(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022170765
(43)【公開日】2022-11-11
(54)【発明の名称】自然エネルギー発電における相互融通システム
(51)【国際特許分類】
F03B 17/02 20060101AFI20221104BHJP
【FI】
F03B17/02
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021076932
(22)【出願日】2021-04-29
(71)【出願人】
【識別番号】519038699
【氏名又は名称】陳 純輝
(74)【代理人】
【識別番号】100143720
【弁理士】
【氏名又は名称】米田 耕一郎
(72)【発明者】
【氏名】陳純輝
【テーマコード(参考)】
3H074
【Fターム(参考)】
3H074AA10
3H074AA12
3H074BB30
3H074CC47
(57)【要約】
【課題】本発明は、相互に融通する自然エネルギー発電における相互融通システムを提供する。
【解決手段】第1発電システム本体、第2発電システム本体、第3発電システム本体からなり、3つは水力発電ユニット、複数の水車、複数の内側に凹んだ形状のウォーム軸、各内側に凹んだ形状のウォーム軸に連接された複数のモーターをそれぞれ備え、各水車は各内側に凹んだ形状のウォーム軸と連動し、各モーターは各水力発電ユニットに電気的に接続され、海水が打ち当たり水車と各内側に凹んだ形状のウォーム軸を作動させ、同時に、海水が各水力発電ユニットに流れて電力が生成され、第1発電システム本体により生成される電力の40%で各モーターが駆動され、第2発電システム本体、第3発電システム本体で生成される電力の30%で第1発電システム本体の各モーターが駆動されることで、十分な電力を備え、海水が排水される。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1発電システム本体と、第1水力発電モジュールと、複数の第1排水路と、第2発電システム本体と、第2水力発電モジュールと、複数の第2排水路と、第3発電システム本体と、第3水力発電モジュールと、複数の第3排水路と、工場とからなる自然エネルギー発電における相互融通システムであって、
前記第1発電システム本体は、第1取水路を備え、前記第1取水路は、第1取水部と、第1排水部を備え、前記第1取水路は、前記第1取水部から所定の角度で下向きに傾斜して第1排水部まで延在し、前記第1取水部と前記第1排水部の間には、複数の第1水車が間隔をあけて設けられ、
前記第1水力発電モジュールは、第2取水部と、水力発電ユニットと、第2排水部を備え、前記第2取水部は、前記第1排水部に連結され、
前記複数の第1排水路は、前記第1取水路の両側に位置し、各前記第1排水路は、それぞれ、第1下降区間と、少なくとも1つの第1上昇区間と、少なくとも1つの第2下降区間と、少なくとも1つの第2上昇区間と、第3上昇区間を備え、各前記第1下降区間の一端は、前記第2排水部に連結され、各前記第1下降区間の他端は、各前記第1上昇区間に連結され、各前記第2下降区間と各前記第2上昇区間の数は同じであるとともに、組み合わされて上向きに延在する階段構造を成し、前記第2上昇区間の他端は、前記第3上昇区間に連結され、前記第3上昇区間は、海水を排水するための排水口を備え、各前記第1上昇区間、各前記第2上昇区間、及び、前記第3上昇区間には、内側に凹んだ形状のウォーム軸がそれぞれ設けられ、各前記第1水車の両端は、駆動軸によって各前記内側に凹んだ形状のウォーム軸にそれぞれ連接されるとともに、各前記内側に凹んだ形状のウォーム軸は、モーターにそれぞれ連接され、各前記モーターは、前記水力発電ユニットに電気的に接続され、前記水力発電ユニットによって生成される電力の40%は、各前記モーターを駆動させるのに用いられると同時に、海水が各前記第1水車に打ち当たって生成される動力によって、各前記内側に凹んだ形状のウォーム軸を駆動させ、さらに、各前記モーターによって、各前記内側に凹んだ形状のウォーム軸を駆動させることで海水を排出し、
前記第2発電システム本体は、第1取水路を備え、前記第1取水路は、第1取水部と、第1排水部を備え、前記第1取水路は、前記第1取水部から所定の角度で下向きに傾斜して第1排水部まで延在し、前記第1取水部と前記第1排水部の間には、複数の第1水車が間隔をあけて設けられ、
前記第2水力発電モジュールは、第2取水部と、水力発電ユニットと、第2排水部を備え、前記第2取水部は、前記第1排水部に連結され、
複数の第2排水路は、第1下降区間と、少なくとも1つの第1上昇区間と、少なくとも1つの第2下降区間と、少なくとも1つの第2上昇区間と、第3上昇区間を備え、前記第1下降区間の一端は、前記第2排水部に連結され、前記第1下降区間の他端は、前記第1上昇区間に連結され、前記第2下降区間と前記第2上昇区間の数は同じであるとともに、組み合わされて上向きに延在する階段構造を成し、前記第2上昇区間の他端は、前記第3上昇区間に連結され、前記第3上昇区間は、海水を排水するための排水口を備え、各前記第1上昇区間、各前記第2上昇区間、及び、前記第3上昇区間には、内側に凹んだ形状のウォーム軸がそれぞれ設けられ、各前記第1水車の両端は、駆動軸によって各前記内側に凹んだ形状のウォーム軸にそれぞれ連接されるとともに、各前記内側に凹んだ形状のウォーム軸は、モーターにそれぞれ連接され、各前記モーターは、前記水力発電ユニットに電気的に接続され、前記水力発電ユニットによって生成される電力の30%は、前記第1発電システム本体の各前記モーターを駆動させるのに用いられ、海水が各前記第1水車に打ち当たって生成される動力によって、各前記内側に凹んだ形状のウォーム軸を駆動させ、さらに、各前記モーターによって、各前記内側に凹んだ形状のウォーム軸を駆動させることで海水を排出し、
前記第3発電システム本体は、第1取水路を備え、前記第1取水路は、第1取水部と、第1排水部を備え、前記第1取水路は、前記第1取水部から所定の角度で下向きに傾斜して第1排水部まで延在し、前記第1取水部と前記第1排水部の間には、複数の第1水車が間隔をあけて設けられ、
前記第3水力発電モジュールは、前記第1水力発電モジュールに電気的に接続されるとともに、第2取水部と、水力発電ユニットと、第2排水部を備え、前記第2取水部は、前記第1排水部に連結され、
前記複数の第3排水路は、第1下降区間と、少なくとも1つの第1上昇区間と、少なくとも1つの第2下降区間と、少なくとも1つの第2上昇区間と、第3上昇区間を備え、前記第1下降区間の一端は、前記第2排水部に連結され、前記第1下降区間の他端は、前記第1上昇区間に連結され、前記第2下降区間と前記第2上昇区間の数は同じであるとともに、組み合わされて上向きに延在する階段構造を成し、前記第2上昇区間の他端は、前記第3上昇区間に連結され、前記第3上昇区間は、海水を排水するための排水口を備え、各前記第1上昇区間、各前記第2上昇区間、及び、前記第3上昇区間には、内側に凹んだ形状のウォーム軸がそれぞれ設けられ、各前記第1水車の両端は、駆動軸によって各前記内側に凹んだ形状のウォーム軸にそれぞれ連接されるとともに、各前記内側に凹んだ形状のウォーム軸は、モーターにそれぞれ連接され、各前記モーターは、前記水力発電ユニットに電気的に接続され、前記水力発電ユニットによって生成される電力の30%は、前記第1発電システム本体の各前記モーターを駆動させるのに用いられ、海水が各前記第1水車に打ち当たって生成される動力によって、各前記内側に凹んだ形状のウォーム軸を駆動させ、さらに、各前記モーターによって、各前記内側に凹んだ形状のウォーム軸を駆動させることで海水を排出し、
前記工場は地下に位置し、前記工場には、前記第1発電システム本体と、前記第2発電システム本体と、前記第3発電システム本体が収容される
ことを特徴とする、自然エネルギー発電における相互融通システム。
【請求項2】
前記第1発電システム本体、前記第2発電システム本体、及び、前記第3発電システム本体の第1取水部は、海面下に設けられる
ことを特徴とする、請求項1に記載の自然エネルギー発電における相互融通システム。
【請求項3】
前記第1発電システム本体、前記第2発電システム本体、及び、前記第3発電システム本体の第1取水路は、前記第1水力発電モジュール、前記第2水力発電モジュール、及び、前記第3水力発電モジュールの前の湾曲路に連結され、それにより、前記第1発電システム本体、前記第2発電システム本体、及び、前記第3発電システム本体の第1排水部は海洋の方向を向く
ことを特徴とする、請求項1に記載の自然エネルギー発電における相互融通システム。
【請求項4】
前記第1発電システム本体、前記第2発電システム本体、及び、前記第3発電システム本体の第1取水路にはフィルターが設けられる
ことを特徴とする、請求項1に記載の自然エネルギー発電における相互融通システム。
【請求項5】
前記第1発電システム本体、前記第2発電システム本体、及び、前記第3発電システム本体の第1取水路には、取水ゲートが設けられる
ことを特徴とする、請求項1に記載の自然エネルギー発電における相互融通システム。
【請求項6】
前記第1発電システム本体、前記第2発電システム本体、及び、前記第3発電システム本体の排水口には、海水養殖設備が連接される
ことを特徴とする、請求項1に記載の自然エネルギー発電における相互融通システム。
【請求項7】
前記第2下降区間における下降部の垂直の高さは、前記第2上昇区間における上昇部の垂直の高さより低い
ことを特徴とする、請求項1に記載の自然エネルギー発電における相互融通システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力装置に関し、特に、海岸に設けられ、海洋をダムとして利用するとともに相互に融通し合う自然エネルギー発電における相互融通システムに関する。
【背景技術】
【0002】
1795年以来3度に渡る産業革命を経て、人類は知らず知らずのうちに地球を傷つけ続けており、元米国副大統領であるアル・ゴアが2006年に発表した「不都合な真実」において、二酸化炭素の排出が地球に温室効果をもたらすことが明確に述べられている。従って、ここでは贅言しない。
【0003】
現在、各国が自然エネルギーを重要視し始めている。しかしながら、例えば、太陽エネルギーが覆う面積は動植物の生態に影響を与えており、原子力エネルギーは不安定であるとともに核廃棄物により自然エネルギーから除外されており、風力発電は不安定であるとともに大型の電気貯蔵設備を建設する必要があるため、コストが高く、消費者は高い電気代を負担しなければならず、電池廃棄物もまた環境破壊を引き起こす。
【0004】
エネルギーを取得する従来の方法は、火力発電、水力発電、天然ガス発電、太陽電池発電、風力発電、及び原子力発電等の比較的一般的な方法であるが、水力発電、太陽電池発電、風力発電以外のエネルギー取得方法は、どれも比較的深刻な環境汚染を引き起こしている。現在環境保護の意識が高まっていることにより、再生可能エネルギーである水力発電、太陽電池発電、及び、風力発電の開発が比較的注目されている。
【0005】
水力発電、太陽電池発電、風力発電等の再生可能エネルギーにおいて、水力発電が最も安定しており、応用しやすい。しかしながら、従来の水力発電は、通常ダム及び大型変電所を建設する必要があり、全体の建設コストは非常に高く、必要とされる技術も複雑である。さらに、近年、極端な気候が頻繁に生じており、河川が干上がる季節になると、発電することができなくなる。それに対し、海水の場合、水が尽きることはないにもかかわらず、発電の用途で利用されている例は少ない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、主に、海水を水源として装置に水を提供することで発電することができ、人工の大型ダムを必要としないとともに、本発明を複数設け、相互に融通させることのできる自然エネルギー発電における相互融通システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の自然エネルギー発電における相互融通システムは、第1発電システム本体と、第1水力発電モジュールと、複数の第1排水路と、第2発電システム本体と、第2水力発電モジュールと、複数の第2排水路と、第3発電システム本体と、第3水力発電モジュールと、複数の第3排水路と、工場とからなる。
【0008】
前記第1発電システム本体は、第1取水路を備え、前記第1取水路は、第1取水部と、第1排水部を備え、前記第1取水路は、前記第1取水部から所定の角度で下向きに傾斜して第1排水部まで延在し、前記第1取水部と前記第1排水部の間には、複数の第1水車が間隔をあけて設けられる。
【0009】
前記第1水力発電モジュールは、第2取水部と、水力発電ユニットと、第2排水部を備え、前記第2取水部は、前記第1排水部に連結される。
【0010】
前記複数の第1排水路は、前記第1取水路の両側に位置し、各前記第1排水路は、それぞれ、第1下降区間と、少なくとも1つの第1上昇区間と、少なくとも1つの第2下降区間と、少なくとも1つの第2上昇区間と、第3上昇区間を備え、各前記第1下降区間の一端は、前記第2排水部に連結され、各前記第1下降区間の他端は、各前記第1上昇区間に連結され、各前記第2下降区間と各前記第2上昇区間の数は同じであるとともに、組み合わされて上向きに延在する階段構造を成し、前記第2上昇区間の他端は、前記第3上昇区間に連結され、前記第3上昇区間は、海水を排水するための排水口を備え、各前記第1上昇区間、各前記第2上昇区間、及び、前記第3上昇区間には、内側に凹んだ形状のウォーム軸がそれぞれ設けられ、各前記第1水車の両端は、駆動軸によって各前記内側に凹んだ形状のウォーム軸にそれぞれ連接されるとともに、各前記内側に凹んだ形状のウォーム軸は、モーターにそれぞれ連接され、各前記モーターは、前記水力発電ユニットに電気的に接続され、前記水力発電ユニットによって生成される電力の40%は、各前記モーターを駆動させるのに用いられると同時に、海水が各前記第1水車に打ち当たって生成される動力によって、各前記内側に凹んだ形状のウォーム軸を駆動させ、さらに、各前記モーターによって、各前記内側に凹んだ形状のウォーム軸を駆動させることで海水を排出する。
【0011】
前記第2発電システム本体は、第1取水路を備え、前記第1取水路は、第1取水部と、第1排水部を備え、前記第1取水路は、前記第1取水部から所定の角度で下向きに傾斜して第1排水部まで延在し、前記第1取水部と前記第1排水部の間には、複数の第1水車が間隔をあけて設けられる。
【0012】
前記第2水力発電モジュールは、第2取水部と、水力発電ユニットと、第2排水部を備え、前記第2取水部は、前記第1排水部に連結される。
【0013】
複数の第2排水路は、第1下降区間と、少なくとも1つの第1上昇区間と、少なくとも1つの第2下降区間と、少なくとも1つの第2上昇区間と、第3上昇区間を備え、前記第1下降区間の一端は、前記第2排水部に連結され、前記第1下降区間の他端は、前記第1上昇区間に連結され、前記第2下降区間と前記第2上昇区間の数は同じであるとともに、組み合わされて上向きに延在する階段構造を成し、前記第2上昇区間の他端は、前記第3上昇区間に連結され、前記第3上昇区間は、海水を排水するための排水口を備え、各前記第1上昇区間、各前記第2上昇区間、及び、前記第3上昇区間には、内側に凹んだ形状のウォーム軸がそれぞれ設けられ、各前記第1水車の両端は、駆動軸によって各前記内側に凹んだ形状のウォーム軸にそれぞれ連接されるとともに、各前記内側に凹んだ形状のウォーム軸は、モーターにそれぞれ連接され、各前記モーターは、前記水力発電ユニットに電気的に接続され、前記水力発電ユニットによって生成される電力の30%は、前記第1発電システム本体の各前記モーターを駆動させるのに用いられ、海水が各前記第1水車に打ち当たって生成される動力によって、各前記内側に凹んだ形状のウォーム軸を駆動させ、さらに、各前記モーターによって、各前記内側に凹んだ形状のウォーム軸を駆動させることで海水を排出する。
【0014】
前記第3発電システム本体は、第1取水路を備え、前記第1取水路は、第1取水部と、第1排水部を備え、前記第1取水路は、前記第1取水部から所定の角度で下向きに傾斜して第1排水部まで延在し、前記第1取水部と前記第1排水部の間には、複数の第1水車が間隔をあけて設けられる。
【0015】
前記第3水力発電モジュールは、前記第1水力発電モジュールに電気的に接続されるとともに、第2取水部と、水力発電ユニットと、第2排水部を備え、前記第2取水部は、前記第1排水部に連結される。
【0016】
前記複数の第3排水路は、第1下降区間と、少なくとも1つの第1上昇区間と、少なくとも1つの第2下降区間と、少なくとも1つの第2上昇区間と、第3上昇区間を備え、前記第1下降区間の一端は、前記第2排水部に連結され、前記第1下降区間の他端は、前記第1上昇区間に連結され、前記第2下降区間と前記第2上昇区間の数は同じであるとともに、組み合わされて上向きに延在する階段構造を成し、前記第2上昇区間の他端は、前記第3上昇区間に連結され、前記第3上昇区間は、海水を排水するための排水口を備え、各前記第1上昇区間、各前記第2上昇区間、及び、前記第3上昇区間には、内側に凹んだ形状のウォーム軸がそれぞれ設けられ、各前記第1水車の両端は、駆動軸によって各前記内側に凹んだ形状のウォーム軸にそれぞれ連接されるとともに、各前記内側に凹んだ形状のウォーム軸は、モーターにそれぞれ連接され、各前記モーターは、前記水力発電ユニットに電気的に接続され、前記水力発電ユニットによって生成される電力の30%は、前記第1発電システム本体の各前記モーターを駆動させるのに用いられ、海水が各前記第1水車に打ち当たって生成される動力によって、各前記内側に凹んだ形状のウォーム軸を駆動させ、さらに、各前記モーターによって、各前記内側に凹んだ形状のウォーム軸を駆動させることで海水を排出する。
【0017】
前記工場は地下に位置し、前記工場には、前記第1発電システム本体と、前記第2発電システム本体と、前記第3発電システム本体が収容される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図3】本発明におけるウォーム軸の斜視外観図である。
【
図5】本発明の実施例1における並列時の状態を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
現在、クリーンな自然エネルギーにおける水力発電の割合は徐々に減少しているため、本発明の自然エネルギー発電における相互融通システムが水力発電に少しでも貢献することが期待される。
図1に参照する通り、以下に本発明の応用原理について詳しく述べる。
【0020】
一、本発明は、海岸の堤防のそばに建設されることで、海水エネルギーの供給が妨げられず、取水口は、海における潮の干満範囲内に位置し、パイプラインは、海水を45度で堤防付近のシェルター式地下発電所に流し、パイプラインの中の海水は発電所に流れ込むと同時に、水車と歯車を回転させ、伝動軸は螺旋状且つ上向きの内側に凹んだ形状のウォーム軸を駆動させる。水車の数、パイプラインの長さ、水車のユニット数は、発電機の出力の大きさによって決定される。さらに、パイプラインは、360度で下向きに湾曲し、45度で下向きに、電力を出力する発電機の深さまで延在し、さらに前面から、水車、歯車、伝動軸により駆動される内側に凹んだ形状のウォーム軸によって、はしごに沿って海水が巻き上げられる。
【0021】
目標は、海水を地平線まで巻き上げることであるため、熱力学の法則と、エネルギー保存の法則に反しないよう、本発明者が発明した方法により、動力が同じである3つの装置、ユニットA、ユニットB、ユニットCを相互運用する。3つのユニットが同時に発電すると、海水が地平線まで巻き上げられるため、各ユニットが海水を地平線まで巻き上げるのに必要なエネルギーが100%である場合、各ユニットにおける内側に凹んだ形状のウォーム軸の上方にはモーターが設けられ、ユニットAによって生成されたすべてのグリーン電力を取得するため、ユニットBとユニットCによって生成された一部の電力をユニットAのモーターに提供して運動エネルギーに変換することにより、モーターは内側に凹んだ形状のウォーム軸と同じ回転速度で上向きに回転させられる。
【0022】
3つの装置によって海水を地平線まで巻き上げる際のデータは以下の通りである。
【0023】
ユニットA、ユニットB、ユニットCの3つのユニットが独立して作動し発電されると、海水がパイプラインにおいて、後方からの海水に押されて圧力がかかることによって、3つのユニットがそれぞれ40%のエネルギーを獲得し、3つのユニットは、水車が各内側に凹んだ形状のウォーム軸を巻き上げることで40%のエネルギーを獲得することができ、ユニットAは、ユニットBとユニットCがそれぞれ提供する35%の電気エネルギー、つまり、合計70%の電気エネルギーを、ユニットAのモーターによって運動エネルギーに変換することで、ユニットAが獲得できるエネルギーは、40%+40%+70%=150%である。
【0024】
ユニットB、ユニットCも同じ方法で、パイプラインの中の海水が打ち上げられることでそれぞれ40%のエネルギーを獲得し、さらに、水車によって内側に凹んだ形状のウォーム軸が巻き上げられることでそれぞれ40%のエネルギーを獲得し、ユニットBとユニットCは、それぞれ35%のエネルギーをユニットAに提供するため、ユニットBのエネルギーは、自己保有電気エネルギー65%+40%+40%であり、ユニットCは、ユニットBと同じく65%+40%+40%である。エネルギーの変換において、3つのユニットは、それぞれ約70%のエネルギーを獲得することで、ユニットAを換算すると105%であり、ユニットBとユニットCは、それぞれ101.5%である。従って、3つのユニットはいずれも地平線上に位置することができる。
【0025】
本発明の取水口には、異物の侵入を防止するため巻き網が設けられ、海水が発電所に入る前に、ゲートで水量と開け閉めが制御される。
【0026】
二、代替方法は以下の通りである。
【0027】
上述の方法は、3つのユニットのエネルギーが同じ動力であるものとして計算しており、ユニットAのすべてのグリーン電力を取得するため、エネルギーがまだ保存できない場合には、動力が同じであるユニットの数を増やすことができ、例えばユニットB、ユニットC、ユニットD、ユニットEによってエネルギーを増加させ、ユニットAのすべての自然エネルギーを取得することができる。
【0028】
別の方法として、さらに大きな口径によって海水を取得し、ユニットB、ユニットCにさらに大きい発電機の電気エネルギーを供給し、より強大なモーターを運動エネルギーに変換することで、海水が地平線に巻き上げられる。
【0029】
三、本発明によって得られる可能性のある効果は以下の通りである。
【0030】
1、上述の方法が有効である場合、モジュール化することにより、資源の無い国もエネルギー輸出国になることができる。
【0031】
2、海水により発電した後、地平線は、養殖場、海水淡水化施設、海水浴場として利用することができる。
【0032】
図2を参照する。
図2は、本発明の実施方法について詳しく説明している。本発明の自然エネルギー発電における相互融通システムは、第1発電システム本体からなり、前記第1発電システム本体は、第1取水路1を備え、第1取水路1は、第1取水部10と、第1排水部11を備え、第1取水路1は、第1取水部10によって所定の角度で下向きに傾斜して第1排水部11まで延在し、第1取水路1における第1水力発電モジュール2に連結される前の部分には、360度の湾曲路12が設けられ、これにより、海水が打ち当たる力が増加し、第1取水部10と第1排水部11の間には、複数の第1水車13が間隔をあけて設けられる。
【0033】
第1水力発電モジュール2は、第2取水部20と、第2排水部21と、水力発電ユニット22を備え、第2取水部20は第1排水部11に連結され、第1水力発電モジュール2は、地底における一定の深度に達する場所に設けられる。
【0034】
複数の第1排水路3は、第1下降区間30と、少なくとも1つの第1上昇区間32と、少なくとも1つの第2下降区間33と、少なくとも1つの第2上昇区間35と、第3上昇区間36を備え、第1下降区間30の一端は第2排水部21に連結され、第1下降区間30の他端は第1上昇区間32に連結され、第2下降区間33と第2上昇区間35の数は同じであるとともに、組み合わされて上向きに延在する階段構造を成し、第2下降区間33における下降部の垂直の高さは、第2上昇区間35における上昇部の垂直の高さより低く、最後の第2上昇区間35の他端は第3上昇区間36に連結され、第3上昇区間36は、海水を排水するための排水口361を備え、
図3に参照する通り、各前記第1上昇区間32、各前記第2上昇区間33、及び、前記第3上昇区間36には、内側に凹んだ形状のウォーム軸31がそれぞれ設けられ、各前記第1水車13の両端は、駆動軸131によって各前記内側に凹んだ形状のウォーム軸31にそれぞれ連接されるとともに、各前記内側に凹んだ形状のウォーム軸31は、モーター34にそれぞれ連接され、各前記モーター34は、前記水力発電ユニット22に電気的に接続され、前記水力発電ユニット22によって生成される電力の40%は、各前記モーター24を駆動させるのに使用され、海水が各前記第1水車13に打ち当たることにより、駆動軸131が各前記内側に凹んだ形状のウォーム軸31を駆動させ、同時に、各前記モーター24が各前記内側に凹んだ形状のウォーム軸31を駆動させるとともに、各前記モーター34の回転速度を調整することにより、海水が打ち当たることで作動する第1水車13の回転速度と同じになるよう合わせることができ、それによって、各前記内側に凹んだ形状のウォーム軸31は比較的大きい動力を備え、海水を排出することができる。
【0035】
本実施例では、3つの第1水車13を備えるため、3つの第2下降区間33と、3つの第2上昇区間35が使用されているが、数は制限されない。各前記内側に凹んだ形状のウォーム軸31の数は、本発明の深さが深くなるのに伴って増え、目で見える排水量が増えることで第1排水路3の数を増やす、または、第1下降区間30を複数の第1上昇区間32に連接し、さらに、後に続く複数のパイプライン、水車、及び、内側に凹んだ形状のウォーム軸に連接することで、排水量が増加する。
【0036】
工場4は地下に位置し、工場4には、第1取水路1と、第1水力発電モジュール2と、第1排水路3が収容され、工場4は、海岸付近の堤防B内に設けることができる。第1水力発電モジュール2は、公共送電網設備5に電気的に接続され、例えば、変電所から公共送電網に電力が供給される。
【0037】
第1水車13は、海水に押動されて回転することで機械的動力を発生し、さらに、駆動軸24により機械的動力を各前記内側に凹んだ形状のウォーム軸31に伝導し、各前記内側に凹んだ形状のウォーム軸31はボルト型の装置であることができ、ボルトで回すことによって海水を高い場所に運び、流し去る。
【0038】
図4は、本発明の構造とプロセスを説明している。第1取水部10は海面下に設けることができ、海水を本発明の設備内に自然に流入させる。海水が第1取水路1から流入されると、海水が各前記第1水車13に打ち当たることより、駆動軸131によって各前記内側に凹んだ形状のウォーム軸31が駆動され、海水が水力発電ユニット22まで流されて発電が行われる。前記水力発電ユニット22によって生成される電力の40%は、各前記モーター24を駆動させるのに使用され、各前記モーター24が各前記内側に凹んだ形状のウォーム軸31を駆動させることで、海水が排出される。
【0039】
図4及び
図5に参照する通り、本発明は、いずれも互相に並列され且つ相互に融通し合い、本実施例において、上述の第1発電システム本体だけではなく、さらに、第2発電システム本体と、第3発電システム本体を備える。
【0040】
本実施例において、前記第1発電システム本体の前記第1水力発電モジュール2によって生成される電力の40%は、各前記内側に凹んだ形状のウォーム軸31を駆動させるのに使用される。
【0041】
第2発電システム本体は、第1取水路1Aを備え、前記第1取水路は、第1取水部と、第1排水部を備え、前記第1取水部から所定の角度で下向きに傾斜して第1排水部まで延在し、前記第1取水部と前記第1排水部の間には、複数の第1水車が間隔をあけて設けられる。
【0042】
第2水力発電モジュール2Aは、前記第1水力発電モジュール2に電気的に接続されるとともに、第2取水部と、水力発電ユニット22Aと、第2排水部を備え、前記第2取水部は前記第1排水部に連結される。
【0043】
複数の第2排水路3Aは、第1下降区間30と、少なくとも1つの第1上昇区間32と、少なくとも1つの第2下降区間33と、少なくとも1つの第2上昇区間35と、第3上昇区間36を備え、第1下降区間30の一端は第2排水部21に連結され、第1下降区間30の他端は第1上昇区間32に連結され、第2下降区間33と第2上昇区間35の数は同じであるとともに、組み合わされて上向きに延在する階段構造を成し、第2下降区間33における下降部の垂直の高さは、第2上昇区間35における上昇部の垂直の高さよりも低く、最後の第2上昇区間35の他端は第3上昇区間36に連結され、第3上昇区間36は、海水を排出させるための排水口361を備え、各前記第1上昇区間32、各前記第2上昇区間33、及び、前記第3上昇区間36には、内側に凹んだ形状のウォーム軸31Aがそれぞれ設けられ、各前記第1水車13の両端は、駆動軸131によって各前記31Aにそれぞれ連接されるとともに、各前記内側に凹んだ形状のウォーム軸31Aはモーター34にそれぞれ連接され、各前記モーター34は、前記水力発電ユニット22Aに電気的に接続され、前記水力発電ユニット22Aによって生成される電力の30%は、前記第1発電システム本体の各前記モーター24を駆動させるのに使用され、海水が各前記第1水車13に打ち当たることにより、駆動軸131によって各前記内側に凹んだ形状のウォーム軸31Aが駆動され、同時に、各前記モーター24が各前記内側に凹んだ形状のウォーム軸31Aを駆動させるとともに、各前記モーター34の回転速度を調節することにより、海水が打ち当たることで作動する第1水車13の回転速度と同じになるよう合わせることができ、それにより、各前記内側に凹んだ形状のウォーム軸31Aは比較的大きい動力を備え、海水を排出することができる。
【0044】
前記第3発電システム本体は、第1取水路を備え、前記第1取水路は、第1取水部と、第1排水部を備え、前記第1取水部から所定の角度で下向きに傾斜して第1排水部まで延在し、前記第1取水部と前記第1排水部の間には、複数の第1水車が間隔をあけて設けられる。
【0045】
第3水力発電モジュール2Bは、前記第1水力発電モジュール2に電気的に接続されるとともに、第2取水部と、水力発電ユニット22Bと、第2排水部を備え、前記第2取水部は前記第1排水部に連結される。
【0046】
複数の第3排水路3Bは、第1下降区間と、少なくとも1つの第1上昇区間と、少なくとも1つの第2下降区間と、少なくとも1つの第2上昇区間と、第3上昇区間を備え、前記第1下降区間の一端は前記第2排水部に連結され、前記第1下降区間の他端は前記第1上昇区間に連結され、前記第2下降区間と前記第2上昇区間の数は同じであるとともに、組み合わされて上向きに延在する階段構造を成し、前記第2下降区間における下降部の垂直の高さは、前記第2上昇区間における上昇部の垂直の高さよりも低く、最後の前記第2上昇区間の他端は前記第3上昇区間に連結され、前記第3上昇区間は、海水を排出させるための排水口を備え、各前記第1上昇区間32、各前記第2上昇区間33、及び、前記第3上昇区間36には、内側に凹んだ形状のウォーム軸31Bがそれぞれ設けられ、各前記第1水車13の両端は、駆動軸131によって各前記内側に凹んだ形状のウォーム軸31Bにそれぞれ連接されるとともに、各前記内側に凹んだ形状のウォーム軸31Bは、モーター34にそれぞれ連接され、各前記モーター34は、前記水力発電ユニット22Bに電気的に接続され、前記水力発電ユニット22Bによって生成される電力の30%は、前記第1発電システム本体の各前記モーター24を駆動させるのに使用され、海水が各前記第1水車13に打ち当たることにより、駆動軸131によって各前記内側に凹んだ形状のウォーム軸31Bが駆動される、同時に、各前記モーター24によって各前記内側に凹んだ形状のウォーム軸31Bが駆動されるとともに、各前記モーター34の回転速度を調整することにより、海水が打ち当たることで作動する第1水車13の回転速度と同じになるよう合わせることができ、それにより、各前記内側に凹んだ形状のウォーム軸31Aは比較的大きい動力を備え、海水を排出することができる。
【0047】
水力発電ユニット22Aと水力発電ユニット22Bがそれぞれ第1発電システム本体の各前記モーター24に供給する30%の電力に、水力発電ユニット22の40%の電力を加えた合計100%の電力によって、第1発電システム本体の各前記モーター24は、作動に必要な十分な電力を備えることができ、海水を排出することができる。
【0048】
第1発電システム本体、第2発電システム本体、及び、第3発電システム本体は、相互に電力を融通し合うことで、それぞれの各前記内側に凹んだ形状のウォーム軸31を駆動させて排水を行う。例えば、
図5における水力発電ユニット22Aは、各前記内側に凹んだ形状のウォーム軸31を駆動させて排水を行うために、水力発電ユニット22の各前記モーター34に電気的に接続され、残りの電力は公共送電網設備5に供給される。
【0049】
第1取水部10は、海洋Aの海面下に設けることができ、外力なしに海水を導入することができるため、従来のダムといった儲水システムを新たに設ける必要がなく、第1取水路1には、フィルター(未図示)または取水ゲート(未図示)を増設することができる。
図6に示す通り、第3上昇区間36は、湾曲して第1取水路1とそれぞれ異なる方向に延在することにより、互いに衝突するのを防ぐことができる。
図7の実施例2において、排水口361を海水養殖設備Dに連接することで経済効果が増加する。排水口361は、海面下の地面に設けることができることで、本発明は、第1取水部10と排水口361の高さが異なることによる重力の位置エネルギーの差を電力に変換して使用することができる。
【符号の説明】
【0050】
1 第1取水路
1A 第1取水路
1B 第1取水路
10 第1取水部
11 第1排水部
12 湾曲路
13 第1ダム
131 駆動軸
2 第1水力発電モジュール
2A 第2水力発電モジュール
2B 第3水力発電モジュール
20 第2取水部
21 第2排水部
22 水力発電ユニット
22A 水力発電ユニット
22B 水力発電ユニット
24 モーター
3 第1排水路
30 第1下降区間
32 第1上昇区間
31 内側に凹んだ形状のウォーム軸
31A 内側に凹んだ形状のウォーム軸
31B 内側に凹んだ形状のウォーム軸
33 第2下降区間
341 駆動軸
35 第2上昇区間
36 第3上昇区間
361 排水口
361A 排水口
361B 排水口
4 工場
5 公共送電網設備
A 海洋
B 堤防
C 貯水池
D 海水養殖設備