(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022170859
(43)【公開日】2022-11-11
(54)【発明の名称】通行管理システム、通行管理方法、及び通行管理装置
(51)【国際特許分類】
G08G 1/065 20060101AFI20221104BHJP
G07B 15/00 20110101ALI20221104BHJP
G08G 1/04 20060101ALI20221104BHJP
G08G 1/09 20060101ALI20221104BHJP
G08G 1/017 20060101ALI20221104BHJP
G16Y 10/40 20200101ALI20221104BHJP
G16Y 40/10 20200101ALI20221104BHJP
【FI】
G08G1/065
G07B15/00 510
G08G1/04 D
G08G1/09 F
G08G1/017
G16Y10/40
G16Y40/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021077118
(22)【出願日】2021-04-30
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 美彦
(72)【発明者】
【氏名】青木 泰浩
(72)【発明者】
【氏名】竹林 泰弘
【テーマコード(参考)】
3E127
5H181
【Fターム(参考)】
3E127AA16
3E127BA35
3E127CA13
3E127CA18
3E127DA21
3E127FA24
3E127FA27
5H181AA01
5H181BB04
5H181BB12
5H181BB13
5H181BB15
5H181CC04
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5H181EE07
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5H181FF04
5H181FF10
5H181FF13
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ETC対応車両と非ETC対応車両とが混在するシーンで非ETC対応車両の特定に優れた通行管理システムを提供すること。
【解決手段】通行管理システムは、路側装置と通行管理装置とを備える。路側装置は、車線を撮影するカメラと、車線を走行する無線通信対応車両の車載器から車両情報を受信し、通行管理装置に送信する。通行管理装置は、車線を撮影した画像及び無線通信対応車両の車両情報を路側装置から受信し、撮影画像からナンバープレート情報を検出するとともに、撮影画像から検出されるナンバープレート情報及び無線通信対応車両情報から検出される無線対応車両ナンバープレート情報を照合し、照合結果に基づき無線通信非対応車両を特定し、無線通信非対応車両通行履歴を出力する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両が通行する車線に配置される路側装置と、前記路側装置からの情報に基づき車両の通行を管理する通行管理装置とを備える通行管理システムであって、
前記路側装置は、
前記車線を撮影し撮影画像を出力するカメラと、
車載器を搭載して前記車線を走行する無線通信対応車両の前記車載器との無線通信により前記車載器から無線通信対応車両情報を受信する第1の通信部と、を備え、
前記通行管理装置は、
前記撮影画像及び前記無線通信対応車両情報を受信する第2の通信部と、
前記撮影画像からナンバープレート情報を検出する画像車両情報検出部と、
前記無線通信対応車両情報から無線対応車両ナンバープレート情報を検出する無線通信対応車両情報検出部と、
前記撮影画像から検出されるナンバープレート情報及び前記無線通信対応車両情報から検出される無線対応車両ナンバープレート情報を照合し、照合結果に基づき無線通信非対応車両を特定する無線通信非対応車両特定部と、
前記無線通信非対応車両に関する無線通信非対応車両通行履歴を出力する通行履歴出力部と、
を備える通行管理システム。
【請求項2】
前記無線通信非対応車両特定部は、前記画像車両情報検出部により検出された画像抽出ナンバープレート情報が前記無線通信対応車両情報検出部により検出された前記無線対応車両ナンバープレート情報と一致しない場合に、前記画像抽出ナンバープレート情報に対応する車両を、前記無線通信非対応車両として特定する、
請求項1記載の通行管理システム。
【請求項3】
前記第1の通信部の通信エリアは、前記カメラの撮影エリアを含み、
前記無線通信非対応車両特定部は、第1の撮影時間帯の前記撮影画像から検出される画像抽出ナンバープレート情報と、前記第1の撮影時間帯に対応する第1の通信時間帯の前記無線通信対応車両情報から検出される無線通信対応ナンバープレート情報と照合する、
請求項2記載の通行管理システム。
【請求項4】
前記無線通信非対応車両通行履歴は、前記無線通信非対応車両の前記画像抽出ナンバープレート情報を含む、請求項2又は3記載の通行管理システム。
【請求項5】
前記画像車両情報検出部は、前記撮影画像から前記無線通信非対応車両の画像を検出し、
前記無線通信非対応車両通行履歴は、前記無線通信非対応車両の画像、及び前記無線通信非対応車両の画像の撮影日時、及び前記無線通信非対応車両の画像の撮影位置の少なくとも一つを含む、
請求項4記載の通行管理システム。
【請求項6】
前記路側装置は、入口料金所及び出口料金所に設置された路側装置であって、
前記通行履歴出力部は、入口料金所と出口料金所からの両方または少なくとも一方の情報により、無線通信非対応車両の通行区間を特定して無線通信非対応車両の通行履歴を作成する、
請求項1記載の通行管理システム。
【請求項7】
前記路側装置は、入口料金所及び出口料金所の少なくとも一方に設けられた路側装置、及びフリーフローの本線上の路側装置であって、
前記通行履歴出力部は、入口料金所及び出口料金所の少なくとも一方に設けられた路側装置からの情報に、本線上の路側装置からの情報を加えて、無線通信非対応車両の通行経路を判定し、前記通行経路を含む通行履歴を出力する、
請求項1記載の通行管理システム。
【請求項8】
さらに、マップ管理サーバを備え、
前記マップ管理サーバは、デジタルマップを有し、前記路側装置から出力される前記撮影画像に含まれる車両の位置を、前記デジタルマップに基づき特定し、
前記通行履歴出力部は、車両の位置に基づき無線通信非対応車両の通行経路を特定して、前記通行経路を含む前記無線通信非対応車両通行履歴を出力する、
請求項1記載の通行管理システム。
【請求項9】
車両が通行する車線に沿って配置されるカメラから出力される車線の撮影画像、及び車載器を搭載して前記車線を通行する無線通信対応車両の前記車載器と通信する第1の通信部から送信される無線通信対応車両情報を受信する第2の通信部と、
前記撮影画像からナンバープレート情報を検出する画像車両情報検出部と、
前記無線通信対応車両情報から無線対応車両ナンバープレート情報を検出する無線通信対応車両情報検出部と、
前記撮影画像から検出されるナンバープレート情報及び前記無線通信対応車両情報から検出される無線対応車両ナンバープレート情報を照合し、照合結果に基づき無線通信非対応車両を特定する無線通信非対応車両特定部と、
前記無線通信非対応車両に関する無線通信非対応車両通行履歴を出力する通行履歴出力部と、
を備える通行管理装置。
【請求項10】
車両が通行する車線に沿って配置される路側装置は、
前記車線を撮影し撮影画像を出力し、車載器を搭載して前記車線を走行する無線通信対応車両の前記車載器との無線通信により前記車載器から無線通信対応車両情報を受信し、
前記路側装置からの情報に基づき車両の通行を管理する通行管理装置は、
前記撮影画像及び前記無線通信対応車両情報を受信し、
前記撮影画像からナンバープレート情報を検出し、
前記無線通信対応車両情報からナンバープレート情報を検出し、
前記撮影画像から検出されるナンバープレート情報及び前記無線通信対応車両情報から検出される無線通信対応ナンバープレート情報を照合し、照合結果に基づき無線通信非対応車両を特定し、
前記無線通信非対応車両に関する無線通信非対応車両通行履歴を出力する、
通行管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、通行管理システム、通行管理方法、及び通行管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
有料道路における通行料金収受方式として、無線通信を利用した電子料金収受システム(Electronic Toll Collection System、以下、ETCシステム)が普及している。しかしながら、ETCシステムを利用しない車両(以下、非ETC対応車両)もある一定数存在することから、有料道路の入口料金所、及び出口料金所には、ETC用レーンと料金収受員対応レーンとの両方が用意され、それぞれのレーンに通行可否判定に応じて開閉するゲートが設置される。これにより、ETCシステムの無線通信に対応の車載器を搭載した車両(以下、ETC対応車両)、及び非ETC対応車両の何れに対しても課金処理が可能となっている。
【0003】
また、固定額の通行料金を課金する有料道路等では、入口料金所でETC車用のレーン、及び収受員の配置された現金収受用レーンを設けて料金収受を行い、出口はフリーフローと呼ばれるタイプの出口が採用されることがある。また、現金収受車に対しては固定額、ETC対応車両に対しては対距離制の料金体系をとる有料道路では、フリーフローの出口にはゲートは設置されず、出口に設置されたガントリーの路側装置とETC対応車両の車載器との通信により、料金収受に必要な情報が送受信され、ETC対応車両に対して対距離制に応じた適切な課金処理が実行される。
【0004】
また、非ETC対応車両に対応するための料金所では、通行券に基づく利用区間の特定や車種の特定作業が必要なため、完全な無人化は困難なため収受員の配置が必須となるため、どうしてもコスト増となる。ETCの普及率が高まった結果、道路事業者にとっては、相対的に利用率が低くなった非ETC車両への対応のためのコストの負担感が大きくなってきている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2018-36817号公報
【特許文献2】特開2019-117519号公報
【特許文献3】特開2019-139299号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の通り、非ETC対応車両コスト削減等の理由から、有料道路のETC専用化が検討されている。ETCの専用化が実施されると、収受員対応レーンの廃止が見込まれるが、この場合、ETC車両用の料金所において、どのようにして非ETC対応車両に対する料金徴収を行うかの対策が課題となっている。そのためには、ETC対応車両と非ETC対応車両とが混在するシーンで、非ETC対応車両を特定する必要がある。
【0007】
本発明の目的は、ETC対応車両と非ETC対応車両とが混在するシーンで非ETC対応車両の通行状況の特定に優れた通行管理システム、通行管理方法、及び通行管理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態に係る通行管理システムは、車両が通行する車線に配置される路側装置と、前記路側装置からの情報に基づき車両の通行を管理する通行管理装置とを備える。前記路側装置は、前記車線を撮影し撮影画像を出力するカメラと、車載器を搭載して前記車線を走行する無線通信対応車両の前記車載器との無線通信により前記車載器から無線通信対応車両情報を受信する第1の通信部と、を備える。前記通行管理装置は、前記撮影画像及び前記無線通信対応車両情報を受信する第2の通信部と、前記撮影画像からナンバープレート情報を検出する画像車両情報検出部と、前記無線通信対応車両情報から無線対応車両ナンバープレート情報を検出する無線通信対応車両情報検出部と、前記撮影画像から検出されるナンバープレート情報及び前記無線通信対応車両情報から検出される無線対応車両ナンバープレート情報を照合し、照合結果に基づき無線通信非対応車両を特定する無線通信非対応車両特定部と、前記無線通信非対応車両に関する無線通信非対応車両通行履歴を出力する通行履歴出力部と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、第1の実施形態に係るETCシステムによる料金収受の概要を説明するための図である。
【
図2】
図2は、第1の実施形態に係るETCシステムの概略構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、第1の実施形態に係る中央サーバの概略構成の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、第1の実施形態に係る入口料金所又は出口料金所に設けられる路側装置の概略構成の一例を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、第1の実施形態に係る入口又は出口の路側装置の車線への適用例を示す斜視図である。
【
図6】
図6は、第1の実施形態に係る車載器の概略構成の一例を示すブロック図である。
【
図7】
図7は、路側装置による通行車両情報の取得例を示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、中央サーバによるETC対応車両/非ETC対応車両の特定処理の一例を示すフローチャートである。
【
図9】
図9は、第1の実施形態の変形例に係る中央サーバ及び車線サーバの概略構成の一例を示す図である。
【
図10】
図10は、第3の実施形態に係る本線のフリーフローやチェックバリア等に設けられる路側装置の概略構成の一例を示すブロック図である。
【
図11】
図11は、第3の実施形態に係る路側装置の本線への適用例を示す斜視図である。
【
図12】
図12は、有料道路における通信エリア及び撮影エリアの一例を示す図である。
【
図13】
図13は、有料道路における通信エリアに含まれる車両画像の検出例を説明するための図である。
【
図14】
図14は、有料道路における通信エリアに含まれる車両画像からETC対応車両と非ETC対応車両の検出例を説明するための図である。
【
図15】
図15は、第1の実施形態に係るナンバープレート情報の読み取り処理の一例を示すフローチャートである。
【
図16】
図16は、第4の実施形態に係る車両の位置情報を高精度化するダイナミックマップ管理サーバの構成の一例を示す図である。
【
図17】
図17は、ダイナミックマップ管理サーバのマッピング処理部によるマッピング処理のイメージである。
【
図18】
図18は、撮影画像から検出される車両画像と道路上の車両の対応付けのイメージを示す図である。
【
図19】
図19は、撮影画像から検出される車両画像と有料道路上の車両の対応付けの一例を示すフローチャートである。
【
図20】
図20は、第4の実施形態に係る通行履歴の更新例を示す図である。
【
図21】
図21は、第4の実施形態に係る交通量に基づく移動距離推定の一例を示す図である。
【
図22】
図22は、第4の実施形態に係る通行履歴検索の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<第1の実施形態>
以下、図面を参照して第1の実施形態に係るETCシステムの一例について説明する。ここで説明するETCシステムは、車両管理システムの一例である。
【0011】
[構成]
図1は、第1の実施形態に係るETCシステムによる料金収受の概要を説明するための図である。
図1に示すように、ETCシステムは、道路事業者により管理される料金中央装置1、料金所全体を纏める料金所サーバ2、車線毎に設けられる車線サーバ3、及び車両5が通行する道路の路側や、または料金所に配置される路側装置4を備える。有料道路を通行する車両5として、ETCシステムの無線通信に対応するETC車両5a(以下、単にETC車両5aと略記する)、及びETCシステムの無線通信に対応しない非ETC車両5b(以下、単に非ETC車両5bと略記する)が存在する。即ち、有料道路を通行するETC車両5a及び非ETC車両5bが混在して走行としているとする。
【0012】
まず、課金方式は、大きく分けると入口料金所と出口料金所との間の距離と車種に応じて通行料金を定める対距離制方式と、入口料金所と出口料金所にかかわらず一定の金額を課金する均一料金方式がある。
【0013】
路側装置4は、ETC車両と通信を行う装置全般を示すものとし、通行車両の通行を制御する制御バーを有する入口料金所や出口料金所に設置される路側装置の他に加えて、フリーフローやチェックバリアと呼ばれる本線上に設けられる路側装置、及び車両の走行経路を検出するための路車間通信装置の路側装置も含むものとする。
【0014】
路側装置4の設置場所は、課金方式によって異なるが、有料道路へ入る入口(入口が複数有る場合には各入口)の車線、有料道路から出る出口(出口が複数有る場合には各出口)の車線、及び有料道路の本線(走行途中)の少なくとも一箇所に配置される。
【0015】
入口と出口で定まる通行区間に応じて通行料金が課金される路線(対距離課金)では、路側装置4は、少なくとも入口料金所の車線(レーン)、及び出口料金所の車線(レーン)に配置される。通行区間によらず定額の通行料金が課金(定額課金)される路線では、路側装置4は、少なくとも、入口料金所、出口料金所、又は本線の途中に設けられた本線料金所に配置される。
路側装置4は、通信器を介してETC車両情報C1等を受信すると、車線サーバに送信する。
【0016】
また、路側装置4は、ビデオカメラ(以下、カメラ)を備え、カメラは、有料道路の開通期間にわたり車線(撮影エリア)を連続的に撮影し、車線サーバ3に対して、撮影画像、撮影位置情報、及び撮影日時情報を含む撮影情報Vを出力する。
【0017】
車線サーバが受信したETC車両情報C1等を含む通行記録(料金明細)Rを作成し、前記車両画像と一緒に料金所サーバを介して、料金中央装置1の中央サーバに送信する。
【0018】
料金中央装置1の中央サーバは、通行車両の通行料金を計算するサーバである。料金中央装置1は、複数のサーバで構成され、各サーバ間で情報を送受信するサーバである。
【0019】
料金中央装置1の中央サーバは、課金方式が対距離制の路線の場合は、入口料金所で作成された料金明細と、出口料金所で作成された利用明細とを、車両情報により突き合わせ、車種ごとに定められた料金テーブルの走行車両毎に所定の料金テーブルを用い基本料金を算出する。そして、適用される割引がある場合は適用して、請求する通行料金を計算する。また、中央サーバは、均一制の路線の場合、入口料金所または出口料金所からの利用明細に基づき、車種ごとに定められた所定の定額を決定し、適用される割引がある場合は適用して、通行料金とする。
【0020】
そして、中央サーバは、計算した通行料金を、クレジットカード会社等のサーバに対して、利用明細を送信する。クレジットカード会社は、利用明細に基づき、利用者に通行料金を請求する。
【0021】
また、利用者の通信端末は、料金中央装置1に対して、利用状況を照会することができる。
【0022】
図2は、第1の実施形態に係るETCシステムの概略構成を示すブロック図である。
図2に示すように、ETCシステムは、中央側に、料金中央装置1を備え、さらに、路側(料金所)に、料金所サーバ2、車線サーバ3、及び路側装置4を備える。料金中央装置1は、中央サーバ11を含む複数のサーバで構成される。路側(料金所)には、入口料金所及び出口料金所が含まれ、さらに、本線上に設けられるフリーフロー及びチェックバリアが含まれる。なお、中央側の料金中央装置1と、路側の料金所サーバ2、車線サーバ3、及び路側装置4とを併せて情報処理設備Sと総称する。
【0023】
中央サーバ11は、路側装置からの情報に基づき車両の通行を管理する通行管理装置の一例である。中央サーバ11は、各料金所に設置される料金所サーバ2と接続され、中央サーバ11は、各料金所の料金所サーバ2との間で各種情報を交換する。
【0024】
料金所サーバ2は、料金所毎に設けられ、料金所全体を纏めるサーバとして機能し、所定料金所の料金所サーバ2は、同一の所定料金所の車線サーバ3と接続される。料金所サーバ2は、当該料金所内に設けられた各車線サーバ3との間で各種情報を交換する。
【0025】
車線サーバ3は、料金所の車線(レーン)毎に設けられ、即ち車線の数だけ存在する車線サーバ3は、当該車線(レーン)の路側装置4から送信されるセンサデータ等に基づき路側装置4を制御する。なお、センサデータは、通行する車両の検知(車両有り/無し)を含む。
【0026】
路側装置4は、入口料金所及び出口料金所の双方に設けられる。
この内、入口の車線に設置される路側装置4は、車線サーバ3に対して、ETC車両情報C1及び入口情報を含む通行記録Rを送信する。入口情報は、入口を特定する位置情報(又は識別情報)、及び入口の通過日時(又は通信日時)を示す入場日時情報を含む。
【0027】
また、路側装置4は、動画を撮影するカメラを備えている。このカメラは、有料道路の開通期間にわたり車線(撮影エリア)を連続的に撮影する。路側装置4は、車線サーバ3に対して、撮影画像、撮影位置情報、及び撮影日時情報を含む撮影情報Vを出力する。
【0028】
出口の車線に設置される路側装置4は、車線サーバ3に対して、ETC車両情報C1及び出口情報を含む通行記録Rを送信する。出口情報は、出口を特定する位置情報(又は識別情報)、及び出口の通過日時(又は通信日時)を示す出口日時情報を含む。車線サーバ3は、受信した通行記録Rを料金所サーバ2へ送信し、料金所サーバ2は、受信した通行記録Rを中央サーバ11へ送信する。
【0029】
また、出口料金所の路側装置4も、入口料金所の路側装置と同様に動画を撮影するカメラを備えている。そして、このカメラも同様に有料道路の開通期間にわたり車線(撮影エリア)を連続的に撮影する。そして、車線サーバ3に対して、ETC車両情報C1及び出口情報を含む通行記録Rを送信する。また、撮影画像、撮影位置情報、及び撮影日時情報を含む撮影情報Vを出力する。
【0030】
ETC車両5aは、車載器51を備えた車両である。車載器51は、通行料金を決済するためのIC(integrated circuit)カードの一種であるETCカード52を受け付け、ETCカード52のデータを読み取り、また、ETCカード52にデータを書き込む。車載器51は、路側装置4の通信器と無線通信し、各種情報を送受信する。
【0031】
ETC車両5aの車載器51は、車載器固有情報を記憶する。ETCカード52は、カード固有情報を含むカード情報を記憶する。例えば、ETC車両5aが、路側装置4を通過する際、ETC車両5aの車載器51は、無線通信により路側装置4の通信器と通信し、車載器固有情報及びカード情報等を含むETC車両情報C1を送信する。
【0032】
例えば、ETC車両5aが、路側装置4を通過する際、ETC車両5aの車載器51は、無線通信により路側装置4の通信器と通信し、車載器識別情報(以下、車載器ID)及びカード情報等を含むETC車両情報C1を送信する。なお、ETC車両情報C1は、ナンバープレート情報、車種、車両分類、GPS(Global Positioning System)位置情報、及び通信日時情報を含んでもよい。
【0033】
例えば、ETC車両5aは、有料道路の入口、本線、出口と走行する間に、入口料金所の路側装置4と通信し、本線の路側装置4と通信し、出口料金所の路側装置4と通信する。
【0034】
図3は、第1の実施形態に係る中央サーバの概略構成の一例を示す図である。
中央サーバ11は、1台又は複数台のコンピュータであり、情報処理部111、記憶部112、及び通信部113を備える。
【0035】
情報処理部111は、コンピュータの中枢に相当する。情報処理部111は、CPU等のプロセッサ、メモリ、及びインタフェースなどを有する。CPUは、プログラムを実行することにより各種の処理機能を実現するプロセッサである。CPUは、インタフェースなどを介して中央サーバ11を構成する各部に接続される。メモリは、CPUが実行するプログラムを記憶する不揮発性メモリ、及び一時的にデータを記憶する揮発性メモリ等を含む。
【0036】
情報処理部111は、画像車両情報検出部1111、無線通信対応車両情報検出部1112、無線通信対応車両特定部1113、無線通信非対応車両特定部1114、及び通行履歴出力部1115を有する。
【0037】
記憶部112は、メインメモリ等の読み出しや書込みが高速に行える記憶媒体を含み、また、HDD或はSSDなどの大容量の記憶装置を含む。記憶部112は、情報処理部111のCPUが実行するプログラムを記憶する。記憶部112は、通行区間と車種に応じて変動する料金テーブル、又は車種に応じて変動する料金テーブルを記憶する。
【0038】
また、記憶部112は、ETC車両5aに関するETC登録情報を記憶する。ETC登録情報は、車載器固有情報、ナンバープレート情報、車種(普通車/中型車/大型車/特大車など)、及び車両分類(普通車/バス/トラックなど)を関連付けた情報を含む。ナンバープレート情報は、陸運支局コード、分類番号、用途コード、及び一連番号(4桁)を含む。
【0039】
通信部113は、ネットワークを介して料金所サーバ2等と通信する通信インタフェースである。通信部113は、第2の通信部として機能し、撮影画像等を含む撮影情報V、及びETC車両情報C1を受信する。
図4は、第1の実施形態に係る入口料金所又は出口料金所に設けられる路側装置の概略構成の一例を示すブロック図である。
路側装置4のうち、入口又は出口に設置される路側装置41について説明する。
【0040】
図4に示すように、入口又は出口に設置される路側装置41は、インタフェース集約部4101、第1アンテナ4111、第2アンテナ4112、リカバリアンテナ4113、車両検知器4121、4122、4123、カメラ4131、4135、路側表示器4132、車線表示板4133、ガントリー4136を備える。
【0041】
この内、入口の車線に設置される路側装置4は、車線サーバ3に対して、ETC車両情報C1及び入口情報を含む通行記録Rを送信する。入口情報は、入口を特定する位置情報(又は識別情報)、及び入口の通過日時(又は通信日時)を示す入場日時情報を含む。
【0042】
カメラ4131、4135で撮影された画像には、画像に加えて撮影情報が含まれている。撮影位置情報は、位置を特定する情報であればよく、各路側装置4に固有の識別情報であってもよいし、GPS(Global Positioning System)位置情報であってもよい。
【0043】
ETC車両5aが撮影エリアを通行した場合、撮影画像にはETC車両5aの車両画像が含まれ、非ETC車両5bが撮影エリアを通行した場合、撮影画像には非ETC車両5bの車両画像が含まれる。ETC車両5a及び非ETC5bが同じタイミングで撮影エリアを通行した場合、撮影画像にはETC車両5a及び非ETC車両5bの車両画像が含まれる。
【0044】
本線に設置される路側装置4は、車線サーバ3に対して、ETC車両情報C1及び通過情報を含む通行記録Rを送信する。通過情報は、通過地点を特定する位置情報(又は識別情報)、及び通過日時(又は通信日時)を示す通過日時情報を含む。
【0045】
出口の車線に設置される路側装置4は、車線サーバ3に対して、ETC車両情報C1及び出口情報を含む通行記録Rを送信する。出口情報は、出口を特定する位置情報(又は識別情報)、及び出口の通過日時(又は通信日時)を示す出口日時情報を含む。車線サーバ3は、受信した通行記録Rを料金所サーバ2へ送信し、料金所サーバ2は、受信した通行記録Rを中央サーバ11へ送信する。
【0046】
また、
図5は、第1の実施形態に係る入口又は出口の路側装置の車線への適用例を示す斜視図である。
【0047】
図5に示すように、二つのアイランド80が設けられ、これら二つのアイランド80の間に車線(レーン)81が形成され、車線81を跨ぐようにガントリー4136が設けられる。ETC車両5aは、矢印aの方向に向かって車線81上を走行する。非ETC車両5bも同様である。
【0048】
ここで、入口料金所の車線81を想定すると、矢印aの下流側が有料道路外で、矢印aの上流側が有料道路内となる。また、出口の車線81を想定すると、矢印aの下流側が有料道路内で、矢印aの上流側が有料道路外となる。
【0049】
図5に示すように、アイランド80上に、インタフェース集約部4101が設けられる。インタフェース集約部4101は各部からの情報を集約して、車線サーバ3へ出力する。また、センサ関係は、アイランド80上に、上流から下流に向かって順に、例えば車両検知器4121、4122、4123のセンサが設けられる。
【0050】
これら車両検知器4121、4122、4123のセンサは、通行するETC車両5aを検知し、インタフェース集約部4101へ車両検知信号を出力する。
【0051】
インタフェース集約部4101は、車両検知信号を車線サーバ3へ出力する。車線サーバ3は、車両検知信号に基づき車線81上のETC車両5aの位置を検出し、路側装置4の各機器の動作を制御する。なお、非ETC車両5bが車線81に進入した場合も同様である。
【0052】
次に、アンテナとして、アイランド80上に、上流から下流に向かって順に、第1アンテナ4111、リカバリアンテナ4112、及び第2アンテナ4113が設けられる。これら第1アンテナ4111、及びリカバリアンテナ4113は、ETC車両5aの車載器51と通信し、車載器51から送信される各種情報を受信する。また、第2アンテナ4112は、車載器51に対して、車載器に挿入されたETCカードへの書込みが必要な各種情報を送信する。
【0053】
例えば、入口の路側装置41においては、第1アンテナ4111、第2アンテナ4112、及びリカバリアンテナ4113は、第1の通信部として機能し、車載器51から送信されるETC車両情報C1を受信し、インタフェース集約部4101へETC車両情報C1を送信する。また、路側装置41は、入口情報を車載器51へ送信し、車載器51は、入口情報を記憶してもよい。路側装置41は、ETC車両情報C1及び入口情報を含む通行記録Rを車線サーバ3へ送信し、また、撮影情報Vを車線サーバ3へ送信する。
【0054】
また、出口の路側装置41においては、第1アンテナ4111、第2アンテナ4112、及びリカバリアンテナ4113は、第1の通信部として機能し、車載器51から送信されるETC車両情報C1を受信し、インタフェース集約部4101へETC車両情報C1を送信する。また、路側装置41は、出口情報を車載器51へ送信し、車載器51は、出口情報を記憶してもよい。路側装置41は、ETC車両情報C1及び出口情報を含む通行記録Rを車線サーバ3へ送信し、また、撮影情報Vを車線サーバ3へ送信する。
【0055】
なお、非ETC車両5bが車線81に進入した場合には、第1アンテナ4111、第2アンテナ4112、及びリカバリアンテナ4113は、車両5bから情報を受信することはない。
【0056】
また、アイランド80上には、上流から下流に向かって順に、ETC車線表示板4133、路側表示器4132、発進制御機4124、及びカメラ4135が設けられる。
【0057】
ETC車線表示板4133は、料金所に差し掛かるETC車両5aの運転者が表示内容を確認できるように車線の上部に設置され、車線の運用状況(通行可/不可など)を表示する。
【0058】
路側表示器4132は、ETC車両5aの運転者に対し、徐行、停止、発進などの走行案内を出力(表示)する。
【0059】
発進制御機4124は、インタフェース集約部4101からの発進制御情報に基づき発進制御バー4124aの開閉を制御する。発進制御バー4124aは、閉鎖した状態において車両の通過(車線からの退出)を物理的に阻止し、開放した状態において車両の通過を許可する。例えば、車両検知器4121又は4122により車両が検知され、第1アンテナ4111によりETC車両情報C1が受信された場合には、ETC車両5aの通行と判定した上で、閉鎖状態の発進制御バー4124aを開放して車両の通行を許可する。
【0060】
車両検知器4121又は4122により車両が検知され、第1アンテナ4111によりETC車両情報C1が受信されない場合には、非ETC車両5bの通行と判定した上で、閉鎖状態の発進制御バー4124aを開放して車両の通行を許可する。
【0061】
ETC車両5a又は非ETC車両5bが進入する前に発進制御バー4124aを閉鎖状態にすることで視覚的に減速を促すことにより、カメラ4131等で確実にETC車両5a又は非ETC車両5bの画像(ナンバープレートを含む)を撮影することができる。なお、発進制御機4124を省略するようにしてもよい。
【0062】
また、路側表示器4132は、ETC車両5a又は非ETC車両5bの運転者に対し料金情報などの案内を出力(表示)する。
【0063】
カメラ4135は、ETC車両5a又は非ETC車両5bの進入時または退出時に車線を撮影し、インタフェース集約部4101に対して、撮影画像、撮影日時、及び撮影位置情報を含む撮影情報Vを出力する。ETC車両5a又は非ETC車両5bの通行時に撮影された撮影画像には、ETC車両5a又は非ETC車両5bが含まれる。
【0064】
また、アイランド80上には、カメラ4131が設けられ、カメラ4131は、走行車線を撮影し、インタフェース集約部4101に対して、撮影画像、撮影日時、及び撮影位置情報を含む撮影情報Vを出力する。ETC車両5a又は非ETC車両5bの通行時に撮影された撮影画像には、ETC車両5a又は非ETC車両5bが含まれる。
【0065】
インタフェース集約部4101は、通行記録R及び撮影情報Vを車線サーバ3へ送信する。車線サーバ3は、通行記録R及び撮影情報Vを料金所サーバ2へ送信する。料金所サーバ2は、通行記録R及び撮影情報Vを中央サーバ11へ送信する。
【0066】
図6は、第1の実施形態に係る車載器の概略構成の一例を示すブロック図である。
車載器51は、機器通信部511、制御部512、記憶部513、及びカード処理部514を備える。また、車載器51は、各種情報を出力するディスプレイ及びスピーカを備える。
【0067】
機器通信部511は、路側装置4と無線通信する通信インタフェースである。機器通信部511は、路側装置4に対して、車載器識別情報(以下、車載器ID)及びカード情報を含むETC車両情報C1を送信し、入口に設置される路側装置4からは入口情報を、本線に設置される路側装置4から通過情報を、出口に設置される路側装置4からは出口情報を受信する。
【0068】
制御部512は、通信制御を司り、また、ETCカード52の処理を司る制御部である。制御部512は、CPU等のプロセッサ、メモリ、及びインタフェースなどを有する。CPUは、プログラムを実行することにより各種の処理機能を実現するプロセッサである。CPUは、インタフェースなどを介して車載器51を構成する各部に接続される。メモリは、CPUが実行するプログラムを記憶する不揮発性メモリ、及び一時的にデータを記憶する揮発性メモリ等を含む。すなわち、制御部512は、CPUがメモリに記憶されたプログラムを実行することによりデータ処理を実行する。
【0069】
記憶部513は、車載器IDを記憶する。また、記憶部513は、制御部512のCPUが実行するプログラムを記憶する。
カード処理部514は、ETCカードを受け入れ、入口、本線、及び出口の路側装置4へ送信するカード情報をETCカードから読み出す。また、カード処理部514は、入口の路側装置4から送信される入口情報をETCカードへ書き込む。
【0070】
[ETC対応車両/非ETC対応車両の情報取得]
以下、第1の実施形態の動作について説明する。
対象となる有料道路は、ETC車両5aと非ETC車両5bの混在走行が可能である。第1の実施形態では、入口料金所及び出口料金所の路側装置4による通行車両情報の取得例について説明する。入口料金所及び出口料金所は、レーンに区切られ、レーン毎に発進制御バー4124aが配置される。入口料金所又は出口料金所通過する際、ETC車両5a又は非ETC車両5bは、発進制御バー4124aの開閉により減速させられる。これにより、ETC車両5a又は非ETC車両5bから高精度にナンバープレートを読み取ることができる。
【0071】
図7は、路側装置による通行車両情報の取得例を示すフローチャートである。
図7に示すように、ST101において、路側装置4は、車両の侵入を検出すると、車線(撮影エリア)を連続的に撮影して得られる撮影情報Vを出力し、また、ETC車両5aの車載器51との無線通信により得られる通行記録Rを出力する。
【0072】
撮影情報Vは、撮影画像、撮影位置情報、及び撮影日時情報を含む。
【0073】
次に、ST102において、ETC車両5aが侵入するとこれを検知し、また、アンテナと車載器51が通信を行うことで通過したETC車両5aのETC車両情報C1を得ることができる。更に、ETC車両5aが通過した場合、通過したETC車両5aの画像を含む撮影情報Vを得ることが出来る。この取得したETC車両情報C1をもとに通行記録Rを作成する。このように、入口料金所の車線に設置される路側装置4から出力される通行記録Rは、ETC車両情報C1及び入口情報を含む。
【0074】
また、出口料金所の車線に設置される路側装置4から出力される通行記録Rは、ETC車両情報C1及び出口情報を含む。
【0075】
他方、ST103において、非ETC車両5bが通過した場合、車載器51を搭載していないため、路側装置4のアンテナとの通信は行われない。このため、ETC車両情報C1は得ることができない。しかしながら、通過した非ETC車両5bの画像を含む撮影情報Vが得られる。
【0076】
即ち、撮影情報Vは、ETC車両5a及び非ETC5bに関する情報を含み、通行記録Rは、ETC車両5aのみに関する情報を含む。
【0077】
[ETC対応車両/非ETC対応車両の特定]
続いて、ETC対応車両/非ETC対応車両の特定について説明する。なお、本実施の形態では、ETC対応車両/非ETC対応車両の特定処理は、中央サーバで行うものとして説明するが、料金所側にこの機能を備えるようにしてもよい。料金所側でETC対応車両/非ETC対応車両の特定処理帆行う場合の構成は、別の実施形態として後述する。
【0078】
図8は、中央サーバによるETC車両/非ETC車両の特定処理の一例を示すフローチャートである。
【0079】
ST201において、中央サーバ11の通信部113は、車線サーバ3及び料金所サーバ2を介して、路側装置4から出力される撮影情報V及び通行記録Rを受信する。ここで、通行記録Rは、ETC車両の車載器51から取得した、ETC車両情報C1及び入口情報、又はETC車両情報C1及び出口情報を含む。これに対して、撮影情報Vは、ETC車両及び非ETC車両の両方に関する撮影情報となる。なお、撮影情報Vには、撮影画像、撮影位置情報、及び撮影日時情報を含む。
【0080】
ST202において、中央サーバ11の情報処理部111は、撮影情報V及び通行記録Rに基づきETC車両5aを特定する。撮影情報Vは、ETC車両5a及び非ETC車両5bに関する情報を含み、通行記録Rは、ETC車両5aのみに関する情報であるため、情報処理部111は、通行記録Rから特定されるETC車両5aに関する情報に基づき、撮影情報Vに含まれるETC車両5aに関する情報を特定する。
【0081】
情報処理部111は、ナンバープレート抽出部1111として機能し、撮影情報Vに含まれる撮影画像から車両画像を検出し、車両画像から矩形のナンバープレート画像を検出し、ナンバープレート画像からナンバープレート情報の少なくとも一部を検出する。
【0082】
また、情報処理部111は、車両画像から車種、車両分類、車名(車両メーカー指定の名称)及び車体色の少なくとも一部を判別する。
【0083】
情報処理部111は、撮影画像に基づき画像抽出車両情報C2を生成する。画像抽出車両情報C2は、車両画像、ナンバープレート情報、車種、車両分類、車名、車体色、位撮影置情報、及び撮影日時を含む。
【0084】
なお、情報処理部111による情報の検出結果、及び判別結果によっては、画像抽出車両情報C2は、完全な情報ではなく、一部の情報が欠落したり、一部の情報が誤っていたりする可能性もある。なお、ここで生成される画像抽出車両情報C2は、ETC車両5a及び非ETC車両5bに関する情報を含む。
【0085】
次に、画像抽出車両情報C2から、ETC車両5aのETC車両情報C2aと非ETC車両5bの非ETC車両情報C2bを特定する方法について説明する。
【0086】
通行記録Rは、ETC車両情報C1、位置情報、及び通過日時を含む。通行記録Rに含まれるETC車両情報C1は、ETC車両5aに関する情報である。ETC車両情報C1は、車載器51から送信された情報であり、少なくとも車載器固有情報を含む。情報処理部111は、車載器固有情報を検索キーとして、記憶部112に記憶されたETC登録情報に基づき、ナンバープレート情報、車種、及び車両分類を検索し、ナンバープレート情報、車種、及び車両分類を含むETC車両情報C1を生成する。通行記録Rに含まれるETC車両情報C1が、ナンバープレート情報、車種、及び車両分類を含む場合は、通行記録Rに含まれるETC車両情報C1をそのまま採用する。
【0087】
情報処理部111は、無線通信対応車両情報検出部1112として機能し、ETC車両情報C1等を含む通行記録Rに基づき、ETC車両5aのナンバープレート情報、車種、車両分類、位置情報、及び通過日時を検出する。
【0088】
このように、ST202において、情報処理部111は、無線通信対応車両特定部1113として機能し、通行記録Rに基づくETC車両5aに関する情報を利用し、画像抽出車両情報C2からETC車両5aのETC車両情報C2aを特定する。
【0089】
次に、ST203において、情報処理部111は、無線通信非対応車両特定部1114として機能し、画像抽出車両情報C2から非ETC車両5bの非ETC車両情報C2bを特定する。
【0090】
つまり、無線通信非対応車両特定部1114は、画像抽出車両情報C2からETC車両5aのETC車両情報C2aを除外して、非ETC車両5bの非ETC車両情報C2bを特定する。例えば、無線通信非対応車両特定部1114は、撮影画像から検出された画像抽出ナンバープレート情報がETC車両情報C1から検出された何れの無線対応車両ナンバープレート情報とも一致しない場合に、画像抽出ナンバープレート情報に対応する車両を、非ETC対応車両として特定する。
【0091】
また、無線通信非対応車両特定部1114は、撮影日時情報及び通過日時情報に基づき、車両を特定するようにしてもよい。路側装置4の通信エリアは、カメラ4231の撮影エリアを含む。この場合、情報処理部111は、第1の撮影時間帯の撮影画像から検出されるナンバープレート情報と、第1の撮影時間帯に対応する第1の通信時間帯のETC車両情報C1から検出されるナンバープレート情報と照合する。第1の撮影時間帯と第1の通信時間帯は一致する時間帯であってもよいし、若干の差分があってもよい。このように、時間帯で情報を絞ることにより、車両特定の演算負荷を軽減し、車両特定の高速化を図ることができる。
【0092】
ST204において、情報処理部111は、通行履歴出力部1115として機能し、ETC車両5a及び非ETC車両5bの特定結果に基づき、ETC車両5a及び非ETC車両5bの通行履歴Hを生成する。ETC車両5aの無線通信対応車両通行履歴Ha(以下、ETC通行履歴Ha)は、ETC車両5aの車両画像、ナンバープレート情報、車種、車両分類、車名、車体色、位置情報、及び通過日時を含む。非ETC車両5bの無線通信非対応車両通行履歴Hb(以下、非ETC通行履歴Hb)は、非ETC車両5bの車両画像、ナンバープレート情報、車種、車両分類、車名、車体色、位置情報、及び通過日時を含む。
【0093】
なお、通行履歴出力部1115は、入口料金所と出口料金所に設置された路側装置41からの情報により、非ETC車両5bの通行区間(入口と出口で定まる通行区間)を特定して、非ETC車両5bの非ETC車両通行履歴Hbを作成してもよいし、入口料金所と出口料金所の路側装置41の少なくとも一方に設置された路側装置41からの情報により、非ETC車両5bの通行区間(入口で定まる通行区間又は出口で定まる通行区間)を特定して、非ETC車両5bの通行履歴を作成してもよい。
【0094】
次に、ST205において、記憶部112は、生成されたETC通行履歴Ha及び非ETC通行履歴Hbを記憶する。
また、ST205において、通行履歴出力部1115は、ETC通行履歴Ha及び非ETC通行履歴Hbを出力し、通信部113は、ETC通行履歴Ha及び非ETC通行履歴Hbを外部サーバ等へ送信する。
<第1の実施形態の変形列>
以下、第1の実施形態の変形例について説明する。第1の実施形態では、画像車両情報検出部1111等の機能を中央サーバ11の情報処理部111に実装する例について説明した。しかしながら、車線サーバ側に実装するこのことも可能である。
【0095】
第1の実施形態の変形列では、画像車両情報検出部1111等の機能の一部を料金所側の車線サーバ3に実装する実施形態である。
【0096】
図9は、第1の実施形態の変形例に係る中央サーバ及び車線サーバの概略構成の一例を示す図である。
【0097】
第1の実施形態では、
図3に示すように、中央サーバ11の情報処理部111は、画像車両情報検出部1111、無線通信対応車両情報検出部1112、無線通信対応車両特定部1113、無線通信非対応車両特定部1114、及び通行履歴出力部1115を備える。
【0098】
これに対して、第1の実施形態の変形列では、
図9に示すように、中央サーバ11の情報処理部111は、通行履歴出力部1115を備え、料金所のレーン毎に設けられた車線サーバ3の情報処理部311は、画像車両情報検出部3111、無線通信対応車両情報検出部3112、無線通信対応車両特定部3113及び、無線通信非対応車両特定部3114を備える。
【0099】
料金所の車線サーバでは、レーン毎に、車両情報と画像情報を突き合せて、非ETC車両を特定する。そして、ETC車両と非ETC車両の料金明細を分けて料金明細を作成する。そして、料金所サーバが各レーンからの料金明細を集約し、中央サーバ11へ送信する。このようにすることで、中央サーバ11の処理負担を軽減することができる。
【0100】
また、この機能を、車線サーバではなく、料金所サーバに持たせてもよい。この場合は、料金所サーバは、各車線サーバからのETC車の車両情報と画像情報を突き合せて、非ETC車を特定し、ETC車両、非ETC車両に分けた利用明細を作成する。そして、中央サーバへ送信する。
【0101】
このように、第1の実施形態のように、画像車両情報検出部1111等の機能を中央サーバ11に集約してもよいし、第1の実施形態の変形例のように、各料金所側のレーン毎に設けられた車線サーバ3に分散しても、各料金所の料金所サーバに分散してもよい。
【0102】
<第2の実施形態>
以下、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態では、出口又は入口の路側装置4の少なくとも一方がフリーフロータイプとした実施形態である。この実施形態は、都市部に設けられる都市高速に多い実施形態で、非ETC車両に対しては均一制料金とし、ETC車両のみ距離別課金とするような路線に適用するための実施形態である。
【0103】
第1の実施形態では、入口料金所及び出口料金所の路側装置4による通行車両情報の取得例について説明したが、第2の実施形態では、出口(又は入口)の路側装置4をフリーフロータイプとし、その他の構成は第1の実施形態と同様とする。
【0104】
フリーフロータイプの路側装置4は、発進制御機及び発進制御バーを備えず、ETC車両5a又は非ETC車両5bは出口をフリーで通過する。このため、路側装置4のカメラ4131、4135は連続的に撮影を実行することにより、ETC車両5a又は非ETC車両5bの画像(ナンバープレートを含む)を取得する。このように連続的に撮影された画像と、ETC車の車両情報とを突き合せ、非ETC車両を特定していく。
【0105】
ここで、非ETC車を特定する制御は、第1の実施形態と同様に中央サーバで行ってもよいし、第1の実施形態の変形例と同様に、フリーフローに設置された料金所サーバで行ってもよい。
【0106】
これにより、第1の実施形態と同様に、ETC車両5a及び非ETC車両5bを特定することが可能となる。
【0107】
<第3の実施形態>
以下、第3の実施形態について説明する。経路別課金を実現するために、入口と出口の他に本線上にも路側装置を設ける実施形態である。
【0108】
通行料金が課金方式で、入口料金所と出口料金所の通行区間で通行料金が決定される対距離課金において、途中の経路により、料金に差を出すような料金体系を用いている路線もある。このような料金体系をもつ区間では、走行経路を把握するため、路側装置4は、入口料金所と出口料金所に加えて、又は本線の途中に設けられた本線料金所が必要となる。
【0109】
第3の実施形態では、入口料金所及び出口料金所の少なくとも一方の路側装置4に加えて、フリーフローの本線上の路側装置4を利用し、車両特定のための情報を取得する実施形態について、説明する。
【0110】
通行履歴出力部1115は、入口料金所及び出口料金所の少なくとも一方に設けられた路側装置4からの情報に、本線上の路側装置4からの情報を加えて、非ETC車両5bの通行経路を判定し、通行経路を含む通行履歴を出力する。
【0111】
本線上の路側装置4を利用することにより、通行経路を取得することができ、非ETC車両5bの検出精度向上が期待できる。
【0112】
また、入口又は出口がフリーフローの場合、入口又は出口を通過する車両の減速が不十分な場合があり、このような車両を撮影した画像からナンバープレート情報が正しく取得できないことがある。このような場合に、本線上の路側装置4により取得された画像を利用し、車両特定のための情報を補完することができる。
【0113】
以下、第3の実施形態で適用される本線上の路側装置4について説明する。
【0114】
本線に設置される路側装置4は、車線サーバ3に対して、ETC車両情報C1及び通過情報を含む通行記録Rを送信する。通過情報は、通過地点を特定する位置情報(又は識別情報)、及び通過日時(又は通信日時)を示す通過日時情報を含む。
【0115】
図10は、第3の実施形態に係る本線のフリーフローやチェックバリア等に設けられる路側装置の概略構成の一例を示すブロック図である。
図10に示すように、本線に設置される路側装置42は、インタフェース集約部4201、アンテナ4211、複数のカメラ4231を備える。例えば、3レーンに跨って設けられる路側装置42は、3レーンに対応する3台のカメラ4231を備える。
【0116】
また、
図11は、第3の実施形態に係る路側装置の本線への適用例を示す斜視図である。
図11に示すように、路側装置42は、ガントリー4233、アンテナ4211及び3台のカメラ4231が設けられる。
【0117】
アンテナ4211は、本線上を走行してきたETC車両5aの車載器51と通信するアンテナである。アンテナ4211は、第1の通信部として機能し、車載器51からETC車両情報C1を受信し、インタフェース集約部4201へETC車両情報C1を出力する。
【0118】
3台のカメラ4231は、それぞれのレーン上の撮影エリアを撮影し、インタフェース集約部4101に対して、撮影画像、撮影位置、及び撮影日時を含む撮影情報Vを出力する。
【0119】
インタフェース集約部4201は、車載器51から送信されたETC車両情報C1と通過情報を含む通行記録Rを車線サーバ3へ送信し、また、3台のカメラ4231から出力された撮影情報Vを車線サーバ3へ送信する。車線サーバ3は、通行記録R及び撮影情報Vを料金所サーバ2へ送信し、料金所サーバ2は、通行記録R及び撮影情報Vを中央サーバ11へ送信する。
【0120】
撮影情報Vは、撮影画像、撮影位置情報、及び撮影日時情報を含む。本線に設置される路側装置42から出力される通行記録Rは、ETC車両情報C1及び通過情報を含む。
【0121】
図12乃至
図14を参照して、本線上の撮影画像に基づくETC車両5a及び非ETC車両5bの特定について補足説明する。
図12は、有料道路における通信エリア及び撮影エリアの一例を示す図である。
図12に示すように、路側装置42のアンテナ4211は、有料道路における上り車線又は下り車線の通信エリアEを通行するETC車両5aの車載器51と通信する。通信エリアEは、上り又は下りの全車線を含み、上り又は下り車線を通行するETC車両5aは、通信エリアEを通過する。上り又は下り車線を通行する非ETC車両5bも通信エリアEを通行するが、アンテナ4211は、非ETC車両5bと通信することはない。なお、通信エリアEは、カメラ4231の撮影エリアを含む。
【0122】
図13は、有料道路における通信エリアに含まれる車両画像の検出例を説明するための図である。
上記したように、画像車両情報検出部1111は、撮影画像から車両画像を検出し、車両画像から矩形のナンバープレート画像を検出し、ナンバープレート画像からナンバープレート情報を検出する。また、画像車両情報検出部1111は、車両画像から車種、車両分類、車名及び車体色を判別する。
【0123】
図14は、有料道路における通信エリアに含まれる車両画像からETC対応車両と非ETC対応車両の検出例を説明するための図である。
有料道路は、ETC車両5a及び非ETC車両5bが区別なく混在して通行するので、撮影画像には、ETC車両5a及び非ETC車両5bが含まれる。
【0124】
上記説明したように、無線通信対応車両特定部1113は、無線通信により得られる通行記録Rに基づきETC車両5a(ナンバープレート情報等)を特定する。画像車両情報検出部1111は、撮影画像からETC車両5a及び非ETC車両5bナンバープレート情報を検出し、無線通信非対応車両特定部1114は、通行記録Rに基づくETC車両5a(ナンバープレート情報等)の特定結果を利用し、撮影画像に含まれるETC車両5a及び非ETC車両5bを特定する。
【0125】
図15は、ナンバープレート情報の読み取り処理の一例を示すフローチャートである。ここでは、撮影画像に基づく直接的なナンバープレート情報の読み取りに加えて、記憶部112に記憶されたETC通行履歴Ha及び非ETC通行履歴Hbに基づきナンバープレート情報の読み取りを補完する例について説明する。ETC通行履歴Ha及び非ETC通行履歴Hbについては、
図8のST204で説明した通りである。
【0126】
ST301において、画像車両情報検出部1111は、撮影情報Vに含まれる撮影画像から車両画像を検出し、車両画像に基づき車種を判別する。
【0127】
また、ST302において、画像車両情報検出部1111は、車両画像から矩形のナンバープレート画像を検出し、ナンバープレート画像からナンバープレートを構成する文字及び数字を読み取る。
【0128】
ST303において、ナンバープレート画像の画質によっては、ナンバープレート情報の読み取り精度が落ちることがある。そこで、無線通信対応車両特定部1113及び無線通信非対応車両特定部1114は、撮影情報Vに含まれる撮影位置情報及び撮影日時情報と、通行履歴Hに含まれる位置情報及び日時情報から、対応する車両を特定する。
【0129】
そして、ST304において、無線通信対応車両特定部1113及び無線通信非対応車両特定部1114は、ナンバープレート情報を特定する。
【0130】
例えば、無線通信対応車両特定部1113及び無線通信非対応車両特定部1114は、撮影情報Vに含まれる撮影位置情報及び撮影日時情報、通行履歴Hに含まれる位置情報及び日時情報、及び交通量に基づいて、車両の移動時間を予測し、対応する車両を特定し、ナンバープレート情報を特定するようにしてもよい。
【0131】
<第4の実施形態>
以下、第4の実施形態について説明する。ETCシステムのハードウェア構成等は、第1の実施形態と同じであり、その説明は省略する。第1乃至第3の実施形態では、撮影画像に基づき非ETC車5bを特定するケースについて説明したが、画質によっては検出精度の低下又は検出漏れが生じる可能性がある。そこで、車両の位置情報により検出精度の低下又は検出漏れを補完する。
【0132】
[車両の位置情報の高精度化]
以下、車両位置情報の高精度化について説明する。
図16は、第4の実施形態に係る車両の位置情報を高精度化するダイナミックマップ管理サーバの構成の一例を示す図である。
ダイナミックマップ管理サーバ6は、路側装置42と通信し、路側装置42からの情報を受信する。路側装置42は、インタフェース集約部4201、アンテナ4211、複数のカメラ4231に加えて、さらに路車間通信装置(Dedicated Short Range Communications)4241を備える。路車間通信装置4241は、本線に沿って複数配置され、本線を通行するETC車両5a及び非ETC車両5bのカーナビゲーションシステムと通信し、カーナビゲーションシステムから送信されるGPS位置情報を受信する。
【0133】
ダイナミックマップ管理サーバ6は、情報処理部61、記憶部62、及び通信部63を備え、さらに、情報処理部61は、マッピング処理部611を備える。通信部61は、カメラ4231で取得された撮影画像、及び路車間通信装置4241で取得されたGPS位置情報を受信する。記憶部62は、ダイナミックマップ(デジタルマップ)を記憶する。
【0134】
マッピング処理部611は、デジタルマップ上に、カメラ4231で取得された撮影画像に含まれる車両の位置と、路車間通信装置4241で取得されたGPS位置情報とをマッピングし、車両の位置を高精度に特定し、特定した車両の位置情報を提供する。
【0135】
料金中央装置1は、特定された車両の位置情報を受信し、通行履歴出力部1115は、車両の位置に基づき非ETC車両5bの通行経路を特定して、通行経路を含む無線通信非対応車両通行履歴を出力する。
【0136】
以下の3つの要素により、ダイナミックマップ管理サーバ6は、撮影画像に含まれる車両画像に高精度な位置情報を提供する。
【0137】
図17は、ダイナミックマップ管理サーバ6のマッピング処理部によるマッピング処理のイメージである。
【0138】
(1)定置カメラ(Local座標)
マッピング処理部611は、撮影画像から車両画像を検出し、車両画像の位置情報(Local座標)を生成する。マッピング処理部611は、検出された車両画像の位置情報をデジタルマップ上にマッピングする。マッピング処理部611は、デジタルマップ上の点に相当する車両画像について、高精度な位置情報を取得する。マッピング処理部611は、車両画像と有料道路を走行する車両を対応付ける。
【0139】
(2)走行車両(Local座標)
マッピング処理部611は、ETC車両5a又は非ETC車両5bのカーナビゲーションシステムからのGPS位置情報をデジタルマップ上にマッピングする。ETC車両5aについては、51車載器が受信するGPS位置情報を用いても良い。
【0140】
(3)デジタルマップ(World座標)
デジタルマップは、高精度な位置情報(World座標)で構成されている。マッピング処理部611は、デジタルマップ上に車両画像の位置情報とGPS位置情報をマッピングすることにより、車両画像の位置情報とGPS位置情報を対応付けて管理する。
【0141】
図18は、撮影画像から検出される車両画像と道路上の車両の対応付けのイメージを示す図である。
【0142】
上述した車両の位置情報の高精度化により、車両画像の高精度な位置情報が得られる。一方、有料道路を通行する車両からは、ある程度の誤差を有するGPS位置情報が得られる。マッピング処理部611は、有料道路を通行する車両に関する2種類の位置情報に基づき、車両画像と有料道路上の車両を対応付ける。
【0143】
例えば、
図18(a)は、カメラ4131から出力される撮影画像の一例である。
【0144】
図18(a)に示すように、マッピング処理部611は、撮影画像から車両画像を検出する。
【0145】
図18(b)は、検出された車両画像の矩形表示の一例を示す。マッピング処理部611は、車両画像の位置情報を特定する。
【0146】
図18(c)は、車両画像の中心の一例を示す図である。マッピング処理部611は、車両画像を囲む矩形の対角線の交点を車両画像の中心として検出し、中心座標を車両画像の位置情報とする。
【0147】
図19は、撮影画像から検出される車両画像と有料道路上の車両の対応付けの一例を示すフローチャートである。
ST501において、マッピング処理部611は、地図座標系(緯度、経度)の位置情報に基づき、車両画像と有料道路上の車両を対応付ける。ここでは、車両からのGPS位置情報の精度が劣る、所定範囲に複数台の車両が存在するなどの条件により、対応付けの難易度が異なる。
【0148】
そこで、ST502において、マッピング処理部611は、時系列の位置情報に基づき、各車両の属性情報(進行方向/速度/存在範囲など)を生成する。
【0149】
次に、ST503において、マッピング処理部611は、走行車両の位置情報及び属性情報を検索キーとして、撮影画像から対象の車両を検出する。
【0150】
[通行履歴更新]
通行履歴更新について説明する。
上記説明では、入口、本線、及び出口の少なくとも一箇所に設けられる路側装置4のカメラからの撮影画像を利用するケースについて説明したが、情報量を増やし通行履歴Hの精度を高めるために、JCT(ジャンクション)、SA(サービスエリア)、及びPA(パーキングエリア)に路側装置4を設置し、路側装置4のカメラからの撮影画像に基づき、通行履歴Hを更新するようにしてもよい。
【0151】
図20は、第4の実施形態に係る通行履歴の更新例を示す図である。
情報処理部111は、複数の通行履歴Hに基づき、対応する車両の通行履歴Hを関連付けて更新する。例えば、情報処理部111は、二つの通行履歴Hに含まれる、ナンバープレート情報、位置情報(P1とP2)、及び通過日時に基づき、条件を満たす場合に、これら二つの通行履歴Hを同一車両の通行履歴Hとして関連付ける。
【0152】
図21は、第4の実施形態に係る交通量に基づく移動距離推定の一例を示す図である。
有料道路には一定間隔で車両感知器(超音波式/画像式など)が設置され、道路管理サーバは、道路区間毎に交通量を算出し、道路の混雑/渋滞状況を検出する。情報処理部111は、交通工学の理論及び、道路の混雑/渋滞状況に基づき、所定の車両の移動距離(移動時間)を推定する。情報処理部111は、この移動距離推定に基づき、条件を満たす通行履歴Hを関連付ける。
【0153】
[通行履歴検索]
通行履歴検索について説明する。
図22は、第4の実施形態に係る通行履歴検索の一例を示すフローチャートである。
ST601において、情報処理部111は、オペレータ等により入力される検索キーに基づきETC車両5a及び非ETC車両5bの通行履歴Hから、条件を満たす通行履歴Hを検索する。検索キーは、通行日時の範囲、通行区間、車体色、車種、及び車名のいくつかの組み合わせである。
【0154】
次に、ST602において、情報処理部111は、条件を満たす通行履歴Hを出力する。この検索機能を利用することにより、特定の車両を見つけ出して、通行料金を請求することができる。
【0155】
上記説明した第1乃至第4の実施形態によれば、ETC対応車両と非ETC対応車両とが混在するシーンで非ETC対応車両の通行状況の特定に優れた通行管理システム、通行管理方法、及び通行管理装置を提供することができる。これにより、本システムによれば、非ETC対応車両の通行履歴Hを生成することができるので、非ETC対応車両を確実に特定した上で、非ETC対応車両に対して通行料金の請求が可能となる。
【0156】
また、本システムによれば、路側装置4からの撮影情報V及び通行履歴Rから直接的に車両を特定するだけでなく、走行方面、及び交通量に基づく移動距離推定を利用し間接的に車両を特定することもでき、これらを組み合わせることにより、漏れなく車両を特定することができる。
【0157】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0158】
1…中央サーバ、2…料金所サーバ、3…車線サーバ、4…路側装置、
5、…車両、5a…ETC車両、5b…非ETC車両
111…情報処理部、112…記憶部、113…通信部、
41、42…路側装置、
51…車載器、52…ETCカード、
80…アイランド、81…車線、
511…機器通信部、512…制御部、513…記憶部、
514…カード処理部、
4101…インタフェース集約部、
4111…第1アンテナ、
4112…第2アンテナ、
4113…リカバリアンテナ、
4121…車両検知器、
4122…車両検知器、
4123…車両検知器、
4124…発進制御機
4131…カメラ、
4132…路側表示器、
4133…車線表示板、
4135…カメラ、
4136…ガントリー、
4201…インタフェース集約部、
4211…アンテナ、
4231…カメラ、
4233…ガントリー。