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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022171088
(43)【公開日】2022-11-11
(54)【発明の名称】梱包支援システム
(51)【国際特許分類】
   B65B 57/00 20060101AFI20221104BHJP
   G06Q 10/08 20120101ALI20221104BHJP
   B65G 57/03 20060101ALI20221104BHJP
   B65G 60/00 20060101ALI20221104BHJP
【FI】
B65B57/00 Z
G06Q10/08
B65G57/03 G
B65G60/00 S
B65B57/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021077489
(22)【出願日】2021-04-30
(71)【出願人】
【識別番号】591036457
【氏名又は名称】三菱電機エンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100147566
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100161171
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 潤一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100188514
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 隆裕
(72)【発明者】
【氏名】吉田 俊宏
【テーマコード(参考)】
3F029
5L049
【Fターム(参考)】
3F029AA05
3F029BA01
3F029DA21
5L049AA16
(57)【要約】
【課題】梱包作業の効率性向上と、廃棄する緩衝材の削減との両立を図った梱包支援システムを得る。
【解決手段】複数の物品のそれぞれの外形寸法を表す物品サイズ情報と、サイズの異なる複数の段ボール箱のそれぞれに関する段ボール箱サイズ情報とが記憶された記憶部と、複数の物品を収納するに当たって、物品サイズ情報および段ボール箱サイズ情報に基づいて、1つのダンボール箱内に収納される複数の物品の物品配置パターンおよび適切なサイズの段ボール箱を特定するとともに、特定した物品配置パターンを有するように複数の物品を適切なサイズの段ボール箱に収納した際に生じる空間領域を削減するために適切なサイズの段ボール箱に施すべき加工指示情報を作成し、特定した物品配置パターンおよび適切なサイズの段ボール箱と、作成した加工指示情報とを表示部に表示させるデータ処理部とを備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の物品を段ボール箱に収納する際に用いられる梱包支援システムであって、
前記複数の物品のそれぞれの外形寸法を表す物品サイズ情報と、梱包作業に使用されるサイズの異なる複数の段ボール箱のそれぞれに関する段ボール箱サイズ情報とが記憶された記憶部と、
前記複数の物品を前記複数の段ボール箱のいずれか1つに収納するに当たって、前記物品サイズ情報および前記段ボール箱サイズ情報に基づいて、1つのダンボール箱内に収納される前記複数の物品の物品配置パターンおよび適切なサイズの段ボール箱を特定するとともに、前記物品配置パターンを有するように前記複数の物品を前記適切なサイズの段ボール箱に収納した際に生じる空間領域を削減するために前記適切なサイズの段ボール箱に施すべき加工指示情報を作成し、特定した前記物品配置パターンおよび前記適切なサイズの段ボール箱と、作成した前記加工指示情報とを表示部に表示させるデータ処理部と
を備える梱包支援システム。
【請求項2】
前記データ処理部は、
前記複数の物品に関する全ての物品配置パターンを導出し、
導出した前記全ての物品配置パターンのそれぞれについて、前記複数の物品を収納可能な容積サイズを有する段ボール箱を、前記段ボール箱サイズ情報に基づいて決定し、
前記全ての物品配置パターンのそれぞれについて決定した段ボール箱の中で、最も容積が小さい段ボール箱または最も底面積の小さい段ボール箱を前記適切なサイズの段ボール箱として特定し、
特定した前記適切なサイズの段ボール箱に収納可能な1以上の物品配置パターンの中で、高さ寸法が最も小さくなるものを、最適な詰め方を有する物品配置パターンとして決定し、
前記適切なサイズの段ボール箱の高さと、決定した前記最適な詰め方を有する物品配置パターンに対応する外形寸法の高さとの差分をカット寸法として算出し、
前記適切なサイズの段ボール箱と、前記最適な詰め方を有する物品配置パターンとを前記表示部に表示させるとともに、算出した前記カット寸法を前記加工指示情報として前記表示部に表示させる
請求項1に記載の梱包支援システム。
【請求項3】
前記データ処理部は、前記複数の物品を2以上のグループに分割し、それぞれのグループ毎に1つの段ボール箱に収納する場合には、最も配送料が低い段ボール箱の組合せとなるように、それぞれのグループに含まれる物品の特定および前記2以上の段ボール箱のサイズの特定を行う
請求項1または2に記載の梱包支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、複数の物品を梱包する際に、適正なサイズの段ボール箱を特定する梱包支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
梱包支援システムの多くは、物品の容積に基づいて、格納する段ボール箱のサイズを決定し、決定したサイズを作業者に提示している。
【0003】
具体的には、物品の幅、奥行き、高さ、容積などの情報から、複数の物品を格納する収集箱あるいは梱包箱のサイズを決定し、決定したサイズを作業者に提示するシステムが多く採用されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開2020/004028号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このような従来技術には以下のような課題がある。
特許文献1のようなシステムを採用することで、作業者側の目線での梱包作業の効率性向上を実現することができる。しかしながら、このような従来システムは、作業者側の目線を重視するばかりであり、物品間の隙間に挿入する緩衝材の削減までは考慮されていない。
【0006】
物品が梱包された段ボール箱の受け取り側では、開梱後の緩衝材は、ゴミでしかなく、緩衝材は、できる限り少量であることが望まれている。従って、作業者側の目線を重視するとともに、物品の受け取り側の目線も重視した梱包支援システムが強く望まれている。
【0007】
この開示は上記のような課題を解決するためになされたもので、梱包作業の効率性向上と、廃棄する緩衝材の削減との両立を図った梱包支援システムを得ることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この開示による梱包支援システムは、複数の物品を段ボール箱に収納する際に用いられる梱包支援システムであって、複数の物品のそれぞれの外形寸法を表す物品サイズ情報と、梱包作業に使用されるサイズの異なる複数の段ボール箱のそれぞれに関する段ボール箱サイズ情報とが記憶された記憶部と、複数の物品を複数の段ボール箱のいずれか1つに収納するに当たって、物品サイズ情報および段ボール箱サイズ情報に基づいて、1つのダンボール箱内に収納される複数の物品の物品配置パターンおよび適切なサイズの段ボール箱を特定するとともに、物品配置パターンを有するように複数の物品を適切なサイズの段ボール箱に収納した際に生じる空間領域を削減するために適切なサイズの段ボール箱に施すべき加工指示情報を作成し、特定した物品配置パターンおよび適切なサイズの段ボール箱と、作成した加工指示情報とを表示部に表示させるデータ処理部とを備えるものである。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、梱包作業の効率性向上と、廃棄する緩衝材の削減との両立を図った梱包支援システムを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の実施の形態1に係る梱包支援システムで取り扱う複数の物品の一例を示した説明図である。
図2】本開示の実施の形態1に係る梱包支援システムの構成図である。
図3】本開示の実施の形態1に係るデータ処理部によって算出されるすべての物品配置パターンのうち、同一サイズの段ボール箱に収納可能な2つの物品配置パターンの具体例を示した図である。
図4】本開示の実施の形態1に係るデータ処理部により、表示部に表示させた加工指示情報の一例を示した説明図である。
図5】本開示の実施の形態1に係る梱包支援システム内のデータ処理部で実行される一連処理を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の梱包支援システムの実施の形態に関し、図面を用いて詳細に説明する。本開示に係る梱包支援システムは、複数の物品の梱包を行う際に、適正なサイズの段ボール箱を特定するものであり、特に、既存の段ボール箱に対して、加工を施すことで、梱包サイズの縮小化を実現し、梱包作業の効率性向上と、廃棄する緩衝材の削減との両立を図ることを技術的特徴とするものである。
【0012】
実施の形態1.
図1は、本開示の実施の形態1に係る梱包支援システムで取り扱う複数の物品の一例を示した説明図である。図1では、一例として、外形寸法が異なる3つの物品1(1)~1(3)が示されている。
【0013】
物品1(1)~物品1(3)のそれぞれは、外形寸法を表す物品サイズ情報として、幅、高さ、奥行きを規定することで特定される直方体として数値化される。以下の説明では、物品1(1)~物品1(3)の3つを梱包する場合を具体例として説明する。
【0014】
図2は、本開示の実施の形態1に係る梱包支援システムの構成図である。図2に示した本実施の形態1に係る梱包支援システムは、入力部110、記憶部120、データ処理部130、および表示部140を備えて構成されている。
【0015】
入力部110は、作業者によるデータ入力、選択入力等を受け付ける入力インターフェース部に相当する。図1に示す3つの物品1(1)~1(3)を梱包する場合には、作業者は、これら3つの外形寸法を表す物品サイズ情報を入力する。
【0016】
なお、後述する記憶部120にすでに登録された物品サイズ情報を流用する場合には、作業者は、一覧表示された物品サイズ情報の中から選択入力することも可能である。
【0017】
記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ等で構成されるメモリである。記憶部120には、梱包対象となる複数の物品のそれぞれの物品サイズ情報、梱包に用いる既存の段ボール箱サイズ情報等が記憶される。
【0018】
データ処理部130は、梱包対象となる3つの物品1(1)~1(3)に関して、あらゆる物品配置パターンを算出する。物品配置パターンとしては、同一平面に全ての物品を配置する場合、複数の物品の一部または全部を積み重ねて配置する場合などが含まれる。なお、データ処理部130は、あらゆる物品配置パターンを算出するに当たっては、特許文献1に開示されたような既存の技術を用いることができる。
【0019】
図3は、本開示の実施の形態1に係るデータ処理部130によって算出されるすべての物品配置パターンのうち、同一サイズの段ボール箱に収納可能な2つの物品配置パターンの具体例を示した図である。
【0020】
物品配置パターン[1]では、3つの物品1(1)~1(3)が同一平面上に配置された場合を例示している。また、物品配置パターン[2]では、1段目に物品1(1)が配置され、2段目に物品1(2)、1(3)が配置された場合を例示している。
【0021】
物品配置パターンとしては、このような物品配置パターン[1]、物品配置パターン[2]を含めた種々の形態を取り得る。そして、データ処理部130は、物品配置パターン[1]と物品配置パターン[2]とを比較した場合には、より高さ寸法が小さくなる物品配置パターン[1]を選択することができる。
【0022】
この結果、段ボール箱の加工可能な寸法を最大化し、緩衝材の量を、より抑制することが可能となる。すなわち、データ処理部130は、既存の段ボール箱の中から、選択した物品配置パターン[1]を収納できる段ボール箱を選定するとともに、選定した段ボール箱に対して加工すべき内容を加工指示情報として作成し、表示部140に表示させる。
【0023】
なお、データ処理部130は、選択した物品配置パターン[1]の底面積を収納でき、かつ、選択した物品配置パターン[1]の外形高さよりも高さ寸法のあることを条件として、段ボール箱を選定することができる。また、複数の段ボール箱が選定できる場合には、データ処理部130は、底面積が最も小さい物を選定することができる。
【0024】
図4は、本開示の実施の形態1に係るデータ処理部130により、表示部140に表示させた加工指示情報10の一例を示した説明図である。図4では、選択した物品配置パターン[1]に対応する物品配置パターン11が、選定した段ボール箱12内に配置されるとともに、段ボール箱12に対して加工すべき場所が、太線部13および破線部14として示された状態が、加工指示情報10として表示された場合を例示している。
【0025】
ここで、太線部13は、段ボール箱の上面から、高さ方向において切断すべき長さを示しており、破線部14は、太線部13を切断した後に折り曲げる部分を示している。作業者は、太線部13の切断作業部分および破線部14の折り曲げ作業部分に対する加工作業を行うことで、段ボール箱12を、物品配置パターン[1]の高さ寸法に一致した高さを有する段ボール箱に、容易に加工することができる。
【0026】
従来の方式では、容積情報などから格納する梱包箱の大きさを決定し、決定した情報を作業者に提示することで作業効率化を図ってきた。しかしながら、容積情報をもとに計算した配置情報、およびその配置に適した既存の段ボール箱の表示を行っているだけであり、隙間部分には緩衝材を多く入れる必要が生じる場合があった。
【0027】
このような課題に対して、本実施の形態1に係るデータ処理部130は、切断作業および折り曲げ作業を考慮した上で、緩衝材の量を抑制する観点で、適切な物品配置パターンの選択、および適切な段ボール箱の選定を行うことができる機能を有している。
【0028】
さらに、本実施の形態1に係るデータ処理部130は、切断作業および折り曲げ作業に必要な加工指示情報として、切断部分および折り曲げ部分を示した概略図を画面表示させることができる機能を有している。換言すると、本実施の形態1に係るデータ処理部130は、複数の物品1を段ボール箱に収納した際に生じる空間領域を削減するために段ボール箱に施すべき加工指示情報を作成し、画面表示させることができる。
【0029】
この結果、選定した段ボール箱に対して加工を施さない場合と比較して、空間を埋めるために使用する緩衝材の量を抑制することができる。
【0030】
なお、上述した具体例では、複数の物品を1つの段ボール箱に収納する場合について説明したが、複数の物品を2以上の段ボール箱に分割して収納することも考えられる。そこで、これら両方の場合を考慮した梱包支援処理の具体例について、次に説明する。
【0031】
図5は、本開示の実施の形態1に係る梱包支援システム内のデータ処理部130で実行される一連処理を示したフローチャートである。ステップS501において、データ処理部130は、梱包対象であるすべての物品を1つの段ボール箱に詰める場合を仮定して、あらゆる物品配置パターンを導出する。
【0032】
次に、ステップS502において、データ処理部130は、ステップS501で算出したそれぞれの物品配置パターンに対して、収納可能な最も小さい容積サイズを有する既存の段ボール箱を決定する。
【0033】
すなわち、データ処理部130は、物品配置パターンがN通りあった場合には、N通りの物品配置パターンのそれぞれについて、既存の段ボール箱の中から、梱包対象であるすべての物品を収納可能であり、かつ、サイズが最も小さい段ボール箱を、適切な段ボール箱として決定する。
【0034】
次に、ステップS503において、データ処理部130は、入力部110を介した作業者による選択入力に基づいて、梱包対象である複数の物品を梱包するための段ボール箱の数が、1つであるか否かを判定する。段ボール箱の数が1つであると判定した場合には、ステップS504以降の処理に移行し、段ボール箱の数が1つではなく2以上であると判定した場合には、ステップS507以降の処理に移行する。
【0035】
ステップS504に進んだ場合には、データ処理部130は、ステップS502においてすべての物品配置パターンのそれぞれについて決定した適切な段ボール箱の中から、最も容積が小さいサイズの段ボール箱、あるいは最も底面積が小さいサイズの段ボール箱を特定する。
【0036】
この場合、最も小さいサイズとして特定された段ボール箱に対応する物品配置パターンは、必ずしも1つとは限らず、複数の物品配置パターンが候補として特定されることも考えられる。先の図3で示した物品配置パターン[1]と物品配置パターン[2]は、2つの候補として特定された場合に相当する。
【0037】
次に、ステップS505において、データ処理部130は、ステップS504において特定された1以上の物品配置パターンに関して、高さ寸法が最も小さくなるものを、最適な詰め方を有する物品配置パターンとして決定する。先の図3で示した例では、物品配置パターン[1]が最適な詰め方を有する物品配置パターンに相当する。
【0038】
次に、ステップS506において、データ処理部130は、ステップS504で特定された段ボール箱の高さと、ステップS505で決定された最適な詰め方を有する物品配置パターンに対応する外形寸法の高さとの差分を、カット寸法として算出し、特定された段ボール箱に対するカット寸法を決定する。
【0039】
さらに、データ処理部130は、図4に示したような、太線部13および破線部14を含む加工指示情報を、表示部140に表示させ、一連処理を終了する。なお、図4では、カット寸法に対応する部分を太線部13として視覚的にわかりやすい表示を行っている。しかしながら、本実施の形態1における表示方法は、このような表示には限定されない。算出したカット寸法を数値として表示することで、定量的にわかりやすい表示を行わせることも可能である。
【0040】
一方、ステップS507に進んだ場合には、データ処理部130は、梱包対象であるすべての物品を2つ以上の段ボール箱に詰める場合を仮定して、あらゆる物品配置パターンを算出する。
【0041】
次に、ステップS508において、データ処理部130は、ステップS507で算出したそれぞれの物品配置パターンに対して、収納可能な最も小さい段ボール箱の組合せを決定する。
【0042】
すなわち、データ処理部130は、例えば、2つの段ボール箱に分割する際には、1つ目の段ボール箱および2つ目の段ボール箱のそれぞれについて、既存の段ボール箱の中から、梱包対象である物品を収納可能であり、かつ、サイズ(容積または底面積)が最も小さい段ボール箱を、適切な段ボール箱として決定することで、全ての物品を収納可能な段ボール箱の組合せを決定する。
【0043】
次に、ステップS509において、データ処理部130は、ステップS508で決定した段ボール箱の組み合わせの中で、最も配送料が低い段ボール箱の組合せを特定する。すなわち、例えば、2つの段ボール箱に分割する際には、データ処理部130は、1つ目の段ボール箱の配送料と1つ目の段ボール箱の配送料との合計額が最小となる段ボール箱の組合せを特定する。
【0044】
次に、ステップS510において、データ処理部130は、ステップS509において特定された2以上の段ボール箱のそれぞれについて、収納可能な1以上の物品配置パターンに関して、高さ寸法が最も小さくなるものを、最適な詰め方を有する物品配置パターンとして決定する。
【0045】
次に、ステップS511において、データ処理部130は、ステップS509において特定された2以上の段ボール箱のそれぞれについて、段ボール箱の高さと、ステップS510で決定された物品配置パターンに対応する外形寸法の高さとの差分をカット寸法として算出し、特定された2以上の段ボール箱のそれぞれに対するカット寸法を決定する。
【0046】
さらに、データ処理部130は、図4に示したような、太線部13および破線部14を含む加工指示情報を、ステップS509において特定された2以上の段ボール箱のそれぞれについて表示部140に表示させ、一連処理を終了する。
【0047】
以上のように、実施の形態1によれば、複数の物品を梱包する際に、緩衝材の量を抑制する観点で、切断作業および折り曲げ作業による加工作業を考慮した上で、適正なサイズの段ボール箱を特定できる。
【0048】
また、必要に応じて、複数の物品を2以上のグループに分割し、それぞれのグループ毎に1つの段ボール箱に収納する場合には、配送料を最も低くすることも考慮した上で、それぞれのグループに含まれる物品の特定、および適正なサイズの段ボール箱の特定を行うことができる。
【0049】
さらに、切断作業および折り曲げ作業に必要な情報を、視覚的および定量的にわかりやすい形で、物品配置パターンとともに表示部に表示させることができる。この結果、梱包作業の効率性向上と、廃棄する緩衝材の削減との両立を図った梱包支援システムを実現できる。
【0050】
なお、図5に示したフローチャートでは、2以上の段ボール箱を使用する際に、最も配送料が低いダンボール箱の組合せを特定した後に、高さ寸法が最も小さくなる詰め方を有する物品配置パターンを決定していた。しかしながら、本開示は、このような決定手法に限定されるものではない。カット後のサイズによっては、配送料が安くなる場合も考えられる。
【0051】
そこで、カット寸法を考慮した上で、カット後の2以上の段ボール箱のそれぞれについて、幅、高さ、奥行きの合計値から配送料を算出し、配送料の合計が最小となる物品配置パターンおよび段ボール箱を特定することも可能である。
【符号の説明】
【0052】
1、1(1)~1(3) 物品、10 加工指示情報、11 決定された物品表示パターン、12 特定された段ボール箱、13 太線部(切断作業部分)、14 破線部(折り曲げ作業部分)、110 入力部、120 記憶部、130 データ処理部、140 表示部。
図1
図2
図3
図4
図5