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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022171260
(43)【公開日】2022-11-11
(54)【発明の名称】LED照明器具
(51)【国際特許分類】
   F21S 8/04 20060101AFI20221104BHJP
   F21V 17/00 20060101ALI20221104BHJP
   F21V 17/12 20060101ALI20221104BHJP
   F21V 19/00 20060101ALI20221104BHJP
   F21V 23/00 20150101ALI20221104BHJP
   F21V 21/03 20060101ALI20221104BHJP
   F21Y 105/18 20160101ALN20221104BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20221104BHJP
【FI】
F21S8/04 110
F21S8/04 130
F21V17/00 150
F21V17/12
F21V19/00 450
F21V23/00 140
F21V21/03 456
F21Y105:18
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021077814
(22)【出願日】2021-04-30
(71)【出願人】
【識別番号】393001372
【氏名又は名称】瀧住電機工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086346
【弁理士】
【氏名又は名称】鮫島 武信
(72)【発明者】
【氏名】小林 英明
(72)【発明者】
【氏名】大津 良樹
【テーマコード(参考)】
3K011
3K013
3K014
【Fターム(参考)】
3K011AA03
3K011EC01
3K011GA02
3K013BA01
3K013EA01
3K014AA01
(57)【要約】
【課題】本発明は、組立ラインをフレキシブルに構成できて生産対応を柔軟にする。
【解決手段】本発明は、上面側にて開口し環状に形成された開口部の外周にベース部材5の平面部17の下面または下面近傍のベース部材5まで伸設した複数の脚部31を設けた保護カバー25と、LED基板28で保護カバー25の前記開口部を塞いで形成するLEDユニット23とを備え、ベース部材5は中央に取付部材へ係止される貫通孔10を有するとともに、先端中央に貫通孔10を備え平面部17から下方に環状に突出する先端が平坦な突出部15を有し、前記LEDユニット23を構成する前記保護カバー25の複数の前記脚部31をベース部材5の前記平面部17に固定または突出部15より上方でベース部材5に固定することを特徴とするLED照明器具を提供する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
平板状の平面部が賦形されたベース部材と、
複数のLED発光素子が下面に実装された平板状の少なくとも1つのLED基板と、
前記LED基板に電源を供給する点灯基板と、
被取付部材に取り付けられる少なくとも一対の引掛刃を有する取付部材と、
前記ベース部材の平面視における前記ベース部材の下面中央へ賦形されて前記平面部よりも下方へ突出する突出部と、
前記平面視における前記突出部の先端中央へ形成されて前記ベース部材を上下に貫通し且つ前記取付部材へ係止される貫通孔と、
前記平面視における前記貫通孔の径外側へ、前記貫通孔を中心として前記突出部の先端へ配置される環状のLEDユニットとを備え、
前記点灯基板は、前記平面部からの前記平面視における前記突出部の径外側へ配置され、
前記LEDユニットは、少なくとも、透光性を有する環状の保護カバーと、前記保護カバーに固定されて前記保護カバーに覆われた前記LED基板とを構成要素として備え、
前記保護カバーは、前記平面部へ向けて伸びる複数の脚部を備え、
前記脚部が前記平面部へ固定されることにて、前記LEDユニットは、前記貫通孔を環状の中心として、前記突出部の先端へ配置されたものであるLED照明器具。
【請求項2】
前記取付部材は、前記引掛刃との間を絶縁する電気絶縁物で形成された部位を備え、
前記平面視環状の前記保護カバーは、環状の前記保護カバーの周方向へ沿って環状に開口する開口部を上面に備え、1つ又は複数の前記LED基板が前記開口部を塞ぐように前記保護カバーへ固定されて前記LEDユニットが構成され、
前記突出部先端にあって前記平面視における前記貫通孔の径外側は、平坦に賦形された平坦部であり、
前記LEDユニットは、前記平坦部へ前記LED基板を向けて配置されるものであり、
複数の前記脚部は、環状の前記保護カバーの周方向について、互いの間隔を開けて配されたものである請求項1記載のLED照明器具。
【請求項3】
脚部取付ネジを備え、
前記ベース部材の前記平面部には、固定用ネジ穴が設けられ、
脚部の夫々は、前記保護カバーの外縁から上方へ向け突出部の側面に沿って伸びる脚本体と、脚本体の先端に設けられて前記保護カバーの径外方向へ伸びる固定用部とを備え、
前記固定用部は、前記固定用部を上下に貫通する脚部ネジ穴を備え、
前記脚部取付ネジは、前記脚部ネジ穴を通じて少なくとも前記固定用ネジ穴へねじ込まれたものであり、
前記光源ユニットは、前記脚部取付ネジの前記ねじ込みにて、前記ベース部材へ固定されたものであり、
前記ベース部材は金属製であり且つ前記保護カバーは樹脂製であり、前記脚部取付ネジで前記固定をする前、前記ベース部材の下面を上に向けて前記LEDユニットを前記ベース部材の上に載置した状態において、前記固定用部と前記ベース部材の間の距離を、前記突出部と前記平面部の段差寸法の0.5%から3%とするものである請求項1または請求項2のLED照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、LED照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、下記特許文献1に開示されるように、LED発光素子をプリント配線板に取り付けたLED基板をベース部材にネジ止めした構成のものが知られている。この従来技術は、ベース部材にLED基板をネジ止めし、ねじ止めしたLED基板を保護カバーで覆うとともに保護カバーをベース部材にネジ止めする構成であった。しかし、この組立工程ではベース部材にLED基板を取り付けて、次に保護カバーをネジ止めする必要がり、組立ラインの構成が直列的に固定されてしまい加工工程を変えることが困難である。工程の一部を分離したり別工程でのユニット化などのフレキシブルな編成ができないといった不具合があった。
【0003】
また。LED基板をベース部材に複数本のネジで固定する構成であるが、LED基板のネジ止め部に締め付け応力が集中して変形や割れの要因が内在し、さらに温度変化によってベース部材とLED基板の熱膨張係数の差により、熱膨張と熱収縮が発生するたびに内部応力による圧縮と伸長が繰り返されて、材料の疲労劣化が発生し耐久性や品質上の不具合要因を内在していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第6029789号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、上記の問題点に鑑み、組立ライン構成をフレキシブルに編成できて、さらにLED基板に応力が集中することなくLED基板をベース部材に接触することができ、更にはLED基板が発出する光を遮断する部位を低減し光を均一に放散することができ、さらには組立ラインでの部品の締結等を同一平面上で簡便に作業できるLED照明器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、平板状の平面部が賦形されたベース部材と、複数のLED発光素子が下面に実装された平板状の少なくとも1つのLED基板と、前記LED基板に電源を供給する点灯基板と、被取付部材に取り付けられる少なくとも一対の引掛刃を有する取付部材と、前記ベース部材の平面視における前記ベース部材の下面中央へ賦形されて前記平面部よりも下方へ突出する突出部と、前記平面視における前記突出部の先端中央へ形成されて前記ベース部材を上下に貫通し且つ前記取付部材へ係止される貫通孔と、前記平面視における前記貫通孔の径外側へ、前記貫通孔を中心として前記突出部の先端へ配置される環状のLEDユニットとを備え、前記点灯基板は、前記平面部の前記平面視における前記突出部の径外側へ配置され、前記LEDユニットは、少なくとも、透光性を有する環状の保護カバーと、前記保護カバーに固定されて前記保護カバーに覆われた前記LED基板とを構成要素として備え、前記保護カバーは、前記平面部へ向けて伸びる複数の脚部を備え、
前記脚部が前記平面部へ固定されることにて、前記LEDユニットは、前記貫通孔を環状の中心として、前記突出部の先端へ配置されたLED照明器具を提供する。
また本発明では、前記取付部材は、前記引掛刃との間を絶縁する電気絶縁物で形成された部位を備え、前記平面視環状の前記保護カバーは、環状の前記保護カバーの周方向へ沿って環状に開口する開口部を上面に備え、1つ又は複数の前記LED基板が前記開口部を塞ぐように前記保護カバーへ固定されて前記LEDユニットが構成され、前記突出部先端にあって前記平面視における前記貫通孔の径外側は、平坦に賦形された平坦部であり、前記LEDユニットは、前記平坦部へ前記LED基板の裏面を向けて配置されるものであり、複数の前記脚部は、環状の前記保護カバーの周方向について、互いの間隔を開けて配されたLED照明器具を提供できた。
更に本発明では、脚部取付ネジを備え、前記ベース部材の前記平面部には、固定用ネジ穴が設けられ、脚部の夫々は、前記保護カバーの外縁から上方へ向け突出部の側面に沿って伸びる脚本体と、脚本体の先端に設けられて前記保護カバーの径外方向へ伸びる固定用部とを備え、前記固定用部は、前記固定用部を上下に貫通する脚部ネジ穴を備え、前記脚部取付ネジは、前記脚部ネジ穴を通じて少なくとも前記固定用ネジ穴へねじ込まれたものであり、前記光源ユニットは、前記脚部取付ネジの前記ねじ込みにて、前記ベース部材へ固定されたものであり、前記ベース部材は金属製であり且つ前記保護カバーは樹脂製であり、前記脚部取付ネジで前記固定をする前、前記ベース部材の下面を上に向けて前記LEDユニットを前記ベース部材の上に載置した状態において、前記固定用部と前記ベース部材の間の距離を、前記突出部と前記平面部の段差寸法の0.5%から3%とするものであるLED照明器具を提供できた。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、組立ラインをフレキシブルに構成できて生産対応が柔軟に出来る。また、LED基板とベース部材の接触面で発生する応力集中を分散させることができる。また、LED基板が発出する光を遮断する部位を低減し光を均一に放散することで照明効率を改善することができ、さらには組立ラインでの部品の締結等を同一平面上で簡便に作業できるLED照明器具を提供することが出来る。
詳しくは、LED基板を保護カバーと一体にしたLEDユニットとして取り扱え、複数のLED基板の夫々を順次ベース部材へネジ留めしてゆくという直列的な製造ラインの工程を排除することができる。このため、LED基板のベース部材への取付けを待って行われていた加工工程等の他工程を、LED基板の当該取付工程と平行して行うなど、フレキシブルな製造工程のレイアウトが可能となった。
突出部へLEDユニットを配置することにより、点灯基板よりも下方へLED基板を配置することができ、上記の通り、点灯基板の構成部品によって、LED素子の発する光を遮るという事態を抑制できた。
特に、LED基板をベース部材へ直接ネジ留めするのではなく、LED基板を固定した保護カバーの脚部を利用して、LEDユニットをベース部材へ固定するものであるため、LED基板のネジ止め部分に締め付け応力が集中して変形や割れを誘発するといった事態や、更に温度変化によってベース部材とLED基板の熱膨張係数の差により、熱膨張と熱収縮が発生するたびに内部応力による圧縮と伸長が繰り返されて、材料の疲労劣化が発生し耐久性や品質上の不具合を生じるといった事態を抑制した。
また本発明の実施の形態レベルでは、複数のLED基板は互いにリード線で電気的に接続されていて、持ち運びする場合には上記信号リード線そのものの引張強度や接続部の強度に注意しながら運搬する必要があるので、加工上は出来るだけ前工程で保護カバーに固定して信号リード線の破損を防止することが品質向上につながる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施例1のLED照明器具に関する分解斜視図である。
図2】本発明の実施例1のLED照明器具のLEDユニットに関する要部分解斜視図である。
図3】本発明の実施例1のLED照明器具を示す断面図である。
図4図3へ示す本発明の実施例1のLED照明器具の要部拡大図である。
図5】(A)は本発明の実施例1のLED照明器具の保護カバーへのLED基板の固定の過程を示すLEDユニットの要部拡大斜視図であり、(B)は当該保護カバーへのLED基板の固定完了の状態を示すLEDユニットの要部拡大斜視図である。
図6】(A)及び(B)は夫々図3の本発明の実施例1におけるLED照明器具を示す要部拡大断面図である。
図7】本発明の実施例1のLED照明器具の主としてベース部材を示す斜視図である。
図8】本発明の実施例1のLED照明器具の使用状態を示す全体断面図である。
図9】比較例とするLED照明器具に関しLEDユニットのベース部材への固定の過程を示す斜視図である。
図10】比較例とするLED照明器具の保護カバーの固定の状態を示す要部断面図である。
図11】本発明の実施例1のLED照明器具のLEDユニットとベース部材の隙間を示す断面拡大図である。
図12】(A)は本発明の実施例1のLED照明器具の保護カバーの脚部を示す要部斜視図であり、(B)は(A)の脚部を(A)の裏側から眺めた要部斜視図である。
図13】本発明の実施例1のLED照明器具の保護カバーの脚部と周辺部材を示す要部斜視図である。
図14】本発明の実施例1のLED照明器具の保護カバーと電源カバーを示す一部切欠斜視図である。
図15】比較例とするLED照明器具を示すLED基板の平面図である。
図16】本発明の実施例1のLED照明器具の天井取付け構造を示す分解斜視図である。
図17】本発明の実施例1のLED照明器具の接続アダプタを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本実施例のLED照明器具は、平板状の平面部が賦形されたベース部材と、複数のLED発光素子が下面に実装された平板状のLED基板と、前記LED基板に電源を供給する点灯基板と、被取付部材に取り付けられる少なくとも一対の引掛刃を有する取付部材と、前記ベース部材の平面視における前記ベース部材の下面中央へ賦形されて前記平面部よりも下方へ突出する突出部と、前記平面視における前記突出部の先端中央へ形成されて前記ベース部を上下に貫通し且つ前記取付部材へ係止される貫通孔と、前記平面視における前記貫通孔の径外側へ、前記貫通孔を中心として前記突出部の先端へ配置される環状のLEDユニットとを備え、前記点灯部は前記平面部へ配置され、前記LEDユニットは、少なくとも、透光性を有する環状の保護カバーと、前記保護カバーに固定されて前記保護カバーに覆われた前記LED基板とを構成要素として備え、前記保護カバーは、前記平面部へ向けて伸びる複数の脚部を備え、前記脚部が前記平面部へ固定されることにて、前記LEDユニットは、前記貫通孔を環状の中心として、前記突出部の先端へ配置されたことを特徴とするLED照明器具である。
【実施例0010】
図1から図8および図11から図15は、本発明の実施例1のLED照明器具を示す。図面を参照しながら詳細を説明する。なお、本実施例は実施形態の一例であり、これに限定されるものではない。
また、各図においてLED照明器具は、使用時とは上下逆に描かれている(特許請求の範囲でいう上下と上下逆に描かれている)。
図1から図8および図11から図15は、本発明の実施形態の一つを示し、この本実施形態にかかわるLED照明器具は、LED照明器具本体1と、LED照明器具本体1に取り付けられてLED照明器具本体1の下方を覆う透光性カバー2とから成る。このLED照明器具は天井面から予め設置されている被取付部材であるフル丸型ローゼット3などの配線器具に電気的かつ機械的に接続される取付部材である接続アダプタ4を介してLED照明器具本体1が着脱自在に装着される。
【0011】
このLED照明器具を天井面に装着する場合、図3に示す後述するLED照明器具本体1のベース部材5の天井面側に取り付けられている略円筒状を成しプラスチック等で形成された取付部材である接続アダプタ4の引掛保持部6の一対の引掛刃7をフル丸型ローゼット3の一対の電源穴8に差し込んで回動させる(図17及び図16)。機械的にも電気的にも接続アダプタ4はフル丸型ローゼット3に接続された状態になる。接続アダプタ4の爪部9にLED照明器具本体1の貫通孔10を係止してLED照明器具本体1と接続アダプタ4を電気的に接続してLED照明器具はフル丸型ローゼット3に接続された状態になる。その後、LED照明器具の下面側から透光性カバー2を嵌合係止して、LED照明器具はシーリングライトとして使用可能となる(図1及び図8)。
【0012】
1.LED照明器具
LED照明器具本体1は、図3図8及び図16に示すような構成となる。天井の上記既設のフル丸型ローゼット3に、概略円筒形状で上部に一対の上記引掛刃7を備えた上記接続アダプタ4を引掛けて機械的に係止するとともに電気的にも接続する。接続アダプタ4の側面には伸縮自在な一対の上記爪部9が備えてあり、上記ベース部材5の略中央に設けられた上記貫通孔10を接続アダプタ4の概略円筒状側面を上方向に挿通させながら爪部9を収縮させる。やがて爪部9が接続アダプタ4の略直径に近い寸法まで収縮すると、爪部9は貫通孔10を下方に通過して収縮した爪部9が再び伸延する。このとき爪部上面14に貫通孔10の縁部11が係止される。同時にベース部材5の上側面にほぼ均等に配置されて接着された弾力性のある発泡ゴム(EPDMなど)で形成された厚さ約10mm~20mmのクッション材12(図8及び図14)が天井に押し付けられることとなり、その反発力でベース部材5を下方に押し下げる。そして爪部上面14に貫通孔10の縁部11が上方から下方へ押し付けられることとなる。
【0013】
具体的には約5mm~15mm程度の圧縮で適度な反発力が発生する。前述の爪部上面14に係止された貫通孔10の縁部11が爪部上面14に押し付けられてLED照明器具本体1は天井に対してぐらつくことなく保持されることとなる。接続アダプタ4のつまみ部13を時計方向に回動すると爪部9が連動して径方向に収縮するので、クッション材12に押されて爪部上面14に押し付けられていたベース部材5の縁部11と爪部上面14の係止が外れてクッション材12の弾性力でベース部材5が下に押し下げられてLED照明器具本体1が接続アダプタ4から離脱する。つまり、LED照明器具本体1を取り外す時はつまみ部13を回動操作することで簡便に接続アダプタ4から取り外すことができる。
【0014】
2.ベース部材
LED照明器具本体1のベース部材5は冷間圧延鋼板(SPCC)等の金属材料を使用して、プレス加工等により形成される。ベース部材5は図3図7及び図8に示すように形成される。即ち、ベース部材5について、外形は略円盤状を成し、中央に貫通孔10が開口している。
ベース部材5には、平板状の平面部17が賦形されている。
ベース部材5は、ベース部材5の平面視における、ベース部材5の下面中央へ賦形されて平面部17よりも下方へ突出する突出部15と、上記平面視における突出部15の先端中央へ形成されてベース部材5を上下に貫通し且つ取付部材である接続アダプタ4へ係止される貫通孔10とを備える。
この例では、平面部17は、平面部17の一部として後述する絞り部20を備える。この例では平坦部17の上記絞り部20に後述する点灯基板24が配置される。
上記平面視における貫通孔10の径外側へ、貫通孔10を中心として突出部15の先端へ略環状のLEDユニット23が配置される。
LEDユニット23は、後に詳述するが主として、透光性を有する略環状の保護カバー25と、保護カバー25に固定されて保護カバー25に覆われた上記LED基板28とにて構成される。
突出部15の先端である下端は平坦な形状(平坦面)に賦形されている。突出部15がベース部材5半径方向の中央付近で下方に突出することにより相対的に突出部15より外周の周縁部16は突出部15より上方に位置する平面部17となる。
保護カバー25は、後述する、上記平面部17へ向けて伸びる複数の脚部31を備え、脚部31が平面部17へ固定されることにて、LEDユニット23は、貫通孔10を環状の中心として、ベース部材5の上記突出部15の先端へ配置される。
ベース部材5の最外周は円形の立壁18が下方向に延びており、立壁18の先端はカーリングされていて手指で触っても怪我をすることはない。
【0015】
ベース部材5の略中央に形成された貫通孔10の縁部は、ベース部材5をプレス加工で突出部15を形成するときに突出部15とともに下方向に移動して突出部15近傍の高さまで突出することとなる。更に上記縁部は突出部15より約1mm~5mm程度下方に突出して位置させる。後述するように上記縁部は天井から一定寸法離隔した位置に配置する必要があるためである。
具体的には、ベース部材5には、上記突出部15の先端において、ベース部材5の平面視における中央に、当該先端より更に下方へ突出する小突出部11が賦形されている。上記の貫通孔10は、ベース部材5の平面視において、小突出部11の先端中央にて、ベース部材5を上下に貫通する。即ち、小突出部11が上記貫通孔10の縁部(縁部11)として形成されているのである。
ベース部材5の各面の上下方向と内外周の位置関係について以下の通りである。ベース部材5の周円部である平面部17が天井側に位置し、ベース部材5の平面視において平面部17の内側に突出部15が下向きに突出し、上記小突出部11の形成により、更に突出部15の内側に位置する貫通孔10が突出部15から更に下方に突出する形状となる。貫通孔10周辺の小突出部(縁部)11の下面即ち小突出部11の先端面は幅約3mm~10mm程度の環状平面部19で高さ約1mm~5mmのリング状に突出部15から下方に突出することとなる。平面部17の一部には、平面を安定させるためとベース部材5の強度を増すために、平面部17の一部を天井方向に絞り加工した前述の絞り部20が複数個形成されている。即ち平面部17は、平板状の平坦な非絞り部21と、非絞り部21より上方(上段)に位置する平板状の平坦な絞り部20とをベース部材5の周方向について交互に備えている。
絞り部20は、ベース部材5の平面視において、貫通孔10の中心から放射状にほぼ均等に略三方向へ夫々約2mm~15mm、好ましくは3mm~10mm、より好ましくは4mm~6mmの深さで設けてある。ベース部材5の周縁部16において絞り部20は、周辺部16である平面部17の他の領域即ち非絞り部21よりも天井寄りに位置するため、絞り部20はベース部材5の中で一番天井の近くに位置するものとなる。
【0016】
前述のクッション材12はベース部材5の絞り部20の上面側に貼り付けられており、LED照明器具本体1が接続アダプタ4を介して天井に取り付けられた状態では、厚さ約10mm~20mmから圧縮されて約5mm~15mmの厚みになっている。一方、ベース部材5の平面部17から上方に絞り加工された上記絞り部20の深さは約2mm~15mmであるので、LED照明器具本体1が取り付けられた状態では天井面に対して絞り部20がほぼ天井に接触する高さ関係にある。
【0017】
貫通孔10には上方から接続アダプタ4が挿通されて径方向に1mm程度の若干の遊びがある寸法関係にある。接続アダプタ4の一対の爪部9は接続アダプタ4下面に備えたつまみ部13(図17)を回動することで、つまみ部13に連動して円筒形状の接続アダプタ4中心方向に収縮する。つまみ部13を回動操作することで一対の爪部9がアダプタ中心方向に収縮するとともに、つまみ部13を回動操作しない場合は一対の爪部9は接続アダプタ4に内蔵したばね(図示せず)により常に径外方向に付勢されている。
【0018】
従って、爪部9下面が傾斜面22にしてあるためにベース部材5の貫通孔10を下方から接続アダプタ4を挿通させると、爪部9下面の傾斜面22が貫通孔10の端面に当接しながらベース部材5を押し上げる力で一対の爪部9を接続アダプタ4内に収縮する方向に押し込むこととなる。そしてLED照明器具本体1を上に押し上げることで、一対の爪部9はさらに接続アダプタ4内に押し込まれることとなる。さらに一対の爪部9をばね(図示せず)の付勢力に打ち勝って接続アダプタ4の径方向中心に向かって収縮させていると、やがて一対の爪部9の先端から先端の寸法が貫通孔10の直径より小さくなり、貫通孔10が爪部9を乗り越えて上方に移動する。貫通孔10が爪部9の先端を乗り越えたら傾斜面22を押されることで収縮していた爪部9が押される力から解放されるので、爪部9のばね(図示せず)力により爪部9は接続アダプタ4の径方向の外側へ押し出されることとなる。結果として、貫通孔10の下面に沿って爪部上面14が貫通孔10の環状平面部19の下方に位置することになる。
【0019】
一対の爪部9がそれぞれ平坦な爪部上面14と下側の傾斜面22形状を上下二段に形成しているのは、天井の構造や形状により、クッション材12を更に押し上げる必要がある場合に更に上側の爪部9で環状平面部19を係止できるようにするためである。
【0020】
ベース部材5の下側面には前述の通りLEDユニット23と点灯基板24が配置される。LEDユニット23はその構成部材である保護カバー25の透明な底面26を下方に向け上部の開口部27にはLED基板28が略水平に固定されている。この例ではLEDユニット23は保護カバー25とLED基板28とLED基板28を固定するネジ即ちLED基板固定ネジ28aとで構成されている。保護カバー25は空洞のパイプ状ドーナツをドーナツの中心を貫通する中心線に直角な平面で上下方向に均等に切断した下側の形状をしており、ドーナツの中心を含む平面で切断した断面は下方に凹な断面をしている。LED基板28の下面にはLED発光素子29が配置されていて通電されると光を下方に向けて発射し、保護カバー25を介して下方や側方に向けて透過と乱反射をしながら室内を照明することとなる。LED基板28上側面は平坦な面となっている。
【0021】
ベース部材5の突出部15の先端は前述の通り平坦な平面でありLED照明器具本体1が接続アダプタ4に取り付けられた場合には突出部15の先端は略水平面となる。突出部15には後述するネジ頭を逃がすためのネジ凹部30が略球面状をして上方向に凹んだ形状(図6(A))や、ネジ逃がし穴(図6(B))を複数個所設けてある
【0022】
ベース部材5の平面部17には後述する保護カバー25に伸設される脚部31をネジ止めするための固定用ネジ穴32が貫通して設けてある(図1)。
【0023】
絞り部20の一つには点灯基板24を略水平に収容して上方を開口した上開口部34を有した電源カバー33を収容し、電源カバー33の上開口部34をベース部材5の非絞り部21および絞り部20に当接して電源カバー33の上開口部34とベース部材5の絞り部20で点灯基板24を空間的に包囲している(図1及び図7)。電源カバー33には上開口部34を絞り部20に当接した状態で、電源カバー33の一端に電源カバー固定爪35が設けられており、ベース部材5の平面部17に貫通して設けられた角穴36に電源カバー固定爪35をベース部材5下方から上方に挿通させて、電源カバー33の他端に水平方向で平面部17下面に当接する位置に伸設された電源カバー固定部37に設けたねじ穴を介してベース部材5の平面部17に設けられた電源カバー固定穴38にネジ止めすることで電源カバー33をベース部材5に固定する。電源カバー33の上開口部34は非絞り部21および絞り部20に当接するので電源カバー固定爪35と電源カバー固定部37は電源カバー33の上開口部34から約0~15mm下部の位置から各々水平方向に伸設されることになる(図14)。電源カバー33を斜めにしながら電源カバー固定爪35を角穴36に挿入し電源カバー33の上開口部34を絞り部20の平坦な面に平行にした後に電源カバー固定爪35の略反対側の水平方向に伸設した電源カバー固定部37のネジ穴を電源カバー固定穴38の位置に合わせてからねじ止めして電源カバー33を絞り穴に収容固定する(図1図3図6(A)、図7図8及び図14)。
【0024】
3.接続アダプタ
前述の接続アダプタ4の外観は、略円筒状であり、円筒の直径のほうが高さより大きな寸法である(図3図8図16及び図17)。具体的には、円筒部39の直径は約73mm、円筒部39の高さは約28mmである。上側面には天井にすでに固定されているフル丸型ローゼット3の一対の電源穴8に電気的に接続するとともにLED照明器具本体1を機械的に引掛けて保持する一対の引掛刃7を備える。更に円筒部39において、円筒状の側面には円筒の中心線に対して対称に一対の爪部9が可動的にかつ通常は円筒状の側面から凸に設けてある。爪部9の概略寸法はこの例では、一方の爪部先端40から他方の爪部先端40までが約83mmであり、爪部9の幅は約27mmである。但し上記寸法は、単なる例示であり、必要に応じて適宜変更可能である。
一対の爪部9は連動して水平方向に収縮と伸長動作を行い、収縮時は接続アダプタ4の円筒状側面近くまで収縮し、一方の爪部先端40から他方の爪部先端40の寸法がベース部材5の貫通孔10の直径よりも小さくなる。伸長時はばね(図示せず)により一対の爪が連動して伸長して貫通孔10部の環状平面部19の外側直径に近い寸法まで一方の爪部先端40から他方の爪部先端40の寸法が伸びる。接続アダプタ4の下側面には突出部15の先端は手動で一対の爪部9を収縮させるため前述のつまみ部13が備えてあり、一対の爪部9と連動してつまみ部13の操作により爪部9を収縮させることで爪部9と貫通孔10の係止状態の解除を行うことができる。
【0025】
接続アダプタ4はLED照明器具本体1を天井付近に保持するとともに、屋内配線からの電気をLED照明器具に給電するときの電気接続部材であり、外郭は導電部材を保持する電気絶縁物でもあるので、外郭の材料としてポリエチレンテレフタレート(PET)等の電気絶縁性能に優れた樹脂材料を使うことが一般的である。
【0026】
爪部上面14が水平面であり、前述の通り爪部9の下側は径方向外側に進むに連れて上方向に傾斜した傾斜面22を成し、一対の爪部9の下側の傾斜面22は左右対称的に上方向に傾斜している。一対の爪部9はそれぞれ上段と下段の二つの同形状の爪が上下方向に一体となって形成されている。これは各種の天井形状や寸法に対応するためにLED照明器具本体1の係止位置を選択的に決められるようにするためである。
【0027】
天井の構造や形状によりクッション材12を天井とベース部材5の間で適度な弾力性のある反発力を発生させる隙間寸法に固定するために、最適な位置でベース部材5の環状平面部19を爪部上面14で保持する必要がある。つまり、一対の爪部9の高さは天井に近すぎると環状平面部19を爪部9が係止する前にベース部材5の絞り部20が最初に天井に当接してしまい、LED照明器具本体1を接続アダプタ4に保持することが出来なくなる。反対に、クッション材12と天井との間の隙間が広すぎてクッション材12の圧縮ができないか不足すると、環状平面部19と爪部上面14の押し圧が不十分でLED照明器具本体1の保持が不完全になる。天井面の形状や構造による凹凸に対応して、一対の爪部9の天井に対する高さ寸法を適度に維持するとともに、ベース部材5上側面に設けたクッション材12の厚さ寸法をその弾力性による反発力を発生させるために5~10mm程度に維持する必要がある。つまり、LED照明器具本体1と天井との高さを調整するために上段と下段の二つの同形状の爪が上下方向に一体となって形成されている。
【0028】
更に、フル丸型ローゼット3と接続アダプタ4を標準的に使用することでLED照明器具本体1の設置や互換性を維持する必要があるので、具体的には爪部上面14から天井までの高さ寸法をクッション材12が適度に圧縮された厚さ約5mm~10mmも含めると約30mm必要になる。このためにベース部材5の絞り部20と爪部上面14との段差は概略計算でクッション材12が圧縮された状態の厚み寸法5mm~10mm程度を差し引いて約20mm~25mmとなる。爪部上面14と絞り部20との段差はすなわち爪部9に係止されるベース部材5の環状平面部19と絞り部20の段差になる。この段差を約20mm~25mmに設計する必要がある。
尚上述してきた各寸法数値は、例示であり、クッション材12に必要な圧縮をさせることができれば、上記以外の寸法を採るものとして実施できる。
【0029】
一方、ベース部材5の突出部15はLEDユニット23に備えたLED基板28のLED取付面の反対面を接触させるが、LED照明器具本体1の構造としてLED発光素子29の発射する光を出来る限り遮蔽することなく効率的にLED照明器具外に放出することが重要であり、電源カバー33などよりも下方にLED基板28を位置させることが望ましい。また、LED基板28をベース部材5の突出部15に接触させる理由は、LEDの発光による発熱をベース部材5の突出部15に熱伝導させて放熱するためである。従って、突出部15は天井面から出来るだけ下方向に位置することが好ましく、また、突出部15の高さがLED照明器具本体1のLED素子の光の発射高さを決めることになる。
【0030】
具体的には電源カバー33の下面とLED発光素子29の発光部分との高さを同等かLED発光素子29の発光部分が下方に位置する構成にすることが望ましい。
【0031】
他方、接続アダプタ4にLED照明器具本体1を取り付けるための貫通孔10を形成する環状平面部19も天井面から適度に距離を保持する必要がある。具体的には前述のとおり絞り部20から約20mm~25mm下方に位置することが望ましい。
【0032】
天井にはすでに配線工事によりフル丸型ローゼット3が取り付けてある。最初に接続アダプタ4の一対の引掛け刃をフル丸型ローゼット3の一対の電源穴8差込んで時計回りに約30度回転させる。行き止まりになり接続アダプタ4はフル丸型ローゼット3に係止されるとともに電気的に商用電源に接続されることとなる。
【0033】
LED照明器具本体1の貫通孔10に接続アダプタ4外周を下方から嵌めるように押し上げる。貫通孔10に接続アダプタ4の一対の爪部9下側の傾斜面22に貫通孔10の端面が当接した状態でさらにLED照明器具本体1を押し上げると、前述の一対の爪部9の傾斜面22が接続アダプタ4中心方向に押されて中心方向に収縮する。一方の爪部先端40と他方の爪部先端40の寸法が貫通孔10の直径と同じになり、さらにLED照明器具本体1を上に押し上げると、環状平面部19が爪部先端40を乗り越えて上方向に移動し爪部9が環状平面部19の下方で中心方向への収縮応力から解放されてばね(図示せず)の外周方向への応力により中心方向から径の外方向へ伸びる。爪部上面14が環状平面部19の下方に伸びて環状平面部19が爪部9に係止されることとなるのである。
【0034】
天井の形状や構成により、さらにクッション材12を上昇させて天井に押し当てる必要がある場合は、LED照明器具本体1を押し上げて二段に構成された爪部9の上段の爪部9を環状平面部19が乗り越えるまで上方に移動させると良い。
【0035】
爪部上面14に係止された環状平面部19は、前述のようにクッション材12の反発力により天井と爪部上面14の間で挟持されて保持されることとなる。
【0036】
4.フル丸型ローゼット
天井にすでに固定されている前述のフル丸型ローゼット3を代表とする配線部材は、日本国内共通の寸法で互換性が確立されており、これにより効率的に照明器具の取付けや交換が可能になっている。
【0037】
フル丸型ローゼット3の概略寸法は直径75mm、高さ22mmの略円筒体で下面に一対の電源穴8が設けてある。この引掛け穴に前述の接続アダプタ4の引掛け爪を回動係止して機械的にLED照明器具本体1を吊り下げるとともに電気的に商用電源にLED照明器具本体1を接続することができる。
【0038】
さらに照明器具側の受電仕様として前述の接続アダプタ4が互換性を持って普及し、前述のフル丸型ローゼット3などに簡便に接続することができる。従って、天井とLED照明器具本体1との取付け時に既設のフル丸型ローゼット3や接続アダプタ4を用いることが互換性や取付け作業性の点で有益である。一方でLED照明器具の設計においては、フル丸型ローゼット3や接続アダプタ4の共通寸法を遵守することが要求されるので、LED照明器具としてはフル丸型ローゼット3や接続アダプタ4の共通寸法を遵守しながらLED発光素子29が発射する光を効率的に室内に放出することが重要となる。
【0039】
5.電気部品配置
天井には既設のフル丸型ローゼット3があるので、日本国内の標準的仕様である接続アダプタ4を介してLED照明器具本体1を天井に機械的に固定するとともに電気的に商用電源に接続する。接続アダプタ4の一対の引掛刃7から給電された電気は接続アダプタ4の給電電線(図示せず)を介して、点灯基板24に一端を接続し他端をコネクタに接続した電源線41により点灯基板24に給電される。点灯基板24で所望の電気仕様に変換された電気はリード線(図示せず)によりLED基板28に供給されLEDにより光が発射されることとなる。
【0040】
前述のように、日本国内ではフル丸型ローゼット3等の配線部材から共通で互換性がある接続アダプタ4を介してLED照明器具に給電されるが、この一連の接続は一般消費者が行うことが実用上も法的にも出来るものであり、接続アダプタ4を介したLED照明器具本体1への電源供給は社会的な利便性において必要な条件となっている。
【0041】
6.LED基板
図1から図6に示す通り、LED基板28の形状は略三日月形状をしており、同様形状のLED基板28を3個使用して略円環状の発光源としている。LED基板28はフェノール基板42にLED発光素子29を配置することで点光源の集合体を面光源に近付けることが出来る。発光ムラを防ぐためにLED発光素子29間距離を以下のように設定している。LED基板28は略円環状に配置してあり、円環の径方向のLED発光素子29間距離と円環の円周方向のLED発光素子29間距離とでは、径方向のLED発光素子29間距離を大きくすることでLED基板28全体がより均一に発光することができる。概略同心円状にLED発光素子29を並べることでフェノール基板42の使用面積を小さくすることができ、コンパクトなLED基板28を形成することができる。これは、径方向の寸法を大きくすると、フェノール基板42の面積は径方向寸法の拡大比率の二乗に比例するが、円周方向に並べることでフェノール基板42の面積の増加を抑えることができるからである。
【0042】
LED基板28の円周方向である三日月形状の長手方向の両端には、LED基板28を円環状に配置した場合の径方向にあたるLED基板28の幅方向の略中央に半円のネジ止め凹部43が設けてある。LED基板28を円環状に並べた場合に端面を突き合わせると各ネジ止め凹部43により略円形のLED基板止め穴44を形成することになる。
【0043】
LED基板28を分割して三日月形状にすることで、一枚でLED基板28を形成した場合に廃棄されるはずの円環状の中央部分がなく、千鳥配置や並列配置や内径と外径を同じにして配置するなど三日月形状の配置を工夫することでフェノール基板42の廃棄を削減することができ、経済的に基板の有効活用が可能になる。また、LED発光素子29が発生する熱による熱膨張の影響を個別のLED基板28で吸収することで熱による膨張収縮の応力を軽減して変形や反り等を低減できる構成にできる。
【0044】
LED基板28は互いに電気的に接続されていて、一か所から点灯基板24に電気的に接続されて電気が供給される接続になっている。機械的には各LED基板28は互いに固定されておらず電気的なフレキシブルな信号リード線45により接続された状態であり、各LED基板28は後述の保護カバー25に各々固定される構成である。信号リード線45のみで接続されたLED基板28は持ち運びする場合には信号リード線45そのものの引張強度や接続部の強度に注意しながら運搬する必要があるので、加工上は出来るだけ前工程で保護カバー25に固定して信号リード線45の破損を防止することが品質向上につながる。
【0045】
LED基板28に設けるLED発光素子29は、発光色や光量の同一のものや異なるものを組み合わせることにより調光や調色が可能になる。また、常夜灯のように独立した回路により独立したLED発光素子29を発光させる回路を構成することが出来る。また、直列並列の回路構成の組み合わせにより部分的な調光や調色も可能である。
【0046】
7.保護カバー
保護カバー25は中空のドーナツ形状を、ドーナツ中心を通る中心線に直角な面で上下に分割した下半分の形状をしている。中空のドーナツ形状の下半分の形状はU字溝を曲げて端部どうしを接続した円形でもある。保護カバー25の上方がU字溝の開口部27となる。保護カバー25下側はLED発光素子29の発出する光を透過や反射をすることで室内全体に光を行き渡らせる働きがある。保護カバー25の材質は透明な樹脂材料であり例えばアクリル樹脂やポリカーボネート樹脂やスチレン樹脂などが用いられることが多い。LED基板28のLED発光素子29と対峙する保護カバー25の内側面は円滑な鏡面仕上げとし、下側の面である外面はシボ加工等による乱反射させる仕様にしてある。シボ加工により、均一の模様を上記外面へ設けるものとしても良いが、LED発光素子29の発射する光を直下の光の乱反射を強く、直下から離れるにつれて乱反射を弱くする模様に徐々に変化させても良い。
【0047】
LEDユニット23の平面視において、LED基板28両端の半円形であるネジ止め凹部43端面どうしを突き合わせて配置することで略円形のLED基板止め穴44が形成されるので、このLED基板止め穴44に対応する位置に保護カバー25の溝部内側から複数のネジ止め用のLED基板保持ボス46を上方に向かって伸設し、3枚のLED基板28を水平に保護カバー25にネジ止めする。LED基板28端面の突き合わせは1か所のみ約10mm~20mm離間して各々LED基板保持ボス46にネジ固定する。ネジの数は4本となる。
【0048】
保護カバー25にネジ止めされたLED基板28の下面つまり保護カバー25の内面側にLED発光素子29が配置されているので、LED発光素子29が光を発射した場合はLED基板28下面から保護カバー25内面に向かって光が進み、一部が透過して保護カバー25下側のシボ加工された外面を通過して乱反射した後に下方向や横方向に進む一方で一部が保護カバー25内面で反射されることとなる。
【0049】
LED基板28は3枚が電気的に接続されていることから、保護カバー25に固定することで、LED基板28のみを運搬する場合に比べてLED基板28間の信号リード線45が運搬時の応力により切断したりLED発光素子29やLED基板28が傷ついたりする品質上のリスクを軽減することが出来て、生産工程においてLEDユニット23の運搬や別工程でLEDユニット23を組み立ててから本体工程に運搬しても、LED基板28や信号リード線45を破損することがなくなり品質向上につながる。万一落下させても保護カバー25の強度によりLED基板28は保護されることとなる。
【0050】
LED基板28の保護カバー25へのネジ止めついて、図4の断面図に示すように保護カバー25の内面側から上方に伸設したLED基板保持ボス46にLED基板28を載置した状態で上側からネジ止めする。開口部27の端面は基板保持ボスと同じ高さであり、LED基板28をLED基板保持ボス46に固定したときLED基板28の外周の8割以上が開口部27の端面に当接する形状になっている。これにより、保護カバー25でLED基板28を突出部15に押し付けるとき開口部27でLED基板28のほぼ全周を均等に押し付けることが出来る。
【0051】
保護カバー25の外周からほぼ均等に放射状に3本の、前述の脚部31が上方に伸びている。脚部31は突出部15などに当たることなく上方に伸延してベース部材5の平面部17近くまで伸びる。
脚部31の夫々は、ドーナツ状の保護カバー25の外縁から上方へ向け突出部15の側面に沿って伸びる脚本体31aと、脚本体31aの先端に設けられてドーナツ状の保護カバー25の径外方向へ伸びる固定用部31bとを備える(図1図2図4図6(B)、図11及び図12)。
固定用部31bは、後述の脚取付面47を提供すると共に、表裏(上下)に貫通する脚部ネジ穴31cを備える。
LED基板28上側面が突出部15に接触した状態で3本の脚部31の先端(固定用部31b)は平面部17から約0.3mmの隙間がある。脚部31の先端は平面部17と約0.3mmの隙間を維持して平面部17と平行に約15mm~25mm伸延された前述の固定用部31bにて脚取付面47を提供して終わる。即ち脚部ネジ穴31cは、固定用部31bの裏面(上面)が脚取付面47を構成する。
3本の脚部31夫々の固定用部31bに設けられた上記脚部ネジ穴31cは、保護カバー25をベース部材5の平面部17にネジ止めするために設けられており、脚部ネジ穴31cへ脚部取付ネジ47aがねじ込まれ、当該脚部取付ネジ47aの締結力により脚取付面47とベース部材5の固定用ネジ穴32との隙間をなくして両者を密着させる。
【0052】
LED基板保持ボス46の一部はLED基板28のネジ止め用ではなく、先端に突起60を設けてLED基板28のほぼ中央に設けたLED基板28位置決め穴を貫通してLED基板28を保護カバー25にネジ止めする前に位置決めするために1枚のLED基板28一枚につき1か所設けてある。
【0053】
ベース部材5は金属製であり、一方保護カバーは樹脂製である。特に、脚部取付ネジ47aでベース部材5へ保護カバー25(LEDユニット23)を固定する前、ベース部材15の下面を上に向けLEDユニット23をベース部材15の上に載置した状態において、固定用部31b(脚取付面47)とベース部材15の間の距離を、前記突出部15と平面部17の段差寸法(突出部15先端の平面部17に対する高さ)の0.5%から3%とするものであるのが好ましい。
LED基板28上側面を突出部15に当接した状態で、脚取付面47を上記の通り脚部取付ネジ47aで締め付けることで保護カバー25をベース部材5に固定すると、平面部17と固定用部31b(脚取付面47)との間の上記0.3mmあった隙間が締め付けられて無くなり平面部17へ固定用部31bが密着することとなる。このとき、すでにLED基板28上側面は突出部15に当接していたので、0.3mmの隙間がなくなり平面部17と脚取付面47が密着することで脚部31を含む保護カバー25全体が0.3mmだけ撓った状態となり、その撓りによる樹脂材料の弾性力によりLED基板28上側面は突出部15に押し付けられた状態となる。突出部15とLED基板28上側面がより密着することでLED発光素子29が発する熱に対してLED基板28を介して突出部15に熱を伝えることが出来て効率的に放熱出来ることとなる。
尚、上記放熱の効果が得られる範囲において、保護カバー25の脚部31は、上記以外の寸法や比率を採るものとしてもよい。
【0054】
脚部31は保護カバー25から伸延して設けられていることと、LED照明器具の発熱による温度上昇により、透明な樹脂材料で形成された保護カバー25全体の剛性が低下することから、脚部31には、保護カバー24の平面視において、脚部31の幅方向の中央へ設けられて脚部31の伸びる方向に沿って伸びる中央補強リブ48と脚部31の輪郭に沿って伸びる縁補強リブ48aとを備え、脚部31の上記撓り以外の変形を抑制している。更にこの例では、脚部ネジ穴31cから縁補強リブ48aにかけて放射状に伸びる複数の副補強リブ48bが設けられている。
また、3本の脚部31の脚取付面47がすべて平面部17に取り付けられる構成であることから、保護カバー25単独またはLEDユニット23を作業台などへ仮置きしたり並べたりする場合に、三脚が同一長さであることから安定して置くことができる。
但し、脚部31は4脚以上備えるものとして実施するのを排除するものではない。また、複数の脚部31の一部をネジ止め以外の方向でベース部材5へ固定するものとしてもよい。例えば一部の脚部31を差し込むことが可能な差込部をベース部材5へ設けておき、一部の脚部31を当該差込部へ差し込んだ後(図示しない)、他の脚部31を脚部取付ネジ47aにて固定するものとしてもよいのである。
【0055】
LED照明器具本体1を通電した場合、LED発光素子29の発熱によりLED基板28とベース部材5と保護カバー25とが各々温度上昇する。各部品は熱膨張係数が異なる材料で形成されているので、互いにネジ止めされている場合はネジ止め間の膨張する寸法が異なることとなる。LED基板28上側面をベース部材5に押し当てた構成ではあるが、LED基板28の両端を保護カバー25のLED基板保持ボス46にネジ止めしている構成であるので、LED基板28の熱膨張に対して保護カバー25側は一方のLED基板保持ボス46から保護カバー25を介して他方のLED基板保持ボス46に固定しているので保護カバー25各部の撓りによりLED基板28との熱膨張寸法差を緩衝し、部分的な応力集中等は発生しない。
【0056】
更には、保護カバー25にLED基板28をネジ止めしたLEDユニット23全体の熱膨張寸法と、ベース部材5の突出部15の熱膨張寸法の差は、一方の保護カバー25の脚部ネジ穴31cから一方の脚部31と保護カバー25本体と他方の脚部31を介して他方の脚部ネジ穴31cに至る構造をベース部材5の平面部17にネジ止めしているので、LED基板28と保護カバー25の熱膨張による寸法の差は保護カバー25全体の撓みで吸収することとなり、応力が一部に集中することはない。さらに、LED基板28は突出部15と接触しているが直接ネジ止めしていないので、LED基板28とベース部材5の熱膨張寸法の差はネジ止めなどによる応力集中が発生することがない。特にLED基板28と突出部15は密着するように押し当てられていてLED基板28から突出部15を介してベース部材5に放熱する作用を満たしながら、突出部15とLED基板28の温度上昇による熱膨張寸法差による応力を保護カバー25で吸収緩和することができることとなる。
【0057】
保護カバー25の円環状の一部を約10mm~20mm程度にわたり下方から開口部27側に変形してリード線通路凹部49を形成している(図1)。リード線通路凹部49の下側から開口部27に向かって一部を持ち上げる形状にする。保護カバー25は開口部27から下方を見て溝状に連続しているがこの一部が遮られる形状になる。この遮られる部分がリード線通路凹部49であり、保護カバー25を下方から上に向かって見た場合にリード線通路凹部49は上方に凹み形状となっている。このリード線通路凹部49に保護カバー25の円環状中心部から径方向外側に向かって四角形状の貫通窓50を設ける。貫通窓50には、点灯基板24に商用電源を供給するために一端に電源コネクタ51を接続し他端を点灯基板24に接続するハーネス52の電源コネクタ51を挿入してコネクタの両側に設けられた戻り防止爪53で保持される。電源コネクタ51を貫通窓50から外すときは戻り防止爪53を撓ませてコネクタを貫通窓50から引き出す。
【0058】
居室でLED照明器具本体1を取り付けるときには、フル丸型ローゼット3に接続アダプタ4を取り付けてから、接続アダプタ4の給電電線(図示せず)をこの電源コネクタ51に接続するだけでLED照明器具本体1との電気的な接続は完了する。
【0059】
図6に示すように、LEDユニット23をベース部材5に固定するとき、各脚部31の脚取付面47をベース部材5の平面部17にネジ止めする場合、LED基板28上側面を突出部15に密着させて放熱する構成にするが、LED基板28両端を保護カバー25にネジ止めするときにねじ頭がLED基板28より上方に位置することになるため、平面である突出部15を上に球面状に凹ませておくか、又はねじ頭が干渉する範囲で平坦な突出部15を丸穴加工してねじ頭を突出部15上方に露出させる。このことによりLED基板28上側面と平坦な突出部15は密着してLED発光素子29の発熱をベース部材5に伝えて放熱できることとなる。
【0060】
図9図10図15は比較例とするLED照明器具の形態を示し、本発明の実施例と同じ名称と同じ符号は本発明の実施例と同じ形状で同じ機能の部品を表す。保護用カバー54を介してLED旧基板55をベース部材56の突出部15に固定する構成になっている。この構成において、透明な材料で形成された保護用カバー54の一部がネジ止め用の凹み形状部57になり、円環状に配置したLED基板55の発する光が反射と屈折と乱反射によりLED照明器具58(比較例)を下から見たときに発光ムラが発生してしまう。また、凹み形状部57部がLED基板55に接触する部分にはLED発光素子29を配置することができないので均一なLED発光素子の配置ができなくなり発光ムラが激しくなる。また、LED発光素子29の発出した光を凹み形状部57により遮光されることで照明効率が低下する。また、フェノール樹脂で形成されたLED基板55を板金で形成されたベース部材56にネジ止めする構造において、LED発光素子29の発熱によりLED基板55とベース部材56が約60℃に温度上昇する。フェノール樹脂と鋼板といった異なる材料の熱膨張係数の差による膨張収縮により、LED基板55とベース部材56のネジ止めした間でバイメタルのような作用により内部応力により変形や金属疲労等の劣化要因を内在させることとなる。更に、ネジ止め用の凹み形状部57は略円筒状の樹脂材料を消費するので樹脂材料の使用量が多くなり経済的に不利である。
【0061】
8.点灯基板
前述の点灯基板24は、接続アダプタ4を介して供給された商用電源からLED発光素子29を発光させるための電源に変換したり、調光や調色の制御を行ったりするために設けられる。
点灯基板24は、周縁部16として上記平面視における突出部15の径外側に位置する平面部17に設けられる。この例では、点灯基板24は、前述の通り平面部17の絞り部20へ設けられる。但し、平面部17は、絞り部20と前述の非絞り部21といった二段構造ではなく、単一の平板状に形成されたものとし当該平面部17へ点灯基板24を設けるものとしてもよい。
また、この例では、上記点灯基板24は電源カバー33で覆いベース部材5(平面部17)の複数ある絞り部20のひとつに配置されている。点灯基板24を介してLED基板28に電気が供給される。
【0062】
点灯基板24下面側にはコンデンサ、半導体、ヒートシンク、コイル等の電気部品59を配置してある。これらの電気部品59は上下方向の高さ寸法を1mmから25mmの範囲内とする。但し、当該範囲を逸脱する電気部品59を備えるものを排除するものではない。
電源カバー33で下から各電気部品59を全体的に覆うとともに、電源カバー33内で位置決めボスやリブにより点灯基板24が水平面方向に移動しないように保持している。また、点灯基板24の上下方向の保持は爪やネジ等で電源カバー33に固定している。
【0063】
点灯基板24に配置される電気部品59は点灯基板24の下面に配置されて、点灯基板24上側面で銅箔によりハンダ付けで電気的に接続されている。これにより、点灯基板24の上側面には電気部品59の端子が約2mm~5mm突出してハンダで固定されている状態となる。点灯基板24の上側面はベース部材5の一つの絞り部20の下側の面から約3mm~10mmの距離を保って絞り部20と略平行に電源カバー33により保持され、点灯基板24に配置された電気部品59の端子とベース部材5との電気絶縁距離が確保される。
【0064】
点灯基板24にて構成する点灯回路へ配置した電気部品59の基板からの高さ(基板から下方向へ突出する電気部品59下端の位置)は、LED基板28に配置したLED発光素子29の高さ(下端の位置)よりも高い(下方にある)ので、LED基板28と点灯基板24を同じ高さに配置した場合にはLED発光素子29の発出した光を点灯基板24の下面に配置された電気部品59により一部を遮蔽することになる。従って、LED発光素子29からの発光を近傍にある電源カバー33が遮光することがないようにLED基板28を少しでも下方に位置させるために突出部15を設けてLED基板28が当接する構成にする。かつ点灯基板24を収容した電源カバー33を少しでもLED基板28よりも上方に位置させるために、ベース部材5の平面部17に設けた上方向に約2mm~15mm絞り加工した絞り部20のひとつに下から上方向に取り付ける。 これによりLED基板28の高さが電源カバー33の下面の高さとほぼ同等になり、LED発光素子29の発出する光を電源カバー33が遮蔽することがなくなる。
【0065】
電源カバー33の高さについて以下のように概略計算できる。電源カバー33内に点灯基板24を内蔵するので、電源カバー33の高さは点灯基板24に取り付けられている各種電気部品59の一番高い部品で決まる。電源カバー33は共用化することが一般的なので、点灯基板24のどこに背の高い電気部品59が配置されるかは各点灯基板24により異なるので、一番背の高い電気部品59が収納出来る高さにしておく。一番背が高い部品としてはコイル部品などで約25mm程度ある。点灯基板24上側には電気部品59の端子が約2~5mm程度突出しており、上方に板金で形成されたベース部材5の絞り部20が位置するので、点灯基板24との絶縁距離を確保するために絞り部20と点灯基板24との距離は約3~10mm必要である。さらに、電気部品59と電源カバー33とは密着させるとハンダ部に応力が加わるので数mm空間を空ける必要があり、電源カバー33の肉厚を合わせて約5mmの高さが必要になる。合計すると、絞り部20から電源カバー33下面までの距離は約33mm~40mmとなり、絞り部20の深さを差し引くと平面部17から電源カバー33下面までの距離は約18mm~33mmになる。
【0066】
前述のように接続アダプタ4の取付高さから環状平面部19と絞り部20の距離は約20mm~25mmであり、電源カバー33の下面と絞り部20の距離は約32mm~40mmであることから、環状平面部19は電源カバー33下面より上方の高さに位置するようになる。
【0067】
LED照明器具は製品全体の上下方向の厚みをできるだけ薄くしてコンパクトにすることが付加価値の高いLED照明器具であるとされている。一方、LED発光素子29は点光源として目視すると眩しく見えるので、実用上は点光源からの光を拡散させる必要がある。点光源からの光を拡散させるためには、LED発光素子29と保護カバー25または透光カバーの距離をできるだけ大きく設計するのが良い。ここで課題が出てくることとなる。つまり、一方でLED照明器具の高さ方向の厚みを薄くコンパクトに設計することを進めて、他方でLED発光素子29と保護カバー25や透光カバーとの距離を大きく設計することは矛盾する。また、LED素子の発出する光を電源カバー33などで遮蔽することを防ぐために、LED基板28を密着させる突出部15の先端(下端)を出来るだけ下方に位置させることが要求される。
【0068】
以上の要求を満たすために以下の構成にするのが好ましい。即ち、環状平面部19の高さと電源カバー33の高さはフル丸型ローゼット3等の標準寸法と点灯基板24に取り付ける電気部品59の高さ寸法により決まるので、LEDユニット23の高さをLED発光素子29の発出する光が遮蔽されない程度に上方向に移動することで、LED照明器具の厚みを薄くする全体のデザイン要求と光拡散効果を維持するためにLED発光素子29と透光性カバー2の距離を大きくする要求の両方を満足させることができる。つまり、LED発光素子29の位置を電源カバー33より若干上方に移動させる。
【0069】
他方、環状平面部19の高さ寸法は標準的な接続アダプタ4の寸法が決まっているために絞り部20から約20mm~25mmを維持する必要がある。結果として、LED基板28は電源カバー33下面及び環状平面部19よりも上方に位置することになる。具体的な数値は環状平面部19から10mm未満の段差で突出部15を天井に近い位置とする。それ以上の段差を付ける場合は電源カバー33や接続アダプタ4部による遮光が発生するし、逆に突出部15が環状平面部19より下方に位置する場合はLED照明器具の厚みが厚くなり製品全体のデザイン性が悪くなり、さらにLED発光素子29と保護カバー25や透光性カバー2との距離が短くなって光拡散効果が小さくなる。
【0070】
LED照明器具本体1の略中央に位置する接続アダプタ4から、突出部15を跨いでベース部材5周縁部16の絞り部20に配置された点灯回路への電気供給は、接続アダプタ4に一端を接続された給電電線(図示せず)の他端に備えられた給電コネクタ60(図示せず)を、保護カバー25の貫通窓50に戻り防止爪53で外れないように保持された点灯基板24に一端を接続されたハーネス52の他端に備えられた電源コネクタ51に電気的に接続して供給される。
【0071】
保護カバー25に設ける貫通窓50は可能な限り小さい寸法にして円環状に配置したLED基板28を円環の途切れを最小限にすることでLED発光素子29の発光を目視したときに発光が円環状に近いようにする。
【0072】
図14にあるように、電源カバー33の保護カバー25に近い側の形状は、保護カバー25の開口部27外周端部の形状に相似した形状を成しており、電源カバー33の一部は保護カバー25の一部と上下方向で重なって配置されている。
【0073】
生産工程において、LED照明器具本体1は使用時とは上下逆の方向で組立られる。電源カバー33の中心方向側に円周方向に端部を形成した下フランジ61に対して、組立時には上から保護カバー25を載置し、保護カバー25外周に設けた保護カバーフランジ62を電源カバー33に被せてから脚部31をベース部材5の平面部17にねじ止めする。これにより電源カバー33と保護カバー25の一部が重なるために、掃除や点検時に充電部に手指が接触することや虫等の侵入を確実に防止することができる。
【0074】
9.センサユニット
センサ回路基板(図示せず)は略直方体のセンサ回路ケース63(図1及び図13)に収容されてベース部材5の平面部17に開口したセンサ穴64にベース部材5上方からセンサ穴64を貫通してベース部材5下方に突出して配置されており、センサ回路ケース63の一方に略水平に伸設したセンサ引掛け爪65をベース部材5平面部17に貫通して設けたセンサ爪穴66に挿通して係止するとともに、センサ回路ケース63の他方に略水平方向に伸設したセンサねじ穴部67をセンサ固定穴68にネジ止めすることでベース部材5の電源カバー33近傍に固定されている。
【0075】
センサ回路ケース63の下側面の高さは電源カバー33の下側面よりもベース部材5に近い高さであり、ベース部材5から見るとLED発光素子29の高さとほぼ同等の電源カバー33より上方に位置しているために、LED発光素子29が発出する光を遮蔽することはない。センサ回路ケース63を電源カバー33近傍に配置するのは点灯回路にセンサ回路基板(図示せず)を電気的に接続して点灯回路によりセンサ回路基板(図示せず)への給電と制御を行うためである。図13にセンサ回路ケース63と電源カバー33と保護カバー25の脚部31の一つとベース部材5の位置関係を示している。センサユニット74は、センサ回路基板(図示せず)と、センサ回路ケース63と、センサ蓋とセンサ用リード線69とで構成される。
【0076】
センサ回路ケース63は、上方を開口して開口周囲に水平にセンサフランジ70を設けた略直方体のケース本体71と、センサフランジ70に被されてケース本体71の開口を塞ぐケース蓋72で構成されている。この例では、ケース本体71とケース蓋72はともに赤外線を透過する赤外線透過樹脂で樹脂成形加工されている。但し、ケース本体71とケース蓋72について赤外線透過樹脂以外の樹脂にて形成するのを排除するものではない。
センサ回路ケース63は前述のとおりベース部材5のセンサ穴64に対して上方からケース本体71を下方に挿通しながら、センサフランジ70がセンサ穴64周囲のベース部材5の平面部17の上側面に当接することで、センサフランジ70がセンサ穴64を閉塞する。これによりベース部材5上方から虫やごみがベース部材5下方に侵入してLED基板28や保護カバー25に付着することがなく、長期間にわたり掃除する必要がなくLED発光素子29の発出する光を効果的に居室に放出することが可能である。
【0077】
センサ回路ケース63にはリード線穴73があり、センサ用リード線69の一端がリード線穴73を介してセンサ回路に接続され、他端をセンサユニット74に電気的に接続されている。センサユニット74はセンサ回路を介して点灯基板24から電源が供給される。
【0078】
センサユニット74はベース部材5の平面部17の上側面にねじで固定され、ベース部材5の外周より径方向において外側に配置される。ベース部材5の中心から径方向にベース部材5の最外周が位置し、その外周にセンサユニット74の検知部741が位置し、さらに外周方向に透光性カバー2の最外周部が位置する。高さ方向について、ベース部材5の平面部17より絞り部20が上方向(天井方向)に凸であり、この段差分の寸法の中でセンサ回路ケース63のセンサフランジ70とケース蓋72及び検知部741が配置されている。従ってセンサ回路ケース63と検知部741はベース部材5の平面部17の上側面に配置されるとともに絞り部20の上側面より低く固定されることとなる。センサユニット74の検知部741はベース部材5の径方向において透光性カバー2の最外周部がセンシング部より外周に位置するので、下方からLED照明器具を見上げても検知部741は見えない。部屋の中でLED照明器具の下から離れてLED照明器具を見上げた場合に若干検知部741を見ることが出来る。実用上は検知部741が視界に入りにくくデザイン的には検知部741を使用者に意識させないように出来る。
【0079】
10.透光性カバー
LED照明器具の下方を全面的に覆う半透明な樹脂材料で形成された透光性カバー2は図8に示されるように、LEDユニット23と点灯基板24を収容する電源カバー33を下方から覆うために透光性カバー2上方を略円形に開口した開口端75を有する。開口端75は上方向に立ち壁である円筒壁76で構成し、立ち壁の略円形の全周を3等分する位置に水平方向に幅約30~50mmで開口端75中心方向に向かい深さ約5~10mm突出した嵌合突出部77が設けてある。
【0080】
ベース部材5の平面部17の下面で最外周近傍にベース部材5中心から均等な距離とベース部材5の平面部17を水平面で全周角度を3等分した位置に、螺着嵌合部材78が取り付けてある(図1)。螺着嵌合部材78は、一端にベース部材5に貫通させて形成した螺着嵌合部材穴79に挿通させる螺着嵌合部材爪80を設け、他端にはネジでベース部材5に下方から固定する螺着嵌合部材ネジ部81を有する。螺着嵌合部材78の長手方向はベース部材5中心から螺着嵌合部材78までの距離を半径とする円に沿った円弧の一部に沿う弓なり形状を成している。螺着嵌合部材78をベース部材5中心と螺着嵌合部材78の一部を通る直線を垂直に降ろした平面で切断した断面形状は略L字状で、垂直な円弧状の内周壁82と水平な円弧平面83で形成されている。ベース部材5の平面部17と内周壁82と円弧平面83とで径方向の外側向きに開口している。
【0081】
螺着嵌合部材78は円周方向の長さで30mmから120mm必要である。嵌合部材の断面L字形状は一端から他端まで続くが他端ではL字部を閉塞して嵌合突出部77の回転をこれ以上回転しないように停止させる構成となっていて、同時に螺着嵌合部材78に内蔵した板ばね(図示せず)の先端を嵌合突出部77が乗り越えることで板ばね(図示せず)が鳴動する音と回転する手の感触で、嵌合突出部77を螺着嵌合部材78に十分に嵌合させたことを使用者が確実に認識できるクリック感を発生する構成と機能になっている。
【0082】
使用者は透光性カバー2の上方が開口した円筒壁76をベース部材5の立壁18の内側に嵌めてから円筒壁76を平面部17に押し当てた状態で透光性カバー2を回転させると、円筒壁76の3か所の嵌合突出部77が各々対応する位置に配置されている螺着嵌合部材78の内周壁82と円弧平面83に誘導されながら回動する。やがて嵌合突出部77が板ばね(図示せず)を乗り越えると同時に鳴動して回動させている手にクリック感が発生し透光性カバー2を螺着嵌合部材78に装着完了したことを認識することとなる。
【0083】
11.LED照明器具本体の組付け
LED照明器具本体1を構成する主要な部材は、ベース部材5、LED基板28、保護カバー25、点灯基板24、電源カバー33、センサ、嵌合部材、接続アダプタ4である。
【0084】
生産工程ではベース部材5の下面側を上方向に向けて工程に配置する。このベース部材5に各種部品を組み付けることでLED照明器具本体1を完成することとなる。別工程において、保護カバー25の開口部27にLED基板28をネジ止めする工程を設けてLEDユニット23を完成させておいても良いし、生産工程の組立順序としてLEDユニット23を完成させても良い。生産工程をフレキシブルに構成するためには別工程でLEDユニット23を組み立てる方が生産計画の自由度がある。
【0085】
生産工程でベース部材5に点灯基板24を収容した電源カバー33を取り付ける。次に、別工程で完成させておいたLEDユニット23をベース部材5の突出部15にLED基板28のLED発光素子29取付面と反対側の面を載せる。このとき保護カバー25の脚部31はベース部材5の平面部17から約0.3mm浮いた状態である。次に3か所の脚部31をベース部材5の平面部17にネジ止めする。このとき、前述の0.3mmの隙間がなくなり、脚部31は平面部17に密着すると同時に、LED基板28は脚部31の0.3mmの締め代の締め付けにより保護カバー25の弾性による撓りでベース部材5の突出部15に押し当てられて固定される。保護カバー25全体が弾性により撓るのでLED基板28全体に押し当てる力が分散して均等な圧力でLED基板28と突出部15とが密着する。このとき、電源カバー33の下フランジ61に保護カバー25の保護カバーフランジ62が重なる構成となり、隙間が無く掃除などにおいて使用者が充電部に触れることを防止することができる。電源カバー33のベース部材5の平面部17に3個の螺着嵌合部材78をネジ止めする。
【0086】
ここまでのネジ止めについて、電源カバー33のネジ止め、保護カバー25の脚部31のネジ止め、螺着嵌合部材78のネジ止めは、すべて平面部17にネジ止めしている。生産設備の設計や生産時の設定が同一高さであることで簡便に実施でき、調整やメンテナンスが簡便になる。
【0087】
次にベース部材5を上下ひっくり返してセンサユニット74をLEDユニット23や電源カバー33を取り付けた面とは反対側面であるベース部材5の平面部17の上側面にネジ止めする。接続アダプタ4は製品に同梱し、使用者が天井のフル丸型ローゼット3等に取り付けることとなる。
【0088】
生産工程におけるリード線等の配線工程は省略して説明している。
なお、透光性カバー2はその材質にアクリル樹脂等を使用するが、透光性がありLED発光素子29の発出する光を適度に散乱させる性質があれば良い。通常は光の散乱を促すために透光性カバー2下面(光が出て行く側)にシボ加工等で表面に凹凸を施す場合が多い。
【0089】
さらに、本実施例では被取付部材をフル丸型ローゼット3としたが、一般的な丸型引掛けシーリング、角型引掛けシーリング、丸型フル引掛けシーリング、引掛けシーリングなどがあるが、本実施例の接続アダプタ4を使用することで機械的および電気的な接続と保持が可能になる。
【0090】
12.その他
以上のように、本実施例では、LED基板28を保護カバー25にネジ止めしたLEDユニット23を別工程で完成させてからベース部材5に組付けたが、生産本工程でLED基板28をベース部材5の突出部15に載置してから保護カバー25の脚部31をベース部材5の平面部17にネジ止めしても良い。この場合はLED基板28を突出部15に位置決めする構造を追加する必要がある。
【0091】
また、家庭などで使用する場合の汎用性を重視するために、接続アダプタ4を使用する構成にしたが、接続アダプタ4とベース部材5を一体化する構成にしても良い。一体化構成とすることでフル丸型ローゼット3等に接続できれば家庭等で既設の配線部材に接続できるが、様々な天井の形状やフル丸型ローゼット3等の位置による取付け自由度は爪部9が二段に形成されている接続アダプタ4を使う構成が使用者にとっては汎用性があるので、一体化による経済性と使い勝手の良さのどちらを優先するかで、接続アダプタ4を本実施例のように別体にするかベース部材5と一体化するかを選択することができる。
【0092】
また、絞り部20は平面部17に円周方向に概略均等に3か所設けたが、連続した円環状に形成しても良い。ベース部材5の強度増加とプレス加工後の平面度を安定させるために、適宜形状を変更すると良い。また、点灯基板24を収容する面積以上の面積であればその目的を達することができる。
【0093】
さらに、本実施例ではベース部材5や保護カバー25や透光性カバー2を下から見た形状として円形を基本とした形状にしたが、角型としても良いしデザイン性は自由度がある。各部材や部位の高さ関係が同様であれば作用効果は同様に発生するものである。
【0094】
脚部31のベース部材5への取付具としては、上記脚部取付ネジ47aといったネジ以外に、周知の他の取付具を採用できる。例えば当該取付具として、リベット、とりわけプッシュリベットなどを採用することができる。
また、LED基板固定ネジ28aに代えて、周知の他の固定具を採用して実施してもよい。例えば当該固定具として、リベット、とりわけプッシュリベットなどを採用することができる。
以上、本発明の一実施例を説明したが、本発明はこれらの実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更があっても本発明に含まれる。すなわち、当業者であれば、当然なし得る各種変形や修正もまた本発明に含まれる。
【0095】
13.総括
この発明は、取付部材4と、1枚の金属板であるベース部材5と、環状のLEDユニット23と、点灯基板24とを備え、取付部材4は、天井に設けられたローゼットなどの被取付部材3へ接続されるものであり、ベース部材5は、平板状の平面部17と、突出部15とを備え、平面部17はベース部材5へ賦形された平板状の部位であり、ベース部材5の平面視において突出部15は平面部17よりもベース部材5の径方向内側に賦形されて平面部17よりも下方へ突出する部位であり、ベース部材5の平面視におけるベース部材5の略中央へ、ベース部材5を上下に貫通する貫通孔10が設けられ、貫通孔10へ取付部材4を装着することにて、ベース部材5を天井へ配置することができ、LEDユニット23は、複数のLED発光素子29を下面に実装したLED基板28と、1つ又は複数の前記LED基板28を取り付けられて前記LED基板28の前記下面を覆う透光性を備えた環状の保護カバー25とを備え、樹脂製の上記保護カバー25は、保護カバー25の周縁部から上方へ伸びる複数の脚部31を備え、点灯基板24はベース部材5の平面部17へ配置されてLED基板28へ電源を供給するものであり、脚部31の先端を固定する被固定部(固定用ネジ穴32や前述の差込部)を備え、LED基板28上面側を突出部15の先端へ向けてLEDユニット23が突出部15先端へ配置された状態にて上記被固定部へ脚部31先端が固定されて、ベース部材5の平面視において環状のLEDユニット23の径の内側へ貫通孔10が位置するLED照明器具を提供する。
【0096】
平坦に形成された突出部15の先端(下端)へ、ベース部材5を上下に貫通する上記の貫通孔10を設けることにて、ベース部材5は貫通孔10より下方へ突出する部位を備えないものとしてもよい。
即ち、本発明は、上面側にて開口し環状に形成された開口部の外周にベース部材5の平面部17の下面または下面近傍のベース部材5まで伸設した複数の脚部31を設けた保護カバー25と、LED基板28で保護カバー25の前記開口部を塞いで形成するLEDユニット23とを備え、ベース部材5は中央に取付部材へ係止される貫通孔10を有するとともに、先端中央に貫通孔10を備え平面部17から下方に環状に突出する先端が平坦な突出部15を有し、前記LEDユニット23を構成する前記保護カバー25の複数の前記脚部31を、ベース部材5の前記平面部17に固定する、または突出部15より上方でベース部材5に固定するLED照明器具として実施できる。
図示した実施の形態のように、貫通孔10は、小突出部11の先端にてベース部材5を上下に貫通するものとしても同様である。
一方本発明はLEDユニット23(保護カバー25)が脚部31を備えるものであればよく、特許文献1と同様に、突出部15が貫通孔10を囲繞する状態で表側に環状に突出するものとしてもよい。即ち貫通孔10を囲繞する(囲う)ことにより、突出部15は貫通孔10より下方へ突出し、貫通孔10は突出部15の先端よりも上方に位置するものとしてもよい。
本発明は、上記によって組立ラインをフレキシブルに構成でき生産対応を柔軟にするものである。
【産業上の利用可能性】
【0097】
本発明は、リビングや和室、更には寝室やこども部屋当の各居室や廊下や玄関等の天井面や壁面等に沿って設置されるLED照明器具として、広く適用することができる。
【符号の説明】
【0098】
1 LED照明器具本体
2 透光性カバー
3 フル丸型ローゼット(被取付部材)
4 接続アダプタ(取付部材)
5 ベース部材
6 引掛保持部
7 引掛刃
8 電源穴
9 爪部
10 貫通孔
11 縁部(小突出部)
12 クッション材
13 つまみ部
14 爪部上面
15 突出部
16 周縁部
17 平面部
18 立壁
19 環状平面部
20 絞り部
21 非絞り部
22 傾斜面
23 LEDユニット
24 点灯基板
25 保護カバー
26 底面
27 開口部
28 LED基板
28a LED基板固定ネジ
29 LED発光素子
30 ネジ凹部
31 脚部
31a 脚本体
31b 固定用部
31c 脚部ネジ穴
31d 縁補強リブ
31e 副補強リブ
32 固定用ネジ穴
33 電源カバー
34 上開口部
35 電源カバー固定爪
36 角穴
37 電源カバー固定部
38 電源カバー固定穴
39 円筒部
40 爪部先端
41 電源線
42 フェノール基板
43 ネジ止め凹部
44 LED基板止め穴
45 信号リード線
46 LED基板保持ボス
47 脚取付面
47a 脚部取付ネジ
48 中央補強リブ
48a 縁補強リブ
48b 副補強リブ
49 リード線通路凹部
50 貫通窓
51 電源コネクタ
52 LED基板位置決め穴
53 戻り防止爪
54 保護用カバー
55 LED基板
56 ベース部材
57 凹み形状部
58 LED照明器具(比較例)
59 電気部品
60 突起
61 下フランジ
62 保護カバーフランジ
63 センサ回路ケース
64 センサ穴
65 センサ引掛け爪
66 センサ爪穴
67 センサねじ穴部
68 センサ固定穴
69 センサ用リード線
70 センサフランジ
71 ケース本体
72 ケース蓋
73 リード線穴
74 センサユニット
741 検知部
75 開口端
76 円筒壁
77 嵌合突出部
78 螺着嵌合部材
79 螺着嵌合部材穴
80 螺着嵌合部材爪
81 螺着嵌合部材ネジ部
82 内周壁
83 円弧平面
図1
図2
図3
図4
図5
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図17