(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022171365
(43)【公開日】2022-11-11
(54)【発明の名称】センサデバイス
(51)【国際特許分類】
H04W 4/38 20180101AFI20221104BHJP
H04W 84/18 20090101ALI20221104BHJP
H04W 8/00 20090101ALI20221104BHJP
【FI】
H04W4/38
H04W84/18
H04W8/00 110
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021077964
(22)【出願日】2021-04-30
(71)【出願人】
【識別番号】318015781
【氏名又は名称】ジャパン・イーエム・ソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤原 広嗣
(72)【発明者】
【氏名】池澤 治
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA21
5K067BB27
5K067DD17
5K067EE02
5K067EE16
5K067EE25
(57)【要約】
【課題】多数のセンサデバイスを含む無線ネットワークの構築をより簡易にする。
【解決手段】本センサデバイスは、第1の無線ネットワークに接続する第1接続部と、第2の無線ネットワークに接続する第2接続部と、所定の物理量を検出するセンサと、制御部と、を備える。上記制御部は、初期モードにおいて、所定のルールにしたがって探索対象の識別IDを変更しながら中継モードに設定されたセンサデバイスを上記第2の無線ネットワークにおいて探索し、上記中継モードに設定されたセンサデバイスを検出すると上記検出したセンサデバイスに対して上記第2接続部を介して上記センサによって検出した検出データを送信し、上記初期モードから上記中継モードに設定が切り替えられると、上記所定のルールにしたがって決定した識別IDを自装置に設定し、上記第2接続部を介して受信したデータを上記第1接続部を介して上記第1の無線ネットワークに送信する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の無線ネットワークに接続する第1接続部と、
第2の無線ネットワークに接続する第2接続部と、
所定の物理量を検出するセンサと、
制御部と、を備えるセンサデバイスであって、
前記制御部は、
初期モードにおいて、所定のルールにしたがって探索対象の識別IDを変更しながら中継モードに設定されたセンサデバイスを前記第2の無線ネットワークにおいて探索し、前記中継モードに設定されたセンサデバイスを検出すると前記検出したセンサデバイスに対して前記第2接続部を介して前記センサによって検出した検出データを送信し、
前記初期モードから前記中継モードに設定が切り替えられると、前記所定のルールにしたがって決定した識別IDを自装置に設定し、前記第2接続部を介して受信したデータを前記第1接続部を介して前記第1の無線ネットワークに送信する、
センサデバイス。
【請求項2】
前記初期モードに設定されたセンサデバイスの制御部は、前記中継モードに設定されたセンサデバイスを複数検出すると、無線通信の信号強度が強いセンサデバイスを優先して前記検出データの送信先とする、
請求項1に記載のセンサデバイス。
【請求項3】
位置情報を取得する取得部をさらに備え、
前記中継モードに設定されたセンサデバイスの制御部は、前記取得部によって取得された位置情報を前記第2の無線ネットワークに報知し、
前記初期モードに設定されたセンサデバイスの制御部は、前記中継モードに設定されたセンサデバイスを複数検出すると、報知された前記位置情報が示す位置が自デバイスに近いセンサデバイスを優先して前記検出データの送信先とする、
請求項1または2に記載のセンサデバイス。
【請求項4】
前記中継モードに設定されたセンサデバイスの制御部は、前記初期モードに設定された第1センサデバイスとの認証を前記識別IDを基に決定したパスワードによって行い、認証に失敗した前記第1センサデバイスからの検出データの前記第1の無線ネットワークへの送信を抑制する、
請求項1から3のいずれか一項に記載のセンサデバイス。
【請求項5】
許可デバイスを示す識別情報を記憶する記憶部をさらに備え、
前記中継モードに設定されたセンサデバイスの制御部は、前記初期モードに設定された第2センサデバイスから取得した識別情報が前記記憶部に記憶されていない場合には、前記第2センサデバイスからの検出データの前記第1の無線ネットワークへの送信を抑制する、
請求項1から4のいずれか一項に記載のセンサデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネット等のコンピュータネットワークの発達に伴い、コンピュータネットワークに接続して使用される各種センサが利用されている。このような技術は、Internet of Things(IoT)と称される。
【0003】
例えば、特許文献1には、無線LAN子機に設定したネットワーク識別子と暗号化キーとをサーバに記憶させ、無線LAN親機はサーバに記憶された情報を取得することで無線LAN親機と無線LAN子機との通信接続を確立する無線LAN通信システムが記載されている。特許文献2には、設定済みの通信パラメータを提供すると判定した場合に報知信号の単位時間当たりの送信回数を増加させることで、通信パラメータの提供を受ける受信装置が、提供装置を容易かつ迅速に検出できるようにする通信装置が記載されています。特許文献3には、移動体から取得したセンサ情報、位置情報、及び時刻情報を送信する無線送受信装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013-247533号公報
【特許文献2】特開2009-267697号公報
【特許文献3】特開2011-109290号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
無線LANネットワークに接続するセンサデバイスの数が増大すると、各センサデバイスに設定を行うことになるため、無線LANネットワーク構築の手間が増大する。サーバを用いて子機となるセンサデバイスの情報を登録し、親機となる機器は当該サーバに問い合わせて接続の許可を与えるセンサデバイスを制御することで、無線LANネットワーク構築の手間を軽減することも考えられる。しかしながら、このような方法を採用するとサーバの運用管理に係る作業負担が新たに生じることになる。
【0006】
開示の技術の1つの側面は、多数のセンサデバイスを含む無線ネットワークの構築をより簡易にすることができるセンサデバイスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
開示の技術の1つの側面は、次のようなセンサデバイスによって例示される。本センサデバイスは、第1の無線ネットワークに接続する第1接続部と、第2の無線ネットワークに接続する第2接続部と、所定の物理量を検出するセンサと、制御部と、を備える。上記制御部は、初期モードにおいて、所定のルールにしたがって探索対象の識別IDを変更しながら中継モードに設定されたセンサデバイスを上記第2の無線ネットワークにおいて探索し、上記中継モードに設定されたセンサデバイスを検出すると上記検出したセンサデバイスに対して上記第2接続部を介して上記センサによって検出した検出データを送信し、上記初期モードから上記中継モードに設定が切り替えられると、上記所定のルールにしたがって決定した識別IDを自装置に設定し、上記第2接続部を介して受信したデータを上記第1接続部を介して上記第1の無線ネットワークに送信する。
【発明の効果】
【0008】
本センサデバイスは、多数のセンサデバイスを含む無線ネットワークの構築をより簡易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施形態に係るセンサネットワークの構成を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係るセンサデバイスのハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係るセンサデバイスの処理ブロックの一例を示す図である。
【
図4】
図4は、初期モードに設定されたセンサデバイスの処理フローの一例を示す。
【
図5】
図5は、中継モードに設定されたセンサデバイスの処理フローの一例を示す。
【
図6】
図6は、第1変形例において、中継モードに設定されたセンサデバイスの処理フローの一例を示す。
【
図7】
図7は、第1変形例に係るセンサネットワークの構成の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、中継モードに設定された2台のセンサデバイスのうち、一方のセンサデバイスに障害が発生した場合の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<実施形態>
以下に示す実施形態の構成は例示であり、開示の技術は実施形態の構成に限定されない。実施形態に係るセンサデバイスは、例えば、以下の構成を備える。本センサデバイスは、第1の無線ネットワークに接続する第1接続部と、第2の無線ネットワークに接続する第2接続部と、所定の物理量を検出するセンサと、制御部と、を備える。上記制御部は、初期モードにおいて、所定のルールにしたがって探索対象の識別IDを変更しながら中継モードに設定されたセンサデバイスを上記第2の無線ネットワークにおいて探索し、上記中継モードに設定されたセンサデバイスを検出すると上記検出したセンサデバイスに対して上記第2接続部を介して上記センサによって検出した検出データを送信し、上記初期モードから上記中継モードに設定が切り替えられると、上記所定のルールにしたがって決定した識別IDを自装置に設定し、上記第2接続部を介して受信したデータを上記第1接続部を介して上記第1の無線ネットワークに送信する。
【0011】
本センサデバイスは、所定のルールにしたがって探索対象の識別IDを変更しながら中継モードに設定されたセンサデバイスの探索を第2の無線ネットワークにおいて行う。そして、第2の無線ネットワークにおいて中継モードに設定されたセンサデバイスを検出すると、検出したセンサデバイスに対して検出データを送信する。ここで、中継モードに設定されたセンサデバイスでは、上記所定のルールにしたがって決定した識別IDを自装置に設定する。そのため、複数のセンサデバイスのうち、例えば1台のセンサデバイスが中継モードに設定されると、他のセンサデバイスはユーザによる設定を行わなくとも当該中継モードに設定されたセンサデバイスに検出データを送信する無線ネットワークを構築することができる。
【0012】
以下、図面を参照して上記センサデバイスを含むセンサネットワークについて説明する。
図1は、実施形態に係るセンサネットワークN1の構成を示す図である。センサネットワークN1は、例えば、工場、農場、建造物等のモニタリングの対象となる領域の各所に設置されたセンサデバイス100によって形成される無線LANネットワークである。また、
図1では、各センサデバイス100が検出した検出データを収集し、収集した検出デ
ータを上記モニタリングの対象となる領域の管理者に提供するサーバ500も例示されている。センサネットワークN1は、「第2の無線ネットワーク」の一例である。
【0013】
センサデバイス100は、所定の物理量を検出し、検出した物理量を示す検出データを無線送信する。
図1では、5つのセンサデバイス100が例示されているが、センサデバイス100の数に限定はない。センサデバイス100の夫々を区別するときは、センサデバイス100a、センサデバイス100b、センサデバイス100c、センサデバイス100d、センサデバイス100eとも称する。センサデバイス100は、中継モードに設定されたセンサデバイス100に対して検出データを送信する初期モードと、初期モードから受信した検出データをサーバ500に送信する中継モードとを切り替えることができる。センサデバイス100は、センサデバイス100の出荷時点では初期モードに設定される。
図1の例では、センサデバイス100aが中継モードに設定され、センサデバイス100b、100c、100d、100eが初期モードに設定されている。センサネットワークN1は、センサデバイス100a、100b、100c、100d、100eによって形成される無線ネットワークである。
【0014】
サーバ500は、外部ネットワークN2を介してアクセスされるクラウドサーバである。外部ネットワークN2は、例えば、Long Term Evolution(LTE)ネットワークである。サーバ500は、センサデバイス100から外部ネットワークN2を介して検出データを受信すると、不揮発性の記憶部に記憶する。サーバ500は、例えば、収集した検出データをグラフ、表等に変換してディスプレイ等の出力部に出力することで、各センサデバイス100によって収集されたデータを上記モニタリングの対象となる領域の管理者に対して提供する。外部ネットワークN2は、「第1の無線ネットワーク」の一例である。
【0015】
図2は、実施形態に係るセンサデバイス100のハードウェア構成の一例を示す図である。センサデバイス100は、Central Processing Unit(CPU)101、主記憶部102、補助記憶部103、センサ104、第1無線通信部105、第2無線通信部106、入力部107及び接続バスB1を含む。CPU101、主記憶部102、補助記憶部103、センサ104、第1無線通信部105、第2無線通信部106及び入力部107は、接続バスB1によって相互に接続されている。
【0016】
CPU101は、マイクロプロセッサユニット(MPU)、プロセッサとも呼ばれる。CPU101は、単一のプロセッサに限定される訳ではなく、マルチプロセッサ構成であってもよい。CPU101は、プロセッサと集積回路との組み合わせであってもよい。組み合わせは、例えば、マイクロコントローラユニット(MCU)、System-on-a-chip(SoC)、システムLSI、チップセットなどと呼ばれる。センサデバイス100では、CPU101が補助記憶部103に記憶されたプログラムを主記憶部102の作業領域に展開し、プログラムの実行を通じて周辺装置の制御を行う。これにより、センサデバイス100は、所定の目的に合致した処理を実行することができる。主記憶部102及び補助記憶部103は、センサデバイス100が読み取り可能な記録媒体である。
【0017】
主記憶部102は、CPU101から直接アクセスされる記憶部として例示される。主記憶部102は、Random Access Memory(RAM)及びRead Only Memory(ROM)を含む。
【0018】
補助記憶部103は、各種のプログラム及び各種のデータを読み書き自在に記録媒体に格納する。補助記憶部103は外部記憶装置とも呼ばれる。補助記憶部103には、各種プログラム、各種テーブル等が格納される。補助記憶部103は、例えば、Erasab
le Programmable ROM(EPROM)、ソリッドステートドライブ(Solid State Drive、SSD)等である。
【0019】
センサ104は、所定の物理量を検出するセンサである。センサ104としては、例えば、可視光カメラ、赤外光カメラ、加速度センサ、圧力センサ、温度センサ、湿度センサ等を挙げることができる。センサ104は、「センサ」の一例である。
【0020】
第1無線通信部105は、例えば、LTEに対応した通信インターフェースである。センサデバイス100aは、センサデバイス100b、100c、100d、100eの夫々から受信した検出データを第1無線通信部105を介してサーバ500に対して送信する。第1無線通信部105は、「第1接続部」の一例である。
【0021】
第2無線通信部106は、例えば、Wireless Fidelity(Wi-Fi)に対応した通信インターフェースである。センサデバイス100b、100c、100d、100eは、センサ104によって検出された検出データを第2無線通信部106を介してセンサデバイス100aに対して送信する。第2無線通信部106は、「第2接続部」の一例である。
【0022】
入力部107は、ユーザ等からの操作指示等を受け付ける。入力部107としては、押しボタンスイッチ、ディップススイッチ、タッチパネルといった入力デバイスを例示できる。
【0023】
センサデバイス100は、例えば、出力部を備えてもよい。センサデバイス100は、出力部を備えることで、設定されたモードが中継モードか初期モードのいずれに設定されているかを示したり、電源オンか否かを示したりすることができる。このような、出力部として、Liquid Crystal Display(LCD)、Plasma Display Panel(PDP)、Electroluminescence(EL)パネル、Light Emitting Diode(LED)といった出力デバイスを例示できる。
【0024】
<センサデバイス100の処理ブロック>
図3は、実施形態に係るセンサデバイス100の処理ブロックの一例を示す図である。センサデバイス100は、制御部11及び設定記憶部12を備える。センサデバイス100は、主記憶部102に実行可能に展開されたコンピュータプログラムをCPU101が実行することで、上記センサデバイス100の、制御部11及び設定記憶部12等の各部としての処理を実行する。
【0025】
制御部11は、設定記憶部12に記憶された情報を基に、自デバイスが中継モードに設定されているか、初期モードに設定されているかを判定する。なお、センサデバイス100は、センサデバイス100の出荷時点では初期モードに設定されている。モードに設定されているセンサデバイス100の制御部11は、所定のルールにしたがって探索対象のSSIDを変更しながら中継モードに設定されたセンサデバイス100をセンサネットワークN1において探索する。SSIDは、「識別ID」の一例である。
【0026】
ここで、上記した所定のルールは、例えば、所定の文字列にシリアル番号を付したものであって良い。シリアル番号は、例えば、所定桁数の数字列で示され、センサデバイス100の夫々に一意に割り当てられる。制御部11は、所定のルールがこのようなルールである場合、所定の文字列に付されるシリアル番号をひとつずつインクリメントしながら中継モードに設定されたセンサデバイス100を探索する。なお、所定の文字列は、例えば、センサデバイス100の製造時において補助記憶部103に記憶される。
【0027】
制御部11は、中継モードに設定されたセンサデバイス100(
図1の例ではセンサデバイス100a)を検出すると、検出したセンサデバイス100との間で無線LANによる無線接続を確立する。無線接続の確立に用いるパスワードは、例えば、SSIDにソルト文字列を加えた文字列(データ列)を一方向ハッシュ関数に入力することでハッシュ化したものであってもよい。一方向ハッシュ関数によって生成されたパスワードは、例えば、設定記憶部12に記憶される。ソルト文字列は、例えば、センサデバイス100の製造時において補助記憶部103に記憶される。制御部11は、検出したセンサデバイス100に対して第2無線通信部106を介して検出データを送信する。
【0028】
制御部11は、センサデバイス100を中継モードに変更する設定操作を入力部107を介して受け付けると、中継モードに設定されたことを示す情報を設定記憶部12に記憶させる。中継モードの設定は、例えば、LTE回線への接続設定を含む。中継モードに設定されたセンサデバイス100の制御部は、上記所定のルールにしたがってSSIDを決定し、決定したSSIDを設定記憶部12に記憶させる。さらに、中継モードに設定されたセンサデバイス100の制御部は、他のセンサデバイス100からの無線接続確立に用いるパスワードとして、決定したSSIDに対して補助記憶部103に記憶されたソルト文字列を加えてハッシュ化したものを設定する。また、制御部11は、Dynamic Host Configuration Protocol(DHCP)サーバとしての処理を実行してもよい。例えば、センサデバイス100aの制御部11は、センサデバイス100aとの無線接続を確立したセンサデバイス100b、100c、100d、100eに対して、IPアドレスの割り当てを行ってもよい。
【0029】
中継モードに設定されたセンサデバイス100は、無線接続を確立したセンサデバイス100から第2無線通信部106を介して受信した検出データを第1無線通信部105を介してサーバ500に送信する。また、中継モードに設定されたセンサデバイス100は、自装置のセンサ104で検出した検出データを第1無線通信部105を介してサーバ500に送信する。
【0030】
設定記憶部12は、センサデバイス100が中継モードであるか初期モードであるかを示す情報、決定されたSSID、無線接続確立に用いるパスワードを記憶する。設定記憶部12は、例えば、SSIDとパスワードとを対応付けるテーブルを含んでもよい。設定記憶部12は、例えば、補助記憶部103に構築される。
【0031】
センサデバイス100は、最初に起動された時点では初期モードで動作する。そして、センサデバイス100は、ユーザによる設定変更操作に応じて、初期モードから中継モードに遷移することができる。また、センサデバイス100は、ユーザによる設定変更操作に応じて、中継モードから初期モードに遷移することもできる。
【0032】
<センサデバイス100の処理フロー>
図4及び
図5は、センサデバイス100の処理フローの一例を示す図である。
図4は、初期モードに設定されたセンサデバイス100の処理フローの一例を示す。以下、
図4を参照して、初期モードに設定されたセンサデバイス100の処理フローの一例について説明する。
【0033】
T11では、制御部11は、自デバイスが中継モードに設定されているか否かを判定する。中継モードに設定されている場合(T11でYES)、処理は
図5のT22に進められる。中継モードに設定されていない場合(T11でNO)、処理はT12に進められる。
【0034】
T12では、制御部11は、SSIDとパスワードとの対応が設定記憶部12に記憶済みか否かを判定する。記憶済みの場合(T12でYES)、処理はT17に進められる。記憶済みではない場合(T12でNO)、処理はT13に進められる。
【0035】
T13では、制御部11は、中継モードに設定されたセンサデバイス100の探索を行う。制御部11は、上記の通り、探索対象となるSSIDを変更しながら中継モードに設定されたセンサデバイス100の探索を行う。
【0036】
T14では、制御部11は、中継モードに設定されたセンサデバイス100を検出したか否かを判定する。検出した場合(T14でYES)、処理はT15に進められる。検出しない場合(T14でNO)、処理はT13に進められる。
【0037】
T15では、制御部11は、T14で検出したセンサデバイス100のSSIDに対して補助記憶部103に記憶されたソルトを加えたデータ列を一方向ハッシュ関数に入力して、パスワードを生成する。T16では、制御部11は、T14で検出したセンサデバイス100のSSIDとT15で生成したパスワードとを対応付けて設定記憶部12に記憶させる。
【0038】
T17では、制御部11は、T15で生成したパスワードを用いて、T14で検出したセンサデバイス100に無線接続を行う。無線接続を行った制御部11は、センサ104によって検出した検出データを無線接続したセンサデバイス100に対して送信する。
【0039】
図5は、中継モードに設定されたセンサデバイス100の処理フローの一例を示す。以下、
図5を参照して、中継モードに設定されたセンサデバイス100の処理フローの一例について説明する。
【0040】
T21では、制御部11は、自デバイスが中継モードに設定されているか否かを判定する。中継モードに設定されている場合(T21でYES)、処理はT22に進められる。中継モードに設定されていない場合(T21でNO)、処理は
図4のT12に進められる。
【0041】
T22では、制御部11は、補助記憶部103に記憶された所定の文字列にシリアル番号を付した文字列を自デバイスのSSIDとして決定する。制御部11は、決定したSSIDを補助記憶部103に記憶させる。
【0042】
T23では、制御部11は、T22で決定したSSIDに対して補助記憶部103に記憶されたソルト文字列を加えてハッシュ化したものを、初期モードに設定されたセンサデバイス100からの無線接続確立に用いるパスワードとして生成する。制御部11は、生成したパスワードを補助記憶部103に記憶させる。
【0043】
T24では、制御部11は、初期モードに設定されたセンサデバイス100からの無線接続を受け付ける。制御部11は、パスワード認証に成功したセンサデバイス100との間で無線接続を確立する。制御部11は、無線接続を確立したセンサデバイス100からの検出データを第2無線通信部106を介して受信する。制御部11は、第2無線通信部106を介して受信した検出データを第1無線通信部105を介して外部ネットワークN2に送出する。また、制御部11は、自デバイスのセンサ104によって検出した検出データを第1無線通信部105を介して外部ネットワークN2に送出する。
【0044】
<実施形態の作用効果>
実施形態では、センサデバイス100は、センサデバイス100の出荷時点の設定とし
て、中継モードに設定されたセンサデバイス100に対して検出データを送信する初期モードに設定される。そして、センサデバイス100a、100b、100c、100d、100eは、起動されると中継モードに設定されたセンサデバイス100の探索を開始する。本実施形態では、センサデバイス100aは、起動後に中継モードに設定される。センサデバイス100b、100c、100d、100eは、探索によって中継モードに設定されたセンサデバイス100aを検出し、検出したセンサデバイス100aとの無線接続を確立する。そのため、本実施形態によれば、複数のセンサデバイス100が存在する場合でも、そのうち中継モードに設定するセンサデバイス100の設定さえ行えば、略自動的にセンサネットワークN1が構築される。すなわち、本実施形態によれば、多数のセンサデバイス100を含むセンサネットワークN1の構築をより簡易にすることができる。
【0045】
<第1変形例>
実施形態では、中継モードに設定されたセンサデバイス100aは、パスワード認証に成功したセンサデバイス100b、100c、100d、100eとの無線接続を許可する。第1変形例では、接続を予定していないセンサ種別のセンサデバイス100については、パスワード認証に成功しても無線接続を切断する変形例について説明する。なお、以下の第1変形例の説明において、実施形態と同一の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0046】
第1変形例では、センサデバイス100のセンサ104には、センサ種別が記憶される。センサ種別は、センサデバイス100が備えるセンサ104がどのようなセンサであるかを示す情報であり、例えば、可視光カメラ、赤外光カメラ、加速度センサ、圧力センサ、温度センサ、湿度センサ等を示す情報である。センサ種別は、例えば、センサデバイス100の製造時において補助記憶部103に記憶される。センサ種別は、「許可デバイスを示す識別情報」の一例である。
【0047】
センサデバイス100aには、中継モードに設定される際に、接続を許可するセンサ種別が設定記憶部12に記憶される。設定記憶部12に記憶されるセンサ種別は1つであっても複数であってもよい。そして、センサデバイス100aの制御部11は、パスワード認証に成功したセンサデバイス100b、100c、100d、100eのセンサ種別を取得する。センサデバイス100aの制御部11は、取得したセンサ種別が設定記憶部12に記憶された接続を許可するセンサ種別に含まれるセンサデバイス100からの無線接続を許可する。一方、センサデバイス100aの制御部11は、取得したセンサ種別が設定記憶部12に記憶されていない場合、当該センサデバイス100については無線接続を切断する。
【0048】
図6は、第1変形例において、中継モードに設定されたセンサデバイス100の処理フローの一例を示す。T24aでは、センサデバイス100aの制御部11は、初期モードに設定されたセンサデバイス100からの無線接続を受け付ける。センサデバイス100aの制御部11は、パスワード認証に成功したセンサデバイス100との間で無線接続を確立する。センサデバイス100aの制御部11は、無線接続を確立したセンサデバイス100のセンサ種別を取得する。制御部11は、例えば、無線接続を確立したセンサデバイス100のセンサ種別の取得にSimple Network Management
Protocol(SNMP)を用いることができる。取得したセンサ種別がセンサデバイス100aの補助記憶部103に記憶されていない場合、センサデバイス100aの制御部11は、当該センサデバイス100の無線接続を切断する。
【0049】
第1変形例によれば、中継モードに設定したセンサデバイス100aに接続させるセンサデバイス100のセンサ種別を指定することができる。第1変形例によれば、例えば、
初期モードに設定されたセンサデバイス100を接続させる中継モードのセンサデバイス100がセンサ種別毎に異なるように設定することが可能となる。
【0050】
<第2変形例>
実施形態では、1台のセンサデバイス100が中継モードに設定された。第1変形例では、2台のセンサデバイス100が中継モードに設定される変形例について説明する。
【0051】
図7は、第1変形例に係るセンサネットワークN1aの構成の一例を示す図である。第2変形例では、センサデバイス100aに加えてセンサデバイス100bも中継モードに設定される。初期モードに設定されたセンサデバイス100c、100d、100eは、探索によって中継モードに設定されたセンサデバイス100a、100bを検出する。センサデバイス100c、100d、100eは、検出したセンサデバイス100a、100bのうち、いずれかに対して無線接続を行う。
図7の例では、センサデバイス100cはセンサデバイス100bと無線接続し、センサデバイス100d、100eはセンサデバイス100aに無線接続した状態が例示される。
【0052】
センサデバイス100c、100d、100eは、例えば、センサデバイス100a、100bのうち、信号強度の強いセンサデバイス100を優先して検出データの送信先としてもよい。すなわち、センサデバイス100c、100d、100eは、例えば、センサデバイス100a、100bのうち、センサデバイス100a、100bのうち信号強度の強い方のセンサデバイス100に無線接続し、当該センサデバイス100に対して検出データを送信してもよい。
【0053】
図8は、中継モードに設定された2台のセンサデバイス100のうち、一方のセンサデバイス100に障害が発生した場合の一例を示す図である。
図8では、センサデバイス100c、100dが無線接続したセンサデバイス100aに障害が発生した場合が例示される。センサデバイス100c、100dは、センサデバイス100aの障害を検出すると、中継モードに設定されたセンサデバイス100の探索の際に検出済みのセンサデバイス100bに無線接続の接続先を変更する。このような構成を採用することで、センサデバイス100c、100d、100eからサーバ500への検出データの送信の安定性が高められる。
【0054】
また、センサデバイス100a、センサデバイス100bには、無線接続を受け付ける初期モードに設定されたセンサデバイス100の数を制限する閾値が設定されてもよい。閾値は、例えば、中継モードに設定される際に設定記憶部12に記憶される。そして、中継モードに設定されたセンサデバイス100a、100bは、無線接続を確立したセンサデバイス100の数が閾値に達した場合、新たなセンサデバイス100からの無線接続を拒否してもよい。閾値が設定されることで、中継モードに設定された複数のセンサデバイス100a、100bのうち特定のセンサデバイス100に無線接続の負荷が集中することが抑制される。
【0055】
センサデバイス100の夫々はGlobal Positioning System(GPS)を備え、当該GPSによって自デバイスの位置情報を取得してもよい。そして、中継モードに設定されたセンサデバイス100a及びセンサデバイス100bは、自デバイスの位置情報を第2無線通信部106を介して放置してもよい。初期モードに設定されたセンサデバイス100c、100d、100eの夫々は、報知された位置情報を第2無線通信部106を介して受信し、センサデバイス100a及びセンサデバイス100bのうち自デバイスに近い位置のセンサデバイス100を優先して検出データの送信先としてもよい。
【0056】
例えば、初期モードに設定されたセンサデバイス100c、100d、100eの夫々は、中継モードに設定されたセンサデバイス100a及びセンサデバイス100bの夫々と無線接続を確立して、報知された位置情報を取得してもよい。センサデバイス100c、100d、100eの夫々は、取得した位置情報と自デバイスの位置情報とを基に、センサデバイス100a、100bのうち自デバイスに近いセンサデバイス100との無線接続を継続し、センサデバイス100a、100bのうち自デバイスから遠いセンサデバイス100との無線接続を切断してもよい。GPSは、「取得部」の一例である。
【0057】
なお、第1変形例では、2台のセンサデバイス100a、100bが中継モードに設定されたが、3台以上のセンサデバイス100が中継モードに設定されてもよい。
【0058】
<その他の変形>
以上説明した実施形態では、センサデバイス100は、第1無線通信部105はLTEに対応したが、LTEとは異なるネットワークに対応してもよい。例えば、第1無線通信部105は、無線LANに対応してもよい。そして、第1無線通信部105と第2無線通信部106が互いに異なるセグメントの無線LANに接続するようにされてもよい。
【0059】
以上で開示した実施形態や変形例はそれぞれ組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0060】
100・・センサデバイス
101・・CPU
102・・主記憶部
103・・補助記憶部
104・・センサ
105・・第1無線通信部
106・・第2無線通信部
107・・入力部
11・・制御部
12・・設定記憶部
500・・サーバ
N1、N1a・・センサネットワーク
N2・・外部ネットワーク