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  • 特開-めっき用プライマー組成物 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022170878
(43)【公開日】2022-11-11
(54)【発明の名称】めっき用プライマー組成物
(51)【国際特許分類】
   C09D 123/26 20060101AFI20221104BHJP
   C09D 5/00 20060101ALI20221104BHJP
   C09D 7/63 20180101ALI20221104BHJP
   C09D 7/65 20180101ALI20221104BHJP
   C09D 125/04 20060101ALI20221104BHJP
   C23C 18/20 20060101ALI20221104BHJP
【FI】
C09D123/26
C09D5/00 D
C09D7/63
C09D7/65
C09D125/04
C23C18/20 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021077149
(22)【出願日】2021-04-30
(71)【出願人】
【識別番号】591161623
【氏名又は名称】株式会社コバヤシ
(74)【代理人】
【識別番号】100147865
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 美和子
(72)【発明者】
【氏名】坂上 哲也
【テーマコード(参考)】
4J038
4K022
【Fターム(参考)】
4J038CB141
4J038CC022
4J038CQ012
4J038DG262
4J038JA69
4J038JB37
4J038KA03
4J038KA06
4J038NA12
4J038PA07
4J038PB09
4K022AA19
4K022AA21
4K022AA31
4K022AA41
4K022BA01
4K022BA03
4K022BA06
4K022BA08
4K022BA14
4K022BA18
4K022BA21
4K022BA32
4K022CA22
4K022DA01
(57)【要約】
【課題】
シクロオレフィンポリマーとの接着性、密着性に優れためっき用プライマー組成物を提供することを目的とする。
【解決手段】
本技術は、酸変性ポリオレフィン樹脂を含有するめっき用プライマー組成物を提供する。めっき用プライマー組成物は、さらに、硬化剤を含有する。硬化剤は、イソシアネート系化合物、カルボジイミド系化合物、オキサゾリン系化合物、及びエポキシ系化合物からなる群のうちから少なくとも一種選択されるものである。めっき用プライマー組成物は、さらに、粘着付与剤を含有する。粘着付与剤は、テルペンフェノール系化合物、ジシクロペンタジエン系化合物、ロジン系化合物、クマロン樹脂、スチレン樹脂、C5系石油樹脂、C9系石油樹脂及びC5/C9系共重合石油樹脂からなる群のうちから選択される少なくとも1種を含有するものである。本技術は、スチレン系樹脂を含有するめっき用プライマー組成物を提供する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸変性ポリオレフィン樹脂を含有するめっき用プライマー組成物。
【請求項2】
さらに、硬化剤を含有する請求項1に記載のめっき用プライマー組成物。
【請求項3】
前記硬化剤が、イソシアネート系化合物、カルボジイミド系化合物、オキサゾリン系化合物、及びエポキシ系化合物からなる群のうちから少なくとも一種選択されるものである、請求項2に記載のめっき用プライマー組成物。
【請求項4】
さらに、粘着付与剤を含有する請求項1に記載のめっき用プライマー組成物。
【請求項5】
前記粘着付与剤が、テルペンフェノール系化合物、ジシクロペンタジエン系化合物、ロジン系化合物、クマロン樹脂及びスチレン樹脂のうちの少なくとも一つの化合物を含有するものである、請求項4に記載のめっき用プライマー組成物。
【請求項6】
前記粘着付与剤が、C5系石油樹脂、C9系石油樹脂及びC5/C9系共重合石油樹脂からなる群のうちから選択される少なくとも1種を含有するものである、請求項4に記載のめっき用プライマー組成物。
【請求項7】
前記めっき用プライマー組成物の硬化物の全光線透過率が90%以上である、請求項1に記載のめっき用プライマー組成物。
【請求項8】
前記めっき用プライマー組成物の硬化物のヘイズが3%以下である、請求項1に記載のめっき用プライマー組成物。
【請求項9】
スチレン系樹脂を含有するめっき用プライマー組成物。
【請求項10】
さらに、粘着付与剤を含有する請求項9に記載のめっき用プライマー組成物。
【請求項11】
前記粘着付与剤が、テルペンフェノール系化合物、ジシクロペンタジエン系化合物、ロジン系化合物、クマロン樹脂及びスチレン樹脂のうちの少なくとも一つの化合物を含有するものである、請求項10に記載のめっき用プライマー組成物。
【請求項12】
前記粘着付与剤が、C5系石油樹脂、C9系石油樹脂及びC5/C9系共重合石油樹脂からなる群のうちから選択される少なくとも1種を含有するものである、請求項10に記載のめっき用プライマー組成物。
【請求項13】
前記めっき用プライマー組成物の硬化物の全光線透過率が90%以上である、請求項9に記載のめっき用プライマー組成物。
【請求項14】
前記めっき用プライマー組成物の硬化物のヘイズが3%以下である、請求項9に記載のめっき用プライマー組成物。
【請求項15】
酸変性ポリオレフィン樹脂とスチレン系樹脂とのブレンドである、めっき用プライマー組成物。
【請求項16】
前記酸変性ポリオレフィン樹脂と前記スチレン系樹脂の組成比(前記酸変性ポリオレフィン樹脂/前記スチレン系樹脂)が90/10~10/90である請求項15に記載のめっき用プライマー組成物。
【請求項17】
前記めっき用プライマー組成物の硬化物の全光線透過率が90%以上である、請求項15に記載のめっき用プライマー組成物。
【請求項18】
前記めっき用プライマー組成物の硬化物のヘイズが3%以下である、請求項15に記載のめっき用プライマー組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、めっき用プライマー組成物に関し、より詳しくは、高周波特性に優れた絶縁体であるシクロオレフィンポリマーフィルムが被覆された基板上にめっき処理によって金属層を形成するためのめっき用プライマー組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
絶縁性材料から形成された絶縁性基板上に金属層を形成する技術は、電気回路形成などに使用されている。これら絶縁性基板と金属層は、一般的に強い結合を形成することが困難であり、良好な密着性を得るために絶縁性基板の表面を粗化する方法や、無電解めっき用のプライマーを絶縁性基板上に塗布する方法が提案されている。
【0003】
近年、第五世代移動通信システム(5G)の開発が進められており、特に第五世代移動通信システム(5G)においては、通信デバイスの通信速度を向上させるため高周波数帯の電波が用いられている。用いられる電波の周波数が高くなるにつれて、発熱量が増加し、伝送損失が大きくなる。したがって、第五世代移動通信システム(5G)の通信デバイスに搭載される絶縁性基板には、伝送損失を低減させ、伝播速度を向上させるため、低誘電率である高周波特性に優れる材料が求められている。特に、第五世代移動通信システム(5G)アンテナ及びミリ波レーダーにも利用可能な、セラミック材料で形成された絶縁性基板よりコストが安く、軽量、低誘電率である高周波特性に優れる絶縁性材料で形成された絶縁性基板が切望されている。
【0004】
このような絶縁性材料として、高周波特性に優れるシクロオレフィンポリマー(COP)が注目されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2015-174898号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の無電解めっき用のプライマーはシクロオレフィンポリマーとの接着性、密着性が良好ではなかった。
【0007】
本技術は、シクロオレフィンポリマーとの接着性、密着性に優れためっき用プライマー組成物を提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、特定の構成を有するめっき用プライマー組成物が、シクロオレフィンポリマーとの接着性、密着性に優れることを見出した。
【0009】
すなわち、本技術は、酸変性ポリオレフィン樹脂を含有するめっき用プライマー組成物を提供する。
前記めっき用プライマー組成物は、さらに、硬化剤を含有しうる。
前記硬化剤は、イソシアネート系化合物、カルボジイミド系化合物、オキサゾリン系化合物、及びエポキシ系化合物からなる群のうちから少なくとも一種選択されるものでありうる。
前記めっき用プライマー組成物は、さらに、粘着付与剤を含有しうる。
前記粘着付与剤は、テルペンフェノール系化合物、ジシクロペンタジエン系化合物、ロジン系化合物、クマロン樹脂及びスチレン樹脂のうちの少なくとも一つの化合物を含有するものでありうる。
前記粘着付与剤は、C5系石油樹脂、C9系石油樹脂及びC5/C9系共重合石油樹脂からなる群のうちから選択される少なくとも1種を含有するものでありうる。
前記めっき用プライマー組成物の硬化物の全光線透過率は90%以上でありうる。
前記めっき用プライマー組成物の硬化物のヘイズは3%以下でありうる。
本技術は、スチレン系樹脂を含有するめっき用プライマー組成物を提供する。
前記めっき用プライマー組成物は、さらに、粘着付与剤を含有しうる。
前記粘着付与剤は、テルペンフェノール系化合物、ジシクロペンタジエン系化合物、ロジン系化合物、クマロン樹脂及びスチレン樹脂のうちの少なくとも一つの化合物を含有するものでありうる。
前記粘着付与剤は、C5系石油樹脂、C9系石油樹脂及びC5/C9系共重合石油樹脂からなる群のうちから選択される少なくとも1種を含有するものでありうる。
前記めっき用プライマー組成物の硬化物の全光線透過率は90%以上でありうる。
前記めっき用プライマー組成物の硬化物のヘイズは3%以下でありうる。
本技術は、酸変性ポリオレフィン樹脂とスチレン系樹脂とのブレンドである、めっき用プライマー組成物を提供する。
前記酸変性ポリオレフィン樹脂と前記スチレン系樹脂の組成比(前記酸変性ポリオレフィン樹脂/前記スチレン系樹脂)は90/10~10/90でありうる。
前記めっき用プライマー組成物の硬化物の全光線透過率は90%以上でありうる。
前記めっき用プライマー組成物の硬化物のヘイズは3%以下でありうる。
【発明の効果】
【0010】
本技術により、シクロオレフィンポリマーとの接着性、密着性に優れためっき用プライマー組成物を提供することができる。
なお、本技術の効果は、ここに記載された効果に必ずしも限定されるものではなく、本明細書中に記載されたいずれかの効果であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本技術に係るめっき用プライマー組成物を用いてシクロオレフィンポリマーフィルム上に無電解めっき処理により銅層(無電解めっき)を形成した様子を摸式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本技術を実施するための好適な形態について説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本技術の代表的な実施形態を示したものであり、本技術の範囲がこれらの実施形態のみに限定されることはない。
【0013】
本技術について、以下の順序で説明を行う。
1.本技術の説明
2.第1の実施形態(酸変性ポリオレフィン樹脂を含有するめっき用プライマー組成物の例)
(1)めっき用プライマー組成物の構成
(2)各成分の説明
(3)物性
(4)めっき用プライマー組成物の製造方法
(5)めっき用プライマー組成物の使用
3.第2の実施形態(スチレン系樹脂を含有するめっき用プライマー組成物の例)
(1)めっき用プライマー組成物の構成
(2)各成分の説明
(3)物性
(4)めっき用プライマー組成物の製造方法
(5)めっき用プライマー組成物の使用
4.第3の実施形態(酸変性ポリオレフィン樹脂とスチレン系樹脂とのブレンドである、めっき用プライマー組成物の例)
(1)めっき用プライマー組成物の構成
(2)各成分の説明
(3)物性
(4)めっき用プライマー組成物の製造方法
(5)めっき用プライマー組成物の使用
5.実施例
【0014】
1.本技術の説明
【0015】
高速通信が求められる第五世代移動通信システム(5G)の通信デバイスにおいて用いられる回路基板材料は低誘電率であることが重要である。このような低誘電率の回路基板材料としてシクロオレフィンポリマーが提案されている。しかしシクロオレフィンポリマーは、めっき処理によって形成された金属層とシクロオレフィンポリマーとの間に存在するプライマーとの接着性、密着性に劣っていた。
【0016】
本発明者は、めっき用プライマー組成物に酸変性ポリオレフィン樹脂を含有させることにより、シクロオレフィンポリマーとの接着性、密着性が向上することを見出した。本技術は、酸変性ポリオレフィン樹脂を含有する。本技術は、さらに、硬化剤を含有してもよい。前記硬化剤は、イソシアネート系化合物、カルボジイミド系化合物、オキサゾリン系化合物、及びエポキシ系化合物からなる群のうちから少なくとも一種選択されるものであってもよい。本技術は、さらに、粘着付与剤を含有してもよい。前記粘着付与剤は、テルペンフェノール系化合物、ジシクロペンタジエン系化合物、ロジン系化合物、クマロン樹脂及びスチレン樹脂のうちの少なくとも一つの化合物を含有するものであってもよい。また、前記粘着付与剤は、C5系石油樹脂、C9系石油樹脂及びC5/C9系共重合石油樹脂からなる群のうちから選択される少なくとも1種を含有するものであってよい。
【0017】
また、本発明者はめっき用プライマー組成物にスチレン系樹脂を含有させることにより、シクロオレフィンポリマーとの接着性、密着性が向上することを見出した。本技術は、スチレン系樹脂を含有する。本技術は、さらに、粘着付与剤を含有してもよい。前記粘着付与剤は、テルペンフェノール系化合物、ジシクロペンタジエン系化合物、ロジン系化合物、クマロン樹脂及びスチレン樹脂のうちの少なくとも一つの化合物を含有するものであってもよい。また、前記粘着付与剤は、C5系石油樹脂、C9系石油樹脂及びC5/C9系共重合石油樹脂からなる群のうちから選択される少なくとも1種を含有するものであってよい。
【0018】
本技術において、めっき用プライマー組成物の硬化物の全光線透過率は、好ましくは90%以上、より好ましくは91%以上、さらに好ましくは92%以上でありうる。
本技術において、めっき用プライマー組成物の硬化物のヘイズは、好ましくは3%以下、より好ましくは2%以下、さらに好ましくは1%以下でありうる。
本技術において、めっき用プライマー組成物の硬化物のb*値は、好ましくは1.5以下、より好ましくは1.0以下、さらに好ましくは0.5以下でありうる。
【0019】
2.第1の実施形態(酸変性ポリオレフィン樹脂を含有するめっき用プライマー組成物の例)
【0020】
(1)めっき用プライマー組成物の構成
【0021】
本実施形態のめっき用プライマー組成物は、酸変性ポリオレフィン樹脂を含有する。また、本実施形態のめっき用プライマー組成物は、さらに硬化剤を含有してもよい。また、本実施形態のめっき用プライマー組成物は、さらに粘着付与剤を含有してもよい。さらに、本実施形態のめっき用プライマー組成物は、さらに硬化剤と、粘着付与剤とを含有してもよい。
【0022】
(2)各成分の説明
【0023】
[酸変性ポリオレフィン樹脂]
【0024】
酸変性ポリオレフィン樹脂としては、例えば、無水マレイン酸変性ポリプロピレン等を挙げることができる。なお、酸変性ポリオレフィン樹脂は、溶剤に可溶であるものが好ましい。また、酸変性ポリオレフィン樹脂の融点は、耐熱性等を考慮すると、65~135℃が好ましい。このような酸変性ポリオレフィン樹脂の市販品としては、商品名「アウローレン(登録商標)350S」(日本製紙社製)等を挙げることができる。
【0025】
酸変性ポリオレフィン樹脂の含有量は、めっき用プライマー組成物の質量に対して、好ましくは、5質量%以上、より好ましくは15質量%以上、さらに好ましくは25質量%以上であってよい。また、酸変性ポリオレフィン樹脂の含有量は、めっき用プライマー組成物の質量に対して、好ましくは、90質量%以下、より好ましくは80質量%以下、さらに好ましくは70質量%以下、さらにより好ましくは60質量%以下、特に好ましくは55質量%以下であってよい。
【0026】
[硬化剤]
【0027】
本実施形態で用いられる硬化剤は、酸変性ポリオレフィン樹脂における官能基と架橋反応させる機能を有する。酸変性ポリオレフィン樹脂における官能基として、例えば、カルボキシル基が挙げられる。硬化剤を含有させることによって、カルボキシル基と架橋反応が進行し、めっき用プライマー組成物から形成される接着層等の耐溶剤性、耐薬品性、及び耐熱性等をさらに向上させることが可能であるとともに、シクロポリオレフィンに対する初期密着性及び高温下での接着力を向上させることが可能となる。
【0028】
硬化剤は、酸変性ポリオレフィン樹脂の官能基と架橋反応するものであれば、特に限定されないが、例えば、官能基がカルボキシル基の場合、イソシアネート系化合物、カルボジイミド系化合物、オキサゾリン系化合物、及びエポキシ系化合物等を挙げることができ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0029】
イソシアネート系化合物としては、2官能以上の多官能イソシアネート化合物を用いることができる。イソシアネート系化合物の具体例としては、例えば、トリレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルジイソシアネート、トリス(p-イソシアナトフェニル)チオホスフェート、ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート;イソホロンジイソシアネート等の脂環族イソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族イソシアネート;等を挙げることができる。市販品としては、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体(東ソー社製、商品名「コロネートHX」)等のイソシアネート付加物等を例示することができる。イソシアネート系化合物の含有量は、酸変性ポリオレフィン樹脂の質量に対して、好ましくは、1質量%以上、より好ましくは3質量%以上、さらに好ましくは5質量%以上であってよい。また、イソシアネート系化合物の含有量は、酸変性ポリオレフィン樹脂の質量に対して、好ましくは、50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、さらに好ましくは30質量%以下であってよい。
【0030】
カルボジイミド系化合物としては、カルボジイミド基を、1分子中に1つ以上有する化合物を用いることができる。カルボジイミド系化合物の具体例としては、例えば、N,N’-ジシクロヘキシルカルボジイミド、N,N’-ジイソプロピルカルボジイミド、及び1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩等を挙げることができる。カルボジイミド系化合物の市販品としては、商品名「カルボジライトV-02B」(日清紡ケミカル社製)等を挙げることができる。カルボジイミド系化合物の含有量は、酸変性ポリオレフィン樹脂の質量に対して、好ましくは、1質量%以上、より好ましくは3質量%以上、さらに好ましくは5質量%以上であってよい。また、カルボジイミド系化合物の含有量は、酸変性ポリオレフィン樹脂の質量に対して、好ましくは、50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、さらに好ましくは30質量%以下であってよい。
【0031】
オキサゾリン系化合物としては、オキサゾリン基を、1分子中に1つ以上有する化合物を用いることができる。オキサゾリン系化合物の具体例としては、例えば、2,2’-ビス(2-オキサゾリン)、2,2’-イソプロピリデンビス(4-フェニル-2-オキサゾリン)、1,3-ビス(4,5-ジヒドロ-2-オキサゾリル)ベンゼン、1,4-ビス(4,5-ジヒドロ-2-オキサゾリル)ベンゼン等が挙げられる。オキサゾリン系化合物として、好ましくはポリスチレン主鎖にオキサゾリン基がペンダント化された非晶性のものであってもよい。オキサゾリン系化合物の市販品としては、商品名「エポクロス(登録商標)RPS-1005」(日本触媒社製)等を挙げることができる。オキサゾリン系化合物の含有量は、酸変性ポリオレフィン樹脂の質量に対して、好ましくは、1質量%以上、より好ましくは2質量%以上、さらに好ましくは3質量%以上であってよい。また、オキサゾリン系化合物の含有量は、酸変性ポリオレフィン樹脂の質量に対して、好ましくは、50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、さらに好ましくは30質量%以下であってよい。
【0032】
エポキシ系化合物としては、エポキシ基を、1分子中に1つ以上有する化合物を用いることができる。エポキシ系化合物の具体例としては、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ジシクロペンタジエン型等を挙げることができる。エポキシ系化合物の市販品としては、アミン型エポキシ樹脂である商品名「TETRAD-C」(三菱ガス化学社製)等を挙げることができる。エポキシ系化合物の含有量は、酸変性ポリオレフィン樹脂の質量に対して、好ましくは、1質量%以上、より好ましくは3質量%以上、さらに好ましくは5質量%以上であってよい。また、エポキシ系化合物の含有量は、酸変性ポリオレフィン樹脂の質量に対して、好ましくは、50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、さらに好ましくは30質量%以下であってよい。
【0033】
前記硬化剤の含有量は、めっき用プライマー組成物の質量に対して、好ましくは、1質量%以上、より好ましくは2質量%以上、さらに好ましくは3質量%以上であってよい。また、硬化剤の含有量は、めっき用プライマー組成物の質量に対して、好ましくは、50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、さらに好ましくは30質量%以下であってよい。
【0034】
[粘着付与剤]
【0035】
本実施形態で用いられる粘着付与剤は、めっき用プライマー組成物に粘着性を付与する機能を有する。粘着付与剤を含有させることによって、シクロポリオレフィンに対する初期密着性及び接着力を向上させることが可能となる。 粘着付与剤は、樹脂の形態(粘着付与樹脂)であってよく、めっき用プライマー組成物の要求性能によって、多種多様に選択することができる。粘着付与剤としては、特に限定されないが、テルペンフェノール系化合物、ジシクロペンタジエン系化合物、ロジン系化合物、クマロン樹脂、スチレン樹脂、C5系石油樹脂、C9系石油樹脂及びC5/C9系共重合石油樹脂等が挙げられる。
【0036】
テルペンフェノール系化合物としては、テルペン構造とフェノール構造とを有する化合物を用いることができる。テルペンフェノール系化合物の市販品としては、商品名「YSポリスターU115」(ヤスハラケミカル社製)等を挙げることができる。テルペンフェノール系化合物の含有量は、酸変性ポリオレフィン樹脂の質量に対して、好ましくは、1質量%以上、より好ましくは3質量%以上、さらに好ましくは5質量%以上であってよい。また、テルペンフェノール系化合物の含有量は、酸変性ポリオレフィン樹脂の質量に対して、好ましくは、50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、さらに好ましくは30質量%以下であってよい。
【0037】
ジシクロペンタジエン系化合物としては、シクロペンタジエン骨格を含有する化合物を用いることができる。ジシクロペンタジエン系化合物の市販品としては、商品名「クイントン(登録商標)1500」(日本ゼオン社製)等を挙げることができる。ジシクロペンタジエン系化合物の含有量は、酸変性ポリオレフィン樹脂の質量に対して、好ましくは、1質量%以上、より好ましくは3質量%以上、さらに好ましくは5質量%以上であってよい。また、ジシクロペンタジエン系化合物の含有量は、酸変性ポリオレフィン樹脂の質量に対して、好ましくは、50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、さらに好ましくは30質量%以下であってよい。
【0038】
ロジン系化合物としては、ロジンエステル等を用いることができる。ロジン系化合物の市販品としては、商品名「ペンセルGA-100」(荒川化学社製)等を挙げることができる。ロジン系化合物の含有量は、酸変性ポリオレフィン樹脂の質量に対して、好ましくは、1質量%以上、より好ましくは3質量%以上、さらに好ましくは5質量%以上であってよい。また、ロジン系化合物の含有量は、酸変性ポリオレフィン樹脂の質量に対して、好ましくは、50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、さらに好ましくは30質量%以下であってよい。
【0039】
クマロン樹脂としては、クマロン、インデン、スチレン等を主成分とする共重合樹脂を用いることができる。クマロン樹脂の市販品としては、商品名「ニットレジンクマロンG-90」(日塗化学社製)等を挙げることができる。クマロン樹脂の含有量は、酸変性ポリオレフィン樹脂の質量に対して、好ましくは、1質量%以上、より好ましくは3質量%以上、さらに好ましくは5質量%以上であってよい。また、クマロン樹脂の含有量は、酸変性ポリオレフィン樹脂の質量に対して、好ましくは、50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、さらに好ましくは30質量%以下であってよい。
【0040】
粘着付与剤として用いられるスチレン樹脂としては、低分子量スチレン樹脂(Mnが1000~1500の範囲、Mwが2000~3000の範囲である。)等が挙げられる。また、スチレン単体のオリゴマーを用いてもよい。このようなスチレン樹脂として、例えば、商品名「YSレジンSX-100」(ヤスハラケミカル社製)等を挙げることができる。
【0041】
C5系石油樹脂としては、例えば、石油化学工業のナフサの熱分解によって得られるC5留分であるペンテン、ペンタジエン、イソプレンなどを、フリーデルクラフツ型触媒を用いて重合して得られる脂肪族炭化水素の重合物を用いることができる。C5系石油樹脂の市販品としては、商品名「クイントン(登録商標)R100」(日本ゼオン社製)等を挙げることができる。C5系石油樹脂の含有量は、酸変性ポリオレフィン樹脂の質量に対して、好ましくは、1質量%以上、より好ましくは3質量%以上、さらに好ましくは5質量%以上であってよい。また、C5系石油樹脂の含有量は、酸変性ポリオレフィン樹脂の質量に対して、好ましくは、50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、さらに好ましくは30質量%以下であってよい。
【0042】
C9系石油樹脂としては、例えば、石油化学工業のナフサの熱分解により、エチレン、プロピレン等の石油化学基礎原料と共に副生するC9留分であるビニルトルエン、アルキルスチレン、インデンを主要なモノマーとする炭素数9の芳香族を重合して得られる重合物を用いることができる。C9系石油樹脂の市販品としては、商品名「ペトコール(登録商標)LX」(東ソー社製)等を挙げることができる。C9系石油樹脂の含有量は、酸変性ポリオレフィン樹脂の質量に対して、好ましくは、1質量%以上、より好ましくは3質量%以上、さらに好ましくは5質量%以上であってよい。また、C9系石油樹脂の含有量は、酸変性ポリオレフィン樹脂の質量に対して、好ましくは、50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、さらに好ましくは30質量%以下であってよい。
【0043】
C5/C9系共重合石油樹脂とは、C5/C9系合成石油樹脂を指し、該C5/C9系共重合石油樹脂としては、例えば、石油由来のC5-C11留分を、フリーデルクラフツ型触媒を用いて重合して得られる固体重合体を用いることができる。より具体的には、スチレン、ビニルトルエン、α-メチルスチレン、インデンなどを主成分とする共重合体などが挙げられる。C5/C9系共重合石油樹脂の市販品としては、商品名「クイントン(登録商標)D200」(日本ゼオン社製)等を挙げることができる。C5/C9系共重合石油樹脂の含有量は、酸変性ポリオレフィン樹脂の質量に対して、好ましくは、1質量%以上、より好ましくは3質量%以上、さらに好ましくは5質量%以上であってよい。また、C5/C9系共重合石油樹脂の含有量は、酸変性ポリオレフィン樹脂の質量に対して、好ましくは、50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、さらに好ましくは30質量%以下であってよい。
【0044】
本実施形態において、酸変性ポリオレフィン樹脂との相溶性を向上させる観点から、粘着付与剤は、好ましくは、テルペンフェノール系化合物、ジシクロペンタジエン系化合物、ロジン系化合物、クマロン樹脂及びスチレン樹脂のうちの少なくとも一つの化合物を含有するものであってもよい。粘着付与剤は、さらに好ましくはテルペンフェノール系化合物、ジシクロペンタジエン系化合物、ロジン系化合物、クマロン樹脂及びスチレン樹脂の全てを含有するものであってよい。また、粘着付与剤は、C5系石油樹脂、C9系石油樹脂及びC5/C9系共重合石油樹脂からなる群のうちから選択される少なくとも1種を含有するものであってもよい。
【0045】
本実施形態において、前記酸変性ポリオレフィン樹脂、硬化剤、粘着付与剤に加えて、溶剤を添加してもよい。酸変性ポリオレフィン樹脂との溶解性の観点から、このような溶剤として、トルエン、シクロヘキサン等の芳香族系溶剤、脂環式溶剤が好ましい。溶剤の含有量は、好ましくは固形分50%未満、より好ましくは固形分40%以下、さらに好ましくは固形分30%以下であってよい。
【0046】
(3)物性
【0047】
[全光線透過率]
【0048】
本技術に係るめっき用プライマー組成物の硬化物の全光線透過率は、好ましくは90%以上、より好ましくは91%以上、さらに好ましくは92%以上であってよい。以下、全光線透過率の測定方法について説明する。
【0049】
(試験片の作製)
基材として、シクロポリオレフィンフィルム(商品名「ゼオノアZF14」、商品名「ゼオノアZF16」、いずれも日本ゼオン社製)を用いる。めっき用プライマー組成物含有溶液をバーコーター(ワイヤーバーNo.#6、線径0.15mm、メッシュ167本/IN巾、塗布量6~7.5WETgm、丸協技研社製)を用いて、膜厚1~2μmとなるように基材上に塗布する。めっき用プライマー組成物含有溶液が塗布された基材を100℃で1分間キュアして、めっき用プライマー組成物が硬化した試験片を調製する。
【0050】
(全光線透過率の測定)
得られた試験片を、シングルビーム測光器(NDH7000SP II、日本電色工業社製)を用いて、JIS K 7361-1:1997に従い、全光線透過率を測定する。
【0051】
[ヘイズ]
【0052】
本技術に係るめっき用プライマー組成物の硬化物のヘイズは、好ましくは3%以下、より好ましくは2.5%以下、さらに好ましくは2.0%以下であってよい。以下、ヘイズの測定方法について説明する。
【0053】
全光線透過率の測定で用いた試験片を、シングルビーム測光器(NDH7000SP II、日本電色工業社製)を用いて、JIS K 7136に従い、ヘイズを測定する。
【0054】
[シクロポリオレフィンポリマーとの(COP)密着性(常態)]
【0055】
JIS K 5600-5-6に従い、切込み工具を用いて、全光線透過率の測定で用いた試験片にクロスカットを行う。カット部分を検査し、下記評価基準により密着性を評価した。なお、分類5を評価Sとし、分類4、3を評価Aとし、密着性が合格とする。分類2、1、0を評価Cとし密着性が不合格とする。
【0056】
分類5:カットの縁が完全に滑らかで,どの格子の目にもはがれがない。シクロポリオレフィンポリマーとの(COP)密着性が非常に良好であった。
分類4:カットの交差点における塗膜の小さなはがれ。クロスカット部分で影響を受けるのは、明確に5%を上回ることはない。シクロポリオレフィンポリマーとの(COP)密着性が良好であった。
分類3:塗膜がカットの縁に沿って、及び/又は交差点においてはがれている。クロスカット部分で影響を受けるのは明確に5%を超えるが15%を上回ることはない。シクロポリオレフィンポリマーとの(COP)密着性が非常に良好であった。
分類2:塗膜がカットの縁に沿って、部分的又は全面的に大はがれを生じており、及び/又は目のいろいろな部分が、部分的又は全面的にはがれている。クロスカット部分で影響を受けるのは、明確に15%を超えるが35%を上回ることはない。シクロポリオレフィンポリマーとの(COP)密着性に劣っていた。
分類1:塗膜がカットの縁に沿って、部分的又は全面的に大はがれを生じており、及び/又は数か所の目が部分的又は全面的にはがれている。クロスカット部分で影響を受けるのは、明確に35%を上回ることはない。シクロポリオレフィンポリマーとの(COP)密着性に劣っていた。
分類0:分類1でも分類できないはがれ程度のいずれか。シクロポリオレフィンポリマーとの(COP)密着性に劣っていた。
【0057】
[耐熱性試験後のCOP密着性]
【0058】
全光線透過率の測定で用いた試験片を、85℃の環境下、240時間静置した後、JIS K 5600-5-6に従い、シクロポリオレフィンとの密着性を評価する。評価基準は、上記基準と同じである。
【0059】
[耐湿性試験後のCOP密着性]
【0060】
全光線透過率の測定で用いた試験片を、60℃、95%RHの環境下、240時間静置した後、JIS K 5600-5-6に従い、シクロポリオレフィンとの密着性を評価する。評価基準は、上記基準と同じである。
【0061】
[耐薬品性試験後のCOP密着性]
【0062】
全光線透過率の測定で用いた試験片を、60℃で水酸化ナトリウム水溶液(PH13.5)に3分間浸漬させた後、2分間水洗浄する。その後、JIS K 5600-5-6に従い、シクロポリオレフィンとの密着性を評価する。評価基準は、上記基準と同じである。
【0063】
[上塗り後の外観]
【0064】
全光線透過率の測定で用いた試験片に、上塗り液(エポキシ樹脂「jER(登録商標)1001、三菱ケミカル社製」:5質量部、熱可塑性ポリアミドエラストマー「TPAE-826-4S、T&K TOKA社製」:15質量部、メタノール:40質量部、トルエン:40質量部、ジアセトンアルコール:190質量部)を上塗りして塗膜を形成し、120℃で20分間キュアして、シクロポリオレフィンフィルム上に上塗層が形成された試験片を調製する。その後、JIS K 5600-3-4に従い、塗膜の外観を目視で観察して、下記基準により評価する。
【0065】
S:にじみ、表面欠陥、割れ、しわ、ピンホールが全くない
A:にじみ、表面欠陥、割れ、しわ、ピンホールがない
C:表面欠陥あり
【0066】
[上塗り後の密着性]
【0067】
全光線透過率の測定で用いた試験片に、上塗り液(エポキシ樹脂「jER(登録商標)1001、三菱ケミカル社製」:5質量部、熱可塑性ポリアミドエラストマー「TPAE-826-4S、T&K TOKA社製」:15質量部、メタノール:40質量部、トルエン:40質量部、ジアセトンアルコール:190質量部)を上塗りして塗膜を形成し、120℃で20分間キュアして、シクロポリオレフィンフィルム上に上塗層が形成された試験片を調製する。その後、JIS K 5600-5-6に従い、上塗層との密着性を評価する。評価基準は、上記基準と同じである。
【0068】
(4)めっき用プライマー組成物の製造方法
【0069】
本実施形態のめっき用プライマー組成物の製造方法は、特に限定されるものではなく、上記各成分を、そのまま混合してもよいし、有機溶剤若しくは水に溶解又は分散させた状態で混合してもよいし、上記各成分の一部を有機溶剤若しくは水に溶解又は分散させた状態の組成物を調製し、当該組成物に残りの成分を混合してもよい。
【0070】
(5)めっき用プライマー組成物の使用
【0071】
本実施形態のめっき用プライマー組成物を用いてシクロポリオレフィン基材上に金属層を形成する方法について以下に説明する。本実施形態のめっき用プライマー組成物を用いて、シクロポリオレフィン基材上に金属層を形成する方法として、無電解めっき方法を採用してもよい。無電解めっき方法は、例えば、シクロポリオレフィン基材の表面に前記めっき用プライマー組成物を塗布し、加熱して硬化させることによってプライマー層を形成する第一工程及び当該第1工程で形成されたプライマー層上に無電解めっきを行う第2工程を含む方法である。これにより、シクロポリオレフィン基材の表面に、基材表面への密着性に優れ、かつ、平滑性の高いめっき膜を形成することができる。
【0072】
前記無電解めっき方法は、第1工程において、シクロポリオレフィン基材の表面に、前記めっき用プライマー組成物を塗布し、加熱して硬化させることによってプライマー層を形成する。
【0073】
第1工程において、めっき用プライマー組成物の塗布は、従来公知の方法により行うことができ、例えば、スプレー、スピンコート、ディップコート、ロールコート等の方法を挙げることができるが、これらの方法のみに限るものではない。
【0074】
第1工程における加熱は、例えば、150℃以下の温度条件下に晒す方法であれば特に限定されず、従来公知の方法で行うことができる。これにより、硬化したプライマー層を得ることができる。
【0075】
なお、第1工程と第2工程の間に、さらに、第1工程で用いるめっき用プライマー組成物とは異なる種類のめっき用プライマー組成物を塗布する工程を含んでもよい。このようなめっき用プライマー組成物として、パラジウム、白金等の貴金属を含むエポキシ樹脂等を用いてもよい。
【0076】
無電解めっき方法は、第2工程において、第1工程で形成されたプライマー層上に無電解めっきを行うものである。第2工程によって、第1工程で得られた硬化したプライマー層上に、めっき金属を被覆し(析出させ)、めっき膜が得られる。
【0077】
第2工程において、無電解めっきを行うめっき金属は特に限定されないが、Ni、Co、Pd、Cu、Ag、Au、Pt、Sn等を好適に用いることができる。使用する無電解めっき液(浴)は、プライマー層中の金属種に応じて適宜選択すればよく、例えば、公知の無電解ニッケルめっき浴、無電解銅めっき浴、無電解合金めっき浴等をそのまま用いることができる。
【0078】
無電解めっきにおいては、プライマー層が形成されたシクロポリオレフィン基材を無電解めっき浴中に浸漬させてもよい。
【0079】
図1は、本技術に係るめっき用プライマー組成物を用いて絶縁性基材であるシクロオレフィンポリマーフィルム上に無電解めっき処理により銅層(無電位めっき)を形成した様子を摸式的に示す図である。図1に示すように、シクロオレフィンポリマーフィルム10上に、本実施形態に係るめっき用プライマー組成物層20、パラジウム含有エポキシプライマー組成物層30、銅層(無電解めっき)40が形成されている。
【0080】
3.第2の実施形態(スチレン系樹脂を含有するめっき用プライマー組成物の例)
【0081】
(1)めっき用プライマー組成物の構成
【0082】
本実施形態のめっき用プライマー組成物は、スチレン系樹脂を含有する。また、本実施形態のめっき用プライマー組成物は、スチレン系樹脂に加えて粘着付与剤を含有してもよい。
【0083】
(2)各成分の説明
【0084】
[スチレン系樹脂]
【0085】
スチレン系樹脂とは、スチレンに代表される芳香族ビニル単量体をモノマーの一成分として重合して得られ、スチレン単位を繰り返し単位として含有する重合体をいう。このようなスチレン系樹脂として、芳香族ビニル単量体の単独重合体、芳香族ビニル単量体を主成分として他の共重合性を有する単量体を共重合させて得られる、スチレン単位とは異なる任意の繰り返し単位を含む共重合体が挙げられる。他の共重合性を有する単量体としては、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソ、ブタジエンなどが挙げられる。これらを芳香族ビニル単量体と共重合させる場合は、1種類を単独で使用しても、2種以上の化合物を併用してもよい。また、スチレン系樹脂は、ランダム共重合体であってもよく、ブロック共重合体であってもよい。
スチレン系樹脂は、上記したものの中から1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。また、スチレン系樹脂として、スチレン単位とは異なる任意の繰り返し単位を含む共重合体の二重結合部分の一部を水素添加した水添スチレン系樹脂又は前記二重結合部分を完全に水素添加した水添スチレン系樹脂であってもよい。
【0086】
スチレン系樹脂としては、例えば、スチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン-エチレン-プロピレン-スチレンブロック共重合体(SEPS)、スチレン-エチレン-エチレン-プロピレン-スチレンブロック共重合体(SEEPS)又はその水添物(SEEPS-OH:末端水酸基変性)、スチレン-エチレン-ブチレン-スチレンブロック共重合体(SEBS)等が挙げられる。本実施形態では、好ましくは、スチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン-エチレン-プロピレン-スチレンブロック共重合体(SEPS)、水添スチレン系樹脂が使用されてもよい。スチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体(SIS)の市販品としては、商品名「クインタック(登録商標)3280」(日本ゼオン社製)等を挙げることができる。スチレン-エチレン-プロピレン-スチレンブロック共重合体(SEPS)の市販品としては、商品名「セプトン(登録商標)2004F」(クラレ社製)等を挙げることができる。水添スチレン系樹脂の市販品として、例えば、商品名「タフテック(登録商標)-P」(旭化成社製)、商品名「タフテック(登録商標)-H」(旭化成社製)、商品名「S.O.E.(登録商標)」(旭化成社製)、商品名「タフテック(登録商標)-M」(旭化成社製)等を挙げることができる。
【0087】
スチレン系樹脂の含有量は、めっき用プライマー組成物の質量に対して、好ましくは、5質量%以上、より好ましくは15質量%以上、さらに好ましくは25質量%以上であってよい。また、スチレン系樹脂の含有量は、めっき用プライマー組成物の質量に対して、好ましくは、90質量%以下、より好ましくは80質量%以下、さらに好ましくは70質量%以下、さらにより好ましくは60質量%以下、特に好ましくは55質量%以下あってよい。
【0088】
[粘着付与剤]
【0089】
粘着付与剤については、第1の実施形態における粘着付与剤に関する説明が当てはまるので、粘着付与剤についての説明は省略する。
【0090】
[溶剤]
【0091】
溶剤については、第1の実施形態における溶剤に関する説明が当てはまるので、溶剤についての説明は省略する。
【0092】
(3)物性
【0093】
物性については、第1の実施形態のめっき用プライマー組成物における物性に関する説明が当てはまるので、物性についての説明は省略する。
【0094】
(4)めっき用プライマー組成物の製造方法
【0095】
めっき用プライマー組成物の製造方法については、第1の実施形態のめっき用プライマー組成物の製造方法に関する説明が当てはまるので、めっき用プライマー組成物の製造方法についての説明は省略する。
【0096】
(5)めっき用プライマー組成物の使用
【0097】
めっき用プライマー組成物の使用については、第1の実施形態のめっき用プライマー組成物の使用に関する説明が当てはまるので、めっき用プライマー組成物の使用についての説明は省略する。
【0098】
4.第3の実施形態(酸変性ポリオレフィン樹脂とスチレン系樹脂とのブレンドである、めっき用プライマー組成物の例)
【0099】
(1)めっき用プライマー組成物の構成
【0100】
本実施形態のめっき用プライマー組成物は、酸変性ポリオレフィン樹脂とスチレン系樹脂とのブレンドである。すなわち、本実施形態のめっき用プライマー組成物は、酸変性ポリオレフィン樹脂とスチレン系樹脂のポリマーブレンドである。本実施形態のめっき用プライマー組成物は、第1の実施形態のめっき用プライマー組成物よりも上塗り性が向上する。
【0101】
(2)各成分の説明
【0102】
[酸変性ポリオレフィン樹脂]
【0103】
酸変性ポリオレフィン樹脂については、第1の実施形態における酸変性ポリオレフィン樹脂に関する説明が当てはまるので、酸変性ポリオレフィン樹脂についての説明は省略する。
【0104】
[スチレン系樹脂]
【0105】
スチレン系樹脂については、第2の実施形態におけるスチレン系樹脂に関する説明が当てはまるので、スチレン系樹脂についての説明は省略する。
【0106】
本実施形態において、めっき用プライマー組成物中の酸変性ポリオレフィン樹脂とスチレン系樹脂の組成比(酸変性ポリオレフィン樹脂/スチレン系樹脂)は、好ましくは90/10~10/90、より好ましくは80/20~20/80、さらに好ましくは75/25~25/75である。
【0107】
[溶剤]
【0108】
溶剤については、第1の実施形態における溶剤に関する説明が当てはまるので、溶剤についての説明は省略する。
【0109】
(3)物性
【0110】
物性については、第1の実施形態のめっき用プライマー組成物における物性に関する説明が当てはまるので、物性についての説明は省略する。
【0111】
(4)めっき用プライマー組成物の製造方法
【0112】
めっき用プライマー組成物の製造方法については、第1の実施形態のめっき用プライマー組成物の製造方法に関する説明が当てはまるので、めっき用プライマー組成物の製造方法についての説明は省略する。
【0113】
(5)めっき用プライマー組成物の使用
【0114】
めっき用プライマー組成物の使用については、第1の実施形態のめっき用プライマー組成物の使用に関する説明が当てはまるので、めっき用プライマー組成物の使用についての説明は省略する。
【0115】
本技術は、以下のような構成を採用することもできる。
[1]
酸変性ポリオレフィン樹脂を含有するめっき用プライマー組成物。
[2]
さらに、硬化剤を含有する[1]に記載のめっき用プライマー組成物。
[3]
前記硬化剤が、イソシアネート系化合物、カルボジイミド系化合物、オキサゾリン系化合物、及びエポキシ系化合物からなる群のうちから少なくとも一種選択されるものである、[2]に記載のめっき用プライマー組成物。
[4]
さらに、粘着付与剤を含有する[1]~[3]のいずれか一つに記載のめっき用プライマー組成物。
[5]
前記粘着付与剤が、テルペンフェノール系化合物、ジシクロペンタジエン系化合物、ロジン系化合物、クマロン樹脂及びスチレン樹脂のうちの少なくとも一つの化合物を含有するものである、[4]に記載のめっき用プライマー組成物。
[6]
前記粘着付与剤が、C5系石油樹脂、C9系石油樹脂及びC5/C9系共重合石油樹脂からなる群のうちから選択される少なくとも1種を含有するものである、[4]又は[5]のいずれかに記載のめっき用プライマー組成物。
[7]
前記めっき用プライマー組成物の硬化物の全光線透過率が90%以上である、[1]~[6]のいずれか一つに記載のめっき用プライマー組成物。
[8]
前記めっき用プライマー組成物の硬化物のヘイズが3%以下である、[1]~[7]のいずれか一つに記載のめっき用プライマー組成物。
[9]
スチレン系樹脂を含有するめっき用プライマー組成物。
[10]
さらに、粘着付与剤を含有する[9]に記載のめっき用プライマー組成物。
[11]
前記粘着付与剤が、テルペンフェノール系化合物、ジシクロペンタジエン系化合物、ロジン系化合物、クマロン樹脂及びスチレン樹脂のうちの少なくとも一つの化合物を含有するものである、[10]に記載のめっき用プライマー組成物。
[12]
前記粘着付与剤が、C5系石油樹脂、C9系石油樹脂及びC5/C9系共重合石油樹脂からなる群のうちから選択される少なくとも1種を含有するものである、[10]又は[11]のいずれかに記載のめっき用プライマー組成物。
[13]
前記めっき用プライマー組成物の硬化物の全光線透過率が90%以上である、[9]~[12]のいずれか一つに記載のめっき用プライマー組成物。
[14]
前記めっき用プライマー組成物の硬化物のヘイズが3%以下である、[9]~[13]のいずれか一つに記載のめっき用プライマー組成物。
[15]
酸変性ポリオレフィン樹脂とスチレン系樹脂とのブレンドである、めっき用プライマー組成物。
[16]
前記酸変性ポリオレフィン樹脂と前記スチレン系樹脂の組成比(前記酸変性ポリオレフィン樹脂/前記スチレン系樹脂)が90/10~10/90である、[15]に記載のめっき用プライマー組成物。
[17]
前記めっき用プライマー組成物の硬化物の全光線透過率が90%以上である、[15]又は[16]に記載のめっき用プライマー組成物。
[18]
前記めっき用プライマー組成物の硬化物のヘイズが3%以下である、[15]~[17]のいずれか一つに記載のめっき用プライマー組成物。
【実施例0116】
5.実施例
以下、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明する。なお、以下に説明する実施例は、本発明の代表的な実施例の一例を示したものであり、本発明の範囲はこれらの実施例のみに限定されるものでない。
【0117】
本実施例において、全光線透過率、ヘイズ、COP密着性(常態)、耐熱性試験後のCOP密着性、耐湿性試験後のCOP密着性、耐薬品性試験後のCOP密着性、上塗り後の外観、上塗り後の密着性は、上述の一実施形態にて説明した測定方法により求められたものである。
【0118】
[実施例1]
酸変性ポリオレフィン樹脂として、アウローレン(登録商標)350S(日本製紙社製)を100質量部、溶剤として、シクロヘキサンを900質量部含有するめっき用プライマー組成物を調製した。基材として、シクロポリオレフィンフィルム(商品名「ゼオノアZF14」、日本ゼオン社製)を用い、めっき用プライマー組成物含有溶液をバーコーター(ワイヤーバーNo.#6、線径0.15mm、メッシュ167本/IN巾、塗布量6~7.5WETgm、丸協技研社製)を用いて、膜厚1~2μmとなるように基材上に塗布した。めっき用プライマー組成物含有溶液が塗布された基材を100℃で1分間キュアして試験片を調製した。
【0119】
表1に示されるとおりの全光線透過率、ヘイズ、COP密着性(常態)、耐熱性試験後のCOP密着性、耐湿性試験後のCOP密着性、耐薬品性試験後のCOP密着性、上塗り後の外観、上塗り後の密着性を有した。
【0120】
[実施例2]
実施例1とは、さらに、硬化剤として、コロネートHX(東ソー社製)をアウローレン(登録商標)350Sに対して10質量%となるように配合した点で相違するが、その他の条件及び方法は、実施例1と同一にしてめっき用プライマー組成物を得た。得られためっき用プライマー組成物の構成及び物性は、表1に示されるとおりの値を有した。
【0121】
[実施例3]
実施例1とは、さらに、硬化剤として、カルボジライトV-20B(日清紡ケミカル社製)をアウローレン(登録商標)350Sに対して10質量%となるように配合した点で相違するが、その他の条件及び方法は、実施例1と同一にしてめっき用プライマー組成物を得た。得られためっき用プライマー組成物の構成及び物性は、表1に示されるとおりの値を有した。
【0122】
[実施例4]
実施例1とは、さらに、硬化剤として、TETRAD-C(三菱ガス化学社製)をアウローレン(登録商標)350Sに対して10質量%となるように配合した点で相違するが、その他の条件及び方法は、実施例1と同一にしてめっき用プライマー組成物を得た。得られためっき用プライマー組成物の構成及び物性は、表1に示されるとおりの値を有した。
【0123】
[実施例5]
実施例1とは、さらに、硬化剤として、エポクロス(登録商標)RPS-1005(日本触媒社製)をアウローレン(登録商標)350Sに対して5質量%となるように配合した点で相違するが、その他の条件及び方法は、実施例1と同一にしてめっき用プライマー組成物を得た。得られためっき用プライマー組成物の構成及び物性は、表1に示されるとおりの値を有した。
【0124】
[実施例6]
実施例1とは、アウローレン(登録商標)350Sとクイントン(登録商標)1500(日本ゼオン社製)との組成比(アウローレン(登録商標)350S/クイントン(登録商標)1500)が80/20となるように配合した点で相違するが、その他の条件及び方法は、実施例1と同一にしてめっき用プライマー組成物を得た。得られためっき用プライマー組成物の構成及び物性は、表1に示されるとおりの値を有した。
【0125】
[実施例7]
実施例1とは、コロネートHX(東ソー社製)をアウローレン(登録商標)350Sの質量に対して10質量%となるように配合し、アウローレン(登録商標)350Sとクイントン(登録商標)1500(日本ゼオン社製)との組成比(アウローレン(登録商標)350S/クイントン(登録商標)1500)が80/20となるように配合した点で相違するが、その他の条件及び方法は、実施例1と同一にしてめっき用プライマー組成物を得た。得られためっき用プライマー組成物の構成及び物性は、表1に示されるとおりの値を有した。
【0126】
[実施例8]
実施例1とは、カルボジライトV-20B(日清紡ケミカル社製)をアウローレン(登録商標)350Sの質量に対して10質量%となるように配合し、アウローレン(登録商標)350Sとクイントン(登録商標)1500(日本ゼオン社製)との組成比(アウローレン(登録商標)350S/クイントン(登録商標)1500)が80/20となるように配合した点で相違するが、その他の条件及び方法は、実施例1と同一にしてめっき用プライマー組成物を得た。得られためっき用プライマー組成物の構成及び物性は、表1に示されるとおりの値を有した。
【0127】
[実施例9]
実施例1とは、TETRAD-C(三菱ガス化学社製)をアウローレン(登録商標)350Sの質量に対して10質量%となるように配合し、アウローレン(登録商標)350Sとクイントン(登録商標)1500(日本ゼオン社製)との組成比(アウローレン(登録商標)350S/クイントン(登録商標)1500)が80/20となるように配合した点で相違するが、その他の条件及び方法は、実施例1と同一にしてめっき用プライマー組成物を得た。得られためっき用プライマー組成物の構成及び物性は、表1に示されるとおりの値を有した。
【0128】
[実施例10]
実施例1とは、エポクロス(登録商標)RPS-1005(日本触媒社製)をアウローレン(登録商標)350Sの質量に対して5質量%となるように配合し、アウローレン(登録商標)350Sとクイントン(登録商標)1500(日本ゼオン社製)との組成比(アウローレン(登録商標)350S/クイントン(登録商標)1500)が80/20となるように配合した点で相違するが、その他の条件及び方法は、実施例1と同一にしてめっき用プライマー組成物を得た。得られためっき用プライマー組成物の構成及び物性は、表1に示されるとおりの値を有した。
【0129】
試験結果を表1に示す。
【0130】
【表1】
【0131】
[実施例11]
実施例1とは、アウローレン(登録商標)350Sとクイントン(登録商標)R100(日本ゼオン社製)との組成比(アウローレン(登録商標)350S/クイントン(登録商標)R100)が80/20となるように配合した点で相違するが、その他の条件及び方法は、実施例1と同一にしてめっき用プライマー組成物を得た。得られためっき用プライマー組成物の構成及び物性は、表2に示されるとおりの値を有した。
【0132】
[実施例12]
実施例1とは、コロネートHX(東ソー社製)をアウローレン(登録商標)350Sの質量に対して、10質量%、アウローレン(登録商標)350Sとクイントン(登録商標)R100(日本ゼオン社製)との組成比(アウローレン(登録商標)350S/クイントン(登録商標)R100)が80/20となるように配合した点で相違するが、その他の条件及び方法は、実施例1と同一にしてめっき用プライマー組成物を得た。得られためっき用プライマー組成物の構成及び物性は、表2に示されるとおりの値を有した。
【0133】
[実施例13]
実施例1とは、カルボジライトV-02B(日清紡ケミカル社製)をアウローレン(登録商標)350Sの質量に対して、10質量%、アウローレン(登録商標)350Sとクイントン(登録商標)R100(日本ゼオン社製)との組成比(アウローレン(登録商標)350S/クイントン(登録商標)R100)が80/20となるように配合した点で相違するが、その他の条件及び方法は、実施例1と同一にしてめっき用プライマー組成物を得た。得られためっき用プライマー組成物の構成及び物性は、表2に示されるとおりの値を有した。
【0134】
[実施例14]
実施例1とは、TETRAD-C(三菱ガス化学社製)をアウローレン(登録商標)350Sの質量に対して、10質量%、アウローレン(登録商標)350Sとクイントン(登録商標)R100(日本ゼオン社製)との組成比(アウローレン(登録商標)350S/クイントン(登録商標)R100)が80/20となるように配合した点で相違するが、その他の条件及び方法は、実施例1と同一にしてめっき用プライマー組成物を得た。得られためっき用プライマー組成物の構成及び物性は、表2に示されるとおりの値を有した。
【0135】
[実施例15]
実施例1とは、エポクロス(登録商標)RPS-1005(日本触媒社製)をアウローレン(登録商標)350Sの質量に対して、5質量%、アウローレン(登録商標)350Sとクイントン(登録商標)R100(日本ゼオン社製)との組成比(アウローレン(登録商標)350S/クイントン(登録商標)R100)が80/20となるように配合した点で相違するが、その他の条件及び方法は、実施例1と同一にしてめっき用プライマー組成物を得た。得られためっき用プライマー組成物の構成及び物性は、表2に示されるとおりの値を有した。
【0136】
[実施例16]
実施例1とは、アウローレン(登録商標)350Sとクイントン(登録商標)D200(日本ゼオン社製)との組成比(アウローレン(登録商標)350S/クイントン(登録商標)D200)が80/20となるように配合した点で相違するが、その他の条件及び方法は、実施例1と同一にしてめっき用プライマー組成物を得た。得られためっき用プライマー組成物の構成及び物性は、表2に示されるとおりの値を有した。
【0137】
[実施例17]
実施例1とは、コロネートHX(東ソー社製)をアウローレン(登録商標)350Sの質量に対して、10質量%、アウローレン(登録商標)350Sとクイントン(登録商標)D200(日本ゼオン社製)との組成比(アウローレン(登録商標)350S/クイントン(登録商標)D200)が80/20となるように配合した点で相違するが、その他の条件及び方法は、実施例1と同一にしてめっき用プライマー組成物を得た。得られためっき用プライマー組成物の構成及び物性は、表2に示されるとおりの値を有した。
【0138】
[実施例18]
実施例1とは、カルボジライトV-02B(日清紡ケミカル社製)をアウローレン(登録商標)350Sの質量に対して、10質量%、アウローレン(登録商標)350Sとクイントン(登録商標)D200(日本ゼオン社製)との組成比(アウローレン(登録商標)350S/クイントン(登録商標)D200)が80/20となるように配合した点で相違するが、その他の条件及び方法は、実施例1と同一にしてめっき用プライマー組成物を得た。得られためっき用プライマー組成物の構成及び物性は、表2に示されるとおりの値を有した。
【0139】
[実施例19]
実施例1とは、TETRAD-C(三菱ガス化学社製)をアウローレン(登録商標)350Sの質量に対して、10質量%、アウローレン(登録商標)350Sとクイントン(登録商標)D200(日本ゼオン社製)との組成比(アウローレン(登録商標)350S/クイントン(登録商標)D200)が80/20となるように配合した点で相違するが、その他の条件及び方法は、実施例1と同一にしてめっき用プライマー組成物を得た。得られためっき用プライマー組成物の構成及び物性は、表2に示されるとおりの値を有した。
【0140】
[実施例20]
実施例1とは、エポクロス(登録商標)RPS-1005(日本触媒社製)をアウローレン(登録商標)350Sの質量に対して、5質量%、アウローレン(登録商標)350Sとクイントン(登録商標)D200(日本ゼオン社製)との組成比(アウローレン(登録商標)350S/クイントン(登録商標)D200)が80/20となるように配合した点で相違するが、その他の条件及び方法は、実施例1と同一にしてめっき用プライマー組成物を得た。得られためっき用プライマー組成物の構成及び物性は、表2に示されるとおりの値を有した。
【0141】
試験結果を表2に示す。
【0142】
【表2】
【0143】
[実施例21]
実施例1とは、アウローレン(登録商標)350SとペンセルGA-100(荒川化学社製)との組成比(アウローレン(登録商標)350S/ペンセルGA-100)が80/20となるように配合した点で相違するが、その他の条件及び方法は、実施例1と同一にしてめっき用プライマー組成物を得た。得られためっき用プライマー組成物の構成及び物性は、表3に示されるとおりの値を有した。
【0144】
[実施例22]
実施例1とは、コロネートHX(東ソー社製)をアウローレン(登録商標)350Sの質量に対して、10質量%、アウローレン(登録商標)350SとペンセルGA-100(荒川化学社製)との組成比(アウローレン(登録商標)350S/ペンセルGA-100)が80/20となるように配合した点で相違するが、その他の条件及び方法は、実施例1と同一にしてめっき用プライマー組成物を得た。得られためっき用プライマー組成物の構成及び物性は、表3に示されるとおりの値を有した。
【0145】
[実施例23]
実施例1とは、カルボジライトV-02B(日清紡ケミカル社製)をアウローレン(登録商標)350Sの質量に対して、10質量%、アウローレン(登録商標)350SとペンセルGA-100(荒川化学社製)との組成比(アウローレン(登録商標)350S/ペンセルGA-100)が80/20となるように配合した点で相違するが、その他の条件及び方法は、実施例1と同一にしてめっき用プライマー組成物を得た。得られためっき用プライマー組成物の構成及び物性は、表3に示されるとおりの値を有した。
【0146】
[実施例24]
実施例1とは、TETRAD-C(三菱ガス化学社製)をアウローレン(登録商標)350Sの質量に対して、10質量%、アウローレン(登録商標)350SとペンセルGA-100(荒川化学社製)との組成比(アウローレン(登録商標)350S/ペンセルGA-100)が80/20となるように配合した点で相違するが、その他の条件及び方法は、実施例1と同一にしてめっき用プライマー組成物を得た。得られためっき用プライマー組成物の構成及び物性は、表3に示されるとおりの値を有した。
【0147】
[実施例25]
実施例1とは、エポクロス(登録商標)RPS-1005(日本触媒社製)をアウローレン(登録商標)350Sの質量に対して、5質量%、アウローレン(登録商標)350SとペンセルGA-100(荒川化学社製)との組成比(アウローレン(登録商標)350S/ペンセルGA-100)が80/20となるように配合した点で相違するが、その他の条件及び方法は、実施例1と同一にしてめっき用プライマー組成物を得た。得られためっき用プライマー組成物の構成及び物性は、表3に示されるとおりの値を有した。
【0148】
[実施例26]
実施例1とは、アウローレン(登録商標)350SとYSポリスターU115(ヤスハラケミカル社製)との組成比(アウローレン(登録商標)350S/YSポリスターU115)が80/20となるように配合した点で相違するが、その他の条件及び方法は、実施例1と同一にしてめっき用プライマー組成物を得た。得られためっき用プライマー組成物の構成及び物性は、表3に示されるとおりの値を有した。
【0149】
[実施例27]
実施例1とは、コロネートHX(東ソー社製)をアウローレン(登録商標)350Sの質量に対して、10質量%、アウローレン(登録商標)350SとYSポリスターU115(ヤスハラケミカル社製)との組成比(アウローレン(登録商標)350S/YSポリスターU115)が80/20となるように配合した点で相違するが、その他の条件及び方法は、実施例1と同一にしてめっき用プライマー組成物を得た。得られためっき用プライマー組成物の構成及び物性は、表3に示されるとおりの値を有した。
【0150】
[実施例28]
実施例1とは、カルボジライトV-02B(日清紡ケミカル社製)をアウローレン(登録商標)350Sの質量に対して、10質量%、アウローレン(登録商標)350SとYSポリスターU115(ヤスハラケミカル社製)との組成比(アウローレン(登録商標)350S/YSポリスターU115)が80/20となるように配合した点で相違するが、その他の条件及び方法は、実施例1と同一にしてめっき用プライマー組成物を得た。得られためっき用プライマー組成物の構成及び物性は、表3に示されるとおりの値を有した。
【0151】
[実施例29]
実施例1とは、TETRAD-C(三菱ガス化学社製)をアウローレン(登録商標)350Sの質量に対して、10質量%、アウローレン(登録商標)350SとYSポリスターU115(ヤスハラケミカル社製)との組成比(アウローレン(登録商標)350S/YSポリスターU115)が80/20となるように配合した点で相違するが、その他の条件及び方法は、実施例1と同一にしてめっき用プライマー組成物を得た。得られためっき用プライマー組成物の構成及び物性は、表3に示されるとおりの値を有した。
【0152】
[実施例30]
実施例1とは、エポクロス(登録商標)RPS-1005(日本触媒社製)をアウローレン(登録商標)350Sの質量に対して、5質量%、アウローレン(登録商標)350SとYSポリスターU115(ヤスハラケミカル社製)との組成比(アウローレン(登録商標)350S/YSポリスターU115)が80/20となるように配合した点で相違するが、その他の条件及び方法は、実施例1と同一にしてめっき用プライマー組成物を得た。得られためっき用プライマー組成物の構成及び物性は、表3に示されるとおりの値を有した。
【0153】
試験結果を表3に示す。
【0154】
【表3】
【0155】
[実施例31]
実施例1とは、アウローレン(登録商標)350Sとペトコール(登録商標)LX(東ソー社製)との組成比(アウローレン(登録商標)350S/ペトコール(登録商標)LX)が80/20となるように配合した点で相違するが、その他の条件及び方法は、実施例1と同一にしてめっき用プライマー組成物を得た。得られためっき用プライマー組成物の構成及び物性は、表4に示されるとおりの値を有した。
【0156】
[実施例32]
実施例1とは、コロネートHX(東ソー社製)をアウローレン(登録商標)350Sの質量に対して、10質量%、アウローレン(登録商標)350Sとペトコール(登録商標)LX(東ソー社製)との組成比(アウローレン(登録商標)350S/ペトコール(登録商標)LX)が80/20となるように配合した点で相違するが、その他の条件及び方法は、実施例1と同一にしてめっき用プライマー組成物を得た。得られためっき用プライマー組成物の構成及び物性は、表4に示されるとおりの値を有した。
【0157】
[実施例33]
実施例1とは、カルボジライトV-02B(日清紡ケミカル社製)をアウローレン(登録商標)350Sの質量に対して、10質量%、アウローレン(登録商標)350Sとペトコール(登録商標)LX(東ソー社製)との組成比(アウローレン(登録商標)350S/ペトコール(登録商標)LX)が80/20となるように配合した点で相違するが、その他の条件及び方法は、実施例1と同一にしてめっき用プライマー組成物を得た。得られためっき用プライマー組成物の構成及び物性は、表4に示されるとおりの値を有した。
【0158】
[実施例34]
実施例1とは、TETRAD-C(三菱ガス化学社製)をアウローレン(登録商標)350Sの質量に対して、10質量%、アウローレン(登録商標)350Sとペトコール(登録商標)LX(東ソー社製)との組成比(アウローレン(登録商標)350S/ペトコール(登録商標)LX)が80/20となるように配合した点で相違するが、その他の条件及び方法は、実施例1と同一にしてめっき用プライマー組成物を得た。得られためっき用プライマー組成物の構成及び物性は、表4に示されるとおりの値を有した。
【0159】
[実施例35]
実施例1とは、エポクロス(登録商標)RPS-1005(日本触媒社製)をアウローレン(登録商標)350Sの質量に対して、5質量%、アウローレン(登録商標)350Sとペトコール(登録商標)LX(東ソー社製)との組成比(アウローレン(登録商標)350S/ペトコール(登録商標)LX)が80/20となるように配合した点で相違するが、その他の条件及び方法は、実施例1と同一にしてめっき用プライマー組成物を得た。得られためっき用プライマー組成物の構成及び物性は、表4に示されるとおりの値を有した。
【0160】
[実施例36]
実施例1とは、アウローレン(登録商標)350SとニットレジンクマロンG-90(日塗化学社製)との組成比(アウローレン(登録商標)350S/ニットレジンクマロンG-90)が80/20となるように配合した点で相違するが、その他の条件及び方法は、実施例1と同一にしてめっき用プライマー組成物を得た。得られためっき用プライマー組成物の構成及び物性は、表4に示されるとおりの値を有した。
【0161】
[実施例37]
実施例1とは、コロネートHX(東ソー社製)をアウローレン(登録商標)350Sの質量に対して、10質量%、アウローレン(登録商標)350SとニットレジンクマロンG-90(日塗化学社製)との組成比(アウローレン(登録商標)350S/ニットレジンクマロンG-90)が80/20となるように配合した点で相違するが、その他の条件及び方法は、実施例1と同一にしてめっき用プライマー組成物を得た。得られためっき用プライマー組成物の構成及び物性は、表4に示されるとおりの値を有した。
【0162】
[実施例38]
実施例1とは、カルボジライトV-02B(日清紡ケミカル社製)をアウローレン(登録商標)350Sの質量に対して、10質量%、アウローレン(登録商標)350SとニットレジンクマロンG-90(日塗化学社製)との組成比(アウローレン(登録商標)350S/ニットレジンクマロンG-90)が80/20となるように配合した点で相違するが、その他の条件及び方法は、実施例1と同一にしてめっき用プライマー組成物を得た。得られためっき用プライマー組成物の構成及び物性は、表4に示されるとおりの値を有した。
【0163】
[実施例39]
実施例1とは、TETRAD-C(三菱ガス化学社製)をアウローレン(登録商標)350Sの質量に対して、10質量%、アウローレン(登録商標)350SとニットレジンクマロンG-90(日塗化学社製)との組成比(アウローレン(登録商標)350S/ニットレジンクマロンG-90)が80/20となるように配合した点で相違するが、その他の条件及び方法は、実施例1と同一にしてめっき用プライマー組成物を得た。得られためっき用プライマー組成物の構成及び物性は、表4に示されるとおりの値を有した。
【0164】
[実施例40]
実施例1とは、エポクロス(登録商標)RPS-1005(日本触媒社製)をアウローレン(登録商標)350Sの質量に対して、5質量%、アウローレン(登録商標)350SとニットレジンクマロンG-90(日塗化学社製)との組成比(アウローレン(登録商標)350S/ニットレジンクマロンG-90)が80/20となるように配合した点で相違するが、その他の条件及び方法は、実施例1と同一にしてめっき用プライマー組成物を得た。得られためっき用プライマー組成物の構成及び物性は、表4に示されるとおりの値を有した。
【0165】
試験結果を表4に示す。
【0166】
【表4】
【0167】
[実施例41]
実施例1とは、酸変性ポリオレフィンの代わりにスチレン系樹脂(SEPS)として、セプトン(登録商標)2004F(クラレ社製)を配合した点で相違するが、その他の条件及び方法は、実施例1と同一にしてめっき用プライマー組成物を得た。得られためっき用プライマー組成物の構成及び物性は、表5に示されるとおりの値を有した。
【0168】
[実施例42]
実施例1とは、セプトン(登録商標)2004Fとクイントン(登録商標)1500(日本ゼオン社製)との組成比(セプトン(登録商標)2004F/クイントン(登録商標)1500)が80/20となるように配合した点で相違するが、その他の条件及び方法は、実施例1と同一にしてめっき用プライマー組成物を得た。得られためっき用プライマー組成物の構成及び物性は、表5に示されるとおりの値を有した。
【0169】
[実施例43]
実施例1とは、セプトン(登録商標)2004Fとクイントン(登録商標)R100(日本ゼオン社製)との組成比(セプトン(登録商標)2004F/クイントン(登録商標)R100)が80/20となるように配合した点で相違するが、その他の条件及び方法は、実施例1と同一にしてめっき用プライマー組成物を得た。得られためっき用プライマー組成物の構成及び物性は、表5に示されるとおりの値を有した。
【0170】
[実施例44]
実施例1とは、セプトン(登録商標)2004Fとクイントン(登録商標)D200(日本ゼオン社製)との組成比(セプトン(登録商標)2004F/クイントン(登録商標)D200)が80/20となるように配合した点で相違するが、その他の条件及び方法は、実施例1と同一にしてめっき用プライマー組成物を得た。得られためっき用プライマー組成物の構成及び物性は、表5に示されるとおりの値を有した。
【0171】
[実施例45]
実施例1とは、セプトン(登録商標)2004FとペンセルGA-100(荒川化学社製)との組成比(セプトン(登録商標)2004F/ペンセルGA-100)が80/20となるように配合した点で相違するが、その他の条件及び方法は、実施例1と同一にしてめっき用プライマー組成物を得た。得られためっき用プライマー組成物の構成及び物性は、表5に示されるとおりの値を有した。
【0172】
[実施例46]
実施例1とは、セプトン(登録商標)2004FとYSポリスターU115(ヤスハラケミカル社製)との組成比(セプトン(登録商標)2004F/YSポリスターU115)が80/20となるように配合した点で相違するが、その他の条件及び方法は、実施例1と同一にしてめっき用プライマー組成物を得た。得られためっき用プライマー組成物の構成及び物性は、表5に示されるとおりの値を有した。
【0173】
[実施例47]
実施例1とは、セプトン(登録商標)2004Fとペトコール(登録商標)LX(東ソー社製)との組成比(セプトン(登録商標)2004F/ペトコール(登録商標)LX)が80/20となるように配合した点で相違するが、その他の条件及び方法は、実施例1と同一にしてめっき用プライマー組成物を得た。得られためっき用プライマー組成物の構成及び物性は、表5に示されるとおりの値を有した。
【0174】
[実施例48]
実施例1とは、セプトン(登録商標)2004FとニットレジンクマロンG-90(日塗化学社製)との組成比(セプトン(登録商標)2004F/ニットレジンクマロンG-90)が80/20となるように配合した点で相違するが、その他の条件及び方法は、実施例1と同一にしてめっき用プライマー組成物を得た。得られためっき用プライマー組成物の構成及び物性は、表5に示されるとおりの値を有した。
【0175】
試験結果を表5に示す。
【0176】
【表5】
【0177】
[実施例49]
実施例1とは、酸変性ポリオレフィンの代わりにスチレン系樹脂(SIS)として、クインタック(登録商標)3280(日本ゼオン社製)を配合した点で相違するが、その他の条件及び方法は、実施例1と同一にしてめっき用プライマー組成物を得た。得られためっき用プライマー組成物の構成及び物性は、表6に示されるとおりの値を有した。
【0178】
[実施例50]
実施例1とは、クインタック(登録商標)3280とクイントン(登録商標)1500(日本ゼオン社製)との組成比(クインタック(登録商標)3280/クイントン(登録商標)1500)が80/20となるように配合した点で相違するが、その他の条件及び方法は、実施例1と同一にしてめっき用プライマー組成物を得た。得られためっき用プライマー組成物の構成及び物性は、表6に示されるとおりの値を有した。
【0179】
[実施例51]
実施例1とは、クインタック(登録商標)3280とクイントン(登録商標)R100(日本ゼオン社製)との組成比(クインタック(登録商標)3280/クイントン(登録商標)R100)が80/20となるように配合した点で相違するが、その他の条件及び方法は、実施例1と同一にしてめっき用プライマー組成物を得た。得られためっき用プライマー組成物の構成及び物性は、表6に示されるとおりの値を有した。
【0180】
[実施例52]
実施例1とは、クインタック(登録商標)3280とクイントン(登録商標)D200(日本ゼオン社製)との組成比(クインタック(登録商標)3280/クイントン(登録商標)D200)が80/20となるように配合した点で相違するが、その他の条件及び方法は、実施例1と同一にしてめっき用プライマー組成物を得た。得られためっき用プライマー組成物の構成及び物性は、表6に示されるとおりの値を有した。
【0181】
[実施例53]
実施例1とは、クインタック(登録商標)3280とペンセルGA-100(荒川化学社製)との組成比(クインタック(登録商標)3280/ペンセルGA-100)が80/20となるように配合した点で相違するが、その他の条件及び方法は、実施例1と同一にしてめっき用プライマー組成物を得た。得られためっき用プライマー組成物の構成及び物性は、表6に示されるとおりの値を有した。
【0182】
[実施例54]
実施例1とは、クインタック(登録商標)3280とYSポリスターU115(ヤスハラケミカル社製)との組成比(クインタック(登録商標)3280/YSポリスターU115)が80/20となるように配合した点で相違するが、その他の条件及び方法は、実施例1と同一にしてめっき用プライマー組成物を得た。得られためっき用プライマー組成物の構成及び物性は、表6に示されるとおりの値を有した。
【0183】
[実施例55]
実施例1とは、クインタック(登録商標)3280とペトコール(登録商標)LX(東ソー社製)との組成比(クインタック(登録商標)3280/ペトコール(登録商標)LX)が80/20となるように配合した点で相違するが、その他の条件及び方法は、実施例1と同一にしてめっき用プライマー組成物を得た。得られためっき用プライマー組成物の構成及び物性は、表6に示されるとおりの値を有した。
【0184】
[実施例56]
実施例1とは、クインタック(登録商標)3280とニットレジンクマロンG-90(日塗化学社製)との組成比(クインタック(登録商標)3280/ニットレジンクマロンG-90)が80/20となるように配合した点で相違するが、その他の条件及び方法は、実施例1と同一にしてめっき用プライマー組成物を得た。得られためっき用プライマー組成物の構成及び物性は、表6に示されるとおりの値を有した。
【0185】
試験結果を表6に示す。
【0186】
【表6】
【0187】
[実施例57]
実施例1とは、アウローレン(登録商標)350SとYSレジンSX-100(ヤスハラケミカル社製)との組成比(アウローレン(登録商標)350S/YSレジンSX-100)が80/20となるように配合した点で相違するが、その他の条件及び方法は、実施例1と同一にしてめっき用プライマー組成物を得た。得られためっき用プライマー組成物の構成及び物性は、表7に示されるとおりの値を有した。
【0188】
[実施例58]
実施例1とは、コロネートHX(東ソー社製)をアウローレン(登録商標)350Sの質量に対して10質量%となるように配合し、アウローレン(登録商標)350SとYSレジンSX-100(ヤスハラケミカル社製)との組成比(アウローレン(登録商標)350S/YSレジンSX-100が80/20となるように配合した点で相違するが、その他の条件及び方法は、実施例1と同一にしてめっき用プライマー組成物を得た。得られためっき用プライマー組成物の構成及び物性は、表7に示されるとおりの値を有した。
【0189】
[実施例59]
実施例1とは、カルボジライトV-20B(日清紡ケミカル社製)をアウローレン(登録商標)350Sの質量に対して10質量%となるように配合し、アウローレン(登録商標)350SとYSレジンSX-100(ヤスハラケミカル社製)との組成比(アウローレン(登録商標)350S/YSレジンSX-100が80/20となるように配合した点で相違するが、その他の条件及び方法は、実施例1と同一にしてめっき用プライマー組成物を得た。得られためっき用プライマー組成物の構成及び物性は、表7に示されるとおりの値を有した。
【0190】
[実施例60]
実施例1とは、TETRAD-C(三菱ガス化学社製)をアウローレン(登録商標)350Sの質量に対して10質量%となるように配合し、アウローレン(登録商標)350SとYSレジンSX-100(ヤスハラケミカル社製)との組成比(アウローレン(登録商標)350S/YSレジンSX-100が80/20となるように配合した点で相違するが、その他の条件及び方法は、実施例1と同一にしてめっき用プライマー組成物を得た。得られためっき用プライマー組成物の構成及び物性は、表7に示されるとおりの値を有した。
【0191】
[実施例61]
実施例1とは、エポクロス(登録商標)RPS-1005(日本触媒社製)をアウローレン(登録商標)350Sの質量に対して5質量%となるように配合し、アウローレン(登録商標)350SとYSレジンSX-100(ヤスハラケミカル社製)との組成比(アウローレン(登録商標)350S/YSレジンSX-100が80/20となるように配合した点で相違するが、その他の条件及び方法は、実施例1と同一にしてめっき用プライマー組成物を得た。得られためっき用プライマー組成物の構成及び物性は、表7に示されるとおりの値を有した。
【0192】
[実施例62]
実施例1とは、セプトン(登録商標)2004FとYSレジンSX-100(ヤスハラケミカル社製)との組成比(セプトン(登録商標)2004F/YSレジンSX-100が80/20となるように配合した点で相違するが、その他の条件及び方法は、実施例1と同一にしてめっき用プライマー組成物を得た。得られためっき用プライマー組成物の構成及び物性は、表7に示されるとおりの値を有した。
【0193】
[実施例63]
実施例1とは、クインタック(登録商標)3280とYSレジンSX-100(ヤスハラケミカル社製)との組成比(クインタック(登録商標)3280/YSレジンSX-100が80/20となるように配合した点で相違するが、その他の条件及び方法は、実施例1と同一にしてめっき用プライマー組成物を得た。得られためっき用プライマー組成物の構成及び物性は、表7に示されるとおりの値を有した。
【0194】
試験結果を表7に示す。
【0195】
【表7】
【0196】
[実施例64]
実施例1とは、アウローレン(登録商標)350Sとセプトン(登録商標)2004Fとの組成比(アウローレン(登録商標)350S/セプトン(登録商標)2004F)が90/10となるようにブレンドした点で相違するが、その他の条件及び方法は、実施例1と同一にしてめっき用プライマー組成物を得た。得られためっき用プライマー組成物の構成及び物性は、表8に示されるとおりの値を有した。
【0197】
[実施例65]
実施例1とは、アウローレン(登録商標)350Sとセプトン(登録商標)2004Fとの組成比(アウローレン(登録商標)350S/セプトン(登録商標)2004F)が75/25となるようにブレンドした点で相違するが、その他の条件及び方法は、実施例1と同一にしてめっき用プライマー組成物を得た。得られためっき用プライマー組成物の構成及び物性は、表8に示されるとおりの値を有した。
【0198】
[実施例66]
実施例1とは、アウローレン(登録商標)350Sとセプトン(登録商標)2004Fとの組成比(アウローレン(登録商標)350S/セプトン(登録商標)2004F)が50/50となるようにブレンドした点で相違するが、その他の条件及び方法は、実施例1と同一にしてめっき用プライマー組成物を得た。得られためっき用プライマー組成物の構成及び物性は、表8に示されるとおりの値を有した。
【0199】
[実施例67]
実施例1とは、アウローレン(登録商標)350Sとセプトン(登録商標)2004Fとの組成比(アウローレン(登録商標)350S/セプトン(登録商標)2004F)が25/75となるようにブレンドした点で相違するが、その他の条件及び方法は、実施例1と同一にしてめっき用プライマー組成物を得た。得られためっき用プライマー組成物の構成及び物性は、表8に示されるとおりの値を有した。
【0200】
[実施例68]
実施例1とは、アウローレン(登録商標)350Sとセプトン(登録商標)2004Fとの組成比(アウローレン(登録商標)350S/セプトン(登録商標)2004F)が10/90となるようにブレンドした点で相違するが、その他の条件及び方法は、実施例1と同一にしてめっき用プライマー組成物を得た。得られためっき用プライマー組成物の構成及び物性は、表8に示されるとおりの値を有した。
【0201】
[実施例69]
実施例1とは、アウローレン(登録商標)350Sとクインタック(登録商標)3280との組成比(アウローレン(登録商標)350S/クインタック(登録商標)3280)が90/10となるようにブレンドした点で相違するが、その他の条件及び方法は、実施例1と同一にしてめっき用プライマー組成物を得た。得られためっき用プライマー組成物の構成及び物性は、表8に示されるとおりの値を有した。
【0202】
[実施例70]
実施例1とは、アウローレン(登録商標)350Sとクインタック(登録商標)3280との組成比(アウローレン(登録商標)350S/クインタック(登録商標)3280)が75/25となるようにブレンドした点で相違するが、その他の条件及び方法は、実施例1と同一にしてめっき用プライマー組成物を得た。得られためっき用プライマー組成物の構成及び物性は、表8に示されるとおりの値を有した。
【0203】
[実施例71]
実施例1とは、アウローレン(登録商標)350Sとクインタック(登録商標)3280との組成比(アウローレン(登録商標)350S/クインタック(登録商標)3280)が50/50となるようにブレンドした点で相違するが、その他の条件及び方法は、実施例1と同一にしてめっき用プライマー組成物を得た。得られためっき用プライマー組成物の構成及び物性は、表8に示されるとおりの値を有した。
【0204】
[実施例72]
実施例1とは、アウローレン(登録商標)350Sとクインタック(登録商標)3280との組成比(アウローレン(登録商標)350S/クインタック(登録商標)3280)が25/75となるようにブレンドした点で相違するが、その他の条件及び方法は、実施例1と同一にしてめっき用プライマー組成物を得た。得られためっき用プライマー組成物の構成及び物性は、表8に示されるとおりの値を有した。
【0205】
[実施例73]
実施例1とは、アウローレン(登録商標)350Sとクインタック(登録商標)3280との組成比(アウローレン(登録商標)350S/クインタック(登録商標)3280)が10/90となるようにブレンドした点で相違するが、その他の条件及び方法は、実施例1と同一にしてめっき用プライマー組成物を得た。得られためっき用プライマー組成物の構成及び物性は、表8に示されるとおりの値を有した。
【0206】
[比較例1]
実施例1とは、アウローレン(登録商標)350Sの代わりに、アクリルポリオール(商品名「XK-9012」、東新油脂社製)と、イソシアネート(商品名「コロネートHX」、東ソー社製)とを、NCO/OH=1.0となるように反応させたウレタン樹脂を用いた点で相違するが、その他の条件及び方法は、実施例1と同一にしてめっき用プライマー組成物を得た。得られためっき用プライマー組成物の構成及び物性は、表8に示されるとおりの値を有した。
【0207】
[比較例2]
実施例1とは、アウローレン(登録商標)350Sの代わりに、水添エポキシ樹脂(商品名「YX8000」、三菱ケミカル社製)100質量部と、硬化剤(登録商標「カレンズMT PE1」、昭和電工社製)67質量部と、硬化触媒(商品名「ヒシコーリン PX-4ET」、日本化学工業社製)2質量部とを反応させて得られたエポキシ樹脂を用いた点で相違するが、その他の条件及び方法は、実施例1と同一にしてめっき用プライマー組成物を得た。得られためっき用プライマー組成物の構成及び物性は、表8に示されるとおりの値を有した。
【0208】
[比較例3]
実施例1とは、アウローレン(登録商標)350Sの代わりに、UV硬化型ウレタンアクリレートオリゴマー(商品名「UV-7600B」、三菱ケミカル社製)100質量部と、光重合開始剤(商品名「Omnirad 184」、IGM Resins B.V.製)3質量部とを反応させたUV硬化型アクリル樹脂を用いた点で相違するが、その他の条件及び方法は、実施例1と同一にしてめっき用プライマー組成物を得た。得られためっき用プライマー組成物の構成及び物性は、表8に示されるとおりの値を有した。
【0209】
試験結果を表8に示す。
【0210】
【表8】
【0211】
表1~8から、以下のことが分かる。
【0212】
実施例1~40のめっき用プライマー組成物はいずれも、酸変性ポリオレフィン樹脂を含有していた。そのため、実施例1~40のめっき用プライマー組成物はいずれも、全光線透過率、ヘイズ、COP密着性(常態)、耐熱性試験後のCOP密着性、耐湿性試験後のCOP密着性、耐薬品性試験後のCOP密着性、上塗り後の外観、上塗り後の密着性に優れていた。
実施例2~40は、実施例1と比べて、上塗り後の外観がさらに良好なものとなり、全ての特性において、極めて優れたものであった。実施例2~40においては、硬化剤、粘着付与剤を配合することにより上塗り後の外観が向上することが分かる。
【0213】
実施例41~56のめっき用プライマー組成物はいずれも、スチレン系樹脂を含有していた。そのため、実施例41~56のめっき用プライマー組成物はいずれも、全光線透過率、ヘイズ、COP密着性(常態)、耐熱性試験後のCOP密着性、耐湿性試験後のCOP密着性、耐薬品性試験後のCOP密着性、上塗り後の外観、上塗り後の密着性に優れていた。
実施例42~48は、実施例41と比べて、耐湿性試験後の密着性がさらに良好なものとなっていた。実施例42~48においては、粘着付与剤を配合することにより耐湿性試験後の密着性が向上することが分かる。
【0214】
実施例50~56は、実施例49と比べて、耐薬品性試験後の密着性がさらに良好なものとなっていた。実施例50~56においては、粘着付与剤を配合することにより耐薬品性試験後の密着性が向上することが分かる。
【0215】
実施例58~61は、実施例57と比べて、ヘイズ値が小さく透明性が向上していた。実施例62~63においては、粘着付与剤であるスチレン樹脂を配合することにより全光線透過率、ヘイズ、COP密着性(常態)、耐熱性試験後のCOP密着性、耐湿性試験後のCOP密着性、耐薬品性試験後のCOP密着性、上塗り後の外観、上塗り後の密着性が優れていた。
【0216】
実施例64~73のめっき用プライマー組成物はいずれも、酸変性ポリオレフィン樹脂とスチレン系樹脂を含有していた。そのため、実施例64~73のめっき用プライマー組成物はいずれも、全光線透過率、ヘイズ、COP密着性(常態)、耐熱性試験後のCOP密着性、耐湿性試験後のCOP密着性、耐薬品性試験後のCOP密着性、上塗り後の外観、上塗り後の密着性が極めて優れていた。
【0217】
酸変性ポリオレフィン樹脂又はスチレン系樹脂を用いずに、ウレタン樹脂を用いた比較例1、エポキシ樹脂を用いた比較例2、UV硬化型アクリル樹脂を用いた比較例3は、COP密着性(常態)、耐熱性試験後のCOP密着性、耐湿性試験後のCOP密着性、耐薬品性試験後のCOP密着性、上塗り後の密着性に劣ったものとなることが分かる。
【0218】
以上、本技術の実施形態及び実施例について具体的に説明したが、本技術は、上述の実施形態及び実施例に限定されるものではなく、本技術の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
【0219】
例えば、上述の実施形態及び実施例において挙げた構成、方法、工程、形状、材料、及び数値等はあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれと異なる構成、方法、工程、形状、材料、及び数値等を用いてもよい。
【0220】
また、上述の実施形態及び実施例の構成、方法、工程、形状、材料、及び数値等は、本技術の主旨を逸脱しない限り、互いに組み合わせることが可能である。
【0221】
また、本明細書において、「~」を用いて示された数値範囲は、「~」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。本明細書に段階的に記載されている数値範囲において、ある段階の数値範囲の上限値または下限値は、他の段階の数値範囲の上限値または下限値に置き換えてもよい。本明細書に例示する材料は、特に断らない限り、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【符号の説明】
【0222】
10 シクロオレフィンポリマーフィルム
20 めっき用プライマー組成物層
30 パラジウム含有エポキシプライマー組成物層
40 銅層
図1