(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022170864
(43)【公開日】2022-11-11
(54)【発明の名称】情報処理装置及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G01S 7/292 20060101AFI20221104BHJP
G01S 7/40 20060101ALI20221104BHJP
【FI】
G01S7/292 220
G01S7/40
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021077129
(22)【出願日】2021-04-30
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】山村 祐介
【テーマコード(参考)】
5J070
【Fターム(参考)】
5J070AA02
5J070AB01
5J070AH06
5J070AH07
5J070AH31
5J070AK29
5J070BH12
(57)【要約】
【課題】受信されたパルスに基づいて効果的に諸元を識別することができる情報処理装置及び情報処理方法を提供する。
【解決手段】実施形態によれば、情報処理装置は、アンテナインターフェースと、プロセッサと、を備える。アンテナインターフェースは、アンテナに接続する。プロセッサは、前記アンテナを通じてパルスを受信し、前記パルスの間隔時間に基づいて二次元座標空間上に座標点を取得し、前記座標点に基づいて確率密度関数を生成し、前記確率密度関数に基づいて、受信された前記パルスの諸元を識別する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンテナに接続するアンテナインターフェースと、
前記アンテナを通じてパルスを受信し、
前記パルスの間隔時間に基づいて二次元座標空間上に座標点を取得し
前記座標点に基づいて確率密度関数を生成し、
前記確率密度関数に基づいて、受信された前記パルスの諸元を識別する、
プロセッサと、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、前記パルスの前方パルス間隔時間と後方パルス間隔時間とに基づいて前記確率密度関数を生成する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、カーネル密度推定法により前記確率密度関数を生成する、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、カーネル関数としてガウスカーネルを用いて前記確率密度関数を生成する、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
諸元に対応するテンプレートを予め格納する記憶部を備え、
前記プロセッサは、生成された前記確率密度関数と前記テンプレートとに基づいて前記パルスの諸元を識別する、
請求項1乃至4の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記テンプレートは、前記テンプレートに対応する諸元のパルスの間隔時間に基づいて生成された確率密度関数から構成される、
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、
生成された前記確率密度関数と前記テンプレートとの類似度を示す評価値を算出し、
前記評価値に基づいて、生成された前記確率密度関数と最も類似するテンプレートに対応する諸元を、受信された前記パルスの諸元として識別する、
請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記評価値は、KLダイバージェンスである、
請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記プロセッサは、最も小さい評価値が所定の閾値未満である場合、最も小さい評価値を算出するための用いられたテンプレートに対応する諸元を、受信された前記パルスの諸元として識別する、
請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
プロセッサによって実行される情報処理方法であって、
アンテナを通じてパルスを受信し、
前記パルスの間隔時間に基づいて、確率密度関数を生成し、
前記確率密度関数に基づいて、受信された前記パルスの諸元を識別する、
情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、情報処理装置及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
無線でパルスを受信してパルスの送信元など(諸元)を識別する技術が提供されている。そのような技術では、情報処理装置は、受信パルスごとに、前方のパルスとの時間間隔と、後方のパルスとの時間間隔と、を二次元座標軸上にプロットして提示するものがある。オペレータは、プロットされた各時間間隔に基づいて諸元を識別する。
【0003】
従来、オペレータは、ランダムジッタ又は誤差などによりパルスの時間間隔から諸元を識別できないことがある。そこで特開2015-028447に示すようにパルス間隔の変化を座標点集合パターンとして表現することで、パルス信号の複雑なパターンを座標画像としてオペレータに提示することは可能である
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特開2015-028447に示す分析手法を用いても現状はオペレータによる手動識別であり、識別を自動化する課題が残っている。
上記の課題を解決するため、受信されたパルスに基づいて効果的に諸元を識別することができる情報処理装置及び情報処理方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態によれば、情報処理装置は、アンテナインターフェースと、プロセッサと、を備える。アンテナインターフェースは、アンテナに接続する。プロセッサは、前記アンテナを通じてパルスを受信し、前記パルスの間隔時間に基づいて二次元座標空間上に座標点を取得し、前記座標点に基づいて確率密度関数を生成し、前記確率密度関数に基づいて、受信された前記パルスの諸元を識別する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、実施形態に係る識別システムの構成例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る識別システムが受信したパルスの例を示すグラフである。
【
図3】
図3は、実施形態に係る識別システムが受信したパルスの時間間隔を示すグラフである。
【
図4】
図4は、実施形態に係る確率密度関数の例を示すグラフである。
【
図5】
図5は、実施形態に係る情報処理装置の動作例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して実施形態について説明する。
実施形態に係る識別システムは、無線でパルスを受信する。識別システムは、受信されたパルスに基づいてパルスの諸元を識別する。諸元は、パルスの送信元に関連する。たとえば、諸元は、パルスの送信元である装置及び/又は送信元である装置の動作モード(用途又は状態など)などである。
【0009】
たとえば、識別システムは、レーダなどから照射されたパルスを受信して、諸元を識別する。
【0010】
図1は、実施形態に係る識別システム1の構成例を示す。
図1が示すように、識別システム1は、情報処理装置10及びアンテナ20などを備える。アンテナ20は、情報処理装置10に接続する。
【0011】
アンテナ20は、無線でパルスを受信する。アンテナ20は、所定の周波数帯において電磁波を受信する。アンテナ20は、受信された電磁波を電圧に変換する。アンテナ20は、電磁波から変換された電圧を情報処理装置10に供給する。
【0012】
たとえば、アンテナ20は、電磁波を電圧に変換するコンバータ及びコンバータに電磁波を集光する反射部材などから構成される。
【0013】
情報処理装置10は、アンテナ20を通じて受信したパルスに基づいて諸元を識別する。
図1が示すように、情報処理装置10は、プロセッサ11、ROM12、RAM13、NVM14、アンテナインターフェース15、操作部16及び表示部17などを備える。
【0014】
プロセッサ11と、ROM12、RAM13、NVM14、アンテナインターフェース15、操作部16及び表示部17と、は、データバスなどを介して互いに接続する。
プロセッサ11は、情報処理装置10全体の動作を制御する機能を有する。プロセッサ11は、内部キャッシュ及び各種のインターフェースなどを備えてもよい。プロセッサ11は、内部メモリ、ROM12又はNVM14が予め記憶するプログラムを実行することにより種々の処理を実現する。
【0015】
なお、プロセッサ11がプログラムを実行することにより実現する各種の機能のうちの一部は、ハードウエア回路により実現されるものであってもよい。この場合、プロセッサ11は、ハードウエア回路により実行される機能を制御する。
【0016】
ROM12は、制御プログラム及び制御データなどが予め記憶された不揮発性のメモリである。ROM12に記憶される制御プログラム及び制御データは、情報処理装置10の仕様に応じて予め組み込まれる。
【0017】
RAM13は、揮発性のメモリである。RAM13は、プロセッサ11の処理中のデータなどを一時的に格納する。RAM13は、プロセッサ11からの命令に基づき種々のアプリケーションプログラムを格納する。また、RAM13は、アプリケーションプログラムの実行に必要なデータ及びアプリケーションプログラムの実行結果などを格納してもよい。
【0018】
NVM14(記憶部)は、データの書き込み及び書き換えが可能な不揮発性のメモリである。NVM14は、たとえば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)又はフラッシュメモリなどから構成される。NVM14は、情報処理装置10の運用用途に応じて制御プログラム、アプリケーション及び種々のデータなどを格納する。
【0019】
アンテナインターフェース15は、アンテナ20に接続するためのインターフェースである。アンテナインターフェース15は、アンテナ20から供給される電圧(アナログ信号)を、当該電圧を示す信号(デジタル信号)に変換して、プロセッサ11に供給する。なお、アンテナインターフェース15は、プロセッサ11からの制御に従ってアンテナ20に制御信号などを送信するものであってもよい。
【0020】
操作部16は、オペレータから種々の操作の入力を受け付ける。操作部16は、入力された操作を示す信号をプロセッサ11へ送信する。操作部16は、タッチパネルから構成されてもよい。
【0021】
表示部17は、プロセッサ11からの画像データを表示する。たとえば、表示部17は、液晶モニタから構成される。操作部16がタッチパネルから構成される場合、表示部17は、操作部16と一体的に形成されてもよい。
【0022】
なお、識別システム1及び情報処理装置10は、
図1が示すような構成の他に必要に応じた構成を具備したり、識別システム1及び情報処理装置10から特定の構成が除外されたりしてもよい。
【0023】
次に、情報処理装置10が実現する機能について説明する。情報処理装置10が実現する機能は、プロセッサ11が内部メモリ、ROM12又はNVM14などに格納されるプログラムを実行することで実現される。
【0024】
まず、プロセッサ11は、アンテナ20を通じてパルスを受信する機能を有する。
たとえば、プロセッサ11は、操作部16を通じて、パルスの受信を開始する操作の入力を受け付ける。当該操作の入力を受け付けると、プロセッサ11は、アンテナインターフェース15を通じて、アンテナ20が受信した電磁波の強度の取得を開始する。即ち、プロセッサ11は、アンテナ20を通じて、パルスを時系列で取得する。
【0025】
なお、プロセッサ11は、操作部16を通じて、アンテナ20が受信する電波の周波数帯を設定する操作の入力を受け付けてもよい。この場合、プロセッサ11は、アンテナインターフェース15を通じて、当該操作に従って、受信する電波の周波数帯をアンテナ20に設定してもよい。
【0026】
図2は、アンテナ20が受信した電磁波を示すグラフである。
図2では、横軸は、時間を示し、縦軸は、アンテナ20が受信した電磁波の強度を示す。
図2が示すように、アンテナ20は、パルスとして、一定の幅を持つ波(たとえば、矩形波)を受信する。アンテナ20は、連続して複数のパルスを受信する。
【0027】
プロセッサ11は、所定の期間においてアンテナ20を通じてパルスを受信する。
【0028】
また、プロセッサ11は、パルスの間隔を二次元座標空間にプロットする機能を有する。
プロセッサ11は、注目するパルスを設定する。パルスを設定すると、プロセッサ11は、設定されたパルスと設定されたパルスの直前に受信されたパルスとの間隔時間(前方パルス間隔時間)を算出する。また、プロセッサ11は、設定されたパルスと設定されたパルスの直後に受信されたパルスとの間隔時間(後方パルス間隔時間)を算出する。
【0029】
前方パルス間隔時間と後方パルス間隔時間とを算出すると、プロセッサ11は、前方パルス間隔時間をX座標、後方パルス間隔時間をY座標とする座標点を二次元座標空間にプロットする。
【0030】
プロセッサ11は、各パルスにおいて同様に前方パルス間隔時間と後方パルス間隔時間とを算出して、各パルスに対応する座標点を二次元座標空間にプロットする。
【0031】
即ち、プロセッサ11は、複数のパルスに対応する座標点から構成される集合パターンPを生成する。
集合パターンPは、以下のように表現される。
【0032】
【0033】
ここで、Nは、集合パターンPが持つ座標点の個数を示す。また、Piは、i番目の座標点を示す。(xi,yi)は、Piの二次元空間における座標を示す。
【0034】
図3は、集合パターンPの各座標点がプロットされている二次元座標空間を示す。
図3では、X軸は、前方パルス間隔時間を示し、Y軸は、後方パルス間隔時間を示す。
図3が示すように、集合パターンPの複数の座標点が二次元座標空間にプロットされている。
【0035】
また、プロセッサ11は、集合パターンPから確率密度関数を生成する機能を有する。
プロセッサ11は、カーネル密度推定法により、集合パターンPを空間的に滑らかな確率密度関数に変換する。カーネル密度推定法は、有限個の標本点から母集団の確率分布を推定するノンパラメトリック手法である。
【0036】
P1、P2…PNを独立分布からの標本とし、Kをカーネル関数、hをバンド幅(平滑化パラメータ)とすると、二変量の確率密度のカーネル密度推定量(確率密度関数)は、以下の式で与えられる。
【0037】
【0038】
ここで、カーネル関数には、全定義域で非負であり、全定義域で積分すると1になるという制約がある。ここでは、カーネル関数として、この制約を満たす等方的な連続関数であるガウスカーネルを用いる。
【0039】
ガウスカーネルは、以下の式で与えられる。
【0040】
【0041】
ガウスカーネルを採用したカーネル密度推定量は、以下の式で与えられる。
【0042】
【0043】
なお、カーネル密度推定量p(z)は、確率密度関数として以下の性質を持つ。
【0044】
【0045】
図4は、プロセッサ11が集合パターンPから生成した確率密度関数を示すグラフである。
図4では、X軸は、前方パルス間隔時間を示し、Y軸は、後方パルス間隔時間を示す。また、
図4では、色が濃いほど、高い値を示す。
【0046】
図4が示すように、確率密度関数は、集合パターンPの各座標点において極大となる。また、確率密度関数は、集合パターンPの各座標点を中心として、等方的に滑らかに減少する。
【0047】
また、プロセッサ11は、生成された確率密度関数に基づいて、受信されたパルスの諸元を識別する機能を有する。
ここで、NVM14は、各諸元に対応するテンプレートを予め格納する。テンプレートは、諸元が示す送信元から送信されたパルスに基づいて生成された確率密度関数である。
【0048】
即ち、プロセッサ11は、既知の送信元(又は既知の動作モードで動作する送信元)からのパルスに基づいて上記の通り確率密度関数を生成して、テンプレートとして予めNVM14に格納する。テンプレートは、当該送信元に関連する諸元と対応付けて格納される。
また、テンプレートは、他の装置によって生成されたものであってもよい。
【0049】
プロセッサ11は、生成された確率密度関数と各テンプレートとを比較する。
【0050】
ここでは、プロセッサ11は、生成された確率密度関数と各テンプレートとの類似度を示す評価値としてKL(Kullback-Leibler)ダイバージェンスを算出する。
【0051】
KLダイバージェンスは、以下の式によって算出される。
【0052】
【0053】
ここで、P及びQは、確率分布であり、p(z)及びq(z)は、それぞれP及びQの確率密度関数である。
また、KLダイバージェンスは、0に近いほど、2つの確率分布が類似していることを示す。
【0054】
プロセッサ11は、生成された確率密度関数と各テンプレートとのKLダイバージェンスを算出する。KLダイバージェンスを算出すると、プロセッサ11は、最も小さいKLダイバージェンスを特定する。
【0055】
最も小さいKLダイバージェンスを特定すると、プロセッサ11は、当該KLダイバージェンスが所定の閾値未満であるかを判定する。
【0056】
当該KLダイバージェンスが所定の閾値未満であると判定すると、プロセッサ11は、当該KLダイバージェンスを算出するために用いられたテンプレートに対応する諸元を受信されたパルスの諸元として取得する。即ち、プロセッサ11は、受信されたパルスの諸元を識別する。
【0057】
受信されたパルスの諸元を識別すると、プロセッサ11は、当該諸元を示す情報を表示部17などに表示する。また、プロセッサ11は、当該諸元を示す情報を外部装置に送信するものであってもよい。
【0058】
当該KLダイバージェンスが所定の閾値以上であると判定すると、プロセッサ11は、諸元の識別に失敗したことを示すエラーを出力する。たとえば、プロセッサ11は、表示部17に、エラーとして、諸元の識別に失敗したことを示すメッセージなどを表示する。また、プロセッサ11は、エラーとして、諸元の識別に失敗したことを示す情報を外部装置に送信するものであってもよい。
【0059】
次に、情報処理装置10の動作例について説明する。
図5は、情報処理装置10の動作例について説明するためのフローチャートである。
【0060】
まず、情報処理装置10のプロセッサ11は、アンテナ20を通じて、所定の期間においてパルスを受信する(S11)。パルスを受信すると、プロセッサ11は、各パルスにおいて前方パルス間隔時間及び後方パルス間隔時間を算出する(S12)。
【0061】
前方パルス間隔時間及び後方パルス間隔時間を算出すると、プロセッサ11は、二次元座標空間において座標点を取得する(S13)。座標点を取得すると、プロセッサ11は、前方パルス間隔時間及び後方パルス間隔時間に基づいて、確率密度関数を生成する(S14)。確率密度関数を生成すると、プロセッサ11は、確率密度関数と各テンプレートとのKLダイバージェンスを算出する(S15)。
【0062】
確率密度関数と各テンプレートとのKLダイバージェンスを算出すると、プロセッサ11は、最も小さいKLダイバージェンスが所定の閾値未満であるかを判定する(S16)。
【0063】
最も小さいKLダイバージェンスが所定の閾値未満であると判定すると(S16、YES)、プロセッサ11は、当該KLダイバージェンスを算出するために用いられたテンプレートに対応する諸元を取得する(S17)。
【0064】
最も小さいKLダイバージェンスが所定の閾値以上であると判定すると(S16、NO)、プロセッサ11は、エラーを出力する(S18)。
【0065】
諸元を取得した場合(S17)、又は、エラーを出力した場合(S18)、プロセッサ11は、動作を終了する。
【0066】
なお、プロセッサ11は、最も小さいKLダイバージェンスが所定の閾値以上であると判定した場合、オペレータなどの操作に従って、生成された確率密度関数を新たなテンプレートとしてNVM14に格納してもよい。
【0067】
また、情報処理装置10とアンテナ20とは、一体的に形成されるものであってもよい。また、アンテナ20は、受信した電磁波の強度を示す信号(デジタル信号)を情報処理装置10に送信するものであってもよい。
また、識別システム1は、複数個のアンテナ20を備えるものであってもよい。
【0068】
以上のように構成された識別システムは、受信されたパルスの間隔時間から確率密度関数を生成する。識別システムは、生成された確率密度関数とテンプレートとを比較して受信されたパルスの諸元を識別する。識別システムは、確率密度関数を用いることで、パルスの間隔時間の誤差の影響を軽減することができる。
【0069】
また、識別システムは、カーネル密度推定法を用いることで、少数のパルスから確率密度関数を生成することができる。その結果、識別システムは、少数のパルスからパルスの諸元を識別することができる。また、識別システムは、少数のパルスからテンプレートを生成することができる。
【0070】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0071】
1…識別システム、10…情報処理装置、11…プロセッサ、12…ROM、13…RAM、14…NVM、15…アンテナインターフェース、16…操作部、17…表示部、20…アンテナ。