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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022171203
(43)【公開日】2022-11-11
(54)【発明の名称】雨樋構造
(51)【国際特許分類】
   E04D 13/08 20060101AFI20221104BHJP
【FI】
E04D13/08 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021077715
(22)【出願日】2021-04-30
(71)【出願人】
【識別番号】000157212
【氏名又は名称】丸一株式会社
(72)【発明者】
【氏名】阪井 健治
(57)【要約】
【課題】
雨樋下方の床面又は軒樋底面を清掃可能な雨樋構造を提供する。
【解決手段】
雨樋1は鉛直方向に延設された竪樋である樋5と、樋5から流入した雨水の排出口72を有する排出部材7を備えている。樋5の下端には接続部材6が取り付けられており、排出部材7は接続部材6介して樋5に接続される。又、排出部材7は接続部材6に対して着脱可能となっており、雨樋1は樋5から排出部材7を取り外すことによって、樋5と床面200との間に清掃のための空間を形成することができる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
雨水を下流側へ排出する流路を有する樋と、
前記樋から流入した雨水の排出口を有する排出部材を備え、
前記排出部材は前記樋の下端に着脱可能に接続され、
前記排出部材の取り外しにより、前記樋と床面又は軒樋との間に空間を形成することを特徴とする雨樋構造。
【請求項2】
前記排出部材は、
前記樋の側方より着脱可能であることを特徴とする請求項1に記載の雨樋構造。
【請求項3】
雨水を下流側へ排出する流路を有する樋と、
前記樋から流入した雨水の排出口を有する排出部材を備え、
前記排出部材は前記樋の下端において、前記樋の軸方向に対して変位可能に接続され、
前記排出部材の変位により、前記樋と床面又は軒樋との間に空間を形成することを特徴とする雨樋構造。
【請求項4】
雨水を下流側へ排出する流路を有する樋と、
前記樋から流入した雨水の排出口を有する排出部材を備え、
前記排出部材は前記樋の下端において、前記樋に対して回転可能に接続され、
前記排出部材の回転により、前記樋と床面又は軒樋との間に空間を形成することを特徴とする雨樋構造。
【請求項5】
前記樋と排出口が成す角は90°以上180°未満であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1つに記載の雨樋構造。
【請求項6】
前記樋と前記排出部材は、
前記樋に対して取り付けられた接続部材を介して接続されることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1つに記載の雨樋構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、屋根等から流れ落ちる雨水を排出するための雨樋構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
家屋には雨水を受け止めて排出するための雨樋が設けられる。雨樋は屋根等から流れ落ちる雨水を軒樋で受けて集水器へと流し、集水器に接続された連結管や樋を通じて鉛直方向に流下させる構造となっている。又、樋は下端に排出部材を備えており、地中の集水桝、地上やベランダの床面(以下「床面」)、下層階の軒樋等に雨水を排出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-008492号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、床面や下層階の軒樋に雨水が排出される場合において、排出部材は床面や軒樋底面の近傍まで延設されており、雨樋と床面や軒樋との間を清掃することは困難であった。
【0005】
本発明は上記問題に鑑み、雨樋下方の床面又は軒樋を清掃可能な雨樋構造の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための請求項1に記載の本発明は、雨水を下流側へ排出する流路を有する樋と、
前記樋から流入した雨水の排出口を有する排出部材を備え、
前記排出部材は前記樋の下端に着脱可能に接続され、
前記排出部材の取り外しにより、前記樋と床面又は軒樋との間に空間を形成することを特徴とする雨樋構造である。
【0007】
請求項2に記載の本発明は、前記排出部材は、
前記樋の側方より着脱可能であることを特徴とする請求項1に記載の雨樋構造である。
【0008】
請求項3に記載の本発明は、雨水を下流側へ排出する流路を有する樋と、
前記樋から流入した雨水の排出口を有する排出部材を備え、
前記排出部材は前記樋の下端において、前記樋の軸方向に対して変位可能に接続され、
前記排出部材の変位により、前記樋と床面又は軒樋との間に空間を形成することを特徴とする雨樋構造である。
【0009】
請求項4に記載の本発明は、雨水を下流側へ排出する流路を有する樋と、
前記樋から流入した雨水の排出口を有する排出部材を備え、
前記排出部材は前記樋の下端において、前記樋に対して回転可能に接続され、
前記排出部材の回転により、前記樋と床面又は軒樋との間に空間を形成することを特徴とする雨樋構造である。
【0010】
請求項5に記載の本発明は、前記樋と排出口が成す角は90°以上180°未満であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1つに記載の雨樋構造である。
【0011】
請求項6に記載の本発明は、前記樋と前記排出部材は、
前記樋に対して取り付けられた接続部材を介して接続されることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1つに記載の雨樋構造である。
【発明の効果】
【0012】
請求項1、請求項3、請求項4に記載の本発明によれば、樋と床面又は軒樋底面との間を清掃することが可能となる。
請求項2に記載の本発明においては、排出部材が樋の側方より着脱可能であることから、排出部材と床面又は軒樋との間に空間が無い場合でも容易に排出部材の着脱を行うことが可能となる。
又、請求項5に記載の本発明のように、樋と排出口の成す角が90°以上180°未満であって、側方に向けて雨水を排出する構造である場合に好適に作用効果を奏することが可能となる。
請求項6に記載の本発明によれば、排出部材が接続部材を介して樋に接続されることにより、各種形状の樋に接続することが可能となる。又、施工現場に応じて適宜切断された樋に対して接続部材を取り付けて排出部材の接続を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】雨樋構造を示す概略図である。
図2】接続部材及び排出部材を示す分解斜視図である。
図3】(a)接続部材を上方から見た斜視図(b)接続部材を下方から見た斜視図である。
図4】接続部材及び排出部材を示す断面図である。
図5図4のA-A’断面図である。
図6】排出部材を樋から取り外した状態を示す断面図である。
図7】第二実施形態における接続部材及び排出部材を示す断面図である。
図8】排出部材を変位させた状態を示す断面図である。
図9】第三実施形態における接続部材及び排出部材を示す断面図である。
図10】排出部材を回転させた状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照しながら本発明の雨樋構造を説明する。
[第一実施形態]
図1乃至図6示すように、雨樋1は軒樋2、集水器3、連結管4、樋5、排出部材7から構成されている。雨樋1はベランダに干された洗濯物に対する降雨を防止する屋根110に固定されており、その下端はベランダの床面200近傍まで延設されている。
ベランダの床面200には雨水等の排水を行うための排水口201が形成されており、図示しない他の雨樋を通じて雨水等を集水桝へと排出する。
【0015】
軒樋2は屋根110の軒下に固定されており、当該屋根110から流れ落ちる雨水を受けるように、上方に向けた開口する半円筒状を成している。又、軒樋2は端部に接続されたに集水器3に向けて雨水が排出されるように1/300程度の勾配を有している。
【0016】
集水器3は軒樋2から流れる雨水を集水するよう上方が開口されているとともに、下方に接続された連結管4に向け漸次縮径する漏斗状を成している。
【0017】
連結管4は集水器3と樋5を繋ぐ配管であり、建築物の壁面に沿って配設される。尚、本実施形態において連結管4は集水器3下端及び樋5上端に接続された複数の略L字状の曲がり管と、曲がり管同士を接続するよう配設された直管から構成されているが、連結管4の形状は配設される建築物の壁面に応じて適宜決定される。
【0018】
樋5は屋根110を支える支柱に固定されており、雨水を下流側へ排出する流路を有し、鉛直方向に延設された竪樋であって、下端には接続部材6が接着されているとともに、当該接続部材6を介して排出部材7が取り付けられている。尚、本実施形態において、樋5は円筒状であるが、その形状は限定されるものではく、角柱その他の形状であっても良い。
【0019】
接続部材6は樋5の外径と略同一の内径を有する円筒状であり、下端には壁部61が垂設されている。図3に示すように、壁部61は排出部材7の側面を覆う平面視略コ字状であり、外側に向けて突出する略三角形状の係合部62が2箇所形成されている。尚、接続部材6の内側面の形状は取り付けられる樋5に応じて適宜決定されるものであり、例えば樋5が矩形状である場合には対応する角柱状の接続部材6が使用される。
【0020】
図1図2、及び図4に示すように、排出部材7は屈曲部71において屈曲する略L字状の曲がり管であって、下端には側方へ向けて雨水を排出する排出口72が形成されている。尚、排出口72は排水勾配を有して傾斜しており、樋5と排出口72が成す角θは約91°となっている。
排出口72は排出部材7内に流入した雨水を排出する円形の開口であり、床面200に形成された排水口201へ向けて略水平方向に開口している。
側壁部73は排出部材7の側面から接線方向に向けて直線状に伸びる壁面であり、内壁73a及び外壁73bから成る二重構造となっている。又、内壁73aと外壁73bは接続部材6の壁部61が収納可能な隙間を形成しており、外壁73bには接続部材6の係合部62と係合する被係合部74が形成されている。
被係合部74は係合部62と係合する爪状を成し、係合部62との係合時に弾性変形可能となっている。
脚部75は排出部材7の下端から下方に向けて延設され、床面200に接地することで排出部材7を支承している。
【0021】
以下に、樋5に対する排出部材7の取り付け方法について説明する。
【0022】
まず、樋5を適切な長さにおいて切断し、接続部材6を樋5下端に接着する。この時、接続部材6に対して排出部材7が接続された際に排出口72が排水口201を向くように向きを調整する。
次に、樋5及び接続部材6に対して側方より排出部材7を押し付けることで接続部材6と排出部材7を接続する。この時、図5に示すように、壁部61が内壁73aと外壁73bの間に収納されるとともに、押し付けにより被係合部74が外側に向けて弾性変形し、係合部62を乗り越える。そして、被係合部74が係合部62を乗り越えた後に元の形状に復帰することにより係合部62と被係合部74が係合し、接続部材6を介して排出部材7が樋5に接続される。
【0023】
雨樋1が取り付けられた屋根110に対して雨が降ると、屋根110を伝い、軒樋2へと雨水が流れ落ちる。軒樋2は集水器3に向けて勾配を有していることから、軒樋2に流れた雨水は全て集水器3へ流れ込み、連結管4、樋5、排出部材7内を通り、排出口72より略水平方向へ排出される。
上記の通り、排出口72は排水口201を向くように開口していることから、雨樋1を通じて排出された排水をスムーズに排水することができる。
【0024】
ここで、施工が完了した状態の雨樋1は、排出部材7の脚部75が床面200に接地しており、雨樋1と床面200との間には清掃可能な空間が形成されていない。
床面200の清掃を行う際には、係合部62と被係合部74の係合を解除し、排出部材7を側方へ引き抜き、樋5から取り外す。この時、図6に示すように、排出部材7が床面200より離間することにより、樋5と床面200の間に清掃のための空間が形成され、床面200の清掃が可能となる。
【0025】
以上のように、本発明の第一実施形態における雨樋構造は、排出部材7が樋5の下端に着脱可能に接続されており、排出部材7を取り外すことにより、樋5と床面200との間に清掃のために必要な空間を形成することができる。従って、排出された雨水によって汚れた床面200を容易に清掃することが可能となる。
又、本発明においては排出部材7を樋5の側方より着脱可能であることから、排出部材7が床面200近傍まで延設されていても容易に着脱することができる。
又、排出部材7は接続部材6を介して樋5に取り付けられるため、施工現場に合わせて適宜樋5を切断しても排出部材7を着脱可能に取り付けることが可能となるとともに、各種形状の樋5に対応することが可能となる。
又、排出部材7は略水平方向に雨水を排出することから、排出部材7下方の床面200の汚れを低減することができる。
尚、清掃終了後は、取り外した排出部材7を接続部材6に対して側方より押し付けることによって、雨樋1を元の状態に戻すことができる。
【0026】
[第二実施形態]
次に、図7乃至図8を用いて本発明の第二実施形態を説明する。尚、上記第一実施形態と同一の部材については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略して説明する。尚、第一実施形態と同様に樋5は竪樋であって、下端に排出部材9が接続されている。
【0027】
接続部材8は樋5の外径と略同一の内径を有する円筒状であり、樋5下端と接着されている。又、接続部材8は中程より下端にかけて、排出部材9の外径と略同一の内径を有する円筒状の当接部81を有し、排出部材9の上端が挿入されている。
【0028】
排出部材9は屈曲部91において流路が屈曲する略L字状の曲がり管であって、上端側の外径は上記排出部材9の内径と略同一となっており、下端には側方へ向けて雨水を排出する排出口92が形成されている。尚、排出口92は排水勾配を有して傾斜しており、樋5と排出口92が成す角θは約91°となっている。
排出口92は排出部材9内に流入した雨水を排出する円形の開口であり、床面200に形成された排水口201へ向けて略水平方向に開口している。
凹部93は排出部材9の上端近傍の外側面の全周に亘って形成された溝であり、ゴム等の軟質部材からなる環状のパッキン94が取り付けられている。
脚部95は排出部材9の下端から下方に向けて延設され、床面200に接地することで排出部材9を支承している。
【0029】
以下に、樋5に対する排出部材9の取り付け方法について説明する。
【0030】
まず、樋5を適切な長さにおいて切断し、接続部材8を樋5下端に接着する。
次に、接続部材8の下端に排出部材9を挿入する。この時、排出部材9に取り付けられたパッキン94が当接部81に当接し、排出部材9が樋5の軸方向に対して変位可能に接続される。
最後に、脚部95を床面200に接地させるとともに、排出口92を排水口201へ向けることで施工が完了する。
【0031】
雨樋1が取り付けられた屋根110に対して雨が降ると、屋根110を伝い、軒樋2へと雨水が流れ落ちる。軒樋2は集水器3に向けて勾配を有していることから、軒樋2に流れた雨水は全て集水器3へ流れ込み、連結管4、樋5、排出部材9内を通り、排出口92より略水平方向へと排出される。
上記の通り、排出口92は排水口201を向くように開口していることから、雨樋1を通じて排出された排水をスムーズに排出することができる。
【0032】
ここで、施工が完了した状態の雨樋1は、排出部材9の脚部95が床面200に接地しており、雨樋1と床面200との間には清掃可能な空間が形成されていない。
床面200の清掃を行う際には、排出部材9を把持し、上方へと押し上げる。この時、図8に示すように、排出部材9が樋5の軸方向に変位し、排出部材9が床面200より離間することにより、樋5と床面200との間に清掃可能な空間が形成され、床面200の清掃が可能となる。尚、排出部材9はパッキン94を介して接続部材8に当接していることから、パッキン94と接続部材8との間に働く摩擦によって排出部材9の上昇状態が保持される。
尚、清掃終了後は、排出部材9を下動させることによって、雨樋1を元の状態に戻すことができる。
【0033】
以上のように、本発明の第二実施形態における雨樋構造は、排出部材9が樋5の軸方向に対して変位可能に接続されており、排出部材9の変位により、樋5と床面200との間に清掃可能な空間を形成することができる。従って、排出された雨水によって汚れた床面200を容易に清掃することが可能となる。
又、本発明においては取り付けられた排出部材9を任意の方向に回転させることが可能となっており、確実に排出口92を排水口201へと向けることができる
又、排出部材9は接続部材8を介して樋5に取り付けられるため、施工現場に合わせて適宜樋5を切断しても排出部材9を着脱可能に取り付けることが可能となるとともに、各種形状の樋5に対応することが可能となる。
又、排出部材9は略水平方向に雨水を排出することから、排出部材9下方の床面200の汚れを低減することができる。
【0034】
[第三実施形態]
次に、図9及び図10を用いて本発明の第三実施形態を説明する。尚、上記第一、第二実施形態と同一の部材については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略して説明する。尚、本実施形態において、樋50は家屋の屋根110上を沿う様に傾斜して配設され、雨水を下流側へ排出する流路を有する這樋である。又、樋50の下端に接続された排出部材10は屋根110の軒下に固定された軒樋2に向けて雨水を排出する。
【0035】
排出部材10は屈曲部101において流路が屈曲する略L字状の曲がり管であって、上流側端部の外径は排出部材10の内径と略同一となっており、下流側端部には下方へ向けて雨水を排出する排出口102が形成されている。
排出口102は排出部材10内に流入した雨水を排出する円形の開口であって、軒樋2に向けて略垂直方向に開口し、樋50と排出口102が成す角θは約100°となっている。
凹部103は排出部材10の上流側端部近傍の外周面の全周に亘って形成された溝であり、ゴム等の軟質部材から成る環状のパッキン94が取り付けられている。
【0036】
以下に、樋50に対する排出部材10の取り付け方法について説明する。
【0037】
まず、樋50を適切な長さにおいて切断し、接続部材8を樋50端部に接着する。
次に、接続部材8の端部に排出部材10を挿入する。この時、接続部材10に取り付けられたパッキン94が当接部81に当接し、排出部材10は樋50の軸方向に対して変位可能且つ樋50の軸を中心として回転可能に接続される。
【0038】
ここで、施工が完了した状態の雨樋1は排出口102と軒樋2が近接しており、雨樋1と軒樋2の底面との間には清掃可能な空間が形成されていない。
軒樋2の清掃を行う際には、排出部材10を把持し、回転させる。この時、図10に示すように、排出部材10が樋50の軸を中心として回転し、排出口102が軒樋2より離間することにより、樋50と軒樋2の底面との間に清掃可能な空間が形成され、軒樋2の清掃が可能となる。尚、排出部材10はパッキン94を介して接続部材8に当接していることから、パッキン94と接続部材8との間に働く摩擦によって、排出部材10の状態が保持される。
尚、清掃完了後は排出部材10を再び回転させることによって、雨樋1を元の状態に戻すことができる。
【0039】
以上のように、本発明の第三実施形態における雨樋構造は、排出部材10が樋50の軸に対して回転可能に接続されおり、排出部材10の回転により、樋50と軒樋2の底面との間に清掃可能な空間を形成することができる。従って、排出された雨水によって汚れた軒樋2を容易に清掃することや、軒樋2に堆積した落ち葉などを除去することが可能となる。
又、第二実施形態と同様に、排出部材10は接続部材8を介して樋50に取り付けられるため、施工現場に合わせて適宜樋50を切断しても排出部材9を着脱可能に取り付けることが可能となるとともに、各種形状の樋50に対応することが可能となる。
【0040】
本発明の実施形態は以上であるが、本発明の雨樋構造は上記各実施形態に示した形状に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の設計変更を加えても良い。
例えば、各実施形態において、排出部材はベランダの床面又は軒樋に雨水を排出していたが、地上の床面その他の場所に排出する構造であっても良い。
【0041】
又、樋の形状は円筒状に限られるものではなく、角柱その他の形状であっても良い。この場合においては、樋に対応する接続部材を適宜選択することによって排出部材を取り付けることができる。
【0042】
又、樋と排出口が成す角θは90°以上180°未満の間において適宜設定して良い。
【0043】
又、第一、第二実施形態において排出部材は脚部によって床面に設置しているが、脚部を有さず床面との間に隙間を有するように離間していても良い。この場合においては、排出部材の着脱又は上下動によって、床面との隙間を拡張することによって清掃のための空間を形成することができる。
【符号の説明】
【0044】
1 雨樋
2 軒樋
3 集水器
4 連結管
5、50 樋
6 接続部材
61 壁部
62 係合部
7 排出部材
71 屈曲部
72 排出口
73 側壁部
73a 内壁
73b 外壁
74 被係合部
75 脚部
8 接続部材
81 当接部
9 排出部材
91 屈曲部
92 排出口
93 凹部
94 パッキン
95 脚部
10 排出部材
101 屈曲部
102 排出口
103 凹部
110 屋根
200 床面
201 排水口
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10