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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022171168
(43)【公開日】2022-11-11
(54)【発明の名称】通過判定装置及び通過判定方法
(51)【国際特許分類】
   G01V 3/12 20060101AFI20221104BHJP
【FI】
G01V3/12 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021077641
(22)【出願日】2021-04-30
(71)【出願人】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】黒瀧 健介
(72)【発明者】
【氏名】木村 大
【テーマコード(参考)】
2G105
【Fターム(参考)】
2G105AA01
2G105BB14
2G105BB15
2G105CC01
2G105CC03
2G105EE02
2G105FF02
2G105FF13
2G105GG01
2G105HH01
2G105HH08
2G105JJ05
2G105KK06
(57)【要約】
【課題】通過する物体の種別を判定すること。
【解決手段】通過判定装置は、物体が通過する通過領域を挟んで対向する2組の送受信アンテナに含まれる2つの送信アンテナから送信され2つの受信アンテナによって受信される無線信号の受信強度を取得する取得部と、受信強度に対して閾値判定処理を実行する閾値判定部と、前記閾値判定処理の結果に基づいて、前記通過領域を通過した物体の種類を判別する判別部とを有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体が通過する通過領域を挟んで対向する2組の送受信アンテナに含まれる2つの送信アンテナから送信され2つの受信アンテナによって受信される無線信号の受信強度を取得する取得部と、
受信強度に対して閾値判定処理を実行する閾値判定部と、
前記閾値判定処理の結果に基づいて、前記通過領域を通過した物体の種類を判別する判別部と
を有することを特徴とする通過判定装置。
【請求項2】
前記閾値判定部は、
少なくとも1組の送受信アンテナ間で送受信される無線信号の受信強度が所定の低下閾値未満であるか否かを判定する閾値判定処理を実行し、
前記判別部は、
前記閾値判定処理の結果、受信強度が所定の低下閾値未満である場合に、前記通過領域を通過した物体の種類を判別する
ことを特徴とする請求項1記載の通過判定装置。
【請求項3】
前記閾値判定部は、
前記通過領域の一方の側に配置された送信アンテナから送信され、前記一方の側に配置された受信アンテナによって受信された無線信号の受信強度が所定の上昇閾値以上であるか否かを判定する第1の閾値判定処理を実行し、
前記判別部は、
前記第1の閾値判定処理の結果、受信強度が所定の上昇閾値以上である場合に、前記通過領域を車両が通過したと判定する
ことを特徴とする請求項2記載の通過判定装置。
【請求項4】
前記判別部は、
前記第1の閾値判定処理の結果、受信強度が所定の上昇閾値未満である場合に、前記通過領域を人が通過したと判定する
ことを特徴とする請求項3記載の通過判定装置。
【請求項5】
前記閾値判定部は、
所定長より短い距離の範囲で隣接する2組の送受信アンテナ間でそれぞれ送受信される無線信号の受信強度が所定の低下閾値未満であるか否かを判定するとともに、受信強度が所定の低下閾値未満となる通過検出時刻を記憶する第2の閾値判定処理を実行し、
前記判別部は、
前記第2の閾値判定処理の結果、前記2組の送受信アンテナについて同時に受信強度が所定の低下閾値未満となる時間が所定の閾値時間より長い場合に、前記通過領域を車両が通過したと判定する
ことを特徴とする請求項1記載の通過判定装置。
【請求項6】
前記判別部は、
前記第2の閾値判定処理の結果、前記2組の送受信アンテナについて同時に受信強度が所定の低下閾値未満となる時間が所定の閾値時間より短い場合に、前記通過領域を人が通過したと判定する
ことを特徴とする請求項5記載の通過判定装置。
【請求項7】
前記閾値判定部は、
所定長より長い距離離間する2組の送受信アンテナ間でそれぞれ送受信される無線信号の受信強度が所定の低下閾値未満であるか否かを判定するとともに、受信強度が所定の低下閾値未満となる通過検出時刻を記憶する第3の閾値判定処理を実行し、
前記判別部は、
前記第3の閾値判定処理の結果、前記2組の送受信アンテナについて通過検出時刻の時間差が所定の閾値時間より小さい場合に、前記通過領域を車両が通過したと判定する
ことを特徴とする請求項1記載の通過判定装置。
【請求項8】
前記判別部は、
前記第3の閾値判定処理の結果、前記2組の送受信アンテナについて通過検出時刻の時間差が所定の閾値時間より大きい場合に、前記通過領域を人が通過したと判定する
ことを特徴とする請求項7記載の通過判定装置。
【請求項9】
物体が通過する通過領域を挟んで対向する2組の送受信アンテナに含まれる2つの送信アンテナから送信され2つの受信アンテナによって受信される無線信号の受信強度を取得し、
受信強度に対して閾値判定処理を実行し、
前記閾値判定処理の結果に基づいて、前記通過領域を通過した物体の種類を判別する
処理を有することを特徴とする通過判定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通過判定装置及び通過判定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、例えば人体や車両などの物体が通過することを赤外線などを用いて検出することが行われている。また、可視光カメラを用いて物体の通過を検出することも頻繁に行われている。ただし、可視光や赤外線を用いる場合には、例えば夜間、逆光及び悪天候時には、物体の通過を正確に検出することが困難となる。
【0003】
そこで、可視光や赤外線よりも波長が長い電波を用いて物体の通過を検出することが考えられている。このような通過判定では、送信アンテナから送信される無線信号の受信アンテナにおける受信レベルが測定され、受信レベルの変動によって物体の通過の有無や、物体の位置などが推定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003-141700号公報
【特許文献2】特開2011-204138号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、無線信号の受信レベルによって物体の通過を検出する場合には、通過した物体の種類を判別することは困難であるという問題がある。すなわち、例えば無線信号の受信レベルの変動によって、物体が通過したことが検出されたとしても、通過した物体が例えば人体なのか車両なのかまでは判別されない。
【0006】
開示の技術は、かかる点に鑑みてなされたものであって、通過する物体の種別を判定することができる通過判定装置及び通過判定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願が開示する通過判定装置は、1つの態様において、物体が通過する通過領域を挟んで対向する2組の送受信アンテナに含まれる2つの送信アンテナから送信され2つの受信アンテナによって受信される無線信号の受信強度を取得する取得部と、受信強度に対して閾値判定処理を実行する閾値判定部と、前記閾値判定処理の結果に基づいて、前記通過領域を通過した物体の種類を判別する判別部とを有する。
【発明の効果】
【0008】
本願が開示する通過判定装置及び通過判定方法の1つの態様によれば、通過する物体の種別を判定することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、通過判定システムの構成例を示す図である。
図2図2は、アンテナ装置の構成を示すブロック図である。
図3図3は、通過判定装置の構成を示すブロック図である。
図4図4は、実施の形態1に係るフラグの具体例を示す図である。
図5図5は、実施の形態1に係る通過判定処理を示すフロー図である。
図6図6は、閾値判定処理(1)を示すフロー図である。
図7図7は、閾値判定処理(2)を示すフロー図である。
図8図8は、実施の形態1に係る通過判別を説明する図である。
図9図9は、実施の形態2に係る保持データの具体例を示す図である。
図10図10は、実施の形態2に係る通過判定処理を示すフロー図である。
図11図11は、閾値判定処理(5)を示すフロー図である。
図12図12は、実施の形態2に係る通過判別を説明する図である。
図13図13は、通過判定システムの構成例を示す図である。
図14図14は、実施の形態3に係る保持データの具体例を示す図である。
図15図15は、実施の形態3に係る通過判定処理を示すフロー図である。
図16図16は、閾値判定処理(7)を示すフロー図である。
図17図17は、実施の形態3に係る通過判別を説明する図である。
図18図18は、判別結果の組み合わせの具体例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本願が開示する通過判定装置及び通過判定方法の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、この実施の形態により本発明が限定されるものではない。
【0011】
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係る通過判定システムの構成例を示す図である。図1に示す通過判定システムは、例えば道路などの人や車両が通過する通過領域を挟んで対向する2組の送受信アンテナと通過判定装置100とを有する。すなわち、通過判定システムは、通過領域の一方の側に、第1送信アンテナ装置10-1と、第1受信アンテナ装置20-1とを有し、通過領域の他方の側に、第1送信アンテナ装置10-1に対向する第2受信アンテナ装置20-2と、第1受信アンテナ装置20-1に対向する第2送信アンテナ装置10-2とを有する。そして、通過判定装置100は、第1受信アンテナ装置20-1及び第2受信アンテナ装置20-2に接続されている。
【0012】
第1送信アンテナ装置10-1は、所定フォーマットのデータを含む無線信号を定期的に送信する。すなわち、第1送信アンテナ装置10-1は、無線信号を識別する識別情報と、無線信号の送信元である自装置を識別する識別情報と、送信する無線信号の周波数を識別する識別情報とを含む無線信号を定期的に送信する。このとき、第1送信アンテナ装置10-1は、無線信号が直進する場合には対向する第2受信アンテナ装置20-2へ到達するとともに、無線信号が通過領域に位置する物体に反射する場合には第1受信アンテナ装置20-1へ到達するように、無線信号を指向性送信する。
【0013】
第1受信アンテナ装置20-1は、第2送信アンテナ装置10-2から送信され直進する無線信号を受信可能であるとともに、第1送信アンテナ装置10-2から送信され通過領域に位置する物体に反射する無線信号を受信可能な位置に配置される。そして、第1受信アンテナ装置20-1は、無線信号を受信して受信強度を測定する。さらに、第1受信アンテナ装置20-1は、受信した無線信号から、通過判定装置100へ報告する報告データを生成し、通過判定装置100へ送信する。すなわち、第1受信アンテナ装置20-1は、受信した無線信号の送信元の送信アンテナ装置を識別する識別情報と、無線信号を受信した自装置を識別する識別情報と、受信した無線信号の周波数を識別する識別情報と、無線信号の受信強度と、無線信号の受信時刻とを含む報告データを生成し、通過判定装置100へ送信する。
【0014】
第2送信アンテナ装置10-2及び第2受信アンテナ装置20-2は、それぞれ第1受信アンテナ装置20-1及び第1送信アンテナ装置10-1と通過領域を挟んで対向する位置に配置される。そして、第2送信アンテナ装置10-2及び第2受信アンテナ装置20-2は、無線信号の通信相手が異なる以外は、第1送信アンテナ装置10-1及び第1受信アンテナ装置20-1と同様に動作する。
【0015】
通過領域は、例えば道路などであり、人又は車両が通過する。通過領域を人又は車両が通過する際には、互いに対向する第1送信アンテナ装置10-1と第2受信アンテナ装置20-2との間及び第2送信アンテナ装置10-2と第1受信アンテナ装置20-1との間が遮蔽されるため、これらの対向するアンテナ装置間では無線信号の受信強度が低下する。
【0016】
また、通過領域を人が通過する際には、人体が誘電体であることから、第1送信アンテナ装置10-1及び第2送信アンテナ装置10-2から送信される無線信号が人体で強く反射することはなく、第1受信アンテナ装置20-1及び第2受信アンテナ装置20-2において反射による受信強度の上昇はない。これに対して、通過領域を車両が通過する際には、車両が導電体であることから、第1送信アンテナ装置10-1及び第2送信アンテナ装置10-2から送信される無線信号が車両で強く反射し、第1受信アンテナ装置20-1及び第2受信アンテナ装置20-2において反射により受信強度が上昇する。
【0017】
通過判定装置100は、このような人又は車両が通過する際の無線信号の受信強度の変化に基づいて、通過領域を通過する物体が人であるのか車両であるのかを判別する。
【0018】
図2は、第1送信アンテナ装置10-1及び第1受信アンテナ装置20-1の構成を示すブロック図である。第2送信アンテナ装置10-2は、第1送信アンテナ装置10-1と同様の構成を有し、第2受信アンテナ装置20-2は、第1受信アンテナ装置20-1と同様の構成を有する。
【0019】
第1送信アンテナ装置10-1は、無線周波数(RF:Radio Frequency)回路11及びプロセッサ12を有する。
【0020】
RF回路11は、信号に対して所定の無線送信処理を実行し、得られた無線信号をアンテナを介して送信する。
【0021】
プロセッサ12は、例えばCPU(Central Processing Unit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)又はDSP(Digital Signal Processor)などを備え、第1送信アンテナ装置10-1の全体を統括制御する。具体的には、プロセッサ12は、無線信号を識別する識別情報と、自装置を識別する識別情報と、送信する無線信号の周波数を識別する識別情報とを含む信号を定期的に生成し、RF回路11へ出力する。
【0022】
第1受信アンテナ装置20-1は、RF回路21、プロセッサ22及び通信インタフェース(以下「通信I/F」と略記する)23を有する。
【0023】
RF回路21は、アンテナを介して無線信号を受信し、受信信号に対して所定の無線受信処理を実行する。
【0024】
プロセッサ22は、例えばCPU、FPGA又はDSPなどを備え、第1受信アンテナ装置20-1の全体を統括制御する。具体的には、プロセッサ22は、RF回路21によって受信される受信信号の受信強度を測定するとともに、受信信号の受信時刻を取得する。そして、プロセッサ22は、受信信号の送信元の送信アンテナ装置を識別する識別情報と、自装置を識別する識別情報と、受信信号の周波数を識別する識別情報と、受信強度と、受信時刻とを含む報告データを生成し、通信I/F23へ出力する。
【0025】
通信I/F23は、通過判定装置100に接続し、プロセッサ22によって生成される報告データを通過判定装置100へ送信する。
【0026】
図3は、通過判定装置100の構成を示すブロック図である。図3に示す通過判定装置100は、通信I/F110、プロセッサ120及びメモリ130を有する。
【0027】
通信I/F110は、第1受信アンテナ装置20-1及び第2受信アンテナ装置20-2に接続し、各受信アンテナ装置から報告データを受信する。
【0028】
プロセッサ120は、例えばCPU、FPGA又はDSPなどを備え、通過判定装置100の全体を統括制御する。具体的には、プロセッサ120は、データ仕分け部121、閾値判定部122、通過判別部123及び結果出力部124を有する。
【0029】
データ仕分け部121は、通信I/F110によって受信された報告データを取得し、報告データに含まれる送信アンテナ装置及び受信アンテナ装置の識別情報に従って、報告データを仕分ける。具体的には、データ仕分け部121は、報告データが、第1送信アンテナ装置10-1から送信され第1受信アンテナ装置20-1によって受信された無線信号に関するものであるか、第1送信アンテナ装置10-1から送信され第2受信アンテナ装置20-2によって受信された無線信号に関するものであるかを選別する。さらに、データ仕分け部121は、報告データが、第2送信アンテナ装置10-2から送信され第1受信アンテナ装置20-1によって受信された無線信号に関するものであるか、第2送信アンテナ装置10-2から送信され第2受信アンテナ装置20-2によって受信された無線信号に関するものであるかを選別する。そして、データ仕分け部121は、報告データを選別した結果を閾値判定部122へ通知する。
【0030】
閾値判定部122は、データ仕分け部121から通知される報告データの選別結果に応じて、報告データに含まれる受信強度に対して閾値判定処理を実行し、閾値判定結果をフラグに保持させる。閾値判定部122は、例えば図4に示すフラグに閾値判定処理の結果を保持させる。図4に示すすべてのフラグについて、例えば初期値は0である。
【0031】
低下フラグ1_2は、第1送信アンテナ装置10-1から送信され第2受信アンテナ装置20-2によって受信される無線信号の受信強度が所定の低下閾値1未満である場合に1に設定される。低下フラグ2_1は、第2送信アンテナ装置10-2から送信され第1受信アンテナ装置20-1によって受信される無線信号の受信強度が所定の低下閾値2未満である場合に1に設定される。すなわち、低下フラグは、通過領域を挟んで対向する送受信アンテナ装置間で無線信号の受信強度が低下した場合に、1に設定される。
【0032】
上昇フラグ1_1は、第1送信アンテナ装置10-1から送信され第1受信アンテナ装置20-1によって受信される無線信号の受信強度が所定の上昇閾値1以上である場合に1に設定される。上昇フラグ2_2は、第2送信アンテナ装置10-2から送信され第2受信アンテナ装置20-2によって受信される無線信号の受信強度が所定の上昇閾値2以上である場合に1に設定される。すなわち、上昇フラグは、通過領域の同じ側に配置される送受信アンテナ装置間で無線信号の受信強度が上昇した場合に、1に設定される。
【0033】
復帰上昇フラグ1_1は、第1送信アンテナ装置10-1から送信され第1受信アンテナ装置20-1によって受信される無線信号の受信強度が継続的に上昇中に一定程度低下し、再度上昇する場合に1に設定される。復帰上昇フラグ2_2は、第2送信アンテナ装置10-2から送信され第2受信アンテナ装置20-2によって受信される無線信号の受信強度が継続的に上昇中に一定程度低下し、再度上昇する場合に1に設定される。すなわち、復帰上昇フラグは、通過領域の同じ側に配置される送受信アンテナ装置間で無線信号の受信強度が継続的に上昇している間に、一時的に受信強度が低下してから復帰する場合に、1に設定される。
【0034】
上昇中低下フラグ1_1は、第1送信アンテナ装置10-1から送信され第1受信アンテナ装置20-1によって受信される無線信号の受信強度が継続的に上昇中に、所定の低下閾値幅1以上低下する場合に1に設定される。上昇中低下フラグ2_2は、第2送信アンテナ装置10-2から送信され第2受信アンテナ装置20-2によって受信される無線信号の受信強度が継続的に上昇中に、所定の低下閾値幅2以上低下する場合に1に設定される。すなわち、上昇中低下フラグは、通過領域の同じ側に配置される送受信アンテナ装置間で無線信号の受信強度が継続的に上昇している間に低下する場合に、1に設定される。
【0035】
閾値判定部122は、報告データに含まれる受信強度に対して、報告データの選別結果に応じた閾値判定処理を実行し、必要に応じて上記の各フラグに1を設定する。
【0036】
通過判別部123は、閾値判定部122によるフラグの操作が所定期間繰り返されると、フラグを参照して通過領域を通過した物体を判別する。具体的には、通過判別部123は、通過領域を人が通過したのか、車両が通過したのか、停止している車両の側方を人が通過したのかを判別する。
【0037】
結果出力部124は、通過判別部123による判別結果を図示しない出力部から出力させる。すなわち、結果出力部124は、通過領域を人が通過したこと、車両が通過したこと、又は停止している車両の側方を人が通過したことを、例えば画面に表示させたり、音声で報知させたりする。
【0038】
メモリ130は、例えばRAM(Random Access Memory)又はROM(Read Only Memory)などを備え、プロセッサ120による処理に用いられる情報を記憶する。
【0039】
次いで、上記のように構成された通過判定装置100による通過判定処理について、図5に示すフロー図を参照しながら説明する。
【0040】
通信I/F110によって第1受信アンテナ装置20-1又は第2受信アンテナ装置20-2から報告データが受信されると(ステップS101)、報告データは、データ仕分け部121によって取得される。そして、データ仕分け部121によって、報告データに含まれる送信アンテナ装置及び受信アンテナ装置の識別情報が参照され、第1送信アンテナ装置10-1から送信され第1受信アンテナ装置20-1によって受信された無線信号に関する報告データであるか否かが判定される(ステップS102)。この判定の結果、第1送信アンテナ装置10-1と第1受信アンテナ装置20-1との間の無線信号に関する報告データである場合には(ステップS102Yes)、この報告データの選別結果が閾値判定部122へ通知され、閾値判定部122によって閾値判定処理(1)が実行される(ステップS103)。
【0041】
ステップS102の判定の結果、第1送信アンテナ装置10-1と第1受信アンテナ装置20-1との間の無線信号に関する報告データでない場合には(ステップS102No)、データ仕分け部121によって、報告データが、第1送信アンテナ装置10-1から送信され第2受信アンテナ装置20-2によって受信された無線信号に関する報告データであるか否かが判定される(ステップS104)。この判定の結果、第1送信アンテナ装置10-1と第2受信アンテナ装置20-2との間の無線信号に関する報告データである場合には(ステップS104Yes)、この報告データの選別結果が閾値判定部122へ通知され、閾値判定部122によって閾値判定処理(2)が実行される(ステップS105)。
【0042】
ステップS104の判定の結果、第1送信アンテナ装置10-1と第2受信アンテナ装置20-2との間の無線信号に関する報告データでない場合には(ステップS104No)、データ仕分け部121によって、報告データが、第2送信アンテナ装置10-2から送信され第1受信アンテナ装置20-1によって受信された無線信号に関する報告データであるか否かが判定される(ステップS106)。この判定の結果、第2送信アンテナ装置10-2と第1受信アンテナ装置20-1との間の無線信号に関する報告データである場合には(ステップS106Yes)、この報告データの選別結果が閾値判定部122へ通知され、閾値判定部122によって閾値判定処理(3)が実行される(ステップS107)。
【0043】
ステップS106の判定の結果、第2送信アンテナ装置10-2と第1受信アンテナ装置20-1との間の無線信号に関する報告データでない場合には(ステップS106No)、データ仕分け部121によって、報告データが、第2送信アンテナ装置10-2から送信され第2受信アンテナ装置20-2によって受信された無線信号に関する報告データであるか否かが判定される(ステップS108)。この判定の結果、第2送信アンテナ装置10-2と第2受信アンテナ装置20-2との間の無線信号に関する報告データである場合には(ステップS108Yes)、この報告データの選別結果が閾値判定部122へ通知され、閾値判定部122によって閾値判定処理(4)が実行される(ステップS109)。
【0044】
閾値判定処理(1)~(4)においては、それぞれ無線信号の受信強度と閾値とが比較され、比較の結果がフラグに保持される。具体的な閾値判定処理(1)~(4)については、後に詳述する。データ仕分け部121による報告データの選別と、閾値判定部122による閾値判定処理(1)~(4)とは、所定期間に受信される複数の報告データについて繰り返される。
【0045】
そして、所定期間が経過すると、通過判別部123によってフラグが参照されることにより、通過領域を通過した物体を判別する通過判別処理が実行される(ステップS110)。具体的には、低下フラグ1_2及び低下フラグ2_1が参照されることにより、通過領域を物体が通過したか否かが判断される。そして、上昇フラグ1_1及び上昇フラグ2_2が参照されることにより、通過領域を通過したか通過領域に停止する物体が車両であるか否かが判断される。さらに、復帰上昇フラグ1_1及び復帰上昇フラグ2_2が参照されることにより、通過領域に停止する車両の側方を人が通過したか否かが判断される。通過判別部123による通過した物体の判別結果は、結果出力部124によって出力される(ステップS111)。
【0046】
次に、閾値判定処理(1)について、図6に示すフロー図を参照しながら具体的に説明する。閾値判定処理(1)は、第1送信アンテナ装置10-1と第1受信アンテナ装置20-1との間の無線信号に関する報告データが受信された場合に、閾値判定部122によって実行される。
【0047】
まず、第1送信アンテナ装置10-1から送信され第1受信アンテナ装置20-1によって受信された無線信号の受信強度が所定の上昇閾値1以上であるか否かが判定される(ステップS201)。この判定の結果、受信強度が上昇閾値1以上である場合には(ステップS201Yes)、上昇フラグ1_1が1に設定される(ステップS202)。受信強度が上昇閾値1未満である場合には(ステップS201No)、上昇フラグ1_1は変更されない。
【0048】
そして、上昇フラグ1_1が1に設定されており、かつ、受信強度が上昇中の所定期間分の受信強度が蓄積されているか否かが判定される(ステップS203)。すなわち、上昇フラグ1_1が1に設定されるとともに、上昇中低下フラグ1_1が0に設定されている際の受信強度(以下「上昇受信強度」という)が所定期間分記憶されているか否かが判定される。この判定の結果、上昇フラグ1_1が1に設定されており、かつ、上昇受信強度が所定期間分蓄積されている場合には(ステップS203Yes)、上昇受信強度の平均値が算出される(ステップS204)。すなわち、上昇閾値1以上となっている期間の受信強度の平均が算出される。
【0049】
そして、算出された上昇受信強度の平均値と今回報告された受信強度とが比較され、上昇受信強度と今回の受信強度との差分が所定の低下閾値幅1以上であるか否かが判定される(ステップS205)。すなわち、上昇中の受信強度の平均と比較して受信強度が低下しているか否かが判定される。この判定の結果、今回報告された受信強度が上昇受信強度の平均値よりも低下閾値幅1以上低下している場合には(ステップS205Yes)、上昇中低下フラグ1_1が1に設定される(ステップS206)。
【0050】
一方、今回報告された受信強度が上昇受信強度の平均値よりも低下閾値幅1以上低下していない場合には(ステップS205No)、上昇中低下フラグ1_1が1に設定されているか否かが判定される(ステップS207)。そして、上昇中低下フラグ1_1が1に設定されている場合には(ステップS207Yes)、上昇中低下フラグ1_1が0に戻されるとともに、復帰上昇フラグ1_1が1に設定される(ステップS208)。これに対して、上昇中低下フラグ1_1が1に設定されていない場合には(ステップS207No)、上昇中低下フラグ1_1及び復帰上昇フラグ1_1は変更されない。
【0051】
そして、上昇フラグ1_1が1に設定されているか否かが判定され(ステップS209)、1に設定されている場合には(ステップS209Yes)、受信強度が上昇中であることから、今回報告された受信強度が上昇受信強度として記憶される(ステップS210)。すなわち、蓄積された上昇受信強度のうち最も古い上昇受信強度が今回報告された受信強度に更新される。
【0052】
なお、ステップS203の判定において、上昇受信強度が所定期間分蓄積されていない場合にも(ステップS203No)、上昇フラグ1_1が1に設定されている場合には(ステップS209Yes)、今回報告された受信強度が上昇受信強度として記憶される(ステップS210)。この場合には、既に記憶された上昇受信強度が更新されることはなく、今回報告された受信強度が新たな記憶領域に記憶される。
【0053】
以上の閾値判定処理(1)により、第1送信アンテナ装置10-1から送信され、通過領域の物体に反射し、第1受信アンテナ装置20-1に受信される無線信号の受信強度が上昇した場合には、上昇フラグ1_1が1に設定される。また、この無線信号の受信強度が上昇中に一時的に低下する場合には、上昇中低下フラグ1_1が1に設定され、その後受信強度が再度上昇する場合には、上昇中低下フラグ1_1が0に戻されるとともに復帰上昇フラグ1_1が1に設定される。
【0054】
次に、閾値判定処理(2)について、図7に示すフロー図を参照しながら具体的に説明する。閾値判定処理(2)は、第1送信アンテナ装置10-1と第2受信アンテナ装置20-2との間の無線信号に関する報告データが受信された場合に、閾値判定部122によって実行される。
【0055】
まず、第1送信アンテナ装置10-1から送信され第2受信アンテナ装置20-2によって受信された無線信号の受信強度が所定の低下閾値1未満であるか否かが判定される(ステップS221)。この判定の結果、受信強度が低下閾値1未満である場合には(ステップS221Yes)、低下フラグ1_2が1に設定される(ステップS222)。受信強度が低下閾値1以上である場合には(ステップS221No)、低下フラグ1_2は変更されない。
【0056】
以上の閾値判定処理(2)により、第1送信アンテナ装置10-1から送信され、対向する第2受信アンテナ装置20-2に受信される無線信号の受信強度が低下した場合には、低下フラグ1_2が1に設定される。
【0057】
閾値判定処理(3)は、第2送信アンテナ装置10-2と第1受信アンテナ装置20-1との間の無線信号に関する報告データが受信された場合に、閾値判定部122によって実行される。閾値判定処理(3)は、閾値判定処理(2)の低下閾値1の代わりに低下閾値2が用いられ、低下フラグ1_2の代わりに低下フラグ2_1が用いられる点以外は、閾値判定処理(2)と同様であるため、その説明を省略する。
【0058】
閾値判定処理(4)は、第2送信アンテナ装置10-2と第2受信アンテナ装置20-2との間の無線信号に関する報告データが受信された場合に、閾値判定部122によって実行される。閾値判定処理(4)は、閾値判定処理(1)の上昇閾値1及び低下閾値幅1の代わりに上昇閾値2及び低下閾値幅2が用いられ、上昇フラグ1_1、上昇中低下フラグ1_1及び復帰上昇フラグ1_1の代わりに上昇フラグ2_2、上昇中低下フラグ2_2及び復帰上昇フラグ2_2が用いられる点以外は、閾値判定処理(1)と同様であるため、その説明を省略する。
【0059】
なお、上述した閾値判定処理(1)~(4)において用いられる各種の閾値は、あらかじめ定められた理論値であっても良いし、通過領域に人や車両が位置する場合に無線信号の受信強度を測定して定められる実測に基づく値であっても良い。
【0060】
上記の閾値判定処理(1)~(4)が所定期間繰り返されると、通過判別部123によって、各フラグが参照されることにより、通過領域を通過した物体が判別される。具体的には、例えば図8に示すように、低下フラグ1_2及び低下フラグ2_1の少なくともいずれか一方が1に設定され、他の上昇フラグ1_1、上昇フラグ2_2、復帰上昇フラグ1_1及び復帰上昇フラグ2_2がいずれも0である場合、通過領域を人が通過したと判別される。つまり、対向する送受信アンテナ装置間で無線信号の受信強度が低下し、通過領域の同じ側にある送受信アンテナ装置間で無線信号の受信強度が上昇しなかったことから、無線信号を反射しない人体が通過領域を通過したと判断される。
【0061】
また、低下フラグ1_2及び低下フラグ2_1の少なくともいずれか一方が1に設定され、上昇フラグ1_1及び上昇フラグ2_2の少なくともいずれか一方が1に設定され、復帰上昇フラグ1_1及び復帰上昇フラグ2_2がいずれも0である場合、通過領域を車両が通過したと判別される。つまり、対向する送受信アンテナ装置間で無線信号の受信強度が低下し、通過領域の同じ側にある送受信アンテナ装置間で無線信号の受信強度が上昇したことから、無線信号を反射する車両が通過領域を通過したと判断される。
【0062】
さらに、低下フラグ1_2及び低下フラグ2_1の少なくともいずれか一方が1に設定され、上昇フラグ1_1及び上昇フラグ2_2の少なくともいずれか一方が1に設定され、復帰上昇フラグ1_1が1に設定されている場合、通過領域に停止中の車両の第1送信アンテナ装置10-1及び第1受信アンテナ装置20-1側を人が通過したと判別される。つまり、通過領域の第1アンテナ装置側において車両に反射した無線信号の受信強度が一時的に低下して再度上昇したことから、無線信号を反射する車両より第1アンテナ装置側を人が通過したと判断される。
【0063】
同様に、低下フラグ1_2及び低下フラグ2_1の少なくともいずれか一方が1に設定され、上昇フラグ1_1及び上昇フラグ2_2の少なくともいずれか一方が1に設定され、復帰上昇フラグ2_2が1に設定されている場合、通過領域に停止中の車両の第2送信アンテナ装置10-2及び第2受信アンテナ装置20-2側を人が通過したと判別される。つまり、通過領域の第2アンテナ装置側において車両に反射した無線信号の受信強度が一時的に低下して再度上昇したことから、無線信号を反射する車両より第2アンテナ装置側を人が通過したと判断される。
【0064】
また、復帰上昇フラグ1_1及び復帰上昇フラグ2_2がいずれも1に設定されている場合には、通過領域に停止中の車両の両側を人が通過したと判別される。
【0065】
以上のように、本実施の形態によれば、通過領域を挟んで対向する2組の送受信アンテナ間で無線信号を送受信し、無線信号の受信強度に対する閾値判定処理により、通過領域を通過した物体が無線信号を反射するか否かを判別する。このため、無線信号を反射しない人が通過領域を通過したのか、無線信号を反射する車両が通過領域を通過したのかを判別することができる。すなわち、通過領域を通過する物体の種別を判定することができる。
【0066】
(実施の形態2)
実施の形態2の特徴は、2組の送受信アンテナ間で無線信号の受信強度が同時に低下する時間の長さによって、通過領域を通過する物体の種別を判定する点である。
【0067】
実施の形態2に係る通過判定システムは、実施の形態1に係る通過判定システム(図1、2)と同様であるため、その説明を省略する。実施の形態2においては、通過領域の同じ側で隣接する第1送信アンテナ装置10-1及び第1受信アンテナ装置20-1と、第2送信アンテナ装置10-2及び第2受信アンテナ装置20-2とは、それぞれ車両の長さよりも短い距離の範囲で隣接する。すなわち、車両が通過領域に位置する場合、第1送信アンテナ装置10-1と第2受信アンテナ装置20-2との間及び第2送信アンテナ装置10-2と第1受信アンテナ装置20-1との間が車両によって同時に遮蔽される。このため、通過領域を車両が通過する際には、2組の送受信アンテナ間において同時に無線信号の受信強度が低下する時間が比較的長くなる。
【0068】
一方、人体は車両と比較して幅が小さいため、人が通過領域に位置する場合でも、第1送信アンテナ装置10-1と第2受信アンテナ装置20-2との間及び第2送信アンテナ装置10-2と第1受信アンテナ装置20-1との間が人体によって同時に遮蔽される時間は0であるか非常に短い。このため、通過領域を人が通過する際には、2組の送受信アンテナ間において同時に無線信号の受信強度が低下する時間が比較的短くなる。
【0069】
通過判定装置100は、このような人又は車両が通過する際の無線信号の受信強度の変化に基づいて、通過領域を通過する物体が人であるのか車両であるのかを判別する。なお、実施の形態2に係る通過判定装置100の構成は、実施の形態1に係る通過判定装置100(図3)と同様であるため、その説明を省略する。実施の形態2においては、閾値判定部122が実行する閾値判定処理が上記実施の形態1とは異なる。
【0070】
図9は、実施の形態2に係る閾値判定処理において保持されるデータの具体例を示す図である。実施の形態2においては、閾値判定処理の結果、低下フラグ1_2、低下フラグ2_1、通過検出時刻1_2、通過検出時刻2_1、検出開始時刻1_2及び検出開始時刻2_1が保持される。いずれのフラグ及び時刻についても、例えば初期値は0である。
【0071】
低下フラグ1_2は、第1送信アンテナ装置10-1から送信され第2受信アンテナ装置20-2によって受信される無線信号の受信強度が所定の低下閾値1未満である場合に1に設定される。低下フラグ2_1は、第2送信アンテナ装置10-2から送信され第1受信アンテナ装置20-1によって受信される無線信号の受信強度が所定の低下閾値2未満である場合に1に設定される。すなわち、低下フラグは、通過領域を挟んで対向する送受信アンテナ装置間で無線信号の受信強度が低下した場合に、1に設定される。
【0072】
通過検出時刻1_2は、第1送信アンテナ装置10-1から送信され第2受信アンテナ装置20-2によって受信される無線信号の受信強度が所定の低下閾値1未満であると判定された時刻である。通過検出時刻2_1は、第2送信アンテナ装置10-2から送信され第1受信アンテナ装置20-1によって受信される無線信号の受信強度が所定の低下閾値2未満であると判定された時刻である。
【0073】
検出開始時刻1_2は、第1送信アンテナ装置10-1から送信され第2受信アンテナ装置20-2によって受信される無線信号の受信強度が所定の低下閾値1未満であると最初に判定された時刻である。検出開始時刻2_1は、第2送信アンテナ装置10-2から送信され第1受信アンテナ装置20-1によって受信される無線信号の受信強度が所定の低下閾値2未満であると最初に判定された時刻である。
【0074】
閾値判定部122は、報告データに含まれる受信強度に対して、報告データの選別結果に応じた閾値判定処理を実行し、必要に応じて上記のフラグ及び時刻を更新する。
【0075】
次いで、実施の形態2に係る通過判定装置100による通過判定処理について、図10に示すフロー図を参照しながら説明する。図10において、図5と同じ部分には同じ符号を付す。
【0076】
通信I/F110によって第1受信アンテナ装置20-1又は第2受信アンテナ装置20-2から報告データが受信されると(ステップS101)、報告データは、データ仕分け部121によって取得される。そして、データ仕分け部121によって、報告データに含まれる送信アンテナ装置及び受信アンテナ装置の識別情報が参照され、第1送信アンテナ装置10-1から送信され第2受信アンテナ装置20-2によって受信された無線信号に関する報告データであるか否かが判定される(ステップS121)。この判定の結果、第1送信アンテナ装置10-1と第2受信アンテナ装置20-2との間の無線信号に関する報告データである場合には(ステップS121Yes)、この報告データの選別結果が閾値判定部122へ通知され、閾値判定部122によって閾値判定処理(5)が実行される(ステップS122)。
【0077】
ステップS121の判定の結果、第1送信アンテナ装置10-1と第2受信アンテナ装置20-2との間の無線信号に関する報告データでない場合には(ステップS121No)、データ仕分け部121によって、報告データが、第2送信アンテナ装置10-2から送信され第1受信アンテナ装置20-1によって受信された無線信号に関する報告データであるか否かが判定される(ステップS123)。この判定の結果、第2送信アンテナ装置10-2と第1受信アンテナ装置20-1との間の無線信号に関する報告データである場合には(ステップS123Yes)、この報告データの選別結果が閾値判定部122へ通知され、閾値判定部122によって閾値判定処理(6)が実行される(ステップS124)。
【0078】
閾値判定処理(5)、(6)においては、それぞれ無線信号の受信強度と閾値とが比較され、比較の結果に応じたフラグ及び時刻が記憶される。具体的な閾値判定処理(5)、(6)については、後に詳述する。データ仕分け部121による報告データの選別と、閾値判定部122による閾値判定処理(5)、(6)とは、所定期間に受信される複数の報告データについて繰り返される。
【0079】
そして、所定期間が経過すると、通過判別部123によってフラグが参照されることにより、通過領域を通過した物体を判別する通過判別処理が実行される(ステップS125)。具体的には、低下フラグ1_2及び低下フラグ2_1が参照されることにより、通過領域を物体が通過したか否かが判断される。そして、通過検出時刻1_2と検出開始時刻2_1の差分及び通過検出時刻2_1と検出開始時刻1_2の差分が所定の閾値時間と比較されることにより、通過領域を通過した物体が人であるか車両であるか判断される。通過判別部123による通過した物体の判別結果は、結果出力部124によって出力される(ステップS111)。
【0080】
次に、閾値判定処理(5)について、図11に示すフロー図を参照しながら具体的に説明する。閾値判定処理(5)は、第1送信アンテナ装置10-1と第2受信アンテナ装置20-2との間の無線信号に関する報告データが受信された場合に、閾値判定部122によって実行される。
【0081】
まず、第1送信アンテナ装置10-1から送信され第2受信アンテナ装置20-2によって受信された無線信号の受信強度が所定の低下閾値1未満であるか否かが判定される(ステップS301)。この判定の結果、受信強度が低下閾値1以上である場合には(ステップS301No)、第1送信アンテナ装置10-1と第2受信アンテナ装置20-2との間を物体が通過していないと考えられるため、閾値判定処理(5)は完了する。
【0082】
一方、受信強度が低下閾値1未満である場合には(ステップS301Yes)、低下フラグ1_2が0であるか否かが判定され(ステップS302)、低下フラグ1_2が0である場合には(ステップS302Yes)、低下フラグ1_2が1に設定される(ステップS303)。そして、低下フラグ1_2が0から1に変更されたことから、検出開始時刻1_2が更新される(ステップS304)。すなわち、検出開始時刻1_2として現在時刻が記憶される。
【0083】
また、この時点において受信強度が低下閾値1未満であることから、通過検出時刻1_2が更新される(ステップS305)。すなわち、通過検出時刻1_2として現在時刻が記憶される。通過検出時刻1_2の更新は、低下フラグ1_2が既に1に設定されている場合(ステップS302No)にも実行される。
【0084】
以上の閾値判定処理(5)により、第1送信アンテナ装置10-1から送信され、対向する第2受信アンテナ装置20-2に受信される無線信号の受信強度が低下した場合には、低下フラグ1_2が1に設定されるとともに、通過検出時刻1_2が更新される。また、低下フラグ1_2が0から1に変更された場合には、検出開始時刻1_2が更新される。
【0085】
閾値判定処理(6)は、第2送信アンテナ装置10-2と第1受信アンテナ装置20-1との間の無線信号に関する報告データが受信された場合に、閾値判定部122によって実行される。閾値判定処理(6)は、閾値判定処理(5)の低下閾値1の代わりに低下閾値2が用いられ、低下フラグ1_2、検出開始時刻1_2及び通過検出時刻1_2の代わりに低下フラグ2_1、検出開始時刻2_1及び通過検出時刻2_1が用いられる点以外は、閾値判定処理(5)と同様であるため、その説明を省略する。
【0086】
なお、上述した閾値判定処理(5)、(6)において用いられる低下閾値1及び低下閾値2は、あらかじめ定められた理論値であっても良いし、通過領域に人や車両が位置する場合に無線信号の受信強度を測定して定められる実測に基づく値であっても良い。
【0087】
上記の閾値判定処理(5)、(6)が所定期間繰り返されると、通過判別部123によって、フラグ及び時刻が参照されることにより、通過領域を通過した物体が判別される。具体的には、例えば図12に示すように、低下フラグ1_2及び低下フラグ2_1がいずれも1に設定されている場合に、通過領域を人又は車両が通過したと判断される。そして、通過検出時刻1_2と検出開始時刻2_1の差分が所定の閾値時間よりも大きく、通過検出時刻2_1と検出開始時刻1_2の差分が所定の閾値時間よりも大きい場合に、通過領域を車両が通過したと判別される。つまり、2組の送受信アンテナ装置間双方において同時に無線信号の受信強度が低下する時間が長いことから、幅が大きい車両が通過領域を通過したと判断される。
【0088】
一方、通過検出時刻1_2と検出開始時刻2_1の差分又は通過検出時刻2_1と検出開始時刻1_2の差分が所定の閾値時間よりも小さい場合に、通過領域を人が通過したと判別される。つまり、2組の送受信アンテナ装置間双方において同時に無線信号の受信強度が低下する時間が短いことから、車両よりも幅が小さい人体が通過領域を通過したと判断される。
【0089】
以上のように、本実施の形態によれば、通過領域を挟んで対向する2組の送受信アンテナ間で無線信号を送受信し、無線信号の受信強度に対する閾値判定処理により、通過領域を通過した物体が隣接するアンテナ間の距離と比較して大きいか否かを判別する。このため、隣接するアンテナ間の距離と比較して幅が小さい人が通過領域を通過したのか、隣接するアンテナ間の距離と比較して幅が大きい車両が通過領域を通過したのかを判別することができる。すなわち、通過領域を通過する物体の種別を判定することができる。
【0090】
(実施の形態3)
実施の形態3の特徴は、2組の送受信アンテナ間で無線信号の受信強度が低下する時間差によって、通過領域を通過する物体の種別を判定する点である。
【0091】
図13は、実施の形態3に係る通過判定システムの構成例を示す図である。図13に示す通過判定システムは、図1に示す通過判定システムと同様に、第1送信アンテナ装置10-1、第2送信アンテナ装置10-2、第1受信アンテナ装置20-1及び第2受信アンテナ装置20-2を有する。そして、第1受信アンテナ装置20-1及び第2受信アンテナ装置20-2には、通過判定装置100が接続されている。
【0092】
各送受信アンテナ装置の構成は、実施の形態1(図2)と同様であるため、その説明を省略する。実施の形態3においては、通過領域を挟んで対向する第1送信アンテナ装置10-1及び第1受信アンテナ装置20-1の組と、第2送信アンテナ装置10-2及び第2受信アンテナ装置20-2の組との間が車両の長さよりも長い距離離間している。すなわち、車両が通過領域に位置する場合でも、第1送信アンテナ装置10-1と第1受信アンテナ装置20-1との間及び第2送信アンテナ装置10-2と第2受信アンテナ装置20-2との間が車両によって同時に遮蔽されることがない。このため、通過領域を車両が通過する際には、1組の送受信アンテナ間において無線信号の受信強度が低下した後、他の1組の送受信アンテナ間において無線信号の受信強度が低下する。
【0093】
また、通過領域を人が通過する際も、1組の送受信アンテナ間において無線信号の受信強度が低下した後、他の1組の送受信アンテナ間において無線信号の受信強度が低下する。ただし、通常、人の移動速度は車両の移動速度よりも遅いため、2組の送受信アンテナ間で無線信号の受信強度が低下する時間差は、通過領域を人が通過する場合の方が大きくなる。
【0094】
通過判定装置100は、このような人又は車両が通過する際の無線信号の受信強度の変化に基づいて、通過領域を通過する物体が人であるのか車両であるのかを判別する。なお、実施の形態3に係る通過判定装置100の構成は、実施の形態1に係る通過判定装置100(図3)と同様であるため、その説明を省略する。実施の形態3においては、閾値判定部122が実行する閾値判定処理が上記実施の形態1とは異なる。
【0095】
図14は、実施の形態3に係る閾値判定処理において保持されるデータの具体例を示す図である。実施の形態3においては、閾値判定処理の結果、低下フラグ1、低下フラグ2、通過検出時刻1及び通過検出時刻2が保持される。いずれのフラグ及び時刻についても、例えば初期値は0である。
【0096】
低下フラグ1は、第1送信アンテナ装置10-1から送信され第1受信アンテナ装置20-1によって受信される無線信号の受信強度が所定の低下閾値1未満である場合に1に設定される。低下フラグ2は、第2送信アンテナ装置10-2から送信され第2受信アンテナ装置20-2によって受信される無線信号の受信強度が所定の低下閾値2未満である場合に1に設定される。すなわち、低下フラグは、通過領域を挟んで対向する送受信アンテナ装置間で無線信号の受信強度が低下した場合に、1に設定される。
【0097】
通過検出時刻1は、第1送信アンテナ装置10-1から送信され第1受信アンテナ装置20-1によって受信される無線信号の受信強度が所定の低下閾値1未満であると判定された時刻である。通過検出時刻2は、第2送信アンテナ装置10-2から送信され第2受信アンテナ装置20-2によって受信される無線信号の受信強度が所定の低下閾値2未満であると判定された時刻である。
【0098】
閾値判定部122は、報告データに含まれる受信強度に対して、報告データの選別結果に応じた閾値判定処理を実行し、必要に応じて上記のフラグ及び時刻を更新する。
【0099】
次いで、実施の形態3に係る通過判定装置100による通過判定処理について、図15に示すフロー図を参照しながら説明する。図15において、図5と同じ部分には同じ符号を付す。
【0100】
通信I/F110によって第1受信アンテナ装置20-1又は第2受信アンテナ装置20-2から報告データが受信されると(ステップS101)、報告データは、データ仕分け部121によって取得される。そして、データ仕分け部121によって、報告データに含まれる送信アンテナ装置及び受信アンテナ装置の識別情報が参照され、第1送信アンテナ装置10-1から送信され第1受信アンテナ装置20-1によって受信された無線信号に関する報告データであるか否かが判定される(ステップS141)。この判定の結果、第1送信アンテナ装置10-1と第1受信アンテナ装置20-1との間の無線信号に関する報告データである場合には(ステップS141Yes)、この報告データの選別結果が閾値判定部122へ通知され、閾値判定部122によって閾値判定処理(7)が実行される(ステップS142)。
【0101】
ステップS141の判定の結果、第1送信アンテナ装置10-1と第1受信アンテナ装置20-1との間の無線信号に関する報告データでない場合には(ステップS141No)、データ仕分け部121によって、報告データが、第2送信アンテナ装置10-2から送信され第2受信アンテナ装置20-2によって受信された無線信号に関する報告データであるか否かが判定される(ステップS143)。この判定の結果、第2送信アンテナ装置10-2と第2受信アンテナ装置20-2との間の無線信号に関する報告データである場合には(ステップS143Yes)、この報告データの選別結果が閾値判定部122へ通知され、閾値判定部122によって閾値判定処理(8)が実行される(ステップS144)。
【0102】
閾値判定処理(7)、(8)においては、それぞれ無線信号の受信強度と閾値とが比較され、比較の結果に応じたフラグ及び時刻が記憶される。具体的な閾値判定処理(7)、(8)については、後に詳述する。データ仕分け部121による報告データの選別と、閾値判定部122による閾値判定処理(7)、(8)とは、所定期間に受信される複数の報告データについて繰り返される。
【0103】
そして、所定期間が経過すると、通過判別部123によってフラグが参照されることにより、通過領域を通過した物体を判別する通過判別処理が実行される(ステップS145)。具体的には、低下フラグ1及び低下フラグ2が参照されることにより、通過領域を物体が通過したか否かが判断される。そして、通過検出時刻1と検出開始時刻2の時間差が所定の閾値時間と比較されることにより、通過領域を通過した物体が人であるか車両であるか判断される。通過判別部123による通過した物体の判別結果は、結果出力部124によって出力される(ステップS111)。
【0104】
次に、閾値判定処理(7)について、図16に示すフロー図を参照しながら具体的に説明する。閾値判定処理(7)は、第1送信アンテナ装置10-1と第1受信アンテナ装置20-1との間の無線信号に関する報告データが受信された場合に、閾値判定部122によって実行される。
【0105】
まず、第1送信アンテナ装置10-1から送信され第1受信アンテナ装置20-1によって受信された無線信号の受信強度が所定の低下閾値1未満であるか否かが判定される(ステップS401)。この判定の結果、受信強度が低下閾値1以上である場合には(ステップS401No)、第1送信アンテナ装置10-1と第1受信アンテナ装置20-1との間を物体が通過していないと考えられるため、閾値判定処理(7)は完了する。
【0106】
一方、受信強度が低下閾値1未満である場合には(ステップS401Yes)、低下フラグ1が1に設定される(ステップS402)。そして、この時点において受信強度が低下閾値1未満であることから、通過検出時刻1が更新される(ステップS403)。すなわち、通過検出時刻1として現在時刻が記憶される。
【0107】
以上の閾値判定処理(7)により、第1送信アンテナ装置10-1から送信され、対向する第1受信アンテナ装置20-1に受信される無線信号の受信強度が低下した場合には、低下フラグ1が1に設定されるとともに、通過検出時刻1が更新される。
【0108】
閾値判定処理(8)は、第2送信アンテナ装置10-2と第2受信アンテナ装置20-2との間の無線信号に関する報告データが受信された場合に、閾値判定部122によって実行される。閾値判定処理(8)は、閾値判定処理(7)の低下閾値1の代わりに低下閾値2が用いられ、低下フラグ1及び通過検出時刻1の代わりに低下フラグ2及び通過検出時刻2が用いられる点以外は、閾値判定処理(7)と同様であるため、その説明を省略する。
【0109】
なお、上述した閾値判定処理(7)、(8)において用いられる低下閾値1及び低下閾値2は、あらかじめ定められた理論値であっても良いし、通過領域に人や車両が位置する場合に無線信号の受信強度を測定して定められる実測に基づく値であっても良い。
【0110】
上記の閾値判定処理(7)、(8)が所定期間繰り返されると、通過判別部123によって、フラグ及び時刻が参照されることにより、通過領域を通過した物体が判別される。具体的には、例えば図17に示すように、低下フラグ1及び低下フラグ2がいずれも1に設定されている場合に、通過領域を人又は車両が通過したと判断される。そして、通過検出時刻1と通過検出時刻2の時間差が所定の閾値時間よりも小さい場合に、通過領域を車両が通過したと判別される。つまり、2組の送受信アンテナ装置間で無線信号の受信強度が低下した時刻の時間差が小さいことから、移動速度が速い車両が通過領域を通過したと判断される。
【0111】
一方、通過検出時刻1と通過検出時刻2の時間差が所定の閾値時間よりも大きい場合に、通過領域を人が通過したと判別される。つまり、2組の送受信アンテナ装置間で無線信号の受信強度が低下した時刻の時間差が大きいことから、車両よりも移動速度が遅い人が通過領域を通過したと判断される。
【0112】
以上のように、本実施の形態によれば、通過領域を挟んで対向する2組の送受信アンテナ間で無線信号を送受信し、無線信号の受信強度に対する閾値判定処理により、通過領域を通過した物体が対向する2組の送受信アンテナ間を移動する移動速度が所定基準より速いか否かを判別する。このため、比較的移動速度が遅い人が通過領域を通過したのか、比較的移動速度が速い車両が通過領域を通過したのかを判別することができる。すなわち、通過領域を通過する物体の種別を判定することができる。
【0113】
なお、上記実施の形態1~3は適宜組み合わせて実施することが可能である。すなわち、例えば実施の形態1、2を組み合わせて、通過領域を通過する物体が無線信号を反射するか否かを判定するとともに、隣接するアンテナ間の距離と比較して大きいか否かを判定し、この物体が人体であるか車両であるかを判別するようにしても良い。また、対向する3組の送受信アンテナを設置することにより、実施の形態1~3を組み合わせることも可能である。この場合、3つの方法によって得られる判別結果から、最終的に人が通過したのか車両が通過したのかが判定されるようにしても良い。
【0114】
例えば図18に示すように、それぞれの実施の形態に係る判別結果の多数決により、最終的な結果が得られる。すなわち、例えば実施の形態1~3のうち2つ以上の方法で得られる判別結果が人が通過したことを示すものである場合には、最終的に人が通過したと判定される。一方、実施の形態1~3のうち2つ以上の方法で得られる判別結果が車両が通過したことを示すものである場合には、最終的に車両が通過したと判定される。なお、通過領域に停止中の車両の側方を人が通過することを示す判別結果は、実施の形態1のみで得られるため、これらの判別結果に関してはそのまま最終的な結果となる。
【符号の説明】
【0115】
110 通信I/F
120 プロセッサ
121 データ仕分け部
122 閾値判定部
123 通過判別部
124 結果出力部
130 メモリ
図1
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