(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022171134
(43)【公開日】2022-11-11
(54)【発明の名称】スイッチ装置
(51)【国際特許分類】
H01H 36/00 20060101AFI20221104BHJP
【FI】
H01H36/00 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021077578
(22)【出願日】2021-04-30
(71)【出願人】
【識別番号】000003551
【氏名又は名称】株式会社東海理化電機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】折戸 光雄
【テーマコード(参考)】
5G046
【Fターム(参考)】
5G046AA03
5G046AB02
5G046AE12
5G046AE13
(57)【要約】
【課題】電極と基板との間の安定した電気的接続を可能にするスイッチ装置を提供する。
【解決手段】スイッチ装置1は、基板50と、操作ノブ10と、導電部とを備えている。操作ノブ10は、表面に電極12を有している。操作ノブ10は、基板50に対して相対移動可能に支持されている。導電部は、基板50に接触し、かつ操作ノブ10に接触し、基板50と電極12とを電気的に接続する導通経路を形成している。導通経路は、導電性を有する材料で構成されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
表面に電極を有し、前記基板に対して相対移動可能に支持された操作ノブと、
前記基板に接触し、かつ前記操作ノブに接触し、前記基板と前記電極とを電気的に接続する導通経路を形成する導電部とを備え、
前記導通経路は、導電性を有する材料で構成されている、スイッチ装置。
【請求項2】
前記導電部は、前記操作ノブに向けて付勢された先端と、前記基板に向けて付勢された基端とを有する、請求項1に記載のスイッチ装置。
【請求項3】
前記操作ノブと前記導電部とは面接触し、
前記操作ノブは、前記基板に対して相対移動するときに前記導電部との接触面積が不変であるように構成されている、請求項1または2に記載のスイッチ装置。
【請求項4】
前記操作ノブの、前記導電部に接触する接触面が球面形状を有する、請求項3に記載のスイッチ装置。
【請求項5】
前記導電部の、前記操作ノブに接触する接触面が球面形状を有する、請求項4に記載のスイッチ装置。
【請求項6】
前記導電部は、金属スプリングを含み、前記金属スプリングは圧縮された状態で前記操作ノブと前記基板との間に配置されている、請求項3から請求項5のいずれか1項に記載のスイッチ装置。
【請求項7】
前記導通経路の少なくとも一部が、電気絶縁性の基材と、前記基材の内部に分散配置された導電性のフィラーとを含む、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のスイッチ装置。
【請求項8】
前記基材は樹脂材料である、請求項7に記載のスイッチ装置。
【請求項9】
前記基材はゴム材料である、請求項7に記載のスイッチ装置。
【請求項10】
前記導電部の前記先端を前記操作ノブとの間で圧縮し、前記導電部の前記基端を前記基板との間で圧縮する、押え部材をさらに備える、請求項2を引用する請求項9に記載のスイッチ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、スイッチ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
各種の機器に対する入力を受け付けるスイッチが知られている。たとえば、特開2020-126779号公報(特許文献1)には、プッシュスイッチ装置が記載されている。上記文献に記載のプッシュスイッチ装置は、複数の押圧位置が設けられた操作ノブを備えている。操作ノブの下側の静電フィルムは、各押圧位置に対応した静電容量検出部を設けて構成され、静電容量の変化を検出する。操作ノブのいずれかの押圧位置が押圧操作されると、静電フィルムにより、どの押圧位置が操作されたかが検出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
人体と静電シート(電極)との間に形成される静電容量を基板で検出するスイッチ装置においては、電極と基板との間に安定した電気的接続を形成することが求められる。
【0005】
本開示では、電極と基板との間の安定した電気的接続を可能にする、スイッチ装置が提案される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に従ったスイッチ装置は、基板と、操作ノブと、導電部とを備えている。操作ノブは、表面に電極を有している。操作ノブは、基板に対して相対移動可能に支持されている。導電部は、基板に接触し、かつ操作ノブに接触し、基板と電極とを電気的に接続する導通経路を形成している。導通経路は、導電性を有する材料で構成されている。
【発明の効果】
【0007】
本開示に係るスイッチ装置によれば、電極と基板との間の安定した電気的接続を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1実施形態のスイッチ装置の構成を示す断面図である。
【
図2】第2実施形態のスイッチ装置の構成を示す断面図である。
【
図3】第3実施形態のスイッチ装置の構成を示す斜視図である。
【
図4】
図3に示されるスイッチ装置の断面図である。
【
図6】第4実施形態のスイッチ装置の構成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態について図面に基づいて説明する。以下の説明では、同一部品には、同一の符号を付している。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0010】
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態のスイッチ装置1の構成を示す断面図である。
図1に示されるスイッチ装置1は、たとえば、乗用車などの車両に搭載されている。スイッチ装置1は、たとえば、車室内前方のインストルメントパネルに配置されている。スイッチ装置1は、たとえば、車室内の温度調整をするための空調装置を作動させるために操作される。
【0011】
スイッチ装置1は、操作ノブ10を備えている。操作ノブ10はたとえば、回転中心Cを中心として揺動可能なトグルノブである。操作ノブ10は、スイッチ装置1における、スイッチ装置1を操作する操作者によって操作される操作箇所である。
【0012】
操作ノブ10は、表面に電極12を有している。電極12は、金属材料に代表される導電性の材料で形成されている。電極12は、たとえばめっきにより形成されている。操作者が電極12に接触することで、操作者と電極12との間に静電容量が形成される。なお、電極12は、導電性を有する材料で形成される場合に限らず、導電性を有さない材料で形成されていてもよい。導電性を有さない材料には、たとえば、樹脂が含まれる。
【0013】
後述する基板50が、操作者と電極12との間に形成された静電容量を検出することで、スイッチ装置1は操作者による入力操作を受け付ける。スイッチ装置1は、制御対象とする機器、たとえば空調装置、へのスイッチ操作を受け付ける。
【0014】
操作ノブ10は、ベース部20を有している。ベース部20の先端を覆うように電極12が設けられている。ベース部20は、基端に凹部22を有している。凹部22の表面は球面形状に形成されている。ベース部20、さらには操作ノブ10は、支持構造60によって移動可能に支持されている。
【0015】
スイッチ装置1は、第1導電部材30を備えている。第1導電部材30は、中実の筒状の軸部34と、軸部34の先端(
図1においては左端)に設けられた球体部32を有している。球体部32の表面は、球面形状に形成されている。球体部32は、軸部34よりも大径に形成されている。
【0016】
球体部32は、操作ノブ10のベース部20に形成された凹部22内に嵌まるように配置されている。球体部32の表面が、凹部22の表面と面接触している。第1導電部材30の、操作ノブ10に接触する接触面が、球面形状を有している。操作ノブ10の、第1導電部材30に接触する接触面が、球面形状を有している。操作ノブ10の凹部22は、第1導電部材30の球体部32と係合する受け部としての機能を有している。球体部32と凹部22とは、これらが互いに係合する係合構造を形成している。
【0017】
操作ノブ10のベース部20と、第1導電部材30とは、いずれも導電樹脂製である。導電樹脂は、電気絶縁性の基材と、基材の内部に分散配置された導電性のフィラーとを含んでいる。本実施形態においては、基材は樹脂材料である。フィラーとしては、たとえばカーボンブラック、金属粒子、カーボンナノチューブなどを用いることができる。
【0018】
操作ノブ10のベース部20と第1導電部材30とは、いずれも導電樹脂製である場合に限らず、導電性を有する材料によって導通経路を構成できれば、どのような材料で構成されていてもよい。たとえば、操作ノブ10のベース部20と第1導電部材30とを、金属材料で形成してもよい。操作ノブ10のベース部20と第1導電部材30とを、金属によるメッキで形成してもよい。
【0019】
スイッチ装置1は、第2導電部材40を備えている。第2導電部材40は、収容穴48の内部に配置されている。第2導電部材40は、金属スプリングであり、導電性を有している。第2導電部材40はコイルばねであり、その内部に第1導電部材30の軸部34が配置されている。第1導電部材30と第2導電部材40とは、実施形態の導電部を構成している。
【0020】
スイッチ装置1は、基板50を備えている。導電部を構成する第2導電部材40が基板50に接触しており、第1導電部材30が操作ノブ10に接触している。導電部(第1導電部材30および第2導電部材40)と、操作ノブ10のうちベース部20とは、基板50と電極12とを電気的に接続する導通経路を形成している。
【0021】
操作ノブ10は、回転中心Cを中心として、基板50に対して相対移動可能とされている。回転中心Cは、凹部22の表面を形成する球面の中心であり、かつ、球体部32の表面を形成する球面の中心とされている。これにより操作ノブ10は、基板50に対して相対移動するときに、第1導電部材30との接触面積が不変であるように構成されている。
【0022】
第2導電部材40を構成する金属スプリングは、圧縮された状態で操作ノブ10と基板50との間に配置されている。金属スプリングの基端(
図1においては右端)は、基板50に向けて付勢されており、基板50に押し付けられている。
【0023】
金属スプリングの先端(
図1においては左端)は、第1導電部材30の球体部32に接触しており、第1導電部材30を操作ノブ10に向けて付勢している。第1導電部材30を操作ノブ10のベース部20に押し付ける力を作用することによって、導電樹脂である第1導電部材30およびベース部20の互いのフィラー同士を接触させて、第1導電部材30とベース部20とが電気的に接続される構成とされている。
【0024】
以上の構成を備えている第1実施形態のスイッチ装置1では、操作者が操作ノブ10を操作するときに操作者と電極12との間に形成される静電容量が、基板50で検出される。電極12と基板50とを電気的に接続する導通経路は、導電樹脂製のベース部20と、導電樹脂製の第1導電部材30と、金属製の第2導電部材40とを含んでいる。電極12とベース部20とは互いに接触している。ベース部20と第1導電部材30とは互いに接触している。第1導電部材30と第2導電部材40とは互いに接触している。第2導電部材40と基板50とは互いに接触している。
【0025】
導通経路が空気層を介した静電容量結合を含んでいると、静電容量のばらつきが大きく、静電容量の安定した検出が困難になる。本実施形態のスイッチ装置1においては、導電性の部材同士が互いに接触することで、電極12と基板50との間の導通経路が形成されている。スイッチ装置1は、電極12と基板50との間の安定した電気的接続を維持することができる。したがって、操作者と電極12との間に形成される静電容量を、強い出力のまま基板50へ伝えることができる。
【0026】
[第2実施形態]
図2は、第2実施形態のスイッチ装置1の構成を示す断面図である。
図2に示される第2実施形態のスイッチ装置1では、操作ノブ10のベース部20の基端が、
図1に示される凹部22に替えて、凸部28を有している。凸部28の表面は球面形状に形成されている。第2実施形態のスイッチ装置1は、
図1に示される第1導電部材30を備えていない。金属スプリングである第2導電部材40の内部に、ベース部20の凸部28が嵌まるように配置されている。
【0027】
第2実施形態では、第2導電部材40が、基板50に接触しかつ操作ノブ10に接触する導電部を構成している。第2導電部材40とベース部20とが、基板50と電極12とを電気的に接続する導通経路を形成している。
【0028】
このような構成を備える第2実施形態のスイッチ装置1においても、導電性の部材同士が互いに接触することで電極12と基板50との間の導通経路が形成されているので、電極12と基板50との間の安定した電気的接続を維持することができる。
【0029】
[第3実施形態]
図3は、第3実施形態のスイッチ装置1の構成を示す斜視図である。
図4は、
図3に示されるスイッチ装置1の断面図である。第3実施形態のスイッチ装置1は、第1実施形態および第2実施形態で説明した導電樹脂製の第1導電部材30および金属スプリングである第2導電部材40に替えて、導電ゴム70を備えている。導電ゴム70は、電気絶縁性の基材と、基材の内部に分散配置された導電性のフィラーとを含んでおり、基材はゴム材料である。フィラーとしては、第1実施形態で説明した導電樹脂と同様に、カーボンブラック、金属粒子、カーボンナノチューブなどを用いることができる。
【0030】
図5は、導電ゴム70の構成を示す斜視図である。
図3~
図5に示されるように、導電ゴム70は板状の形状を有している。導電ゴム70は柔軟性を有しており、湾曲した状態でスイッチ装置1に取り付けられている。導電ゴム70は長手方向を有しており、長手方向の一方端である第1端72と、長手方向の他方端である第2端74とを有している。
【0031】
導電ゴム70には、導電ゴム70を厚み方向に貫通する貫通孔部76,78が形成されている。貫通孔部76,78は、導電ゴム70の長手方向に並んで配置されている。貫通孔部76は、貫通孔部78よりも第1端72に近く第2端74から離れた位置に形成されている。貫通孔部78は、貫通孔部76よりも第2端74に近く第1端72から離れた位置に形成されている。
【0032】
図4に示されるように、導電ゴム70の第1端72は、操作ノブ10のベース部20に接触している。導電ゴム70の第2端74は、基板50に接触している。第3実施形態では、導電ゴム70が、基板50に接触しかつ操作ノブ10に接触する導電部を構成している。導電ゴム70とベース部20とが、基板50と電極12とを電気的に接続する導通経路を形成している。
【0033】
図3,4に示されるように、貫通孔部76内に、押え部材86が配置されている。導電ゴム70の、第1端72から貫通孔部76までの範囲は、操作ノブ10のベース部20と押え部材86との間に規定される領域内に配置されている。導電ゴム70に応力が作用していない無負荷状態で、導電ゴム70の長手方向における第1端72から貫通孔部76までの寸法が、操作ノブ10のベース部20と押え部材86との間の距離よりも大きい。そのため、操作ノブ10のベース部20と押え部材86との間に規定される領域内に配置されている導電ゴム70の第1端72から貫通孔部76までの範囲は、長手方向の寸法を小さくするように圧縮されている。
【0034】
押え部材86は、導電ゴム70の先端の第1端72から貫通孔部76までの範囲を、操作ノブ10との間で圧縮している。これにより、導電ゴム70の先端の第1端72から貫通孔部76までの範囲は、操作ノブ10に向けて付勢されている。
【0035】
貫通孔部78内に、押え部材88が配置されている。導電ゴム70の、第2端74から貫通孔部78までの範囲は、基板50と押え部材86との間に規定される領域内に配置されている。導電ゴム70に応力が作用していない無負荷状態で、導電ゴム70の長手方向における第2端74から貫通孔部78までの寸法が、基板50と押え部材88との間の距離よりも大きい。そのため、基板50と押え部材88との間に規定される領域内に配置されている導電ゴム70の第2端74から貫通孔部78までの範囲は、長手方向の寸法を小さくするように圧縮されている。
【0036】
押え部材88は、導電ゴム70の基端の第2端74から貫通孔部78までの範囲を、基板50との間で圧縮している。これにより、導電ゴム70の基端の第2端74から貫通孔部78までの範囲は、基板50に向けて付勢されている。
【0037】
押え部材86は、操作ノブ10に設けられ、導電ゴム70が係合する第1の係合部としての機能を有している。押え部材88は、基板50に設けられ、導電ゴム70が係合する第2の係合部としての機能を有している。導電ゴム70は、押え部材86と押え部材88との間に掛け渡されている。
【0038】
このような構成を備える第3実施形態のスイッチ装置1においても、導電性の部材同士が互いに接触することで電極12と基板50との間の導通経路が形成されているので、電極12と基板50との間の安定した電気的接続を維持することができる。
【0039】
導電ゴム70の、長手方向における貫通孔部76と貫通孔部78との間の範囲は、
図3,4に示されるスイッチ装置1に取り付けられた状態においても、圧縮されておらず、柔軟性を維持している。そのため、操作者が操作ノブ10を操作するときの、操作ノブ10の基板50に対する相対移動に追従して、導電ゴム70が変形することが可能である。柔軟な導電ゴム70が操作ノブ10の移動を阻害することがないので、操作者が操作ノブ10を操作する操作感への影響がなく、操作者は快適にスイッチ装置1を操作することができる。
【0040】
[第4実施形態]
図6は、第4実施形態のスイッチ装置1の構成を示す断面図である。第4実施形態のスイッチ装置1は、第3実施形態と同様に、導電ゴム70を備えている。導電ゴム70の第1端72は、操作ノブ10のベース部20に接触している。導電ゴム70の第2端74は、基板50に接触している。導電ゴム70は、ガイド部材80によって位置決めされている。導電ゴム70は、第1端72から第2端74にまで亘る導電ゴム70の長手方向の全体が圧縮された状態で、基板50と操作ノブ10のベース部20とを電気的に接続している。
【0041】
このような構成を備える第4実施形態のスイッチ装置1においても、導電性の部材同士が互いに接触することで電極12と基板50との間の導通経路が形成されているので、電極12と基板50との間の安定した電気的接続を維持することができる。
【0042】
以上のように実施形態について説明を行ったが、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0043】
たとえば、操作ノブ10は、基板50に対して相対移動可能なノブであればよい。操作ノブ10は、実施形態で説明した、回転中心Cを中心として揺動可能なトグルノブに限られず、ロータリースイッチノブであってもよい。
【0044】
以上に説明した例示的な実施形態は、以下の態様の具体例である。
【0045】
一態様に係るスイッチ装置1は、
図1~
図6に示されるように、基板50と、操作ノブ10と、導電部とを備えている。操作ノブ10は、表面に電極12を有している。操作ノブ10は、基板50に対して相対移動可能に支持されている。導電部は、基板50に接触し、かつ操作ノブ10に接触し、基板50と電極12とを電気的に接続する導通経路を形成している。導通経路は、導電性を有する材料で構成されている。
【0046】
このスイッチ装置1においては、導電性の部材同士が互いに接触することで、電極12と基板50との間の導通経路が形成されている。これにより、スイッチ装置1は、電極12と基板50との間の安定した電気的接続を維持することができる。
【0047】
上記のスイッチ装置1において、導電部は、操作ノブ10に向けて付勢された先端と、基板50に向けて付勢された基端とを有していてもよい。導電部の先端を操作ノブ10に向けて付勢することで、導電部の先端を操作ノブ10に確実に接触させることができ、導電部と操作ノブ10との電気的接続を確保することができる。導電部の基端を基板50に向けて付勢することで、導電部の基端を基板50に確実に接触させることができ、導電部と基板50との電気的接続を確保することができる。
【0048】
上記のスイッチ装置1において、操作ノブ10と導電部とは面接触しており、操作ノブ10は、基板50に対して相対移動するときに導電部との接触面積が不変であるように構成されていてもよい。これにより、導電部と操作ノブ10との電気的接続をより確実に維持することができる。
【0049】
上記のスイッチ装置1において、
図1,2に示されるように、操作ノブ10の、導電部に接触する接触面が球面形状を有してもよい。操作ノブ10が球面上で導電部に接触することにより、操作ノブ10が移動しても安定した接触面積を確保できる。
【0050】
上記のスイッチ装置1において、
図1に示されるように、導電部の、操作ノブ10に接触する接触面が球面形状を有してもよい。操作ノブ10の球面と導電部の球面とが面接触することにより、操作ノブ10は一定の接触面積を維持したまま動くことができ、安定した接触面積を確保できるので、導電部と操作ノブ10との電気的接続をより確実に維持することができる。
【0051】
上記のスイッチ装置1において、
図1,2に示されるように、導電部は、金属スプリングを含み、金属スプリングは圧縮された状態で操作ノブ10と基板50との間に配置されていてもよい。圧縮された状態の金属スプリングが、操作ノブ10に向かう方向の付勢力と、基板50に向かう方向の付勢力とを発生させる。したがって、導電部と操作ノブ10との電気的接続を確保することができ、また、導電部と基板50との電気的接続を確保することができる。
【0052】
上記のスイッチ装置1において、
図1~
図6に示されるように、導通経路の少なくとも一部が、電気絶縁性の基材と、基材の内部に分散配置された導電性のフィラーとを含んでいてもよい。導電性のフィラーを接触させて導電経路を形成することで、電極12と基板50との安定した電気的接続を維持することができる。
【0053】
上記のスイッチ装置1において、導通経路に含まれる基材は樹脂材料であってもよい。導電樹脂を用いて導通経路を形成することで、電極12と基板50との間の安定した電気的接続を維持することができる。
【0054】
上記のスイッチ装置1において、導通経路に含まれる基材はゴム材料であってもよい。導電ゴムを用いて導通経路を形成することで、電極12と基板50との間の安定した電気的接続を維持することができる。
【0055】
上記のスイッチ装置1において、
図3,4に示されるように、導電部の先端を操作ノブ10との間で圧縮し、導電部の基端を基板50との間で圧縮する、押え部材86,88をさらに備えてもよい。圧縮された状態の導電部の先端が、操作ノブ10に向かう方向の付勢力を発生させ、圧縮された状態の導電部の基端が、基板50に向かう方向の付勢力を発生させる。したがって、導電部と操作ノブ10との電気的接続を確保することができ、また、導電部と基板50との電気的接続を確保することができる。
【符号の説明】
【0056】
1 スイッチ装置、10 操作ノブ、12 電極、20 ベース部、22 凹部、28 凸部、30 第1導電部材、32 球体部、34 軸部、40 第2導電部材、48 収容穴、50 基板、60 支持構造、70 導電ゴム、72 第1端、74 第2端、76,78 貫通孔部、80 ガイド部材、86,88 押え部材、C 回転中心。