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特開2022-171142ロールスクリーン及びロールスクリーンの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022171142
(43)【公開日】2022-11-11
(54)【発明の名称】ロールスクリーン及びロールスクリーンの製造方法
(51)【国際特許分類】
   E06B 9/42 20060101AFI20221104BHJP
   E06B 9/46 20060101ALI20221104BHJP
【FI】
E06B9/42 Z
E06B9/42 B
E06B9/46
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021077593
(22)【出願日】2021-04-30
(71)【出願人】
【識別番号】000134958
【氏名又は名称】株式会社ニチベイ
(74)【代理人】
【識別番号】100182349
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 誠治
(72)【発明者】
【氏名】田中 修
(72)【発明者】
【氏名】小林 大輔
(72)【発明者】
【氏名】大貫 祥佑
(57)【要約】
【課題】スクリーンに取り付けられた連結サポート部材が熱によって伸縮しても、連結サポート部材の伸縮がスクリーンに影響せず、スクリーンの皺の発生を防止できるロールスクリーンを提供する。
【解決手段】ロールスクリーン100は、開口部を遮蔽するスクリーン110と、スクリーン110の端部に取り付けられるスクリーン止めプレート120と、スクリーン110の上端部又は下端部のうち少なくとも一方の端部がスクリーン止めプレート120を介して連結される巻取パイプ130又はボトムレール140と、を備え、スクリーン止めプレート120は、スクリーン110の幅方向に複数並設されることを特徴とする。スクリーン止めプレートはスクリーンに固着されていないため、熱によってスクリーン止めプレートが伸縮しても、スクリーン止めプレートの伸縮がスクリーンに影響せず、スクリーンの皺の発生を防止できる。
【選択図】図2

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部を遮蔽するスクリーンと、
前記スクリーンの端部に取り付けられる連結サポート部材と、
前記スクリーンの上端部又は下端部のうち少なくとも一方の端部が前記連結サポート部材を介して連結される被連結部材と、
を備え、
前記連結サポート部材は、前記スクリーンの幅方向に複数並設されることを特徴とする、ロールスクリーン。
【請求項2】
複数の前記連結サポート部材は、それぞれ1つの固定手段を介して前記スクリーンの端部に固定されることを特徴とする、請求項1に記載のロールスクリーン。
【請求項3】
複数の前記連結サポート部材は、隣り合う前記連結サポート部材との間に所定の間隙が設けられていることを特徴とする、請求項1又は2に記載のロールスクリーン。
【請求項4】
前記間隙は、前記連結サポート部材を前記スクリーンの上下方向に切断して形成したスリット形状であることを特徴とする、請求項3に記載のロールスクリーン。
【請求項5】
隣り合う前記連結サポート部材の間で前記スクリーンが分離していることを特徴とする、請求項1~4のいずれかに記載のロールスクリーン。
【請求項6】
複数の前記連結サポート部材は、隣り合う側部の厚み方向と下端の少なくとも一方が曲面状に形成されていることを特徴とする、請求項1~5のいずれかに記載のロールスクリーン。
【請求項7】
開口部を遮蔽するスクリーンと、
前記スクリーンの上端部又は下端部のうち少なくとも一方の端部に連結される被連結部材と、
前記スクリーンを前記被連結部材に連結させる連結サポート部材と、
を備えるロールスクリーンの製造方法であって、
前記端部に複数の固定手段を介して1つの前記連結サポート部材を取り付け、
前記複数の固定手段の間で、前記連結サポート部材を前記スクリーンごと分断加工することを特徴とする、ロールスクリーンの製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロールスクリーン及びロールスクリーンの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のロールスクリーンとして、実公昭63-24785号公報(特許文献1)に示されるものがある。同文献に開示されるロールスクリーンにおいては、筒状のウエイトバーの内部に上下方向を2室に分割する仕切板と上方の室には凸片が設けられている。スクリーンの先端には、スクリーンをウエイトバーに連結するための板状の連結サポート部材(係止板)が付着されている。そして、連結サポート部材が付着したスクリーンの先端を仕切板と凸片との間に挿入することで、スクリーンをウエイトバーに連結することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実公昭63-24785号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示されるような従来のロールスクリーンでは、スクリーンの先端が連結サポート部材に両面テープを介して付着されている。このため、日射熱によってロールスクリーンが取付けられた窓面近傍が高温になると、熱により連結サポート部材が伸縮し、伸縮の影響でスクリーンに皺が発生してしまうという問題があった。また、連結サポート部材を付着させる際のスクリーンのテンションのかけ具合も皺の発生を引き起こす要因の一つである。さらに、連結サポート部材の離脱を確実に防止するためにステップル(ホチキス)等を用いてスクリーンに固定させる場合には、連結サポート部材として熱により収縮する部材を使用すると、ステップルによる固定箇所を引っ張り合い、連結サポート部材として熱により膨張する部材を使用すると、ステップルによる固定箇所を押し合うことになり、部分的に強い負荷がかかるため皺の発生がより顕著になるという問題があった。
【0005】
そこで本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、スクリーンに取り付けられた連結サポート部材が熱によって伸縮しても、連結サポート部材の伸縮がスクリーンに影響せず、スクリーンの皺の発生を防止できるロールスクリーン及びロールスクリーンの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の第1の観点によれば、開口部を遮蔽するスクリーンと、前記スクリーンの端部に取り付けられる連結サポート部材と、前記スクリーンの上端部又は下端部のうち少なくとも一方の端部が前記連結サポート部材を介して連結される被連結部材と、を備え、前記連結サポート部材は、前記スクリーンの幅方向に複数並設されることを特徴とする、ロールスクリーンが提供される。
【0007】
かかる構成によれば、連結サポート部材がスクリーンの幅方向に分離した状態で取り付けられるため、連結サポート部材の伸縮に伴うスクリーンの歪みや連結サポート部材の取付け依存によるスクリーンの歪みを開放しやすくなる。よって、スクリーンに取り付けられた連結サポート部材が熱によって伸縮しても、連結サポート部材の伸縮がスクリーンに影響せず、スクリーンの皺の発生を防止することができる。
【0008】
本発明は様々な応用が可能である。例えば、複数の前記連結サポート部材は、それぞれ1つの固定手段を介して前記スクリーンの端部に固定されるようにしてもよい。かかる構成によれば、固定手段の間で連結サポート部材が分離しているため、固定手段の取付け依存、すなわち取付け部分に負荷がかかることによるスクリーンの歪みをより開放しやすくなり、皺の発生を防止する効果を高めることができる。
【0009】
また、複数の前記連結サポート部材は、隣り合う前記連結サポート部材との間に所定の間隙が設けられているようにしてもよい。かかる構成によれば、スクリーンの歪みを均等に開放できるため、皺の発生を防止する効果を高めることができる。また、連結サポート部材が熱で伸長する材質であっても、隣接する連結サポート部材同士が干渉することを防止することができる。
【0010】
また、前記間隙は、前記連結サポート部材を前記スクリーンの上下方向に切断して形成したスリット形状であってもよい。かかる構成によれば、連結サポート部材の加工が容易である点で有利である。
【0011】
また、隣り合う前記連結サポート部材の間で前記スクリーンが分離していてもよい。かかる構成によれば、連結サポート部材の伸縮によるスクリーンへの影響がより軽減される。
【0012】
また、複数の前記連結サポート部材は、隣り合う側部の厚み方向と下端の少なくとも一方が曲面状に形成されていてもよい。かかる構成によれば、連結サポート部材を被連結部材に連結させる際に、連結サポート部材の角が被連結部材に引っ掛からないため、作業性が向上する。
【0013】
また、本発明の第2の観点によれば、開口部を遮蔽するスクリーンと、前記スクリーンの上端部又は下端部のうち少なくとも一方の端部に連結される被連結部材と、前記スクリーンを前記被連結部材に連結させる連結サポート部材と、を備えるロールスクリーンの製造方法であって、前記端部に複数の固定手段を介して1つの前記連結サポート部材を取り付け、前記複数の固定手段の間で、前記連結サポート部材を前記スクリーンごと分断加工することを特徴とする、ロールスクリーンの製造方法が提供される。
【0014】
かかる構成によれば、連結サポート部材をスクリーンに取り付けた後にスクリーンごと加工できるため、本発明の第1の観点にかかるロールスクリーンの製造時における生産性を高めることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、スクリーンに取り付けられた連結サポート部材が熱によって伸縮しても、連結サポート部材の伸縮がスクリーンに影響せず、スクリーンの皺の発生を防止できるロールスクリーン及びロールスクリーンの製造方法を提供することができる。本発明のその他の効果については、後述する発明を実施するための形態においても説明する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】第1の実施形態のロールスクリーン100の全体構成を示す正面図である。
図2】スクリーン止めプレート120の取付状態を示す正面図である。
図3】スクリーン止めプレート120の取付状態を示す断面図であり、(a)は図2のA-A断面図であり、(b)は図2のB-B断面図である。
図4】スクリーン止めプレート120の取付及び加工手順を示す正面図であり、(a)は手順1を示す図であり、(b)は手順2を示す図であり、(c)は手順3を示す図であり、(d)は手順4を示す図である。
図5図2のB-B断面に相当する部分の断面図であり、スクリーン止めプレート120をボトムレール140に取り付けた状態を示す。
図6】ボトムレール140近傍のスクリーン110の状態を示す図である。
図7】従来のスクリーン止めプレート520を取り付けた状態を示す図である。
図8】従来のスクリーン止めプレート520を用いた場合のボトムレール540付近のスクリーン510の状態を示す図である。
図9】第2の実施形態のスクリーン止めプレート220の状態を示す図である。
図10】第3の実施形態のスクリーン止めプレート320の状態を示す図である。
図11】第4の実施形態のスクリーン止めプレート420の状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0018】
(第1の実施形態)
本実施形態に係るロールスクリーン100の全体の構成について、図1及び図2を参照しながら説明する。図1は、本実施形態のロールスクリーン100の全体構成を示す正面図である。図2は、スクリーン止めプレート120の取付状態を示す正面図である。ロールスクリーン100は、図1に示したように、開口部を遮蔽するスクリーン110と、スクリーン110の端部に取り付けられるスクリーン止めプレート(連結サポート部材)120と、スクリーン110の上端部に不図示の固定板を介して連結される巻取パイプ(被連結部材)130と、スクリーン110の下端部にスクリーン止めプレート120を介して連結されるボトムレール(被連結部材)140と、を備える。そして、スクリーン止めプレート120は、スクリーン110の幅方向に複数並設されて構成される。なお、スクリーン110の上端部を巻取パイプ130に連結させるにあたり、上述した不図示の固定板を用いる代わりにスクリーン止めプレート120を用いるようにしてもよい。具体的には、スクリーン110の上端部に取り付けられたスクリーン止めプレート120を巻取パイプ130の溝部(不図示)に係止させることで、スクリーン110の上端部を巻取パイプ130に連結させるようにしてもよい。以下、ロールスクリーン100の各構成要素について説明する。
【0019】
(スクリーン110)
スクリーン110は、開口部を遮蔽するものである。スクリーン110は、図1に示したように、上端が巻取パイプ130に巻取り及び巻解き可能に連結されている。スクリーン110は、巻取パイプ130に巻き取られることによって上昇し、巻取パイプ130から巻き解かれることによって下降する。スクリーン110の両端部は、窓枠WFの左右の固定面FSにそれぞれ設けられるガイドレール150に挿入されており、ガイドレール150によって昇降が案内される。
【0020】
(スクリーン止めプレート120)
スクリーン止めプレート120は、スクリーン110を巻取パイプ130又はボトムレール140に連結させるものである。以下、本実施形態の特徴的な構成であるスクリーン止めプレート120について、図2を参照しながら説明する。
【0021】
スクリーン止めプレート120は、図2に示したように、スクリーン110の裏面110bの端部に取り付けられるものであり、スクリーン110の幅方向に複数並設されて構成される。スクリーン止めプレート120は、薄い方形状の平板である。スクリーン止めプレート120は、側部の厚み方向と下端とが曲面状に形成されていてもよい。かかる構成によれば、スクリーン止めプレート120は、巻取パイプ130又はボトムレール140に連結させる際に、スクリーン止めプレート120の角がボトムレール140に引っ掛からないため、作業を行いやすい。
【0022】
(巻取パイプ130)
巻取パイプ130は、スクリーン110を巻取り及び巻解き可能に支持するものである。巻取パイプ130には、図1に示したように、スクリーン110の上端が連結されている。巻取パイプ130は、ブラケット162を介して窓枠WFに固定される長尺状のセットフレーム160の両端に設けられているサイドプレート164に回転可能に支持される。
【0023】
巻取パイプ130は、一端がプーリ132を介して一方のサイドプレート164に支持され、他端が他方のサイドプレート164に回転可能に支持される。巻取パイプ130とプーリ132は一体に回転する。プーリ132には、コネクタ136によってループ状に形成された操作チェーン134が巻き掛けられている。操作チェーン134の前側又は後側を引き下げることにより、プーリ132の回転を操作し、巻取パイプ130の回転が操作される。
【0024】
(ボトムレール140)
ボトムレール140は、重みによりスクリーン110を緊張状態に保持するものである。ボトムレール140は、図1に示したように、スクリーン110の下端に取り付けられている。ボトムレール140の両端部にはボトムレールキャップ142が設けられている。ボトムレールキャップ142がガイドレール150に挿入される。
【0025】
ボトムレール140の下端には、ボトムレール140と窓枠WFの底部との隙間を塞ぐボトムレール緩衝材144がボトムレール140の長さ方向全長にわたって設けられている。ボトムレール緩衝材144は、弾性変形可能な素材で構成されており、ボトムレール140の最下降位置において窓枠WFの底部に密着するように変形する。
【0026】
以上、ロールスクリーン100の各部の構成について説明した。以下、スクリーン止めプレート120のスクリーン110への取付状態について、図3を参照しながら説明する。図3は、スクリーン止めプレート120の取付状態を示す断面図であり、(a)は図2のA-A断面図であり、(b)は図2のB-B断面図である。
【0027】
スクリーン止めプレート120は、図3に示したように、両面テープ170によってスクリーン110に貼り付けられるとともに、それぞれ1つのステップル(固定手段)122を介してスクリーン110の裏面110bに固定される。ステップル122は、スクリーン止めプレート120の高さ方向において略中央に打たれる。ステップル122の打ち込み方向は、図3(a)の矢印aに示したように、スクリーン110の表面110aから裏面110b方向である。
【0028】
以上、スクリーン止めプレート120のスクリーン110への取付状態について説明した。次に、スクリーン110へのスクリーン止めプレート120の取付及び加工手順について、図4を参照しながら説明する。図4は、スクリーン止めプレート120の取付及び加工手順を示す正面図であり、(a)は手順1を示す図であり、(b)は手順2を示す図であり、(c)は手順3を示す図であり、(d)は手順4を示す図である。
【0029】
手順1:図4(a)に示したように、スクリーン110の裏面110bを上にする。
手順2:図4(b)に示したように、スクリーン110の裏面110bの下端に、スクリーン110の幅方向全長にわたって延びる長尺状のスクリーン止めプレート120を載置する。このとき、スクリーン110の裏面110bとスクリーン止めプレート120を両面テープ170で仮止めする。
手順3:図4(c)に示したように、スクリーン止めプレート120の複数個所をスクリーン110にステップル122で固定する。
手順4:図4(d)に示したように、隣り合うステップル122の間の位置でスクリーン止めプレート120をスクリーン110ごとスクリーン110の上下方向に分断加工してスリット112、124を構成する。
【0030】
このようにして、複数のスクリーン止めプレート120をスクリーン110の端部において幅方向に複数並設させることができる。
【0031】
以上、スクリーン110へのスクリーン止めプレート120の取付及び加工手順について説明した。次に、スクリーン110をボトムレール140に取り付けた状態について、図5及び図6を参照しながら説明する。図5は、図2のB-B断面に相当する部分の断面図であり、スクリーン止めプレート120をボトムレール140に取り付けた状態を示す。図6は、ボトムレール140近傍のスクリーン110の状態を示す図である。
【0032】
スクリーン110は、図5に示したように、スクリーン止めプレート120を裏面110b側に180度折り返した状態で、側部からボトムレール140に収容される。スクリーン止めプレート120を裏面110bの方向に180度折り返したことによって、スクリーン110によってスクリーン止めプレート120が隠されて、表面110aからスクリーン止めプレート120が見えない。スクリーン110は、図6に示したように、全てのスクリーン止めプレート120がボトムレール140に収容されるように取り付けられる。
【0033】
スクリーン止めプレート120の上部は、図5に示したように、ボトムレール140の表側からは上方に突出しているが、スクリーン110の表面110aによって隠される。また、スクリーン止めプレート120は、図6に示したように、スクリーン110の幅方向において一つのステップル122毎に分離した状態で取り付けられる。このため、スクリーン止めプレート120の伸縮に伴うスクリーン110の歪みやステップル122の取付け依存によるスクリーン110の歪みを開放しやすくなり、スクリーン110の皺の発生が防止される。
【0034】
ここで、従来のロールスクリーン500について、図7及び図8を参照しながら説明する。図7は、従来のスクリーン止めプレート520を取り付けた状態を示す図である。図8は、従来のスクリーン止めプレート520を用いた場合のボトムレール540付近のスクリーン510の状態を示す図である。
【0035】
スクリーン510の裏面510bの下端には、図7に示したように、スクリーン510の幅方向全長にわたって延びる長尺状のスクリーン止めプレート520がステップル522によって取り付けられる。スクリーン510は、図8に示したように、スクリーン止めプレート520によってボトムレール540に取り付けられる。スクリーン止めプレート520は、複数個所においてスクリーン510に連結されているため、日射熱によってロールスクリーン500が取付けられた窓近傍が高温になると、熱によりスクリーン止めプレート520が伸縮し、伸縮の影響でスクリーン510に皺510cが発生する。
【0036】
(第1の実施形態の効果)
以上説明したように、本実施形態によれば、スクリーン止めプレート120がスクリーン110の幅方向に分離した状態で取り付けられるため、スクリーン止めプレート120の伸縮に伴うスクリーン110の歪みやステップル122の取付け依存によるスクリーン110の歪みを開放しやすくなる。よって、スクリーン110に取り付けられたスクリーン止めプレート120が熱によって伸縮しても、スクリーン止めプレート120の伸縮がスクリーン110に影響せず、スクリーン110の皺の発生を防止することができる。
【0037】
また、各ステップル122の間でスクリーン止めプレート120が分離しているため、ステップル122によるスクリーン110の歪みをより開放しやすくなり、皺の発生を防止する効果を高めることができる。
【0038】
また、スクリーン止めプレート120が熱で伸長する材質であっても、隣接するスクリーン止めプレート120同士が干渉することを防止することができる。
【0039】
また、間隙は、スクリーン止めプレート120をスクリーン110の上下方向に切断して形成したスリット形状であるため、スクリーン止めプレート120の加工が容易である点で有利である。
【0040】
また、隣り合うスクリーン止めプレート120の間でスクリーン110が分離しているため、スクリーン止めプレート120の伸縮によるスクリーン110への影響がより軽減される。
【0041】
また、スクリーン止めプレート120をスクリーン110に取り付けた後にスクリーン110ごと加工できるため、製造時における生産性を高めることができる。
【0042】
(第2の実施形態)
第2の実施形態に係るロールスクリーン200の構成について、図9を参照しながら説明する。図9は、第2の実施形態のスクリーン止めプレート220の状態を示す図である。本実施形態のロールスクリーン200は、スクリーン210及びスクリーン止めプレート220の構成が上記第1の実施形態のロールスクリーン100と相違するものである。ロールスクリーン200のその他の構成は、第1の実施形態と同様とすることができる。本実施形態では、上記第1の実施形態と異なる構成を中心に説明する。
【0043】
スクリーン210とスクリーン止めプレート220は、図9に示したように、下端部の間隔が広い三角形状に切断されて、三角隙間212、224が形成されている。隣り合うスクリーン止めプレート220との間隔が広いため、スクリーン止めプレート220が熱によって伸びても、隣り合うスクリーン止めプレート220同士が当接することがなく、影響が生じない。よって、スクリーン210の皺の発生を抑えることができる。
【0044】
本実施形態のロールスクリーン200は、第1の実施形態と同様に製造することができる。すなわち、スクリーン210の裏面210bにスクリーン止めプレート220を予めステップル222で取り付けた後に、隣り合うステップル222の間でスクリーン210とスクリーン止めプレート220を一緒に切断して構成することができる。また、予めスクリーン210の端部の複数個所を三角形状に切断しておき、スクリーン210の端部に対応した略台形状の複数のスクリーン止めプレート220をスクリーン210に取り付けるようにしてもよい。
【0045】
(第2の実施形態の効果)
以上説明したように、本実施形態によれば、スクリーン210の下端と隣り合うスクリーン止めプレート220に三角隙間212、224が形成されているため、スクリーン止めプレート220が熱によって伸びても、隣り合うスクリーン止めプレート220に影響を与える可能性が軽減できる。よって、スクリーン210の皺の発生を抑えることができる。
【0046】
(第3の実施形態)
第3の実施形態に係るロールスクリーン300の構成について、図10を参照しながら説明する。図10は、第3の実施形態のスクリーン止めプレート320の状態を示す図である。本実施形態のロールスクリーン300は、スクリーン310及びスクリーン止めプレート320の構成が上記第1の実施形態のロールスクリーン100と相違するものである。ロールスクリーン300のその他の構成は、第1の実施形態と同様とすることができる。本実施形態では、上記第1の実施形態と異なる構成を中心に説明する。
【0047】
スクリーン310とスクリーン止めプレート320は、図10に示したように、下端部から上端部にわたって等間隔の方形隙間312、324が形成されるように切断されている。隣り合うスクリーン止めプレート320との間隔が広いため、スクリーン止めプレート320が熱によって伸びても、隣り合うスクリーン止めプレート320同士が当接することがなく、影響が生じない。よって、スクリーン310の皺の発生を抑えることができる。
【0048】
本実施形態のロールスクリーン300は、第1の実施形態と同様に製造することができる。すなわち、スクリーン310の裏面310bに予めスクリーン止めプレート320を取り付けた後に、スクリーン310とスクリーン止めプレート320を一緒に切断して構成することができる。また、予めスクリーン310の端部の複数個所を方形状に切断しておき、スクリーン310の端部に対応した方形状の複数のスクリーン止めプレート320をスクリーン310に取り付けるようにしてもよい。
【0049】
(第3の実施形態の効果)
以上説明したように、本実施形態によれば、スクリーン310の下端と隣り合うスクリーン止めプレート320に方形隙間312、324が形成されているため、スクリーン止めプレート320が熱によって伸びても、隣り合うスクリーン止めプレート320に影響を与える可能性が軽減できる。よって、スクリーン310の皺の発生を抑えることができる。
【0050】
(第4の実施形態)
第4の実施形態に係るロールスクリーン400の構成について、図11を参照しながら説明する。図11は、第4の実施形態のスクリーン止めプレート420の状態を示す図である。本実施形態のロールスクリーン400は、スクリーン410及びスクリーン止めプレート420の構成が上記第1の実施形態のロールスクリーン100と相違するものである。ロールスクリーン400のその他の構成は、第1の実施形態と同様とすることができる。本実施形態では、上記第1の実施形態と異なる構成を中心に説明する。
【0051】
スクリーン止めプレート420は、図11に示したように、予め方形状のものが複数用意されている。スクリーン410の裏面410bの端部には、複数のスクリーン止めプレート420が幅方向に間隔424を空けてステップル422によって取り付けられて構成される。スクリーン410は切断されていないが、隣り合うスクリーン止めプレート420には間隔424が開いているので、スクリーン410はスクリーン止めプレート420の熱による伸縮の影響を受けにくい。
【0052】
(第4の実施形態の効果)
以上説明したように、本実施形態によれば、隣り合うスクリーン止めプレート420の間隔424が広いため、スクリーン止めプレート420が熱によって伸びても、スクリーン410はスクリーン止めプレート420の熱による伸縮の影響を受けづらい。よって、スクリーン410の皺の発生を抑えることができる。
【0053】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0054】
例えば、上記第1の実施形態では、スクリーン110の下端をボトムレール140に取り付ける構成について説明したが、スクリーンの上端を巻取パイプに取り付ける場合も同様の構成とすることができる。第2~第4の実施形態も同様である。
【0055】
また、上記第1の実施形態では、連結サポート部材を薄い方形状の平板であるスクリーン止めプレート120としたが、本発明はこの例に限定されない。連結サポート部材の伸縮に伴うスクリーンの歪みや、固定手段の取付け依存によるスクリーンの歪みを開放しやすくなり、皺の発生を防止することができれば、任意の設計とすることができる。
【0056】
また、上記第1の実施形態では、スクリーン110とスクリーン止めプレート120とを固定する固定手段として、ステップル122を用いたが、本発明はこの例に限定されない。固定手段としては、ピンバッジを用いたり、スクリーン止めプレート自体にクリップの作用を持たせたりするなど任意の設計とすることができる。第2~第4の実施形態も同様である。
【0057】
また、上記第1の実施形態では、複数のスクリーン止めプレート120は、隣り合うスクリーン止めプレート120との間に所定の間隙が設けられている構成としたが、本発明はこの例に限定されない。連結サポート部材の伸縮に伴うスクリーンの歪みや、固定手段の取付け依存によるスクリーンの歪みを開放しやすくなり、皺の発生を防止することができれば、任意の設計とすることができる。例えば、隣り合うスクリーン止めプレート同士が接触していてもよい。
【0058】
また、上記第1の実施形態では、スクリーン止めプレート120は、側部の厚み方向と下端とが曲面状に形成されている構成としたが、本発明はこの例に限定されない。連結サポート部材を被連結部材に連結させる際に、連結サポート部材の角が被連結部材に引っ掛からず、作業性が向上する構成であれば、任意の設計とすることができる。例えば、連結サポート部材は、隣り合う側部の厚み方向と下端の少なくとも一方が曲面状に形成されていてもよい。また、曲面状ではなく、角が落ちた形状などであってもよい。
【0059】
また、上記第1の実施形態では、加工手順4において、隣り合うステップル122の間の位置でスクリーン止めプレート120をスクリーン110ごとスクリーン110の上下方向に分断加工してスリット112、124を構成することとしたが、本発明はこの例に限定されない。スクリーン止めプレート120をスクリーン110の上下方向に分断加工するときに、スクリーン110は分断加工しなくてもよい。
【符号の説明】
【0060】
100、200、300、400、500 ロールスクリーン
110、210、310、410、510 スクリーン
110a 表面
110b、210b、310b、410b 裏面
112、124 スリット
120、220、320、420、520 スクリーン止めプレート(連結サポート部材)
122、222、322、422、522 ステップル(固定手段)
130 巻取パイプ(被連結部材)
140 ボトムレール(被連結部材)
170 両面テープ
212、224 三角隙間
312、324 方形隙間
424 間隔
510c 皺

図1
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