(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022171302
(43)【公開日】2022-11-11
(54)【発明の名称】ベルトクリーニング装置及びインクジェット記録装置
(51)【国際特許分類】
B41J 2/01 20060101AFI20221104BHJP
B65H 5/00 20060101ALI20221104BHJP
【FI】
B41J2/01 305
B65H5/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021077879
(22)【出願日】2021-04-30
(71)【出願人】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000925
【氏名又は名称】特許業務法人信友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松本 泰希
【テーマコード(参考)】
2C056
3F101
【Fターム(参考)】
2C056EA16
2C056HA33
3F101AB01
3F101AB07
3F101AB09
3F101LA07
3F101LB03
(57)【要約】
【課題】高速印刷可能な画像記録装置においても、搬送ベルトに付着したインクや異物をより確実に除去することができるベルトクリーニング装置、及び、そのベルトクリーニング装置を用いたインクジェット記録装置を提供する提供する。
【解決手段】搬送ベルトの表面に洗浄液を供給しながら搬送ベルトの表面を洗浄する複数の洗浄部と、少なくとも一つの洗浄部によって搬送ベルトの表面に供給された洗浄液を回収するように設けられた複数の回収部とを備える。また、複数の回収部毎に設けられると共に、搬送ベルトの周回方向において洗浄部の下流側に配置され、搬送ベルトの表面に残留する異物及び洗浄液を除去する複数の除去部材を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体を載置面に載置して周回移動しながら前記記録媒体を搬送する無端状の搬送ベルトの前記載置面を洗浄するベルトクリーニング装置であって、
前記搬送ベルトの載置面に洗浄液を供給しながら前記搬送ベルトの載置面を洗浄する複数の洗浄部と、
少なくとも一つの前記洗浄部によって前記搬送ベルトの載置面に供給された洗浄液を回収するように設けられた複数の回収部と、
前記複数の回収部毎に設けられると共に、前記搬送ベルトの周回方向において前記洗浄部の下流側に配置され、前記搬送ベルトの載置面に残留する残留物を除去する複数の除去部材と
を備えるベルトクリーニング装置。
【請求項2】
前記洗浄部は、前記搬送ベルトの載置面に洗浄液を噴射する散水部と、前記洗浄液が噴射された前記搬送ベルトの載置面を洗浄するブラシ部とを備える
請求項1に記載のベルトクリーニング装置。
【請求項3】
前記回収部毎に回収された洗浄液を再度、前記散水部に送液する送液部を備える
請求項2に記載のベルトクリーニング装置。
【請求項4】
前記回収部から前記送液部までの流路に、前記洗浄液に混入した異物を取り除くためのフィルタが設けられている
請求項3に記載のベルトクリーニング装置。
【請求項5】
前記回収部毎に、前記回収部に回収された洗浄液を貯留する貯留部が設けられており、前記貯留部には、前記貯留部に貯留した洗浄液を所定の液面高さに維持するためのオーバーフロー菅が設けられている
請求項1に記載のベルトクリーニング装置。
【請求項6】
前記複数の回収部のうち、前記搬送ベルトの周回方向における下流側における回収部には、前記搬送ベルトの主回方向における前記除去部材の下流側にさらに補助除去部材を備える
請求項1に記載のベルトクリーニング装置。
【請求項7】
記録媒体を載置面に載置して周回移動しながら前記記録媒体を搬送する無端状の搬送ベルトと、
前記搬送ベルトに載置された前記記録媒体に向けてインクを吐出し、所望の画像を形成する記録ヘッド部と、
前記搬送ベルトの周回方向における前記記録ヘッド部の下流側に設けられ、前記搬送ベルトの載置面に洗浄液を供給しながら前記搬送ベルトの載置面を洗浄する複数の洗浄部と、
少なくとも一つの前記洗浄部によって前記搬送ベルトの載置面に供給された洗浄液を回収するように設けられた複数の回収部と、
前記複数の回収部毎に設けられると共に、前記搬送ベルトの周回方向において前記洗浄部の下流側に配置され、前記搬送ベルトの載置面に残留する残留物を除去する複数の除去部材と
を備えるインクジェット記録装置。
【請求項8】
前記搬送ベルトの表面には、前記記録媒体を粘着保持するための粘着層が設けられている
請求項7に記載のインクジェット記録装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベルトクリーニング装置及びインクジェット記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
インクジェット方式による画像記録装置では、紙や布帛等の種々の記録媒体に画像を記録することが行われている。このような画像記録装置では、無端状の搬送ベルト上に記録媒体を密着させて搬送し、この記録媒体上にインクジェットヘッドからインクを吐出することで記録媒体に所望の画像を形成する。
【0003】
このようなインクジェット方式による画像記録装置では、記録媒体のミスフィード、縁無し印刷、インクの裏抜け等、様々な理由により搬送ベルト上に吐出されたインクが付着する。また、記録媒体として布帛等を用いる場合には、糸くず等の異物が搬送ベルトに付着してしまう場合もある。
【0004】
したがって、インクジェット方式による画像記録装置では、搬送ベルトに付着したインクや異物を除去するためのベルトクリーニング装置が設けられている。特許文献1では、複数の清掃手段と清掃手段毎に設けられた清掃液供給手段とを備えるインクジェット記録装置のベルトクリーニング装置が開示されている。特許文献1では、前段の清掃手段としてはローラブラシが用いられ、搬送ベルトの搬送方向におけるローラブラシの下流側に設けられる清掃手段としては吸液ローラが用いられている。特許文献1では、ローラブラシ、及び、吸液ローラが浸漬するそれぞれの清掃桶には、常時清掃液が供給される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、より印刷速度の高速化が進んだ場合、特許文献1に記載の発明では、洗浄能力が不足するという問題がある。
【0007】
そこで、本発明は、高速印刷可能なインクジェット記録装置においても、搬送ベルトに残留する残留物をより確実に除去することができるベルトクリーニング装置を提供することを目的とする。また、そのベルトクリーニング装置を用いた画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決し、本発明の目的を達成するため、本発明のベルトクリーニング装置は、記録媒体を載置して周回移動しながら記録媒体を搬送する無端状の搬送ベルトの表面を洗浄するベルトクリーニング装置である。本発明のベルトクリーニング装置は、搬送ベルトの表面に洗浄液を供給しながら搬送ベルトの表面を洗浄する複数の洗浄部と、少なくとも一つの洗浄部によって搬送ベルトの表面に供給された洗浄液を回収するように設けられた複数の回収部と、複数の回収部毎に設けられると共に、搬送ベルトの周回方向において洗浄部の下流側に配置され、搬送ベルトの表面に残留する異物及び洗浄液を掻き取る複数の掻き取り部とを備える。
【0009】
本発明のインクジェット記録装置は、記録媒体を載置して周回移動しながら記録媒体を搬送する無端状の搬送ベルトと、搬送ベルトに載置された記録媒体に向けてインクを吐出し、所望の画像を形成する記録ヘッド部とを備える。また、インクジェット記録装置は、ベルトクリーニング装置を備える。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、印刷の高速化が進んだ場合にも、搬送ベルトに残留する残留物をより確実に除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係るインクジェット記録装置の概略構成図である。
【
図2】本発明の第2の実施形態に係るインクジェット記録装置の概略構成図である。
【
図3】本発明の第3の実施形態に係るインクジェット記録装置の概略構成図である。
【
図4】本発明の第4の実施形態に係るインクジェット記録装置の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置及びベルトクリーニング装置の一例を、図面を参照しながら説明する。なお、本発明は以下の例に限定されるものではない。以下で説明する各図において、共通の部材には同一の符号を付している。
【0013】
<1.第1の実施形態>
1-1.インクジェット記録装置
図1は、本発明の第1の実施形態に係るインクジェット記録装置1の概略構成図である。
図1に示すように、本実施形態のインクジェット記録装置1は、給紙装置2と、インクジェット記録装置本体10と、排紙装置6とを備える。本実施形態のインクジェット記録装置1は、記録媒体として紙、布帛、樹脂フィルムなど、シート状の主面に着弾したインクを定着することが可能な種々のプリントメディアを適用することができる。また、本実施形態のインクジェット記録装置1では、給紙装置2において、ロール状に巻かれた記録媒体を用いた場合について記載する。
【0014】
[給紙装置]
給紙装置2は、ロール紙設置部8を備える。ロール紙設置部8では、支持軸に所望の記録媒体が巻回されて回転可能に設置されている。また、給紙装置2は、ロール紙設置部8よりもインクジェット記録装置本体10側に、複数の搬送ローラ11(
図1では1つのみ図示)で構成される用紙搬送部(図示を省略)を有している。給紙装置2では、ロール紙設置部8に設置された記録媒体は、用紙搬送部によって、インクジェット記録装置本体10側に搬送される。御部60(
図4参照)によって制御される。
【0015】
[インクジェット記録装置本体]
インクジェット記録装置本体10は、ベルト搬送装置13と、記録ヘッド部7と、ベルトクリーニング装置70とを備える。
【0016】
ベルト搬送装置13は、駆動ローラ4、従動ローラ5、及び、これらに張架された無端状の搬送ベルト3を備え、駆動ローラ4の回転によって搬送ベルト3を周回移動させる。搬送ベルト3は、周回方向と直交する方向において所定幅に構成されており、駆動ローラ4と従動ローラ5との間の外周面部分が、記録媒体の載置面3a(以下、表面と呼ぶ)となっている。
【0017】
搬送ベルト3の表面には、記録媒体を表面に密着させるための粘着層(図示を省略する)が設けられている。粘着層は、地張り剤と呼ばれる粘着剤を搬送ベルトの表面に塗布することにより形成されるものである。粘着剤としては、粘着性の樹脂、たとえば、水溶性樹脂、感圧性樹脂、感熱性樹脂等が用いられる。
【0018】
ベルト搬送装置13では、給紙装置2から搬送され、搬送ベルト3の載置面3a上に供給された記録媒体を、載置面3aに対して粘着させた状態で搬送ベルト3の周回方向に搬送する。そして、搬送ベルト3で搬送される記録媒体には、記録ヘッド部7に対向する位置において所望の画像が形成される。そして、ベルト搬送装置は、所望の画像が形成された記録媒体をさらに、排紙装置6側に搬送する。
【0019】
記録ヘッド部7は、ベルト搬送装置13における記録媒体の載置面3aに対向する位置に所定の間隔を介して配置されている。記録ヘッド部7は、複数のインクヘッド(図示を省略する)を備え、各インクヘッドのベルト搬送装置13に向かう面にはノズル面(図示を省略する)が設けられている。記録ヘッド部7では、ノズル面のノズルからインクを吐出してベルト搬送装置13に搬送されている記録媒体に対して所望の画像を記録する。
【0020】
ベルトクリーニング装置70は、ベルト搬送装置13の搬送ベルト3の近傍に配置されており、本実施形態では、駆動ローラ4と従動ローラ5との間に配置されている。また、ベルトクリーニング装置70は、搬送ベルト3の周回方向(
図1の白抜きの矢印方向)において、排紙装置6よりも下流側に配置されている。すなわち、ベルトクリーニング装置70は、ベルト搬送装置13において、記録媒体を排紙装置6側に受け渡した後の搬送ベルト3の表面をクリーニングすることが可能な位置に配置されている。
【0021】
ベルトクリーニング装置70では、搬送ベルト3の周回方向に沿って、搬送ベルト3の表面をクリーニングするための複数の部材が設けられている。ベルトクリーニング装置70の構成については後で詳述する。
【0022】
[排紙装置]
排紙装置6は、記録媒体の搬送方向におけるベルト搬送装置13の下流側に配置されるものであり、ベルト搬送装置13側から排出されてきた記録媒体を巻き取る巻き取り部9を備える。また、排紙装置6は、巻き取り部9よりもベルト搬送装置13側に、複数の搬送ローラ16(
図1では1つのみ図示)で構成される用紙搬送部(図示を省略する)を有している。ベルト搬送装置13側から排出された記録媒体は、用紙搬送部によって巻き取り部9側に搬送され、巻き取り部9は、搬送されてきた記録媒体を随時ロール状に巻き取る。
【0023】
本実施形態では、ロール状に巻かれた記録媒体を例に示したが、その他、所定のサイズに裁断された記録媒体や、折りたたまれた状態の記録媒体を用いることができる。
【0024】
なお、本実施形態では、インクジェット記録装置1として、給紙装置2及び排紙装置6を含む構成としたが、給紙装置2、排紙装置6は、それぞれ、別のユニットとして構成されてもよい。
【0025】
1-2.ベルトクリーニング装置
次に、本実施形態のベルトクリーニング装置70について説明する。本実施形態のベルトクリーニング装置70は、第1クリーニング部50と第2クリーニング部60とを備える。
【0026】
本実施形態では、第1クリーニング部50は、第1回収部51と、第1散水部58と、第1ブラシローラ52と、第1掻き取り部53と、第1貯水部54と、第1送液部56とを備える。本実施形態では、第1散水部58と第1ブラシローラ52とで、本発明の洗浄部が構成されている。また、第1掻き取り部53は、本発明の除去部材の一例を示すものである。
【0027】
第1回収部51は、搬送ベルト3側が開口され、搬送ベルト3や、後述する第1散水部58、第1ブラシローラ52、及び第1掻き取り部53から滴下する洗浄液を回収することのできる桶状の部材である。第1回収部51の搬送ベルト3側の開口部近傍には、搬送ベルト3の周回方向における上流側から下流側に順に、第1散水部58、第1ブラシローラ52、第1掻き取り部53が配列されている。
【0028】
第1散水部58は、搬送ベルト3の周回方向に直交する幅方向における全幅に渡って架け渡されたノズルを備える。第1散水部58のノズルは、搬送ベルト3の表面に対向する位置に設けられており、第1散水菅57から供給される洗浄液をノズルから搬送ベルト3の表面に向けて噴射する。本実施形態では、例えば、第1散水部58のノズルから噴射される洗浄液は、後述する第1ブラシローラ52と搬送ベルト3との間の領域に噴射される。第1散水部58から噴射される洗浄液により搬送ベルト3の表面に付着した異物を洗浄すると共に後段に配置された第1ブラシローラ52での搬送ベルト3の洗浄効果を高める。第1散水部58から搬送ベルト3に向けて供給された洗浄液は、第1回収部51内に滴下する。
【0029】
第1ブラシローラ52(本発明のブラシ部)は、第1散水部58よりも搬送ベルト3の周回方向における下流側に設けられている。第1ブラシローラ52は、搬送ベルト3の周回方向に直交する幅方向における全幅に渡って架け渡された回転軸にブラシ束が設けられたローラ状のブラシであり、ブラシの先端が、搬送ベルト3の表面に接触するように配置されている。第1ブラシローラ52は、常時、搬送ベルト3の表面に接触した状態で回転する。
【0030】
第1ブラシローラ52は、例えば、搬送ベルト3との接触位置において、搬送ベルト3の移動方向と反対方向に回転するように構成されており、所定の速度で回転駆動されることにより、搬送ベルト3の表面をブラシによって摺擦する。これにより、第1散水部58による洗浄液の散水によって洗浄された異物を搬送ベルト3の表面から除去する。第1ブラシローラ52で除去された異物を含む洗浄液は、第1回収部51内に滴下する。
【0031】
第1掻き取り部53は、第1ブラシローラ52よりも搬送ベルト3の周回方向における下流側に設けられている。第1掻き取り部53は、例えば、ゴム等の弾性部材、PETシート等によって構成された平板状の部材(いわゆる、スクレーパー)で構成されており、搬送ベルト3の周回方向に直交する幅方向における全幅に架け渡されている。第1掻き取り部53の先端は、搬送ベルト3の表面に接触するように配置されており、搬送ベルト3に残留する洗浄液及び異物を掻き取り可能に設けられている。第1掻き取り部53によって搬送ベルト3表面から掻き取られた異物を含む洗浄液は、第1回収部51内に滴下する。
【0032】
第1貯水部54は、第1回収部51の底面側に設けられており、第1回収部51に滴下した異物を含む洗浄液を貯留可能に構成されている。第1貯水部54には、第1散水菅57につながる排出部55が設けられている。排出部55には、異物を除去するフィルタ55aが設けられており、第1貯水部54に溜まった洗浄液は、フィルタ55aを介して第1散水菅57側に排出される。
【0033】
第1送液部56は、第1貯水部54から第1散水部58につながる第1散水菅57の途中に設けられている。第1送液部56は、送液ポンプで構成されており、第1貯水部54から排出されてきた洗浄液を第1散水部58に送液する。本実施形態では、第1散水部58から搬送ベルト3に噴射された洗浄液は、第1回収部51に滴下し、第1貯水部54、第1送液部56を介して、再度、第1散水部58から噴射されることで、再利用される。
【0034】
第2クリーニング部60は、搬送ベルト3の周回方向において、第1クリーニング部50の下流側に設けられている。第2クリーニング部60は、第2回収部61と、第2散水部68と、第2ブラシローラ62と、第2掻き取り部63aと、補助掻き取り部63bと、第2貯水部64と、第2送液部66とを備える。本実施形態では、第2散水部68と第2ブラシローラ62とで本発明の洗浄部が構成されている。また、第2掻き取り部63aは、本発明の除去部材の一例を示すものであり、補助掻き取り部63bは本発明の補助除去部材の一例を示すものである。
【0035】
第2回収部61は、搬送ベルト3の周回方向において、第1回収部51の下流側に配置されている。本実施形態では、1つの桶が隔離部59によって2つの領域に区切られることで、搬送ベルト3の周回方向にそれぞれ独立した第1回収部51と第2回収部61とが構成されている。
【0036】
第2回収部61は、第1回収部51と同様、搬送ベルト3側が開口され、搬送ベルト3や、後述する第2散水部68、第2ブラシローラ62、第2掻き取り部63a、及び補助掻き取り部63bから滴下する洗浄液を貯留することのできる桶である。第2回収部61の搬送ベルト3側の開口部近傍には、搬送ベルト3の周回方向に順に、第2散水部68、第2ブラシローラ62、第2掻き取り部63a、補助掻き取り部63bが配列されている。
【0037】
第2クリーニング部60において、第2散水部68、第2ブラシローラ62、第2掻き取り部63a、第2貯水部64、第2送液部66の構成は、それぞれ、第1散水部58、第1ブラシローラ52、第1掻き取り部53、第1貯水部54、第1送液部56の構成と同様であるので、重複説明を省略する。さらに、第2貯水部64に設けられる排出部65、排出部65に設けられるフィルタ65a、及び第2散水菅67の構成も、それぞれ、第1貯水部54に設けられる排出部55、排出部55に設けられるフィルタ55a、及び、第1散水菅57の構成と同様であるので、重複説明を省略する。
【0038】
補助掻き取り部63bは、第2掻き取り部63aよりも搬送ベルト3の周回方向における下流側に設けられている。補助掻き取り部63bは、例えば、ゴム等の弾性部材、PETシート等によって構成された平板状の部材(いわゆる、スクレーパー)で構成されており、搬送ベルト3の周回方向に直交する幅方向における全幅に架け渡されている。また、補助掻き取り部63bの先端は、搬送ベルト3の表面に接触するように配置されている。
【0039】
第2クリーニング部60では、補助掻き取り部63bが設けられることにより、第2掻き取り部63aで除去しきれなかった搬送ベルト3の表面の洗浄液や異物を除去することができる。これにより、搬送ベルト3の表面をよりきれいな状態にすることができる。
【0040】
本実施形態では、第1クリーニング部50において、第1ブラシローラ52で搬送ベルト3の表面を洗浄した後、第1掻き取り部53で洗浄液及び異物を掻き取る。これにより、第2回収部61側に汚染された洗浄液が移動することを防ぐことができる。その後、さらに、第2クリーニング部60において、第2ブラシローラ62で搬送ベルト3の表面を洗浄した後、第2掻き取り部63a及び補助掻き取り部63bで洗浄液及び異物を掻き取る。これにより、搬送ベルト3に対して、2度の洗浄工程を実施することができるため、搬送ベルト3に付着した糸くずやインク等の汚れをより確実に落とすことができる。
【0041】
印刷速度の高速化により、搬送ベルト3が高速化した場合、第1クリーニング部50のみの洗浄では異物が取り切れない場合がある。これに対し、本実施形態では、搬送ベルト3の表面に、第1クリーニング部50で取り切れなかった異物が残留していた場合にも、第2クリーニング部60において、再度、洗浄液を散水して第2ブラシローラ62で異物を除去することができる。さらに、本実施形態では、第2クリーニング部60では、第2掻き取り部63aの後段に、補助掻き取り部63bが設けられている。これにより、搬送ベルト3表面に残留した洗浄液をより確実に除去することができる。
【0042】
また、本実施形態では、第1クリーニング部50と第2クリーニング部60とにおいて、第1回収部51と第2回収部61とがそれぞれ独立して設けられている。このため、第1クリーニング部50で使用される洗浄液は第1回収部51に回収され、第1クリーニング部50内のみで循環し、第2クリーニング部60で使用される洗浄液は第2回収部61に回収され、第2クリーニング部60内のみで循環する。第1クリーニング部50における洗浄液は第2クリーニング部60の洗浄液よりも汚れやすく、より異物が混入している。このため、第1回収部51と第2回収部61とを独立した構造とすることで、第2クリーニング部60では、第1クリーニング部50よりもきれいな洗浄液を循環させることができる。このため、第1回収部51と第2回収部61とが繋がった桶を使用する場合に比較して、搬送ベルト3をよりきれいに洗浄することができる。
【0043】
また、本実施形態では、第1回収部51に第1掻き取り部53が設けらている。これにより、第2クリーニング部60における第2回収部61側に、搬送ベルト3に付着し汚染された洗浄液が移動するのを防ぐことができる。これにより、第2クリーニング部60の第2回収部61に貯留する洗浄液を第1回収部51に貯留する洗浄液よりもきれいな状態で維持することができる。
【0044】
本実施形態では、第1ブラシローラ52及び第2ブラシローラ62は、搬送ベルト3と接触する位置において搬送ベルト3の移動方向と反対方向に回転する構成としたが、これに限られるものではなく、同方向に回転する構成としてもよい。また、本実施形態では、洗浄部としてブラシローラを用いる例としたが、例えばカップ部材に束ねられたブラシ毛が保持されたカップブラシを複数個配置する例としてもよく、種々の洗浄部を適用することができる。
【0045】
また、本実施形態では、除去部材として、スクレーパーで構成された第1掻き取り部53及び第2掻き取り部63aを用い、補助除去部材として、スクレーパーで構成された補助掻き取り部63bを用いる例としたが、これに限られるものではない。除去部材及び補助除去部材は、それぞれ、スポンジ等の吸液性を有する素材で構成されたローラ状の吸水ローラで構成してもよい。
【0046】
さらに、本実施形態では、第1回収部51及び第2回収部61に滴下した洗浄液を、それぞれ第1散水部58又は第2散水部68から搬送ベルト3に再度噴射する構成としたが、洗浄液の搬送ベルト3への供給方法は、これに限られるものではない。以下に、搬送ベルト3への洗浄液の供給方法が異なる例について説明する。
【0047】
<2.第2の実施形態>
図2は、本発明の第2の実施形態に係るインクジェット記録装置100の概略構成図である。本実施形態のインクジェット記録装置100は、第1の実施形態に係るインクジェット記録装置1と、ベルトクリーニング装置110における搬送ベルト3への洗浄液の供給方法が異なる例である。
図2において、
図1に対応する部分には同一符号を付し、重複説明を省略する。
【0048】
本実施形態におけるベルトクリーニング装置110は、第1クリーニング部111と第2クリーニング部121とを備える。第1クリーニング部111は、第1回収部51と、第1回収部51内において、搬送ベルト3の周回方向における上流側から下流側に順に設けられた第1ブラシローラ52と、第1掻き取り部53とを備える。第1回収部51には、洗浄液が貯留されており、第1ブラシローラ52の搬送ベルト3に当接する側とは反対側の下部が一部洗浄液に浸漬している。本実施形態では、第1ブラシローラ52が、本発明の洗浄部を構成している。
【0049】
また、第2クリーニング部121は、第2回収部61と、第2回収部61内において、搬送ベルト3の主回方向における上流側から下流側に順に設けられた第2ブラシローラ62と、第2掻き取り部63aと、補助掻き取り部63bとを備える。第2回収部61には、第1回収部51と同様、洗浄液が貯留されており、第2ブラシローラ62の搬送ベルト3に当接する側とは反対側の下部が一部洗浄液に浸漬している。本実施形態では、第2ブラシローラ62が本発明の洗浄部を構成している。
【0050】
本実施形態では、第1クリーニング部111において、第1ブラシローラ52が、回転時に洗浄液を掻き上げながら搬送ベルト3に当接することで、搬送ベルト3に洗浄液が供給される。したがって、本実施形態では、第1ブラシローラ52において、搬送ベルト3への洗浄液の供給が為されると共に、搬送ベルト3に付着した異物が除去される。
【0051】
また、第2クリーニング部121においても、第1クリーニング部111と同様、第2ブラシローラ62が、回転時に洗浄液を掻き上げながら搬送ベルト3に当接することで、搬送ベルト3に洗浄液が供給される。これにより、第2クリーニング部121においても、第1クリーニング部111と同様、第2ブラシローラ62において、搬送ベルト3への洗浄液の供給が為されると共に、搬送ベルト3に付着した異物が除去される。
【0052】
本実施形態では、送液ポンプが必要ないため、ベルトクリーニング装置110の構成の簡素化が図られる。その他、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0053】
<3.第3の実施形態>
図3は、本発明の第3の実施形態に係るインクジェット記録装置200の概略構成図である。本実施形態のインクジェット記録装置200は、第1の実施形態に係るインクジェット記録装置1と、ベルトクリーニング装置210における搬送ベルト3への洗浄液の供給方法が異なる例である。
図3において、
図1に対応する部分には同一符号を付し重複説明を省略する。
【0054】
本実施形態におけるベルトクリーニング装置210は、第1クリーニング部220と第2クリーニング部230とを備える。第1クリーニング部220は、第1回収部51と、第1回収部51内において、搬送ベルト3の周回方向における上流側から下流側に順に設けられた、第1散水部58と、第1ブラシローラ52と、第1掻き取り部53とを備える。さらに、第1クリーニング部220は、第1貯留部202と、第1流量調整部205と、第1送液部56とを備える。また、第1クリーニング部220は、第1排出菅204、第1供給菅201、第1オーバーフロー菅203、第1散水菅57を有する。
【0055】
第1流量調整部205は、洗浄液供給タンク(図示を省略する)から洗浄液供給菅216を介して供給されてくる洗浄液の流量を調整しながら、第1供給菅201側に洗浄液を供給する。第1供給菅201は、一端が第1流量調整部205に接続され、他端が、第1貯留部202の内部に設けられている。第1供給菅201側に排出された洗浄液は、第1供給菅201から第1貯留部202に供給される。
【0056】
第1貯留部202は、第1排出菅204から送られてきた洗浄液及び第1供給菅201から送られてきた洗浄液を貯留する容器であり、第1供給菅201と、第1オーバーフロー菅203と、第1散水菅57とが接続されている。第1排出菅204は、一方の端部が第1回収部51の低部側に接続されており、他方の端部が第1貯留部202に接続されている。これにより、第1回収部51の低部に溜まった洗浄液は常時、第1貯留部202に排出される。
【0057】
第1オーバーフロー菅203は、一方の端部側において、その軸方向が、第1貯留部202の内部において第1貯留部202の鉛直方向に平行となるように配置されており、一方の端部が、第1貯留部202の低部から所定の高さの位置にくるように設置されている。また、第1オーバーフロー菅203の他方の端部は、一方の端部よりも鉛直方向における下方向において、図示を省略する排水タンクに接続されている。
【0058】
第1貯留部202内において、第1オーバーフロー菅203の一方の端部の高さ以上に洗浄液が貯留された場合には、洗浄液は、第1オーバーフロー菅203を介して排出タンクに排出される。これにより、第1貯留部202内に貯留される洗浄液の液面が第1オーバーフロー菅203の一方の端部の高さ以下に保持される。
【0059】
さらに、第1貯留部202に貯留した洗浄液は、第1送液部56を介して第1散水菅57を経て第1散水部58から搬送ベルト3表面に噴射される。
【0060】
一方、第2クリーニング部230は、第2回収部61と、第2回収部61内において、搬送ベルト3の周回方向における上流側から下流側に順に設けられた、第2散水部68と、第2ブラシローラ62と、第2掻き取り部63aと、補助掻き取り部63bとを備える。さらに、第2クリーニング部230は、第2貯留部212と、第2流量調整部215と、第2送液部66とを備える。また、第2クリーニング部230は、第2排出菅214と、第2供給菅211と、第2オーバーフロー菅213と、第2散水菅67とを有する。
【0061】
第2クリーニング部230における第2貯留部212、第2流量調整部215の構成は、第1クリーニング部220における第1貯留部202、第1流量調整部205の構成と同様である。さらに、第2クリーニング部230における第2排出菅214、第2供給菅211、及び、第2オーバーフロー菅213の構成は、それぞれ、第1クリーニング部220における第1排出菅204、第1供給菅201、及び第1オーバーフロー菅203の構成と同様である。第2流量調整部215は、洗浄液供給菅216に接続されている。
【0062】
第2クリーニング部230においても、第1クリーニング部220と同様、洗浄液供給菅216を介して洗浄液供給タンク(図示を省略する)から供給された洗浄液が第2流量調整部において流量調整され、第2供給菅211側に排出される。第2供給菅211側に排出された洗浄液は、第2貯留部212に供給される。また、第2クリーニング部230においても、第2オーバーフロー菅213により、内部に貯留されている洗浄液の液面が一定以下に保持されている。そして、第2貯留部212に貯留した洗浄液は、第2送液部66を介して第2散水菅67から搬送ベルト3表面に噴射される。
【0063】
ここで、第1流量調整部205、及び第2流量調整部215における流量の調整は、手動で行われてもよく、また、洗浄液の汚染度によって自動的に変更されるものであってもよい。洗浄液の汚染度によって自動的に変更する場合には、例えば、第1回収部51及び第2回収部61のそれぞれに濃度検知部を設置しておき、汚染濃度に応じて流量を可変させるように設定する。例えば、汚染濃度が規定値よりも高ければ、流量を基準値よりも多く設定し、汚染濃度が規定値よりも低ければ、流量を基準値よりも低く(又はゼロに)設定する。さらに、第1流量調整部205における流量と、第2流量調整部215における流量とは、それぞれ異ならせてもよく、同じであってもよい。また、場合によっては、第1供給菅201及び/又は第2供給菅211からの新たな洗浄液の供給を止めてもよい。
【0064】
本実施形態では、第1貯留部202及び第2貯留部212には、それぞれ、第1流量調整部205及び第2流量調整部215を介して新たな洗浄液が供給される。そして、第1貯留部202では、第1オーバーフロー菅203の一方の端部よりも貯留されている洗浄液の液面が高くなった場合には、随時洗浄液は排出される。同様に、第2貯留部212では、第2オーバーフロー菅213の他方の端部よりも貯留されている洗浄液の液面が高くなった場合には、随時洗浄液が排出される。これにより、古い洗浄液を排出させながら新たな洗浄液を随時供給することができるため、洗浄液の汚染濃度を低く保持することができる。これにより、第1クリーニング部220及び第2クリーニング部230における洗浄能力をより高めることができる。その他、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0065】
<4.第4の実施形態>
図4は、本発明の第4の実施形態に係るインクジェット記録装置300の概略構成図である。本実施形態のインクジェット記録装置300は、第3の実施形態に係るインクジェット記録装置200と、ベルトクリーニング装置310における第2オーバーフロー菅の構成が異なる例である。
図4において、
図1~
図3に対応する部分には同一符号を付し重複説明を省略する。
【0066】
本実施形態のベルトクリーニング装置310は、第1クリーニング部320と第2クリーニング部330とを備える。そして、本実施形態のベルトクリーニング装置310では、第2貯留部212に設けられる第2オーバーフロー菅301の他方の端部が第1貯留部202に接続されている点で、第3の実施形態と異なる。
【0067】
第2オーバーフロー菅301は、一方の端部側において、その軸方向が、第2貯留部21の内部において第2貯留部212の鉛直方向に平行となるように配置されており、一方の端部が、第2貯留部212の低部から所定の高さの位置にくるように設置されている。また、第2オーバーフロー菅301の他方の端部は、一方の端部よりも鉛直方向における下方向において、第1貯留部202に接続されている。第1貯留部202側では、第2オーバーフロー菅301の端部は、第1貯留部202内に設置される第1オーバーフロー菅203の一方の端部よりも鉛直方向における上側に接続されている。
【0068】
本実施形態では、第2貯留部212においてオーバーフローした洗浄液は、第2オーバーフロー菅301を介して第1貯留部202に供給される。第1クリーニング部320に比較して第2クリーニング部330では、洗浄液の汚染速度が緩やかである。したがって、第1クリーニング部320で第1回収部51に排出される洗浄液よりも比較的きれいな洗浄液を、第2貯留部212から第1貯留部202に供給することができる。このため、洗浄液供給タンク(図示を省略する)から供給される新たな洗浄液の消費速度を緩やかにすると共に、排出タンク(図示を省略する)に排出される洗浄液の排出速度を緩やかにすることができる。これにより、本実施形態のベルトクリーニング装置では、汚染の少ない洗浄液を再利用することができるため、洗浄性能を安定させた状態で長時間使用することができる。
【0069】
その他、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0070】
上述した実施形態では、搬送ベルト3の表面に粘着層を形成し、粘着層に記録媒体を密着させて搬送する例としたが、これに限られるものではない。例えば、搬送ベルト3において、記録媒体を静電吸着して保持する構成や、摩擦や吸引等によって保持する構成であっても、本発明のベルトクリーニング装置を適用することができる。上述した実施形態のように粘着層を有する搬送ベルトを使用する場合には、糸くず等が付着しやすいという特徴があり、本発明のベルトクリーニング装置の構成がより効果的である。
【0071】
また、上述した実施形態では、ベルクリーニング装置を、第1クリーニング部及び第2クリーニング部の2つのクリーニング部で構成する例としたが、2以上のクリーニング部で構成してもよい。この場合も、それぞれのクリーニング部が、それぞれ独立した回収部、及び、その回収部内において、搬送ベルトの周回方向における下流側に順に設けられた洗浄部、掻き取り部を有することにより、本発明の効果を得ることができる。
【0072】
また、上述の実施形態では、第2クリーニング部において、補助掻き取り部63bを設ける構成としたが、補助掻き取り部63bが無い構成においても本発明の効果を得ることができる。さらに、第2クリーニング部における補助掻き取り部63bの後段に、例えばスポンジ状の部材で構成された吸水部材を、搬送ベルト表面に当接するように配置してもよい。これにより、搬送ベルト3の表面の水滴をより確実に除去することができる。
【0073】
上述した実施形態は、本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。例えば、実施形態の構成の一部を他の構成に置き換えることが可能であり、また、実施形態の構成について他の構成を加えることも可能である。また、実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【符号の説明】
【0074】
1、100、200、300…インクジェット記録装置、2…給紙装置、3…搬送ベルト、3a…載置面、4…駆動ローラ、5…従動ローラ、6…排紙装置、7…記録ヘッド部、8…ロール紙設置部、9…巻き取り部、13…ベルト搬送装置、21…第2貯留部、50…第1クリーニング部、51…第1回収部、52…第1ブラシローラ、53…第1掻き取り部、54…第1貯水部、55…排出部、55a…フィルタ、56…第1送液部、57…第1散水菅、58…第1散水部、60…第2クリーニング部、61…第2回収部、62…第2ブラシローラ、63a…第2掻き取り部、63b…補助掻き取り部、64…第2貯水部、65…排出部、65a…フィルタ、66…第2送液部、67…第2散水菅、68…第2散水部、203…第1オーバーフロー菅、205…第1流量調整部、213…第2オーバーフロー菅、215…第2流量調整部、216…洗浄液供給菅