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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022170761
(43)【公開日】2022-11-11
(54)【発明の名称】熱変色性筆記具
(51)【国際特許分類】
   B43K 29/02 20060101AFI20221104BHJP
   B43K 3/00 20060101ALI20221104BHJP
【FI】
B43K29/02 F
B43K3/00 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021076925
(22)【出願日】2021-04-29
(71)【出願人】
【識別番号】303022891
【氏名又は名称】株式会社パイロットコーポレーション
(72)【発明者】
【氏名】奥原 有人
(57)【要約】
【課題】摩擦体近傍の外観の自由度が向上するとともに、装飾リングの脱落を防止できる熱変色性筆記具を提供する。
【解決手段】筒体2と、該筒体2の上端部に固着されるゴム弾性材料からなる摩擦体3と、前記筒体2の上端部外周面に固着される装飾リング4と、を備える。装飾リング4が圧入部22に圧入固着される。装飾リング4が摩擦部31の下端311より下方に位置される。摩擦部下端311の外径が装飾リング4上端の内径より大きく設定される。装飾リング4上端の外径が摩擦部下端311の外径より大きく設定される。外向突起321と内向突起231とが上下方向に乗り越えて抜け止め係合される。筒体2上端と摩擦部下端311とが当接される。段部21と装飾リング4下端とが当接される。摩擦部下端311と装飾リング4上端との間に軸方向の隙間Dが形成される。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱変色性インキが内蔵された熱変色性筆記具であって、
筒体と、該筒体の上端部に固着されるゴム弾性材料からなる摩擦体と、前記筒体の上端部外周面に固着される装飾リングと、を備え、
前記摩擦体は、前記熱変色性インキを用いて被筆記面上に形成した熱変色性の像または筆跡を摩擦し、その際に生じる摩擦熱で前記熱変色性の像または筆跡を熱変色可能である摩擦部を備え、前記摩擦部は、前記筒体の上端より外部に露出されており、
前記筒体の上端部の外周面に、上向きの段部と、該段部より上方に連設される圧入部と、を備え、
前記装飾リングが前記圧入部に圧入固着され、前記装飾リングが前記摩擦部下端より下方に位置され、前記摩擦部下端の外径が前記装飾リング上端の内径より大きく設定されることを特徴とする熱変色性筆記具。
【請求項2】
前記装飾リング上端の外径が前記摩擦部下端の外径より大きく設定される請求項1に記載の熱変色性筆記具。
【請求項3】
前記摩擦体が、前記摩擦部より下方に延設される取付部を備え、前記摩擦体の取付部の外周面に外向突起が形成されており、
前記筒体の上端部に上方に開口する取付孔が形成され、前記取付孔の内周面に内向突起が形成されており、
前記取付部が前記取付孔に挿入され、前記外向突起と前記内向突起とが上下方向に乗り越えて抜け止め係合され、前記筒体上端と前記摩擦部下端とが当接され、前記段部と前記装飾リング下端とが当接され、前記摩擦部下端と前記装飾リング上端との間に軸方向の隙間が形成される請求項1または2に記載の熱変色性筆記具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱変色性筆記具に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、筆記具の軸筒の上端部またはキャップの上端部に摩擦熱変色部材を取り付けてなり、摩擦熱変色部材の外周面の外向突起が、筒体の取付孔の内周面の内向突起を上方から下方に乗り越えて係合される構造が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007-144991号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記従来の熱変色性筆記具は、摩擦熱変色部材(本願の摩擦体に相当)の近傍において、摩擦熱変色部材及び筒体の2部品のみからなる構成のため、摩擦熱変色部材の近傍の外観の自由度が制約される。
【0005】
本願発明は、前記従来の問題点を解決するものであって、摩擦体近傍の外観の自由度が向上するとともに、装飾リングの脱落を防止できる熱変色性筆記具を提供しようとするものである。
本発明で、「上」とは摩擦部側(図面で上方)を指し、「下」とはその反対側を指す。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願の第1の発明は、熱変色性インキが内蔵された熱変色性筆記具であって、筒体と、該筒体の上端部に固着されるゴム弾性材料からなる摩擦体と、前記筒体の上端部外周面に固着される装飾リングと、を備え、前記摩擦体は、前記熱変色性インキを用いて被筆記面上に形成した熱変色性の像または筆跡を摩擦し、その際に生じる摩擦熱で前記熱変色性の像または筆跡を熱変色可能である摩擦部を備え、前記摩擦部は、前記筒体の上端より外部に露出されており、前記筒体の上端部の外周面に、上向きの段部と、該段部より上方に連設される圧入部と、を備え、前記装飾リングが前記圧入部に圧入固着され、前記装飾リングが前記摩擦部下端より下方に位置され、前記摩擦部下端の外径が前記装飾リング上端の内径より大きく設定されることを要件とする。
【0007】
前記第1の発明の熱変色性筆記具は、前記構成により、摩擦体の近傍が、摩擦体、装飾リング及び筒体の3部品からなることにより、摩擦体近傍の外観の自由度が向上する。さらに、前記第1の発明の熱変色性筆記具は、前記構成により、落下等の衝撃が加わり装飾リングと筒体の圧入部との圧入状態が緩んだとしても、摩擦体の摩擦部下端により装飾リングの上方移動が規制され、装飾リングの脱落が防止される。尚、前記第1の発明において、摩擦体と筒体との固着は、例えば、筒体の上端部内面と摩擦体の外面とが固着される構成、筒体の上端部外面と摩擦体の内面とが固着される構成が挙げられる。前記固着手段としては、嵌合、圧入、係合、螺合、接着または二色成形等が採用される。
【0008】
本願の第2の発明は、前記第1の発明の熱変色性筆記具において、前記装飾リング上端の外径が前記摩擦部下端の外径より大きく設定されることを要件とする。
【0009】
前記第2の発明の熱変色性筆記具は、前記構成により、摩擦体を用いて摩擦操作する際、装飾リングに指を係止することができ、安定した摩擦操作が可能となる。
【0010】
本願の第3の発明は、前記第1または第2の発明の熱変色性筆記具において、前記摩擦体が、前記摩擦部より下方に延設される取付部を備え、前記摩擦体の取付部の外周面に外向突起が形成されており、前記筒体の上端部に上方に開口する取付孔が形成され、前記取付孔の内周面に内向突起が形成されており、前記取付部が前記取付孔に挿入され、前記外向突起と前記内向突起とが上下方向に乗り越えて抜け止め係合され、前記筒体上端と前記摩擦部下端とが当接され、前記段部と前記装飾リング下端とが当接され、前記摩擦部下端と前記装飾リング上端との間に軸方向の隙間が形成されることを要件とする。
【0011】
前記第3の発明の熱変色性筆記具は、前記構成により、外向突起と内向突起との確実な抜け止め係合が可能となる。もし仮に、摩擦部下端と装飾リング上端とが当接状態となり、摩擦部下端と前記装飾リング上端との間に軸方向の隙間が存在しないように設定された場合、内向突起下端と装飾リング上端との軸方向の距離が、製造ばらつきにより大きくなり、外向突起と内向突起との確実な乗り越えがなしえないおそれがある。また、前記第3の発明の熱変色性筆記具は、装飾リングにより、筒体の上端部の径方向外方への変形が抑えられ、より一層、摩擦体の脱落が防止される。
【0012】
尚、本発明の摩擦体は、ゴム弾性を有する材料から形成され、例えば、ゴム弾性を有する合成樹脂(ゴム、エラストマー)が挙げられ、例えば、シリコーン樹脂、SBS樹脂(スチレン-ブタジエン-スチレン共重合体)、SEBS樹脂(スチレン-エチレン-ブチレン-スチレン共重合体)、ポリエステル系樹脂、オレフィン系樹脂、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)等が挙げられる。本発明の摩擦体は、熱可塑性エラストマー(例えば、ポリエステル系エラストマー、スチレン系エラストマー)の射出成形により得ることが好ましい。前記ゴム弾性を有する材料は、高摩耗性の弾性材料(例えば、消しゴム等)からなるものよりも、摩擦時に摩耗屑が殆ど生じない低摩耗性の弾性材料からなることが好ましい。
【0013】
尚、本発明の筒体は、摩擦体を構成する材料より硬質な材料により形成され、例えば、合成樹脂(ポリカーボネイト、ABS樹脂、ポリプロピレン等)または金属が挙げられる。また、本発明の筒体は、例えば、一端にペン先を備え且つ内部に熱変色性インキが収容された軸筒、該軸筒の後端に固定または着脱自在に取り付けられる保持筒、または該軸筒のペン先側に着脱自在に取り付けられるキャップ等が挙げられる。
【0014】
尚、本発明の装飾リングは、金属または合成樹脂からなる。装飾リングの表面には、メッキ処理または塗装が施されることが好ましい。
【0015】
尚、本発明で、熱変色性インキは、可逆熱変色性インキが好ましい。可逆熱変色性インキは、発色状態から加熱により消色する加熱消色型、発色状態又は消色状態を互変的に特定温度域で記憶保持する色彩記憶保持型、又は、消色状態から加熱により発色し、発色状態からの冷却により消色状態に復する加熱発色型等、種々のタイプを単独又は併用して構成することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の熱変色性筆記具は、摩擦体近傍の外観の自由度が向上するとともに、装飾リングの脱落を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施の形態の要部正面図である。
図2図1の縦断面図である。
図3図2のA部拡大図である。
図4図2のB-B線断面図である。
図5図1の筒体の要部正面図である。
図6図1の摩擦体の取付過程を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実施の形態を図1乃至図6に示す。
本実施の形態の熱変色性筆記具1は、筒体2と、摩擦体3と、装飾リング4とを備える。
【0019】
・筒体
筒体2は、合成樹脂(例えば、ポリカーボネイト、ABS樹脂、ポリプロピレン等)の成形体により得られる。筒体2は、例えば、熱変色性インキが内部に収容され且つ一端にペン先を備えた軸筒、該軸筒の後端に固定もしくは着脱自在に取り付けられる保持筒、または該軸筒のペン先側に着脱自在に取り付けられるキャップ等が挙げられる。
【0020】
筒体2の上端部の外周面に、上向きの段部21と、該段部21より上方に連設される略ストレート状の圧入部22とが形成される。圧入部22は、径方向外方に突出し且つ軸方向に延びる複数本(例えば6本)のリブにより構成される。リブは、横断面凸曲面状の側面221と、該側面221の上端に形成される上方に向かうに従い外径が小さくなる傾斜面状のガイド面222とを備える。筒体2の段部21より下方の外周面に、下方に向かうに従い拡径する円錐面が形成される。
【0021】
筒体2の上端部に、上方に開口する取付孔23が形成される。取付孔23の内周面に内向突起231が一体に形成される。内向突起231の上面に傾斜面状のガイド面231aが形成される。内向突起231の下端に、係合面231bが形成される。係合面231bは、軸線に対する垂直面または上方に向かうに従い内径が小さくなる傾斜面からなる。内向突起231の上方の取付孔23の内周面に、小内径部232が形成される。内向突起231の下方の取付孔23の内周面に、小内径部232より大きい内径を有する大内径部233が形成される。尚、内向突起231は、環状に形成されるが、これ以外にも、周方向に分散された複数の突起により構成されてもよい。
【0022】
・摩擦体
摩擦体3はゴム弾性材料〔スチレン系熱可塑性エラストマー(例えばSEBS樹脂)〕の射出成形体により得られる。摩擦体3は、摩擦部31と、該摩擦部31より下方に一体に延設される取付部32とからなる。摩擦体3は、下方に開口される内孔33を備える。内孔33の上端は摩擦部31の内部に位置され、上方には開口されていない。内孔33は、前記以外にも上方に開口されていてもよい。
【0023】
・摩擦部
摩擦部31の頂面は、大きな曲率半径の凸曲面を備える。摩擦部31の頂面の周縁部に、摩擦部31の頂面より小さい曲率半径の凸曲面が環状に形成される。摩擦部31の周縁部の下方には、下方に向かうに従い外径が次第に大きくなる傾斜面(円錐面または曲面)が形成される。摩擦部31の下端311は、鍔状に形成され、軸線に対する垂直面からなる後向き段部を備える。
【0024】
・取付部
取付部32は、円筒状に形成される。取付部32の外周面に、膨出部322と、該膨出部322の下方に配置される外向突起321とが一体に形成される。膨出部322は、下面に、下方に向かうに従い外径が小さくなる傾斜面状のガイド面322aを備える。外向突起321は、下面に、下方に向かうに従い外径が小さくなる傾斜面状のガイド面321aを備え、上端に、軸線に対する垂直面または下方に向かうに従い内径が小さくなる傾斜面からなる係合面321bを備える。尚、外向突起321及び膨出部322は、環状に形成されるが、これ以外にも、周方向に分散された複数の突起により構成されてもよい。
【0025】
・取付部の外径及び取付孔の内径
外向突起321の最大外径は、内向突起231の最小内径より大きく形成される。それにより、外向突起321と内向突起231とが、確実に前後方向に抜け止め係合される。
【0026】
膨出部322の最大外径は、小内径部232の内径より僅かに小さく形成される。それにより、膨出部322と小内径部232とが圧接しないため、外向突起321と内向突起231とのスムーズな乗り越えが可能となる。
【0027】
取付部32の外周面の膨出部322下方且つ外向突起321上方との間に位置する中間部323の外径は、内向突起231の最小内径より大きく形成される。それにより、外向突起321が内向突起231を乗り越えた後、取付部32の中間部323に内向突起231が圧接され、摩擦体3と筒体2との強固な固着が得られる。
【0028】
取付部32の外周面の外向突起321の下方に位置する下端部324の外径は、内向突起231の最小内径より小さく形成され、且つ、外向突起321の最大外径は、小内径部232の内径より僅かに小さく形成される。それにより、摩擦体3の取付部32が筒体2の取付孔23に確実に仮挿入でき、摩擦体3と筒体2とをスムーズに取り付けることができる。
【0029】
・装飾リング
装飾リング4は、金属(例えば、黄銅等の銅合金、ステンレス鋼等)からなる環状体であり、表面にメッキまたは塗装が施される。装飾リング4は、横断面円形状の外面を備え、中心に横断面円形状の孔が上下に貫通されている。装飾リング4は上下対称の形状を有する。装飾リング4の内面の内径は、筒体2の圧入部22の外径(具体的には各々のリブ側面221に接する仮想外接円の直径)より僅かに小さく形成される。それにより、装飾リング4の内面と筒体2の圧入部22とが適正に圧入される。装飾リング4の軸方向の厚さは、段部21と筒体2上端との軸方向の距離より小さい。装飾リング4の内径は、摩擦部31の下端311の外径より小さく形成される。装飾リング4の外径は、摩擦部31の下端311の外径より大きく形成される。
【0030】
・摩擦体の取り付け(図6参照)
始めに、筒体2の圧入部22に装飾リング4が圧入固着される。具体的には、筒体2の圧入部22(リブ側面221)に装飾リング4の内面が圧入固着される。この状態において、装飾リング4の下端は、段部21に当接されるとともに、装飾リング4の上端は、筒体2の上端より僅かに下方に位置され、筒体2の上端より上方に突出していない。
【0031】
次に、摩擦体3の取付部32を筒体2の取付孔23に挿入し、摩擦体3を下方に押し込むと、外向突起321が内向突起231を乗り越え、外向突起321と内向突起231とが抜け止め係合されるとともに摩擦部31の下端311が筒体2の上端に当接し、摩擦体3の取り付けが完了する。この状態において、装飾リング4の上端が摩擦部31の下端311より下方に位置される。この状態において、外向突起321と中間部323とが圧接され、膨出部322と小内径部232との間に径方向の隙間が形成される。この状態において、内向突起231の下端と外向突起321の上端との間に、軸方向の隙間Cが形成される。この状態において、装飾リング4の上端と摩擦部31の下端311との間に軸方向の隙間Dが形成される。具体的には、軸方向の隙間Cは、0.2mmに設定され、軸方向の隙間Dは、0.1mmに設定される。軸方向の隙間Dは、外観性の低下防止及び装飾リングの脱落防止の観点から、できる限り小さいことが好ましく、0.1mm以下に設定される。
【0032】
本実施の形態の熱変色性筆記具1は、熱変色性インキが内蔵された熱変色性筆記具であって、筒体2と、筒体2の上端部に固着されるゴム弾性材料からなる摩擦体3と、筒体2の上端部外周面に固着される装飾リング4と、を備え、摩擦体3は、熱変色性インキを用いて被筆記面上に形成した熱変色性の像または筆跡を摩擦し、その際に生じる摩擦熱で熱変色性の像または筆跡を熱変色可能である摩擦部31を備え、摩擦部31は、筒体2の上端より外部に露出されており、筒体2の端部の外周面に、上向きの段部21と、該段部21より上方に連設される圧入部22と、を備え、装飾リング4が圧入部22に圧入固着され、装飾リング4が摩擦部31の下端311より下方に位置され、摩擦部31の下端311の外径が装飾リング4の上端の内径より大きく設定される。それにより、本実施の形態の熱変色性筆記具1は、摩擦体3の近傍が、摩擦体3、装飾リング4及び筒体2の3部品からなることにより、摩擦体3近傍の外観の自由度が向上する。さらに、前記構成により、本実施の形態の熱変色性筆記具1は、落下等の衝撃が加わり装飾リング4と筒体2の圧入部22との圧入状態が緩んだとしても、摩擦体3の摩擦部31の下端311により装飾リング4の上方移動が規制され、装飾リング4の脱落が防止される。
【0033】
本実施の形態の熱変色性筆記具1は、装飾リング4上端の外径が摩擦部31の下端311の外径より大きく設定される。それにより、本実施の形態の熱変色性筆記具1は、摩擦体3を用いて摩擦操作する際、装飾リング4に指を係止することができ、安定した摩擦操作が可能となる。
【0034】
本実施の形態の熱変色性筆記具1は、摩擦体3が、摩擦部31より下方に延設される取付部32を備え、摩擦体3の取付部32の外周面に外向突起321が形成されており、筒体2の上端部に上方に開口する取付孔23が形成され、取付孔23の内周面に内向突起231が形成されており、取付部32が取付孔23に挿入され、外向突起321と内向突起231とが上下方向に乗り越えて抜け止め係合され、筒体2上端と摩擦体3の下端311とが当接され、段部21と装飾リング4下端とが当接され、摩擦部31の下端311と装飾リング4上端との間に軸方向の隙間Dが形成される。それにより、本実施の形態の熱変色性筆記具1は、外向突起321と内向突起231との確実な抜け止め係合が可能となる。また、前記構成により、本実施の形態の熱変色性筆記具1は、装飾リング4により、筒体2の上端部の径方向外方への変形が抑えられ、より一層、摩擦体3の脱落が防止される。
【符号の説明】
【0035】
1 熱変色性筆記具
2 筒体
21 段部
22 圧入部(リブ)
221 凸曲面状の側面
222 ガイド面
23 取付孔
231 内向突起
231a ガイド面
231b 係合面
232 小内径部
233 大内径部
3 摩擦体
31 摩擦部
311 下端
32 取付部
321 外向突起
321a ガイド面
321b 係合面
322 膨出部
322a ガイド面
323 中間部
324 下端部
33 内孔
4 装飾リング
図1
図2
図3
図4
図5
図6