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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022171405
(43)【公開日】2022-11-11
(54)【発明の名称】ダクト装置
(51)【国際特許分類】
   F24F 13/02 20060101AFI20221104BHJP
   B60H 1/00 20060101ALI20221104BHJP
   B60H 1/26 20060101ALI20221104BHJP
   F24F 13/06 20060101ALI20221104BHJP
【FI】
F24F13/02 A
B60H1/00 102L
B60H1/26 681
F24F13/02 E
F24F13/02 H
F24F13/06 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021078018
(22)【出願日】2021-04-30
(71)【出願人】
【識別番号】000104674
【氏名又は名称】キョーラク株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000005348
【氏名又は名称】株式会社SUBARU
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】谷 奈央人
(72)【発明者】
【氏名】小島 利彦
(72)【発明者】
【氏名】大橋 啓生
(72)【発明者】
【氏名】木村 勇紀
(72)【発明者】
【氏名】森岡 勇人
【テーマコード(参考)】
3L080
3L211
【Fターム(参考)】
3L080AB03
3L211DA14
(57)【要約】
【課題】機能部材とシール部材とを備えつつ、部品点数及び組み立て工数も考慮したダクト装置を提供する。
【解決手段】本発明によれば、第1筒状部材と第2筒状部材とが接合部において接合されて構成されるダクト装置であって、前記接合部に二色成形体を設け、前記二色成形体は、機能部材と、当該機能部材よりも軟質のシール部材とが一体的に成形されることで構成されており、前記シール部材は、前記機能部材の周囲に成形されるとともに、前記接合部の隙間をシールするよう構成される、ダクト装置が提供される。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1筒状部材と第2筒状部材とが接合部において接合されて構成されるダクト装置であって、
前記接合部に二色成形体を設け、
前記二色成形体は、機能部材と、当該機能部材よりも軟質のシール部材とが一体的に成形されることで構成されており、
前記シール部材は、前記機能部材の周囲に成形されるとともに、前記接合部の隙間をシールするよう構成される、ダクト装置。
【請求項2】
請求項1に記載のダクト装置であって、
前記機能部材は、整流部材である、ダクト装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のダクト装置であって、
前記機能部材は、メッシュ構造を有する、ダクト装置。
【請求項4】
請求項1~請求項3の何れかに記載のダクト装置であって、
前記第2筒状部材は、その一端部が前記第1筒状部材の内部に挿入されることで当該第1筒状部材に接合されるよう構成されており、
前記シール部材は、下記(1)、(2)の少なくとも1つの構成を備える、ダクト装置。
(1)前記第1筒状部材の内周面と前記第2筒状部材の外周面の間に、周方向に亘って設けられるフィン。
(2)前記第2筒状部材の前記一端部に装着される装着部。
【請求項5】
請求項1~請求項4の何れかに記載のダクト装置であって、
前記機能部材はポリプロピレン製とされ、前記シール部材はエラストマ製とされる、ダクト装置。
【請求項6】
請求項1~請求項5の何れかに記載のダクト装置であって、
前記第1筒状部材は、車両用空調装置に接続される空調用ダクトであり、前記第2筒状部材は、レジスタである、ダクト装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2つの筒状部材が接合されて構成されるダクト装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、2つの筒状部材を接合することで構成される、空調エアを送風するためのダクト装置がある。例えば、特許文献1には、車両用空調装置における通風ダクトと吹出ダクトの接合部(嵌合部)に、所定の機能を発揮する機能部材としての整流格子を設けたことが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭59-215533号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、このように2つの筒状部材を接合することで構成されるダクト装置では、2つの筒状部材の接合部からのエアの流出を防止するため、接合部の隙間をシールするシール部材が設けることが好ましい。しかしながら、ダクト装置に、特許文献1に開示されるような機能部材に加えてシール部材を設けると、部品点数が増加するとともに、組み立ての工数が増加することになる。
【0005】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、機能部材とシール部材とを備えつつ、部品点数及び組み立て工数も考慮したダクト装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、第1筒状部材と第2筒状部材とが接合部において接合されて構成されるダクト装置であって、前記接合部に二色成形体を設け、前記二色成形体は、機能部材と、当該機能部材よりも軟質のシール部材とが一体的に成形されることで構成されており、前記シール部材は、前記機能部材の周囲に成形されるとともに、前記接合部の隙間をシールするよう構成される、ダクト装置が提供される。
【0007】
本発明によれば、機能部材とシール部材とを二色成形体として接合部に設けることで、部品点数を削減するとともに、組み立て工数を低減することが可能となっている。
【0008】
以下、本発明の種々の実施形態を例示する。以下に示す実施形態は互いに組み合わせ可能である。
【0009】
好ましくは、前記機能部材は、整流部材である。
【0010】
好ましくは、前記機能部材は、メッシュ構造を有する。
【0011】
好ましくは、前記第2筒状部材は、その一端部が前記第1筒状部材の内部に挿入されることで当該第1筒状部材に接合されるよう構成されており、前記シール部材は、下記(1)、(2)の少なくとも1つの構成を備える。
(1)前記第1筒状部材の内周面と前記第2筒状部材の外周面の間に、周方向に亘って設けられるフィン。
(2)前記第2筒状部材の前記一端部に装着される装着部。
【0012】
好ましくは、前記機能部材はポリプロピレン製とされ、前記シール部材はエラストマ製とされる。
【0013】
好ましくは、前記第1筒状部材は、車両用空調装置に接続される空調用ダクトであり、前記第2筒状部材は、レジスタである。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施形態に係るダクト装置1の斜視図である。
図2図1のダクト装置1の正面図である。
図3図1のダクト装置1の分解斜視図である。
図4図1のダクト装置1の背面斜視図である。
図5図5Aは、図1のダクト装置1の二色成形体4を示す斜視図であり、図5Bは、同二色成形体4の正面図である。
図6図5BのA-A線断面図である。
図7図7Aは、図1のダクト装置1のレジスタ3に二色成形体4を取り付ける前の様子を示す背面斜視図であり、図7Bは、図7Aの状態から二色成形体4を取り付けた様子を示す背面斜視図である。
図8図2のB-B線端面図である。
図9図8のX部拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。また、各特徴について独立して発明が成立する。
【0016】
1.ダクト装置1の構成
本発明の一実施形態に係るダクト装置1は、自動車の空調設備として用いられるものである。ダクト装置1は、図1図3に示すように、車両用空調装置に接続される空調用ダクト2と、レジスタ3と、二色成形体4とを備える。ここで、レジスタ3は、空調用ダクト2を通って送られてくる空調エアを車室内に吹き出すための部材であり、インストルメントパネルに組み込まれるものである。レジスタ3には、風向を調整するフィン群や風量を調整するダンパ等が設けられるが、これらについては従来既知の構成を用いることとして本明細書での説明を省略し、レジスタ3のうち空調用ダクト2との接続部分の構成についてのみ図示及び説明する。各図において、レジスタ3の形状は、簡略化して示されている。また、二色成形体4の構成については、後述する。
【0017】
本実施形態のダクト装置1は、図1図4に示すように、左側ダクト装置1Lと右側ダクト装置1Rの2つの筒状の部分から構成される。左側ダクト装置1Lと右側ダクト装置1Rは、それぞれ空調エアが流通する別々の流路を備えている。本実施形態において、左側ダクト装置1Lと右側ダクト装置1Rは、それぞれ「ダクト装置」の一例である。
【0018】
なお、本明細書の説明では、図1に示すように、ダクト装置1の空調用ダクト2側、つまり車両における前方向を前方とし、レジスタ3側、つまり車両における後方向(車室側の方向)を後方とする。このような定義によれば、車両用空調装置から送風される空調エアは、前方から後方に向かって流通することとなる。また、図1及び図2に示すように、レジスタ3側から見たときの左右、すなわち、図2の正面図における左右をそれぞれ左側、右側とする。
【0019】
空調用ダクト2は、図1図4に示すように、左側ダクト装置1Lを構成する左側空調用ダクト2Lと、右側ダクト装置1Rを構成する右側空調用ダクト2Rとを備える。空調用ダクト2において、左側空調用ダクト2Lと右側空調用ダクト2Rはそれぞれ筒状に形成される。また、空調用ダクト2は、左側空調用ダクト2Lと右側空調用ダクト2Rの外面同士が連結されて一体的に成形されている。左側空調用ダクト2Lと右側空調用ダクト2Rは、それぞれ「第1筒状部材」の一例である。
【0020】
レジスタ3は、左側ダクト装置1Lを構成する左側レジスタ3Lと、右側ダクト装置1Rを構成する右側レジスタ3Rとを備える。レジスタ3において、左側レジスタ3Lと右側レジスタ3Rはそれぞれ筒状に形成される。また、レジスタ3は、各図において図示が省略されているが、左側レジスタ3Lと右側レジスタ3Rの外面同士が連結されて一体的に成形されている。左側レジスタ3Lと右側レジスタ3Rは、それぞれ「第2筒状部材」の一例である。
【0021】
図1に示すように、左側空調用ダクト2Lと左側レジスタ3Lは、左側接合部5Lにおいて接合され、右側空調用ダクト2Rと右側レジスタ3Rは、右側接合部5Rにおいて接合される。
【0022】
また、本実施形態において、左側ダクト装置1L及び右側ダクト装置1Rは、それぞれ左側接合部5L及び右側接合部5Rに二色成形体4を設けている。ただし、図1図3及び図7A,7Bの各図面においては、比較のため左側ダクト装置1Lの左側接合部5Lに設けられる二色成形体4の図示を省略し、右側ダクト装置1Rの右側接合部5Rに設けられた二色成形体4のみを図示している。
【0023】
以上のように、本実施形態のダクト装置1において、ダクト装置としての左側ダクト装置1Lは、第1筒状部材としての左側空調用ダクト2Lと、第2筒状部材としての左側レジスタ3Lと、機能部材としての二色成形体(図示せず)から構成されることとなる。また、ダクト装置としての右側ダクト装置1Rは、第1筒状部材としての右側空調用ダクト2Rと、第2筒状部材としての右側レジスタ3Rと、二色成形体4から構成されることとなる。以下、図5A及び図5Bを参照して、二色成形体4の構成を具体的に説明する。
【0024】
2.二色成形体4の構成
本実施形態の二色成形体4は、図5A図6に示すように、機能部材としての整流部材41と、シール部材42とから構成される。整流部材41は、略矩形の薄板状に形成され、外枠部41a及びメッシュ部41bからなるメッシュ構造を有している。メッシュ構造の1つの格子のサイズは、0.5mm~から10mmとするのが好ましく、1mm~4mmとすることがより好ましい。また、メッシュ構造の1つの格子のサイズは、整流性能を重視する場合には、1mm以下とすることも好適である。メッシュ構造の1つの格子のサイズは、具体的には例えば、0.5、1.0、1.5、2.0、2.5、3.0、3.5、4.0、4.5、5.0、5.5、6.0、6.5、7.0、7.5、8.0、8.5、9.0、9.5、10mmであり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。メッシュの各格子の形状は、例えば、矩形とされる。ただし、各格子の形状を、ハニカム構造等の多角形とすることや、複数種類の多角形を組み合わせた形状とすることも可能である。
【0025】
シール部材42は、整流部材41の周囲、具体的には、整流部材41の外枠部41aの全周に亘って成形される。また、シール部材42は、二色成形体4が設けられる左側接合部5L及び右側接合部5Rの隙間、すなわち、左側空調用ダクト2Lの内周面と左側レジスタ3Lの外周面の間、右側空調用ダクト2Rの内周面と右側レジスタ3Rの外周面の間をシールするよう構成される。左側接合部5L及び右側接合部5Rにおける隙間をシールするため、本実施形態のシール部材42には、周方向に亘ってヒダ状のフィン42aが設けられている。また、シール部材42は、左側レジスタ3L及び右側レジスタ3Rの一端部3L1,3R1(図7A参照)に装着するため、周方向に亘って形成される筒状の装着部42bを備えている。
【0026】
このような構造の二色成形体4は、整流部材41とシール部材42とが二色成形されることによって製造される。ここで、二色成形とは、種類が異なる2種類の樹脂を、射出ノズルから順次金型内に充填し、複数の樹脂で形成された成形品を得る成形方法である。本実施形態において、整流部材41はポリプロピレン製とされ、シール部材42は整流部材41よりも軟質のエラストマ製とされる。
【0027】
本実施形態の二色成形体4の具体的な製造方法としては、まず、ポリプロピレン用の金型を用いてポリプロピレンを整流部材41の形状に射出成形する。そしてその後、成形された整流部材41をエラストマ用の金型にセットしてエラストマをシール部材42形状に射出成形する。このような二色成形により、二色成形体4を安価且つ大量に製造することができ、生産コストや生産効率を向上させることが可能となっている。なお、整流部材41及びシール部材42の素材は、上記のものに限られず、射出成形が可能な任意の樹脂を用いることが可能である。ただし、シール部材42の素材は、シール性を高めるため、整流部材41の素材よりも軟質で柔軟性を有するものとすることが好ましい。
【0028】
3.ダクト装置1の組立構成
次に、図7A図9を用いて、上記構成のダクト装置1の組立構成について説明する。なお、図8は、図2のB-B線端面図であり、上記のようにして組み立てた状態のダクト装置1の右側ダクト装置1Rの流路を示す端面図である。また、図9は、図8のX部拡大図であり、右側接合部5Rの構造を示す。
【0029】
ダクト装置1を組み立てるには、まず、図7A及び図7Bに示すように、レジスタ3の左側レジスタ3L及び右側レジスタ3Rの一端部3L1,3R1に二色成形体4を装着する(図7Aでは、左側レジスタ3Lに装着する二色成形体4を省略している)。このとき、図8及び図9にも示すように、シール部材42の装着部42b内に一端部3L1,3R1が挿入される。ここで、装着部42bは、図6及び図9に示すように、筒状部42b1と、当該筒状部42b1の前方側の端部から内側に延びる当接部42b2とを備えている。そのため、筒状部42b1内に挿入された左側レジスタ3L及び右側レジスタ3Rの一端部3L1,3R1が当接部42b2に当接することで、装着部42bの弾性により二色成形体4が固定されることになる。
【0030】
次に、図7B及び図4に示すように、二色成形体4が装着されたレジスタ3を、空調用ダクト2に挿入する。この際、左側ダクト装置1Lの左側接合部5Lにおいては、左側レジスタ3Lの一端部3L1が左側空調用ダクト2Lの内部に挿入されることで左側空調用ダクト2Lと左側レジスタ3Lとが接合される。また、図8に示すように、右側ダクト装置1Rの右側接合部5Rにおいては、右側レジスタ3Rの一端部3R1が右側空調用ダクト2Rの内部に挿入されることで右側空調用ダクト2Rと右側レジスタ3Rとが接合される。
【0031】
なお、空調用ダクト2とレジスタ3は、シール部材42を介して圧入によって接合される。ただし、これら空調用ダクト2とレジスタ3を、図示しない係合部と被係合部とを係合させることで接合する構成であってもよく、接着剤を用いて接合する構成であってもよい。
【0032】
ダクト装置1を組み立てた状態において、右側ダクト装置1Rでは、図8に示すように、二色成形体4の整流部材41(メッシュ部41b)が、右側空調用ダクト2Rと右側レジスタ3Rにより形成される右側ダクト装置1Rの流路上に配置される。また、二色成形体4のシール部材42のフィン42aは、図6に示すように、外側に広がりながら後方に向かって延びる構成であり、図9に示すように、右側空調用ダクト2Rの内周面と右側レジスタ3Rの外周面の間に挟まれることで内側に変形するようになっている。そして、フィン42aがエラストマ製とされ弾性力を有していることから、右側空調用ダクト2Rの内周面と右側レジスタ3Rの外周面の隙間をシールすることが可能となっている。なお、左側ダクト装置1Lの左側接合部5Lの構成も、右側接合部5Rと同様である。
【0033】
4.作用効果
以上のようなダクト装置1(左側ダクト装置1L及び右側ダクト装置1R)は、その左側接合部5L及び右側接合部5Rに整流部材41とシール部材42とが一体的に成形された二色成形体4をそれぞれ設けた構成となっている。このような構成となっていることから、二色成形体4の整流部材41がダクト装置1(左側ダクト装置1L及び右側ダクト装置1R)を流通する空調エアを整流することで、ダクト装置1の振動及び騒音を抑制することが可能となっている。また、二色成形体4のシール部材42が右側空調用ダクト2Rの内周面と右側レジスタ3Rの外周面の隙間、左側空調用ダクト2Lの内周面と左側レジスタ3Lの外周面の隙間をシールすることで、空調エアが逃げることを抑制することが可能となっている。そして、空調エアが逃げることが抑制されることで、インストルメントパネルの裏側に冷風が当たらず、結露を抑制することも可能となっている。
【0034】
また、上記効果を有する整流部材41とシール部材42とが二色成形体4として二色成形により一体的に成形されていることから、部品点数を削減するとともに、組み立て工数を低減することが可能となっている。
【0035】
5.変形例
なお、本発明は、以下の態様でも実施可能である。
・上記実施形態において、二色成形体4は略矩形の板状をなしていたが、二色成形体4の形状は、ダクト装置の断面形状に応じて任意の形状とすることができる。
・上記実施形態では、二色成形体4は機能部材として整流部材41を備えていた。しかしながら、二色成形体4は、機能部材は、他の機能を有するものであっても良い。例えば、機能部材は、空調エアの流速を計測する流速計や温度計等のセンサであってもよく、また、センサ等をダクト装置内に保持するための保持部材であっても良い。
・上記実施形態において、整流部材41は、メッシュ構造を有するものであったが、整流部材41を、板状の整流板を有するものとすることも可能である。
・上記実施形態において、二色成形体4のシール部材42は、図6に示すように、外側に広がりながら後方に向かって延びる構成であった。しかしながら、シール部材42は、接合部5L,5Rをシールすることが可能であれば、任意の形状とすることが可能である。
・上記実施形態において、二色成形体4のシール部材42は、左側レジスタ3L及び右側レジスタ3Rの一端部3L1,3R1(図7A参照)に装着するための装着部42bを備えていた。しかしながら、右側空調用ダクト2Rの内周面と右側レジスタ3Rの外周面の隙間、左側空調用ダクト2Lの内周面と左側レジスタ3Lの外周面の隙間に固定され、これらの隙間をシールすることが可能であれば、装着部42bを有していなくても良い。
・上記実施形態では、ダクト装置1が自動車の空調設備として用いられるものであり、第1筒状部材として空調用ダクトを備え、第2筒状部材としてレジスタ3を備える構成であった。しかしながら、本発明は、自動車の空調設備ではないダクト装置1にも適用することが可能である。すなわち、本発明は、筒状の第1筒状部材と第2筒状部材とが接合部において接合されて構成される各種のダクト装置1に適用することが可能である。
【符号の説明】
【0036】
1 :ダクト装置
1L :左側ダクト装置
1R :右側ダクト装置
2 :空調用ダクト
2L :左側空調用ダクト(第1筒状部材)
2R :右側空調用ダクト(第1筒状部材)
3 :レジスタ
3L :左側レジスタ(第2筒状部材)
3L1 :一端部
3R :右側レジスタ(第2筒状部材)
3R1 :一端部
4 :二色成形体
5L :左側接合部
5R :右側接合部
41 :整流部材(機能部材)
41a :外枠部
41b :メッシュ部
42 :シール部材
42a :フィン
42b :装着部
42b1 :筒状部
42b2 :当接部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9