(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022170618
(43)【公開日】2022-11-10
(54)【発明の名称】御朱印発行サーバ及び御朱印発行システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20221102BHJP
A47G 33/00 20060101ALI20221102BHJP
【FI】
G06Q50/10
A47G33/00 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021076891
(22)【出願日】2021-04-28
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 集会名 「チーム10-80」発足会 開催日 令和2年8月31日
(71)【出願人】
【識別番号】507363200
【氏名又は名称】古内 衣枝
(74)【代理人】
【識別番号】100110560
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 恵三
(74)【代理人】
【識別番号】100182604
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 二美
(72)【発明者】
【氏名】古内 衣枝
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】 実際に参拝したときにはじめて御朱印が取得できるようにすること。
【解決手段】 このサーバは、複数の寺社の御朱印の画像情報を保持する御朱印保持部102と、ユーザの端末101からユーザの位置情報を取得する位置情報取得部103と、ユーザの現在の位置情報と寺社の位置情報を比較しユーザが寺社との距離を判断すると共にユーザが寺社と一定の距離の範囲にいると判断した場合に前記御朱印保持部102に保持する当該寺社に係る御朱印の画像情報を当該ユーザの端末101に送信する御朱印発行部105とを有する。これにより、ユーザが参拝して初めて御朱印を取得できるようになる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の寺社の御朱印の画像情報を保持する御朱印保持手段と、
ユーザの端末からユーザの位置情報を取得する位置情報取得手段と、
ユーザの現在の位置情報と寺社の位置情報を比較しユーザが寺社との距離を判断すると共にユーザが寺社と一定の距離の範囲にいると判断した場合に前記御朱印保持手段に保持する当該寺社に係る御朱印の画像情報を当該ユーザの端末に送信する御朱印発行手段と、
を有する御朱印発行サーバ。
【請求項2】
更に、発行された御朱印の画像情報には複製防止機能が設けられることを特徴とする請求項1に記載の御朱印発行サーバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、御朱印を電子的に取得して収集できる御朱印発行サーバ及び御朱印発行システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来からデジタルで御朱印を取得する技術として特許文献1に記載されているようなものが知られている。このシステムでは、寺社に設置した二次元コードを読み込んで当該二次元コードにより取得したURLからシステムにアクセスすると所定の御朱印を取得できるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来のシステムでは、二次元コードや当該URLが判明すれば御朱印を自由に取得できてしまい、寺社に参拝してもらうためのインセンティブにならず、ユーザも実際に参拝して取得したものでないことからありがたみが薄いものとなるという問題点があった。本発明はかかる問題点を解決するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る御朱印発行サーバは、複数の寺社の御朱印の画像情報を保持する御朱印保持手段と、ユーザの端末からユーザの位置情報を取得する位置情報取得手段と、ユーザの現在の位置情報と寺社の位置情報を比較しユーザが寺社との距離を判断すると共にユーザが寺社と一定の距離の範囲にいると判断した場合に前記御朱印保持手段に保持する当該寺社に係る御朱印の画像情報を当該ユーザの端末に送信する御朱印発行手段とを有する。
【0006】
また、本発明に係る御朱印発行サーバは、上記発明において、発行された御朱印の画像情報には複製防止機能が設けられる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の実施の形態1に係る御朱印発行サーバを示す構成図である。
【
図2】御朱印発行サーバの機能を示す機能ブロック図である。
【
図3】御朱印発行サーバによる御朱印の発行手順等を示すフローチャートである。
【
図4】選択可能な寺社を端末に表示させた状態を示す説明図である。
【
図5】選択された寺社の紹介ページの例を示す説明図である。
【
図8】ユーザの位置を確認する際の画面の一例を示す説明図である。
【
図9】御朱印を取得した直後の画像の例を示す説明図である。
【
図10】ユーザのマイページの表示例を示す説明図である。
【
図11】御朱印発行サーバによる御朱印の他の発行手順等を示すフローチャートである。
【
図12】選択された寺社の紹介ページの例を示す説明図である。
【
図13】本発明の実施の形態2に係る御朱印発行システムを示す構成図である。
【
図14】賽銭の奉納の手順を示すフローチャートである。
【
図15】選択された寺社の紹介ページの例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る御朱印発行サーバを示す構成図である。この御朱印発行サーバ100は、インターネット50を介して接続されたユーザの端末101に対して御朱印の画像情報を所定の条件のもとで送信する機能を備えたものである。御朱印発行サーバ100は、複数のコンピュータから構成される場合がある。
【0009】
図2は、御朱印発行サーバの機能を示す機能ブロック図である。この御朱印発行サーバ100は、発行する御朱印の画像情報を記憶する御朱印記憶部102と、ユーザの位置情報を取得する位置情報取得部103と、ユーザの位置から寺社への経路を生成する経路生成部104と、御朱印の画像を送信することで所望のユーザに発行する発行部105と、御朱印の内容等の各種情報をユーザの端末101に表示される表示部106と、既存の課金システムと連動して御朱印の代金支払いを行える課金処理部107と、ユーザが取得した御朱印等をユーザとの関連で保持するユーザページ処理部108とを有する。
【0010】
御朱印は、寺社名、御祭神、御本尊などを墨書きしたものに所定の朱印を押し、日付を記したものである。寺社には、神社、寺、教会が含まれる。
【0011】
図3は、御朱印発行サーバによる御朱印の発行手順等を示すフローチャートである。まず、ユーザが神社に実際に訪れて御朱印を取得する場合について説明する。ユーザの端末101には、御朱印発行サーバ100から所定のアプリケーションプログラムがダウンロードされて保存される。御朱印発行サーバ100との通信は、このプログラムを端末101で起動した状態で行われる。
【0012】
ユーザは、神社の近くの駅等の近隣において自己の端末101で前記プログラムを起動する(ステップS1)。御朱印発行サーバ100の位置情報取得部103は、端末101からユーザの位置情報を取得し、近隣の寺社の情報を端末101に送信して表示させる。位置情報は、GPSによる位置情報等である。
図4は、選択可能な寺社を端末101に表示させた状態を示す説明図である。端末101の画面20には、寺社の写真21と販売している御朱印のサムネイル画像22が表示される。
【0013】
ユーザは、端末101において自分が実際に訪問したい寺社を選択する(ステップS2)。御朱印発行サーバ100の表示部106は、端末101に選択した寺社の紹介ページを表示させる。
図5に選択された寺社の紹介ページの例を示す。当該紹介ページ30には、バーチャルツアーのボタン31と経路のボタン32と共に御朱印のサムネイル33が表示される。経路ボタン32を押して端末101から御朱印発行サーバ100に経路の表示要求を行うと、経路生成部104は、ユーザの位置情報及び選択された寺社の位置情報に基づいて最適なルートを生成し、端末101に当該情報を送信して表示させる(ステップS)。端末101の画面には、例えば
図6に示すような当該経路41を示す経路画面40が表示される。なお、この経路41は、外部の地図情報サービスにリンクするようにして経路表示させても良い(図示省略)。
【0014】
この経路探索は、所謂参道を必ず含めて経路を生成するものとする。具体的には、経路生成部104は寺社への経路41は参道の入り口を通過するように生成する。参道を外して最短距離とすると本来の寺社への参拝を楽しめないためである。この場合の経路生成の例を
図7に示す。この場合、参道とは反対側からアプローチする場合でも参道の入り口から寺社にアクセスするように経路41を生成する。参道の入り口のデータは、経路生成部104が予め設定して有しており、外部の地図情報のサービスを使用する場合には自動的に入り口の位置情報を経由地として当該サービスのサーバに送信する。
【0015】
次に、御朱印発行サーバ100の位置情報取得部103は、ユーザの位置情報に基づいて寺社の敷地内にいるか否かを判別する(ステップS4)。ユーザの位置は端末101の地図画面50の上に表示される(
図8参照)。御朱印発行サーバ100は、ユーザの位置情報(図中丸印で示す)と予め保有している所定範囲(図中一点鎖線で示す)の位置情報とを比較し、ユーザが寺社の敷地内又は近隣の所定範囲内にいるものと判断できれば、御朱印の購入を許可する。寺社の近くにユーザがいない場合は、実際に参拝していないものと判断して御朱印の購入を許可しない。
【0016】
御朱印発行サーバ100の表示部106は、ユーザが位置する寺社の販売可能な御朱印を端末101に表示させる。御朱印の種類は寺社により異なる。御朱印の画像情報は、御朱印発行サーバ100の御朱印記憶部102に保存されている。ユーザは、端末101に表示された御朱印から所望のものを選択して購入する(ステップS5)。課金処理部107は、ユーザの端末101に支払い要求を行う。ユーザは、端末101を介して当該課金処理部107により購入代金の精算を行う。例えばクレジットカードの登録を行い、当該カードにより支払う処理を行う。これらの支払い手段は公知のものを適宜採用できる。また、購入代金の支払いには、第三者の課金サービスを利用してもよい。
【0017】
御朱印発行サーバ100の発行部105は、支払いが完了したことを確認すると、ユーザの端末101に対して購入した御朱印の画像情報等を送信して表示させる(ステップS6及びステップS7)。
図9は、御朱印を取得した直後の画像の例を示す説明図である。御朱印の画像60には、購入した年月日が自動的に付与され、当該年月日が付与された状態で画像として生成される。年月日の画像情報は予め所定の毛筆体等のフォントにより御朱印発行サーバ100の御朱印記憶部102に保存されており、当該フォントに基づいて発行部105が日付を生成する。なお、寺社ごとに固有のフォントを準備しておくこともできる。
【0018】
また、御朱印発行サーバ100のユーザページ処理部108では、当該御朱印を当該ユーザと関連付けて保存する(ステップS8)。ユーザページ処理部108では、当該ユーザに関連付けて保存された御朱印のリストを確認できる。
図10に、ユーザのマイページの表示例を示す。このマイページ70には、これまで購入した御朱印のサムネイル71が表示される。このマイページ70が御朱印帳となる。
【0019】
原則、取得した御朱印の画像は御朱印発行サーバ100のユーザページ処理部108に保存され、他のユーザの御朱印帳(マイページ)に移動したり複製することはできないように処理する。御朱印の画像情報には、スクリーンショット等の端末101で複製する手段によっては完全な複製ができない複製防止機能が埋め込まれる。具体的には、電子透かしを画像に埋め込んでキャプチャすることで注意喚起の文字がキャプチャ画像に現れるようにする。又は、本プログラムを起動中はキャプチャ機能の制限をユーザの端末101に加える機能を有するプログラムを設ける。
【0020】
図11は、御朱印発行サーバによる御朱印の他の発行手順等を示すフローチャートである。次は、ユーザが寺社を訪問することなく御朱印を取得する場合について説明する。ユーザは、自宅等の寺社から遠隔の地において自己の端末101のプログラムを起動する(ステップS21)。
【0021】
第一の選択方法として、ユーザは近隣の寺社から寺社を選択できる。御朱印発行サーバ100の位置情報取得部103は、ユーザの端末101から当該ユーザの位置情報を取得し、当該位置情報に基づいて近隣の寺社の情報を当該ユーザの端末101に送信し、表示させる。第二の選択方法として、ユーザは、全国の寺社から所望の寺社を選択できる。この場合、地方や宗教等により分類された寺社のリストをユーザの端末101に送信して表示させる。
【0022】
ユーザは、上記いずれかの方法で訪問したい寺社を端末101から選択する(ステップS22)。選択後の端末101に表示される画面は、例えば
図12に示したようなものとなる。当該紹介ページ210には、バーチャルツアーのボタン211と共に御朱印のサムネイル212が表示される。
【0023】
ユーザがバーチャルツアーのボタン211を押すことで御朱印発行サーバ100にVR動画の情報の送信が要求され、御朱印発行サーバ100は、選択された寺社のバーチャルツアーを体験できるVR動画の情報を端末101に送信する。当該情報を受信した端末101では所定の操作により当該寺社の境内を任意に歩くことができる。これにより、寺社を参拝した体験を疑似的に得られるので御朱印に対するユーザの意識が高まる。当該情報は、現場で撮影した360度の動画情報であり、御朱印発行サーバ100の御朱印記憶部102に保存されている。
【0024】
御朱印発行サーバ100の表示部106は、ユーザが選択した寺社の販売可能な御朱印を端末101に表示させる。御朱印の種類は寺社により異なる。御朱印の画像情報は、御朱印発行サーバ100の御朱印記憶部102に保存されている。ユーザは、端末101に表示された御朱印から所望のものを選択して購入する(ステップS25)。課金処理部107は、ユーザの端末101に支払い要求を行う。ユーザは、端末101を介して当該課金処理部107により購入代金の精算を行う。例えばクレジットカードの登録を行い、当該カードにより支払う処理を行う。これらの支払い手段は公知のものを適宜採用できる。また、購入代金の支払いには、第三者の課金サービスを利用してもよい。寺社を訪問することなく御朱印を購入する際、実際に参拝した場合とは異なる価格を設定できる。
【0025】
御朱印発行サーバ100の発行部105は、支払いが完了したことを確認すると、ユーザの端末101に対して購入した御朱印の画像情報等を送信して表示させる(ステップS26及びステップS27)。上記同様、御朱印の画像には、購入した年月日が自動的に付与され、当該年月日が付与された状態で画像として生成される。年月日の画像情報は予め所定の毛筆体等のフォントにより御朱印発行サーバ100の御朱印記憶部102に保存されており、当該フォントに基づいて発行部105が日付を生成する。なお、寺社ごとに固有のフォントを準備しておくこともできる。
【0026】
また、御朱印発行サーバ100のユーザページ処理部108では、当該御朱印を当該ユーザと関連付けて保存する(ステップS28)。ユーザページ処理部108では、当該ユーザに関連付けて保存された御朱印のリストを確認できる。このマイページには、これまで購入した御朱印のサムネイルが表示される。このマイページが御朱印帳となる。
【0027】
以上、本発明の御朱印発行サーバ100によれば、御朱印をデジタルデータとして収集できると共にユーザ自身の端末101が御朱印帳となるので大変便利である。また、実際に寺社に参拝しなくても御朱印を取得することができるので、移動が困難なユーザにとって利便性が高いものとなる。
【0028】
(実施の形態2)
図13は、本発明の実施の形態2に係る御朱印発行システムを示す構成図である。この御朱印発行システム200は、実施の形態1に係る御朱印発行サーバ100と、寺社に設置した祭壇前端末250とを備えている。御朱印発行サーバ100は、寺社に対する賽銭の奉納処理を行う賽銭奉納処理部251を有する。
図14は、賽銭の奉納の手順を示すフローチャートである。各寺社の紹介ページ260には、賽銭奉納のボタン261が設けられている。
図15に画面の一例を示す。
【0029】
ユーザは、上記実施の形態1と同様の手順で任意の寺社を選択する(ステップS21~S23)。続いて、ユーザが端末101に表示された寺社の紹介ページ260の賽銭ボタン261を押すことで賽銭の奉納処理に進む(ステップS34)。賽銭奉納の下記の処理は御朱印発行サーバ100の賽銭奉納処理部251が行う。また、賽銭の支払い処理には、第三者の決済サービスを利用できる。
【0030】
図13に示すように、祭壇の前には通信可能な祭壇前端末250が設置される。当該祭壇前端末250はカメラ及びマイクを有するノート型のコンピュータやタブレット端末等でよい。賽銭の奉納処理のページでは、インターネットで祭壇の前に設置した祭壇前端末250と接続され、実際の祭壇がユーザの端末101でリアルタイムに表示される(ステップS35)。前記祭壇前端末101の画面において祭壇に対しユーザ自身の姿を表示させても良い。この状態でユーザは祈願をする。実際の祭壇の様子がリアルタイムに表示されるため、祈願のご利益を信じることができるようになる。
【0031】
賽銭奉納を終えるとその履歴がマイページに記録される。その際、祈りをした内容を当該履歴に紐づけてメモできる。例えば、イ神社において「学業成就」を祈った場合、イ神社でのお祈りをした日時と共にその内容である「学業成就」をマイページ上でメモ記入する(ステップS36)。あるいは、祈願内容を複数の選択肢から選択して記憶しておく。
【0032】
この御朱印発行システム200では、御朱印帳として機能する他、遠隔地から寺社にお参りして賽銭奉納と共に祈願できる。また、この祈願内容についてマイページに記憶されるので祈願内容を読み返して再認識できる。
【符号の説明】
【0033】
100 御朱印発行サーバ
101 端末
102 御朱印記憶部
103 位置情報取得部
104 経路生成部
105 発行部
106 表示部
107 課金処理部
108 ユーザページ処理部