IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社横浜ケイエイチ技研の特許一覧

<>
  • 特開-ケーブル敷設方法 図1
  • 特開-ケーブル敷設方法 図2
  • 特開-ケーブル敷設方法 図3
  • 特開-ケーブル敷設方法 図4
  • 特開-ケーブル敷設方法 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022171017
(43)【公開日】2022-11-11
(54)【発明の名称】ケーブル敷設方法
(51)【国際特許分類】
   H02G 1/06 20060101AFI20221104BHJP
   E04B 9/00 20060101ALI20221104BHJP
   E04B 9/18 20060101ALI20221104BHJP
【FI】
H02G1/06
E04B9/00 G
E04B9/18 T
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021077380
(22)【出願日】2021-04-30
(71)【出願人】
【識別番号】516165435
【氏名又は名称】株式会社横浜ケイエイチ技研
(74)【代理人】
【識別番号】100180415
【弁理士】
【氏名又は名称】荒井 滋人
(72)【発明者】
【氏名】萩原 哲夫
【テーマコード(参考)】
5G352
【Fターム(参考)】
5G352CA07
5G352CB01
5G352CK05
(57)【要約】
【課題】天井裏に様々な障害物があったとしても、簡単な構造で引張りワイヤとケーブルとの間の結び目が引っかかることがないケーブル敷設方法を提供する。
【解決手段】本発明に係るケーブル敷設方法は、一方の地点から他方の地点にかけてケーブルを敷設するためのルートが配されていて、前記天井裏の上部にガイドワイヤが前記一方の地点から前記他方の地点にかけて架け渡されていて、前記ケーブルを引張るための引張りワイヤが前記一方の地点から前記他方の地点にかけて架け渡されていて、前記ケーブルとこのケーブルを引張るための引張りワイヤとを接続して接続部を形成し、前記接続部が前記ガイドワイヤに摺動可能に取付けられた状態で前記引張りワイヤを引張るケーブル引張り工程を備えている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方の地点から他方の地点にかけてケーブルを敷設するためのルートが配されていて、
前記ルートの上部にガイドワイヤが前記一方の地点から前記他方の地点にかけて架け渡されていて、
前記ケーブルを引張るための引張りワイヤが前記一方の地点から前記他方の地点にかけて架け渡されていて、
前記ケーブルとこのケーブルを引張るための引張りワイヤとを接続して接続部を形成し、
前記接続部が前記ガイドワイヤに摺動可能に取付けられた状態で前記引張りワイヤを引張るケーブル引張り工程を備えたことを特徴とするケーブル敷設方法。
【請求項2】
前記ケーブル引張り工程にて、前記ガイドワイヤのテンションを変更させながら前記引張りワイヤを引張ることを特徴とする請求項1に記載のケーブル敷設方法。
【請求項3】
前記ケーブル引張り工程の前に、前記ガイドワイヤと前記引張りワイヤとを同時に前記一方の地点から前記他方の地点に向けて架け渡す架け渡し工程をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載のケーブル敷設方法。
【請求項4】
前記ケーブル引張り工程にて、前記ガイドワイヤの上下方向及び左右方向の位置を変更させながら前記引張りワイヤを引張ることを特徴とする請求項1に記載のケーブル敷設方法。
【請求項5】
前記ケーブル引張り工程にて、前記一方の地点及び前記他方の地点に支持台を設置し、前記支持台に前記ガイドワイヤを固定し、
前記支持台には、前記ガイドワイヤが通って固定される固定部が前記支持台の上下方向に複数個あり、さらに左右方向にも複数個配されていることを特徴とする請求項4に記載のケーブル敷設方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケーブルを敷設するためのケーブル敷設方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
部屋には天井板と呼ばれる板材が上部に配されている。この天井板のさらに上側は空間となっていて天井裏と称されている。天井裏の上側には、階上の床材が配されている。天井裏には通常、階上の床材から間隔を存して固定された野縁受けが複数本平行に並んで形成され、この野縁受けに対して直交方向に複数本の野縁が配されている。天井板は、この野縁に固定される。
【0003】
天井板には天井裏を点検するための点検口が複数形成されている。この点検口は開口していて、通常は塞がれている。天井裏にはLANや照明、放送等のためのケーブルが多数敷設されている。新たにケーブルを敷設する際は、点検口を利用して敷設される。
【0004】
ケーブルを敷設する際は、まず一方の点検口からケーブルを引張るための引張りワイヤを入れ込み、他方の点検口まで架け渡す。その後、引張りワイヤの一方または他方の点検口側の端部にケーブルを結びつけ、結びつけた側とは逆の点検口から引張りワイヤを引張り、ケーブルを両点検口間に架け渡すことにより行われる。
【0005】
このとき、天井裏には様々なケーブルや設備が配設されているため、引張りワイヤでケーブルを引張る際に結び目が引っかかってしまうことがある。このため、天井裏の上方にてケーブルを引張ることが好ましい。特許文献1では、空間の上方にてケーブルを送り出すことで、ケーブルを敷設している。しかしながら、特許文献1は埋設管内にケーブルを敷設する工法であるため、上側から作業することを前提としている。従ってこの考え方は、ケーブルを敷設すべき空間の下側からアクセスする天井裏にはそのまま適用できない。また送り出すためのワイヤを常に移動させるような機構が必要であり、構造が複雑である。さらに、特許文献1ではケーブルを送り出すためのワイヤは常にテンションが張った状態であるため、埋設管内の上方に障害物があった場合は、やはり結び目が引っかかるおそれがある。
【0006】
また、ケーブルを敷設する場所としては天井裏に限らず、工場等の上側に配設されているダクト等の上や、あるいはケーブルを敷設するための単なる板のようなものがある。このような場所は種々のケーブルや機器等が配されているため、これらが障害物となって上記のような結び目が引っかかってしまうことがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平4-121009号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記従来技術を考慮したものであり、ケーブルを敷設すべきルートに様々な障害物があったとしても、簡単な構造で引張りワイヤとケーブルとの間の結び目が引っかかることがないケーブル敷設方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成するため、本発明では、一方の地点から他方の地点にかけてケーブルを敷設するためのルートが配されていて、前記ルートの上部にガイドワイヤが前記一方の地点から前記他方の地点にかけて架け渡されていて、前記ケーブルを引張るための引張りワイヤが前記一方の地点から前記他方の地点にかけて架け渡されていて、前記ケーブルとこのケーブルを引張るための引張りワイヤとを接続して接続部を形成し、前記接続部が前記ガイドワイヤに摺動可能に取付けられた状態で前記引張りワイヤを引張るケーブル引張り工程を備えたことを特徴とするケーブル敷設方法を提供する。
【0010】
好ましくは、前記ケーブル引張り工程にて、前記ガイドワイヤのテンションを変更させながら前記引張りワイヤを引張る。
【0011】
好ましくは、前記ケーブル引張り工程の前に、前記ガイドワイヤと前記引張りワイヤとを同時に前記一方の地点から前記他方の地点に向けて架け渡す架け渡し工程をさらに備える。
【0012】
好ましくは、前記ケーブル引張り工程にて、前記ガイドワイヤの上下方向及び左右方向の位置を変更させながら前記引張りワイヤを引張る。
【0013】
好ましくは、前記ケーブル引張り工程にて、前記一方の地点及び前記他方の地点に支持台を設置し、前記支持台に前記ガイドワイヤを固定し、前記支持台には、前記ガイドワイヤが通って固定される固定部が前記支持台の上下方向に複数個あり、さらに左右方向にも複数個配されている。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、引張りワイヤとケーブルとの接続部分である接続部がルートの上部に架け渡されているガイドワイヤに沿って摺動するため、結び目たる接続部がルートの床面に沿って移動することはない。ルートの床面に様々な障害物があったとしても、引張りワイヤとケーブルとの間の結び目が引っかかることはない。また、ケーブルは引張りワイヤにより引張ることのみで敷設できるので、ケーブルを送り出すためにガイドワイヤが移動するような機構を設けることが不要であり、簡単な構造でケーブルの敷設が可能となる。
【0015】
また、ガイドワイヤのテンションを変更させることで、ケーブルを引張る際に緩めたガイドワイヤに沿って引張りワイヤを引張ることができる。このように、テンションを変更させるためのガイドワイヤと、ケーブルを引張るための引張りワイヤを分けて別々に設けることで、ルートの床面だけでなく上側まであるような障害物があったとしても、ガイドワイヤのテンションを変更させながらこれらの障害物を避けてケーブルを引張って敷設することができる。仮に接続部が障害物に引っかかったとしても、引張りワイヤによる引張り方向に力をかけて無理矢理接続部を障害物から引き剥がすのではなく、ガイドワイヤのテンションを変更させて障害物から接続部を離間させて比較的弱い力で引張りワイヤによって引張ることができる。
【0016】
また、ガイドワイヤと引張りワイヤを同時に一方の地点から他方の地点に向けて架け渡すことで、これらのワイヤを架け渡すための往路一回のみでケーブルを敷設するための準備を整えることができる。
【0017】
また、ガイドワイヤの上下方向及び左右方向の位置を変更させることで、様々な位置の障害物を避けながらケーブルを引張ることができる。特に、支持台を用いてこの支持台にガイドワイヤの固定部を複数個設けることで、簡単にガイドワイヤの上下方向及び左右方向の位置を変更させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明に係るケーブル敷設方法のフローチャートである。
図2】架け渡し工程の説明図である。
図3】ケーブル引張り工程の説明図である。
図4】ケーブル引張り工程の他方の点検口付近を示す概略図である。
図5】支持台の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1を参照すれば明らかなように、本発明に係るケーブル敷設方法は、架け渡し工程(ステップS1)とケーブル引張り工程(ステップS2)にて構成されている。いずれの工程も新規な手段であり、それぞれ効果を有するが、本方法の流れに沿ってまずは架け渡し工程から説明する。
【0020】
また、以下では主たる実施例として、ケーブルを敷設するためのルートが天井裏にあり、天井にある点検口間にケーブルを敷設するもので説明する。しかしながら、本発明は天井裏にケーブルを敷設することに限られるものではなく、工場等の上側にあるダクト上部にケーブルを敷設する場合や、ケーブル敷設用に細長い板が配設されているような場合にも適用可能である。すなわち、ケーブルを一方の地点から他方の地点まで結ぶルートに敷設する場合には、どのような場合でも適用可能である。
【0021】
まず、本発明に係るケーブル敷設方法は、図2及び図3を参照すれば明らかなように、ケーブル1を敷設すべき天井裏2の下側に開口された一方の点検口(一方の地点)3及び他方の点検口(他方の地点)4が配されているものに適用されるものである。この一方の地点たる一方の点検口3から他方の地点たる他方の点検口4までが、ケーブル1を敷設すべきルートとなる。天井裏2とは部屋の天井として機能している天井板5よりも上側の空間であり階上の床よりも下側に位置している。また、一方の点検口3及び他方の点検口4は天井板5に設けられた開口であり、通常は塞がれている。したがって、この実施例では、点検口が二つ必要である。
【0022】
このような天井構造を有する場合において、架け渡し工程では、図2のようにガイドワイヤ6と引張りワイヤ7とを同時に一方の点検口3から他方の点検口4に向けて架け渡す。ここで、引張りワイヤ7はケーブル1に結びつけられて引張られることにより、ケーブル1を一方の点検口3から他方の点検口4(あるいは他方の点検口4から一方の点検口3)に架け渡す役割を有するものである。ガイドワイヤ6はこの引張りワイヤ7とケーブル1との接続部分を摺動させることにより、ケーブル1の移動をガイドするものである。これらのワイヤ6、7は、例えば自走式のロボット等の搬送機器8にその端部を固定され、搬送機器8を一方の点検口3から他方の点検口4へ移動させることで(図2の矢印A方向)、同時に架け渡される。このガイドワイヤ6と引張りワイヤ7は、本発明に係るケーブル敷設方法に必須のものである。このようにガイドワイヤ6と引張りワイヤ7とを同時に一方の点検口3から他方の点検口4に向けて架け渡すことで、これらのワイヤ6、7を架け渡すために、搬送機器8の往路一回のみでケーブル1を敷設するための準備を整えることができる。ケーブル1を敷設するためのルートがダクトの上であれば、搬送機器8はダクト上を走行することになる。
【0023】
このようにガイドワイヤ6と引張りワイヤ7との2本が架け渡された状態で、ケーブル引張り工程が行われる。ケーブル引張り工程では、ガイドワイヤ6が天井裏2の上部にて一方の点検口3から他方の点検口4にかけて架け渡されるように配置される。具体的には、一方の点検口3及び他方の点検口4のそれぞれに、点検口3、4から上方に向けて延びる支持台9が配設され、ガイドワイヤ6はこの支持台9に固定される。このように点検口3、4から上方に向けて延びている支持台9にガイドワイヤ6は固定されるため、ガイドワイヤ6は天井板5に沿って延びるのではなく、天井裏2の上部にて天井板5から離間した状態で架け渡されている。点検口がない場所に本発明を適用する場合には、公知の方法でガイドワイヤ6をルートの上部に配すればよい。要は、ガイドワイヤ6はルートの床面に沿ってなく、浮いた状態で保持されていればよい。支持台9は、点検口がある場合に好適に使用できる。
【0024】
上述した架け渡し工程にて、引張りワイヤ7もガイドワイヤ6と同様に一方の点検口3から他方の点検口4にかけて架け渡されている。引張りワイヤ7の一方の点検口3側の端部は、敷設すべきケーブル1の端部と接続されて接続部10が形成される。接続は、結んでもいいし、治具を用いて互いを固定してもよい。その際、この接続部10には例えばリングからなる摺動部材11が取付けられる。摺動部材11はガイドワイヤ6に摺動可能に取付けられる。摺動部材11がリングの場合は、ガイドワイヤ6はリング内を挿通されるように配される。この状態で、引張りワイヤ7を他方の点検口4側から引張ると(図3の矢印B方向)、摺動部材11とともに接続部10がガイドワイヤ6に沿って移動し、したがってケーブル1が一方の点検口3から他方の点検口4に向けて移動する。これにより、ケーブル1は一方の点検口3から他方の点検口4にかけて架け渡されることになり、ケーブル1は天井裏2内に敷設される。なお、引張りワイヤ7を引張る際は、作業員が他方の点検口4から天井裏2に上半身を乗り出して引張ってもよいし、他方の点検口4の下側(部屋内)から引張ってもよい。すなわち、他方の地点から引張りワイヤ7を引張るということである。
【0025】
なお、図の例では引張りワイヤ7がルートの長さ(一方の点検口3から他方の点検口4までの長さ)と同程度の長さの場合を示している。引張りワイヤ7がこのような長さであると、一方の点検口3側に接続部10を設けて他方の点検口4側から引張ることが可能である。しかしながら、例えば引張りワイヤ7がルートの長さよりもかなり長い場合は、接続部10を他方の点検口4側に設けて、一方の点検口3側から引張ることもできる。ただし、引張りワイヤ7がこのように長い場合でも、引張りワイヤ7の途中にケーブル1との接続部10を設けて他方の点検口4側から引張ることもできる。本発明では、ルートにガイドワイヤ6と引張りワイヤ7が架け渡されていれば、どちらの地点から引張るかは現場の状況に応じて適宜変更可能である。
【0026】
このように、引張りワイヤ7とケーブル1との接続部分である接続部10が天井裏2の上部に架け渡されているガイドワイヤ6に沿って摺動する(ケーブル1が敷設されるべきルートの上部に架け渡されているガイドワイヤ6に沿って摺動する)ため、例えば結び目たる接続部10が天井裏2の床面に沿って移動することはない(ルートの床面に沿って移動することはない)。天井裏2の床面に様々な障害物があったとしても、引張りワイヤ7とケーブル1との間の接続部10(結び目)が引っかかることはない。また、ケーブル1は引張りワイヤ7を引張るのみで敷設できるので、ケーブル1を送り出すためにガイドワイヤ6が移動するような機構を設けることが不要であり、簡単な構造でケーブル1の敷設が可能となる。
【0027】
ここで、図4に示すように、ガイドワイヤ6は支持台9に対して固定される際、ガイドワイヤ6の固定部分が支持台9に対して長さ方向に調節可能なように取付けられる。具体的には、図5に示すように支持台9にはガイドワイヤ6を通すための切欠きからなる固定部12が形成されていて、この固定部12にガイドワイヤ6は通される。このとき、リーズロックのような調整部材13内にガイドワイヤ6は通される。この調整部材13が支持台9に当接することで、ガイドワイヤ6は調整部材13で規定された長さにて支持台9間に架け渡されることになる。調整部材13をガイドワイヤ6の長さ方向に移動させることにより、支持台9間のガイドワイヤ6の長さを変更できる。したがって、ガイドワイヤ6のテンションを変更させることができるようになる。
【0028】
このことは、ケーブル引張り工程にて、ガイドワイヤ6のテンションを変更させながら引張りワイヤ7を引張り、ケーブル1を敷設できることを意味する。ガイドワイヤ6のテンションを変更させることで、ケーブル1を引張る際に緩めたガイドワイヤ6に沿って引張りワイヤ7を引張ることができるようになる。これは、テンションを変更させるためのガイドワイヤ6と、ケーブル1を引張るための引張りワイヤ7とを分けて別々に設けることで実現できるものである。例えば、天井裏2の床面だけでなく上側まであるような障害物があったり、複雑な梁や野縁受けを保持するために階上の床から垂下する吊りボルトのようなものがあったりしたとしても、ガイドワイヤ6のテンションを変更させながらこれらの障害物を避けて、接続部10がこれに引っかからないようにしてケーブル1を引張って敷設することができる。仮に接続部10が障害物に引っかかったとしても、引張りワイヤ7による引張り方向に力をかけて無理矢理接続部10を障害物から引き剥がすのではなく、ガイドワイヤ6のテンションを変更させて障害物から接続部10を離間させて比較的弱い力で引張りワイヤ7によって引張ることができる。
【0029】
この接続部10を天井裏の障害物にあたらないようにする観点として、ケーブル引張り工程にて、ガイドワイヤ6の上下方向及び左右方向の位置を変更させながら引張りワイヤ7を引張ってもよい。またこのような位置を変更させつつ、ガイドワイヤ6のテンションをさらに変更させて引張りワイヤ7を引張ってもよい。具体的には、図5に示すように、ガイドワイヤ6が通されるべき固定部12を支持台9の上下方向に複数個、さらに左右方向にも複数個設ければよい。このように固定部12を複数個設ければ、ガイドワイヤ6を通す位置を変更させることで支持台9に対するガイドワイヤ6の位置を変更できる。ガイドワイヤ6の支持台9に対する上下方向及び左右方向の位置を変更させることで、様々な位置の障害物を避けながらケーブル1を引張ることができる。特に、支持台9を用いてこの支持台9にガイドワイヤ6の固定部12を複数個設けることで、簡単にガイドワイヤ6の上下方向及び左右方向の位置を変更させることができる。なお、支持台9は引張りワイヤ7を引張っても動かないようにそれぞれの点検口3、4にしっかりと固定されている。
【0030】
支持台9を設置できないような箇所で本発明を使用する場合は、公知の方法でガイドワイヤ6のテンションを調整し、上下方向および左右方向に位置を調整すれば同様の効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0031】
1:ケーブル、2:天井裏、3:一方の点検口、4:他方の点検口、5:天井板、6:ガイドワイヤ、7:引張りワイヤ、8:搬送機器、9:支持台、10:接続部、11:摺動部材、12:固定部、13:調整部材
図1
図2
図3
図4
図5