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特開2022-170637ヒハツ抽出物及び紅参抽出物を含む組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022170637
(43)【公開日】2022-11-10
(54)【発明の名称】ヒハツ抽出物及び紅参抽出物を含む組成物
(51)【国際特許分類】
   A23L 27/10 20160101AFI20221102BHJP
   A23L 33/105 20160101ALI20221102BHJP
【FI】
A23L27/10 C
A23L33/105
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021125701
(22)【出願日】2021-07-30
(31)【優先権主張番号】10-2021-0055142
(32)【優先日】2021-04-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り https://www.fmg-mission.jp/wp-content/uploads/2020/08/20200825_高麗紅蔘ペースト.pdf
(71)【出願人】
【識別番号】514112488
【氏名又は名称】エルジー ハウスホールド アンド ヘルスケア リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(74)【代理人】
【識別番号】100122161
【弁理士】
【氏名又は名称】渡部 崇
(72)【発明者】
【氏名】ソミン・イ
(72)【発明者】
【氏名】ウン・ジョン・ユ
【テーマコード(参考)】
4B018
4B047
【Fターム(参考)】
4B018LB10
4B018MD23
4B018MD42
4B018MD61
4B018MD64
4B018ME14
4B018MF01
4B047LB03
4B047LB08
4B047LB09
4B047LF10
4B047LG20
4B047LG31
4B047LG37
4B047LG43
4B047LP01
(57)【要約】
【課題】本発明は、ヒハツ抽出物、紅参抽出物、ヘスペリジン及びビタミンB6を含む組成物に関し、本発明の組成物は、ヒハツ抽出物と紅参抽出物の混合による古くなったような、鼻をつくような煙たい味、苦味と土の匂いのような異味のおぞましい味、舌のひりひりまたは痛みのような嗅覚、味覚、痛覚的刺激が著しく減少または緩和され、風味が改善されてユーザーの嗜好度が高く、疲労回復効果がより優れた組成物を提供でき、これは様々な形態の食品に素材として使用されてもよい。
【解決手段】ヒハツ抽出物及び紅参抽出物と、ヘスペリジン及びビタミンB6からなる群から選ばれた一つ以上を含む、組成物。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒハツ抽出物及び紅参抽出物と、
ヘスペリジン及びビタミンB6からなる群から選ばれた一つ以上を含む、組成物。
【請求項2】
前記組成物は、ヒハツ抽出物、紅参抽出物、ヘスペリジン及びビタミンB6を含むものである、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記組成物は、おぞましい味、煙たい味、舌のひりひり又は痛みの刺激が改善または減少されたものである、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記組成物の全体に対して、ヘスペリジンを17ppm~17,800ppm、ビタミンB6を30ppm~1,500ppmで含むものである、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項5】
前記組成物は、経口用である、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項6】
前記組成物は、疲労回復用である、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項7】
前記組成物は、食品用、機能性食品用または健康機能食品用である、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項8】
請求項1または2の組成物を含む、食品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒハツ抽出物及び紅参抽出物を含む組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
畢撥(ヒハツ、Piper longum L.)は、コショウ科の植物で、熱帯、亜熱帯地方に広く分布する。ヒハツの実は、香辛料として使用されており、同時に疲労回復及び冷え性改善などのための漢方薬や機能性食品の原料として長期間使用されてきた。ヒハツ抽出物は、ピペリン類を含有するが、近年、当該成分が機能を示すことが知られており、注目を集めている。しかし、コショウ科の植物で、特有の刺激性と苦味により味覚と嗅覚的刺激が大きく、素材の効能に比べて食品や医薬品などに活用しにくい。
【0003】
紅参は、人参を蒸して乾かす過程で、有効成分であるサポニン類が体内に吸収されやすい形となり、様々な効能を示すことが知られており、韓国はもちろん多くの国で機能性素材として広く用いられている。
【0004】
ヒハツ抽出物は、紅参抽出物とは異なり、刺激性などの官能が大きく改善された用例が少なく、摂取の容易性が著しく劣る。したがって、有効量で摂取する場合、原料が持つ本来の官能を抑制する剤形であるカプセルもしくは錠剤の形でのみ摂取できるため、摂取可能な剤形が制限的である。
【0005】
さらに、ヒハツ抽出物と紅参抽出物を混合する場合、 それぞれ抽出物が持つ不快な味が混ざり合うことで、古くなったような煙たいような味がし、嗅覚的、味覚的な刺激は、さらに酷くなる傾向がある。そこで、有効な二つの素材を容易に摂取するために官能の改善が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、ヒハツ抽出物と紅参抽出物の混合物に追加の成分との組み合わせによって、嗅覚的及び味覚的刺激が改善され、改善された疲労回復効果を持つ組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するため、本発明は、ヒハツ抽出物及び紅参抽出物とともに、ヘスペリジン及びビタミンB6からなる群から選ばれた一つ以上を含む組成物を提供する。
【0008】
また、本発明は、前記組成物を含む食品を提供する。
【0009】
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
【0010】
本発明の発明者は、ヒハツ抽出物と紅参抽出物をすべて含む食品の組成物にヘスペリジン及び/又はビタミンB6をともに含む場合、ヒハツ抽出物と紅参抽出物の混合により発生する古くなったような、鼻をつくような煙たい味、苦味と土の匂いのような異味のおぞましい味、舌のひりひりまたは痛みのような嗅覚、味覚、痛覚的刺激を減らし、風味を高めるのに優れた効果があり、疲労回復効果も優れていることを確認し、本発明を完成させた。
【0011】
したがって、本発明は、ヒハツ抽出物及び紅参抽出物とヘスペリジン及び/又はビタミンB6を含む組成物に関する。
【0012】
本発明の紅参抽出物は、紅参を原料として、溶媒などを加えて有効成分を抽出したものを意味する。前記紅参は、水参を蒸して乾かした赤人参を意味するもので、疲労回復、免疫力増進、血小板凝集抑制などによる血液の流れの改善などに役立つことが知られている。本発明の前記紅参は、市販されるか、または個別に製造されたものを制限せずに用いることができる。また、前記紅参抽出物は、抽出された紅参抽出物を乾燥、酵素処理または発酵などの追加の加工を経たものを含む。
【0013】
本発明のヒハツ抽出物は、ヒハツを原料として、溶媒などを加えて有効成分を抽出したものを意味する。前記畢撥(ヒハツ、Piper longum L.)は、コショウ科の植物で、熱帯、亜熱帯地方に広く分布する。ヒハツの実は、香辛料として使用されており、同時に疲労回復及び冷え性改善などのための漢方薬や機能性食品の原料として長期間使用されてきた。本発明において、前記ヒハツの根、茎、葉、実などをすべて含み、その乾燥物、粉砕物も制限なく含む。好ましくは、実または未熟な実であってもよい。前記ヒハツは、栽培したものまたは市販されているものなどを制限なく使用してもよい。また、前記ヒハツ抽出物は、抽出されたヒハツ抽出物を乾燥、酵素処理または発酵などの追加の加工を経たものを含む。
【0014】
前記抽出物は、通常の抽出物の製造方法により製造されたものであってもよい。より具体的には、不純物を除去した原料に抽出プロセスを行う方法で行ってもよい。
【0015】
前記抽出物を原料から抽出して得るとき、抽出方法としては、溶媒抽出法、超音波抽出法、ろ過法及び還流抽出法など、従来知られている通常の抽出方法をすべて使用してもよく、好ましくは、溶媒抽出法や還流抽出法を用いることにより、製造してもよい。前記抽出プロセスは、より詳細な例として、冷浸抽出法、温浸抽出法、または加圧抽出法などを含んでもよいが、これに限定されない。前記抽出プロセスは、数回繰り返すことができ、以後に濃縮または凍結乾燥などの段階ををさらに経ることができる。具体的には、得られた抽出物を減圧濃縮して濃縮液を得て、前記濃縮液を凍結乾燥させた後、粉砕機を用いて高濃度の抽出粉末を製造してもよい。また、本発明の抽出物は、先に抽出された抽出物に分画溶媒を加えて分画して製造される分画物を含む。
【0016】
前記抽出物は、抽出溶媒を用いて抽出されてもよい。前記抽出溶媒は、水及び有機溶媒からなる群から選ばれた1種以上であってもよい。前記有機溶媒は、メタノール、エタノールなどの炭素数1~5のアルコール、酢酸エチルまたはアセトンなどの極性溶媒とベンゼン、ヘキサンまたはジクロロメタンの非極性溶媒またはこれらの混合溶媒であってもよい。紅参又はヒハツ抽出物を製造するときに用いられる溶媒は、好ましくは、水であってもよい。
【0017】
前記分画溶媒は、水、ブタノール、酢酸エチル、クロロホルム、ヘキサンまたはこれらの混合物であってもよい。前記分画物は、前記抽出法で製造した抽出物、具体的には、粗抽出液に分画過程をさらに行った分画物であってもよい。前記分画溶媒は、酢酸エチル、エーテル、クロロホルム、ベンゼン、ヘキサン、メチレンクロライド及びこれらの混合溶媒からなる群から選ばれた溶媒であってもよく、好ましくは、ヘキサンであってもよい。前記分画過程は、具体的には、前記粗抽出液に分画溶媒を順次加えた後、層分離した各分画溶媒の分画物を順次得る方法で行ってもよい。
【0018】
前記抽出物または分画物は、抽出または分画過程を行った後、減圧ろ過過程を行うか、またはさらに濃縮及び/又は凍結乾燥を行って濃縮または溶媒を除去してもよい。前記得られた抽出物は、使用時まで急速冷凍冷蔵庫(deep freezer)に保管してもよい。
【0019】
本発明の組成物は、組成物の総重量に対して前記紅参抽出物を0.001重量%~99.9重量%、0.1重量%~99重量%または1重量%~20重量%で含んでもよい。しかし、これに限定されるものではなく、組成物の使用様態及び使用方法によって前記紅参抽出物の含量は、有効な量又は好ましい量に適切に調節して使用されてもよい。
【0020】
本発明の組成物は、組成物の総重量に対して前記ヒハツ抽出物を0.001重量%~99.9重量%又は0.1重量%~99重量%又は0.1重量%~10重量%で含んでもよい。しかし、これに限定されるものではなく、組成物の使用様態及び使用方法によって前記ヒハツ抽出物の含量は、有効な量又は好ましい量に適切に調節して使用されてもよい。
【0021】
本発明の組成物は、ヘスペリジン及び/又はビタミンB6をさらに含んでもよい。本発明の組成物において紅参抽出物及びヒハツ抽出物を主成分とする組成物にヘスペリジン及び/又はビタミンB6をさらに含んで紅参抽出物とヒハツ抽出物の混合によって発生したり、さらにひどくなる不快な味覚、嗅覚的、痛覚的刺激を減少させるか、または緩和でき、紅参及びヒハツ抽出物を含む組成物の風味を改善できることを確認した。また、より改善された疲労回復効果が得られる。
【0022】
前記ヘスペリジンは、(S)-7-[[6-0-(6-デオキシ-α-L-マンノピラノシル)-β-D-グルコピラノシル]オキシ]-2,3-ジヒドロ-5-ヒドロキシ-2-(3-ヒドロキシ-4-メトキシフェニル)-4H-1-ベンゾピラン-4-オン((S)-7-[[6-0-(6-deoxy-α-L-mannopyranosyl)-β-D-glucopyranosyl]oxy]-2,3-dihydro-5-hydroxy-2-(3-hydroxy-4-methoxyphenyl)-4H-1-benzopyran-4-one)化合物を意味し、フライバノン配糖体でフラボノイド系色素に該当する。柑橘類の果実などに多く存在することが知られている。
【0023】
本発明のヘスペリジンは、ヘスペリジン誘導体を含む。前記ヘスペリジン誘導体は、ヘスペリジンのアグリコン形態、カルコン形態、グリコシル形態、糖転移ヘスペリジン又はヘスペリジンの代謝産物であって、サルフェート又はグルコナイド形態であってもよい。
【0024】
前記ヘスペリジン誘導体は、当業者に公知された様々な方法、例えば、酵素処理によって得られてもよく、合成により得られてもよい。一例として、グルコース-7-ヘスペリジンは、ラムノシダーゼ又はヘスペリジナーゼ処理によって製造されてもよい。
【0025】
前記ヘスペリジンは、本発明の組成物の全体に対して、17ppm~17,800ppm、または100ppm~10,000ppmで含まれてもよい。紅参抽出物及びヒハツ抽出物の混合物に前記ヘスペリジンを本発明の含量の範囲で含む場合、ヒハツ抽出物と紅参抽出物の混合により発生する古くなったような、鼻をつくような煙たい味、苦味と土の匂いのような異味のおぞましい味、舌のひりひりまたは痛みのような嗅覚、味覚、痛覚的刺激を減少させるか、または緩和でき、紅参及びヒハツ抽出物を含む組成物の風味を改善できることを確認した。
【0026】
本発明のビタミンB6は、ビタミンB群またはビタミンB複合体に属する水溶性ビタミンの一種類を意味する。具体的には、ピリドキシン、ピリドキサール、ピリドキサミン、ピリドキシン 5'-ホスフェート(Pyridoxine 5'-phosphate)(P5P)、ピリドキサール 5’-ホスフェート(Pyridoxal 5'-phosphate)(PLP)、ピリドキサミン 5’-ホスフェート(Pyridoxamine 5'-phosphate)(PMP)、4-ピリドキシ酸(4-Pyridoxic acid)(PA)、及びピリチノール(Pyritinol)からなる群から選ばれたものであってもよい。前記ビタミンB6は食品学的にまたは薬学的に許容される塩の形態で含まれてもよい。一例として、前記ビタミンB6は、ピリドキシン塩酸塩であってもよい。
【0027】
前記ビタミンB6は、本発明の組成物の全体に対して、30ppm~1500ppm、または400ppm~1200ppmで含まれてもよい。紅参抽出物及びヒハツ抽出物の混合物に前記ビタミンB6を本発明の含量範囲で含む場合、ヒハツ抽出物と紅参抽出物の混合により発生する古くなったような、鼻をつくような煙たい味、苦味と土の匂いのような異味のおぞましい味、舌のひりひりまたは痛みのような嗅覚、味覚、痛覚的刺激を減らして組成物の風味を改善させるのに優れた効果がある。
【0028】
好ましくは、本発明の組成物は、ヘスペリジン及びビタミンB6を含んでもよい。本発明の組成物において、紅参抽出物、ヒハツ抽出物、ヘスペリジン及びビタミンB6を含む場合、紅参抽出物とヒハツ抽出物の混合によって発生したり、さらにひどくなる味覚的、嗅覚的及び痛覚的刺激の減少、緩和または改善において著しく優れた相乗的効果が得られる。
【0029】
本発明の組成物は、経口投与用組成物であってもよい。本発明の組成物は、紅参抽出物とヒハツ抽出物の混合によって組成物において発生する不快な味覚的、嗅覚的または痛覚的刺激を減らし、これを食べる対象体が飲用しやすいようにすることにその技術的意義がある。具体的には、ヒハツ抽出物と紅参抽出物の混合によって発生する古くなったような、鼻をつくような煙たい味、苦味と土の匂いのような異味のおぞましい味、舌のひりひりまたは痛みのような嗅覚、味覚、痛覚的刺激が著しく減少または緩和され、全体的な風味が改善された組成物を提供する。
【0030】
前記組成物は、好ましくは、不快な味覚的、嗅覚的、または痛覚的刺激が減少された組成物であってもよい。
【0031】
本発明の組成物は、食品用、機能性食品用または健康機能食品用組成物であってもよい。好ましくは、不快な味覚的、嗅覚的、または痛覚的刺激が減少された食品用、機能性食品用または健康機能食品用組成物であってもよい。
【0032】
また、本発明は、前記組成物を含む食品を提供する。
【0033】
前記食品とは、栄養素を一つまたはそれ以上含有する天然物または加工品を意味し、好ましくは、ある程度の工程を経て直接食べられる状態になったものを意味し、通常の意味として、一般食品、機能性食品または健康機能食品、飲料、食品添加剤及び飲料添加剤をすべて含んでもよい。
【0034】
前記食品は、例えば、各種食品類、飲料、ガム、お茶、ビタミン複合剤、機能性食品、健康機能食品等であってもよい。さらに、本発明において食品としては、健康補助食品、特殊栄養食品(例えば、調製乳類、乳幼児食など)、食肉加工品、魚肉製品、豆腐類、ムク類、麺類(例えば、ラーメン類、ヌードル類など)、調味食品(例えば、醤油、味噌、コチュジャン、混合醤など)、ソース類、菓子類(例えば、スナック類)、乳加工品(例えば、発酵乳、チーズなど)、その他の加工食品、キムチ、漬物食品(各種キムチ類、漬物など)、飲料(例えば、果実及び野菜類飲料、豆乳類、発酵飲料類など)、天然調味料(例えば、ラーメンスープなど)を含むが、これに限定されない。
【0035】
前記食品、健康機能食品、飲料、食品添加剤及び飲料添加剤は、通常の製造方法により製造されてもよい。
【0036】
本発明において、健康機能食品とは、食品に物理的、生化学的、生物工学的手法などを用いて、当該食品の機能を特定の目的に作用、発現するように付加価値を付与した食品群や食品組成が持つ生体防御リズム調節、疾病防止と回復などに関する体調節機能を生体に対して十分に発現するように設計して加工した食品を意味する。
【0037】
前記健康機能食品には、食品学的に許容可能な食品補助添加剤を含んでもよく、健康機能食品の製造に通常用いられる適切な担体、賦形剤及び希釈剤をさらに含んでもよい。
【0038】
本発明において、飲み物とは、喉の渇きを解消するか、または味を楽しむために飲むものの総称を意味し、健康機能飲料を含む意味である。
【0039】
本発明の組成物は、前記成分の他に、他の成分には、特別な制限がなく、様々な香味剤、天然炭水化物またはその他の抽出物などを追加成分として含有してもよい。
【0040】
前記天然炭水化物の例としては、ブドウ糖や果糖などのモノサカライド、マルトース、スクロースなどのジサッカライド、デキストリン、シクロデキストリンなどのポリサカライドまたはキシリトール、ソルビトール、エリスリトールなどの糖アルコールなどであってもよい。前記香味剤は、タウマチンやレバウディオシドAまたはグリチルヒジンのようなステビア抽出物などの天然香味剤またはサッカリン、アスパルテームなどの合成香味剤であってもよい。
【0041】
前記天然炭水化物の添加量は、本発明の食品組成物100mL当たり、一般的に約1g~20g、好ましくは、5g~12gであってもよい。その他に本発明の組成物は、天然フルーツジュース、フルーツジュース飲料、野菜飲料の製造のための果肉をさらに含有してもよい。
【0042】
前記の他に、本発明の組成物は、様々な栄養剤、ビタミン、鉱物(電解質)、合成風味剤及び天然風味剤などの風味剤、着色剤及び増進剤(チーズ、チョコレートなど)、ペクチン酸及びその塩、アルギン酸及びその塩、有機酸、保護性コロイド増粘剤、pH調整剤、安定化剤、防腐剤、グリセリン、アルコール、炭酸飲料に用いられる炭酸化剤などを含有してもよい。
【0043】
具体的な一例として、本発明の組成物は、糖類、ビタミン類、甘草抽出物、鶏血藤抽出物、ベニバナ抽出物、クチナシ果実抽出物、ヘンプシード抽出物、ナツメ果実抽出物、ダイダイ果実抽出物、ショウガ抽出物、甘草抽出物、ペパーミント抽出物、及び羅漢果抽出物からなる群から選ばれた一つ以上をさらに含んでもよい。
【0044】
このような成分を独立的にまたは組み合わせて使用してもよい。このような添加剤の割合は、組成物の希望する物性や性質に合わせて含量を異にして含まれてもよい。
【0045】
前記健康機能飲料とは、飲料に物理的、生化学的、生物工学的手法などを用いて当該飲料の機能を特定の目的に作用、発現するように付加価値を付与した飲料群や飲み物の組成が持つ生体防御リズムの調節、疾病の防止と回復などに関する体調節機能を生体に対して十分に発現するように設計して加工した飲み物を意味する。
【0046】
前記健康機能飲料は、指示された割合で必須成分として本発明の成分を含有する他、他の成分には、特に制限はなく、通常の飲料のように様々な香味剤または天然炭水化物などを追加成分として含有してもよい。
【0047】
本発明の組成物は、本発明の技術分野の通常の食品、機能性食品または健康機能食品の製造方法によって製造されてもよく、前記組成物の製造方法は、抽出段階以後に前記抽出物をろ過する段階をさらに含んでもよく、前記ろ過段階は、抽出物を製造する技術分野で通常の方法で行われてもよい。
【発明の効果】
【0048】
本発明は、ヒハツ抽出物と紅参抽出物による古くなったような、鼻をつくような煙たい味、苦味と土の匂いのような異味のおぞましい味、舌のひりひりまたは痛みのような嗅覚、味覚、痛覚的刺激が著しく減少または緩和され、風味が改善されてユーザーの嗜好度が高く、疲労回復効果に優れた組成物を提供しうる。
【発明を実施するための形態】
【0049】
以下、本発明が属する技術分野で通常の知識を持つ者が容易に実施できるように、本発明の実施例に対して詳細に説明する。しかし、本発明は、様々な異なる形で具現されてもよく、ここで述べる実施例に限定されるものではない。
【0050】
[製造例:抽出物及び試薬の準備]
ヒハツ抽出物は、熱水抽出物で販売中の丸善製薬(Maruzen Pharmaceuticals Co.,LTD.)社の製品を使用した。紅参抽出物は、大同高麗人参で製造した抽出物を購入して用いた。ヘスペリジンは、酵素処理ヘスペリジン、ビタミンB6は、ビタミンB6塩酸塩を使用し、実施例において使用した原料は、それぞれ(株)アイビティ(IBT)、DSM社から購入して使用した。
【0051】
[実験例:官能評価]
実験例1.官能評価
ヒハツ抽出物及び紅参抽出物を1:2の比率(重量)で混合し、次の表1に示したように、各成分を混合して比較例1及び実施例1~実施例4の組成物をそれぞれ製造した。
【0052】
【表1】
【0053】
前記比較例1、実施例1~実施例4の組成物に対して、専門パネル10人を対象に官能評価を行った。7点満点を基準に、対照群の刺激を5で表現したとき、各サンプルにおいて感じられる刺激であるおぞましい味(苦味と土の匂いのような異味)、かび臭さ(鼻をつくような味と臭い)、舌のひりひり/痛み(味覚、痛覚的刺激)をそれぞれ評価した。項目の値が小さいほど、おぞましい味(苦味と土の匂いのような異味)、かび臭さ(鼻をつくような味と臭い)、舌のひりひり/痛み(味覚、痛覚的刺激)が減少したことを意味する。
【0054】
【表2】
【0055】
前記表2の結果に示したように、ビタミンB6またはヘスペリジンをそれぞれ含む場合、かび臭さ(味覚、嗅覚刺激)、舌のひりひりまたは痛み(味覚、痛覚刺激)の刺激性が減少することを確認し、特にビタミンB6及びヘスペリジンをすべて含む場合、かび臭さ(味覚、嗅覚刺激)、舌のひりひりまたは痛み(味覚、痛覚刺激)の刺激性が著しく減少することが確認できた。
【0056】
実験例2.官能評価
ヒハツ抽出物及び紅参抽出物を1:1の比率(重量)で混合し、次の表3に示したように、各成分を混合して比較例2及び実施例5~実施例7の組成物をそれぞれ製造した。
【0057】
【表3】
【0058】
前記比較例2及び実施例5~実施例7との組成物に対して、専門パネル7人を対象に官能評価を行った。7点満点を基準に、対照群の刺激を5で表現したとき、各サンプルにおいて感じられる刺激であるおぞましい味(苦味と土の匂いのような異味)、かび臭さ(鼻をつくような味と臭い)、舌のひりひり/痛み(味覚、痛覚的刺激)をそれぞれ評価した。項目の値が小さいほど、おぞましい味(苦味と土の匂いのような異味)、かび臭さ(鼻をつくような味と臭い)、舌のひりひり/痛み(味覚、痛覚的刺激)が減少したことを意味する。
【0059】
【表4】
【0060】
前記表4に示したように、ビタミンB6やヘスペリジンをそれぞれ含有した場合、ヒハツと紅参抽出物のみを含有した組成物に対して混合物特有のおぞましい味、痛み及びかび臭さが改善されたことが確認できる。さらに、2つの成分をすべて含有したヒハツ及び紅参抽出物の混合物は、おぞましい味、かび臭さ(味覚、嗅覚刺激)、舌のひりひりまたは痛み(味覚、痛覚刺激)の刺激性が特に著しく減少することが確認できた。
【0061】
実験例3.官能評価
ヒハツ抽出物及び紅参抽出物を1:12の割合(重量)で混合し、次の表5に示したように、各成分を混合して比較例3及び実施例8~実施例10の組成物をそれぞれ製造した。対照群として使用された比較例では、味覚、嗅覚刺激が微々たるデキストリンを添加した。
【0062】
【表5】
【0063】
前記比較例3及び実施例8~実施例10の組成物に対して、専門パネル10人を対象に官能評価を行った。7点満点を基準に、対照群の刺激を5で表現したとき、各サンプルにおいて感じられる刺激であるおぞましい味(苦味と土の匂いのような異味)、かび臭さ(鼻をつくような味と臭い)、舌のひりひり/痛み(味覚、痛覚的刺激)をそれぞれ評価した。項目の値が小さいほど、おぞましい味(苦味と土の匂いのような異味)、かび臭さ(鼻をつくような味と臭い)、舌のひりひり/痛み(味覚、痛覚的刺激)が減少したことを意味する。
【0064】
【表6】
【0065】
前記表6に示したように、ビタミンB6やヘスペリジンをそれぞれ含有した場合、ヒハツ及び紅参抽出物の混合物から発生するおぞましい味、かび臭さ(味覚、嗅覚刺激)、舌のひりひりまたは痛み(味覚、痛覚刺激)の刺激が改善される効果があり、特に、2つの成分をすべて含有した実施例10の場合、ヒハツ及び紅参抽出物の混合物から発生するおぞましい味、かび臭さ(味覚、嗅覚刺激)、舌のひりひりまたは痛み(味覚、痛覚刺激)の刺激性がすべて著しく減少することが確認できた。
【0066】
実験例4.官能評価
ヒハツ抽出物及び紅参抽出物を1:2の割合(重量)で混合し、次の表7に示したように、各成分を混合して比較例4及び実施例11~実施例13の組成物をそれぞれ製造した。対照群として使用された比較例4には、味覚、嗅覚刺激が微々たるデキストリンを添加した。
【0067】
【表7】
【0068】
前記実施例11~実施例13及び比較例4の組成物に対して、専門パネル10人を対象に官能評価を行った。7点満点を基準に、対照群の刺激を5で表現したとき、各サンプルにおいて感じられる刺激であるおぞましい味(苦味と土の匂いのような異味)、かび臭さ(鼻をつくような味と臭い)、舌のひりひり/痛み(味覚、痛覚的刺激)をそれぞれ評価した。項目の値が小さいほど、おぞましい味(苦味と土の匂いのような異味)、かび臭さ(鼻をつくような味と臭い)、舌のひりひり/痛み(味覚、痛覚的刺激)が減少したことを意味する。
【0069】
【表8】
【0070】
前記表8に示したように、本発明においてビタミンB6やヘスペリジンをそれぞれ含有した場合、ヒハツ及び紅参抽出物の混合物から発生するおぞましい味、かび臭さ(味覚、嗅覚刺激)、舌のひりひりまたは痛み(味覚、痛覚刺激)の刺激が改善される効果があり、特に、紅参抽出物、ヒハツ抽出物、ヘスペリジン及びビタミンB6をすべて含む場合(実施例13)、おぞましい味(苦味と土の匂いのような異味)、かび臭さ(鼻をつくような味と臭い)、舌のひりひり/痛み(味覚、痛覚的刺激)に対する刺激の改善が著しく優れていることが確認できた。
【0071】
実験例5.組成物の疲労回復能の評価
前記実験例1で製造された実施例4と比較例1の組成物に対して、疲労回復効果を確認した。普段、疲れを訴える30~60歳の間の女性20人を対象に、評価を行う前に評価対象20人のうち10人は、比較例1の組成物を摂取する群に、10人は、実施例4の組成物を摂取する群にランダムに分けた。評価対象が、本人がどのような組成物を摂取するのか分からないようにしてブラインドテストを行った。
【0072】
組成物の摂取前に対象者に次の質問に対してO/Xでアンケートを先に調査し、以後4週間、一日一回、朝に各組成物を摂取させた後、再び同じ質問に対してO/Xでアンケートを調査した。組成物の摂取前と後のアンケートにおいてXの個数を全体の応答数で平均した後、次のように改善率を計算した。
【0073】
疲労回復改善率=[組成物の摂取後のXの平均個数/組成物の摂取前のXの平均個数]×100
【0074】
アンケートの内容:
1.体がだるく、頭がぼーっとする。
2.日常的な活動時に動作が鈍い
3.午後になると疲労感が押し寄せる。
4.疲労のために、日常的な活動時に意欲が落ちる。
5.疲労のために、考えるときに集中がうまくできない。
【0075】
【表9】
【0076】
前記表9に示したように、実施例4の組成物を摂取した場合、ヒハツ及び紅参抽出物のみを含む組成物に対して、疲労回復効果もより優れていることが確認できた。
【外国語明細書】