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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022017122
(43)【公開日】2022-01-25
(54)【発明の名称】回転駆動装置
(51)【国際特許分類】
   F03G 7/08 20060101AFI20220118BHJP
   H02K 53/00 20060101ALI20220118BHJP
   F03G 1/00 20060101ALI20220118BHJP
   F03G 7/10 20060101ALI20220118BHJP
   F03G 3/00 20060101ALI20220118BHJP
【FI】
F03G7/08
H02K53/00
F03G1/00 A
F03G7/10
F03G3/00 A
F03G3/00 E
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020120244
(22)【出願日】2020-07-13
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-01-20
(71)【出願人】
【識別番号】520258699
【氏名又は名称】中島 一成
(74)【代理人】
【識別番号】100166589
【弁理士】
【氏名又は名称】植村 貴昭
(72)【発明者】
【氏名】中島 一成
(57)【要約】
【課題】電気やガソリンなどを必要とせず、本体のみで回転駆動が可能な回転駆動装置を提供する。
【解決手段】外枠14の上端部Gからその回転方向下流側部分を経て下端部Fまでの回転領域W1と、下端部Fからその回転方向下流側部分を経て上端部Gまでの回転領域W2とで、ピストンロッド12の進出・退入によりシリンダ11の重心位置が変化する。具体的には、回転領域W1では、その重心位置が回転領域W2の重心位置よりも径方向外側になる。この重心位置の変化により円盤10は回転駆動される。よって、電気やガソリンなどを使用することなく、本体装置が有れば、それだけで回転駆動が可能になる。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸心回りに回転可能であって、軸心を水平方向または斜めに傾いた方向に向けて配設された円盤と、前記円盤の軸心周りに、ピストンロッドを前記軸心と反対側へ向け互いに回転方向に離隔して配設された複数のシリンダと、前記シリンダの回転域の上端からその回転方向下流側部分を経て下端までのうちの少なくとも一部の回転領域において前記ピストンロッドを外方へ進出させると共に、他の回転領域において前記ピストンロッドを内方へ退入させるスライド手段とを備え、前記シリンダが前記回転領域を通るときに前記他の回転領域を通るときよりもシリンダの重心位置が外側になるよう、前記スライド手段が前記ピストンロッドおよびピストンを移動させることにより、前記円盤が回転駆動されることを特徴とする回転駆動装置。
【請求項2】
請求項1に記載の回転駆動装置において、前記スライド手段は、各シリンダの内奥部とピストンとの間に設けられ、前記ピストンに前記ピストンロッドの進出方向に押圧力を付与するスプリングと、前記他の回転領域の全域にわたって設けられ、前記ピストンロッドの先端部に当接すると共に前記スプリングの押圧力に抗して前記ピストンロッドを退入させる外枠とを備えることを特徴とする回転駆動装置。
【請求項3】
請求項2に記載の回転駆動装置において、前記ピストンロッドの先端部は、前記外枠と当接する部分が傾斜面に形成され、当接力の一部を前記ピストンロッドの退入力に変換できるように構成されていることを特徴とする回転駆動装置。
【請求項4】
請求項1に記載の回転駆動装置において、前記スライド手段は、各シリンダの内奥部とピストンとの間に設けられ、前記ピストンに前記ピストンロッドの進出方向に押圧力を付与するスプリングと、各ピストンロッドの先端部に設けられた第1磁石と、前記第1磁石の回転域の外側であって前記他の回転領域に設けられ、前記スプリングの押圧力に抗して前記ピストンロッドを退入させる反発力を前記第1磁石に対して付与する複数の第2磁石とを備えることを特徴とする回転駆動装置。
【請求項5】
請求項4に記載の回転駆動装置において、前記スライド手段は、更に、前記他の回転領域の全域にわたって設けられ、前記ピストンロッドの先端部に当接すると共に、前記スプリングの押圧力に抗して前記ピストンロッドを退入させる外枠を備え、その外枠に前記複数の第2磁石が一体的に組み込まれていることを特徴とする回転駆動装置。
【請求項6】
請求項4または5記載の回転駆動装置において、各シリンダの内奥部の壁に貫通孔が形成され、その貫通孔を挿通して前記ピストンと一端が連結された連結用コイルスプリングと、前記コイルスプリングの他端が連結された連結片と、その連結片から前記円盤の外周に向けて延出する延出片を有するスライド部材と、前記延出片の先端部であって前記ピストンロッドの退入方向側に設けられた円盤押圧用ばねと、前記円盤に設けられ、前記ピストンロッドの退入により前記円盤押圧用ばねが当接し、前記ピストンロッドの進出により前記円盤押圧用ばねが離れる当接部と、前記スライド部材に設けられ、前記ピストンロッドの退入方向に突出形成された被案内片と、前記円盤に設けられ、前記スライド部材のスライド方向に前記被案内片を案内する案内あなとを備えることを特徴とする回転駆動装置。
【請求項7】
請求項6記載の回転駆動装置において、前記スライド部材に、前記ピストンロッドの進出方向に延びる支持片が形成され、一方前記円盤には支持片をスライド可能に拘束する拘束手段が形成されていることを特徴とする回転駆動装置。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか1つに記載の回転駆動装置において、前記ピストンおよび前記ピストンロッドが内径同一かつ一体の中空部を有し、その中空部に充満する液体と、前記中空部に入っていて、前記ピストンのスライド方向に移動可能なフロートと、前記フロートに取り付けられた連結用磁石と、前記シリンダの外側に前記連結用磁石と磁力により配設され、前記連結用磁石と同一の動きをする被連結用磁石と、前記被連結用磁石に取り付けられたスライドギアと、前記ピストンロッドの進出に伴って前記スライドギアと噛合する第1ギアと、前記第1ギアと同一軸に取り付けられた第2ギアと、前記第2ギアと噛合するギアを内周面側に有する円弧状の第3ギアとを備え、前記スライドギア、前記第1ギアおよび前記第2ギアが前記円盤側に設けられ、前記第3ギアが支持部材を介して装置本体側に取り付けられていることを特徴とする回転駆動装置。
【請求項9】
請求項8記載の回転駆動装置において、前記第3ギアは、前記フロートが前記液体からの浮力を受けて前記ピストンロッドが進出する動作進行中である、前記他の回転領域の一部に設けられていることを特徴とする回転駆動装置。
【請求項10】
請求項8または9記載の回転駆動装置において、前記第2ギアは前記第1ギアよりも大径であることを特徴とする回転駆動装置。
【請求項11】
請求項1乃至10のいずれか1つに記載の回転駆動装置において、前記シリンダの夫々が、円盤の軸心を通る線分よりも円盤の回転方向下流側にずらして配設されていることを特徴とする回転駆動装置。
【請求項12】
請求項1乃至11のいずれか1つに記載の回転駆動装置において、前記シリンダは、前記回転領域を通るシリンダ数が1または2以上存在するように配設されていることを特徴とする回転駆動装置。
【請求項13】
請求項1乃至12のうちのいずれか1つに記載の回転駆動装置において、前記円盤が共通の軸心に複数並設され、各円盤のシリンダ位置が周方向にずらして配設されていることを特徴とする回転駆動装置。
【請求項14】
請求項5に記載の回転駆動装置において、前記外枠の前記第2磁石を、前記円盤の軸心の延伸方向に移動させることで、前記円盤の回転を停止することを特徴とする回転駆動装置。
【請求項15】
請求項5に記載の回転駆動装置において、前記外枠の前記第2磁石を、前記円盤から径方向外側に移動させることで、前記円盤の回転を停止することを特徴とする回転駆動装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気やガソリンを使用することなく回転駆動が可能であり、発電機などに利用できる回転駆動装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の回転駆動装置として、例えばモータは、電気を使用することで駆動されており、またエンジンの回転軸は、ガソリン、軽油などを使用することで駆動されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-048256号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の回転駆動装置にあっては、電気やガソリン(以下、軽油を含むもとする)などを必要とするため、電気が無い場所や、ガソリンが無くなると、使用することができない。そのため、停電や災害時に使用したくても使用できない虞があった(ソサエティ5.0超スマート社会にあたり電気が全てで、電気が使えないことは命取りになりかねないリスクを抱えている)。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、電気やガソリンなどを必要とせず、本体のみで回転駆動が可能な回転駆動装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明の回転駆動装置は、軸心回りに回転可能であって、軸心を水平方向または斜めに傾いた方向に向けて配設された円盤と、前記円盤の軸心周りに、ピストンロッドを前記軸心と反対側へ向け互いに回転方向に離隔して配設された複数のシリンダと、前記シリンダの回転域の上端からその回転方向下流側部分を経て下端までのうちの少なくとも一部の回転領域において前記ピストンロッドを外方へ進出させると共に、他の回転領域において前記ピストンロッドを内方へ退入させるスライド手段とを備え、前記シリンダが前記回転領域を通るときに前記他の回転領域を通るときよりもシリンダの重心位置が外側になるよう、前記スライド手段が前記ピストンロッドおよびピストンを移動させることにより、前記円盤が回転駆動されることを特徴とする。
【0007】
請求項2の発明の回転駆動装置は、請求項1に記載の回転駆動装置において、前記スライド手段は、各シリンダの内奥部とピストンとの間に設けられ、前記ピストンに前記ピストンロッドの進出方向に押圧力を付与するスプリングと、前記他の回転領域の全域にわたって設けられ、前記ピストンロッドの先端部に当接すると共に前記スプリングの押圧力に抗して前記ピストンロッドを退入させる外枠とを備えることを特徴とする。
【0008】
請求項3の発明の回転駆動装置は、請求項2に記載の回転駆動装置において、前記ピストンロッドの先端部は、前記外枠と当接する部分が傾斜面に形成され、当接力の一部を前記ピストンロッドの退入力に変換できるように構成されていることを特徴とする。
【0009】
請求項4の発明の回転駆動装置は、請求項1に記載の回転駆動装置において、前記スライド手段は、各シリンダの内奥部とピストンとの間に設けられ、前記ピストンに前記ピストンロッドの進出方向に押圧力を付与するスプリングと、各ピストンロッドの先端部に設けられた第1磁石と、前記第1磁石の回転域の外側であって前記他の回転領域に設けられ、前記スプリングの押圧力に抗して前記ピストンロッドを退入させる反発力を前記第1磁石に対して付与する複数の第2磁石とを備えることを特徴とする。
【0010】
請求項5の発明の回転駆動装置は、請求項4に記載の回転駆動装置において、前記スライド手段は、更に、前記他の回転領域の全域にわたって設けられ、前記ピストンロッドの先端部に当接すると共に、前記スプリングの押圧力に抗して前記ピストンロッドを退入させる外枠を備え、その外枠に前記複数の第2磁石が一体的に組み込まれていることを特徴とする。
【0011】
請求項6の発明の回転駆動装置は、請求項4または5記載の回転駆動装置において、各シリンダの内奥部の壁に貫通孔が形成され、その貫通孔を挿通して前記ピストンと一端が連結された連結用コイルスプリングと、前記コイルスプリングの他端が連結された連結片と、その連結片から前記円盤の外周に向けて延出する延出片を有するスライド部材と、前記延出片の先端部であって前記ピストンロッドの退入方向側に設けられた円盤押圧用ばねと、前記円盤に設けられ、前記ピストンロッドの退入により前記円盤押圧用ばねが当接し、前記ピストンロッドの進出により前記円盤押圧用ばねが離れる当接部と、前記スライド部材に設けられ、前記ピストンロッドの退入方向に突出形成された被案内片と、前記円盤に設けられ、前記スライド部材のスライド方向に前記被案内片を案内する案内あなとを備えることを特徴とする。
【0012】
請求項7の発明の回転駆動装置は、請求項6記載の回転駆動装置において、前記スライド部材に、前記ピストンロッドの進出方向に延びる支持片が形成され、一方前記円盤には支持片をスライド可能に拘束する拘束手段が形成されていることを特徴とする。
【0013】
請求項8の発明の回転駆動装置は、請求項1乃至7のいずれか1つに記載の回転駆動装置において、前記ピストンおよび前記ピストンロッドが内径同一かつ一体の中空部を有し、その中空部に充満する液体と、前記中空部に入っていて、前記ピストンのスライド方向に移動可能なフロートと、前記フロートに取り付けられた連結用磁石と、前記シリンダの外側に前記連結用磁石と磁力により配設され、前記連結用磁石と同一の動きをする被連結用磁石と、前記被連結用磁石に取り付けられたスライドギアと、前記ピストンロッドの進出に伴って前記スライドギアと噛合する第1ギアと、前記第1ギアと同一軸に取り付けられた第2ギアと、前記第2ギアと噛合するギアを内周面側に有する円弧状の第3ギアとを備え、前記スライドギア、前記第1ギアおよび前記第2ギアが前記円盤側に設けられ、前記第3ギアが支持部材を介して装置本体側に取り付けられていることを特徴とする。
【0014】
請求項9の発明の回転駆動装置は、請求項8記載の回転駆動装置において、前記第3ギアは、前記フロートが前記液体からの浮力を受けて前記ピストンロッドが進出する動作進行中である、前記他の回転領域の一部に設けられていることを特徴とする。
【0015】
請求項10の発明の回転駆動装置は、請求項8または9記載の回転駆動装置において、前記第2ギアは前記第1ギアよりも大径であることを特徴とする。
【0016】
請求項11の発明の回転駆動装置は、請求項1乃至10のいずれか1つに記載の回転駆動装置において、前記シリンダの夫々が、円盤の軸心を通る線分よりも円盤の回転方向下流側にずらして配設されていることを特徴とする。
【0017】
請求項12の発明の回転駆動装置は、請求項1乃至11のいずれか1つに記載の回転駆動装置において、前記シリンダは、前記回転領域を通るシリンダ数が1または2以上存在するように配設されていることを特徴とする。
【0018】
請求項13の発明の回転駆動装置は、請求項1乃至12のうちのいずれか1つに記載の回転駆動装置において、前記円盤が共通の軸心に複数並設され、各円盤のシリンダ位置が周方向にずらして配設されていることを特徴とする。
【0019】
請求項14の発明の回転駆動装置は、請求項5に記載の回転駆動装置において、前記外枠の前記第2磁石を、前記円盤の軸心の延伸方向に移動させることで、前記円盤の回転を停止することを特徴とする。
【0020】
請求項15の発明の回転駆動装置は、請求項5に記載の回転駆動装置において、前記外枠の前記第2磁石を、前記円盤から径方向外側に移動させることで、前記円盤の回転を停止することを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
請求項1の発明による場合には、軸心を水平方向または斜めに傾いた方向に向けて配設された円盤が軸心回りに回転可能であり、その円盤の軸心周りに複数のシリンダが、ピストンロッドを軸心と反対側へ向け互いに回転方向に離隔して配設されている。シリンダが上端からその回転方向下流側部分を経て下端までのうちの少なくとも一部の回転領域に位置するとき、スライド手段がピストンロッドを外方へ進出させ、一方シリンダが他の回転領域に位置するとき、スライド手段がピストンロッド及びピストンを内方へ退入させる。すると、シリンダの重心位置が、他の回転領域よりも回転領域で径方向外側になるので、円盤に回転力が発生することになる。これによって円盤が連続的に回転駆動される。従って、電気やガソリンなどを使用することなく、本体装置が有れば、それだけで回転駆動が可能になり、停電や災害時にも、時、場所を選ばずに使用できる。また、本発明の回転駆動装置に対して発電機構を設けることで、発電機として利用することができる。
【0022】
請求項2の発明による場合には、シリンダの内奥部とピストンとの間に設けられたスプリングがピストンロッドを進出させる方向に押圧力を付与する。一方、他の回転領域の全域にわたって設けられた外枠は、ピストンロッドの先端部が当接するとスプリングの押圧力に抗してピストンロッドを退入させている。回転に伴って外枠からシリンダが抜け出ると、スプリングによりピストンロッドが進出し、シリンダの重心位置が変化して円盤が回転する。
【0023】
請求項3の発明による場合には、ピストンロッドの先端部が外枠と当接する部分に、当接力の一部をピストンロッドの退入力に変換できる傾斜面が形成されているので、ピストンロッドの先端部が外枠と当接すると、スムーズにピストンロッドを退入させることができる。
【0024】
請求項4の発明による場合には、シリンダの内奥部とピストンとの間に設けられたスプリングがピストンロッドを進出させる方向に押圧力を付与する。一方、他の回転領域には、ピストンロッドの先端部に設けられた第1磁石と反発する複数の第2磁石が設けられ、その反発力をスプリングの押圧力に抗してピストンロッドを退入させるように設定することで、他の回転領域においてピストンロッドが退入する。
【0025】
請求項5の発明による場合には、更に、請求項2と同様の外枠を他の回転領域の全域にわたって設け、その外枠に複数の第2磁石を一体的に組み込んでいるので、外枠によっても第2磁石によってもピストンロッドを退入させ得る。この場合、外枠によってピストンロッドを確実に退入させ、第2磁石によってピストンロッドを更に奥側に押し込むことができるので、他の回転領域におけるシリンダの重心位置を、外枠による場合よりも円盤軸心側に寄せて外枠と非接触にすることが可能となり、より回転をスムーズにすることができる。また、外枠を第2磁石の支持部材として利用することができ、加えて外枠によってピストンロッドを確実に退入させるので、弱い磁力の磁石を使用することができる。
【0026】
請求項6の発明による場合には、ピストンがスライドすると、連結ばねを介してスライド部材が同じ方向にスライドする。よって、ピストンロッドが退入するとスライド部材が同じ方向にスライドし、スライド部材の先端部に設けた円盤押圧用ばねが円盤の当接部に当接し、円盤に回転力を付与する。従って、ピストンロッドが進出するときだけでなく、ピストンロッドが退入するときにも円盤に回転力を付与でき、円盤の回転をスムーズにさせ得る。このスライド部材のスライドに際し、スライド部材の被案内片が円盤の案内あなにより案内されるので、円盤押圧用ばねの円盤当接部への当接を確実に行わせ得る。
【0027】
請求項7の発明による場合には、スライド部材の基端部であって被案内片とは反対側に、ピストンのスライド方向に延びる支持片が形成されているので、スライド部材の基端部を挟んで被案内片と支持片とが存在し、スライド部材の姿勢を安定化させることができる。
【0028】
請求項8の発明による場合には、フロートは液体による浮力により上側に位置する。よって、円盤の回転に伴ってピストンロッドの先端が下向きから上向きになると、フロートは中空部をスライドして上側へ移動する。この移動により、フロートに取り付けられた連結用磁石と、磁力により連結された被連結用磁石とが上側へ移動し、被連結用磁石に取り付けられたスライドギアが上昇する。スライドギアの上昇によりスライドギアが第1ギアと噛合し、第1ギアと第2ギアを回転させる。円盤の回転に伴って円弧状の第3ギアに第2ギアが噛合するまでは、第1ギアおよび第2ギアは空転する。第3ギアに第2ギアが噛合すると、第3ギアが装置本体に固定されているので、第3ギアからの反力を受ける。このとき、スライドギア、第1ギアおよび第2ギアが円盤側に設けられているので、円盤の回転力が反力よりも大きい場合には、円盤の回転速度は反力がない場合よりも速くなる。
【0029】
請求項9の発明による場合には、フロートが液体からの浮力を受けてピストンロッドが進出する動作進行中である、他の回転領域の一部に第3ギアが設けられているので、ピストンロッドの進出が停止したときに、第2ギアが第3ギアから離れているようにすることで、円盤の回転に支障を起こさないようにできる。
【0030】
請求項10の発明による場合には、第2ギアが第1ギアよりも大径であることで、第2ギアが第1ギアよりも周速度が大きいので、円盤の回転速度をアップさせ得る。
【0031】
請求項11の発明による場合には、前記シリンダの夫々が、円盤の軸心を通る線分よりも円盤の回転方向下流側にずらして配設されているので、ピストンロッドにかかる外力(押圧力)の一部を円盤の回転力に利用できる。
【0032】
請求項12の発明による場合には、回転領域を通るシリンダ数が1または2以上存在するようにシリンダが配設されているので、円盤の回転力を発生させるピストンロッドの進出したシリンダが必ず存在する。この場合、シリンダが下端近くに位置するとき回転力が小さいので、回転領域にはもう一つシリンダが存在するのが好ましく、回転領域の範囲には少なくとも2個以上のシリンダが存在するように配設することがよい。ただし、円盤の回転力を発生させるシリンダが理論上1つであっても、慣性力で円盤の回転を維持させ得る。なお、シリンダ数が多いほど円盤の回転を安定化できると共に回転速度を速くすることができる。
【0033】
請求項13の発明による場合には、円盤が共通の軸心に複数並設され、各円盤のシリンダ位置が周方向にずらして配設されていると、円盤の回転力の発生タイミングを増加させることができるので、滑らかな回転が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】第1実施形態に係る回転駆動装置を模式的に示す正面図である。
図2】第1実施形態に係る回転駆動装置を示す分解斜視図である。
図3】第1実施形態に係る回転駆動装置を構成するシリンダを模式的に示す縦断面図である。
図4】第2実施形態に係る回転駆動装置の動作内容を説明するための正面図である。
図5】第2実施形態に係る回転駆動装置を構成するシリンダを模式的に示す縦断面図である。
図6】第3実施形態に係る回転駆動装置を説明するための図であり、(A)は正面図、(B)は要部の底面図である。
図7】第3実施形態に係る回転駆動装置を構成するシリンダを示す縦断面図である。
図8】第3実施形態に係る回転駆動装置を構成するスライド部材とシリンダを示す斜視図である。
図9図6(A)のY-Y線による断面図である。
図10】第3実施形態に係る回転駆動装置を構成するスライド部材と円盤を図6(A)のZ方向から見た斜視図である。
図11】第4実施形態に係る回転駆動装置を説明するための図(正面図)である。
図12】第4実施形態に係る回転駆動装置を構成するシリンダの近傍を示す図(シリンダは縦断面図)である。
図13】第3実施形態に係る回転駆動装置において円盤の外周面から軸心近傍に向けて延びるスリット状のあなを円盤に形成した例を示す斜視図である。
図14】第4実施形態に係る回転駆動装置において円盤にスライドギア、第1ギア、第2ギア及び第3ギアを収納する孔を設けた構成を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態につき、図面を用いて説明する。
図1は第1実施形態に係る回転駆動装置を模式的に示す正面図であり、図2はその回転駆動装置を示す分解斜視図、図3は回転駆動装置を構成するシリンダを模式的に示す縦断面図である。
【0036】
この回転駆動装置1は、図示しない装置本体に取り付けられた一対の支持部材2、3に回転可能に支持された軸4と、軸4に取り付けられた円盤10と、円盤10の広面10Aに取り付けられた8個のシリンダ11と、シリンダ11のピストンロッド12を外方へ進出させるコイル状のスプリング13と、進出したピストンロッド12を内方へ退入させる外枠14とを有する。
【0037】
軸4は支持部材2、3により水平に配設されていて、円盤10は軸4の中心を軸心として、軸4と一体となって回転できるようになっている。円盤10の回転方向は後述するように、図1において反時計回りとなっている。軸4は水平に配設する必要はなく、斜めに傾いた方向に向けて配設してもよい。
【0038】
シリンダ11は、横断面が矩形状をした筒状に形成され、一端側は閉じられていて、他端側は開口している。その開口部11Aは窄まっており、内部にピストン12Aが入っていて、ピストン12Aに繋がっているピストンロッド12が開口部11Aから外側に出ている。シリンダ11の閉じた一端側、つまり内奥側の壁11Bとピストン12Aとの間にはスプリング13が配設されていて、このスプリング13は弾性力によりピストン12Aを開口部11Aの内側の縁に当接させる。この当接した状態で、ピストンロッド12の進出が最大限になる(図3参照)。
【0039】
各シリンダ11は、軸4(円盤10の軸心)周りに、ピストンロッド12の先端部12Bを軸4と反対側へ向け、互いに回転方向(周方向)に離隔して配設されている。
各シリンダ11の配設位置は、例えば図1においてピストンロッド12が上向きのシリンダ11を例に挙げて説明すると、円盤10の軸心から放射線状に延びる線分E(一点鎖線)から回転方向下流側にずらした位置となっている。このことは、他のシリンダ11においても同様である。この理由は、後述する。また、各シリンダ11は、ピストン12A、ピストンロッド12などを含めて横断面矩形状に形成されているが、これに限らず、他の断面形状、例えば円形などであってもよい。但し、シリンダ11については、円盤10への取り付け性を考慮すると、断面矩形状が好ましい。
【0040】
外枠14は、シリンダ11の回転域を覆うように、つまり回転域に対面するように設けられており、曲率半径が一定の半円部14Aと、半円部14Aの回転方向上流側の入口部14Bと、半円部14Aの回転方向下流側の出口部14Cとを有する。半円部14Aは、シリンダ11の回転域の下端に対面する下端部Fから、その回転方向下流側に対面する部分を経てシリンダ11の回転域の上端に対面する上端部Gまでに設けられている。この外枠14は、例えば帯状の板の折り曲げ成形や、樹脂成型などにより形成される。
【0041】
入口部14Bおよび出口部14Cの半円部14A側は、半円部14Aの下端部F、上端部Gと繋がっていて、入口部14Bおよび出口部14Cの半円部14Aとは反対側は、半円部14Aから離れる程にシリンダ11の回転域からの距離が長くなるように形成されている。入口部14Bは、最大限進出したピストンロッド12の先端部12Bを当接させずに入れる入口14Dを有し、円盤10の回転に伴ってピストンロッド12の先端部12Bを当接させ、その後に徐々に退入させていき、一定長さにした状態で半円部14Aに送るように構成されている。半円部14Aは、円盤10の回転に伴ってピストンロッド12を一定長さにした状態で出口部14Cに送るように構成されている。出口部14Cは、円盤10の回転に伴ってピストンロッド12を徐々に進出させていき、途中で最大限に進出した状態にし、出口14Eから回転方向下流側に送るように構成されている。
【0042】
この外枠14とスプリング13とは、ピストンロッド12およびピストン12Aをスライドさせるスライド手段として機能する。
【0043】
(回転の原理)
次に、回転駆動装置の回転の原理について説明する。
ピストンロッド12は、出口部14Cを通るときに最大限に進出した状態になり、その状態で回転方向下流側に送られていき入口部14Bに入る。よって、出口部14Cの途中から入口部14Bの途中までは、ピストンロッド12が最大限進出し、入口部14Bの途中から半円部14Aを経て出口部14Cの途中までは、ピストンロッド12が退入した状態になる。
【0044】
従って、外枠14の上端部Gからその回転方向下流側部分を経て下端部Fまでの回転領域W1と、下端部Fからその回転方向下流側部分を経て上端部Gまでの回転領域W2とで、ピストンロッド12の進出・退入によりシリンダ11の重心位置が変化する。具体的には、回転領域W1では、その重心位置が回転領域W2の重心位置よりも径方向外側になる。この重心位置の変化により円盤10は回転駆動される。よって、電気やガソリンなどを使用することなく、本体装置が有れば、それだけで回転駆動が可能になり、停電や災害時にも、時、場所を選ばずに使用できる。
【0045】
なお、半円部14Aの長さが仮に回転領域W2よりも短い場合、回転領域W2内でピストンロッド12が進出した状態になる箇所が発生することになり、円盤10の回転力が落ちる。このため、半円部14Aは回転領域W2を最低限必要である。
【0046】
また、半円部14Aは回転領域W2よりも少し長くしても、換言すると、回転領域W1を少し短くしても、円盤10の回転に支障がない。その理由を以下に説明する。
【0047】
即ち、入口部14Bについては、これが無いと、最大限進出したピストンロッド12が半円部14Aに衝突して円盤10が回転しなくなるため必要である。しかし、回転途中からピストンロッド12が退入するので、ピストンロッド12の進出した状態が少なくなる。一方、出口部14Cについては、これを省略しても円盤10の回転にあまり支障はないが、ピストンロッド12が急激に退入状態から進出状態に変化してシリンダ11に衝撃が発生し、円盤10の円滑な回転が得られ難くなる虞があるため、出口部14Cは必要であるもののピストンロッド12が徐々に進出するため、ピストンロッド12の進出した状態が少なくなる。しかしながら、ピストンロッド12の進出した状態が少なくなる領域は、上端Gの近傍と下端Fの近傍であるので、円盤10の回転にあまり寄与しない。よって、ピストンロッド12を最大限進出させる回転領域としては、回転領域W1よりも少し短い回転領域W3にすることが可能となる。
【0048】
前記回転領域W3の一端は入口部14Bにピストンロッド12の先端部12Bが当接した箇所で、他端はピストンロッド12の先端部12Bが出口部14Cから離れた箇所を言う。
【0049】
また、第1実施形態にあっては、ピストンロッド12の先端部12Bは、入口部14Bと当接する部分に傾斜面12Cが形成されているので、傾斜面12Cが当接力の一部をピストンロッドの退入力に変換できるので、スムーズにピストンロッド12を退入させることができる。
【0050】
また、第1実施形態にあっては、前述したように各シリンダ11の配設位置は、円盤10の軸心から放射線状に延びる線分E(一点鎖線)から回転方向下流側にずらした位置となっている(図1参照)。その理由は、外枠14にピストンロッド12が当接して、外枠14から受ける反力が円盤10の中心に向かうのではなく、円盤10を回転させる方向に向かうようにするためである。このようにすることで、円盤10の回転力を増大化させることができる。
【0051】
さらに、第1実施形態にあっては円盤10に対しシリンダ11を8個配置しているが、本発明はこれに限らない。円盤10を回転させるには、ピストンロッド12の進出したシリンダ11が回転領域W1に1または2以上あれば理論上可能である。但し、シリンダ11が1個の場合、回転域の下端F又はその近傍に位置するとき回転力が小さいので、回転領域W1にはもう一つシリンダ11が必要であり、回転領域W1には少なくとも2個以上のシリンダが位置するように配設することが好ましい。これによって円盤10が連続的に回転駆動される。
【0052】
更にまた、第1実施形態にあっては、円盤10の片面(広面10A)にシリンダ11を配設しているが、本発明はこれに限らず、円盤10の両面の夫々にシリンダ11を配設してもよい。この場合、シリンダ11の回転域が2つになるため、外枠14の(軸4の延伸方向の)幅を広げるか、または外枠14の数を増やす必要がある。
【0053】
更にまた、円盤10は2以上を共通の軸に取り付けてもよい。この場合、シリンダ11の配置が同じ円盤10を2以上用いてもよいが、シリンダ11の配置が異なる円盤10を2以上用いてもよい。シリンダ11の配置が異なる円盤10としては、各円盤10でシリンダ11の取り付け位置を周方向にずらすことが好ましい。このようにすると、円盤の回転力を発生させるタイミングを増加させることができ、滑らかな回転を得ることが可能になる。
【0054】
更にまた、外枠14の幅方向の形状については言及していないが、(軸4の延伸方向の)幅方向両端が円盤10に向けて突出した断面コの字状に形成してもよい。このようにすると、ピストンロッド12を確実に案内することができる。
【0055】
更にまた、円盤10と一体的に回転する軸4に、例えば磁石を取り付けると共にその回転する磁石の周りにコイルを配置することにより、発電機として使用することができる。発電機として使用する場合、回転する軸4に、例えばコイルを取り付けると共に、その外側にN極、S極の磁石を配置するようにしてもよい。
【0056】
(第2実施形態)
図4は第2実施形態に係る回転駆動装置の動作内容を説明するための正面図であり、図5は回転駆動装置を構成するシリンダを模式的に示す縦断面図である。図1図3と同一部分には、同一番号を附している。なお、図4は、便宜上、シリンダを3つだけ表しているが、実際は8個設けられている。
【0057】
この回転駆動装置1Aは、ピストンロッド12の先端部12Bに第1磁石20が設けられ、外枠24には第1磁石20と反発する複数の第2磁石21が設けられている。
【0058】
ピストンロッド12の先端部12Bは、第1磁石20を除いて非磁性材料で構成されていて、第2磁石21の磁気が第1磁石20に働くようになっている。なお、上記非磁性材料としては、例えば硬質樹脂やオーステナイト系ステンレス鋼などが選ばれる。
【0059】
外枠24には、上述したように複数の第2磁石21が設けられており、外枠24は、ピストンロッド12の先端部12Bと同様に非磁性材料で構成されている。第2磁石21は、第1磁石20と反発するよう同極性となるように設けられていて、第1磁石20の第2磁石21側が、例えばN極であれば、第2磁石21の第1磁石20側もN極であるようになっている。また、第2磁石21は、外枠24の内周面と面一になるように外枠24に一体的に取り付けられていて、第2磁石21と外枠24の内周面は、ピストンロッド12の先端部12Bがスムーズに滑動できるように円盤10の軸心側に段差がない状態となっている。つまり、第2磁石21の内周面は、円弧状に形成されている(図5には第2磁石21を1個だけ表している)。
【0060】
この回転駆動装置1Aにあっては、回転領域W2において、ピストンロッド12の先端部12Bが外枠24に当接することにより、第1実施形態と同様にスプリング13の押圧力に抗してピストンロッド12が退入する。これに加えて、第1磁石20と第2磁石21との反発力が存在するため、ピストンロッド12が更に退入する。このとき、第1磁石20と第2磁石21との反発力はスプリング13の押圧力よりも大であることを要する。このような構成により、回転領域W1では、その重心位置が回転領域W2の重心位置よりも径方向外側になる。この重心位置の変化により円盤10は回転駆動される。この回転駆動力は、磁石どうしの反発力があるので第1実施形態の回転駆動装置1よりも大きい。この第2実施形態にあっては、反発力を作用させる第1磁石20と第2磁石21は、円盤10の回転を補助する補助回転機構として機能する。
【0061】
然る後、円盤10の回転によりピストンロッド12の先端部12Bが外枠24の出口部24Cから外れるとピストンロッド12は進出し、入口部24Bに送られる。
【0062】
この回転駆動装置1Aにおいて、ピストンロッド12をスライドさせるスライド手段は、スプリング13と第1磁石20と外枠24と複数の第2磁石21とで構成される。
【0063】
このように構成された第2実施形態の回転駆動装置1Aにおいては、第1磁石20と第2磁石21との反発力を利用するので、ピストンロッド12の先端部12Bと外枠24とを非接触にさせることが可能になり、円盤10の回転速度を速くすることができる。但し、第1磁石20が第2磁石21に接近するときに、円盤10の回転を邪魔する反発力が発生するので、ピストンロッド12の先端部12Bの重さを調整したり、円盤10の回転を邪魔する反発力を抑制すべく第2磁石21どうしを接近させた、つまり図4に示すように多数設けた配置にすることが好ましい。この場合、第2磁石21間の隙間は、半円部14Aよりも入口部24Bおよび出口部24Cの方が広い状態とすることが望ましい。
【0064】
なお、第2実施形態では、第2磁石21を外枠24により支持する構成を採るが、本発明はこれに限らず、外枠24に代えて、他の支持部材により第2磁石21を支持するようにしてもよい。この構成にあっては、ピストンロッド12が第2磁石21のみで退入するので、ピストンロッド12の先端部12Bと外枠24との間の摩擦力を無くすことができる。
【0065】
また、円盤10の回転は、たとえば外枠24の第2磁石21(又は外枠24)を、軸4(円盤10の軸心)の延伸方向に移動させる方式、又は円盤10から円盤10の径方向外側に移動させる方式などの採用で停止させることができる。この場合において、円盤10の回転を再開する際、第2磁石21(又は外枠24)を元の状態に戻せば可能になるが、ピストンロッド12の先端部12Bが外側へ飛び出して円盤10の回転停止状態であれば、元の状態に戻すと第2磁石21(又は外枠24)と衝突する虞がある。これを防止する上で、外枠24の内側(円盤10側)に、外枠24の内面に一致またはほぼ同じ円弧状の非磁性材料からなる板材(図示せず)を位置不動状態で別途設けることが好ましい。
【0066】
更に、第2実施形態では多数の第2磁石21を配置する構成としているが、本発明はこれに限らず、全ての第2磁石21を一体化した円弧状の磁石を用いる構成にしてもよい。
【0067】
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態につき、図面を用いて説明する。
図6は第3実施形態に係る回転駆動装置を説明するための図であり、図6(A)は正面図、図6(B)は要部の底面図である。図7は回転駆動装置を構成するシリンダを示す縦断面図、図8は回転駆動装置を構成するスライド部材とシリンダを示す斜視図、図9図6(A)のY-Y線による断面図、図10はスライド部材と円盤を図6(A)のZ方向から見た斜視図である。図1図3と同一部分には、同一番号を附している。なお、図6(A)には、便宜上、1つのシリンダを表しているが、実際には8個のシリンダが配設されている。
【0068】
この回転駆動装置1Bにあっては、第1実施形態と同様に、ピストンロッド32Bが外枠14に当接することにより退入し、ピストンロッド32Bが外枠14から外れスプリングの押圧力により進出して回転駆動される機構であり、加えて、図7に示すように各シリンダ31の開口部31Aと反対側の壁31Bに貫通孔31Cが形成され、その貫通孔31Cを挿通して連結用コイルスプリング33の一端33Aがピストン32Aに連結され、コイルスプリング33の他端33Bは、図6及び図8に示すようにスライド部材34に連結されている。
【0069】
スライド部材34は、コの字状に形成され、一対の延出片34A、34Bと、これらの間の連結片34Cを有する。連結片34Cにコイルスプリング33の他端33Bが連結され、延出片34A、34Bは円盤10の厚み方向(軸4の延伸方向)に向けて延出している。延出片34A、34Bの先端部であってピストンロッド32Bの退入方向側には、円盤押圧用ばね35A、35Bが取り付けられている。このばね35A、35Bは、例えばコイルスプリングが用いられ、円盤10に設けられた当接部材36A、36Bに対して、ピストンロッド32Bの退入により当接し、ピストンロッド32Bの進出により離れる。
【0070】
スライド部材34には、延出片34A、34Bからピストンロッド32Bの退入方向に突出する被案内片37A、37Bが形成されている。当接部材36A、36Bには、図6(B)及び図10に示すようにスライド部材34のスライド方向に沿って案内あな39A、39Bが形成されている。
【0071】
この案内あな39A、39Bには被案内片37A、37Bが挿通され、被案内片37A、37Bは案内あな39A、39Bに案内されてスライドする。なお、図10においては、被案内片37A、37Bが案内あな39A、39Bから出ているように表しているが、実際には被案内片37A、37Bが案内あな39A、39Bに挿通された状態でK方向にスライドする。
【0072】
また、スライド部材34には、ピストンロッド32Bの進出方向に延びる支持片40A、40Bが形成されている。支持片40A、40Bは、図9に示すように円盤10に設けられた一対の拘束片41A、41Bにスライド可能に拘束される。拘束片41A、41Bは、鍵形に形成されている。これら拘束片41A、41Bは拘束手段として機能する。拘束手段は鍵形に限らず、支持片40A、40Bをスライド可能に拘束できれば他の形状であってもよい。
【0073】
この回転駆動装置1Bによる場合は、ピストンロッド32Bが退入すると、ピストン32Aに連結されたコイルスプリング33を介してスライド部材34がピストンロッド32Bの退入方向にスライドする。このとき、被案内片37A、37Bは案内あな39A、39Bに案内され、支持片40A、40Bは拘束片41A、41Bに拘束されてスライドする。
【0074】
スライド部材34がピストンロッド32Bの退入方向にスライドすると、円盤押圧用ばね35A、35Bが円盤10の当接部材36A、36Bに当接し、円盤10を回転方向に押す。つまり、このスライド部材34を用いた機構は、円盤10の回転を補助する補助回転機構として機能する。これにより、円盤10の回転力が増大し、円盤10の安定した回転が維持される。
【0075】
従って、ピストンロッド32Bの進退により重心位置が変化するときだけでなく、ピストンロッド32Bが退入するときにも円盤10に回転力を付与でき、円盤10の回転をスムーズにさせ得る。スライド部材34のスライドに際し、スライド部材34の被案内片37A、37Bが円盤10の案内あな39A、39Bにより案内されるので、円盤押圧用ばね35A、35Bの当接部材36A、36Bへの当接を確実に行わせ得る。また、被案内片37A、37B及び支持片40A、40Bが、夫々案内あな39A、39B及び拘束片41A、41Bに支持されているので、スライド部材34はガタつくことなくスライドでき、安定した姿勢が保持される。
【0076】
一方、ピストンロッド32Bが進出方向にスライドするとき、ばね35A、35Bが当接部材36A、36Bから離れていくので、円盤10の回転に悪影響が及ばない。
【0077】
なお、この第3実施形態では、ピストンロッド32Bをスライドさせるスライド手段としては、連結用コイルスプリング33と、スライド部材34と、円盤押圧用ばね35A、35Bと、当接部材36A、36Bと、被案内片37A、37Bと、案内あな39A、39Bと、支持片40A、40Bと、拘束片41A、41Bとにより構成される。
【0078】
また、スライド部材34は、延出片(34A、34B)、円盤押圧用ばね(35A、35B)、被案内片(37A、37B)及び支持片(40A、40B)について一対で設けているが、1つまたは3つ以上で設けてもよい。一方、円盤10側についても、同様に、当接部材(36A、36B)、案内あな(39A、39B)及び拘束片(41A、41B)をスライド部材34側に合わせた個数にすればよい。
【0079】
また、延出片(34A、34B)、連結片(34C)、被案内片(37A、37B)、案内あな(39A、39B)、支持片(40A、40B)及び拘束片(41A、41B)の各断面形状は、矩形状に限らない。例えば、円形や三角形、五角形、六角形などでもよい。
【0080】
更に、前記案内あな39A、39Bについては、当接部材36A、36Bを貫通していても、貫通していなくてもよい。
【0081】
(第4実施形態)
本発明の第4実施形態につき、図面を用いて説明する。
図11は第4実施形態に係る回転駆動装置を説明するための図(正面図)であり、図12はその回転駆動装置を構成するシリンダの近傍を示す図(シリンダは縦断面図)である。図1と同一部分には、同一番号を附している。なお、図11は、便宜上、シリンダを3つ表しているが、この実施形態における動作内容の要部となる状態であり、実際のシリンダ数は8個ある。
【0082】
第4実施形態の回転駆動装置1Cは、第1実施形態と同様に、回転領域W2でピストン51のピストンロッド先端部51Bが外枠14に当接することにより退入し、回転領域W3でピストン51のピストンロッド先端部51Bが外枠14から外れスプリングの押圧力により進出して回転駆動される機構であり、加えて、シリンダ50のピストン51が中空になっており、その中空部51Aに、連結用磁石52を有するフロート53が設けられ、シリンダ50の外側には被連結用磁石54が設けられている。
【0083】
フロート53は、その外壁面の一部にピストン51及びシリンダ50の延伸方向を向く複数のローラー51Gが、ピストン51の内壁面に接するように設けられる。またフロート53は、その内壁面かつローラー51Gに対応する位置に、連結用磁石52が固定されている(図示していないが、ローラー51Gの向きを定めるレールのようなものをピストン51の内壁面に設けてもよい)。中空部51Aは、ピストン51の全域にわたって設けられているのが大きい浮力を確保する上で好ましい。中空部51Aには、液体、例えば水60が充満されている。よって、ピストンロッド先端部51Bが水平方向よりも上向きのとき(H)、フロート53は浮力によりピストンロッド先端部51B側に近付くように動き、ピストンロッド先端部51Bが水平方向よりも下向きのとき(I)、フロート53は浮力によりピストンロッド先端部51Bから離れるように動く。つまり、ピストンロッド先端部51Bの向きにより、フロート53は上下動する。その際、ローラー51Gにより、スムーズな動きが可能となる。
【0084】
シリンダ50は、底部とは反対の開口側に厚肉部50Cが設けられている。一方、ピストン51には、その軸心方向の途中に、ピストン51の外周を覆って囲いストッパー51Cが固定されている。囲いストッパー51Cは、ピストン51が進出する際に厚肉部50Cの段差部50Bと衝突する筈であるが、囲いストッパー51Cと段差部50Bとの間に設けた衝撃吸収ばね51Dにより衝撃吸収される。また、ピストン51のピストンロッド先端部51Bとは反対側にフロート53との衝突を吸収する衝突吸収ばね13Aが設けられている。さらに、シリンダ50の内壁面にはボールリテーナー51Eが設けられている。ストッパー51の外壁面はこのボールリテーナー51Eに接しており、これにより、ピストン51がシリンダに対し進出あるいは退入する際にスムーズな動きが可能となる。
【0085】
上記被連結用磁石54は、磁力によりフロート53側の連結用磁石52とピストン51の壁や各ローラー51F,51Gを介して連結されている。また被連結用磁石54には、ピストン51及びシリンダ50の延伸方向を向く複数のローラー51Fが、ピストン51の外壁面に接するようにして設けられている(図示していないが、ローラー51Fの向きを定めるレールのようなものをピストン51の外壁面に設けてもよい)。これにより、フロート53の上下動に応じて、連結用磁石52と同一の動きをスムーズに行う。被連結用磁石54は、シリンダ50に設けたスリット50Aに沿ってスライドし、シリンダ50の肉厚が無い分、連結用磁石52との磁力を強くできるようにしている。スリット50Aは、シリンダ50の軸心方向に形成されている。被連結用磁石54には、スライドギア55が取り付けられ、スライドギア55も連結用磁石52と同一の動きをする。スライドギア55は、フロート53が上下動する方向に長く、被連結用磁石54とは反対側にギア55Aが形成されている。
【0086】
シリンダ50の底部近傍には、スライドギア55及びフロート53を所定箇所に磁力により停止させる停止用磁石52Aが設けられている。この停止用磁石52Aは、ピストンロッド先端部51Bが水平方向よりも下向きのとき(I)から少し上向きになるまでの期間、フロート53に作用する浮力を蓄積しておき、その浮力が前記磁力よりも大になると、停止状態を開放して一気にフロート53をピストンロッド先端部51B側へ勢いよく移動させるべく設けている。
【0087】
このスライドギア55は、このスライドギア55の所定のスライド範囲内で、円盤10に設けられた第1ギア56に噛合する。この第1ギア56の軸59には第2ギア57が取り付けられ、第1ギア56と第2ギア57は同心状に連結されている。また、第1ギア56と第2ギア57は、軸59に対して回動自在になっており、軸59は円盤10に支持されている。更に、第2ギア57には、円弧状の第3ギア58が噛合する。この第3ギア58は、回転駆動装置1Cの前記装置本体(図示せず)に支持部材(図示せず)を介して支持されていて、不動状態に設けられており、内周面側にギア58Aが形成されている。第3ギア58の曲率の中心は円盤10の軸心(軸4の中心)と一致していて、円盤10の回転に伴って所定の回転範囲内で第2ギア57が第3ギア58に噛合する。
【0088】
したがって、円盤10が回転し、ピストンロッド先端部51Bが、例えば下向き(I)から横向き(J)を経て少し上向きになると、フロート53が中空部51Aをスライドし始める。つまり、フロート53がピストンロッド先端部51Bから離れた状態からピストンロッド先端部51B側に近付く。これに伴い連結用磁石52、被連結用磁石54及びスライドギア55がフロート53と同じように動く。続いて、スライドギア55が、図12に示す二点鎖線で示す状態(I)から第1ギア56に噛合していく。その後、噛合すると、第1ギア56と第2ギア57が回転する。そして、この回転開始よりも後に、円盤10の回転に伴って第2ギア57が第3ギア58に近付いていき、噛合する。第2ギア57は、第3ギア58に噛合するまで空転する。第3ギア58は装置本体(図示せず)に支持されて固定されているので、第3ギア58からの反力が円盤10に設けられた軸59に伝達される。この反力は、円盤10が回転する方向と同じ方向に円盤10へ作用するため、円盤10の回転力を増大化させる。つまり、フロート53、スライドギア55、第1ギア56、第2ギア57及び第3ギア58を用いた機構は、円盤10の回転を補助する補助回転機構として働く。このとき、第2ギア57が第1ギア56よりも大径であるので、第1ギアよりも周速度が大きいので、円盤10の回転速度をより大きくアップさせ得る。
【0089】
その後、フロート53が最大限まで上昇する前に、図11の(H)に示す状態になる前に、スライドギア55の後端が第1ギア56から抜けて噛合しない状態、または第2ギア57が第3ギア58から抜けて噛合しない状態になる。どちらの状態も選択可能である。その理由は、フロート53が最大限まで上昇して第1ギア56と第2ギア57の回転が停止すると、第2ギア57と第3ギア58が噛合していると、円盤10の回転を停止させることになるからである。このため、第3ギア58は、フロート53が液体(水60)からの浮力を受けてピストンロッド先端部51Bが進出する動作進行中である、前記回転領域W2の一部に設けられる。
【0090】
その後、第2ギア57が第3ギア58から抜け、円盤10の回転により第3ギア58に戻る前、ピストンロッド先端部51Bが下向きになってフロート53がピストンロッド先端部51Bから離れた状態になっても、第2ギア57が空転するので、円盤10の回転に支障がない。
【0091】
なお、図12では、シリンダ50に対しピストン51が(延伸方向に)長く表わされており、ピストン51が最大限退入した場合であっても、その先端がシリンダ50からはみ出る格好になるが、シリンダ50とピストン51の長さを調整し、ピストン51が最大限退入した場合に、シリンダ50に収まるようにしてもよい。
【0092】
上述した第4実施形態にあっては、ピストン51を外枠14から飛び出させることで、回転駆動を停止させる構成にしてもよい。
【0093】
なお、上述した第2実施形態から第4実施形態に記載した補助回転機構は、単独使用してもよいが、複数を混合使用してもよい。
【0094】
また、上述した第1実施形態から第4実施形態において、円盤の広面にシリンダを取り付け、シリンダが円盤の外側に飛び出した構成としているが、本発明はこれに限らず、円盤の内部にシリンダ挿入用のあなを形成し、そのあなにシリンダを挿入した構成としてもよい。
【0095】
例えば、第1実施形態及び第2実施形態に関しては、シリンダ11が入る形状、大きさのあなを形成し、そのあなにシリンダ11を挿入すればよい。第3実施形態に関しては、図13に示すようにピストンロッド51Bが右側に向いたシリンダ31を例に挙げて説明すると、円盤10の外周面から軸心近傍に向けて延びるスリット状のあな70を円盤10に形成し、図8に示す構成のシリンダ31及びスライド部材34を、延出片34A、34Bを上にした状態で前記あな70に挿入する。他のシリンダにおいても同様にする。
【0096】
第4実施形態に関しては、図14に示すようにスライドギア55、第1ギア56、第2ギア57及び第3ギア58を収納する孔71を円盤10に設ける。このとき、その孔71の内側には、円盤10の外周面から内側に延びる壁72を設けると共に壁72に円盤10の軸4と平行に軸59を形成しておく。然る後、シリンダ50、被連結用磁石54及びスライドギア55を孔71に挿入する。シリンダ50、被連結用磁石54及びスライドギア55の配置は、シリンダ50の後側に被連結用磁石54が配され、被連結用磁石54の右側にスライドギア55が配される。スライドギア55のギア55Aは、磁石54と反対方向に向けられる。軸59には、一体の第1ギア56及び第2ギア57の軸穴59Aが挿入されて、第1ギア56及び第2ギア57が軸59に回転自在に取り付けられる。第2ギア57の一部のギアは円盤10の外周面よりも外側に突出させる。その突出部分が、装置本体(図示せず)に支持されている第3ギア58に、円盤10の回転により噛合するように構成される。他のシリンダにおいても同様の構成にされる。
【0097】
以上のように円盤10の内部にシリンダを配設した場合は、円盤10の回転バランスが向上し、回転速度を速くすることができ、また振動や風切り音などを減少させることができる。
【0098】
更に、上述した第1実施形態から第3実施形態において、シリンダとピストンとの間、シリンダとピストンロッドとの間、およびピストンロッドと外枠との間などでの摩擦低減につき言及していないが、ピストンロッドと外枠との間については、回動自在なボールやロールなどを設けるようにするのが好ましい。また、入口部14Bよりも上流側にピストンロッドの先端部を入口部14Bに案内するガイドローラを設けてもよく、或はガイドローラで入口部14Bを構成してもよい。更に、シリンダとピストンとの間、シリンダとピストンロッドとの間については、ボールリテーナーやローラーリテーナー、回動自在なボールやロールなどを設けるようにするのが好ましい(第4実施形態はピストンとフロートとの間等に言及しているが、これについても、ボールリテーナーやローラーリテーナー、回動自在なボールやロールなど適宜変更可能であるものとする)。
【産業上の利用可能性】
【0099】
本発明は、電気やガソリンなどを必要とせず、本体のみで回転駆動が可能な回転駆動装置に関する。
【符号の説明】
【0100】
1、 1A、1B、1C 回転駆動装置
10 円盤
11 シリンダ
12、51B ピストンロッド
12A ピストン
12B 先端部
13 スプリング
14、24 外枠
E 円盤の軸心から放射線状に延びる線分
14A 半円部
14B 入口部
14C 出口部
G 上端部
F 下端部
W1 回転領域
W2 回転領域
20 第1磁石
21 第2磁石
31C 貫通孔
33 連結用コイルスプリング
34 スライド部材
34A、34B 延出片
35A、35B 円盤押圧用ばね
36A、36B 当接部材
39A、39B 案内あな
37A、37B 被案内片
40A、40B 支持片
41A、41B 拘束片(拘束手段)
53 フロート
52 連結用磁石
54 被連結用磁石
55 スライドギア
56 第1ギア
57 第2ギア
58 第3ギア
59 軸

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
【手続補正書】
【提出日】2020-11-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸心回りに回転可能であって、軸心を水平方向または斜めに傾いた方向に向けて配設された円盤と、前記円盤の軸心周りに、ピストンロッドを前記軸心と反対側へ向け互いに回転方向に離隔して配設された複数のシリンダと、前記シリンダの回転域の上端からその回転方向下流側部分を経て下端までのうちの少なくとも一部の回転領域において前記ピストンロッドを外方へ進出させると共に、他の回転領域において前記ピストンロッドを内方へ退入させるスライド手段とを備え、前記シリンダが前記一部の回転領域を通るときに前記他の回転領域を通るときよりもシリンダの重心位置が外側になるよう、前記スライド手段が前記ピストンロッドおよびピストンを移動させることにより、前記円盤が回転駆動され、
前記スライド手段は、各シリンダの内奥部とピストンとの間に設けられ、前記ピストンに前記ピストンロッドの進出方向に押圧力を付与するスプリングと、前記他の回転領域の全域にわたって設けられ、前記ピストンロッドの先端部に当接すると共に前記スプリングの押圧力に抗して前記ピストンロッドを退入させる外枠とを備えることを特徴とする回転駆動装置。
【請求項2】
請求項に記載の回転駆動装置において、前記ピストンロッドの先端部は、前記外枠と当接する部分が傾斜面に形成され、当接力の一部を前記ピストンロッドの退入力に変換できるように構成されていることを特徴とする回転駆動装置。
【請求項3】
軸心回りに回転可能であって、軸心を水平方向または斜めに傾いた方向に向けて配設された円盤と、前記円盤の軸心周りに、ピストンロッドを前記軸心と反対側へ向け互いに回転方向に離隔して配設された複数のシリンダと、前記シリンダの回転域の上端からその回転方向下流側部分を経て下端までのうちの少なくとも一部の回転領域において前記ピストンロッドを外方へ進出させると共に、他の回転領域において前記ピストンロッドを内方へ退入させるスライド手段とを備え、前記シリンダが前記一部の回転領域を通るときに前記他の回転領域を通るときよりもシリンダの重心位置が外側になるよう、前記スライド手段が前記ピストンロッドおよびピストンを移動させることにより、前記円盤が回転駆動され、
前記スライド手段は、各シリンダの内奥部とピストンとの間に設けられ、前記ピストンに前記ピストンロッドの進出方向に押圧力を付与するスプリングと、各ピストンロッドの先端部に設けられた第1磁石と、前記第1磁石の回転域の外側であって前記他の回転領域に設けられ、前記スプリングの押圧力に抗して前記ピストンロッドを退入させる反発力を前記第1磁石に対して付与する複数の第2磁石とを備えることを特徴とする回転駆動装置。
【請求項4】
請求項に記載の回転駆動装置において、前記スライド手段は、更に、前記他の回転領域の全域にわたって設けられ、前記ピストンロッドの先端部に当接すると共に、前記スプリングの押圧力に抗して前記ピストンロッドを退入させる外枠を備え、その外枠に前記複数の第2磁石が一体的に組み込まれていることを特徴とする回転駆動装置。
【請求項5】
請求項または4に記載の回転駆動装置において、各シリンダの内奥部の壁に貫通孔が形成され、その貫通孔を挿通して前記ピストンと一端が連結された連結用コイルスプリングと、前記コイルスプリングの他端が連結された連結片と、その連結片から前記円盤の外周に向けて延出する延出片を有するスライド部材と、前記延出片の先端部であって前記ピストンロッドの退入方向側に設けられた円盤押圧用ばねと、前記円盤に設けられ、前記ピストンロッドの退入により前記円盤押圧用ばねが当接し、前記ピストンロッドの進出により前記円盤押圧用ばねが離れる当接部と、前記スライド部材に設けられ、前記ピストンロッドの退入方向に突出形成された被案内片と、前記円盤に設けられ、前記スライド部材のスライド方向に前記被案内片を案内する案内あなとを備えることを特徴とする回転駆動装置。
【請求項6】
請求項5に記載の回転駆動装置において、前記スライド部材に、前記ピストンロッドの進出方向に延びる支持片が形成され、一方前記円盤には支持片をスライド可能に拘束する拘束手段が形成されていることを特徴とする回転駆動装置。
【請求項7】
請求項に記載の回転駆動装置において、前記外枠の前記第2磁石を、前記円盤の軸心の延伸方向に移動させることで、前記円盤の回転を停止することを特徴とする回転駆動装置。
【請求項8】
請求項に記載の回転駆動装置において、前記外枠の前記第2磁石を、前記円盤から径方向外側に移動させることで、前記円盤の回転を停止することを特徴とする回転駆動装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
請求項の発明の回転駆動装置は、軸心回りに回転可能であって、軸心を水平方向または斜めに傾いた方向に向けて配設された円盤と、前記円盤の軸心周りに、ピストンロッドを前記軸心と反対側へ向け互いに回転方向に離隔して配設された複数のシリンダと、前記シリンダの回転域の上端からその回転方向下流側部分を経て下端までのうちの少なくとも一部の回転領域において前記ピストンロッドを外方へ進出させると共に、他の回転領域において前記ピストンロッドを内方へ退入させるスライド手段とを備え、前記シリンダが前記一部の回転領域を通るときに前記他の回転領域を通るときよりもシリンダの重心位置が外側になるよう、前記スライド手段が前記ピストンロッドおよびピストンを移動させることにより、前記円盤が回転駆動され、
前記スライド手段は、各シリンダの内奥部とピストンとの間に設けられ、前記ピストンに前記ピストンロッドの進出方向に押圧力を付与するスプリングと、前記他の回転領域の全域にわたって設けられ、前記ピストンロッドの先端部に当接すると共に前記スプリングの押圧力に抗して前記ピストンロッドを退入させる外枠とを備えることを特徴とする。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
請求項の発明の回転駆動装置は、請求項に記載の回転駆動装置において、前記ピストンロッドの先端部は、前記外枠と当接する部分が傾斜面に形成され、当接力の一部を前記ピストンロッドの退入力に変換できるように構成されていることを特徴とする。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
請求項の発明の回転駆動装置は、軸心回りに回転可能であって、軸心を水平方向または斜めに傾いた方向に向けて配設された円盤と、前記円盤の軸心周りに、ピストンロッドを前記軸心と反対側へ向け互いに回転方向に離隔して配設された複数のシリンダと、前記シリンダの回転域の上端からその回転方向下流側部分を経て下端までのうちの少なくとも一部の回転領域において前記ピストンロッドを外方へ進出させると共に、他の回転領域において前記ピストンロッドを内方へ退入させるスライド手段とを備え、前記シリンダが前記一部の回転領域を通るときに前記他の回転領域を通るときよりもシリンダの重心位置が外側になるよう、前記スライド手段が前記ピストンロッドおよびピストンを移動させることにより、前記円盤が回転駆動され、
前記スライド手段は、各シリンダの内奥部とピストンとの間に設けられ、前記ピストンに前記ピストンロッドの進出方向に押圧力を付与するスプリングと、各ピストンロッドの先端部に設けられた第1磁石と、前記第1磁石の回転域の外側であって前記他の回転領域に設けられ、前記スプリングの押圧力に抗して前記ピストンロッドを退入させる反発力を前記第1磁石に対して付与する複数の第2磁石とを備えることを特徴とする。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
請求項の発明の回転駆動装置は、請求項に記載の回転駆動装置において、前記スライド手段は、更に、前記他の回転領域の全域にわたって設けられ、前記ピストンロッドの先端部に当接すると共に、前記スプリングの押圧力に抗して前記ピストンロッドを退入させる外枠を備え、その外枠に前記複数の第2磁石が一体的に組み込まれていることを特徴とする。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
請求項の発明の回転駆動装置は、請求項または4に記載の回転駆動装置において、各シリンダの内奥部の壁に貫通孔が形成され、その貫通孔を挿通して前記ピストンと一端が連結された連結用コイルスプリングと、前記コイルスプリングの他端が連結された連結片と、その連結片から前記円盤の外周に向けて延出する延出片を有するスライド部材と、前記延出片の先端部であって前記ピストンロッドの退入方向側に設けられた円盤押圧用ばねと、前記円盤に設けられ、前記ピストンロッドの退入により前記円盤押圧用ばねが当接し、前記ピストンロッドの進出により前記円盤押圧用ばねが離れる当接部と、前記スライド部材に設けられ、前記ピストンロッドの退入方向に突出形成された被案内片と、前記円盤に設けられ、前記スライド部材のスライド方向に前記被案内片を案内する案内あなとを備えることを特徴とする。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
請求項の発明の回転駆動装置は、請求項5に記載の回転駆動装置において、前記スライド部材に、前記ピストンロッドの進出方向に延びる支持片が形成され、一方前記円盤には支持片をスライド可能に拘束する拘束手段が形成されていることを特徴とする。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正15】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0018】
請求項の発明の回転駆動装置は、請求項に記載の回転駆動装置において、前記外枠の前記第2磁石を、前記円盤の軸心の延伸方向に移動させることで、前記円盤の回転を停止することを特徴とする。
【手続補正16】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0019】
請求項の発明の回転駆動装置は、請求項に記載の回転駆動装置において、前記外枠の前記第2磁石を、前記円盤から径方向外側に移動させることで、前記円盤の回転を停止することを特徴とする。
【手続補正17】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正18】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0021】
請求項の発明による場合には、軸心を水平方向または斜めに傾いた方向に向けて配設された円盤が軸心回りに回転可能であり、その円盤の軸心周りに複数のシリンダが、ピストンロッドを軸心と反対側へ向け互いに回転方向に離隔して配設されている。シリンダが上端からその回転方向下流側部分を経て下端までのうちの少なくとも一部の回転領域に位置するとき、スライド手段がピストンロッドを外方へ進出させ、一方シリンダが他の回転領域に位置するとき、スライド手段がピストンロッド及びピストンを内方へ退入させる。すると、シリンダの重心位置が、他の回転領域よりも一部の回転領域で径方向外側になるので、円盤に回転力が発生することになる。これによって円盤が連続的に回転駆動される。従って、電気やガソリンなどを使用することなく、本体装置が有れば、それだけで回転駆動が可能になり、停電や災害時にも、時、場所を選ばずに使用できる。また、本発明の回転駆動装置に対して発電機構を設けることで、発電機として利用することができる。
さらに、シリンダの内奥部とピストンとの間に設けられたスプリングがピストンロッドを進出させる方向に押圧力を付与する。一方、他の回転領域の全域にわたって設けられた外枠は、ピストンロッドの先端部が当接するとスプリングの押圧力に抗してピストンロッドを退入させている。回転に伴って外枠からシリンダが抜け出ると、スプリングによりピストンロッドが進出し、シリンダの重心位置が変化して円盤が回転する。
【手続補正19】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0022】
請求項の発明による場合には、ピストンロッドの先端部が外枠と当接する部分に、当接力の一部をピストンロッドの退入力に変換できる傾斜面が形成されているので、ピストンロッドの先端部が外枠と当接すると、スムーズにピストンロッドを退入させることができる。
【手続補正20】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0023】
請求項の発明による場合には、軸心を水平方向または斜めに傾いた方向に向けて配設された円盤が軸心回りに回転可能であり、その円盤の軸心周りに複数のシリンダが、ピストンロッドを軸心と反対側へ向け互いに回転方向に離隔して配設されている。シリンダが上端からその回転方向下流側部分を経て下端までのうちの少なくとも一部の回転領域に位置するとき、スライド手段がピストンロッドを外方へ進出させ、一方シリンダが他の回転領域に位置するとき、スライド手段がピストンロッド及びピストンを内方へ退入させる。すると、シリンダの重心位置が、他の回転領域よりも一部の回転領域で径方向外側になるので、円盤に回転力が発生することになる。これによって円盤が連続的に回転駆動される。従って、電気やガソリンなどを使用することなく、本体装置が有れば、それだけで回転駆動が可能になり、停電や災害時にも、時、場所を選ばずに使用できる。また、本発明の回転駆動装置に対して発電機構を設けることで、発電機として利用することができる。
さらに、シリンダの内奥部とピストンとの間に設けられたスプリングがピストンロッドを進出させる方向に押圧力を付与する。一方、他の回転領域には、ピストンロッドの先端部に設けられた第1磁石と反発する複数の第2磁石が設けられ、その反発力をスプリングの押圧力に抗してピストンロッドを退入させるように設定することで、他の回転領域においてピストンロッドが退入する。
【手続補正21】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0024】
請求項の発明による場合には、更に、請求項と同様の外枠を他の回転領域の全域にわたって設け、その外枠に複数の第2磁石を一体的に組み込んでいるので、外枠によっても第2磁石によってもピストンロッドを退入させ得る。この場合、外枠によってピストンロッドを確実に退入させ、第2磁石によってピストンロッドを更に奥側に押し込むことができるので、他の回転領域におけるシリンダの重心位置を、外枠による場合よりも円盤軸心側に寄せて外枠と非接触にすることが可能となり、より回転をスムーズにすることができる。また、外枠を第2磁石の支持部材として利用することができ、加えて外枠によってピストンロッドを確実に退入させるので、弱い磁力の磁石を使用することができる。
【手続補正22】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0025】
請求項の発明による場合には、ピストンがスライドすると、連結ばねを介してスライド部材が同じ方向にスライドする。よって、ピストンロッドが退入するとスライド部材が同じ方向にスライドし、スライド部材の先端部に設けた円盤押圧用ばねが円盤の当接部に当接し、円盤に回転力を付与する。従って、ピストンロッドが進出するときだけでなく、ピストンロッドが退入するときにも円盤に回転力を付与でき、円盤の回転をスムーズにさせ得る。このスライド部材のスライドに際し、スライド部材の被案内片が円盤の案内あなにより案内されるので、円盤押圧用ばねの円盤当接部への当接を確実に行わせ得る。
【手続補正23】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0026】
請求項の発明による場合には、スライド部材の基端部であって被案内片とは反対側に、ピストンのスライド方向に延びる支持片が形成されているので、スライド部材の基端部を挟んで被案内片と支持片とが存在し、スライド部材の姿勢を安定化させることができる。
【手続補正24】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正25】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正26】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正27】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正28】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正29】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0032
【補正方法】削除
【補正の内容】