(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022170858
(43)【公開日】2022-11-11
(54)【発明の名称】マイクロLED実装基板、マイクロLEDディスプレイ及びマイクロLED実装基板の製造方法
(51)【国際特許分類】
G09F 9/30 20060101AFI20221104BHJP
H01L 33/00 20100101ALI20221104BHJP
【FI】
G09F9/30 360
G09F9/30 310
G09F9/30 349Z
H01L33/00 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021077116
(22)【出願日】2021-04-30
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】弁理士法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】春本 祥征
(72)【発明者】
【氏名】橋本 義人
【テーマコード(参考)】
5C094
5F142
【Fターム(参考)】
5C094AA21
5C094AA31
5C094AA42
5C094AA48
5C094BA25
5C094CA19
5C094DB01
5C094EB05
5C094EB10
5C094ED02
5C094ED15
5C094FB15
5C094GB01
5F142AA54
5F142CA11
5F142DA14
5F142DA73
5F142DB37
5F142EA02
5F142EA06
5F142EA34
5F142FA32
(57)【要約】
【課題】マイクロLEDの接続不良を生じ難くする。
【解決手段】マイクロLED実装基板11は、一方の板面上に少なくとも複数の基板側接続部14Cが設けられる配線基板14と、発光面13Bと発光面13Bとは反対側の面に設けられていて基板側接続部14Cに接続されるLED側接続部13Cとを少なくとも有するマイクロLED13であって、配線基板14の板面内において並んで配される複数のマイクロLED13と、複数のマイクロLED13の少なくとも一部に設けられて配線基板14における基板側接続部14Cの設置面と対向するよう配される第1位置決め部16と、配線基板14における基板側接続部14Cの設置面に設けられて第1位置決め部16に凹凸嵌合されることで第1位置決め部16を有するマイクロLED13を位置決め可能な第2第2位置決め部17と、を備える。
【選択図】
図17
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の主面を有する配線基板であって、前記一対の主面のうちの一方の主面上に少なくとも複数の基板側接続部が設けられる配線基板と、
発光面と前記発光面とは反対側の面に設けられていて前記基板側接続部に接続されるLED側接続部とを少なくとも有するマイクロLEDであって、前記配線基板の前記一方の主面内において並んで配される複数のマイクロLEDと、
複数の前記マイクロLEDの少なくとも一部に設けられて前記配線基板における前記基板側接続部の設置面と対向するよう配される第1位置決め部と、
前記配線基板における前記基板側接続部の設置面に設けられて前記第1位置決め部に凹凸嵌合されることで前記第1位置決め部を有する前記マイクロLEDを位置決め可能な第2位置決め部と、を備えるマイクロLED実装基板。
【請求項2】
前記第1位置決め部は、前記LED側接続部とは別途に設けられるとともに、前記第2位置決め部は、前記基板側接続部とは別途に設けられる請求項1記載のマイクロLED実装基板。
【請求項3】
前記第1位置決め部は、前記LED側接続部よりも前記マイクロLEDにおける外端寄りに配される請求項2記載のマイクロLED実装基板。
【請求項4】
前記マイクロLEDは、平面形状が四角形以上の多角形とされており、
前記第1位置決め部は、前記マイクロLEDにおける対角位置に少なくとも2つ配される請求項3記載のマイクロLED実装基板。
【請求項5】
前記第1位置決め部は、前記マイクロLEDにおける各角位置のそれぞれに配される請求項4記載のマイクロLED実装基板。
【請求項6】
前記第1位置決め部は、前記LED側接続部に一体に設けられるとともに、前記第2位置決め部は、前記基板側接続部に一体に設けられる請求項1記載のマイクロLED実装基板。
【請求項7】
前記第1位置決め部は、複数の前記マイクロLEDのそれぞれに設けられるのに対し、前記第2位置決め部は、複数の前記マイクロLEDのそれぞれに設けられる複数の前記第1位置決め部にそれぞれ凹凸嵌合されるよう複数が設けられる請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のマイクロLED実装基板。
【請求項8】
前記配線基板は、平面形状が四角形以上の多角形とされており、
複数の前記マイクロLEDは、前記配線基板の前記一方の主面内においてマトリクス状に並んで配されており、
前記第1位置決め部は、複数の前記マイクロLEDのうち、前記配線基板の各角位置に配される複数の前記マイクロLEDに対して選択的に設けられる請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のマイクロLED実装基板。
【請求項9】
前記マイクロLEDには、複数の前記第1位置決め部が設けられるのに対し、前記配線基板には、複数の前記第2位置決め部が設けられており、
複数ずつの前記第1位置決め部及び前記位置決め部は、組み合わせが一致すれば嵌合可能とされるものの組み合わせが不一致であれば嵌合不能とされるように複数の組をなして構成されるとともに、異なる組のものがそれぞれ前記マイクロLEDの中心に対して回転非対称となるよう配される請求項1から請求項8のいずれか1項に記載のマイクロLED実装基板。
【請求項10】
請求項1から請求項9のいずれか1項に記載のマイクロLED実装基板と、
画像を表示するための表示単位である複数の画素と、を備えており、
複数の前記マイクロLEDが複数の前記画素を構成するマイクロLEDディスプレイ。
【請求項11】
発光面と前記発光面とは反対側の面に設けられるLED側接続部とを少なくとも有するマイクロLEDを複数製造するマイクロLED製造工程と、
一対の主面を有する配線基板のうちの一方の前記主面上に少なくとも複数の基板側接続部が設けられる前記配線基板を製造する配線基板製造工程と、
前記配線基板に対して前記主面内に並んで配されるよう複数の前記マイクロLEDを実装するマイクロLED実装工程と、を備え、
前記マイクロLED製造工程では、複数の前記マイクロLEDの少なくとも一部に、前記配線基板における前記基板側接続部の設置面と対向するよう配される第1位置決め部を設け、
前記配線基板製造工程では、前記配線基板における前記基板側接続部の設置面に、前記第1位置決め部に凹凸嵌合されることで前記第1位置決め部を有する前記マイクロLEDを位置決め可能な第2位置決め部を設けるマイクロLED実装基板の製造方法。
【請求項12】
前記マイクロLED製造工程及び前記配線基板製造工程では、それぞれハーフトーンマスクまたはグレートーンマスクを用いたフォトリソグラフィ法によって前記第1位置決め部及び前記第2位置決め部を設ける請求項11記載のマイクロLED実装基板の製造方法。
【請求項13】
前記マイクロLED製造工程では、複数の前記マイクロLEDを、一対の板面を有する支持基板における一方の板面上に並んで配されるよう設けるとともに前記支持基板における前記一方の板面上に第1基板間位置決め部を設けるようにし、
前記配線基板製造工程では、前記配線基板における前記基板側接続部の設置面上に、前記第1基板間位置決め部に凹凸嵌合されることで前記支持基板を前記配線基板に対して位置決め可能な第2基板間位置決め部を設ける請求項11または請求項12記載のマイクロLED実装基板の製造方法。
【請求項14】
前記配線基板製造工程では、前記配線基板における前記一方の主面上に前記マイクロLEDに接続される回路部を設けるとともに前記第2基板間位置決め部を前記回路部に対して重畳するよう設ける請求項13記載のマイクロLED実装基板の製造方法。
【請求項15】
前記マイクロLED実装工程の後に行われて、前記配線基板における不要な端部を分断して除去する端部除去工程を備えており、
前記配線基板製造工程では、前記配線基板のうち前記端部除去工程にて除去される前記端部に前記第2基板間位置決め部を設ける請求項13記載のマイクロLED実装基板の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書が開示する技術は、マイクロLED実装基板、マイクロLEDディスプレイ及びマイクロLED実装基板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、マイクロLED実装構造の一例として下記特許文献1に記載されたものが知られている。特許文献1に記載されたマイクロLED実装構造は、予め定められた配列に従って配設された電極部を片面に有する配線基板と、電極部の位置に対応して設けられ、紫外から青色波長帯までのうちで特定のスペクトルを有する光を発光し、相対向する面の一方の面上に電極部と導通接続する電極を有し、他方の面に発光した光を放出する光放出面を有するマイクロLEDと、を備え、上記電極と上記電極部とは、導電性を有する熱硬化型の第1の接着剤を介して接着されており、マイクロLEDの周側面の一部又は全部が、絶縁性を有する熱硬化型の第2の接着剤で囲まれて接着されており、マイクロLEDが第2の接着剤を介して配線基板に固定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2020/116207号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した特許文献1に記載されたマイクロLED実装構造によれば、マイクロLEDの電極と配線基板の電極部との接着及び導通を確実に行なえると共に、マイクロLEDと配線基板との接続を確実に行なえる手段を提供することができる、とのことである。しかしながら、ウェハ上に配列された複数のマイクロLEDを配線基板に実装するに際し、マイクロLEDに位置ずれが生じていると、その位置ずれしたマイクロLEDの電極が配線基板上の電極部に対して正常に接続されず、マイクロLEDに接続不良が生じるおそれがある。なお、特許文献1においては、各接着剤を最も柔らかい状態としつつウェハ及び配線基板の貼り合わせを行うことから、各接着剤によってマイクロLEDが位置決めされることはない。
【0005】
本願明細書に記載の技術は、上記のような事情に基づいて完成されたものであって、マイクロLEDの接続不良を生じ難くすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本願明細書に記載の技術に関わるマイクロLED実装基板は、一対の主面を有する配線基板であって、前記一対の主面のうちの一方の主面上に少なくとも複数の基板側接続部が設けられる配線基板と、発光面と前記発光面とは反対側の面に設けられていて前記基板側接続部に接続されるLED側接続部とを少なくとも有するマイクロLEDであって、前記配線基板の前記一方の主面内において並んで配される複数のマイクロLEDと、複数の前記マイクロLEDの少なくとも一部に設けられて前記配線基板における前記基板側接続部の設置面と対向するよう配される第1位置決め部と、前記配線基板における前記基板側接続部の設置面に設けられて前記第1位置決め部に凹凸嵌合されることで前記第1位置決め部を有する前記マイクロLEDを位置決め可能な第2位置決め部と、を備える。
【0007】
(2)また、上記マイクロLED実装基板は、上記(1)に加え、前記第1位置決め部は、前記LED側接続部とは別途に設けられるとともに、前記第2位置決め部は、前記基板側接続部とは別途に設けられてもよい。
【0008】
(3)また、上記マイクロLED実装基板は、上記(2)に加え、前記第1位置決め部は、前記LED側接続部よりも前記マイクロLEDにおける外端寄りに配されてもよい。
【0009】
(4)また、上記マイクロLED実装基板は、上記(3)に加え、前記マイクロLEDは、平面形状が四角形以上の多角形とされており、前記第1位置決め部は、前記マイクロLEDにおける対角位置に少なくとも2つ配されてもよい。
【0010】
(5)また、上記マイクロLED実装基板は、上記(4)に加え、前記第1位置決め部は、前記マイクロLEDにおける各角位置のそれぞれに配されてもよい。
【0011】
(6)また、上記マイクロLED実装基板は、上記(1)に加え、前記第1位置決め部は、前記LED側接続部に一体に設けられるとともに、前記第2位置決め部は、前記基板側接続部に一体に設けられてもよい。
【0012】
(7)また、上記マイクロLED実装基板は、上記(1)から上記(6)のいずれかに加え、前記第1位置決め部は、複数の前記マイクロLEDのそれぞれに設けられるのに対し、前記第2位置決め部は、複数の前記マイクロLEDのそれぞれに設けられる複数の前記第1位置決め部にそれぞれ凹凸嵌合されるよう複数が設けられてもよい。
【0013】
(8)また、上記マイクロLED実装基板は、上記(1)から上記(6)のいずれかに加え、前記配線基板は、平面形状が四角形以上の多角形とされており、複数の前記マイクロLEDは、前記配線基板の前記一方の主面内においてマトリクス状に並んで配されており、前記第1位置決め部は、複数の前記マイクロLEDのうち、前記配線基板の各角位置に配される複数の前記マイクロLEDに対して選択的に設けられてもよい。
【0014】
(9)また、上記マイクロLED実装基板は、上記(1)から上記(8)のいずれかに加え、前記マイクロLEDには、複数の前記第1位置決め部が設けられるのに対し、前記配線基板には、複数の前記第2位置決め部が設けられており、複数ずつの前記第1位置決め部及び前記第2位置決め部は、組み合わせが一致すれば嵌合可能とされるものの組み合わせが不一致であれば嵌合不能とされるように複数の組をなして構成されるとともに、異なる組のものがそれぞれ前記マイクロLEDの中心に対して回転非対称となるよう配されてもよい。
【0015】
(10)また、本願明細書に記載の技術に関わるマイクロLEDディスプレイは、上記(1)から上記(9)のいずれかに記載のマイクロLED実装基板と、画像を表示するための表示単位である複数の画素と、を備えており、複数の前記マイクロLEDが複数の前記画素を構成する。
【0016】
(11)また、本願明細書に記載の技術に関わるマイクロLED実装基板の製造方法は、発光面と前記発光面とは反対側の面に設けられるLED側接続部とを少なくとも有するマイクロLEDを複数製造するマイクロLED製造工程と、一対の主面を有する配線基板のうちの一方の主面上に少なくとも複数の基板側接続部が設けられる前記配線基板を製造する配線基板製造工程と、前記配線基板に対して前記一方の主面内に並んで配されるよう複数の前記マイクロLEDを実装するマイクロLED実装工程と、を備え、前記マイクロLED製造工程では、複数の前記マイクロLEDの少なくとも一部に、前記配線基板における前記基板側接続部の設置面と対向するよう配される第1位置決め部を設け、前記配線基板製造工程では、前記配線基板における前記基板側接続部の設置面に、前記第1位置決め部に凹凸嵌合されることで前記第1位置決め部を有する前記マイクロLEDを位置決め可能な第2位置決め部を設ける。
【0017】
(12)また、上記マイクロLED実装基板の製造方法は、上記(11)に加え、前記マイクロLED製造工程及び前記配線基板製造工程では、それぞれハーフトーンマスクまたはグレートーンマスクを用いたフォトリソグラフィ法によって前記第1位置決め部及び前記第2位置決め部を設けてもよい。
【0018】
(13)また、上記マイクロLED実装基板の製造方法は、上記(11)または上記(12)に加え、前記マイクロLED製造工程では、複数の前記マイクロLEDを、一対の板面を有する支持基板における一方の板面上に並んで配されるよう設けるとともに前記支持基板における前記一方の板面上に第1基板間位置決め部を設けるようにし、前記配線基板製造工程では、前記配線基板における前記基板側接続部の設置面上に、前記第1基板間位置決め部に凹凸嵌合されることで前記支持基板を前記配線基板に対して位置決め可能な第2基板間位置決め部を設けてもよい。
【0019】
(14)また、上記マイクロLED実装基板の製造方法は、上記(13)に加え、前記配線基板製造工程では、前記配線基板における前記一方の主面上に前記マイクロLEDに接続される回路部を設けるとともに前記第2基板間位置決め部を前記回路部に対して重畳するよう設けてもよい。
【0020】
(15)また、上記マイクロLED実装基板の製造方法は、上記(13)に加え、前記マイクロLED実装工程の後に行われて、前記配線基板における不要な端部を分断して除去する端部除去工程を備えており、前記配線基板製造工程では、前記配線基板のうち前記端部除去工程にて除去される前記端部に前記第2基板間位置決め部を設けてもよい。
【発明の効果】
【0021】
本願明細書に記載の技術によれば、マイクロLEDの接続不良を生じ難くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】実施形態1に係るマイクロLEDディスプレイにおけるマイクロLEDの配列を表す概略的な平面図
【
図2】マイクロLEDディスプレイをY軸方向に沿って切断した断面図
【
図3】マイクロLEDディスプレイをX軸方向に沿って切断した断面図
【
図4】マイクロLEDディスプレイに備わるマイクロLEDの底面図
【
図5】マイクロLEDディスプレイに備わる配線基板におけるマイクロLEDの実装領域を示す平面図
【
図6】マイクロLED実装基板の製造方法に含まれるマイクロLED製造工程において支持基板上に被加工膜及びフォトレジスト膜を成膜した状態を示すY軸方向に沿う断面図
【
図7】マイクロLED実装基板の製造方法に含まれるマイクロLED製造工程においてハーフトーンマスクを用いてフォトレジスト膜を露光した状態を示すY軸方向に沿う断面図
【
図8】マイクロLED実装基板の製造方法に含まれるマイクロLED製造工程においてフォトレジスト膜を現像した状態を示すY軸方向に沿う断面図
【
図9】マイクロLED実装基板の製造方法に含まれるマイクロLED製造工程において被加工膜をエッチングして第1位置決め部を形成した状態を示すY軸方向に沿う断面図
【
図10】マイクロLED実装基板の製造方法に含まれる配線基板製造工程において配線基板上に被加工膜及びフォトレジスト膜を成膜した状態を示すY軸方向に沿う断面図
【
図11】マイクロLED実装基板の製造方法に含まれる配線基板製造工程においてハーフトーンマスクを用いてフォトレジスト膜を露光した状態を示すY軸方向に沿う断面図
【
図12】マイクロLED実装基板の製造方法に含まれる配線基板製造工程においてフォトレジスト膜を現像した状態を示すY軸方向に沿う断面図
【
図13】マイクロLED実装基板の製造方法に含まれる配線基板製造工程において被加工膜をエッチングして第2位置決め部を形成した状態を示すY軸方向に沿う断面図
【
図14】マイクロLED実装基板の製造方法に含まれるマイクロLED実装工程において支持基板を配線基板に対して貼り合わせる前の状態を示すY軸方向に沿う断面図
【
図15】マイクロLED実装基板の製造方法に含まれるマイクロLED実装工程において支持基板を配線基板に対して貼り合わせた後の状態を示すY軸方向に沿う断面図
【
図16】マイクロLED実装基板の製造方法に含まれるマイクロLED実装工程において位置ずれしたマイクロLEDが含まれる支持基板を配線基板に対して貼り合わせる前の状態を示すY軸方向に沿う断面図
【
図17】マイクロLED実装基板の製造方法に含まれるマイクロLED実装工程において位置ずれしたマイクロLEDの第1位置決め部が第2位置決め部に当接した状態を示すY軸方向に沿う断面図
【
図19】配線基板におけるマイクロLEDの実装領域を示す平面図
【
図20】実施形態3に係るマイクロLEDディスプレイにおけるマイクロLEDの配列を表す概略的な平面図
【
図21】マイクロLED実装基板の製造方法に含まれるマイクロLED実装工程において支持基板を配線基板に対して貼り合わせる前の状態を示すY軸方向に沿う断面図
【
図22】マイクロLED実装基板の製造方法に含まれるマイクロLED実装工程において支持基板を配線基板に対して貼り合わせた後の状態を示すY軸方向に沿う断面図
【
図23】実施形態4に係るマイクロLEDディスプレイにおけるマイクロLEDの配列を表す概略的な平面図
【
図24】マイクロLED実装基板の製造方法に含まれるマイクロLED実装工程において支持基板を配線基板に対して貼り合わせる前の状態を示すY軸方向に沿う断面図
【
図25】マイクロLED実装基板の製造方法に含まれるマイクロLED実装工程において支持基板を配線基板に対して貼り合わせた後の状態を示すY軸方向に沿う断面図
【
図26】実施形態5に係るマイクロLED実装基板の製造方法に含まれるマイクロLED実装工程において支持基板を配線基板に対して貼り合わせる前の状態を示すY軸方向に沿う断面図
【
図27】マイクロLED実装基板の製造方法に含まれるマイクロLED実装工程において支持基板を配線基板に対して貼り合わせた後の状態を示すY軸方向に沿う断面図
【
図28】マイクロLED実装基板の製造方法に含まれる端部除去工程において支持基板の端部を除去した状態を示すY軸方向に沿う断面図
【
図30】配線基板におけるマイクロLEDの実装領域を示す平面図
【
図31】マイクロLED実装基板の製造方法に含まれるマイクロLED実装工程において支持基板を配線基板に対して貼り合わせる前の状態を示すY軸方向に沿う断面図
【
図32】マイクロLED実装基板の製造方法に含まれるマイクロLED実装工程において支持基板を配線基板に対して貼り合わせた後の状態を示すY軸方向に沿う断面図
【
図33】実施形態7に係るマイクロLEDディスプレイにおけるマイクロLEDの配列を表す概略的な平面図
【発明を実施するための形態】
【0023】
<実施形態1>
実施形態1を
図1から
図17によって説明する。本実施形態では、マイクロLED実装基板11、マイクロLED実装基板11を備えるマイクロLEDディスプレイ10及びマイクロLED実装基板11の製造方法を例示する。なお、各図面の一部にはX軸、Y軸及びZ軸を示しており、各軸方向が各図面で示した方向となるように描かれている。
【0024】
マイクロLEDディスプレイ10は、
図1から
図3に示すように、画像が表示される表示面を有しており、その表示面の面内には、表示単位である画素PXがマトリクス状に複数並んで配されている。画素PXには、青色(B)を呈する青色画素BPXと、緑色(G)を呈する緑色画素GPXと、赤色(R)を呈する赤色画素RPXと、の3色が含まれており、3色の画素BPX,GPX,RPXによって所定の階調のカラー表示を可能な表示画素が構成されている。なお、
図1から
図3には、各画素PXの表示色に係る英語の頭文字(B,G,R)が示されている。
【0025】
マイクロLEDディスプレイ10は、画素PXを構成するマイクロLED13を有するマイクロLED実装基板11と、マイクロLED13から発せられた光の波長を変換することが可能な波長変換層12と、を備える。なお、マイクロLEDディスプレイ10は、波長変換層12に対してマイクロLED実装基板11側とは反対側に保護パネルを備えていても構わない。
【0026】
マイクロLED実装基板11は、複数のマイクロLED13と、複数のマイクロLED13が実装される配線基板(バックプレーン)14と、を有する。マイクロLED13は、窒化ガリウム(GaN)を主材料として製造されていて、p型半導体層とn型半導体層との間に活性層(発光層)を挟んでなる垂直構造とされるマイクロLEDチップ13Aを有する。マイクロLEDチップ13Aは、電圧の印加に伴って青色に属する波長領域(例えば約380nm~約500nm)に含まれる光、つまり青色光を単色発光する。マイクロLEDチップ13Aのうち、配線基板14側とは反対側の面が発光面13Bとされる。マイクロLEDチップ13Aのうち、配線基板14側(発光面13Bとは反対側)の面には、配線基板14側の給電回路に対して電気的に接続可能なLED側接続部13Cが設けられている。
【0027】
マイクロLED13は、
図4に示すように、平面に視て縦長の方形状をなしており、短辺方向がX軸方向と、長辺方向がY軸方向と、厚さ方向がZ軸方向と、それぞれ一致している。マイクロLED13は、短辺寸法及び長辺寸法がいずれも100μmよりも小さくなっており、一般的なミニLEDよりもさらに小型となっている。LED側接続部13Cは、マイクロLED13における短辺方向についての中央位置付近であって長辺方向について間隔を空けた2位置にそれぞれ設けられている。各LED側接続部13Cは、マイクロLED13における長辺方向についての外端位置よりも中央寄りの配置となっている。これら2つのLED側接続部13Cに対して配線基板14側の給電回路から給電されると、マイクロLED13の発光面13Bから青色光が発せられるようになっている。
【0028】
配線基板14は、シリコンなどからなり、
図1から
図3に示すように、その板面内に、給電回路を構成する第1配線14A及び第2配線14Bと、LED側接続部13Cに対して接続可能な基板側接続部14Cと、が少なくとも設けられている。第1配線14Aは、X軸方向に沿って延在するのに対し、第2配線14Bは、第1配線14Aに対して交差するようY軸方向に沿って延在している。第1配線14A及び第2配線14Bにおける交差部位間には、両者の短絡を防ぐための絶縁膜が介設されている。基板側接続部14Cは、半田からなり、各配線14A,14Bから分岐された分岐配線の露出部分上に設置されている。従って、基板側接続部14CがLED側接続部13Cに接した状態で溶融されることで、マイクロLED13が配線基板14に対して機械的に固定されるとともに、LED側接続部13Cが基板側接続部14Cを介して給電回路に対して電気的に接続されるようになっている。
【0029】
基板側接続部14Cは、
図5に示すように、配線基板14における各マイクロLED13の実装領域に2つずつ設けられている。2つずつの基板側接続部14Cは、各マイクロLED13の実装領域においてそれぞれY軸方向について間隔を空けた位置に配されている。2つずつの基板側接続部14Cの間に空けられた間隔は、マイクロLED13に備わる2つのLED側接続部13Cの間に空けられた間隔とほぼ同じとされる。
【0030】
配線基板14には、
図2及び
図3に示すように、隣り合う画素PXの間を仕切る遮光部15が設けられている。遮光部15は、第1配線14A及び第2配線14Bに対して重畳するよう配されており、平面に視て格子状をなしている。遮光部15は、配線基板14におけるマイクロLED13の実装面から立ち上がる壁状をなしており、隣り合う画素PXの間を行き来しようとする光を遮ることで、各画素PXの表示独立性を担保するものである。
【0031】
波長変換層12は、
図2及び
図3に示すように、各マイクロLED13の発光面13B上に積層される形で配されている。波長変換層12には、緑色画素GPXを構成するマイクロLED13に対して積層される緑色蛍光体層12Gと、赤色画素RPXを構成するマイクロLED13に対して積層される赤色蛍光体層12Rと、青色画素BPXを構成するマイクロLED13に対して積層される無蛍光体層12Tと、が含まれる。緑色蛍光体層12Gは、青色光を励起光として、緑色に属する波長領域(約500nm~約570nm)の光、つまり緑色光を蛍光光として発する緑色蛍光体を含む。従って、緑色画素GPXを構成するマイクロLED13の発光面13Bから青色光が発せられると、その青色光が緑色蛍光体層12Gに含まれる緑色蛍光体によって緑色光に波長変換されて出射されるようになっている。赤色蛍光体層12Rは、青色光を励起光として、赤色に属する波長領域(約600nm~約780nm)の光、つまり赤色光を蛍光光として発する赤色蛍光体を含む。従って、赤色画素RPXを構成するマイクロLED13の発光面13Bから青色光が発せられると、その青色光が赤色蛍光体層12Rに含まれる赤色蛍光体によって赤色光に波長変換されて出射されるようになっている。無蛍光体層12Tは、蛍光体を含有しない無色透明となっており、他の蛍光体層12A,12Bとの高さを合わせるために設けられている。従って、青色画素BPXを構成するマイクロLED13の発光面13Bから青色光が発せられると、その青色光が無蛍光体層12Tをそのまま透過して出射されるようになっている。
【0032】
上記のような構成のマイクロLED実装基板11を製造する際には、予めサファイアなどからなる支持基板30の板面上に複数のマイクロLED13を作り込んでおき、その支持基板30を別途に製造された配線基板14に対して貼り合わせる(
図14を参照)。支持基板30を配線基板14に対して貼り合わせる際には、支持基板30と各マイクロLED13との界面にレーザ光が照射されることで、各マイクロLED13の剥離(レーザリフトオフ)されるようになっている。これにより、各マイクロLED13が配線基板14に一括して実装されるようになっている。このレーザ光の照射を行う際や両基板14,30の貼り合わせを行う際には、振動が生じ得るものとされ、その振動に起因して支持基板30から剥離されたマイクロLED13に位置ずれが生じるおそれがある。マイクロLED13に位置ずれが生じていると、その位置ずれしたマイクロLED13のLED側接続部13Cが配線基板14上の基板側接続部14Cに対して正常に接続されず、マイクロLED13に接続不良が生じるおそれがあった。
【0033】
そこで、本実施形態に係るマイクロLED13には、
図2及び
図3に示すように、第1位置決め部16が設けられるのに対し、配線基板14には、第1位置決め部16に凹凸嵌合されることで第1位置決め部16を有するマイクロLED13を位置決め可能な第2第2位置決め部17が設けられている。第1位置決め部16は、マイクロLEDチップ13Aにおける発光面13Bとは反対側の面(配線基板14との対向面、実装面)に設けられており、配線基板14における基板側接続部14Cの設置面と対向するよう配されている。第2第2位置決め部17は、配線基板14における基板側接続部14Cの設置面(マイクロLED13との対向面)に設けられており、マイクロLED13における発光面13Bとは反対側の面と対向するよう配されている。
【0034】
このような構成によれば、複数のマイクロLED13が配線基板14に実装される際に、振動の影響などによってマイクロLED13に位置ずれが生じた場合でも、そのマイクロLED13に備わる第1位置決め部16に第2位置決め部17が凹凸嵌合されることで、マイクロLED13の位置ずれが矯正される。このように位置決めされたマイクロLED13に備わるLED側接続部13Cは、接続対象の基板側接続部14Cに対して正常に接続される。これにより、マイクロLED13に接続不良が生じ難くなる。マイクロLED13に接続不良が生じ難くなれば、マイクロLED13によって構成される画素PXの表示機能が損なわれ難くなる。これにより、複数の画素PXによって表示される画像に係る表示品位が良好なものとなる。
【0035】
第1位置決め部16は、
図2から
図4に示すように、LED側接続部13Cとは別途に設けられている。詳しくは、第1位置決め部16は、マイクロLEDチップ13Aにおける発光面13Bとは反対側の面において、LED側接続部13Cに対して非重畳となる位置に設けられている。同様に、第2位置決め部17は、
図2,
図3及び
図5に示すように、基板側接続部14Cとは別途に設けられている。詳しくは、第2位置決め部17は、配線基板14におけるマイクロLED13の実装領域において、基板側接続部14Cに対して非重畳となる位置に設けられている。このようにすれば、仮に第1位置決め部がLED側接続部13Cに一体に設けられるとともに第2位置決め部が基板側接続部14Cに一体に設けられる場合に比べると、LED側接続部13C及び基板側接続部14Cが第1位置決め部16及び第2位置決め部17を設計する上での制約となり難くなる。このように、第1位置決め部16及び第2位置決め部17に係る設計自由度が高くなっているので、第1位置決め部16及び第2位置決め部17の平面形状、平面に視た大きさ、高さ及び配置などに関する設計を、LED側接続部13C及び基板側接続部14Cとは無関係に最適化することができる。従って、例えばマイクロLED13がより小型化されるとともにLED側接続部13Cがより小型化された場合などにおいても位置決め機能を十分に発揮することができて好適である。
【0036】
第1位置決め部16は、
図2から
図4に示すように、マイクロLEDチップ13Aにおける配線基板14との対向面から配線基板14側に向けてZ軸方向に沿って突出する略柱状をなしている。第1位置決め部16は、平面形状が方形状をなすとともにその突出先端側部分が四角錐型に凹まされている。詳しくは、第1位置決め部16における突出先端側部分には、配線基板14側に向けて開口する凹部16Aが形成されている。凹部16Aは、最も深い(低い)位置に頂点16A1を有するとともに、周面が頂点16A1に連なる4つの傾斜面16A2により構成されている。従って、凹部16Aの内部空間は、四角錐形状をなしている。頂点16A1は、第1位置決め部16のうちの平面に視た中心位置に配されている。4つの傾斜面16A2には、X軸方向に沿って互いに反対側を向く2つの傾斜面16A2と、Y軸方向に沿って互いに反対側を向く2つの傾斜面16A2と、が含まれる。
【0037】
第2位置決め部17は、
図2,
図3及び
図5に示すように、配線基板14におけるマイクロLED13との対向面からマイクロLED13側に向けてZ軸方向に沿って突出する略柱状をなしている。第2位置決め部17は、平面形状が方形状をなすとともに、その突出先端側部分が四角錐形状をなしている。第2位置決め部17のうち、四角錐形状をなす突出先端側部分が、第1位置決め部16の凹部16Aに対して凹凸嵌合される凸部17Aを構成している。凸部17Aは、最も高い突出先端に位置する1つの頂点17A1と、頂点17A1に連なる4つの傾斜面17A2と、を有する。頂点17A1は、第2位置決め部17のうちの平面に視た中心位置に配されている。4つの傾斜面17A2には、X軸方向に沿って互いに反対側を向く2つの傾斜面17A2と、Y軸方向に沿って互いに反対側を向く2つの傾斜面17A2と、が含まれる。また、第2位置決め部17の高さ寸法と第1位置決め部16の高さ寸法との和は、基板側接続部14Cの高さ寸法とLED側接続部13Cの高さ寸法との和よりも小さいか同じ程度とされる。これにより、第2位置決め部17と第1位置決め部16とが凹凸嵌合した状態において、基板側接続部14CとLED側接続部13Cとが接続(接合)される確実性が高いものとなる。
【0038】
このような構成の第1位置決め部16は、
図2から
図4に示すように、LED側接続部13CよりもマイクロLED13における外端寄りに配されている。このようにすれば、仮に第1位置決め部がLED側接続部13CよりもマイクロLED13における中心寄りに配される場合に比べると、マイクロLED13の位置決め精度が高いものとなる。しかも、第1位置決め部16は、平面形状が方形状とされるマイクロLED13における四隅の各角位置のそれぞれに配されている。つまり、第1位置決め部16は、マイクロLED13における対角位置に2つずつ合計で4つが配されている。このようにすれば、平面形状が方形状とされるマイクロLED13における各角位置のそれぞれに配される第1位置決め部16が第2位置決め部17に凹凸嵌合されることで、マイクロLED13の回り止め図られるとともにより高い位置決め精度でもってマイクロLED13の位置決めが図られる。
【0039】
第1位置決め部16は、
図1から
図3に示すように、全てのマイクロLED13のそれぞれに4つずつ設けられている。これに伴い、第2位置決め部17は、配線基板14のうちの全てのマイクロLED13の実装領域のそれぞれに4つずつ設けられている。従って、配線基板14に設けられた複数の第2位置決め部17は、全てのマイクロLED13のそれぞれに設けられた各第1位置決め部16に対してそれぞれ凹凸嵌合されるようになっている。このようにすれば、複数のマイクロLED13が配線基板14に対して一括して実装される際に、いずれのマイクロLED13に位置ずれが生じた場合であっても、そのマイクロLED13に備わる第1位置決め部16に第2位置決め部17が凹凸嵌合されることで、マイクロLED13の位置ずれが矯正される。これにより、いずれのマイクロLED13についても接続不良が生じ難くなる。
【0040】
本実施形態に係るマイクロLED実装基板11及びマイクロLEDディスプレイ10は以上のような構造であり、続いてマイクロLED実装基板11の製造方法を説明する。本実施形態に係るマイクロLED実装基板11の製造方法は、複数のマイクロLED13を製造するマイクロLED製造工程と、配線基板14を製造する配線基板製造工程と、複数のマイクロLED13を実装するマイクロLED実装工程と、配線基板14に遮光部15を形成する遮光部形成工程と、複数のマイクロLED13に備わる各発光面13Bのそれぞれに波長変換層12を形成する波長変換層形成工程と、を備える。このうちのマイクロLED製造工程、配線基板製造工程及びマイクロLED実装工程について、順次に詳しく説明する。なお、遮光部形成工程は、マイクロLED実装工程の前に行われても構わないが、波長変換層形成工程よりも後で行われても構わない。
【0041】
マイクロLED製造工程では、サファイアなどからなる支持基板30の板面上において、p型半導体層、活性層及びn型半導体層を順次成長させてからエッチングすることで、支持基板30の板面内においてマトリクス状に並んで配される複数のマイクロLEDチップ13Aが形成される(マイクロLEDチップ形成工程)。その後、複数のマイクロLEDチップ13Aのうち、支持基板30に接する面とは反対側の面に対してそれぞれLED側接続部13Cが形成される(LED接続部形成工程)。これにより、発光面13Bが支持基板30の板面に対して接するとともにLED側接続部13Cが支持基板30側とは反対側に位置する形で複数のマイクロLED13が支持基板30上に設けられる。支持基板30における複数のマイクロLED13の配列は、マイクロLED実装基板11における複数のマイクロLED13の配列とほぼ一致している。このようにして支持基板30上に複数のマイクロLED13を設置したら、続いて全てのマイクロLED13のそれぞれに第1位置決め部16を形成する(第1位置決め部形成工程)。
【0042】
第1位置決め部16の形成に際しては、
図6に示すように、支持基板30における複数のマイクロLED13の形成面に対してPVD(Physical Vapor Deposition)やCVD(Chemical Vapor Deposition)などの方法によって被加工膜(被エッチング膜)F1を成膜し、続いてスピンコートなどの方法によってフォトレジスト膜F2を成膜する(成膜工程)。被加工膜F1は、第1位置決め部16を構成する膜であって、後の工程でパターニングされたフォトレジスト膜F2を介して加工(エッチング)される膜である。被加工膜F1は、金属材料、金属化合物、無機材料(セラミックスなど)、有機材料などからなる。フォトレジスト膜F2は、ポジ型の感光性材料からなる。これら被加工膜F1及びフォトレジスト膜F2は、複数のマイクロLED13におけるLED側接続部13Cの設置面上に順次に積層されている。
【0043】
続いて、フォトリソグラフィ法によりフォトレジスト膜F2のパターニングを行う(フォトレジスト膜パターニング工程)。フォトレジスト膜F2のパターニングに際しては、
図7に示すように、フォトマスクとしてハーフトーンマスクHM1を用いてフォトレジスト膜F2を露光した後に現像している。ハーフトーンマスクHM1は、ほぼ透明なマスク基材HM1Aと、マスク基材HM1Aにおける片方の板面に局所的に設けられる遮光膜HM1Bと、から構成される。ハーフトーンマスクHM1は、その板面が、露光装置から照射される光を透過する透過領域と、光を透過するもののその光の透過率が透過領域よりも低い半透過領域と、光を遮る遮光領域と、に区分されている。遮光膜HM1Bは、半透過領域及び遮光領域には設けられるものの、透過領域には非設置とされる。そして、遮光膜HM1B(半透過領域及び遮光領域)は、各マイクロLED13における各第1位置決め部16の形成予定位置に対して光学的に重なる位置に配されている。このため、ハーフトーンマスクHM1の透過領域を透過した光は、各第1位置決め部16の形成予定位置に照射されることがない。遮光膜HM1Bは、遮光領域には100%の面積比率でもって配されるのに対し、半透過領域には100%よりも低い面積比率でもって配されている。なお、ここで言う「面積比率」とは、遮光領域や半透過領域の各面積に対する遮光膜HM1Bの面積の比率である。遮光膜HM1Bは、半透過領域における光の透過率がX軸方向及びY軸方向についての位置に応じて変化するよう構成されている。具体的には、遮光膜HM1Bに係る半透過領域での光の透過率は、X軸方向及びY軸方向について第1位置決め部16に備わる凹部16Aの頂点16A1に近づくほど高くなり、逆に頂点16A1から遠ざかるほど低くなるよう構成される。遮光膜HM1Bのうちの遮光領域に配される部分は、第1位置決め部16のうちの最も高い部分、つまり各傾斜面16A2における頂点16A1側とは反対側の端部に対して光学的に重なる位置に配されている。なお、
図7では、遮光膜HM1Bを簡略化して図示している。
【0044】
上記のような構成のハーフトーンマスクHM1を介してフォトレジスト膜F2が露光される(露光工程)。すると、フォトレジスト膜F2は、ハーフトーンマスクHM1の透過領域及び半透過領域に対して光学的に重なる部分が、透過領域及び半透過領域の透過光量の分だけ露光される。その後に現像が行われると、フォトレジスト膜F2は、
図8に示すように、ハーフトーンマスクHM1の透過領域に対して光学的に重なる部分が全て除去されるとともに、遮光領域に対して光学的に重なる部分が全て残存し、さらには半透過領域に対して光学的に重なる部分が、露光量に応じた厚み分が除去される(現像工程)。このようにしてパターニングされたフォトレジスト膜F2は、各第1位置決め部16の形成予定位置に対して重なる部分が残存するとともにその断面形状が第1位置決め部16の断面形状と同様のものとなる。
【0045】
続いて、フォトレジスト膜F2の残存部分をマスクとして利用して被加工膜F1にはドライエッチングまたはウエットエッチングが行われる(エッチング工程)。すると、被加工膜F1は、
図9に示すように、フォトレジスト膜F2により被覆されない部分が全て除去されるのに対し、フォトレジスト膜F2により被覆された部分がフォトレジスト膜F2の膜厚に応じた厚み分が除去される。これにより、各マイクロLED13には、4つずつの第1位置決め部16が一括して形成される。その後、フォトレジスト膜F2をアッシングにより除去する(アッシング工程)。
【0046】
次に、配線基板製造工程について説明する。配線基板製造工程では、配線基板14の板面上に各配線14A,14B及び基板側接続部14Cなどを形成した後に、第2位置決め部17が形成される(第2位置決め部形成工程)。なお、基板側接続部14Cに関しては、第2位置決め部17を形成した後に形成されても構わない。
【0047】
第2位置決め部17の形成に際しては、
図10に示すように、配線基板14における各配線14A,14B及び基板側接続部14Cの形成面に対してPVDやCVDなどの方法によって被加工膜(被エッチング膜)F3を成膜し、続いてスピンコートなどの方法によってフォトレジスト膜F4を成膜する(成膜工程)。被加工膜F3は、第2位置決め部17を構成する膜であって、後の工程でパターニングされたフォトレジスト膜F4を介して加工(エッチング)される膜である。被加工膜F3は、金属材料、金属化合物、無機材料(セラミックスなど)、有機材料などからなる。フォトレジスト膜F4は、ポジ型の感光性材料からなる。
【0048】
続いて、フォトリソグラフィ法によりフォトレジスト膜F4のパターニングを行う(フォトレジスト膜パターニング工程)。フォトレジスト膜F4のパターニングに際しては、
図11に示すように、フォトマスクとしてハーフトーンマスクHM2を用いてフォトレジスト膜F4を露光した後に現像している。ハーフトーンマスクHM2は、ほぼ透明なマスク基材HM2Aと、マスク基材HM2Aにおける片方の板面に局所的に設けられる遮光膜HM2Bと、から構成されており、透過領域、半透過領域及び遮光領域を有する点で、既述したハーフトーンマスクHM1と同様である。遮光膜HM2B(半透過領域及び遮光領域)は、配線基板14における各第2位置決め部17の形成予定位置に対して光学的に重なる位置に配されている。このため、ハーフトーンマスクHM2の透過領域を透過した光は、各第2位置決め部17の形成予定位置に照射されることがない。遮光膜HM2Bは、遮光領域には100%の面積比率でもって配されるのに対し、半透過領域には100%よりも低い面積比率でもって配されている。遮光膜HM2Bは、半透過領域における光の透過率がX軸方向及びY軸方向についての位置に応じて変化するよう構成されている。具体的には、遮光膜HM2Bに係る半透過領域での光の透過率は、X軸方向及びY軸方向について第2位置決め部17に備わる凸部17Aの頂点17A1に近づくほど低くなり、逆に頂点17A1から遠ざかるほど高くなるよう構成される。遮光膜HM2Bのうちの遮光領域に配される部分は、第2位置決め部17のうちの最も高い部分、つまり頂点17A1に対して光学的に重なる位置に配されている。なお、
図11では、遮光膜HM2Bを簡略化して図示している。
【0049】
上記のような構成のハーフトーンマスクHM2を介してフォトレジスト膜F4が露光される(露光工程)。すると、フォトレジスト膜F4は、ハーフトーンマスクHM2の透過領域及び半透過領域に対して光学的に重なる部分が、透過領域及び半透過領域の透過光量の分だけ露光される。その後に現像が行われると、フォトレジスト膜F4は、
図12に示すように、ハーフトーンマスクHM2の透過領域に対して光学的に重なる部分が全て除去されるとともに、遮光領域に対して光学的に重なる部分が全て残存し、さらには半透過領域に対して光学的に重なる部分が、露光量に応じた厚み分が除去される(現像工程)。このようにしてパターニングされたフォトレジスト膜F4は、各第2位置決め部17の形成予定位置に対して重なる部分が残存するとともにその断面形状が第2位置決め部17の断面形状と同様のものとなる。
【0050】
続いて、フォトレジスト膜F4の残存部分をマスクとして利用して被加工膜F3にはドライエッチングまたはウエットエッチングが行われる(エッチング工程)。すると、被加工膜F3は、
図13に示すように、フォトレジスト膜F4により被覆されない部分が全て除去されるのに対し、フォトレジスト膜F4により被覆された部分がフォトレジスト膜F4の膜厚に応じた厚み分が除去される。これにより、配線基板14のうちの各マイクロLED13の実装予定位置に4つずつの第2位置決め部17が形成される。その後、フォトレジスト膜F4をアッシングにより除去する(アッシング工程)。
【0051】
次に、マイクロLED実装工程について説明する。マイクロLED実装工程では、
図14に示すように、マイクロLED製造工程を経て複数のマイクロLED13が板面上に形成された支持基板30を、配線基板製造工程を経て製造された配線基板14に対して貼り合わせるとともに、支持基板30と各マイクロLED13との界面にレーザ光を照射する。レーザ光の照射に伴って、各マイクロLED13が支持基板30から剥離される。ここで、貼り合わせに際し、支持基板30から剥離された複数のマイクロLED13のいずれにも位置ずれが生じていなければ、
図15に示すように、配線基板14に備わる各基板側接続部14Cが各マイクロLED13に備わる各LED側接続部13Cに対して正常に接続(接合)されるとともに、配線基板14に備わる各第2位置決め部17の各凸部17Aが、各マイクロLED13に備わる各第1位置決め部16の各凹部16A内に凹凸嵌合される。これにより、複数のマイクロLED13が一括して配線基板14に対して実装される。
【0052】
一方、貼り合わせやレーザ光の照射が行われるのに伴って生じる振動に起因して支持基板30から剥離された複数のマイクロLED13のいずれかに位置ずれが生じるおそれがある。例えば、
図16では、同図の右から2番目のマイクロLED13が、同図の左側に位置ずれした状態が示されている。このような場合には、
図17に示すように、位置ずれしたマイクロLED13に備わる第1位置決め部16の凹部16Aの傾斜面16A2に対し、対向する第2位置決め部17の凸部17Aの傾斜面17A2が当接される。この状態から貼り合わせが進行するのに伴って、凸部17Aの傾斜面17A2に凹部16Aの傾斜面16A2が摺接されることで、位置ずれしていたマイクロLED13が本来の位置へとスライドさせられる。このようにしてマイクロLED13の位置ずれが矯正されて位置決めが図られるので、
図15に示すように、全てのマイクロLED13に備わるLED側接続部13Cが基板側接続部14Cに対して正常に接続される。なお、
図15に示される状態から、支持基板30は剥離・除去される。
【0053】
以上説明したように本実施形態のマイクロLED実装基板11は、一対の板面(主面)を有する配線基板14であって、一対の板面のうちの一方の板面上に少なくとも複数の基板側接続部14Cが設けられる配線基板14と、発光面13Bと発光面13Bとは反対側の面に設けられていて基板側接続部14Cに接続されるLED側接続部13Cとを少なくとも有するマイクロLED13であって、配線基板14の一方の板面内において並んで配される複数のマイクロLED13と、複数のマイクロLED13の少なくとも一部に設けられて配線基板14における基板側接続部14Cの設置面と対向するよう配される第1位置決め部16と、配線基板14における基板側接続部14Cの設置面に設けられて第1位置決め部16に凹凸嵌合されることで第1位置決め部16を有するマイクロLED13を位置決め可能な第2位置決め部17と、を備える。
【0054】
このようにすれば、配線基板14の一方の板面内において並んで配される複数のマイクロLED13に備わる各LED側接続部13Cが、配線基板14に備わる各基板側接続部14Cに対して接続されると、複数のマイクロLED13における各発光面13Bから発光されるようになっている。複数のマイクロLED13を配線基板14に実装するに際し、マイクロLED13に位置ずれが生じていると、そのマイクロLED13に備わるLED側接続部13Cと接続対象の基板側接続部14Cとが正常に接続されず、マイクロLED13に接続不良が生じるおそれがある。
【0055】
その点、複数のマイクロLED13の少なくとも一部には、配線基板14における基板側接続部14Cの設置面と対向するよう配される第1位置決め部16が設けられるのに対し、配線基板14における基板側接続部14Cの設置面には、第1位置決め部16に凹凸嵌合される第2位置決め部17が設けられているから、複数のマイクロLED13が配線基板14に実装される際に、第1位置決め部16を有するマイクロLED13が位置ずれした場合でも、そのマイクロLED13に備わる第1位置決め部16に第2位置決め部17が凹凸嵌合されることで、マイクロLED13の位置ずれが矯正される。このように位置決めされたマイクロLED13に備わるLED側接続部13Cは、接続対象の基板側接続部14Cに対して正常に接続される。これにより、マイクロLED13に接続不良が生じ難くなる。
【0056】
また、第1位置決め部16は、LED側接続部13Cとは別途に設けられるとともに、第2位置決め部17は、基板側接続部14Cとは別途に設けられる。このようにすれば、仮に第1位置決め部がLED側接続部13Cに一体に設けられるとともに第2位置決め部が基板側接続部14Cに一体に設けられる場合に比べると、LED側接続部13C及び基板側接続部14Cが第1位置決め部16及び第2位置決め部17を設計する上での制約となり難くなる。このように、第1位置決め部16及び第2位置決め部17に係る設計自由度が高くなっているので、例えばマイクロLED13が小型化されるとともにLED側接続部13Cが小型化された場合などにおいても位置決め機能を十分に発揮することができて好適である。
【0057】
また、第1位置決め部16は、LED側接続部13CよりもマイクロLED13における外端寄りに配される。このようにすれば、仮に第1位置決め部がLED側接続部13CよりもマイクロLED13における中心寄りに配される場合に比べると、マイクロLED13の位置決め精度が高いものとなる。
【0058】
また、マイクロLED13は、平面形状が四角形以上の多角形とされており、第1位置決め部16は、マイクロLED13における対角位置に少なくとも2つ配される。このようにすれば、平面形状が四角形以上の多角形とされるマイクロLED13における対角位置に少なくとも2つ配される第1位置決め部16が第2位置決め部17に凹凸嵌合されることで、マイクロLED13の回り止め図られるとともにより高い位置決め精度でもってマイクロLED13の位置決めが図られる。
【0059】
また、第1位置決め部16は、マイクロLED13における各角位置のそれぞれに配される。このようにすれば、平面形状が四角形以上の多角形とされるマイクロLED13における各角位置のそれぞれに配される第1位置決め部16が第2位置決め部17に凹凸嵌合されることで、さらに高い位置決め精度でもってマイクロLED13の位置決めが図られる。
【0060】
また、第1位置決め部16は、複数のマイクロLED13のそれぞれに設けられるのに対し、第2位置決め部17は、複数のマイクロLED13のそれぞれに設けられる複数の第1位置決め部16にそれぞれ凹凸嵌合されるよう複数が設けられる。このようにすれば、複数のマイクロLED13が配線基板14の一方の板面内において並んで配される際に、いずれのマイクロLED13に位置ずれが生じた場合であっても、そのマイクロLED13に備わる第1位置決め部16に第2位置決め部17が凹凸嵌合されることで、マイクロLED13の位置ずれが矯正される。これにより、いずれのマイクロLED13についても接続不良が生じ難くなる。
【0061】
また、本実施形態に係るマイクロLEDディスプレイ10は、上記記載のマイクロLED実装基板11と、画像を表示するための表示単位である複数の画素PXと、を備えており、複数のマイクロLED13が複数の画素PXを構成する。このような構成のマイクロLEDディスプレイ10によれば、マイクロLED13に接続不良が生じ難くなっているので、マイクロLED13によって構成される画素PXの表示機能が損なわれ難くなる。これにより、複数の画素PXによって表示される画像に係る表示品位が良好なものとなる。
【0062】
また、本実施形態に係るマイクロLED実装基板11の製造方法は、発光面13Bと発光面13Bとは反対側の面に設けられるLED側接続部13Cとを少なくとも有するマイクロLED13を複数製造するマイクロLED製造工程と、一対の板面を有する配線基板14のうちの一方の板面上に少なくとも複数の基板側接続部14Cが設けられる配線基板14を製造する配線基板製造工程と、配線基板14に対して一方の板面内に並んで配されるよう複数のマイクロLED13を実装するマイクロLED実装工程と、を備え、マイクロLED製造工程では、複数のマイクロLED13の少なくとも一部に、配線基板14における基板側接続部14Cの設置面と対向するよう配される第1位置決め部16を設け、配線基板製造工程では、配線基板14における基板側接続部14Cの設置面に、第1位置決め部16に凹凸嵌合されることで第1位置決め部16を有するマイクロLED13を位置決め可能な第2位置決め部17を設ける。
【0063】
このようにすれば、マイクロLED実装工程では、マイクロLED製造工程を経て製造された複数のマイクロLED13が、配線基板製造工程を経て製造された配線基板14に対して一方の板面内において並んで配されるよう実装される。すると、複数のマイクロLED13に備わる各LED側接続部13Cが、配線基板14に備わる各基板側接続部14Cに対して接続されることで、複数のマイクロLED13における各発光面13Bから発光されるようになる。マイクロLED実装工程において、マイクロLED13に位置ずれが生じていると、そのマイクロLED13に備わるLED側接続部13Cと接続対象の基板側接続部14Cとが正常に接続されず、マイクロLED13に接続不良が生じるおそれがある。
【0064】
その点、マイクロLED製造工程では、複数のマイクロLED13の少なくとも一部に、配線基板14における基板側接続部14Cの設置面と対向するよう配される第1位置決め部16を設けるのに対し、配線基板製造工程では、配線基板14における基板側接続部14Cの設置面に、第1位置決め部16に凹凸嵌合される第2位置決め部17を設けているから、マイクロLED実装工程において、第1位置決め部16を有するマイクロLED13が位置ずれした場合でも、そのマイクロLED13に備わる第1位置決め部16に第2位置決め部17が凹凸嵌合されることで、マイクロLED13の位置ずれが矯正される。このように位置決めされたマイクロLED13に備わるLED側接続部13Cは、接続対象の基板側接続部14Cに対して正常に接続される。これにより、マイクロLED13に接続不良が生じ難くなる。
【0065】
また、マイクロLED製造工程及び配線基板製造工程では、それぞれハーフトーンマスクHM1,HM2を用いたフォトリソグラフィ法によって第1位置決め部16及び第2位置決め部17を設ける。このようにすれば、互いに凹凸嵌合可能とされる第1位置決め部16及び第2位置決め部17の形状を高い再現性でもって形成することができる。従って、マイクロLED実装基板11を量産する上で好適となる。
【0066】
<実施形態2>
実施形態2を
図18または
図19によって説明する。この実施形態2では、第1位置決め部116及び第2位置決め部117の設置数を変更したものを示す。なお、上記した実施形態1と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
【0067】
本実施形態に係る第1位置決め部116は、
図18に示すように、平面形状が方形状とされるマイクロLED113におけるLED側接続部113Cの設置面のうちの対角位置に2つが配されている。これに伴って第2位置決め部117は、
図19に示すように、配線基板114におけるマイクロLED113の実装領域のうちの対角位置に2つが配されている。このような構成であっても、上記した実施形態1と同様に、十分に高い位置決め精度でもってマイクロLED113の位置決めを図ることができる。
【0068】
<実施形態3>
実施形態3を
図20から
図22によって説明する。この実施形態3では、上記した実施形態1から第1位置決め部216及び第2位置決め部217の設置数などを変更したものを示す。なお、上記した実施形態1と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
【0069】
本実施形態に係る配線基板214には、
図20及び
図21に示すように、4つの支持基板230が貼り付けられることで、複数のマイクロLED213が実装されるようになっている。つまり、配線基板214に実装される複数のマイクロLED213は、支持基板230毎に4つのグループに分類することができる。各グループに属するマイクロLED213は、配線基板214の板面内において、X軸方向について3個ずつ並ぶとともにY軸方向について5個ずつ並んでいて、合計15個とされる。なお、
図20には、マイクロLED213に係るグループ(支持基板230)の境界線を一点鎖線にて図示している。
【0070】
そして、第1位置決め部216は、
図20及び
図21に示すように、上記した4つのグループに属する複数ずつのマイクロLED213のうち、支持基板230における各角位置付近に配される4つずつのマイクロLED213に対して選択的に設けられており、残りのマイクロLED213には非設置とされる。詳しくは、第1位置決め部216は、上記した4つずつのマイクロLED213に対して1つずつ設けられている。4つずつの第1位置決め部216は、設置対象となる各マイクロLED213におけるLED側接続部213Cの設置面のうち、支持基板230における各角位置に最も近い角位置に配されている。なお、第1位置決め部216は、配線基板214における各角位置付近に配される4つのマイクロLED213にも設けられている。これに対し、第2位置決め部217は、配線基板214に対して貼り合わせられる4つの支持基板230における四隅の各角位置付近に4つずつ設けられている。以上のように、配線基板214の板面内においてマトリクス状に並んで配される複数のマイクロLED213には、第1位置決め部216が非設置とされるものが含まれることになる。これにより、マイクロLED213の小型化が進行し、全てのマイクロLED213に第1位置決め部216を設置するのが困難な場合に好適となる。
【0071】
マイクロLED実装基板211の製造方法に含まれるマイクロLED実装工程では、
図21に示すように、配線基板214に対して4つの支持基板230をそれぞれ貼り合わせるとともに、各支持基板230と各マイクロLED213との界面にレーザ光を照射する。このとき、
図22に示すように、支持基板230及び配線基板214の各角位置に配される各マイクロLED213に対して選択的に設けられた第1位置決め部216が第2位置決め部217に凹凸嵌合される。これにより、第1位置決め部216を有する各マイクロLED213の位置決めが図られるとともに、支持基板230と配線基板214との位置決めを図ることができる。
【0072】
以上説明したように本実施形態によれば、配線基板214は、平面形状が四角形以上の多角形とされており、複数のマイクロLED213は、配線基板214の板面内においてマトリクス状に並んで配されており、第1位置決め部216は、複数のマイクロLED213のうち、配線基板214の各角位置に配される複数のマイクロLED213に対して選択的に設けられる。このようにすれば、配線基板214の板面内においてマトリクス状に並んで配される複数のマイクロLED213には、第1位置決め部216が非設置とされるものが含まれることになる。これにより、マイクロLED213の小型化が進行し、全てのマイクロLED213に第1位置決め部216を設置するのが困難な場合に好適となる。また、製造に際し、予め複数のマイクロLED213を支持基板230上に支持させておき、その支持基板230を配線基板214に対して貼り合わせることで、複数のマイクロLED213を配線基板214に対して一括して配置する手法を採った場合には、配線基板214の各角位置に配される各マイクロLED213に対して選択的に設けられた第1位置決め部216が第2位置決め部217に凹凸嵌合されることで、それらのマイクロLED213の位置決めが図られるとともに支持基板230と配線基板214との位置決めを図ることが可能となる。
【0073】
<実施形態4>
実施形態4を
図23から
図25によって説明する。この実施形態4では、上記した実施形態1から配線基板314及び支持基板330に位置決め構造を設けるよう変更したものを示す。なお、上記した実施形態1と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
【0074】
本実施形態に係る配線基板314における基板側接続部314Cの設置面上には、
図23及び
図24に示すように、第2基板間位置決め部18が設けられている。なお、
図23には、各画素PXが配置されて画像が表示される表示領域AAを一点鎖線にて図示している。第2基板間位置決め部18は、配線基板314における四隅の各角位置にそれぞれ設けられている。第2基板間位置決め部18は、第2位置決め部317と同様に、平面形状が方形状をなすとともに、その突出先端側部分が四角錐形状をなしている。第2基板間位置決め部18のうち、四角錐形状をなす突出先端側部分が、第2位置決め部317の凸部317Aと同様の凸部18Aを構成している。また、配線基板314には、各配線314A,314Bを介してマイクロLED313に接続される回路部19が設けられている。回路部19は、各配線314A,314Bに信号を入力することで、各マイクロLED313の駆動を制御することが可能とされる。回路部19は、各配線314A,314Bと同じ金属膜などによって配線基板314に対してモノリシックに形成されている。回路部19は、配線基板314のうちの外端側部分に配されている。なお、
図23では、回路部19の図示を省略している。そして、第2基板間位置決め部18は、回路部19に対して重畳するよう配されている。なお、回路部19に含まれる導電部分は、絶縁膜により被覆されており、その絶縁膜が当該導電部分と第2基板間位置決め部18との間に介在している。このような構成の第2基板間位置決め部18は、マイクロLED実装基板311の製造方法に含まれる配線基板製造工程にて配線基板314に設けられている。
【0075】
一方、支持基板330には、
図24に示すように、基板側接続部314Cに対して凹凸嵌合可能とされる第1基板間位置決め部31が設けられている。第1基板間位置決め部31は、支持基板330における四隅の各角位置にそれぞれ設けられている。第1基板間位置決め部31は、マイクロLED313に備わる第1位置決め部316と同様に、平面形状が方形状をなすとともに、その突出先端側部分が四角錐型に凹まされている。第1基板間位置決め部31における突出先端側部分には、第1位置決め部316の凹部316Aと同様に、配線基板314側に向けて開口する凹部31Aが形成されている。このような構成の第1基板間位置決め部31は、マイクロLED実装基板311の製造方法に含まれるマイクロLED製造工程にて支持基板330に設けられている。
【0076】
マイクロLED実装基板311の製造方法に含まれるマイクロLED実装工程において、支持基板330が配線基板314に対して貼り合わせられる際には、
図24及び
図25に示すように、支持基板330に備わる第1基板間位置決め部31の凹部31Aに対して配線基板314に備わる第2基板間位置決め部18の凸部18Aが凹凸嵌合される。これにより、仮に支持基板330が配線基板314に対して位置ずれした場合でも、支持基板330の位置ずれが矯正されて位置決めが図られるようになっている。このように位置決めされた支持基板330が配線基板314に対して貼り合わせられることで、各第1位置決め部316及び各第2位置決め部317がそれぞれ凹凸嵌合されることも相まって、複数のマイクロLED313に備わる各LED側接続部313Cが接続対象の基板側接続部314Cに対して正常に接続され易くなっている。
【0077】
以上説明したように本実施形態によれば、マイクロLED製造工程では、複数のマイクロLED313を、一対の板面を有する支持基板330における一方の板面上に並んで配されるよう設けるとともに支持基板330における一方の板面上に第1基板間位置決め部31を設けるようにし、配線基板製造工程では、配線基板314における基板側接続部314Cの設置面上に、第1基板間位置決め部31に凹凸嵌合されることで支持基板330を配線基板314に対して位置決め可能な第2基板間位置決め部18を設ける。このようにすれば、マイクロLED実装工程では、支持基板330を配線基板314に対して貼り合わせることで、複数のマイクロLED313を配線基板314に対して一括して実装することができる。しかも、マイクロLED実装工程において、支持基板330が配線基板314に対して位置ずれした場合でも、第1基板間位置決め部31に第2基板間位置決め部18が凹凸嵌合されることで、支持基板330の位置ずれが矯正される。このように位置決めされた支持基板330が配線基板314に対して貼り合わせられることで、複数のマイクロLED313に備わる各LED側接続部313Cが接続対象の基板側接続部314Cに対して正常に接続され易くなる。
【0078】
また、配線基板製造工程では、配線基板314における一方の板面(主面)上にマイクロLED313に接続される回路部19を設けるとともに第2基板間位置決め部18を回路部に対して重畳するよう設ける。このようにすれば、仮に第2基板間位置決め部が回路部19に対して非重畳となるよう配される場合に比べると、第2基板間位置決め部18の専用の配置スペースを配線基板314に設定せずに済む。これにより、マイクロLED実装基板311の小型化を図る上で好適となる。
【0079】
<実施形態5>
実施形態5を
図26から
図28によって説明する。この実施形態5では、上記した実施形態4から第2基板間位置決め部418の配置を変更したものを示す。なお、上記した実施形態1と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
【0080】
本実施形態に係る第2基板間位置決め部418は、
図26に示すように、配線基板414において回路部419とは非重畳となる位置に配されている。詳しくは、第2基板間位置決め部418は、配線基板414のうち、回路部419よりも外端寄りの位置に配されている。
【0081】
そして、本実施形態に係るマイクロLED実装基板411の製造方法は、マイクロLED実装工程の後に行われて、配線基板414における不要な端部414Eを分断して除去する端部除去工程を備える。マイクロLED実装工程の前に行われる配線基板製造工程では、配線基板414のうち、後の端部除去工程にて除去される端部414Eに第2基板間位置決め部418が設けられている。このとき、回路部419は、配線基板414のうちの除去されない部分(端部414E以外の部分)に設けられている。
【0082】
マイクロLED実装工程が行われると、
図26及び
図27に示すように、支持基板430が配線基板414に対して貼り合わせられる。このとき、支持基板430に備わる第1基板間位置決め部431の凹部431Aに対して配線基板414に備わる第2基板間位置決め部418の凸部418Aが凹凸嵌合される。これにより、仮に支持基板430が配線基板414に対して位置ずれした場合でも、支持基板430の位置ずれが矯正されて位置決めが図られるようになっている。
【0083】
その後、支持基板430が剥離されてから、端部除去工程が行われると、
図28に示すように、配線基板414における不要な端部414Eが除去される。このとき、端部414Eに設けられた第2基板間位置決め部418についても端部414Eと共に除去される。以上のようにして製造されたマイクロLED実装基板411には、第2基板間位置決め部418が残存することがないので、マイクロLED実装基板411の小型化を図る上で好適となっている。
【0084】
以上説明したように本実施形態によれば、マイクロLED実装工程の後に行われて、配線基板414における不要な端部414Eを分断して除去する端部除去工程を備えており、配線基板製造工程では、配線基板414のうち端部除去工程にて除去される端部414Eに第2基板間位置決め部418を設ける。このようにすれば、端部除去工程が行われると、配線基板414における不要な端部414Eと共に第2基板間位置決め部418が除去される。製造されたマイクロLED実装基板411には、第2基板間位置決め部418が残存しないので、マイクロLED実装基板411の小型化を図る上で好適となる。
【0085】
<実施形態6>
実施形態6を
図29から
図32によって説明する。この実施形態6では、上記した実施形態1から第1位置決め部516及び第2位置決め部517の構成を変更したものを示す。なお、上記した実施形態1と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
【0086】
本実施形態に係る第1位置決め部516は、
図29及び
図31に示すように、LED側接続部513Cに一体に設けられている。つまり、LED側接続部513Cは、その形状を上記した実施形態1に記載した第1位置決め部16(
図2を参照)と同様にすることで、凹部516Aを有する第1位置決め部516として機能する。第2位置決め部517は、
図30及び
図31に示すように、基板側接続部514Cに一体に設けられている。つまり、基板側接続部514Cは、その形状を上記した実施形態1に記載した第2位置決め部17(
図2を参照)と同様にすることで、凸部517Aを有する位置決め部517として機能する。このようにすれば、上記した実施形態1のように、第1位置決め部16がLED側接続部13Cとは別途に設けられるとともに第2位置決め部17が基板側接続部14Cとは別途に設けられる場合に比べると、第1位置決め部516及び第2位置決め部517の専用の配置スペースが不要となるとともにマイクロLED513及び配線基板514の構成が簡素化される。
【0087】
マイクロLED実装工程が行われると、
図31及び
図32に示すように、支持基板530が配線基板514に対して貼り合わせられる。このとき、マイクロLED513に備わるLED側接続部513C及び第1位置決め部516の凹部516Aに対して配線基板514に備わる基板側接続部514C及び第2位置決め部517の凸部517Aが凹凸嵌合される。これにより、仮にマイクロLED513に位置ずれが生じていた場合でも、そのマイクロLED513の位置ずれが矯正されて位置決めが図られるようになっている。それに加え、LED側接続部513Cと基板側接続部514Cとの接続が図られる。
【0088】
以上説明したように本実施形態によれば、第1位置決め部516は、LED側接続部513Cに一体に設けられるとともに、第2位置決め部517は、基板側接続部514Cに一体に設けられる。このようにすれば、仮に第1位置決め部がLED側接続部513Cとは別途に設けられるとともに第2位置決め部が基板側接続部514Cとは別途に設けられる場合に比べると、第1位置決め部516及び第2位置決め部517の専用の配置スペースが不要となるとともにマイクロLED513及び配線基板514の構成が簡素化される。
【0089】
<実施形態7>
実施形態7を
図33によって説明する。この実施形態7では、上記した実施形態1から第1位置決め部616及び第2位置決め部617の構成を変更したものを示す。なお、上記した実施形態1と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
【0090】
本実施形態に係る各マイクロLED613に4つずつ備わる第1位置決め部616と、配線基板614に備わる複数の第2位置決め部617と、には、
図33に示すように、平面形状が異なるものが複数ずつ含まれている。なお、
図33では、マイクロLED613に係る構成を二点鎖線にて図示している。具体的には、複数ずつの第1位置決め部616及び第2位置決め部617には、平面形状が円形状のものと、四角形状のものと、三角形状のものと、菱形形状のものと、十字形状のものと、がそれぞれ含まれている。平面形状が異なる複数種類の第1位置決め部616は、いずれも凹部が最も深い位置に頂点を有する錐形状をなしている。平面形状が異なる複数種類の第2位置決め部617は、いずれも凸部が最も高い位置に頂点を有する錐形状をなしている。
【0091】
そして、複数ずつの第1位置決め部616及び第2位置決め部617は、互いの平面形状に係る組み合わせが一致すれば凹凸嵌合可能とされるものの、平面形状に係る組み合わせが不一致であれば凹凸嵌合不能とされるように複数の組をなして構成されている。例えば、平面形状が円形状の第1位置決め部616は、平面形状が円形状の第2位置決め部617には、凹凸嵌合可能であるものの、平面形状が四角形状、三角形状、菱形形状及び十字形状の各第2位置決め部617には、凹凸嵌合不能とされる。平面形状が四角形状、三角形状、菱形形状及び十字形状の各第1位置決め部616も同様である。その上で、複数ずつの第1位置決め部616及び第2位置決め部617は、異なる組のものがそれぞれマイクロLED613の中心に対して回転非対称となるよう配される。例えば、
図33の左上のマイクロLED613に着目すると、平面形状が円形状の第1位置決め部616及び第2位置決め部617が同図左上角位置にあり、平面形状が四角形状の第1位置決め部616及び第2位置決め部617が残りの3つの角位置にある。従って、このマイクロLED613は、
図33に示される姿勢から自身の中心周りに90°、180°及び270°の各角度分回転した場合、いずれであっても少なくとも1組の第1位置決め部616及び第2位置決め部617が凹凸嵌合不能となる。残りのマイクロLED613についても同様である。
【0092】
マイクロLED実装基板611の製造方法に含まれるマイクロLED実装工程では、貼り合わせやレーザ光の照射が行われるのに伴って生じる振動に起因して支持基板から剥離された複数のマイクロLED613のいずれかが自身の中心周りに回動する形で位置ずれするおそれがある。その場合であっても、複数ずつの第1位置決め部616及び第2位置決め部617は、異なる組のものがそれぞれマイクロLED613の中心に対して回転非対称となるよう配されているから、位置ずれしたマイクロLED613に備わる複数の第1位置決め部616のいずれかが、配線基板614に備わる複数の第2位置決め部617のいずれかに対して組み合わせが不一致の関係となる。これにより、組み合わせが不一致の第1位置決め部616が第2位置決め部617に対して凹凸嵌合不能となるので、自身の中心周りに回動する形で位置ずれしたマイクロLED613が誤って実装されるのを防ぐことができる。位置ずれしていて配線基板614に実装されなかったマイクロLED613は、マイクロLED実装工程を終えた後に配線基板614をひっくり返すと、配線基板614から脱落する。従って、マイクロLED実装基板611を量産する際に、配線基板614をひっくり返してマイクロLED613が脱落した場合には、位置ずれしたマイクロLED613が存在していたことが分かるので、配線基板614におけるマイクロLED613の非実装箇所に改めてマイクロLED613を実装する修理を行うことができる。
【0093】
以上説明したように本実施形態によれば、マイクロLED613には、複数の第1位置決め部616が設けられるのに対し、配線基板614には、複数の第2位置決め部617が設けられており、複数ずつの第1位置決め部616及び第2位置決め部617は、組み合わせが一致すれば嵌合可能とされるものの組み合わせが不一致であれば嵌合不能とされるように複数の組をなして構成されるとともに、異なる組のものがそれぞれマイクロLED613の中心に対して回転非対称となるよう配される。マイクロLED613が配線基板614に対して実装される際には、マイクロLED613が自身の中心周りに回動する形で位置ずれするおそれがある。その場合であっても、複数ずつの第1位置決め部616及び第2位置決め部617は、異なる組のものがそれぞれマイクロLED613の中心に対して回転非対称となるよう配されているから、位置ずれしたマイクロLED613に備わる複数の第1位置決め部616のいずれかが、配線基板614に備わる複数の第2位置決め部617のいずれかに対して組み合わせが不一致の関係となる。これにより、組み合わせが不一致の第1位置決め部616が第2位置決め部617に対して嵌合不能となるので、自身の中心周りに回動する形で位置ずれしたマイクロLED613が誤って実装されるのを防ぐことができる。
【0094】
<他の実施形態>
本明細書が開示する技術は、上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も技術的範囲に含まれる。
【0095】
(1)第1位置決め部16,116,216,316,516,616側に凸部を設けるようにし、第2位置決め部17,117,217,317,517,617側に凹部を設けるようにしてもよい。
【0096】
(2)マイクロLED13,113,213,313,513,613における第1位置決め部16,116,216,316,516,616の設置数は、1つでもよく、また3つでもよく、また5つ以上でもよい。
【0097】
(3)第1位置決め部16,116,216,316,516,616の凹部16A,316A,516Aに関する形状や第2位置決め部17,117,217,317,517,617の凸部17A,317A,517Aに関する形状は、錐形状以外にも変更可能である。
【0098】
(4)実施形態1~6に記載の第1位置決め部16,116,216,316,516及び第2位置決め部17,117,217,317,517の平面形状を、実施形態7に記載した円形状、三角形状、菱形形状及び十字形状のいずれかに変更することも可能であり、さらにはこれら以外(楕円形状、五角形以上の多角形状、星形状など)に変更してもよい。
【0099】
(5)実施形態7に記載の第1位置決め部616及び第2位置決め部617の平面形状に係る種類数は、4つ以下でもよく、また6つ以上でもよい。
【0100】
(6)実施形態3に記載の第1位置決め部216は、複数のマイクロLED213のうち、配線基板214における四隅の各角位置付近に配される4つのマイクロLED213に対して選択的に設けられており、残りのマイクロLED213には非設置とされても構わない。
【0101】
(7)実施形態4,5に記載の第2基板間位置決め部18,418及び第1基板間位置決め部31,431の凹凸関係と、マイクロLED313の位置決めに係る第1位置決め部316及び第2位置決め部317の凹凸関係とを逆にしてもよい。
【0102】
(8)実施形態5に記載のマイクロLED実装基板411の製造方法に備わる端部除去工程では、配線基板414の外周端部を部分的に除去することができるが、配線基板414の外周端部を全周にわたって除去することも可能である。
【0103】
(9)マイクロLED実装基板11,211,311,411,611の製造方法に備わるマイクロLED製造工程及び配線基板製造工程にて用いられる各フォトレジスト膜F2,F4を、ネガ型の感光性材料からなるようにしても構わない。
【0104】
(10)マイクロLED実装基板11,211,311,411,611の製造方法に備わるマイクロLED製造工程及び配線基板製造工程では、フォトマスクとしてハーフトーンマスクHM1,HM2と同様の透過領域、半透過領域及び遮光領域を有するグレートーンマスクを用いることも可能である。
【0105】
(11)マイクロLED実装基板11,211,311,411,611の製造方法に備わるマイクロLED製造工程及び配線基板製造工程にて用いられる被加工膜F1,F3は、感光性材料により構成されていても構わない。その場合、ハーフトーンマスクHM1,HM2を用いて被加工膜F1,F3を露光することができるから、フォトレジスト膜F2,F4が不要になる。
【0106】
(12)マイクロLED実装基板11,211,311,411,611の製造方法に備わるマイクロLED製造工程及び配線基板製造工程では、被加工膜F1,F3の成膜に際し、PVDやCVD以外の方法として、例えばインクジェット装置による塗布、液相析出法などを用いることも可能である。
【0107】
(13)マイクロLED実装基板11,211,311,411,611の製造方法に備わるマイクロLED製造工程及び配線基板製造工程では、フォトリソグラフィ法以外の方法として、インクジェット装置による塗布や3Dプリンタによって第1位置決め部16,116,216,316,516,616や第2位置決め部17,117,217,317,517,617を設けることも可能である。
【0108】
(14)マイクロLED実装基板11,211,311,411,611の製造方法に備わるマイクロLED製造工程及び配線基板製造工程では、被加工膜F1,F3及びフォトレジスト膜F2,F4を成膜した後に行われるフォトレジスト膜F2,F4の焼成に係る焼成温度を工夫することで、ハーフトーンマスクHM1,HM2を用いることなく、凹部16A,316A,516Aを有する第1位置決め部16,116,216,316,516,616や凸部17A,317A,517Aを有する第2位置決め部17,117,217,317,517,617を設けることも可能である。
【0109】
(15)マイクロLED実装基板11,211,311,411,611の製造方法に備わるマイクロLED実装工程では、配線基板14,114,214,314,514,614に対して貼り合わせられる支持基板30,230,330,430,530の枚数は、1枚及び4枚以外に、2枚、3枚、5枚以上のいずれであっても構わない。
【0110】
(16)マイクロLED実装基板11,211,311,411,611の製造方法に備わるマイクロLED実装工程では、支持基板30,230,330,430,530とマイクロLED13,113,213,313,513,613との界面にレーザ光を照射するタイミングや回数を適宜に変更することが可能である。
【0111】
(17)マイクロLED13,113,213,313,513,613は、200nm~380nmの近紫外線を発光するものでもよい。その場合、青色画素BPXを構成するマイクロLED13,113,213,313,513,613には、無蛍光体層12Tに代えて、近紫外線を青色光に変換する青色蛍光体層を設けるようにすればよい。
【0112】
(18)第1位置決め部16,116,216,316,516,616は、マイクロLED13,113,213,313,513,613の側面に設けられていてもよい。
【0113】
(19)マイクロLED実装基板11,211,311,411,611は、マイクロLEDディスプレイ10以外の用途(例えば照明装置など)に用いることも可能である。その場合、全てのマイクロLED13,113,213,313,513,613が例えば白色発光などするよう構成されてもよい。
【符号の説明】
【0114】
10…マイクロLEDディスプレイ、11,211,311,411,611…マイクロLED実装基板、13,113,213,313,513,613…マイクロLED、13B…発光面、13C,113C,213C,313C,513C…LED側接続部、14,114,214,314,414,514,614…配線基板、14C,314C,514C…基板側接続部、16,116,216,316,516,616…第1位置決め部、17,117,217,317,517,617…第2位置決め部、18,418…第2基板間位置決め部、19,419…回路部、30,230,330,430,530…支持基板、31,431…第1基板間位置決め部、414E…端部、HM1,HM2…ハーフトーンマスク、PX…画素