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特開2022-170873フィルタ清掃ユニット及び空気調和機
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022170873
(43)【公開日】2022-11-11
(54)【発明の名称】フィルタ清掃ユニット及び空気調和機
(51)【国際特許分類】
   B01D 46/10 20060101AFI20221104BHJP
   F24F 1/0073 20190101ALI20221104BHJP
   F24F 8/90 20210101ALI20221104BHJP
【FI】
B01D46/10 C
F24F1/0073
F24F8/90 110
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021077144
(22)【出願日】2021-04-30
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和2年8月25日に三菱重工冷熱株式会社に販売した。また、令和2年6月2日に以下のウェブサイトのアドレスに公開した。 https://www.mhi-mth.co.jp/catalogue/index.php?mode=browse&contentsNumber=541
(71)【出願人】
【識別番号】516299338
【氏名又は名称】三菱重工サーマルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100140914
【弁理士】
【氏名又は名称】三苫 貴織
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100172524
【弁理士】
【氏名又は名称】長田 大輔
(72)【発明者】
【氏名】杉本 啓
【テーマコード(参考)】
3L051
4D058
【Fターム(参考)】
3L051BA02
4D058JA12
4D058MA31
4D058MA47
4D058SA01
4D058UA21
(57)【要約】
【課題】取付部に櫛を取り付け易くすることを目的とする。
【解決手段】フィルタ清掃ユニットは、フィルタを清掃するブラシと、長手方向に延在しブラシを清掃する櫛44及び櫛44が取り付けられる取付部45を有する櫛部41と、を備えている。櫛44は、取付部45に係合し、長手方向に延び、長手方向に並んで配置される複数の係合爪72を有している。複数の係合爪72は、端部係合爪72cと、端部係合爪72cよりも長手方向の中央側に配置される第1係合爪72aと、を有している。第1係合爪72aは、第3係合爪72cよりも長手方向の長さが長い。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルタを清掃するブラシと、
一方向に延在し前記ブラシを清掃する櫛と、前記櫛が取り付けられる取付部と、を有する櫛部と、を備え、
前記櫛は、前記取付部に係合し、前記一方向に延び、前記一方向に並んで配置される複数の係合爪を有し、
複数の前記係合爪は、端部係合爪と、前記端部係合爪よりも前記一方向の中央側に配置される第1中央係合爪と、を有し、
前記第1中央係合爪は、前記端部係合爪よりも前記一方向の長さが長いフィルタ清掃ユニット。
【請求項2】
前記櫛は、前記一方向の両端部に前記端部係合爪が設けられている請求項1に記載のフィルタ清掃ユニット。
【請求項3】
複数の前記係合爪は、前記第1中央係合爪よりも前記一方向の長さが短く、前記端部係合爪よりも前記一方向の長さが長い第2中央係合爪を有し、
前記第2中央係合爪は、前記第1中央係合爪よりも、前記一方向の中央側に配置されている請求項1または請求項2に記載のフィルタ清掃ユニット。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれかに記載のフィルタ清掃ユニットを備える空気調和機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、フィルタ清掃ユニット及び空気調和機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
天井埋込み型空気調和機の室内機には、吸込み口に設置されたフィルタに付着した塵埃を、ブラシによって清掃するフィルタ清掃ユニットを備えるものがある。ブラシは、フィルタの幅と同等の長さを有し、モータを有する駆動機構によって、フィルタの一方向に沿って移動する。
【0003】
このようなフィルタ清掃ユニットには、ブラシがフィルタを清掃する際に、ブラシと接触してブラシに付着した塵埃を掻き落とす櫛を備えるものが知られている(例えば、特許文献1)。特許文献1には、ブラシの軸方向と平行な方向に延びる櫛を備えるフィルタ清掃ユニットが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-988号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
フィルタ清掃ユニットに設けられる櫛は、ブラシに対応するように、長尺状の部材とされている。長尺状の櫛は、成型時に直線状にならず、反り易い。具体的には、櫛先が内側となるように、反り易い。このため、櫛が反ってしまうと、フィルタ清掃ユニットの取付部に取り付ける際に、櫛が取付部から浮いてしまい、櫛をフィルタ清掃ユニットに取り付け難いという問題が生じる。特に、櫛の清掃等の目的で、櫛を着脱可能とした場合には、櫛を取付部に取り付ける機会が多くなる。このため、フィルタ清掃ユニットにおいて、取り付け易い櫛が望まれていた。
【0006】
本開示は、このような事情に鑑みてなされたものであって、フィルタ清掃ユニット及び空気調和機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本開示のフィルタ清掃ユニット及び空気調和機は以下の手段を採用する。
本開示の一態様に係るフィルタ清掃ユニットは、フィルタを清掃するブラシと、一方向に延在し前記ブラシを清掃する櫛と、前記櫛が取り付けられる取付部と、を有する櫛部と、を備え、前記櫛は、前記取付部に係合し、前記一方向に延び、前記一方向に並んで配置される複数の係合爪を有し、複数の前記係合爪は、端部係合爪と、前記端部係合爪よりも前記一方向の中央側に配置される第1中央係合爪と、を有し、前記第1中央係合爪は、前記端部係合爪よりも前記一方向の長さが長い。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、櫛を取り付け易くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示の一実施形態に係る天井埋込み型空気調和機の室内ユニットを示す縦断面図である。
図2】本開示の一実施形態に係る天井埋込み型空気調和機の室内ユニットを示す斜視図である。
図3】本開示の一実施形態に係るフィルタ清掃ユニットを示す縦断面図である。
図4】本開示の一実施形態に係るフィルタ清掃ユニットを示す縦断面図である。
図5】本開示の一実施形態に係る吸込みグリル及び回収箱部を示す斜視図である。
図6】本開示の一実施形態に係る吸込みグリル及び回収箱部を示す縦断面図である。
図7】本開示の一実施形態に係る吸込みグリル及び回収箱部を示す縦断面図である。
図8】本開示の一実施形態に係るフィルタ清掃ユニットを示す平面図である。
図9図8のIX-IX矢視断面図である。
図10】(a)は図9のa部分を、(b)は図9のb部分を、(c)は図9のc部分の拡大した図であって、第1爪部が係合孔に係合し始めた状態を示している。
図11】(a)は図9のa部分を、(b)は図9のb部分を、(c)は図9のc部分の拡大した図であって、第2爪部が係合孔に係合し始めた状態を示している。
図12】(a)は図9のa部分を、(b)は図9のb部分を、(c)は図9のc部分の拡大した図であって、第3爪部が係合孔に係合し始めた状態を示している。
図13】(a)は図9のa部分を、(b)は図9のb部分を、(c)は図9のc部分の拡大した図であって、櫛が取付部に取り付けられた状態を示している。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本開示の一実施形態に係るフィルタ清掃ユニット及び空気調和機について、図面を参照して説明する。
天井埋込み型空気調和機(以下「空気調和機」という。)は、室内ユニット1と、室外ユニット(図示せず。)と、室内ユニット1及び室外ユニットとを結ぶ冷媒配管(図示せず。)などを備える。
室内ユニット1は、ケース本体2が天井に埋込まれて設置される。ケース本体2の内部には、図1に示すように、熱交換器7、ドレンパン10、モータ5、送風機6、ベルマウス12等が内蔵され、このケース本体2の下部には天井面に露出するパネル部8が装着される。
【0011】
図1及び図2に示すように、室内ユニット1の下面中央部には吸込み口3が形成され、この吸込み口3に隣接した位置に、室内ユニット1の下面外周部に沿って一方向に長い吹出し口4が形成される。吸込み口3には、吸込みグリル11と、吸込みグリル11の上方にフィルタ13とが設置される。ドレンパン10は、熱交換器7の下部に設けられ、熱交換器7から滴下するドレン水を受ける。ベルマウス12は、ドレンパン10の下部に設けられる。
【0012】
空気調和機が運転すると、図示しない室外ユニットからの冷媒が熱交換器7を循環し、モータ5によって送風機6が駆動される。送風機6の駆動によって、室内空気が吸込み口3から吸込みグリル11、フィルタ13を通り、ベルマウス12に案内されて送風機6へ吸入される。そして、送風機6から吹き出された空気は、熱交換器7を通過することで、冷却又は加熱され、その後、吹出し口4から室内へ吹き出される。
【0013】
ルーバ14は、吹出し口4の形状に合わせて一方向に長く、ルーバ14は、長手方向に対して平行な軸周りに回動する。これにより、ルーバ14の向きが変更されることによって、吹出し口4から吹き出される空気流が上向きとなったり又は下向きとなったりする。
【0014】
フィルタ13は、吸入される空気に含まれる塵埃等を除去する。フィルタ13は、吸込み口3と同様に四角形状を有し、吸込み口3の中央付近に配置される。また、吸込みグリル11の枠部の四隅には、吸込みグリル11を昇降させるワイヤ15が配置されている。
【0015】
本実施形態に係る室内ユニット1は、フィルタ清掃ユニット16を備える。図2に示すように、フィルタ清掃ユニット16は、フィルタ13の下面においてパネル部8に設置されており、フィルタ13における一方向の1辺の長さと同等又はそれよりも長いブラシ17を有する。フィルタ清掃ユニット16のブラシ17がフィルタ13の一端側の辺から他端側の辺へフィルタ13の表面に接触ながら移動することで、フィルタ13に付着した塵埃を除去する。フィルタ清掃ユニット16は、運転制御に関する制御信号に基づいて運転を開始する。
【0016】
図2に示すように、フィルタ清掃ユニット16は、パネル部8に着脱可能に設置されるフレーム部9と、フレーム部9に設置されたブラシ17、ブラシ固定部21及びモータ24等と、吸込みグリル11に配置される回収箱部38(図3及び図4参照)などを備える。
【0017】
フレーム部9は、吸込み口3と同様に四角形状を有し、吸込み口3の中央付近に配置される。フレーム部9には、フィルタ13が設置され、フレーム部9は、パネル部8に取り付けられたり、パネル部8から取り外されたりすることができる。
【0018】
ブラシ17は、一方向に長い軸材を有し、軸材の外周面において軸方向の一端から他端にかけて多数の毛が配置される。ブラシ17は、両端部のそれぞれに、ピニオンギアと噛み合うブラシ回転用ギア(図示せず。)が設置されている。また、ブラシ17は、両端部おいてブラシ固定部21によって支持される。
【0019】
図2に示すように、ブラシ固定部21は、ブラシ17の軸方向と平行な方向に長い部材であり、内側にブラシ17を収容する。ブラシ固定部21は、ブラシ17を囲む形状を有しており、フィルタ13側にてブラシ17を露出させる。ブラシ固定部21には、長手方向両端部に一つずつ合計二つのピニオンギア(図示せず。)が回転可能に設置されている。ブラシ固定部21は、ピニオンギアを介してラックギア(図示せず。)に支持される。ブラシ固定部21がラックギアに沿って移動することによって、ブラシ固定部21及びブラシ17がフィルタ13の表面に沿ってフィルタ13の一端側の辺から他端側の辺にかけて移動する。
【0020】
ブラシ固定部21は、フィルタ13の一方向の両側でピニオンギアとラックギアによって支持されているため、ブラシ固定部21とブラシ17が確実に移動する。
【0021】
ピニオンギアは、ブラシ固定部21の両端部にそれぞれ設置されている。ピニオンギアは、ラックギアと噛み合う。ブラシ固定部21が移動することによって、ピニオンギアは、ラックギア上を移動してラックギアから伝達された力によって従動的に回転する。ラックギアは、フィルタ13の外側において、軸方向がブラシ17の軸方向とは垂直方向になるように設置される。ラックギアの長さは、フィルタ13の1辺の長さと同等又はそれよりも長い。
【0022】
ブラシ回転用ギアは、各ピニオンギアに対応して一つずつ設けられ、ピニオンギアに噛み合っている。ピニオンギアが回転することによって、ブラシ回転用ギアがピニオンギアから伝達された力によって従動的に回転する。その結果、ブラシ回転用ギアに設置されたブラシ17が回転し、ブラシ17の移動と共にブラシ17が回転する。
【0023】
また、ピニオンギアは、モータ24と連結されておらず、従動的に動作する部材である。本実施形態では、ピニオンギアがブラシ固定部21に設置されているため、特許文献1と異なり、二つのピニオンギアを連結する推進軸が不要である。
【0024】
図2に示すように、モータ24、シャフト25及びナット26などからなる駆動機構は、フィルタ13の1辺に沿って1組のみ設置されればよい。
【0025】
モータ24は、フィルタ清掃ユニット16のフレーム部9に固定設置される。モータ24は、シャフト25と連結されており、モータ24が駆動することによってシャフト25が軸周りに回転する。シャフト25は、一方向に長い軸材であり、軸材の外周面に雄ねじが形成され、ナット26が噛み合わされている。シャフト25は、軸方向がブラシ17の軸方向に対して垂直方向となるように、すなわち、ラックギアと平行方向に設置される。シャフト25は、フィルタ13における一方向の1辺の長さと同等又はそれよりも長い。
【0026】
ナット26は、内周面にシャフト25の雄ねじと噛み合う雌ねじが形成されている。ナット26は、シャフト25の軸周りに回転しないようにブラシ固定部21と接続されている。ナット26は、ブラシ固定部21に対して固定されていないが、ナット26はブラシ固定部21を押すことができるようにブラシ固定部21と接続されている。これにより、シャフト25が回転することによって、ナット26が移動し、ナット26がブラシ固定部21を押し、シャフト25の軸方向に沿って移動する。シャフト25の回転方向を変更することによって、ナット26及びブラシ固定部21の進行方向を変更できる。
【0027】
なお、上述した例では、シャフト25に雄ねじが形成され、ナット26に雌ねじが形成されて組み合わされた例について説明したが、本開示はこの例に限定されない。例えば、シャフト25とナット26の組み合わせによってボールねじ機構となるように、シャフト25とナット26が構成されてもよい。
【0028】
本実施形態において、モータ24は一つのみ設置すればよく、簡易な構造でブラシ17を移動させることができる。
【0029】
次に、図3図7を参照して回収箱部38について説明する。
図3及び図4に示すように、回収箱部38は、吸込みグリル11のフィルタ13側の面に配置され、回収箱部38の上方に位置するブラシ固定部21と接続可能である。回収箱部38は、ブラシ17の軸方向と平行な方向に長い部材である。図5に示すように、回収箱部38は、回収箱39と、支持部40と、櫛部41などを有する。
【0030】
回収箱部38は、ブラシ17が移動してフィルタ13を清掃するとき、図3に示すように、ブラシ固定部21と接続されてブラシ固定部21と共に移動する。
【0031】
回収箱39は、ブラシ17によって除去された塵埃が貯留される箱体であり、ブラシ17の軸方向長さと同等又はそれよりも長い長さを有し、ブラシ17の直径よりも長い幅を有する。回収箱39は、支持部40と吸込みグリル11の間に設置される。
【0032】
支持部40は、回収箱39の上部に設置される。支持部40は、ブラシ17の軸方向と平行な方向に長い四角形状を有し、回収箱39の開口部の縁に沿って設置される枠を有する。支持部40の長手方向両端部は、吸込みグリル11に設けられたレール43とスライド可能に接続されている。これにより、回収箱39は、支持部40を介して吸込みグリル11に支持されている。
【0033】
支持部40がレール43と接続されたままの状態で、回収箱39は、支持部40と吸込みグリル11の間において、吸込みグリル11の面内方向に対して平行な方向に出入可能である。
【0034】
櫛部41は、支持部40の上部に設置されている。櫛部41は、支持部40に対して着脱可能に取付けられている。櫛部41は、ブラシ17の軸方向と平行な方向に長い四角形状を有している。櫛部41の詳細については、後述する。
なお、支持部40と櫛部41には、互いに係合することで、櫛部41が支持部40に対して移動しないように規制する係止部54,55が設けられてもよい。
【0035】
図6及び図7に示すように、係合部46は、回収箱部38の支持部40の上部に設置されており、図7に示すように、回収箱部38が吸込みグリル11の一端側に配置された状態で吸込みグリル11に対し係合する。
【0036】
係合部46は、回転軸56を介して支持部40と接続されており、係合部46は、支持部40に対して回動可能に支持されている。係合部46は、一体的に形成された被押圧部47及び突出部48と、付勢部49を有する。
【0037】
被押圧部47は、回収箱39の上部に設置される。突出部48は、被押圧部47に対して下向きに突出しており、吸込みグリル11の壁部11Aと係合可能である。付勢部49は、ねじりばねであり、突出部48を下向きに付勢する。
【0038】
図6に示すように、ブラシ固定部21が回収箱39の上部に載置されると、ブラシ固定部21の下面が係合部46の被押圧部47と接触し、ブラシ固定部21によって被押圧部47が押圧される。これにより、回転軸56を中心にして係合部46が回動して突出部48が上方へ移動する。その結果、係合部46と吸込みグリル11との係合が解除される。これにより、ブラシ固定部21が回収箱部38の上部に載置され、係合部46と接触した状態、すなわち、吸込みグリル11がケース本体2の所定の位置に設置されると回収箱部38が移動することができる。
【0039】
これに対し、図7に示すように、ブラシ固定部21が回収箱39及び係合部46から離隔すると、ブラシ固定部21によって被押圧部47が押圧されない状態となるため、付勢部49によって突出部48が下方へ移動する。このとき、回収箱部38は、吸込みグリル11の端部に位置しており、係合部46の突出部48が吸込みグリル11の壁部11Aと係合される。これにより、ブラシ固定部21が回収箱39及び係合部46から離隔した状態、すなわち、吸込みグリル11を降ろす際、回収箱部38が吸込みグリル11に対して移動することを防止できる。なお、ブラシ固定部21が回収箱39及び係合部46から離隔する前には、必ず、回収箱部38は、吸込みグリル11の端部に位置するように制御されて移動されている。
【0040】
次に、本実施形態に係る櫛部41の詳細について、図8から図13を用いて説明する。
図8及び図9に示すように、櫛部41は、支持部40の縁に沿って設置される枠部42と、枠部42の内周面に固定される取付部45と、取付部45に取り付けられる櫛44と、を有する。以下の説明では、ブラシ17の軸方向と平行な方向のことを、「長手方向」と称する。また、水平面に含まれる方向であって、長手方向と直交する方向を「短手方向」と称する。
【0041】
枠部42は、図8に示すように、支持部40に設けられた係止部54と係合する係止部55が設けられている。係止部54と係止部55とは、互いに係合することで、支持部40に対する櫛部41の相対移動を規制している。
【0042】
取付部45は、櫛部41の短手方向の略中央に設けられている。取付部45は、図9に示すように、長手方向に沿って延在する部材である。取付部45は、長手方向の両端部が、枠部42の内周面に固定されている。取付部45には、複数の係合孔60が形成されている。複数の係合孔60は、所定の間隔で長手方向に並んで配置されている。複数の係合孔60は、後述する複数の係合爪72に対応する位置に配置されている。
【0043】
櫛44は、取付部45に着脱可能に取付けられている。櫛44は、図8及び図9に示すように、長手方向(一方向)に沿って延在する長尺状の部材である。櫛44は、櫛部41の短手方向の略中央に設けられている。
【0044】
櫛44は、図9に示すように、ブラシ17と当接してブラシ17に付着した塵埃を書き落とす当接部70と、上端に当接部70が固定される基部71と、基部71の下部から長手方向に延びる係合爪72と、を有する。
【0045】
櫛44は、櫛先がブラシ17側、すなわち上方に突出している。当接部70は、図6に示すように、ブラシ固定部21と回収箱部38が接続された状態で、ブラシ17と接触する。ブラシ17がフィルタ13を清掃するとき、櫛44の当接部70は、ブラシ17と接触してブラシ17に付着した塵埃を掻き落とす。掻き落とされた塵埃は、回収箱39に回収される。
【0046】
図9に示すように、基部71は、複数設けられている。複数の基部71は、長手方向に沿って所定の間隔で並んで配置されている。基部71は、上面に当接部70が固定されている。基部71は、長手方向の一端側の端面の下部から、係合爪72が突出している。基部71は、係合孔60と係合爪72とが係合した状態において、長手方向の他端側の端部が取付部45の上面に当接している。
【0047】
複数の係合爪72は、長手方向に所定の間隔で並んで配置されている。複数の係合爪72は、複数の係合孔60に対応する位置に配置されている。係合爪72は、係合孔60に係合する。具体的には、係合爪72は、上方から係合孔60を挿通した状態で長手方向に移動することで、取付部45の下方に位置することとなる。この状態で、係合爪72が上方に移動しようとすると、係合爪72の上面が取付部45の下面と当接する。これにより、取付部45に対する櫛44の上下方向の相対移動が規制される。
【0048】
上述のように、係合爪72は、長手方向に沿って複数(本実施形態では、一例として5つ)並んで配置されている。複数の係合爪72は、図9及び図10に示すように、長手方向の長さが異なる係合爪72を有している。具体的には、複数の係合爪72は、最も長手方向の長さが長い第1係合爪(第1中央係合爪)72aと、2番目に長手方向の長さが長い第2係合爪(第2中央係合爪)72bと、最も長手方向の長さが短い第3係合爪(端部係合爪)72cと、を有している。換言すれば、図10等に示すように、第1係合爪72aの長手方向の長さL1は、第2係合爪72bの長手方向の長さL2及び第3係合爪72cの長手方向の長さL3よりも長い。また、第2係合爪72bの長手方向の長さL2は、第3係合爪72cの長手方向の長さL3よりも長い。なお、係合爪72の長手方向の長さとは、基部71の端面から係合爪72の先端までの長さを意味している。
【0049】
また、図9に示すように、各係合爪72は、長手方向の一端(図9の右端)から、第3係合爪72c、第1係合爪72a、第2係合爪72b、第2係合爪72b、第3係合爪72cの順番で配置されている。また、第3係合爪72cは、櫛44の長手方向の両端部に設けられている。第1係合爪72a及び第2係合爪72bは、第3係合爪72cよりも長手方向の中央側に配置されている。また、2つの第2係合爪72bのうち、長手方向の一端側に配置される第2係合爪72bは、櫛44の長手方向の略中央に配置されている。すなわち、長手方向の一端側に配置される第2係合爪72bは、第1係合爪72aよりも中央側に配置されている。
【0050】
次に、櫛44を取付部45に取り付ける方法について、図10から図13を用いて詳細に説明する。
櫛44を取付部45に取り付ける際には、第1係合爪72a、第2係合爪72b、第3係合爪72cの順番で、係合孔60に係合させる。
【0051】
具体的には、まず、図10に示すように、第1係合爪72aが係合孔60に係合し始める状態(図10(b)参照)において、第2係合爪72bは、係合孔60の縁と、長さD1離間している(図10(a)参照)。また、この状態において、第3係合爪72cは、係合孔60の縁と、長さD2離間している(図10(c)参照)。すなわち、第1係合爪72aが係合孔60に係合し始める状態(図10(b)参照)において、第2係合爪72b及び第3係合爪72cは、係合孔60と係合していない。また、長さD1は、長さD2よりも長い。
なお、係合爪72と係合孔60とが係合し始める状態とは、図10(b)等に示すように、係合爪72の先端と係合孔60の縁との、長手方向の一が一致した状態を意味する。
【0052】
第1係合爪72aと係合孔60との係合が進むと、図11(a)に示すように、第2係合爪72bが係合孔60に係合し始める。この状態において、第1係合爪72aは、長さE1分、係合孔60に係合している(図11(b)参照)。また、この状態において、第3係合爪72cは、係合孔60の縁と、長さD3離間している(図11(c)参照)。すなわち、第2係合爪72bが係合孔60に係合し始める状態(図10(b)参照)において、第3係合爪72cは係合孔60と係合していない。
【0053】
第2係合爪72bと係合孔60との係合が進むと、図12(c)に示すように、第3係合爪72cが係合孔60に係合し始める。この状態において、第1係合爪72aは、長さE2分、係合孔60に係合している(図12(b)参照)。また、この状態において、第2係合爪72bは、長さE3分、係合孔60に係合している(図12(a)参照)。また、長さE2は、長さE3よりも長い。
【0054】
第3係合爪72cと係合孔60との係合を進め、図13に示すように、全ての係合爪72を係合孔60に係合させることで、取付部45への櫛44の取り付けは終了する。櫛44が取付部45へ取り付けられた状態では、第1係合爪72aは、長さE4分、係合孔60に係合している(図13(b)参照)。また、この状態において、第2係合爪72bは、長さE5分、係合孔60に係合している(図13(a)参照)。また、この状態において、第3係合爪72cは、長さE6分、係合孔60に係合している(図13(c)参照)。
なお、2つの第2係合爪72bは、同時に係合させてもよい。また、2つの第3係合爪72cは、同時に係合させてもよい。
【0055】
櫛44が取付部45へ取り付けられた状態では、取付部45に対する櫛44の相対移動が係合爪72等によって規制されている。
例えば、櫛44が上方に移動しようとすると、係合爪72の上面が取付部45の下面と当接する。これにより、取付部45に対する櫛44の上方向の相対移動が規制される。また、上述のように、基部71は、係合孔60と係合爪72とが係合した状態において、長手方向の他端側の端部が取付部45の上方に位置している。このため、櫛44が下方に移動しようとすると、基部71の端部が取付部45の上面に当接する。これにより、取付部45に対する櫛44の下方向の相対移動が規制される。
【0056】
本実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
櫛44は、ブラシ17に対応するように、長尺状の部材とされている。このため、櫛44は、成型時に直線状にならず、反り易い。具体的には、櫛44は、櫛先が内側となるように、反り易い。このため、櫛44が反ってしまうと、フィルタ清掃ユニット16の取付部45に取り付ける際に、櫛44が取付部45から浮いてしまい、櫛44をフィルタ清掃ユニット16に取り付け難いという問題が生じる。
【0057】
しかしながら、本実施形態では、第1係合爪72aの長手方向の長さL1が、第2係合爪72bの長手方向の長さL2及び第3係合爪72cの長手方向の長さL3よりも長い。これにより、第1係合爪72aが取付部45の係合孔60に係合した状態において、第2係合爪72b及び第3係合爪72cが取付部45の係合孔60に係合していない状態となる。換言すれば、第2係合爪72b及び第3係合爪72cを取付部45の係合孔60に係合させる際に、第1係合爪72aが取付部45の係合孔60に係合した状態となる。したがって、第1係合爪72a、第2係合爪72b及び第3係合爪72cを係合させる際に、第1係合爪72aと第2係合爪72bと第3係合爪72cとを同時に係合させる必要がなく、第1係合爪72a、第2係合爪72b、第3係合爪72cの順番で係合させることができる。よって、例えば、櫛44が長手方向に対して反っているような場合であっても、第2係合爪72b及び第3係合爪72cを取付部45の係合孔60に係合させる際に、既に取付部45の係合孔60に係合している第1係合爪72aや第2係合爪72bを固定点として、櫛44の反りを矯正しながら係合させることができる。以上から、第1係合爪72aと第2係合爪72bと第3係合爪72cとを同時に取付部45の係合孔60に係合させる場合(固定点が存在しない場合)と比較して、取付部45に櫛44を取り付け易くすることができる。
【0058】
また、本実施形態では、長手方向の長さが長い第1係合爪72aが、第3係合爪72cよりも中央側に配置されている。また、長手方向の両端部に第3係合爪72cが設けられている。これにより、櫛44の中央側に配置されている第1係合爪72aから係合させることができる。したがって、取付部45の係合孔60に櫛44を取り付ける際に、長手方向の中央側を持って作業を行うことができる。よって、長手方向の端部を持って作業する場合と比較して、取付部45の係合孔60に櫛44を取り付け易くすることができる。
【0059】
例えば、最も長さが長い係合爪72が櫛44の中央に設けられている場合には、当該係合爪72を取付部45の係合孔60に係合させた後に、中央から長手方向の一端側及び他端側の二方向へ向かって係合爪72を取付部45の係合孔60に係合させる作業を行う必要がある。したがって、この場合には、作業が煩雑化する可能性がある。
一方、本実施形態では、第1係合爪72aよりも長さが短い第2係合爪72bが、第1係合爪72aよりも中央側に配置されている。これにより、第1係合爪72a、第2係合爪72b、第3係合爪72cの順番で、各係合爪72を取付部45の係合孔60に係合させることで、長手方向の一端側から他端側へ向かって係合爪72を取付部45の係合孔60に係合させる作業を行うことができる。したがって、中央から長手方向の一端側及び他端側の二方向へ向かって係合爪72を取付部45の係合孔60に係合させる作業を行う場合と比較して、作業を簡易化することができる。よって、取付部45に櫛44を取り付け易くすることができる。
【0060】
また、本実施形態では、第2係合爪72b及び第3係合爪72cを2つずつ設けている。これにより、2つの第2係合爪72b及び2つの第3係合爪72cは、同時に係合孔60に係合する。したがって、全ての係合爪72の長手方向の長さが異なる場合と比較して、係合爪72を係合孔60に係合させる作業の数を低減することができる。よって、係合爪72の数を多くし、櫛44を安定して取付部45に取り付けられるとともに、係合させる作業数を減少させることができる。したがって、取付部45に櫛44を取り付け易くすることができる。
【0061】
なお、本開示は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、適宜変形が可能である。
例えば、上記実施形態では、係合爪72の数を5つとしたが、本開示はこれに限定されない。係合爪72の数は、5つ以外の複数であってもよい。
【0062】
以上説明した実施形態に記載のフィルタ清掃ユニット及び空気調和機は、例えば以下のように把握される。
本開示の一態様に係るフィルタ清掃ユニットは、フィルタ(13)を清掃するブラシ(17)と、一方向に延在し前記ブラシを清掃する櫛(44)と、前記櫛が取り付けられる取付部(45)と、を有する櫛部(41)と、を備え、前記櫛は、前記取付部に係合し、前記一方向に延び、前記一方向に並んで配置される複数の係合爪(72)を有し、複数の前記係合爪は、端部係合爪(72c)と、前記端部係合爪よりも前記一方向の中央側に配置される第1中央係合爪(72a)と、を有し、前記第1中央係合爪は、前記端部係合爪よりも前記一方向の長さが長い。
【0063】
上記構成では、第1中央係合爪の一方向の長さが、端部係合爪の一方向の長さよりも長い。これにより、第1中央係合爪が取付部に係合した状態において、端部係合爪が取付部に係合していない状態となる。換言すれば、端部係合爪を取付部に係合させる際に、第1中央係合爪が取付部に係合した状態となる。したがって、第1中央係合爪及び端部係合爪を係合させる際に、第1中央係合爪と端部係合爪とを同時に係合させる必要がなく、第1中央係合爪、端部係合爪の順番で係合させることができる。よって、例えば、櫛が一方向に対して反っているような場合であっても、端部係合爪を取付部に係合させる際に、既に取付部に係合している第1中央係合爪を固定点として、櫛の反りを矯正しながら係合させることができる。以上から、第1中央係合爪と端部係合爪とを同時に取付部に係合させる場合(固定点が存在しない場合)と比較して、取付部に櫛を取り付け易くすることができる。
また、上記構成では、一方向の長さが長い第1中央係合爪が、端部係合爪よりも中央側に配置されている。これにより、櫛の中央側に配置されている第1中央係合爪から係合させることができる。したがって、取付部に櫛を取り付ける際に、一方向の中央側を持って作業を行うことができる。よって、一方向の端部を持って作業する場合と比較して、取付部に櫛を取り付け易くすることができる。
【0064】
また、本開示の一態様に係るフィルタ清掃ユニットは、前記櫛は、前記一方向の両端部に前記端部係合爪が設けられている。
【0065】
上記構成では、一方向の両端部に端部係合爪が設けられている。これにより、より確実に、櫛の中央側に配置されている第1中央係合爪から係合させることができる。したがって、取付部に櫛を取り付ける際に、一方向の中央側を持って作業を行うことができる。よって、一方向の端部を持って作業する場合と比較して、取付部に櫛を取り付け易くすることができる。
【0066】
また、本開示の一態様に係るフィルタ清掃ユニットは、複数の前記係合爪は、前記第1中央係合爪よりも前記一方向の長さが短く、前記端部係合爪よりも前記一方向の長さが長い第2中央係合爪を有し、前記第2中央係合爪は、前記第1中央係合爪よりも、前記一方向の中央側に配置されている。
【0067】
例えば、最も長さが長い係合爪が櫛部の中央に設けられている場合には、当該係合爪を取付部に係合させた後に、中央から一方向の一端側及び他端側の二方向へ向かって係合爪を取付部に係合させる作業を行う必要がある。したがって、この場合には、作業が煩雑化する可能性がある。
一方、上記構成では、第1中央係合爪よりも長さが短い第2中央係合爪が、第1中央係合爪よりも中央側に配置されている。これにより、第1中央係合爪、第2中央係合爪の順番で、各係合爪を取付部に係合させることで、一方向の一端側から他端側へ向かって係合爪を取付部に係合させる作業を行うことができる。したがって、中央から一方向の一端側及び他端側の二方向へ向かって係合爪を取付部に係合させる作業を行う場合と比較して、作業を簡易化することができる。よって、取付部に櫛を取り付け易くすることができる。
【0068】
本開示の一態様に係る空気調和機は、上記いずれかに記載のフィルタ清掃ユニットを備える。
【符号の説明】
【0069】
1 :室内ユニット
2 :ケース本体
3 :吸込み口
4 :吹出し口
5 :モータ
6 :送風機
7 :熱交換器
8 :パネル部
9 :フレーム部
10 :ドレンパン
11 :吸込みグリル
11A :壁部
12 :ベルマウス
13 :フィルタ
14 :ルーバ
15 :ワイヤ
16 :フィルタ清掃ユニット
17 :ブラシ
21 :ブラシ固定部
24 :モータ
25 :シャフト
26 :ナット
38 :回収箱部
39 :回収箱
40 :支持部
41 :櫛部
42 :枠部
43 :レール
44 :櫛
45 :取付部
46 :係合部
47 :被押圧部
48 :突出部
49 :付勢部
54 :係止部
55 :係止部
56 :回転軸
60 :係合孔
70 :当接部
71 :基部
72 :係合爪
72a :第1係合爪(第1中央係合爪)
72b :第2係合爪(第2中央係合爪)
72c :第3係合爪(端部係合爪)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13