(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022171188
(43)【公開日】2022-11-11
(54)【発明の名称】情報処理方法、プログラム、及び、情報処理装置
(51)【国際特許分類】
G16H 50/80 20180101AFI20221104BHJP
【FI】
G16H50/80
【審査請求】未請求
【請求項の数】24
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021077683
(22)【出願日】2021-04-30
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 2021年4月15日 ピクシーダストテクノロジーズ株式会社が、公開者のサービス「magickiri▲TM▼」に関する営業資料において、ウイルスの感染の可能性がある空間において感染による影響を低減するための対策を立てる上で必要な判断材料を提供するためのサービス概要を公開した。
(71)【出願人】
【識別番号】517182918
【氏名又は名称】ピクシーダストテクノロジーズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002815
【氏名又は名称】IPTech弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】平良 優大
(72)【発明者】
【氏名】飯野 卓見
(72)【発明者】
【氏名】奈良崎 翔太
(72)【発明者】
【氏名】大井 圭介
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA22
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ウイルスの感染の可能性がある空間において感染による影響を低減するための対策を立てる上で必要な判断材料を提供する情報処理装置を提供する。
【解決手段】対象空間において、情報処理方法は、クライアント装置10-1は、ビーコン信号の受信し、接触距離の計算を行い、受信時刻のタイムスタンプ情報及び接触クライアント識別情報とともに記憶する。その後、クライアント装置10-1は、濃厚接触の判定を実行し、その結果をディスプレイに表示する。濃厚接触条件は、現在の時刻から遡って所定の濃厚接触期間に含まれる時刻を示すタイムスタンプ情報と、接触クライアント識別情報と、接触距離情報が所定の濃厚接触距離以下を示すことと、これらのレコードのタイムスタンプ情報が示す時間が所定の濃厚接触時間以上であることと、を含む。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象空間に滞在する複数の対象者の接触距離に関する接触距離情報と、前記接触の時刻に関する接触時刻情報と、を取得するステップを備え、
第1対象者を識別する第1対象者識別情報と、前記第1対象者と接触した第2対象者を識別する第2対象者識別情報と、前記接触距離情報と、前記接触時刻情報と、を関連付けて記憶装置に記憶するステップを備え、
前記第1対象者識別情報に関連付けられた接触距離情報及び接触時刻情報を参照して、前記第1対象者と濃厚接触を行った第2対象者を特定するステップを備える、
情報処理方法。
【請求項2】
前記記憶装置に記憶された情報を参照して、各対象者の濃厚接触の回数を特定するステップを備える、
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項3】
各対象者の位置情報と、前記位置情報に対応する位置時刻情報と、を取得するステップを備え、
各対象者の対象者識別情報と、前記位置情報と、前記位置時刻情報と、を関連付けて記憶装置に記憶するステップを備え、
前記記憶装置に記憶された情報を参照して、前記対象空間において感染リスクの高い領域を特定するステップを備える、
請求項1又は請求項2に記載の情報処理方法。
【請求項4】
前記記憶装置に記憶された情報を参照して、前記複数の対象者による濃厚接触の回数の推移を特定するステップを備える、
請求項1~請求項3の何れかに記載の情報処理方法。
【請求項5】
各対象者の位置情報を取得するステップを備え、
各対象者の対象者識別情報と、前記位置情報と、前記位置情報に対応する位置時刻情報と、を関連付けて記憶装置に記憶するステップを備え、
前記記憶装置に記憶された情報を参照して、前記対象空間内のレッドゾーンを特定するステップを備える、
請求項1~請求項4の何れかに記載の情報処理方法。
【請求項6】
対象空間の空気に関するエアパラメータを取得するステップを備え、
前記エアパラメータと、前記エアパラメータに対応する空間時刻情報と、を関連付けて記憶装置に記憶するステップを備える、
請求項1~請求項5の何れかに記載の情報処理方法。
【請求項7】
前記エアパラメータは、前記対象空間におけるエアフローを含む、
請求項6に記載の情報処理方法。
【請求項8】
前記記憶装置に記憶された情報を参照して、前記対象空間の領域毎の感染リスクを特定するステップを備える、
請求項6又は請求項7に記載の情報処理方法。
【請求項9】
前記記憶装置に記憶された情報を参照して、特定の対象者と濃厚接触を行った一次濃厚接触者と、前記一次濃厚接触者と濃厚接触を行った二次濃厚接触者とを特定するステップを備え、
前記特定の対象者に対応する根ノードと、前記一次濃厚接触者に対応する一次子ノードと、前記二次濃厚接触者に対応する二次子ノードと、前記根ノードと前記一次子ノードとを結ぶ一次リンクと、前記一次子ノードと前記二次子ノードとを結ぶ二次リンクとを含むマップを生成するステップを備え、
前記マップを出力するステップを備える、
請求項1~請求項8の何れかに記載の情報処理方法。
【請求項10】
前記マップを生成するステップは、前記一次子ノードまたは前記二次子ノードのうちいずれか1つに対する操作に応じて、操作されたノードが新たな根ノードとなるように前記マップを再構成する、
請求項9に記載の情報処理方法。
【請求項11】
前記マップを生成するステップは、前記根ノード、前記一次子ノード、または前記二次子ノードの少なくとも1つの形態を当該ノードに対応する対象者の属性に応じて決定するステップを含む、
請求項9または請求項10に記載の情報処理方法。
【請求項12】
前記マップを生成するステップは、前記一次リンク、または前記二次リンクの少なくとも1つの形態を当該リンクによって結ばれる2ノードに対応する2対象者間の濃厚接触回数、または濃厚接触時間に応じて決定するステップを含む、
請求項9~請求項11の何れかに記載の情報処理方法。
【請求項13】
前記記憶装置に記憶された情報を参照して、濃厚接触に関する人間関係の類型である複数の濃厚接触パターンのうち前記対象者が所属する集団における濃厚接触の特定結果に対して少なくとも部分的に適合する濃厚接触パターンを特定するステップを備え、
特定した前記濃厚接触パターンを出力するステップを備える、
請求項1~請求項12の何れかに記載の情報処理方法。
【請求項14】
対象空間に存在する複数のクライアント装置同士の接触距離に関する接触距離情報と、前記接触の時刻に関する接触時刻情報と、を取得するステップを備え、
対象クライアント装置を識別する対象クライアント識別情報と、前記対象クライアント装置と接触した接触クライアント装置を識別する接触クライアント識別情報と、前記接触距離情報と、前記接触時刻情報と、を関連付けて記憶装置に記憶するステップを備え、
第1クライアント装置を識別する第1クライアント識別情報に関連付けられた接触距離情報及び接触時刻情報を参照して、前記第1クライアント装置と接触した第2クライアント装置を特定するステップを備える、
情報処理方法。
【請求項15】
前記記憶装置に記憶された情報を参照して、前記対象空間の全体または一部である空間内領域に所定期間内に存在し、かつ前記所定期間内に前記第1クライアント装置と接触した第2クライアント装置を特定するステップを備え、
前記第2クライアント装置の特定結果を参照して、前記所定期間における前記空間内領域内の複数の対象者間の接触状態を多段階で評価するステップを備え、
前記接触状態の評価結果に応じて警告を行うステップを備える、
請求項14に記載の情報処理方法。
【請求項16】
前記警告を行うステップは、前記空間内領域に設置された表示装置に前記評価結果を表示させるステップを含む、
請求項15に記載の情報処理方法。
【請求項17】
前記警告を行うステップは、前記所定期間内に前記空間内領域に存在したクライアント装置、又は、管理者装置に前記評価結果を通知するステップを含む、
請求項15または請求項16に記載の情報処理方法。
【請求項18】
ウイルス検査結果が陽性であると判明した陽性対象者によって使用された陽性クライアント装置を識別する陽性クライアント識別情報を取得するステップを備え、
前記陽性クライアント識別情報に関連付けられた接触距離情報及び接触時刻情報を参照して、前記陽性クライアント装置と濃厚接触を行った濃厚接触クライアント装置を特定するステップを備え、
前記濃厚接触クライアント装置の特定結果を出力するステップを備える、
請求項14~請求項17の何れかに記載の情報処理方法。
【請求項19】
対象空間の空気に関するエアパラメータを取得するステップを備え、
前記エアパラメータと、前記エアパラメータに対応する位置情報と、前記エアパラメータに対応する空間時刻情報と、を関連付けて記憶装置に記憶するステップを備える、
情報処理方法。
【請求項20】
前記エアパラメータは、前記対象空間におけるエアフローを含む、
請求項19に記載の情報処理方法。
【請求項21】
前記記憶装置に記憶された情報を参照して、前記対象空間の領域毎の感染リスクを特定するステップを備える、
請求項19又は請求項20に記載の情報処理方法。
【請求項22】
コンピュータを、請求項1~請求項21の何れかに記載の各ステップとして機能させるためのプログラム。
【請求項23】
対象空間に滞在する複数の対象者が互いに接触したときの接触距離に関する接触距離情報と、前記接触の時刻に関する接触時刻情報と、を取得する手段を備え、
第1対象者を識別する第1対象者識別情報と、前記第1対象者と接触した第2対象者を識別する第2対象者識別情報と、前記接触距離情報と、前記接触時刻情報と、を関連付けて記憶装置に記憶する手段を備え、
前記第1対象者識別情報に関連付けられた接触距離情報及び接触時刻情報を参照して、前記第1対象者と濃厚接触を行った第2対象者を特定する手段を備える、
情報処理装置。
【請求項24】
対象空間の空気に関するエアパラメータを取得する手段を備え、
前記エアパラメータと、前記エアパラメータに対応する位置情報と、前記エアパラメータに対応する空間時刻情報と、を関連付けて記憶装置に記憶する手段を備える、
情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理方法、プログラム、及び、情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ウイルスの感染の拡大は、社会生活に大きな影響を及ぼす。例えば、COVID-19(以下「コロナウイルス」という)の感染の拡大は、企業の経済活動の制限を促した。このような制限は、企業の継続性を損なう。そのため、企業の経済活動の維持と、ウイルスの感染の拡大の防止と、を両立させることが重要である。
【0003】
非特許文献1には、スマートフォンの近接通信機構を利用し、人と人との接触を検知する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】「接触確認アプリ及び関連システム仕様書」(2020年5月26日,新型コロナウイルス感染症対策テックチーム)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
企業の経済活動の制限を最適化するためには、様々な判断材料が必要である。人と人との接触を検知するだけでは、企業の経済活動の制限を最適化するには不十分である。
【0006】
本発明の目的は、ウイルスの感染の可能性がある空間において感染による影響を低減するための対策を立てる上で必要な判断材料を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、
対象空間に滞在する複数の対象者の接触距離に関する接触距離情報と、前記接触の時刻に関する接触時刻情報と、を取得するステップを備え、
第1対象者を識別する第1対象者識別情報と、前記第1対象者と接触した第2対象者を識別する第2対象者識別情報と、前記接触距離情報と、前記接触時刻情報と、を関連付けて記憶装置に記憶するステップを備え、
前記第1対象者識別情報に関連付けられた接触距離情報及び接触時刻情報を参照して、前記第1対象者と濃厚接触を行った第2対象者を特定するステップを備える、
情報処理方法である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本実施形態の情報処理システムの構成を示すブロック図である。
【
図2】
図1の情報処理システムの機能ブロック図である。
【
図4】本実施形態の対象者情報データベースのデータ構造を示す図である。
【
図5】本実施形態のクライアント情報データベースのデータ構造を示す図である。
【
図6】本実施形態のセンサ情報データベースのデータ構造を示す図である。
【
図7】本実施形態の領域情報データベースのデータ構造を示す図である。
【
図8】本実施形態の接触ログ情報データベースのデータ構造を示す図である。
【
図9】本実施形態の位置ログ情報データベースのデータ構造を示す図である。
【
図10】本実施形態の人物ログ情報データベースのデータ構造を示す図である。
【
図11】本実施形態の空間ログ情報データベースのデータ構造を示す図である。
【
図12】本実施形態の距離センシング処理のシーケンス図である。
【
図13】
図12の情報処理において表示される画面例を示す図である。
【
図14】本実施形態の位置センシング処理のシーケンス図である。
【
図15】本実施形態の人物センシング処理のシーケンス図である。
【
図16】本実施形態のユースケースの説明図である。
【
図17】変形例1の空間センシング処理のシーケンス図である。
【
図19】変形例2の分析処理のシーケンス図である。
【
図24】変形例3のモニタリング処理を示すフローチャートである。
【
図25】特定領域に設置される表示装置の説明図である。
【
図28】変形例4の分析処理のシーケンス図である。
【
図35】変形例5の接触ログ情報データベースのデータ構造を示す図である。
【
図36】変形例5の検査情報データベースのデータ構造を示す図である。
【
図37】変形例5の距離センシング処理のシーケンス図である。
【
図38】変形例5の距離センシング処理のシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施形態を説明するための図面において、同一の構成要素には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0010】
本実施形態において、「対象空間」とは、特定多数の対象者が滞在可能な有人空間である。対象空間は、例えば、以下の少なくとも1つである。
・屋内空間(一例として、オフィス、飲食店、小売店、ショッピングモール、コンサートホール、映画館、スポーツジム、宿泊施設、病院、学校、倉庫、又は、工場)
・屋外空間(一例として、建設現場、テーマパーク、運動場、又は、スタジアム)
・モビリティ(一例として、自動車車両、鉄道車両、船舶、又は、航空機)
【0011】
(1-1)情報処理システムの構成
情報処理システムの構成を説明する。
図1は、本実施形態の情報処理システムの構成を示すブロック図である。
図2は、
図1の情報処理システムの機能ブロック図である。
【0012】
図1に示すように、情報処理システム1は、クライアント装置10と、サーバ30と、管理者装置50と、位置センサ70と、人物センサ80と、空間センサ90と、を備える。
クライアント装置10、サーバ30、管理者装置50、位置センサ70、及び、人物センサ80は、ネットワーク(例えば、インターネット又はイントラネット)NWを介して接続される。
【0013】
クライアント装置10は、対象空間に滞在する対象者が使用する装置である。クライアント装置10は、サーバ30にリクエストを送信する情報処理装置の一例である。クライアント装置10は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、又は、パーソナルコンピュータである。
【0014】
サーバ30は、クライアント装置10から送信されたリクエストに応じたレスポンスをクライアント装置10に提供する情報処理装置の一例である。サーバ30は、例えば、ウェブサーバである。
【0015】
管理者装置50は、対象者を管理する管理者が使用する装置である。管理者装置50は、サーバ30にリクエストを送信する情報処理装置の一例である。管理者装置50は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、又は、パーソナルコンピュータである。
【0016】
位置センサ70は、対象空間に配置される。位置センサ70は、位置センサ70から所定距離以内に存在するクライアント装置10(例えば、近距離通信モジュール15)から発信されるビーコン信号を受信するように構成される。位置センサ70は、例えば、以下の少なくとも1つを含む。
・近距離無線通信(一例として、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)通信)の受信機
【0017】
人物センサ80は、対象空間に配置される。人物センサ80は、人物に関する情報(以下「人物情報」という)を取得するように構成される。人物センサ80は、例えば、以下の少なくとも1つを含む。
・サーモセンサ
・画像(静止画又は動画)を撮像可能なイメージセンサ
・赤外線センサ
【0018】
空間センサ90は、対象空間に配置される。空間センサ90は、対象空間の空気に関するパラメータ(以下「エアパラメータ」という)を取得するように構成される。空間センサ90は、例えば、音波センサ(一例として、超音波センサ)である。エアパラメータは、例えば、以下の少なくとも1つを含む。
・温度
・湿度
・エアフロー
・換気量
【0019】
(1-1-1)クライアント装置の構成
クライアント装置10の構成を説明する。
【0020】
図2に示すように、クライアント装置10は、記憶装置11と、プロセッサ12と、入出力インタフェース13と、通信インタフェース14と、近距離通信モジュール15と、を備える。
【0021】
記憶装置11は、プログラム及びデータを記憶するように構成される。記憶装置11は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、及び、ストレージ(例えば、フラッシュメモリ又はハードディスク)の組合せである。
【0022】
プログラムは、例えば、以下のプログラムを含む。
・OS(Operating System)のプログラム
・情報処理を実行するアプリケーション(例えば、ウェブブラウザ)のプログラム
【0023】
データは、例えば、以下のデータを含む。
・情報処理において参照されるデータベース
・情報処理を実行することによって得られるデータ(つまり、情報処理の実行結果)
【0024】
プロセッサ12は、記憶装置11に記憶されたプログラムを起動することによって、クライアント装置10の機能を実現するように構成される。プロセッサ12は、コンピュータの一例である。
【0025】
入出力インタフェース13は、クライアント装置10に接続される入力デバイスからユーザの指示を取得し、かつ、クライアント装置10に接続される出力デバイスに情報を出力するように構成される。入出力インタフェース13には、近距離通信モジュール15が接続される。
入力デバイスは、例えば、キーボード、ポインティングデバイス、タッチパネル、又は、それらの組合せである。
出力デバイスは、例えば、ディスプレイである。
【0026】
通信インタフェース14は、クライアント装置10とサーバ30との間の通信を制御するように構成される。
【0027】
近距離通信モジュール15は、以下の機能を有する。
・所定期間毎にビーコン信号を発信する機能
・クライアント装置10の外部から発信されたビーコン信号を受信する機能
【0028】
(1-1-2)サーバの構成
サーバ30の構成を説明する。
【0029】
図2に示すように、サーバ30は、記憶装置31と、プロセッサ32と、入出力インタフェース33と、通信インタフェース34とを備える。
【0030】
記憶装置31は、プログラム及びデータを記憶するように構成される。記憶装置31は、例えば、ROM、RAM、及び、ストレージ(例えば、フラッシュメモリ又はハードディスク)の組合せである。
【0031】
プログラムは、例えば、以下のプログラムを含む。
・OSのプログラム
・情報処理を実行するアプリケーションのプログラム
【0032】
データは、例えば、以下のデータを含む。
・情報処理において参照されるデータベース
・情報処理の実行結果
【0033】
プロセッサ32は、記憶装置31に記憶されたプログラムを起動することによって、サーバ30の機能を実現するように構成される。プロセッサ32は、コンピュータの一例である。
【0034】
入出力インタフェース33は、サーバ30に接続される入力デバイスからユーザの指示を取得し、かつ、サーバ30に接続される出力デバイスに情報を出力するように構成される。
入力デバイスは、例えば、キーボード、ポインティングデバイス、タッチパネル、又は、それらの組合せである。
出力デバイスは、例えば、ディスプレイである。
【0035】
通信インタフェース34は、サーバ30と、クライアント装置10、位置センサ70、人物センサ80、及び、空間センサ90との間の通信を制御するように構成される。
【0036】
(1-1-3)管理者装置の構成
管理者装置50の構成を説明する。
【0037】
図2に示すように、管理者装置50は、記憶装置51と、プロセッサ52と、入出力インタフェース53と、通信インタフェース54とを備える。
【0038】
記憶装置51は、プログラム及びデータを記憶するように構成される。記憶装置51は、例えば、ROM、RAM、及び、ストレージ(例えば、フラッシュメモリ又はハードディスク)の組合せである。
【0039】
プログラムは、例えば、以下のプログラムを含む。
・OSのプログラム
・情報処理を実行するアプリケーションのプログラム
【0040】
データは、例えば、以下のデータを含む。
・情報処理において参照されるデータベース
・情報処理の実行結果
【0041】
プロセッサ52は、記憶装置51に記憶されたプログラムを起動することによって、管理者装置50の機能を実現するように構成される。プロセッサ32は、コンピュータの一例である。
【0042】
入出力インタフェース53は、管理者装置50に接続される入力デバイスからユーザの指示を取得し、かつ、管理者装置50に接続される出力デバイスに情報を出力するように構成される。
入力デバイスは、例えば、キーボード、ポインティングデバイス、タッチパネル、又は、それらの組合せである。
出力デバイスは、例えば、ディスプレイである。
【0043】
通信インタフェース54は、サーバ30と管理者装置50との間の通信を制御するように構成される。
【0044】
(1-2)実施形態の概要
本実施形態の概要を説明する。
図3は、本実施形態の概要の説明図である。
【0045】
図3に示すように、クライアント装置10-1は、対象空間に滞在する対象者U1(「第1対象者」の一例)及び対象者U2(「第2対象者」の一例)が互いに接触したときの接触距離に関する接触距離情報と、接触の時刻に関する接触時刻情報と、を取得するステップを備える。
クライアント装置10-1は、対象者U1を識別する第1対象者識別情報と、対象者U2(つまり、対象者U2と接触した接触者)を識別する第2対象者識別情報と、接触距離情報と、接触時刻情報と、を関連付けて記憶するステップを備える。
【0046】
位置センサ70は、対象者U1~U2の位置に関する位置情報と、当該位置情報に対応する時刻に関する時刻情報と、を取得する。
【0047】
人物センサ80は、対象者U1~U2の人物情報と、当該人物情報に対応する時刻に関する時刻情報と、を取得する。
【0048】
サーバ30は、クライアント装置10-1から、第1対象者識別情報と、第2対象者識別情報と、接触距離情報と、接触時刻情報と、を取得する。
サーバ30は、位置センサ70から、位置情報と、時刻情報と、を取得する。
サーバ30は、人物センサ80から、人物情報と、時刻情報と、を取得する。
サーバ30は、クライアント装置10、位置センサ70、及び、人物センサ80の少なくとも1つから取得した情報を集計する。
【0049】
(1-3)データベース
本実施形態のデータベースを説明する。以下のデータベースは、記憶装置31に記憶される。
【0050】
(1-3-1)対象者情報データベース
本実施形態の対象者情報データベースを説明する。
図4は、本実施形態の対象者情報データベースのデータ構造を示す図である。
【0051】
図4の対象者情報データベースには、対象者情報が格納される。対象者情報は、対象者に関する情報である。
対象者情報データベースは、「対象者ID」フィールドと、「対象者名」フィールドと、「対象者属性」フィールドと、「対象者権限」フィールドと、を含む。
各フィールドは、互いに関連付けられている。
【0052】
「対象者ID」フィールドには、対象者識別情報が格納される。対象者識別情報は、対象者を識別する情報である。
【0053】
「対象者名」フィールドには、対象者名情報が格納される。対象者名情報は、対象者名に関する情報である。
【0054】
「対象者属性」フィールドには、対象者属性情報が格納される。対象者属性情報は、対象者の属性に関する情報である。「対象者属性」フィールドは、「性別」フィールドと、「年齢」フィールドと、「身長」フィールドと、「体重」フィールドと、「所属」フィールドと、を含む。
【0055】
「性別」フィールドには、性別情報が格納される。性別情報は、対象者の性別に関する情報である。
【0056】
「年齢」フィールドには、年齢情報が格納される。年齢情報は、対象者の年齢に関する情報である。
【0057】
「身長」フィールドには、身長情報が格納される。身長情報は、対象者の身長に関する情報である。
【0058】
「体重」フィールドには、体重情報が格納される。体重情報は、対象者の体重に関する情報である。
【0059】
「所属」フィールドには、所属情報が格納される。所属情報は、対象者の所属(例えば、対象者を管理する組織(一例として、企業)の部門)に関する情報である。
【0060】
「対象者権限」フィールドには、対象者権限情報は、対象者の権限に関する情報である。権限は、例えば、管理者又は一般である。「管理者」は、自身を含む複数の対象者の対象者識別情報に関連付けられた情報へのアクセス権限が付与された対象者である。「一般」は、自身の対象者識別情報に関連付けられた情報へのアクセス権限が付与された対象者である。
【0061】
(1-3-2)クライアント情報データベース
本実施形態のクライアント情報データベースを説明する。
図5は、本実施形態のクライアント情報データベースのデータ構造を示す図である。
【0062】
図5のクライアント情報データベースには、クライアント情報が格納される。クライアント情報は、対象者が使用するクライアント装置10に関する情報である。
クライアント情報データベースは、「クライアントID」フィールドと、「対象者ID」フィールドと、を含む。
各フィールドは、互いに関連付けられている。
【0063】
「クライアントID」フィールドには、クライアント識別情報が格納される。クライアント識別情報は、クライアント装置10を識別する情報である。
【0064】
「対象者ID」フィールドには、クライアント装置10を使用する対象者の対象者識別情報が格納される。
【0065】
(1-3-3)センサ情報データベース
本実施形態のセンサ情報データベースを説明する。
図6は、本実施形態のセンサ情報データベースのデータ構造を示す図である。
【0066】
図6のセンサ情報データベースには、センサ情報が格納される。センサ情報は、位置センサ70、人物センサ80、及び、空間センサ90に関する情報である。
センサ情報データベースは、「センサID」フィールドと、「センサ座標」フィールドと、「センサ種別」フィールドと、を含む。
各フィールドは、互いに関連付けられている。
【0067】
「センサID」フィールドには、センサ識別情報が格納される。センサ識別情報は、位置センサ70、人物センサ80、又は、空間センサ90を識別する情報である。
【0068】
「センサ座標」フィールドには、センサ座標情報が格納される。センサ座標情報は、位置センサ70、人物センサ80、又は、空間センサ90が配置された位置に関する情報である。センサ座標情報は、例えば、対象空間に固有の座標系における3次元座標である。
【0069】
「センサ種別」フィールドには、センサ種別情報が格納される。センサ種別情報は、位置センサ70、人物センサ80、又は、空間センサ90の種別に関する情報である。
【0070】
(1-3-3)領域情報データベース
本実施形態の領域情報データベースを説明する。
図7は、本実施形態の領域情報データベースのデータ構造を示す図である。
【0071】
図7の領域情報データベースには、領域情報が格納される。領域情報は、対象空間における領域(以下「空間内領域」という)に関する情報である。
領域情報データベースは、「領域ID」フィールドと、「領域座標」フィールドと、「フロア」フィールドと、「領域名」フィールドと、「ユーザID」フィールドと、「領域属性」フィールドと、を含む。
各フィールドは、互いに関連付けられている。
【0072】
「領域ID」フィールドには、領域識別情報が格納される。領域識別情報は、空間内領域を識別する情報である。
【0073】
「領域座標」フィールドには、領域座標情報が格納される。領域座標情報は、対象空間に固有の座標系における空間内領域を規定するための座標群に関する情報である。
【0074】
「フロア」フィールドには、フロア情報が格納される。フロア情報は、対象空間内のフロアに関する情報である。
【0075】
「領域名」フィールドには、領域名情報が格納される。領域名情報は、空間内領域の名称に関する情報である。
【0076】
「ユーザID」フィールドには、空間内領域の使用者として割り当てられた対象者の対象者識別情報が格納される。「領域座標」フィールド及び「ユーザID」フィールドの組合せにより、例えば、対象空間における対象者の配置(一例として、座席表)を特定することができる。
【0077】
「領域属性」フィールドには、領域属性情報が格納される。領域属性情報は、例えば、以下の少なくとも1つを含む。
・空間内領域の用途(例えば、共用又は個人用)に関する情報
・空間内領域の種別(例えば、設備又は什器)に関する情報
・空間内領域の部材(例えば、壁材)の素材に関する情報
【0078】
(1-3-4)接触ログ情報データベース
本実施形態の接触ログ情報データベースを説明する。
図8は、本実施形態の接触ログ情報データベースのデータ構造を示す図である。
【0079】
図8の接触ログ情報データベースには、接触ログ情報が格納される。接触ログ情報は、クライアント装置10の近距離通信モジュール15の検出結果の履歴に関する情報である。
接触ログ情報データベースは、「接種ログID」フィールドと、「タイムスタンプ」フィールドと、「対象者ID」フィールドと、「接触者ID」フィールドと、「信号レベル」フィールドと、「接触距離」フィールドと、を含む。
各フィールドは、互いに関連付けられている。
【0080】
「接種ログID」フィールドには、接触ログ識別情報が格納される。接触ログ識別情報は、接触ログ情報を識別する情報である。
【0081】
「タイムスタンプ」フィールドには、接触時刻情報が格納される。接触時刻情報は、近距離通信モジュール15の検出結果に対応する時刻に関する情報である。
【0082】
「対象者ID」フィールドには、接触時刻情報を取得したクライアント装置10のクライアント識別情報に関連付けられた対象者識別情報(「第1対象者識別情報」の一例)が格納される。
【0083】
「接触者ID」フィールドには、接触者識別情報(「第2対象者識別情報」の一例)が格納される。接触者識別情報は、対象者と接触した人物(以下「接触者」という)の対象者識別情報である。
【0084】
「信号レベル」フィールドには、信号レベル情報が格納される。信号レベル情報は、近距離通信モジュール15が受信した信号のレベルに関する情報である。
【0085】
「接触距離」フィールドには、接触距離情報が格納される。接触距離情報は、対象者が使用するクライアント装置10-1と接触者が使用するクライアント装置10-2との間の距離(つまり、対象者と接触者との間の距離(以下「接触距離」という))に関する情報である。
【0086】
(1-3-5)位置ログ情報データベース
本実施形態の位置ログ情報データベースを説明する。
図9は、本実施形態の位置ログ情報データベースのデータ構造を示す図である。
【0087】
図9の位置ログ情報データベースには、位置ログ情報が格納される。位置ログ情報は、位置センサ70の検出結果の履歴に関する情報である。
位置ログ情報データベースは、「位置ログID」フィールドと、「タイムスタンプ」フィールドと、「センサID」フィールドと、「対象者ID」フィールドと、「信号レベル」フィールドと、を含む。
各フィールドは、互いに関連付けられている。
【0088】
「位置ログID」フィールドには、位置ログ識別情報が格納される。位置ログ識別情報は、位置ログ情報を識別する情報である。
【0089】
「タイムスタンプ」フィールドには、位置時刻情報が格納される。位置時刻情報は、位置センサ70の検出結果に対応する時刻に関する情報である。
【0090】
「センサID」フィールドには、位置ログ情報を取得した位置センサ70のセンサ識別情報が格納される。
【0091】
「対象者ID」フィールドには、位置センサ70によって取得されたビーコン信号を発信したクライアント装置10を使用する対象者の対象者識別情報が格納される。
【0092】
「信号レベル」フィールドには、位置センサ70が受信した信号の信号レベル情報が格納される。
【0093】
(1-3-6)人物ログ情報データベース
本実施形態の人物ログ情報データベースを説明する。
図10は、本実施形態の人物ログ情報データベースのデータ構造を示す図である。
【0094】
図10の人物ログ情報データベースには、人物ログ情報が格納される。人物ログ情報は、人物センサ80の検出結果の履歴に関する情報である。
人物ログ情報データベースは、「人物ログID」フィールドと、「タイムスタンプ」フィールドと、「対象者ID」フィールドと、「状態種別」フィールドと、「人物状態」フィールドと、「評価」フィールドと、を含む。
各フィールドは、互いに関連付けられている。
【0095】
「人物ログID」フィールドには、人物ログ識別情報が格納される。人物ログ識別情報は、人物ログ情報を識別する情報である。
【0096】
「タイムスタンプ」フィールドには、人物センサ時刻情報が格納される。人物センサ時刻情報は、人物センサ80の検出結果に対応する時刻に関する情報である。
【0097】
「対象者ID」フィールドには、人物センサ80の検出対象である対象者の対象者識別情報が格納される。
【0098】
「状態種別」フィールドには、状態種別情報が格納される。状態種別情報は、人物センサ80によって検出された人物状態(以下「人物状態」という)の種別(以下「状態種別」という)に関する情報である。
【0099】
「人物状態」フィールドには、人物状態情報が格納される。人物状態情報は、人物状態に関する情報である。人物状態情報は、例えば、以下の少なくとも1つを含む。
・生体情報(一例として、体温に関する情報、及び、咳の程度に関する情報の少なくとも1つ)
・行動情報(一例として、手洗いの継続時間に関する情報)
【0100】
「評価」フィールドには、評価情報が格納される。評価情報は、例えば、以下の少なくとも1つを含む。
・既に、ウイルスに感染している確率に関する情報
・将来、ウイルスに感染する確率に関する情報
【0101】
(1-3-7)空間ログ情報データベース
本実施形態の空間ログ情報データベースを説明する。
図11は、本実施形態の空間ログ情報データベースのデータ構造を示す図である。
【0102】
図11の空間ログ情報データベースには、空間ログ情報が格納される。空間ログ情報は、空間センサ90の検出結果の履歴に関する情報である。
空間ログ情報データベースは、「空間ログID」フィールドと、「タイムスタンプ」フィールドと、「センサID」フィールドと、「空間センシング」フィールドと、「エアパラメータ」フィールドと、を含む。
各フィールドは、互いに関連付けられている。
【0103】
「空間ログID」フィールドには、空間ログ識別情報が格納される。空間ログ識別情報は、空間ログ情報を識別する情報である。
【0104】
「タイムスタンプ」フィールドには、空間時刻情報が格納される。空間時刻情報は、空間センサ90の検出結果に対応する時刻に関する情報である。
【0105】
「センサID」フィールドには、空間ログ情報を取得した空間センサ90のセンサ識別情報が格納される。
【0106】
「空間センシング」フィールドには、空間センシング情報が格納される。空間センシング情報は、空間センサ90の検出結果に関する情報である。空間センシング情報は、例えば、以下の少なくとも1つを含む。
・空間を伝搬する音波の伝搬時間に関する情報(以下「伝搬時間情報」という)
・空間の風量に関する情報(以下「風量情報」という)
【0107】
「エアパラメータ」フィールドには、空間センシング情報から計算されるエアパラメータが格納される。
【0108】
(1-4)情報処理
本実施形態の情報処理を説明する。
【0109】
(1-4-1)距離センシング処理
本実施形態の距離センシング処理を説明する。
図12は、本実施形態の距離センシング処理のシーケンス図である。
図13は、
図12の情報処理において表示される画面例を示す図である。
【0110】
図12の処理は、対象者が使用するクライアント装置10にインストールされた所定のアプリケーションの起動をトリガーに実行される。アプリケーションが起動されると、近距離通信モジュール15は、ビーコン信号の発信を開始する。ビーコン信号は、クライアント装置10のクライアント識別情報を含む。
【0111】
<ビーコン信号の受信(S1110)>
図12に示すように、クライアント装置10-1は、ビーコン信号の受信(S1110)を実行する。
具体的には、対象者U1及びU2が通信範囲内に近づくと、クライアント装置10-1の近距離通信モジュール15は、クライアント装置10-2の近距離通信モジュール15から発信されたビーコン信号を受信する。
プロセッサ12は、ビーコン情報を記憶装置11に記憶する。ビーコン情報は、以下の情報を含む。
・ビーコン信号を発信したクライアント装置10-2(「接触クライアント装置」の一例)のクライアント識別情報(以下「接触クライアント識別情報」という)
・ビーコン信号の信号レベル情報
【0112】
<接触距離の計算(S1111)>
ステップS1110の後、クライアント装置10-1は、接触距離の計算(S1111)を実行する。
具体的には、記憶装置31には、接触距離モデルが記憶されている。接触距離モデルには、信号レベルと、複数の対象者の間の接触距離との相関関係が記述されている。
プロセッサ12は、ステップS1110で記憶された信号レベル情報を接触距離モデルに入力することにより、当該信号レベル情報に応じた接触距離(つまり、対象者U1と対象者U2との間の距離)を出力する。
【0113】
プロセッサ12は、クライアントセンシング情報のレコードを記憶装置11に記憶する。クライアントセンシング情報は、例えば、以下の情報を含む。
・ステップS1110の実行時刻に関するタイムスタンプ情報
・ステップS1110で記憶された接触クライアント識別情報
・当該接触距離に関する接触距離情報
【0114】
クライアント装置10-1は、ステップS1110~S1111を繰り返し実行する。これにより、記憶装置11には、クライアントセンシング情報のレコードが継続的に蓄積される。
【0115】
<濃厚接触の判定(S1112)>
ステップS1111の後、クライアント装置10-1は、濃厚接触の判定(S1112)を実行する。
具体的には、プロセッサ12は、ステップS1111で記憶されたレコードのうち、所定の濃厚接触条件に該当する複数のレコード(以下「濃厚接触レコード」という)の有無を判定する。濃厚接触条件は、以下の条件を含む。
(条件1)ステップS1112の実行時刻から遡って所定の濃厚接触期間に含まれる時刻を示すタイムスタンプ情報を含むこと。
(条件2)同一の接触クライアント識別情報を含むこと。
(条件3)接触距離情報が所定の濃厚接触距離以下を示す(つまり、特定の対象者と特定の接触者との間の距離が濃厚接触距離以下である)こと。
(条件4)条件1~条件3を満たすレコードのタイムスタンプ情報が示す時間(最先の時刻から最後の時刻までの時間)が所定の濃厚接触時間以上である(つまり、特定の対象者と特定の接触者との接触時間が濃厚接触時間以上である)こと。
【0116】
<通知(S1113)>
ステップS1112の後、クライアント装置10-1は、通知(S1113)を実行する。
具体的には、プロセッサ12は、ステップS1112の判定結果に応じた画面P110~P111(
図13)をディスプレイに表示する。
【0117】
画面P110は、ステップS1112で濃厚接触レコードがある(つまり、濃厚接触が発生した)と判定された場合に提示される画面である。画面P110は、例えば、以下のメッセージを含む。
・危険な状態になるまでの残り時間
・対象者U1~U2に対して互いに離れることを促すメッセージ
【0118】
画面P111は、ステップS1112で濃厚接触レコードがない(つまり、濃厚接触が発生していない)と判定された場合に提示される画面である。画面P111は、例えば、対象者U1~U2に対して現状の距離を維持することを促すメッセージを含む。
【0119】
<クライアントセンシング情報の送信(S1114)>
ステップS1113の後、クライアント装置10-1は、クライアントセンシング情報の送信(S1114)を実行する。
具体的には、プロセッサ12は、以下の情報をサーバ30に送信する。
・クライアント装置10-1(「対象クライアント装置」の一例)のクライアント識別情報(以下「対象クライアント識別情報」という)
・ステップS1111で記憶されたレコードのうち、サーバ30に送信していないレコード
【0120】
<対象者の特定(S1130)>
ステップS1114の後、サーバ30は、対象者の特定(S1130)を実行する。
具体的には、プロセッサ32は、クライアント情報データベース(
図5)を参照して、ステップS1114で送信された対象クライアント識別情報に関連付けられた対象者識別情報を特定する。当該対象者識別情報は、対象クライアント識別情報に対応するクライアント装置10-1を使用する対象者に対応する。
【0121】
<接触者の特定(S1131)>
ステップS1130の後、サーバ30は、接触者の特定(S1131)を実行する。
具体的には、プロセッサ32は、クライアント情報データベース(
図5)を参照して、ステップS1114で送信された接触クライアント識別情報に関連付けられた対象者識別情報(以下「接触者識別情報」という)を特定する。接触者識別情報は、ステップS1130で特定された対象者と接触した接触者に対応する。
【0122】
<データベースの更新(S1132)>
ステップS1131の後、サーバ30は、データベースの更新(S1132)を実行する。
具体的には、プロセッサ32は、接触ログ情報データベース(
図8)に新規レコードを追加する。新規レコードの各フィールドには、以下の情報が格納される。
・「接触ログID」フィールド:新規の接触ログ識別情報
・「タイムスタンプ」フィールド:ステップS1132の実行時刻に関する情報(以下「タイムスタンプ情報」という)、又は、ステップS1114で送信されたレコードのタイムスタンプ情報
・「対象者ID」フィールド:ステップS1130で特定された対象者識別情報
・「接触者ID」フィールド:ステップS1131で特定された接触者識別情報
・「信号レベル」フィールド:ステップS1114で送信された信号レベル情報
・「接触距離」フィールド:ステップS1114で送信された接触距離情報
【0123】
(1-4-2)位置センシング処理
本実施形態の位置センシング処理を説明する。
図14は、本実施形態の位置センシング処理のシーケンス図である。
【0124】
図14の処理は、対象者U1が使用するクライアント装置10の近距離通信モジュール15の起動をトリガーに実行される。
【0125】
<ビーコン信号の発信の開始(S1210)>
図14に示すように、クライアント装置10は、ビーコン信号の発信の開始(S1210)を実行する。
具体的には、近距離通信モジュール15は、ビーコン信号の発信を開始する。ビーコン信号は、クライアント装置10のクライアント識別情報を含む。
ステップS1210以降、近距離通信モジュール15は、一定期間毎に、ビーコン信号を発信する。
【0126】
<ビーコン信号の受信(S1270)>
ステップS1210の後、位置センサ70は、ビーコン信号の受信(S1270)を実行する。
具体的には、対象者U1が位置センサ70から所定距離以内に近づくと、位置センサ70は、クライアント装置10から発信されたビーコン信号を受信する。当該ビーコン信号は、当該ビーコン信号を発信したクライアント装置10の対象クライアント識別情報を含む。
【0127】
<位置センシング情報の送信(S1271)>
ステップS1270の後、位置センサ70は、位置センシング情報の送信(S1271)を実行する。
具体的には、位置センサ70は、位置センシング情報をサーバ30に送信する。位置センシング情報は、以下の情報を含む。
・位置センサ70のセンサ識別情報
・ステップS1270で得られたビーコン信号に含まれる対象クライアント識別情報
・ステップS1270で得られたビーコン信号の信号レベル情報
【0128】
<対象者の特定(S1230)>
ステップS1271の後、サーバ30は、対象者の特定(S1230)を実行する。
具体的には、プロセッサ32は、クライアント情報データベース(
図5)を参照して、ステップS1271で送信された対象クライアント識別情報に関連付けられた対象者識別情報を特定する。当該対象者識別情報は、対象クライアント識別情報に対応するクライアント装置10を使用する対象者に対応する。
【0129】
<データベースの更新(S1231)>
ステップS1230の後、サーバ30は、データベースの更新(S1231)を実行する。
具体的には、プロセッサ32は、位置ログ情報データベース(
図9)に新規レコードを追加する。新規レコードの各フィールドには、以下の情報が格納される。
・「位置ログID」フィールド:新規の位置ログ識別情報
・「タイムスタンプ」フィールド:ステップS1231の実行時刻情報
・「センサID」フィールド:ステップS1271で送信されたセンサ識別情報
・「対象者ID」フィールド:ステップS1271で送信された対象クライアント識別情報
・「信号レベル」フィールド:ステップS1271で送信された信号レベル情報
【0130】
(1-4-3)人物センシング処理
本実施形態の人物センシング処理を説明する。
図15は、本実施形態の人物センシング処理のシーケンス図である。
【0131】
図15の処理は、人物センサ80の起動をトリガーに実行される。
【0132】
<人物センシング(S1380)>
図15に示すように、人物センサ80は、人物センシング(S1380)を実行する。
具体的には、人物センサ80は、対象者の画像(例えば、対象者の顔の画像)を取得する。
【0133】
<対象者の特定(S1381)>
ステップS1380の後、人物センサ80は、対象者の特定(S1381)を実行する。
具体的には、人物センサ80には、人物認識モデルが記憶されている。人物認識モデルには、人物の画像と対象者識別情報との相関関係が記述されている。
人物センサ80は、ステップS180で得られた画像を人物認識モデルに入力することにより、当該画像の被写体の対象者識別情報を出力する。
【0134】
<状態解析(S1382)>
ステップS1381の後、人物センサ80は、状態解析(S1382)を実行する。
具体的には、人物センサ80には、状態種別毎の状態解析モデルが記憶されている。状態解析モデルには、人物の画像と人物状態情報との相関関係が記述されている。
【0135】
ステップS1382の第1例は、人物センサ80がサーモセンサである例である。例えば、人物センサ80は、エントランスに配置される。
この場合、状態解析モデルには、状態種別「体温」が割り当てられる。
人物センサ80は、ステップS1380で得られた画像を状態解析モデルに入力することにより、対象者の生体(例えば、体温)に関する情報(以下「生体情報」という)を出力する。生体情報は、人物状態情報の一例である。
【0136】
ステップS1382の第2例は、人物センサ80がイメージセンサである例である。人物センサ80は、例えば、洗面所に配置される。
この場合、状態解析モデルには、状態種別「手洗い」が割り当てられる。
人物センサ80は、ステップS1380で得られた画像を状態解析モデルに入力することにより、対象者の行動(例えば、手洗いの方法及び継続時間)に関する情報(以下「行動情報」という)を出力する。行動情報は、人物状態情報の一例である。
【0137】
ステップS1382の後、人物センサ80は、人物センシング情報の送信(S1383)を実行する。
具体的には、人物センサ80は、人物センシング情報をサーバ30に送信する。人物センシング情報は、以下の情報を含む。
・人物センサ80のセンサ識別情報
・ステップS1381で得られた対象者識別情報
・ステップS1382で得られた人物状態情報
・ステップS1382で用いられた状態解析モデルに割り当てられた状態種別情報
【0138】
<評価(S1330)>
ステップS1383の後、サーバ30は、評価(S1330)を実行する。
具体的には、記憶装置31には、評価モデルが記憶されている。評価モデルには、人物状態情報と評価情報との相関関係が記述されている。
プロセッサ32は、ステップS1383で送信された人物状態情報を評価モデルに入力することにより、人物状態情報に対応する評価情報を出力する。
【0139】
ステップS1330の第1例は、ステップS1382の第1例に対応する。
評価モデルには、ウイルスに既に感染している確率(以下「感染確率」という)と生体情報との相関関係が記述されている。
プロセッサ32は、ステップS1383で送信された生体情報を評価モデルに入力することにより、当該生体情報に対応する感染確率を出力する。
これにより、既に、対象者がウイルスに感染している確率が得られる。
【0140】
ステップS1330の第2例は、ステップS1382の第2例に対応する。
評価モデルには、行動情報と一次感染リスクスコアとの相関関係が記述されている。一次感染リスクスコアは、一次感染のリスクレベルに関する指数である。一次感染リスクスコアが大きいほど、一次感染のリスクが高いことを示す。
プロセッサ32は、ステップS1383で送信された行動情報を評価モデルに入力することにより、当該行動情報に対応する一次感染リスクスコアを出力する。
これにより、将来、対象者がウイルスに感染する確率が得られる。
【0141】
ステップS1330の後、サーバ30は、データベースの更新(S1331)を実行する。
具体的には、プロセッサ32は、人物ログ情報データベース(
図10)に新規レコードを追加する。新規レコードの各フィールドには、以下の情報が格納される。
・「人物ログID」フィールド:人物ログ識別情報
・「タイムスタンプ」フィールド:ステップS1331の実行時刻情報
・「対象者ID」フィールド:ステップS1383で送信された対象者識別情報
・「状態種別」フィールド:ステップS1383で送信された状態種別情報
・「人物状態」フィールド:ステップS1383で送信された人物状態情報
・「評価」フィールド:ステップS1330で得られた評価情報
【0142】
(1-5)ユースケース
本実施形態のユースケースを説明する。
図16は、本実施形態のユースケースの説明図である。
【0143】
図16は、対象者U1が、対象空間(例えば、オフィス)内で以下のように行動したケースの例である。
・時刻T1:エントランスを通過する。
・時刻T2~T23:会議室で対象者U2とのミーティングを実施する。
・時刻T4:洗面所で手を洗う。
【0144】
(時刻T1)
エントランスに配置された位置センサ70-1が、対象者U1のクライアント装置10-1から発信されたビーコン信号を受信することにより、時刻T1における対象者U1の位置(例えば、エントランスの座標)が得られる。
エントランスに配置された人物センサ80-1(例えば、サーモセンサ)によって、時刻T1における対象者U1の生体情報(例えば、体温に関する情報)が得られる。
【0145】
(時刻T2~T3)
会議室に配置された位置センサ70-2が、対象者U1のクライアント装置10-1及び対象者U2のクライアント装置10-2から発信されたビーコン信号を受信することにより、時刻T2~T3における対象者U1~U2の位置(例えば、会議室の座標)が得られる。
クライアント装置10-1及びクライアント装置10-2が互いに近距離通信(例えば、ビーコン信号の送受信)を実行することにより、時刻T2~T3における接触距離(T2:T3)が得られる。
濃厚接触条件に該当する場合、クライアント装置10-1~10-2に、濃厚接触の警告が提示される。
【0146】
(時刻T4)
洗面所に配置された位置センサ70-3が、対象者U1のクライアント装置10-1から発信されたビーコン信号を受信することにより、時刻T4における対象者U1の位置(例えば、洗面所の座標)が得られる。
洗面所に配置された人物センサ80-2(例えば、イメージセンサ)によって、時刻T4における対象者U1の行動情報(例えば、手洗いに関する情報)が得られる。
【0147】
(1-6)本実施形態の小括
このように、本実施形態によれば、対象空間において、複数の対象者の接触距離及び接触時間の組合せがサーバ30に蓄積される。これにより、対象空間SPにおいてウイルスへの感染による影響を低減するための対策を立てる上で必要な判断材料を提供することができる。
【0148】
本実施形態によれば、接触距離及び接触時間に応じて、第1対象者と第2対象者との接触が濃厚接触であるか否かを判定する。これにより、濃厚接触者を容易に把握することができる。
【0149】
本実施形態によれば、濃厚接触と判定された場合、該当者に警告を通知する。これにより、濃厚接触を抑制することができる。
【0150】
(2)変形例
本実施形態の変形例を説明する。
【0151】
(2-1)変形例1
変形例1を説明する。対象空間の物理量に関するエアパラメータを取得する例である。
【0152】
以下、空間センサ90から送信された音波の伝搬距離は、既知であるものとする。伝搬距離は、例えば、空間センサ90によって送信された音波が、対象空間に配置された反射部材で反射した後、空間センサ90が配置された位置に戻るまでの間、当該音波が伝搬する距離である。
【0153】
(2-1-1)空間センシング処理
変形例1の空間センシング処理を説明する。
図17は、変形例1の空間センシング処理のシーケンス図である。
【0154】
図17の処理は、空間センサ90の起動をトリガーに実行される。
【0155】
<空間センシング(S2190)>
図17に示すように、空間センサ90は、空間センシング(S2190)を実行する。ステップS2190は、複数の伝搬経路について実行される。
【0156】
ステップS2190の第1例では、空間センサ90は、送信機及び受信機を備える。送信機は、対象空間内に音波(例えば、指向性を有する音波)を送信するように構成される。当該音波は、対象空間内に配置された反射部材(例えば、壁)で反射する。受信機は、反射部材で反射した音波を受信するように構成される。
空間センサ90は、送信機が音波を送信した時刻(以下「送信時刻」という)と、受信機が音波を受信した時刻(以下「受信時刻」という)と、の差(つまり、伝搬時間)を計算する。伝搬時間は、空間センサ90と反射部材との間を音波が往復するための所要時間である。伝搬時間は、空間センサ90と反射部材との間の距離及びエアパラメータ(例えば、温度、湿度、及び、エアフローの少なくとも1つ)に依存する。
【0157】
ステップS2190の第2例では、空間センサ90は、送信機及び受信機を備える。送信機及び受信機は、互いに異なる位置に配置される。送信機は、対象空間内に音波(例えば、指向性を有する音波)を受信機に向かって送信するように構成される。受信機は、当該音波を受信するように構成される。
空間センサ90は、送信時刻と、受信時刻と、の差(つまり、伝搬時間)を計算する。伝搬時間は、送信機と受信機との間の距離及びエアパラメータ(例えば、温度、湿度、及び、エアフローの少なくとも1つ)に依存する。
【0158】
ステップS2190の第3例では、空間センサ90は、対象空間の領域の換気経路上に配置される。空間センサ90は、当該領域の風量を検出するように構成される。
【0159】
<空間センシング情報の送信(S2191)>
ステップS2190の後、空間センサ90は、空間センシング情報の送信(S2191)を実行する。
具体的には、空間センサ90は、空間センシング情報をサーバ30に送信する。空間センシング情報は、以下の情報を含む。
・空間センサ90のセンサ識別情報
・ステップS2190で得られた伝搬時間に関する伝搬時間情報
【0160】
<エアパラメータの計算(S2130)>
ステップS2191の後、サーバ30は、エアパラメータの計算(S2130)を実行する。
【0161】
ステップS2130の第1例では、サーバ30は、対象空間における気流の方向及び風速(以下「エアフローベクトル」という)を計算する。
記憶装置31には、エアフローモデルが記憶される。エアフローモデルには、伝搬時間と、エアフローベクトルとの相関関係が記述される。
プロセッサ32は、ステップS2191で送信された各伝搬経路の伝搬時間情報をエアフローモデルに入力することにより、各伝搬経路のエアフローベクトルを出力する。
【0162】
ステップS2130の第2例では、記憶装置31には、温度計算モデルが記憶される。温度計算モデルには、伝搬時間と、温度との相関関係が記述される。
プロセッサ32は、ステップS2191で送信された各伝搬経路の伝搬時間情報を温度計算モデルに入力することにより、各伝搬経路の温度を出力する。
【0163】
ステップS2130の第3例では、記憶装置31には、湿度計算モデルが記憶される。湿度計算モデルには、伝搬時間と、湿度との相関関係が記述される。
プロセッサ32は、ステップS2191で送信された各伝搬経路の伝搬時間情報を湿度計算モデルに入力することにより、各伝搬経路の湿度を出力する。
【0164】
ステップS2130の第4例では、記憶装置31には、換気量モデルが記憶される。換気量計算モデルには、風量と換気量との相関関係が記述されている。
プロセッサ32は、ステップS2191で送信された各領域の風量を換気量モデルに入力することにより、各領域の換気量を出力する。
【0165】
<データベースの更新(S2131)>
ステップS2130の後、サーバ30は、データベースの更新(S2131)を実行する。
具体的には、プロセッサ32は、空間ログ情報データベース(
図11)に新規レコードを追加する。新規レコードの各フィールドには、以下の情報が格納される。
・「空間ログID」フィールド:新規の空間ログ識別情報
・「タイムスタンプ」フィールド:ステップS2131の実行時刻情報
・「センサID」フィールド:ステップS2191で送信されたセンサ識別情報
・「空間センシング」フィールド:ステップS2191で送信された空間センシング情報
・「エアパラメータ」フィールド:ステップS2130で得られたエアパラメータ
【0166】
(2-1-2)ユースケース
変形例1のユースケースを説明する。
図18は、変形例1のユースケースの説明図である。
【0167】
図18は、対象空間(例えば、オフィス)の壁に空間センサ90が配置される例である。
【0168】
空間センサ90は、対象空間内に音波を送信し、且つ、反射部材で反射した音波を受信する。
空間センサ90は、音波を受信すると、音波の伝搬経路の伝搬時間情報をサーバ30に送信する。
【0169】
サーバ30は、空間センサ90から送信された伝搬時間情報を参照して、伝搬経路のエアパラメータ(例えば、エアフローベクトル)を計算する。
【0170】
(2-1-3)変形例1の小括
変形例1によれば、対象空間SPのエアパラメータが特定される。これにより、対象空間SPにおいてウイルスへの感染による影響を低減するための対策を立てる上で必要な判断材料を提供することができる。
【0171】
(2-2)変形例2
変形例2を説明する。変形例2は、センシング結果を提示する例である。
【0172】
(2-2-1)分析処理
変形例2の分析処理を説明する。
図19は、変形例2の分析処理のシーケンス図である。
図20は、
図19の処理において表示される画面例の図である。
図21は、
図19の処理において表示される画面例の図である。
図22は、
図19の処理において表示される画面例の図である。
図23は、
図19の処理において表示される画面例の図である。
【0173】
図19の処理は、例えば、管理者装置50のアプリケーションの起動をトリガーに実行される。
【0174】
<提示メニューの指定の受付(S3150)>
図19に示すように、管理者装置50は、提示メニューの指定の受付(S3150)を実行する。
具体的には、プロセッサ52は、画面P310(
図20)をディスプレイに表示する。
【0175】
画面P310は、操作オブジェクトB310a~B310bと、フィールドオブジェクトF310と、を含む。
操作オブジェクトB310aは、メニュー「集計」を指定するためのユーザ指示を受け付けるオブジェクトである。メニュー「集計」は、特定のキーを考慮しない分析結果を提示するメニューである。
操作オブジェクトB310bは、メニュー「対象者」を指定するためのユーザ指示を受け付けるオブジェクトである。メニュー「対象者」は、特定の対象者をキーとする分析結果を提示するメニューである。
フィールドオブジェクトF310は、集計期間を指定するためのユーザ指示を受け付けるオブジェクトである。
【0176】
(2-2-1-1)メニュー「集計」に関する処理
変形例2のメニュー「集計」に関する処理を説明する。
ユーザが、フィールドオブジェクトF310に所望の集計期間を指定するためのユーザ指示を入力し、且つ、操作オブジェクトB310aを操作すると、プロセッサ52は、画面P311(
図20)をディスプレイに表示する。
【0177】
画面P311は、操作オブジェクトB311a~B311dを含む。
操作オブジェクトB311aは、メニュー「濃厚接触ランキング」を指定するためのユーザ指示を受け付けるオブジェクトである。メニュー「濃厚接触ランキング」は、濃厚接触回数のランキングを提示するメニューである。
操作オブジェクトB311bは、メニュー「感染リスクマップ」を指定するためのユーザ指示を受け付けるオブジェクトである。メニュー「感染リスクマップ」は、感染リスクが相対的に高い位置を提示するメニューである。
操作オブジェクトB311cは、メニュー「濃厚接触推移」を指定するためのユーザ指示を受け付けるオブジェクトである。メニュー「濃厚接触推移」は、濃厚接触回数の推移を提示するメニューである。
操作オブジェクトB311dは、メニュー「エアフローマップ」を指定するためのユーザ指示を受け付けるオブジェクトである。メニュー「エアフローマップ」は、対象空間の領域のエアフローを提示するメニューである。
【0178】
<分析リクエスト(S3151)>
ステップS3150の後、管理者装置50は、分析リクエスト(S3151)を実行する。
具体的には、ユーザが、操作オブジェクトB311a~B311dの何れかを操作すると、プロセッサ52は、分析リクエストデータをサーバ30に送信する。分析リクエストデータは、以下の情報を含む。
・操作オブジェクトB311a~B311dの何れかに対応する分析を実行させるためのユーザ指示情報
・フィールドオブジェクトF310に入力された集計期間に関する情報(以下「集計期間情報」という)
【0179】
(2-2-1-1-1)メニュー「濃厚接触ランキング」に関する処理
変形例2のメニュー「濃厚接触ランキング」に関する処理を説明する。
【0180】
<分析(S3130)>
ステップS3151の後、サーバ30は、分析(S3130)を実行する。
具体的には、プロセッサ32は、集計期間情報及び接触ログ情報データベース(
図8)を参照して、分析条件に該当するレコード(以下「分析対象レコード」という)を特定する。分析条件は、タイムスタンプ情報が集計期間に含まれる時刻を示すことである。
プロセッサ32は、分析対象レコードから濃厚接触レコードを抽出する。
プロセッサ32は、濃厚接触レコードを参照して、対象者識別情報毎に、濃厚接触レコードの数(以下「濃厚接触回数」という)を計算する。
プロセッサ32は、対象者識別情報と、濃厚接触回数と、を関連付けて記憶装置31に記憶する。
これにより、対象者毎の濃厚接触回数が得られる。
【0181】
<分析レスポンス(S3131)>
ステップS3130の後、サーバ30は、分析レスポンス(S3131)を実行する。
具体的には、プロセッサ32は、分析レスポンスデータを管理者装置50に送信する。分析レスポンスデータは、以下の情報を含む。
・ステップS3130で得られた対象者識別情報に関連付けられた対象者名毎の濃厚接触回数
【0182】
<分析結果の提示(S3152)>
ステップS3131の後、管理者装置50は、分析結果の提示(S3152)を実行する。
具体的には、プロセッサ52は、分析レスポンスデータに対応する画面P3111(
図21)をディスプレイに表示する。
【0183】
画面P3111は、表示オブジェクトA3111a~A3111bと、操作オブジェクトB3111と、を含む。
表示オブジェクトA3111aは、濃厚接触ランキングの集計期間を提示するオブジェクトである。
表示オブジェクトA3111bは、濃厚接触回数が多い順に、対象者名毎の濃厚接触回数を提示する。対象者名は、操作可能に構成される。対象者名が操作されると、当該対象者名に対応する対象者と濃厚接触を行った接触者名毎の濃厚接触者回数が提示される。
操作オブジェクトB3111は、警告条件に該当する対象者に対して、濃厚接触が多いことを警告するメッセージ(以下「警告メッセージ」という)を通知するためのユーザ指示を受け付けるオブジェクトである。警告条件は、例えば、濃厚接触回数が所定回数以上であることである。
【0184】
<警告リクエスト(S3153)>
ステップS3152の後、管理者装置50は、警告リクエスト(S3153)を実行する。
具体的には、ユーザが、操作オブジェクトB3111を操作すると、プロセッサ52は、警告リクエストデータをサーバ30に送信する。警告リクエストデータは、警告メッセージを通知するためのユーザ指示情報を含む。
【0185】
<警告(S3133)>
ステップS3153の後、サーバ30は、警告(S3133)を実行する。
具体的には、プロセッサ32は、ステップS3153で送信された警告リクエストデータを受信すると、クライアント情報データベース(
図5)を参照して、警告条件に該当する濃厚接触レコードに含まれる対象者識別情報に関連付けられたクライアント識別情報を特定する。
プロセッサ32は、特定されたクライアント識別情報に対応するクライアント装置10に警告メッセージを送信する。
【0186】
これにより、濃厚接触が多い対象者を容易に特定することができる。
また、警告条件に該当する対象者に対して、警告メッセージを容易に通知することができる。
【0187】
(2-2-1-1-2)メニュー「感染リスクマップ」に関する処理
変形例2のメニュー「感染リスクマップ」に関する処理を説明する。
【0188】
<分析(S3130)>
ステップS3151の後、サーバ30は、分析(S3130)を実行する。
具体的には、記憶装置31には、一次感染リスクモデルが記憶されている。一次感染リスクモデルには、感染リスク指数と、一次感染リスクスコアとの相関関係が記述されている。
【0189】
ステップS3130の第1例では、感染リスク指数は、一次接触指数である。一次接触指数は、以下の少なくとも1つである。
・ある対象者、及び、当該対象者と接触した接触者の接触回数指数(一例として、各領域の濃厚接触回数の合計値又は平均値)
・ある対象者、及び、当該対象者と接触した接触者の接触レベル指数(一例として、各領域の濃厚接触時間及び濃厚接触距離の組合せの合計値又は平均値)
【0190】
プロセッサ32は、集計期間情報及び接触ログ情報データベース(
図8)を参照して、分析対象レコードを特定する。
プロセッサ32は、分析対象レコードから濃厚接触レコードを抽出する。
プロセッサ32は、対象者識別情報毎に、濃厚接触レコードのタイムスタンプ情報と、位置ログ情報データベース(
図9)のタイムスタンプ情報と、を比較する。
プロセッサ32は、比較結果が同一又は近似である場合、位置ログ情報データベースを参照して、タイムスタンプ情報に関連付けられたセンサ識別情報を特定する。
プロセッサ32は、センサ情報データベース(
図6)及び領域情報データベース(
図7)を参照して、特定されたセンサ識別情報に関連付けられたセンサ座標情報に対応する領域座標情報(以下「対象領域座標情報」という)を特定する。
プロセッサ32は、対象領域座標情報に関連付けられた領域識別情報(以下「対象領域識別情報」という)を特定する。
プロセッサ32は、対象領域識別情報と、当該センサ座標情報に関連付けられたセンサ識別情報を含む濃厚接触レコードと、を関連付けて記憶装置31に記憶する。
プロセッサ32は、対象領域識別情報毎に、対象領域識別情報に関連付けられた濃厚接触レコードを参照して、感染リスク指数を計算する。
プロセッサ32は、対象領域識別情報毎に、当該感染リスク指数を一次感染リスクモデルに入力することにより、感染リスク指数に応じた一次感染リスクスコアを出力する。
プロセッサ32は、対象領域識別情報と、一次感染リスクスコアと、を関連付けて記憶装置31に記憶する。これにより、対象空間の領域毎に、感染リスク指数に応じた一次感染リスクスコアが得られる。
【0191】
ステップS3130の第2例では、感染リスク指数は、以下の少なくとも1つである。
・温度指数(一例として、各領域の温度の平均値)
・湿度指数(一例として、各領域の湿度の平均値)
・エアフロー指数(一例として、各領域のエアフローの平均値)
・換気指数(一例として、各領域の換気量の平均値)
【0192】
プロセッサ32は、集計期間情報及び空間ログ情報データベース(
図11)を参照して、分析対象レコードを特定する。
プロセッサ32は、センサ情報データベース(
図6)及び領域情報データベース(
図7)を参照して、対象領域識別情報を特定する。
プロセッサ32は、対象領域識別情報と、エアパラメータと、を関連付けて記憶装置31に記憶する。これにより、対象空間の領域毎のエアパラメータが得られる。
プロセッサ32は、対象領域識別情報毎に、エアパラメータを一次感染リスクモデルに入力することにより、対象空間の領域毎のエアパラメータに応じた一次感染リスクスコアを出力する。
プロセッサは、対象領域識別情報と、一次感染リスクスコアと、を関連付けて記憶装置31に記憶する。これにより、対象空間の領域毎に、エアパラメータに応じた一次感染リスクスコアが得られる。
【0193】
ステップS3130の第3例では、感染リスク指数は、例えば、対象者指数(例えば、一定期間の人口密度の合計値又は平均値)である。
プロセッサ32は、集計期間情報及び位置ログ情報データベース(
図9)を参照して、分析対象レコードを特定する。
プロセッサ32は、センサ情報データベース(
図6)及び領域情報データベース(
図7)を参照して、対象領域式情報を特定する。
プロセッサ32は、対象領域識別情報と、分析対象レコードと、を関連付けて記憶する。
プロセッサ32は、対象領域識別情報毎に、各位置センサ70の検出範囲の面積あたりの人口密度を計算する。
プロセッサ32は、対象領域識別情報毎に、人口密度を一次感染リスクモデルに入力することにより、人口密度に応じた一次感染リスクスコアを出力する。
プロセッサ32は、対象領域識別情報と、一次感染リスクスコアと、を関連付けて記憶装置31に記憶する。これにより、対象空間の領域毎に、人口密度に応じた一次感染リスクスコアが得られる。
【0194】
なお、ステップS3130の第1例~第3例は、互いに組合せ可能である。
【0195】
<分析レスポンス(S3131)>
ステップS3130の後、サーバ30は、分析レスポンス(S3131)を実行する。
具体的には、プロセッサ32は、分析レスポンスデータを管理者装置50に送信する。分析レスポンスデータは、以下の情報を含む。
・ステップS3130で得られた一次感染リスクスコア
【0196】
<分析結果の提示(S3152)>
ステップS3131の後、管理者装置50は、分析結果の提示(S3152)を実行する。
具体的には、プロセッサ52は、分析レスポンスデータに対応する画面P3112(
図21)をディスプレイに表示する。
【0197】
画面P3112は、表示オブジェクトA3112a~A3112bと、フィールドオブジェクトF3112a~F3112bと、を含む。
表示オブジェクトA3112aは、感染リスクマップの集計期間を提示するオブジェクトである。
表示オブジェクトA3112bは、分析レスポンスデータに含まれる領域識別情報に対応する領域画像を含む。領域画像には、オブジェクトOBJ3112が重畳される。オブジェクトOBJ3112は、感染リスクが高いことを示すオブジェクトである。オブジェクトOBJ3112の形態(例えば、色、形状、及び、サイズの少なくとも1つ)は、提示時刻及び提示指数の組合せに対応する一次感染リスクスコアによって決まる。領域画像は、操作可能に構成される。領域画像が操作されると、集計期間中に当該領域画像に対応する領域に滞在していた対象者のリストが提示される。
フィールドオブジェクトF3112aは、提示時刻を指定するためのユーザ指示を受け付けるためのオブジェクトである。
フィールドオブジェクトF3112aは、提示指数を指定するためのユーザ指示を受け付けるためのオブジェクトである。
画面P3112は、会議室Aの一部及び執務室の感染リスクが相対的に高いことを示している。
【0198】
ユーザがフィールドオブジェクトF3112a~F3112bの少なくとも一方に所望の指示を入力すると、表示オブジェクトA3112bには、当該指示に対応する一次感染リスクスコアに応じたオブジェクトB3112が表示される。
【0199】
これにより、感染リスクの高い領域を容易に特定することができる。
【0200】
(2-2-1-1-3)メニュー「濃厚接触推移」に関する処理
変形例2のメニュー「濃厚接触推移」に関する処理を説明する。
【0201】
<分析(S3130)>
ステップS3151の後、サーバ30は、分析(S3130)を実行する。
具体的には、プロセッサ32は、集計期間情報及び接触ログ情報データベース(
図8)を参照して、分析対象レコードを特定する。
プロセッサ32は、接触時刻情報が示す日付(以下「集計日」という)毎に、濃厚接触回数の合計(以下「濃厚接触頻度」という)を計算する。
プロセッサ32は、集計日と、濃厚接触頻度と、を関連付けて記憶装置31に記憶する。これにより、集計日毎の濃厚接触頻度が得られる。
【0202】
<分析レスポンス(S3131)>
ステップS3130の後、サーバ30は、分析レスポンス(S3131)を実行する。
具体的には、プロセッサ32は、分析レスポンスデータを管理者装置50に送信する。分析レスポンスデータは、以下の情報を含む。
・ステップS3130で得られた濃厚接触頻度
【0203】
<分析結果の提示(S3152)>
ステップS3131の後、管理者装置50は、分析結果の提示(S3152)を実行する。
具体的には、プロセッサ52は、分析レスポンスデータに対応する画面P3113(
図21)をディスプレイに表示する。
【0204】
画面P3113は、表示オブジェクトA3113a~A3113bを含む。
表示オブジェクトA3113aは、濃厚接触推移の集計期間を提示するオブジェクトである。
表示オブジェクトA3113bは、集計日毎の濃厚接触頻度(つまり、濃厚接触頻度の推移)を提示するオブジェクト(例えば、2020年6月1日~2020年6月14日における濃厚接触頻度の推移を示すグラフ)である。
【0205】
これにより、濃厚接触回数を容易に把握することができる。
【0206】
(2-2-1-1-4)メニュー「エアフローマップ」に関する処理
変形例2のメニュー「エアフローマップ」に関する処理を説明する。
【0207】
<分析(S3130)>
ステップS3130の後、サーバ30は、分析(S3130)を実行する。
具体的には、プロセッサ32は、集計期間情報及び空間ログ情報データベース(
図11)を参照して、分析対象レコードを特定する。
プロセッサ32は、領域情報データベース(
図7)を参照して、領域識別情報を特定する。
プロセッサ32は、領域識別情報と、空間時刻情報と、エアフローに関する情報(以下「エアフロー情報」という)と、を関連付けて記憶する。
【0208】
<分析レスポンス(S3131)>
ステップS3130の後、サーバ30は、分析レスポンス(S3131)を実行する。
具体的には、プロセッサ32は、分析レスポンスデータを管理者装置50に送信する。分析レスポンスデータは、以下の情報を含む。
・ステップS3130で得られた空間時刻情報及びエアフロー情報
【0209】
<分析結果の提示(S3152)>
ステップS3131の後、管理者装置50は、分析結果の提示(S3152)を実行する。
具体的には、プロセッサ52は、分析レスポンスデータに対応する画面P3114(
図22)をディスプレイに表示する。
【0210】
画面P3114は、表示オブジェクトA3114と、操作オブジェクトB3114と、を含む。
表示オブジェクトA3114bは、オブジェクトOBJ3114を含む。オブジェクトOBJ3114は、対象空間の領域毎のエアフローを提示するオブジェクトである。オブジェクトOBJ3114の矢印の向き及び長さは、エアフローベクトルに応じて決まる。
操作オブジェクトB3114は、表示オブジェクトA3114に対応する時刻を指定するためのユーザ指示を受け付けるためのオブジェクトである。ユーザが操作オブジェクトB3114の位置を変更すると、操作オブジェクトB3114の位置に対応する時刻におけるエアフローが表示オブジェクトA3114bに提示される。
【0211】
これにより、対象空間の領域毎のエアフローを容易に把握することができる。
【0212】
(2-2-1-2)メニュー「対象者」に関する処理
変形例2のメニュー「対象者」に関する処理を説明する。
ユーザが、操作オブジェクトB310bを操作すると、プロセッサ52は、画面P312(
図20)をディスプレイに表示する。
【0213】
画面P312は、操作オブジェクトB312a~B312cと、フィールドオブジェクトF312と、を含む。
操作オブジェクトB312aは、メニュー「濃厚接触者リスト」を指定するためのユーザ指示を受け付けるオブジェクトである。メニュー「濃厚接触者リスト」は、濃厚接触者のリストを提示するメニューである。
操作オブジェクトB312bは、メニュー「感染リスクマップ」を指定するためのユーザ指示を受け付けるオブジェクトである。メニュー「レッドゾーンマップ」は、対象空間において感染リスクが相対的に高い領域(以下「レッドゾーン」という)を提示するメニューである。
操作オブジェクトB312cは、メニュー「二次感染マップ」を指定するためのユーザ指示を受け付けるオブジェクトである。メニュー「二次感染マップ」は、二次感染の可能性がある対象者を提示するメニューである。
フィールドオブジェクトF312は、メニュー「感染リスクマップ」、「レッドゾーンマップ」、又は、「二次感染マップ」のキーとなる一次接触者を指定するためのユーザ指示を受け付けるオブジェクトである。
【0214】
<分析リクエスト(S3151)>
ステップS3150の後、管理者装置50は、分析リクエスト(S3151)を実行する。
具体的には、ユーザが、フィールドオブジェクトF312に所望の対象者識別情報を入力し、且つ、操作オブジェクトB312aを操作すると、プロセッサ52は、分析リクエストデータをサーバ30に送信する。分析リクエストデータは、以下の情報を含む。
・操作オブジェクトB312a~B312cの何れかに対応する分析を実行させるためのユーザ指示情報
・集計期間情報
・フィールドオブジェクトF312に入力された対象者識別情報
【0215】
(2-2-1-2-1)メニュー「濃厚接触者リスト」に関する処理
変形例2のメニュー「濃厚接触者リスト」に関する処理を説明する。
【0216】
<分析(S3130)>
ステップS3151の後、サーバ30は、分析(S3130)を実行する。
具体的には、プロセッサ32は、分析リクエストデータに含まれる集計期間情報及び対象者識別情報、並びに、接触ログ情報データベース(
図8)を参照して、分析条件に該当する分析対象レコードを特定する。分析条件は、以下の条件を含む。
・タイムスタンプ情報が集計期間に含まれる時刻を示す。
・「対象者ID」フィールドが、分析リクエストデータに含まれる対象者識別情報を含む。
【0217】
プロセッサ32は、分析対象レコードから濃厚接触レコードを抽出する。
プロセッサ32は、対象者情報データベース(
図4)を参照して、濃厚接触レコードの接触者識別情報に関連付けられた接触者名情報(以下「濃厚接触者名情報」という)を特定する。
プロセッサ32は、位置ログ情報データベース(
図9)を参照して、濃厚接触レコードに含まれる接触時刻情報(以下「濃厚接触時刻情報」という)及び対象者識別情報の組合せに関連付けられたセンサ識別情報を特定する。
プロセッサ32は、センサ情報データベース(
図6)を参照して、特定されたセンサ識別情報に関連付けられたセンサ座標情報(以下「濃厚接触座標情報」という)を特定する。
プロセッサ32は、濃厚接触時刻情報と、濃厚接触者名情報と、濃厚接触座標情報と、を関連付けて記憶装置31に記憶する。
【0218】
<分析レスポンス(S3131)>
ステップS3130の後、サーバ30は、分析レスポンス(S3131)を実行する。
具体的には、プロセッサ32は、分析レスポンスデータを管理者装置50に送信する。分析レスポンスデータは、以下の情報を含む。
・ステップS3130で得られた濃厚接触時刻情報、濃厚接触者名情報、及び、濃厚接触座標情報
【0219】
<分析結果の提示(S3152)>
ステップS3131の後、管理者装置50は、分析結果の提示(S3152)を実行する。
具体的には、プロセッサ52は、分析レスポンスデータに対応する画面P3121(
図23)をディスプレイに表示する。
【0220】
画面P3121は、以下の情報を含む。
・「接触日時」:濃厚接触時刻情報
・「接触者名」:濃厚接触者名情報
・「接触位置」:濃厚接触座標情報
【0221】
対象者名は、操作可能に構成される。対象者名が操作されると、当該対象者名に対応する対象者と濃厚接触を行った接触者名毎に、濃厚接触時刻情報、濃厚接触者名情報、及び、濃厚接触座標情報が提示される。
【0222】
これにより、特定の対象者と濃厚接触を行った濃厚接触者を容易に特定することができる。
【0223】
(2-2-1-2-2)メニュー「レッドゾーンマップ」に関する処理
変形例2のメニュー「レッドゾーンマップ」に関する処理を説明する。
【0224】
<分析(S3130)>
ステップS3151の後、サーバ30は、分析(S3130)を実行する。
プロセッサ32は、分析リクエストデータに含まれる集計期間情報及び対象者識別情報、並びに、位置ログ情報データベース(
図9)を参照して、分析対象レコードを特定する。
プロセッサ32は、分析対象レコードのセンサ識別情報及び対象者識別情報の組合せ毎に、複数のタイムスタンプ情報を参照して、滞在時間を計算する。滞在時間は、当該対象者識別情報に対応する対象者が、当該センサ識別情報に対応する位置センサ70の検出範囲に滞在した時間である。
【0225】
ステップS3130の第4例では、記憶装置31には、レッドゾーンモデルが記憶されている。レッドゾーンモデルには、滞在時間と危険スコアとの相関関係が記述されている。危険スコアは、対象空間内の領域の危険レベルに関する指数である。
プロセッサ32は、レッドゾーンモデルに滞在時間を入力することにより、当該滞在時間に応じた危険スコアを出力する。
プロセッサ32は、分析対象レコードから、所定のレッドゾーン条件に該当するレッドゾーンレコードを抽出する。レッドゾーン条件は、危険スコアが所定値以上を示すことである。
プロセッサ32は、当該センサ座標情報に対応する領域識別情報と、危険スコアと、を関連付けて記憶する。これにより、対象空間の領域毎に、特定の対象者の滞在時間に応じた危険スコアが得られる。
【0226】
ステップS3130の第5例では、記憶装置31には、レッドゾーンモデルが記憶されている。レッドゾーンモデルには、滞在時間及びエアパラメータの組合せと、危険スコアとの相関関係が記述されている。
プロセッサ32は、センサ情報データベース(
図6)、領域情報データベース(
図7)、及び、空間ログ情報データベース(
図11)を参照して、領域毎のエアパラメータを特定する。
プロセッサ32は、レッドゾーンモデルに滞在時間及びエアパラメータの組合せを入力することにより、滞在時間及びエアパラメータの組合せに応じた危険スコアを出力する。
プロセッサ32は、分析対象レコードからレッドゾーンレコードを抽出する。
プロセッサ32は、当該センサ座標情報に対応する領域識別情報と、危険スコアと、を関連付けて記憶する。これにより、対象空間の領域毎に、特定の対象者の滞在時間及びエアパラメータの組合せに応じた危険スコアが得られる。
【0227】
<分析レスポンス(S3131)>
ステップS3130の後、サーバ30は、分析レスポンス(S3131)を実行する。
具体的には、プロセッサ32は、分析レスポンスデータを管理者装置50に送信する。分析レスポンスデータは、以下の情報を含む。
・ステップS3130で得られたセンサ座標情報毎の対象者識別情報及び危険スコアの組合せ
【0228】
<分析結果の提示(S3152)>
ステップS3131の後、管理者装置50は、分析結果の提示(S3152)を実行する。
具体的には、プロセッサ52は、分析レスポンスデータに対応する画面P3122(
図23)をディスプレイに表示する。
【0229】
画面P3122は、オブジェクトOBJ3112を含む。オブジェクトOBJ3112は、各領域の危険スコアを提示するオブジェクトである。オブジェクトOBJ3112の形態(例えば、色、形状、及び、サイズの少なくとも1つ)は、危険スコアによって決まる。オブジェクトOBJ3112は、操作可能に構成される。オブジェクトOBJ3112が操作されると、オブジェクトOBJ3112に対応する領域に所定時間以上滞在した対象者の対象者名毎の滞在時間が提示される。
画面P3122は、対象者が、エントランス、執務室、及び、会議室Bに滞在したことを示している。
【0230】
これにより、対象空間において危険度が高い場所を容易に特定することができる。
【0231】
(2-2-1-2-3)メニュー「二次感染マップ」に関する処理
変形例2のメニュー「二次感染マップ」に関する処理を説明する。
【0232】
<分析(S3130)>
ステップS3151の後、サーバ30は、分析(S3130)を実行する。
具体的には、記憶装置31には、一次感染リスクモデル及び二次感染リスクモデルが記憶されている。
二次感染リスクモデルには、一次感染リスクスコア及び二次接触指数の組合せと、二次感染リスクスコアとの相関関係が記述されている。二次感染リスクスコアは、二次感染のリスクレベルに関する指数である。二次感染リスクスコアが大きいほど、二次感染の危険が高いことを示す。二次接触指数は、例えば、以下の少なくとも1つを含む。
・ある対象者と接触した接触者(以下「一次接触者」という)、及び、一次接触者と接触した接触者(以下「二次接触者」という)の接触回数指数
・一次接触者及び二次接触者の接触レベル指数
【0233】
プロセッサ32は、メニュー「感染リスクマップ」に関する処理と同様に、濃厚接触レコードを参照して、「接触者ID」フィールドの接触者識別情報(以下「一次接触者識別情報」という)毎に、一次感染リスクスコアを計算する。
プロセッサ32は、接触ログ識別情報データベース(
図8)を参照して、「対象者ID」フィールドに一次接触者識別情報を含むレコード(以下「二次接触レコード」という)を特定する。
プロセッサ32は、二次接触レコードの「接触者ID」フィールドの接触者識別情報(以下「二次接触者識別情報」という)毎に、二次接触指数を計算する。
プロセッサ32は、二次接触者識別情報毎に、二次感染リスクモデルに、一次感染リスクスコア及び二次接触指数を入力することにより、二次感染リスクスコアを出力する。
プロセッサ32は、二次接触者識別情報と、二次感染リスクスコアと、を関連付けて記憶装置31に記憶する。
【0234】
<分析レスポンス(S3131)>
ステップS3130の後、サーバ30は、分析レスポンス(S3131)を実行する。
具体的には、プロセッサ32は、分析レスポンスデータを管理者装置50に送信する。分析レスポンスデータは、以下の情報を含む。
・ステップS3130で得られた二次感染リスクスコア
【0235】
<分析結果の提示(S3152)>
ステップS3131の後、管理者装置50は、分析結果の提示(S3152)を実行する。
具体的には、プロセッサ52は、分析レスポンスデータに対応する画面P3123(
図23)をディスプレイに表示する。
【0236】
画面P3123は、オブジェクトOBJ3123a~OBJ3123cを含む。
オブジェクトOBJ3123aは、一次接触者を示すノードオブジェクトである。
オブジェクトOBJ3123bは、二次接触者を示すノードオブジェクトである。
オブジェクトOBJ3123cは、一次接触者と二次接触者との間の二次感染リスクスコアに応じたリンクオブジェクトである。オブジェクトOBJ3123cの形態(例えば、線種、線幅、及び、色の少なくとも1つ)は、二次感染リスクスコアによって決まる。
画面P3123は、一次接触者U1と接触した二次接触者U2~U6の二次感染リスクスコアを示している。二次接触者U5~U6と一次接触者U1との間のオブジェクトOBJ2123cは、所定の閾値以上であることを示す線種で表されている。
【0237】
これにより、二次感染の可能性がある対象者を容易に特定することができる。
【0238】
(2-2-2)変形例2の小括
変形例2によれば、センシング情報に応じた分析結果を提示する。これにより、対象空間において対象者の滞在を完全に停止させることなく、最適な解決策を講じるための定量的な判断材料を提供することができる。
【0239】
(2-3)変形例3
変形例3を説明する。変形例3は、特定の空間内領域に滞在する対象者をモニタリングし、リアルタイムに警告を行う例である。
【0240】
(2-3-1)モニタリング処理
変形例3のモニタリング処理を説明する。
図24は、変形例3のモニタリング処理を示すフローチャートである。
図25は、特定領域に設置される表示装置の説明図である。
図26は、
図24の処理において表示される画面例の図である。
図27は、
図24の処理において表示される画面例の図である。
【0241】
図24の処理は、例えば、以下の開始条件のいずれかが成立したことをトリガーに実行される。
・管理者装置50においてアプリケーションが起動された
・空間内領域において複数の対象者が検出された
・所定の日時(例えば、特定の空間内領域について予約された使用開始日時)が到来した
【0242】
図24に示すように、サーバ30は、分析(S4130)を実行する。
具体的には、プロセッサ32は、空間内領域のうち分析の対象となる特定の領域(以下、「特定領域」という)を選択する。特定領域は、ユーザによって指定されてもよいし、プロセッサ32によってアルゴリズムに従って決定されてもよい。特定領域は、例えば、会議室、講義室、などである。
【0243】
図25に示すように、特定領域SA1には、当該特定領域SA1に滞在する対象者U1,U2によって共用される表示装置MNT1が設置される。表示装置MNT1の画面を利用して警告を行うことで、対象者U1,U2に、接触状態に関する警告内容を即座に周知し、行動変容を促すことができる。
【0244】
プロセッサ32は、領域情報データベース(
図7)を参照して、特定領域を識別する領域識別情報に関連付けられる領域座標情報(以下、「特定領域座標情報」という)を特定する。
プロセッサ32は、センサ情報データベース(
図6)を参照して、特定領域座標情報に包含されるセンサ座標情報と、位置センサ70の種別に対応するセンサ種別情報とに関連付けられるセンサ識別情報(以下、「特定センサ識別情報」という)を特定する。
プロセッサ32は、位置ログ情報データベース(
図9)を参照して、第1分析条件に該当するレコードを特定する。第1分析条件は、タイムスタンプ情報が所定期間(例えば、直近の数分~数十分程度)に含まれ、かつセンサ識別情報が特定センサ識別情報と一致することである。プロセッサ32は、特定したレコードに含まれる対象者識別情報(以下、「特定対象者識別情報」という)を抽出する。特定対象者は、特定領域に所定期間内に滞在していた対象者に相当する。
プロセッサ32は、接触ログ情報データベース(
図8)を参照して、第2分析条件に該当するレコードを特定する。第2分析条件は、タイムスタンプ情報が上記所定期間に含まれ、かつ対象者識別情報が特定対象者識別情報に一致することである。第2分析条件に該当するレコードは、特定対象者の所定期間内の接触ログ情報に相当する。
プロセッサ32は、第2分析条件に該当するレコードに含まれる対象者識別情報と、接触者識別情報とを関連付けて記憶装置31に保存する。
【0245】
ステップS4130の後に、サーバ30は、評価(S4131)を実行する。
具体的には、プロセッサ32は、ステップS4130において記憶装置31に保存した情報を参照して、所定期間における特定領域内の対象者の接触状態に関する指標を算出する。
指標の第1例は、特定領域に上記所定期間内に滞在し、かつ当該所定期間内に他の対象者と接触した対象者の数(以下、「接触数」という)である。
指標の第2例は、特定領域に所定期間内に滞在していた対象者の総数に占める接触数の割合(以下、「接触割合」という)である。
指標の第3例は、各特定対象者が所定期間内に接触した他の対象者の数(以下、「個人接触数」という)である。
プロセッサ32は、算出した指標に応じて、所定期間における特定領域内の対象者の接触状態を多段階で評価する。一例として、プロセッサ32は、以下の少なくとも1つを実行してもよい。
・接触数を少なくとも1つの閾値と比較する。
・接触割合を少なくとも1つの閾値と比較する。
・各特定対象者の個人接触数を少なくとも1つの閾値と比較する。
【0246】
ステップS4131の後に、サーバ30は、警告(S4132)を実行する。
具体的には、プロセッサ32は、ステップS4131における評価結果に応じて警告を行う。
【0247】
警告(S4132)の第1の例では、プロセッサ32は、特定領域に設置された表示装置に、ステップS4131における評価結果(例えば、評価結果に対応する画面)を表示させる。一例として、プロセッサ32は、画面P410~P413(
図26)のいずれかを表示装置に表示させる。
画面P410は、接触数が第1閾値(例えば1)未満であるとの評価結果に対応する。
画面P411は、接触数が第1閾値以上かつ第2閾値(例えば3)未満であるとの評価結果に対応する。
画面P412は、接触数が第2閾値以上であるとの評価結果に対応する。
画面P413は、接触割合が第3閾値(例えば30%)以上であるとの評価結果に対応する。
プロセッサ32は、少なくとも最も深刻な接触状態を示す評価結果に対応する画面(例えば画面P413)の色(テキスト画像、背景画像、またはそれらの組み合わせ)を警告色に設定してもよい。
【0248】
警告(S4132)の第2の例では、プロセッサ32は、特定領域に上記所定期間内に滞在し、かつ当該所定期間内に他の対象者と接触した対象者の少なくとも1人(以下、「警告対象者」という)によって使用されているクライアント装置10(つまり、特定領域に上記所定期間内に存在し、かつ当該所定期間内に他のクライアント装置10と接触した少なくとも1つのクライアント装置10)にステップS4131における評価結果を通知する。一例として、プロセッサ32は、画面P420~P421(
図27)のいずれかを警告対象者のクライアント装置10に表示させるための通知を当該クライアント装置10へ送信する。
画面P420は、警告対象者の個人接触数が1以上かつ第4閾値(例えば2)未満であるとの評価結果に対応する。
画面P421は、警告対象者の個人接触数が第4閾値以上であるとの評価結果に対応する。
プロセッサ12、またはプロセッサ32は、少なくとも最も深刻な接触状態を示す評価結果に対応する画面(例えば画面P421)の色(テキスト画像、背景画像、またはそれらの組み合わせ)を警告色に設定してもよい。
【0249】
警告(S4133)の第3の例では、プロセッサ32は、管理者装置50にステップS4131における評価結果を通知する。一例として、プロセッサ32は、画面P410~P413(
図26)のいずれかを管理者装置50に表示させるための通知を当該管理者装置50へ送信する。プロセッサ32は、複数の特定領域について、
図24の処理を並列して実行してもよい。これにより、ユーザ(管理者)は、所定期間における各特定領域内の対象者の接触状態をまとめて監視することができる。ユーザの行動変容(例えば、会議室の利用者への注意喚起、または会議室内のレイアウトの変更)を促すこともできる。
【0250】
警告(S4132)の第4の例は、上記第1~第3の例の少なくとも2つの組み合わせである。
【0251】
ステップS4132の後に、サーバ30は、待機(S4133)を実行する。
具体的には、プロセッサ32は、待機し、分析(S4130)を再度実行する。これにより、最新の接触ログ情報、および位置ログ情報に基づいて警告(S4132)を繰り返し実行することができる。
【0252】
図24の処理は、例えば、以下の終了条件のいずれかが成立したことをトリガーに終了される。
・管理者装置50においてアプリケーションが終了された
・特定領域において複数の対象者が検出されなくなった
・所定の日時(例えば、特定領域について予約された使用終了日時)が到来した
【0253】
(2-3-2)変形例3の小括
変形例3によれば、サーバ30は、特定領域に所定期間内に滞在し、かつ当該所定期間内に他の対象者と接触した対象者を分析し、分析結果に基づいて当該所定期間における当該対象領域内の対象者の接触状態を多段階で評価する。サーバ30は、評価結果に応じて警告を行う。これにより、特定領域に滞在している対象者、又は、特定領域を管理する管理者に対して、行動変容を促すことができる。
【0254】
サーバ30は、特定領域に設置された表示装置に評価結果を表示させてもよい。これにより、特定領域に滞在している対象者に警告内容を即座かつ一斉に周知し、行動変容を促すことができる。サーバ30は、特定領域に所定期間内に滞在し、かつ当該所定期間内に他の対象者と接触した対象者の少なくとも1人によって使用されているクライアント装置10、又は管理者装置50に評価結果を通知してもよい。これにより、特定領域内で他の対象者に現に接触していた者、又は管理者に警告内容を即座に伝え、行動変容を促すことができる。
【0255】
(2-4)変形例4
変形例4を説明する。変形例4は、変形例2のさらなるバリエーションである。
【0256】
(2-4-1)分析処理
変形例4の分析処理を説明する。
図28は、変形例4の分析処理のシーケンス図である。
図29は、
図28の処理において表示される画面例の図である。
図30は、濃厚接触パターンの説明図である。
図31は、
図28の処理において表示される画面例の図である。
図32は、
図28の処理において表示される画面例の図である。
図33は、
図28の処理において表示される画面例の図である。
図34は、
図28の処理において表示される画面例の図である。
【0257】
図28の処理は、例えば、管理者装置50のアプリケーションの起動をトリガーに実行される。
【0258】
<提示メニューの指定の受付(S5150)>
図28に示すように、管理者装置50は、提示メニューの指定の受付(S5150)を実行する。
具体的には、プロセッサ52は、画面P310(
図29)をディスプレイに表示する。
図29の画面P310は、
図20の画面P310と同一である。
【0259】
(2-4-1-1)メニュー「集計」に関する処理
変形例4のメニュー「集計」に関する処理を説明する。
ユーザが、フィールドオブジェクトF310に所望の集計期間を指定するためのユーザ指示を入力し、且つ、操作オブジェクトB310aを操作すると、プロセッサ52は、画面P511(
図29)をディスプレイに表示する。
【0260】
画面P511は、操作オブジェクトB311a~B311d,B511e,B511fを含む。
図29の操作オブジェクトB311a~B311dは、
図20の操作オブジェクトB311a~B311dと同一である。
操作オブジェクトB511eは、メニュー「接触パターン分析」を指定するためのユーザ指示を受け付けるオブジェクトである。メニュー「接触パターン分析」は、対象者間の濃厚接触のパターンに関する分析結果を提示するメニューである。
操作オブジェクトB511fは、メニュー「濃厚接触統計」を指定するためのユーザ指示を受け付けるオブジェクトである。メニュー「濃厚接触統計」は、集計期間内の濃厚接触回数または濃厚接触時間の統計を提示するメニューである。
【0261】
<分析リクエスト(S5151)>
ステップS5150の後、管理者装置50は、分析リクエスト(S5151)を実行する。
具体的には、ユーザが、操作オブジェクトB311a~B311d,B511e,B511fの何れかを操作すると、プロセッサ52は、分析リクエストデータをサーバ30に送信する。分析リクエストデータは、以下の情報を含む。
・操作オブジェクトB311a~B311d,B511e,B511fの何れかに対応する分析を実行させるためのユーザ指示情報
・フィールドオブジェクトF310に入力された集計期間情報
【0262】
(2-4-1-1-1)メニュー「接触パターン分析」に関する処理
変形例4のメニュー「接触パターン分析」に関する処理を説明する。
【0263】
<分析(S5130)>
ステップS5151の後、サーバ30は、分析(S5130)を実行する。
具体的には、プロセッサ32は、集計期間情報及び接触ログ情報データベース(
図8)を参照して、分析対象レコードを特定する。
プロセッサ32は、分析対象レコードから濃厚接触レコードを抽出する。
【0264】
記憶装置31には、濃厚接触モデルが記憶されている。濃厚接触モデルには、例えば
図30に示す濃厚接触パターンが定義される。濃厚接触パターンは、濃厚接触に関する人間関係の類型である。
濃厚接触パターンAは、対象者が所属する集団内に、互いに濃厚接触を行ったPa(≧3)人以上の対象者により構成される小集団aが存在することを意味する。小集団aを構成するいずれかの対象者がウイルスに感染した場合に、当該小集団a内でウイルスが蔓延する可能性が高い。
濃厚接触パターンBは、対象者が所属する集団内に、Pb(≧2)人以上と濃厚接触を行った対象者(中心人物)とその濃厚接触者とにより構成される小集団bが存在することを意味する。小集団bでは、中心人物がウイルスに感染した場合に、他の対象者(複数人)の少なくとも1人に感染が波及する可能性が高い。
濃厚接触パターンCは、対象者が所属する集団内に濃厚接触をNc(≧2)回以上繰り返したペアが存在すること、または当該集団内にTc時間以上に亘って濃厚接触を行ったペアが存在することを意味する。濃厚接触パターンCに適合する小集団(1以上のペア)cを構成する1人の対象者がウイルスに感染した場合に、当該対象者とペアを構成する他の対象者(1人)にウイルスが伝染する可能性が高い。
濃厚接触パターンDは、集団内に濃厚接触を行ったペアがPd(≧2)組以上存在することを意味する。濃厚接触パターンDに適合する小集団(複数のペア)dを構成するいずれかの対象者がウイルスに感染した場合に、当該対象者とペアを構成する他の対象者にウイルスが伝染する可能性がある。
【0265】
プロセッサ32は、濃厚接触モデルを参照して、濃厚接触レコードの抽出結果(つまり、対象者が所属する集団における濃厚接触の特定結果)に対して少なくとも部分的に適合する濃厚接触パターンを特定する。プロセッサ32は、特定した濃厚接触パターンに適合すると判定された対象者を識別する対象者識別情報を抽出する。
プロセッサ32は、濃厚接触パターンAに関して、小集団aを構成する対象者を識別する対象者識別情報を抽出する。
プロセッサ32は、濃厚接触パターンBに関して、小集団bの中心人物と、小集団bを構成する他の対象者とを識別する対象者識別情報を抽出する。
プロセッサ32は、濃厚接触パターンCに関して、小集団cを構成するペア毎に、当該ペア構成する対象者を識別する対象者識別情報を抽出する。
プロセッサ32は、濃厚接触パターンDに関して、小集団dを構成するペア毎に、当該ペアを構成する対象者を識別する対象者識別情報を抽出する。
プロセッサ32は、特定した濃厚接触パターンを識別するパターン識別情報と、抽出した対象者識別情報と、を関連付けて記憶装置31に保存する。
【0266】
<分析レスポンス(S5131)>
ステップS5130の後、サーバ30は、分析レスポンス(S5131)を実行する。
具体的には、プロセッサ32は、分析レスポンスデータを管理者装置50に送信する。分析レスポンスデータは、以下の情報を含む。
・ステップS5130で得られた各種情報(例えば、濃厚接触を行ったペアを構成する対象者を識別する対象者識別情報、特定した濃厚接触パターンを識別するパターン識別情報、および当該パターン識別情報に関連付けられる対象者識別情報)、または当該情報に関連付けられて記憶装置31に保存されている情報(例えば、濃厚接触を行った対象者の対象者情報)
【0267】
<分析結果の提示(S5152)>
ステップS5131の後、管理者装置50は、分析結果の提示(S5152)を実行する。
具体的には、プロセッサ52は、分析レスポンスデータに対応する画面P5115(
図31)をディスプレイに表示する。
【0268】
画面P5115は、オブジェクトO5115a~OBJ5115cを含む。
オブジェクトO5115aは、対象者に対応するノードオブジェクトである。
オブジェクトO5115bは、濃厚接触レコードが抽出された対象者のペアに対応する2ノードオブジェクト間を結ぶリンクオブジェクトである。
オブジェクトO5115cは、濃厚接触パターンを表すラベルオブジェクトである。
【0269】
画面P5115では、オブジェクトO5115a、およびオブジェクトO5115bにより構成されたネットワーク図が表示される。このネットワーク図では、分析(S5130)において特定された濃厚接触パターンを表すオブジェクトO5115cが、当該濃厚接触パターンに適合すると判定された対象者に対応するオブジェクトO5115aからなる小集団SGの近傍に配置される。これにより、ユーザは、集団内において濃厚接触者同士がどのような関係にあるかを直感的に把握することができる。
【0270】
画面P5115には、オブジェクトOBJ5115cに加えて、当該オブジェクトOBJ5115cの表す濃厚接触パターンに対応する対策例を表示するオブジェクトが含まれてもよい。
濃厚接触パターンAの対策例は、例えば、会議室の人数制限を設けること、または座席間隔を広げること、である。
濃厚接触パターンBの対策例は、例えば、中心人物に勧告を行うこと、または中心人物とならないように動機づける(一例として、点数を付ける)こと、である。
濃厚接触パターンCの対策例は、例えば、座席間隔を広げること、である。
濃厚接触パターンCの対策例は、例えば、各対象者に対する注意喚起を行うこと、である。
【0271】
(2-4-1-1-2)メニュー「濃厚接触統計」に関する処理
変形例4のメニュー「濃厚接触統計」に関する処理を説明する。
【0272】
<分析(S5130)>
ステップS5151の後、サーバ30は、分析(S5130)を実行する。
具体的には、プロセッサ32は、集計期間情報及び接触ログ情報データベース(
図8)を参照して、分析対象レコードを特定する。分析条件は、タイムスタンプ情報が集計期間に含まれる時刻を示すことである。
プロセッサ32は、分析対象レコードから濃厚接触レコードを抽出する。
プロセッサ32は、濃厚接触レコードを参照して、対象者識別情報毎に、濃厚接触者数、および濃厚接触時間を計算する。
プロセッサ32は、対象者識別情報と、濃厚接触者数と、濃厚接触時間と、を関連付けて記憶装置31に保存する。
これにより、対象者毎の濃厚接触者数および濃厚接触時間が得られる。
【0273】
<分析レスポンス(S5131)>
ステップS5130の後、サーバ30は、分析レスポンス(S5131)を実行する。
具体的には、プロセッサ32は、分析レスポンスデータを管理者装置50に送信する。分析レスポンスデータは、以下の情報を含む。
・ステップS5130で得られた対象者識別情報に関連付けられた対象者名毎の濃厚接触者数および濃厚接触時間
【0274】
<分析結果の提示(S5152)>
ステップS5131の後、管理者装置50は、分析結果の提示(S5152)を実行する。
具体的には、プロセッサ52は、分析レスポンスデータに対応する画面P5116(
図32)をディスプレイに表示する。
【0275】
画面P5116は、表示オブジェクトA5116a~A5116cを含む。
表示オブジェクトA5116aは、各対象者の集計期間に亘る濃厚接触者数を表すグラフを提示するオブジェクトである。
表示オブジェクトA5116bは、各対象者の集計期間に亘る濃厚接触時間を表すグラフを提示するオブジェクトである。
【0276】
表示オブジェクトA5116bまたはA5116bによれば、濃厚接触者数が多い対象者、または濃厚接触時間の長い対象者を容易に特定することができる。
図32の例では、表示オブジェクトA5116bまたはA5116bにおいて、対象者の情報は濃厚接触者数、または濃厚接触時間の降順にソートされている。しかしながら、管理者装置50は、ユーザの指示に応じて対象者の情報を異なる順序でソートしてもよい。管理者装置50は、対象者の属性、または対象者の該当する濃厚接触パターンの少なくとも1つに応じて、当該対象者に対応する棒の形態(例えば、色、サイズ、形状、枠線の種類、塗りつぶしパターン、またはそれらの組み合わせ)を異ならせてもよい。
【0277】
表示オブジェクトA5116aおよびA5116bにおいて、対象者名は、操作可能に構成される。対象者名が操作されると、
図33に示すように、操作された対象者の対象者情報と、当該対象者と濃厚接触を行った接触者毎の接触時間に関する情報が提示される。
【0278】
表示オブジェクトA5116cは、集計期間に亘る濃厚接触者数を階級とし、各階級に該当する対象者数を度数とするヒストグラムを提示するオブジェクトである。
【0279】
表示オブジェクトA5116cによれば、対象者が属する集団における濃厚接触者数の分布を容易に観察することができる。
【0280】
(2-4-1-2)メニュー「対象者」に関する処理
変形例4のメニュー「対象者」に関する処理を説明する。
ユーザが、操作オブジェクトB310bを操作すると、プロセッサ52は、画面P512(
図29)をディスプレイに表示する。
【0281】
画面P512は、操作オブジェクトB312a~B312c,B512dと、フィールドオブジェクトF312と、を含む。
図29の操作オブジェクトB312a~B312cは、
図20の操作オブジェクトB312a~B312cと同一である。
操作オブジェクトB512dは、メニュー「二次接触マップ」を指定するためのユーザ指示を受け付けるオブジェクトである。メニュー「二次接触マップ」は、選択された対象者(以下、「注目対象者」という)を中心とする一次濃厚接触者に関する情報、および二次濃厚接触者に関する情報を提示するメニューである。
フィールドオブジェクトF512は、メニュー「感染リスクマップ」、「レッドゾーンマップ」、又は、「二次感染マップ」のキーとなる一次接触者、またはメニュー「二次接触マップ」のキーとなる注目対象者を指定するためのユーザ指示を受け付けるオブジェクトである。
【0282】
<分析リクエスト(S5151)>
ステップS5150の後、管理者装置50は、分析リクエスト(S5151)を実行する。
具体的には、ユーザが、フィールドオブジェクトF512に所望の対象者識別情報を入力し、且つ、操作オブジェクトB312aを操作すると、プロセッサ52は、分析リクエストデータをサーバ30に送信する。分析リクエストデータは、以下の情報を含む。
・操作オブジェクトB312a~B312c,B512dの何れかに対応する分析を実行させるためのユーザ指示情報
・集計期間情報
・フィールドオブジェクトF512に入力された対象者識別情報
【0283】
(2-4-1-2-1)メニュー「二次接触マップ」に関する処理
変形例4のメニュー「二次接触マップ」に関する処理を説明する。
【0284】
<分析(S5130)>
ステップS5151の後、サーバ30は、分析(S5130)を実行する。
具体的には、プロセッサ32は、分析リクエストデータに含まれる集計期間情報及び対象者識別情報(つまり、注目対象者の識別情報)、並びに、接触ログ情報データベース(
図8)を参照して、一次濃厚接触者に関する分析条件に該当する分析対象レコードを特定する。一次濃厚接触者は、集計期間内に注目対象者と濃厚接触を行った者である。一次濃厚接触者に関する分析条件は、以下の条件を含む。
・タイムスタンプ情報が集計期間に含まれる時刻を示す。
・「対象者ID」フィールドが、注目対象者の識別情報を含む。
【0285】
プロセッサ32は、分析対象レコードから濃厚接触レコードを抽出する。
プロセッサ32は、対象者情報データベース(
図4)を参照して、濃厚接触レコードの接触者識別情報(つまり、一次濃厚接触者の識別情報)を特定する。
プロセッサ32は、注目対象者の識別情報と、一次濃厚接触者の識別情報と、を関連付けて記憶装置31に保存する。プロセッサ32は、注目対象者の識別情報と、一次濃厚接触者の識別情報と、当該注目対象者および一次濃厚接触者について抽出された濃厚接触レコード数(つまり、濃厚接触回数)、または当該注目対象者および一次濃厚接触者の濃厚接触時間、のう少なくとも1つと、を関連付けて記憶装置31に保存してもよい。
【0286】
プロセッサ32は、特定した一次濃厚接触者識別情報、分析リクエストデータに含まれる集計期間情報、および接触ログ情報データベース(
図8)を参照して、二次濃厚接触者に関する分析条件に該当する分析対象レコードを特定する。二次濃厚接触者は、集計期間内に注目対象者の一次濃厚接触者と濃厚接触を行った者である。二次濃厚接触者に関する分析条件は、以下の条件を含む。
・タイムスタンプ情報が集計期間に含まれる時刻を示す。
・「対象者ID」フィールドが、一次濃厚接触者識別情報を含む。
【0287】
プロセッサ32は、分析対象レコードから濃厚接触レコードを抽出する。
プロセッサ32は、対象者情報データベース(
図4)を参照して、濃厚接触レコードの接触者識別情報(つまり、二次濃厚接触者の識別情報)を特定する。
プロセッサ32は、一次濃厚接触者の識別情報と、二次濃厚接触者の識別情報と、を関連付けて記憶装置31に保存する。プロセッサ32は、一次濃厚接触者の識別情報と、二次濃厚接触者の識別情報と、当該一次濃厚接触者および二次濃厚接触者について抽出された濃厚接触レコード数(つまり、濃厚接触回数)、または当該一次濃厚接触者および二次濃厚接触者の濃厚接触時間、のう少なくとも1つと、を関連付けて記憶装置31に保存してもよい。
【0288】
<分析レスポンス(S5131)>
ステップS5130の後、サーバ30は、分析レスポンス(S5131)を実行する。
具体的には、プロセッサ32は、分析レスポンスデータを管理者装置50に送信する。分析レスポンスデータは、以下の情報を含む。
・ステップS5130で得られた各種情報(例えば、注目対象者、一次濃厚接触者、もしくは二次濃厚接触者の識別情報、注目対象者および一次濃厚接触者の間の濃厚接触回数もしくは濃厚接触時間、または一次濃厚接触者および二次濃厚接触者の間の濃厚接触回数もしくは濃厚接触時間)、または当該情報に関連付けられて記憶装置31に保存されている情報(例えば、注目対象者、一次濃厚接触者、または二次濃厚接触者の対象者情報)
【0289】
<分析結果の提示(S5152)>
ステップS5131の後、管理者装置50は、分析結果の提示(S5152)を実行する。
具体的には、プロセッサ52は、分析レスポンスデータに対応する画面P5124(
図34)をディスプレイに表示する。
【0290】
画面P5124は、オブジェクトOBJ5124a~OBJ5124eを含む二次接触マップを表す。画面P5124に表示される二次接触マップは、木構造グラフに相当する。
オブジェクトOBJ5124aは、注目対象者に対応するノードオブジェクト(「根ノード」と呼ぶこともできる)である。
オブジェクトOBJ5124bは、注目対象者に対する一次濃厚接触者を示すノードオブジェクト(「一次子ノード」と呼ぶこともできる)である。
オブジェクトOBJ5124cは、互いに関連付けられた注目対象者および一次濃厚接触者に対応するノードオブジェクト間を結ぶリンクオブジェクト(「一次リンク」と呼ぶこともできる)である。
オブジェクトOBJ5124dは、注目対象者に対する二次濃厚接触者を示すノードオブジェクト(二次子ノード)である。
オブジェクトOBJ5124eは、互いに関連付けられた一次濃厚接触者および二次濃厚接触者に対応するノードオブジェクト間を結ぶリンクオブジェクト(「二次リンク」と呼ぶこともできる)である。
【0291】
このように、サーバ30または管理者装置50は、根ノード、一次子ノード、一次リンク、二次子ノード、および二次リンクを含む木構造グラフに関する二次接触マップを生成し、出力する。これにより、ユーザは、特定の対象者と、一次濃厚接触者と、二次濃厚接触者との間の階層的な関係を容易に俯瞰することができる。
【0292】
各オブジェクトは、操作可能に構成されてよい。サーバ30および管理者装置50は、オブジェクトOBJ5124bまたはオブジェクトOBJ5124dに対する操作に応じて、操作されたノードが新たな根ノードとなるように(つまり、当該オブジェクトに対応する一次濃厚接触者または二次濃厚接触者を新たな注目対象者として)二次接触マップを再構成してもよい。これにより、ユーザは、二次接触マップに含まれる任意のノードを操作するだけで、当該ノードに対応する対象者を中心とした新たな二次接触マップに容易に確認することができる。つまり、二次接触マップの注目対象者を切り替えるためにユーザに課される操作負担を軽減することができる。
【0293】
サーバ30または管理者装置50は、二次接触マップにおける根ノード、一次子ノード、または二次子ノードの少なくとも1つの形態(例えば、色、サイズ、形状、枠線の種類、塗りつぶしパターン、位置またはそれらの組み合わせ)を当該ノードに対応する対象者の属性に応じて決定してもよい。
図34の例では、対象者の所属情報に応じて、当該対象者に対応するノードの塗りつぶしパターンが異なる。或いは、同じ属性を備える対象者に対応するノード同士が密集するように(つまり、一次子ノードまたは二次子ノードが属性別のクラスタを形成するように)ノードを配置してもよい。これにより、ユーザは、二次接触マップに含まれる各ノードがどのような属性を持つ対象者に対応するかを容易に把握することができる。
【0294】
サーバ30または管理者装置50は、二次接触マップにおける一次リンク、または二次リンクの少なくとも1つの形態(例えば、色、サイズ、形状、線の種類、またはそれらの組み合わせ)を当該リンクによって結ばれる2ノードに対応する2対象者間の濃厚接触回数、または濃厚接触時間に応じて決定してもよい。
図34の例では、2対象者の濃厚接触回数に応じて、当該2対象者に対応する2ノードを結ぶリンクの太さが異なる。或いは、サーバ30または管理者装置50は、2ノードに対応する2対象者間の濃厚接触回数、または濃厚接触時間に応じて、子側のノードの形態を決定してもよい。これにより、ユーザは、二次接触マップに含まれるリンクによって結ばれる2ノードに対応する2対象者間の濃厚接触が一時的な事象か定常的または頻発する事象であるかを容易に把握することができる。
【0295】
(2-4-2)変形例4の小括
変形例4によれば、センシング情報に応じた分析結果を提示する。これにより、対象空間において対象者の滞在を完全に停止させることなく、最適な解決策を講じるための定量的な判断材料を提供することができる。
【0296】
(2-5)変形例5
変形例5を説明する。変形例5は、個人情報(例えば、対象者名、または個人の特定につながる他の情報)を匿名化した状態で各種ログ情報を取り扱う例である。
【0297】
(2-5-1)データベース
変形例5のデータベースを説明する。以下のデータベースは、記憶装置31に記憶される。
【0298】
(2-5-1-1)接触ログ情報データベース
変形例5の接触ログ情報データベースを説明する。
図35は、変形例5の接触ログ情報データベースのデータ構造を示す図である。
【0299】
図35の接触ログ情報データベースには、接触ログ情報が格納される。接触ログ情報は、クライアント装置10の近距離通信モジュール15の検出結果の履歴に関する情報である。
図35の接触ログ情報データベースは、以下の点において、
図8の接触ログ情報データベースと異なる。
・「対象者ID」フィールドに代えて、「対象クライアントID」フィールドを含む点
・「接触者ID」フィールドに代えて、「接触クライアントID」フィールドを含む点
【0300】
「対象クライアントID」フィールドには、接触時刻情報を取得したクライアント装置10(「第1クライアント装置」の一例)のクライアント識別情報(「第1クライアント識別情報」の一例)が格納される。
【0301】
「接触クライアントID」フィールドには、接触クライアント識別情報(「第2クライアント識別情報」の一例)が格納される。接触クライアント識別情報は、対象クライアント識別情報によって識別されるクライアント装置10と所定距離以内で近距離通信を行った(つまり、濃厚接触を行った)クライアント装置10(「第2クライアント装置」の一例)のクライアント識別情報である。
【0302】
(2-5-1-2)検査情報データベース
変形例5の検査情報データベースを説明する。
図36は、変形例5の検査情報データベースのデータ構造を示す図である。
【0303】
図36の検査情報データベースには、検査情報が格納される。検査情報は、クライアント装置10を使用した対象者のウイルス検査結果に関する情報である。
検査情報データベースは、「クライアントID」フィールドと、「陽性者フラグ」フィールドと、を含む。
各フィールドは、互いに関連付けられている。
【0304】
「クライアントID」フィールドには、クライアント識別情報が格納される。
【0305】
「陽性者フラグ」フィールドには、陽性者フラグが格納される。陽性者フラグは、クライアント装置10を使用した対象者のウイルス検査結果に関する情報である。対象者のウイルス検査結果が登録されるまで陽性者フラグの値は例えば「N/A」である。対象者のウイルス検査結果が陽性であるとの報告がなされた場合に、プロセッサ32は、陽性者フラグの値を例えば「陽性」に書き換える。陽性であるとの報告、もしくはクライアント装置10の最終使用日時から所定期間(例えば14日間)が経過した場合に、プロセッサ32は、陽性者フラグの値を「陽性」から「N/A」に書き戻す。対象者のウイルス検査結果が陰性であるとの報告がなされた場合に、プロセッサ32は、陽性者フラグの値を例えば「陰性」に書き換える。
【0306】
(2-5-2)情報処理
変形例5の情報処理を説明する。
【0307】
(2-5-2-1)距離センシング処理
変形例5の距離センシング処理を説明する。
図37は、変形例5の距離センシング処理のシーケンス図である。
【0308】
図37の処理は、対象者が使用するクライアント装置10にインストールされた所定のアプリケーションの起動をトリガーに実行される。アプリケーションが起動されると、近距離通信モジュール15は、ビーコン信号の発信を開始する。ビーコン信号は、クライアント装置10のクライアント識別情報を含む。
【0309】
図37に示すように、クライアント装置10-1は
図12と同様に、ビーコン信号の受信(S1110)~接触距離の計算(S1111)を繰り返し実行する。これにより、記憶装置11には、クライアントセンシング情報のレコードが継続的に蓄積される。
【0310】
ステップS1111の後、クライアント装置10-1は
図12と同様に、濃厚接触の判定(S1112)~クライアントセンシング情報の送信(S1114)を実行する。
【0311】
ステップS1131の後、サーバ30は、データベースの更新(S6132)を実行する。
具体的には、プロセッサ32は、接触ログ情報データベース(
図35)に新規レコードを追加する。新規レコードの各フィールドには、以下の情報が格納される。
・「接触ログID」フィールド:新規の接触ログ識別情報
・「タイムスタンプ」フィールド:ステップS6132の実行時刻に関する情報(以下「タイムスタンプ情報」という)、又は、ステップS1114で送信されたレコードのタイムスタンプ情報
・「対象クライアントID」フィールド:ステップS1114で特定された対象クライアント識別情報
・「接触クライアントID」フィールド:ステップS1114で特定された接触クライアント識別情報
・「信号レベル」フィールド:ステップS1114で送信された信号レベル情報
・「接触距離」フィールド:ステップS1114で送信された接触距離情報
【0312】
(2-5-2-2)陽性者登録処理
変形例5の距離センシング処理を説明する。
図38は、変形例5の距離センシング処理のシーケンス図である。
図39は、
図38の処理において表示される画面例の図である。
【0313】
対象空間に滞在し、かつクライアント装置10を使用した対象者が、自らのウイルス検査結果が陽性であると判明したこと、および使用したクライアント装置10(以下、「陽性クライアント装置」という)を識別するクライアント識別情報を管理者に報告する。報告を受けた管理者が管理者装置50のアプリケーションを起動すると、
図38の陽性者登録処理が開始する。
【0314】
図38に示すように、管理者装置50は、陽性者登録リクエスト(S6251)を実行する。
具体的には、プロセッサ52は、画面P610(
図39)をディスプレイに表示する。
【0315】
画面P610は、操作オブジェクトB610と、フィールドオブジェクトF610とを含む。
操作オブジェクトB610は、陽性者登録リクエストを完了させるためのユーザ指示を受け付けるオブジェクトである。
フィールドオブジェクトF610は、ウイルス検査結果が陽性であると判明した対象者(以下、「陽性対象者」という)から報告されたクライアント識別情報(以下、「陽性クライアント識別情報」という)を指定するためのユーザ指示を受け付けるオブジェクトである。
【0316】
ユーザは、陽性クライアント識別情報をフィールドオブジェクトF610に入力し、操作オブジェクトB610を操作する。操作オブジェクトB610に対する操作に応じて、プロセッサ52は、陽性者登録リクエストデータをサーバ30へ送信する。陽性者登録リクエストデータは、フィールドオブジェクトF610に入力された陽性クライアント識別情報を含む。
【0317】
ステップS6251の後に、サーバ30は、データベースの更新(S6231)を実行する。
具体的には、プロセッサ32は、検査情報データベース(
図36)を参照して、陽性クライアント識別情報に関連付けられる陽性者フラグを「N/A」から「陽性」へ書き換える。
【0318】
ステップS6231の後に、サーバ30は、陽性者登録レスポンス(S6232)を実行する。
具体的には、プロセッサ32は、接触ログ情報データベース(
図35)を参照し、陽性クライアント識別情報が関与する濃厚接触レコードを抽出する。つまり、プロセッサ32は、対象クライアント識別情報、または接触クライアント識別情報が陽性クライアント識別情報に一致する濃厚接触レコードを抽出する。プロセッサ32は、抽出した濃厚接触レコードにおいて、陽性クライアント識別情報とペアを構成するクライアント識別情報(以下、「濃厚接触クライアント識別情報」という)を特定する。濃厚接触クライアント識別情報は、陽性対象者と濃厚接触を行った対象者によって使用されたクライアント装置(「濃厚接触クライアント装置」の一例)10(つまり、陽性クライアント装置と濃厚接触を行ったクライアント装置10)を識別する。サーバ30は、陽性者登録レスポンスデータを管理者装置50へ送信する。陽性者登録レスポンスデータは、特定した濃厚接触クライアント識別情報を含む。
【0319】
ステップS6232の後に、管理者装置50は、陽性者登録レスポンスの提示(S6252)を実行する。
具体的には、プロセッサ52は、陽性者登録レスポンスデータに対応する画面(P620)をディスプレイに表示する。
【0320】
画面P620は、表示オブジェクトA620を含む。
表示オブジェクトA620は、濃厚接触クライアント一覧情報を提示するオブジェクトである。濃厚接触クライアント一覧情報には、濃厚接触クライアント識別情報が列挙される。濃厚接触クライアント識別情報は、陽性者登録レスポンスデータから抽出される。
【0321】
(2-5-3)変形例5の小括
管理者は、濃厚接触クライアント一覧情報を対象者に個別連絡または公開する。濃厚接触クライアント一覧情報の公開には、対象空間を管理する組織によって運営されるWebページ、SNS(Social Networking Service)、掲示板(電子掲示板を含む)、またはそれらの組み合わせを用いることができる。いずれかのクライアント装置10を使用したことのある対象者は、自らの使用したクライアント装置10を識別するクライアント識別情報を、濃厚接触クライアント一覧情報と照合する。対象者は、自らの使用したクライアント装置10を識別するクライアント識別情報が濃厚接触クライアント識別情報に一致することを知ると、自らもウイルスに感染したかもしれないと判断して検査を受けるように動機づけられる。このように、個人情報を匿名化した状態で(つまり、個人情報を収集することなく)、濃厚接触者に該当する対象者に行動変容を促すことができる。
【0322】
(3)その他の変形例
記憶装置11は、ネットワークNWを介して、クライアント装置10と接続されてもよい。記憶装置31は、ネットワークNWを介して、サーバ30と接続されてもよい。記憶装置51は、ネットワークNWを介して、管理者装置50と接続されてもよい。
【0323】
上記の情報処理の各ステップは、クライアント装置10、サーバ30、管理者装置50、位置センサ70、人物センサ80、及び、空間センサ90の何れでも実行可能である。
【0324】
本実施形態では、センシング情報の送信(S1114)の前に濃厚接触の判定(S1112)~通知(S1113)を実行する例を示したが、これに限られるものではない。本実施形態は、濃厚接触の判定(S1112)~通知(S1113)が
図12の処理とは独立して実行される例にも適用可能である。
【0325】
本実施形態では、空間センサ90が音波の送信及び反射波の受信を行う例を説明したが、本実施形態の範囲はこれに限られない。空間センサ90は、音波の送信を行う送信機と、音波の受信を行う受信機と、を備え、且つ、送信機と受信機が異なる位置に配置されても良い。この場合、受信機は、送信機から送信された音波を受信する。受信機によって受信される音波は、反射部材で反射した反射波であってもよいし、送信機から送信された音波であってもよい。
【0326】
本実施形態では、2台のクライアント装置10-1~10-2による近距離通信を介して接触距離情報を取得する例を示したが、本実施形態の範囲はこれに限られない。本実施形態は、位置ログ情報を参照して、各対象者間の接触距離情報を取得する例にも適用可能である。
【0327】
本実施形態では、分析処理において、対象者属性毎の集計結果に関する情報を提示しても良い。
【0328】
本実施形態では、エアパラメータの計算(S2130)において、ある領域のエアパラメータを計算する例を示したが、本実施形態は、これに限られない。本実施形態は、ある領域のエアパラメータの分布を計算する例にも適用可能である。
例えば、記憶装置31には、分布計算モデル(一例として、カルマンフィルタ)が記憶されている。分布計算モデルには、複数のエアパラメータと、エアパラメータの分布と、の相関関係が記述されている。
プロセッサ32は、複数の空間センサ90のそれぞれから取得されたエアパラメータを分布計算モデルに入力することにより、当該領域のエアパラメータの分布を計算する。当該分布は、例えば、当該領域を仮想的な区画(一例として、グリッド)で分割したときの区画毎のエアパラメータによって表される。
【0329】
本実施形態では、クライアント装置10がビーコン信号を発信し、且つ、位置センサ70がビーコン信号を受信する例を示したが、本実施形態の範囲はこれに限られない。本実施形態は、位置センサ70がビーコン信号を発信し、且つ、近距離通信モジュール15が当該ビーコン信号を受信する例にも適用可能である。
【0330】
上記説明では、濃厚接触判定(S1112)の後に通知(S1113)を実行する例を示した。しかしながら、接触距離の計算(S1111)の後、かつ濃厚接触判定(S1112)の前に、通知(S1113)を実行することも可能である。この場合に、プロセッサ12は、ステップS1111において計算した接触距離に応じて通知を行う。これにより、濃厚接触の発生を未然に防ぐよう対象者の行動変容を促すことができる。
第1例として、接触距離が濃厚接触距離以下であった場合に、プロセッサ12は、画面P110(
図13)をディスプレイに表示させてもよい。
第2例として、接触距離が濃厚接触距離より大きかった場合に、プロセッサ12は、画面P111(
図13)をディスプレイに表示させてもよい。
【0331】
変形例3では、特定の空間内領域(つまり、特定領域)に滞在する対象者をモニタリングし、リアルタイムに警告を行う例を示した。しかしながら、対象空間は、複数の空間内領域に分割されなくてもよい。つまり、対象空間の一部でなく全体が、特定領域に対応するとみなすこともできる。この場合に、サーバ30は、センサ情報データベース(
図6)、領域情報データベース(
図7)、および位置ログ情報データベース(
図9)を参照することなく、特定領域に上記所定期間内に滞在し、かつ当該所定期間内に他の対象者と接触した対象者を特定することが可能である。
【0332】
変形例4において、ユーザ指示に応じて二次接触マップ(
図34)の根ノードに対応する注目対象者を決定する例を示した。しかしながら、プロセッサ32は、注目対象者をユーザ指示によらずに決定してもよい。一例として、プロセッサ32は、濃厚接触回数が最大である対象者を注目対象者として決定してもよい。
【0333】
変形例4において、接触パターン分析について説明した。プロセッサ52は、接触パターン分析に関して、各濃厚接触パターンの発生件数の加重和をディスプレイに表示してもよい。各濃厚接触パターンの発生件数に乗じられる重みは、当該濃厚接触パターンのウイルス感染に関するリスクの大きさに応じて決定される。
図30の例では、濃厚接触パターンAの重みが最も大きく、濃厚接触パターンDの重みが最も小さく定められ得る。
これにより、管理者は、対象者の集団、対象空間、または空間内領域におけるウイルス感染の総合的なリスクを把握することができる。
【0334】
変形例5では、対象者を識別する対象者識別情報に代えて、当該対象者によって使用されたクライアント装置を識別するクライアント識別情報を用いることで、個人情報(例えば、対象者名、または個人の特定につながる他の情報)を匿名化した状態で各種ログ情報を取り扱えることを示した。この個人情報を匿名化する技法は、変形例5に限られず、本実施形態、または変形例1~4と適宜組み合わせることができる。
一例として変形例3は、以下のように変形可能である。プロセッサ32は、接触ログ情報データベース(
図35)を参照することで、いずれの対象者情報も参照することなく、特定領域(つまり、対象空間の全体または一部)に所定期間内に存在し、かつ当該所定期間内に他のクライアント装置10(「第1クライアント装置」の一例)と接触したクライアント装置10(「第2クライアント装置」の一例)を特定する。プロセッサ32は、この特定結果を参照することで、いずれの対象者情報も参照することなく、所定期間における特定領域内の複数の対象者間の接触状態を多段階で評価する。この変形例によれば、個人情報を匿名化した状態で、特定領域に滞在している対象者、又は、特定領域を管理する管理者に対して、行動変容を促すことができる。
【0335】
変形例5において、クライアント装置10が特定または不特定多数の対象者によって使用(例えば一時的に貸与される)される場合に、クライアント識別情報は、使用者が切り替わる度に変更されてもよい。これにより、クライアント装置10の使用者の切り替わりの前後で取得された接触ログ情報を元に当該クライアント装置10を使用した対象者の関与する接触(濃厚接触を含む)の誤判定を防ぐことができる。
【0336】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の範囲は上記の実施形態に限定されない。また、上記の実施形態は、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更が可能である。また、上記の実施形態及び変形例は、組合せ可能である。
【符号の説明】
【0337】
1 :情報処理システム
10 :クライアント装置
11 :記憶装置
12 :プロセッサ
13 :入出力インタフェース
14 :通信インタフェース
15 :近距離通信モジュール
30 :サーバ
31 :記憶装置
32 :プロセッサ
33 :入出力インタフェース
34 :通信インタフェース
50 :管理者装置
51 :記憶装置
52 :プロセッサ
53 :入出力インタフェース
54 :通信インタフェース
70 :位置センサ
80 :人物センサ
90 :空間センサ