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特開2022-171308電動弁駆動装置の給電方法および電動弁駆動装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022171308
(43)【公開日】2022-11-11
(54)【発明の名称】電動弁駆動装置の給電方法および電動弁駆動装置
(51)【国際特許分類】
   H02J 50/10 20160101AFI20221104BHJP
   H02J 50/20 20160101ALI20221104BHJP
   H02J 50/30 20160101ALI20221104BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20221104BHJP
【FI】
H02J50/10
H02J50/20
H02J50/30
H02J7/00 301D
H02J7/00 303C
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021077885
(22)【出願日】2021-04-30
(71)【出願人】
【識別番号】000228419
【氏名又は名称】日本ギア工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003063
【氏名又は名称】弁理士法人牛木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】角田 智明
【テーマコード(参考)】
5G503
【Fターム(参考)】
5G503AA04
5G503BA01
5G503BB03
5G503GB08
(57)【要約】
【課題】商用電源の停電時において、電動弁駆動装置へ制御用電力を給電することを課題とする。
【解決手段】直流電源21の電力を送電する送電部22を有する給電装置20と、前記給電装置20からの電力を非接触により受電する受電部30と、前記受電部30からの電力により駆動される制御部12と、前記制御部12により制御されるモータ4と、前記モータ4により駆動される歯車機構部3を有する電動弁駆動装置1と、を備え、商用電源が停電状態で、前記直流電源21からの電力が前記制御部12に供給されることを特徴とする電動弁駆動装置1の給電方法である。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
直流電源の電力を送電する送電部を有する給電装置と、
前記給電装置からの電力を非接触により受電する受電部と、前記受電部からの電力により駆動される制御部と、前記制御部により制御されるモータと、前記モータにより駆動される歯車機構部を有する電動弁駆動装置と、を備え、
商用電源が停電状態で、前記直流電源からの電力が前記制御部に供給されることを特徴とする電動弁駆動装置の給電方法。
【請求項2】
直流電源の電力を送電する送電部を有する給電装置からの電力を非接触により受電する受電部と、前記受電部からの電力により駆動される制御部と、前記制御部により制御されるモータと、前記モータにより駆動される歯車機構部と、を備え、
商用電源が停電状態で、前記直流電源からの電力が前記制御部に供給されることを特徴とする電動弁駆動装置。
【請求項3】
前記送電部は送電コイルを有し、
前記受電部は受電コイルを有し、
電磁誘導により前記送電部から前記受電部へ給電されることを特徴とする請求項2に記載の電動弁駆動装置。
【請求項4】
前記送電部は送電コイルとコンデンサを有し、
前記受電部は受電コイルとコンデンサを有し、
磁気共振により前記送電部から前記受電部へ給電されることを特徴とする請求項2に記載の電動弁駆動装置。
【請求項5】
前記送電部はマイクロ波送電アンテナを有し、
前記受電部はマイクロ波受電アンテナを有し、
マイクロ波により前記送電部から前記受電部へ給電されることを特徴とする請求項2に記載の電動弁駆動装置。
【請求項6】
前記送電部は送電光源を有し、
前記受電部は太陽電池を有し、
光エネルギーにより前記送電部から前記受電部へ給電されることを特徴とする請求項2に記載の電動弁駆動装置。




【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、火力発電所や石油化学工場等の各種プラントに使用される電動弁駆動装置の給電方法および電動弁駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
火力発電所や石油化学工場等のプラントでは、配管内を流れる水や蒸気など流体の流れを制御するため、数多くの電動弁駆動装置が使用されている。このような電動弁駆動装置には、減速歯車機構としてウォーム歯車が採用され、通常の運転モードでは電動モータの回転をウォーム歯車により減速し、バルブを開閉操作している。
【0003】
しかし、台風の襲来など自然災害によるだけでなく、設備機器の故障等によっても各種プラントの商用電源は一部エリアにおいて停電することがある。商用電源の停電というような事態であっても、緊急操作を必要とするバルブにおいては、モータによる駆動に替えてバルブを手動操作しなければならない。このような事態は十分想定され得るものであって、電動弁駆動装置には、商用電源の停電時において手動操作するためのハンドホイールが標準的に備えられている。
【0004】
また、電動弁駆動装置にはバルブ開度を表示するための開度計が標準的に備えられている。バルブの開閉操作において、バルブ開度はもっとも重要な制御情報であり、電気信号等により中央制御室へ送信されるだけでなく、現場でも視認できるよう電動弁駆動装置には開度計が備えられている。
【0005】
電動弁駆動装置に備えられる開度計の形式は時代の経過とともに変遷する。電動弁駆動装置の電装品としてアナログ機器が採用されていた時代にあっては、指示針の動きにより開度を示す機械式開度計が採用されていた。他方、近年のように電動弁駆動装置の電装品として電子機器が採用されるようになると、機械式開度計に替えて液晶表示器などの電子式開度計が採用されるようになった。機械式開度計であれば商用電源の停電時であっても指示針により開度を視認できるが、電子式開度計では停電すると開度計としてまったく機能し得ない。制御電源は電動弁駆動装置に組み込まれたスイッチング電源等により商用電源から供給されるため、商用電源が停電するとスイッチング電源も機能せず、制御電源が失われて開度計等の電子式表示器は機能しなくなる。
【0006】
商用電源が停電した場合、モータ駆動によるバルブの操作はできなくなるが、ハンドホイールを手動操作してバルブを開閉しなければならないこともある。手動操作されるとバルブの開度は変化することになるが、停電によりバルブの開度は表示されない。また、手動操作をする必要がない場合であっても、停電時においてバルブ開度等を知覚したいことがある。しかし、電子式開度計が採用された電動弁駆動装置では、商用電源が停電すると、バルブ開度等を知覚することができない。
【0007】
そこで、商用電源の停電時においても制御電源を確保するため、電動弁駆動装置内に電池を備えたものがある(例えば、特許文献1)。また、電動弁駆動装置内にスーパーキャパシタとか、ウルトラキャパシタと称される大容量のキャパシタを備え、商用電源の停電対策としたものがある(例えば、特許文献2)。
【0008】
しかし、電池を備えた電動弁駆動装置であっても、停電発生前に電池が放電していて、実際に停電した際には開度情報等を表示できない場合がある。また、充電可能な二次電池を備えた電動弁駆動装置では、電池の放電後に十分な充電を行うのに長時間を要するという問題がある。
【0009】
また、電動弁駆動装置の内部にキャパシタを備える場合は、キャパシタの蓄電エネルギー密度が低いため、長時間の電力供給を賄える電源とするのは難しい。さらに、蓄電エネルギー密度が低いことに起因してキャパシタは嵩張るため、小型化の要請が強い電子式の電動弁駆動装置に採用するのは困難という問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特公平7-111653号公報
【特許文献2】特表2009-543004号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、上述した従来技術が有する問題に鑑み、商用電源の停電時において、電動弁駆動装置の制御用電源を可搬型の給電装置により非接触で給電することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明による電動弁駆動装置の給電方法は、直流電源の電力を送電する送電部を有する給電装置と、前記給電装置からの電力を非接触により受電する受電部と、前記受電部からの電力により駆動される制御部と、前記制御部により制御されるモータと、前記モータにより駆動される歯車機構部を有する電動弁駆動装置と、を備え、商用電源が停電状態で、前記直流電源からの電力が前記制御部に供給されることを特徴とするものである。
【0013】
本発明による電動弁駆動装置は、直流電源の電力を送電する送電部を有する給電装置からの電力を非接触により受電する受電部と、前記受電部からの電力により駆動される制御部と、前記制御部により制御されるモータと、前記モータにより駆動される歯車機構部と、を備え、商用電源が停電状態で、前記直流電源からの電力が前記制御部に供給されることを特徴とするものである。
【0014】
また、本発明による電動弁駆動装置は、前記送電部は送電コイルを有し、前記受電部は受電コイルを有し、電磁誘導により前記送電部から前記受電部へ給電されることを特徴とする。
【0015】
また、本発明による電動弁駆動装置は、前記送電部は送電コイルとコンデンサを有し、前記受電部は受電コイルとコンデンサを有し、磁気共振により前記送電部から前記受電部へ給電されることを特徴とする。
【0016】
また、本発明による電動弁駆動装置は、前記送電部はマイクロ波送電アンテナを有し、前記受電部はマイクロ波受電アンテナを有し、マイクロ波により前記送電部から前記受電部へ給電されることを特徴とする。
【0017】
また、本発明による電動弁駆動装置は、前記送電部は送電光源を有し、前記受電部は太陽電池を有し、光エネルギーにより前記送電部から前記受電部へ給電されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、商用電源の停電時においても、運転係員等が給電装置を現場に携行し、電動弁駆動装置の制御電源に対し非接触で給電することができる。したがって、停電時に手動操作する必要のあるバルブであっても、バルブの開度情報等を表示できる。また、バルブの位置リミット等の制御値の設定変更を行うことができる。また、非接触で給電できることからケーブル接続作業は不要であり、現場での準備作業を短時間で行うことができる。さらに、非接触給電であるから、プラントの防爆エリアであっても安全に給電することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明に係る電動弁駆動装置の外観斜視図である。
図2】本発明に係る給電方法および電動弁駆動装置を示すブロック図である。
図3】電磁誘導方式による給電方法を示すブロック図である。
図4】磁気共振方式による給電方法を示すブロック図である。
図5】マイクロ波方式による給電方法を示すブロック図である。
図6】光伝送方式による給電方法を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について、図1図6を参照しながら説明する。図1は、本発明に係る電動弁駆動装置1の外観斜視図であり、その一部をスケルトンとして表している。電動弁駆動装置1は、装置本体のハウジング2内に歯車機構部3としてウォーム歯車を備えている。ハウジング2の一側面にはモータ4が取り付けられ、モータ軸はウォーム軸5に連結されている。ウォームホイール6にはドライブスリーブ7が内嵌され、モータ軸が回転することにより、ドライブスリーブ7を介してバルブのステムを駆動できるようになっている。
【0021】
モータ2が取り付けられた側面とは反対側のハウジング2の側面には、表示・操作部8が設けられ、この表示・操作部8の蓋体9にはバルブ開度等の制御情報を表示するための表示器10と、バルブを現場で開閉操作するためのローカル操作スイッチ類11が設けられている。また、表示・操作部8の内部には、表示器10や操作スイッチ類11を機能させるための制御回路12と、その制御回路12に直流電力を供給するためのスイッチング電源13が組み込まれている。
【0022】
また、ハウジング2の他の側面には端子箱14が設けられ、端子箱14内にはモータ4やスイッチング電源13を商用電源に接続するためのケーブル、および制御回路と中央制御室との通信を行う計装ケーブル等、を接続する端子台15が備えられている。
【0023】
また、ハウジング2の下部には、ドライブスリーブ7の回転をステムの直線動作に変換するためのスラストアダプタ16が設けられている。
【0024】
さらに、ハウジング2の上部には、バルブを手動操作するためのハンドホイール17が設けられ、ハンドホイール17はクラッチ18を介してドライブスリーブ7に結合されている。このことにより、手動でバルブを操作する必要があるときは、クラッチ18を脱状態にした後、ハンドホイール17を回転させてバルブを手動操作することができる。このような構成は、従来の電動弁駆動装置と同じである。
【0025】
図2は、本発明の給電方法および電動弁駆動装置を示すブロック図である。本発明に係る電動弁駆動装置の給電方法は、給電装置20の直流電源21からの電力を、非接触により電動弁駆動装置の制御回路12へ給電するものであり、給電装置20は直流電源21と送電部22とを有する。直流電源21には、主としてリチウムイオン電池等の二次電池が用いられる。送電部22は送電回路23を有し、直流電源21からの電流を非接触給電に適した高周波交流に変換する。
【0026】
給電装置20と電動弁駆動装置1とはケーブル等で接続されることなく、物理的に別体として構成されている。このことにより給電装置20は、運転係員等が容易に携行できるようになっている。給電装置20の二次電池は予め充電され、運転係員室等に常備されており、何らかの障害発生により商用電源が停電した際には、運転係員等が給電装置20を現場へ迅速に携行できる。
【0027】
電動弁駆動装置1は、図1について説明した従来技術としての構成に加え、本発明の特徴的構成である受電部30を備えている。受電部30で受電された電力は受電回路31を経由して制御回路12に供給される。
【0028】
給電装置20の送電部22と、電動弁駆動装置1の受電部30との間の非接触給電方法には、電磁誘導方式、磁気共振(共鳴)方式、マイクロ波方式、光伝送方式など種々の方式を使用することができる。本発明は、これら種々の方式について限定するものではなく、いずれの方式による非接触給電も含まれる。
【0029】
図3は、電磁誘導方式による非接触給電を示すブロック図である。電磁誘導方式による非接触給電の送電部22は、送電回路23と送電コイル24とを備える。送電回路23は、直流電源21からの直流を高周波交流に変換するものであり、周知技術であるインバータ回路を備える。送電コイル24は、高周波交流を流すことにより生じる磁束を、対向して配置された受電コイル31に鎖交させ、受電コイル31に誘導起電力を発生させるものである。
【0030】
受電部30は、電動弁駆動装置1の端子箱カバー19の内面に設けられた受電コイル31と、受電回路32とからなる。受電コイル31には、コア付きコイルや空芯コイルなど種々の形式のコイルを用いることができる。受電回路32は、受電コイル31で発生する高周波交流を所定電圧の直流に変換するものであり、周知技術である整流回路・平滑回路を備える。
【0031】
電磁誘導方式において効率的な非接触給電を行うためには、送電コイル24と受電コイル31とで形成される磁気回路における磁束漏れを極力少なくする必要がある。そのためには、受電コイル31に対して送電コイル24を正しい位置に対向して配置する必要がある。そこで、端子箱カバー19の外面には、給電装置20を載置するホルダー(図示省略)が設けられている。
【0032】
近年、普及が進んでいる電子式の電動弁駆動装置1の多くは、表示・操作部8の蓋体9に取付けるスイッチ類11を、蓋体9に取付孔を設けない非貫通式として蓋体9に取付けている。このようにして設けられたスイッチ類11では、磁気を利用してスイッチ類11の操作情報を表示・操作部8の内部に伝えている。また、バルブの開度センサとして磁気式エンコーダを使用しているものもある。そして、電子式の電動弁駆動装置1において、電磁誘導方式や電磁共振方式により非接触給電を行うと、磁気がスイッチやセンサの機能に悪影響を与える恐れがある場合もある。
【0033】
このような磁気による悪影響を回避するためには、受電コイル31と、スイッチ類11とを磁気遮蔽するのが有効である。そのため、受電コイル31を端子台カバー19の内面に設置するとともに、受電コイル31の内側に鉄等の磁性体33を設けて磁気遮蔽している。
【0034】
また、端子台カバー19と受電コイル31とを一体化することにより、非接触給電を後付け可能なオプションとして提供することができる。したがって、設置済の既存の電動弁駆動装置を現場にて非接触給電方法に改造することもできる。
【0035】
そして、受電コイル31で受電した電力は端子箱14内の端子台15を経由して制御回路12へ供給される。端子台カバー19は、種々の材料から製作され得るが、製作容易性や経済性からアルミニウム合金等で製作されることが多い。ただし、光伝送方式による場合には、少なくとも受電コイル31が設けられる部位について、光透過性を有する強化プラスチックまたは強化ガラス等で形成される。このことにより、防爆エリアに設置される電動弁駆動装置であっても非接触給電を行うことができる。
【0036】
図4は、磁気共振方式による非接触給電を示すブロック図である。磁気共振方式による送電部22は、キャパシタ34を含む送電回路23と、インダクタすなわち送電コイル24とを備える。また、受電部30も、キャパシタ34を含む受電回路32と、インダクタすなわち受電コイル31とを備える。磁気共振方式による非接触給電は、送電コイル24のインダクタンスLとキャパシタの静電容量CとからなるLC回路に、共振周波数に相当する交流電力を印加して振動磁場を発生させ、共鳴現象によって数波長以内の距離にある受電コイル31に給電するものである。電磁誘導方式に較べると、送電コイル24と受電コイル31との間隔、すなわち送電距離を大きくできる長所がある。
【0037】
図5は、マイクロ波方式による非接触給電を示すブロック図である。マイクロ波方式による非接触給電の送電部22は、マイクロ波発振器と増幅器を含む送電回路23と、送電アンテナ35とを備える。また、受電部30は、受電アンテナ36と受電回路32とを備える。受電回路32は、受電アンテナ36からの高周波交流を所定電圧の直流に変換するものである。
【0038】
図6は、光伝送方式による非接触給電を示すブロック図である。光伝送方式による非接触給電の送電部22は、送電回路23と送電光源37とを備える。送電回路23は送電光源37を発光させるものであり、LEDを送電光源37とする場合であれば、LED駆動回路が相当する。送電光源37はLEDに限らず、レーザーを使用することもできる。光伝送方式による非接触給電の受電部30は、太陽電池38と、受電回路32とを備える。太陽電池38は市販されている汎用品を用いることができるが、嵩張らないためには光電変換効率が高いものが好ましい。受電回路32は、太陽電池38で発生する直流の電力を制御回路12に適した所定の電圧に変換するものである。
【0039】
つぎに、本発明の電動弁駆動装置の給電方法について、具体的な運用手順を説明する。(1)給電装置の二次電池は、運転係員室等において、停電に備えるべく予め充電しておく。直流電源として一次電池を用いている場合には、定期的に新しい電池に交換する。
(2)商用電源が停電するか、設備障害によって一部エリアでのバルブの電源供給が断たれた場合、運転係員等が給電装置を現場へ携行する。
(3)給電装置を送電モードにして電動弁駆動装置の端子台カバーに設けられたホルダーに載置し、給電装置から電動弁駆動装置の制御部に給電されることを確認する。具体的には、電動弁駆動装置の表示器に開度情報等が表示されていることで確認する。
(4)バルブを手動で開閉操作する必要がある場合、表示器に表示されるバルブ開度を確認しながら、ハンドホイールを回転させてバルブの開閉操作を行う。
(5)制御情報の設定変更が必要な場合は、ローカル操作スイッチを操作して設定変更を行う。設定変更を行ったときは、設定内容を制御部に搭載されたメモリーに書き込み、現場作業を終了する。
(6)ホルダーに載置した給電装置を回収して運転係員室等に持ち帰り、次回の現場作業に備えて直流電源の二次電池を充電する。一次電池を使用している場合には、必要に応じて新しい電池に交換する。
【0040】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上述した実施の形態に限定されるものではなく、種々の形態で実施することができる。例えば、上述した実施の形態では、電動弁駆動装置内に電池を備えていない場合について説明したが、電動弁駆動装置内に電池を備えることを排除するものではなく、電池と併用することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明に係る電動弁駆動部の給電方法および電動弁駆動装置は、各種プラントに設置される電動弁駆動装置に適用することができる。
【符号の説明】
【0042】
1 電動弁駆動装置
3 歯車機構部(ウォーム歯車)
4 モータ
12 制御部(制御回路)
20 給電装置
21 直流電源
22 送電部
24 送電コイル
30 受電部
31 受電コイル
34 コンデンサ(キャパシタ)
35 送電アンテナ
36 受電アンテナ
37 送電光源
38 太陽電池
図1
図2
図3
図4
図5
図6