(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022171189
(43)【公開日】2022-11-11
(54)【発明の名称】人工再生木材
(51)【国際特許分類】
A61L 2/232 20060101AFI20221104BHJP
A01N 59/20 20060101ALI20221104BHJP
A01N 25/10 20060101ALI20221104BHJP
A01N 25/00 20060101ALI20221104BHJP
A01P 1/00 20060101ALI20221104BHJP
B27N 3/02 20060101ALI20221104BHJP
B32B 21/00 20060101ALI20221104BHJP
【FI】
A61L2/232 ZAB
A01N59/20 Z
A01N25/10
A01N25/00 102
A01P1/00
B27N3/02 C
B32B21/00
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021077687
(22)【出願日】2021-04-30
(71)【出願人】
【識別番号】391004919
【氏名又は名称】株式会社コトブキ
(74)【代理人】
【識別番号】100140408
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 康介
(72)【発明者】
【氏名】深澤 幸郎
【テーマコード(参考)】
2B260
4C058
4F100
4H011
【Fターム(参考)】
2B260AA20
2B260BA02
2B260BA18
2B260CB01
2B260CB04
2B260CD02
2B260DC06
2B260DC10
2B260DC11
2B260DC12
2B260DD02
2B260EA13
2B260EB08
2B260EB11
2B260EB12
2B260EB19
4C058AA30
4C058BB07
4C058JJ03
4C058JJ04
4F100AK01A
4F100AK01B
4F100AK04A
4F100AK04B
4F100AP10A
4F100AP10B
4F100BA02
4F100CA07A
4F100CA07B
4F100CA12A
4F100CA12B
4F100CA13A
4F100CA13B
4F100JL16A
4F100JL16B
4F100YY00A
4H011AA04
4H011BB18
4H011DA08
4H011DD07
(57)【要約】
【課題】抗ウイルス効果を有しつつ、遊具などの材料として適切な人工再生木材を提供する。
【解決手段】少なくとも二層構造の人工再生木材であって、表面側には、所定量の以上の抗ウイルス剤が含まれた樹脂からなるスキン層120と、中心部側には、コア層110とを備えることを特徴とする人工再生木材である。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも二層構造の人工再生木材であって、
表面側には、所定量の以上の抗ウイルス剤が含まれた樹脂からなる第一層と、
中心部側には、第二層とを備えることを特徴とする人工再生木材。
【請求項2】
請求項1に記載の前記人工再生木材であって、
少なくとも前記抗ウイルス剤が第一層において、主となる樹脂を基準とした重量比で2%以上含まれていることを特徴とする人工再生木材。
【請求項3】
請求項1に記載の前記人工再生木材であって、
少なくとも前記抗ウイルス剤が第一層において、主となる樹脂を基準とした重量比で5%以上含まれていることを特徴とする人工再生木材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人工再生木材の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遊具やベンチなどを製造する際には、大量の加工廃材が産出されていた。また、室外遊具などでは、紫外線などの過酷な使用環境のため、一定の耐用年数が経過すると破棄されて、利用されない端材ができてしまう。
【0003】
しかし、地球環境の観点から考えると、このような端材や、破棄された遊具を再利用することが望ましい。このため、加工廃材や、端材を粉砕化したものなどを原材料として、人工再生木材が開発されてきた。
【0004】
近年、新興感染症が広がってきている。子供たちへの感染を防ぐために、子供たちが使用する遊具も、細菌対策や、ウイルス対策がされている。例えば、遊具に対して、紫外線を照射し、殺菌し、ウイルスを破壊するという対策や、また、例えば、遊具に対して、高濃度のエタノールや次亜塩素酸を噴霧するという対策などが行われている。
【0005】
しかし、このように、定期的に紫外線を照射したり、薬剤を噴霧したりすることは、学校の校庭や、公園などの野外の施設では困難である。
【0006】
このため、抗ウイルス効果を有する薬剤が含まれた塗料を塗布してコーティングしたり、抗ウイルス効果を有する薬剤が含まれたフィルムで遊具を覆ったり、抗ウイルス効果を有する薬剤が含まれた樹脂を作る技術が開発されている(特許文献1、特許文献2、特許文献3)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2019-77681
【特許文献2】国際公開番号WO2019/045110
【特許文献3】国際公開番号WO2018/021106
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、室外で使用される遊具を、抗ウイルス効果を有する薬剤が含まれた塗料でコーティングしたり、抗ウイルス効果を有する薬剤が含まれたフィルムで覆ったとしても、子供たちの使用により、剥離したり、摩耗して抗ウイルス効果を有する薬剤が含まれた部分が失われる可能性が高い。
【0009】
また、樹脂全体に抗ウイルス効果を有する薬剤を混入した場合、コストが上昇するとともに、樹脂自体の強度が低下し、遊具の材料としては適切ではない。
【0010】
このような環境の中、抗ウイルス効果を有しつつ、遊具の材料として適切な人工再生木材の提供が求められている。
【0011】
本発明は、上述した課題を解決するために、抗ウイルス効果を有しつつ、遊具の材料として適切な人工再生木材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の望ましい実施形態によれば、少なくとも二層構造の人工再生木材であって、表面側には、所定量の以上の抗ウイルス剤が含まれた樹脂からなる第一層と、中心部側には、第二層とを備えることを特徴とする人工再生木材とする。
【0013】
この人工再生木材を材料として作られた遊具は、所定量以上の抗ウイルス剤が含まれた樹脂からなる第一層が表層にあるため、表層にウイルスが付着しても、ウイルス量が減少して、子供たちの感染を防ぐことができる。さらに、表層のみに抗ウイルス剤を混入しているため、材料費を低下させることが可能になる。また、中心部は強度を高める物質を配合することによって、子供たちが安全に遊べるような強度を提供することができる。
【0014】
本発明の望ましい別の実施形態によれば、前記人工再生木材であって、少なくとも前記抗ウイルス剤が第一層において、主となる樹脂を基準とした重量比で2%以上含まれていることを特徴とする人工再生木材とする。
【0015】
例えば、ポリエチレンなど第一層を構成する主たる樹脂を基準とした重量比で2%以上の抗ウイルス剤を混入することによって、抗ウイルス効果を得ることができる。
【0016】
本発明の望ましい別の実施形態によれば、請求項1に記載の前記人工再生木材であって、少なくとも前記抗ウイルス剤が第一層において、主となる樹脂を基準とした重量比で5%以上含まれていることを特徴とする人工再生木材。
【0017】
例えば、ポリエチレンなど第一層を構成する主たる樹脂を基準とした重量比で5%以上の抗ウイルス剤を混入することによって、さらに、強い抗ウイルス効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の実施形態にかかる人工再生木材の製造工程を説明するフロー図である。
【
図2】本発明の実施形態にかかる人工再生木材の製造機械を説明する概念図である。
【
図3】本発明の実施形態にかかる人工再生木材の一例を示す断面図である。
【
図4】本発明の実施形態にかかる人工再生木材の一例を示す断面図である。
【
図5】本発明の実施形態にかかる人工再生木材を使用したベンチの一例を示す写真である。
【
図6】本発明の実施形態にかかる人工再生木材を使用した健康器具の一例を示す写真である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
図1は、本発明の実施形態にかかる人工再生木材の製造工程を示す。
図1に記載のように、本実施形態にかかる人工再生木材の製造工程は、攪拌工程、造粒工程、押出成形工程、加工工程を含む。
<攪拌工程>
ステップS10は、攪拌工程である。攪拌工程において、端材や、削り屑や、加工廃材や、木質ペレットなどの材料を攪拌機に投入し、粉砕化し、攪拌する。なお、主たる原料としては、木材由来の材料が約60%であり、それ以外にも、廃プラスチックも混入している。これによって、リサイクル材の比率を上昇し、環境負荷を減らすことができる。なお、木材由来の材料と、プラスチック由来の材料の比率によって、遊具や、ベンチとして使用するために、十分な曲げ強度や、たわみ性能を有している。
【0020】
<押出造粒工程>
ステップS20は造粒工程である。造粒工程において、造粒機に材料をセットし、ペレット製作を行う。
【0021】
<押出成形工程>
ステップS30は、押出成形工程である。押出成形工程において、
図2に示された、押出成形工程用の機械を用いて、コア層120と、スキン層110(
図3参照)の二層構造の人工再生木材を押出成形する。
【0022】
第一投入口32に、造粒工程で作られたペレット及び、その他音材料を投入する。スクリュー部36で複数の材料が練られながらコア層120(
図3参照)が成形される。さらに、主たる原料のポリエチレン樹脂と、ポリエチレン樹脂の重量の5%の抗ウイルス剤(例えば、Cufitec(登録商標) NBCメッシュテック社)や、着色剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤などの材料が第二投入口34に投入される。第二投入口34に投入された材料は、スクリュー部38で練られ、コア層120の表層側に、スキン層120を成形する。なお、スキン層110と、コア層120は、強度と性能のバランスを取るため、断面積あたりの重量比で1対9で成形されている。このように、ポリエチレン樹脂は、主たる樹脂の一例である。このように、本発明は、少なくとも二層構造の人工再生木材であって、表面側には、所定量の以上の抗ウイルス剤が含まれた樹脂からなる第一層と、中心部側には、第二層とを備えることを特徴とする人工再生木材であって、前記第一層と、前記第二層の重量比が1対9であることを特徴とする人工再生木材であっても良い。
【0023】
<加工工程>
図3は、人工再生木材の一例である。
図3に示すように、人工再生木材100は、表層側にあるスキン層110と、中心部にあるコア層120とから形成される。スキン層110には、抗ウイルス成分が含まれているため、後述するように、付着したウイルスを減少させる能力を有する。また、コア層は、木粉を60%含み、また、回収された遊具やベンチから取り出した廃プラスチックを材料として利用することによって、リサイクルの比率が上昇し、環境負荷を低下している。
【0024】
このように、人工再生木材100は、遊具に使われる少なくとも二層構造の人工再生木材の一例である。また、このように、スキン層110は、表面側には、所定量の以上の抗ウイルス剤が含まれた樹脂からなる第一層の一例である。また、コア層120は、中心部側には、第二層の一例である。
【0025】
図4は、人工再生木材の一例である。
図4に示すように、人工再生木材200は、表層側にあるスキン層210と、コア層220とから形成される。スキン層210には、スキン層110には、抗ウイルス成分が含まれているため、後述するように、付着したウイルスを減少させる能力を有する。また、
図3、
図4と本発明にかかる人工再生木材の加工例を説明してきたが、本発明はこれに限定されず、他の形状であっても良い。また、本発明にかかる人工再生木材は、ベンチ、テーブル、遊具、健康器具などに使用可能である。
【0026】
このように、人工再生木材200は、遊具に使われる少なくとも二層構造の人工再生木材の一例である。また、このように、スキン層210は、表面側には、所定量の以上の抗ウイルス剤が含まれた樹脂からなる第一層の一例である。また、コア層220は、中心部側には、第二層の一例である。
図3、
図4と本発明にかかる人工再生木材の例を説明してきたが、本発明のこの図の形に限定されず、下記に示すように、使用される製品に合わせて、様々な形状であっても良い。
【0027】
図5は、本発明にかかる人工再生木材を使ったベンチなど屋外家具の一例を示す写真である。
図5に示すようにベンチ50の座席部や、背もたれの部分には、人工再生木材500が用いられている。ベンチ50の座席部などにウイルスが付着しても、本発明にかかる人工再生木材500を用いることによって、ウイルスの蔓延を防止できる。さらに、公共空間におかれるベンチは厳しい使われ方が行われる。このため、厚みがほとんどない抗ウイルス塗装や、抗ウイルスフィルムでは、室外での激しい使用環境では剥離してしまう可能性があるが、本発明にかかる人工再生木材は二層構造で、抗ウイルス剤が含まれたスキン層が一定の厚みを持っているため、長期間において安定的な抗ウイルス効果を有することができる。また、テーブルなど屋外家具に本発明にかかる人工再生木材を用いることも可能である。
【0028】
このように、本発明は、ベンチ及びテーブル又は少なくともいずれか一方を含む屋外家具に使われる少なくとも二層構造の人工再生木材であって、表面側には、所定量の以上の抗ウイルス剤が含まれた樹脂からなる第一層と、中心部側には、第二層とを備えることを特徴とする人工再生木材。または、少なくとも二層構造の人工再生木材であって、表面側には、所定量の以上の抗ウイルス剤が含まれた樹脂からなる第一層と、中心部側には、第二層とを備えることを特徴とする人工再生木材を用いたベンチ及びテーブル又は少なくともいずれか一方を含む屋外家具であっても良い。
【0029】
図6は、本発明にかかる人工再生木材を使った健康器具の一例を示す写真である。
図6に示すように健康器具60のシート部に、人工再生木材600が用いられている。健康器具はその性質上汗など体液が付着することが想定される。例えば、健康器具のシート部などにウイルスが付着しても、本発明にかかる人工再生木材を用いることによって、ウイルスの蔓延を防止できる。さらに、公共空間におかれる健康器具は厳しい使われ方が行われる。このため、厚みがほとんどない抗ウイルス塗装や、抗ウイルスフィルムでは、室外での激しい使用環境では剥離してしまう可能性があるが、本発明にかかる人工再生木材は二層構造で、抗ウイルス剤が含まれたスキン層が一定の厚みを持っているため、長期間において安定的な抗ウイルス効果を有することができる。
【0030】
このように、本発明は、健康器具に使われる少なくとも二層構造の人工再生木材であって、表面側には、所定量の以上の抗ウイルス剤が含まれた樹脂からなる第一層と、中心部側には、第二層とを備えることを特徴とする人工再生木材。または、少なくとも二層構造の人工再生木材であって、表面側には、所定量の以上の抗ウイルス剤が含まれた樹脂からなる第一層と、中心部側には、第二層とを備えることを特徴とする人工再生木材を用いた健康器具であっても良い。
【0031】
なお、本発明にかかる人工再生木材は、遊具や、室外用遊具に用いても良い。例えば、ブランコの椅子や、滑り台の階段部や、壁面に本発明にかかる人工再生木材が使用できる。遊具はその性質上、子供が汗をかいたり、手で触ったりするなど、ウイルスが付着することが想定される。例えば、仮に遊具にウイルスが付着しても、本発明にかかる人工再生木材を用いることによって、ウイルスの蔓延を防止できる。さらに、公共空間におかれる遊具は厳しい使われ方が行われる。このため、厚みがほとんどない抗ウイルス塗装や、抗ウイルスフィルムでは、室外での激しい使用環境では剥離してしまう可能性があるが、本発明にかかる人工再生木材は二層構造で、抗ウイルス剤が含まれたスキン層が一定の厚みを持っているため、長期間において安定的な抗ウイルス効果を有することができる。
【0032】
このように、本発明は、遊具に使われる少なくとも二層構造の人工再生木材であって、表面側には、所定量の以上の抗ウイルス剤が含まれた樹脂からなる第一層と、中心部側には、第二層とを備えることを特徴とする人工再生木材。または、少なくとも二層構造の人工再生木材であって、表面側には、所定量の以上の抗ウイルス剤が含まれた樹脂からなる第一層と、中心部側には、第二層とを備えることを特徴とする人工再生木材を用いた遊具であっても良い。
【0033】
<抗ウイルス性試験1(インフルエンザウイルス)>
株式会社NBCメッシュテック社において、抗ウイルス性試験を行った。
【0034】
試験手法(ISO21702:2019に準拠)
・試験ウイルス:A型インフルエンザウイルス(H3N2 A/Hong Kong/8/68)
・宿主細胞:MDCK細胞(イヌ腎臓尿細管上皮細胞由来の細胞株)
・反応条件:摂氏25度で24時間
・洗い出し液:SCDLP培地
・感染価測定法:プラーク法
【0035】
試料
・未加工品:抗ウイルス剤を配合していないもの。コントロールとして使用する人工再生木材。
・抗ウイルス加工品(成形直後):主となる樹脂であるポリエチレン樹脂に対してNBCメッシュテック社のCufitec(登録商標)を5%配合した人工再生木材。
・浸漬試験:主となる樹脂に対してNBCメッシュテック社のCufitec(登録商標)を5%配合したものを摂氏81度の温水に132時間浸け、2年相当の風雨に曝露後相当の人工再生木材。
【0036】
プロトコル
(1)サンプル片(5×5センチメートル)をシャーレ底面に貼り付けた。
(2)ウイルス液400μLをサンプル片上に接種し、PETフィルム(4×4cm)を被せた。
(3)摂氏25度下に24時間静置した。
(4)洗い出し液10mLを添加し、ピペッティングにてウイルスを洗い出した。
(5)洗い出し液中のウイルス感染価をプラーク法にて測定した。
【0037】
抗ウイルス性試験結果1
【表1】
なお、各指標は、以下の通りである。
・抗ウイルス活性値:R=Ut-At
Ut:未加工品のウイルス接種より24時間静置後の3検体の感染価対数値の平均値
At:加工品のウイルス接種より24時間静置後の3検体の感染価対数値の平均値
・減少率:(10^Ut-10^At)/10^Ut×100
【0038】
【表2】
表2からわかるように、本実験では、抗ウイルス加工品(5%)で感染価が大きく低減し、高い抗ウイルス効果を有することがわかった。また、浸漬試験(2年分)を行なったものもウイルスの減少率が約95%を示し、ある程度の抗ウイルス効果があることがわかった。
【0039】
<抗ウイルス性試験2(インフルエンザウイルス)>
株式会社NBCメッシュテック社において、抗ウイルス性試験を行った。また、試験内容はISO21702:2019に準拠しており、抗ウイルス性試験1で示したものと同じである。
【0040】
試料
・未加工品:抗ウイルス剤を配合していないもの。コントロールとして使用する人工再生木材。
・抗ウイルス加工品(成形直後):主となる樹脂であるポリエチレン樹脂に対してNBCメッシュテック社のCufitec(登録商標)を2%配合した人工再生木材
・促進耐候性試験1年:1年間屋外での日光(紫外線)、風雨などによる退職や劣化の影響を短時間で評価するために、紫外線を照射した抗ウイルス加工品(5%配合)の人工再生木材。
・促進耐候性試験2年:2年間屋外での日光(紫外線)、風雨などによる退職や劣化の影響を短時間で評価するために、紫外線を照射した抗ウイルス加工品(5%配合)の人工再生木材。
【0041】
抗ウイルス性試験結果2
【0042】
【表3】
【表4】
上記実験結果よりわかるように、主たる樹脂に対する重量比で抗ウイルス剤が2%配合のものであっても感染価が1.32PFU/平方センチメートルと感染価が2PFU/平方センチメートル以下であり、抗ウイルス効果があることがわかる。このため、主たる樹脂に対する重量比で抗ウイルス剤が2%以上あれば、人工再生木材は抗ウイルス効果を有することが認められる。また、主たる樹脂に対する重量比で抗ウイルス剤を5%配合した人工再生木材は、検出限界以下であり、高い抗ウイルス効果があることが認められる。また、促進耐候性試験2年を行なった人工再生木材であっても、十分な抗ウイルス効果が示されているため、屋外で2年以上紫外線を受けたとしても十分な抗ウイルス効果が期待できる。
【0043】
なお、本実施形態において、NBCメッシュテック社のCufitec(登録商標)を用いているが、本発明はこれに限定されず、一価の銅化合物のナノ粒子を用いた抗ウイルス剤であっても良い。
【符号の説明】
【0044】
100・・人工再生木材
110・・スキン層
120・・コア層
200・・人工再生木材
210・・スキン層
220・・コア層
50・・ベンチ
500・・人工再生木材
60・・健康器具
600・・人工再生木材