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特開2022-170589冷凍米飯用改質剤、冷凍米飯の改質方法、改質された冷凍米飯の製造方法および改質された冷凍米飯
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022170589
(43)【公開日】2022-11-10
(54)【発明の名称】冷凍米飯用改質剤、冷凍米飯の改質方法、改質された冷凍米飯の製造方法および改質された冷凍米飯
(51)【国際特許分類】
   A23L 7/10 20160101AFI20221102BHJP
   A23L 29/10 20160101ALI20221102BHJP
   A23L 3/37 20060101ALN20221102BHJP
【FI】
A23L7/10 E
A23L29/10
A23L3/37 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】24
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021076832
(22)【出願日】2021-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】000000066
【氏名又は名称】味の素株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080791
【弁理士】
【氏名又は名称】高島 一
(74)【代理人】
【識別番号】100136629
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 光宜
(74)【代理人】
【識別番号】100125070
【弁理士】
【氏名又は名称】土井 京子
(74)【代理人】
【識別番号】100121212
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 弥栄子
(74)【代理人】
【識別番号】100174296
【弁理士】
【氏名又は名称】當麻 博文
(74)【代理人】
【識別番号】100137729
【弁理士】
【氏名又は名称】赤井 厚子
(74)【代理人】
【識別番号】100151301
【弁理士】
【氏名又は名称】戸崎 富哉
(74)【代理人】
【識別番号】100158724
【弁理士】
【氏名又は名称】竹井 増美
(72)【発明者】
【氏名】飯端 大樹
(72)【発明者】
【氏名】福地 庸平
(72)【発明者】
【氏名】平松 拓人
【テーマコード(参考)】
4B022
4B023
4B035
【Fターム(参考)】
4B022LA01
4B022LB01
4B022LJ04
4B023LC05
4B023LE13
4B023LG01
4B023LK02
4B023LK05
4B023LL04
4B023LP11
4B035LC03
4B035LG05
4B035LG07
4B035LG12
4B035LG34
4B035LK13
4B035LP01
4B035LP21
4B035LP43
4B035LP59
(57)【要約】
【課題】米飯を個別急速冷凍する際の個別凍結性を十分に改善することができる冷凍米飯用改質剤を提供し、個別凍結性が十分に改善された冷凍米飯およびその製造方法を提供する。
【解決手段】乳化剤と油脂を含有する冷凍米飯用改質剤であって、乳化剤が、炭素数12~22の脂肪酸とグリセリンとのモノエステル、炭素数12~22の脂肪酸とソルビタンとのモノエステル、炭素数12~22の脂肪酸と平均重合度が2~5のポリグリセリンとのモノエステル、および炭素数12~22の飽和脂肪酸とプロピレングリコールとのモノエステルからなる群より選択される1種以上である、冷凍米飯用改質剤とする。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乳化剤と油脂を含有する冷凍米飯用改質剤であって、乳化剤が、炭素数12~22の脂肪酸とグリセリンとのモノエステル、炭素数12~22の脂肪酸とソルビタンとのモノエステル、炭素数12~22の脂肪酸と平均重合度が2~5のポリグリセリンとのモノエステル、および炭素数12~22の飽和脂肪酸とプロピレングリコールとのモノエステルからなる群より選択される1種以上である、冷凍米飯用改質剤。
【請求項2】
乳化剤が、炭素数14~22の飽和脂肪酸とグリセリンとのモノエステル、炭素数14~22の飽和脂肪酸とソルビタンとのモノエステル、炭素数14~22の飽和脂肪酸とプロピレングリコールとのモノエステル、および炭素数14~22の脂肪酸と平均重合度が2~5のポリグリセリンとのモノエステルからなる群より選択される1種以上である、請求項1に記載の改質剤。
【請求項3】
乳化剤のHLB(Hydrophilic-Lipophilic Balance)値が3.8~6.5である、請求項1または2に記載の改質剤。
【請求項4】
乳化剤の含有量が0.6重量%~80重量%である、請求項1~3のいずれか1項に記載の改質剤。
【請求項5】
米100gに対し、乳化剤の添加量が0.01g~7gとなるように用いられる、請求項1~4のいずれか1項に記載の改質剤。
【請求項6】
マイクロウェーブ調理器により解凍される冷凍米飯用である、請求項2~5のいずれか1項に記載の改質剤。
【請求項7】
冷凍白飯用である、請求項1~6のいずれか1項に記載の改質剤。
【請求項8】
冷凍米飯を製造するために用いられる米を、乳化剤と油脂を含有する冷凍米飯用改質剤と接触させることを含む、冷凍米飯の改質方法であって、乳化剤が、炭素数12~22の脂肪酸とグリセリンとのモノエステル、炭素数12~22の脂肪酸とソルビタンとのモノエステル、炭素数12~22の脂肪酸と平均重合度が2~5のポリグリセリンとのモノエステル、および炭素数12~22の飽和脂肪酸とプロピレングリコールとのモノエステルからなる群より選択される1種以上である、改質方法。
【請求項9】
乳化剤が、炭素数14~22の飽和脂肪酸とグリセリンとのモノエステル、炭素数14~22の飽和脂肪酸とソルビタンとのモノエステル、炭素数14~22の飽和脂肪酸とプロピレングリコールとのモノエステル、および炭素数14~22の脂肪酸と平均重合度が2~5のポリグリセリンとのモノエステルからなる群より選択される1種以上である、請求項8に記載の改質方法。
【請求項10】
乳化剤のHLB(Hydrophilic-Lipophilic Balance)値が3.8~6.5である、請求項8または9に記載の改質方法。
【請求項11】
冷凍米飯用改質剤における乳化剤の含有量が0.6重量%~80重量%である、請求項8~10のいずれか1項に記載の改質方法。
【請求項12】
米100gに対する乳化剤の添加量が0.01g~7gとなるように接触させる、請求項8~11のいずれか1項に記載の改質方法。
【請求項13】
マイクロウェーブ調理器により解凍される冷凍米飯の改質方法である、請求項9~12のいずれか1項に記載の改質方法。
【請求項14】
冷凍白飯の改質方法である、請求項8~13のいずれか1項に記載の改質方法。
【請求項15】
米に水、乳化剤および油脂を加えて炊飯する工程、または米に水を加えて炊飯し、炊飯された米飯に乳化剤および油脂を加える工程、ならびに前記の炊飯された米飯を個別急速冷凍する工程を含む、冷凍米飯の製造方法であって、乳化剤が、炭素数12~22の脂肪酸とグリセリンとのモノエステル、炭素数12~22の脂肪酸とソルビタンとのモノエステル、炭素数12~22の脂肪酸と平均重合度が2~5のポリグリセリンとのモノエステル、および炭素数12~22の飽和脂肪酸とプロピレングリコールとのモノエステルからなる群より選択される1種以上である、製造方法。
【請求項16】
乳化剤が、炭素数14~22の飽和脂肪酸とグリセリンとのモノエステル、炭素数14~22の飽和脂肪酸とソルビタンとのモノエステル、炭素数14~22の飽和脂肪酸とプロピレングリコールとのモノエステル、および炭素数14~22の脂肪酸と平均重合度が2~5のポリグリセリンとのモノエステルからなる群より選択される1種以上である、請求項15に記載の製造方法。
【請求項17】
乳化剤のHLB(Hydrophilic-Lipophilic Balance)値が3.8~6.5である、請求項15または16に記載の製造方法。
【請求項18】
油脂および乳化剤の合計量に対する乳化剤の含有量が0.6重量%~80重量%である、請求項15~17のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項19】
米100gに対する乳化剤の添加量が0.01g~7gである、請求項15~18のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項20】
マイクロウェーブ調理器により解凍される冷凍米飯の製造方法である、請求項16~19のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項21】
冷凍白飯の製造方法である、請求項15~20のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項22】
請求項1~5のいずれか1項に記載の改質剤を含有する、改質された冷凍米飯。
【請求項23】
請求項2~5のいずれか1項に記載の改質剤を含有し、マイクロウェーブ調理器により解凍される、改質された冷凍米飯。
【請求項24】
冷凍白飯である、請求項22または23に記載の冷凍米飯。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷凍米飯用改質剤および冷凍米飯の改質方法、ならびに冷凍米飯の製造方法および改質された冷凍米飯に関する。
【背景技術】
【0002】
核家族や単身世帯の増加、共働き家庭の増加、個食化といった食習慣の変化等を背景に、家庭における冷凍食品の普及が進み、特に、ピラフ、炊き込みご飯、焼きおにぎりのみならず、主食である白飯までを含む冷凍米飯事業の拡大には目覚ましいものがある。
それに伴い、冷凍米飯における冷凍状態の改善や、解凍後の食感や状態等を改善するための取り組みが多くなされている。
【0003】
たとえば、冷凍米飯における個別凍結性を向上させるため、乳化剤により水に食用油脂を乳化させた水溶液に、洗米後の米を浸漬処理する方法(特許文献1)が提案され、解凍後の米粒のほぐれ性を改善するために、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルと、グリセリンモノ脂肪酸エステル、クエン酸モノグリセリド、ジアセチル酒石酸モノグリセリド、ショ糖脂肪酸エステルおよび、オレイン酸を主な構成脂肪酸として有するポリグリセリン脂肪酸エステルからなる群より選択される1種以上からなる乳化剤を含有する米飯類用油脂(特許文献2)が提案されている。
また、米飯同士の付着を防止し、パラパラとした食感を有する米飯とするために、米飯を、ショ糖脂肪酸エステル等の水に親和性を有する乳化剤と塩類を含有する水溶液で処理する方法が提案されている(特許文献3)。
【0004】
さらに、冷凍米飯を解凍した際の味や食感の改善を図る技術として、風味付けを行った水相を油相中に含む油中水型乳化組成物で、炊飯した米飯の表面を被覆した後、米飯を個別急速冷凍する技術(特許文献4)や、食用油脂、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ならびにトリグリセリン脂肪酸エステルおよび/またはテトラグリセリン脂肪酸エステルを含有する冷凍米飯用改良剤(特許文献5)が提案されている。
【0005】
しかしながら、これまで報告された技術で個別急速冷凍された冷凍米飯において、その個別凍結性には未だ改善の余地があり、十分に満足できる個別凍結性を示す冷凍米飯が得られているとはいえない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開昭59-109144号公報
【特許文献2】特開平3-175940号公報
【特許文献3】特開2000-217522号公報
【特許文献4】特開平9-224625号公報
【特許文献5】特開2009-082025号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明は、米飯を個別急速冷凍する際の個別凍結性を十分に改善することができる冷凍米飯用改質剤を提供し、個別凍結性が十分に改善された冷凍米飯およびその製造方法を提供することを目的とした。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、乳化剤と油脂を含有する組成物であって、乳化剤として、炭素数12~22の脂肪酸と、グリセリンとのモノエステル、ソルビタンとのモノエステル、および平均重合度が2~5のポリグリセリンとのモノエステル、ならびに炭素数12~22の飽和脂肪酸と、プロピレングリコールとのモノエステルからなる群より選択される1種以上を含有する組成物が、米飯を個別急速冷凍する際の個別凍結性を良好に改善し得ることを見出し、さらに検討して、本発明を完成するに至った。
また、乳化剤と油脂を含有する組成物において、乳化剤として、炭素数14~22の飽和脂肪酸と、グリセリンとのモノエステル、ソルビタンとのモノエステルおよびプロピレングリコールとのモノエステル、ならびに炭素数14~22の脂肪酸と、平均重合度が2~5のポリグリセリンとのモノエステルからなる群より選択される1種以上を用いた場合に、上記個別凍結性の改善に加えて、冷凍米飯をマイクロウェーブ調理器により解凍した際の米飯の食感や状態を良好に改善し得ることを見出し、本発明の好ましい態様とした。
【0009】
すなわち、本発明は、以下に関する。
[1]乳化剤と油脂を含有する冷凍米飯用改質剤であって、乳化剤が、炭素数12~22の脂肪酸とグリセリンとのモノエステル、炭素数12~22の脂肪酸とソルビタンとのモノエステル、炭素数12~22の脂肪酸と平均重合度が2~5のポリグリセリンとのモノエステル、および炭素数12~22の飽和脂肪酸とプロピレングリコールとのモノエステルからなる群より選択される1種以上である、冷凍米飯用改質剤。
[2]乳化剤が、炭素数14~22の飽和脂肪酸とグリセリンとのモノエステル、炭素数14~22の飽和脂肪酸とソルビタンとのモノエステル、炭素数14~22の飽和脂肪酸とプロピレングリコールとのモノエステル、および炭素数14~22の脂肪酸と平均重合度が2~5のポリグリセリンとのモノエステルからなる群より選択される1種以上である、[1]に記載の改質剤。
[3]乳化剤のHLB(Hydrophilic-Lipophilic Balance)値が3.8~6.5である、[1]または[2]に記載の改質剤。
[4]乳化剤の含有量が0.6重量%~80重量%である、[1]~[3]のいずれかに記載の改質剤。
[5]米100gに対し、乳化剤の添加量が0.01g~7gとなるように用いられる、[1]~[4]のいずれかに記載の改質剤。
[6]マイクロウェーブ調理器により解凍される冷凍米飯用である、[2]~[5]のいずれかに記載の改質剤。
[7]冷凍白飯用である、[1]~[6]のいずれかに記載の改質剤。
[8]冷凍米飯を製造するために用いられる米を、乳化剤と油脂を含有する冷凍米飯用改質剤と接触させることを含む、冷凍米飯の改質方法であって、乳化剤が、炭素数12~22の脂肪酸とグリセリンとのモノエステル、炭素数12~22の脂肪酸とソルビタンとのモノエステル、炭素数12~22の脂肪酸と平均重合度が2~5のポリグリセリンとのモノエステル、および炭素数12~22の飽和脂肪酸とプロピレングリコールとのモノエステルからなる群より選択される1種以上である、改質方法。
[9]乳化剤が、炭素数14~22の飽和脂肪酸とグリセリンとのモノエステル、炭素数14~22の飽和脂肪酸とソルビタンとのモノエステル、炭素数14~22の飽和脂肪酸とプロピレングリコールとのモノエステル、および炭素数14~22の脂肪酸と平均重合度が2~5のポリグリセリンとのモノエステルからなる群より選択される1種以上である、[8]に記載の改質方法。
[10]乳化剤のHLB(Hydrophilic-Lipophilic Balance)値が3.8~6.5である、[8]または[9]に記載の改質方法。
[11]冷凍米飯用改質剤における乳化剤の含有量が0.6重量%~80重量%である、[8]~[10]のいずれかに記載の改質方法。
[12]米100gに対する乳化剤の添加量が0.01g~7gとなるように接触させる、[8]~[11]のいずれかに記載の改質方法。
[13]マイクロウェーブ調理器により解凍される冷凍米飯の改質方法である、[9]~[12]のいずれかに記載の改質方法。
[14]冷凍白飯の改質方法である、[8]~[13]のいずれかに記載の改質方法。
[15]米に水、乳化剤および油脂を加えて炊飯する工程、または米に水を加えて炊飯し、炊飯された米飯に乳化剤および油脂を加える工程、ならびに前記の炊飯された米飯を個別急速冷凍する工程を含む、冷凍米飯の製造方法であって、乳化剤が、炭素数12~22の脂肪酸とグリセリンとのモノエステル、炭素数12~22の脂肪酸とソルビタンとのモノエステル、炭素数12~22の脂肪酸と平均重合度が2~5のポリグリセリンとのモノエステル、および炭素数12~22の飽和脂肪酸とプロピレングリコールとのモノエステルからなる群より選択される1種以上である、製造方法。
[16]乳化剤が、炭素数14~22の飽和脂肪酸とグリセリンとのモノエステル、炭素数14~22の飽和脂肪酸とソルビタンとのモノエステル、炭素数14~22の飽和脂肪酸とプロピレングリコールとのモノエステル、および炭素数14~22の脂肪酸と平均重合度が2~5のポリグリセリンとのモノエステルからなる群より選択される1種以上である、[15]に記載の製造方法。
[17]乳化剤のHLB(Hydrophilic-Lipophilic Balance)値が3.8~6.5である、[15]または[16]に記載の製造方法。
[18]油脂および乳化剤の合計量に対する乳化剤の含有量が0.6重量%~80重量%である、[15]~[17]のいずれかに記載の製造方法。
[19]米100gに対する乳化剤の添加量が0.01g~7gである、[15]~[18]のいずれかに記載の製造方法。
[20]マイクロウェーブ調理器により解凍される冷凍米飯の製造方法である、[16]~[19]のいずれかに記載の製造方法。
[21]冷凍白飯の製造方法である、[15]~[20]のいずれかに記載の製造方法。
[22][1]~[5]のいずれかに記載の改質剤を含有する、改質された冷凍米飯。
[23][2]~[5]のいずれかに記載の改質剤を含有し、マイクロウェーブ調理器により解凍される、改質された冷凍米飯。
[24]冷凍白飯である、[22]または[23]に記載の冷凍米飯。
【発明の効果】
【0010】
本発明により、米飯を個別急速冷凍する際の個別凍結性を良好に改善し得る冷凍米飯用改質剤を提供することができる。
また、本発明により、米飯を個別急速冷凍する際の個別凍結性を改善し得る冷凍米飯の改質方法を提供することができる。
さらに、本発明により、米飯を個別急速冷凍する際の個別凍結性が改善され、凍結後の米がほぐれやすい冷凍米飯を製造する方法を提供することができる。
さらにまた、本発明により、米飯を個別急速冷凍する際の個別凍結性が改善されて、凍結後の米がほぐれやすく改質された冷凍米飯を提供することができる。
【0011】
さらに、本発明の好ましい態様においては、米飯を個別急速冷凍する際の個別凍結性に加えて、冷凍米飯をマイクロウェーブ調理器により解凍した際の米飯の食感や状態を改善し得る冷凍米飯用改質剤を提供することができる。
また、本発明の好ましい態様において、米飯を個別急速冷凍する際の個別凍結性に加えて、冷凍米飯をマイクロウェーブ調理器により解凍した際の米飯の食感や状態を改善し得る冷凍米飯の改質方法を提供することができる。
さらに、本発明の好ましい態様において、米飯を個別急速冷凍する際の個別凍結性に加えて、マイクロウェーブ調理器により解凍した際の食感や状態が改善された冷凍米飯の製造方法を提供することができる。
さらにまた、本発明の好ましい態様において、米飯を個別急速冷凍する際の個別凍結性に加えて、マイクロウェーブ調理器により解凍した際に良好な食感および状態を呈し、マイクロウェーブ調理器による解凍に適する冷凍米飯を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、冷凍米飯用改質剤(以下、本明細書にて「本発明の改質剤」ともいう)を提供する。
本明細書において、「冷凍米飯用改質剤」とは、米飯を個別急速冷凍する際の個別凍結性を改善するために、また、前記個別凍結性の改善に加えて、冷凍米飯を解凍した際の食感や状態を改善するために、冷凍米飯の製造工程において添加される添加物をいう。
また、本発明において、「冷凍米飯」とは、後述する個別急速冷凍により冷凍された米飯をいい、「米飯」には、精白米を炊飯して得られる米飯の他、玄米ご飯、赤飯、おこわ、炊き込みご飯、ピラフ、チャーハン、ドライカレー、すし飯等が含まれる。
【0013】
本発明の改質剤は、油脂と乳化剤を含有し、乳化剤として、炭素数12~22の脂肪酸とグリセリンとのモノエステル、炭素数12~22の脂肪酸とソルビタンとのモノエステル、炭素数12~22の脂肪酸と平均重合度が2~5のポリグリセリンとのモノエステル、および炭素数12~22の飽和脂肪酸とプロピレングリコールとのモノエステルからなる群より選択される1種以上を含有する。
【0014】
本発明の改質剤に含有される上記乳化剤において、グリセリン、ソルビタンまたは平均重合度が2~5のポリグリセリンとモノエステルを形成する炭素数12~22の脂肪酸は、飽和脂肪酸および不飽和脂肪酸のいずれでもよく、また、直鎖状の脂肪酸であってもよく、分岐鎖を有する脂肪酸であってもよい。
また、本発明の改質剤に含有される上記乳化剤において、プロピレングリコールとモノエステルを形成する炭素数12~22の飽和脂肪酸は、直鎖状の脂肪酸であってもよく、分岐鎖を有する脂肪酸であってもよい。
【0015】
本発明の改質剤に含有される炭素数12~22の脂肪酸とグリセリンとのモノエステルは、可食性のものであれば、特に制限されることなく用いることができ、具体的には、モノラウリン酸グリセリル、モノミリスチン酸グリセリル、モノパルミチン酸グリセリル、モノパルミトレイン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、モノイソステアリン酸グリセリル、モノオレイン酸グリセリル、モノリノール酸グリセリル、モノリノレン酸グリセリル、モノアラキジン酸グリセリル、モノアラキドン酸グリセリル、モノベヘン酸グリセリル等が例示される。
【0016】
本発明の改質剤に含有される炭素数12~22の脂肪酸とソルビタンとのモノエステルは、可食性のものであれば、特に制限されることなく用いることができ、具体的には、モノラウリン酸ソルビタン、モノミリスチン酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、モノパルミトレイン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、モノイソステアリン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタン、モノリノール酸ソルビタン、モノリノレン酸ソルビタン、モノアラキジン酸ソルビタン、モノアラキドン酸ソルビタン、モノベヘン酸ソルビタン等が例示される。
【0017】
本発明の改質剤に含有される炭素数12~22の脂肪酸と平均重合度が2~5のポリグリセリンとのモノエステルは、可食性のものであれば、特に制限されることなく用いることができ、具体的には、モノラウリン酸ジグリセリル、モノミリスチン酸ジグリセリル、モノパルミチン酸ジグリセリル、モノパルミトレイン酸ジグリセリル、モノステアリン酸ジグリセリル、モノイソステアリン酸ジグリセリル、モノオレイン酸ジグリセリル、モノリノール酸ジグリセリル、モノリノレン酸ジグリセリル、モノアラキジン酸ジグリセリル、モノアラキドン酸ジグリセリル、モノベヘン酸ジグリセリル等のモノ脂肪酸ジグリセリル;モノラウリン酸トリグリセリル、モノミリスチン酸トリグリセリル、モノパルミチン酸トリグリセリル、モノパルミトレイン酸トリグリセリル、モノステアリン酸トリグリセリル、モノイソステアリン酸トリグリセリル、モノオレイン酸トリグリセリル、モノリノール酸トリグリセリル、モノリノレン酸トリグリセリル、モノアラキジン酸トリグリセリル、モノアラキドン酸トリグリセリル、モノベヘン酸トリグリセリル等のモノ脂肪酸トリグリセリル;モノラウリン酸テトラグリセリル、モノミリスチン酸テトラグリセリル、モノパルミチン酸テトラグリセリル、モノパルミトレイン酸テトラグリセリル、モノステアリン酸テトラグリセリル、モノイソステアリン酸テトラグリセリル、モノオレイン酸テトラグリセリル、モノリノール酸テトラグリセリル、モノリノレン酸テトラグリセリル、モノアラキジン酸テトラグリセリル、モノアラキドン酸テトラグリセリル、モノベヘン酸テトラグリセリル等のモノ脂肪酸テトラグリセリル;モノラウリン酸ペンタグリセリル、モノミリスチン酸ペンタグリセリル、モノパルミチン酸ペンタグリセリル、モノパルミトレイン酸ペンタグリセリル、モノステアリン酸ペンタグリセリル、モノイソステアリン酸ペンタグリセリル、モノオレイン酸ペンタグリセリル、モノリノール酸ペンタグリセリル、モノリノレン酸ペンタグリセリル、モノアラキジン酸ペンタグリセリル、モノアラキドン酸ペンタグリセリル、モノベヘン酸ペンタグリセリル等のモノ脂肪酸ペンタグリセリルが例示される。
なお、後述する乳化剤のHLB値の観点からは、炭素数12~22の脂肪酸とジグリセリン(平均重合度=2)とのモノエステルがより好ましく用いられる。
【0018】
本発明の改質剤に含有される炭素数12~22の飽和脂肪酸とプロピレングリコールとのモノエステルは、可食性のものであれば、特に制限されることなく用いることができ、具体的には、プロピレングリコールモノラウリン酸エステル、プロピレングリコールモノミリスチン酸エステル、プロピレングリコールモノパルミチン酸エステル、プロピレングリコールモノステアリン酸エステル、プロピレングリコールモノイソステアリン酸エステル、プロピレングリコールモノアラキジン酸エステル、プロピレングリコールモノベヘン酸エステル等が例示される。
【0019】
上記した乳化剤は、1種を選択して単独で用いてもよく、2種以上を選択して、組み合わせて用いてもよい。
本発明においては、上記した乳化剤は、自体公知の製造方法により製造して用いてもよいが、各社より提供されている市販の製品を用いることもできる。
なお、炭素数12~22の脂肪酸とグリセリンとのモノエステル、炭素数12~22の脂肪酸とソルビタンとのモノエステル、炭素数12~22の脂肪酸と平均重合度が2~5のポリグリセリンとのモノエステル、および、炭素数12~22の飽和脂肪酸とプロピレングリコールとのモノエステルは、それぞれ本発明の特徴を損なわない範囲で、モノエステル以外に、ジエステル等のエステル化度が高いエステルを含んでいてもよい。
【0020】
米飯を個別急速冷凍する際の個別凍結性の改善効果の観点からは、炭素数12~22の脂肪酸とグリセリンとのモノエステル、炭素数12~22の脂肪酸とソルビタンとのモノエステル、炭素数12~22の脂肪酸と平均重合度が2~5のポリグリセリンとのモノエステル、および炭素数12~22の飽和脂肪酸とプロピレングリコールとのモノエステルからなる群より選択される1種以上の乳化剤としては、HLB(Hydrophilic-Lipophilic Balance)値が3.8~6.5である乳化剤が好ましく、3.9~6.5である乳化剤がより好ましい。
【0021】
また、本発明の好ましい態様において、本発明の改質剤に含有される乳化剤として、炭素数14~22の飽和脂肪酸とグリセリンとのモノエステル、炭素数14~22の飽和脂肪酸とソルビタンとのモノエステル、炭素数14~22の飽和脂肪酸とプロピレングリコールとのモノエステル、および炭素数14~22の脂肪酸と平均重合度が2~5のポリグリセリンとのモノエステルからなる群より選択される1種以上が用いられる。
上記乳化剤を含有する本発明の好ましい態様の改質剤は、米飯を個別急速冷凍する際の個別凍結性の改善効果に加えて、冷凍米飯をマイクロウェーブ調理器により解凍した際の米飯の食感、たとえば喫食時のべとつきや、米飯の状態、たとえば粘りを改善する効果に優れる。
【0022】
本発明の改質剤において、上記した乳化剤とともに含有される油脂は、上記した乳化剤を可溶化または均一に分散もしくは混和することが可能な可食性の油脂であれば、特に限定されず、アボカド油、アマニ油、アーモンド油、アンズ油、エゴマ油、オリーブ油、カカオ脂、カシス油、カシュー油、キャノーラ油、クルミ油、ゴマ油、コムギ油、コメ油、シソ油、大豆油、月見草油、ツバキ油、トウモロコシ油、ナタネ油、パーム油、パーム核油、ヒマワリ油、ブドウ種子油、ヘーゼルナッツ油、ベニバナ油、マカダミア油、綿実油、ヤシ油、落花生油等の植物性油脂;牛脂、鯨油、鮫油、豚脂等の動物性油脂、前記植物性油脂や動物性油脂を原料とした精製加工油脂等が例示される。
油脂の酸化安定性の観点からは、油脂を構成する脂肪酸のうち、多価不飽和脂肪酸の含有率が30重量%以下であるものが好ましい。かかる油脂としては、キャノーラ油、ハイオレイックキャノーラ油、ハイオレイックサフラワー油、ハイオレイックヒマワリ油、パーム油、パームオレイン(パーム油を分別して得られた液状油)、パーム核油、オリーブ油、ヤシ油、豚脂、牛脂などが例示される。
油脂の取扱い性の観点からは、ナタネ油、キャノーラ油、ハイオレイックキャノーラ油、大豆油、トウモロコシ油、サフラワー油、ハイオレイックサフラワー油、ハイリノレイックサフラワー油、ヒマワリ油、ハイオレイックヒマワリ油、ハイリノレイックヒマワリ油、綿実油、ゴマ油、コメ油、パームオレイン、オリーブ油、落花生油、ヤシ油等の液状油が好ましく用いられる。
特に、本発明の改質剤が、冷凍白飯の改質に用いられる場合には、油脂を構成する脂肪酸のうち、多価不飽和脂肪酸の含有率が30重量%以下の液状油、たとえばキャノーラ油、ハイオレイックキャノーラ油、ハイオレイックサフラワー油、ハイオレイックヒマワリ油、パームオレイン、オリーブ油等を用いることがより好ましい。
本発明においては、上記した油脂は1種を単独で用いてもよく、2種以上を選択して混合して用いてもよい。
なお、上記油脂としては、各社より提供されている市販の製品を利用することができる。
【0023】
本発明の改質剤における上記乳化剤の含有量は、好ましくは0.6重量%~80重量%であり、より好ましくは0.6重量%~32重量%であり、さらに好ましくは0.8重量%~6重量%である。
【0024】
本発明の改質剤は、上記した油脂に、炭素数12~22の脂肪酸とグリセリンとのモノエステル、炭素数12~22の脂肪酸とソルビタンとのモノエステル、炭素数12~22の脂肪酸と平均重合度が2~5のポリグリセリンとのモノエステル、および炭素数12~22の飽和脂肪酸とプロピレングリコールとのモノエステルからなる群より選択される1種以上の乳化剤、または炭素数14~22の飽和脂肪酸とグリセリンとのモノエステル、炭素数14~22の飽和脂肪酸とソルビタンとのモノエステル、炭素数14~22の飽和脂肪酸とプロピレングリコールとのモノエステル、および炭素数14~22の脂肪酸と平均重合度が2~5のポリグリセリンとのモノエステルからなる群より選択される1種以上の乳化剤を添加して混合し、溶解もしくは分散または混練して、あるいはさらに油性基剤もしくは油性の溶剤に溶解もしくは分散または混練して、液状、油性ゲル状、ペースト状等の形態で提供することができる。
本発明の改質剤には、必要に応じて、酸化防止剤(dl-α-トコフェロール、酢酸トコフェロール等)等の食品添加物を添加することができる。
【0025】
本発明の改質剤は、冷凍米飯の製造に際し、米(生米、すなわち炊く、炒る等の処理を行っていない状態の米)100gに対し、炭素数12~22の脂肪酸とグリセリンとのモノエステル、炭素数12~22の脂肪酸とソルビタンとのモノエステル、炭素数12~22の脂肪酸と平均重合度が2~5のポリグリセリンとのモノエステル、および炭素数12~22の飽和脂肪酸とプロピレングリコールとのモノエステルからなる群より選択される1種以上の乳化剤、または炭素数14~22の飽和脂肪酸とグリセリンとのモノエステル、炭素数14~22の飽和脂肪酸とソルビタンとのモノエステル、炭素数14~22の飽和脂肪酸とプロピレングリコールとのモノエステル、および炭素数14~22の脂肪酸と平均重合度が2~5のポリグリセリンとのモノエステルからなる群より選択される1種以上の乳化剤の添加量が、好ましくは0.01g~7gとなるように用いられ、より好ましくは0.01g~2gとなるように用いられ、さらに好ましくは0.015g~1gとなるように用いられる。
【0026】
本発明の改質剤を冷凍米飯の製造に用いることにより、米飯を個別急速冷凍する際の個別凍結性を改善することができる。
また、上記した本発明の好ましい態様の改質剤を冷凍米飯の製造に用いることにより、米飯を個別急速冷凍する際の個別凍結性に加えて、冷凍米飯をマイクロウェーブ調理器により解凍した際の米飯の食感や状態を改善することができる。
なお、本発明の改質剤は、冷凍白飯の改質に特に有用である。
【0027】
また、本発明は、冷凍米飯の改質方法(以下、本明細書にて「本発明の改質方法」ともいう)を提供する。
本発明の改質方法は、冷凍米飯の製造に際し、本発明の改質剤を米に接触させることを含む。
「冷凍米飯」および「本発明の改質剤」については、本発明の冷凍米飯用改質剤に関して上記した通りである。
本発明の改質剤を接触させる「米」としては、本発明の冷凍米飯用改質剤に関して上記した冷凍米飯を製造するために用いられる米であれば特に制限されず、ジャポニカ種、インディカ種、ジャバニカ種のいずれの米も用いることができ、うるち米、もち米のいずれも使用することができる。また、精白米、玄米、分搗き玄米のいずれも用いることができる。本発明においては、製造される冷凍米飯の種類に応じて、適切なものを選択して用いることができる。
【0028】
本発明の改質剤を米に接触させる手段としては、水に浸漬した生米または洗米に、本発明の改質剤を添加して均一に分散させ、しばらく静置しまたは炊飯して接触させる方法、生米または洗米に本発明の改質剤を添加し、混合して接触させる方法、本発明の改質剤を分散させた分散液に生米または洗米を浸漬させて接触させる方法、本発明の改質剤を分散させた分散液に生米または洗米を入れて炊飯して接触させる方法、液状の本発明の改質剤を生米または洗米に噴霧し、あるいは本発明の改質剤を水に分散し、もしくは油性基剤や油性の溶剤に溶解もしくは分散して生米または洗米に噴霧して接触させる方法等が挙げられ、本発明の改質剤と接触させる米の種類や、本発明の改質方法の対象となる冷凍米飯の種類に応じて、適切な方法を採用することができる。
上記の浸漬は、米を炊飯する際に通常行われる条件(浸漬温度、時間等)にて行えばよく、また、炊飯も、通常の条件、方法により行うことができる。
【0029】
本発明の改質方法において、本発明の改質剤は、本発明の改質剤に含有される上記乳化剤の米100gに対する添加量が、0.01g~7gとなるように接触させることが好ましく、0.01g~2gとなるように接触させることがより好ましく、0.015g~1gとなるように接触させることがさらに好ましい。
また、本発明の改質方法において、米100gに対する本発明の改質剤の使用量は、本発明の改質剤に含有される乳化剤の種類および含有量に基づき、適宜定められるが、好ましくは0.1g~10g程度であり、より好ましくは0.15g~5g程度である。
【0030】
本発明の改質方法により、米飯を個別急速冷凍する際の個別凍結性を改善することができる。
また、本発明の改質方法において、上記した本発明の好ましい態様の改質剤を米に接触させることにより、米飯を個別急速冷凍する際の個別凍結性に加えて、冷凍米飯をマイクロウェーブ調理器により解凍した際の米飯の食感や状態を改善することができる。
本発明の改質方法は、冷凍白飯の改質に特に好適に適用される。
【0031】
さらに本発明は、改質された冷凍米飯の製造方法(以下、本明細書にて「本発明の製造方法」ともいう)を提供する。
本発明の製造方法は、米に水、乳化剤および油脂を加えて炊飯する工程、または米に水を加えて炊飯し、炊飯された米飯に乳化剤および油脂を加える工程、ならびに前記の炊飯された米飯を個別急速冷凍する工程を含む。また、上記炊飯工程の前に、前炒め工程を設けてもよい。
本発明の製造方法において、「米」については、本発明の改質方法に関して上記した通りであり、乳化剤および油脂については、本発明の改質剤に関して上記した通りである。
「米に水、乳化剤および油脂を加えて炊飯する」態様としては、水に浸漬した生米または洗米に、乳化剤および油脂を添加して均一に分散させ、しばらく静置した後に炊飯する、生米または洗米に乳化剤および油脂を添加して混合し、水を加えて炊飯する、乳化剤および油脂を分散させた分散液に生米または洗米を浸漬し、炊飯する、乳化剤および油脂を分散させた分散液に生米または洗米を入れて炊飯する、乳化剤および油脂を分散させた水を散水して炊飯する等の態様が挙げられ、米の種類や、製造される冷凍米飯の種類に応じて、適切な態様を選択し、採用することができる。ここで、乳化剤および油脂は、上記した本発明の改質剤として調製し、米に加えてもよい。
また、「炊飯された米飯に乳化剤および油脂を加える」態様としては、炊飯後の米飯に、乳化剤および油脂を水に分散し、または乳化剤および油脂を油性基剤もしくは油性の溶剤に溶解もしくは分散して噴霧する等の態様が挙げられる。なお、乳化剤および油脂は、液状の本発明の改質剤として調製して噴霧してもよく、本発明の改質剤として調製した後、上記のように水に分散等して噴霧等してもよい。
【0032】
本発明の製造方法において、米または炊飯された米飯に加えられる乳化剤および油脂の合計量に対する乳化剤の含有量は、好ましくは0.6重量%~80重量%であり、より好ましくは0.6重量%~32重量%であり、さらに好ましくは0.8重量%~6重量%である。
【0033】
本発明の製造方法において、乳化剤は、米100gに対して、0.01g~7gとなるように加えることが好ましく、0.01g~2gとなるように加えることがより好ましく、0.015g~1gとなるように加えることがさらに好ましい。
また、本発明の製造方法において、油脂は、米100gに対し、0.02g~9.9gとなるように加えることが好ましく、0.5g~8gとなるように加えることがより好ましく、1g~6gとなるように加えることがさらに好ましい。
なお、乳化剤および油脂を本発明の改質剤として調製して加える場合には、本発明の改質剤の使用量は、本発明の改質剤に含有される乳化剤の種類および含有量に基づき、適宜定められるが、米100gに対し、0.1g~10g程度用いることが好ましく、0.15g~5g程度用いることがより好ましい。
【0034】
本発明の製造方法において、「炊飯」は、食品分野で汎用される炊飯器や炊飯システムを用いて通常の方法で行うことができる。
用い得る炊飯器および炊飯システムとしては特に制限されず、電気炊飯器、ガス炊飯器、電磁加熱型炊飯器、蒸気式炊飯器、圧力釜炊飯器、自動洗米炊飯器、これらのバッチ式または連続式炊飯器、ガス全自動炊飯システム、連続蒸気炊飯システム等が挙げられ、炊飯する米の種類や量、製造する米飯の種類等に応じて、適宜選択して用いることができる。
また、本発明の製造方法において、炊飯された米飯を個別急速冷凍する工程も、エアブラスト冷凍機、液化ガス冷凍機、コンタクト冷凍機等、通常食品の分野で米飯の個別急速冷凍に用いられる冷凍機を用いて、冷凍すべき米飯の種類や量等に応じて、適宜行うことができる。
【0035】
さらに本発明の製造方法は、冷凍米飯のプラスチックトレイやパウチ袋への充填、プラスチックフィルム等による包装等、冷凍米飯の製造において通常採用される充填、包装工程を含むことができる。
【0036】
本発明の製造方法により、米飯を個別急速冷凍する際の個別凍結性が改善され、凍結後の米がほぐれやすい冷凍米飯を提供することができる。
また、本発明の製造方法において、上記した本発明の好ましい態様の改質剤に含有される乳化剤を用いることにより、米飯を個別急速冷凍する際の個別凍結性に加えて、マイクロウェーブ調理器により解凍した際の米飯の食感や状態が改善された冷凍米飯を提供することができる。
本発明の製造方法は、改質された冷凍白飯の製造に特に好適に用いることができる。
【0037】
さらにまた本発明は、改質された冷凍米飯(以下、本明細書にて「本発明の冷凍米飯」ともいう)を提供することができる。
本発明の冷凍米飯は、本発明の改質剤を含有する。ここで、「冷凍米飯」および「本発明の改質剤」については、本発明の冷凍米飯の改質剤について上記した通りである。
また、本発明の冷凍米飯において、「本発明の改質剤を含有する」とは、本発明の改質剤が、冷凍米飯の米粒の表面を被覆する状態で、または本発明の改質剤が冷凍米飯の米粒の内部に含浸された状態で存在することをいう。
【0038】
本発明の冷凍米飯においては、個別凍結性が改善され、冷凍された米がほぐれやすい。
また、本発明の冷凍米飯が、上記した本発明の好ましい態様の改質剤を含有する場合には、冷凍米飯の個別凍結性の改善に加えて、マイクロウェーブ調理器により解凍した際の米飯の食感や状態が改善され、喫食時のべとつきがなく、粘りの少ない良好な食感および状態を呈する。
本発明の冷凍米飯は、冷凍白飯として特に好適に提供され得る。
【実施例0039】
以下、実施例により、本発明についてさらに詳細に説明する。
【0040】
[実施例1~7、比較例1~6]冷凍米飯用改質剤
油脂(ハイオレイックキャノーラ油)8.7gに、表1に示す乳化剤をそれぞれ0.24g添加して混合し、実施例1~7および比較例1~6の各冷凍米飯用改質剤(以下、「実施例1の改質剤」、「比較例1の改質剤」のように略称する)をそれぞれ調製した。
なお、上記改質剤の調製に用いた原材料は下記の通りである。
(1)ハイオレイックキャノーラ油:「J-スーパーキャノーラ油」(株式会社J-オイルミルズ)
(2)モノステアリン酸グリセリル:「エマルジーMMスーパーV」(理研ビタミン株式会社)
(3)モノステアリン酸ジグリセリル:「ポエムJ-2081V」(理研ビタミン株式会社)
(4)モノステアリン酸ソルビタン:「ポエムS-60V」(理研ビタミン株式会社)
(5)モノオレイン酸グリセリル:「サンソフトNo.8070V」(太陽化学株式会社)
(6)モノラウリン酸グリセリル:「サンソフトNo.750」(太陽化学株式会社)
(7)モノステアリン酸デカグリセリル:「ポエムJ-0081HV」(理研ビタミン株式会社)
(8)ショ糖ステアリン酸エステル:「S-370」(三菱ケミカル株式会社)
(9)プロピレングリコールモノオレイン酸エステル:「リケマールPO-100V」(理研ビタミン株式会社)
(10)モノカプリン酸グリセリル:「サンソフトNo.760」(太陽化学株式会社)
(11)モノカプリル酸グリセリル:「ポエムM-100」(理研ビタミン株式会社)
(12)大豆レシチン:「J レシチンCL 18kg缶」(株式会社J-オイルミルズ)
(13)プロピレングリコールモノステアリン酸エステル:「サンソフトNo.25CD」(太陽化学株式会社)
(14)モノ・ジオレイン酸ジグリセリル:「サンソフトQ-17B」(太陽化学株式会社)
【0041】
[試験例1]冷凍米飯の個別凍結性の評価
精白米450.0g、水562.0gに実施例および比較例の各改質剤8.9gを混合し(精白米に対する各改質剤の添加量=2.0重量%、各乳化剤の添加量=0.053重量%)、ガス炊飯器(「RR-050FS」(リンナイ株式会社))にて3合炊飯用の火力にて炊飯した。炊飯後の米飯500gと雪状のドライアイス500gをボウルに入れ、キッチンエイド(株式会社エフ・エム・アイ)を用いて、1速にて30秒間攪拌して、個別急速冷凍を行った。個別急速冷凍後の米飯を、目開き6.7mmの篩にて篩過し、篩上に残存する米飯、すなわち米同士が結着したものの重量を測定し、冷凍米飯の全量に対する割合を求め、個別凍結性の指標とした。
個別凍結性は、上記指標が35%以下である場合に「〇」、35%を超える場合に「×」と評価し、表1に併せて示した。
【0042】
【表1】
【0043】
表1に示されるように、乳化剤として、炭素数が12~18の飽和または不飽和脂肪酸とグリセリンとのモノエステルを含有する実施例1、4、5の各改質剤、ステアリン酸とジグリセリン(平均重合度=2)とのモノエステルを含有する実施例2の改質剤、オレイン酸とジグリセリン(平均重合度=2)とのモノエステル(ジエステルとの混合物)を含有する実施例7の改質剤、ステアリン酸とソルビタンとのモノエステルを含有する実施例3の改質剤、ステアリン酸とプロピレングリコールとのモノエステルを含有する実施例6の改質剤を用いた場合には、個別急速冷凍して製造した冷凍米飯において、良好な個別凍結性が認められた。
一方、乳化剤として、デカグリセリン(平均重合度=10)のモノステアリン酸エステルを含有する比較例1の改質剤、ショ糖ステアリン酸エステル、プロピレングリコールのモノオレイン酸エステルおよび大豆レシチンをそれぞれ含有する比較例2、3および6の各改質剤、炭素数が10以下である脂肪酸とグリセリンとのモノエステルを含有する比較例4、5の各改質剤を用いた場合には、個別急速冷凍して製造した冷凍米飯において、良好な個別凍結性は認められなかった。
【0044】
試験例1の上記結果から、乳化剤として、炭素数が12~18の脂肪酸と、グリセリン、平均重合度の低いポリグリセリン、またはソルビタンとのモノエステル、あるいは炭素数が12~18の飽和脂肪酸とプロピレングリコールとのモノエステルを含有する油脂組成物が、冷凍米飯用改質剤として好ましく用いられることが示唆された。
また、本発明の改質剤に含有される乳化剤として、HLB値が3.9~6.5である乳化剤を用いることにより、良好な個別凍結性が得られることが示された。
【0045】
[試験例2]マイクロウェーブ調理器により解凍した米飯の食感および状態の評価
上記試験例1にて、良好な個別凍結性が認められた実施例1~7の改質剤を添加して製造した冷凍米飯について、マイクロウェーブ調理器により解凍した後の米飯の食感および状態を評価した。
試験例1にて、実施例1~7の各改質剤を添加して製造した冷凍米飯各100gを皿に乗せてラップをかけた後、それぞれマイクロウェーブ調理器(電子レンジ「NE-TY152」(パナソニック株式会社))にて500Wで1分30秒間加熱して解凍し、解凍後の米飯の喫食時のべとつきおよび粘りについて、下記の評価基準に従い、3名の専門パネリストに官能評価させた。評価結果は、パネリストの合議により決定した。評価結果を表2に示した。
<評価基準>
(1)米飯の喫食時のべとつき
ないまたはほとんどない;-
わずかにある;+
べとつく;++
(2)米飯の粘り
粘りが少ない;+
粘りがやや多い;++
粘りが多い;+++
【0046】
【表2】
【0047】
表2に示されるように、乳化剤として、ステアリン酸とグリセリン、ジグリセリン、ソルビタンまたはプロピレングリコールとのモノエステルを含有する実施例1~3と6の各改質剤を用いて製造した冷凍米飯では、マイクロウェーブ調理器を用いて解凍した後の米飯の食感および状態が良好であることが認められた。また、乳化剤として、オレイン酸とジグリセリン(平均重合度=2)とのモノエステル(ジエステルとの混合物)を含有する実施例7の改質剤を用いて製造した冷凍米飯でも、マイクロウェーブ調理器を用いて解凍した後の米飯について、若干のべとつきと粘りが認められるものの、食感および状態はほぼ良好であると評価された。
すなわち、実施例1~3、6および7の各改質剤を用いて製造した冷凍米飯では、乳化剤として、不飽和脂肪酸であるオレイン酸とグリセリンとのモノエステルを含有する実施例4の改質剤、および炭素数が12であるラウリン酸とグリセリンとのモノエステルを含有する実施例5の改質剤を用いてそれぞれ製造した冷凍米飯に比べて、マイクロウェーブ調理器を用いて解凍した後の米飯の食感および状態が優れることが認められた。
【0048】
試験例2の上記結果から、冷凍米飯を、マイクロウェーブ調理器を用いて解凍した後の米飯の食感および状態の観点からは、乳化剤として、炭素数が14以上である飽和の脂肪酸と、グリセリン、ソルビタンまたはプロピレングリコールとのモノエステル、または炭素数が14以上である脂肪酸と、平均重合度が低いポリグリセリンとのモノエステルを含有する油脂組成物が、冷凍米飯用改質剤としてより好ましいことが示唆された。
【0049】
[試験例3]冷凍米飯用改質剤における乳化剤の含有量の影響の検討
上記した実施例1の改質剤において、油脂8.7gに対する乳化剤(モノステアリン酸グリセリル)の添加量を、それぞれ実施例1の改質剤における添加量の1/3倍、2倍、16倍および128倍として調製した改質剤を用いて、試験例1の場合と同様にして冷凍米飯を製造した(実施例8~11)。
また、実施例1の改質剤において、油脂8.7gに対する乳化剤(モノステアリン酸グリセリル)の添加量を、それぞれ実施例1の改質剤における添加量の1/12倍および1/6倍として調製した改質剤を用いて、試験例1の場合と同様にして冷凍米飯を製造した(参考例1、2)。
なお、実施例1の改質剤を用いて、試験例1の場合と同様にして冷凍米飯を製造した場合をコントロールとした。
それぞれの冷凍米飯の製造において、乳化剤(モノステアリン酸グリセリル)の添加量、冷凍米飯用改質剤の添加量、添加した冷凍米飯用改質剤における乳化剤(モノステアリン酸グリセリル)の含有量、および精白米に対する乳化剤(モノステアリン酸グリセリル)の添加量を、表3に示した。
製造された各冷凍米飯について、冷凍米飯における個別凍結性を上記試験例1と同様に評価した。また、製造された各冷凍米飯を、マイクロウェーブ調理器を用いて解凍した際の米飯の食感および状態を、下記の評価基準により評価した他は、試験例2と同様に評価した。評価結果は、表3に併せて示した。
【0050】
<解凍した際の米飯の食感および状態の官能評価基準>
(1)米飯の喫食時のべとつき
べとつかない; --
ほとんどべとつかない; -
わずかにべとつく;+
べとつく;++
(2)米飯の粘り
粘りが非常に少ない; -
粘りが少ない;+
粘りがやや多い;++
粘りが多い;+++
【0051】
【表3】
【0052】
表3に示されるように、実施例1の改質剤において、油脂に対する乳化剤の添加量を1/3とした改質剤を用いて冷凍米飯を製造した場合(実施例8)、および実施例1の改質剤において、油脂に対する乳化剤の添加量を2倍、16倍、128倍とした改質剤を用いて冷凍米飯を製造した場合(実施例9~11)には、実施例1の改質剤を用いて冷凍米飯を製造した場合(コントロール)と同様に、良好な個別凍結性を示す冷凍米飯を得ることができた。
また、マイクロウェーブ調理器を用いて解凍した際、実施例8で製造された冷凍米飯では、解凍後の米飯に若干のべとつきと粘りが認められたが、実施例9~11で製造された冷凍米飯では、解凍後の米飯において、べとつきがなく、粘りの非常に少ない、良好な食感および状態が認められた。
一方、実施例1の改質剤において、油脂に対する乳化剤の添加量を1/12および1/6とした改質剤を用いて冷凍米飯を製造した場合(参考例1、2)には、十分な個別凍結性は認められず、マイクロウェーブ調理器を用いて解凍した際の米飯の食感および状態についても、べとつきがあり、粘りが多いと評価された。
【0053】
試験例3の上記結果から、冷凍米飯用改質剤における乳化剤の含有量は、0.9重量%~78重量%とすることがより好ましく、冷凍米飯の製造において、精白米に対する冷凍米飯用改質剤の添加量を、乳化剤の添加量にして0.018重量%~6.8重量%となるように添加することが、より好ましいことが示された。
【0054】
[試験例4]冷凍米飯用改質剤における油脂の種類の影響の検討
上記実施例1の改質剤において、ハイオレイックキャノーラ油を表4に示す油脂にそれぞれ代替して、実施例12~14の改質剤とした。
なお、表4中、キャノーラ油、パーム油およびラードとしては、食品用として市販されている製品を用いた。
【0055】
【表4】
【0056】
実施例12~14の改質剤を用いて、試験例1と同様に冷凍米飯を製造し、個別凍結性を評価した。また、試験例2と同様に、マイクロウェーブ調理器を用いて解凍した際の米飯の食感および状態を評価した。
その結果、実施例12~14の改質剤を用いて製造された冷凍米飯は、良好な個別凍結性を示し、マイクロウェーブ調理器を用いて解凍した際にも、解凍後の米飯は、良好な食感および状態を呈することが認められた。
試験例4の上記結果から、本発明の改質剤において、油脂の種類の影響は少ないことが示唆された。
【0057】
[試験例5]解凍方法が解凍した米飯の食感および状態に及ぼす影響の検討
上記試験例1にて、良好な個別凍結性が認められた実施例1の改質剤を添加して製造した冷凍米飯について、蒸し調理(冷凍米飯450gを袋にいれ、袋に小さい穴をあけて蒸し器で25分間加熱)、およびフライパン調理(冷凍米飯450gを直径26cmのフライパンを用い、ガスコンロの中火で5分間~6分間加熱)により解凍し、解凍した後の米飯の食感および状態を評価した。
その結果、蒸し調理およびフライパン調理により解凍した場合にも、解凍した後の米飯の食感および状態は良好であった。
試験例5の上記結果から、本発明の改質剤を添加して製造された冷凍米飯は、マイクロウェーブ調理器以外の解凍方法で解凍した場合にも、食感および状態の良好な米飯が得られることが示唆された。
【産業上の利用可能性】
【0058】
以上、詳述したように、本発明により、米飯を個別急速冷凍する際の個別凍結性を良好に改善し得る冷凍米飯用改質剤を提供することができる。
また、本発明により、米飯を個別急速冷凍する際の個別凍結性を改善し得る冷凍米飯の改質方法を提供することができる。
さらに、本発明により、米飯を個別急速冷凍する際の個別凍結性が改善され、凍結後の米がほぐれやすい冷凍米飯を製造する方法を提供することができる。
さらにまた、本発明により、米飯を個別急速冷凍する際の個別凍結性が改善されて、凍結後の米がほぐれやすく改質された冷凍米飯を提供することができる。
【0059】
さらに、本発明の好ましい態様において、米飯を個別急速冷凍する際の個別凍結性に加えて、冷凍米飯をマイクロウェーブ調理器により解凍した際の米飯の食感や状態を改善し得る冷凍米飯用改質剤を提供することができる。
また、本発明の好ましい態様において、米飯を個別急速冷凍する際の個別凍結性に加えて、冷凍米飯をマイクロウェーブ調理器により解凍した際の米飯の食感や状態を改善し得る冷凍米飯の改質方法を提供することができる。
さらに、本発明の好ましい態様において、米飯を個別急速冷凍する際の個別凍結性に加えて、マイクロウェーブ調理器により解凍した際の食感や状態が改善された冷凍米飯の製造方法を提供することができる。
さらにまた、本発明の好ましい態様において、米飯を個別急速冷凍する際の個別凍結性に加えて、マイクロウェーブ調理器により解凍した際に良好な食感および状態を呈し、マイクロウェーブ調理器による解凍に適する冷凍米飯を提供することができる。