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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022017076
(43)【公開日】2022-01-25
(54)【発明の名称】商品陳列回収補助具
(51)【国際特許分類】
   A47F 5/00 20060101AFI20220118BHJP
【FI】
A47F5/00 D
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020120153
(22)【出願日】2020-07-13
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-01-20
(71)【出願人】
【識別番号】506250044
【氏名又は名称】株式会社吉成産業
(74)【代理人】
【識別番号】100080182
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 三彦
(72)【発明者】
【氏名】吉成 茂紀
【テーマコード(参考)】
3B118
【Fターム(参考)】
3B118FA04
(57)【要約】
【課題】作業員が陳列棚に商品を陳列する際に商品の陳列及び回収を効率よく行い、また商品を落とすことなく効率よく商品を移し替える際の商品陳列回収補助具を提供する。
【解決手段】吊り下げ穴を有する複数の商品を吊り下げ棒に陳列及び回収する商品陳列回収補助具であって、前記吊り下げ穴に挿入する軸部と、前記軸部の一端部に設けた前記吊り下げ棒の先端部に嵌め込む係止孔と、前記軸部の他端部に設けた前記商品を前記軸部上に塞き止める第2ストッパー部と、を具備していることを特徴とする。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吊り下げ穴を有する複数の商品を吊り下げ棒に陳列及び回収する商品陳列回収補助具であって、
前記吊り下げ穴に挿入する軸部と、
前記軸部の一端部に設けた前記吊り下げ棒の先端部に嵌め込む係止孔と、
前記軸部の他端部に設けた前記商品を前記軸部上に塞き止める第2ストッパー部と、
を具備していることを特徴とする商品陳列回収補助具。
【請求項2】
前記軸部上において、前記商品を前記第2ストッパー部と挟んで前記商品を前記軸部上に保持する第1ストッパー部を具備することを特徴とする請求項1に記載の商品陳列回収補助具。
【請求項3】
前記第1ストッパー部は、前記軸部上を摺動可能に移動することを特徴とする請求項2に記載の商品陳列回収補助具。
【請求項4】
前記軸部が識別印を有していることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の商品陳列回収補助具。
【請求項5】
前記軸部の一部に弾性部材を有することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の商品陳列回収補助具。
【請求項6】
前記軸部に軸方向に対して略垂直方向に孔が設けられており、該孔を通す栓部を有していることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の商品陳列回収補助具。
【請求項7】
前記軸部の前記他端部に着脱自在な把持部材を具備することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の商品陳列回収補助具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
陳列用の吊り下げ棒に商品を移し替える際に効率よく商品の出し入れ等の移し替えを可能にする商品陳列回収補助具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来からホームセンター等の小売店で商品を陳列する際は、金網などの基板に固定されている吊り下げ棒に商品のパッケージ上部に設けられている吊り下げ穴を通して陳列させている。しかし、吊り下げ穴を吊り下げ棒に一つずつ通して商品を陳列するのは手間がかかる。また、商品の棚卸等の際には商品を全て吊り下げ棒から下して在庫数を数えて再び陳列棚に戻す必要があるため労力を有するものである。そこで、特許文献1に記載の商品移動用具が用いられていた。
【0003】
特許文献1では、複数の商品が吊り下げ可能な軸部とその先端に、陳列用のフックの先端部に係止して陳列用フックと軸部とを連続状態にする係止部を備えた商品移動用具が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009-247524
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載の商品移動用具は、商品移動用具に吊り下げた商品を軸部上で塞き止める手段がなく不安定であるため、吊り下げ棒に係止させる前に、商品が滑り落ちて下に落としてしまう可能性があり効率が悪かった。また、商品移動用具の軸部に商品を挿入する必要があり、結局陳列棚の棒に商品を吊り下げるのと同様の手間を有していた。
【0006】
そこで、本発明の目的は上記問題点を解決するために、作業員が陳列棚に商品を陳列する際に商品の陳列及び回収を効率よく行い、また商品を落とすことなく効率よく商品を移し替える際の商品陳列回収補助具を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
吊り下げ穴を有する複数の商品を吊り下げ棒に陳列及び回収する商品陳列回収補助具であって、前記吊り下げ穴に挿入する軸部と、前記軸部の一端部に設けた前記吊り下げ棒の先端部に嵌め込む係止孔と、前記軸部の他端部に設けた前記商品を前記軸部上に塞き止める第2ストッパー部と、を具備していることを特徴とする。
【0008】
前記軸部上において、前記商品を前記第2ストッパー部と挟んで前記商品を前記軸部上に保持する第1ストッパー部を具備することを特徴とする。
【0009】
前記第1ストッパー部は、前記軸部上を摺動可能に移動することを特徴とする。
【0010】
前記軸部が識別印を有していることを特徴とする。
【0011】
前記軸部の一部に弾性部材を有することを特徴とする。
【0012】
前記軸部に軸方向に対して略垂直方向に孔が設けられており、該孔を通す栓部を有していることを特徴とする。
【0013】
前記軸部の前記他端部に着脱自在な把持部材を具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
吊り下げ棒の先端部に係止孔を嵌め込むことによって吊り下げ棒と軸部が連続するので商品を手で押して軸部に移動させるだけで効率的に商品を軸部に回収することができる。また第2ストッパー部を有するため、商品が係止されて軸部に保持することができる。
【0015】
軸部上に第1ストッパー部及び第2ストッパー部を有しているため商品が軸部上で保持され、商品を陳列させる際に、軸部から商品がずれ落ちる恐れがなくなる。また、商品を陳列する際は、予め軸部に商品が吊り下げられているため、軸部に商品を移す必要はなくなる。
【0016】
第1ストッパー部は、商品の重力を受けても動かないが、外力を加えることで軸部上を摺動可能に移動することができるので、使用者は吊り下げ棒の先端部に軸部の一端部にある係止孔を嵌め込んだ後、手で軽く商品を押すだけで軸部に保持されている商品を同時にまとめて吊り下げ棒に移動させることができる。
【0017】
軸部上に識別印を有することで、軸部上に吊り下げられている商品の個数等の情報を瞬時に把握することができる。
【0018】
軸部の一部を弾性部材とすることで、係止孔を吊り下げ棒の先端部に嵌め込んだ後も軸部を曲げることができる。また、軸部の先端部を弾性部材とすることで係止孔の内径よりも大きい直径の吊り下げ棒であっても、嵌め込みが可能となる。
【0019】
第1ストッパー部が軸部の軸方向に対して垂直方向に所定の間隔を空けた孔に通す栓部とすることにより、商品が栓部に引掛り軸部上で商品を塞き止めることができるとともに、複数の孔を有することで、望む孔位置に栓をし、必要な数の商品を保持することができる。
【0020】
第2ストッパー部が、把持部材であることで、高い場所にある吊り下げ棒であっても、商品の陳列を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】小売店の陳列棚の吊り下げ棒を用いて商品を陳列している概略斜視図である。
図2】本発明の商品陳列回収補助具に係る第1実施形態を示し、(a)概略側面図(b)正面図(c)使用例図である。
図3】本発明に係る第2実施形態を示し、(a)概略使用状態斜視図(b)背面図(c)正面図である。
図4図3の商品陳列回収補助具に係る(a)吊り下げ棒に挿入する前の概略側面図であり、(b)挿入後に使用者が商品を吊り下げ棒に移し替える様子を示す概略側面図である。
図5図4(b)の概略斜視図である。
図6図3の商品陳列回収補助具に係る(a)吊り下げ棒に商品を移し替えた後を示す概略側面図であり、(b)商品陳列回収補助具と第1ストッパー部を吊り下げ棒から取り外した状態を示す概略側面図である。
図7】紐付き第1ストッパー部の(a)概略斜視図であり、(b)紐付き第1ストッパー部を用いた商品陳列回収補助具の概略斜視図であり、(c)(b)の概略側面図である。
図8】ピンチ型第1ストッパー部の(a)概略斜視図であり、(b)ピンチ型第1ストッパー部を用いた商品陳列回収補助具の概略斜視図であり、(c)(b)の概略側面図である。
図9】折曲板型第1ストッパー部の(a)概略斜視図、(b)概略背面図、(c)(d)実施例を示す概略平面図である。
図10】押板型第1ストッパー部を用いた商品陳列回収補助具に係る(a)概略斜視図、(b)(c)実施例の断面図である。
図11】栓型第1ストッパー部を用いた商品陳列回収補助具の(a)概略側面図、(b)実施例を示す概略側面図である。
図12】軸部の一部に弾性部材を用いた商品陳列回収補助具の(a)概略側面図であり、(b)実施例を示す概略側面図である。
図13】(a)把持型第2ストッパー部の概略側面図(b)把持型第2ストッパー部を用いた商品陳列回収補助具の概略側面図であり、(c)把持型第2ストッパー部の変形例を用いた商品陳列回収補助具の概略側面図であり、(d)実施例を示す概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1は小売店で商品1が売られている様子を示す斜視図である。ホームセンターやスーパーマーケットなどの商店でよく見受けられるように、商品1を陳列する際は図1のような網基板2に吊り下げ棒基板3が設けられており、この吊り下げ棒基板3に丸棒の吊り下げ棒4が垂直になるように固定されており、吊り下げ棒4に商品1のパッケージ上部の吊り下げ穴5を通して複数商品が陳列されている。また商品1が吊り下げ棒4から落ちないように、吊り下げ棒4の先端部6は上方向を向いている。
【0023】
図2(a)は本発明の実施形態の商品陳列回収補助具7aを示しており、商品1の吊り下げ穴5を通す軸部8と、吊り下げられた商品1を軸部8に塞き止める第2ストッパー部9と、吊り下げ棒4の先端部6に嵌め込む係止孔11を具備しており、主に商品1を吊り下げ棒4から回収するときに用いられる。吊り下げ棒4の先端部6に係止孔11を嵌め込みその後、図2(c)に示すように商品1を手前に持ってくることで軸部8に回収することができる。商品1が複数ある場合は、まとめて回収することができるため効率的である。
【0024】
商品1は、小物や食品等が袋詰めされたパッケージ上部に吊り下げ棒4を通すための吊り下げ穴5を有して吊り下げ可能であればよい。商品1の数は吊り下げ棒4の長さに応じて自由に決めることができる。
【0025】
軸部8は直線状の円柱構造であり、商品1のパッケージ上部の吊り下げ穴5に挿入されて複数の商品1を吊り下げることができる。大きさは商品1を保持する量や商品1の大きさによって変更することができる。素材はプラスチックのような合成樹脂が好適に用いられ、商品1との摩擦が少ないものが望ましいが、ゴムなどの弾性を有する素材や紙素材でもよい。図2(b)にあるように軸部8の外径d1は、商品1のパッケージ上部の吊り下げ穴5よりも小さければよく、内径d2については吊り下げ棒4の先端部6の太さよりも大きければよい。また、形状も円柱構造でなくても角柱構造等でもよく、紐等のような細い線状の構造でもよい。また吊り下げる商品1の数によって軸部8の長さを自在に変えることができる。また軸部8の色は、商品1の種類、サイズ又は吊り下げ時期等により決定して自由に変えることができる。
【0026】
第2ストッパー部9は、軸部8に吊り下げられた商品1が軸部8から滑り落ちるのを防ぐ役割を果たしており、商品1の前面部12側で軸部8の先端に設けられている。ここで前面部12とは、軸部8に掛けてある複数ある商品1のうち最も前に保持されている商品1の前面側の面とする。第2ストッパー部9の形状は、図2に示すような円形状に限られず、吊り下げ穴5に引っ掛かるような形状の突起物で商品1を塞き止めることができればよい。
【0027】
図3(a)~(c)に示している商品陳列回収補助具7bは、商品1、軸部8、第2ストッパー部9、第1ストッパー部10及び係止孔11を具備しており、主に軸部8に吊り下げられた商品1を吊り下げ棒4に陳列するために用いられる。図面では説明上、商品1間に隙間L1や第1ストッパー部10または第2ストッパー部9と商品1の間に隙間L2を有しているが、実際に商品1を吊り下げて用いる際は隙間L1,L2なく商品1が動かないように保持され、全体としてコンパクトな形状となっている。
【0028】
第1ストッパー部10は、例えば、軸部8上に設けられた円形のクリップであり、軸部8を締め付けている。軸部8上に第2ストッパー部9と商品1を挟むようして、商品1の背面部13側に設けられており、商品1を軸部8上に保持する役割を果たしている。ここで、背面部13とは、軸部8上の複数ある商品1のうち第1ストッパー部10の一番近くに保持されている商品1の背面側の面とする。円形クリップの第1ストッパー部10は、商品陳列回収補助具7bを斜めに傾けても商品1の重力に押されて動くことはないが、商品1を手で押すといった外力を加えることで軸部8上を摺動可能に移動することができる。第1ストッパー部10の形状は、円形クリップでなくても吊り下げ穴5に引っ掛かるような形状で商品1を塞き止めることができれば形状であれば限定されない。また軸部8の形状に合わせた形状とすることができ、例えば軸部8が四角柱の形状であれば、第1ストッパー部10も四角形の形状でもよい。
【0029】
係止孔11は、軸部8に設けられた吊り下げ棒4の先端部6に嵌め込むための孔であり、係止孔11の内径d2が吊り下げ棒4の大きさと略同一又はそれよりも大きくすることで嵌め込みを可能としており、3mm~20mmであることが望ましい。また、外径d1と内径d2の差は小さければ小さいほど厚さが薄くなり、軸部8の係止孔11に吊り下げ棒4の先端部6を嵌め込んだ際に、軸部8と吊り下げ棒4の連結箇所の段差が小さくなるため、商品1を吊り下げ棒4から軸部8へとスムーズに移動させることができる。
【0030】
実際に用いる際は、図4(a)に示すように、第1ストッパー部10を有する軸部8の一端部側に係止孔11が設けられており、該係止孔11を吊り下げ棒4の先端部6に嵌め込む。嵌め込む際に先端部6は上方向を向いているため商品陳列回収補助具7bを斜めにして嵌め込む必要があるが、その際に第1ストッパー部10は商品1の重力に作用されても動かないため、軸部8上を商品1が滑り落ちるのを防ぐ効果を有する。特に高い場所にある商品棚の吊り下げ棒4に商品1を陳列させる際には、第1ストッパー部10がない場合、商品1を支えるのが難しいことがあるため、吊り下げ棒4に挿入する前に下に商品1を落とす危険性があるが、第1ストッパー部10を有することでその危険性がなくなり使用者は係止孔11に先端部6を嵌め込むだけでよい。
【0031】
図4(b)に示すように、嵌め込んだ後は、使用者は商品陳列回収補助具7bの一番手前にある商品1を手Hで押すことにより、複数ある商品1をまとめて効率よく吊り下げ棒4に移動させて陳列させる。第1ストッパー部10は複数ある商品1の重力のみでは動かないが、使用者が手Hで押した外力により容易に第1ストッパー部10を動かすことができる。また、軸部8はプラスチックといった合成樹脂の素材でできているため摩擦係数が小さく、第1ストッパー部10は、摩擦を感じることなく吊り下げ棒4上を移動することができる。そして、軸部8の外径d1よりも吊り下げ棒4の直径の方が小さいため第1ストッパー部10は容易に吊り下げ棒4に移動させることができる。第1ストッパー部10が吊り下げ棒4の根本14方向に移動すると同時に商品1が自動的に吊り下げ棒4に移動する。
【0032】
図5に示すように、商品1の背面部13を吊り下げ棒4に向けるようにして商品陳列回収補助具7bの係止孔11を先端部6に嵌め込んでいる。一番手前にある商品1の前面部12を押すだけで前述したように商品1を吊り下げ棒4に移動させることができる。
【0033】
図6(a)に示すように、商品1を移し替えた後は、吊り下げ棒4には、第1ストッパー部10と商品1が吊り下げられており、吊り下げ棒4の先端部6には商品陳列回収補助具7aが嵌め込まれている。全ての商品1を軸部8から移し替えた後は、使用者は先端部6から商品陳列回収補助具7aを取り外す。
【0034】
図6(b)に示すように、商品陳列回収補助具7aを取り外した後は、第1ストッパー部10を取り外すことで一連の流れが完了する。この複数の商品1を陳列させるための一連の流れに要する時間は10秒もかからずに完了することができ、大幅な時間短縮を実現させることができる。ホームセンターなどの大型店舗では商品数が多いため、特に本発明の効果を発する。
【0035】
また、前記のように第1ストッパー部10を吊り下げ棒4から取り外す作業を簡単にするために、第1ストッパー部10は以下のような形態を有することができる。
【0036】
図7(a)に示す第1ストッパー部10は、第1ストッパー部10の下部に紐部15が取り付けられた紐付き第1ストッパー部16とすることができ、図7(b)に示すように、紐付き第1ストッパー部16を用いた商品陳列回収補助具7bとすることができる。紐部15は吊り下げ棒4から取り外す際に引っ張っても第1ストッパー部10から破断しない強度を有している。使用者は商品1を移し替えるまでは同様の手順を行い、図7(c)に示すように、商品陳列回収補助具7aを取り外した後は紐部15を引っ張ることで紐付き第1ストッパー部16を容易に吊り下げ棒4から取り外すことができる。
【0037】
また、図8(a)に示す第1ストッパー部10は、ピンチ部17を有したピンチ型第1ストッパー部18とすることができ、図8(b)に示すように、ピンチ型第1ストッパー部18を用いた商品陳列回収補助具7bとすることができる。ピンチ部17をつまむことで、ピンチ型第1ストッパー部18が開く構造となっており軸部8から解放することができる。これにより使用者は商品1を移し替えるまでは同様の手順を行い、図8(c)に示すように軸部8を取り外した後はピンチ部17をつまんで容易にピンチ型第1ストッパー部18を吊り下げ棒4から取り外すことができる。
【0038】
第1ストッパー部10は、軸部8を摺動可能に移動するものでなくとも軸部8に係止された以下のような形態とすることもできる。
【0039】
図9(a)に示すように、軸部8の一端部に空いた孔19に、係止孔11を塞ぐように軸部8を貫通させた折曲板20を用いた折曲型第1ストッパー部21としてもよい。折曲板20は軸部8から出た突出部22が障害となり商品1を軸部8上に保持させている。また、図9(c)(d)に示すように、係止孔11を先端部6に嵌め込むことで、折曲板20が先端部6に押されて折り曲げられ軸部8内に自動的に収納される。従って、先端部6を係止孔11に挿入すると同時に突出部22がなくなるため、商品1を吊り下げ棒4に移動させることができる。この場合、第1ストッパー部10が吊り下げ棒4に移動しないので、吊り下げ棒4から第1ストッパー部10を取りだす手間を省くことができる。
【0040】
また、折曲型第1ストッパー部21を用いる際は、第2ストッパー部9は軸部8の係止孔11aに着脱自在としたカヌー型第2ストッパー部9aとしてもよい。第2ストッパー部9を着脱自在とすることで、軸部8の内部に収納された折曲板20の取り出しを容易にすることができ、カヌー型第2ストッパー部9aを係止孔11aから外した際に他端部から商品1を軸部8に吊り下げることができる。折曲板20は、軸部8内に折り曲げ可能に収納される程度の弾性を有した合成樹脂等の素材が好適に用いられるが、弾性を有していない素材であっても、折曲板20の中心線に折り曲げ可能となるように切込みを入れたものも用いることができる。
【0041】
他にも、図10に示すように第1ストッパー部10は、軸部8内に弾性体23と押板24を用いた押板型第1ストッパー部25とすることができる。吊り下げ棒4の先端部6が嵌め込まれていないときは、図10(b)に示すように、軸部8の孔26から出た押板24の突出部27が障害となることで、商品1を軸部8上に保持することができる。図10(c)に示すように、吊り下げ棒4の先端部6を嵌め込んだときは、押板24が先端部6に押され軸28を中心に押板24が回転する。その結果、押板24が弾性体23を押すと同時に軸部8内に自動的に収納される。収納されると、突出部27がなくなるため商品1は吊り下げ棒4に移動することができる。また、先端部6から取り外すと、押板24は弾性体23の弾性力により再び図10(b)の状態に戻り何度も用いることができる。押板型第1ストッパー部25を用いた場合にも、第2ストッパー部9はカヌー型第2ストッパー部9aとすることが望ましい。
【0042】
他にも、図11(a)に示すように、第1ストッパー部10は、栓部30を有する栓型第1ストッパー部31としてもよい。この場合、軸部8は、一定の間隔に空けた孔29を有する必要がある。該孔29に嵌まる栓部30が障害となり、商品1を軸部8に保持させている。栓型第1ストッパー部31を用いた商品陳列回収補助具7bを用いて商品1を陳列させる場合は、同様に先端部6に係止孔11を嵌め込んだ後に栓部30を外して商品1を軸部8に移動させることで完了する。また、栓30は、孔29から抜け落ちないように、摩擦力を上げる手段を有していてもよい。
【0043】
図11(b)の実施例に示すように、孔29及び識別印32を有した軸部8を用いた商品陳列回収補助具7aを用いて商品1を回収して用いる際は、吊り下げ棒4に軸部8の係止孔11を嵌め込み、吊り下げ棒4から商品1を回収後、孔29に栓型第1ストッパー部31嵌め込む。そして識別印32を確認することで吊り下げ棒4に吊り下げられていた商品1の数をすぐに把握することができる。本実施例においては、棚卸の際に特に効果を有する。
【0044】
また、栓型第1ストッパー部31を用いる際は、孔29付近の軸部8上で商品1の数等の情報を示す識別印32を付してもよい。識別印32は数字、線、点字、記号またはメモリ等などが用いられ、使用者が区別することができればよい。例えばミリメートルなどの距離を示すメモリを用いれば、軸部8の長さを瞬時に認識することができる。また、数字を用いることで、予め商品1の奥行幅L3を把握していれば、商品陳列回収補助具7bに保持されている商品1の数をすぐに認識することができる。この場合、商品1によって商品1の奥行幅L3が変わるため、商品1によって孔30の間隔や識別印32を変える必要がある。
【0045】
他にも、使用者が栓型第1ストッパー部31やピンチ型第1ストッパー部18といった第1ストッパー部10を紛失した場合等は、商品1を軸部8に回収した後に、粘着テープ等を軸部8に巻き付けることで塞き止め手段を設けて、第1ストッパー部10として商品1を軸部8に保持して用いることもできる。
【0046】
他にも、第1ストッパー部10は、カヌー型第2ストッパー部9aのように軸部8の一端部において着脱自在として商品1を塞き止めてもよい。
【0047】
他にも、図面には示していないが、第1ストッパー部10は、軸部8が樹脂素材で構成されている場合は、軸部8の一端部を上から熱をかけながらプレスして加工することにより、一端部が扇形状に広がった形状とすることができる。広がった形状とすることで商品1が引掛り塞き止めることができる。この場合、商品1を陳列させる場合は、扇形状である第1ストッパー部10ごと一端部をハサミなどで裁断することにより、係止孔9に先端部6を係止して商品1を移動させることができる。
【0048】
また、図12(a)に示すように、軸部8の一部にゴムやバネなどの弾性部材33を具備した商品陳列回収補助具7bとしてもよい。図12(b)の実施例に示すように、弾性部材33を有することで吊り下げ棒4の先端部6が直角方向に上方向を向いている場合、先端部6に嵌め込むときに商品陳列補助具7b自体も垂直にしなければならず、そうすると商品1の制御が難しくなるため、使用者の負担になる可能性がある。このような場合に軸部8の一部を弾性部材33とすることで折り曲げが可能となり、先端部6が直角に向いている場合でも地面と平行して商品1の移し替えが可能となり、煩わしさを解消することができる。また軸部8の先端にゴムチューブなどの弾性部材33を用いた場合、上記で述べた効果を有すると共に、様々な直径の先端部6でもゴムチューブを伸ばして対応させ嵌め込むことができる。軸部8の一部に弾性部材33を用いた際であっても、第1ストッパー部10は紐付き第1ストッパー部16、ピンチ型第1ストッパー部18、折曲型第1ストッパー部21又は押板型第1ストッパー部25として用いて組み合わせてもよい。
【0049】
軸部8の他端部の係止孔11aに先端部34が着脱可能である把持部材35を用いることができる。図13(a)に示す把持部材35は、斜面部36を具備しているため商品1を塞き止めることができる。従って、この把持部材35を用いる際は軸部8に第2ストッパー部9を有さなくても、把持部材35の斜面部36を第2ストッパー部9として用いることができる。そして、図13(b)に示すように、先端部35を他端部の係止孔11aに嵌め込むことで一体型の商品陳列回収補助具7bとすることができる。把持部材35を具備することで、高い場所に商品1を吊り下げる場合であっても握部37を持つことで容易に商品1を吊り下げることができる。また、更に図13(c)に示すように、握部37を商品1側に少し屈曲させてもよい。屈曲させることで図13(d)の実施例に示すように、先端部6に嵌め込んだ後であっても、屈曲させている分、把持部材35を持ちやすい効果を有する。軸部8に第2ストッパー部9を有している場合は、斜面部36を具備する必要はなくなり、斜面部36を具備しない把持部材35を係止孔11aと係止して用いてもよい。また、先端部34にネジ部のような係止孔11aと接続する手段を有したハンドルネジやロブノブのような把持部材35としてもよい。
【0050】
また、把持部材35は、第2ストッパー部9としてカヌー型第2ストッパー部9aを組み合わせて用いることができ、第1ストッパー部10として紐付き第1ストッパー部16、ピンチ型第1ストッパー部18、折曲型第1ストッパー部21又は押板型第1ストッパー部25を組み合わせて用いてもよいし、その際、必要であれば軸部8の一部に弾性部材33を用いてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明は軸部8に商品1が既に吊り下げられているため、使用者は商品1を一つずつ吊り下げる必要がなくなり比較的短時間で商品1を吊り下げ棒4に吊り下げることができる。また陳列棚に吊り下げ棒4を用いている小売店全てに使用できるため、適用できる範囲が広い。
【符号の説明】
【0052】
1 商品
2 網基板
3 吊り下げ棒基板
4 吊り下げ棒
5 吊り下げ穴
6 先端部
7a 商品陳列回収補助具
7b 商品陳列回収補助具
8 軸部
9 第2ストッパー部
9a カヌー型第2ストッパー部
10 第1ストッパー部
11 係止孔
11a 係止孔
12 前面部
13 背面部
14 根本
15 紐部
16 紐付き第1ストッパー部
17 ピンチ部
18 ピンチ型第1ストッパー部
19 孔
20 折曲板
21 折曲型第1ストッパー部
22 突出部
23 弾性体
24 押板
25 押板型第1ストッパー部
26 孔
27 突出部
28 軸
29 孔
30 栓
31 栓型第1ストッパー部
32 識別印
33 弾性部材
34 先端部
35 把持部
36 斜面部
37 握部
H 手
d1 外径
d2 内径
L1 隙間
L2 隙間
L3 奥行き幅
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【手続補正書】
【提出日】2020-11-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吊り下げ穴を有する複数の商品を吊り下げ棒に陳列及び回収する商品陳列回収補助具であって、
前記吊り下げ穴に挿入する軸部と、
前記軸部の一端部に設けた前記吊り下げ棒の先端部に嵌め込む係止孔と、
前記軸部の他端部に設けた前記商品を前記軸部上に塞き止める第2ストッパー部と、
前記軸部上において、前記商品を前記第2ストッパー部と挟んで前記商品を前記軸部上に保持し前記軸部上を摺動可能に移動する第1ストッパー部と、
を具備していることを特徴とする商品陳列回収補助具。
【請求項2】
前記軸部が識別印を有していることを特徴とする請求項1に記載の商品陳列回収補助具。
【請求項3】
前記軸部の一部に弾性部材を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の商品陳列回収補助具。
【請求項4】
前記軸部に軸方向に対して略垂直方向に孔が設けられており、該孔を通す栓部を有していることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の商品陳列回収補助具。
【請求項5】
前記軸部の前記他端部に着脱自在な把持部材を具備することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の商品陳列回収補助具。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
吊り下げ穴を有する複数の商品を吊り下げ棒に陳列及び回収する商品陳列回収補助具であって、前記吊り下げ穴に挿入する軸部と、前記軸部の一端部に設けた前記吊り下げ棒の先端部に嵌め込む係止孔と、前記軸部の他端部に設けた前記商品を前記軸部上に塞き止める第2ストッパー部と、前記軸部上において、前記商品を前記第2ストッパー部と挟んで前記商品を前記軸部上に保持し前記軸部上を摺動可能に移動する第1ストッパー部と、を具備していることを特徴とする。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】削除
【補正の内容】