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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022171153
(43)【公開日】2022-11-11
(54)【発明の名称】半導体モジュール
(51)【国際特許分類】
   H01L 25/07 20060101AFI20221104BHJP
   H01L 23/13 20060101ALI20221104BHJP
   H01L 23/36 20060101ALI20221104BHJP
【FI】
H01L25/04 C
H01L23/12 C
H01L23/36 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021077615
(22)【出願日】2021-04-30
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)令和2年度、環境省、令和2年度CO2排出削減対策強化誘導型技術開発・実証事業(自律分散型エネルギーシステムを支える双方向充電システムに関する技術開発)委託事業、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(71)【出願人】
【識別番号】000005821
【氏名又は名称】パナソニックホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】前出 正人
(72)【発明者】
【氏名】新見 秀樹
【テーマコード(参考)】
5F136
【Fターム(参考)】
5F136BA30
5F136DA27
5F136FA02
5F136FA03
5F136GA17
(57)【要約】      (修正有)
【課題】セラミックス基板の反りを抑制できる半導体モジュールを提供する。
【解決手段】半導体モジュール100は、半導体素子101と、セラミックス基板102と、セラミックス基板の一方の主面と半導体素子の間に配置された素子搭載用金属板103と、セラミックス基板の一方の主面に配置され、半導体素子の端子が接続される端子接続用金属板104と、を備える。素子搭載用金属板は、一方の主面側から見た大きさが端子接続用金属板よりも大きい形状に形成され、セラミックス基板の他方の主面における素子搭載用金属板に対応する領域には、溝105bが形成された素子放熱用金属板105aが配置される。セラミックス基板の他方の主面における端子接続用金属板に対応する領域には、平板状の端子放熱用金属板106aが配置されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体素子と、
セラミックス基板と、
前記セラミックス基板の一方の主面と前記半導体素子の間に配置された素子搭載用金属板と、
前記セラミックス基板の前記一方の主面に配置され、前記半導体素子の端子が接続される端子接続用金属板と、を備え、
前記素子搭載用金属板は、前記一方の主面側から見た大きさが前記端子接続用金属板よりも大きい形状に形成され、
前記セラミックス基板の他方の主面における前記素子搭載用金属板に対応する領域には、溝が形成された素子放熱用金属板が配置され、
前記セラミックス基板の前記他方の主面における前記端子接続用金属板に対応する領域には、平板状の端子放熱用金属板が配置されている、
半導体モジュール。
【請求項2】
前記溝は、格子状または放射状に設けられている、
請求項1に記載の半導体モジュール。
【請求項3】
半導体素子と、
セラミックス基板と、
前記セラミックス基板の一方の主面と前記半導体素子の間に配置された素子搭載用金属板と、
前記セラミックス基板の前記一方の主面に配置され、前記半導体素子の端子が接続される端子接続用金属板と、を備え、
前記素子搭載用金属板は、前記一方の主面側から見た大きさが前記端子接続用金属板よりも大きい形状に形成され、
前記セラミックス基板の他方の主面における前記素子搭載用金属板に対応する領域には、互いに離れて配置された平板状の複数の素子放熱用金属板が配置され、
前記セラミックス基板の前記他方の主面における前記端子接続用金属板に対応する領域には、平板状の端子放熱用金属板が配置されている、
半導体モジュール。
【請求項4】
前記素子放熱用金属板は、前記素子搭載用金属板よりも薄い、
請求項1から3のいずれか一項に記載の半導体モジュール。
【請求項5】
前記端子放熱用金属板は、前記端子接続用金属板よりも薄い、
請求項1から4のいずれか一項に記載の半導体モジュール。
【請求項6】
前記半導体素子は、パワー半導体素子である、
請求項1から5のいずれか一項に記載の半導体モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車やエアコンなどでは、電源電圧と駆動電圧とが異なることが多く、インバータやコンバータといった電力変換装置が必要である。この電力変換装置には、絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(IGBT:Insulated Gate Bipolar Transistor)、炭化ケイ素(SiC)、窒化ガリウム(GaN)などのパワー半導体を搭載したパワーモジュールが用いられる。近年、パワーモジュールの高出力化に伴い、基板・モジュールへの熱的・電気的な負荷が増大し、高熱伝導性・高耐圧を有する絶縁基板が不可欠になってきている。このような理由から、パワーモジュールの回路基板として、セラミックス基板の両面に銅板やアルミニウム板などの金属板を接合したセラミックス回路基板が用いられる。
【0003】
セラミックス回路基板に配置され、パワー半導体素子が接合される金属板は、回路パターンを形成している。パワー半導体素子は、焼結性の接合部材によりセラミックス回路基板に接合される。しかし、パワー半導体素子を接合するために行う焼結工程の加熱などにより、セラミックス回路基板の反り量が大幅に増加するおそれがある。このようなセラミックス回路基板の反りの増加は、パワー半導体素子接合後の実装工程および実使用時におけるパワーモジュールの放熱性能の劣化など重大な問題となる。セラミックス回路基板の反りの発生を抑制するために、例えば、特許文献1には、放熱側金属板に体積減少用溝を形成し、放熱側金属板の体積(V2)と素子搭載側金属板の体積(V1)との比(V2/V1)を1.0未満にすることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7-86703号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示されている構成では、セラミックス基板における半導体素子に接合される金属板の形状を考慮して、体積減少用溝が設定されておらず、高出力なパワーモジュールにおける反り量を十分に抑制できないおそれがある。
【0006】
本開示は、セラミックス基板の反りを抑制できる半導体モジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の半導体モジュールは、半導体素子と、セラミックス基板と、前記セラミックス基板の一方の主面と前記半導体素子の間に配置された素子搭載用金属板と、前記セラミックス基板の前記一方の主面に配置され、前記半導体素子の端子が接続される端子接続用金属板と、を備え、前記素子搭載用金属板は、前記一方の主面側から見た大きさが前記端子接続用金属板よりも大きい形状に形成され、前記セラミックス基板の他方の主面における前記素子搭載用金属板に対応する領域には、溝が形成された素子放熱用金属板が配置され、前記セラミックス基板の前記他方の主面における前記端子接続用金属板に対応する領域には、平板状の端子放熱用金属板が配置されている。
【0008】
本開示の半導体モジュールは、半導体素子と、セラミックス基板と、前記セラミックス基板の一方の主面と前記半導体素子の間に配置された素子搭載用金属板と、前記セラミックス基板の前記一方の主面に配置され、前記半導体素子の端子が接続される端子接続用金属板と、を備え、前記素子搭載用金属板は、前記一方の主面側から見た大きさが前記端子接続用金属板よりも大きい形状に形成され、前記セラミックス基板の他方の主面における前記素子搭載用金属板に対応する領域には、互いに離れて配置された平板状の複数の素子放熱用金属板が配置され、前記セラミックス基板の前記他方の主面における前記端子接続用金属板に対応する領域には、平板状の端子放熱用金属板が配置されている。
【発明の効果】
【0009】
本開示の半導体モジュールによれば、セラミックス基板の反りを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】(A)は本開示の実施形態に係る半導体モジュールの上面図、(B)は半導体モジュールの下面図
図2】(A)は図1(A)のIIA-IIA線に沿う縦断面図、(B)は図1(A)のIIB-IIB線に沿う縦断面図
図3】(A)は本開示の変形例1に係る半導体モジュールの上面図、(B)は半導体モジュールの下面図
図4】(A)は図3(A)のIVA-IVA線に沿う縦断面図、(B)は図3(A)のIVB-IVB線に沿う縦断面図
図5】(A)は本開示の変形例2に係る半導体モジュールの上面図、(B)は半導体モジュールの下面図
【発明を実施するための形態】
【0011】
[実施形態]
以下、本開示の実施形態について説明する。
【0012】
<半導体モジュールの構造>
まず、実施形態の半導体モジュールの構造について説明する。図1(A)は半導体モジュールの上面図であり、図1(B)は半導体モジュールの下面図である。図2(A)は図1(A)のIIA-IIA線に沿う縦断面図であり、図2(B)は図1(A)のIIB-IIB線に沿う縦断面図である。
【0013】
図1(A),(B)および図2(A),(B)に示すように、半導体モジュール100は、半導体素子101と、セラミックス基板102と、素子搭載用金属板103と、端子接続用金属板104と、素子用放熱部105と、端子用放熱部106とを備える。
【0014】
半導体素子101は、絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ、炭化ケイ素または窒化ガリウムなどで構成されたパワー半導体素子である。半導体素子101の下面には、図示されない電極が形成されている。この電極は、半導体素子101が素子接合部材107に強固に接合するように、ニッケルメッキおよび金メッキからなるメタライズ層によって構成されている。半導体素子101の上面にも、ニッケルメッキおよび金メッキからなるメタライズ層によって構成された電極が形成されている。なお、本実施形態では、半導体モジュール100は、2個の半導体素子101を備えるが、半導体モジュール100は、1個または3個以上の半導体素子101を備えてもよい。
【0015】
セラミックス基板102は、Al、Si、AlNなどのセラミック化合物で構成されており、絶縁性を有する。セラミックス基板102の一方の主面には、接合部材108により、素子搭載用金属板103と端子接続用金属板104が接合されている。素子搭載用金属板103および端子接続用金属板104は、銅板またはアルミニウム板などによって形成されている。接合部材108としては、MoまたはWなどの高融点金属や、4A族元素または5A族元素のような活性金属を用いることができる。
【0016】
素子搭載用金属板103は、セラミックス基板102の中央部の長方形状の領域に配置されており、回路パターンを形成している。素子搭載用金属板103には、素子接合部材107により、2個の半導体素子101が接合されている。素子接合部材107は、焼結性接合材が焼結されることにより形成される。素子接合部材107には、はんだ、銀、銅、ニッケルまたは金などを主成分とするナノサイズの粒子が焼結することで構成された焼結金属が含まれる。
【0017】
端子接続用金属板104は、平面視で素子搭載用金属板103の外形状よりも小さい長方形状に形成されている。複数の端子接続用金属板104は、素子搭載用金属板103の周囲を囲むように所定間隔で配置されている。端子接続用金属板104は、Au、Alなどのワイヤーなどにより、半導体素子101の端子と接合される。端子接続用金属板104にCu、Alなどのリードフレームが接合されることにより、半導体素子101への電力の供給および半導体素子101と外部装置との通信を行うことができる。
【0018】
セラミックス基板102の他方の主面には、素子用放熱部105と、端子用放熱部106とが配置されている。
【0019】
素子用放熱部105は、銅板またはアルミニウム板などで構成された1つの素子放熱用金属板105aを含む。素子放熱用金属板105aは、主に半導体素子101が発する熱を周囲に広く伝える。素子放熱用金属板105aは、接合部材108により、セラミックス基板102の他方の主面における素子搭載用金属板103に対応する領域に接合されている。素子放熱用金属板105aは、平面視において、素子搭載用金属板103よりも若干大きい形状であって、素子搭載用金属板103の周囲を囲む長方形状に形成されている。素子放熱用金属板105aにおけるセラミックス基板102と反対側の面には、格子状の溝105bが形成されている。素子放熱用金属板105aに格子状の溝105bを形成して、素子放熱用金属板105aの体積を小さくすることにより、素子放熱用金属板105aの剛性が高くなり変形しにくくなる。その結果、素子放熱用金属板105aの反りを抑制することができる。溝105bは、ハーフエッチング加工または切削加工によって形成されている。なお、格子状の溝の数および形状は、図1(B)に示すものに限られない。
【0020】
端子用放熱部106は、銅板またはアルミニウム板などで構成された1つの端子放熱用金属板106aを含む。端子放熱用金属板106aは、半導体素子101が発する熱を周囲に広く伝えるとともに、端子接続用金属板104に流れる電流などにより発せられる熱を周囲に広く伝える。端子放熱用金属板106aは、接合部材108により、セラミックス基板102の他方の主面における複数の端子接続用金属板104に対応する領域に接合されている。端子放熱用金属板106aは、セラミックス基板102の外周に沿い、かつ、素子放熱用金属板105aの周囲を囲む四角枠状に形成されている。端子放熱用金属板106aにおけるセラミックス基板102と反対側の面には、素子放熱用金属板105aのような溝が形成されていない。つまり、端子放熱用金属板106aは、平板状に形成されている。端子放熱用金属板106aは、金属板により素子放熱用金属板105aに接続されている。なお、端子放熱用金属板106aには、キャパシタ、インダクタ、サーミスタなどの素子が接合されてもよい。また、端子放熱用金属板106aは、溝が形成されていない平板状に形成されていれば良い。このため、四角枠状の端子放熱用金属板106aの代わりに、平面視における形状が端子接続用金属板104と同じまたは端子接続用金属板104より大きい複数の端子放熱用金属板を、セラミックス基板102の他方の主面における各端子接続用金属板104にそれぞれ対応する領域に接合しても良い。
【0021】
素子用放熱部105および端子用放熱部106には、アルミニウムなどで形成されたヒートシンクがはんだなどで接合されている。半導体素子101が発する熱は、ヒートシンクを介して、空冷により周囲へ放熱される。
【0022】
<半導体モジュールの効果>
以下、本実施形態に係る半導体モジュール100の効果について説明する。
【0023】
半導体素子101と素子搭載用金属板103を接合する際に行う焼結性接合材の焼結工程の加熱などで半導体モジュール100が高温下に曝され、半導体モジュール100を構成する金属板は冷却時に収縮する。このとき、素子搭載用金属板103は、その面積が大きいため剛性が低く変形しやすく、端子接続用金属板104は、その面積が小さいため剛性が高く変形しにくい。一方、素子搭載用金属板103の反対側に配置された素子放熱用金属板105aは溝105bが形成されているので、溝105bが形成されていない場合と比べて、素子放熱用金属板105aの体積が小さくなっている。このため、素子放熱用金属板105aは溝105bが形成されていない場合と比べて、剛性が高くなり変形しにくい。また、端子接続用金属板104は剛性が高く変形しにくいため、端子接続用金属板104の反対側に配置された端子放熱用金属板106aに、素子放熱用金属板105aのような溝が形成されていなくても、セラミックス基板102の周縁部の反りはほとんど発生しない。したがって、素子放熱用金属板105aおよび端子放熱用金属板106aが、それぞれ素子搭載用金属板103および端子接続用金属板104の形状を考慮した構成になっているため、抑制された半導体モジュール100を提供することができる。
【0024】
また、素子放熱用金属板105aと端子放熱用金属板106aが金属板で接続されているため、半導体素子101が発する熱を、セラミックス基板102、素子放熱用金属板105aおよび端子放熱用金属板106aを経由してヒートシンクから放熱することができる。したがって、半導体モジュール100の放熱性を高くすることができる。
【0025】
また、素子搭載用金属板103より薄い素子放熱用金属板105aと、端子接続用金属板104より薄い端子放熱用金属板106aを用いることで、素子放熱用金属板105aおよび端子放熱用金属板106aの形状変化に伴う収縮による変形の影響をより小さくすることができ、半導体モジュール100の反りを抑制することができる。
【0026】
[変形例]
本開示は、これまでに説明した実施の形態に示されたものに限られないことはいうまでもなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で、種々の変形を加えることができる。
【0027】
<第1変形例>
まず、第1変形例について説明する。図3(A)は半導体モジュールの上面図であり、図3(B)は半導体モジュールの下面図である。図4(A)は図3(A)のIVA-IVA線に沿う縦断面図であり、図4(B)は図3(A)のIVB-IVB線に沿う縦断面図である。
【0028】
図3(A),(B)および図4(A),(B)に示すように、第1変形例の半導体モジュール200は、素子用放熱部205が実施形態の半導体モジュール100と異なり、それ以外の構成は、半導体モジュール100と同じである。
【0029】
素子用放熱部205は、銅板またはアルミニウム板などで構成された複数の素子放熱用金属板205aを含む。各素子放熱用金属板205aは、端子放熱用金属板106aの内部において、接合部材108により、互いに離れた状態で接合されている。つまり、各素子放熱用金属板205aは、セラミックス基板102の他方の主面における素子搭載用金属板103に対応する領域において、格子状の隙間205bからセラミックス基板102を露出させるように、接合されている。隙間205bは、素子放熱用金属板205aを形成するためのエッチング加工などによって形成されている。なお、素子放熱用金属板205aおよび隙間205bの数および形状は、図3(B)に示すものに限られない。
【0030】
次に、第1変形例に係る半導体モジュール200の効果について説明する。
【0031】
第1変形例の半導体モジュール200において、素子搭載用金属板103の反対側に配置された各素子放熱用金属板205aは、その間にセラミックス基板102を露出させる隙間205bが設けられているので、平面視の形状が素子搭載用金属板103と同じであり、かつ、素子放熱用金属板205aと同じ厚さの放熱用金属板の体積よりも、各素子放熱用金属板205aの体積は小さくなり、剛性が高く変形しにくい。したがって、素子放熱用金属板205aおよび端子放熱用金属板106aが、それぞれ素子搭載用金属板103および端子接続用金属板104の形状を考慮した構成になっているため、反りが抑制された半導体モジュール200を提供することができる。
【0032】
また、素子搭載用金属板103より薄い素子放熱用金属板205aと、端子接続用金属板104より薄い端子放熱用金属板106aを用いることで、素子放熱用金属板205aおよび端子放熱用金属板106aの形状変化に伴う収縮による変形の影響をより小さくすることができ、半導体モジュール200の反りをより抑制することができる。
【0033】
<第2変形例>
次に、第2変形例について説明する。図5(A)は半導体モジュールの上面図であり、図5(B)は半導体モジュールの下面図である。
【0034】
図5(A),(B)に示すように、第2変形例の半導体モジュール300は、素子用放熱部305が実施形態の半導体モジュール100と異なり、それ以外の構成は、半導体モジュール100と同じである。
【0035】
素子用放熱部305は、銅板またはアルミニウム板などで構成された1つの素子放熱用金属板305aを含む。素子放熱用金属板305aは、接合部材108により、セラミックス基板102の他方の主面における素子搭載用金属板103に対応する領域に接合されている。素子放熱用金属板305aにおけるセラミックス基板102と反対側の面には、素子放熱用金属板305aの中心から放射状に延びる溝305bが形成されている。溝305bは、ハーフエッチング加工または切削加工によって形成されている。なお、放射状の溝305bの数および形状は、図5(B)に示すものに限られない。素子放熱用金属板305aに放射状の溝105bを形成して、素子放熱用金属板305aの体積を小さくすることにより、素子放熱用金属板305aの剛性が高くなり変形しにくくなる。その結果、素子放熱用金属板305aの反りを抑制することができる。
【0036】
第2変形例の半導体モジュール300は、形状は異なるものの、素子放熱用金属板305aに溝305bが形成されている点では、実施形態の半導体モジュール100と同じである。このため、セラミックス基板102の反りが抑制された半導体モジュール300を提供することができる。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本開示は、半導体モジュールに適用できる。
【符号の説明】
【0038】
100,200,300 半導体モジュール
101 半導体素子
102 セラミックス基板
103 素子搭載用金属板
104 端子接続用金属板
105,205,305 素子用放熱部
105a,205a,305a 素子放熱用金属板
105b,305b 溝
106 端子用放熱部
106a 端子放熱用金属板
107 素子接合部材
108 接合部材
205b 隙間
図1
図2
図3
図4
図5