(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022170856
(43)【公開日】2022-11-11
(54)【発明の名称】ヘッドマウントカメラ
(51)【国際特許分類】
H04N 5/222 20060101AFI20221104BHJP
G09B 19/00 20060101ALI20221104BHJP
H04N 5/225 20060101ALI20221104BHJP
【FI】
H04N5/222 100
G09B19/00 Z
H04N5/225 100
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021077109
(22)【出願日】2021-04-30
(71)【出願人】
【識別番号】521189466
【氏名又は名称】株式会社MACH2
(74)【代理人】
【識別番号】110002055
【氏名又は名称】特許業務法人iRify国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】濱松 敏廣
(72)【発明者】
【氏名】濱松 和香子
【テーマコード(参考)】
5C122
【Fターム(参考)】
5C122DA03
5C122EA55
5C122GC13
5C122GD12
(57)【要約】
【課題】受講者の視線を把握することで教育効果を高めると共に、低コストで作成することができるヘッドマウントカメラを提供すること。
【解決手段】本発明の一態様に係るヘッドマウントカメラ10は、前側に取付プレート21を有し、頭部Hに装着するバンド40,50,60と、取付プレート21に取り付けられた目玉クリップ70と、この目玉クリップ70に着脱自在に取り付けられ、通信回線に接続される動画カメラ80を備えている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前側に取付プレートを有し、頭部に装着するバンドと、
前記取付プレートに取り付けられた挟持具と、
この挟持具に着脱自在に取り付けられ、通信回線に接続される動画カメラを備えているヘッドマウントカメラ。
【請求項2】
前記挟持具は孔部を有する目玉クリップであり、
前記取付プレートには貫通孔が設けられ、
前記目玉クリップと前記取付プレートとは、前記目玉クリップの孔部と前記取付プレートの貫通孔とを通るネジによって締結されている請求項1に記載のヘッドマウントカメラ。
【請求項3】
前記動画カメラは、WEBカメラである請求項1に記載のヘッドマウントカメラ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遠隔教育システム等に用いられるヘッドマウントカメラに関する。
【背景技術】
【0002】
通信回線を介して講師側のコンピュータと受講者側のコンピュータを結んで教育を行う遠隔教育システムとして様々なもの提案されている(例えば、特許文献1参照。)。このような遠隔教育システムでは、カメラで講師の板書や資料を撮影し、受講者に送信して受講者のコンピュータのディスプレイに表示することが行われている。また講師及び受講者の顔を撮像して相手側のディスプレイに表示する技術についても提案されている。また、カメラの向きを調整することで、受講者の机上のノート等を映す、いわゆる書画カメラとしての利用も可能である。この他、受講者の手元を精密に撮像するための書画カメラも提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11-338339号公報(段落番号[0019]及び
図1)
【特許文献2】特開2008-211850号公報(段落番号[0034]及び
図2)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述したような遠隔教育システムに用いるカメラにあっては、次のような問題があった。すなわち、上述した書画カメラの撮像範囲は受講者の視線と必ずしも一致はしていない。このため、受講者がどこを見て学習しているのかをリアルタイムで講師が把握することができず、教育効果を高めることができない場合がある。特に、受講者が小学生~高校生のように若年層の場合は、視線を把握することで受講者の思考過程を把握することができることが多く、視線を把握することは重要である。一方、アクションカメラ、若しくは、眼鏡タイプのいわゆるウエアラブルカメラを用いることで、受講者の視線を把握することも可能であるが、装置コストが高く、またパーソナルコンピュータとの通信方法やパーソナルコンピュータ側の設定が複雑なため、一般的ではない。
【0005】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、受講者の視線を把握することで教育効果を高めると共に、低コストで作成することができるヘッドマウントカメラを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明の一態様に係るヘッドマウントカメラは、前側に取付プレートを有し、頭部に装着するバンドと、前記取付プレートに取り付けられた挟持具と、この挟持具に着脱自在に取り付けられ、通信回線に接続される動画カメラを備えている。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、簡単な構成で受講者の視線に近い範囲を撮像することができるヘッドマウントカメラを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施形態に係るヘッドマウントカメラを示す斜視図である。
【
図2】同ヘッドマウントカメラのカメラ部を示す側面図である。
【
図3】同カメラ部の取付部を正面側から示す斜視図である。
【
図5】同ヘッドマウントカメラの使用方法を模式的に示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るヘッドマウントカメラ10を示す斜視図、
図2はヘッドマウントカメラ10のカメラ部を示す側面図、
図3はカメラ部の取付部を正面側から示す斜視図、
図4は取付部を下側から示す斜視図である。
【0010】
ヘッドマウントカメラ10は、前側に配置されたカメラ部20と、後側に配置された後側支持部30と、これらカメラ部20と後側支持部30とを結合するバンド40,50,60が設けられている。バンド40,50,60はそれぞれ長さ調整が可能であり、使用者の頭部にフィットさせられるよう構成されている。
【0011】
カメラ部20は、前側に取付プレート21を備え、この取付プレート21には、スリット21a,21bが設けられている。スリット21a,21bは、それぞれバンド40,50の端部が挿入される。
【0012】
取付プレート21には、ブラケット22が設けられている。本実施形態ではブラケット22は用いないが、他の装置(例えば照明等)を取り付けることが可能である。取付プレート21には表裏面を貫通する貫通孔23が設けられている。
【0013】
貫通孔23には、目玉クリップ(挟持具)70が取り付けられている。目玉クリップ70は、一対の金属片71,72がコイルバネ73で接続され、それぞれの先端側71a,72aが閉じる方向に付勢されている。先端側71a,72aの反対側には持ち手71b,72bが設けられ、先端側71a,72aを開くには、コイルバネ73の弾性力に抗しながら持ち手71b,72bを指でつまむ必要がある。持ち手71b,72bには、それぞれ孔部71c,72cが設けられている。
【0014】
貫通孔23と孔部72cには、ボルト74が貫通し、ナット75により締結されることで、取付プレート21と目玉クリップ70は十分な強度で結合している。
【0015】
目玉クリップ70の先端側71a,72aには、動画カメラ80が取り付けられている。動画カメラ80は、いわゆるWEBカメラであり、ベース部81と、このベース部81に揺動自在に取り付けられた中間プレート82と、この中間プレート82に取り付けられたサポート部83と、このサポート部83に揺動自在に取り付けられたカメラ本体84とを備えている。カメラ本体84には後述するパーソナルコンピュータ100に接続するためのリード線85が取り付けられている。
【0016】
次に、このように構成されたヘッドマウントカメラ10の使用方法を模式的に示す。ヘッドランプ等の既に頭部に装着することを前提に製作された装置からランプを取り外し、取付プレート21の貫通孔23を開けた上でボルト74を通し、目玉クリップ70を取り付け、ナット75で固定する。次に、目玉クリップ70の先端側71a,72aを開いて、市販のWEBカメラを取り付け動画カメラ80とする。これにより、ヘッドマウントカメラ10を構成する。
【0017】
次に、ヘッドマウントカメラ10を、
図5に示すように、使用者、例えば学生や生徒等の受講者Mが頭部Hに装着する。なお、
図5中Eは受講者Mの眼Eを示している。動画カメラ80の各部を調整して、受講者Mの視線Qと、動画カメラ80の撮像範囲Rとをできるだけ一致させるように調整する。受講者Mは、机Dの上にテキスト類P等を開き、学習を開始する。
【0018】
受講者Mが学習を開始して、テキスト類Pを読んだり、書き込んだりする動作は、動画カメラ80によって撮像され、リード線85を介してパーソナルコンピュータ100を介して、講師側のコンピュータのディスプレイに表示される。したがって、講師は受講者Mが、学習中にどこを見て学習を進めているのかを把握することができ、教育効果を高めることができる。
【0019】
上述したようにヘッドマウントカメラ10は、ヘッドランプやWEBカメラ等の容易に入手できる部品を用いて容易に組み立てることができる。また、簡単な構成で受講者の視線に近い範囲を撮像することができるので、講師は受講者が、学習中にどこを見て学習を進めているのかを把握することができ、教育効果を高めることができる。
【0020】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されることなくその趣旨を逸脱しない範囲で種々の改良・変更が可能であることは勿論である。例えば、挟持具として目玉クリップを示したが、動画カメラを着脱自在に挟持できるのであれば他のクリップ等を用いても良い。また、動画カメラとしてWEBカメラを示したが、小型CCDカメラ等、動画を撮影できるものであれば他のものを用いてもよい。
【符号の説明】
【0021】
10…ヘッドマウントカメラ、20…カメラ部、21…取付プレート、21a…スリット、21b…スリット、22…ブラケット、23…貫通孔、30…後側支持部、40…バンド、50…バンド、60…バンド、70…目玉クリップ(挟持具)、71…金属片、71a…先端側、71b…持ち手、71c…孔部、72…金属片、72a…先端側、72b…持ち手、72c…孔部、73…コイルバネ、74…ボルト、75…ナット、80…動画カメラ、81…ベース部、82…中間プレート、83…サポート部、84…カメラ本体、85…リード線、100…パーソナルコンピュータ、M…受講者、H…頭部、E…眼、Q…視野範囲、R…撮像範囲、D…机、P…テキスト類。