(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022171183
(43)【公開日】2022-11-11
(54)【発明の名称】冷凍サイクルシステム及び冷媒回収装置
(51)【国際特許分類】
F25B 1/00 20060101AFI20221104BHJP
F25B 49/02 20060101ALI20221104BHJP
F25B 13/00 20060101ALI20221104BHJP
【FI】
F25B1/00 391
F25B49/02 520M
F25B13/00 104
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021077671
(22)【出願日】2021-04-30
(71)【出願人】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】新樹グローバル・アイピー特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】矢嶋 龍三郎
【テーマコード(参考)】
3L092
【Fターム(参考)】
3L092EA01
3L092GA03
(57)【要約】
【課題】 室外ユニットに冷媒を貯留する場合と比べて多くの冷媒を回収できる冷凍サイクルシステムを提案する。
【解決手段】 冷凍サイクルシステム1は、冷凍サイクル装置100と、冷媒貯留部200とを備える。冷凍サイクル装置100は、室内ユニット110、室外ユニット120、ガス側連絡配管131及び液側連絡配管132を含む。冷媒貯留部200は、冷媒循環路150の中の冷媒を貯留する。冷媒貯留部200は、第1貯留部配管221及び第2貯留部配管222によって冷媒循環路150に連通する。第1貯留部配管221は、室外冷媒流路121の第1冷媒配管121bと冷媒貯留部200とを、又はガス側連絡配管131と冷媒貯留部200とを連通させる。第2貯留部配管222は、室外冷媒流路121の第2冷媒配管121cと冷媒貯留部200とを連通させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
室内冷媒流路(111)を有する室内ユニット(110)、室外冷媒流路(121)を有する室外ユニット(120)、ならびに前記室内冷媒流路と前記室外冷媒流路とを接続するガス側連絡配管(131)及び液側連絡配管(132)を含む、冷凍サイクル装置(100)と、
前記室内冷媒流路、前記室外冷媒流路、前記ガス側連絡配管、及び前記液側連絡配管により形成される冷媒循環路(150)の中の冷媒を貯留する、冷媒貯留部(200)と、
を備え、
前記室外冷媒流路は、
第1圧縮機(122)と、室外熱交換器(123)と、室外膨張機構(124)と、流路切換機構(125)と、前記ガス側連絡配管が接続されるガス側接続部(126)と、前記液側連絡配管が接続される液側接続部(127)と、前記流路切換機構及び前記ガス側接続部を接続する第1冷媒配管(121b)と、前記室外熱交換器及び前記室外膨張機構を接続する第2冷媒配管(121c)と、前記室外膨張機構及び前記液側接続部を接続する第3冷媒配管(121d)とを有し、
前記冷媒貯留部は、
第1配管(221)及び第2配管(222)によって前記冷媒循環路と連通し、
前記第1配管は、
前記第1冷媒配管と前記冷媒貯留部とを、又は前記ガス側連絡配管と前記冷媒貯留部とを連通させ、
前記第2配管は、
前記第2冷媒配管と前記冷媒貯留部とを連通させる、
冷凍サイクルシステム(1)。
【請求項2】
前記冷凍サイクル装置を複数備える、
請求項1に記載の冷凍サイクルシステム。
【請求項3】
前記冷凍サイクル装置は、
前記室内ユニットを複数有する、
請求項1又は2に記載の冷凍サイクルシステム。
【請求項4】
第1開閉弁(231)と、第2開閉弁(232)とをさらに備え、
前記第1開閉弁は、
前記第1冷媒配管と前記冷媒貯留部との間、又は前記ガス側連絡配管と前記冷媒貯留部との間での前記冷媒の流れを許容又は遮断し、
前記第2開閉弁は、
前記第2冷媒配管と前記冷媒貯留部との間での前記冷媒の流れを許容又は遮断する、第2開閉弁(232)と、
をさらに備える、
請求項1から3のいずれかに記載の冷凍サイクルシステム。
【請求項5】
前記第1圧縮機、前記室外膨張機構及び前記流路切換機構を制御する第1制御部(140)
をさらに備え、
前記流路切換機構は、
前記室外熱交換器を凝縮器として機能させる第1状態、又は前記室外熱交換器を蒸発器として機能させる第2状態をとり、
前記第1制御部は、
前記流路切換機構を前記第1状態とし、前記室外膨張機構を閉状態とし、前記第1圧縮機を運転することにより前記冷媒を前記冷媒貯留部に貯留する、第1制御を実行し、
前記第1制御が終了すると、前記第1圧縮機を運転し、前記第1開閉弁を開状態としてガス冷媒を前記冷媒貯留部に貯留する、第2制御を実行する、
請求項4に記載の冷凍サイクルシステム。
【請求項6】
前記第1制御部は、
前記流路切換機構を前記第2状態とし、前記室外膨張機構を開状態とし、前記第1圧縮機を運転することにより前記冷媒貯留部の内部の前記冷媒を前記冷媒循環路に充填する、第3制御を実行する、
請求項5に記載の冷凍サイクルシステム。
【請求項7】
前記第2配管は、
前記冷媒貯留部から前記室外冷媒流路への前記冷媒の流れを規制する逆止弁(241)と、
前記逆止弁に並列に設けられた減圧器(242)と、
を有する、
請求項6に記載の冷凍サイクルシステム。
【請求項8】
前記第2配管は、
全閉可能な膨張機構(250)を有する、
請求項1から7のいずれかに記載の冷凍サイクルシステム。
【請求項9】
前記室外ユニットは、
前記第1冷媒配管に接続された液側分岐配管(129)
をさらに有し、
前記第2配管は、
前記液側分岐配管に連通する、
請求項1から8のいずれかに記載の冷凍サイクルシステム。
【請求項10】
前記室外ユニットは、
前記第2冷媒配管に接続されたガス側分岐配管(128)
をさらに有し、
前記第1配管は、
前記ガス側分岐配管に連通する、
請求項9に記載の冷凍サイクルシステム。
【請求項11】
前記第1配管は、
前記ガス側接続部に接続される、
請求項10に記載の冷凍サイクルシステム。
【請求項12】
前記室外ユニットは、
4つの室外冷媒流路閉鎖弁(130)を有し、
前記室外冷媒流路閉鎖弁は、
前記室外冷媒流路の連通を許容又は遮断し、
前記第1冷媒配管、前記第3冷媒配管、前記ガス側分岐配管、及び前記液側分岐配管に設けられる、
請求項10又は11に記載の冷凍サイクルシステム。
【請求項13】
前記室外ユニットは、
3つの室外冷媒流路閉鎖弁(130)を有し、
前記室外冷媒流路閉鎖弁は、
前記室外冷媒流路の連通を許容又は遮断し、
前記第1冷媒配管の前記流路切換機構と前記ガス側分岐配管の接続箇所との間、前記第3冷媒配管、及び前記液側分岐配管に設けられる、
請求項10又は11に記載の冷凍サイクルシステム。
【請求項14】
前記室外ユニットは、
2つの室外冷媒流路閉鎖弁(130)を有し、
前記室外冷媒流路の連通を許容又は遮断し、
前記室外冷媒流路閉鎖弁は、
前記第1冷媒配管の前記流路切換機構と前記ガス側分岐配管の接続箇所との間、及び前記第2冷媒配管の前記室外熱交換器と前記液側分岐配管の接続箇所との間に設けられる、
請求項10又は11に記載の冷凍サイクルシステム。
【請求項15】
前記室内冷媒流路は、
室内熱交換器(112)を有し、
前記室内ユニットは、
前記冷媒の漏洩を検出する検出部(116)を有し、
前記第1制御部は、
前記検出部が前記冷媒の漏洩を検出すると、前記第1制御を実行する、
請求項1から14のいずれかに記載の冷凍サイクルシステム。
【請求項16】
前記冷媒は、
可燃性又は毒性を有する、
請求項1から15のいずれかに記載の冷凍サイクルシステム。
【請求項17】
請求項1から16のいずれかに記載の冷凍サイクルシステムの冷媒を回収する冷媒回収装置(5)であって、
前記冷媒を収容する、回収容器(510)と、
前記冷凍サイクルシステムの前記冷媒貯留部の内部に所定の圧力を作用させる、第2圧縮機(520)と、
前記第2圧縮機を制御する、第2制御部(580)と、
を備え、
前記第2制御部は、
前記第2圧縮機を制御して、前記冷凍サイクルシステムの冷媒循環路の前記冷媒を前記回収容器に回収する、
冷媒回収装置。
【請求項18】
前記第2制御部は、
前記第2圧縮機を制御して前記冷媒貯留部の内部に前記第2圧縮機の吐出圧を作用させて、前記冷媒を前記回収容器へ流入させる、第4制御を実行し、
前記第4制御が終了すると、前記第2圧縮機を制御して前記冷媒貯留部の内部に前記第2圧縮機の吸入圧を作用させて、前記冷媒を前記回収容器へ流入させる、第5制御を実行する、
請求項17に記載の冷媒回収装置。
【請求項19】
第1切換弁(541)と、
第2切換弁(542)と、
第3切換弁(543)と、
をさらに備え、
前記第1切換弁は、
前記回収容器を、前記冷媒貯留部と前記第3切換弁とに選択的に連通させ、
前記第2切換弁は、
前記第2圧縮機の吸入側(520a)を、前記回収容器と前記冷媒貯留部とに選択的に連通させ、
前記第3切換弁は、
前記第2圧縮機の吐出側(520b)を、前記第1切換弁と前記冷媒貯留部とに選択的に連通させ、
前記第2制御部は、
前記第4制御において、前記第1切換弁に前記回収容器を前記冷媒貯留部に連通させ、前記第2切換弁に前記第2圧縮機の前記吸入側を前記回収容器に連通させ、前記第3切換弁に前記第2圧縮機の前記吐出側を前記冷媒貯留部に連通させ、
前記第5制御において、前記第1切換弁に前記回収容器を前記第3切換弁に連通させ、前記第2切換弁に前記第2圧縮機の前記吸入側を前記冷媒貯留部に連通させ、前記第3切換弁に前記第2圧縮機の前記吐出側を前記第1切換弁に連通させる、
請求項17又は18に記載の冷媒回収装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
冷凍サイクルシステム及び冷媒回収装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1(特開平10-009692)は、室内機において冷媒の漏洩が検知されると、室内機の冷媒を室外機内に回収する空調機(冷凍サイクル装置)を開示している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1の冷凍サイクル装置は、室外ユニットに冷媒を貯留するため、貯留できる冷媒の量が限定される。
【0004】
本開示は、室外ユニットに冷媒を貯留する場合と比べて多くの冷媒を回収できる冷凍サイクルシステムを提案する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1観点の冷凍サイクルシステムは、冷凍サイクル装置と、冷媒貯留部とを備える。冷凍サイクル装置は、室内冷媒流路を有する室内ユニット、室外冷媒流路を有する室外ユニット、ならびに室内冷媒流路と室外冷媒流路とを接続するガス側連絡配管及び液側連絡配管を含む。冷媒貯留部は、室内冷媒流路、室外冷媒流路、ガス側連絡配管、及び液側連絡配管により形成される冷媒循環路の中の冷媒を貯留する。
【0006】
室外冷媒流路は、第1圧縮機と、室外熱交換器と、室外膨張機構と、流路切換機構と、ガス側連絡配管が接続されるガス側接続部と、液側連絡配管が接続される液側接続部と、室外膨張機構及びガス側接続部を接続する第1冷媒配管と、室外熱交換器及び室外膨張機構を接続する第2冷媒配管と、室外膨張機構及び液側接続部を接続する第3冷媒配管とを有する。冷媒貯留部は、第1配管及び第2配管によって冷媒循環路と連通する。第1配管は、第1冷媒配管と冷媒貯留部とを、又はガス側連絡配管と冷媒貯留部とを連通させる。第2配管は、第2冷媒配管と冷媒貯留部とを連通させる。
【0007】
本冷凍サイクルシステムは、冷凍サイクル装置とは別に設けた冷媒貯留部に、第1配管と第2配管とによって、冷媒循環路の中の冷媒を貯留することができる。したがって、冷凍サイクルシステムは、室外冷媒流路に貯留する場合と比べて多くの冷媒を冷媒貯留部貯留することができる。
【0008】
第2観点の冷凍サイクルシステムは、第1観点の冷凍サイクルシステムであって、冷凍サイクル装置を複数備える。
【0009】
本冷凍サイクルシステムは、冷凍サイクル装置とは別に設けた冷媒貯留部に、冷媒循環路の中の冷媒を貯留することができる。したがって、冷凍サイクルシステムは、冷凍サイクル装置を複数備えることにより多くの冷媒が冷媒循環路に充填されている場合であっても、冷媒貯留部に冷媒を貯留することができる。
【0010】
第3観点の冷凍サイクルシステムは、第1観点又は第2観点の冷凍サイクルシステムであって、冷凍サイクル装置は、室内ユニットを複数有する。
【0011】
本冷凍サイクルシステムは、冷凍サイクル装置とは別に設けた冷媒貯留部に、冷媒循環路の中の冷媒を貯留することができる。したがって、冷凍サイクルシステムは、室内ユニットを複数有することにより多くの冷媒が冷媒循環路に充填されている場合であっても、冷媒貯留部に冷媒を貯留することができる。
【0012】
第4観点の冷凍サイクルシステムは、第1観点から第3観点のいずれかの冷凍サイクルシステムであって、第1開閉弁と、第2開閉弁とをさらに備える。第1開閉弁は、第1冷媒配管と冷媒貯留部との間、又はガス側連絡配管と前記冷媒貯留部との間での冷媒の流れを許容又は遮断する。第2開閉弁は、第2冷媒配管と冷媒貯留部との間での冷媒の流れを許容又は遮断する。
【0013】
第5観点の冷凍サイクルシステムは、第4観点の冷凍サイクルシステムであって、第1制御部をさらに備える。第1制御部は、第1圧縮機、室外膨張機構及び流路切換機構を制御する。流路切換機構は、室外熱交換器を凝縮器として機能させる第1状態、又は室外熱交換器を蒸発器として機能させる第2状態をとる。第1制御部は、第1制御と第2制御とを実行する。第1制御では、第1制御部は、流路切換機構を第1状態とし、室外膨張機構を閉状態とし、第1圧縮機を運転することにより冷媒を冷媒貯留部に貯留する。第2制御では、第1位制御部は、第1制御が終了すると、第1圧縮機を運転し、第1開閉弁を開状態としてガス冷媒を冷媒貯留部に貯留する。
【0014】
本冷凍サイクルシステムは、第1制御部に第1制御及び第2制御を実行させることによって、自動的に冷媒貯留部に冷媒を貯留させることができる。
【0015】
第6観点の冷凍サイクルシステムは、第5観点の冷凍サイクルシステムであって、第1制御部が、第3制御を実行する。第3制御では、第1制御部は、流路切換機構を第2状態とし、室外膨張機構を開状態とし、第1圧縮機を運転することにより冷媒貯留部の内部の冷媒を冷媒循環路に充填する。
【0016】
本冷凍サイクルシステムは、冷媒貯留部に貯留させた冷媒を、冷凍サイクル装置の冷媒循環路へ充填させることができる。
【0017】
第7観点の冷凍サイクルシステムは、第6観点のいずれかの冷凍サイクルシステムであって、第2配管が、逆止弁と、減圧器とを有する。逆止弁は、冷媒貯留部から室外冷媒流路への冷媒の流れを規制する。減圧器は、逆止弁に並列に設けられる。
【0018】
本冷凍サイクルシステムでは、第3制御において冷媒貯留部から第2配管に流入し冷媒循環路に充填される冷媒は、減圧器で所定の圧力まで減圧される。このため、冷媒循環路に充填された冷媒は、室外膨張機構で減圧されることなく室外熱交換器に流入しても、室外熱交換器で十分に蒸発できる。
【0019】
第8観点の冷凍サイクルシステムは、第1観点から第7観点のいずれかの冷凍サイクルシステムであって、第2配管が、全閉可能な膨張機構を有する。
【0020】
本冷凍サイクルシステムでは、第2配管から流入する冷媒の圧力を、膨張機構を設けない場合と比べて低減できる。このため、貯留容器の耐圧を低く設定でき、貯留容器の製造コストが低く抑えられる。
【0021】
第9観点の冷凍サイクルシステムは、第1観点から第8観点のいずれかの冷凍サイクルシステムであって、室外ユニットが、液側分岐配管をさらに有する。液側分岐配管は、第1冷媒配管に接続される。第2貯留配管は、液側分岐配管に連通する。
【0022】
第10観点の冷凍サイクルシステムは、第9観点の冷凍サイクルシステムであって、室外ユニットが、ガス側分岐配管をさらに有する。ガス側分岐配管は、第2冷媒配管に接続される。第1配管は、ガス側分岐配管に連通する。
【0023】
第11観点の冷凍サイクルシステムは、第10観点の冷凍サイクルシステムであって、第1配管は、ガス側接続部に接続される。
【0024】
冷凍サイクルシステムでは、冷凍サイクル装置にガス側分岐配管を設ける必要がないため、ガス側分岐配管を設けた冷凍サイクル装置を用いる場合よりも製造コストが抑止される。
【0025】
第12観点の冷凍サイクルシステムは、第10観点又は第11観点の冷凍サイクルシステムであって、室外ユニットは、4つの室外冷媒流路閉鎖弁を有する。室外冷媒流路閉鎖弁は、室外冷媒流路の連通を許容又は遮断する。室外冷媒流路閉鎖弁は、第1冷媒配管、第3冷媒配管、ガス側分岐配管、及び液側分岐配管に設けられる。
【0026】
第13観点の冷凍サイクルシステムは、第10観点又は第11観点の冷凍サイクルシステムであって、室外ユニットは、3つの室外冷媒流路閉鎖弁を有する。室外冷媒流路閉鎖弁は、室外冷媒流路の連通を許容又は遮断する。室外冷媒流路閉鎖弁は、第1冷媒配管の流路切換機構とガス側分岐配管の接続箇所との間、第3冷媒配管、及び液側分岐配管に設けられる。
【0027】
第14観点の冷凍サイクルシステムは、第10観点又は第11観点の冷凍サイクルシステムであって、室外ユニットは、2つの室外冷媒流路閉鎖弁を有する。室外冷媒流路閉鎖弁は、室外冷媒流路の連通を許容又は遮断する。室外冷媒流路閉鎖弁は、第1冷媒配管の流路切換機構とガス側分岐配管の接続箇所との間、及び第2冷媒配管の室外熱交換器と液側分岐配管の接続箇所との間に設けられる。
【0028】
第15観点の冷凍サイクルシステムは、第1観点から第14観点のいずれかの冷凍サイクルシステムであって、室内冷媒流路が、室内熱交換器を有する。室内ユニットは、冷媒の漏洩を検出する検出部を有する。第1制御部は、検出部が冷媒の漏洩を検出すると、第1制御を実行する。
【0029】
本特徴により、冷凍サイクルシステムは、室内ユニットでの冷媒の漏洩の検出をきっかけにして第1制御部に第1制御を実行させる。これにより、室内ユニットで冷媒が漏洩しても、自動的に冷媒貯留部に冷媒を貯留させて、冷媒の大気放出を抑制できる。
【0030】
第16観点の冷凍サイクルシステムは、第1観点から第15観点のいずれかの冷凍サイクルシステムであって、冷媒は、可燃性又は毒性を有する。
【0031】
冷凍サイクルシステムは、可燃性又は毒性を有する冷媒が漏洩しても自動的に冷媒貯留部に冷媒を貯留させることができるため、冷媒の漏洩により空調対象空間が汚染されることを抑制できる。
【0032】
第17観点の冷媒回収装置は、第1観点から第16観点のいずれかの冷凍サイクルシステムの冷媒を回収する。冷媒回収装置は、回収容器と、第2圧縮機と、第2制御部と、を備える。回収容器は、冷媒を収容する。第2圧縮機は、冷凍サイクルシステムの冷媒貯留部の内部に所定の圧力を作用させる。第2制御部は、第2圧縮機を制御する。第2制御部は、第2圧縮機を制御して、冷凍サイクルシステムの冷媒循環路の冷媒を回収容器に回収する。
【0033】
本特徴により、冷媒回収装置は、冷媒貯留部に貯留された冷媒を回収容器に回収できる。
【0034】
第18観点の冷媒回収装置は、第17観点の冷媒回収装置であって、第2制御部が、第4制御と第5制御とを実行する。第2制御部は、第4制御が終了すると、第5制御を実行する。第4制御では、第2制御部は、第2圧縮機を制御して冷媒貯留部の内部に第2圧縮機の吐出圧を作用させて、冷媒を回収容器へ流入させる。第5制御では、第2制御部は、第2圧縮機を制御して冷媒貯留部の内部に第2圧縮機の吸入圧を作用させて、冷媒を回収容器へ流入させる。
【0035】
本特徴により、冷媒回収装置は、冷媒貯留部に貯留された冷媒を回収容器に回収できる。
【0036】
第19観点の冷媒回収装置は、第17観点又は第18観点の冷媒回収装置であって、冷媒回収装置が、第1切換弁と、第2切換弁と、第3切換弁と、をさらに備える。第1切換弁は、回収容器を、冷媒貯留部と第3切換弁とに選択的に連通させる。第2切換弁は、第2圧縮機の吸入側を、回収容器と冷媒貯留部とに選択的に連通させる。第3切換弁は、第2圧縮機の吐出側を、第1切換弁と冷媒貯留部とに選択的に連通させる。
【0037】
第2制御部は、第4制御において、第1切換弁に回収容器を冷媒貯留部に連通させ、第2切換弁に第2圧縮機の吸入側を回収容器に連通させ、第3切換弁に第2圧縮機の吐出側を冷媒貯留部に連通させる。
【0038】
第2制御部は、第5制御において、第1切換弁に回収容器を第3切換弁に連通させ、第2切換弁に第2圧縮機の吸入側を冷媒貯留部に連通させ、第3切換弁に第2圧縮機の吐出側を第1切換弁に連通させる。
【0039】
本特徴により、冷媒回収装置は、切換弁の切換えによって、回収容器と、冷媒貯留部と、第2圧縮機との接続を変更することができる。このため、冷媒回収装置では、第4制御が終了してから第5制御を実行するに際して、冷媒貯留部と冷媒回収装置を接続する冷媒回収用接続配管の接続を変更する必要がない。したがって、第2制御部は、第4制御と第5制御とを連続して自動的に実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【
図1】冷凍サイクルシステム1を示す概略構成図である。
【
図5】第1冷媒貯留運転時の各機器の動作及び冷媒の流れを示した概略構成図である。
【
図6】第2冷媒貯留運転時の各機器の動作及び冷媒の流れを示した概略構成図である。
【
図7】冷媒充填運転時の各機器の動作及び冷媒の流れを示した概略構成図である。
【
図8】第1冷媒回収運転時の各機器の動作及び冷媒の流れを示した概略構成図である。
【
図9】第2冷媒回収運転時の各機器の動作及び冷媒の流れを示した概略構成図である。
【
図10】変形例1Aに係る冷凍サイクルシステム1の概略構成図である。
【
図11】変形例1Bに係る冷媒貯留部201の概略構成図である。
【
図12】変形例1Cに係る冷媒貯留部202の概略構成図である。
【
図13】冷媒貯留運転時の各機器の動作及び冷媒の流れを示した概略構成図である(変形例1D)。
【
図14】冷媒充填運転時の各機器の動作及び冷媒の流れを示した概略構成図である(変形例1E)。
【
図15】変形例1Gに係る冷凍サイクルシステム1の概略構成図である。
【
図16】変形例1Hに係る冷凍サイクルシステム1の概略構成図である。
【
図17】冷凍サイクルシステム2を示す概略構成図である。
【
図19】第1冷媒回収運転時の各機器の動作及び冷媒の流れを示した概略構成図である。
【
図20】第2冷媒回収運転時の各機器の動作及び冷媒の流れを示した概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
<第1実施形態>
(1)全体構成
本開示の第1実施形態に係る冷凍サイクルシステム1及び冷媒回収装置5について説明する。
図1は、冷凍サイクルシステム1を示す概略構成図である。
図2は、冷媒回収装置5を示す概略構成図である。
【0042】
冷凍サイクルシステム1は、冷凍サイクル装置100A及び冷凍サイクル装置100Bと、1台の冷媒貯留部200と、2つの第1接続配管310と、2つの第2接続配管320とを備える。冷媒貯留部200は、冷凍サイクル装置100A、100Bに充填された冷媒を貯留する。各冷凍サイクル装置100は、第1接続配管310及び第2接続配管320によって冷媒貯留部200に連通される。
【0043】
図1は、冷凍サイクル装置100A、100Bに冷媒貯留部200が取り付けられた状態を示している。なお、冷凍サイクルシステム1が備える冷凍サイクル装置100の数は、2台に限定されず、1台であってもよいし、3台以上であってもよい。
【0044】
冷凍サイクル装置100Aと冷凍サイクル装置100Bとは、同様の機器を有し、同様の機能を有する。このため、以下では、冷凍サイクル装置100Aと冷凍サイクル装置100Bとに共通する説明では、冷凍サイクル装置100として説明をする。冷凍サイクル装置100Aと冷凍サイクル装置100Bとの区別が必要な説明では、それぞれを構成する機器の参照符号に「A」又は「B」を付して区別をする。
【0045】
冷媒回収装置5は、冷媒貯留部200に貯留された冷媒を回収する。冷媒回収装置5は、冷媒回収用接続配管600により冷凍サイクルシステム1に接続される。
【0046】
なお、以下の説明では、各実施形態、変形例の間で同一又は対応する構成については、同一の参照符号を付して適宜説明を省略する。
【0047】
(2)詳細構成
(2-1)冷凍サイクルシステム
(2-1-1)冷凍サイクル装置
冷凍サイクル装置100は、蒸気圧縮式の冷凍サイクルを利用して、空調対象空間(図示省略)の冷房及び暖房を行う空気調和装置である。冷凍サイクル装置100は、室内ユニット110と、室外ユニット120と、ガス側連絡配管131と、液側連絡配管132と、第1制御部140とを有する。冷凍サイクル装置100は、2台の室内ユニット110を有するビル用マルチタイプの空気調和装置である。冷凍サイクル装置100が有する室内ユニット110の数は、2台に限定されず、1台であってもよいし、3台以上であってよい。
【0048】
詳細は後述するが、室内ユニット110は室内冷媒流路111を有し、室外ユニット120は室外冷媒流路121を有する。室内冷媒流路111と、室外冷媒流路121と、ガス側連絡配管131と、液側連絡配管132とは、冷媒循環路150を形成する。冷媒循環路150には、冷媒が充填される。冷媒循環路150に充填される冷媒は、限定するものではないが、例えば微燃性(A2L)を有するR32等のフルオロカーボン系の冷媒である。冷媒は、可燃性又は毒性を有するものであってもよい。なお、冷凍サイクル装置100は、空気調和装置に限定されず、例えば、冷蔵庫、冷凍庫、給湯器、床暖房装置等であってよい。
【0049】
(2-1-1-1)室内ユニット
室内ユニット110は、空調対象空間に設置される。室内ユニット110は、室内冷媒流路111と、検出部116とを有する。
【0050】
室内冷媒流路111は、冷媒循環路150の一部を構成する。室内冷媒流路111は、室内熱交換器112と、室内膨張機構113とが冷媒配管を介して接続されることにより形成される。
【0051】
室内熱交換器112は、室内熱交換器112の内部を流れる冷媒と、空調対象空間の空気との間での熱交換を行う。室内熱交換器112は、冷房運転時には冷媒の蒸発器として機能し、暖房運転時には冷媒の放熱器として機能する。室内熱交換器112の一端は、冷媒配管を介してガス側接続部114と接続される。室内熱交換器112の他端は、冷媒配管を介して室内膨張機構113と接続される。
【0052】
室内膨張機構113は、冷媒循環路150を流れる冷媒の圧力や流量の調節を行う。室内膨張機構113は、図示しないアクチュエータによって開度が調整される電子膨張弁である。室内膨張機構113は、冷媒配管を介して室内熱交換器112と液側接続部115とに接続される。室内膨張機構113の開度は、第1制御部140により制御される。
【0053】
ガス側接続部114は、室内冷媒流路111の一端である。ガス側接続部114は、ガス側連絡配管131に接続される。
【0054】
液側接続部115は、室内冷媒流路111の他端である。液側接続部115は、液側連絡配管132に接続される。
【0055】
検出部116は、冷媒循環路150からの冷媒の漏洩を検出する。検出部116は、室内ユニット110のケーシング(図示省略)内部に設置される。検出部116は、冷媒循環路150からの冷媒の漏洩を検出できれば態様は限定されず、冷媒を検知するセンサであってもよいし、室内ユニット110のケーシング内部の気温や配管の温度の急激な変化により冷媒の漏洩を検出してもよい。検出部116は、冷媒の漏洩を検出すると第1制御部140に冷媒の漏洩を示す信号を送信する。
【0056】
(2-1-1-2)室外ユニット
室外ユニット120は、空調対象空間の外に配置される。室外ユニット120は、たとえば、冷凍サイクル装置100の設置される建物の屋上や、建物に隣接して設置される。室外ユニット120は、室外冷媒流路121と、ガス側分岐配管128と、液側分岐配管129と、室外冷媒流路閉鎖弁130とを有する。
【0057】
室外冷媒流路121は、冷媒循環路150の一部を構成する。室外冷媒流路121は、第1圧縮機122と、室外熱交換器123と、室外膨張機構124と、流路切換機構125と、ガス側接続部126と、液側接続部127とが冷媒配管121aを介して接続されることにより形成される。冷媒配管121aは、第1冷媒配管121bと、第2冷媒配管121cと、第3冷媒配管121dとを含む。
【0058】
第1圧縮機122は、吸入管122aから冷凍サイクルにおける低圧の冷媒を吸入し、圧縮機構(図示省略)で冷媒を圧縮して、圧縮した冷媒を吐出管122bへと吐出する。第1圧縮機122の運転は、第1制御部140により制御される。
【0059】
室外熱交換器123は、室外熱交換器123の内部を流れる冷媒と室外ユニット120の設置場所の空気(熱源空気)との間での熱交換を行う。室外熱交換器123は、冷房運転時には冷媒の放熱器として機能し、暖房運転時には冷媒の蒸発器として機能する。室外熱交換器123の一端は、冷媒配管を介して流路切換機構125に接続される。室外熱交換器123の他端は、冷媒配管を介して室外膨張機構124に接続される。
【0060】
室外膨張機構124は、冷媒循環路150を流れる冷媒の圧力や流量の調節を行う。室外膨張機構124は、図示しないアクチュエータによって開度が調整される電子膨張弁である。室内膨張機構113の開度は、第1制御部140により制御される。室外膨張機構124は、冷媒配管を介して室外熱交換器123と液側接続部127とに接続される。
【0061】
流路切換機構125は、冷媒の流向を切り換えることで、冷媒循環路150の状態を、第1状態と第2状態との間で変更する。冷媒循環路150が第1状態にある時には、室外熱交換器123が冷媒の放熱器として機能し、室内熱交換器112が冷媒の蒸発器として機能する。冷媒循環路150が第2状態にあるときには、室外熱交換器123が冷媒の蒸発器として機能し、室内熱交換器112が冷媒の放熱器として機能する。流路切換機構125は、第1制御部140により制御される。本実施形態では、流路切換機構125は四路切換弁である。ただし、流路切換機構125は四路切換弁に限られるものではない。例えば、流路切換機構125は、複数の電磁弁及び冷媒管が下記のような冷媒の流れ方向の切り換えを実現できるように組み合わせられて構成されてもよい。
【0062】
冷房運転時には、流路切換機構125は冷媒循環路150の状態を第1状態とする。言い換えれば、冷房運転時には、流路切換機構125は、吸入管122aをガス側接続部126と連通させ、吐出管122bを室外熱交換器123と連通させる(
図1中の流路切換機構125内の破線参照)。暖房運転時には、流路切換機構125は、冷媒循環路150の状態を第2状態とする。言い換えれば、暖房運転時には、流路切換機構125は、吸入管122aを室外熱交換器123と連通させ、吐出管122bをガス側接続部126と連通させる(
図1中の流路切換機構125内の実線参照)。
【0063】
ガス側接続部126は、室外冷媒流路121の一端である。ガス側接続部126には、ガス側連絡配管131が接続される。
【0064】
液側接続部127は、室外冷媒流路121の他端である。液側接続部127は、液側連絡配管132が接続される。
【0065】
第1冷媒配管121bは、流路切換機構125及びガス側接続部126を接続する。
【0066】
第2冷媒配管121cは、室外熱交換器123及び室外膨張機構124を接続する。
【0067】
第3冷媒配管121dは、室外膨張機構124及び液側接続部127を接続する。
【0068】
ガス側分岐配管128は、第1冷媒配管121bと冷媒貯留部200とを連通する配管である。本実施形態では、ガス側分岐配管128の一端は、第1冷媒配管121bに接続される。ガス側分岐配管128の他端は、第1接続配管310を介して第1貯留部配管221に連通する。
【0069】
液側分岐配管129は、第2冷媒配管121cと冷媒貯留部200とを連通する配管である。本実施形態では、液側分岐配管129の一端は、第2冷媒配管121cに接続される。液側分岐配管129の他端は、第2接続配管320を介して第2貯留部配管222に連通する。
【0070】
室外冷媒流路閉鎖弁130は、室外冷媒流路121、ガス側分岐配管128、又は液側分岐配管129の所定位置に設けられ、室外冷媒流路121、ガス側分岐配管128、又は液側分岐配管129の連通を許容又は遮断する。室外冷媒流路閉鎖弁130は、手動で開閉操作される。室外冷媒流路閉鎖弁130は、たとえば、冷凍サイクル装置100の設置時等において、室外ユニット120に封入された冷媒が外部に漏洩しないようにするために閉鎖される。室外冷媒流路閉鎖弁130は、冷凍サイクル装置100の設置後には開放される。
【0071】
冷凍サイクル装置100は、4つの室外冷媒流路閉鎖弁130を備える。室外冷媒流路閉鎖弁130は、第1冷媒配管121b、第3冷媒配管121d、ガス側分岐配管128、及び液側分岐配管129に設けられる。
【0072】
(2-1-1-3)ガス側連絡配管及び液側連絡配管
ガス側連絡配管131及び液側連絡配管132は、室内冷媒流路111と室外冷媒流路121とを接続する。
【0073】
ガス側連絡配管131は、室内冷媒流路111のガス側接続部114と室外冷媒流路121のガス側接続部126に接続される。
【0074】
室内冷媒流路111は、室内冷媒流路111の液側接続部115と室外冷媒流路121の液側接続部127に接続される。
【0075】
(2-1-1-4)第1制御部
第1制御部140は、冷凍サイクル装置100及び冷媒貯留部200を構成する各部の動作を制御する。第1制御部140は、室内膨張機構113、検出部116、第1圧縮機122、室外膨張機構124、流路切換機構125、及び後述する貯留部開閉弁230と制御信号や情報のやりとりを行うことが可能に電気的に接続されている。
図3は、第1制御部140の制御ブロック図である。本実施形態では、第1制御部140は、室外ユニット120のケーシング(図示省略)内部に設置される。第1制御部140の設置場所は、限定されず、室外ユニット120のケーシング内部以外であってもよい。
【0076】
第1制御部140は、冷凍サイクル装置100及び冷媒貯留部200を構成する各部の動作を制御して、空調運転と、冷媒貯留運転と、冷媒充填運転を実行する。空調運転は、冷房運転及び暖房運転を含む。冷媒貯留運転は、冷媒循環路150の冷媒を冷媒貯留部200に貯留する運転である。冷媒充填運転は、冷媒貯留部200に貯留した冷媒を冷媒循環路150に充填する運転である。
【0077】
冷凍サイクル装置100Aは第1制御部140Aを備え、冷凍サイクル装置100Bは第1制御部140Bを備える。第1制御部140Aと第1制御部140Bとは、互いに連携して空調運転、冷媒貯留運転、及び冷媒充填運転を実行するため、以下では、第1制御部140Aと第1制御部140Bとをまとめて第1制御部140とよぶ。
【0078】
冷房運転時及び暖房運転時の冷凍サイクル装置100の制御について説明する。冷媒貯留運転及び冷媒充填運転の詳細については、後述する。
【0079】
(冷房運転)
冷凍サイクル装置100に対して冷房運転の実行が指示されると、第1制御部140は、冷媒循環路150の状態が前述の第1状態になるよう、流路切換機構125を
図1において破線で示す状態に制御し、第1圧縮機122を運転する。
【0080】
第1圧縮機122が運転されると、冷凍サイクルにおける低圧のガス冷媒が圧縮されて冷凍サイクルにおける高圧のガス冷媒となる。高圧のガス冷媒は、流路切換機構125を経由して室外熱交換器123に送られ、熱源空気と熱交換を行って凝縮し、高圧の液冷媒となる。高圧の液冷媒は、全開にされた室内膨張機構113及び液側連絡配管132を経由して室内ユニット110へと送られる。室内ユニット110へと送られた気液二相状態の冷媒は、開度が絞られた室内膨張機構113において第1圧縮機122の吸入圧力近くまで減圧されて気液二相状態の冷媒となり室内熱交換器112に送られる。気液二相状態の冷媒は、室内熱交換器112において、空調対象空間の空気と熱交換を行って蒸発して低圧のガス冷媒となる。低圧のガス冷媒は、ガス側連絡配管131を経由して室外ユニット120に送られ、流路切換機構125を経由して、再び、第1圧縮機122に吸入される。室内熱交換器112に供給された空気は、室内熱交換器112を流れる冷媒と熱交換することで温度が低下する。室内熱交換器112で冷却された空気は、空調対象空間に吹き出される。
【0081】
(暖房運転)
冷凍サイクル装置100に対して暖房運転の実行が指示されると、第1制御部140は、冷媒循環路150の状態が前述の第2状態になるよう、流路切換機構125を
図1において実線で示す状態に制御し、第1圧縮機122を運転する。
【0082】
第1圧縮機122が運転されると、冷凍サイクルにおける低圧のガス冷媒が圧縮されて冷凍サイクルにおける高圧のガス冷媒となる。高圧のガス冷媒は、流路切換機構125及びガス側連絡配管131を経由して室内ユニット110へと送られる。室内ユニット110へと送られた冷媒は、室内熱交換器112に送られ空調対象空間の空気と熱交換を行って凝縮し、高圧の液冷媒となる。室内熱交換器112に供給された空気は、室内熱交換器112を流れる冷媒と熱交換することで温度が上昇する。室内熱交換器112で加熱された空気は、空調対象空間に吹き出される。室内熱交換器112から流出する高圧の液冷媒は、全開にされた室内膨張機構113及び液側連絡配管132を経由して室外ユニット120に送られる。室外ユニット120に送られた冷媒は、開度が絞られた室外膨張機構124において第1圧縮機122の吸入圧力近くまで減圧され気液二相状態の冷媒となり室外熱交換器123に送られる。気液二相状態の冷媒は、室外熱交換器123において、熱源空気と熱交換を行って蒸発して低圧のガス冷媒となる。低圧のガス冷媒は、流路切換機構125を経由して、再び、第1圧縮機122に吸入される。
【0083】
第1制御部140は、コンピュータにより実現されるものである。第1制御部140は、制御演算装置と記憶装置とを備える(いずれも図示省略)。制御演算装置には、CPU又はGPUといったプロセッサを使用できる。制御演算装置は、記憶装置に記憶されているプログラムを読み出し、このプログラムに従って所定の画像処理や演算処理を行う。さらに、制御演算装置は、プログラムに従って、演算結果を記憶装置に書き込んだり、記憶装置に記憶されている情報を読み出したりすることができる。記憶装置は、データベースとして用いることができる。第1制御部140により実現される具体的な機能については後述する。
【0084】
なお、ここで説明する第1制御部140の構成は一例に過ぎず、以下で説明する第1制御部140の機能は、ソフトウェアで実現されても、ハードウェアで実現されても、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせで実現されてもよい。
【0085】
(2-1-2)冷媒貯留部
冷媒貯留部200は、後述する貯留運転により冷媒循環路150の冷媒を貯留し、後述する充填運転により貯留した冷媒を冷媒循環路150に充填する。冷媒貯留部200は、冷凍サイクル装置100に接続される。冷媒貯留部200は、貯留容器210と、貯留部配管220と、貯留部開閉弁230とを有する。
【0086】
以下の説明では、冷凍サイクル装置100Aの冷媒を貯留するための貯留部配管220及び貯留部開閉弁230と、冷凍サイクル装置100Bの冷媒を貯留するための貯留部配管220及び貯留部開閉弁230とについての区別が必要な説明では、それぞれの参照符号に「A」又は「B」を付して区別をする。
【0087】
(2-1-2-1)貯留容器
貯留容器210は、冷凍サイクル装置100に充填された冷媒を貯留するための容器である。
【0088】
(2-1-2-2)貯留部開閉弁
貯留部開閉弁230は、貯留部配管220に設けられる。貯留部開閉弁230は、貯留部配管220の連通を許容又は遮断する。貯留部開閉弁230は、電磁開閉弁であって第1制御部140により開閉制御される。
【0089】
貯留部開閉弁230は、第1貯留部開閉弁231と、第2貯留部開閉弁232と、第3貯留部開閉弁233、第4貯留部開閉弁234とを含む。
【0090】
第1貯留部開閉弁231は、第1開閉弁の一例である。第2貯留部開閉弁232は、第2開閉弁の一例である。
【0091】
(2-1-2-3)貯留部配管
貯留部配管220は、第1貯留部配管221と、第2貯留部配管222と、第3貯留部配管223と、第4貯留部配管224とを含む。
【0092】
第1貯留部配管221は、室外冷媒流路121の第1冷媒配管121bと、貯留容器210とを連通させるための配管である。第1貯留部配管221の一端は、貯留容器210に接続される。第1貯留部配管221の他端は、第1接続配管310を介してガス側分岐配管128に接続される。第1貯留部配管221には、第1貯留部開閉弁231が設けられる。第1貯留部配管221は、第1配管の一例である。
【0093】
第2貯留部配管222は、室外冷媒流路121の第2冷媒配管121cと、貯留容器210とを連通させるための配管である。第2貯留部配管222の一端は、貯留容器210に接続される。第2貯留部配管222の他端は、第2接続配管320を介して液側分岐配管129に接続される。第2貯留部配管222には、第2貯留部開閉弁232が設けられる。第2貯留部配管222は、第2配管の一例である。
【0094】
第3貯留部配管223は、冷媒回収装置5を貯留容器210に連通させるための配管である。第3貯留部配管223の一端は、貯留容器210に接続される。第3貯留部配管223の他端は、後述する冷媒貯留運転及び冷媒充填運転に際して、冷媒回収用接続配管600に接続される。第3貯留部配管223には、第3貯留部開閉弁233が設けられる。
【0095】
第4貯留部配管224は、冷媒回収装置5を貯留容器210に連通させるための配管である。第4貯留部配管224の一端は、貯留容器210に接続される。第4貯留部配管224の他端は、後述する冷媒貯留運転に際して、冷媒回収用接続配管600に接続される。第4貯留部配管224には、第4貯留部開閉弁234が設けられる。
【0096】
(2-1-3)第1接続配管
第1接続配管310は、第1冷媒配管121bと、第1貯留部配管221を連通する配管である。第1接続配管310の一端は、ガス側分岐配管128に接続される。第1接続配管310の他端は、第1貯留部配管221に接続される。
【0097】
(2-1-4)第2接続配管
第2接続配管320は、第2冷媒配管121cと、第2貯留部配管222を連通する配管である。第2接続配管320の一端は、液側分岐配管129に接続される。第2接続配管320の他端は、第2貯留部配管222に接続される。
【0098】
(2-2)冷媒回収装置
冷媒回収装置5は、後述する冷媒回収運転により、冷凍サイクル装置100に充填された冷媒を貯留する。冷媒回収装置5は、回収容器510と、第2圧縮機520と、熱交換器530と、切換弁540と、逆止弁550と、回収装置配管560と、回収装置開閉弁570と、第2制御部580とを有する。
【0099】
(2-2-1)回収容器
回収容器510は、冷凍サイクルシステム1の冷媒循環路150の冷媒を回収するための容器である。回収容器510は、たとえば、冷媒を回収するためのボンベである。回収容器510は、冷媒回収装置5から取外し可能であってもよい。
【0100】
(2-2-2)圧縮機
第2圧縮機520は、吸入管520aから冷媒を吸入し、圧縮機構(図示省略)で冷媒を圧縮して、圧縮した冷媒を吐出管520bへと吐出する。第2圧縮機520の運転は、第2制御部580により制御される。
【0101】
(2-2-3)熱交換器
熱交換器530は、熱交換器530の内部を流れる冷媒と冷媒回収装置5の設置場所の空気との間での熱交換を行う。熱交換器530は、後述する第2冷媒回収運転において、ガス冷媒を凝縮させて液冷媒とさせる放熱器として機能する。なお、熱交換器530での熱交換を促進するために、冷媒回収装置5は、熱交換器530に送風する送風ファンをさらに有してもよい。
【0102】
(2-2-4)切換弁
切換弁540は、第1ポートP1と、第2ポートP2と、第3ポートP3とを有する三方弁である。切換弁540は、第1ポートP1と第2ポートP2とが連通された第1状態、第1ポートP1と第3ポートP3とが連通された第2状態、及び第2ポートP2と第3ポートP3とが連通された第3状態、の3つの状態の間で切換わる。切換弁540は、第2制御部580により制御される。
【0103】
(2-2-5)逆止弁
逆止弁550は、回収装置配管560に設けられる。逆止弁550は、回収装置配管560の一端から他端への流れを規制し、他端から一端への流れを許容する弁である。
【0104】
(2-2-6)回収装置開閉弁
回収装置開閉弁570は、回収装置配管560に設けられる。回収装置開閉弁570は、回収装置配管560の連通を許容又は遮断する。回収装置開閉弁570は、電磁開閉弁であって第2制御部580により開閉制御される。
【0105】
回収装置開閉弁570は、第1回収装置開閉弁571と、第2回収装置開閉弁572と、第3回収装置開閉弁573と、第4回収装置開閉弁574とを含む。
【0106】
(2-2-7)回収装置配管
回収装置配管560は、第1回収装置配管561と、第2回収装置配管562と、第3回収装置配管563と、第4回収装置配管564と、第5回収装置配管565と、第6回収装置配管566とを含む。
【0107】
第1回収装置配管561の一端は、回収容器510に接続されている。第1回収装置配管561の他端は、後述する冷媒貯留運転及び冷媒充填運転に際して、冷媒回収用接続配管600に接続される。第1回収装置配管561には、第1回収装置開閉弁571が設けられる。
【0108】
第2回収装置配管562の一端は、回収容器510に接続されている。第2回収装置配管562の他端は、後述する第1冷媒回収運転に際して、冷媒回収用接続配管600に接続される。第2回収装置配管562には、第2回収装置開閉弁572が設けられる。
【0109】
第3回収装置配管563の一端は、第2圧縮機520の吸入管520aに接続されている。第3回収装置配管563の他端は、後述する冷媒貯留運転及び冷媒充填運転に際して、冷媒回収用接続配管600に接続される。第3回収装置配管563には、第3回収装置開閉弁573が設けられる。
【0110】
第4回収装置配管564の一端は、第2圧縮機520の吐出管520bに接続されている。第4回収装置配管564の他端は、熱交換器530の一端に接続されている。第4回収装置配管564には、切換弁540が設けられている。第4回収装置配管564は、切換弁540の第1ポートP1と、第2ポートP2とに接続されている。切換弁540は、第2圧縮機520の吐出管520bを、第6回収装置配管566と熱交換器530とに選択的に連通させる。
【0111】
第5回収装置配管565の一端は、熱交換器530の他端に接続されている。第5回収装置配管565の他端は、後述する冷媒貯留運転及び冷媒充填運転に際して、冷媒回収用接続配管600に接続される。第5回収装置配管565には、逆止弁550が設けられている。逆止弁550は、冷媒回収用接続配管600に接続される端部から熱交換器530が接続される端部への冷媒の流れを規制し、熱交換器530が接続される端部から冷媒回収用接続配管600に接続される端部への流れを許容する。第5回収装置配管565の冷媒回収用接続配管600に接続される端部には、第4回収装置開閉弁574が設けられる。
【0112】
第6回収装置配管566の一端は、切換弁540の第3ポートP3に接続されている。第6回収装置配管566の他端は、冷媒回収用接続配管600に接続される側の端部と、逆止弁550との間に接続されている。言い換えると、第6回収装置配管566は、熱交換器530及び逆止弁550に並列に接続されている。
【0113】
(2-2-8)第2制御部
第2制御部580は、冷凍サイクルシステム1の第1制御部140と連携しつつ、冷媒回収装置5を構成する各部の動作を制御する。第2制御部580は、冷凍サイクルシステム1の室外膨張機構124と、貯留部開閉弁230と、第2圧縮機520と、切換弁540と、回収装置開閉弁570と制御信号や情報のやりとりを行うことが可能に電気的に接続されている。
図4は、第2制御部580の制御ブロック図である。本実施形態では、第2制御部580は、冷媒回収装置5のケーシング(図示省略)内部に設置される。第2制御部580の設置場所は、限定されず、冷媒回収装置5のケーシング内部以外であってもよい。
【0114】
第2制御部580は、第1制御部140と連携しつつ、冷凍サイクルシステム1及び冷媒回収装置5を構成する各部の動作を制御して、冷媒回収運転を実行する。冷媒回収運転は、冷媒貯留部200に回収された冷媒を、冷媒回収装置500に回収する運転である。冷媒回収運転の詳細については、後述する。
【0115】
第2制御部580は、コンピュータにより実現されるものである。第2制御部580は、制御演算装置と記憶装置とを備える(いずれも図示省略)。制御演算装置には、CPU又はGPUといったプロセッサを使用できる。制御演算装置は、記憶装置に記憶されているプログラムを読み出し、このプログラムに従って所定の画像処理や演算処理を行う。さらに、制御演算装置は、プログラムに従って、演算結果を記憶装置に書き込んだり、記憶装置に記憶されている情報を読み出したりすることができる。記憶装置は、データベースとして用いることができる。第2制御部580により実現される具体的な機能については後述する。
【0116】
なお、ここで説明する第2制御部580の構成は一例に過ぎず、以下で説明する第2制御部580の機能は、ソフトウェアで実現されても、ハードウェアで実現されても、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせで実現されてもよい。
【0117】
(3)動作
(3-1)冷凍サイクルシステムの動作
冷凍サイクル装置100の第1制御部140が実行する、冷媒貯留運転及び冷媒充填運転について説明をする。
【0118】
(3-1-1)冷媒貯留運転
冷媒貯留運転は、冷媒循環路150の冷媒を冷媒貯留部200に貯留する運転である。冷媒貯留運転は、たとえば、冷媒循環路150から冷媒が漏洩した際に、さらに冷媒が漏洩することを抑制するために実行される。第1制御部140は、たとえば、冷媒の漏洩を検出した検出部116から送信された冷媒の漏洩を示す信号の受信をきっかけにして冷媒貯留運転を開始する。以下の説明では、冷凍サイクル装置100Aの室内ユニット110Aの1台において、室内熱交換器112Aから冷媒が漏洩した場合を例にして説明をする。冷媒貯留運転は、第1冷媒貯留運転と、第1冷媒貯留運転の終了後に実行される第2冷媒貯留運転を含む。第1冷媒貯留運転は、第1制御の一例である。第2冷媒貯留運転は、第2制御の一例である。
【0119】
(第1冷媒貯留運転)
第1冷媒貯留運転は、冷媒循環路150内の冷媒の内の、主に液冷媒を貯留する運転である。
図5は、第1冷媒貯留運転時の各機器の動作及び冷媒の流れを示した概略構成図である。
【0120】
第1冷媒貯留運転において第1制御部140は、全ての室内ユニット110Aについて、室内膨張機構113Aを開状態とする。また、第1制御部140は、室外ユニット120Aについて、冷凍サイクル装置100Aの室外膨張機構124Aを閉状態とし、流路切換機構125Aを第1状態とし、第1圧縮機122を運転する(On)。さらに、第1制御部140は、冷媒貯留部200について、第2貯留部開閉弁232Aを開状態とし、第2貯留部開閉弁232A以外の貯留部開閉弁230を閉状態とする。具体的には、第1制御部140は、第1貯留部開閉弁231A、第1貯留部開閉弁231B、第2貯留部開閉弁232B、第3貯留部開閉弁233、及び第4貯留部開閉弁234を閉状態とする。
【0121】
第1冷媒貯留運転が実行されることにより、
図5に矢印で示されるように、室内冷媒流路111Aの冷媒は、室外ユニット120Aの第1圧縮機122Aにより吸入される。第1圧縮機122Aに吸入された冷媒は、第1圧縮機122Aから吐出された後、流路切換機構125A及び室外熱交換器123Aを通過する。室外熱交換器123Aを通過した冷媒は室外膨張機構124Aに送られるが、室外膨張機構124Aは閉状態にあることから、液側分岐配管129Aに流入する。液側分岐配管129Aに流入した冷媒は、第2貯留部配管222Aを通過して貯留容器210に流入する。冷媒貯留部200の第2貯留部開閉弁232A以外の貯留部開閉弁230は閉状態にあるため、流入した冷媒は貯留容器210内に貯留される。
【0122】
第1制御部140は、あらかじめ設定された所定時間T1の間、第1冷媒貯留運転を実行すると第1冷媒貯留運転を終了して第2冷媒貯留運転を開始する。所定時間T1は、たとえば、冷媒循環路150A内の液冷媒を貯留容器210に貯留できる長さに設定される。
【0123】
(第2冷媒貯留運転)
第2冷媒貯留運転は、第1冷媒貯留運転の実行によっても貯留容器210に貯留しきれず室外冷媒流路121に残留した、主にガス冷媒を貯留容器210に貯留するための運転である。
図6は、第2冷媒貯留運転時の各機器の動作及び冷媒の流れを示した概略構成図である。
【0124】
第2冷媒貯留運転においては、第1制御部140Aは、冷媒貯留部200について、第1貯留部開閉弁231Aを開状態とする。それ以外の機器については、第1冷媒貯留運転の状態が維持される。
【0125】
第2冷媒貯留運転が実行されることにより、
図6に矢印で示されるように、貯留容器210に貯留された冷媒の内、ガス冷媒が第1貯留部開閉弁231Aを通して第1貯留部配管221Aに流入する。第1貯留部配管221Aに流入した冷媒は、室外冷媒流路121Aに送られて、流路切換機構125Aを通過して第1圧縮機122Aにより吸入される。第1圧縮機122Aに吸入された冷媒は、第1圧縮機122Aから吐出され、室外熱交換器123Aを通過する。室外熱交換器123Aを通過した冷媒は室外膨張機構124Aに送られるが、室外膨張機構124Aは閉状態にあることから、液側分岐配管129Aに流入する。液側分岐配管129Aに流入した冷媒は、第2貯留部配管222Aを通過して貯留容器210に戻る。
【0126】
第1制御部140は、あらかじめ設定された所定時間T2の間、第2冷媒貯留運転を実行すると、第2冷媒貯留運転を終了する。所定時間T2は、たとえば、第1冷媒貯留運転の実行後に冷媒循環路150A内に残留した冷媒を貯留容器210に回収できる長さに設定される。
【0127】
以上説明をしたように、第1制御部140が冷媒貯留運転を実行することにより、冷媒循環路150Aから冷媒が漏洩した場合であっても、冷媒循環路150A内の冷媒が貯留容器210に貯留されるため、さらに冷媒が漏洩することが抑制される。
【0128】
(3-1-2)冷媒充填運転
冷媒充填運転は、冷媒貯留部200に貯留された冷媒を冷媒循環路150に充填する運転である。冷媒充填運転は、たとえば、冷媒の漏洩が修理された冷凍サイクル装置100に冷媒を充填する場合に実行される。以下の説明では、冷凍サイクル装置100Aに冷媒を充填する場合を例にして説明をする。
図7は、冷媒充填運転時の各機器の動作及び冷媒の流れを示した概略構成図である。冷媒充填運転は、第3制御の一例である。
【0129】
冷媒充填運転において第1制御部140は、室外ユニット120Aについて、冷凍サイクル装置100Aの室外膨張機構124Aを開状態とし、流路切換機構125Aを第2状態とし、第1圧縮機122Aを運転する(On)。また、第1制御部140は、冷媒貯留部200について、第1貯留部開閉弁231A及び第2貯留部開閉弁232Aを開状態とし、第1貯留部開閉弁231B、第2貯留部開閉弁232B、第3貯留部開閉弁233、及び第4貯留部開閉弁234を閉状態とする。
【0130】
冷媒充填運転が実行されることにより、
図7に矢印で示されるように、室外ユニット120Aの第1圧縮機122Aの吐出圧が、流路切換機構125、ガス側分岐配管128A、及び第1貯留部配管221Aを経由して貯留容器210内に作用する。貯留容器210内に作用した吐出圧により、貯留容器210内の冷媒は、第2貯留部配管222Aに流入し、液側分岐配管129を経由して冷媒循環路150に充填される。
【0131】
第1制御部140は、あらかじめ設定された所定時間T3の間、冷媒充填運転を実行すると、冷媒充填運転を終了する。所定時間T3は、たとえば、貯留容器210内に貯留された冷媒を冷媒循環路150に充填できる長さに設定される。
【0132】
(3-2)冷媒回収装置の動作
冷媒回収装置5の第2制御部580が実行する、冷媒回収運転について説明をする。
【0133】
(3-2-1)冷媒回収運転
冷媒回収運転は、冷凍サイクルシステム1の冷媒を回収するために実行される運転である。冷媒回収運転は、たとえば、冷凍サイクルシステム1の修理、移動、撤去に際して、冷媒を回収するために実行される。冷媒回収運転は、第1冷媒回収運転と、第1冷媒回収運転の終了後に実行される第2冷媒回収運転を含む。
図8は、第1冷媒回収運転時の各機器の動作及び冷媒の流れを示した概略構成図である。
図9は、第2冷媒回収運転時の各機器の動作及び冷媒の流れを示した概略構成図である。第1冷媒回収運転は、第4制御の一例である。第2冷媒回収運転は、第5制御の一例である。
【0134】
(第1冷媒回収運転)
第1冷媒回収運転は、貯留容器210内の、主に液冷媒を回収する運転である。
【0135】
第1冷媒回収運転が実行されるにあたり、冷凍サイクルシステム1と冷媒回収装置5とは、
図8に示されるように、冷媒回収用接続配管600により接続される。具体的には、第1回収装置配管561は、第1冷媒回収用接続配管610により第4貯留部配管224に接続される。第2回収装置配管562は、第2冷媒回収用接続配管620により第3回収装置配管563に接続される。第4回収装置配管564は、第3冷媒回収用接続配管630により第3貯留部配管223に接続される。冷凍サイクルシステム1と冷媒回収装置5との冷媒回収用接続配管600による接続は、人(作業者等)により行われる。
【0136】
第1冷媒回収運転において第2制御部580は、冷媒回収装置5について、第2圧縮機520を運転し(On)、切換弁540を第2状態とし、全ての回収装置開閉弁570を開状態とする。さらに、第2制御部580は、第1制御部140と連携しつつ、冷媒貯留部200について、第1貯留部開閉弁231及び第2貯留部開閉弁232を閉状態とし、第3貯留部開閉弁233及び第4貯留部開閉弁234を開状態とする。
【0137】
第1冷媒回収運転が実行されることにより、
図8に矢印で示されるように、冷媒回収装置5の第2圧縮機520の吐出圧が、第6回収装置配管566、第5回収装置配管565、第3冷媒回収用接続配管630、及び第3貯留部配管223を経由して貯留容器210に作用する。貯留容器210に作用した吐出圧により、貯留容器210内の冷媒は、第4貯留部配管224、第1冷媒回収用接続配管610、及び第1回収装置配管561を経由して回収容器510に回収される。
【0138】
第2制御部580は、あらかじめ設定された所定時間T4の間、第1冷媒回収運転を実行すると第1冷媒回収運転を終了して第2冷媒回収運転を開始する。所定時間T4は、たとえば、貯留容器210内の液冷媒を回収容器510に回収できる長さに設定される。
【0139】
(第2冷媒回収運転)
第2冷媒回収運転は、第1冷媒回収運転の実行によっても回収しきれず貯留容器210に残留した、主にガス冷媒、及び冷媒循環路150内の液・ガス冷媒を回収容器510に回収するための運転である。
【0140】
第2冷媒回収運転が実行されるにあたり、冷凍サイクルシステム1と冷媒回収装置5とは、
図9に示されるように、冷媒回収用接続配管600により接続される。具体的には、第1回収装置配管561は、第5冷媒回収用接続配管650により第4回収装置配管564に接続される。第3回収装置配管563は、第4冷媒回収用接続配管640により第3貯留部配管223に接続される。冷凍サイクルシステム1と冷媒回収装置5との冷媒回収用接続配管600による接続は、人(作業者等)により行われる。
【0141】
第2冷媒回収運転において第2制御部580は、冷媒回収装置5について、第2圧縮機520を運転し、切換弁540を第1状態とする。また、第2制御部580は、全ての冷凍サイクル装置100について、室外膨張機構124を開状態とする。また、第2制御部580は、冷媒回収装置5について、第2回収装置開閉弁572を除いた回収装置開閉弁570を開状態とする。さらに、第2制御部580は、第1制御部140と連携して、冷媒貯留部200について、第4貯留部開閉弁234を閉状態とし、第4貯留部開閉弁234以外の貯留部開閉弁230を開状態とする。
【0142】
第2冷媒回収運転が実行されることにより、
図9に矢印で示されるように、冷媒回収装置5の第2圧縮機520の吸入圧が、第3回収装置配管563、第4冷媒回収用接続配管640、及び第3貯留部配管223を経由して貯留容器210に作用する。貯留容器210に作用した吸入圧は、さらに、第1貯留部配管221及びガス側分岐配管128と、第2貯留部配管222及び液側分岐配管129とを経由して冷媒循環路150に作用する。吸入圧が作用することにより、冷媒循環路150内の冷媒は、第1貯留部配管221及びガス側分岐配管128と、第2貯留部配管222及び液側分岐配管129とを経由して貯留容器210に流入する。貯留容器210に流入した冷媒は、第4冷媒回収用接続配管640を経由して冷媒回収装置5に流入する。冷媒回収装置5に流入した冷媒は、第3回収装置配管563を経由して、第2圧縮機520に吸入される。第2圧縮機520から吐出された冷媒は、第4冷媒回収用接続配管640、熱交換器530、第5冷媒回収用接続配管650、逆止弁550、第5冷媒回収用接続配管650、及び第1回収装置配管561を通過して、回収容器510に回収される。第2圧縮機520から吐出された冷媒は、熱交換器530を通過する際に、冷媒回収装置5の設置場所の空気との間での熱交換を行い凝縮するため、回収容器510には、主に液冷媒が回収される。
【0143】
第2制御部580は、あらかじめ設定された所定時間T5の間、第2冷媒回収運転を実行すると、第2冷媒回収運転を終了する。所定時間T5は、たとえば、冷凍サイクルシステム1の冷媒循環路150内の冷媒を回収容器510に回収できる長さに設定される。
【0144】
(4)特徴
(4-1)
冷凍サイクルシステム1は、冷凍サイクル装置100と、冷媒貯留部200とを備える。冷凍サイクル装置100は、室内冷媒流路111を有する室内ユニット110、室外冷媒流路121を有する室外ユニット120、ならびに室内冷媒流路111と室外冷媒流路121とを接続するガス側連絡配管131及び液側連絡配管132を含む。冷媒貯留部200は、室内冷媒流路111、室外冷媒流路121、ガス側連絡配管131、及び液側連絡配管132により形成される冷媒循環路150の中の冷媒を貯留する。
【0145】
室外冷媒流路121は、第1圧縮機122と、室外熱交換器123と、室外膨張機構124と、ガス側連絡配管131が接続されるガス側接続部126と、液側連絡配管132が接続される液側接続部127と、室外膨張機構124及びガス側接続部126を接続する第1冷媒配管121bと、室外熱交換器123及び室外膨張機構124を接続する第2冷媒配管121cと、室外膨張機構124及び液側接続部127を接続する第3冷媒配管121dとを有する。冷媒貯留部200は、第1貯留部配管221及び第2貯留部配管222によって冷媒循環路150に連通する。
【0146】
第1貯留部配管221は、第1冷媒配管121bと冷媒貯留部200とを、又はガス側連絡配管131と、冷媒貯留部200とを連通させる。第2貯留部配管222は、第2冷媒配管121cと冷媒貯留部200とを連通させる。
【0147】
従来技術に係る冷凍サイクル装置では、室内ユニットにおいて冷媒の漏洩が検知されると、室内ユニットの冷媒を室外ユニットに回収していた。しかしながら、室外ユニットの冷媒流路に貯留できる冷媒の量は限定される。特に、近年は、技術の進展によって室外ユニットや室外ユニットに用いられる室外熱交換器はコンパクト化しており、室外ユニットに貯留可能な冷媒の量は減少している。
【0148】
本開示の実施形態に係る冷凍サイクルシステム1は、冷凍サイクル装置100とは別に設けた冷媒貯留部200に、第1貯留部配管221と第2貯留部配管222とによって、冷媒循環路150の中の冷媒を貯留することができる。したがって、冷凍サイクルシステム1は、室外冷媒流路121に貯留する場合と比べて多くの冷媒を冷媒貯留部200貯留することができる。
【0149】
(4-2)
冷凍サイクルシステム1は、冷凍サイクル装置100を複数備える。
【0150】
冷凍サイクルシステム1は、冷凍サイクル装置100とは別に設けた冷媒貯留部200に、冷媒循環路150の中の冷媒を貯留することができる。したがって、冷凍サイクルシステム1は、冷凍サイクル装置100を複数備えることにより多くの冷媒が冷媒循環路150に充填されている場合であっても、冷媒貯留部200に冷媒を貯留することができる。
【0151】
(4-3)
冷凍サイクル装置100は、室内ユニット110を複数有する。
【0152】
ビル用マルチタイプのように1台の室外ユニットに対して複数の室内ユニットを設けた冷凍サイクル装置の場合、1台の室外ユニットに対して1台の室内ユニットを設けた冷凍サイクル装置と比べて、室外ユニットと複数の室内ユニットとを連結するための連絡配管が長くなり、室内ユニット全体での冷媒循環路の容積も増加することから、充填された冷媒量も多い。
【0153】
冷凍サイクルシステム1は、冷凍サイクル装置100とは別に設けた冷媒貯留部200に、冷媒循環路150の中の冷媒を貯留することができる。したがって、冷凍サイクルシステム1は、室内ユニット110を複数有することにより多くの冷媒が冷媒循環路150に充填されている場合であっても、冷媒貯留部200に冷媒を貯留することができる。
【0154】
(4-4)
冷凍サイクルシステム1は、第1貯留部開閉弁231と、第2貯留部開閉弁232とをさらに備える。第1貯留部開閉弁231は、第1冷媒配管121bと冷媒貯留部200との間、又はガス側連絡配管131と冷媒貯留部200との間での冷媒の流れを許容又は遮断する。第2貯留部開閉弁232は、第2冷媒配管121cと冷媒貯留部200との間での冷媒の流れを許容又は遮断する。
【0155】
(4-5)
冷凍サイクルシステム1は、第1制御部140をさらに備える。第1制御部140は、第1圧縮機122、室外膨張機構124及び流路切換機構125を制御する。流路切換機構125は、室外熱交換器123を凝縮器として機能させる第1状態、又は室外熱交換器123を蒸発器として機能させる第2状態をとる。第1制御部140は、第1冷媒貯留運転と第2冷媒貯留運転とを含む、第冷媒貯留運転を実行する。第1制御部140は、第1冷媒貯留運転が終了すると、第2冷媒貯留運転を実行する。第1冷媒貯留運転では、第1制御部140は、流路切換機構125を第1状態とし、室外膨張機構124を閉状態とし、第1圧縮機122を運転することにより冷媒を冷媒貯留部200に貯留する。第2冷媒貯留運転では、第1制御部140は、第1圧縮機122を運転し、第1貯留部開閉弁231を開状態としてガス冷媒を冷媒貯留部200に貯留する。
【0156】
本特徴により、冷凍サイクルシステム1は、第1制御部140に冷媒貯留運転を実行させることによって、自動的に冷媒貯留部200に冷媒を貯留させることができる。
【0157】
(4-6)
第1制御部140は、冷媒充填運転を実行する。冷媒充填運転では、第1制御部140は、流路切換機構125を第2状態とし、室外膨張機構124を開状態とし、第1圧縮機122を運転することにより冷媒貯留部200の内部の冷媒を冷媒循環路150に充填する。
【0158】
本特徴により、冷凍サイクルシステム1は、冷媒貯留部200に貯留させた冷媒を、冷凍サイクル装置100の冷媒循環路150へ充填させることができる。
【0159】
(4-7)
室外冷媒流路121は、液側分岐配管129をさらに有する。液側分岐配管129は、第1冷媒配管121bに接続される。第2貯留部配管222は、液側分岐配管129に連通する。
【0160】
(4-8)
室外冷媒流路121は、ガス側分岐配管128をさらに有する。ガス側分岐配管128は、第2冷媒配管121cに接続される。第1貯留部配管221は、ガス側分岐配管128に連通する。
【0161】
(4-9)
室外ユニット120は、4つの室外冷媒流路閉鎖弁130を有する。室外冷媒流路閉鎖弁130は、室外冷媒流路121の連通を許容又は遮断する。室外冷媒流路閉鎖弁130は、第1冷媒配管121b、第3冷媒配管121d、ガス側分岐配管128、及び液側分岐配管129に設けられる。
【0162】
室外冷媒流路閉鎖弁130が閉鎖されることにより、冷凍サイクル装置100の設置時等において、室外ユニット120に封入された冷媒が外部に漏洩することを抑制できる。
【0163】
(4-10)
室内冷媒流路111は、室内熱交換器112を有する。室内ユニット110は、冷媒の漏洩を検出する検出部116を有する。第1制御部140は、検出部160が冷媒の漏洩を検出すると、第1冷媒貯留運転を実行する。
【0164】
本特徴により、冷凍サイクルシステム1は、室内ユニット110での冷媒の漏洩の検出をきっかけにして第1制御部140に冷媒貯留運転を実行させる。これにより、室内ユニット110で冷媒が漏洩しても自動的に冷媒貯留部200に冷媒を貯留させることができるため、冷媒の大気放出を抑制できる。
【0165】
(4-11)
冷媒は、可燃性又は毒性を有する。
【0166】
冷凍サイクルシステム1は、可燃性又は毒性を有する冷媒が漏洩しても、自動的に冷媒貯留部200に冷媒を貯留させることができるため、冷媒の漏洩による空調対象空間の汚染を抑制できる。
【0167】
(4-12)
冷媒回収装置5は、上述の冷凍サイクルシステム1の冷媒を回収する。冷媒回収装置5は、回収容器510と、第2圧縮機520と、第2制御部580と、を備える。回収容器510は、冷媒を収容する。第2圧縮機520は、冷凍サイクルシステム1の冷媒貯留部200の内部に所定の圧力を作用させる。第2制御部580は、第2圧縮機520を制御する。第2制御部580は、第2圧縮機520を制御して、冷凍サイクルシステム1の冷媒循環路150の冷媒を回収容器510に回収する。
【0168】
本特徴により、冷媒回収装置5は、冷媒貯留部200に貯留された冷媒を回収容器510に回収できる。特に、冷媒回収装置5は、複数の冷凍サイクル装置100の冷媒を貯留した冷媒貯留部200から冷媒を回収できる。このため、ビル用マルチタイプのような複数の室内ユニット110を有する冷凍サイクルシステム1であっても、各冷凍サイクル装置100について冷媒回収作業を行う場合と比較して、短時間で冷媒を回収できる。
【0169】
(4-13)
第2制御部580は、第1冷媒回収運転と第2冷媒回収運転とを含む冷媒回収運転を実行する。第2制御部580は、第1冷媒回収運転が終了すると、第2冷媒回収運転を実行する。第1冷媒回収運転では、第2制御部580は、第2圧縮機520を制御して冷媒貯留部200の内部に第2圧縮機520の吐出圧を作用させて、冷媒を回収容器510へ流入させる。第2冷媒回収運転では、第2制御部580は、第2圧縮機520を制御して冷媒貯留部200の内部に第2圧縮機520の吸入圧を作用させて、冷媒を回収容器510へ流入させる。
【0170】
本特徴により、冷媒回収装置5は、第2制御部580に冷媒回収運転を実行させることにより、自動的に冷媒貯留部200に貯留された冷媒を回収容器510に回収できる。
【0171】
(5)変形例
(5-1)変形例1A
上述の実施形態では、第1貯留部配管221は、第1接続配管310及びガス側分岐配管128を介して第1冷媒配管121bと冷媒貯留部200とを連通させた。しかしながら、冷媒貯留部200と冷媒循環路150との連通は、この態様に限定されない。
図10は、変形例1Aに係る冷凍サイクルシステム1の概略構成図である。
【0172】
変形例1Aに係る冷凍サイクルシステム1では、冷凍サイクル装置100はガス側分岐配管128を有さない。変形例1Aに係る冷凍サイクルシステム1では、一端が第1貯留部配管221に接続された第1接続配管310は、他端がガス側接続部126に接続される。
【0173】
変形例1Aに係る冷凍サイクルシステム1では、ガス側分岐配管128及びガス側分岐配管128に設けられる室外冷媒流路閉鎖弁130が不要であるため、上述の実施形態と比べて製造コストの増加が抑制される。
【0174】
また、図示は省略するが、第1貯留部配管221は、ガス側連絡配管131に接続されてもよい。
【0175】
(5-2)変形例1B
冷媒貯留部200は、上述の実施形態で説明した態様に限定されない。
図11は、変形例1Bに係る冷媒貯留部201の概略構成図である。
【0176】
冷媒貯留部200と、冷媒貯留部201との相違点は、第2貯留部配管222である。具体的には、第2貯留部配管222は、互いに並列に接続された、逆止弁241と、減圧器242とを有する。
【0177】
逆止弁241は、第2貯留部配管222の液側分岐配管129が接続される端部から第2貯留部開閉弁232へ向かう冷媒の流れを許容し、第2貯留部開閉弁232から液側分岐配管129が接続される端部へ向かう冷媒の流れを規制する。
【0178】
逆止弁241及び減圧器242は、冷媒充填運転において冷媒貯留部201から第2貯留部配管222及び液側分岐配管129を経由して冷媒循環路150に充填される冷媒が、室外膨張機構124で減圧されることなく室外熱交換器123に流入することで、室外熱交換器123で十分に蒸発ができないことを抑制するために設けられる。
【0179】
冷媒貯留部201によれば、冷媒充填運転において冷媒貯留部201から第2貯留部配管222に流入し冷媒循環路150に充填される冷媒は、減圧器242で所定の圧力まで減圧される。このため、冷媒充填運転において冷媒循環路150に充填された冷媒は、室外膨張機構124で減圧されることなく室外熱交換器123に流入しても、室外熱交換器123で十分に蒸発できる。
【0180】
また、冷媒貯留部201は、減圧器242と並列に設けられた逆止弁241を備えるため、冷媒貯留運転においては、液側分岐配管129からの冷媒を減圧させることなく貯留容器210に流入させることができる。
【0181】
(5-3)変形例1C
図12は、変形例1Cに係る冷媒貯留部202の概略構成図である。冷媒貯留部200と、冷媒貯留部202との相違点は、第2貯留部開閉弁232が膨張機構250である点である。
【0182】
膨張機構250は、第2貯留部配管222を流れる冷媒の圧力や流量の調節を行う、全閉可能な膨張機構である。膨張機構250は、図示しないアクチュエータによって開度が調整される電子膨張弁である。膨張機構250の開度は、第1制御部140により制御される。具体的には、第1制御部140は、冷媒貯留運転時に、膨張機構250の開度を制御して液側分岐配管129から流入する冷媒を減圧する。なお、変形例1Cに係る冷媒貯留部202を用いた冷凍サイクルシステム1において、冷媒貯留運転及び冷媒充填運転を行う場合は、膨張機構250は、第1制御部140により開閉する。
【0183】
冷媒貯留部202によれば、第2貯留部配管222から流入する冷媒の圧力を、膨張機構250を設けない場合と比べて低減できる。このため、貯留容器210の耐圧を低く設定でき、貯留容器210の製造コストが低く抑えられる。
【0184】
(5-4)変形例1D
第1制御部140が実行する冷媒貯留運転は、上述した態様に限定されない。変形例1Dに係る冷凍サイクルシステム1では、第1制御部140は、冷凍サイクル装置100Aの第1圧縮機122Aを運転せず、冷凍サイクル装置100Bの第1圧縮機122Bを運転することにより冷媒貯留運転を実行する。
図13は、変形例1Dに係る冷凍サイクルシステム1で実行される冷媒貯留運転時の各機器の動作及び冷媒の流れを示した概略構成図である。変形例1Dに係る冷凍サイクルシステム1で第1制御部140が実行する冷媒貯留運転は、冷凍サイクル装置100Bの冷媒を、冷媒貯留部200を通じて、冷媒回収装置5によって回収容器510に回収した後に実行される。以下では、冷凍サイクル装置100Bの冷媒を、冷媒貯留部200を通じて、冷媒回収装置5によって回収容器510に回収した後の状態から説明を始める。
【0185】
冷媒貯留運転において第1制御部140は、全ての室内ユニット110について、室内膨張機構113Aを開状態とし、第1圧縮機122Aを運転しない(Off)。また、第1制御部140は、室外ユニット120Aについて、室外膨張機構124Aを開状態とし、流路切換機構125Aを第1状態とする。さらに、第1制御部140は、冷媒貯留部200について、第1貯留部開閉弁231A、第1貯留部開閉弁231B、第2貯留部開閉弁232A、第3貯留部開閉弁233、及び第4貯留部開閉弁234を開状態とし、第2貯留部開閉弁232Bを閉状態とする。貯留部開閉弁230の操作は、人(作業者等)により行われても良い。
【0186】
冷媒貯留運転において第1制御部140は、室外ユニット120Bについて、室外膨張機構124Bを閉状態とし、流路切換機構125Bを第1状態とし、第1圧縮機122Bを運転する(On)。
【0187】
変形例Dに係る冷媒貯留運転が実行されることにより、第1圧縮機122Bの吸入圧は、ガス側分岐配管128B及び第1貯留部配管221Bを経由して貯留容器210に作用する。同時に、第1圧縮機122Bの吸入圧は、第2貯留部配管222を経由して貯留容器210に作用する。これにより、
図13に示されるように、貯留容器210を経由した第1圧縮機122Bの吸入圧が室内冷媒流路111Aに作用するため、冷媒循環路150の冷媒がガス側分岐配管128A及び第1貯留部配管221又は液側分岐配管129A及び第2貯留部配管222を経由して貯留容器210に貯留される。
【0188】
このように、変形例1Dに係る冷凍サイクルシステム1では、冷凍サイクル装置100Aの第1圧縮機122Aが運転しなくても、第1圧縮機122Bによって冷媒循環路150Aの冷媒を貯留容器210に貯留することができる。このため、同じ冷媒貯留部200に連通する複数の冷凍サイクル装置100のうち、いずれかの冷凍サイクル装置100の第1圧縮機122が故障などにより運転しない場合であっても、冷媒を貯留することができる。なお、この後に行われる冷媒回収装置5による回収容器510への冷媒回収運転については、前述した運転と同じであるため説明を省略する。
【0189】
(5-5)変形例1E
第1制御部140が実行する冷媒充填運転は、上述した態様に限定されない。以下の説明では、冷凍サイクル装置100Aに冷媒を充填する場合を例にして説明をする。
図14は、変形例1Eに係る冷凍サイクルシステム1で実行される冷媒充填運転時の各機器の動作及び冷媒の流れを示した概略構成図である。
【0190】
冷媒充填運転において第1制御部140は、室外ユニット120Aについて、冷凍サイクル装置100Aの室外膨張機構124Aを開状態とし、流路切換機構125Aを第1状態とし、第1圧縮機122Aを運転する(On)。また、第1制御部140は、冷媒貯留部200について、第1貯留部開閉弁231Aを開状態とし、第1貯留部開閉弁231B、第2貯留部開閉弁232A、第2貯留部開閉弁232B、第3貯留部開閉弁233、及び第4貯留部開閉弁234を閉状態とする。
【0191】
冷媒充填運転が実行されることにより、
図14に矢印で示されるように、室外ユニット120Aの第1圧縮機122Aの吸入圧が、流路切換機構125、ガス側分岐配管128A、及び第1貯留部配管221Aを経由して貯留容器210内に作用する。貯留容器210内に作用した吸入圧により、貯留容器210内の冷媒は、第1貯留部配管221Aに流入し、ガス側分岐配管128を経由して冷媒循環路150に充填される。
【0192】
(5-6)変形例1F
上述の第1制御部140は、冷媒貯留運転において、全ての室内ユニット110について室内膨張機構113を開状態としたが、冷媒が漏洩している室内ユニット110だけについて室内膨張機構113を閉状態としてもよい。たとえば、変形例1Fに係る第1制御部140は、室内熱交換器112の一部に比較的大きな穴が開く等して急速に冷媒が漏洩した場合には、漏洩が発生した室内ユニット110の室内膨張機構113を閉状態とする。これにより、変形例1Fに係る第1制御部140によれば、室内熱交換器112から冷媒循環路150内の冷媒が大量に漏洩することを抑制しながら、冷媒貯留部200への冷媒の貯留を行うことができる。
【0193】
(5-7)変形例1G
室外冷媒流路閉鎖弁130が配置される位置は、上述の位置に限定されない。
図15は、変形例1Gに係る冷凍サイクルシステム1を示す概略構成図である。変形例1Gに係る冷凍サイクルシステム1の冷凍サイクル装置100は、3つの室外冷媒流路閉鎖弁130を備える。室外冷媒流路閉鎖弁130は、第1冷媒配管121bの流路切換機構125とガス側分岐配管128の接続箇所との間、第3冷媒配管121d、及び液側分岐配管129に設けられる。これにより、変形例1Gに係る冷凍サイクルシステム1の冷凍サイクル装置100によれば、上述の実施形態と比べて室外冷媒流路閉鎖弁130の数を減らすことができるため製造コストの増加が抑制される。
【0194】
(5-8)変形例1H
図16は、変形例1Hに係る冷凍サイクルシステム1を示す概略構成図である。変形例1Hに係る冷凍サイクルシステム1の冷凍サイクル装置100は、2つの室外冷媒流路閉鎖弁130を備える。室外冷媒流路閉鎖弁130は、第1冷媒配管121bの流路切換機構125とガス側分岐配管128の接続箇所との間、及び第2冷媒配管121cの室外熱交換器123と液側分岐配管129の接続箇所と間に設けられる。これにより、変形例1Hに係る冷凍サイクルシステム1の冷凍サイクル装置100によれば、上述の実施形態及び変形例1Gと比べて室外冷媒流路閉鎖弁130の数を減らすことができるため製造コストの増加が抑制される。
【0195】
<第2実施形態>
(1)全体構成
本開示の第2実施形態に係る冷凍サイクルシステム2について、冷凍サイクルシステム1と相違を中心に説明する。
図17は、冷凍サイクルシステム2を示す概略構成図である。冷凍サイクルシステム2は、冷凍サイクル装置101A及び冷凍サイクル装置101Bと、1台の冷媒貯留部201と、第1接続配管311と、第2接続配管321とを備える。各冷凍サイクル装置101は、第1接続配管311及び第2接続配管321を介して冷媒貯留部201に連通される。
【0196】
詳細は後述するが、冷凍サイクルシステム1と冷凍サイクルシステム2との相違点は、第1貯留部開閉弁231及び第2貯留部開閉弁232が設けられる位置と、第1貯留部配管221、第2貯留部配管222、及び室外冷媒流路閉鎖弁130の数、並びに第1接続配管311及び第2接続配管321の形状である。
【0197】
(2)詳細構成
(2-1)冷凍サイクルシステム
(2-1-1)冷凍サイクル装置
冷凍サイクル装置100と冷凍サイクル装置101との相違点は、冷凍サイクルシステム1では冷媒貯留部200が有していた第1貯留部開閉弁231及び第2貯留部開閉弁232を冷凍サイクル装置101が有している点である。冷凍サイクル装置101では、第1貯留部開閉弁231は、室外冷媒流路閉鎖弁130に代えてガス側分岐配管128に設けられている。また、第2貯留部開閉弁232は、室外冷媒流路閉鎖弁130に代えて液側分岐配管129に設けられる。したがって、冷凍サイクル装置101の室外ユニット120は、2つの室外冷媒流路閉鎖弁130を有する。
【0198】
(2-1-2)冷媒貯留部
冷媒貯留部200と冷媒貯留部201との相違点は、冷媒貯留部201が、1つの第1貯留部配管221と、1つの第2貯留部配管222とを有している点、及び第1貯留部開閉弁231及び第2貯留部開閉弁232を有さない点である。
【0199】
(2-1-3)第1接続配管
第1接続配管311と、第1接続配管311との相違点は、第1接続配管311が2つの配管を接続して形成されている点である。第1接続配管311は、主配管311aと、分岐配管311bとを有する。主配管311aの一端は、ガス側分岐配管128Aに接続される。主配管311aの他端は、ガス側分岐配管128Bに接続される。分岐配管311bの一端は、主配管311aに接続される。分岐配管311bの他端は、冷媒貯留部201の第1貯留部配管221に接続される。
【0200】
(2-1-4)第2接続配管
第2接続配管321と、第2接続配管321との相違点は、第2接続配管321が2つの配管を接続して形成されている点である。第2接続配管321は、主配管321aと、分岐配管321bとを有する。主配管321aの一端は、液側分岐配管129Aに接続される。主配管321aの他端は、液側分岐配管129Bに接続される。分岐配管321bの一端は、主配管321aに接続される。分岐配管321bの他端は、冷媒貯留部201の第2貯留部配管222に接続される。
【0201】
(3)動作
(3-1)冷凍サイクル装置の動作
(3-1-1)冷媒貯留運転及び冷媒充填運転
冷凍サイクルシステム2の冷媒貯留運転及び冷媒充填運転における各機器の動作についは、冷凍サイクルシステム1と同様であるため、説明は省略する。
【0202】
冷凍サイクルシステム2の冷媒貯留運転及び冷媒充填運転における冷媒の流れについては、冷凍サイクルシステム1と比べて冷凍サイクル装置101又は冷媒貯留部201から流出した冷媒が流れる経路が異なる。具体的には、第1冷媒貯留運転及び第2冷媒貯留運転において、冷媒貯留運転を実行する側の冷凍サイクル装置101の液側分岐配管129から流出した冷媒は、第2接続配管321の主配管321aに流入した後、分岐配管321bを経由して冷媒貯留部201へ流入する。
【0203】
また、第2冷媒貯留運転において冷媒貯留部201から流出した冷媒は、第1接続配管311の分岐配管311bに流入した後、主配管311aを経由して冷媒貯留運転を実行する側の冷凍サイクル装置101に流入する。
【0204】
さらに、冷媒充填運転において冷媒貯留部201から流出した冷媒は、第2接続配管321の分岐配管321bに流入した後、主配管321aを経由して充填運転を実行する側の冷凍サイクル装置101に流入する。
【0205】
(3-1-2)冷媒回収運転
冷凍サイクルシステム2の冷媒回収運転における各機器の動作については、冷凍サイクルシステム1と同様であるため、説明を省略する。
【0206】
冷凍サイクルシステム2の冷媒回収運転における冷媒の流れについては、冷凍サイクルシステム1と比べて冷凍サイクル装置101から流出した冷媒が流れる経路が異なる。具体的には、第2冷媒回収運転において、冷凍サイクル装置101のガス側分岐配管128から流出した冷媒は、第1接続配管311の主配管311aに流入した後、分岐配管311bを経由して冷媒貯留部201へ流入する。
【0207】
また、第2冷媒回収運転において、冷凍サイクル装置101の液側分岐配管129から流出した冷媒は、第2接続配管321の主配管321aに流入した後、分岐配管321bを経由して冷媒貯留部201へ流入する。
【0208】
(4)特徴
(4-1)
冷凍サイクルシステム2では、各冷凍サイクル装置101に第1貯留部開閉弁231及び第2貯留部開閉弁232を設け、全ての冷凍サイクル装置101と冷媒貯留部201とを、第1接続配管311及び第2接続配管321を介して、1つの第1貯留部配管221a及び1つの第2貯留部配管222aで連通させた。
【0209】
本特徴によれば、冷凍サイクルシステム1のように全ての冷凍サイクル装置100ごとに、第1貯留部配管221及び第2貯留部配管222を設ける必要がない。したがって、冷凍サイクルシステム2では、冷凍サイクルシステム1と比べて、簡単に冷凍サイクル装置101と冷媒貯留部201とを接続できる。
【0210】
<第3実施形態>
(1)全体構成
本開示の第3実施形態に係る冷媒回収装置6について、冷媒回収装置5との相違点を中心に説明する。
図18は、冷媒回収装置6を示す概略構成図である。
【0211】
冷媒回収装置6は、回収容器510と、第2圧縮機520と、熱交換器530と、切換弁540と、逆止弁550と、回収装置配管560と、回収装置開閉弁570と、第2制御部581と、冷媒回収用接続配管600とを有する。
【0212】
詳細は後述するが、冷媒回収装置6は、冷媒回収運転時には、第6冷媒回収用接続配管660及び第7冷媒回収用接続配管670により冷凍サイクルシステム1に接続される。
【0213】
(2)詳細構成
(2-1)冷媒回収用接続配管
冷媒回収用接続配管600は、第8冷媒回収用接続配管680と、第9冷媒回収用接続配管690とを含む。
【0214】
(2-2)切換弁
切換弁540は、第1切換弁541と、第2切換弁542と、第3切換弁543と、第4切換弁544とを含む。
【0215】
(2-3)回収装置開閉弁
回収装置開閉弁570は、第5回収装置開閉弁575と、第6回収装置開閉弁576と、第7回収装置開閉弁577とを含む。
【0216】
(2-4)回収装置配管
回収装置配管560は、第1回収装置配管561と、第2回収装置配管562と、第3回収装置配管563と、第4回収装置配管564と、第5回収装置配管565と、第6回収装置配管566と、第7回収装置配管567と、第8回収装置配管568と、第9回収装置配管569とを含む。
【0217】
第1回収装置配管561の一端は、回収容器510に接続されている。第1回収装置配管561の他端は、第8冷媒回収用接続配管680の一端に接続される。第1回収装置配管561には、第5回収装置開閉弁575が設けられている。
【0218】
第2回収装置配管562の一端は、回収容器510に接続されている。第2回収装置配管562の他端は、第9冷媒回収用接続配管690の一端に接続される。第2回収装置配管562には、第6回収装置開閉弁576が設けられている。
【0219】
第3回収装置配管563の一端は、第2圧縮機520の吸入管520aに接続されている。第3回収装置配管563の他端は、第5回収装置配管565の第7冷媒回収用接続配管670に接続される端部と第3切換弁543との間に接続される。第3回収装置配管563には、第2切換弁542が設けられている。第3回収装置配管563は、第2切換弁542の第1ポートP1と、第2ポートP2とに接続されている。第2切換弁542は、第2圧縮機520の吸入管520aを、回収容器510と冷媒貯留部200とに選択的に連通させる。
【0220】
第4回収装置配管564の一端は、第2圧縮機520の吐出管520bに接続されている。第4回収装置配管564の他端は、熱交換器530に接続されている。第4回収装置配管564には、第4切換弁544が設けられている。第4回収装置配管564は、第4切換弁544の第1ポートP1と、第2ポートP2とに接続されている。
【0221】
第5回収装置配管565の一端は、熱交換器530の他端に接続されている。第5回収装置配管565の他端は、冷媒貯留運転及び冷媒充填運転に際して、第7冷媒回収用接続配管670に接続される。第5回収装置配管565には、熱交換器530側から順に、逆止弁550及び第3切換弁543が設けられている。第5回収装置配管565は、第3切換弁543の第1ポートP1と、第2ポートP2とに接続されている。逆止弁550は、冷媒回収用接続配管600に接続される端部から熱交換器530が接続される端部への冷媒の流れを規制し、熱交換器530が接続される端部から冷媒回収用接続配管600に接続される端部への流れを許容する。第3切換弁543は、熱交換器530又は第6回収装置配管566を介して、第2圧縮機520の吐出管520bを、第1切換弁541と冷媒貯留部200とに選択的に連通させる。
【0222】
第6回収装置配管566の一端は、第4切換弁544の第3ポートP3に接続されている。第6回収装置配管566の他端は、第5回収装置配管565の第3切換弁543と逆止弁550との間に接続されている。第6回収装置配管566は、熱交換器530に並列に接続されている。
【0223】
第7回収装置配管567の一端は、媒貯留運転及び冷媒充填運転に際して、第6冷媒回収用接続配管660に接続される。第7回収装置配管567の他端は、第8冷媒回収用接続配管680に接続される。第7回収装置配管567には、第1切換弁541が設けられている。第7回収装置配管567は、第1切換弁541の第1ポートP1と、第2ポートP2とに接続されている。第1切換弁541は、回収容器510を、冷媒貯留部200と第3切換弁543とに選択的に連通させる。
【0224】
第8回収装置配管568の一端は、第2切換弁542の第3ポートP3に接続されている。第8回収装置配管568の他端は、第9冷媒回収用接続配管690に接続される。第8回収装置配管568には、第7回収装置開閉弁577が設けられている。
【0225】
第9回収装置配管569の一端は、第3切換弁543の第3ポートP3に接続されている。第9回収装置配管569の他端は、第1切換弁541の第3ポートP3に接続されている。
【0226】
(2-5)第2制御部
第2制御部581は、冷凍サイクルシステム1及び冷媒回収装置6を構成する各部の動作を制御する。第2制御部580と第2制御部581との相違点は、第2制御部581が実行する冷媒回収運転の内容である。第2制御部581が実行する冷媒回収運転については、後述する。
【0227】
(3)動作
(3-1)冷媒回収装置の動作
冷媒回収装置6の第2制御部581が実行する、冷媒回収運転について説明をする。
【0228】
(3-1-1)冷媒回収運転
冷媒回収運転は、第1冷媒回収運転と、第1冷媒回収運転の終了後に実行される第2冷媒回収運転を含む。
図19は、第1冷媒回収運転時の各機器の動作及び冷媒の流れを示した概略構成図である。
図20は、第2冷媒回収運転時の各機器の動作及び冷媒の流れを示した概略構成図である。
【0229】
冷媒回収運転が実行されるにあたり、冷凍サイクルシステム1と冷媒回収装置6とは、
図19及び
図20に示されるように、冷媒回収用接続配管600により接続される。具体的には、第7回収装置配管567は、第6冷媒回収用接続配管660により第3貯留部配管223に接続される。第5回収装置配管565は、第7冷媒回収用接続配管670により第4回収装置配管564に接続される。
【0230】
(第1冷媒回収運転)
第1冷媒回収運転において第2制御部581は、冷媒回収装置6について、第2圧縮機520を運転し、切換弁540を所定の状態とする。具体的には、第2制御部581は、第1切換弁541を第1状態とし、第2切換弁542を第3状態とする。第3切換弁543を第2状態とし、第4切換弁544を第3状態とする。これにより、第1切換弁541は、回収容器510を冷媒貯留部200に連通させる。第2切換弁542は、第2圧縮機520の吸入管520aを回収容器510に連通させる。第3切換弁543は、第6回収装置配管566を介して第2圧縮機520の吐出管520bを冷媒貯留部200に連通させる。
【0231】
また、第2制御部581は、冷媒回収装置5について、全ての回収装置開閉弁570を開状態とする。さらに、第2制御部581は、冷媒貯留部200について、第1貯留部開閉弁231及び第2貯留部開閉弁232を閉状態とし、第3貯留部開閉弁233及び第4貯留部開閉弁234を開状態とする。
【0232】
第1冷媒回収運転が実行されることにより、
図19に矢印で示されるように、冷媒回収装置5の第2圧縮機520の吐出圧が、第6回収装置配管566、第5回収装置配管565、第7冷媒回収用接続配管670、及び第3貯留部配管223を経由して貯留容器210に作用する。貯留容器210内の冷媒は、吐出圧により貯留容器210から押し出されて、第4貯留部配管224、第6冷媒回収用接続配管660、第7回収装置配管567、第8冷媒回収用接続配管680、及び第1回収装置配管561を経由して回収容器510に回収される。また、回収容器510内の空気は、第2回収装置配管562、第9冷媒回収用接続配管690、第8回収装置配管568、及び第3回収装置配管563を経由して、吸入管520aから第2圧縮機520に吸入される。
【0233】
第2制御部581は、あらかじめ設定された所定時間T6の間、第1冷媒回収運転を実行すると第1冷媒回収運転を終了して第2冷媒回収運転を開始する。所定時間T6は、たとえば、貯留容器210内の液冷媒を回収容器510に回収できる長さに設定される。
【0234】
(第2冷媒回収運転)
第2冷媒回収運転において第2制御部581は、冷媒回収装置6について、第2圧縮機520を運転し、切換弁540の所定のポートどうしを連通させる。具体的には、第2制御部581は、第1切換弁541を第1状態とし、第2切換弁542を第3状態とし、第3切換弁543を第2状態とし、第4切換弁544を第3状態とする。これにより、第1切換弁541は、回収容器510を第3切換弁543に連通させる。第2切換弁542は、第2圧縮機520の吸入管520aを冷媒貯留部200に連通させる。第3切換弁543は、熱交換器530を介して第2圧縮機520の吐出管520bを第1切換弁541に連通させる。
【0235】
また、第2制御部581は、全ての冷凍サイクル装置100について、室外膨張機構124を開状態とする。さらに、第2制御部581は、冷媒回収装置5について、第5回収装置開閉弁575を開状態とし、第6回収装置開閉弁576及び第7回収装置開閉弁577を閉状態とする。第2制御部581は、冷媒貯留部200について、第4貯留部開閉弁234以外の貯留部開閉弁230を開状態とする。
【0236】
第2冷媒回収運転が実行されることにより、
図20に矢印で示されるように、冷媒回収装置5の第2圧縮機520の吸入圧が、第3回収装置配管563、第7冷媒回収用接続配管670、及び第3貯留部配管223を経由して貯留容器210に作用する。貯留容器210に作用した吸入圧は、さらに、第1貯留部配管221及びガス側分岐配管128と、第2貯留部配管222及び液側分岐配管129とを経由して冷媒循環路150に作用する。吸入圧が作用することにより、冷媒循環路150内の冷媒は、第1貯留部配管221及びガス側分岐配管128と、第2貯留部配管222及び液側分岐配管129とを経由して貯留容器210に流入する。貯留容器210に流入した冷媒は、第4冷媒回収用接続配管640を経由して、第3回収装置配管563から冷媒回収装置5に流入する。冷媒回収装置5に流入した冷媒は、第2圧縮機520に吸入される。第2圧縮機520から吐出された冷媒は、第4回収装置配管564、熱交換器530、第5回収装置配管565、第9回収装置配管569、第7回収装置配管567、第8冷媒回収用接続配管680、及び第1回収装置配管561を通過して、回収容器510に回収される。
【0237】
第2制御部581は、あらかじめ設定された所定時間T7の間、第2冷媒回収運転を実行すると、第2冷媒回収運転を終了する。所定時間T7は、たとえば、冷凍サイクルシステム1の冷媒循環路150内の冷媒を回収容器510に回収できる長さに設定される。
【0238】
(4)特徴
(4-1)
冷媒回収装置6は、第1切換弁541と、第2切換弁542と、第3切換弁543と、をさらに備える。第1切換弁541は、回収容器510を、冷媒貯留部200と第3切換弁543とに選択的に連通させる。第2切換弁542は、第2圧縮機520の吸入管520aを、回収容器510と冷媒貯留部200とに選択的に連通させる。第3切換弁543は、第2圧縮機520の吐出管520bを、第1切換弁541と冷媒貯留部200とに選択的に連通させる。
【0239】
第2制御部581は、第1冷媒回収運転において、第1切換弁541に回収容器510を冷媒貯留部200に連通させ、第2切換弁542に第2圧縮機520の吸入管520aを回収容器510に連通させ、第3切換弁543に第2圧縮機520の吐出管520bを冷媒貯留部200に連通させる。
【0240】
第2制御部581は、第2冷媒回収運転において、第1切換弁541に回収容器510を第3切換弁543に連通させ、第2切換弁542に第2圧縮機520の吸入管520aを冷媒貯留部200に連通させ、第3切換弁543に第2圧縮機520の吐出管520bを第1切換弁541に連通させる。
【0241】
本特徴により、冷媒回収装置6は、切換弁540の切換えのみによって、回収容器510と、冷媒貯留部200と、第2圧縮機520との連通を変更することができる。このため、冷媒回収装置6では、第1冷媒回収運転が終了してから第2冷媒回収運転を実行するに際して、冷媒回収用接続配管600の接続を変更する必要がない。したがって、第2制御部581は、第1冷媒回収運転と第2冷媒回収運転とを連続して自動的に実行することができる。
【0242】
以上、本開示の実施形態を説明したが、特許請求の範囲に記載された本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。
【符号の説明】
【0243】
1、2 冷凍サイクルシステム
5、6 冷媒回収装置
100(100a、100b) 冷凍サイクル装置
110 室内ユニット
111 室内冷媒流路
112 室内熱交換器
116 検出部
120 室外ユニット
121 室外冷媒流路
121b 第1冷媒配管
121c 第2冷媒配管
121d 第3冷媒配管
122 第1圧縮機
123 室外熱交換器
124 室外膨張機構
125 流路切換機構
126 ガス側接続部
127 液側接続部
128 ガス側分岐配管
129 液側分岐配管
130 室外冷媒流路閉鎖弁
131 ガス側連絡配管
132 液側連絡配管
140 第1制御部
150 冷媒循環路
200 冷媒貯留部
220 貯留部配管
221~224 第1貯留部配管~第4貯留部配管
230 貯留部開閉弁
231~234 第1貯留部開閉弁~第4貯留部開閉弁
241 逆止弁
242 減圧器
250 膨張機構
300 接続連絡配管
510 回収容器
520 第2圧縮機
520a 吸入管
520b 吐出管
540 切換弁
541~543 第1切換弁~第3切換弁
580 第2制御部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0244】
【手続補正書】
【提出日】2022-09-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
室内冷媒流路(111)を有する室内ユニット(110)、室外冷媒流路(121)を有する室外ユニット(120)、ならびに前記室内冷媒流路と前記室外冷媒流路とを接続するガス側連絡配管(131)及び液側連絡配管(132)を含む、冷凍サイクル装置(100)と、
前記室内冷媒流路、前記室外冷媒流路、前記ガス側連絡配管、及び前記液側連絡配管により形成される冷媒循環路(150)の中の冷媒を貯留する、冷媒貯留部(200)と、
を備え、
前記室外冷媒流路は、
第1圧縮機(122)と、室外熱交換器(123)と、室外膨張機構(124)と、流路切換機構(125)と、前記ガス側連絡配管が接続されるガス側接続部(126)と、前記液側連絡配管が接続される液側接続部(127)と、前記流路切換機構及び前記ガス側接続部を接続する第1冷媒配管(121b)と、前記室外熱交換器及び前記室外膨張機構を接続する第2冷媒配管(121c)と、前記室外膨張機構及び前記液側接続部を接続する第3冷媒配管(121d)とを有し、
前記冷媒貯留部は、
第1配管(221)及び第2配管(222)によって前記冷媒循環路と連通し、
前記第1配管は、
前記第1冷媒配管と前記冷媒貯留部とを、又は前記ガス側連絡配管と前記冷媒貯留部とを連通させ、
前記第2配管は、
前記第2冷媒配管と前記冷媒貯留部とを連通させる、
冷凍サイクルシステム(1)。
【請求項2】
前記冷凍サイクル装置を複数備える、
請求項1に記載の冷凍サイクルシステム。
【請求項3】
前記冷凍サイクル装置は、
前記室内ユニットを複数有する、
請求項1又は2に記載の冷凍サイクルシステム。
【請求項4】
第1開閉弁(231)と、第2開閉弁(232)とをさらに備え、
前記第1開閉弁は、
前記第1冷媒配管と前記冷媒貯留部との間、又は前記ガス側連絡配管と前記冷媒貯留部との間での前記冷媒の流れを許容又は遮断し、
前記第2開閉弁は、
前記第2冷媒配管と前記冷媒貯留部との間での前記冷媒の流れを許容又は遮断する、第2開閉弁(232)と、
をさらに備える、
請求項1から3のいずれかに記載の冷凍サイクルシステム。
【請求項5】
前記第1圧縮機、前記室外膨張機構及び前記流路切換機構を制御する第1制御部(140)
をさらに備え、
前記流路切換機構は、
前記室外熱交換器を凝縮器として機能させる第1状態、又は前記室外熱交換器を蒸発器として機能させる第2状態をとり、
前記第1制御部は、
前記流路切換機構を前記第1状態とし、前記室外膨張機構を閉状態とし、前記第1圧縮機を運転することにより前記冷媒を前記冷媒貯留部に貯留する、第1制御を実行し、
前記第1制御が終了すると、前記第1圧縮機を運転し、前記第1開閉弁を開状態としてガス冷媒を前記冷媒貯留部に貯留する、第2制御を実行する、
請求項4に記載の冷凍サイクルシステム。
【請求項6】
前記第1制御部は、
前記流路切換機構を前記第2状態とし、前記室外膨張機構を開状態とし、前記第1圧縮機を運転することにより前記冷媒貯留部の内部の前記冷媒を前記冷媒循環路に充填する、第3制御を実行する、
請求項5に記載の冷凍サイクルシステム。
【請求項7】
前記第2配管は、
前記冷媒貯留部から前記室外冷媒流路への前記冷媒の流れを規制する逆止弁(241)と、
前記逆止弁に並列に設けられた減圧器(242)と、
を有する、
請求項6に記載の冷凍サイクルシステム。
【請求項8】
前記第2配管は、
全閉可能な膨張機構(250)を有する、
請求項1から7のいずれかに記載の冷凍サイクルシステム。
【請求項9】
前記室外ユニットは、
前記第2冷媒配管に接続された液側分岐配管(129)
をさらに有し、
前記第2配管は、
前記液側分岐配管に連通する、
請求項1から8のいずれかに記載の冷凍サイクルシステム。
【請求項10】
前記室外ユニットは、
前記第1冷媒配管に接続されたガス側分岐配管(128)
をさらに有し、
前記第1配管は、
前記ガス側分岐配管に連通する、
請求項9に記載の冷凍サイクルシステム。
【請求項11】
前記第1配管は、
前記ガス側接続部に接続される、
請求項10に記載の冷凍サイクルシステム。
【請求項12】
前記室外ユニットは、
4つの室外冷媒流路閉鎖弁(130)を有し、
前記室外冷媒流路閉鎖弁は、
前記室外冷媒流路の連通を許容又は遮断し、
前記第1冷媒配管、前記第3冷媒配管、前記ガス側分岐配管、及び前記液側分岐配管に設けられる、
請求項10又は11に記載の冷凍サイクルシステム。
【請求項13】
前記室外ユニットは、
3つの室外冷媒流路閉鎖弁(130)を有し、
前記室外冷媒流路閉鎖弁は、
前記室外冷媒流路の連通を許容又は遮断し、
前記第1冷媒配管の前記流路切換機構と前記ガス側分岐配管の接続箇所との間、前記第3冷媒配管、及び前記液側分岐配管に設けられる、
請求項10又は11に記載の冷凍サイクルシステム。
【請求項14】
前記室外ユニットは、
2つの室外冷媒流路閉鎖弁(130)を有し、
前記室外冷媒流路の連通を許容又は遮断し、
前記室外冷媒流路閉鎖弁は、
前記第1冷媒配管の前記流路切換機構と前記ガス側分岐配管の接続箇所との間、及び前記第2冷媒配管の前記室外熱交換器と前記液側分岐配管の接続箇所との間に設けられる、
請求項10又は11に記載の冷凍サイクルシステム。
【請求項15】
前記室内冷媒流路は、
室内熱交換器(112)を有し、
前記室内ユニットは、
前記冷媒の漏洩を検出する検出部(116)を有し、
前記第1制御部は、
前記検出部が前記冷媒の漏洩を検出すると、前記第1制御を実行する、
請求項1から14のいずれかに記載の冷凍サイクルシステム。
【請求項16】
前記冷媒は、
可燃性又は毒性を有する、
請求項1から15のいずれかに記載の冷凍サイクルシステム。
【請求項17】
請求項1から16のいずれかに記載の冷凍サイクルシステムの冷媒を回収する冷媒回収装置(5)であって、
前記冷媒を収容する、回収容器(510)と、
前記冷凍サイクルシステムの前記冷媒貯留部の内部に所定の圧力を作用させる、第2圧縮機(520)と、
前記第2圧縮機を制御する、第2制御部(580)と、
を備え、
前記第2制御部は、
前記第2圧縮機を制御して、前記冷凍サイクルシステムの冷媒循環路の前記冷媒を前記回収容器に回収する、
冷媒回収装置。
【請求項18】
前記第2制御部は、
前記第2圧縮機を制御して前記冷媒貯留部の内部に前記第2圧縮機の吐出圧を作用させて、前記冷媒を前記回収容器へ流入させる、第4制御を実行し、
前記第4制御が終了すると、前記第2圧縮機を制御して前記冷媒貯留部の内部に前記第2圧縮機の吸入圧を作用させて、前記冷媒を前記回収容器へ流入させる、第5制御を実行する、
請求項17に記載の冷媒回収装置。
【請求項19】
第1切換弁(541)と、
第2切換弁(542)と、
第3切換弁(543)と、
をさらに備え、
前記第1切換弁は、
前記回収容器を、前記冷媒貯留部と前記第3切換弁とに選択的に連通させ、
前記第2切換弁は、
前記第2圧縮機の吸入側(520a)を、前記回収容器と前記冷媒貯留部とに選択的に連通させ、
前記第3切換弁は、
前記第2圧縮機の吐出側(520b)を、前記第1切換弁と前記冷媒貯留部とに選択的に連通させ、
前記第2制御部は、
前記第4制御において、前記第1切換弁に前記回収容器を前記冷媒貯留部に連通させ、前記第2切換弁に前記第2圧縮機の前記吸入側を前記回収容器に連通させ、前記第3切換弁に前記第2圧縮機の前記吐出側を前記冷媒貯留部に連通させ、
前記第5制御において、前記第1切換弁に前記回収容器を前記第3切換弁に連通させ、前記第2切換弁に前記第2圧縮機の前記吸入側を前記冷媒貯留部に連通させ、前記第3切換弁に前記第2圧縮機の前記吐出側を前記第1切換弁に連通させる、
請求項17又は18に記載の冷媒回収装置。
【請求項20】
前記流路切換機構を、前記室外熱交換器を凝縮器として機能させる第1状態とし、
前記室外膨張機構を、閉状態とし、
前記第1圧縮機を運転することにより前記冷媒を前記冷媒貯留部に貯留する、
請求項1から4のいずれかに記載の冷凍サイクルシステム。