開口部216-3が設けられている。なお、端子電極の第1方向D1の幅は配線202-51の幅よりも大きく、平面視で配線202-52及び配線202-53とも重畳している。
【0106】
絶縁層IL3上には、露出した端子電極214-20を覆う3層の保護電極218-20、224-20、232-20が積層して設けられている。また、これら保護電極232-20、保護電極224-20、保護電極218-20及び端子電極214-20が重畳する領域は、FPC600と異方性導電性粒子を介して電気的に接続される端子部333を形成する。
図15において、平面視した時、保護電極232-20の面積が、他の保護電極224-20、保護電極218-20の面積よりも大きくなるように図示しているが、この構成に限定されない。保護電極232-20の面積が、保護電極224-20の面積及び保護電極218-20の面積と同じであってもよい。また、当該3層の保護電極218-20、224-20、232-20のうち、いずれか2層又は1層を設けない構成も採用可能である。
【0107】
かかる構成によれば、配線と端子部とを別層に形成されるため、端子部の下方に当該端子部に接続されない他の配線を引き回すことができ、配線層における配線の配置密度が高められる。また、当該端子部と他の配線との間には、有機絶縁層を含む複数の絶縁層が設けられている。そのため、端子部と配線との間は、上下方向に十分に離れているため、これら端子部と配線間の容量が可及的低減される。
【0108】
本発明の実施形態として上述した各実施形態は、相互に矛盾しない限りにおいて、適宜組み合わせて実施することができる。例えば上記の実施例においてはゲートドライバ回路330の構成について示したが、かかる構成をソースドライバ回路320に採用することも可能である。また、各実施形態の表示装置を基にして、当業者が適宜構成要素の追加、削除もしくは設計変更を行ったもの、または、工程の追加、省略もしくは条件変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。
【0109】
上述した各実施形態の態様によりもたらされる作用効果とは異なる他の作用効果であっても、本明細書の記載から明らかなもの、または、当業者において容易に予測し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと解される。
【符号の説明】
【0110】
10:表示装置、22:表示領域、24:シール領域、26:端子領域、28:額縁領域、202-1、202-2:導電層、202-51~202-54:配線、204-1~204-4:半導体層、204-11:第1n型チャネル部、204-14:p型チャネル部、204-17:第2n型チャネル部、208-1~208-4:導電層、208-5~208-8:第1中間電極、214-2:帯状電極、214-5~214-8:第2中間電極、214-20:端子電極、218-1、218-2、218-5~218-8:透明中間電極、218-20:保護電極、224-1~224-4:透明電極、224-11:保護電極、228-1~228-4:補助電極、232-1~232-4:保護電極、232-20:保護電極、250-1~250-4:接続配線、260:電位供給線、270:信号供給線、300:アレイ基板、310:画素、320:ソースドライバ回路、321:ソース配線、330:ゲートドライバ回路、331:ゲート配線、333:端子部、341:接続配線、400:シール、410:液晶素子、500:対向基板、600:フレキシブルプリント回路基板、700:チップ