(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022171336
(43)【公開日】2022-11-11
(54)【発明の名称】ユーザの運動によるコンテンツ生成装置、ユーザの運動によるコンテンツ生成方法、及び、コンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 16/9035 20190101AFI20221104BHJP
G06F 16/907 20190101ALI20221104BHJP
【FI】
G06F16/9035
G06F16/907
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021077925
(22)【出願日】2021-04-30
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 公開の事実1:令和2(2020)年9月25日に、文部科学省 革新的イノベーション創出プログラムのウェブサイト(http://www.activeforall.jp/covid-19/#covid01)に掲載 公開の事実2:令和2(2020)年5月20日に、ウェブアプリ「Biosignal Art」のをウェブサイト(https://www.biosignal-art.net/)に掲載 公開の事実3:令和2(2020)年6月6日に、産経新聞(令和2(2020)年6月6日付 朝刊,第20面(滋賀県版)に掲載 公開の事実4:令和2(2020)年7月15日に、JSTnews 2020年7月号(https://www.jst.go.jp/pr/jst-news/backnumber/2020/202007/index.html)に掲載 公開の事実5:令和2(2020)年9月20日に、YouTube(https://www.youtube.com/watch?v=TCynpgDOtjs)にて発表 公開の事実6:令和2(2020)年10月6日に、テレビ東京のワールドビジネスサテライト(WBS)(https://www.tv-tokyo.co.jp/mv/wbs/trend_tamago/post_211761/)にて発表 公開の事実7:令和2(2020)年10月24日に、第8回看護理工学会学術集会(ポスターセッション(4生体信号(2)(14:40~16:10))にて発表 公開の事実8:令和2(2020)年10月25日に、第8回看護理工学会学術集会(ポスターセッション(8情報技術(10:40~12:10))にて発表 公開の事実9:令和3(2021)年2月6日に、医療情報システム研究会 第188回例会(オンラインセミナー(第I部ICTが果たすコロナ対策(10:50~12:00))にて発表 公開の事実10:令和3(2021)年3月21日に、第11回日本腎臓リハビリテーション学会学術集会(シンポジウム(8.with COVID-19時代の在宅・オンライントレーニング(8:30~10:00)3チャンネル))にて発表 公開の事実11:令和3(2021)年4月9日に、YouTube(http://www.activeforall.jp/topics/785/)にて発表
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)令和二年度、国立研究開発法人科学技術振興機構 研究成果展開事業 センター・オブ・イノベーションプログラム『運動の生活カルチャー化により活力ある未来をつくるアクティブ・フォー・オール拠点』委託研究開発、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願 令和二年度、国立研究開発法人科学技術振興機構 研究成果展開事業 センター・オブ・イノベーションプログラム『「感動」を創造する芸術と科学技術による共感覚イノベーション拠点』委託研究開発、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(71)【出願人】
【識別番号】593006630
【氏名又は名称】学校法人立命館
(71)【出願人】
【識別番号】502285457
【氏名又は名称】学校法人順天堂
(71)【出願人】
【識別番号】505372871
【氏名又は名称】国立大学法人東京芸術大学
(74)【代理人】
【識別番号】100111567
【弁理士】
【氏名又は名称】坂本 寛
(72)【発明者】
【氏名】岡田 志麻
(72)【発明者】
【氏名】塩澤 成弘
(72)【発明者】
【氏名】王 天一
(72)【発明者】
【氏名】家門 優光
(72)【発明者】
【氏名】杉村 憲一
(72)【発明者】
【氏名】持永 海
(72)【発明者】
【氏名】町田 修一
(72)【発明者】
【氏名】沢田 秀司
(72)【発明者】
【氏名】内藤 久士
(72)【発明者】
【氏名】小川 哲夫
(72)【発明者】
【氏名】小林 達矢
【テーマコード(参考)】
5B175
【Fターム(参考)】
5B175DA10
5B175FB03
5B175HA01
5B175JA02
(57)【要約】
【課題】ユーザが達成感や意外性を感じるコンテンツをユーザの運動によって生成するコンテンツ生成装置を提供する。
【解決手段】コンテンツ生成装置1は、ユーザの運動によってコンテンツを生成する生成装置であって、プロセッサを備え、プロセッサは、ユーザの運動を、ユーザのユーザパラメータを用いて点数化し、運動の点数を用いてコンテンツを生成する、ように構成されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの運動によってコンテンツを生成する生成装置であって、
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
前記ユーザの運動を、前記ユーザのユーザパラメータを用いて点数化し、
前記運動の点数を用いてコンテンツを生成する、ように構成されている
ユーザの運動によるコンテンツ生成装置。
【請求項2】
前記ユーザの運動によってコンテンツを生成することは、
前記運動を撮影して得られた運動画像に1以上のコンテンツ要素を加えることを含み、
前記運動画像と、前記1以上のコンテンツ要素の中の少なくとも1つと、の少なくとも一方が、前記運動の点数に応じて加工されている
請求項1に記載のユーザの運動によるコンテンツ生成装置。
【請求項3】
前記ユーザの運動によってコンテンツを生成することは、
前記1以上のコンテンツ要素の中の少なくとも1つを、ユーザ操作に従って選択することを含む
請求項2に記載のユーザの運動によるコンテンツ生成装置。
【請求項4】
前記運動を点数化することは、
前記運動画像から前記ユーザの骨格を表す骨格情報を得、
前記運動に伴う前記骨格の変化と、前記運動に対して設定されている前記骨格の変化の閾値との比較に基づいて、前記運動の点数を得る、ことを含む
請求項2又は3に記載のユーザの運動によるコンテンツ生成装置。
【請求項5】
前記ユーザパラメータを用いて点数化することは、前記閾値を前記ユーザの前記ユーザパラメータに応じて調整することを含む
請求項4に記載のユーザの運動によるコンテンツ生成装置。
【請求項6】
前記ユーザパラメータは、前記ユーザの属性、前記ユーザの設定、及び、前記ユーザの運動履歴のうちの少なくとも1つに基づく
請求項5に記載のユーザの運動によるコンテンツ生成装置。
【請求項7】
前記運動を点数化することは、前記運動に対して予め設定されている複数のファクタそれぞれについての前記運動の点数を得ることを含む
請求項4~6のいずれか一項に記載のユーザの運動によるコンテンツ生成装置。
【請求項8】
前記プロセッサは、さらに、前記運動画像を、前記運動のガイドとともに表示装置に表示させる、ように構成されている
請求項2~7のいずれか一項に記載のユーザの運動によるコンテンツ生成装置。
【請求項9】
前記ガイドを表示させることは、前記運動について予め記憶されている複数のガイドの中から前記ユーザパラメータに応じて選択することを含む
請求項8に記載のユーザの運動によるコンテンツ生成装置。
【請求項10】
前記コンテンツを生成することは、前記コンテンツのファイルを、ダウンロードして保存可能に生成することを含む
請求項1~9のいずれか一項に記載のユーザの運動によるコンテンツ生成装置。
【請求項11】
ユーザの運動によるコンテンツの生成方法であって、
前記ユーザの運動を、前記ユーザのユーザパラメータを用いて点数化し、
前記運動の点数を用いてコンテンツを生成する、ことを含む
ユーザの運動によるコンテンツ生成方法。
【請求項12】
コンピュータに、ユーザの運動によってコンテンツを生成する生成処理を実行させるコンピュータプログラムであって、
前記生成処理は、
前記ユーザの運動を、前記ユーザのユーザパラメータを用いて点数化し、
前記運動の点数を用いてコンテンツを生成する、ことを含む
コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ユーザの運動によるコンテンツ生成装置、ユーザの運動によるコンテンツ生成方法、及び、コンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
通信技術の発達に伴い、様々なコンテンツが容易に入手可能になっている。そのため、より個性的なコンテンツが求められる。
【0003】
例えば、特開2019-016292号公報(以下、特許文献1)は、コンテンツに対して人が抱く感覚を数値化することによって、同様な感覚を有するコンテンツを生成するコンテンツ生成装置を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示されたような一般的なコンテンツ生成装置では、ユーザが達成感や意外性を感じるコンテンツが生成されない。
【0006】
本開示は、ユーザが達成感や意外性を感じるコンテンツをユーザの運動によって生成するコンテンツ生成装置、コンテンツ生成方法、及びコンピュータプログラムを提供するものである。
【0007】
ある実施の形態に従うと、ユーザの運動によるコンテンツ生成装置は、コンテンツを生成する生成装置であって、プロセッサを備え、プロセッサは、ユーザの運動を、ユーザのユーザパラメータを用いて点数化し、運動の点数を用いてコンテンツを生成する、ように構成されている。
【0008】
ある実施の形態に従うと、ユーザの運動によるコンテンツ生成方法は、コンテンツの生成方法であって、ユーザの運動を、ユーザのユーザパラメータを用いて点数化し、運動の点数を用いてコンテンツを生成する、ことを含む。
【0009】
ある実施の形態に従うと、コンピュータプログラムは、コンピュータに、ユーザの運動によってコンテンツを生成する生成処理を実行させるコンピュータプログラムであって、生成処理は、ユーザの運動を、ユーザのユーザパラメータを用いて点数化し、運動の点数を用いてコンテンツを生成する、ことを含む。
【0010】
更なる詳細は、後述の実施形態として説明される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、実施の形態に係るコンテンツ生成装置の構成、及び、用いられ方の一例を表した図である。
【
図2】
図2は、コンテンツ生成装置の概略構成図である。
【
図3】
図3は、ユーザの運動画像から抽出される骨格情報を説明するための図である。
【
図4】
図4は、運動を点数化するために用いられる評価情報の一例を表した図である。
【
図5】
図5は、ユーザパラメータを設定するために用いられるユーザパラメータ情報の一例を表した図である。
【
図6】
図6は、実施の形態に係るコンテンツ生成方法の具体例を表したフローチャートである。
【
図7】
図7は、コンテンツ生成装置の画面例を表した図である。
【
図8】
図8は、コンテンツ生成装置の画面例を表した図である。
【
図9】
図9は、コンテンツ生成装置で生成されるコンテンツの具体例を表した図である。
【
図10】
図10は、コンテンツ生成装置で生成されるコンテンツの具体例を表した図である。
【
図11】
図11は、コンテンツ生成装置で生成されるコンテンツの具体例を表した図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<1.ユーザの運動によるコンテンツ生成装置、ユーザの運動によるコンテンツ生成方法、及び、コンピュータプログラムの概要>
【0013】
(1)実施の形態に係るユーザの運動によるコンテンツ生成装置は、ユーザの運動によってコンテンツを生成する生成装置であって、プロセッサを備え、プロセッサは、ユーザの運動を、ユーザのユーザパラメータを用いて点数化し、運動の点数を用いてコンテンツを生成する、ように構成されている。
【0014】
コンテンツは、典型的には、デジタルコンテンツ(デジタルデータ)である。コンテンツは、例えば、音データ、画像データ、及び、文字データの少なくとも1つである。好ましくは、コンテンツは、音データ、画像データ、及び、文字データのうちの2以上の組み合わせ(マルチメディア)であること。好ましくは、2以上の組み合せは、少なくとも、画像データを含む。好ましくは、画像データは、動画データである。より好ましくは、画像データは、ユーザSの運動動画である。コンテンツの生成は、上記のコンテンツの生成である。
【0015】
ユーザの運動を点数化することは、ユーザの運動中の体の動きと、理想的な体の動きとして設定されている閾値との比較結果に応じた点を決定することを指す。具体的には、抽出されたユーザの骨格の、運動に伴う変化と、運動に対して設定されている骨格の変化の閾値と、を比較して、ユーザの運動の点数を得る、ことを含む。
【0016】
ユーザパラメータは、ユーザの運動を点数化する際に用いる閾値を調整するために用いられる情報であって、一例として、ユーザの運動に関する情報に基づいて変化させるための係数である。ユーザの運動に関する情報は、ユーザの運動に関わる属性やユーザの運動に関する設定などを含む。ユーザの運動に関わる属性は、例えば、性別、年齢、体型、などである。ユーザの運動に関する設定は、例えば、負荷の大小などの目標、運動の継続時間、などである。
【0017】
ユーザの運動の点数を用いてコンテンツを生成することは、運動の点数に応じて加工されたコンテンツ要素を用いてコンテンツの生成することを含む。運動の点数に応じて加工することは、一例として、点数が低い方が高い場合よりも、コンテンツの出来栄えを損なう方向の加工を行うことであってよい。運動の点数に応じて加工することは、他の例として、点数を表すように加工を行うことであってよい。
【0018】
運動の点数を用いてコンテンツを生成することによって、生成されるコンテンツは、ユーザの運動によって異なるものとなる。そのため、運動を行わないと生成されるコンテンツが予想できない。その結果、コンテンツ生成装置では意外性のあるコンテンツが提供できるとともに、完成度が高いほど、達成感を与えることができる。
【0019】
また、より完成度の高いコンテンツを生成するためには運動の点数を向上させる必要があるため、ユーザの運動のモチベーションを向上させることができるとともに、完成度の高いコンテンツが得られた際に達成感が得られる。
【0020】
(2)好ましくは、ユーザの運動によってコンテンツを生成することは、運動を撮影して得られた運動画像に1以上のコンテンツ要素を加えることを含み、運動画像と、1以上のコンテンツ要素の中の少なくとも1つと、の少なくとも一方が、運動の点数に応じて加工されている。このように生成されたコンテンツが再生されることによって、ユーザの運動の点数を、コンテンツを楽しみながら把握させることができる。そのため、楽しみながら運動を行うことができ、運動の効果の向上を図ることができる。
【0021】
(3)好ましくは、ユーザの運動によってコンテンツを生成することは、1以上のコンテンツ要素の中の少なくとも1つを、ユーザ操作に従って選択することを含む。これにより、ユーザの希望するコンテンツに近いコンテンツを生成することができる。
【0022】
(4)好ましくは、運動を点数化することは、運動画像からユーザの骨格を表す骨格情報を得、運動に伴う骨格の変化と、運動に対して設定されている骨格の変化の閾値との比較に基づいて、運動の点数を得る、ことを含む。これにより、ユーザの運動が点数化される。
【0023】
(5)好ましくは、ユーザパラメータを用いて点数化することは、閾値をユーザのユーザパラメータに応じて調整することを含む。これにより、ユーザの運動に関する情報に応じて運動が点数化されるため、ユーザごとに適した点数が得られる。
【0024】
(6)好ましくは、ユーザパラメータは、ユーザの属性、ユーザの設定、及び、ユーザの運動履歴のうちの少なくとも1つに基づく。これにより、ユーザの運動が、ユーザの属性、ユーザの設定、及び、ユーザの運動履歴のうちの少なくとも1つに基づいて適した点数化が行われる。
【0025】
(7)好ましくは、運動を点数化することは、運動に対して予め設定されている複数のファクタそれぞれについての運動の点数を得ることを含む。これらの複数のファクタは、一例として、運動の指導者が実際に重視するファクタである。一般的に、1つの運動に対して重視する複数のファクタがあるものである。これにより、1つの運動に対し、設定されている複数のファクタそれぞれについて点数化される。
【0026】
(8)好ましくは、プロセッサは、さらに、運動画像を、運動のガイドとともに表示装置に表示させる、ように構成されている。この表示を見ながら運動することで、ユーザは理想的な運動に近い運動を行うことが可能になる。また、この表示を見ることで、ユーザの運動と理想的な運動との相違が容易に把握される。
【0027】
(9)好ましくは、ガイドを表示させることは、運動について予め記憶されている複数のガイドの中からユーザパラメータに応じて選択することを含む。これにより、ユーザに適した運動をガイドすることが可能になる。
【0028】
(10)好ましくは、コンテンツを生成することは、コンテンツのファイルを、ダウンロードして保存可能に生成することを含む。これにより、生成されたコンテンツを様々なタイミングや様々な場所で再生することができる。
【0029】
(11)実施の形態に係るユーザの運動によるコンテンツ生成方法は、(1)~(10)に記載のユーザの運動によるコンテンツ生成装置におけるコンテンツの生成方法である。この方法によって、(1)~(10)に記載のユーザの運動によるコンテンツ生成装置でのコンテンツの生成が実現される。
【0030】
(12)実施の形態に係るコンピュータプログラムは、コンピュータを(1)~(10)に記載のユーザの運動によるコンテンツ生成装置として機能させるコンピュータプログラムである。このコンピュータプログラムによって、(1)~(10)に記載のユーザの運動によるコンテンツ生成装置でのコンテンツの生成が実現される。
【0031】
<2.ユーザの運動によるコンテンツ生成装置、ユーザの運動によるコンテンツ生成方法、及び、コンピュータプログラムの例>
【0032】
図1を参照して、本実施の形態に係るユーザの運動によるコンテンツ生成装置(以下、コンテンツ生成装置)1は、カメラ5に接続され、カメラ5によってユーザSの運動を撮影することで得られた運動画像の入力を受け付ける。コンテンツ生成装置1は、ユーザSの運動を点数化し、運動の点数を用いてコンテンツを生成する。
【0033】
コンテンツ生成装置1によって生成されるコンテンツは、典型的には、デジタルコンテンツ(デジタルデータ)である。コンテンツは、例えば、音データ、画像データ、及び、文字データの少なくとも1つである。好ましくは、コンテンツは、音データ、画像データ、及び、文字データのうちの2以上の組み合わせ(マルチメディア)であること。好ましくは、2以上の組み合せは、少なくとも、画像データを含む。好ましくは、画像データは、動画データである。より好ましくは、画像データは、ユーザSの運動動画である。コンテンツ生成装置1によるコンテンツの生成は、上記のコンテンツの生成である。
【0034】
コンテンツ生成装置1は、生成したコンテンツを提供する。コンテンツを提供することは、例えば、接続されたディスプレイ14にコンテンツを表示することを含む。また、コンテンツを生成することは、例えば、コンテンツファイルCを生成してダウンロード可能に記憶することを含んでもよい。この場合、コンテンツを提供することは、他の例として、インターネットなどの通信網7によって有線で接続されたり、無線接続されたりすることによって通信可能な端末装置9などの他の装置に、コンテンツファイルCを送信することを含む。
【0035】
コンテンツ生成装置1は、一例として、プロセッサ11とメモリ12とを有するコンピュータで構成される。メモリ12は、一次記憶装置であってもよいし、二次記憶装置であってもよい。メモリ12は、プロセッサ11によって実行されるコンピュータプログラム(以下、プログラム)121を記憶している。
【0036】
メモリ12は、さらに、後述する評価情報EIを記憶する評価情報記憶部122を有している。また、メモリ12は、コンテンツを生成する際に用いられるコンテンツ要素が登録されているコンテンツ要素データベース(DB)123を有している。また、メモリ12は、生成したコンテンツをダウンロード可能に記憶するためのコンテンツ記憶部124を有している。好ましくは、メモリ12は、ユーザSの運動の履歴を記憶するためのユーザ履歴記憶部125を有している。
【0037】
コンテンツ生成装置1は、通信装置13を含む。通信装置13は、通信網7を介して端末装置9などの他の装置と通信する。
【0038】
コンテンツ生成装置1は、カメラ5に接続され、撮影データの入力を受け付ける。カメラ5によって撮影され、入力されるユーザSの運動画像は、後述するコンテンツ生成処理においてコンテンツ素材の1つとして用いられる。
【0039】
コンテンツ生成装置1は、カメラ5の撮影を制御してもよい。この場合、コンテンツ生成装置1からカメラ5に制御信号が送信される。カメラ5は、その制御信号に従って動作する。
【0040】
コンテンツ生成装置1は、ディスプレイ14に接続されている。また、コンテンツ生成装置1は、スピーカ15に接続されていてもよい。ディスプレイ14及びスピーカ15は、コンテンツの出力装置の一例である。ディスプレイ14及びスピーカ15はプロセッサ11に接続され、プロセッサ11の制御に従ってコンテンツを出力する。
【0041】
コンテンツ生成装置1は、入力装置16に接続されている。入力装置16は、ユーザ操作を受け付けて、操作に従った信号をプロセッサ11に入力する。入力装置16は、マウスやキーボードやタッチパネルなどである。入力装置16は、カメラ5を利用してもよい。例えば、特定の位置に顔が入った撮影画像が入力されることで、プロセッサ11は、特定のユーザ操作と識別してもよい。
【0042】
プロセッサ11は、メモリ12に記憶されているプログラム121を実行することで、コンテンツ生成処理を実行する。本実施の形態に係るコンテンツ生成方法に従うコンテンツ生成処理は、ユーザの運動を、前記ユーザのユーザパラメータを用いて点数化し、運動の点数を用いてコンテンツを生成することを含む。
【0043】
詳しくは、コンテンツ生成処理は、計測処理111を含む。計測処理111は、一例として、ユーザSの運動画像からユーザSの運動を計測することを含む。具体的には、計測処理111は、ユーザSの運動画像からユーザSの関節を識別し、識別された関節に基づいて骨格を抽出することによって、骨格情報を得ることを含む。計測処理111は、他の例として、ユーザSに取り付けた図示しない筋電センサや血圧計などから得たセンサ信号に基づいてユーザSの運動を計測することを含んでもよい。
【0044】
詳しくは、プロセッサ11は、ユーザSの運動画像として、
図3の第1の画像21及び第2の画像22を得たものとする。第1の画像21及び第2の画像22は、それぞれ、ユーザSがスクワットを行った際の、静止立位及びスクワット姿勢における撮影画像を表している。
【0045】
プロセッサ11は、一例として画像解析を行って、人体の各領域間の距離や、各領域の所定方向の長さなどに基づいて各関節点を推定する。具体例として、手首の関節31、肘の関節32、肩の関節33、腰の関節34、膝の関節35、及び、足首の関節36を、左右それぞれ識別する。
【0046】
他の例として、ユーザSが上記各位置にマーカを予め装着しておき、プロセッサ11は、運動画像中のマーカを解析することによって各関節点を識別するようにしてもよい。
【0047】
プロセッサ11は、運動画像から識別された関節31~36を、予め設定された順に接続することによって、ユーザSの骨格を抽出する。計測処理111は、抽出した骨格の、運動中の変化を表す骨格情報を、ユーザSの運動の履歴としてユーザ履歴記憶部125に記憶することを含む。
【0048】
コンテンツ生成処理は、表示処理112を含む。表示処理112は、計測中にディスプレイ14に運動画像を表示させるとともに、ユーザSの運動のガイドを表示することを含む。ガイドは、運動中のユーザSに、腰などの体の部位の、運動に応じた適切な位置を示すものである。ガイドは、一例として、画像によるガイドであってよい。画像によるガイドは、例えば、腰などの体の部位の適切な位置の変化を示す直線などのマークであってもよいし、理想的な運動を行っているモデルの画像であってもよい。
【0049】
好ましくは、プロセッサ11は複数のガイドを予め記憶しており、表示処理112は、表示するガイドを選択することを含む。複数のガイドは、一例として、複数種類の運動それぞれに対応した異なるガイドである。この場合、ガイドを選択することは、ユーザSが行う運動に応じたガイドを選択することを含む。
【0050】
複数のガイドは、他の例として、同一の運動についての複数種類の異なる画像である。複数のガイドは、他の例として、1つの画像の異なる表示方法である。表示方法は、例えば、表示のサイズや表示色などである。
【0051】
この場合、ガイドを選択することは、ユーザSに関する情報に応じたガイドを選択することを含む。一例として、プロセッサ11は、ユーザSに関する情報とガイドとの対応関係を予め記憶しており、ユーザSに関する情報に基づいて複数の画像の中からガイドとする画像を選択してもよいし、ガイドとする表示方法を選択してもよい。
【0052】
ここで用いられるユーザSに関する情報は、後述の点数化処理113で用いられるものと同じであってもよい。ユーザSに関する情報は、一例として、ユーザ属性である。ユーザ属性は、ユーザSの性別、年齢、年齢帯、体重、などである。ユーザSに関する情報は、他の例として、ユーザSによって設定された情報である。ユーザSによって設定された情報は、例えば、運動の負荷の目標である。ユーザSに関する情報は、他の例として、ユーザ履歴記憶部125に記憶されている、ユーザSの運動の履歴である。
【0053】
好ましくは、ガイドを表示することは、ユーザSの運動に適した速度で表示を変化させることを含む。運動には適した速度(リズム)があり、ガイドの表示では、好ましくは、運動時の関節の位置のガイドのみならず、運動のリズムのガイドも行われる。ガイドの表示の変化の速度も、好ましくは、上記のユーザSに関する情報に基づいて決定される。例えば、ユーザSの年齢が低い方が、高い場合よりも表示の変化を速くする、などのガイド表示を行ってもよい。
【0054】
コンテンツ生成処理は、点数化処理113を含む。点数化処理113は、ユーザSの運動を、ユーザSのユーザパラメータを用いて点数化することを含む。ユーザSの運動を点数化することは、ユーザの運動中の体の動きと、理想的な体の動きとして設定されている閾値との比較結果に応じた点を決定することを指す。具体的には、抽出されたユーザSの骨格の、運動に伴う変化と、運動に対して設定されている骨格の変化の閾値とを比較して、ユーザSの運動の点数を得る、ことを含む。点数化処理113によって得られたユーザSの運動の点数は、ユーザSの運動の履歴としてユーザ履歴記憶部125に記憶されてもよい。
【0055】
点数化処理113に用いられる骨格の変化の閾値は、評価情報EIとして評価情報記憶部122に記憶されている。評価情報EIは、運動ごとに、付与する点数に対応した骨格の変化の閾値を規定した情報である。
図4を参照して、一例として、評価情報EIは、表形式のデータであって、点数ごとに骨格の変化の閾値を規定している。具体的には、0点から4点まで付与する点が定められており、点数ごとに骨格の変化の閾値を規定している。他の例として、評価情報EIは、骨格の変化を示す値を代入することによって0点から4点まで付与する点が得られる演算式で記憶されていてもよい。
【0056】
好ましくは、評価情報EIは、運動ごとに、複数のファクタそれぞれについて、点数ごとに骨格の変化の閾値を規定している。具体的には、
図4を参照して、運動がスクワットの場合、複数のファクタは、膝の幅、リズム、腰の高さ、及び、呼吸を含む。運動がショルダープレスの場合、複数のファクタは、腕の角度、リズム、腕の初期姿勢、及び、呼吸を含む。これらの複数のファクタは、運動の指導者が実際に重視するファクタであって、一般的に、1つの運動に対して複数のファクタがあるものである。これにより、1つの運動に対し、設定されている複数のファクタそれぞれについて点数化される。
【0057】
骨格の変化の閾値は、一例として、骨格情報を用いて規定されている。具体例として、スクワットの腰の高さの場合、
図3に示された、第1の画像21の膝の関節35と足首の関節36との鉛直方向の長さH1を基準とする。長さH1は、静止立位におけるユーザSの膝の高さに相当する。そして、第2の画像22の腰の関節34と足首の関節36との鉛直方向の長さH2の、長さH1に対する割合H1/H2を運動の達成度合いとすることができる。長さH2は、スクワット姿勢におけるユーザSの腰の高さに相当する。この場合、
図4において、スクワットの腰の高さについての、0点から4点それぞれの規定ZZ0~ZZ4は、例えば、割合H1/H2の範囲であってよい。
【0058】
また例えば、スクワットの膝の幅の場合、
図3に示された、第1の画像21の左右の肩の関節33間の長さW1を基準とする。長さW1は、ユーザSの肩幅に相当する。そして、第2の画像22の左右の膝の関節35間の長さW2の、長さW1に対する割合W1/W2を運動の達成度合いとすることができる。長さW2は、スクワット姿勢におけるユーザSの膝の幅に相当する。この場合、
図4において、スクワットの膝の幅についての、0点から4点それぞれの規定XX0~XX4は、例えば、割合W1/W2の範囲であってよい。
【0059】
ユーザSのユーザパラメータを用いて点数化することは、ユーザSの運動に関する情報に基づいて骨格の変化の閾値を調整することを含む。閾値を調整することは、ユーザSの運動に関する情報を用いて閾値を変化させることを指す。ユーザパラメータは、一例として、閾値をユーザSの運動に関する情報に基づいて変化させるための係数である。ユーザSの運動に関する情報は、ユーザの運動に関わる属性やユーザの運動に関する設定などを含む。ユーザの運動に関わる属性は、例えば、性別、年齢、体型、などである。ユーザの運動に関する設定は、例えば、負荷の大小などの目標、運動の継続時間、などである。
【0060】
この場合、プロセッサ11は、一例として、
図5のような、ユーザSの運動に関する情報と係数との関係を規定したユーザパラメータ情報UPを記憶している。ユーザパラメータ情報UPは、
図5のような表形式のデータであってもよいし、ユーザSの運動に関する情報を示す数値を代入することでユーザパラメータとする係数が得られる演算式であってもよい。
【0061】
具体的には、
図5を参照して、ユーザパラメータ情報UPは、ユーザの性別が男性なら1、女性なら0.7をユーザパラメータとして規定している。ユーザパラメータ情報UPは、ユーザの年齢が15歳以下であれば0.5、55歳以上であれば04を規定いている。ユーザパラメータ情報UPは、ユーザの体系がやせ型であれば0.9、肥満であれば0.8を規定している。ユーザパラメータ情報UPは、ユーザの設定した運動の継続時間が短時間であれば1.1、長時間であれば0.8を規定している。ユーザパラメータ情報UPは、ユーザの設定した運動の目標が負荷の大きいものである場合1.1、負荷の小さいものである場合0.7を規定している。
【0062】
プロセッサ11は、一例として、
図4の評価情報EIにおいて規定されている点数ごとの骨格の変化の閾値に、ユーザパラメータ情報UPから得られた係数を乗じて得られた値を、点数化処理113に用いる骨格の変化の閾値に設定する。これにより、ユーザSの運動に関する情報を考慮して、ユーザSの運動が点数化されるようになる。
【0063】
なお、ユーザSの運動に関する情報に、ユーザSの運動履歴が含まれてもよい。すなわち、ユーザSのユーザパラメータを用いて点数化することは、ユーザSの運動履歴を用いて骨格の変化の閾値を調整することを含んでもよい。ユーザSの運動履歴は、ユーザSの過去の運動の点数を含む。この場合も、
図5のような過去の点数と係数との関係に基づいて係数を設定することによって、同様に閾値を調整できる。
【0064】
コンテンツ生成処理は、生成処理114を含む。生成処理114は、コンテンツを生成する処理であって、運動の点数を用いてコンテンツを生成することを含む。運動の点数を用いてコンテンツを生成することは、運動の点数に応じて加工されたコンテンツ要素を用いてコンテンツの生成することを含む。
【0065】
具体的には、生成処理114は、運動画像に1以上のコンテンツ要素を加えることを含む。コンテンツ要素は、コンテンツを構成する要素であって、例えば、音楽、画像、文字、それらの組み合わせ、などである。また、表示処理112で表示されたガイドも、コンテンツ要素として用いることもできる。
【0066】
さらに、コンテンツ要素は、先の生成処理115に用いられ、後述する加工が施されたものであってもよい。この場合、後述の加工処理115において、先の加工処理115での加工に加えてさらなる加工を行ってもよい。これは、同一のユーザSが、以前の運動によって生成されたコンテンツに用いられたコンテンツ要素を、さらに変化させるために運動を行う場合が想定される。具体的には、前回よりも芸術性の高いコンテンツを生成するために、前回より運動のレベルを向上させるような場合が想定される。
【0067】
コンテンツを生成することは、1以上のコンテンツ要素の中の少なくとも1つを、ユーザ操作に従って選択することを含む。これにより、ユーザの希望するコンテンツに近いコンテンツを生成することができる。
【0068】
生成処理114は加工処理115を含む。加工処理115は、運動画像と、1以上のコンテンツ要素の中の少なくとも1つと、の少なくとも一方を、運動の点数に応じて加工することを含む。運動の点数に応じて加工することは、具体的には、コンテンツから点数が理解されるような加工であって、点数が高い方が芸術性が高く、コンテンツの完成度が高くなるような加工を行うことを含む。
【0069】
運動の点数に応じて加工することは、一例として、点数が低い方が高い場合よりも、コンテンツの出来栄えを損なう方向の加工を行うことであってよい。具体的には、運動画像に加えるコンテンツ要素が音楽である場合、プロセッサ11は、点数が低いほど、雑音が含まれるように、その音楽にエフェクトを加えて運動画像に加える。
【0070】
運動の点数に応じて加工することは、他の例として、点数を表すように加工を行うことであってよい。具体的には、運動画像に加えるコンテンツ要素が画像である場合、プロセッサ11は、点数に応じた画像(マーク)を運動画像に加える。点数に応じた画像は、例えば、点数そのものを表した画像や、所定の点数以上であるか否かを表した画像であってもよい。
【0071】
これにより、生成されるコンテンツは、ユーザSの運動の出来によって異なるものとなる。そのため、意外性のあるコンテンツが得られる。また、より完成度の高いコンテンツを生成するためには運動の点数を向上させる必要がある。そのため、ユーザSの運動のモチベーションを向上させることができるとともに、完成度の高いコンテンツが得られた際に達成感が得られる。
【0072】
コンテンツを生成することは、コンテンツのファイルを、ダウンロードして保存可能に生成することを含む。すなわち、プロセッサ11は、生成処理114を行うことでコンテンツファイルを生成し、生成したファイルを、ダウンロード可能なようにコンテンツ記憶部124に記憶する。これにより、生成されたコンテンツはコンテンツファイルとして記憶され、活用され得る。
【0073】
コンテンツ生成処理は、出力処理116を含む。出力処理116は、
ダウンロード可能であることは、プロセッサ11が他の装置からダウンロード要求を受け付けると、所定の条件が満たされた場合に、指定されたコンテンツファイルを通信装置13に渡し、上記他の装置に送信させることを指す。これにより、生成されたコンテンツを、生成時とは異なるタイミングで再生したり、端末装置9などの他の装置で再生したりすることができる。
【0074】
図6を用いて、本実施の形態に係るコンテンツ生成方法について説明する。
図6のフローチャートは、コンテンツ生成装置1での、本実施の形態に係るコンテンツ生成方法に従うコンテンツ生成処理の流れの一例を表している。また、
図7及び
図8は、コンテンツ生成装置1が処理中にディスプレイ14に表示させる画面の具体例を表している。
図6の処理は、コンテンツ生成装置1のプロセッサ11が、入力装置16から、コンテンツ生成処理の開始を指示するユーザ操作に従う操作信号の入力を受け付けることによって開始される。
【0075】
処理が開始すると、初めに、プロセッサ11は、入力装置16からの操作信号に基づいて、ユーザSの行う運動を選択する(ステップS101)。また、プロセッサ11は、入力装置16からの操作信号に基づいて、ユーザSに関する情報の入力を受け付ける(ステップS103)。ステップS103では、ユーザ名などのユーザSの識別情報、年齢、性別、体型、目標、運動負荷、などの入力を受け付ける。なお、これらの情報は予め登録されており、ステップS103ではプロセッサ11がメモリ12から読み出すものであってもよい。
【0076】
プロセッサ11は、入力されたユーザSに関する情報に基づいて、
図5のユーザパラメータ情報UPを用いてユーザパラメータを設定する(ステップS105)。また、選択された運動、及び、ユーザパラメータを用いて、選択された運動について、設定された複数ファクタそれぞれについて、付与する点数ごとの閾値を設定する(ステップS107)。
【0077】
このとき、プロセッサ11は、ディスプレイ14に
図7の画面60を表示させる。画面60は、ユーザSの運動を計測する際にディスプレイ14に表示させる画面である。詳しくは、
図7を参照して、画面60は、表示領域61を含む。表示領域61には、カメラ5から入力される撮影データに基づいてユーザSの運動画像SSが表示される。
【0078】
図1に表されたように、ユーザSは、ディスプレイ14に相対した位置で、画面60を見ながら運動を行うことが想定される。そのため、表示領域61に運動画像SSが表示されることで、ユーザSは、自身の姿を確認しながら運動できるとともに、ガイドG1,G2が表示されることによって、ガイドG1,G2に従って適した運動を行うことができる。
【0079】
画面60は、ボタン62~68を含む。ボタン62は、運動の計測の開始を指示するボタンである。ボタン62は、計測中は表示されなかったり、選択不可の状態で表示されたりしてもよい。なお、運動の計測中には、その旨を示す表示66が行われる。表示66は、色が変化することで計測中であるか否かを表す表示である。
【0080】
ボタン63は、生成されたコンテンツの再生を指示するボタンである。ボタン63は、コンテンツの生成の後に選択可能なボタンであって、それ以前には表示されなかったり、選択不可の状態で表示されたりしてもよい。
【0081】
ボタン64A及び64Bは、運動時に、表示領域61に運動画像とともにガイドを表示させることを指示するボタンである。
図7の例のように、ボタン64A及び64Bは、表示可能なガイドの数に応じて複数用意されていてもよい。
【0082】
ボタン65は、生成されたコンテンツのダウンロードを指示するボタンである。例えば、ボタン65をタッチした後にダウンロード先を指定することによって、生成されたコンテンツのダウンロードを指示することができる。ボタン65は、コンテンツの生成の後に選択可能なボタンであって、それ以前には表示されなかったり、選択不可の状態で表示されたりしてもよい。
【0083】
ボタン67は、コンテンツを生成するために運動画像に加えるコンテンツ要素を指定するためのボタンである。
図7では、コンテンツ要素として音楽を加える例が示されている。ボタン67は、一例として、予め用意された音楽1~3の中からコンテンツの生成に用いるものを1つ又は複数、選択するためのボタンである。なお、ボタン67は、予め用意された音楽の中から選択するためのボタンに加えて、又は、替えて、タッチした後にアップロード元を指定することによって、別の装置など他のメモリから音楽などをコンテンツ素材としてアップロードして用いることを指示するボタンであってもよい。
【0084】
ボタン68は、ユーザSの運動の結果を表示させるためのボタンである。運動の結果は、運動に付与された点数を含む。運動画像そのものであってもよい。ボタン68は、計測後、点数化が行われた後に選択可能なボタンであって、それ以前には表示されなかったり、選択不可の状態で表示されたりしてもよい。
【0085】
なお、ボタン62~68を用いた操作は、少なくとも1つは、他の例として、カメラ5の撮影画像を用い行われてもよい。一例として、ユーザSが所定時間、手を挙げるなどの特定のジェスチャを行うことや、表示領域61に表示された丸の画像に所定時間、顔を入れる、などの撮影データが入力されることで、プロセッサ11は、ユーザからの指示としてもよい。この場合、
図1に表されたように、ユーザSは、ディスプレイ14に相対した位置で、画面60を見ながら運動を行うことが想定されているため、運動を行っている位置から入力装置16まで移動したり、入力装置16を操作したりしないでユーザ操作を行うことができ、利便性を向上させることができる。
【0086】
プロセッサ11は、選択された運動、及び、画面60のボタン64A,64Bに対するユーザ操作に基づいて、表示するガイドを選択する(ステップS109)。好ましくは、ステップS109でプロセッサ11は、入力されたユーザSに関する情報に基づいて、ガイドの表示方法を決定してもよい。表示方法は、表示色や表示サイズや表示速度などである。
【0087】
プロセッサ11は、画面60のボタン67に対するユーザ操作に基づいて、コンテンツの生成に用いるコンテンツ素材を選択する(ステップS111)。
図7の例では、「音楽1」が選択されている。そのため、ステップS111でプロセッサ11は、「音楽1」に対応した音楽データを、コンテンツの生成に用いるコンテンツとして選択する。
【0088】
プロセッサ11は、画面60のボタン62に対するユーザ操作によって計測開始の指示を受け付けると(ステップS113でYES)、計測動作を行う。具体的には、プロセッサ11は、運動画像SSを解析してユーザSの骨格を抽出し、骨格情報をメモリ12に記録する(ステップS115)。また、運動画像SSを表示領域61に表示させるとともに、運動画像もメモリ12に記録する(ステップS117)。
【0089】
プロセッサ11は、運動画像SSとともにガイドを表示する(ステップS119)。
図7は、ユーザSがスクワット運動を行う場合の画面例であって、表示領域61には、立位のユーザSの運動画像SSが表示されているとともに、腰の位置をガイドするガイドG1、及び、膝の位置をガイドするガイドG2が表示されている。
【0090】
プロセッサ11は、計測が終了するまで(ステップS121でNO)、ステップS115~S119を繰り返す。計測の終了は、開始から予め規定された時間の経過後であってもよいし、所定の操作を受け付けたタイミングであってもよい。プロセッサ11がこの処理を繰り返すことで、ユーザSの運動に伴う骨格の変化が抽出されて記録されるとともに、運動画像も連続的に記録される。
【0091】
図7の例では、表示領域61に表示される運動画像SSが、上の図では立位姿勢、下の図ではスクワット姿勢であって、ユーザSのスクワット運動に伴って表示領域61の表示が立位姿勢とスクワット姿勢とで変化する。また、それに伴って、ガイドG1,G2の表示も変化する。
【0092】
ユーザSの運動の計測が終了すると(ステップS121でYES)、プロセッサ11は、計測期間中に得られた骨格の変化と、ステップS107で設定された閾値とを比較する(ステップS123)。ステップS123でプロセッサ11は、運動に対して予め設定されている複数のファクタそれぞれについて、骨格の変化と閾値とを比較する。
【0093】
プロセッサ11は、ステップS123の比較の結果に基づいて、ユーザSの運動の点数を判定する(ステップS125)。ここでは、プロセッサ11は、運動に対して予め設定されている複数のファクタそれぞれについて点数を判定する。好ましくは、プロセッサ11は、点数をユーザSの運動の履歴としてユーザ履歴記憶部125に記憶させる(ステップS127)。
【0094】
このとき、画面60においてボタン68のユーザ操作を受け付けると、プロセッサ11は、ディスプレイ14の表示を
図8の画面70に切り替える。画面70は、計測結果を表示する画面である。
図8では、スクワット運動において複数回スクワット動作を行った場合の計測結果を示す画面例が示されている。
【0095】
図8を参照して、具体例として、画面70は、各スクワット動作に付与された点数を表す表示71を含む。表示71は、一例として、スクワット動作ごとの各ファクタの点数の合計を表している。表示71は、他の例として、各ファクタの点数の平均など、他の演算結果であってもよい。表示71によって、スクワット動作ごとの達成度合いを確認することができるとともに、運動負荷が上がったときの達成度合い変化を知ることができる。
【0096】
画面70は、スクワット運動における各ファクタ(膝の幅、リズム、腰の高さ)のスクワット動作ごとの点数の遷移を表す表示72と、を含む。表示72によって、ファクタごとに達成度合いを確認することができ、運動の達成度合いをファクタごとに把握できるとともに、運動負荷が上がったときのファクタごとの変化を知ることができる。
【0097】
プロセッサ11は、運動の点数を用いてコンテンツを生成する(ステップS129)。ステップS127でプロセッサ11は、一例として、ステップS111で選択された「音楽1」に示される音楽データを点数に応じて加工し、メモリ12に記録された撮影画像に加えることでコンテンツを生成する。プロセッサ11は、生成したコンテンツファイルを、ダウンロード可能にコンテンツ記憶部124に記憶させる(ステップS131)。
【0098】
画面60においてボタン63のユーザ操作を受け付けると(ステップS133でYES)、プロセッサ11は、生成されたコンテンツをディスプレイ14に表示する(ステップS135)。これは、ユーザSが運動を行った後に、その運動画像を用いて生成されたコンテンツを視聴するような場合が想定されている。
【0099】
図6のコンテンツ生成方法の具体例では、プロセッサ11は、ステップS135でコンテンツの表示を実行すると、一連の処理を終了する。また、コンテンツの再生が指示されない場合も(ステップS133でNO)、プロセッサ11は、一連の処理を終了する。
【0100】
なお、プロセッサ11は、運動の計測とは異なるタイミングにおいて、画面60においてボタン63のユーザ操作を受けて、コンテンツを再生してもよい。他の例として、プロセッサ11は、コンテンツの再生を受け付けるための、画面60とは異なる画面をディスプレイ14に表示させ、再生するコンテンツの指定とともにコンテンツの再生の指示を受け付けてもよい。計測結果の表示も同様に、画面60と異なる画面から表示の指示を受け付けてもよい。これは、ユーザSが運動を行ったタイミングとは異なるタイミングで、その運動画像を用いて生成されたコンテンツを視聴するような場合が想定される。
【0101】
さらに、プロセッサ11は、通信網7を介して端末装置9などの他の装置からコンテンツのダウンロード要求を受け付けると、指定されたコンテンツをコンテンツ記憶部124から読み出して通信装置13に渡し、端末装置9に送信される。これにより、端末装置9においても、コンテンツが再生される。これは、ユーザSが運動を行ったタイミングとは異なるタイミングで、また、異なる場所で、その運動画像を用いて生成されたコンテンツを視聴するような場合が想定される
【0102】
コンテンツ生成装置1においてコンテンツを再生する場合、プロセッサ11は、コンテンツの再生の指示を受け付けると、一例として、ディスプレイ14に
図9のコンテンツC1を表示する。コンテンツC1は、運動画像SSに音楽80Aを加えることで生成されたコンテンツであって、音楽80Aに対して点数に応じた加工がなされたものである。
【0103】
詳しくは、
図9においては、音楽80Aが記号81,83で表された正常な音、つまり、芸術性の高い音と、記号82で表された点数に応じたエフェクトが加えられた音、つまり、芸術性が低い音とを含むことが表されている。これらの音を含む音楽80Aが運動画像SSに加えることで、運動画像SSに対して記号82で表されたエフェクトが加えられた音が加えられた部分のコンテンツの完成度が、記号81,83で表された正常な音が加えられた部分の完成度よりも低くなる。
【0104】
他の例として、
図10のコンテンツC2が生成され、表示されてもよい。コンテンツC2は、運動画像SSに画像80Bを加えることで生成されたコンテンツであって、画像80Bに対して点数に応じた加工がなされたものである。
【0105】
詳しくは、
図10においては、画像80Bが、点数が高いことを表す画像84と、点数が低いことを表す画像85とを含むことが表されている。画像84は芸術性の優れた画像であって、画像85は芸術性の劣る画像である。これらの画像80Bが運動画像SSに加えることで、運動画像SSに対して画像85が加えられた部分のコンテンツの完成度が、画像84が加えられた音が加えられた部分の完成度よりも低くなる。
【0106】
他の例として、
図11のコンテンツC3が生成され、表示されてもよい。コンテンツC3は、運動画像SSに音楽80Aを加えることで生成されたコンテンツであって、運動画像SSに対して点数に応じた加工がなされたものである。
【0107】
詳しくは、
図11においては、音楽80Aは、コンテンツ素材として選択された音楽1の音楽データそのものであるのに対して、運動画像SSのうちの点数の動作を表した期間t1について、芸術性の劣る画像となる加工が施されている。
図11では、期間t1の画像を歪ませる加工が行われたことを表している。この運動画像SSを用いてコンテンツC3を生成することで、期間t1のコンテンツの完成度が、その他の部分の完成度よりも低くなる。
【0108】
図9~
図11のようなコンテンツC1,C2,C3は、ユーザSの運動の結果に応じて芸術性が変化し、コンテンツの完成度合が異なる。そのため、運動を行わないとどのようなコンテンツが生成されるか予想ができない。その結果、コンテンツ生成装置1では意外性のあるコンテンツが提供できるとともに、完成度が高い部分が多いほど、達成感を与えることができる。
【0109】
一方、ユーザSの運動の達成度合いに応じてより完成度の高いコンテンツが生成されることから、生成されたコンテンツの完成度の高い部分が少ない場合であっても、より完成度の高いコンテンツを得るために運動の完成度合を高めるユーザSのモチベーションの向上が期待される。
【0110】
また、コンテンツC1,C2,C3は、視聴されることによって、ユーザSの運動の達成度合いを、コンテンツを楽しみながら把握させることができる。そのため、楽しみながら運動を行うことができ、運動の効果の向上を図ることができる。
【0111】
<3.付記>
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
【符号の説明】
【0112】
1 :コンテンツ生成装置
5 :カメラ
7 :通信網
9 :端末装置
11 :プロセッサ
12 :メモリ
13 :通信装置
14 :ディスプレイ
15 :スピーカ
16 :入力装置
21 :第1の画像
22 :第2の画像
31 :関節
32 :関節
33 :関節
34 :関節
35 :関節
36 :関節
60 :画面
61 :表示領域
62 :ボタン
63 :ボタン
64 :ボタン
64A :ボタン
64B :ボタン
65 :ボタン
66 :表示
67 :ボタン
68 :ボタン
70 :画面
71 :表示
72 :表示
80A :音楽
80B :画像
81 :芸術性の高い音
82 :芸術性が低い音
83 :芸術性の高い音
84 :画像
85 :画像
111 :計測処理
112 :表示処理
113 :点数化処理
114 :生成処理
115 :加工処理
116 :出力処理
121 :プログラム
122 :評価情報記憶部
123 :コンテンツ要素記憶部
124 :コンテンツ記憶部
125 :ユーザ履歴記憶部
C :コンテンツファイル
C1 :コンテンツ
C2 :コンテンツ
C3 :コンテンツ
EI :評価情報
G1 :ガイド
G2 :ガイド
S :ユーザ
SS :運動画像
UP :ユーザパラメータ情報
t1 :期間